エンドブレイカーの戦い④〜騙す気はたぶんゼロ
「何だありゃ」
森の中、開けた場所に不自然に密集した宝箱を見つけたエルフが声を発す。
「宝箱……って、こんな森の中に不自然にもほどがあるだろうが!」
思わずツッコめばビクッと宝箱のいくつかが震えて。
「っ、コイツらミミックか……こうしちゃいられんっ!」
厳しい表情を作ったそのエルフは慌てて踵を返す。報告を受けた自警団が出動し迎撃に当たる少し前の出来事であった。
「ってことがあるらしくてね?」
君たちに声をかけたミカ・ノルンベイラ(エルフの自由農夫・f39081)によると、れもエンドブレイカー! の世界で起きている大きな戦いに関連しているのだと言う。
「エルフヘイムって高さ数千mを誇る巨大樹木群を基に形成された、古く美しき森の都市国家があるんだけどさ」
ミカの故郷でもあるエルフヘイムにある森へとエリクシルに蘇生されたモンスターやマスカレイドが押し寄せて来ているらしい。
「各地の自警団が迎撃に当たってるんだけど、どうにも敵が多くて手が足りないんだよー」
そこで君たちにも応援に向かって押し寄せて来ている敵を倒してほしい、とこう言うことの様だ。
「現地まではボクが転送するとして、みんなにやっつけて欲しいのはミミックって宝箱への完全変形能力を持つ、戦闘型ゴーレムだよ」
危険な殺戮兵器を搭載し、宝箱に油断して近づいた侵入者を攻撃するらしいが今回はコイツらの方が侵入者である。
「森の中に不自然に居たせいであっさりミミックだってバレたみたいだけど」
危険な兵器を搭載したゴーレムが多数居るのは脅威だ。自警団のエルフらは熟知してる周辺の地形を活かして立ち回っているようだが彼ら彼女らだけでどうにかできないのは先ほどミカが述べた通り。
「この地形を活かして戦うってのはみんなにも出来ると思うし」
こうエルフ達に加勢し「森の木々の上を飛び回る」等の地形を利用した戦い方をすれば優位に立ちまわることも可能かもしれない。
「必死に戦ってる自警団の人たちの為にも」
ミカはお願いねと君たちに頭を下げるのだった。
聖山 葵
完全変形能力がほぼ死に能力となってる件について。
という訳で今回はエルフヘイムのエルフたちに加勢し、襲来する敵を撃破していただくお話となっております。
尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になるようです。
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プレイングボーナス:森の地形を利用して戦う。
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ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 集団戦
『ミミック』
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POW : ドリルクロー
【機械の爪】を高速回転し続ける事で、威力増加・回転武器受け・レベル×5km/hでの飛翔を可能とする。
SPD : ミミックビーム
自身の【宝箱(頭部)の中】から極大威力の【破壊光線】を放つ。使用後は【擬態解除】状態となり、一定時間行動できない。
WIZ : 擬態からの不意打ち
【宝箱に擬態していた】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
イラスト:エンシロウ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
戦力配置を間違われておりますねぇ。
『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアと『FLS』の空間歪曲障壁を展開しまして。
【壊霞】を発動し広域へ『乳白色の霧』を放射、[範囲攻撃]を行いますねぇ。
『森林』という地形で有れば『霧』等が発生することが多い分、これが攻撃と気づくまでのタイムラグが見込めますし、結果『霧』による拘束が行われ移動自体を止めてしまえば『爪の回転』も意味を持たず、周囲を覆う『霧』を『回転受け』で受けきるのは困難ですぅ。
後は『自壊誘発』でゴーレムを動かす『中枢部』崩壊を招きつつ、『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FGS』の重力弾で[追撃]、順に仕留めましょう。
「戦力配置を間違われておりますねぇ」
そう夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)に言われてしまうのも無理からぬこと。何も考えずただ数が居ればいいと手当たり次第にエリクシルが蘇生させた結果、侵攻先にそぐわぬものの腐らせておくよりはマシとこの地に向かわせたのかもしれないが。
「おい、あそこ!」
「向こうにもいるぞ!」
エルフの自警団の面々が森に点在する不自然な宝箱を指さし、あるいは矢をつがえた弓を向けた。敵がミミックであることが伝わってしまっており、宝箱とミミックがイコールで結ばれてしまっている以上、宝箱に化けようとも油断して近づいてくる者などいなかった。
「では、参りましょうか」
未だ間抜けにも宝箱に変形したままのミミックへと先制攻撃が行われそうな光景を視界に入れつつ、るこるは|3対のオーラの翼《FAS》で空に飛び立つと|浮遊する16枚の札《FLS》を用いて空間歪曲障壁を展開し。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『霧の加護』をお与え下さいませ」
捧げる祈りによって森が霧に覆われてゆく。
「何だ?」
「霧?!」
眼下の森で動くエルフたちも突然の霧に驚く者が出てはいたが、問題はない。
「ギッ」
「ガガッ」
乳白色の霧によって拘束されたミミックの一部は正体を現すことすらできず。
「おい、アイツら動けないみたいだぞ?」
「あっちの奴は勝手に壊れてないか?」
自壊を誘発されてエルフたちに襲い掛かることすらかなわず大破したミミックに至ってはもう動き出すこともない。
「念には念を入れておきましょうかぁ」
|浮遊する20台の球体と対になる一対の腕輪《FRS》を砲台に変え、|12枚の小型ビームシールド《FSS》中央の砲門をるこるが向ければ、そこから始まるのは一方的な破壊だった。
「ギゴッ」
|浮遊する16本の錫《FGS》による重力弾の影響を受け圧壊したミミックの残骸が森に散らばり。
「この辺りはもう良さそうだな」
「ああ、だが向こうにもまだいる」
何体かのミミックがスクラップになったものの、一人のエルフが示した先にはいくつか宝箱の姿があり。グリモア猟兵が協力を求めただけあって、戦いはまだ続きそうだった。
大成功
🔵🔵🔵
アンゼリカ・レンブラント
森の中に不自然に置かれた宝箱
まあ何かはあるよね
さてミミックたちをエルフ達に加勢し闘うとしよう
森の地形を利用し闘うことを意識
木の上を飛び回り、上からワッパーを放って敵を絡め
動きの止まったところで光剣で斬る
相手は多数だろう、決して無理せず基本は
木の上を移動し、敵から距離を取り隙を作り出す
相手が動いて来るなら行き止まりや足場が悪いところに
誘導するよう動いて戦おうかな
エルフに協力してもらえれば地の利はこちらにあり
万全を以て戦うことが出来るね
そして攻撃の際は全力で――
究極の光を宿す《真・断罪閃光剣》をお見舞いし
確実に倒す
なぎ払いで撃ち込み一度に多くの敵を巻き込めれば尚いいかな
さぁ、次々と片付けていくよ!
レオンハルト・シャルラッハロート
絡み/アドリブ共に可
-戦争だというのにマヌケな敵が現れたな。
とは言え油断は禁物。…それにエルフヘイムはボクの思い出の地。
それを汚されるのは良くないな。
今回は名乗りを上げず、|黒風《シュヴァルツェヴィント》に跨りシュトルム(ハルバード)を振るって戦う。
(UCはここで発動)
「唸れシュトルム!」
フェニックスは索敵を担当し、敵の位置を把握しつつ、それを他の猟兵等へ呼び掛けながら一撃離脱の戦法で敵を攻撃。
敵を全滅させたら、兜を脱いで一礼。
そして、ウェンディの森の方角を向き、昔の記憶に思いをはせながら、
左手の指輪を撫でます。
ー勝ったよ。(妻の姿を思い浮かべつつ)
クローネ・マックローネ
絡みOK、アドリブ歓迎
【SPD判定】
…成程、確かに不自然過ぎて擬態能力が完全に死んでるね。
ミミックちゃん側が守る側であればそれなりに厄介だったかもしれないけど…今回はこちらが守る側。
【拠点防御】はワタシの得意分野の一つなんだよね。
負ける気は、全然しないよ。
UCは「ワタシの空飛ぶドラゴニアンちゃん達」を使用。
森の木々の上や間を飛び回りながら、射撃武器で攻撃してもらうよ。
炎系のドラゴンブレスは木が燃えちゃうから無しだね。
自警団の皆とドラゴニアンちゃん達の【集団戦術】で、この状況を乗り越えるよ。
主・役
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ほっほう、森の地形を利用せよ、と。つまりえにっちゃんの|フリーランニング《パフォーマンス、地形の利用、悪路走破、ジャンプ、空中戦》の出番だね。
障害物も敵も敵の攻撃もえにっちゃんの前では足場でしかないのだよ☆
|ゾーンに入って神憑り《戦闘演算、降霊》の動きでリアル人力TASといこうか。えにっちゃんのダンスのごとき華麗なる空中殺法を魅せてあげよう。
離れてる時は木の実や拾った石を指弾でクイックドロウ、近接したら足場にするついでに|細かく刻むような足さばき《ハッキング》で|浸透勁《鎧無視攻撃》で蹂躙してあげよう。
「――戦争だというのにマヌケな敵が現れたな」
気づかれていないと思っているのか、自身に見られつつも宝箱のふりを続ける敵をレオンハルト・シャルラッハロート(不死鳥の天誓騎士・f38951)はそう評した。
「森の中に不自然に置かれた宝箱。まあ何かはあるよね」
腕を組んで一つ頷いてからついとアンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)が視線を逸らしたのは、優しさだろうか。それともこれが騎士道精神と言うモノなのだろうか、もっとも。
「……成程、確かに不自然過ぎて擬態能力が完全に死んでるね」
すぐ後に言葉の直球をクローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)がぶつけたことで同省もなく迂闊な存在であることはほぼ逃れ得なくなったが、まぁそれはそれ。
「ミミックちゃん側が守る側であればそれなりに厄介だったかもしれないけど……今回はこちらが守る側」
宝箱としての偽装が息をしてないので位置が丸わかりな上、クローネが言うように本来得物を待ち伏せて動かないタイプのゴーレムなのだからミミックらにとってこの状況下が不向きなのは議論するまでもない。
「とは言え油断は禁物。……それにエルフヘイムはボクの思い出の地。それを汚されるのは良くないな」
その上で慢心することなく表情を緩めはしないレオンハルトは一瞬だけ視線をここではないどこかに向けると、|黒い体表のグリフォン《シュヴァルツェヴィント》に跨ったまま手にした槍斧・シュトルムの柄を握り締め。
「ほっほう、森の地形を利用せよ、と」
味方が今にも動き出さんとするところで、グリモア猟兵の説明の一部を反芻するのは、主・役(エクストリームアーティスト・f05138)。
「つまりえにっちゃんの|フリーランニング《パフォーマンス、地形の利用、悪路走破、ジャンプ、空中戦》の出番だね」
何やら一人結論を出し投げた視線の先は木々の生え茂る合間に宝箱の点在する光景。それらをコースと見なし。
「さて、|エルフ達《あちら》に加勢し闘うとしよう」
「ああ」
役が足を一歩前に進める前にアンゼリカが近くにある樹へと登り始めれば、アンゼリカへと応じたレオンハルトを乗せ|黒風《シュヴァルツェヴィント》が木々の合間から見える空へとフェニックスと共に飛び立つ。
「そこだ!」
「ギッ」
既に猟兵が加勢し、何体かのミミックが撃破はされている戦場で樹上からアンゼリカの放った|黄金旋風《黄金で補強されたワッパー》が宝箱の姿のままのミミックを絡めとり。
「裁きの光よ、我が身に集いて剣となり全てを切り裂け!」
宝箱から本来の姿に戻れぬままに飛び降りて来たアンゼリカの光剣が中央からミミックの身体を左右に二分する。
「うおっ」
「なんと、一太刀で」
目撃したエルフ数名がどよめく中、別のミミックへ上方から影が差す。
「唸れシュトルム!」
名乗りは上げない。声と共に薙ぎ払われたハルバードの一撃は擬態を解き機械の爪を高速回転させ始めたミミックが突きを繰り出すより早くその身をひっくり返し。
「シュヴァルツェヴィント」
名を呼ばれたグリフォンはミミックが身を起こし反撃を繰り出すよりも先にレオンハルトを乗せて空へと逃れる、いや。
「今だ!」
身を起こす余裕もなかったというのが正しいか。好機と見て弓につがえた矢を自警団のエルフらが放ち。
「ここはカワイイドラゴニアンちゃん達にも頑張ってもらうね」
クローネの召喚した130人を超す漆黒の肌と竜の翼や尾を持つ女性がエルフたちに加勢する形でミミックに銃撃を見舞う。先にレオンハルトの一撃を貰っていたミミックが完全に動きを止めるのにはエルフとドラゴニアン数名分の射撃で事足りた。
「ギギッ」
「ガッ」
故に残った120余名のドラゴニアンたちが他のミミックへと銃撃を開始したとしてもそれは自然な流れ。森の中であるからと炎のブレスを吐くことは自重し、銃撃のみに徹していても十分通用した。
「」
接近する者を待ち宝箱の姿のミミックは最初の銃弾が命中するまでは動かない、すなわちただの的である。上空でフェニックスに索敵を任せていたレオンハルトが敵の位置を告げれば、数を頼りに集中砲火を浴びせてミミックは反撃を行う前にスクラップと化してゆく。
「本当に助かったわ。あたしたちだけならどうなってたか」
ドラゴニアンたちの集中攻撃に弓を用いて参加したエルフの女性が蜂の巣になって動かない複数のミミックの残骸を横目で見て礼を述べ。
「遅い、実に遅いね☆」
同じ景色を視界の右手の端に収めつつ役は|大気を圧縮して駆動力に変えるインラインスケート《レガリアスシューズ》で森の中を駆け抜ける。
「障害物も敵も敵の攻撃もえにっちゃんの前では足場でしかないのだよ☆」
豪語しつつ近づけば宝箱のままだった一体のミミックがようやく動き出し。
「なぜなら、理論上可能ならそれはできることだってばっちゃが言ってた☆」
どう考えても当たらないのがおかしい程の速さで、役の不意を突いている筈の機械の爪による一撃が役の身体をすり抜け。
「えにっちゃんのダンスのごとき華麗なる空中殺法を魅せてあげよう」
レガリアスシューズのローラーがミミックに乗り上げ、足場にされたミミックは役に|細かく刻むような足さばき《ハッキング》で|浸透勁《鎧無視攻撃》を叩き込まれて内から爆ぜる様に部品をばら撒きを止めて。
「東の方に数体、固まってるよ」
「やあ☆」
スクラップを足元に残し宙を舞う役はレオンハルトが発した声を知覚した直後に木の実や拾った石指で弾いていた。
「ガッ」
「ゴッ」
指弾が命中したミミックたちは流石に宝箱のフリは続けられず動き出すが。
「ようやく動き出してくれたね。ほら、こっち!」
注意を引きつつ沼や泥濘といった足場の悪そうな方へとアンゼリカがミミックを誘導し。
「砕け散れ!」
「ゴガッ」
誘き出されたミミックを待つのは、|黒風《シュヴァルツェヴィント》に跨り空から襲い来るレオンハルトの一撃。
「ガガガッ」
一矢報いることすらできず動きを止めたミミックの後続は矢と銃弾の雨に晒されて動きを止めた。
「裁きの光よ――」
その一方で倒れた仲間が盾となって生き延びたさらに後続のミミックらを薙ぎ払うようにアンゼリカが峻烈なる裁きの光を宿した聖なる斧剣を振るえば、真っ二つになったミミックらの身体は吹き飛んで樹の幹に激突し拉げて機能を停止する。
「エルフに協力してもらえるから地の利はこちらにありと言うか、万全を以て戦うことが出来るね」
「いや、我々は大したことはしていない」
むしろ助けられているのはこちらだと一人のエルフは言い。
「さぁ、次々と片付けていくよ!」
「ああ」
アンゼリカの言葉に応じたエルフが弓へ矢をつがえる。そこからはミミックたちとの戦いにと言うよりはエルフの自警団と猟兵たちが共に戦うことに慣れてきたというのもあったのかミミックを撃破するペースは上がり。
「終わりましたね」
やがて動くミミックが一体もなくなると、レオンハルトは|黒風《シュヴァルツェヴィント》から降りて兜を脱ぎ、一礼する。
「あの森は向こうの方でしょうか」
徐に一方へと向き直ると目を閉じ、レオンハルトの意識はここではなく過去へと誘われ。
「――勝ったよ」
左手に嵌めた指輪を撫で、思い浮かべた己の妻へとそう告げたのだった。
大成功
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