エンドブレイカーの戦い②〜境界線上の激闘
●新たなる勇士達と共に
「エンドブレイカーの世界で大きな動きが確認されたわ。『11の怪物』の内の残る8柱が一気に動き出し、エンドブレイカーの世界の大地そのものである『大地母神』の殺害を企ているの」
グリモアベースにて、アヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が集まった猟兵達を前に説明を始める。
もし『大地母神』が殺害されてしまえば、エンドブレイカーの世界は一切の『次元移動能力』を失うと同時に、異質な存在である猟兵達も追放されてしまう。
そうなればエンドブレイカーの世界はエリクシルの手に落ち、滅びと言うバッドエンドは避けられない物となるだろう。
「今回みんなには『滅びの大地との境界線』に向かってもらう事になるわ。既に現地では伝説の勇者ラズワルドと、彼の招集に応じて馳せ参じた『新たなる勇士の軍団』がエリクシルの大軍勢と激しい戦いを繰り広げているそうよ」
彼らは猟兵でこそないが極めて強く、比較的優勢に戦いを進めているとの事だ。
……とは言え、猟兵の助けがなければエリクシルを滅ぼす事は出来ず、やがては敗北を喫してしまい、エリクシルの大軍勢が次々と押し寄せてくるだろう。
彼らの敗北は都市国家の壊滅にも繋がりかねないのだ。
「それで、みんなには『ギガンウォーム』の大群と一進一退の攻防を続けている『新たなる勇士の軍団』の加勢に向かってもらいたいの」
ギガンウォームとは巨体が特徴の凶暴な虫型モンスターである。
奴らはエリクシルほど強くなく、新たなる勇士達も皆高い戦闘力を持っている事から彼らがそう易々とやられるような事はないそうだ。
だが敵は数の暴力で攻めてくるため、長期戦は確実な物になるだろうとアヤカは言う。
「彼らと協力しつつ、長期戦を乗り切る工夫があると戦いが有利になるかもね」
いくら高い戦闘力があっても、勇士達の体力は有限だ。
加えて延々と間断なく押し寄せてくる敵の大群をどうするかも鍵となるだろう。
「さあ、エンドブレイカーの戦いの始まりよ。みんな、頑張ってね!」
その言葉と共に話を〆ると、アヤカはグリモアを展開しゲートを開く。
エンドブレイカーの世界を守る戦いの幕が今、上がろうとしていた……。
NS
はいどうも、|NS《えぬえす》でございます。
夏休み明けでいよいよエンブレの戦争が始まりましたね。
戦争シナリオ一本目となります、どうぞよろしくお願いします。
●目的
新たなる勇士達と共にギガンウォームの大群を迎え撃つ。
プレイングボーナス:新たなる勇士達と協力し、長期戦に対応する。
彼らの戦闘力は猟兵並に高く、現地のユーベルコードを行使して戦います。上手く協力しつつ長期戦を乗り切る手段を考えてみて下さい。
●ご注意
プレイング受付は章の導入部を書いてから開始となります。
戦争シナリオは戦況にも影響するため、なる早で完結を目標としております。
そのため、リプレイは出来るだけ早めにお返し出来ればと思います。
また、クリアに必要な人数が集まり次第プレイング受付を締め切る方針です。
その際には『プレイング受付〆切』とタグに表記します。
もし参加人数が多い場合、不採用も出る事を予めご了承の上でご参加下さい。
それでは、新たなる勇士達と共にラズワルド・ウォールを守りましょう。
第1章 集団戦
『ギガンウォーム』
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POW : 踏み潰し
【踏み潰し】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
SPD : ウォームスウォーム
対象の周りにレベル×1体の【巨大イモムシ型モンスター】を召喚する。[巨大イモムシ型モンスター]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
WIZ : 爆破鱗粉
着弾点からレベルm半径内を爆破する【鱗粉】を放つ。着弾後、範囲内に【大量の蟲】が現れ継続ダメージを与える。
イラスト:あなQ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●激戦区にて
「疲労及びケガをした者は直ちに後退を! 少しでも休ませるんだ!」
「撤退までの時間はバトルアーマーを使える者がフォローに入れ!」
「私がシールドバリアで援護に入ります! 負傷者を回して下さい!」
時を同じくして、滅びの大地との境界線では勇士達とギガンウォームとの激しい戦いが繰り広げられていた。
戦力としての質は勇士達が遥かに上だが、数では敵側が圧倒的に上回っていると言ったところであろうか。
倒しても倒してもやってくるギガンウォームの大群は実際驚異的と言えよう。
「……もう少しこっちに援護は回せないのか?」
「どこも手一杯だ! ここは我々だけで何とかするしかない!」
「く、やはりそうなるか……これは厳しい戦いになるぞ……!」
これ以上の援軍は見込めない事に落胆しつつも勇士は覚悟を決めて武器を握り直し、ギガンウォームに立ち向かっていく。
このまま行けば、おそらくは勇士達の体力が底を突くのが先やもしれない。
そうなれば防衛線が総崩れになる事は必至……だが、まさにこのタイミングで猟兵達が滅びの大地との境界線へやってきたのは、勇士達にとって幸運と言う他なかった。
さあ、勇士達と共に長期戦になるであろうギガンウォームとの戦いを制するのだ!
クローネ・マックローネ
絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】
この巨体でこの数は…厳しいね。
でも大丈夫。
ワタシに手があるよ。
勇士ちゃん達と協力して戦うよ。
【集団戦術】はワタシの得意分野。
ドーンと任せてよ。
UCは「ワタシの認識改竄光」を使用。
潰されないように気をつけながら、何度も発動して敵を同士討ちさせるね。
ワームちゃん同士で傷つけ合ってもらえば、こちらの消耗を抑えられるよね。
ワームちゃん達が同士討ちしている間に、勇士ちゃん達には傷の手当てと疲労の回復をしてもらうよ。
後は数が減って弱ったところを攻めるだけ。
弱ったワームちゃんにしっかりトドメをさすよ。
●猟兵見参
「早速やり合ってるね。それじゃ、ワタシもお邪魔するとしようかな、っと」
戦いが激しさを増す中、ゲートを抜けてやってきた一人の猟兵――クローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)が加勢に入る。
ネクロオーブから放たれた漆黒の光線が、勇士の一人に襲い掛かろうとしていたギガンウォームを貫き、その命を刈り取った。
「よっと……助けに来たよ」
「た、助かったぁ……」
「この巨体でこの数は……厳しいね」
まさに間一髪のタイミングでクローネに命を救われた勇士が安堵する。
しかし、敵は待ってくれない。
ギガンウォームは際限なく現れ、数の暴力でこちらを押し潰そうとしているのだ。
油断すれば、あっと言う間に奴らの餌食となってしまう事だろう。
「でも大丈夫。ワタシに手があるよ」
「策があるんですか? 一体どうするんです?」
「それにはみんなの協力が必要不可欠だけど、大丈夫だよね?」
クローネの問いに勇士が頷く。
今この場において、頼りになるのは猟兵だ。
勝つためには彼女の策に乗るしかないと、彼らも理解している。
「我々はあなたに命を預けます、よろしくお願いします!」
「おっけー、集団戦術はワタシの得意分野。ドーンと任せてよ」
そう得意げに胸を張るクローネ。
今ここに、猟兵と勇士達の共闘が始まるのであった。
「グオォォォッ!」
まず動き出したのはギガンウォームからであった。
奴らは唸り声と共に地を這うように前進し、体の穴から鱗粉を次々と放出する。
「来たぞ! みんな、あの鱗粉に気を付けろ!」
勇士の一人が叫んだ直後、こちらに飛んできた鱗粉の着弾地点が爆発。
その爆発地点からは大量の蟲が現れ、見る者に生理的嫌悪を覚えさせる。
「うわ、あれはちょっとキツいなー……」
爆破鱗粉を目にしたクローネが思わず顔をしかめる。
あの攻撃だけは喰らいたくない、と言ったところであろうか。
「それじゃ、ワタシもそろそろ仕掛けるよ」
ネクロオーブを構えたクローネが『|ワタシの認識改竄光《ブラック・サキュバス・レコグニション・フラッシュ》』を使用し、黒肌のサキュバスを召喚すると、漆黒色の閃光をギガンウォームの群れに放つも、奴らはピンピンしているようだ。
「……そんな、効いていないのか!?」
「焦らないで。あと何発か当てれば効いてくるから」
そう言うとクローネはギガンウォームに潰されないように立ち回りつつ、認識改竄光を更に数発当てる。
するとどうだろう……ギガンウォームの群れが突然同士討ちを始めたではないか。
認識改竄光を何発も浴びせられた事で『敵を味方と、味方を敵と認識する認識改竄』の状態異常を受けたようだ。
「ん、よしよし……効いてきたみたいだね。さ、今の内に勇士ちゃん達は傷の手当てと疲労の回復の時間だよー」
激しく潰し合いを行うギガンウォームを尻目に、クローネが勇士達に呼びかける。
彼らは一体何が起こっているのかよく分かっていないが、彼女に言われるがまま僅かな休憩を取る事が出来た。
少しの休憩でも、今の勇士達には大きなプラス要因だ。
そうこうしている間にもギガンウォームの潰し合いは続き、いい感じに弱って数も減ってきた辺りでクローネが指示を出す。
「さあさあ、ワームちゃんも弱ってきたようだし、一気に攻めるよー」
この好機を逃す事なく勇士達とクローネが連携し、弱ったギガンウォームの群れを一掃していく。
戦いはまだまだ続くが、猟兵と言う援軍がいれば彼らが負ける事はないだろう。
大成功
🔵🔵🔵
エスカ・ブランシェール
バカデカい蟲が無限湧きってか?
だったら、この一角はあたいに任せてもらうぜ
その間に、あんた達は戦力立て直しな
UCを使用してオオトカゲのLouiseを100m級の巨大火竜に変身させ、火炎放射で敵の大群を焼き払わせる
「さあ、怪獣大戦争と行こうぜ!
敵が放ってくる爆発性の鱗粉からは、Louiseの身体を盾にして勇士達を守らせるぜ
着弾後に現れた蟲は、Louiseに食わせちまおう
今のこいつはなんでも食って体力回復できるぜ
長期戦ならこっちの方が圧倒的に有利ってわけだ
蟲の味が自分の舌にも伝わるのは最悪だけどな
討ち漏らした蟲や弱っている敵は自分も野太刀を振るって迎撃
「イモムシのサラミにしてやるぜ! 覚悟しな!
●エンドブレイカー怪獣大戦争
「どぉぉぉぉぉりゃぁぁぁッ!」
豪快な叫び声と共に、エスカ・ブランシェール(跳ね馬の群竜士・f39110)が戦場へと飛び込み、野太刀『剛刃・愛染櫻』を振るう。
彼女に斬り払われたギガンウォーム数匹がまとめて真っ二つにされ、地へと沈む。
「た、たった一人で数匹を……!?」
「……バカデカい蟲が無限湧きってか?」
一瞬でギガンウォーム数匹を斬り捨てた事に驚く勇士の前に立ったエスカが、余裕たっぷりな様子で呟く。
その直後、勇士達の方へと振り返るとハッキリと宣言する。
「だったら、この一角はあたいに任せてもらうぜ。その間に、あんた達は戦力立て直しな」
「た、頼む! ……みんな、ここはあの人に任せて一時後退だ!!」
エスカから放たれる圧倒的な強者のオーラを前に、勇士達も『あの人がいれば何とかなるかもしれない』と言う安心感を覚えたか、言われるがままに後退する。
勇士達が下がっていくのを軽く見届け、振り返ってみればギガンウォームの群れが今にも襲い掛からんと唸り声を上げてこちらを威嚇している。
どうやら向こうもエスカは只者ではない事を理解しているのだろうか?
「なんだ、律儀に待ってたのか? 蟲のくせに空気が読めるじゃねぇか」
ニヤリとエスカが笑うと、彼女の服の裾から一匹の大トカゲ『|Louise《ルイーズ》』がひょこっと顔を出した。
「行くぜ、相棒! 火竜転身だ!」
エスカの言葉がトリガーとなったか、『ドラゴニック・オーバーロード』で|Louise《ルイーズ》を100m級の巨大火竜に変身させる。
巨体には巨体をぶつけると言う事なのだろうが、その大きさはギガンウォームの比ではなく、例えるならば滅びの大地との境界線に怪獣が降り立ったと言ってもいいだろう。
「さあ、怪獣大戦争と行こうぜ!」
|Louise《ルイーズ》が一度口から炎を吐けば、ギガンウォームの大群をまとめて焼き払い、早々から圧倒的な力を見せ付けていく。
それでも際限なく湧いて出てくるギガンウォームの群れが、交代した勇士達を襲わんと小癪にも戦力を分けて攻めてくる。
「す、凄い……あの人が援軍で助かっ……あ、敵がこっちに来るぞ!?」
「いかん、まだ我々は戦力を立て直している最中だ!」
後方に下がって気が緩んだタイミングを狙われたか、勇士達は迎撃の体勢が間に合わず、ギガンウォームが爆破鱗粉を放つ。
万事休すか!?
……だが次の瞬間、勇士達の前に立ちはだかるかのように|Louise《ルイーズ》の尻尾が割り込み、爆破鱗粉をガードする。
エスカが彼らを守るように命令を出してくれたのだろうか。
「ん、爆発地点から蟲が……相棒、エサの時間だ!」
鱗粉の着弾地点から大量の蟲が現れたのを目にしたエスカが呼び掛けると、|Louise《ルイーズ》が大口を開けて着弾地点の蟲の大群を一口で喰らった。
あらゆる物体やエネルギーを食べて傷を癒せる効果もある事から、受けたダメージなど全く気にならず、長期戦に持ってこいなユーベルコードではあるが……
「ぐっ……仕方ないとは言え、この味は最悪だな……!」
文字通り、苦虫を噛み潰したような顔をするエスカ。
|Louise《ルイーズ》と五感を共有している事から、蟲の味がダイレクトにエスカに舌にも伝わるのは已む無しと言ったところであろうか。
「とりあえず、この怒りはあのイモムシにぶつけるか」
このまま相棒ばかりに任せていられないとエスカも愛染櫻を振るい、ギガンウォームを斬り捨てていく。
「イモムシのサラミにしてやるぜ! 覚悟しな!」
吠えるエスカと|Louise《ルイーズ》。
戦場で暴れ回る一人と一匹はまさに一騎当千と言う他なかった。
大成功
🔵🔵🔵
アンゼリカ・レンブラント
いざ心に勇気を灯し戦うとも
新たなる勇士達とは積極的に協力しウォームに挑む
そして次々と押し寄せる敵には役割分担が必要だろう
一度に戦線を維持する人数を半分にして
消耗の多い者、ダメージの重なるものは控えと交代するようにして
長期戦に備えていこうかな
数が少なくなることで一気に押されるのではと?
その為に猟兵がいるんだ、戦線を支えるよ!
ウォームの脚にワッパーを引っかけて、
覇気を全開、怪力を生かし体勢を揺るがし
《真・断罪閃光剣》の一撃をお見舞いするよ
出来るだけ勇士たちの攻撃で弱ったウォームから狙い
数を減らしていく
なぎ払い等で多くの敵を巻きこめるなら優先して行う
大丈夫、この戦いは必ず勝つ!
気を吐いて戦っていくさ
●黄金戦姫が往く
「さあ、勇士達よ! 力を合わせてこの場を切り抜けよう!!」
「「「おぉぉぉーッ!!」」」
ギガンウォームとの戦いで加勢に入ったアンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)が勇士達を鼓舞すると、彼らもそれに応えるかのように雄叫びで返す。
少し前まで終わりの見えない敵の大群を前に士気が低下しつつあったが、心強い味方が来てくれたともなれば話は別だ。
(さて、次々と押し寄せる敵には役割分担が必要だろう)
勇士達の前に立つアンゼリカは一人考える。
このまま闇雲に戦っていても消耗が大きくなるだけだ。
故に長期戦を見据えた戦い方が必要である。
「……みんな、聞いてくれ!」
戦闘が再開される直前、アンゼリカが振り返り勇士達に呼びかける。
「敵の数は圧倒的に多く、長期戦になるのは間違いない。そこで一度に戦線を維持する人数を半分にし、消耗の多い者とダメージの重なる者は控えと交代するようにして戦っていくのが上策だと思う!」
「だ、だがそれでは数が少なくなる事で一気に押されてしまうのでは?」
もっともな事を勇士の一人が問う。
ただでさえ敵の数は多いと言うのに、戦線維持の人数を減らすのは自殺行為も同然なのではないか? ……と。
だがアンゼリカはそう聞かれるのは想定済みだとばかりにふっと笑ってこう返した。
「その為に猟兵がいるんだ、戦線を支えるよ!」
……そう、彼女は猟兵。
一騎当千の存在故にそう易々とやられるような事など決してないのだ。
「な、なるほど……言われてみれば確かに。よし、我々も覚悟を決めよう!」
あまりにも説得力のある言葉に、勇士達もただ納得するしかない。
長い戦いになる事を覚悟しつつも、ギガンウォームの大群に立ち向かう勇士達。
言われた通り戦線を維持する人数を半分にしつつ戦う訳だが、その先頭にはアンゼリカが立つ。
言ったからにはやってみせると言う意思表示なのだろう。
「踏み潰しが来るぞ! 巻き込まれないように気を付けて!」
早速ギガンウォームの群れが踏み潰し攻撃をお見舞いしてくるのを目にしたアンゼリカが、後ろにいる勇士達に警告する。
その直後、ズドンと地面に重い物が叩き付けられたかのような音が次々と鳴り響き、土煙が上がる。
巨体に似合わず機敏な動きを見せるギガンウォームの踏み潰しは、奴らの近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃を行ってくる厄介な物だ。
それをアンゼリカは最低限の動きだけで躱し、相手に僅かな隙が生じたタイミングで反撃に出た。
「今度はこちらの番だ。……ふぅんッ!」
呟くと同時に彼女は黄金で補強されたワッパーをギガンウォームの一匹に投擲。
脚の一つに上手く引っかけた直後、覇気を乗せた怪力で一気に引っ張ると巨体が大きく揺るぎ、体勢が崩れた。
「裁きの光よ、我が身に集いて剣となり全てを切り裂け!」
そこから叫びと共に、アンゼリカが『|真・断罪閃光剣《シン・ジャッジメントセイバー》』で峻烈なる裁きの光を宿した『創世の斧剣』を一閃。
次の瞬間、ギガンウォームは真っ二つに両断された。
これが猟兵の実力なのか。
「よぉし、我々も続くぞ! かかれ、かかれーッ!」
一方でアンゼリカの強さに刺激を受けたか、勇士達も負けじとギガンウォームに攻撃を仕掛けていく。
彼らもなかなかの強さなようで、上手い具合に敵の大群を弱らせているようだ。
「トドメは任せろ! はぁぁぁッ!」
そこへ、動きの鈍ったギガンウォームを薙ぎ払うかのように真・断罪閃光剣を叩き込むとまとめて両断した。
これも連携のなせる業か。
「大丈夫、この戦いは必ず勝つ!」
先頭に立つアンゼリカの言葉に勇士達の士気も高まっていく。
黄金戦姫がいる限り、彼らの勝利は約束されたような物なのだから。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
また大変な状況ですが、何とか?
味方後方に『FXS』と[結界術]を合わせた『治癒結界』を展開、「短時間で回復可能な休憩場所」をご用意しますねぇ。
そして【炳輦】を発動、防護結界を展開すると共に【踏み潰し】の出来ない上方に配置し、彼我の動きを『FPS』の探査で把握しましょう。
戦場で疲弊した方は『治癒結界』に退いてもらうか『防護結界』で保護、探査で把握した『敵方の多い方』を私が引き受ければ継戦し易くなる筈ですぅ。
戦場全体を覆う『時空切断の嵐』であれば、固い表皮も問題ありませんので、後は傷を与えた箇所を狙い『FRS』『FSS』の[砲撃]を中心に[追撃]、順に仕留めて参りましょう。
●戦場に吹き荒れる嵐
「わわ、これはまた大変な状況ですねぇ……」
滅びの大地との境界線へと足を踏み入れた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は、広範囲に渡って繰り広げられている激しい戦いを目にしてただ驚く。
早速ギガンウォームの大群が出現したエリアの後方で、飛び道具などで前衛部隊への援護射撃を行っている勇士達を見つけたるこるは彼らに声をかける。
「皆さん、ご無事ですかぁ? 援軍に来ましたよぉ」
「助けに来てくれたのか? 助かるよ……これで少しは休めそうか」
そう口にする勇士の一人は弓を使っているようだが、その手は矢を幾度となく放った事から既に真っ赤で、よく見れば肉刺がいくつも潰れた跡があった。
一体どれほど指を酷使したのかは想像に難くないだろう。
「……では、ちょっと待っててくださいねぇ。すぐに休憩場所をご用意しますので」
勇士の状況を見て何かを思い付いたるこるが、その場に休憩所を準備する。
ちょうど八つの大きな桃の花のような物――『祭器』|FXS《フローティングシェンタオシステム》が周囲を固め、その内部は光り輝く治癒結界で覆われている物だ。
「この中で休憩すれば、あっと言う間に回復しますよぉ。では、私は行きますねぇ」
勇士達にそれだけ告げると、るこるは『|豊乳女神の加護・炳輦《チチガミサマノカゴ・ケイケイタルギョクレン》』を発動し、祭器の衣を纏った姿に変身すると前衛部隊の元へと飛翔していった。
「回復、ねえ……ま、話半分で休憩してみるとでも……お、おぉ……ッ!?」
るこるが去った後、半信半疑な様子で勇士が用意してもらった休憩所に入ってみると、みるみる内に手の痛みや疲労が回復していくのを感じた。
なるほど、これがあればいくらでも戦えそうだ。
「……おいみんな、休憩するならこの中にしろ! 効果は抜群だぞ!!」
そして半ば興奮気味に、回復を実感した勇士が叫ぶのであった。
一方、前衛部隊が戦う最前線では勇士達がギガンウォームの踏み潰し攻撃を前に、危機的状況に陥っていた。
「踏み潰しがまた来るぞ! 避けろ!」
「っ、やば、避けきれな……!」
今まさに巨体に踏み潰されそうになった勇士が思わず目を閉じる。
……だが、いくら待っても自身の身が叩き潰されるような事はない。
勇士が恐る恐る目を開くと、ギガンウォームが空中で何か――防護結界に押し留められている。
よく分からないが、助かったのか?
「間に合いましたねぇ」
上から聞こえてきた声に視線を向けると、空中に浮かぶ見知らぬ者の姿が。
勇士はそれが助けに来てくれた援軍であると本能的に理解した。
「さあ、今の内に後退を。疲弊した方は後方に休憩所を用意してありますので、そこで少しでも休んでくださいねぇ」
「だが、我々が退いては戦線が……」
「それは私が引き受けますぅ。……ええ、猟兵ですのでそこはご心配なく」
猟兵が助けに来てくれた。
その事実に勇士達の間から『おぉ……』と感嘆の声が漏れる。
願ってもない援軍の到来だ。
「さて、ここから先には進ませませんよぉ」
るこるの前方から広範囲に時空切断の嵐が吹き荒れると、その内部にいたギガンウォームの身を包む硬い表皮が易々と切断され、グロテスクな赤黒い身を晒す。
「弱点が丸出しなら、どこを狙ってもいちころですぅ」
そこへ追撃として『FRS』と『FSS』による砲撃を叩き込まれ、敢え無く爆散する。
並大抵の攻撃を受け付けない表皮がなければ、奴らの防御力など無いも同然だ。
更に後方からはるこるの用意した休憩所で回復し、勢いを取り戻した援護射撃部隊が激しさを増してギガンウォームの群れを狙い撃つ。
勇士達が押され気味だった戦況は、次第に覆りつつあった。
大成功
🔵🔵🔵
フェリチェ・リーリエ
待たせたべな、おら参上!
指定UCで空から颯爽と登場、UC効果で勇士達に希望と戦闘力強化を与える。いやーこれほどヴァルキリーのUCがハマる戦場もないべな!
歴戦のエンドブレイカーにして猟兵のおらが来たからにはもう安心だべ!と勇士達を【鼓舞】。
あっちは所詮地を這う芋虫、空飛べるおらの敵じゃねえべな!
空を飛べる利点を活かし、高い位置から戦況を確認、敵の動きや位置を報告し情報共有。一時的でも敵の数が減った箇所があればすかさず攻め込み勇士達と協力して突撃。
ほらほらこっちだべ…!攻撃をかわすように飛び回り敵を引き付け撹乱。ソードハープを大音量でかき鳴らし音色を【音響弾】に変え【範囲攻撃】で纏めて叩く!
●飛翔する希望
勇士達は窮地に陥っていた。
ギガンウォームのウォームスウォームで巨大イモムシ型モンスターを召喚。
更なる数でプレッシャーをかけてくる。
「うわッ、こいつら……取り巻きを!?」
「マズいぞ、ただでさえ敵の数は多いってのに……!」
召喚されたイモムシは一撃でも喰らえば消滅する存在だが、その戦闘力は決して侮れず、次第に勇士達を追い詰めていく。
まさにピンチである。
「……たぁぁぁぁぁーーーっ!!」
だが、そこへ救世主が舞い降りてきた。
叫びと共に空中から現れた何かが、隕石のごとく地表へと衝突。
そこにいたイモムシの群れをまとめて吹き飛ばす。
衝突地点の土煙が晴れると、そこにはピンクの髪のヴァルキリー――フェリチェ・リーリエ(嫉妬戦士さんじゅうはっさい・f39205)の姿があった。
「待たせたべな、おら参上!」
ソードハープを片手にスーパーヒーロー着地的なポーズを決めるフェリチェ。
我ながら決まった、と言ったような顔である。
「歴戦のエンドブレイカーにして猟兵のおらが来たからにはもう安心だべ!」
「りょ、猟兵!? 助けに来てくれたのか!」
心強い援軍からの鼓舞、更には彼女が『ウイング・オブ・フリーダム』で生やした翼を目にした事から、勇士達の希望と戦闘力が強化される。
「んだ、ここからはおらも加勢するべ! 気張って行くべよ!!」
勇士達にそう告げると、フェリチェは再び飛翔する。
いざ、反撃開始の時だ。
「あっちは所詮地を這う芋虫、空飛べるおらの敵じゃねえべな!」
ギガンウォームに召喚されたイモムシの群れが早速フェリチェに攻撃を仕掛けようと飛び上がるが、そもそもにして空を飛んでいる相手に攻撃が届くはずもない。
これにより相手からの攻撃を一切気にする必要がなくなった事から、高所にいる利点を生かして戦況を確認、敵の動きや位置を空中から逐一報告する。
「西の方からイモムシの群れ! 後方からの援護射撃で追い払うんだべ!」
「分かった、合図を出す!」
フェリチェからの情報共有を受けて勇士の一人が手で合図を送ると、後方部隊から弓や紫煙銃などの攻撃が飛んできて、押し寄せてくるイモムシの群れを蹴散らしていく。
戦闘力が強化された上に敵の来る方向が分かっていれば、どうにかなる物だ。
「今度は北から三方向に分けて攻めてくるべ! 取り囲まれないように気を付けるべ!」
「シールドバリアが使える者を前に出せ! その後方で迎え撃つ!」
的確な指示もあってか、数で押してくるギガンウォームの群れを上手く対処する勇士達。
彼らの奮戦で敵の陣形にも穴が開きつつあるようだ。
「……お、イモムシの壁が崩せそうだべ! 一点突破を仕掛けるチャンスだべよ!」
「よし、攻め込むぞ! 突撃ッ!」
「んだば、道はおらが切り開くべ! 勇士のみんなはウォームを!」
それだけ告げるとフェリチェが一足早く、低空飛行で先行。
崩れそうになる陣形の穴を、慌てて埋めようとするイムモシの群れの周囲を飛び回り、注意を引き付ける。
「ほらほらこっちだべ……!」
敵を攪乱しつつ、ソードハープを大音量でかき鳴らして音色を音響弾に変えると、そのまま炸裂し、範囲攻撃でイモムシが次々と弾け飛ぶ。
「みんな、ギガンウォームを集中攻撃だ! アレを倒せばイモムシも消える!」
そしてフェリチェが開けた敵陣の穴を突っ切り、勇士達がギガンウォームに突撃。
各々がユーベルコードを叩き込んで葬り去ると召喚されたイモムシが軒並み消滅していった。
「お、勇士のみんなもなかなかやるべな! さあ、このまま突き進むべ!」
勢いに乗ったフェリチェと勇士達はもう止められない。
ギガンウォームの全滅も、いよいよ時間の問題であった。
大成功
🔵🔵🔵
風魔・昴
麻生竜星(f07360)北十字銀河(f40864)と共闘
呼び方
竜星→竜
銀河→銀さん
アドリブ歓迎
到着後、即座に敵に衝撃波・呪殺弾で範囲攻撃
「加勢します。負傷者を頼みます」
戦っている味方には結界術・オーラ防御を施し
少しでもダメージが軽減できるようにする
自分は見切り・第六感・オーラ防御で攻撃を回避
竜星と邪竜が空へ舞い上がるとふっと微笑む
「竜の最強相棒のお出ましね。では、私も……」
UCを発動させ朱雀・白虎・玄武を召喚
「朱雀は竜達と協力して。玄武は味方の回復を。白虎は私と銀さんを乗せて前線に行くわ」
白虎に乗ると銀河に声をかける
銀河と連携して衝撃波・呪殺弾・矢弾の雨で攻撃
「お前たちの好きになさせないわ!」
麻生・竜星
風魔・昴(f06477)・北十字・銀河(f40864)と共闘
呼び方
昴→スー
銀河→銀さん
アドリブ歓迎
戦場に立つと同時に範囲攻撃で斬撃波
「疲労が激しい者は少しでも休んでくれ。あとは引き受ける!」
味方にオーラ防御を施し、ダメージを軽減できるようにする
「スー、銀さん!俺は空から敵を攻めます!」
そしてUC発動
邪竜「ほう…今回は思う存分食事ができそうだな、主よ」
「あぁ、たらふく食べてくれ。今回も遠方の敵を頼む」
そう言ってふっと微笑み邪竜の背中に
邪竜「丸焼きにして食ってやろうぞ。芋虫ども!」
「この世界を貴様達には渡さない。守り切って見せる!」
北十字・銀河
麻生竜星(f07360)・風魔昴(f06477)と共闘
呼び方
竜星→竜
昴→昴
アドリブ歓迎
「俺達も加勢する。ダメージのあるものは後方で治療を頼む」
武器に魔法を纏わせ、斬撃波を敵に叩き込みながら味方に強い笑顔を
「未来のために共に守り切ろう!」
竜星の声に肯定の返事をすると、自分もUC発動で鎌鼬召喚
敵にできる限りダメージを与えるよう指示
「二人とも……すごい召喚力だな」
昴の声で白虎に乗り、連携して敵に衝撃波・斬撃波を叩き込む
負傷者を見つけると白虎に乗せていく
「この世界は貴様らの世界じゃない……闇に帰れ!」
●戦場に輝く三連星
三人の猟兵が戦場へ降り立つと同時に、勇士達の元へと走り出す。
ギガンウォームの大群を前に彼らは善戦しているものの、数的不利は否めず防戦に転じつつあった。
急がなければ犠牲が出てしまう事だろう。
「……マズいぞ、これ以上後退したら後方部隊にも被害が出る!」
「ダメだ、戦線を維持出来ない! くそォ、ここまでなのかよ……!」
押され気味だった勇士達がいよいよもって死を覚悟したその時、ギガンウォームの群れの中へ何かが叩き込まれると内部で炸裂、バラバラになってまとめて吹き飛んだ。
「加勢します。負傷者を頼みます」
駆け付けた三人の猟兵の一人である風魔・昴(星辰の力を受け継いで・f06477)が勇士達にそう告げると、結界術・オーラ防御を展開。
彼らの防御力を向上させる。
先程ギガンウォームに攻撃を放ったのは彼女であり、衝撃波を伴う呪殺弾は威力抜群だ。
更にそこへ二つの大きな斬撃波が戦場を駆け抜けると、別の群れを一掃。
これにより一時的ではあるが、敵の勢いを削ぐ事に成功する。
「疲労が激しい者は少しでも休んでくれ。あとは引き受ける!」
「俺達も加勢する。ダメージのあるものは後方で治療を頼む」
続いて斬撃破を放った麻生・竜星(銀月の力を受け継いで・f07360)と北十字・銀河(星空の守り人・f40864)の二人が勇士達の前に立つ。
一人だけでも頼もしい猟兵が、よもや三人も来てくれたのは彼らにとってこの上ない幸運と言う他ないだろう。
「ほ、本当に援軍が……しかも猟兵が三人も……」
まだ信じられない様子の勇士に向け、銀河は強い笑顔でこう口にした。
「未来のために共に守り切ろう!」
その言葉が勇士達に勇気を与え、奮い立たせる。
燻っていた戦意に火が付いた彼らは『おぉーッ!』と雄叫びを上げるのであった。
ここからが反撃の時だ。
「スー、銀さん! 俺は空から敵を攻めます!」
早速、竜星が二人に告げると彼は魔法触媒である『蒼い星ぼたん』を掲げ、召喚の言葉を口にする。
「赤銅色の月に変える者よ。我が契約の命に従い姿を現せ」
発動したユーベルコード『|月蝕《ゲッショク》』で蒼い星ぼたんから暗黒邪竜『月食い』が現れる。
超獄炎と絶対零度の冷気の術を操る強大な存在だ。
「ほう……今回は思う存分食事ができそうだな、主よ」
召喚されてすぐ、眼前に広がるギガンウォームの群れを目にした月食いがニヤリと笑う。
尽きる事のない大軍勢も、月食いからすればただの餌でしかないようだ。
「あぁ、たらふく食べてくれ。今回も遠方の敵を頼む」
そう言うと、竜星はふっと微笑みの月食いの背に乗る。
「丸焼きにして食ってやろうぞ。芋虫ども!」
地を震わす咆哮と共に月食いが飛翔すると、空中から地獄の業火を彷彿とさせる超獄炎をギガンウォームに向けて放つ。
超獄炎の着弾地点が激しい炎に包まれると、範囲内にいた群れが消し炭となって辺り一面に転がる。
爆破鱗粉もこれだけの炎を前にしては、灰となって消えゆくのみだ。
だが倒した数はほんの一部であり、ギガンウォームの大群は未だ健在である。
「まだ来るか……いいぞ、そうでなければ喰らい甲斐がないと言うもの!」
尽きる事のない敵を前に、月食いは更なる超獄炎を放っていく。
「竜の最強相棒のお出ましね。では、私も……天の四方を司る霊獣よ。「風魔」の名の下に召還に応え、その聖なる力を我に貸したまえ」
竜星を乗せた月食いが空へ舞い上がる様を見届け、昴がふっと微笑むと『|四神召還《シジンショウカン》』で朱雀・白虎・玄武を召喚。
すぐさま各々に向けて命令を下す。
「朱雀は竜達と協力して。玄武は味方の回復を。白虎は私と銀さんを乗せて前線に行くわ」
命令を受けると朱雀が竜星の元へ飛び、玄武は勇士達のところへ、白虎は昴を乗せると前線にいる銀河の元へと向かう。
「分かった、竜! 俺も続く!」
一方の銀河は、竜星が月蝕で月食いを召喚した時と同じタイミングで『|疾風・鎌鼬《シップウ・カマイタチ》』で124体の妖獣・鎌鼬を召喚する。
数には数で対抗しようと言う事か。
「遠方の敵は竜が引き受けてくれている。お前達は近くの群れに出来る限りダメージを与えて、勇士達を援護してくれ!」
銀河に言われてすぐに鎌鼬が次々と飛翔すると、高い機動力を生かして自身の鎌腕でギガンウォームの召喚したイモムシの取り巻きを切り裂いていく。
一発でも攻撃を受ければ消滅するイモムシは、数が減れば恐れるに足らずだ。
「……銀さん、乗って! ここは連携して仕掛けましょう」
そこへ白虎の背に乗った昴が駆け付け、声をかける。
「ああ、行こう! 二人とも……すごい召喚力だな」
今は一人で攻めるよりも、二人で行く方が得策だと考えた銀河は迷う事なく白虎へと飛び乗ると、改めて昴と竜星の実力を称賛するようかのに呟く。
ここは自分も負けてはいられない。
「お前たちの好きにはさせないわ!」
地を駆ける白虎の背から、昴が衝撃波・呪殺弾・矢弾の雨で攻撃を仕掛ける。
この激しい弾幕を前に、ギガンウォームもただでは済むまい。
「この世界は貴様らの世界じゃない……闇に帰れ!」
昴の弾幕に合わせるように、銀河が衝撃波と斬撃波を叩き込むとギガンウォームの巨体が次々と両断され、辺りに転がっていく。
また、白虎が戦場を駆け抜けていく最中、戦闘による勇士達の負傷者を発見次第、素早く拾い上げて後方へと下げる事で被害の拡大を食い止める動きも見せる。
まさに縦横無尽の働きぶりだ。
「この世界を貴様達には渡さない。守り切って見せる!」
時を同じくして、竜星は月食いを駆りギガンウォームの大群を焼き払う。
遠方から押し寄せてくる大群を減らす事に加え、眼下で白虎に乗って戦う昴と銀河の活躍もあり、勇士達の負担は着実に軽減されていた。
「スーと銀さんも頑張っているな。それに……」
猟兵には負けじと、勇士達も死力を尽くして戦っている。
押され気味だった戦況は既に巻き返しつつあった。
「みんな、勝利は近いぞ! 最後まで気を抜かずに行くんだ!」
空から勇士達に呼びかける竜星。
彼が言うように、敵の数は目に見えて減っている。
勝利が近い事を耳にした勇士達は、更に勢い付いてその力を遺憾なく発揮していく。
……そして地表を埋め尽くすほどの勢いであったギガンウォームの大群は、長い戦いの果てにその全てが物言わぬ残骸となって、あちこちに転がっている。
これ以上の増援はもうない。
一時的ではあるが勇士達が勝利し、鬨の声が戦場に上がるのであった。
だがエリクシルが願いの力で蘇生させた邪悪なモンスターの群れは、またすぐにでもこの地に攻め込んでいる事は誰もが理解している。
勇士達が力尽きるまでに11の怪物を退けねば、この世界に未来はないのだ。
エンドブレイカーの世界を守るための戦いはまだまだ始まったばかりである……。
大成功
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