白・桃
全員リクエスト。
下記の内容をベースに物語をお願いします。
一冊の本を手にした白桃。
そこには、とある地方に伝わる伝承が載っていた。
『民族衣装の水着を着ると、○○が▲▲する』と。
本当かしら?
そして実際に着てみるとー……
○○と▲▲の部分はMS様のアドリブでお願いします。
シリアス、ギャグなんでも自由。
きらめくアイデアお待ちしております。
封神武侠界。人界の南方、とある山奥にて。
「このままでは、いけませんね……」
さくさく、と斜面の草を踏みながら、白・桃(桃の乙女・f33419)は眩しそうに目を細めた。
古来より米を主食とするこの地域は、収穫を目前に控えた今、数日に渡る日照りに見舞われている。
しおれかかった稲穂が並ぶ、水の枯れ果てた田園地帯を抜け、緑豊かな山中へ分け入っても、かんかん照りの太陽だけは何処までも追いかけてくる。
着実に迫る飢餓の脅威。
焦りに汗を滲ませた桃の掌には、一冊の本があった。
――昨日。
あまりの暑さに人通りの絶えた市場。
その往来を歩いていた桃の目に、とある書店が留まった。
「これは」
気になった一冊を手に取ってみれば、この地方の伝承について書かれたもの。
その中でも仙術に混じって記されていたとある一節は、とりわけ奇妙なものであった。
曰く――『民族衣装の水着を着ると、祠の竜神が風雨を運んで来る』
――そして今に至る。
(「本当かしら?」)
桃が訝しがりつつも獣道から谷底へ出た時、その足が止まった。
ちょろちょろ、と水の流れる川。
その畔には、小さな祠があった。
軽く本を捲り、ここが目指す場所である事を確かめた桃は、前後左右を見回し、人の居ない事を確認する。
(「試してみる価値はありますね……」)
人々が救われるのなら、この際、何にでも縋りたい。
軽く顔を赤らめながらも、しゅる、と着物の帯を解く。
その下から、水着が姿を現した。
セパレートビキニ。
深い青と金色の装飾品を基調としたそれは、アラビアの踊り子を思わせるエキゾチックな雰囲気を醸し出していた。
涼やかな色合いの宝石の数々。そして揺蕩う滄海にも似た薄手のパレオが、容姿端麗な桃の魅力に華やかさを添えている。
長い黒髪を飾るのは、紅色の桃の花だ。
「……」
もじもじしながら祠の前で立ち尽くす。
やはり駄目だった。そう思った刹那。
「!」
雷鳴。
にわかに掻き曇る空。
ぽつぽつと早まり始めた雨足は、すぐさま滝のような豪雨となった。
「やっぱり、本当だったんですね……!」
答えるように雷光が瞬き、勢いを取り戻した川面を照らし出す。
急いで水着の上から服を着た桃は本を抱くと、ばしゃばしゃと里へと駆けていく。
伝承の真偽と、それに従い竜神の加護を招いた顛末。
そして収穫の無事を人々に告げる為に。
成功
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