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ワンダレイの夏休み～エンジョイ＆ファイティングサマー！

作者：志稲愛海

　折角の夏休み、皆で訪れた島の風景はまさに、夏真っ盛り。　
　青い海、照りつける太陽、白い砂浜、そして――。
「HAHAHA！　エンジョイアンドファイティング！」
　熱いバトル……！？
　淡い緑に白のフリルがあしらわた水着に、頭には同色のメイドらしいホワイトブリム。
　そんなキュートな装いのバルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）が誘いをかけたのは、そう！
「ワンダレイの水鉄砲サバゲーデース！　戦いを満喫しマショー！」
　水鉄砲サバゲー・ワンダレイ杯！
　そしてやはりサバゲ―とは一見すると縁遠いように見える、ホルターネックにオフショルダーなお嬢様風の可憐な白のサマードレス水着に、シースルーのレモン柄パレオをひらり揺らしながら。
「泳ぐ前に水鉄砲サバゲ？　ＯＫ♪」
　愛用の眼鏡と自分と同じ可憐なサマードレス纏う双子妹？シャルロッテと共にやって来た、リーゼロッテ・ローデンヴァルト（｜ＫＫＳ《 かわいくかしこくセクシー 》なリリー先生・f30386）も。妹と揃って、そんな熱い夏のアクティビティーに参加です！
　そして頭上に紙風船をセットする双子姉妹の隣で。
　勿論サバゲ―に参加する気満々なアスカ・ユークレース（電子の射手・f03928）は、その前にしっかりと準備運動。
　そんなアスカの格好も水着であるけれど、可愛かったり可憐だったりするデザインの皆のものとはちょっと違って。
　空気抵抗が少なく動きやすいトップアスリート御用達ブランドの、トライアスロン競技用の水着。
「水着といい気合い入りまくり？　いえいえ、遊びだからこそ全力でいくのです」
　つまり――ガチ装備です！
　そして念入りに体を動かし、筋肉の柔軟性や瞬発性を高めながらもキリリ。
　――仕事じゃないんだ真面目にやれ、というやつなのです。
　つまりはそう、やはりガチです。
　とはいえ真剣でも、キャッキャ楽しい夏のお遊びだから。
　不正防止のため、各種武装は無し。
　ということで、バルタンもパイルバンカーやガトリングガンはロックしているけれど。
「日頃からフルバーストしてる経験が活きマスネ！」
　己の身体能力を駆使して戦う……ある意味、逆にいえば、よりガチに……？
　そして尾守・夜野（｜墓守《 うせものさがし 》・f05352）も濡れてもいいようにと、今年誂えた、アシンメトリーの相棒と同じ黒を基調とした上着に仄か赤味がかった水着に、お洒落なデザインのサンダルブーツという装いで。
　ルールに則り、不正防止の為に、黒纏とか諸々の呪具は置いてきた……のだけれど。
（「地面が砂地なのは不安定でやりにくいですが……怪我をしにくいという点は良いですね」）
　戦場の状況確認も怠らず、アスカは足元の感覚を確認しながらも。
　ふと、落とした瞳が見つけたのは。
「ところで大丈夫ですか夜野？」
　いかにも夏に不向きそうな、極端に白い肌に不健康な顔。
　波打ち際で早速干からびている、パンピー以下の貧弱もやしな彼の姿。
　リーゼロッテも、耳も尻尾もへちょりと干物状態なその様子を見遣って。
「夏真っ盛りー♡　って、夜野さん生きてる？」
「あ゛ぁん？　こ……れが……平気に……見えるかよ」
　まだ口がきけるくらいには生きてはいることを確認しつつ。
「や、毎度の事とはいえ無事に見えないけどさ……」
　ともあれ、まずは遊ぶ前に、医者として一通り彼の面倒を見て。
　面倒をみられつつも、夜野は少しだけしみじみ。
「まぁうん、焼ける事がトラウマになってる身としては日向で動いて遊べてるだけ上出来って奴？」
　というか。
「んなら出てくんなって？　うるへー。少しでも、涼みてぇんだよ」
　いや、夏が苦手でも遊びたい気持ちは多分一応あるし。
　何より暑いからこそ海で涼みたいのです、干からびていたけれど。
　というわけで！
　夜野も、耳の間に紙風船をちょこりとつけて。
　普通の水鉄砲を手に、いざサバゲー！
　そんな夜野が握るのは、ごくごくその辺に軽率に売ってそうなものだが。
　……いえ、水鉄砲ではあるのだろうけれど……ガチっている面々の得物は水鉄砲とは限りません？？
（「アタシは水圧強いハイパワーライフルタイプで狙撃かね」）
　じゃきんっとリーゼロッテが構えるのは、何だか水圧すごそうな水鉄砲。水鉄砲です。
　しかも。
（「瞬間思考力でタゲ取りは落ち着いて……」）
　リリー先生の瞬間思考力はＬｖ１００です！！
　それにリーゼロッテの傍らには、二挺拳銃での大胆な機動戦を得手とするシャルロッテもいるのだ。
　そんな（建前上）双子の妹のシャルロッテは実は、リーゼロッテと一心同体の召喚獣にして反転複写型人造生命体。外見は似ていても、表面上は常識的で臆病な性格かもしれないとはいえ。電脳魔術等に秀でる程の知性を備えており、身体能力も抜群！
　そしてシャルロッテも、ハイパワーライフルタイプの水鉄砲を携える姉と共に、二挺拳銃水鉄砲をいざ、構えんとするも。
　一瞬、瞳をぱちり。
「え、バルタンさんとアスカさんも両手持ちですか？」
　自分と同じように、握られた得物は二丁。
　機動性を重視した二丁ピストル型水鉄砲を手にしているアスカと、同じくウォーターガンを存分に振るうべく両手に持つバルタンを見て。
　だから……遊びだけれど。
　そんなガチな戦いに備え、リーゼロッテはそっとこっそり発動させておく。
　詠唱銀の霧と電脳魔術で、双子妹？のシャルロッテの身体能力や二挺拳銃格闘を底上げする【Op.NULL:CALL.CHAR [SM]】を。
　そして各々準備が完了すれば――いざ、エンジョイアンドファイティング！
　水鉄砲サバゲー開戦です！
　刹那、砂浜を大きく蹴って得物を構えるバルタンは。
「遊戯ゆえに特別な作戦はありマセーン！」
　……サーチアンドショット！
（「目についた方から手当たり次第に突撃して攻撃するでありますよ！」）
　各種武装は無しだけれど、だからこそ。
　――単体戦闘力であれば一番強いのがワタシデース！　ヒャッハー！
　そう、単体戦闘力においては秀でているから、小細工はなし！
　とはいえ、皆の強さも知っているし、決して当然油断はせずに。
（「まー、だからこそ集中砲火されて倒されるかもしれマセンガ！」）
　真っ先に狙われる可能性をしっかりと念頭におきつつも、ヒャッハー！！
　ビシュッ、ビシィッ！　と狙いを定めた水撃を繰り出していく。
　けれど、そんなバルタンが単体戦闘力に長けているのならば。
　普段の戦い方が機動しつつ射撃することであるアスカは、射撃戦の動きに関しては一番慣れている上に、かなり高い命中精度を誇っていて。
「あくまで遊びだけど、慢心は程々に♪　ほら、みんな身体能力スゴイからねえ？」
　そう口にするリーゼロッテの強みは、なんといっても。
「シャル、イクよっ。ほいさぁ♪」
「うん、いこうリーゼ♪」
　――だからココは『双子』特有の挟撃でイクよっ。
　そう……双子の姉妹ふたりで、迎え撃ちます！
　そして夏の太陽煌めく空へとすかさず飛んだアスカからの、激しい奇襲を凌ぎながら。
（「同じ二丁拳銃スタイルのアスカ殿は手ごわいデショーガ、リリー先生とシャル殿のコンビネーションも油断なりマセンネ！」）
　双子姉妹の動きを気に掛けつつ、バルタンもアスカへと反撃のショット！
　けれどそれを視力で見切り回避するべく、アスカはトリッキーな動きで身を翻して。
　バルタンとアスカ、ふたり同時に銃口を向ける。
「うわっぷ、バルタン、アスカ両手持ちキッツ！？　って二人がかりぃっ！？」
　バトルが始まっても相変わらず暑さにダウンしている夜野にも、遠慮なく。
　ということで――ビシイッ！　ぶしゅうっ！
　容赦なく撃ち出された水撃を、いつもの如く黒纏で――。
「……！？」
　弾くことはできない夜野。だって黒纏、置いてきたから。
　なのでいつものようにはいかず、回避とかもしないから、位置取り御察しであるし。
　びしょ濡れになりつつも握る水鉄砲で、ぴゅっぴゅっと応戦はするけれど。
「！！？」
　いつも使っている銃と取り回し違い過ぎる上に、何せごくごく普通の水鉄砲、エイムなにそれ状態。
　一応頭の風船に当たらないようにはするものの……普段から当たる事を前提として行動しているし、ぶっちゃけ濡れてたほうが涼しいから、むしろ積極的に当たるまであったりします？？
　とはいえ、すごい水圧の集中砲火をただ浴びるばかりの夜野ではない。
　バランスを特に崩せそうな砂場に誘導するように、ぴゅーっ。
　満を持した絶妙のタイミングで、ごく普通の水鉄砲の引き金を引く！　……けれど。
　なお、当たるとはいってない。
　リーゼロッテは一応、そんな夜野の牽制もしつつ、高い身体能力駆使してひょいっとそれを躱して。
　いや、ガチ勢相手に、一応それなりによく頑張ったのだけれど。
「……！　ぶわっ！？」
　最後は全員から狙い撃たれて、ある意味予想通り。
　流石に夜野が、一番に紙風船を割られました。
　そして夜野が波打ち際に沈んだ後。
　アスカはその隙に一気に攻めに出て、バルタンを狙い引き金を引いて。
　リーゼロッテのハイパワーライフルともトリッキーな動きで撃ち合いながら、紙風船は死守しつつも。
　紙一重で先程の射撃を躱したバルタンを追い、ぐっと彼女の頭の風船を射程に捉えて。
　外すことない距離まで一気に詰め寄り、止めの一撃を……放とうとした、その時だった。
「！」
　割れたのは、アスカの紙風船。
　これは確実に仕留めたと、得意が故に確信していたところを、意外な角度からシャルロッテに狙い撃たれたのであった。
　そしてバルタンは、リーゼロッテとシャルロッテへ視線を移して。
「折角ですから真剣に遊びましょう、それそれ♪」
「水遊びとはいえ、勝負である以上は全力で臨みマショー！」
　――レッツ、エキサイティング！
　楽し気に笑いながら、サーチアンドショット！
　シャルロッテも、双子ふたりを相手取る単体最強のバルタンに対し、二挺拳銃で応戦するも。
「……！」
　その戦闘力の高さ故に、紙風船を割られてしまう。
　……けれど。
「きゃはっ♪　……リーゼ、今だよっ！」
　そう――シャルロットの狙いは、リーゼロッテが狙い易い様に彼女の足を止めること。
　瞬間、バルタンの紙風船目掛け、ハイパワーな一撃が放たれて。
「HAHAHA！　やられてしまったデース！」　
　バルタンの風船が撃ち抜かれたのだった。
　ということで、最後まで残ったのは、リーゼロッテ！
「リリー先生の二人組、数の有利はシンプルに強いのです……！」
　アスカも皆と健闘を讃え合いつつ、ちょっぴり悔しいけれど、楽しかった白熱した一戦に笑って。
「休憩した後、波打ち際で遊びましょうか？」
「賛成デース！　海遊びしマショー！」
　ぱしゃぱしゃとまた干上がっている夜野に水をかけつつ言ったリーゼロッテに、バルタンも賛成！
　ということで、ひと休みした後、今度は仲良く波打ち際で――。
「次はビーチバレーで、エンジョイアンドファイティング！」
　再び、ファイティング！？
　キャッキャ楽しくて熱いワンダレイの夏は、そう――まだまだ終わりません！

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

最終結果：成功 完成日:2023年08月29日