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【サポート優先】夏の憧憬

#シルバーレイン #戦後 #優しい悪夢

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#優しい悪夢


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。


「まだまだ暑い日が続きますが、暦の上ではもうすぐ夏も終わりなのですねえ」
 しみじみと、虹目・カイ(未来は虹色・f36455)が想起するように呟く。
 けれどすぐに仕事モードに切り替えて、ニコリと猟兵達へと笑顔を向けた。
「私の地元近くの町がね、覚めない幸福な悪夢に囚われてしまったものですから。私自身で解決したい気持ちは山々なのですけれども、予知を受けてしまった以上そうも行きませんのでね。皆様の力をお借りしたい次第でして」
 覚めない幸福な悪夢。
 現実に顕現したその名の通りの悪夢は、一見すると幸せで穏やかな日常の光景だ。しかし、これはあくまで悪夢である。放置すれば、囚われた人々は緩やかで確実な死へと向かってしまうだろう。
「今回向かっていただくのは、札幌市内からギリギリ外れた田舎町なんですけれどもね。その町全体が背の高い向日葵畑に覆われ、住人全員が子供に戻り終わらない夏休みを過ごす夢を見ております」
 終わらない夏休み。確かにそれだけ聞けば何とも楽しそうな響きだ。
 子供の頃に、夏休みが終わらなければと大なり小なり願った者もいることだろう。
「日差しが強く、向日葵の咲く真夏の光景……なのですがここ、真冬並みに寒いです」
 えっ。
「それはこの後お話する元凶のオブリビオンに理由があるのですけれどもね。兎に角このままですと、住人は一人残らず風邪を引き、なおかつ医者も子供に戻っているものですから、治せる者が一人もおらずに全員風邪を拗らせ、やがて死に至ります」
 夢物語なのか現実的なのかよく解らん話になってきたな。
「この事態を引き起こしているのは『雪男』です。なのですが、どうもこんな悪夢になった理由と言うのが、雪男が悪気なく夏に憧れたから、のようなのですよね」
 その身が雪男である以上、夏と共存することは叶わない。しかし、現実ではあり得ないような世界法則が展開される悪夢の中でなら、冬の環境に適応した夏の世界を作り出せるかも知れないと。
 オブリビオンと化した雪男は、無邪気にそう考えたらしい。
「悪気がないのは解るのですが、許すと死人が出るのでねえ……」
 地元近くの危機ではあるが、カイも怒るに怒れないらしい。思わずといった風情で苦笑している。
 ともあれ、悪気はなくとも捨て置けない案件だ。早々に解決する必要があるだろう。
「町の中ですが、皆さんが侵入しても勝手に子供に戻ったりすることはありません。但し、皆様が望んでなる分には可能です。このメリットについては後でまた説明しますが。まずは向日葵畑の中で眠っている住人の方を見つけ出していただきます。今回は全員の夢がリンクしていることもあり、どの住人でも一人見つけ出せれば、学園から借りたティンカーベルで雪男のいる悪夢の中へ入ることが可能です」
 そして、夢の中でも向日葵畑が広がり、住人達と雪男が隠れんぼや鬼ごっこに興じていると言う。
 雪男は危険を察知すると住人達を逃がそうとするので、彼らを巻き込む心配はない。また、雪男自身も然程強くないので、集まった猟兵達が全力で攻撃すれば、討伐は難しくないだろうとカイは言うが。
「ここで夢の力で小学生程度の子供の姿に戻った方……或いは今まさに小学生ないしそれに等しい年齢の方へ、雪男が攻撃を加えることはありません。更に、該当の方が雪男と向日葵畑で何かしら遊んであげた場合は、攻撃を加えずとも雪男はその力を失います。攻撃するよりこちらの方が効率よく力を削げるまでありますね」
 あれだろうか、望みが満たされると成仏する感じに近いものだろうか。
「勿論、皆様のやりやすいように対応していただくのが一番でございますから。どう扱うかは皆様にお任せいたします。それでは、どうぞよろしくお願いいたします」


絵琥れあ
 お世話になっております、絵琥れあと申します。
 ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
 (勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします)

 流れと詳細は以下の通りになります。

 第1章:日常『夏に広がる花の道』
 第2章:ボス戦『雪男』

 第1章では、陽光降り注ぐ夏の向日葵畑(極寒)で住民捜索を行っていただきます。
 住人は皆、子供化して向日葵畑の中で眠っているので足元に気をつけて探すのがよいでしょう。
 なお、通常参加の方はこの時点で宣言すれば小学生ほどの子供の姿になることが出来ます。

 第2章では、どうやら夏という季節に憧れたらしい『雪男』のいる夢の中に乗り込みます。
 攻撃して倒すことも可能ですが、遊んであげるとより効率よく力を削ぐことが出来るようです。
 メタな話をすると、要はサポート参加or攻撃して倒すプレイングだと成功扱い、遊んであげるプレイングだと大成功扱いになります。

 サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『夏に広がる花の道』

POW   :    ちょっと向日葵畑に寄り道していこう

SPD   :    向日葵畑を眺めながらゆっくり移動しよう

WIZ   :    向日葵畑の写真を撮ったり絵を描いていこう

イラスト:もちつきかがみ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジゼル・サンドル
夏休みが終わってほしくない気持ちは分かるな…(現役中学生)

せっかくだし子供に戻ってみよう、銀誓館の小学生制服も可愛いから着てみたかったんだよな。【早着替え】で学園から借りた小学生夏服に着替えいざ向日畑へ!

…寒い!北海道は夏は涼しいとは聞くが涼しいってレベルじゃないぞ。雪女なら平気だろうが…
寒い時はチョコがいいと聞いたし、親友からもらったチョコを食べて【寒冷適応】を得て進む。

元から小柄ではあるけれど子供の目線だとさらに向日葵は背が高くて。まさに向日葵迷路だな…景色は夏なのに寒いなんて変な気分だ。
低くなった目線を活かし、足元に注意しつつ【聞き耳】を立てて捜索。寝息のひとつでも聞こえれば良いのだが。




(「夏休みが終わってほしくない気持ちは分かるな……」)
 そう。それはきっと小学生に留まらず、学生という身分であれば多くの者が考えることだろう。
 かく言うジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)自身、現役の中学生である。
 さて、ジゼルの目の前には町を覆うように広がる向日葵畑がある。この中では住人は小学生ほどの子供に戻り、猟兵も望めば同様に戻れると言うので。
「よし。せっかくだし子供に戻ってみよう、銀誓館の小学生制服も可愛いから着てみたかったんだよな」
 ギリギリ市内側のコンビニの化粧室を借り、学園から借りた小学生夏服に早着替え。
 白を基調としたワンピースタイプの制服は可憐で清楚。紺のタイとラインも相俟って、夏らしく爽やかな印象を与える。思わずジゼルは鏡の前でくるりと回った。
 これで準備は万端。いざ向日畑へ!
「……寒い!」
 記念すべき第一声がそれであった。
 いや、無理もないだろう。広がる光景は眩しいほどの要項に照らされた真夏の向日葵畑に違いはないのに、気温だけが真冬の北海道並みに寒いのだ。既にこの視覚と体感の温度差で風邪を引きそうだ。
(「北海道は夏は涼しいとは聞くが涼しいってレベルじゃないぞ。雪女なら平気だろうが……」)
 と言うかさっきまでいた市内も、本当にここは北海道かと疑いたくなる程度には暑かったのに。そう言えばグリモア猟兵もちょっと遠い目してたような。
(「兎に角、寒さ対策をしないと。確か寒い時はチョコがいいと聞いたな」)
 ここに親友から貰ったハートのチョコがある。なお大きい。小さくなった今のジゼルにはより大きい。
 しかしまあ、より沢山食べた気になれると思えば逆に好都合。寒冷適応のお陰で寒さも気にならなくなってきた。早速探索を開始する。
 元々小柄なジゼルではあるが、子供の目線に戻っている今は、より向日葵は背が高く。見上げるその太陽のような姿にさえ圧倒されて。
(「まさに向日葵迷路だな……景色は夏なのに寒いなんて、変な気分だ」)
 だが、目線が低くなったからこそ、足元がよく見える。
 花を傷つけないよう、注意しつつ掻き分けながら、向日葵の海を往く。時折立ち止まり、聞き耳を立てて進めば。
「!」
 微かだが、寝息が聞こえる。
 辿ってみれば、そこには確かに眠る少女の姿があったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニノン・トラゲット(サポート)
『冒険はロマンです!』
『まだ見ぬ何かの予感がします……アガってきちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、あれこれ心配するよりはとりあえず「面白そう!」と思ったことを積極的に試してみます。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!




「さ、寒いです!!」
 ニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)もまた、開口一番叫んでいた。
 見渡す限りの向日葵畑。燦々と降り注ぐ太陽の光。
 しかし体感気温は氷点下。
「け、ケットシーでなければ危ないところでした……!!」
 自分の体毛に心から感謝するニノン。もふもふ。
 しかし、今回の目的を達成するにあたってよいこともあった。
「わたしの大きさなら、子供にならなくても足元に人が寝ていたらすぐに気づけそうですね!」
 と言うわけで気合を入れ直して住人捜索開始!
(「こう見えて少しは探し物の心得があるんですよっ」)
 足元に気をつけて、向日葵畑を掻き分け進んでいく。
 町へと入る橋を越えてすぐの地点には流石に人の気配はない。もう少し入り込んでいく必要がありそうだ。
 更に進む。何処までも続く向日葵畑を泳いでいく。暫くそうしていただろうか。つん、と爪先に何かが当たった。
「……ん、んー……」
「あっ!」
 それは人の手だった。寝ぼけたような声もする。
 確認すれば、確かにそこに子供が眠っていた。
「よーし、後はティンカーベルの粉を振りかけて、っと……」
 金色の粉が宙に舞う。
 瞬間、世界がぐにゃりと捻じ曲がり――開けた向日葵畑に雪男と子供達が、現れた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『雪男』

POW   :    突然の迷い子
【予知になかった小学生以下の迷子の少女】を見せた対象全員に「【(避難させるまで戦いを止めてくれ!)】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【問答無用で殴り飛ばされ、戦闘能力】が半減する。
SPD   :    雪玉アタック
【巨大な雪玉】を放ち、命中した敵を【雪玉】に包み継続ダメージを与える。自身が【あらかじめ雪玉を転が】していると威力アップ。
WIZ   :    氷雪地獄
戦場全体に【猛烈な吹雪】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【雪だるまアーマーの装着】による攻撃力と防御力の強化を与える。

イラスト:桜木バンビ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クロト・ラトキエ(サポート)
基本、戦闘中は無口。
静かに、密やかに、確実に…
鋼糸やワイヤーを張り巡らせ、陸空構わず足場とし、武器として、
他に、毒にナイフ…と多彩な暗器で敵を討つ。

物心ついた時から戦場に在り、
仮令、相手が誰であっても、如何なる強者や数だろうと、
ふわり、いつも通りの微笑みを絶やさない、生粋の戦場傭兵。
かわいい小動物から猛獣まで、生き物には避けられがち。
かなしみ。

常に周囲を視。
敵の動きや特性を見切り、回避や攻撃へと繋げる、
距離・範囲拘らずの攻撃orサポートタイプ。
温かな癖に、凍れる感情。
特に色仕掛けは効かない。

状況に合わせ、動きやUCはご自由に。
物語にとって良い様に、上手いことサポートさせて頂ければ幸いです。




(「また向日葵」)
 ふと、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)は思い出した。
 彼の姿に変化はない。その事実こそが、この夢で己は異物なのだと自覚する。しかし、だからと言ってその心が不安定に揺らぐことはなかった。
(「子供を……住人を逃している。避難を促したり、人質を取られる可能性を考慮したりしなくていいのはやり易いか」)
 その『やり易い』と言うのも、戦術以外に考えることがなくていい、という意味だが。
 心は凍てている。そうあれかしと、傭兵たる己に課した故に。
 とは言え、無情の存在でもなく。
(「なるべく早く終わらせよう」)
 心はよくても身体が凍てる、住人の為にも。
 猛烈な吹雪が己を襲う。
 クロトはそれを、己に向けられた敵意と断じた。雪男にとっては異物を排除しようとしての攻撃なのだから、事実そうであるのだが。
 その無邪気な敵意に、憧憬に贈ろう。
 断絶を。その旅路を。
 ひょう、と鳴る。
 ほぼ無音、風を切る音のみ。
 瞬間、雪男の身が裂けた。
「グ、ォオオ……!!」
 振り抜いた黒剣は蛇の如く。
 散りばめられた糸は疾風の如く。
 冬の獣を、断ち切った。

成功 🔵​🔵​🔴​

下原・知恵(サポート)
「話は聴かせてもらった。つまり……ここは|戦場《ジャングル》だな!」
◆口調
・一人称は俺、二人称はお前
・ハードボイルド調
◆癖・性質
・公正と平等を重んじ、己を厳しく律する理想主義者
・自分の現況を何かにつけてジャングルとこじつけたがる
◆行動傾向
・己を顧みず同志の安全と任務遂行を優先する(秩序/中立)
・UDC由来の人工心臓が巨大ゴリラの変身能力をもたらす
・ジャングルでの戦闘経験から過酷な環境を耐え抜く屈強な精神力と意表を突くゲリラ戦術を体得している
・とりあえず筋力で解決を試みる。力こそパワー
・手軽に効率よく栄養補給できるバナナは下原の必需品
・生真面目がたたり、意図せずとぼけた言動や態度をとることがある




「町も夢も向日葵畑……成程。差し詰めここは、向日葵の|戦場《ジャングル》と言ったところか」
 今回に関しては何がどうしてそうなったとは突っ込み難い不思議。
 ともあれ、下原・知恵(ゴリラのゲリラ・f35109)は悪夢の世界に動じることなく、平素の己を崩すことなく雪男と対峙していた。
「だが、子供達を巻き込むまいという心掛け……敵ながら恐れ入ったぜ。お前のその在り方に敬意を表そう」
 故に。
 敵の意表を突くゲリラ戦術を得意とする知恵ではあるが。
 同時に鍛え抜かれた強靭な精神力と身体能力で以て真っ向から雪男へと当たろうと。
 愛用のワサビニコフ自動小銃を今は背負って、向き合う。
「グアアァァァァ!!」
 先に動いたのは、雪男だった。
 何処からともなく生み出した巨大な雪玉を転がし、知恵へと衝突させようとするが。
 その間にもバナナで栄養補給を済ませた知恵は、皮を仕舞うと拳を強く固く握り込み、その巨大な雪玉ごと、雪男へ仕掛ける――渾身の|剛力羅襲《ゴリラッシュ》だ!
「|剛力剛力剛力剛力剛力剛力剛力剛力剛力剛力《ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ》――|羅《ラ》ァッッッッ!!」
 巨大雪玉は砕け、雪男の身体は幾度も猛獣めいた連撃に打ち据えられる――!
「ガ……ッ!?」
 吹き飛び、どうと倒れる雪男。
 一息の代わりに、知恵は葉巻で一服するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジゼル・サンドル
あれが雪男だな。毛がふさふさであったかそうだ…

『♪はじめまして こんにちは わたしはジゼル』
歌うように近づき、指定UC発動。
『さあ、君も歌って踊ろう!』陽気で楽しげな夏の歌を歌いながら雪男の手をとって【ダンス】に誘う。
向日葵を傷つけないよう気をつけながらくるくる回り、仲良くなれたなら思いきってえいっと抱き着いてみる。
モフモフだ…!たしかに夏の気候は君には厳しいだろうな。でも夏ってなんだかきらきらしてて、憧れる気持ちも分かるぞ。
次は向日葵畑で隠れんぼはどうだろう?わたしを見つけられたらご褒美をあげよう。

ご褒美は北海道産ゆでとうもろこし。北海道ではとうきびと呼ぶらしいな。
…夏は満喫できただろうか?




 ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)は雪男を見上げる。
(「あれが雪男だな。毛がふさふさであったかそうだ……」)
 すると、雪男もジゼルに気が付いたようで、じっと見つめ返してきた。攻撃してくる気配はない。
 子供には危害を加えないということだろうか。
「♪はじめまして こんにちは わたしはジゼル」
 楽しげに、歌うように、宛ら向日葵畑を舞台にした歌劇のように。
 手を差し伸べ、雪男へと近づく。やはり、攻撃を仕掛けてくる様子はなかった。
 その大きな手を取って、ダンスに誘う。
「さあ、君も歌って踊ろう!」
 歌い上げるのは陽気で楽しげな、夏を思わせる歌。
 向日葵を傷つけないよう、くるくると二人で回る。雪男に表情の変化は見られないが、嫌がっているわけではなさそうだ。少しでも楽しんでくれればいいのだが。
「えいっ」
「!」
 ジゼルは思い切って、ぼふっと雪男に抱き着いた。腹部までを覆い、あやすように背中に回してくる腕からも感じる白い体毛はもふっとしている。
「モフモフだ……! たしかに夏の気候は君には厳しいだろうな」
 そのモフモフ感を堪能しつつも、本人(?)にはモフモフ故の苦労があるのだろう。
 夏を純粋に楽しめないのも、そのひとつ。
「でも夏ってなんだかきらきらしてて、憧れる気持ちも分かるぞ」
 気温は暑いけれど、日差しが眩しくて、鮮やかな花が咲いて、水辺や緑の中が涼しくて、冷たいものが美味しい季節。
 少しでも夏を味わえる時間をあげられるのなら。それで世界も救えるのなら。
「次は向日葵畑で隠れんぼはどうだろう? わたしを見つけられたらご褒美をあげよう」
 首を傾げる雪男をそこに残して、ジゼルは向日葵畑の中に隠れた。今の自分は小さいから、花の根本に蹲るだけで隠れられる。
 人語ではなかったが、律儀に十数えたらしい雪男が、周囲を歩き回って自分を探す気配がする。そうして暫くの間ジゼルは隠れていたが。
「グルゥ!!」
 ばあ、と言わんばかりに雪男が突如目の前に現れた。
「見つかってしまった! じゃあ、約束のご褒美だ。北海道産ゆでとうもろこし! 北海道ではとうきびと呼ぶらしいな」
 二人並んで座って、とうもろこしを頬張る。
 甘くて美味しくて、夏の香りがする。
「……夏は満喫できただろうか?」
 雪男は答えない。
 それでも、美味しそうに食べる姿が全てを物語っている気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、
長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。
勿論、隙があれば見逃したくないけど。
見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極めるわ。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.囮役としてボスの注意を引き付け、味方の攻撃を当てやすくする。
2.ボスの移動手段→攻撃手段の優先順で奪っていく。
3.仕留められそうな場合は積極的に仕留めに行く。
 (他に仕留めたい人がいればその手助け)

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎


エダ・サルファー(サポート)
アックス&ウィザーズ出身の聖職者で冒険者です。
義侠心が強く直情的な傾向があります。
一方で、冒険者としての経験から割り切るのも切り替えるのも早いです。
自分の思想や信条、信仰を押し付けることはしません。
他人のそれも基本的に否定はしません。
聖職者っぽいことはたまにします。
難しいことを考えるのが苦手で、大抵のことは力と祈りで解決できると言って憚りません。
とはいえ、必要とあらば多少は頭を使う努力をします。
戦闘スタイルは格闘で、ユーベルコードは状況とノリで指定のものをどれでも使います。
ただ、ここぞでは必殺聖拳突きを使うことが多いです。

以上を基本の傾向として、状況に応じて適当に動かしていただければ幸いです。




 雪男は着実にその力を失いつつあるようだ。
 ならば、もう一押し。
「私が向こうの注意を引きつけるわ。後のことはよろしくね」
「任せてよ、確実に終わらせてみせるからさ」
 ラムダ・ツァオ(影・f00001)とエダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)は視線だけを合わせて頷き。それぞれ動き出す。
 駆け出すラムダへと、雪男は雪玉を出現させ、差し向けた。この悪夢の世界を破壊しようとする敵だと認識したのだろう。
 それはそうだ。この雪男はこの世界を壊したくない。だが猟兵は、世界の滅ぶ可能性の芽を摘み取らなければならない。ならば、戦うしかないのだ。
「人質取るみたいでちょっと気は引けるけど、割り切るしかないからね。――映せ」
「グッ!?」
 ラムダが刃を向ければ、雪男の攻勢が止まった。雪男自身は攻撃を受けていないにも拘らずだ。
 刃の表面に、子供の姿が映っていた。無垢な子供。彼が愛おしみ慈しむ存在。鏡のように輝く刀身へと映し出されたその幻影に、雪男は手を出せなかったのだ。
 そこへ、エダが仕掛ける。
 己の腕を勢いよく振りかぶって、雪男を狙う!
「せめて向日葵の花は散らさないようにしておいてあげようか、ねっ!!」
 握り固めた拳を、雪男へと振るう!
 ……遠距離から! 当然空を穿つ拳!
 だが。
「これが空間を超える打撃だ!!」
 拳へと込められたドワーフ|力《ぢから》は、確かな衝撃として勢いを殺さず雪男へと到達し――その腹を打ち貫くと、その巨躯をも吹き飛ばす!
「グッ……オオォォォォ!?」
 虚空を舞った身体は、全ての力を失い雪のように溶けていく。
 最後に指先が消える直前、雪男は手を伸ばした。
 眩く光を向日葵畑へ注ぐ、真夏の太陽へと。


 次の瞬間にはもう、ラムダにエダ、猟兵達の前にはノスタルジックな田舎町が広がっていた。
 起き上がる人々も、子供ばかりではなく、大人や老人の姿も多く見受けられた。
「う、うーん……」
「……あれ……俺は今まで何を……?」
 夢の内容は、誰も覚えていないらしい。
 雪男も、核となる存在へとその記憶は還元されないのだろう。
 それでも、一部の猟兵含めた子供達と遊ぶ雪男は楽しそうだった。
 確かにそれは彼にとって、救いに違いなかった筈だ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年08月24日


挿絵イラスト