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エンドブレイカーの戦い②〜新たなる勇士達と共に

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #伝説の勇者ラズワルド

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#伝説の勇者ラズワルド


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●滅びに抗う勇士達
 滅びの大地との境界線で黒狼のバルバが吼える。
 エリクシルの力によりこの世に蘇ったかの存在は、エリクシルの歪めた通りに世界に害をもたらす存在。
 通常ならば単独でも相当な力を有しているが、それが無数に迫ってくる――絶望的な光景。
 されどそれらと互角、いや、優勢に戦っている勇士達が居た。新たなる勇士の軍団――猟兵に非ずとも極めて強力な彼らは、しかしマスカレイドに対する人類のように滅ぼしきる事は叶わない。
 果ての見えない戦いを繰り広げる勇士達に対し、黒き狼のバルバは邪悪に笑んで絶望の|終焉《エンディング》へ導かんとかつてグレートウォールを破壊せんとした仮面のバルバ達のようにその強大な力を振るうのだった。

 グリモアベース。
「猟兵の皆様、11の怪物が大規模な攻勢を仕掛けてきました。すぐにご対応をお願い致します」
 恭しく礼をしながらマウザー・ハイネン(霧氷荊の冠・f38913)というグリモア猟兵の女は猟兵達にそう要請する。
「現在エンドブレイカー!の世界では大魔女の支配地であった滅びの大地から人類の生存域に向けて無数のエリクシルの軍勢が迫ってきています。現在新たなる勇士の軍団という人々がアビリティで抗い互角……いや、やや優勢に戦いを進めていますが、彼らにはエリクシルを完全に滅ぼす事が出来ないのです」
 そう説明する彼女は氷のような無表情、しかし僅かに焦りが滲んでいるように見える。
「ただ、実力は十分にあります。……伝説の勇者ラズワルドに至っては掠り傷すらほぼ負わずにエリクシルを倒せるほどに。非常に強力で数も多いエリクシルの軍勢ですが、彼らと上手く連携できれば戦況を有利に進める事ができるでしょうから、皆様には彼らに加勢して、敵の軍勢に確実にトドメを刺して滅ぼして貰いたいのです。今回相対するのは黒狼のバルバマスカレイド『『黒きバルバ』ザラーム』、群れを率いる戦いに慣れている強敵で数も多いですが……数多の世界を救ってきた皆様なら、十分戦えるはずです」
 エリクシルは非常に厄介ですが皆様なら大丈夫でしょう、そうマウザーは言って一息吐く。
「このままエリクシルの好きにさせればこの世界の大地が滅び、猟兵が全く干渉できない世界へと成り果ててしまいます。その終焉を覆す為、どうか、エリクシルによる悲劇を砕いてくださいませ」
 どこか歪さの滲むいつもの不器用な笑みを猟兵達に向けてそう締め括ると、蝋燭の形をしたグリモアに火を灯し猟兵達を戦場へと導いた。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 まずは一つ、頑張っていきましょうか。

 このシナリオはエンドブレイカー!の滅びの大地との境界線で『新たなる勇士の軍団』と共に『『黒きバルバ』ザラーム』の群れと戦うシナリオとなります。
 ラズワルドをはじめとして勇士は多数いる様なので希望のアビリティの支援などがあればできるだけ反映できるかと思います(エンドブレイカー専用アビリティは不可)。
 また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。

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 プレイングボーナス……ラズワルドと連携して戦う
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 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『『黒きバルバ』ザラーム』

POW   :    ジ・エンド
【巨躯を持つ"燃えさかる黒炎の獣"】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    バッド・エンド
【エリクシルが齎す赤き絶望のエネルギー】に覆われた真の姿に変身し、筋肉・骨・神経・臓器のどれかを激しく損傷する度に追加攻撃ができる。
WIZ   :    デッド・エンド
【弱き者どもの血が滴る"黒き獣爪"】【巨大化した獣腕での"握り潰し"】【敵をも服従させる"王者の咆哮"】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はヲルガ・ヨハです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●伝説の勇者は健在で
 強大なエリクシルの怪物は新たなる勇士達を容赦なく攻め立てている。
 基本的に抗う勇士達が優勢ではいるが、誰もが大なり小なりの傷を受けていく。重なればいつかは倒れてしまうだろう。
 だが、その中で一人だけ掠り傷すら碌に受けずに大剣を振るう騎士がいた。
 ――白き鎧のその騎士は遥か昔から大魔女と戦い続けてきた、伝説の勇者ラズワルド。
 彼の力を以てしてもエリクシルを滅ぼす事は叶わない。だが、そんな戦いを彼は過去に幾度となく経験してきたのだ。
 当時存在した、たった一人のエンドブレイカー、アウィン。
 マスカレイドに対する彼と同じように、エリクシルに終焉を与える事の出来る存在がこの地に援軍に駆け付け始めていた。
『……来たか、猟兵よ』
 いとも涼し気に大剣を振るいながら、伝説の勇者はやってきた猟兵達に振り返った。

※補足
 この戦場にいる勇士からの援護をプレイングに書いても大丈夫ですが、プレイングボーナスとなるのはラズワルドとの連携のみとなります。
アンゼリカ・レンブラント
戦法としてラズワルドの火力で大きく敵陣にダメージを与え、
瀕死の敵に此方が止めを刺すスタイルを取る

ラズワルドにはなるべく多くの敵を巻き込むよう、
ブレイドタイフーンを使ってもらおう
防御封じ、与えられるいいね

たくさんの敵を弱らせてもらったら、
纏めて私の《真・断罪閃光剣》でのなぎ払いで倒していくよ

以後もできるだけ弱っている敵を攻撃し止めを積極的に刺す
ラズワルドは逆に元気な敵を攻撃してもらうね

新たなる勇士たちには集団で行動してもらい狙いを合わせ、
消耗の多い者と交代しながら戦っていこう

かのグレート・ウォールとは違い、
このラズワルド・ウォーは決して砕けはしない
砕けるのは、11の怪物達だ!
鼓舞する声を上げるよ


ミルナ・シャイン
まあラズワルド様イケメン…!(もろ好み)
相当おモテになったと聞きましたけれどあの顔立ちに他を寄せ付けぬ圧倒的な強さ!モテるわけですわ。
…ところでラズワルド様って今おいくつなのかしら…

と、そんなのは些末なことですわね。
初めましてラズワルド様、猟兵が一人、ミルナ・シャインと申しますわ。
伝説の勇者と共に戦えること光栄に存じます。

ラズワルド様、よろしければブレイドタイフーンというアビリティを使っていただけますか?それで敵ごとわたくしを高く飛ばしていただきたいんですの。
アビリティの竜巻に乗って高所まで飛び上がり、命中率を高めた兜割りで頭から腰までを【叩き割り】、【鎧砕き】の強烈な一撃をお見舞いしますわ!



●黒炎切り裂く竜巻と
 人類の生存圏へとなだれ込まんとするエリクシルの軍勢が一つ、『『黒きバルバ』ザラーム』。
 バルバにしては妙に身なりのいい――目的も信念もなくただ悪辣に我慾を満たす為だけに奪った略奪品で身を飾りたてた黒き獣人は、この荒野の戦場に無数に存在している。
 黒炎の巨躯の獣に変じ、理性なく超強化された膂力で勇士達に襲い掛からんとする群を伝説の勇者ラズワルドが阻む。
 巨躯の暴力は勇士ですらもまともに受ける事は困難。だが、ラズワルドは勇者としての純粋な技量で全ていなし受け止めて一撃たりとも傷を受けることはない。
 とはいえラズワルドの方もザラーム達を真に滅ぼす事はできない。真に終焉を与える事ができるのはーー、
「久しぶりだな、ラズワルド!」
 活力に溢れた声で参上したのは黄金の装飾の斧剣構えたアンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)、
『エンドブレイカー……いや、今は猟兵か。よく来てくれた』
 大魔女との最終決戦の前後、特訓した16年前から殆ど変わらぬ彼女の姿をラズワルドが認め、ワイルドスイングで荒々しく大剣を振るい周囲のエリクシルの群れを吹き飛ばした。
(「まあラズワルド様イケメン……!」)
 かの勇者を初めて目にした淡い珊瑚を幾重にも重ねた鎧纏う下半身が魚の深海人、ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)はそんな事を考えていた。
 かつての大魔女との戦いでも相当モテていたとは聞いていたが、あの顔立ちに加え他を寄せ付けぬ圧倒的な強さを目の当たりにすれば納得しかない。
(「……ところでラズワルド様って今おいくつなのかしら……」)
 ――約六千年もの間大魔女と戦い続けてきたラズワルドは時の流れから大きく隔絶されている。実年齢は不明だが、少なくとも肉体年齢は若々しく見える。
 と、そんなのは些末なことは置いておいて。
「初めましてラズワルド様、猟兵が一人、ミルナ・シャインと申しますわ。伝説の勇者と共に戦えること光栄に存じます」
 騎士らしく丁寧に挨拶をするミルナ。
『人魚の猟兵か。此方こそ宜しく頼む』
 激しい戦いの中、息一つ乱さずラズワルドはミルナに答えて、理性なき獣たちに再び構え直す。
「早速ですがよろしければブレイドタイフーンというアビリティを使っていただけますか?」
「奇遇だな! 私からも頼む!」
 ミルナとアンゼリカの要請に、伝説の勇者のの大剣が振るわれて猛烈な竜巻がザラームの群を飲み込んだ。
 勇者のアビリティにより引き起こされた竜巻はラズワルドの勇者としての技量もあり敵陣を容易く引き裂いていく。
「裁きの光よ、我が身に集いて剣となり全てを切り裂け!」
 そこにアンゼリカが【真・断罪閃光剣】を起動し、斧剣が峻烈なる裁きの光に包まれていく。形成されたのは光を凝縮したかのような長大な光剣、それを一気にザラームの群れを薙ぎ払う。
 ユーベルコードの相性そのものは良くない、だがラズワルドにより十分以上に削られ瀕死に追い込まれ、更に防御を封じられたザラームはそれに抗うことができず次々に切断され、光に還るように消滅する。
 しかしエリクシルの軍勢は多く、竜巻に巻き込まれなかったザラームが押し寄せてくるが、そこに空からミルナが落下してくる。
 生じた竜巻の余波に身を任せ空高くへと舞い上がった事を彼女が狙うのは巨躯の獣の頭部。
「お母様直伝の一撃、これは強烈ですわよ!」
 美しい細身剣を大上段に構えた彼女がユーベルコード【兜割り】を起動、高所であればあるほど命中率の上がるダイヤモンドの刃が一体のザラームに襲い掛かる。
 強烈な竜巻により舞い上げられた彼女の高度は十分以上。落下速度を乗せた斬撃は、ユーベルコードにより強化された強靭なザラームの体を頭から腰まで一気に叩き割った。
 そこに後方からの新たなる勇士達の支援アビリティが殺到し、ザラームの群れを乱した。
 それでも理性なく彼らに襲い掛かろうとするエリクシルの軍勢は、だが最前線のラズワルドの竜巻に食い止められてアンゼリカの光剣とミルナの細身剣により確実に仕留められていく。
「かのグレート・ウォールとは違い、このラズワルド・ウォールは決して砕けはしない」
 強靭な魂を象徴するかのように長く形成されたアンゼリカの光剣は弱ってなお理性なく暴れる黒き獣を次々に撃破していき、そして消耗した新たなる勇士達を鼓舞するように彼女は叫ぶ。
「砕けるのは、11の怪物達だ!」
 堂々たる黄金戦姫に応ずるように、新たなる勇士達はその|闘志《GUTS》を更に燃やし、交代で前線の勇者を支援するよう狙いを定めて恐るべきエリクシルの軍勢を迎え撃つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
SPD重視
他の猟兵との連携・アドリブ可

大戦には大軍勢がつきものよの
しからば猟兵の将たるわらわが加勢に参ろうぞ

「わらわが突破口を開く故、ラズワルド殿と勇士達は後に続いてたもれ」
UC「鎧装馬騎乗」発動にて鎧軍馬を召喚し騎乗
薙刀と手綱をそれぞれの手に委ね、一気呵成の騎乗突撃にて切り込みをかけん
薙刀の武技で引き付ける(陽動)ように敵将のおもてなしと参ろうぞ
こちらへ向け存分に注視させれば後に続くラズワルド殿とわらわと勇士達とで集団戦術の連携を図る
わらわ達の力を思い知るがよい!

そういえば・・・
勇士達の中に編み込んだ金髪を蓄えた女子が馬の星霊に騎乗して華麗な薙刀捌きを披露しておったな
思わず見惚れてしもうたわ



●朱鎧の女武者は軍馬で駆ける
 ラズワルドの竜巻で引き裂かれたザラームの群れは、けれど再び勢いを盛り返してラズワルドへと襲い掛かる。
「大戦には大軍勢がつきものよの。しからば猟兵の将たるわらわが加勢に参ろうぞ」
 新たにやってきた朱色の鎧の鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)はそう告げて、ラズワルドはそれは助かると向かってくる黒き獣の軍勢に構え直す。
「わらわが突破口を開く故、ラズワルド殿と勇士達は後に続いてたもれ」
 恐るべき勢いの敵軍に対して、小百合子はユーベルコード【鎧装馬騎乗】を起動する。
「我は呼び出す敵を踏み潰せし蹄持つ騎馬……出でよ!」
 その呼びかけに答えるかのように、彼女の倍の大きさの鎧軍馬が召喚されて、手際よく小百合子は騎乗する。
 彼女が勇ましく片手で掲げるは死地を共に潜り抜けた愛刀たる『竜王御前』という薙刀。片手に手綱を握る主の号令に従って恐れなく黒き獣の群れに小百合子と愛馬は飛び込んでいく。
 赤き絶望のエネルギーに覆われた黒き獣は疾駆する彼女をその爪牙で引き裂かんとするが、人馬一体となった小百合子はその致命の攻撃を躱し華麗に薙刀で反撃を喰らわせていく。
 切り裂かれる黒獣、損傷すればその度に更なる攻撃を小百合子に重ねていって、中々致命打を叩き込むのは難しい。
 それでも彼女の狙いは陽動、巧みに操る薙刀の武技でザラーム達を十分注視させる事が出来たのならば、新たなる勇士の支援やラズワルドの攻撃も通りやすくなる。
 城壁のオーラを纏った勇者が果敢に突撃、黒き獣たちを纏めて跳ね飛ばせば瀕死の獣の頸を小百合子が断ち切り絶命させる。
 ふと、小百合子の視界に朱色の武者鎧に似た防具の女が目に留まった。
 この世界の星霊らしい青白の軍馬に騎乗した編み込んだ金髪を蓄えたその女性は、撫子の花のような可憐さで勇ましく薙刀を振るい襲い掛かる黒き獣を薙ぎ払っている。
 思わず見惚れてしまうような華麗な薙刀捌き――同じ軍馬の薙刀使いとして妙に気になったが、すぐに敵に向き直って。
「わらわ達の力を思い知るがよい!」
 そう勇ましく叫んだ小百合子は手綱を握る手に力を込めて、再び軍馬を疾走させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
【心情】
こいつらを放置すれば、この怪物どもがほかの世界を攻め放題になるってことか
生憎とそんなことさせてやる義理はねえわな

「こいつはまあ、戦い甲斐のある敵の数だな」
「行くぜ、イグニッション!」

【戦闘】
「(ラズワルドに)あんたが勇者さんかい? よろしく頼むぜ」

見た目にそぐわぬ武闘派だな
嫌いじゃねえが、こういう場所だと大概に面倒だ

「リミッター解除」「グラップル」によるUCの攻撃を仕掛ける
「見切り」「心眼」で回避をしつつ戦闘

疲労・負傷が出てきたら、ラズワルドに任せて動きを止める
互いに休む時間を作れるようにして戦闘する

「(ラズワルドに)一仕事終わったら、後で飯でもどうだい?」
どこの世界でも飯は共通言語さ



●獣には獣の力で
 銀の雨の降る世界より荒野へやってきた元能力者、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)がイグニッションカードを掲げて、
「行くぜ、イグニッション!」
 叫んだ瞬間、武装は完了。無数にやってくる黒きバルバの群れを睨みつける。
「こいつはまあ、戦い甲斐のある敵の数だな」
 新たなる勇士の軍勢と黒獣のエリクシルの軍勢の戦場は拮抗、いや勇士達のがやや勢いづいている。
 それでも同じ姿のザラームというバルバは次から次に押し寄せて、戦力を維持し続けているようだ。
(「こいつらを放置すれば、この怪物どもがほかの世界を攻め放題になるってことか」)
 エリクシルによる侵略の兆しは既に銀の雨の降る世界にも現れている。ここでエリクシルが勝利したのならば、万能宝石の軍勢はこの猟兵の干渉を断たれた世界で戦力を蓄え自由に世界の侵略を開始する事だろう。
「生憎とそんなことさせてやる義理はねえわな」
 果てのない戦いに後の世代を巻き込むなど冗談ではない。そう思いながら遠目に見ても一人だけ別格に強い白銀の騎士を見つけ出す。
 ――彼が伝説に語られるラズワルド。騎馬の武者が敵軍を切り拓き、続いて敵軍へと飛び込んだ彼の周囲は殺意溢れる敵だらけで。
 黒き獣の隙間を縫ってかの勇者の元へとやってきた魎夜は理性なき獣を殴り飛ばしつつ、気安く挨拶する。
「あんたが勇者さんかい? よろしく頼むぜ」
『こちらこそ頼む。ここは一気に薙ぎ払うか』
 そう言うやオーラの戦旗を振り回し迫ってきた黒焔の獣を薙ぎ払うラズワルド。見た目は整った騎士そのものだがその外見にそぐわぬ武闘派の気配を魎夜は感じ取る。
(「嫌いじゃねえが、こういう場所だと大概に面倒だ」)
 攻めに攻めて退路を失うような無謀は知っている。魎夜がすべきと思った事は彼が休息できるように余裕を作る事で。
「少し休んでな。俺が敵を喰い止める」
 そうラズワルドに告げて魎夜はユーベルコード【サベージナックル】を起動し、偉大なる獣の守護精霊の力をその拳に宿す。
「荒っぽい戦い方になるぜ、覚悟しとけ!」
 速く動くものへと無差別に攻撃する巨大な獣の一体の懐に魎夜は飛び込んで、腹に強烈な一撃を叩き込む。
 既にラズワルドに体力を削られた獣はそのまま倒れるが、他の巨大な獣が魎夜目掛けて襲い掛かる。
 その動きを見切り躱し、限界を超えた力で殴り叩き伏せてトドメをさしていく。が、次から次に殺到する黒き獣は歴戦の戦士である魎夜にとっても捌き切るのは難しく、疲労があっという間に溜まっていく。
『休息は十分だ。しばらくは任せて貰ってもいい』
 しかし、彼と入れ替わるようにラズワルドが前に出て戦旗で巨大な獣を薙ぎ払った。
 交代に休息を取り継戦時間を延ばす戦法、それはラズワルドにも幾分助けになったようで、先程以上に鋭い攻撃がザラームに叩き込まれている。
「一仕事終わったら、後で飯でもどうだい?」
『ああ、いいな。この戦いが終わったらそれも悪くはない』
 そう誘った魎夜にラズワルドはふっと笑む。どこの世界でも飯は共通言語、それはラズワルドも同じなようだ。
 ――何となく、この勇者は一か月戦い通すつもりなのだろうかとちらりと思う。
 実際やりかねないのだが、そうなら飯は随分先だなと考えつつ、一休みできた魎夜は再びラズワルドと肩を並べ黒炎の巨獣を殴りつけ仕留めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

やるねぇラズワルドさんよ、
伝説と呼ばれるだけはあるのな。
じゃあここから先、また新しい勇者の伝説を紡ごうじゃないのさ。
アタシ?アタシはちょいとその手助けをしたいだけだよ!

で、だ。その大剣、少し貸しておくれやしないかい?
なぁにタダで借りようってわけじゃねぇ、アタシのこのSMGを託すよ。
そいつで『弾幕』を張っとくれ、アンタの膂力なら難なく扱えるだろうさ。
アタシはその『制圧射撃』の中を『ダッシュ』で駆け抜け、あのガタイだけでかくなったこけおどしの獣をぶった切りに行ってくる!
奴が理性を失えばこっちのもんだ、アタシも弾よりは速く動けるわけじゃないからね。
至近で一撃をぶち込むよ!



●新たなる伝説、ここに?
 激しい戦いの中で休息を挟みつつ、伝説の勇者ラズワルドは次々に強烈なアビリティを叩き込み黒き獣の群を斬り伏せていく。
 完全に滅ぼすことはできずとも猟兵にトドメを託すためにまさに武神の様相。
「やるねぇラズワルドさんよ、伝説と呼ばれるだけはあるのな」
 そんな彼の下へやってきたのはライダースーツの女、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。
『伝説……か。それ程の存在ではないのだがな』
 謙虚にラズワルドは言うが、その強さはその肩書に相応しいものだときっと誰もが思う程で。
「じゃあここから先、また新しい勇者の伝説を紡ごうじゃないのさ」
『ふむ、成る程?』
「で、だ。その大剣、少し貸しておくれやしないかい?」
 いきなりの申し出ではあるがそれにはきちんとした理由がある。彼女が今回使おうとしているユーベルコードは仲間から武器を借りることが重要だからだ。
 なぁにタダで借りようってわけじゃねぇ、と多喜はラズワルドに愛用の魔導SMGを手渡す。
「そいつで弾幕を張っとくれ、アンタの膂力なら難なく扱えるだろうさ」
『ふむ……形は随分違うが紫煙銃に似ているな。ならばこの剣を使うといい。私には予備もあるからな』
 それまで使っていた大剣をラズワルドは多喜に手渡し、代わりに背中に背負っていた妙に禍々しい見た目の大剣を抜く。
 借りた魔道SMGとで二刀流の構えだ。
「アタシはあのガタイだけでかくなったこけおどしの獣をぶった切りに行ってくる!」
『了解だ。援護してみよう』
 了承を得た多喜はずしりと重い大剣を担ぎ、ユーベルコード【悪退ける絆】を起動して黒き獣へと疾走する。
 理性なき獣が黒炎の巨大な獣に変身して多喜に襲い掛かろうとするが、彼女の後方から放たれた弾幕が足を撃ち抜き攻撃の出鼻を挫く。
 それだけではない、多喜よりも速い弾丸に理性なき黒獣は反応し、其方への対応で迫るライダースーツの女から注意をそらしてしまう。
「行くぜ、この連携でキメるよッ!」
 至近距離に飛び込んだ多喜が大剣を全力で薙ぎ払う。勇者の支援を受け大剣の重量をフルに活かした強烈な一撃は、見事巨大な獣を胴体で両断し滅ぼす事に成功。
 さらに数体援護射撃の勢いに乗って頭をかち割り黒炎を吹き飛ばすような衝撃波で巨躯の獣を吹き飛ばし、一旦ラズワルドの元へと多喜は戻る。
 そこで見たものは――、
『中々面白い武器だな。これは』
 襲い掛かる巨躯の獣に対し、魔導SMGで弾丸をばら撒きつつスタイリッシュに巨大な黒き獣を禍々しい大剣で切り払う元気な勇者の姿が!
(「順応早ぇ!?」)
 伝説の勇者ラズワルドは何でも達人ばりにこなせるという噂をどこかで聞いたような気がする。しかし、ここまで早いとは。
 ちょいと新しい伝説の手助けをしたいだけだったが、これは本当に伝説になってもおかしくはないなどと多喜はついつい思う。
 しかしやっぱり愛用の大剣の方が慣れているようで、ラズワルドは魔導SMGを多喜に返し多喜の方も大剣を返却。
『必要ならまたやろう』
 そうラズワルドは付け加える。
 まだまだ敵の数は多い。撃破しきるまでにこのコンビネーションが再び日の目を見る事もあるだろうと考えながら、多喜は黒き獣の群れに攻撃を仕掛けていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シモーヌ・イルネージュ
狼相手とはいいね! 相手に不足無しだ。
狼同士、仲良くしようよ。

こっちは伝説の勇者か。心強いね。

相手は強力だから、攻撃と防御に分かれて相手をした方がよさそうだ。
では、防御はアタシがやるから、ラズワルドは隙を見て攻撃を。
それでこっちも追撃するよ。

黒槍『新月極光』で戦うよ。
速く動くものを見ると見境ないのなら、攻撃の届かないところに使い魔『サテリット』を放って、気を散らすようにしよう。
あとは槍の【武器受け】とUC【神燕武槍】を発動して、隙を待とう。

ラズワルドの攻撃で相手ガードが空いたところに、神速の突きを【怪力】で叩き込もう。



●月影の人狼は護り抜く
 エリクシルの軍勢の圧が弱まってきている。猟兵の参戦で
 その好機を見逃す勇者や勇士ではない。黒きバルバを翻弄し遠距離からアビリティで狙い撃ち削る勇士達、そして敵軍に飛び込み縦横無尽に大剣を振るい白銀の鎧に返り血を浴びながら陣を崩していくラズワルド。
 豪快に薙ぎ払われる黒炎の狼の群れだが、滅ぼし切れないエリクシルの軍勢は自身の傷も厭わず恐ろしい咆哮と共に襲い掛かってくる。
「狼相手とはいいね! 相手に不足無しだ」
 最前線のラズワルドの元へ、クルースニクのシモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は駆けつけて、愛用の黒槍『新月極光』を構えた。
「こっちは伝説の勇者か。心強いね」
 この場所に来るまでに見てきたザラーム達の実力は凄まじかった。それらと相対するにあたって彼の存在は非常に頼もしくシモーヌには感じられた。
「では、防御はアタシがやるから、ラズワルドは隙を見て攻撃を」
 空に鴉の使い魔『サテリット』を放ちながらシモーヌがラズワルドに要請すると、
『わかった。守りは任せた』
 そう言いながら伝説の勇者は地面に大剣を突き刺し、襲い掛からんとしていた黒狼の足元からオーラの刃を噴出させて貫く。
 深々と胴を裂かれながらも、黒炎を燃え盛らせた巨躯の獣は血を吐きながらもラズワルドへと襲い掛かる。
 しかし、そこにシモーヌが両者の間に割り込んでくる。
「狼同士、仲良くしようよ」
 軽口を叩く銀の狼に、黒炎の狼はその巨躯を衝動に燃え上がらせ神速で彼女に飛びかかる。
 まともな理性を喪った故の超攻撃力と超速度――対するシモーヌは黒檀の槍を構えてユーベルコード【神燕武槍】を起動し迎え撃つ。
「我に時の流れを委ね、滅びの力を与え給え」
 黒炎の狼爪が人狼の女へと振るわれる。が、シモーヌはその強烈な一撃を新月極光の柄で受け止めて、瞬時に狼を突いた。
 神速の突きは的確に急所を貫き、ラズワルドの攻撃で弱った体力の残りを完全に削り取る。
 燃え尽きた黒炎、どうと倒れる巨躯の獣。
 続いて襲い掛からんとするザラームの群れの上空をサテリットが高速で旋回する。
 理性なく見境なしに速い存在を追う性質をもつ黒炎燃え盛るザラームは、その使い魔が手が届かない高度にいるにも拘らず気を取られてしまい、一瞬ラズワルドとシモーヌに隙を見せてしまう。
 破壊の力を宿した大剣を白銀の城塞騎士が振るい無傷のザラームを爆破、吹き飛ばされたガードを見逃さずクルースニクの神速の突きが貫いて、槍の柄で横から薙ぎ払い獣にトドメを刺した。
「よし、次!」
 黒槍を回転させシモーヌは次の敵に備える。
 もうあと少し、エリクシルの軍勢が一時途絶えるまで人狼の傭兵は守りを固めつつ堅実に黒きバルバを狩っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
さすが伝説の勇者さん、お強いですね
そして勇士の皆さんも
エリクシルと互角以上に戦っておられて
敬服します
猫の手をお貸ししましょう

ラズワルドさんに付き従うように動きます
場合によっては
ラズさんの肩や頭の上に位置どります

ラズさんの背後を守るように
ナーゲルを振るいます
…多分必要ないとは思いますが

ラズさんがエリクシルさんを倒す側から
ナーゲルを指揮棒のようにして魔力を操作し
矢で仕留めます

ラズさんのことですから
一気に多くのエリクシルさんを倒すでしょうから
敵の属性を見極めて弱点としているような属性の矢で
効率よく仕留めるよう留意します

エリクシルさんを一体でも多く倒し
勇士さん達の消耗が抑えます
それが世界を守ることにつながります

終幕
リートを演奏して
皆さんの勇気と勝利を祝します



●奏でる旋律は高らかな勝利へ
 果ての見えないエリクシルの軍勢の勢いが更に鈍り、新たなる勇士の軍勢は勢いを増して一気に押し返しにかかる。
 その起点となっているのは伝説の勇者ラズワルド、そして戦場に次々にやってきている猟兵達だ。
「さすが伝説の勇者さん、お強いですね」
 伝説に名高いラズワルドの雄姿に箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は感嘆する。
 そして彼だけではない。新たなる勇士もエリクシルの軍勢を倒し切れないにもかかわらず互角以上に戦っていて、敬服の念しか湧かない。
「猫の手をお貸ししましょう」
 かの勇士達を支援する為に、小柄な体で黒猫はラズワルドへと戦場を駆け向かった。

 英雄騎士のオーラを纏ったラズワルドの拳が一体のザラームの胸を撃ち抜く。
 血を滴らせる黒き獣爪も、巨大化したその獣腕も、そして王者の咆哮すら勇者に届きはしない。
 だがラズワルドの方もトドメを刺す事は出来ない。大魔女との戦いの頃から決して己では敵を滅ぼしきれない、そんな絶望的な戦いを続けてきたラズワルドは常に冷静にアビリティを繰り出し食い止め続ける。
 この戦場にやってくる猟兵に託すために――と、そこで彼の足元に黒い何かが近づいてくる。
「ラズワルドさん、力をお貸しします」
 緑の眼の二足歩行の黒猫の猟兵は丁寧にラズワルドに挨拶をして、『|カッツェンナーゲル《ねこのつめ》』をラズワルドの背を守るように構えた。
『猟兵とは様々な姿の者がいるのだな。……トドメは任せる』
 告げるラズワルドをいつの間にか黒狼のバルバの群れは包囲している。逃げ場のない絶体絶命のような状況。
 巨大化させた獣腕で一気に彼を引き裂きにかかるザラーム達に、最初に叩き込まれるのは勝利を現す『V』の斬撃。
 まともに受けたザラームに仄々は細身の剣を指揮棒のように振るいながらユーベルコード【トリニティ・ブラスト】を起動する。
「さあ、ちょっと派手にいきますよ〜」
 世界に充る森羅を魔力の矢に変えて、巨大化した獣腕を宿す獣を討つ。
 ラズワルドのVサインによる強化を受けながら、715本もの三属性の魔力の矢は周囲のザラームを射抜き、弱っていた者に終焉を与えていく。
 されど最期の力を振り絞るかのように黒きバルバは吼えて二人に他の仲間を踏み越えながら襲い掛かってくる。
『ここに乗るといい』
 ひょいと背後のラズワルドが仄々を持ち上げ彼の肩に乗せる。
 何故かと問う前にラズワルドが城壁のオーラを纏って――、
『しっかり掴まっていてくれ』
 そう告げてザラームの群れに猛スピードで突進した。
 突進する彼を狙うザラームの爪を大剣で全て斬り払い逆に強烈な斬撃で反撃し多数のザラーム達に致命傷を与えていくラズワルド。
 そんな彼に負けぬよう、ねこのつめを振るい魔力を操作し黒炎を消し止めるような水の魔力矢を多めにラズワルドの攻撃を受けたザラーム達に放っていく。
 非常に効率的、効果的にエリクシルの軍勢は蹴散らされていき、後方の新たなる勇士の軍勢も消耗を抑えながら堅実に残党を始末していく。
 このエンドブレイカーの世界を守る為に戦う彼らを守る為に、魔力を繰る仄々の手にも力が入り、次々に敵を射抜いていって。
 そしてとうとうこの場に迫って来ていたザラームの群れは完全に喰い止められた。
 一時侵攻が止まった勝利に湧く勇士達、彼らを湛えるように黒猫の|独唱曲《リート》が響く。
 勇者と新たなる勇士たちの勇気と勝利を祝するメロディーー境界の荒野に高らかに響き渡るそれは、今後も続く戦いへと向かう彼らの士気を高揚させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月06日


挿絵イラスト