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エンドブレイカーの戦い⑩〜砂金の海で溺れながら

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #砂月楼閣シャルムーン #プレイング受付中

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●砂中の金
 昼下がり。ひとりの旅人が、慌てた様子で叫び回っていた。
「おい、金貨だ! 街の外にダルク金貨が落ちてるぞ!」
「何を言ってるんだ……?」
「本当なんだって!」
 騒ぎを聞きつけた住民がぞろぞろと集まってみれば——なるほど確かに。
 砂漠の黄土色に混じるように、大量の金貨がそこかしこに散らばっているではないか。
「俺のだ!」
「あ、おい、待てよ」
 我先にと駆け寄った人々の身体が、ずぶりと沈む。
「なんだ!? 地面が……」
 足元を確認するまでもなく、旅人は自分の足が流砂に呑まれていることを悟る。
 否、旅人たちだけではない。子供も、大人も——露店も、建物も。
 流砂は総てを引き摺り込んで、残ったのは、溢れんばかりのダルク金貨の渦のみ——。
「叶えましょう……大好きなモノに囲まれて過ごす最期を。あはッ!」
 渦の中心にいる金色の美女は、嬉しそうに笑うのであった。

●いざ戦場へ
「エンドブレイカーの戦いが始まったね」
 集まった猟兵たちに、鷹野・つくし(天架ける鋼糸・f38792)が声を掛ける。
 「今回の戦場は、砂月楼閣シャルムーン」
 砂月楼閣シャルムーン——広大な砂漠にそびえ立ち、外界との交流の難しさゆえに独自の文化を発展させてきた都市国家。
「敵のエリクシル——『黄金マスカレイド』は、『地底へ沈み続ける無限の流砂』の中心にいる。流砂を踏まずに戦う工夫が必要、かも」
 この流砂は、特殊なユーベルコードで生み出されたものだ。流砂の流れる力は強く、足を踏み入れればたちまちその中へ飲み込まれてしまうだろう。
「皆を送るのは、さっき説明した予知が起こるより前の時間軸。だから、民間人の避難とか、巻き込む心配はしなくても平気」
 遠慮なく戦っておいで、とつくしは続ける。
「流砂に混ざって湧き出てくる金貨は、あくまで黄金マスカレイドの能力で作り出した偽物。流砂と違って、特殊な効果はないみたいだけど……目を奪われて、流砂に呑み込まれないように。くれぐれも気をつけて」
 ひと通りの注意事項を告げると、つくしは皆を送り出すべく、グリモアを起動させた。


TEN
 TENと申します。
 エンドブレイカーの戦いにおける戦争シナリオをお届けします。
 今回は、砂月楼閣シャルムーンにて、すべてを飲み込む流砂の中で『黄金マスカレイド』を倒していただきます。

 一章で完結する戦争シナリオです。
 早期完結を重視して執筆するため、採用順が前後したり、未執筆のプレイングが残っていても早めに完結したりする場合がございます。ご承知おき下さい。

●プレイングボーナス
 流砂を踏まない工夫を行う。
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第1章 ボス戦 『黄金マスカレイド』

POW   :    金色の巨人
全身を【ダルク金貨で構築した】装甲で覆い、身長・武器サイズ・攻撃力・防御力3倍の【黄金巨人】に変身する。腕や脚の増加も可能。
SPD   :    金色の欲望
全身を【輝く黄金の光】で覆い、自身の【欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    無限の金色
【手の平から】から無限に供給される【ダルク金貨】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。

イラスト:喜良原

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミカエラ・マリットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鳳・雛子
まるで蟻地獄だな。しかしこちらは空中浮遊などで空中にいる、案ずることはない
奴さんもじきに空に上がって来るだろう。そこで思う存分相手をしてやるさ

キャバリアに乗った状態で空中機動しながらUCによるショットで遠距離攻撃
仮に懐まで飛び込んできたならばブレードをぶん回して斬り落とす
基本はショットによる遠距離攻撃を軸にした上で距離を詰められないようにする

戦い方としてはこれだけなんだが、撃墜されないよう攻撃に対して警戒は厳にしておかねばな
後は金貨に目がくらまないように気を付けつつ。金に見せかけて実は真鍮だったりしてな




「あの流砂を踏んだが最期、地の底まで引き摺り込まれるというわけか。まるで蟻地獄だな」
 空中からの攻撃を試みるべくキャバリアに乗り込みながら、鳳・雛子(Angel Wing・f40342)はそう独りごちた。機体が駆動を開始し、天使の羽が空中を駆る。
『黄金マスカレイド』——金の肌を持つ淑女は、黄金色混じりの砂漠にぽつりと佇んでいる。だが、雛子が注意深く観察すると、中心部にかけて薄っすらとした傾斜があることが分かるだろう。
(「しかしこちらは空中にいる、案ずることはない」)
 ロック・オン——Luminous Shot。
 雛子の放ったルミナスの光弾が、黄金マスカレイドに命中する。
「このッ……」
 負けじと、黄金マスカレイドも金貨を弾丸のように発射した。雛子は素早く後ろへ飛び退き、金貨が届かない場所まで距離を取ってからショットを再開する。射撃戦の優位戦は、空中で戦う雛子の方にあった。
 罠に掛からない敵に焦れているのだろうか、黄金マスカレイドが挑発的に叫ぶ
「遠くからチマチマ撃たれたって痛くないですわ。降りてきたらどうかしら?」
「お互い様だろう」
 極めて冷静に、雛子は返す。
「上がってくるといい。|空中《ここ》で思う存分相手をしてやるさ」
「くっ!」
 黄金マスカレイドの全身が瞬く間に黄金の光で覆われる。金貨を纏った体が、飛翔して雛子を墜落させるべく迫り来る——!
 振り落とすように、雛子はブレードを薙いだ。硬質な謎の金属でできた巨大剣は、金に覆われた黄金マスカレイドの体を切り裂いた。
(「予想より強度がある。金に見せかけて実は真鍮だったりしてな」)
 墜落してゆく黄金マスカレイドの切れ心地をその手に感じながら、雛子はふと思うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィル・グラマン
●SPD【ゲーマーズ】

おーい、ザイーシャ
アレはどう見ても、あの金色おばさんが流砂の中にある金貨を太陽で光らせて欲に目が眩んだ奴らを誘き寄せる罠だろ

あの流砂がユーベルコードなら、ユーベルコードでどうにかするのは悪手だろうな
なら、こうしてやろうぜ
『サイバー・インストレーション』!

にゃははは、どうだ見たか
オレ様の電脳魔術にかかれば流砂の上にブロックを浮かべるなんて…ザイーシャ、ストップ!それ以上はダメだ!!

そんな感じに足場になるブロックを作りながら金色おばさんを追い詰めていくぜ
逆にあっちがこっちに乗り込んできたら、ブロックを叩いて迎撃ギミック発動
便利アイテムが出るブロックとか罠ブロックもあるけどな!


ザイーシャ・ヤコヴレフ
●WIZ【ゲーマーズ】

|Красиво《まぁ、綺麗》!
ねぇ、ウィル
太陽の光で砂がキラキラ反射して本物の黄金みたい♪

ちぇー、それじゃ|遊んだら《・・・・》あの金貨も消えちゃうんだ
まぁ、ウィル知ってる
これっておヒゲのおじさんで有名な…これ以上言っちゃダメ?
|Скучно《つまらないのー》

じゃあ、私からも…えい♪
ブロックの間を『ガラスのラビリンス』で繋いだ見えない橋よ
ここに逃げ込めば金色おばさんの金貨投げは大丈夫かしら?
確かこれはがんばr…えー、これもそれ以上言っちゃダメなの

ウィルと一緒にブロックからブロックにジャンプしながら移動して、金色いばさんを迎え撃つね
この緑色のキノコは毒キノコだったかしら?




「|Красиво《まぁ、綺麗》!」
 灼熱の太陽が、じりじりと砂漠を照らす中。ザイーシャ・ヤコヴレフ(|Кролик-убийца《殺人バニーのアリス》・f21663)は声高らかに言うと、背後の少年を振り返った。
「ねぇ、ウィル。太陽の光で砂がキラキラ反射して本物の黄金みたい♪」
「おーい、ザイーシャ」
 乾き切った砂漠へ花咲くような微笑みを向ける少女に、背後の少年——ウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)は呆れ顔で返す。
「アレはどう見ても、あの金色おばさんが流砂の中にある金貨を太陽で光らせて、欲に目が眩んだ奴らを誘き寄せる罠だろ」
 目論見がバレてか、はたまた『おばさん』と呼ばれてか。ウィルの言葉に黄金マスカレイドの顔が引き攣ったのは、きっと気のせいではないだろう。
「ちぇー、それじゃ|遊んだら《・・・・》あの金貨も消えちゃうんだ」
 ザイーシャはいかにも残念そうに呟いた——だからといって『遊ぶ』のをやめる選択肢なんて、ないのだけれど。
「あの流砂がユーベルコードなら、ユーベルコードでどうにかするのは悪手だろうな」
 平常運転の少女を横目に、ウィルは思考を巡らせる。
「あら、ウィル。それならどうするの?」
「こうしてやろうぜ——『サイバー・インストレーション』!」
 ウィルが詠唱を終えるやいなや、空中にたくさんのブロックが浮かび上がった。二人は、レンガでできた足場にしやすそうなソレに飛び乗って、ブロックの間を渡り歩き、敵の攻撃を掻い潜りながら流砂の中心へと近付いてゆく。
「にゃははは、どうだ見たか。オレ様の電脳魔術にかかれば流砂の上にブロックを浮かべるなんて……」
「まぁ、ウィル」
 得意げに腕を組むウィルに、ザイーシャは、感心したような驚いたような声をあげる。
「知ってる。これっておヒゲのおじさんで有名な……」
「ザイーシャ、ストップ! それ以上はダメだ!!」
「ダメ? |Скучно《つまらないのー》」
 途端に焦り出すウィルと、拗ねてみせるザイーシャ。
「ちょこまかと。撃ち落としてあげましょう!」
 そんな一幕に痺れを切らしたのか——黄金マスカレイドは宙へと飛び上がるや二人のもとへ接近し、ウィルの立つ足場を砕くべく拳を振り上げる。
「おっと、そこは罠ブロックだぜ」
 ウィルがひらりと飛び上がる。黄金マスカレイドの拳が黄色いブロックを殴りつけると、緑色の何かが飛び出した——あれは毒キノコだったかしら、とザイーシャは思い出す。
「ぐっ!」
 黄金マスカレイドは、毒を受けて空中でよろめきながらも、次なる反撃に移ろうと掌に金貨を生成し始めた。
「じゃあ、私からも……えい♪」
 ザイーシャが『ガラスのラビリンス』を発動させると、ブロックとブロックを繋ぐように透明な橋が顕現した。すかさず二人で転がり込むように迷宮の中へ跳ぶ。射出された金貨の攻撃を、ガラスが弾き返した。
「これなら金色おばさんの金貨投げは大丈夫かしら。確かこれはがんばr」——ウィルの咳払いが挟まる。むぅ、と口を尖らせるザイーシャ。
「金貨の価値も知らない餓鬼共がッ!」
『黄金マスカレイド』が激昂すると、呼応するかのように淑女の身体が輝きを増してゆく。
 その隙に二人は迷宮から抜け出すと、敵の攻撃を迎え撃つべく、再びブロックに飛び移った。ウィルは軽やかにブロックを飛び移り、そのうちの幾つかを叩いた。そこに潜むのは、罠だけではない。
「オレ様も知ってるぜ、|金貨《コイン》の価値くらい」
 ——少なくとも、アイテムと同様に、集めると有利になることは。ブロックから出たアイテムによりウィルの肉体が強化される。二つの拳が交差し——力負けした黄金マスカレイドの体は、流砂の地へと叩きつけられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神臣・薙人
黄金マスカレイド…
何処かの王様を思い出させますね
呑まれる人が出る前に倒しましょう

転送後すぐに血風紅桜を使用して飛翔
以降、騎乗状態で戦います
なるべく相手から距離を取りつつ
桜花を飛ばして攻撃
ダルク金貨が飛んで来た際は
周囲を旋回して回避しつつ
足元に桜花を飛ばして
足を止めていられないようにします
他の時も手や足等
攻撃や移動に支障が出そうな所を重点的に攻撃
届きそうなら白燐蟲も飛ばして攻撃します

騎乗している紅桜が破壊される
もしくは自分が落ちそうになった際は
UCを再使用し騎乗状態を維持
流砂の上に落ちない事を最優先
負傷時は桜花を使用して治療

金貨に興味はありませんが
光るでしょうから
目が眩まないように直視を避けます




「ぐッ、次から次へと……!」
 黄金マスカレイドは、肩で息をしながらも、次なる猟兵の襲来を待ち構えていた。
「癒すために、倒すために——」
 ふと、静かな声が辺りに響き渡る。黄金マスカレイドは急いで背後を振り返り、一人の青年——神臣・薙人(落花幻夢・f35429)の姿を認めた。
 ひらり、ひらり。薙人の掌から無数の桜の花びらが零れ落ちてゆく。桜花は、瞬く間に薙人の足元へと散り、空舞う桜の絨毯を形作った。
 薙人は流砂に足を取られることがないよう、桜花に乗り飛翔を始める。
「あら、お揃いね」
 黄金マスカレイドは鼻を鳴らすと、掌を掲げた。そこから溢れ出すのはもちろん、桜の花びらではなく——ギラギラと輝く金貨。
「けど、|金貨《こっち》の方が美しいわ!」
(「黄金マスカレイド……何処かの王様を思い出させますね」)
 睨みつけてくる黄金色の淑女の姿に不思議な既視感を覚えながらも、薙人は倒すべき標的を凛と見据えた。
 黄金マスカレイドが金貨を射出すると同時に、薙人はそちらへ手を向けた。
 砂混じりの乾いた風に、桜の刃が混ざる。
「ぐっ!」
 黄金マスカレイドに桜の花びらが突き刺さった。狙うは足。落ち着いて照準を定められない状態にしてしまえば、此方に利があるはずだ。蹈鞴を踏んだ黄金マスカレイドの射撃が止まる。薙人は、すかさず退路も進路も断つように、桜花の群れを差し向けた。
 「こ、このッ……」
 苦し紛れに放たれた金貨の一つが、薙人の頬を掠めた。すぐに旋回して直撃を避ける——だが、狙いを外した金貨たちが視界にじゃらじゃらと映り込む。太陽に照り付けられた金貨の直視を避けるべく、薙人は一瞬視界を外した。
「はあ、はあ、……あははッ! 誰も金の魅力には抗えないのよ!」
 それを最後の好機と見たか。黄金マスカレイドは、薙人に向けて大きな金貨を撃ち放った。
(「金貨に興味はありませんが……」)
 それに心を奪われて、苦しむ人が居るならば。
「呑まれる人が出る前に、貴方を倒します」
 薙人を包み込むように、桜吹雪が巻き起こる。
 人々を癒す桜花が、欲望の塊を切り裂いた——。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シモーヌ・イルネージュ
金貨はあればあっただけありがたいけど、ここまであるとありがたみが無くなるね。
それに日差しがあるから、まぶしすぎ!

ともかく砂に飲まれないように戦うならば空中戦を挑むのが一番だ。

黒槍『新月極光』で戦うよ。
UC【聖衣着装】を発動。空を駆けるブーツを呼び出そう。
これで機動力はばっちり。ジェネレーターの推力とブーツの旋回力で
敵を翻弄しよう。

攻撃の金貨は槍で【武器受け】しつつ突撃。
すれ違いざまに【怪力】で槍を振るって、砂漠に【吹き飛ばし】しよう。

このスリル感は金じゃ買えないんだよな。




 満身創痍となった『黄金マスカレイド』の肉体から、金貨が血液の如く流れ落ちている。零れ落ちた、或いはばら撒かれた金貨たちは、砂漠の熱気に照らされ、ギラギラと品のない輝きを放っていた。そのような光景を見て、シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は苦笑した。
「金貨はあればあっただけありがたいけど、ここまであるとありがたみが無くなるね」
 傭兵として働くシモーヌは、お金のありがたみを十分理解しているが——これだけ無差別に大盤振る舞いされては、むしろ陳腐に感じるというもの。
「それに日差しがあるから、まぶしすぎ!」
「馬鹿な。金、金、金は多ければ多いほど強いのよ。思い知らせてあげる!」
 からりと笑うシモーヌに黄金マスカレイドが吼えると——どちらからともなく、双方攻撃の構えを取った。
 先陣を切った猟兵たち同様に、シモーヌはこう考える——砂に飲まれないように戦うならば、空中戦を挑むのが一番だ、と。
「我の求めに応じ、姿を現せ……着装!」
 シモーヌは、ユーベルコード|『新月極光』《ローブデコルテ》を発動させた。声に応えて召喚されたのは、地を蹴り空を駆ける黒炎のブーツ。ブーツは黒き光とともに、シモーヌの足へぴったりと収まった。
「さあ、これで準備万端だ。行くよ!」
 人狼の少女は空中へと跳ぶ。無数の金貨が空中の少女を襲う——だが、シモーヌはくるりと槍を振るってそれらを受け流しながら、敵の元へと一直線に突撃した。
「来……来るなッ!」
 その予想外の速度に怯んだ黄金マスカレイドは、拳に金貨を纏い、応戦すべく防御の姿勢を取る。だが、予想していた衝撃が、来ない——?
 ほんの一瞬の時間差をつけて、シモーヌはすれ違いざま、横腹への一撃を放つ。防御の隙を突かれた敵は、砂漠のど真ん中へと吹っ飛ばされた。
 砂漠に打ち付けられた黄金マスカレイドは、とうとう金貨の塊へと形を変えると、ばらばらと崩れ落ちる。
 シモーヌは、この砂漠一帯を取り巻く嫌な空気が消え去ったのを感じた。
「このスリル感は金じゃ買えないんだよな」
 そして槍を下ろし構えを解くと、満足げに呟くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月08日


挿絵イラスト