【サポート優先】悪役令嬢学園物語
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
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「イマドキの女の子ってこういうシチュ好きなんだよね? そんなキミに打ってつけの依頼だよ!」
偏見が過ぎる。
何でも吉川・清志郎(星巡りの旅人・f37193)の言うことには、シルバーレインで今時流行り(?)の悪役令嬢系物語のような事件が起きていると言うのだ。
因みにヒールであるヒロインはナンバード化オブリビオン。ややこしい。
「ナンバード化オブリビオンは強力だけど、身体に刻まれたカウントがゼロになると死んじゃう。これを止めるには能力者を襲って取り込むしかないってんで今日もまた事件であります。で、今回の被害者だけどー」
|桜羽院《さくらはいん》・|薫子《かおるこ》。如何にもお嬢様っぽい名前。
そして実際お嬢様。どうやら華道の家元らしい。まさに大和撫子と言った和風美少女だが、その優しげな風貌とは裏腹に自他共に厳しいストイックな性格だ。けれども何だかんだ性根は心優しく、困っている人を放っておけない性格。但し縦ロールではない。惜しい。
そして美形の婚約者がいる。
「真面目な話すると、|御立波《みたては》大学附属高校ってとこに能力者ってことを隠して通う女の子だよ。正真正銘の人間だけど、白燐蟲使いの力が使えるみたい」
そんな彼女……と、その婚約者に目をつけたのがナンバード化オブリビオンである。
「能力者食べられるし、ついでにイケメンの彼氏ゲット出来るかもー? ってことで、まだ数字に余裕がある内に色々と仕組んだみたいだねー」
まずは彼女の婚約者含む、高校で影響力のある男性(全員美形ないし男前)をユーベルコードで籠絡。
配下のオブリビオンに彼らに取って代わらせ、薫子の言動がキツめであることを利用し彼女の悪評を立てる。主に、転校生としてやってきたオブリビオンを手酷く虐めているらしいという類の噂を。
そして薫子を孤立させた状態で断罪劇を行い彼女を精神的に追い詰め、顔のいい男にチヤホヤされつつ彼女を(物理的に)美味しくいただく、というのがオブリビオンの計画だ。
「因みに洗脳された男の人達は無事だし、オブリビオンを倒せば正気に戻るから安心していいよ。ちょっとユーベルコードにあてられた影響で異常に甘いもの食べたくなってて、今病院で揃って点滴受けてるけどね」
それを無事とは言わないねえ!!
「ま、薫子さん食べた後のオブリビオンが迎えに来て、彼女の逆ハーレムの一員として生き続けるハメになるよりマシでしょ。そうそう、男の人達に成り代わった逆ハーレムオブリビオンは全面的にボスのイエスマンだから、多分『顔はいいけどボンクラ』っていう、よくある感じの当て馬男状態になってるからさ。そういう奴を気持ちよーく殴りたい男の人にもオススメの依頼かも知れない!」
それはそうかも知れない。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
(勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします)
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:集団戦『『シャーデンフロイデ』正義を振り翳す人々』
第2章:ボス戦『甘蝕』
第1章では、学内で影響力のある男に成り代わり全力でボスの味方をする『『シャーデンフロイデ』正義を振り翳す人』と戦います。
因みにイラストは男女ですが、今回は男しかいません。それも美形か男前です。
但しボスに心酔しており彼女の言葉が全て正しい、薫子は悪だとして聞く耳持ちません。つまりボンクラ化しています。
物理的にしばき倒しましょう。力こそパワー。
第2章では、何故かヒロイン&逆ハーレム願望を持ち合わせてしまったナンバード化オブリビオン『甘蝕』との直接対決です。
因みに本来の彼女は恋多くはありますがここまでヒロイン化願望はない筈です。多分この個体だけ変な方向にバグっています。
なお、下準備に時間をかけすぎたせいで命のタイムリミットが迫っています。通常参加の方はその辺りを突いてやれば解りやすく動揺するかと思われます。
薫子さんですが、白燐蟲で自身の身を守りつつ回復もしてくれます。
ツンデレ発揮しつつも感謝してくれる模様。
サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『『シャーデンフロイデ』正義を振り翳す人々』
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POW : 俺達は絶対正しい!どんな犠牲を払っても必ず正す!
【自分は絶対正しく、自身が信じて疑わない】【正義の為なら、無関係な人を巻き込んで】【犠牲が出るのは、仕方がないという狂気思考】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : これは正義を成す為の聖戦!いざ正義の名の元に!
演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【と同時に、自分達は正義そのものという狂気】を与える。
WIZ : あなたは絶対間違っている!必ず阻止してみせます!
「【自身が感じた相容れない相手の価値観を正す】」という誓いを立てる事で、真の姿に変身する。誓いが正義であるほど、真の姿は更に強化される。
イラスト:光華 三毛
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🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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「その傍若無人な言動! 君が彼女に行った数々の仕打ち! 見損なったよ。薫子……いや桜羽院薫子! 今この場において、僕は君との婚約破棄を宣言する!」
「………………」
何処かで聞いたことがあるような糾弾が、御立波大学附属高校のとある教室で行われている。そんなどちらにとってもマイナスにしかならないような宣言、大声でするもんじゃないと思うんですけど。
ともあれ、無駄によく通る美声でそんな宣言を行ったのは、黒髪黒目高身長程よく引き締まった身体の目も覚めるような美男子と、日本人女性の多くが好みそうな正統派和製王子様系男子だった。凛と立つその腕の中には、ピンクブラウンの髪にピンクの瞳の美少女がいる。
……いや、確かに可愛らしいのだが、現時点で明らかにしてやったりという顔をしている。隠す気がさらさらない。
それでも男と目が合うと、辛そうに顔を伏せた。
「薫子さんのこと、そんなに強く言わないで。私が我慢すればよかったの、こんな責めるようなことするつもりじゃ……」
「甘音くん……なんて心優しいんだ。君はもう充分耐えたじゃないか。堪え切れずに絞り出した悲痛な告白が、もう限界だと僕達に教えてくれたんだ。僕達に打ち明けて正解だったんだよ」
周囲の男達(全員美形か男前)も、うんうんと同調するかのように頷いている。
一方、矢面に立たされている和製美少女――甘音と呼ばれた少女を抱き締める婚約者とは、並べばさぞ絵になったことだろう。|本物《まともなほう》の彼であれば、だが――は、険しい顔こそしているものの何も言わない。言っても無駄と悟っているからか、或いはこの異様な空気そのものを訝しんでいるのか。
しかし、握り締めたその拳は震えている。少なからず傷ついているのは間違いないだろう。仮にも婚約者である男に余りの仕打ちを受け、味方になってくれる人間もこの場にはいない。
そして本人は預かり知らぬことだが、このままでは彼女は誰に救いを求めることも出来ないまま、甘音と呼ばれた少女――ナンバード化オブリビオンが生き存える為の、文字通りの糧とされてしまう。
この悪役令嬢に仕立て上げられた少女を、猟兵達は救わねばならない!
月詠・莉愛(サポート)
『あの……宜しくお願いしますね。』
オラトリオのシンフォニア×聖者の女の子です。
普段の口調は「丁寧口調(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
独り言は「普通かな(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
大人しくて口数が少ないですけど、心優しく
動物や植物などの自然が好きな少女。
争い事は苦手ですけど、依頼の成功の為なら戦う事も厭わないです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
現場に到着した月詠・莉愛(銀の月を謳う・f16320)は、真っ先に薫子の元へ駆けつけた。
「桜羽院さん!」
「な、何だキミは!」
予期せぬ乱入者に戸惑いを隠し切れない男達には目もくれず、我に返った薫子と向き合う莉愛。いや、男達に何を行ったところで聞き入れないだろうし。
「桜羽院さん、安心してください。あの方はあなたの婚約者の方ではありません。本物のあなたの婚約者は今、病院で治療を受けています」
「……どなたか存じ上げませんが、あなたに彼の何が解ると言いますの。見ず知らずの人間の言葉を簡単に信じると思って?」
薫子はそう言うが、その瞳の奥が僅かに揺らいだのを莉愛は見逃さなかった。
普段、莉愛の口数はそう多くない。だが、薫子には伝えなければ、彼女の心を救う真実を。
「仰ることは……解ります。だからこそ、です。桜羽院さんにとっても、あの方は……変わってしまったのではないですか?」
それは、彼をよく知る薫子の方が間違いなく解る筈だ。
薫子自身が気づいている筈だ。そしてそれは正しい!
「……っ、」
「何を言っているか解らねえが! そいつの味方をするってことはお前もグルだな!? これ以上、甘音を傷つけようってんなら許さねえぞ!!」
スポーツマンタイプの精悍な男前が、薫子へと声をかける莉愛を阻もうとするが。
「桜羽院さんは、私達が護ります……! 光の矢よ、浄化させなさい!」
「ぐっ、あああ!?」
「……!?」
莉愛の放った光の矢に貫かれたスポーツマンが、倒れるのではなく消滅していく。
これで|能力者である《・・・・・・》薫子には理解出来た筈だ。ここにいる男達は薫子の知る人間ではなく……人間ですらないことを!
成功
🔵🔵🔴
シモーヌ・イルネージュ(サポート)
「苦戦してるようだな。手伝うよ」
クルースニクのデスブリンガー×サンダーバード
口調:「ざっくばらん(アタシ、アンタ、か、だろ、かよ、~か?)」
一人称:アタシ
特徴 さばさばした性格 快楽主義者 大食い 自信に溢れた表情
黒槍『新月極光』で戦おう。
基本は【怪力】を生かした力任せの攻撃。
相手を勢いで【吹き飛ばし】て、壁や地面に叩きつける。
数が多ければ【なぎ払い】をして対応する。
防御は槍で【武器受け】。またはサイバーアイによる【見切り】で対応。
甲冑でも受ける。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用可。
ぶっ飛ばしていこう。
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「……こ、怖いけど……甘音先輩を傷つけようなんて、僕が許しません……!」
線が細く儚げだが、そこはかとなく病んだ雰囲気の美少年が、ぎらりと光るナイフを取り出し薫子へと斬りかかろうとするが。
その刃を、シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)が七色の光宿す黒槍で受け止めた。
「おっと、そこまでだ。幾ら見た目がよくても、女の子ひとり寄って集って傷つけるような奴らはいい男じゃないね」
「なっ」
その場にいる男達全員が固まった。オブリビオンとは言え、美形男前として主に選ばれたと言う矜持でもあるのだろうか。あったところで猟兵達の知ったことではないが。
それでも。
「きゃっ! 怖い……!」
「甘音先輩!」
ナンバード化オブリビオンが大袈裟なまでに怯えた仕草をして見せれば、男達は気を取り直した模様。シモーヌに向かっていた美少年も、鍔迫り合った獲物を弾き返そうとする。
「何を犠牲にしても、甘音先輩を傷つける奴は……僕が……!!」
「お、力比べ? いいけど、負けるつもりはさらさらないね!」
狂気染みた美少年の気魄にも、シモーヌは一切怯むことなく。
寧ろ戦いはそうでなければと、力を振り絞る!
「母なる大地よ。我に力を授け給え。そしてその力で以て貫け、――新月極光ッ!!」
唱える。そして、|咆哮《ほ》える。
|山紫水明《ラ・テール》を形成する土と水と風の加護で、黒槍の切っ先輝かせ。
鋭く、力強い一突きで、眼前の敵を吹き飛ばす!
「ああ……っ!!」
最後に甘音の名を呼び、美少年の姿も消えていく。
「アタシにぶっ飛ばされてるようじゃ、|騎士《ナイト》とは呼べないね」
……何気にそれもハードル高い気はしますが。
成功
🔵🔵🔴
御梅乃・藍斗(サポート)
一人称:僕
二人称:君、あなた
他人にはさん付け
基本的に敬語(ですます調)、動揺した時など男子っぽい口調になるのも可
まじめで負けず嫌い
積極的に他人と親しくする方ではないが任務に必要であれば協力は惜しまない
必要時サバイバル、捕縛、居合、受け流しなど活用
敵からの攻撃には激痛耐性や狂気耐性で耐える
名家の出であり、力あるものはそうでないものを守る義務があると考えている
サキュバスだが種族ゆえに性的な要素を警戒あるいは期待されることを厭っており、下世話な話題には嫌悪感を示す潔癖な性格
UCは活性化した物をどれでも使用
迷惑行為や公序良俗に反する行動はしない
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「………………はぁ」
改めて現場を見た御梅乃・藍斗(虚ノ扉・f39274)は思わず溜息を吐いた。何なら頭も抱えそうになった。
グリモア猟兵の話を聞いた時点で『何だその茶番は』と思ったし、実際に己の目で見たところで『何だこの茶番は』としか思えなかった。予定調和。
(「まあ、救いようのない話は何処まで行っても救いようがないといういい例か」)
最初からまともじゃない話がまともな方向に軌道修正されることはないのだと思おう、と藍斗は心に刻んだ。
「何だキミは! キミも甘音くんを傷つけようとする一派か!?」
「……さっさと終わらせましょうか。茶番に付き合うのは面倒だ」
最早溜息も出てこない。
眼鏡をかけた、いかにも品行方正で知的な美形が藍斗へと敵意を向けてきたので。
長引けば長引くほど疲れそうだし、迅速に返り討ちにしようと決めて。
「我が校に不和を招く者に容赦はしないぞ!」
甘音とやらの平穏を脅かす者の間違いだろう、と藍斗は内心毒づきつつも。
「生徒会長か風紀委員か知りませんけど、煩いですよ。――おしずかに」
「!?」
しぃ、と藍斗は己の唇に人差し指を添えて。
かと思えば、何処からともなく現れた枷、轡、拘束具がひとりでに眼鏡美形へと絡みつき。
反論も静止も、ユーベルコードも奪い去り、静かに藍斗はその身を一閃した。
騒がしさはまた少し収まり、藍斗は納刀しつつ背後を顧みて。
「面倒なのに目をつけられて、貴女も災難でしたね」
「え、ええ……?」
余り他者と親しく関わるつもりのない藍斗にとって、その言葉は気休め程度のものでしかなかったが。
何かと苦労をしていそうだと、ほんの少しだけ薫子に同情したのは本心だった。
成功
🔵🔵🔴
エジィルビーナ・ライアドノルト(サポート)
私はエジィルビーナ、エジィでもルビーでも好きに呼んでくれていいよ。
困ってる人がいるなら助けたいし、倒さなきゃいけない強い敵がいるなら全力で立ち向かわなきゃ。全力で頑張るからね!
実は近接戦闘以外はあんまり得意じゃないんだけど……あっ、畑仕事ならチェリから教えてもらったから、少しはわかるよ!
力仕事はそんなに得意じゃないけど、足りない分は気合と根性でカバーするから任せといて!
☆
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
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「おっとそこまでだ。教師として、暴力沙汰になるなら見過ごせないね」
気怠げだが、所作がいちいち妖艶な教師と思しき男が長い髪をかき上げながら立ち上がった。
ただ、こうは言っているが、明らかにオブリビオンに味方するつもりであろう空気がありありと漂っている。まあ元々オブリビオン側に立ってたし、そも本人もオブリビオンだし、想定の範囲内。
「でも結局、この子を抵抗出来なくして食べちゃおうって魂胆でしょ。そんなこと許さないよ!」
「!?」
エジィルビーナ・ライアドノルト(シールドスピアの天誓騎士・f39095)の言葉に、薫子もオブリビオン軍団もぎょっとした表情をした。初耳と図星。
とは言え、薫子はもう奴らが人間でないことを仲間の言葉と敵の死体が残らない様子で気づいている筈だし、猟兵ではないが能力者であるのだから、今更隠す必要もないだろうという判断である。
それに、抵抗する力のない人間を一方的に嬲り殺しにしようという企みを許せないのも事実であるし、ましてやそれがオブリビオンであるなら余計に見過ごせない。
「言いがかりはよしてくれ。悪い子にはお仕置きだぜ」
無駄に色気のある声で教師にそんなことを言われたが、既に相手を倒すべき敵と断じたエジィルビーナには響かない!
「このシールドスピアの真の力……見せてあげるよ。解き放て!」
何度も打ち直し、長く共に戦ってきた相棒たる盾槍――紅玉を構えて、秘められし力を引き出せば。
目にも留まらぬ速さで、重量を微塵も感じさせない連続突きを繰り出して見せて。その一撃一撃が、寸分違わず教師の身体を刺し貫く!
「かは……っ」
消滅際すら悩ましげに崩れ落ちるのがやたら癪に触るが、ともあれこれでまた一人敵を打ち倒した。
取り巻きも残り少ない。畳み掛けるのだ!
成功
🔵🔵🔴
ステラ・カガミ(サポート)
『よろしくね。』
人間のシンフォニア×サウンドソルジャー、19歳の女です。
普段の口調は「年相応の少女口調(あたし、~くん、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
踊り子兼歌姫なので歌ったり踊ったりすることが大好きです。
明るく好奇心旺盛な性格で、自慢の歌と踊りで旅費を稼ぎながら世界を回っています。
戦闘では歌や踊りを使っての援護に回ることが多く、ユーベルコードもそれに準じた使い方をします。
描写NGはありませんので、あらゆる用途で使って頂いて大丈夫です。
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「くっ、このままでは」
「聖真くん……!」
明らかな劣勢におろおろし始める美少女と婚約者(偽)。
そこへ、緩い微笑みを浮かべながら焼けたような焦茶の髪に褐色肌の男前が進み出た。ハワイ辺りからの交換留学生の方か何かですかね。
「ここは僕に任せてよ」
「カノア!」
「手荒な真似はしたくなかったけど、僕らの目的はカオルコの悪事を裁くこと。僕がここで学んだ弓道の成果を見せてあげるよ」
楽観的に見えるけれど実は切れ者、とかそういうポジションらしい。まるで本当にエセ乙女ゲームのような人選だが、実際に元になった人物がいると言うのだから驚きだ。
と言うか直接薫子を狙うつもりか!
させない、とステラ・カガミ(踊り子兼歌姫・f14046)が薫子を庇うように立ちはだかった。
「裁く? 片方の意見しか聞かないで、自分達が正義と信じて疑わないなんて……可哀想な人達ね!」
「聞くまでもないさ。現にアマネは酷く傷ついているんだから。これを被害者と言わずに何て言うんだい?」
やはり聞く耳持たず。尤も、ステラとて最初からまともな応答を期待などしていない。
そういうオブリビオンなのだと、聞いていたから。ならば、こちらも問答無用で目的を果たすのみ。
「薫子さん、しゃがんでてね」
背後の薫子に声を掛ける。ステラは小柄な部類で、逆に薫子は女性としてはやや背が高い。故に、庇っても射抜かれる可能性があった。
彼女が戸惑いつつ従うのを確認し、ステラは深く息を吸い込む。
「あたしのとっておきの一曲、聴かせてあげるわ♪」
そして朗々歌い上げれば――現れるは雄々しき夢幻の怪物!
「なっ」
これには流石の切れ者留学生も動揺を隠せず、狙いがブレる。
その隙を突いてステラは扇を振るい、留学生に接近。流れるように、しかし力強く切り払う!
「えいっ!」
「うわあぁっ」
かくして留学生も倒され、残るは二人。
偽物の婚約者と、その主のナンバード化オブリビオン!
成功
🔵🔵🔴
鳥羽・白夜
…悪役令嬢モノ?何それ今流行ってんの?(流行にとことん疎い男)
ナンバード化オブリビオン、って聞いたから来てみたけど…
なんだよオブリビオンのくせに悲劇のヒロインぶってんのかよ。周りの男どもも顔はいいかもだけどなんか頭悪そーだな…
てかこいつ(薫子)が何したのか知らねーけど、女子一人によってたかって責め立てるとかただのイジメじゃん。恥ずかしくねーの?
別にイケメン殴りたいとかじゃねーけど、声高に正義振りかざして人に押し付ける奴嫌なんだよ。
指定UC発動、UCのコウモリに【吸血】させ【生命力吸収】。
弱らせたところに大鎌の【斬撃波】を放ち各個撃破。
俺は正義とか興味ねぇからな、オブリビオンは叩く、そんだけだ。
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「……悪役令嬢モノ? 何それ今流行ってんの?」
とは、鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)の言である。流行にはとことん疎い。
より正確に言うならざまぁものがここ暫く男女問わずライトノベルの人気ジャンルに君臨している気はしますね。そのざまぁ系も細分化されていってるからもうわかんないよね。
閑話休題。
(「ナンバード化オブリビオン、って聞いたから来てみたけど……」)
一方的かつ高圧的に演説を行う薫子の婚約者(偽)、それに一切の疑問を見せずノータイムで同意する男達、そして彼らを侍らせほくそ笑む美少女の姿をその目で見て、白夜は解りやすく不快げに眉を顰めた。
「なんだよオブリビオンのくせに悲劇のヒロインぶってんのかよ。周りの男どもも顔はいいかもだけどなんか頭悪そーだったな……」
ぽつりと呟いたつもりが、何か言ったかと言いたげに進み出た――もう取り巻きが自分しか残っていないので――婚約者の男に睨まれた。地獄耳か。
まあ、聞かれていたなら隠す必要もない。元より、隠すつもりで声を抑えていたわけでもないし。
「てか|薫子《こいつ》が何したのか知らねーけど、女子一人によってたかって責め立てるとかただのイジメじゃん」
「何だと!? その女は彼女を傷つけたんだぞ、自業自得だ!!」
男はなおも薫子を声高に非難するが、白夜は気圧されるどころか呆れたように続けた。
「挙句仮にも元婚約者に『その女』呼ばわりかよ。男以前に人として恥ずかしくねーの?」
「言わせておけば……!!」
かくなる上は実力行使だと言わんばかりに、男は竹刀を取り出した。何処にしまっていたのかという疑問はさておき、腐ってもオブリビオンの武器。見た目に反し殺傷力は高そうだ。
躊躇わずに終わらせよう。白夜の影から、夥しい数の蝙蝠が飛び立つ。
「別にイケメン殴りたいとかじゃねーけど、」
顔の美醜は関係ない。
家柄の良し悪しも関係ない。
ただ、白夜にとって見過ごすことが出来ないのは。
「声高に正義振りかざして、人に押し付ける奴嫌なんだよ」
「なっ」
蝙蝠は容赦なく男の顔面へと群れ、その血を、生命を啜り食らう。
その真正面に、赤く染まった三日月が迫る。
「俺は正義とか興味ねぇからな、オブリビオンは叩く、そんだけだ」
そうして満足した蝙蝠が霧散していったその瞬間。
血色の衝撃波が、男の身体を上下に断ち切った。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『甘蝕』
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POW : 甘蝕症候群
自身が装備する【ショルダーバックに入った小瓶】から【甘い食べ物への執着心を齎すカラフルな砂糖】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【甘い食べ物以外への躰の拒絶反応】の状態異常を与える。
SPD : シュガー・ホリック
【幻覚を引き起こす、恋する彼女の純粋な言葉】が命中した生命体・無機物・自然現象は、レベル秒間、無意識に友好的な行動を行う(抵抗は可能)。
WIZ : Sweetheart
自身と対象1体を、最大でレベルmまで伸びる【得物のスプーンに付いたピンク色のリボン】で繋ぐ。繋がれた両者は、同時に死なない限り死なない。
イラスト:アリ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「穂積・直哉」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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「もうっ! 何なの!!」
全ての取り巻きが消えた時、美少女は地団駄を踏んだ。
そしてその髪は、肌は色が抜け落ちたように白へと変じ、瞳は血の赤に爛々と輝いた。
「ヒロインになって、素敵な男の人達に囲まれて愛されて、ちょっと美味しい思いをしようとしただけじゃないっ! どうして邪魔するの!?」
ちょっと……?
明らかにちょっとでは済まされないし、放っておけば人命が失われるのだから猟兵としては邪魔をしないわけに行かないのだが。
「もう怒ったんだから! 薫子さん……ううん、そこの女も邪魔する奴も全員許さないっ! みーんな纏めて甘ーいお菓子にして食べちゃうんだから!!」
甘音と呼ばれた元美少女――ナンバード化オブリビオン・甘蝕が巨大なスプーンを振り回す。
そこに、薫子が声を通した。
「私にも、本物の聖真さんを始めとした男子生徒や先生にも、そしてここに集まってくださった皆様方にも、貴女こそが迷惑を掛けているとまだ解らないのかしら。貴女の正体がゴーストか何者か存じ上げないけれど、恥を知りなさい!」
「むきぃー!!」
正論で殴られた甘蝕の怒りのボルテージが上がっていく。
だが、薫子は涼し気な顔をして下がると、今度は猟兵達へ凛と告げた。
「自分の身は自分で護ります。ですが、私とあの方の問題に巻き込まれた貴方達に万が一のことがあっては、桜羽院の子女の名折れ。負傷したなら私の元へいらっしゃい」
……どうやらいざとなったら白燐蟲で治療してくれるようだ。
さあ、気兼ねなく敵を倒し切ってしまおう!
ルウ・アイリス(サポート)
エルフのウィザード×王子様、19歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、高いところでは「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは、その場にあった最適なものを使用します。
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします!
●
「………………あらっ?」
ふと。
甘蝕が一瞬呆けたような顔をし、直後ぱあっと綻ぶような笑顔を見せた。……瞳以外に血の気はないけれど。
「あなた、王子様みたいでとっても素敵ね! 私と甘〜い恋、しませんかっ?」
「…………………」
ルウ・アイリス(一族の次期リーダー・f24083)は盛大な溜息を吐きかけたのをぐっと堪えた。
いや、確かにサブジョブは王子様であるし、立場的にも王子でこそないものの族長の息子であり将来は後を継ぐことが決まっている身ではあるが。
少なくとも今は恋愛に現を抜かすつもりなどないし、ましてや強制的に恋人にされるなど真っ平御免だ。そもそも相手はオブリビオンなのだし。
「断る」
「そんなあ!!」
ばっさりと。
いや、変に希望を持たせる方が話が拗れそうなので。
(「……しかし」)
先程から頭がクラクラする。これが彼女の幻覚能力か。
何とか耐えて、詠唱を重ねていくと。
(「ん?」)
幻覚を掻き消すように、白く煌めく何かがルウの周囲を飛び回っている。
成程、これが薫子の白燐蟲かと悟った時には、頭を掻き回すような幻覚は消えていた。
同時に、詠唱も終了して。
「これが答えだ……! 一閃の雷撃よ、我手に集え!」
「きゃああぁぁ!?」
確かな拒絶の一撃を。
裁きの雷、その槍を。
それは深々と甘蝕の身体を貫いたのだった。
成功
🔵🔵🔴
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイル:白兵射撃の物理系
各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!
アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!
ハル・エーヴィヒカイト(サポート)
▼心情
手の届く範囲であれば助けになろう
悪逆には刃を振り下ろそう
▼戦闘
殺界を起点とした[結界術]により戦場に自身の領域を作り出し
内包された無数の刀剣を[念動力]で操り[乱れ撃ち]斬り刻む戦闘スタイル
敵からの攻撃は[気配感知]と[心眼]により[見切り]
[霊的防護]を備えた刀剣で[受け流し]、[カウンター]を叩き込む
●
「……うう……えっ嘘、あなたも格好いい!?」
負傷し苦悶に震えていた筈の甘蝕であったが、ハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)の姿を見つけてまたその瞳を輝かせた。血色なので剣呑だけれど。
「……本当に見境がないな」
「Love is blind! 恋は盲目、デスネー!」
対ナンバード化オブリビオン対処の為にやって来た二人――ハルはやれやれと肩を竦め、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)はHAHAHAと鷹揚に笑った。
「私とお付き合いしませんかっ? あなたとならきっと甘〜い恋が出来ると思うの!」
「先程の猟兵にも似たようなことを言っていなかったか?」
「フラレちゃったから!」
いっそ潔い。
勿論、だからと言ってハルが受け入れることはないのだが……それでも言霊が齎す幻覚からは逃れられないようだ。誘惑に屈することはないが、代わりに不快感で頭がクラクラする。
さて、恐らく甘蝕の恋愛対象外であろうバルタンに対してだが、何やら雑に砂糖を振りかけられた。色がついていてキラキラとして、それだけを見れば綺麗ではある。但しその実態は甘味への異常な執着を齎すとんでもない代物だ。
「Oh……これは迅速に糖分補給をしなければ! と言うワケで早速調理開始デース!」
そう、メイドたるもの抜かりはない。『格納型メイド用キッチン』とユーベルコードの力があれば、いつでも何処でもスイーツを振る舞うことだってお手の物なのだ!
大ぶり艷やかな苺のショートケーキに甘さとほろ苦さが絶妙なガトーショコラ。チーズケーキはレアにベイクド、スフレにニューヨークなど種類も豊富に。他にもティラミスやオペラ、フルーツはロールケーキにタルト、和菓子や点心まで甘味三昧!
「ハル殿も是非お召し上がりクダサーイ」
「俺は……いや、いただこう」
ハルは一瞬辞退しようとしたが、これがユーベルコードによって作られたスイーツであることを思い出し、ならばと甘さ控えめな抹茶モンブランをいただくことにした。
頭を掻き回していた幻覚が消えていく。これで問題なく戦うことが出来そうだ。さて、肝心の甘蝕は。
「このフランボワーズタルト美味しい〜♪」
食べてる!!
バルタンもバルタンでHAHAHAと笑うばかりで止めない!!
いや、しかし好都合だ。今の甘蝕は完全に隙を見せている。
「内なる世界より出でし刃よ、全てを断ち斬れ――!」
「え……きゃーっ!?」
黒曜の名を冠するに相応しき漆黒の刃が、ハルの命ずるまま甘蝕を美しいまでに切り裂いたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鳥羽・白夜
なんだ、桜羽院の方がよっぽどマトモなヒロインじゃん。お前のがどう見ても悪役…悪役令嬢モノ(?)の悪役の定義ってどーなってんの?なんかこんがらがってきたんだが。
まぁいっか、特に興味もねーし。お前ほっといてもそのうち死にそうだしな、そろそろ数字のカウントヤバいだろ。
あえて動揺させ『Sweetheart』を使うように仕向ける。
なるほどな、俺と繋がれてる限りは能力者食わなくても死なないってわけだ。
じゃあ遠慮なく血を奪ってやるよ、と指定UC発動。大鎌で【吸血】し【生命力吸収】。お互い|死なない《死ねない》んだしこの大鎌がどれくらい紅く染まるか試してみるか?
【傷口をえぐる】ように攻撃し【恐怖を与える】。
●
薫子の毅然とした言動に、鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)は思わず感心さえした。
「なんだ、桜羽院の方がよっぽどマトモなヒロインじゃん。お前のがどう見ても悪役……」
と、そこまで言いかけて、ふと。
(「悪役令嬢モノ(?)の悪役の定義ってどーなってんの? なんかこんがらがってきたんだが」)
ヒロインが悪役で悪役令嬢がヒロイン。ややこしい。
「まぁいっか、特に興味もねーし」
白夜は考えるのをやめた。どうせこれきりの相手だ。
それに。
「お前ほっといてもそのうち死にそうだしな、そろそろ数字のカウントヤバいだろ」
「えっあっ」
狙い通り。
甘蝕は慌ててリボンタイを解き、己の胸元を確認しているようだった。そしてただでさえ白い肌を更に青褪めさせる。
(「図星か」)
胸元に刻まれているであろう数字は恐らく『1』……あっても『2』だろう。残された時間は少ない筈だ。
「でも大丈夫! 私にはこれがあるっ」
甘蝕のスプーンを飾り彩るリボンが白夜へと伸びる。白夜は敢えてそれを避けることなく受ける。
左手首にリボンが巻きつく。特別何かが変わった感覚はないが、これで死のカウントダウンは限定的ながらも無効化出来ているのだろう。
「なるほどな、俺と繋がれてる限りは能力者食わなくても死なないってわけだ」
「そうよっ、このままあなたを動けないくらい弱らせて、その女をお砂糖塗れにして食べてやるんだから」
するとその時、薫子が白燐蟲に命じてリボンを噛み切らせようとするのが見えたが、白夜はそれを静かに制した。
「じゃあ、遠慮は要らないな?」
「えっ」
白夜は見せつけるように不敵に笑って見せた。
次の瞬間、彼は甘蝕へと肉薄すると、血色の三日月――否、大鎌を振るい、その華奢な身体を抉るように引き裂いた。
ぎらり禍々しく煌めく刃が血肉を啜り、その生命を奪っていく。
「うあ゛、ぁ……あ、いた、ぃた、い……」
それはそうだ。本当ならば致命傷だ。
それでも最早、今の彼女は『死ねない』のだから。
「お互い|死なない《死ねない》んだし……この大鎌がどれくらい紅く染まるか、試してみるか?」
「……ヒ……」
甘蝕の表情が恐怖に歪む。
白夜自身、恐怖を煽るよう痛みを与え、吸血鬼として振る舞っているのだからその反応は正しい。
寧ろ、そうでなければ困る。オブリビオンである以前に、奴は人として、してはいけないことをやりすぎたのだから。
大成功
🔵🔵🔵
シモーヌ・イルネージュ
甘いお菓子を食べるのは好きだけど、食べられるのは勘弁な。
むしろ。もう二度とお嬢さんや生徒達に悪さができないように、ここでアンタを平らげてやるよ。
黒槍『新月極光』で戦うよ。
相手が巨大スプーンを出してくるなら、槍がちょうどいい大きさだね。
スプーンを【武器受け】しつつ、UC【神燕武槍】を発動して反撃。
腹に大きいのをお見舞いしてあげよう。
砂糖のダメージはそのまま受けるとして(べたべたしそう……)、
甘い食べ物以外への躰の拒絶反応は、しばらくは肉に砂糖かけてしのげばいいかな?
●
「さぁて。少しは反省したかい?」
これまでの戦いを見守りつつ、自身も仕掛ける機会を窺っていたシモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)が、大胆不敵な笑みを甘蝕へと向ける。
既にかなり甘蝕も弱ってきている。戦いでの消耗もそうだが、カウントダウンの終了も近いのだろう。
ならば放っておいても力尽きそうなものではあるが、最期の力を振り絞って薫子を食らい、結果として生き永らえられるわけにもいかないので。
「甘いお菓子を食べるのは好きだけど、食べられるのは勘弁な。むしろ、もう二度とお嬢さんや生徒達に悪さができないように、ここでアンタを平らげてやるよ」
後腐れなく、しっかりと。
後味のよい決着を、ここでつけるのだ!
「死にたくない……死にたくない!」
「だったら最初から恋愛よりも、生きることに全力注げばよかったのにな」
尤も、それが出来ていればこのようなことにはなっていなかっただろうが。
闇雲に振るわれるスプーンを、槍で受ける。『新月極光』は今日も、その黒い穂に光を受けて極光の輝きを見せる。
今日も相棒の調子は絶好調の様子。相手の獲物とも渡り合うに丁度いい大きさだ。
「来ないでっ!!」
牽制のつもりか、甘蝕はシモーヌへと砂糖を振りかけてくる。だが、シモーヌはそれを避けなかった。
ダメージはないようだし、寧ろ甘いものは好きだし、特に困ることはないと真っ向から受けつつも。
「べたべたするなあ……ま、後で汗と一緒に流そうか。と、その前に!」
甘蝕を討ち取って、終わらせるのだ!
「我に時の流れを委ね、滅びの力を与え給え――」
「嫌……いやっ!!」
逃れ得ぬ死への恐怖に半泣きになる甘蝕の、その細い腹へと狙いを定めて。
神速の一撃――からの、流れるような柄での強烈な連撃を見舞う!
「これで数字が減ることもなくなったな」
よかったじゃないか、と掛けた言葉に返事はない。
甘蝕の身体は地へと叩きつけられる前に灰となり、教室の中に散らばった。
「うーん……敵は倒したけど、何だかまだ甘いもの以外食べたくない感じが残ってるな……」
甘蝕を倒したので、それもいずれは消えるのだろうが。
「しばらくは肉に砂糖かけてしのげばいいかな?」
冗談めかしてそんなことを言えば、悪役ではなくなった令嬢・薫子が、ぱちくりと目を瞬かせたのだった。
大成功
🔵🔵🔵