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エンドブレイカーの戦い②〜白銀の勇者立つ最前線

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #伝説の勇者ラズワルド

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「皆様。|終焉を終焉させた世界《エンドブレイカー》にて、緊急事態で御座います」

 ライリス・エルファンシア(天麟万華の欠片・f00325)は、固い表情で一同を迎えた。
 万能の魔神エリクシルを創造した『11の怪物』。彼等は、この世界の礎となった大地母神を手に掛けようとしている。大地母神が彼等の手にかかれば、その眼である世界の瞳の力は失われ、この世界の理から外れた存在である猟兵達はこの世界より排斥されてしまう。
 更には、この世界は『11の怪物』の一柱、『バシュム』により、|終焉の病に隔絶されし世界《単一世界バシュム》へと変貌し、生者や死者のみならず|過去の残滓《オブリビオン》すらも存在を許されない世界へと変り果てる。

「彼等は世界の半分程を覆う結界を打ち破る為、皆様には現状の最前線とも言うべき場所へ向かって頂きます」

 万能の魔神エリクシルとその眷属達が押し寄せる大戦場。其処では「新たなる勇士の軍団」という、この世界の者達で構成された軍勢が敵を押し留めている。
 彼等は、この世界の者達であるが故に、それなりに戦う力を有しているのだが、決定打を与えるまでには至らない。
 今戦線を維持しているのは、「伝説の勇者ラズワルド」が最前線に立つからである。

「戦線を維持するに足りうる士気を維持する為にも、エリクシルを圧倒する事のできる猟兵の力は不可欠で御座います」

 圧倒的な力を持つ勇者を助け、エリクシルの眷属を倒し、人々の戦意を維持高揚する。そうすれば、怪物達の結界を打ち破る事も叶うだろう。

「早々から激しい戦場となりますが……どうか皆様、ご武運を」

 ライリスはそう言うと、手にしたグリモアに力を籠めた。



 狂える過去の王の写身が迫る|白銀の勇者立つ最前線《ラズワルド・ウォール》。
 その男は、迫りくる狂王の群れをほぼ1人で其処に押し留めていた。――にも関わらず、その白銀の鎧には、幾つかの旧い傷以外の傷は一つとしして見つけられない。

「エリクシルの眷属とはいえ、これ程の数の同じ顔が居並ぶのは不気味だな」

 敵の群れを前にそう呟いた男の名は、ラズワルド。千年の彼方に、|終焉を終焉させた世界《エンドブレイカー》の危機を、一時的にとはいえ抑えた者達の一人である。


白神 みや
 初めましてのかたは初めまして。お久しぶりの方はご無沙汰しております。そして、そうでない方はお世話になっております。|白神《しらかみ》です。
 猛暑でぐったりしていたら、いつのまにか9月になり、エンブレで戦争と相成りました。エンブレについては最序盤しか活動していなかった為、ややミリしら状態ですが、どうぞお手柔らかに。

●プレイングボーナス
 ラズワルドと連携して戦う。

●お願い
 MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
 今回のプレイング受付開始は、【9/2 8:31〜】です。この時間より前のプレイングはお返しする可能性もありますので、ご了承ください。
 また、🔵が👑を上回った事を確認した時点で〆切予定です。
 タグに状況を記載しますので、宜しくお願いします。
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第1章 ボス戦 『狂王アニール』

POW   :    クルーエルストリーム
レベルm半径内に【真紅の衝撃波】を放ち、命中した敵から【生命力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD   :    暴走せし殺意
【剣】が命中した敵に、「【命を捨ててもアニールを殺したい】」という激しい衝動を付与する。
WIZ   :    我こそが王なり
自身の【王冠】から【恐怖のオーラ】を放出し、戦場内全ての【王ならざる者】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。

イラスト:天野 英

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レオンハルト・シャルラッハロート
絡み/アドリブ共に可

ラズワルドと合流後「また貴方と共に戦える事、光栄に思います」と軽く会釈した後、UCを発動。
名乗りを上げてボスに攻撃。
「我は盾にして炎-そして悪を断つ剣なり!」

熾炎とフェニックスで闇を払い、ラズワルド(や他の猟兵)の攻撃の隙を埋める形で攻撃。
熾炎で切りかかり、増やした二本の腕でシュトルムの刃を叩き込む。
更にフェニックスのブレスや、グリフォンの(高速飛行で)攪乱で援護。
武器受けからのカウンターで敵の反撃を凌ぎつつ、継戦能力で可能な限り踏み止まる。
ボスUCにはオーラ防御で対抗。

「忌まわしきランスブルグの汚点が…何度“骸の海”から現れようとも、我らが切り伏せるのみだ!」




「まさか我等がランスブルグの汚点がこんな形で……」

 レオンハルト・シャルラッハロート(不死鳥の天誓騎士・f38951)は戦場に押し寄せる、記憶にある男の顔をした敵の群れに顔を顰めた。
 山斬烈槍ランスブルグの天誓騎士であり、その一領主でもあるレオンハルトにとって、嘗て故郷を蹂躙し討たれて猶ランスブルグを己の欲望の道具にしようとした狂える王は、思わず言葉として零してしまった通り、まさに唾棄すべき程の汚点である。故に、レオンハルトはこの地に参じたのだ。
 他者を見下す狂える王の群れを、紅黒いオーラの波を穿つ楔のように押し留めるのは、白銀の勇者と彼が率いる数多の勇士達。レオンハルトは愛騎でもあるグリフォンの背に跨ると、愛剣に宿る星霊と共に勇士達が突出した箇所――白銀の勇者の元へと駆けていく。

「また貴方と共に戦える事、光栄に思います」

 レオンハルトは白銀の勇者に向けそう声をかけて会釈をする。白銀の勇者――ラズワルドは、その声に視線を向け、レオンハルトが纏うマントに描かれた紋章に目をやると、彼が|山斬烈槍《ランスブルグ》の騎士である事、そしてこのタイミングで彼が来た意味を察する。

「止めは任せたぞ、猟兵」
「勿論です。この世界を『11の怪物』達の好きにはさせません。『今こそ|守護者《ガーディアン》の本分を果たす時!』」

 ラズワルドの言葉に頷くと、レオンハルトは武器を掲げ己の身をオリハルコンの装甲で鎧う。

「我は盾にして炎――そして悪を断つ剣なり!」

 メイガスの如き|守護巨神《ゴーレム》へと転じたレオンハルトは、名乗りを上げると共に武器を手に戦場を駆ける。

「貴様……我がランスブルグの者ではないか。控えよ! 王に従うのは必然であろう」

 武器を交えた狂える王の一体が、レオンハルトの出自を察したか、そう命じようとしてくる。しかし、レオンハルトの忠誠は、堕ちた王に向けた物ではない。故にオリハルコンの腕で振るう槍斧でその一体を斬り払った。

「忌まわしきランスブルグの汚点が……何度“骸の海”から現れようとも、我らが切り伏せるのみだ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンゼリカ・レンブラント
奴を絶対倒してやると
ランスブルグで誓った日が昨日のことのようだ
眷属として量産されるとはね

はやる気持ちは今の私にない
掌に爪が食い込んで、血が流れるまで拳を
握った幼いエンドブレイカーの激情は、
この身を育てた過去

今は猟兵として役割を果たす――
ラズワルドと連携して攻めよう

ラズワルドの火力で大きく敵陣にダメージを与え、
瀕死の敵に此方が止めを刺すスタイルを取る
彼にアビリティを求めることが出来るなら
「ブレイドタイフーン」を
プラスワンが発動し多くを巻き込んでくれるなら嬉しいね

そして弱った敵を、
私が《真・断罪閃光剣》のなぎ払いで――
これまた多くを巻き込めるよう仕留めていくよ

勇者と猟兵、揃った壁は何者も砕けない!




 アンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)は、戦場を覆う紅黒いオーラの狂える王の群れを冷静に見つめていた。
 必ず倒すと誓った幼いあの日の記憶は、未だ昨日の事のようにアンゼリカの胸の奥で燻っている。だがそれは、この身を育て研鑽する為に向けてきた。
 その研鑽の原動力となった存在が、このように『11の怪物』とエリクシルの眷属としてこれ程の数量産されるというのは、感慨を通り越して複雑な気持ちにさせられる。

(今は猟兵として役割を果たす――)

 その気持ちを今は一旦沈めて、アンゼリカは白銀の勇者の元へと戦場を駆け抜ける。楔のように敵陣に食い込み、紅黒いオーラを跳ねのける彼の姿を見つけ出すのは容易い。

「敵陣を削るのは任せたぞ。お姉さんが止めを刺すからな!」

 白銀の勇者――ラズワルドに、そして、周囲の勇士達にその意図が届くように、アンゼリカは凛とした声で言う。声を耳にした者達の視線が一瞬アンゼリカへと集まるが、彼等は彼女が何者かを、そしてその意図を正しく理解した。

「「ブレイドタイフーン」のプラスワンで巻き込んでくれるなら嬉しいね」
「承知した。大剣を扱う勇士達も続け、此処が正念場だ!」

 |終焉を終焉させた世界《エンドブレイカー》で生まれ育ったアンゼリカであればこそ、この世界の人々の扱うアビリティも熟知している。故に狂王の武器を大剣で受け止めいなすラズワルドへと出した提案は、ラズワルドのみならず周囲の勇士達へも伝播される。

「よし……『裁きの光よ、我が身に集いて剣となり全てを切り裂け!』」

 ラズワルドや勇士達により痛手を負った狂王達を、アンゼリカの裁きの光を宿す斧剣が薙ぎ払っていく。
 白銀の勇者と陽光の戦姫により、紅黒の狂王達は少しづつ、しかし、確実にその数へ減らしていった。

「勇者と猟兵、揃った壁は何者も砕けない!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

テオドール・グランゼイ
あれだけの敵を相手に傷ひとつ無いなんて、さすが伝説の勇者。とんでもなく優秀だね。それなら下手に一緒になって突っ込むよりも、俺は優秀な彼が思う存分に戦えるように援護に徹することにしようかな。その方が俺も楽……おっと失礼、お互いにやりやすいだろうからね。

俺の手に握られているのはパッと見何の変哲もないただの拳銃。しかし、この銃から放たれた弾に触れたものは、まるで最初から無かったかのように消え去る。俺はこれで君を襲う衝撃波を消し、君に迫る剣をそれを振るう腕ごと消し、君を睨む目をその頭ごと消してみせよう。君は味方の心配も自身の心配すらもしなくていい。なんせ、俺という優秀なサポートが着いているのだから。




(あれだけの敵を相手に傷ひとつ無いなんて、さすが伝説の勇者。とんでもなく優秀だね)

 紅黒いオーラの波が、白銀の勇者、そして自分より先行した猟兵達により割り割かれていく様に、テオドール・グランゼイ(|夜渡り《エンドウォーカー》・f41234)は感嘆と尊敬の念を抱いた。それと同時に、自分がどう立ち回れば一番効率が良く自体が動くかを考え始める。
 彼等がエリクシルの眷属達を葬る事が出来ないのは理解している。それでも彼等が一歩手前まで追い詰める事が出来るのであれば、自分は援護という形で最後のトドメを指せば良いのではないか。そう判断したテオドールは、勇士達の隙間を縫うように移動をしながら、白銀の勇者の方へと近づく。勿論、その間に可能な限り、弱った狂王を倒していく事も忘れない。

「下手に一緒になって突っ込むよりも、彼が思う存分に戦えるように援護に徹する事にするよ」
「了解した。我々では弱らせる事は出来ても、斃す事は出来ない。頼んだぞ、猟兵」

 テオドールの言葉に、ラズワルドは頷くと、周囲の勇士達にも情報を共有していく。その徹底されぶりは勇者のカリスマ故か。

「その方が俺も楽……おっと失礼、お互いにやりやすいだろうからね」

 つい零れかけた本音を言い換えると、テオドールは手にしていた拳銃を構え、その封印を解いた。身体の熱が武器へと吸い取られるような感覚に襲われる。

(これ使うの、あんまり好きじゃないんだけどな)

 内心そう思いながらも、この銃の力は絶大だ。白銀の勇者を襲う剣と衝撃波をその弾丸は初めから無かったかのように消し去っていく。

「君は味方の心配も自身の心配すらもしなくていい。なんせ、俺という“優秀なサポート”が着いているのだから」

 ラズワルドに一太刀浴びせんとした狂える王の頭を、その弾丸が撃ち抜いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キアラ・ドルチェ
なーにが「我こそが王なり」ですかっ
おうっおうっって、アザラシの鳴き声ですかっ!?
だったら鼻の上で玉でも回してなさいっ!
…あれ? おうっおうって鳴くのオットセイ?
球回しするのはアシカ?

まあそんな事どーでもいいですっ!(自分で言っといてそれか
私、「ネミの森王」の末裔だもん、それ効かないもんねーだ!(あっかんべー
…口プロレスじゃないですよ? 魂の在り方の問題ですっ!(えへん

さて、ラズワルドさん
ちょっと時間稼いでおいて貰えますか?
ネミの森王(の末裔)が、『王殺し』の秘術をお見せしますので

ふふ…先代森王を弑する為だけに編み出された
血に塗れたドルチェ家の最終奥義
行けるとこまで詠唱延長して…ぶっぱなーす!




「愚かな者共め。我こそが山斬烈槍ランスブルグの王であるぞ!
 首を垂れよ、真なる王に恭順せよ!」

 堕ちたる王が己の義を声高に主張する。その様に、キアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)は“おかんむり”であった。

「なーにが「我こそが王なり」ですかっ!
 おうっおうっって、アザラシの鳴き声ですかっ!? だったら鼻の上で玉でも回してなさいっ!」

 早口でまくし立てるその内容を耳にした勇士達が吹き出しそうになったのは気のせいだろうか。キアラはそこでふと首を傾げる。

「……あれ? おうっおうって鳴くのオットセイ? 球回しするのはアシカ?」

 困惑するように周囲へと問いかけるが、堕ちたる王を押し留める事が最優先である周囲から返答は無い。

「……まあそんな事どーでもいいですっ!」

 キアラは過ぎる程にあっさりと、浮かんだ疑問を放り投げた。見目こそ妙齢の乙女のキアラは、その実は未だ十に満たぬ幼子なのだ。興味の行く先が目まぐるしく変わるのはそれ故か。

「それに、私、「ネミの森王」の末裔だもん、それ効かないもんねーだ!」

 キアラはそう言った後、べぇ。と、舌を出す。「ネミの森王」が如何なるものかはわからずとも、その言葉が明らかに堕ちた王に対抗し、煽るものである事を察する事が出来たが故に、周囲で肩が震えてる勇士が増える。

「……違う意味で戦線が揺らぐので、その辺で良いだろうか」

 こほんと咳払いを一つして、白銀の勇者がキアラへと声をかけた。若干その顔が引き攣っているように見えるのは果たして気のせいなのだろうか。

「はいっ。魂の在り方を主張して、満足しましたから!
 早速ですけれど、ちょっと時間稼いでおいて貰えますか?」

 キアラは己のペースを崩さないままに、白銀の勇者へと訴える。

「元より彼奴等を倒すのは託す必要があるので、その心算で居るが……」
「ネミの森王の末裔が、『王殺し』の秘術をお見せしますので」

 その意図を問う勇者へ、キアラは本人に出来うる限りの不敵な笑みを浮かべると、ドルイドの杖を狂える王達へと向け、ユーベルコードを発動させる準備に入る。

「『金枝祀るネミの裔の名において、今まさに『王殺し』は行われんとす。ディアナよ、ウィルビウスよ照覧あれ、生命の円環の理ここに在り』」

  其れは、キアラの生家に伝わりながらも、過去の森王を弑し奉る為に編み出された、大自然の円環たる生命を司るものによる、|偉大な存在《王》の生命を絶つ儀式。
 弓を引き絞るように込められた詠唱は、黄金の宿り木のカタチを取って狂える王達を貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

凶月・陸井
妻のシリル(f35374)と

これほどの群れを独りで相手取っている事に
世界を護る者として敬意を
そして敬意を表するからこそ力を貸したいから
心強い、優しい笑顔と共に
「一緒に行こう、シリル」

すぐラズワルドと合流
戦闘に切り込みつつ、手助けする旨と
敵の止めは任せてほしいと説明する
援軍二人というのに不安はあるかもしれないが
「大丈夫だ。俺もだが、彼らと共に戦う妻は強いぞ?」

戦闘では回復をシリルに任せて俺は攻撃に専念
片手に死龍葬弾の文字を書き上げつつ
ラズワルドが叩き伏せる敵に弾丸と小太刀で止めを

敵の数が減り始めたら二人に合図
【戦文字「死龍葬弾」】を装填して
最後は一気に薙ぎ払う
「さぁ、二人とも。全部吹き飛ばすぞ」


シリルーン・アーンスランド
夫の陸井さま(f35296)と参ります

此度の戦争の初戦となります
いずくであれ斯様な暴虐は許せませぬ
ただ一人敵跳ねのける
雄々しき勇者さまのお手助けが出来ますなら本望

夫と並び戦うならば千万の軍勢何するものぞ!
「陸井さまそれでは参りましょう!」
戦意高いわたくしにも笑顔の背の君を
頼もしく見やりつつ
優しき方々に希いつつUCさまよえる舵輪を詠唱

銀の雨がわたくしと夫のみならずかすり傷でも
ラズワルドさまも、他の猟兵さまたちも癒しましょう


「この刃の雨は敵のみを傷つけます!お二方で
倒し、止めは此方にて!」

我が手にて倒しきれぬ者も屠って参ります
猟兵の刃なれば通るなら
「偽りの命は不要にて!」
剣も躱し戦い抜きましょう!




「世界を毒に沈める等と、斯様な暴虐は許せませぬ……!」

 シリルーン・アーンスランド(最強笑顔の護り風・f35374)の目には、狂える王の纏う紅黒のオーラが埋め尽くす大地がこの戦争が敗北に至った場合の末路のように映っていた。怪物達のの策略そのものも相まってか、常は柔らかな笑顔で彩るその顔から怒りの彩を隠さない。

「それを止める為の戦いだ」

 傍らに立つ凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)は、常と変わらぬ泰然さを纏ったまま、妻を宥める。とはいえ、陸井もまた、怪物たちの行わんとする事に対して怒りを抱えている。それ故に、己が旅団の団是たる“護”の一字を背に、今此処に立つ。

(それにしても、これほどの敵の群れを相手にするとは)

 この世界の人々は、他の世界でいう一般人でも相応に戦う力を持っているというが、「伝説の勇者」と謳われる存在の力に、陸井は敬意を抱く。世界を護る存在という意味では自分達猟兵もまた同じであればこそ。

「一緒に行こう、シリル」
「陸井さまそれでは参りましょう!」

 二人、戦場に並び立つ。



 勇士達の導きもあり、白銀の勇者の元――すなわち真の最前線へとたどり着くのは容易かった。其処に至るまでに二人手にした武器で敵を斬り払いながら駆けて来た事もあり、陸井が歴戦の戦士である事、シリルーンが柔らかな雰囲気を身に纏いながらも相応の力を持ち合わせている事を白銀の勇者には勿論、周囲の勇士達にも知らしめるには十分だった。

「ただ一人敵跳ねのける、雄々しき勇者さまのお手助けに参りました」
「敵の止めは俺達に任せてほしい」

 二人の申し出に白銀の勇者は頷いて応える。この場、この期に及んで、二人の実力を疑う者は、生きているヒトの中には一人として居なかった。 白銀の勇者の反応を受けた二人は視線を交わして互いの為すべき事の為動き始める。

「『お力お貸し下さいませ、舵輪に眠る皆々様……どうか我らに優しき癒しを、そして敵撃つ鋭き刃を!』」

 シリルーンは縁深い|大いなる遺産《メガリス》をその腕に抱きしめるように祈りの詠唱を口にする。能力者として、「死と隣り合わせの青春」を|銀の雨降る世界《シルバーレイン》で駆け抜けたあの日、己に託されたそれは、シリルーンをシリルーンたらしめたと言っても過言では無い、大切な存在達が眠り見守る場所。その名を冠したユーベルコード――『さまよえる舵輪』による銀の雨が、戦場に広がる。

「癒しと攻撃の力……感謝する」

 白銀の勇者自身は、狂える王の群れを相手に傷一つ負う事無く此処まで戦ってきているが、共に立つ勇士達には限界がある。
 シリルーンの銀の雨が齎す癒しの力が勇士達を鼓舞し、狂える王には鋭刃と化し傷を与え、屠っていく。

「此方も頑張らないといけないな」

 その光景に陸井も気を引き締める。戦場にあまり立つ事の無い妻が『さまよえる舵輪』と共に戦場に立てば頼もしい程に強いのは事実だが、自分がとて此処まで積み上げた研鑽がこの身にある。片手で短刀銃と小太刀を切り替えながら白銀の勇者や勇士達が瀕死に持ち込んだ狂える王を屠りつつ、もう片手では戦文字を綴る。

「さぁ、二人とも。全部吹き飛ばすぞ」

 その言葉と共に最後の一画が記され、「龍」の字が四つ組み合わさった戦文字が完成し、放たれる。轟、と、咆哮のような音と共に解き放たれたそれは、紅黒い海を割り、猟兵達を滅びの大地へ誘うかのように地を駆けて行った。



 『11の怪物』達の待つ戦場への道は開かれつつある。先ずはその喉元へ向かう一筋が、此処に開かれた。
 しかし、エリクシルとその眷属達の群れは狂える王のみでは無く、この地へ間断無く押し寄せて来ている。その気配は、この狂える王の群れと戦いは、未だ大きな流れの序盤に過ぎない事を物語っていた。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月05日


挿絵イラスト