とっても広くて大きい――とは、知ってはいたものの。
「おお……! 広いゾ! 青いゾ!」
「すごいです! 水がたくさんあります! 青いです!」
初めての海は、ずっと大きくて、青くて。
絵本で見ただけでしか知らなかったココ・ロロ(ひだまり・f40324)は、眼前に広がる海に瞳をキラキラ、尻尾もぶんぶん、はしゃいじゃって。
ジジ・クロセル(忘却の悪魔・f40744)も、ココと一緒にわくわく。
そして、本ではわからないもうひとつのことに、ジジは気が付く。
「この音が『潮騒』というやつか」
海から聞こえる、優しい音に。
そんな潮騒を聞きながら――な! と。
振り返るジジに、海経験者な夏彦・星彩(アルベード・f38088)は頷きつつ。
尾についた砂をぱたり払いつつ、少し遠目に海を眺める。
海はこれが初めてではないけれど、泳いだりするのはそんなに好きでもなくて。
骨鯨の保護者も今日はいないから、初めてのふたりを眺めるに留めておく星彩。
潮騒もだけど、ふわり海の香りもして。海の水は冷たくて気持ち良さそうで。
ジジは海に近づいて、そーっと指を伸ばして、ちょん。
「確かにすごく心地いいな」
水際に指を浸けてみれば、おお……と声を漏らす。
そして、うみー! と近寄るココの姿と、自分達を見守る星彩を交互にみてから。
ジジもそろりと浅瀬に入ってみれば。
常に『見せかけのホントウ』の幻影を纏っているから、見た目濡れないのだけれど。
「冷たくて気持ちいいゾ」
海の水はやはり、ひやりとした感覚。
そして、うきうき海へと駆け寄ったココだけれど。
――ざざーん。
「!? み、みずが追いかけてきます……!」
瞬間、お耳がぴこり。
急に向ってきた波にびっくりして、わーん! と思わず逆戻り。
ぴやっと逃げるココの姿に、ジジも一緒にわたわた。
「ココ! ココこっちに逃げ……」
でもココは、海に追いつかれて――。
「わー! ……、……あ、あれ? なんともない……?」
ちょこっと足は濡れたけれど、特になんともありません……?
そして瞬きながらも、自分を心配気に見るジジと目が合えば。
「ふふ―、ココは海に勝ちましたよ!」
ちょっぴりえっへん、尻尾を揺らすけれど。
でもまだ怖いから、浅瀬の辺りをうろちょろ。
そんなココにホッとしたジジだけれど。
「おお、勝ったのか! おめで、ぎゃー!」
「ふふん、すごいで……、……ジジー!?」
――ざぶーん。
波に捕まって水をかぶったのは、ジジでした!?
そんな賑やかなふたりを砂浜から見ながら、星彩はぽつり。
「空も海も青さは嫌いではないけどなぁ」
それから、海から出てきたジジに思わず瞳をぱちくり。
「よし、折角だ、海でやる事全部やるゾ! なにがある?」
「ジジ!? サイさん、ジジが海のお化けに……!」
ココもびっくり、頭に海藻がくっついてお化けみたいなその姿に。
海の中に入るのは、星彩はやっぱりちょっとやめておくけれど。
初めての海に楽し気なふたりを眺めつつ、こくりと頷く。
……子どもらしく他の遊びは思いっきり楽しもー、って。
少し潮っぽい風に揺れる銀の髪をそっとてしてししながら。
それから、砂浜へと上がってきたココはふと、ちょこんと首を傾ける。
「んん、これはなんでしょう……?」
砂の上に、何かを見つけて。
そうっとつんつん突いてみたそれは。
「星とか丸っぽいのとか貝殻には色んな形があるなぁ」
「かい……がら……? 色んなカタチがある……です?」
そう貝殻をじいと見るココに、星彩は頷いて返し続ける。
「海岸にはキレイなものがいっぱい流れ着くらしいと聞いて……!」
「へぇ、なるほど……海に運ばれて来るのか」
ジジも、砂上の貝殻と波を交互に見つつ、口にすれば。
星彩は足元の貝殻をひとつ、拾ってみて。
「波の音とか聴こえるだろうかー?」
そっと、耳に当ててみる――捩ってるのは楽器のようにも見える気がする、なんて。
そして聞こえる気がしたのはやはり、不思議で優しい海のおと。
ココは屈んで、貝殻を見つけては。
「たくさん拾って、かいがらの花だんとか作りたいのですよ。きっとかわいいです!」
わくわく、夢中にせっせと拾っていく。
だって、見たことが無いそれはどれも珍しくて、綺麗でかわいいから。
「花壇か……じゃあたくさん仕入れなくてはな」
ジジもココの提案に……じゃあ海も商人のようなものか、と頷けば。
「よし、いただこう!」
張り切って一緒に貝殻拾い……をするのだけれど。
ひとつ取ってはじいっ、やっともうひとつ取ればまじまじと。
ひとつひとつ、ついじっくり眺めてしまって。
「……、……、はっ? あんまり拾えてないゾ!」
結構時間が掛かってしまうタイプみたい。
そんなジジとは逆に、次々拾っていくココだけれど。
ふと見つけたそれを、星彩とジジにみせる。
「わわ、キレイな石もあります!」
「色付き石みたいのはシーグラスと言うらしいな」
星彩はそう、同じように青色の煌めきを見つければ。
「しーぐらす……というのですね」
「危なくないやつ幾つかお土産にしよ〜」
手に取ったそれを、掌にころんと転がしつつも言って。
「お土産にするのいいな。金魚風鈴の傍に並べておいたらさぞや涼し気だろう!」
ジジも勿論、賛成!
またひとつ拾っては見つめつつ、少しずつ集めて。
ココも星彩の言う様に、お土産を沢山拾おうと――した、その時。
再び、お耳がぴこん。
「これもお土産に……、……? 動くかいがらがありますよ!」
目の前の貝殻が、てくてく歩き出したから。
「なんという生き物さんでしょう?」
「それは、ヤドカリって言う生き物みたいだな」
「貝殻を家にしているのか?」
星彩の言葉に、ジジも家を背負い歩くヤドカリへと目を向けて。
「ふふ……かいがらのお家、かわいいですね」
ココは尻尾をゆうらり、ヤドカリさんをお見送り。
そして、次は。
「星彩は、万里の長城ってのを作りたいなと思ってだなぁ」
砂で、万里の長城作りに挑戦!?
「ばんりのちょーじょー……? なんだか強そうなお名前です!」
「横長の城壁みたいなやつだろう……たぶん」
土なら畑で触った事がある、と。
意気揚々とジジも砂を手にしてみれば。
「……んん!? さらさらだ! え……? これで城とか無理では」
本で得た砂の城の知識を思い返しつつ、無理としか思えないさらさらの砂をもう一度掴んでみるも。
「サイ作った事があるのか? ジジも本で見たみたいな城を作りたいゾ」
「ココも大きいお城が作りたいです!」
砂の城作りに意欲燃やすふたりの声を聞き、呼び出してみることに。
「手足先が器用なのは申とか寅とか丑あたりだろうか……?」
作業が得意そうな十二支の獣たちを二、三匹。
そしてそんな獣たちと一緒に。
横長の城壁をひたすらもくもく、せっせと作る星彩。
ココも倣って、ぺちぺち作り始める……も。
なかなか上手く作れず路線変更、大きな山をぺたぺた。
でもそれもひとりでは大変だから、リスやネズミ達など、鞄から出てきた小さな友達に手伝ってもらって。
拾った貝殻をぺたり貼り、天辺を平らにして……最後に小さな友達をちょこんと乗せれば、出来上がり!
万里の長城、ではないけれど。
「ふふー、ココのお山のかんせーです!」
動物さんが乗った、ココのお山です!
そして本を思い返しつつ、ジジも砂の城を作ってみるものの。
「んん……うまく出来んな……」
そうちらり、様子を見てみれば。
「……リス達はともかく、虎や牛もすごいのだな……!」
横長だったはずの星彩の城壁がいつの間にか縦長の城に移行している様を見て、感心したようにジジは言って。
ついでに十二支の砂像まで作られていく、星彩風の万里の長城?
だが、瞬間――ざぶーんっ!
「わーん! ココのお山ー……!」
大き目の波に豪快に攫われてしまう、砂山や城壁。
ジジはココの声に、咄嗟に腕を広げて。
「はっお友達!」
ぴょいと山から避難してきた小さな友達を抱っこ!
ココと同じようにしゅんとしている気がする申や虎や牛に目を向けながらも。
星彩は、城壁やお山の名残を見つつも思うのだった。
――波に流されて無くなる迄が風情というヤツだなぁ、なんて。
それからふと見つけたのは、スイカや棒を持っている人達。
そう、これも夏の醍醐味……スイカ割り!
けれど星彩は、自分で割るよりも、見たり食べる方が好きだから。
「誰かスイカ割りするひとー?」
「聞いた事あるゾ、スイカ割り!」
「わーい! やる、やります!」
スイカを貰ってきて聞けば、ふたりともやる気満々! ……かと思えば。
「でもどうやるので……えっ、目隠しするのですか……?」
ココはスイカ割りをする人達を見て、尻尾を小さくゆらり。
(「そ、それはちょっぴり……こわい……」)
そう不安になっちゃったから。
「ジジ、ココの代わりにがんばってください……!」
先日ラムネ瓶から金魚さんビー玉を助けたジジならやれます!
なんて、ぐっとココはお任せし応援に回れば。
「うむ、ジジに任せろ、やってみたいゾ」
星彩に目隠ししてもらったって、なんのその……?
「こうか? どうだ!?」
――ぶすり。
ジジはスイカの気配に爪を振い、範囲攻撃して串刺しに!?
いえ、ぶすっと刺さったスイカを地にコンッと打ち付ければ――ようやく、ぱかーん。
「……思ったより綺麗には割れんものだな……」
割れたものの、目隠しを取って見てみれば……あまり綺麗には割れませんでした?
そして――これちゃんと食べれる? なんて伺うジジに。
「上手くいかなければ手刀で割ってもいいし」
すぱんっと綺麗に手刀でスイカを良い塩梅に割る星彩。
そして皆で――いただきます!
「あまくて冷たくておいしいのですよ」
「お腹すいた後のデザートはおいしいなぁ」
……手伝ってくれた十二支たちにもお裾分けしよ〜。
そう申や虎や牛にも分けてあげる星彩と同じように、
……ふふ、種は食べちゃダメですよ? なんて。
ココもお友達にすこしだけあげてみれば。
「たくさん遊びましたから、もうひとつ食べれるでしょうか?」
「足りなければもうひと玉やったりするのか?」
星彩は早速もう一玉、スイカをすちゃり。
そう沢山遊んでいれば、日も落ちてきて。
花火が出来る場所があると聞いて、向かう3人。
花火と言えばジジは、ドーン! と上がる打ち上げ花火しか知らないし。
空に咲く花……打ち上げ花火はドーンと鳴るバクダンらしいと聞いて、大きな音がしたら怖いとココは思うけれど。
でも今回やるのは、手持ち花火。
ジジは初めての手持ち花火に興味深々、ココもドーンと鳴らないと聞けばホッと安心しつつ楽しみになって。
カクリヨでの妖怪花火に慣れている星彩は、バケツを準備し、終わった後の花火を片付ける手筈等を整え、早速普通に遊ぶ準備をしつつ。
「ケガしない為に見守り役は必要だとは思う〜」
花火スペースには、現地の大人の係の人の身守りもあるから、それも大丈夫。
「サイがしっかりしていて助かるゾ」
ジジは準備をしてくれるサイを頼もしげに見つめつつ、続ける。
「そんなサイには現地の冷たいお菓子を買ってあげたいゾ。うむ、ココにもな!」
花火の後にでも、皆でアイスを食べる約束を。
そして準備完了すれば、星彩がまず見つけて手にしたのは。
「書架で話した事あるネズミ花火が此れで〜」
「これがサイの言ってた奴だな」
そう、前に話題にしたことがある、ネズミ花火です!
ココは、ネズミのように可愛らしいに違いないその花火をわくわく。
ジジと共に、星彩が点火するのを見つめれば。
――しゅぼっ、くるくるーっ!
「!?」
「……えッ!? うわっなんだ!? 動くゾ! これも生きてるのか!?」
火花を飛ばしながら激しくあちこち動き回るネズミ花火に、ビックリ!
思わず、わーん! と後ろに隠れるココを背にしながら、ジジもガチびびりして。
「しゅんしゅん回転するのがネズミっぽい……みたいな」
「コ、ココの知ってるネズミさんと違います……」
星彩の声に、そうココは首を横に振るけれど。
「星彩は燃え方がキレイな花火の方が好きだぞう」
「た、確かに綺麗では、ないかもしれないが……これは、これで……?」
動く火花に及び腰ながらも、賑やかで愉快……かも、しれない気がするジジ。
でも、ちゅるちゅるっと近づいてくれば、やっぱりびっくりして。
「こっちにこないでください! 燃えちゃいます!」
ネズミ花火を避けるように、ココは一生懸命尻尾をぶんぶん。
そんなネズミ花火にびびり散らすふたりを見遣って。
(「他にも楽しめるものは沢山あるし、退屈なものは片づけてしまおう」)
そっと、別の花火を手に取ってみる星彩。
「手持ち花火の定番と言えるかもしれぬ〜」
まさに定番王道な、ススキ花火を。
そしてふたりにも手渡し、しゅばっと火を各々の花火につければ――バチバチッ。
そんな目の前で勢いよく弾ける火花にココは驚いて、ぴやっと薄目でしかみれなくて。
ビクビクしていたジジも、ぶしゅっと火花が噴き出した途端、驚いて思わず手を放してしまうけれど。
ふたりともそのままそろり、じいと鮮やかな光を見つめる。
「おぉ……」
様々な彩を見せる火花が綺麗で、気になって。
星彩も1本目のススキ花火を手にしつつ、呟きを落とす。
「色んな火花が見えるのが楽しいんだけどなぁ」
――点火する、花火が燃える、短くなる……おわり。
勢いよく噴き出していた火花もずっとは続かず、すぐにしゅんと消えてしまうから。
けれど少し慣れたから、2本目を手にして。
「次は放さんゾ」
「ちょ、ちょっぴりコワいですけど……キレイですね」
吹き出し方や色が少しずつ変化する様を楽しめるくらいには、ちょっぴり慣れて。
そんなふたりに星彩が次に手渡すのは。
「あとは香りの付いてるのもあって~……」
其々お気に入りな匂いが当たっても面白いぞーなんて持って来た、香り付きのもの。
そして火を点けてみれば。
「んん、この匂いは~……あまい……はっ、モモです!」
「……んっ? ジジのは檸檬だ! 檸檬だろ?」
ココのはモモ、ジジのはレモンの香り花火です!
そしてもっと堪能するべく顔を近付けそうになったジジは、ハッと慌てて離れつつ紡ぐ。
「モモの香りもしっかりするものだな、いいにおいだ。サイのは……すごく甘い匂いがするゾ」
「星彩のは、チョコの香り花火だなぁ」
そんな皆の花火の香りも各々だが。
「色が変わるのもあるのだな」
弾けるその色も違って。
「……皆は何色が好きだった?」
「ココは赤いのとー……緑のとー……。ふふ、ぜんぶです!」
……これはジジの目の色でー、これはサイさんの色ー、それからこれはココ! って。
ココが好きのは、みんなのいろ。
「ジジは青色が好きだが、花火の白っぽい橙色のもなんだかいいな」
そう答えたジジは、じいと改めて花火を見つめる。
何だか、何かに似ているような気がして。
そして次に聞こえた星彩の声に、こくこく大きく思わず頷く。
「オレンジや黄色は、ヒマワリや星みたいで夏の色に思えたな」
「ああそう、星みたいなんだ!」
何かに似ていると思ったそれは、そう――色とりどりの綺羅星みたいだと。
それからもう1本、しゅっと火を点けて。
「どれも違ってどれもキレー……」
ココはそう言い掛けつつ、ふとお耳をぴこぴこ。
「……すごく、おなかのすく香りが……」
そう、星彩が持って来た香り花火は。
「持ってきたのは、カレーとチョコとモモとレモンだなぁ。星彩はカレー風味も夏の香りな気がする~」
「こ、これは確かにカレーだ……すごい……カレーだゾ……」
ジジは、間違いなくカレーの香りがする花火に驚愕しつつも。
「……カレー食べたくなったゾ……」
「……ココも食べたくなってきました」
ココとふたり、カレーが食べたくなりました。
星彩だってそれは同じだから。
お腹が空いてくると話題になるのはやはり、晩ご飯についてです。
でも、カレーを食べに行くその前に。
「花火の締めには此れやるらしいぞう」
星彩が手渡すのは、締めの花火。
それに火をつければ、今度はどんな花火なのかと、ジジは密かにビクビクするけれど。
「……えっ? あっ、こっちのは飛び出ないんだな?」
オレンジ色の玉が出来た後、その周囲にパチパチと弾け始める火花。
そう、最後の締めはやはり、線香花火。
「わ……綺麗だな。細く散るのもかわいいし、まんなかのあったかそうな球も綺麗だ」
「えへへー、お花みたいでかわいいのですよ」
動き回らないし勢いよく噴き出さないので怖くない、そんな花が咲くようにパチパチ弾けるのが不思議で楽しい線香花火を見つめながら。
ココは自分の言った言葉で気付くのだった。
「……はっ、だから花火というのですね」
そういっているうちに、ぽてりと光の玉が落ちちゃったけれど。
「誰が1番長待ち出来るか競争しよ〜」
「長持ち? よく分からんが負けんゾ!」
「ふふ―、ココも負けませんよ!」
星彩の持ち掛けた勝負を、勿論受けて立つジジとココ。
そしてやる気満々、ぐぐっと力を込めれば。
――ぽてっ、ぽとっ。
「あ……っ」
「!?」
もちろん長持ちする方法なんて知らないので、すぐに落とすふたり。
そしてジジは星彩を見て。
「も、もう一本!」
泣きの1回、再挑戦をお願いするけれど。
「一回で終わりとは星彩も言ってないからなぁ」
星彩はそう返しつつ、再び長続きリベンジに燃えるふたりへと、こう助言を。
「夏の思い出と同じように、長く続くよう願う気持ちも大事なのかもー」
そんな声に、ジジは真剣にぎゅっ。
「次はジジもちゃんと願う気持ち籠めるゾ」
ココも頷いて、2本目の線香花火をそろりと慎重に見つめる。
――まだまだ夏をいっぱいたくさん、いっしょに楽しみたいですから、って。
ふたりと同じように、静かに弾ける刹那の花にそう、願いをこめて。
そして、星彩はそっと。
(「楽しい時間は作れただろうか」)
火花に照るふたりの顔を見つめてみるけれど。
すぐに、つられるように銀の瞳を細める。
(「夏は見てるのが好きだったけど」)
自分がやってみるのも……いや。
(「誰かと一緒だったらいいなと思えたゾ」)
そうとても楽しそうなジジと、尻尾を嬉しそうに揺らすココの姿を見て。
そして勿論、星彩も。
……わたしの心は夏模様ってやつだなぁ、なんて。
それぞれのいろを咲かせる花火を楽しみながら――初めての3人の夏の思い出を、心にも鮮やかに咲かせて。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴