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【悪機襲来】気候制御センター防衛戦線

#コイネガウ #防衛戦 #悪機襲来 #初年度の九月分シナリオ #プレイング受付は9月1日の午前8:31から

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#コイネガウ
#防衛戦
#悪機襲来
#初年度の九月分シナリオ
#プレイング受付は9月1日の午前8:31から


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●注意
 当依頼は、PBWアライアンス『コイネガウ』からのシナリオです。
 PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
 公式サイト:(https://koinegau.net)
 公式総合旅団:(https://tw6.jp/club?club_id=4737)



 希島の自然地区に突如として発生した巨大オブリビオン・ホールから出現した異世界からの侵略者――オブリビオンマシン、ファイアワークス。
 |火炎製造工場《ファイアワークス》という機体名に相応しく|夥《おびただ》しい数の武装を搭載した鋼の敵機は、野を焼き払う炎が燃え広がるかの如き速度で自然地区を制圧すると、そこを拠点として、島の各地区を配下である侵略機体どもに襲撃させた。
 かくして希島の平穏な|日日《ひび》は脆くも崩れ去った。
 |人人《ひとびと》の営みの声に変わって、国防軍が駆るキャバリアと、侵略者であるオブリビオンマシンとの間で交わされる銃砲火の無骨な響きが、朝夕の区別なく島の各所を震わせた。

 そして現在。
 侵略機体どもの|首魁《しゅかい》であるファイアワークスが希島の気候制御センターに接近しつつあるとの確かな情報を、国防軍の作戦指令室は掴んだのである。



 |新妻《にいづま》|和歌子《わかこ》は目下の|危急《ききゅう》|存亡《そんぼう》の事態にあって|希人《まれびと》たちを召集した。
 普段は学園地区の図書館で司書を務めている和歌子だが、現在は希人情報屋としての未来を予知できる特異な才能を買われて、国防軍の作戦立案に協力しているのだという。
 その和歌子が、侵略機体どもを統率しているファイアワークスの侵略作戦の予知に成功したという事で、国防軍作戦指令室は|俄《にわ》かに慌ただしく動き出していた。

「島民の|方方《かたがた》には今更な話ではあるのですけれども、異界人の中には詳しく知らない方も居るでしょうから改めて説明させて頂きますね。希島は東シナ海に浮かぶ――正確には停泊している機械仕掛けの人工島です。島は半透明のドーム型の|障壁《バリア》によって常に包まれています。この障壁によって島内の気温や気圧、気候が制御されています。そして侵略者を統率しているオブリビオンマシン、ファイアワークスが工業地区にある気候制御センターを攻撃目標に定めたようなのです。もしも機構制御センターが制圧されてしまえば島内の気候は侵略者の思いの|儘《まま》にされてしまいます。いいえ。制圧されないにしても、もしも攻撃の余波で気候制御センターの機能が故障してしまえば、それが島内にどのような影響を及ぼすか想像もできません」

 最悪の場合は希島内の環境は人間が生存不可能な状態で固定されてしまう事さえもが在り得る。
 その懸念があるからこそ国防軍作戦指令室も気候制御センター防衛作戦のための人員確保に躍起になっているのだろう。
 軍関係者以外の希人や異界人が緊急事態であるとして招集されたのも頷ける。
 これは絶対に失敗することの出来ない作戦なのだ。

「侵略者の魔の手から気候制御センターを護るために、どうか皆さんの力を貸してください。敵は幾つもの強力な武装を搭載したオブリビオンマシン、ファイアワークスです。形状こそ歩行する人型の戦車――パンツァーキャバリアですが、その攻撃力、防御力は他に比肩し得るものが存在しないほどに強力な機体です。困難な作戦になるでしょう。しかし、希島に平和な日日を取り戻すために、どうか皆さんの力を貸してください。お願いします」

 和歌子が集結した希人たちに訴えかける中で、国防軍作戦指令室内に緊急事態を報せるための|警報《アラート》が鳴り響いた。

『――哨戒機より入電! 工業地区にてファイアワークス発見! 気候制御センター、南西3キロメートルの地点です!』
『直ちに防衛部隊に通達! 決してセンターには近付けるな! 近藤1佐の部隊を回せ!』
『近藤1佐! 1佐! 応答してくださいっ! 近藤1佐っ!? ……駄目です! 連絡がつきませんっ! 部隊反応、すでに途絶っ!!』
『そんな、馬鹿なっ!? あの近藤が率いるキャバリア部隊が……この短時間で全滅したとでもっ!? |我我《われわれ》の敵は……本物の化物かっ……!?』

「――どうやら、もう余り時間が残されていないようですね。今から私が、皆さんを気象制御センターの最終防衛ラインに転移させます。この島の未来を皆さんの双肩に託します」

 和歌子の所持するグリモアから放たれる輝きが、希人たちを戦場へと導いた。


黒猫白猫
 注1:このシナリオは【悪機襲来】の共通題名で括られる戦闘シナリオの連動シリーズです。
 希島を舞台にした五箇所の各戦場をクリアすると新しい「種族とジョブ」の報酬が出ます。
 なお、各MSによるシナリオはどれも内容が独立している為、重複参加に制限はありません。

 注2:戦場と報酬の一覧表は以下です。
 黒猫白猫MS「純戦」の工業地区。「パンツァーキャバリア」が報酬。
 高天原御雷MS「守備」の商業地区。「ジャイアントキャバリア」が報酬。
 黒代朝希MS「鹵獲」の自然地区。「オブリビオンマシン」が報酬。
 にゃんさん。MS「淫闘」の住居地区。「ロボットヘッド」が報酬。
 ヤタ・ガラスMS他「掲示板」の学園地区。詳細は掲示板。

 コイネガウ第2作『【悪機襲来】気候制御センター防衛戦線』をお届けします。
 なにやらボス戦という大役を任されてしまいました。
 |恐懼《きょうく》の至りではありますが頑張らせて頂きます。
 頑張ろうという熱意が空回りしないと良いのですが。

 平和な希島を襲撃したオブリビオンマシンどもの首魁、ファイアワークス。
 多数の武器を満載したパンツァーキャバリア型の敵になります。

 戦場となるのは工業地区に存在する気象制御センター前の最終防衛ラインです。
 ここを突破されると希島の気温や気圧や気候が大変なことになってしまいますので、敵の侵攻を何としても阻止してください。

 以下がファイアワークスの使用するユーベルコードになります。

『POW:ファイアワークス・ウエポン』
 【火炎放射器】【多連装ロケット砲】【電磁投射砲】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。

『SPD:ファイアワークス・ケミカル』
 【大気組成変換装置】から無限に供給される【高濃度の可燃性の毒ガス】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。

『WIZ:ファイアワークス・マイン』
 【超高性能電子頭脳による戦術予想】を使い、予め設置しておいた【地雷】を起爆する。同時に何個でも、どんな遠距離からでも起爆可能。

 皆様が侵略機体の首魁を相手にどのような闘いを繰り広げるのか楽しみにさせて頂きます。

 この物語が僅かでも皆様の楽しみになれば幸いです。
 それでは何卒、よろしくお願い致します。
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

イラスト:YoNa

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イリスフィーナ・シェフィールド
まったくいきなり現れて人様の施設にて手をそうなんて不埒な方々ですわね。
容赦なく叩き出してさしあげましょう。

地雷を使うというなら飛んでればよろしいでしょうとブルーマリンで飛行。
爆発力不明で散弾はとか撒き散らすかもしれないのでできるだけ高く。
相手の真上まできたらブレイズ・スラッシャー手に垂直降下。
勢いも利用して思いっきり突き立てます。

後はライトニング・プレッシャーで追い討ちします。
中まで雷流せれれば儲けものですわね。
システム障害(麻痺)しているうちに退散しましょう。



「まったく。いきなり現れて|他人《ひと》様の施設に手をだそうだなんて、|不埒《ふらち》な方方ですわね」

 希人情報屋に導かれて颯爽と先陣をきったのは、女神フレーシェルの巫女にして、誰もが憧れるスーパーヒロイン、イリスフィーナ・シェフィールドであった。
 希島の気象制御センター防衛のために国防軍が定めた最終防衛|線《ライン》に降り立った彼女が目にしたものはオブリビオンマシンの強壮なる火砲の前に破壊された国防軍キャバリア部隊の|惨憺《さんたん》たる有様である。
 鋼の躯体が|骸《むくろ》のように積み重なる戦場の中央で、他世界からの侵略機体――|火炎製造工場《ファイアワークス》が無機質なカメラ・アイを光らせている。
 オブリビオンマシンのカメラ・アイが眼前に立ち塞がるイリスフィーナの姿を捉えると、突如として、彼女の足元から爆炎が噴きあがった。
 轟音が響き渡り、|朦朦《もうもう》と吹き上がる黒煙が、工業地区の空を灰色に染め上げていく。

「――不埒なだけではなく、|無粋《ぶすい》でもありますわね。まだ、わたくしは名乗ってさえおりませんのに」

 頭上から投げ掛けられた言葉に、ファイアワークスのカメラ・アイが上空に向けられる。
 足元で炸裂した爆炎に巻き込まれたかと思われたイリスフィーナの姿は、無傷のままに空中に存在した。
 海原を思わせる青いオーラによって形成された羽衣を纏い、重力の戒めを断ち切って、優雅に空中を泳いでいる。

「まるで未来を予測したかのように地雷を仕掛け、好きな時に起爆できる。なるほど。地上で闘う相手には有効な手段でしょうけれども。空を飛べる、わたくしには効果がありませんわ。|狼藉《ろうぜき》が過ぎましたわね。容赦なく叩き潰して差し上げますわ!」

 イリスフィーナは遥か天空高くに舞い上がると、そのまま、直下に存在するファイアワークスへと目掛けて急降下を開始する。
 オブリビオンマシンも、上空より飛来する敵を迎撃せんとして砲台を向けようとするが――。

「――無駄ですわ。例え異世界で建造された機体であるとしても、貴方が、パンツァーキャバリアであるという事実は変わりませんもの。その弱点も同様ですわ。すべての戦車に共通する弱点――それは主砲の|俯仰角《ぎょうふかく》ですわ。どんな戦車も、自分の頭上に主砲を向けることはできませんのよ!」

 イリスフィーナの指摘通り、オブリビオンと化した異世界の人型戦闘車両も、その形状が孕む構造的な弱点を克服するには至らなかった。
 イリスフィーナの手に携えられた大剣――ブレイズ・スラッシャーが、蒼く眩い雷光の煌めきを、その刃に纏わせた。

「轟け雷光っ! タイトニング・プレッシャーですわっ!」

 一億ボルトの電圧と、一ギガジュールにも及ぶ膨大なるエネルギーの塊――すなわち、雷を纏う大剣の一撃を受けて、ファイワークスの全身から無数の火花が散った。

 ――各種兵装管理機能、|機能不全《システムエラー》。

 イリスフィーナの攻撃は、オブリビオンマシンに絶大なるダメージを与えることに成功した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コニー・バクスター
「コニー、防衛戦に出陣☆
 キャバリア部隊として頑張るのだ!」
 コニーが愛機のBRRに乗って登場。
 今回は狙撃要員の為、敵機とは超長距離で離れて隠れる。
 HCのキャノンフレーム換装で攻撃力5倍、移動力半分にする。

「最強の戦車キャバリアが相手でも……。
 撃ち抜いて、コニーの黒き兎よ!」
 RSロングレンジライフル(Code:BRR)から狙撃して行くよ。
 EPレーダーユニット(Code:BRR)で狙撃の精密さを向上。

「地雷の反撃、来るかっ!?
 だが、大丈夫! コニーは死なない!」
 EPミラージュユニット(Code:BRR)を展開しておく。
 反撃されてもコニーの幻影を囮にして回避。

 アドリブ・連携歓迎。



 気象制御センターへと続く街路を我が物顔で進撃する異世界からの侵略機体――|火炎製造工場《ファイアワークス》。
 その躯体に彼方から飛来した対キャバリア用の大口径ライフル弾が着弾した。
 少なくともファイアワークスの索敵範囲に敵の姿はない。
 オブリビオンマシンに搭載された超高性能電子頭脳は即座にライフル弾の軌道を計算し、自身の索敵範囲外からの遠距離狙撃を成功させた襲撃者の位置を補足する。
 無機質なカメラ・アイが襲撃者が存在すると予測される方角へと向けられて――それを補足した。

 ――鋼鉄の|黒兎《ブラックラビット》。
 コニー・バクスターの愛機である兎型キャバリア――Code:|BRR《ブラック・ラピッド・ラビット》である。

「コニー、防衛線に出陣☆ 希島の平和を守るために頑張るのだ! 第二射、照準合わせ! 発射ー☆」

 活発な少女の朗らかな声は、戦場に蔓延する陰鬱な空気を吹き散らすようだった。
 コニーの指がキャバリア搭載兵器の|引き金《トリガー》を引くと、RSロングレンジライフルの|撃針《ファイアリングピン》が装填された|弾丸《カートリッジ》の|雷管《プライマー》を叩く。
 加圧された気爆薬が燃焼し、薬莢内の|伝火孔《フラッシュホール》を通過した火花とガスが、|火薬《パウダー》に引火する。
 高まる内部圧力により押し出された弾丸は、|銃身《バレル》の中で加速され、音を置き去りとする速度で大気を貫いて目標に着弾する。

 ――轟音。

 長距離狙撃用のキャノンフレームに換装したブラック・ラピッド・ラビットによる遠距離からの狙撃は、着実にオブリビオンマシンの装甲に損壊を与えていく。

「最強の戦車キャバリアが相手でも、コニーの黒き兎は撃ち抜くよ☆」

 地の利を活かして、間合いを制するが故の一方的な攻撃は暫らく続いたが、異世界からの侵略機体もまた、その堅固な装甲を活かして、着実にコニーの潜伏地点へと近づいてくる。
 そして、ついに距離を詰めたファイワークスの主砲――|電磁投射砲《リニアキャノン》から発射された砲弾がブラック・ラピッド・ラビットの装甲を貫いた。

 ――そのように思えた、次の瞬間。電磁誘導により加速された砲弾は、ただ虚空を貫いて、射線上に存在する廃工場のひとつを爆散させた。

「残念でした☆ そっちはEPミラージュユニットが生み出した幻影だよ☆ 敵の反撃を警戒しておくのは基本だよね☆」

 空中に投影された精巧な|立体画像《ホログラフィー》を囮にして、敵の索敵能力を幻惑し、再び潜伏することに成功したコニーは、ロングレンジライフルによる攻撃で、ファイアワークスへと着実にダメージを積み重ねていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルヴィ・フォーアンサー
のんびりしようと思ってるのに邪魔……。
《希島での初仕事だ、気をつけなさいシルヴィ》
ヨルは心配性……でも気はつける、ありがと。

シルエット・ミラージュを使って挟み撃ちにする形でメガスラスターを吹かして推力全開で近づく。
分身が後方から後で出てきて本命っぽく振る舞わせる。
接近したらガスに飲まれないよう回避しながらファイアワークスの周りを旋回して足止め。
ガスの濃度をヨルに計測してもらって充分な濃度を超えたら
オーバーブースト・マキシマイザーを分身と一緒に発動。
ガトリングガンとミサイルの一斉射撃を叩き込んで更に可燃性ガスを爆発させて飲み込ませる。
発車後は巻き込まれないよう後退。

……終わった、疲れた、帰ろ。



 まだ年端もいかない少女にしか見えないシルヴィ・フォーアンサーの過去は凄絶の一言に尽きる。
 犯罪都市に生を受けた彼女は、そこで犯罪組織の奴隷のように扱われた。
 犯罪組織からの逃亡に成功した、その後は流れに流れて希島へと辿り着いた。
 漸く手に入れた平穏な日日も、しかし、異世界からの侵略機体によって打ち砕かれようとしている。
 シルヴィはクロムキャバリアに搭乗すると、気象制御センターに接近するオブリビオンマシン――|火炎製造工場《ファイアワークス》の前に立ち塞がった。

「のんびりしようと思っているのに……邪魔……」

 育ちの環境のせいか、感情の発露の仕方が希薄に見えるシルヴィだが、その言葉の|裡《うち》には静かな怒りが込められていた。

『希島での初仕事だ。気をつけなさい。シルヴィ』

 クロムキャバリアに搭載されたAIユニット《ヨルムンガンド》の音声が、シルヴィに慎重な行動を要請する。

「ヨルは心配性……でも、気をつける。ありがと」

 シルヴィは改めて眼前の敵機体に意識を集中させると、大胆にもクロムキャバリアの背面に装備された大出力の推進飛行装置――EPメガスラスターを機動した。
 そのままファイアワークスへと機動力を活かした強襲を仕掛ける。
 オブリビオンマシンはシルヴィの駆るクロムキャバリアを迎撃しようと武装を構えて――次の瞬間、自らの背後へと砲塔を向けた。
 果たしてファイアワークスの背後には、確かな存在感を伴う、もう一騎のクロムキャバリアが出現していた。

「シルエットミラージュ……残像だけど、本物……。ヨル。全搭載武装、一斉掃射……」
『了解。ヨルムンガンド・|残像体《ミラージュ》とリンク|開始《スタート》。二騎による全搭載武装の一斉掃射開始――』
「……オーバーブースト・マキシマイザー」

 本体と残像体の二騎による大型ガトリング砲と多弾頭ミサイルの同時攻撃がファイアワークスの機体に叩き込まれる。

『シルヴィ。周辺の大気組成の変質を確認した。敵が可燃性の気体を精製している模様。どうやらABC兵器のようだ』
「……ABC……ケミカルということは……毒……。ヨル……後退して。それと……濃度計測……」
『もう開始している。シルヴィ。計算では大気中の濃度が12パーセントを超えれば、十分な効果が期待できる。あと27秒ほどだ』
「……ヨル……さすが……。……じゃあ、27秒後に……全武装、全弾発射で……」
『了解だ。シルヴィ』

 明確な言葉にせずとも自分の戦術思考を予想して、必要な情報を提示してくるヨルムンガンドの存在に頼もしさを覚えながら、シルヴィはクロムキャバリアの操縦桿を握りなおす。
 残像機体と共にファイアワークスの周囲を旋回飛行しながら、27秒の間、飛来する攻撃の回避運動に専念する。
 そして、ついに、その瞬間が訪れた。
 大気中の可燃性ガスの濃度が十分に高まったのを確認したシルヴィは、機体に搭載されている全ての搭載兵器の残弾を一斉に叩き込む。

 ――閃光。そして轟音。

 可燃性のガスが引火して、オブリビオンマシンを中心にして、急速に膨れ上がるような巨大な爆発が発生する。
 黒煙とともに立ち上る灼熱の火柱の中にファイアワークスの機体が飲み込まれた。

『――シルヴィ。もう、こちらに残弾はない。これ以上の戦闘は不可能だ』
「ん……終わった。疲れたから、帰ろ……」

 シルヴィとヨルムンガンドの活躍により、侵略機体には多大なる損傷が確認された。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルネ・ロッサ
ルネの救援プレです。
日常か戦闘向け。

【日常系】
「種族」か「ジョブ」を活かした行動描写をお願いします。
ダンピール(種族)が活きる場面は、吸血鬼ネタで対応です。
ジョブは、ブラック・メイドナイト(黒騎士×パーラーメイド)です。
ジョブが活きる場面は、メイドネタや喫茶店ネタで対応です。
希島の閑静な住居地区でルネ・カフェを経営するメイド長です。

【戦闘系】
戦闘の立ち位置は前衛の物理&魔術アタッカーです。
魔法の大剣を振り翳して戦います。
パワータイプよりはテクニカルタイプです。
メインで戦う人がいたら役割は補助的です。
逆にメインで戦う場合かソロの場合は前衛攻撃に特化です。

UCお任せ。
アドリブ・連携歓迎。
NG無し。



 希人たちの攻撃を受けながらも気候制御センターに迫るオブリビオンマシン、|火炎製造工場《ファイアワークス》。その行く手に立ち塞がったのは|黒衣《ブラックドレス》を纏う|侍女騎士《メイドナイト》、ルネ・ロッサであった。
 呪われし黒剣を携えたダンピールは、異世界からの侵略機体の姿を認めると、その瞳を真紅に輝かせて、忌まわしき闇の支配者としての姿を解放する。

「ごきげんよう。そして、さようなら。これ以上、貴方を野放ししておきますと、私のお店や、お客様にも影響がでてしまいそうですからね」

 ルネは優雅な所作で一礼すると、大地を蹴り、漆黒の大剣を手に駆け出した。
 ファイアワークスの主砲の照準が、疾走するルネに合わせられると、電磁力によって加速された砲弾が迎撃のために発射される。
 音速を超越して飛来するオブリビオンマシンの砲弾――それを、ルネは。

「――よいしょっ、と!」

 正確無比なる黒剣の斬撃をもって両断する。

「狙いが正確すぎるのも考え物ですね。私としては、剣を、攻撃のタイミングを合わせて振っているだけなのですけれども」

 容易いことのように|嘯《うそぶ》くルネだが、それが、どれほどに超絶的な技巧をもって成し得る芸当であるのかは想像に難くない。
 続く|電磁投射砲《レールガン》の第二射、第三射も、ルネの黒剣が翼のごとくに翻るたびに斬り裂かれて、あらぬ方向へと着弾する。
 オブリビオンマシンが搭載する無線誘導式のミサイル・ランチャー、鋼鉄をも誘拐させる火炎放射器をもってしても結果は同じだった。
 滑るように優雅な足取りで――その実、傍目には人型の黒い影が目にも止まらぬ速さで疾走しているとしか映らないルネの歩法は、侵略機体の高性能戦術AIをもってしても解析が不可能な絶技であった。
 ルネの掌中で翻る黒剣の|斬《ザン》という剣戟の音が響くたびに、希島の国防軍精鋭部隊さえ一蹴したファイアワークスの侵略兵器の威力がことごとく無力化される。
 オブリビオンマシンの無機質なカメラ・アイが最後に補足したもの――それは、あくまでも優雅な所作で、無骨な大剣を振り上げる真紅の瞳をした|吸血鬼《ヴァンパイア》の侍女騎士の姿であった。

「――御代は結構です。速やかに御帰りくださいませ。またの御来店を御待ちしておりますね」

 ルネが呪われた黒剣を鞘に納める。
 その背後で、真一文字に両断された侵略機体――ファイアワークスが爆発、炎上した。

 希島を大混乱に陥れた侵略機体どもの首魁は、希人たちの活躍により討伐されたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月22日


挿絵イラスト