或るヤドリガミたちの夏休みと約束
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
夏のお休み…久しぶりに筧・清史郎さんとお話ししたいわね。
同じヤドリガミだし。
ということでサクラミラージュのカフェで待ち合わせ。
暑い日が続いているし、屋内が一番でしょう?
冷たい飲み物をお願いして、届いたら最近あったことを報告してみましょう。
特にしゃべる武器!
あれってヤドリガミが風評被害を受けそうで困る存在ね。
などと他愛もないお話をしつつ、清史郎さんのお話も聞いてみる。
で本題。
「私、あと3か月で見かけも20歳になるの」
ええ、やっといろいろ解禁されるわけで。例えばお酒とかお酒とかお酒とか。
「だから、前祝いで、もう頂いても良いかしら?」
目をキラキラさせつつ言ってみて許しを得られるか試す感じかしら。
でもまあ駄目でしょうね…。
それでもあきらめ悪くお願いする本当は3ケタ年齢のヤドリガミがいたらしいわ?
季節は夏真っ盛りだけれど、満開に咲く桜の花。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)が訪れたのはそう、帝都にあるカフェー。
そして藍と紫の瞳がすぐに見つけたのは、先に来ている本日の相手――筧・清史郎(桜の君・f00502)であった。
「暑い日が続いているし、屋内が一番でしょう?」
「ふふ、そうだな」
向かいの席に座って言ったヴィオレッタに、清史郎はいつも通り笑んだ後。
メニューを広げ、何か頼もうか、と紡ぐも。
「清史郎さんは何にするのかしら?」
「俺は、アニマルさんジャンボパフェーに」
「……私はまずは、冷たい飲み物をお願いしたいわ」
とはいえ甘味にも心惹かれるから、アニマルアイスのクリームソーダに。
そして各々の注文が届けば、交わす話題は互いの近状報告。
日々、事件は絶えないけれど。
やはり、ふたりにとって気になる話題といえば。
「特にしゃべる武器! あれってヤドリガミが風評被害を受けそうで困る存在ね」
「確かに、俺もある意味、喋る箱だからな」
「私達は武器ではないけれど、同じモノとしていい迷惑よね……」
それから、こんな話題も。
「この間、猫さんが沢山いる神社を見つけたが、人に慣れていてもふもふし放題だったな」
「え、それどこにあるの、教えて清史郎さん……!」
そして他愛の無い雑談を幾つか交わした後――本題。
「私、あと3か月で見かけも20歳になるの」
そう……もうすぐ、待ちに待った20歳。
ということは、やっといろいろ解禁されるわけで。
例えば――お酒とかお酒とかお酒とか!
「だから、前祝いで、もう頂いても良いかしら?」
そう試しにちらり、目をキラキラさせつつ言ってみたヴィオレッタだが。
「そうか。ふふ、3か月後に祝杯をあげよう」
でもまあ駄目でしょうね……とは思ったものの、にこにこさり気に宥められました。
それでも。
「まぁ私も清史郎さんも実年齢は3ケタだから、少しくらいなら……」
あきらめ悪く食い下がってみるものの。
ジャンボパフェを完食した清史郎は、こう微笑んで紡ぐ。
「酒は3か月後のお楽しみだが……この後、猫さんカフェなどどうだろうか」
「猫さんカフェ!? ええ、もちろん行くわ」
お酒はまだやはり駄目だけれど……でも、もふもふは年齢制限ありません!
ということで、カフェでお喋りと甘味を暫く楽しんだ後。
猫さんにもふもふ埋もれるヤドリガミふたりがいた……らしい??
成功
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