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ディープブルーフォートレス

#ケルベロスディバイド #黄道神ゾディアック #決戦都市ネオ・オーシャンシティ #ディープブルーフォートレス #メガブレイブナイツ #オーバーロードありがとうございます!

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 日本近海の太平洋上に浮かぶ|巨大海上都市《メガフロート》、ネオ・オーシャンシティ。そこは特務機関DIVIDEが建造した、対デウスエクス反撃拠点である。近未来的な高層ビルが建ち並ぶネオ・オーシャンシティの中央部には、この海上都市の中心にして、特務機関DIVIDEネオ・オーシャンシティ支部でもある超高層ビル・セントラルタワーがそびえ建っている。

 セントラルタワーの最下層――海中部に存在するドックに係留された200メートル級巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室で、中空に浮かぶ巨大ホログラムディスプレイを見つめる少女が呟いた。
「これが――デウスエクスの侵略拠点ですか」
「はい、大佐。特務機関DIVIDEが打ち上げた観測衛星からのデータで判明した無人島です」
 ホログラムディスプレイに映るのは、太平洋上に浮かぶ無人島の衛星写真だ。そこにオーバーレイ表示されているのは、黒い光点――デウスエクス反応を示すものだった。
 大佐と呼ばれた少女、深海・ミオは、一つ小さく頷くと、傍らの副官に指示を出す。
「これより、本艦ディープブルーフォートレスは、デウスエクスの拠点――コードネーム『アビス・ヘイヴン』へ強襲作戦を決行します。ケルベロスおよびメガブレイブナイツ、出撃です」
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスのエンジンが轟音を立て、船体が加速を開始する。|海上都市《メガフロート》下部の海中ハッチが開き、そこから蒼色の装甲を持った巨大潜水艦が発進していく。

「ディープブルーフォートレス、針路を『アビス・ヘイヴン』に向けてください」
 深海・ミオ大佐の指揮のもと、特務機関DIVIDEが開発した人類の切り札、巨大潜水艦ディープブルーフォートレスが、デウスエクスの拠点『アビス・ヘイヴン』へと舵を切った。

 ――だが、この強襲作戦は失敗に終わり、デウスエクスの反撃でネオ・オーシャンシティもまた壊滅する運命にあることを、まだ誰も知らない。


「皆さん、お集まりいただき、どうもありがとうございます」
 グリモアベースで猟兵たちに説明をおこなうのは、アイ・リスパー(f07909)だ。アイはホロキーボードを操作すると、3次元ディスプレイに海上都市の映像を映し出した。
「こちらが、ケルベロスディバイド世界で特務機関DIVIDEが造った対デウスエクス反撃拠点、ネオ・オーシャンシティです」
 ケルベロスディバイド世界では、人類はデウスエクスからの一方的な攻撃を受けている。
 だが、このネオ・オーシャンシティでは、特務機関DIVIDEによる最新鋭の兵器の開発がおこなわれ、デウスエクスへの反撃の機会を伺っているのだという。

「特に、最新技術の結晶ともいうものが、巨大潜水艦ディープブルーフォートレスです」
 映し出されるのは全長200メートル級、乗組員300人という大型の潜水艦だ。ミサイルやエネルギーキャノンといった拠点攻撃用兵器も搭載した、対デウスエクス戦の切り札である。
「そして、最新鋭の兵器はこの潜水艦だけではありません」
 ディスプレイの映像が切り替わり、6体のキャバリア――いや、ロボットが表示される。
 キャバリア技術のないケルベロスディバイド世界で、特務機関DIVIDEが巨大|機械兵《ダモクレス》の技術を転用して建造した全高5メートルのロボットたち。
「彼らはAIによる意思を持つロボットです――その名は決戦兵器メガブレイブナイツ」
 メガブレイブナイツは、|決戦配備《ポジション》として、それぞれクラッシャー、ディフェンダー、ジャマー、キャスター、スナイパー、メディックに特化した能力を持っている。最前線で戦うケルベロスをサポートするために建造された巨大ロボットであり、ディープブルーフォートレスに搭載された決戦兵器である。

「今回、特務機関DIVIDEは、太平洋上の孤島に存在するデウスエクスの侵略拠点『アビス・ヘイヴン』を発見しました。そこで、ケルベロスやメガブレイブナイツを乗せたディープブルーフォートレスがデウスエクスの拠点を攻略しに向かうのですが――」
 予知によると、その攻撃は失敗に終わるという。
 さらに、守りの要であるディープブルーフォートレスとメガブレイブナイツを失ったネオ・オーシャンシティも『アビス・ヘイヴン』から襲来したデウスエクスに襲撃され壊滅することになる。

「どうか、この予知を現実にしないためにも、ディープブルーフォートレスに協力し、デウスエクス拠点の破壊を成功させてください。今ならば、ディープブルーフォートレス出航前――作戦に協力してくれるケルベロスを各地から募集している時点ですので、皆さんもディープブルーフォートレスに乗り込んで作戦に参加できます」
 仮に、事前に作戦を中止しても、『アビス・ヘイヴン』のデウスエクスがネオ・オーシャンシティを攻撃される未来は防げない。悲劇を回避するための唯一の方法は、猟兵たちがディープブルーフォートレスに乗り込み、『アビス・ヘイヴン』を破壊することだけなのだ。
 その事実を告げ、アイはケルベロスディバイドのネオ・オーシャンシティに続くゲートを開くのだった。


高天原御雷
 オープニングをご覧いただき、どうもありがとうございます。高天原御雷です。
 ケルベロスディバイドでのシナリオです。潜水艦と勇者ロボを混ぜたらこうなりました。キャバリアサイズのロボバトルが書きたかったのです。キャバリア持ちの方もどんどんご参加ください。もちろん、生身でも全く問題ありません。
 ディープブルーフォートレスやメガブレイブナイツと協力し、デウスエクスの拠点破壊を成功させましょう。

●一章:冒険
 絶海の孤島に存在するデウスエクスの拠点に向かいます。
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの接近に気づいた|機械兵《ダモクレス》の防衛網をかいくぐり、各自の強襲揚陸艇で『アビス・ヘイヴン』と呼ばれる要塞島に上陸してください。
 島はドローンや水中型ダモクレスなどに守られていたり、機雷などの罠が仕掛けられているものと思われます。それらを突破していきましょう。

●二章:集団戦
 デウスエクスの要塞内部での戦いです。敵は全高5メートルサイズのダモクレス軍団です。
 要塞内は5メートルサイズのキャバリアやメガブレイブナイツが十分に戦える広さがあります。

●三章:ボス戦
 拠点に潜む巨大ダモクレスとの戦いです。
 詳細は不明です。

●プレイングボーナス
 本シナリオでは、決戦配備を要請することでプレイングボーナスを得ることができます。

●|決戦配備《ポジション》について
 詳細は断章にてご説明します。

●猟兵の立場について
 グリモアベースで依頼を受けた猟兵またはケルベロスは、特務機関DIVIDEの『アビス・ヘイヴン』攻略作戦への参加要請に応え、ブルーフォートレスに乗り込んだことになります。
 その他、希望があれば、自身の乗り物で『アビス・ヘイヴン』近海までやってきたということにしても構いません。その場合、特務機関DIVIDEの別働隊として依頼を受けたということにできます。

●キャバリアについて
 メガブレイブナイツがキャバリアサイズのロボであり、ディープブルーフォートレス内のデッキには十分なスペースがあるため、猟兵・ケルベロスの皆様のキャバリアを持ち込むことに制限はありません。

●執筆ペースにつきまして
 執筆時間の都合上、ご参加いただく人数によっては再送いただく可能性があります。
 キャパシティは10名程度です。ご参加人数が多くなった場合、オーバーロードのご協力をいただけますと、大変助かります。(オーバーロードでプレイングをいただきますと、執筆締切がなくなるため)

 プレイングは断章公開後からの受付となります。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『番犬突入』

POW   :    精鋭部隊と共に一斉突入。敵の前衛を徹底的に蹴散らして奥へ進もう。

SPD   :    味方の陽動を利用して一斉突入。敵に見つからない様速やかに奥へ進もう。

WIZ   :    展開した砲兵の直接支援と共に一斉突入。施設を破壊しながら奥へ進もう。

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●|決戦配備《ポジション》について
 本シナリオでは、ディープブルーフォートレスの深海ミオ大佐に|決戦配備《ポジション》としてメガブレイブナイツの協力を要請することができます。
 要請可能な|決戦配備《ポジション》のメガブレイブナイツの機体名は以下の通りです。記載されている武装等での援護や、UCを使用してもらうことができます。(UCのPOW/SPD/WIZは文字数削減用です。ご自身のUCと合わせる必要はありません)

・【クラッシャー(攻撃力支援)】アースブレイカー
 戦車から人型形態に変形するロボットです。
 高い攻撃力を誇りますが、機動力は高くありません。
 武装は両腕のドリルと胸部のミサイル、そして両肩のキャノン砲です。
 POW:ドリルストーム
 アースブレイカーの両腕のドリルが高速回転し、前方の敵を一掃する強力な攻撃を放つ。
 SPD:アースクエイクブラスト
 地中にドリルを突き刺し、地震のような衝撃波を発生させ、周囲の敵を吹き飛ばす。
 WIZ:メガトンミサイル
 胸部から特大のミサイルを発射し、遠距離の敵を一撃で撃破する。

・【ディフェンダー(防御力支援)】ガーディアンシールド
 装甲車から人型形態に変形するロボットです。
 銀色の光沢を放つ堅固な装甲を持ちます。
 巨大なシールドを展開することで高い防御力を発揮します。エネルギーフィールドで広範囲を守ることも可能です。
 POW:フォートレスウォール
 シールドを最大限に展開し、一時的に全ての攻撃を防ぐ絶対的な防御壁を形成する。
 SPD:ブレードカウンター
 敵の攻撃をシールドで受け止めた直後、エネルギーブレードで瞬時に反撃を行う。
 WIZ:キャノンバリアージ
 ショルダーキャノンから連続してエネルギー弾を発射し、広範囲の敵を攻撃する。

・【ジャマー(妨害・奇襲支援)】シャドウミスト
 ステルス機から人型形態に変形するロボットです。
 電磁・光学迷彩機能を持つ装甲と特殊センサーによる探知能力で隠密行動を得意とします。
 ジャミング機能で敵の通信やセンサーを妨害することが可能です。
 POW:ダークヴェール
 周囲の環境を一時的に暗闇に包み込む。この暗闇の中では、シャドウミストおよびその仲間の存在を感知することが非常に難しくなる。
 SPD:サイレントハック
 ハッキングアームを使用して、瞬時に敵のロボットや機器の制御を奪取する。
 WIZ:ミストイリュージョン
 周囲に多数のシャドウミストのホログラムを発生させ、敵の攻撃を分散させる。

・【キャスター(術式・奇策支援)】マジカル・ヴォルテックス
 船から人型形態に変形するロボットです。
 火、水、土、風の属性を持つ魔力弾を放つことができます。
 また、味方を強化する魔法も使用可能です。
 POW:エレメンタルフュージョン
 四つのエレメントを組み合わせて、強力な魔法の爆発を起こす。
 SPD:マジックリバース
 敵の魔法や特殊能力を一時的に無効化する。
 WIZ:グランドエンチャント
 味方全体に強化魔法をかけ、一時的にその能力を大幅にアップさせる。

・【スナイパー(遠距離支援)】ロングショット
 ミサイル発射車両から人型形態に変形するロボットです。
 頭部に搭載されたセンサーにより、高精度な狙撃が可能です。
 高威力の狙撃ライフルやミサイルにより遠距離からの攻撃をおこないます。
 POW:ヘッドショットマスター
 目標の弱点を見極め、確実に命中させる一撃を放つ。
 SPD:シャドウストーカー
 敵の位置を正確に特定し、短時間の間だけ敵を完全に見通すことができる。
 WIZ:ステルスデスペレーション
 ステルスモードで敵の近くに潜入し、至近距離からの狙撃を行う。

・【メディック(救護支援)】ヒーリングウェーブ
 救急車から人型形態に変形するロボットです。
 高度な医療機能を備えていますが、直接戦闘能力はありません。
 ナノマシンを放つことで味方の治療が可能です。
 POW:リフレッシュヒール
 広範囲にわたる治療エネルギーを放出し、味方全体の健康を取り戻します。
 SPD:エンパワーリジェネ
 力強いエネルギーを使用して、味方の傷を癒し、同時に状態異常を回復します。
 WIZ:サンクチュアリシールド
 味方と自身を包む強力なシールドバリアを展開し、ダメージを吸収します。

●巨大潜水艦ディープブルーフォートレス
 全長200メートル級の巨大潜水艦です。
 艦内に作戦司令室がある他、長距離ミサイルやエネルギーキャノン、対空・対水雷兵器など多彩な武装を使用可能です。
 また、メガブレイブナイツの整備用ハンガーや発進デッキなどを備えています。(スペースの余裕があるため、ケルベロスのキャバリアも搭載・整備可能です)
 艦内にはケルベロス用の設備として、ブリーフィングルームや戦闘シミュレータ、医療設備などが整っています。
 大勢のケルベロスを乗せ、メガブレイブナイツの援護のもとに強襲作戦をおこなえることから、対デウスエクス戦の切り札とされています。

●深海・ミオ
 海上都市ネオ・オーシャンシティのDIVIDE支部長にして、ディープブルーフォートレスの艦長です。階級は大佐です。
 18歳の少女ですが、戦略学や機械工学、プログラミングにおいて天才的な才能を発揮しており、ディープブルーフォートレスおよびメガブレイブナイツの開発に大きく貢献しています。
 冷静で理知的な性格ですが、部下からの信頼も厚い上官です。
 ただし、好奇心が強いため、未知のものを研究したくなる癖があります。

●プロローグ
「これより『アビス・ヘイヴン』攻略作戦を開始します」
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室に深海・ミオ大佐の可憐な声が響く。
 ディープブルーフォートレスからのミサイルによる絨毯爆撃に合わせ、ケルベロスが乗った何台もの強襲揚陸艇が絶海の孤島に向けて出撃していく。
「ケルベロス、島の防衛戦力と交戦を開始しました」
 作戦司令室のホロディスプレイに映し出される戦闘の様子。
 そこには、空中に浮かぶドローン兵器や、海中を進んでくる|機械兵《ダモクレス》の姿が映し出されていた。ドローン兵器やダモクレスは機銃やミサイルで強襲揚陸艇を沈めようと攻撃してくる。
「大佐、ケルベロスより|決戦配備《ポジション》クラッシャーの要請です」
「こちら、ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ大佐。|決戦配備《ポジション》クラッシャーの要請、承認します。ディープブルーフォートレス、緊急浮上」
 大佐が承認キーを叩くと同時に、巨大潜水艦ディープブルーフォートレスが緊急浮上し、その上部ハッチが開放される。そこに見えるのは一台の戦車だ。
「決戦兵器アースブレイカー、発進してください!」
 大佐の声とともに、戦車――決戦兵器アースブレイカーがリニアカタパルトによってディープブルーフォートレスから勢いよく射出された。放物線を描いて飛んでいく先は、|決戦配備《ポジション》の要請をしたケルベロスが乗る強襲揚陸艇。
『フォームチェーンジ! 空中の敵はオレに任せな!』
 空中で戦車形態から人型ロボットへと変形したアースブレイカーは、強襲揚陸艇の上に着地すると、胸部のミサイルを発射し、周囲のドローンたちを撃墜していく。
 強襲揚陸艇に乗るケルベロスも、その能力で海中から襲い来る人型の|機械兵《ダモクレス》を撃破する。
『よーし、この調子で一気に島に上陸するぜ!』
 アースブレイカーの声が響き渡り――直後、強襲揚陸艇の周囲に水柱が上がる。
 激しく揺れる船上でアースブレイカーが慌てた声をあげた。
『こ、これは!?』
『油断しすぎですよ、アースブレイカー。フォームチェンジ』
 飛翔してきたのはステルス戦闘機。人型ロボットに変形したそれは、|決戦配備《ポジション》ジャマーのシャドウミストだ。
 周囲を観察したシャドウミストは、冷静な声で告げる。
『このあたりは機雷が仕掛けられているようですね。私のセンサーで機雷の位置を特定しますので、避けながら進んでください』
 ケルベロスはシャドウミストの指示通りに強襲揚陸艇を操り、機雷源を抜けていく。

『へっ、ケルベロスと、オレたちメガブレイブナイツが力を合わせれば、デウスエクスどもなんか敵じゃないぜ!』
『油断は禁物だと言ったはずですよ、アースブレイカー』
 ケルベロスたちは、メガブレイブナイツと力を合わせながら、各自の強襲揚陸艇を駆り、『アビス・ヘイヴン』へと向かうのだった。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
強襲、了解ですぅ。

【酷郭】を発動、戦場全体に『裁域』を形成し『律』を流し込みますねぇ。
『律』への抵抗の差で『機雷の位置』等は掴めますし、詳細情報が必要なら『FPS』で確認、此方の意図で『操作』も出来ますので、『機雷』の位置を移して相手にぶつけることも可能ですぅ。
又『海流』自体を『操作』して敵の接近や攻撃を防いだり、敵本体では無く抵抗の弱い『周囲の海水』を『爆破』し巻込むことで、多くの相手を纏めて叩くことも出来ますねぇ。
後は『操作』で防ぎ辛い攻撃や余波等に備え【メディック(WIZ)】を要請、『FLS』の空間歪曲障壁と『FMS』のバリアも重ね、着実に目的地を目指しましょう。


暗都・魎夜
【心情】
どこの世界でも、世界がやばい以上、若い子が戦場立たなきゃいけないのは変わらねえか
そういうのを減らすために頑張っているつもりなんだけどな

ま、よその世界はよその世界
その苦労を減らすために戦うのが、俺の仕事ってわけだ

【決戦支援】
ジャマー
ダークヴェールを張ってもらい、罠の探査をお願いする

「こいつはまた頼もしい連中が揃ったもんだ」

【行動】
ディープブルーフォートレスからバイクに乗って発進してUCを発動
二重に張った闇を用いて「闇に紛れる」
しかる後に「索敵」で手薄なところを「運転」で突破する

「この次の連絡は勝利の報告の予定だ。祝勝会の準備始めて、待っててくれや」




 太平洋に浮かぶ名も無い孤島――作戦のために『アビス・ヘイヴン』と名付けられたデウスエクスの拠点に、いま、特務機関DIVIDEの切り札である巨大潜水艦ディープブルーフォートレスが接近していた。
 ケルベロスたちが待機するブリーフィングルームのホログラムディスプレイに、一人の少女が映し出される。まだ10台後半くらいの年齢の少女だが、その襟元に輝くのは大佐の階級章だ。少女は、冷静な仕草で口を開く。
「こちら、ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ大佐です。ケルベロスの皆さんに通達します。これより本艦は『アビス・ヘイヴン』への攻撃を開始します。ケルベロスの皆さんは強襲揚陸艇で『アビス・ヘイヴン』へ上陸後、島に潜む敵戦力を排除してください」
 ケルベロスたちは頷くと、各自に割り当てられた強襲揚陸艇に乗り込んでいった。


「ディープブルーフォートレス、急速浮上」
「了解しました」
 潜水艦の作戦司令室――その艦長席に座った少女、深海・ミオが指示を出す。
 宇宙より飛来するデウスエクスたちの警戒網をすり抜けるべく、深度1500メートルの海中に潜航していたディープブルーフォートレスの巨体が、海面を突き抜けて海上へと姿を現した。蒼い鋼鉄の装甲の表面を、大量の海水が流れ落ちる。
「長距離ミサイルで敵を撹乱しつつ、ケルベロスたちの強襲揚陸艇を発進させてください」
 ミオの指示のもと、ディープブルーフォートレスのミサイル発射筒から垂直にミサイルが撃ち出される。それは『アビス・ヘイヴン』へと飛翔し、閃光を放つ。しばらく遅れて爆音が轟いた。
「ミサイルの着弾を確認」
「どうやら対空迎撃はないようですね。――敵の被害状況は?」
「ここからでは効果は不明です」
 その回答は予想通りだったのか、ミオが冷静に戦況を分析する。
「やはりデウスエクスに制空権を握られているのが痛いですね――。特務機関DIVIDEがなんとか打ち上げた偵察衛星も、『アビス・ヘイヴン』を発見した直後に破壊されてしまいましたし」
 空からの目があれば、今回の作戦も有利に運べたはずだが、ないものねだりをしても仕方がない。
 今はただ、手元の戦力を最大限に活用すること、それが最も重要なことだ。
「本艦は引き続き、『アビス・ヘイヴン』への爆撃を継続。その隙にケルベロスの皆さんに上陸してもらってください」

 ディープブルーフォートレスのデッキから、ケルベロスたちが乗った強襲揚陸艇が発進していった。


「強襲ですねぇ、了解ですぅ」
 おっとりとした口調で語るのは、和風メイド服を着た黒髪の少女、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だ。強襲揚陸艇に乗り込み、ディープブルーフォートレスから発進する。
「それにしてもぉ、この強襲揚陸艇の操縦席、狭いですねぇ」
 一人乗り用の強襲揚陸艇は、レプリカントなどでも乗れるように、そこそこの広さがあるのだが――るこるの身体サイズ(主にバスト)のせいで船内は手狭だった。操縦席に座ると胸のせいで前が見えないのだ。
 だが、荒波に揺れる強襲揚陸艇の中、るこるはおっとりと余裕の態度を示している。
「まぁ、|豊乳女神の加護《チチガミサマノカゴ》があれば、前が見えなくても何とかなりますかねぇ。――大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その刑場の理をここに」
 強襲揚陸艇の中からるこるが発動したのは、|酷郭《ノガレエヌクルワ》という豊乳女神の加護。それは戦場全域を包むように『裁域』を展開、その内部に『律』を流し込んでいく。
「律への抵抗差でドローンやデウスエクス、機雷などの位置はつかめますぅ」
 るこるは、その言葉の通りに強襲揚陸艇を操作。敵のドローンや|機械兵《ダモクレス》による警備の厚い場所を避け、機雷原へと向かっていった――。

 ディープブルーフォートレスから発進した水上バイクに乗る猟兵――銀誓館学園のOBである能力者、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は、潜水艦内で見た映像を思い返し、深くため息をついていた。
「あの大佐さん――|銀誓館学園《俺たち》が戦っていた頃と同じくらいの年齢だったな……」
 水上バイクの操縦桿を握る手を覆う真紅の手甲に目を落とし、強く拳を握りしめる。強く引き結んだ口から、悔しげな声が漏れる。
「ああいう若い子たちを戦場に立たせねえために俺たちがいるはずなのによ……」
 結局のところ、どこの世界でも世界を救うためには、若い子が戦場に立たないといけないことにはかわりねぇのか――そう独りごちる。
 ――ああ、そういえば、一緒に出撃していった猟兵も、大佐の嬢ちゃんと同じくらいの年頃だったか、と今更ながらに思い至った。
「ま、その若い子たちの苦労を減らすために戦うのが俺の仕事ってわけだ。――そのためにも、まずは先陣きって突っ込んでいかねぇとなぁ!」
 魎夜のバイク『レッドバージョン』に追加パーツを付けて水上仕様に改装した水上バイクが、デウスエクスたちの拠点『アビス・ヘイヴン』へと疾走していった。


「こちら暗都・魎夜、|決戦配備《ポジション》ジャマーを要請するぜ!」
『ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオです。|決戦配備《ポジション》ジャマー、要請承認します。――シャドウミスト、発進してください』
『了解しました』
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの上部甲板にせり上がってくるのは一機の戦闘機。ステルス戦闘機の姿を持つ|決戦配備《ポジション》ジャマー・シャドウミストである。
『ディープブルーフォートレス甲板、進路クリア、発進してください』
『メガブレイブナイツ、シャドウミスト、発進します』
 全長200メートルの巨大潜水艦上を滑走路とし、ステルス戦闘機が飛び立つ。その特徴は名称通りのステルス性能だ。レーダーに対するステルス性はもちろんのこと、光学迷彩により空と一体化した機体を海上から発見することは難しい。
 ――さらに、シャドウミストの能力はそれだけではない。
『暗都殿、敵の守りが手薄なルートを割り出しました』
「おお、さすが、偵察や罠の探査が得意だってだけのことはあるな」
 上空をゆっくりと飛行するシャドウミストからの情報に合わせ、魎夜は水上バイクを走らせていく。

「お、あれは――先行した味方か?」
 魎夜の水上バイクの前方に、一隻の強襲揚陸艇の姿が目に入る。
 豊乳女神の加護・酷郭によって、魎夜同様に警戒の薄い部分を進んでいた、るこるの船だ。――同様の方針を採用した以上、同じ海域を進むことになったのは、ある意味必然だと言えるだろう。
「おや、お味方ですねぇ、私は夢ヶ枝るこるですぅ。よろしくお願いしますぅ」
「俺は暗都魎夜だ。よろしくな」
 名乗り合う二人に、上空の見えない存在からも声がかけられる。
『私はメガブレイブナイツの一員、シャドウミストです。夢ヶ枝殿、よろしくお願いします』
「ああ、裁域の律が反応していたので、どなたかと思っていましたが、お仲間でしたかぁ。間違って爆破しなくてよかったですぅ」
 るこるの言葉に、魎夜の視線が鋭くなる。
 そして、誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。

「――なるほど。見た目は子供だが、能力は一流ってわけか。確かに|銀誓館学園《俺たち》もそうだったよな」


「皆さん、気をつけてくださぁい、律に反応――こちらに海中からデウスエクスが接近していますぅ」
『私の方でも確認しました。――ですが』
 るこるの言葉にシャドウミストが応えるが、その先の言葉を継ぐことができない。
 代わりに告げたのは、るこるだ。
「――ですがぁ、この周囲一体、機雷に囲まれていますぅ。機雷を避けて進むとデウスエクスたちと正面衝突ですぅ」
「ちぃっ、前門のデウスエクス、後門の機雷ってとこか!」
 直接戦闘は避けられないか、と魎夜が武器に手をかけ――。
 そこに、るこるの声がかけられた。
「私に考えがありますぅ」

「こちら、夢ヶ枝るこる。|決戦配備《ポジション》メディックを要請しますぅ」
『ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオです。|決戦配備《ポジション》メディック、要請承認します。――ヒーリングウェーブ、発進してください』
『ヒーリングウェーブ、了解したわ』
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの上部甲板にせり上がってくるのは一台の救急車。|決戦配備《ポジション》メディックにしてメガブレイブナイツの一員、ヒーリングウェーブである。
『ディープブルーフォートレス甲板上、進路クリア。ヒーリングウェーブ固定完了――超伝導リニアカタパルト、起動!』
『メガブレイブナイツ、ヒーリングウェーブ、行くわよ』
 巨大潜水艦から撃ち出されたヒーリングウェーブは、るこるたちの元へと飛来し――。
『フォームチェンジよ』
 救急車から、どことなく女性のフォルムを思わせる人型のロボットに変形し、るこるの強襲揚陸艇に着地した。
『それで、わたしが呼ばれたということは、怪我人かしら?』
「いえ、これから少し派手にやりますのでぇ、守りの手伝いをしていただきたいと思いましてぇ」

 るこるの言葉に、魎夜と2人のメガブレイブナイツは顔を見合わせたのだった。


「それではぁ、いきますよぅ」
 空中に浮遊する『祭器』|FPS《フローティングプローブシステム》を起動し、接近する|機械兵《ダモクレス》たちの位置を正確に把握したるこるは、『裁域』の『律』によって機雷群を操作した。
 海中を漂う機雷群は――そこを避けて進軍してきていた|機械兵《ダモクレス》たちに接近すると同時に起爆し、海に大きな水柱を上げる。それは|機械兵《ダモクレス》たちを一網打尽にするのに十分な威力であり、また行く手を遮る機雷の排除にもなる一石二鳥の策だった。

 だが、至近距離で機雷群を爆発させたら、るこるや魎夜もただでは済まない――普通ならば。
『なるほど、だから、わたしを呼んだのね。わかったわ。サンクチュアリシールド!』
 ヒーリングウェーブから強力なシールドバリアが展開され、るこると魎夜を機雷群の爆発から守る。ダメージ吸収効果のあるシールドバリアは、るこるの|FLS《フローティングリンケージシステム》や|FMS《フローティングミラーコートシステム》のような防御系のバリアでは防ぎきれない、海水の揺れまで見事に防ぎ切っていた。

『正面の機雷群、一時的に隙間ができました。今ならば突破可能です』
「よし、今のうちに一気に島に上陸するぜ! シャドウミストも頼む!」
 魎夜が黒影剣による闇のオーラを周囲に展開するのと同時。シャドウミストもその能力を発動させた。
『ダークヴェール、発動します』
 周囲を包む闇の中では、敵から存在を感知されづらくなる。
 これならば、ドローンや|機械兵《ダモクレス》のセンサーを欺くことも可能だろう。
「いくぜ、嬢ちゃん!」
「はいぃ」
 魎夜が駆る水上バイクを、るこるの強襲揚陸艇が追いかけ――。二人は無事に敵の拠点『アビス・ヘイヴン』に上陸したのだった。

「シャドウミストにヒーリングウェーブか。こいつはまた頼もしい連中が揃ったもんだ」
『暗都殿、夢ヶ枝殿。我々は他のケルベロスの支援に戻ります』
『また後で合流しましょうね』
 メガブレイブナイツの2人の言葉に、2人の|猟兵《ケルベロス》が頷く。
「はいぃ、また後ほどぉ」
「このまま勝利して、祝勝会でぱーっとやろうぜ」

 るこると魎夜は、ステルス戦闘機のシャドウミストが、救急車のヒーリングウェーブを上に乗せて飛んでいくのを見送るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天城・千歳
【POW】
絡み・アドリブ歓迎

本体はCICで艦と部隊を制御。他の参加者との通信はリモート義体が対応
陽動部隊として参加し、敵基地近くまで接近後に海中から空中に浮上。
「さて、宇宙艦隊の戦争をお見せしましょうか」
浮上と同時にUCを発動。召喚された空母艦隊がワープゲートから出現、瑞鳳を中心に球形陣を構築し攻撃力を上昇。
同時にサテライトドローン群を敵基地周辺海域を囲う様に展開、通信・観測網を構築し、戦域内の味方とのデータリンクを確立
敵迎撃部隊の接近に合わせて艦隊のA-2P装甲騎兵隊を出撃させ迎撃を開始。
戦闘開始に合わせポジション【スナイパー】を要請。索敵支援を受けます
迎撃の傍らで誘導弾と砲撃で敵基地を攻撃




「大佐、二時の方角の海中に巨大なレーダー反応あり!」
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室にオペレーターの声が響く。中央に浮かぶホログラムディスプレイに光点が表示され、室内に緊張が満ちる。
 現在、ディープブルーフォートレスはケルベロスたちが乗る強襲揚陸艇を出撃させるために海上に浮上している。いわば陸に上がった河童だ。この状態で水中から敵襲を受ければただでは済まない。
「ディープブルーフォートレス、緊急潜航準備。攻撃に備え、対魚雷ミサイルも発射用意――」
 深海ミオ大佐が冷静な表情を崩さずに的確に指示を下していく。――だが、握った手のひらに冷や汗をかいていることを、本人も自覚していない。

 そこに、オペレーターのさらなる声。

「大佐、正体不明の潜水艦の識別コードは――特務機関DIVIDE所属の遊撃部隊のものです! 改ワダツミ級・瑞鳳を名乗る潜水艦より、通信要求です!」
「――通信回線、開いてください」
 ミオの指示のもと、瑞鳳とのレーザー通信回線が開かれ、ホログラムディスプレイに茶色い髪をした女性の姿が映し出された。
『こちら、瑞鳳の天城千歳です。これより本艦は『アビス・ヘイヴン』攻略作戦に合流します』
「ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ大佐です。援軍、感謝します」
 現れたのが味方でよかったと、一息つくミオだった。


「本艦は陽動部隊として動き、当海域の敵を引き付けて隙を作ります。その間にディープブルーフォートレスはケルベロスたちを上陸させてください」
『ええ、了解しました』
 瑞鳳のモニタ越しに通信をおこなっているのは、茶色の髪の女性。天城・千歳(自立型コアユニット・f06941)――そのリモート義体だ。
 リモート義体を操作するコアユニットであるウォーマシンは、現在、瑞鳳の|戦闘指揮所《CIC》の中枢で艦を操作している。この瑞鳳も、正式な艦名は改ワダツミ級可潜強襲宇宙空母「瑞鳳」。|宇宙世界《スペースシップワールド》の技術を用いたものである。

「――さて、宇宙艦隊の戦争をお見せしましょうか」
 コアユニットと思考をシンクロしたリモート義体が微笑み、言葉を紡ぐ。
 リモート義体の手がコンソールを操作し、さらにコアユニットは瑞鳳の出力を臨界まで上昇させていく。そして、出力が臨界に達するとともに、リモート義体が暗号通信で周囲のケルベロスたちに勧告した。
「これより、本艦は潜水モードから飛行モードに移行します。周辺のケルベロスは退避してください。――瑞鳳、浮上!」


「なっ!? 瑞鳳、緊急浮上――いえ、空中に飛び出しました!?」
「そんなっ、飛行したというのですかっ!」
 ディープブルーフォートレスのホログラムディスプレイに映るのは、背面のジェットスラスターを全開にして、海中から上空へと飛び立った瑞鳳の姿だ。海を割ってロケットのように飛び出した船体は、空中で|静止《・・》。浮遊状態となる。

 そこから、さらに信じられない現象が起こった。
 空中に浮かぶ瑞鳳の周囲にワープゲートが出現し、次々と飛行空母が現れたのだ。
「瑞鳳の周囲に、突如、無数の飛行物体の反応です!」
「そんなこと、見ればわかります――」
 出現した飛行空母群は、そのまま瑞鳳の指示に従うように――いや、実際に瑞鳳のコアユニットである千歳の手足のように、瑞鳳を中心とした球形陣を組んでいった。

「な、なんですか――あの陣形は――」
 若くして戦術の天才と言わしめた少女、深海ミオが信じられないものを見たかのように驚愕の表情を浮かべる。
 それも無理はないだろう。
 瑞鳳を中心として球形に配置された飛行空母艦隊。その陣形は|二次元《・・・》で戦う状況においては、絶対に出てこない発想だ。それは瑞鳳が|三次元《・・・》――すなわち宇宙空間での戦闘を前提として建造され、運用されていることを物語っていた。

 さらに瑞鳳からは小型の観測用ドローン群が吐き出されていく。
『こちら瑞鳳。『アビス・ヘイヴン』周囲にサテライトドローン群を展開しました。データリンクへの接続を要請します』
「りょ、了解しました。繋いでください」
 ミオの指示でオペレーターが瑞鳳のデータリンクに接続すると同時。ホログラムディスプレイに大量の情報が行き交った。
 瑞鳳のサテライトドローン群による観測網のデータが、レーザー通信網を介してディープブルーフォートレスの作戦司令室に届けられたのだ。

 それは、これまでいた暗闇の中から、光あふれる外の世界に飛び出したかのようであった。


「サテライトドローン群、展開完了しました。続いて、A-2P型無人装甲騎兵隊を出撃させます」
 千歳のリモート義体がコンソールを操作すると、瑞鳳の甲板から装甲騎兵隊が出撃していく。
 熱線機関砲、低反動砲、ビームソードなどを装備した騎兵隊は、海面付近を浮遊するデウスエクスのドローンたちを撃破していく。
 だが、人型の|機械兵《ダモクレス》たちは上空からの攻撃を警戒し、海中に潜ったままだ。これでは騎兵隊も手が出せない。
「海中までは十分な索敵ができませんか。でしたら――こちら瑞鳳の天城千歳。|決戦配備《ポジション》スナイパーを要請します」
『こちら、ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ大佐。|決戦配備《ポジション》スナイパー、要請承認』
『こちらロングショット。ここは俺に任せてくれ』
 瑞鳳に入ってきた通信は、ディープブルーフォートレスの甲板に立つ一台のロボットからのものだった。メガブレイブナイツの一員、ロングショットだ。ロングショットは頭部のバイザーに隠された無数のセンサーを全開にし、周囲の索敵を開始する。
『シャドウストーカー、発動!』
 それは、短時間だが敵の位置を見通すことができる能力。
 シャドウストーカーが把握した|機械兵《ダモクレス》の位置が、データリンクを介して騎兵隊に伝えられ――上空からの精密狙撃によって爆発が起こっていく。

 そして、瑞鳳の艦隊による攻撃はここからだ。
「周辺海域のダモクレスの沈黙を確認。瑞鳳および飛行空母艦隊は、『アビス・ヘイヴン』への攻撃を開始します」
 千歳の指示の元、無数の砲撃と誘導弾が『アビス・ヘイヴン』へと降り注ぎ、その岩山に隠された敵拠点の姿をあらわにしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

陽環・柳火
この世界のアームドフォートレスとかにちょっと興味があったが、変形できるロボか。こいつはワクワクするな

「まずは邪魔者はぶっ潰してくか」
決戦配備:スナイパーでロングショットを呼ぶ
「その力を貸してもらうぜ!」
【火車合体】でロングショットと合体する
「これが|俺《猟兵》の力ってやつだ」
【水上歩行】でホバー的なものを出して進む

「すげぇな。敵の位置が手に取るように分かるぜ」
SPDの力でドローンや機雷の位置を把握し、ドローンはミサイルと柳火の『烈火乱れ咲き』による【弾幕】で吹き飛ばし、機雷は【化け術】【式神使い】で護符をマグロやカツオに変えて機雷に突っ込ませて爆破させる
「馴染みのある魚なんだよ!」


アンジェリカ・ディマンシュ
では、ロングショットと協力して上陸作戦を
ドローンを撃墜して制空権確保を担いますわ

オラシオン・バスター・ライフルを構え、【波濤たる音】や【オラシオンバレット】をUCで装填
魔弾として射出した後、ロングショットのシャドウストーカーを用いて正確にドローン等の座標を割り出して跳弾を当てて撃墜しますわ

二丁拳銃を調達するのも悪くなさそうですわね!
そう言ってライフルを槍の様に取り回しながら曲芸撃ちを行い、ドローンの攻撃を無傷で受け止める

反撃の時間ですわ
跳弾を限界近くまで繰り返し、一斉に攻撃してきたドローンに殺到して撃墜しますわ




 デウスエクスの拠点である絶海の孤島『アビス・ヘイヴン』。強襲揚陸艇に乗った二人の猟兵が島に上陸しようと小型艦艇を進ませていた。
「魚たちが棲む海を、こんな機雷だらけにするとは許せねぇぜ」
 デウスエクスたちに怒りを向けるのは、まるでシャーッと威嚇の声を上げそうな表情をしている猫耳少女、陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)だ。東方妖怪『火車』である柳火。『火車』は猫の妖怪とも言われているので、このような姿なのだろうか。

「海中の機雷だけでなく、上空も警戒が厚いですわね」
 灰色の髪を長く伸ばした令嬢然とした少女、アンジェリカ・ディマンシュ(f40793)が、黒いミニスカートを風に揺らしながら空を見上げ呟く。空を覆い尽くさんばかりに浮かぶのは、デウスエクスが操る迎撃用ドローン部隊。
 音響魔法陣を操るケルベロスであるアンジェリカは、魔法陣を虚空に出現させると、そこから一丁のライフルを具現化した。――そのオラシオン・バスター・ライフルを構え、上空のドローンたちに銃口を向ける。

「機雷原に突入するぜ! 振り落とされねえようにな!」
「ええ、対空攻撃はお任せくださいですわ」
 柳火が操縦する強襲揚陸艇が機雷原に突入すると同時。機雷のセンサーが反応し、周囲の海に激しい爆発とともに大きな水柱が次々と吹き上がる。
 荒れる海に小型艦艇が木の葉のように揺れるが――。
「おっと、これでもモンスターバイク『|猫車《ねこしゃ》』の運転には自信があるんだぜ!」
 柳火の華麗な運転テクニックにより、強襲揚陸艇はギリギリで機雷を回避していく。
 その揺れる船上からアンジェリカが銃の引き金を引き――ドローンを次々と撃墜していった。

 ――だが。

「これじゃあ、島に着くまで船がもたねぇぜ」
「敵も数が多いですわね――」
 柳火とアンジェリカの頬には、水しぶきとは異なるしずくが伝っていた。


「こうなったら、邪魔者は全部ぶっ潰していくか! こちら|猟兵《ケルベロス》、陽環柳火と――」
「アンジェリカ・ディマンシュですわ」
 二人は、通信端末に向かって呼びかける。
「|決戦配備《ポジション》スナイパー、要請だぜ」「ですわ」
『こちら、ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》スナイパー、要請承認します』
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの甲板上、リニアカタパルトに固定されたのは、ミサイル発射車両だ。
『こちらロングショット。出撃準備完了だ』
『|決戦配備《ポジション》スナイパー、メガブレイブナイツ――ロングショット。発進してください』
 ミオの命令と同時に、カタパルトからミサイル発射車両が射出され――空中で人型ロボットに変形した。

「おお、すげえぜ! これが|この世界《ケルベロスディバイド》のアームドフォートか! まさか変形するロボとはな!」
 メガブレイブナイツの一員、ロングショットの変形を見た柳火が、目をキラキラさせながら叫ぶが――。
「いえ、あのようなアームドフォート、|わたくしの世界《ケルベロスブレイド》でも見たことがありませんわ。むしろ、あの姿はまるで――」
 アンジェリカの言葉を遮り、ディープブルーフォートレスからの通信が届く。それは特務機関DIVIDEネオ・オーシャンシティ支部長でありディープブルーフォートレス艦長にして、メガブレイブナイツ開発者である深海ミオ大佐の声。
『彼はメガブレイブナイツの一員、|決戦配備《ポジション》スナイパー、ロングショット。――巨大|機械兵《ダモクレス》を研究し開発された、心あるロボットです』


「よーし、それじゃあロングショット! その力を貸してもらうぜっ!」
 掛け声とともに、柳火が強襲揚陸艇の艦上から大きく跳躍する。その先には、落下してくるロングショットの巨体――。
「一体、なにをなさるおつもりですの!?」
「こうするんだよっ! 行くぜ、合体だ!」
『こ、これは!?』
 驚愕の声を上げるロングショットの身体がバラバラに分解され――柳火の全身にパーツが合体していく。それは柳火の身体を包む鋼鉄の装甲となり――その背中には車輪状に射撃兵器が浮遊していた。
 全高3メートルほどのサイズになった柳火が大声で名乗りを上げる。

「|火車合体《カシャガッタイ》、ロングショット・柳火!」

 妖怪『火車』――それは古来より、地獄の獄卒が引くという『火の車』と混同される事が多い。背後に車輪状の武装を浮遊させた今の柳火は、まさしく『火の車』たる姿であると言えた。
 柳火はホバーにより水上に立つと、デウスエクス軍団を見据えて叫ぶ。
「|俺《猟兵》とメガブレイブナイツの力、見せてやるぜ!」
『ああ、任せろ』
 柳火の顔を覆うロングショットのバイザーが光を反射した。

「いくぜ、センサー全開!」
『了解、シャドウストーカー、発動』
 柳火の言葉にロングショットが応える。その頭部に搭載された各種センサーが敵の位置を正確に特定し――柳火の眼前のモニターに表示していく。
「すげぇな、敵や機雷の位置が手に取るようにわかるぜ! いっけぇ、マグロ魚雷とカツオ水中ミサイル!」
 柳火は海中の機雷に向け、背中に火の車のごとく浮遊する武装群のうち、マグロ魚雷とカツオ水中ミサイルを発射する。それは海中で無数に分裂し――機雷をことごとく撃破していった。
『今の武装は一体――』
「ああ、護符を式神として操って、魚雷やミサイルに変えて放ったんだぜ」
 驚きの声を上げるロングショットに対し、柳火が説明する。
 だが、ロングショットの疑問はそこではなかった。
『なぜマグロやカツオなんだ?』
「え? 馴染みのある魚の方がいいだろ?」
 柳火はこてん、と首を傾げた。


 ロングショットによるシャドウストーカーの能力の恩恵を受けるのは柳火だけではない。
 アンジェリカの端末にも、ドローンの正確な座標が表示されていた。
「機雷は柳火が破壊してくれたみたいですわね。――ならば、わたくしは制空権を確保いたしますわね」
 アンジェリカが構えるライフルに、音響魔法陣の光が満ちる。
 それは、|音の波濤は舞踏会の如く弾丸となり空を舞う《オラシオン・ディスコ・シンデレラ》の能力。
「空を舞うが如く、空を跳ね弾丸となり敵と悪を穿て我が音よ。既に舞踏会の会場は開かれた故に、十二時を超えても魔法は続く」
 詠唱によって、オラシオン・バスター・ライフルに込められるのは、音響魔法陣『波濤たる音』から具象化された魔弾。アンジェリカが引き金を引くと、その魔弾はドローンに向かって飛翔し、力の波濤の衝撃で粉々に粉砕した。
 しかし、銃撃後の隙を突こうとドローンたちがアンジェリカに銃口を向ける。

「――あら、わたくしの攻撃が終わりだなどと、誤解されては困りますわね」
 
 上品に、可憐な笑みを浮かべたアンジェリカ。
 同時に、彼女に銃口を向けていたドローンの一体が、力の波濤によって爆散した。

「あれは!?」
『なに!? 俺のセンサーでも、感知した魔弾は一発だけだったはずだ』
 驚愕の声を上げるロングショット。彼のセンサーに捉えられないものはないはずだった。
 つまり、一発しか撃っていない銃弾が二体のドローンを撃墜した――。その事実があらわすのは、ただひとつ。
「そう、わたくしの魔弾は――自在に跳弾しますの」

 空中で突如方向を変えた魔弾が、また別のドローンを貫き――爆散させた。


「さあ、一気に決めますわよ」
 船上でライフルを縦横無尽に取り回しながら、アンジェリカはオラシオン・バスター・ライフルにオラシオンバレットで狙撃用魔弾や弾幕用魔弾を装填し、まるで曲芸のように射撃していく。放たれた魔弾は跳弾を繰り返し、空中に見えない結界を作り出し、そこに入ったドローンたちを問答無用に撃ち落とす。
 ドローンからの反撃は、ライフルの柄の部分――金属で強化された箇所で受け止められ、アンジェリカの身体に到達することはない。

「こっちもいくぜ!」
『おう』
 ロングショットをまとった柳火も、背面の武装群からミサイルを乱射し、爆符『烈火乱れ咲き』による誘導弾や爆裂弾を放ち、ドローンたちを撃墜していく。

 ――アンジェリカと柳火の猛攻の前に、大量にいたドローンたちが海の藻屑となり沈んでいった。


『どうやら、この海域の敵は全滅させたようだ。――俺は他のケルベロスの援護に戻るぜ』
「ああ、助かったぜ、ロングショット」
「また島でお会いできるといいですわね」

 ホバー移動で帰投するロングショットを見送り、柳火とアンジェリカは強襲揚陸艇で『アビス・ヘイヴン』に上陸したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

防人・拓也
決戦配備はスナイパーを要請。
「俺が敵の攻撃を撹乱する。その間に敵を狙い撃ちしてくれ」
と言い、術式付十文字型クナイを広範囲に複数投擲。適当な距離で指定UCを発動し、どれかのクナイの所へ転移。更にクナイを広範囲に複数投擲し、時空間魔術・疾風瞬身を合わせて、水上を駆けながらクナイへ転移し、それを島に辿り着くまで繰り返していく。
接近した敵には疾風瞬身で纏っている風の魔力に風の性質変化の切断属性を付与し、後ろ回し蹴りや蹴り上げ、踵落としなどの体術を用いて切り裂いていく。
「何とか辿り着けたな。支援に感謝する。えっ、速過ぎて目が追い付かなった? 悪いが、そういう魔術なんだ。勘弁してくれ」
アドリブ・連携可。


マリン・フィニス
そこが異界であろうと、海を乱す者が相手というのなら、私も助太刀しよう
マリン・フィニスだ、よろしく頼む(声変化済み)
流石に泳ぐには遠いからな、船に乗せてもらおう

……む。水中には罠、そして海上にも敵という訳か
やってやれないことはない、が……その為には敵の位置を…ん?決戦配備?味方の巨人の支援を得られる?そうか。すまないが敵の位置を教えて欲しい(スナイパー:SPD)
それさえわかれば……こちらで何とかしよう
UC【鋼鉄巨鮫戦艦】を使用し、古の戦艦の力を得て蘇った古代鮫を呼び出し、水中の敵は魚雷で、空の敵は鱗弾対空砲で仕留めさせよう
同時に鉄甲船の周りに属性バブルを撒き罠にしていくぞ

※アドリブ・連携歓迎です




 ――巨大潜水艦ディープブルーフォートレス作戦司令室。そこでは、飛び交うオペレーターの声に対し、艦長である深海ミオ大佐が冷静に指示を出していた。
「大佐、|決戦配備《ポジション》スナイパー、ロングショットが一時帰還しました」
「整備班、燃料と装備の補給を速やかにおこなってください。補給後、ロングショットはカタパルトへ」
 ミオの命令に従い、艦内ドックではロングショットの補給がおこなわれ、発射カタパルトに向かっていく。
 その光景をホログラムディスプレイで確認しながら、ミオが呟く。
「メガブレイブナイツの損傷は想定以下――。決戦都市アキバの|A.I.R.I.S.《アイリス》に依頼したシミュレーションのパラメータが間違っていたのでしょうか――」
 シミュレーションでは、この海域を抜けるためにメガブレイブナイツに相当の被害が出るという結果だった。だが、蓋を開けてみれば、ケルベロスたちは次々と『アビス・ヘイヴン』へ上陸を果たしている。
「いえ、まだ油断はできませんね」
 きっ、と表情を引き締め、ミオは再びオペレーターたちに指示を出し始めた。

「どこの世界でも戦争か――それも|ロボット兵器《ダモクレス》が相手とは、俺もつくづく縁があるな」
 ディープブルーフォートレスから出撃した強襲揚陸艇の甲板で独りごちるのは防人・拓也(独立遊撃特殊部隊ファントム指揮官・f23769)。|ロボットの世界《クロムキャバリア》で多国籍特殊部隊ファントムの指揮官を務める大佐である。
「しかし、この潜水艦――|あちらの世界《クロムキャバリア》の戦艦にも匹敵する技術か。いや、弾道ミサイルを搭載している分、ある意味厄介なのかもな」
 背後の巨大潜水艦ディープブルーフォートレスのICBM発射筒に目を向けつつ、その戦力を推し量る。もしも、この潜水艦と戦闘になればどう攻めるか――。
「いや、この世界では人類同士は戦っていないんだったな」
 かぶりをふって、普段の思考の癖を追い出していく。

「貴殿も異界から来た者か?」
 拓也の独り言が聞こえたのか、強襲揚陸艇に同乗している猟兵が声をかけてきた。全身を蒼い鎧で包んだ騎士のような外見の人物。声からは性別すら判断できない。
「申し遅れた、私はマリン・フィニスだ。よろしく頼む」
「防人拓也大佐だ、こちらこそよろしく」
 マリン・フィニス(蒼海の騎士・f26997)の言葉に、拓也が敬礼して返す。
 マリンは、小型艦艇の甲板上からデウスエクスの拠点である孤島『アビス・ヘイヴン』を見て呟いた。
「あそこに海を乱すものがいるのだな。ならば、この世界が異界であろうとも蒼海の騎士として力を尽くそう」
 行く手に待ち受けるデウスエクスのドローンたちを目にして、マリンはバスタードソードを握る手に力を込めた。
「あの飛んでいるものは――鮫か?」
「いや、ドローンだが!?」


「ここは一気に抜けるとしよう。防人拓也大佐、|決戦配備《ポジション》スナイパーを要請する」
『ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》スナイパー、要請承認。メガブレイブナイツ、ロングショット発進準備』
 ミオの指示とともに、ディープブルーフォートレス甲板上の発射カタパルトにミサイル発射車両が姿を現した。
『ロングショット、発進準備完了だ』
『発進してください』
 電磁加速式リニアカタパルトから、ミサイル発射車両――ロングショットが撃ち出された。ロングショットは生身の人間では耐えられないほどの加速度をもって、要請した拓也の元へ飛来する。
「なるほど、無人機にこだわるのは、あのような無茶な運用をするためか」
 数々の戦場で様々な|ロボット兵器《キャバリア》を見てきた拓也の口から言葉が漏れる。
 一方、飛んでくるミサイル発射車両を見たマリンは――。
「ほう、この世界では鮫だけではなくあのような鉄の塊も飛ぶのか。ならば敵側の|鉄の塊《ドローン》が飛んでいるのも納得だな」
 不思議な納得の仕方をしていた。
「――いや、鮫は飛ばないと思うが」
「え、飛ぶだろう?」
 拓也の疑問の声は、即座に否定された。

『フォームチェンジ!』
 落下してくるミサイル発射車両が人型に変形し、強襲揚陸艇上に着地する。各種センサーが内蔵されたバイザーを拓也とマリンに向け、全高5メートルのロボットが声をかけてくる。
『俺が|決戦配備《ポジション》スナイパー、ロングショットだ』
「防人拓也大佐だ、よろしく頼む。早速だが、俺が敵を撹乱する。その間に敵を狙い撃ちしてくれ」
 ロングショットは拓也の言葉に頷くと、手にしたスナイパーライフルを構えた。
 それに合わせ、拓也が三叉に枝分かれした独特な形状のクナイを何本も投擲する。
「時間をかけるつもりはない――」
『――センサーより、防人大佐の存在をロスト』
 突如、船上から拓也が姿を消したことに、ロングショットが声を上げる。たとえ光速で移動したとしても、ロングショットのセンサーがそれを感知できないということはありえない。
「いや、消えたわけではない。防人殿はあそこだ」
 マリンが示す先――はるか先の海上に拓也の姿があった。だが、それもまたすぐに消失する。――残るのは、そこに浮遊していたドローンの残骸だけだ。
『再度、防人大佐をロスト』
「今度はあっちだな」
 再び、拓也の姿が現れ、その周囲に浮かぶドローンへと回し蹴りを繰り出した。――時空間魔術・疾風瞬身によって風の魔力を纏い、それによってドローンを斬り裂いているのだ。ドローンが爆散すると同時にクナイを再度投擲。飛翔するクナイの位置に時空間魔術・迅雷天神によって瞬間移動し、またもやドローンを撃墜する。


「なるほど、ああやって島まで行くということか」
『そういうことであれば援護する――シャドウストーカー、発動』
 ロングショットが頭部バイザー内のセンサーをフル稼働させ、戦場内の敵の位置を正確に捕捉する。――そして、拓也の行く手を遮るドローンたちを、スナイパーライフルで狙撃し撃墜していく。
「おお、巨人殿、敵の位置がわかるのか。すまないが教えてほしい」
 マリンは敵の位置を通信端末に表示させてもらうと、鮫魔術、|鋼鉄巨鮫戦艦《ドレッドノート・メガロドン》を発動させる。
「既に海へと還りし古の牙よ、お前に海に眠りし黒鉄の|艦《フネ》の力を宿そう。……そして、我らが敵をその牙で討て!」

 巨大潜水艦ディープブルーフォートレス、作戦司令室。そこにオペレーターの声が響いた。
「レーダーに巨大反応!」
「モニターに映してください。最大望遠!」
 ミオ大佐の言葉に、ホログラムディスプレイに海上の様子が映し出された。
 ――そこに映っていたのは。
「これは――巨大戦艦ですか?」
「いえ、観測結果によりますと――あれは鮫です、艦長」
 ディープブルーフォートレスの作戦司令室を沈黙が包み込んだ。

 マリンが鮫魔術により呼び出したのは、|鋼鉄巨鮫戦艦《ドレッドノート・メガロドン》。軍艦の力を宿した|巨大鮫《メガロドン》の霊である。
「敵の位置さえわかればこちらのものだ」
 鋼鉄巨鮫戦艦に乗り込んだマリンは、鮫戦艦に指示を出し鱗弾対空砲で空中のドローンたちを撃破していく。さらに鮫型魚雷によって海中の|機械兵《ダモクレス》や機雷を次々と破壊していった。
 マリン自身もバブルワンドから雷や炎の属性を持つ泡を戦艦の周りに放つ。それは鮫戦艦に接近しようとする|機械兵《ダモクレス》を撃退し寄せ付けない。
 巨鮫戦艦は圧倒的な戦闘力を見せつけながら、デウスエクスの拠点『アビス・ヘイヴン』へと向かっていった。


「何とかたどり着けたな。支援に感謝する」
 『アビス・ヘイヴン』の砂浜に瞬間移動して着地した拓也がロングショットに無線で呼びかける。
『いや、俺のセンサーでは何も捉えられなかったが――』
「ああ、悪いがそういう魔術なんだ。勘弁してくれ」
 さらりと応える拓也。
 その目が、島に向かってくる巨鮫戦艦を捉える。
「――あれも、そういう魔術、か」

「待たせたな、いやあ、防人殿は速いな」
「いや、そちらの戦艦の火力もな――召喚可能な戦艦とは敵に回したくないな」
 そして、『アビス・ヘイヴン』に上陸した二人に、ロングショットから通信が入った。

『なあ、俺、必要なかったんじゃないか?』

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
機神搭乗
「主様…やっぱりここクロムキャバリアじゃないですか…?」(宇宙機神顔

私の居た世界とも全く違うな
だが…ヘリオンデバイスよりも凄そうな気さえしてきたぞ

決戦配備
クラッシャー

「つか勇者だぁ?最強の神機である俺様が居れば問題ねー!格の違いを見せてやる!」
っと早速アースブレイカーと喧嘩しちゃうさっちゃん

こらこら…決戦配備で来てくれてる者に因縁をつけてはだめだぞ
そして挑発に乗るお前も…うむ!それもパワーが足りないからだな!
「「え?」」
UC発動
自分とさっちゃんとアースブレイカー(何故かロボにも効きます。不味さも
「「ふげぐがぁぁぁ!!??」」(超強化

うむ!あっくん(アースブレイカー)はドリルストームで殲滅だ!
私達も突撃するぞっ!
「ひぐっ…えぐっ…うぇえええん!!やけくそだぁぁ!!」

【念動力・乱れ打ち】
無数の念動光弾を乱射し敵の動きを止めそこをドリルストームで粉砕

【切断】
残った敵に鎌剣で襲い掛かり機械兵を切り刻み破壊

基本的に回避に努めるが当たってもパワーで軽減してそして自己修復!(あっくんも回復




「ケルベロスたち、順調に『アビス・ヘイヴン』に上陸しています」
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室に、オペレーターの声が響く。
 一段高い位置にある艦長席に座った少女――深海ミオ大佐が冷静に頷き、潜水艦クルーに呼びかける。
「戦場では何があるかわかりません。引き続き、最大限の警戒を――。メガブレイブナイツはいつでも発進できるように補給を済ませておいてください」
 その言葉で、作戦司令室は再び緊張した空気に包まれた。

 大海原に浮かぶ巨大潜水艦。そのデッキから発進する巨大ロボット、メガブレイブナイツたち。
 ――その様子を潜水艦のデッキ上に立つ一機のキャバリアが見ていた。皇・絶華(影月・f40792)を搭乗させた神機サートゥルヌスだ。
 意思を持ったキャバリアであり、絶華の下僕でもある|サートゥルヌス《さっちゃん》が尋ねる。
「主様……やっぱりここクロムキャバリアじゃないですか……?」
 鋭い疑問を抱いた|神機《さっちゃん》。彼の仲間たちは意思あるキャバリアであるため、サートゥルヌスにとっては、意思あるロボットといえばキャバリアのことに他ならないのだ。
 そして、主たる絶華も別の意味で首をかしげていた。
 絶華が脳裏に思い浮かべるのは、|かつて自分がいた世界《ケルベロスブレイド》のこと。
「私の居た世界とも全く違うな。だが……あの潜水艦やメガブレイブナイツたち、ヘリオンデバイスよりも凄そうな気さえしてきたぞ」
「ヘリオンデバイス……?」
 聞いたことのない単語に疑問の声を返すサートゥルヌス。
 だが、絶華はそれ以上は何も言わずに、潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室との通信回線を開いた。
「こちら皇・絶華。|決戦配備《ポジション》クラッシャーを要請する」
『ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオです。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認します。――メガブレイブナイツ、アースブレイカー、発進してください』

 深海ミオ大佐の指示と同時に、サートゥルヌスが立つデッキに激しい振動が走った。轟音とともにデッキにせり上がってくるのは、一台の戦車だ。
『よう、このオレ、アースブレイカーを呼んだのはお前か? フォームチェーンジ!』
 アースブレイカーと名乗った戦車は人工音声で絶華に話しかけると、戦車形態から人型形態に変形する。その姿は、両腕にドリルを装着し、ミサイルやキャノン砲で武装した、サートゥルヌスと同じくらいの大きさのロボットだった。
「主様……やっぱり、これ、キャバリアなんじゃ……?」
『ああん? キャバリア? なんだそりゃ。オレはメガブレイブナイツの一員。ケルベロスたちを援護するために造られた勇者たるロボットだぜ』
 自信満々に答えるアースブレイカー。
 それにサートゥルヌスが食ってかかった。
「あぁ? 勇者だぁ? 最強の神機である俺様がいれば、援護なんて必要ねー!」
『神機だぁ? そっちこそ引っ込んでな! お前の搭乗者はオレに援護を要請したんだからよ!』
 サートゥルヌスの言葉に、アースブレイカーも強気に言い返す。

 そのやり取りを通信回線越しに聞いていた深海ミオ大佐から、ため息混じりの通信が入る。
『アースブレイカー、仲間と争うのはやめなさいと何度言えば――。闘争心を高めて戦闘能力を向上しようとした人格設計、間違いだったでしょうか……』
「いや、艦長。元気なのはいいことだと思うぞ。問題は別のところにある!」
『別の――ところ?』
 絶華の言葉に、ミオが困惑したような声で返した。
 だが、絶華は謎の自信とともに言い切る。
「そう、|サートゥルヌス《さっちゃん》も|アースブレイカー《あっくん》も、どちらもパワーが足りないからだ!」


「お前に圧倒的なパワーを与えよう……さぁ! 我がチョコドリンクを飲み! 圧倒的なパワーに酔いしれるがいい!!」
 サートゥルヌスの操縦席から飛び出した絶華が、サートゥルヌスとアースブレイカーにチョコドリンク(という名の何か)を飲ませた。
『「ふげぐがぁぁぁ!?」』
 チョコドリンク(という名の何か)を飲まされた神機とロボットは、潜水艦のデッキ上で苦しみながら激しくのたうち回る。
 その光景をモニタで見ていたミオから、困惑の声が漏れた。
『なっ!? 飲食機能のついていないアースブレイカーが……チョコドリンク(?)を飲んで悶え苦しんでいるのですか!?』
 自分でも何を言っているのかわからないといった口調のミオ。だが、そこにさらに驚くべき報告が入る。
『艦長! アースブレイカーの観測データを見てください!』
『動力炉の出力が300%!? さらに装甲値も大幅に上がって、自己修復機能まで追加!?』
 チョコドリンク(という名の何か)でアースブレイカーが超絶強化されたという信じがたい観測データに、天才技術者であるミオも言葉を失う。――だが、それが事実であることは否定できない。
『い、いいでしょう。私も技術者のはしくれです。皇絶華さんでしたね。その謎のエネルギー源の正体、この戦いが終わったら解析させていただきます!』
 技術者としてのプライドから、何が起こったのか解明してやろうと燃えるミオ。
 ――それに対し、絶華は。
「いや、私が淹れた普通のチョコドリンクなのだが……」
 首を傾げながら答えを返した。


「さて、さっちゃん、あっくん、まだ出撃もしていないのに|時間《文字数》を食ってしまった。出撃するぞ!」
「了解です、主様!」
『おう、オレはここからサポートするぜ!』 
 『アビス・ヘイヴン』へ向かって飛翔するサートゥルヌス。
 アースブレイカーは潜水艦のデッキ上から、それを援護するフォーメーションだ。
『皇絶華さん、前方にデウスエクスのドローン部隊が展開しています』
「よーし、あっくん、今こそその力を見せる時だ!」
 ミオからの通信に、絶華がアースブレイカーへと指示を飛ばす。
『おう、任せておけ! くらえええっ、ドリルゥゥストォォオム!!』
 アースブレイカーの両腕に装備された2つのドリルが逆方向に高速回転する。それによって生じた2つの逆回りの空気の渦がまっすぐ前方へと伸びていき――サートゥルヌスたちを追い越して、その先に展開しているドローン部隊の群れに向かって突き進む。
『ドリルゥゥゥ・バキュゥゥム!』
 アースブレイカーの掛け声と同時。2つの空気の渦がぶつかり合い――お互いの渦を相殺。その場に真空状態を作り出した。ドローンの群れの中心に生まれた真空は、周囲の空気と同時にドローンたちを吸い込んでいき、次々と衝突、爆発させる。
「よし、あっくんが隙を作ってくれたぞ、今のうちに行くぞ、さっちゃん!」
「はい、主様!」
 真空を逃れたドローンたちに光弾を発射して撃墜しなら、サートゥルヌスが加速する。
 海中から攻撃してくる機械兵たちを、鎌剣『ハルペー2』で両断するサートゥルヌス。あらゆる攻撃を防ぎ、さらに自動回復する装甲を持つ神機を止められる敵は存在しなかった。
 そのまま、サートゥルヌスは『アビス・ヘイヴン』の海岸に着地したのだった。

「サートゥルヌス、敵の包囲を突破。『アビス・ヘイヴン』への到達を確認しました」
「あれがチョコドリンクの力、ですか。私も研究しなくては。――副長、チョコドリンクを淹れてください」
 ディープブルーフォートレスの艦長席では、ミオがチョコドリンクを飲みながら首をひねり――。
『絶華、さっちゃん、また島で会おうぜ!』
 潜水艦のデッキ上で、アースブレイカーがサムズアップして二人を見送ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○

▼心情
この世界にも人型ロボットの波が来ているか
調達してきて正解だったようだ
しかし今はまだその時ではない
まずはこの艦で迎撃態勢に入ろう

▼ポジション
キャスター

▼上陸戦
「よく来たな、迎撃する」
まずは潜水艦に[騎乗]したままUCを起動
潜水艦が強襲揚陸艇を送り出す戦いに協力する

「ヴォルテックス、サポートを」
グランドエンチャントの支援を受けてUCの[結界術]を強化
敵の反応を光点として把握できるこの力で索敵し敵機の情報、そして最も強力な反応であるを潜水艦に常に伝達し、レーダーのような役割を果たす
そして私自身も展開した結界から刀剣をミサイルのように[乱れ撃ち]、[範囲攻撃]で敵を迎撃する
敵の攻撃は[心眼]により[見切り]、[霊的防護]を備えた刀剣を撃ち込む形で[受け流し]、さらに[カウンター]の刀剣を撃ち込もう

「では私も出よう。大佐、あとはよろしく頼む」
他の猟兵の強襲揚陸艇をある程度見送った後は私も自身の艇に乗り込み、UCが示すルートを辿って最速で突入する


セツナ・フィアネーヴ
……拠点攻略ならまだ慣れているからな、助太刀する
ア『セツナ、自分もちゃんと帰らなきゃですよ。(セ「アリシア……」)補習が待ってますから』
…………
ちゃんと|参考書《はじめてのガジェット》読まないとな………

ケラヴノスを呼び、乗り込んで飛翔、自前の竜神嵐翼で船に並走する。
極力嵐を纏う事でこっちの存在を誤魔化せればいいんだが……できるだろうか
支援は【キャスター】の【グランドエンチャント】を頼む

敵を確認したら……やるぞ、ケラヴノス。前の戦いでは使えなかったが、海の上ならば問題はない(はず)
――【雷帝咆哮】!!術師に強化してもらったUCで戦場へと嵐と雷を発生させる!
|ケラヴノス《災禍の武器》を介してならばこの力も制御はかなり楽になるからな。
いくつもの嵐の壁で飛行する敵のみを阻み、機械殺しの雷で敵のみを打ち抜かせつつ、嵐に紛れてこの海を突破するぞ!




「ケルベロス部隊、順調に『アビス・ヘイヴン』へと上陸しています」
 オペレーターの声が響く、巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室――。その艦長席で、弱冠18歳の少女でありながらも、特務機関DIVIDEのネオ・オーシャンシティ支部長である深海・ミオ大佐が静かに頷いた。作戦は想定以上に順調に進んでいる。
「――引き続き、本艦およびメガブレイブナイツにより、ケルベロス部隊の援護をおこないます」
「メカニック班、ケルベロス用の強襲揚陸艇の準備を急げ」
 ミオの指示に、オペレーターが潜水艦各所に通達を飛ばしていく。
 DIVIDEの対デウスエクス用決戦兵器であるディープブルーフォートレスを用いた、デウスエクスの拠点『アビス・ヘイヴン』への上陸作戦も、いよいよ大詰めを迎えつつあった。


「メガブレイブナイツ――か」
 洋上に浮上しているディープブルーフォートレスの甲板に立ち、海の彼方――遠くに見える小島『アビス・ヘイヴン』を金色の瞳で見つめるのは、シャドウエルフのケルベロスたるハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)だ。彼の眼前では、今もまたDIVIDEが開発した巨大ロボット――メガブレイブナイツが出撃し、仲間たちの乗る強襲揚陸艇が『アビス・ヘイヴン』へと向かう手助けをしている。
「巨大人型ロボット――調達してきて正解だったようだ。しかし、今はまだ『剣の騎神』を鞘から抜く時ではない」
 ハルは自身が持つ12の剣――そのひとつを脳裏に思い浮かべながらも、その力を振るう時ではないと判断する。大きすぎる力は、鞘から抜き放つタイミングをはかることが重要なのだ。
 ハルは自身の力を振るうべき時を待ちながら、静かに大海原へと視線を向ける。

 そのハルの頭上を、飛翔する巨大な影が通り過ぎる。
 竜神機ケラヴノス――ドラゴニアンの少女、セツナ・フィアネーヴ(災禍貫く竜槍・f26235)が乗り込んだ、『雷霆の鋼機』の二つ名を持つキャバリアである。
「竜神機ケラヴノス、セツナ・フィアネーヴ。このまま飛行し『アビス・ヘイヴン』へと向かう。拠点攻略なら慣れている。問題ない……」
 ケラヴノスの操縦席で呟くセツナに、傍らのぼんやりとした光から声がかけられる。セツナの友人である光と雷の精霊アリシアである。
『セツナ、自分もちゃんと帰らなきゃですよ』
「アリシア――。そうだな、私には|師《マスター》を探……」
 自身の使命を思い出し、心を引き締めようとするセツナ。だが、そこにアリシアから厳しい叱責の言葉が投げかけられた。
『いいですか、セツナ。前回の魔導蒸気学の授業、赤点だったじゃないですか。今度の補習を受けないと留年確定ですからね。絶対に補習の日までには帰るのですよ』
 ぼんやりと光る影は、ケラヴノスの操縦席の傍らに置かれている一冊の本を指差す。その本は『はじめてのガジェット』という、アルダワ魔法学園の売店で売られている参考書だった――。


「デウスエクス軍団のドローン部隊、本艦に接近してきています」
「――いよいよですね」
 レーダーの反応を告げるオペレーターの声に、ミオが硬い声で返す。
 ディープブルーフォートレスは、ケルベロスとメガブレイブナイツの移動拠点となるべくして建造された巨大潜水艦だ。魚雷やミサイルといった武装も当然ながら搭載されている。
 だが、その本分はあくまで制空権を持つデウスエクスたちの目を欺き深海を航行するための隠密行動にある。現在のように、ケルベロスとメガブレイブナイツの発進のために洋上に浮上した無防備な状況でどこまで戦えるか――。
 ミオが艦長席のシートを硬く握った瞬間。

『敵の迎撃ならば任せてもらいたい』
『ケラヴノスも迎撃に回る……』
「この通信は――!?」
 ディープブルーフォートレスの作戦司令室に響くハルとセツナからの通信に、ミオが驚愕の声をあげる。
 ――なにしろ、この『アビス・ヘイヴン』への強襲攻撃は急遽決まった作戦。攻撃の要たる少数のケルベロスたちを上陸させることが最優先であり、ディープブルーフォートレスの損耗――場合によっては撃沈――は当然のリスクとして作戦に組み込まれている。ディープブルーフォートレスを守るだけの戦力的余裕など準備できているはずがないのだ。
「当初予定よりも多い腕利きケルベロスが作戦に参加している――? それではまるで、誰かが極秘の本作戦を予知でもしていたかのような――」
 冷静に状況を分析すればするほど、予知などというありもしない事象へと思考が向いてしまうミオ。
 だが、ハルとセツナからの通信が、ミオの思索を中断させた。
『『|決戦配備《ポジション》キャスターを要請する』』
「――こちら深海ミオ大佐。|決戦配備《ポジション》キャスター、要請承認! メガブレイブナイツ、マジカル・ヴォルテックス――発進してください」


『メガブレイブナイツ、マジカル・ヴォルテックス、出撃するよ!』
 通信とともに、ディープブルーフォートレスの舷側から飛び出してきたのは、小型の船だった。
 ――いや、彼こそがディープブルーフォートレスに搭載された決戦兵器、メガブレイブナイツの一員のマジカル・ヴォルテックスである。
「ヴォルテックス、サポートを」
「私たちにも頼む……」
『オッケー、任せて! グランドエンチャント!』
 ハルとセツナの言葉に、マジカル・ヴォルテックスが応える。それは、周囲の味方に強化魔法をかけることで一時的にパワーアップさせる能力だ。
「これは――」
「ケラヴノスから力が溢れて……!?」
 グランドエンチャントによってハルとセツナの力が強化される。これこそ、メガブレイブナイツによる術式支援能力の効果だ。
 強化を受けた二人は、敵の迎撃の用意を始めていく。


 ディープブルーフォートレスの甲板からハルが行く手を睨む。前方には、黒い雲のようなものが浮かんでいた。
 ――否。それは雲ではない。『アビス・ヘイヴン』から発進したデウスエクスのドローン兵器の群れが、まるで黒雲のように向かってきているのだ。
 それを見つめつつ、ハルが小さく呟いた。

「境界形成――」

 ハルが呟くと同時に、周囲の空間が色彩を失う。白と黒のみが支配する空間が広がっていき、ドローンの群れに到達すると同時――。ドローンの中でも小型の個体たちが統率を失ったかのように戦線を離脱していく。
「私の閃花の境界の中に存在できるのは強者のみだ。――ヴォルテックスの力で強化されただけあって、それなりの相手にも効果があったようだ」
「それなら残りは強敵だけというわけだな。場所は……?」
 残るは強敵のみと聞き、セツナがケラヴノスの視線をドローンたちへと向ける。
「強敵の位置は把握済みだ」
 ハルの視界には、残された強敵が光る点として目視されている。それと、この戦場でのもっとも大きな光――ディープブルーフォートレスの位置関係を元に、ハルは強敵たちの座標を割り出し、セツナへと伝えていく。
「了解、ならば前方の敵は私が……」
「ディープブルーフォートレスを襲ってくる相手は私が担当しよう」
 ディープブルーフォートレスから離れ、ドローンたちの群れの中心へと飛び去っていくケラヴノスを見送り、ハルは潜水艦の周囲へと視線を向けた。


「このディープブルーフォートレスは、そう簡単には沈めさせはしない」
 ハルの言葉と同時に、彼の周囲に無数の刀剣が姿を現した。これこそが、ハルが用いる剣術の戦い方だ。
「久遠、輝夜、アイシャ・ソラウ……」
 潜水艦の左舷から襲ってきていた巨大なドローン兵器に向かって、甲板上に立つハルから3本の剣が投擲される。それらはまるでミサイルのように飛翔し、ドローン兵器たちを貫き爆散させた。
『気をつけて! 反対からも敵が来ているよ!』
「大丈夫だ、これだけ大きな光……見逃しはしない。蒼星、緋月」
 マジカル・ヴォルテックスからの警告の声にも、冷静に答えるハル。右舷方向から音もなく近づいてきていたドローン兵器たちからの銃撃による攻撃を見切り、一対の剣で防ぎ切る。
「ヘリオス、黒陽、雪華……」
 右舷側の大型ドローンも剣を射出して撃破し――。
『前方から巨大なドローンが!』
「紅蓮、ブレードバンカー、グランシャリオ!」
 さらに3本の剣が勢いよく撃ち出され、巨大ドローンを爆散させた。
 ハルの戦闘に、マジカル・ヴォルテックスが驚きの声を上げる。
『うっわー、すごい戦い方……。君、いったい何本剣持ってるのさ!』
「――そんなに珍しい剣術でもないだろう?」
 涼しい顔で言うハルだった。


「潜水艦は任せて、私たちは敵の主力を叩く」
『ええ、セツナ。今回は海の上です。ディープブルーフォートレスから離れれば、全力でケラヴノスの力を振るえるはずです』
 アリシアの言葉に頷き、セツナはケラヴノスを加速させる。嵐をまとって周囲の敵を蹴散らしながら飛翔するケラヴノスは、強敵たちが残っているという海域へとたどり着いた。
「このあたりに強敵が……?」
『セツナ、気をつけてください!』
「罠……か!」
 ケラヴノスの周囲に現れたのは、光学迷彩で姿を隠していた無数の巨大ドローンたち。もしもディープブルーフォートレスがそのまま前進していたら、巨大ドローンの伏兵によって大きな打撃をうけていたことだろう。
 姿を現した巨大ドローンは、機体に装着した無数の電磁砲のチャージを完了させ、ケラヴノスに向かって発射しようとし――。

「吼えろ、ケラヴノス……!! |雷帝咆哮《サンダー・ランページ》」

 セツナの声とともに竜神機から放たれるのは、激しい雷霆の嵐。雷鳴とともに荒れ狂う雷撃が巨大ドローンたちへと襲いかかり、その機械の巨体を撃ち貫く。
「機械だけに、雷には弱いはずだ」
『ええ、どうやら電気回路が灼き切れたみたいですね』
 雷帝咆哮に打たれた巨大ドローンたちは、その行動を停止し、飛行能力を失い海へと落下していく。
「これで、ディープブルーフォートレスへの脅威は排除したな」
『そうですね。『アビス・ヘイヴン』へと向かいましょう、セツナ』


「どうやら敵を片付けてくれたようだな。……結構な数がいたように思うが」
「いえ、潜水艦の守り、助かった……」
 ハルの言葉に、セツナが応え――。そこにマジカル・ヴォルテックスの声が響く。
『さっすが二人とも、強いね! あとは『アビス・ヘイヴン』に向かうだけだね!』
 ハルが乗ってきて、ケラヴノスに追いついた船――それがマジカル・ヴォルテックスだった。
『いやー、二人の強化だけして任務おしまいってわけにもいかないから、『アビス・ヘイヴン』まで送らせてよ』
「というわけだ、大佐。私は『アビス・ヘイヴン』に向かう。あとはよろしく頼む」
 ミオはディープブルーフォートレスが危機を切り抜けられたことに安堵しながら、それを声に出さないよう毅然とした態度を取り繕い応える。
『こちら、ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ大佐です。お二人とも、艦の防衛へのご協力に感謝します。――そして、この先の戦いのご武運をお祈りします』

『それじゃあ、『アビス・ヘイヴン』に向かうよ!』
「待て、島の方角は向こうだ」
 ハルが結界の力で『アビス・ヘイヴン』の方角をマジカル・ヴォルテックスに教え――。
「私たちは敵に見つからないように、周囲に嵐を展開しておこう」
 セツナのケラヴノスによって展開された嵐でデウスエクスの防衛網を抜け――。
『やったー! 『アビス・ヘイヴン』に到着だよ! それじゃあ、また後で会おうね!』
 ハルとセツナは『アビス・ヘイヴン』の海岸に上陸を果たしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リリスフィア・スターライト
アドリブ、連携歓迎、NGなし

放っておけば多くの犠牲が出てしまう
こういう時こそ猟兵の出番だね

深海・ミオ
私と同じぐらいの歳で優秀な少女のようだけれど
誰かと似たような印象かな?
(グリモアベースでの事を思い出しながら)
事が終わったらゆっくり話したいかな

ディフェンダー(POW)に協力を要請
私自身はワイルド・サンダーに搭乗して参加するよ
久しぶりのキャバリアの出番だね
整備は念入りにかな

まずは拠点のアビス・ヘイヴンに向かわないとだね
突入するまでの被害は最小限に抑えないとかな
ガーディアンシールドには防衛部隊や罠による
攻撃を受けそうな時にシールドを展開してもらうね
攻撃を受けている間も強襲揚陸艇は歩みは
止めないでもらってシールドの防御力を頼みに
目的地への到着を急がせるね
その間に私は防衛部隊と罠の排除していくよ
ワイルド・サンダーの武装であるライトニング・ライフルで
命中重視で狙いを付け確実に撃ち落としていくよ
空中の相手には電撃弾、水中には実弾と使い分けるね

何とか島に辿り着いてもここからが本番
気を緩めないようにだね


ミレア・ソリティス
任務を了解しました、ミレア・ソリティス、3+4型装備で出撃します

決戦配備:ジャマーを要請、シャドウミスト様にはWIZ効果をお願いします。
こちらもUC【コード・テンペスト】により『ヴィントシュトス』と合体し戦闘機形態へと変形、『アクティブステルス』を起動し隠密状態となった後、敵を確認できる距離まで突入、突入後敵周辺へと『ジャミングミサイル』を発射、加えて周辺領域に誘導攻撃端末と認識阻害ジャミングを展開し、ジャミングを開始します

ジャミングおよびミストイリュージョン展開後は搭載武器を『ノヴァ・バスター』と『サーベラス・ガトリングファランクス』へと換装し、遠距離からの対要塞砲撃、ガトリング弾幕による敵機撃墜を狙います。
認識力低下と多数のホログラム、更に砲戦装備と攻撃端末での対多数範囲集中砲火を実行し、敵集団に「多数の敵から攻撃を仕掛けられている」と誤認させる事を狙います。こちらに敵意識を集中させればその分友軍の突破可能性が高まる筈です




 デウスエクスの拠点たる絶海の孤島『アビス・ヘイヴン』。
 そこに向かう強襲揚陸艇の甲板上に立つキャバリア、ワイルド・サンダーのコックピット内で、金髪碧眼の少女リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)が前方を見据えながら呟く。
「あれが敵の侵略拠点――。放っておけば多くの犠牲が出てしまう。こういう時こそ猟兵の出番だね」
 久しぶりに乗るキャバリアの操縦桿を握る手に力が入る。その脳裏にはブリーフィング時にモニタ越しに見た、巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの艦長にして特務機関DIVIDEネオ・オーシャン支部長でもある少女、深海ミオの姿が思い出されていた。
「私と同じくらいの歳なのに、すごく優秀みたいだったね。階級も大佐らしいし。この任務が終わったら、ゆっくり話をしてみたいかな」
 アニメの話など通じるだろうか、と考えているうちに、強襲揚陸艇に|警戒音《アラート》が鳴り響く。
 どうやら、デウスエクスの勢力圏に入ったようだ。
「――けど、まずはデウスエクスを倒さないと、だね」
 周囲の機雷や、空中のドローンたち、そして海中に潜むデウスエクス軍団を警戒してモニタを見つめるリリスフィア。強襲揚陸艇は静かに海を進んでいく――。


「任務を了解しました、ミレア・ソリティス、3+4型装備で出撃します」
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの格納庫で、ミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)は自身のサブユニットを装着していた。空戦をおこなうことができる『SV-00 ヴィントシュトス』と一体化した姿は、まさに戦闘機。そのままリフトで上昇し潜水艦のデッキ上に姿を現した。
「ミレア・ソリティス、|決戦配備《ポジション》ジャマーを要請します」
『こちら深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》ジャマー、要請承認します』
 ミオからの応答と同時に、戦闘機形態のミレア――ヴィントシュトスの隣に、一機のステルス機がリフトで上昇してきた。
『メガブレイブナイツのシャドウミストです。作戦行動、よろしくお願いします』
「こちらこそ、協力をよろしくお願いします、シャドウミスト様」
 互いに丁寧に挨拶しあう|二機の戦闘機《ミレアとシャドウミスト》。
『ディープブルーフォートレス甲板上リニアカタパルト、準備完了です』
 ミオからの通信に、二機の戦闘機が同時に答える。
「ミレア・ソリティス、ヴィントシュトス――発進します」
『シャドウミスト、出撃します』
 有人では耐えられない加速度でリニアカタパルトが戦闘機を射出し――。ミレアとシャドウミストが蒼空を飛翔する。
「NS-01 アクティブステルスシステム、展開」
『ステルスシステム、起動』
 ミレア、シャドウミストともにステルス機能を起動させて空に溶け込むと、『アビス・ヘイヴン』に向かって並んで飛んでいくのだった。


「数が多い……ねっ」
 『アビス・ヘイヴン』に向かう強襲揚陸艇の上で、リリスフィアが駆るキャバリア、ワイルド・サンダーがライトニングライフルから電撃弾を発射。空中から襲い来るドローンを撃破していた。|武装転移《ウエポンマスタリー》により命中力を高めた精密射撃だ。
 だが、空中に浮かぶドローンは次から次へと飛来する。さらに海中からも水中型ダモクレスが船に取り付いてこようとしていて――それを実弾に切り替えた銃撃で破壊する。
「さすがに単独だと厳しいかな。こうなったら――こちら、リリスフィア・スターライト。|決戦配備《ポジション》ディフェンダーを要請するよ!」
『ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオです。|決戦配備《ポジション》ディフェンダー、要請承認します。ガーディアンシールド、発進してください』
 ミオの指示と同時にディープブルーフォートレスのリニアカタパルトから装甲車が射出される。
 ――それは弾丸のように飛翔し、リリスフィアの元へ到着すると同時に装甲車から人型へと変形する。
『フォームチェンジ! ガーディアンシールド、救援に参りました』
 強襲揚陸艇の甲板に着地したガーディアンシールドは、ワイルド・サンダーの前に立つ。
 そこに空中のドローンから一斉に電磁砲が発射された。
『仲間には傷ひとつ付けさせはしません! フォートレスウォール!』
 エネルギーフィールドによる盾を展開したガーディアンシールドは、ドローンたちの攻撃を一発残らず防ぎ切る。その盾はどんな攻撃をも跳ね返す、まさに鉄壁の守りだ。
「さすがはガーディアンシールドだね! よーし、私も!」
 ライトニングライフルによる射撃が寸分違わずドローンの群れを撃ち落としていく。
 だが、倒しても倒してもドローンの数が減った気がしない。さらに海中からも水中型ダモクレスが押し寄せてきて――。

「ジャミングミサイル、発射します」
 その時、上空の何もない場所から、突如としてミサイルが発射された。――否、それはステルス状態で姿を隠しながら飛翔してきたミレアが発射したものだ。
 空中で爆発したジャミングミサイルから放出されたジャミング粒子が、ドローン兵器や水中型ダモクレスたちのセンサーを狂わせ、攻撃が強襲揚陸艇から逸れる。
 さらにミレアは、ヴィントシュトスに搭載された認識阻害ジャミングを作動させ――。それに合わせてシャドウミストも能力を発動させた。
『ミストイリュージョン発動!』
 周囲に、無数のシャドウミストのホログラムが投影される。ミレアの認識阻害ジャミングを合わせて受けた敵には、それらのホログラムと本物を見分けることができない。
 ドローンや水中型ダモクレスたちは、攻撃対象を見失い、無闇にホログラムに向かって攻撃をおこなっていく――。

「ありがと、助かったよ」
 ドローンや水中型ダモクレスの攻撃の手が緩んだところに、リリスフィアは精密な射撃を撃ち込んで、敵を次々と撃破していく。
「私も攻撃に参加します」
 撃ち切ったジャミングミサイルがパージされて海に落ちる。デッドウェイトを排除したミレアは、代わりに対要塞用大型ランチャー『FR-06 ノヴァ・バスター』および、ガトリング砲『SA-02 サーベラス・ガトリングファランクス』へと換装し――。
「全兵装、一斉射撃」
 二丁のガトリングから撃ち出される弾丸が空中のドローンを撃墜し、大型ランチャーの一撃が海に水柱を上げ、水中型ダモクレスたちを粉砕していく。
 ミレアの大火力と、さらに誘導型攻撃端末による多方向攻撃。シャドウミストによる無数のホログラムの効果もあり、デウスエクスの防衛部隊は、どれだけの敵から攻撃を受けているか判断できない状況に陥っていた。

「この海域を抜けるなら、敵の判断が混乱している今がチャンスです」
「わかったよ。ガーディアンシールド、機雷原を突破するから防御をお願いするね」
 ミレアの言葉に頷くリリスフィア。強襲揚陸艇を最大速度まで加速させつつ、ガーディアンシールドに指示を出す。
『任せてください。フォートレスウォール!』
 ガーディアンシールドによる防御壁が強襲揚陸艇を囲うように展開し、海中の機雷の爆発から守っていく。
『――どうやら、敵の追撃はないようですね』
 シャドウミストの言葉に、リリスフィアとミレアが安堵の息をつき――。
 目の前に広がる砂浜にようやく気がついた。

「ここが『アビス・ヘイヴン』――。ここからが本番だね、気を緩めないようにしないと」
「はい、油断せずに参りましょう」

 上陸するリリスフィアとミレアに、ガーディアンシールドとシャドウミストが声をかける。
『また後ほど、一緒に戦いましょう』
『くれぐれもお気をつけて』
 ケルベロスたちを見送り、メガブレイブナイツは再び上陸作戦の援護に戻るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桐嶋・水之江
【箱庭】
へぇ、こっちの世界もキャバリアみたいな機動兵器があるのね
これは新たなシノギの匂いがするわ
業界進出の初手として、桐島技研脅威のメカニズムを見せ付けるわよ

カナリアで行くわ
まずは道を開けて貰いましょうか…とその前に
もしもしマジカル・ヴォルテックスさん
グランドエンチャントよろしく
攻撃力を高めておくのに越した事は無いわ

ディープブルーフォートレスから出たら即攻撃開始よ
収束メガビームキャノンとハイパーメガバスターを三門同時発射
目標は直線進路上
機雷やらドローンやらを排除するわ
んでもってホバーシステムを起動
水上を滑走しながら拡散メガビームキャノンを発射
偏向ビームで軌道を放物線状に曲げるわ
これで相手側の頭上からビームをシャワーのように降り注がせるわけね
キャノンは両肩に付いてるから右左交互に撃つわよ
絶え間ない面制圧で相手側の反撃を封じるのよ

向こうから飛んでくる攻撃がビームやレーザーなら無視
カナリア装甲の見せ所よ
艦砲級なら流石に避けるけどね
実弾はプラズマガントレットで防ぐわ


菫宮・理緒
【箱庭】

ディープフォートレスにメガブレイブナイツかー。
アキバにはA.I.R.I.Sちゃんもいたし、DIVIDEにもいろんな子がたくさんいるね。
作戦後のご褒美が美味し楽しそうなのはいいことだよー♪

さて今回は潜水艦主体だから奇襲ってことだと思ってたんだけどー……。
なんか浮上して、機体の発進とかしてるし!
ミオさんなにしてんのー! 潜水艦の利点生かそうよ!

こうなると速やかな突入の援護かな。

『希』ちゃん、【ネルトリンゲン】は海上で前線拠点になるよー。
清く正しく空母むーぶ!

『了解。迎撃システム起動。アクティブソナーでの探知開始します』

と、いうことで。【ネルトリンゲン】は最前線で行動。
レーダーとソナーのデータをみんなと共有しつつ、
【ネレイス】を使いながら、【E.C.M】とデコイミサイルで掃海のお手伝い。

みんなー、ダメージ受けたり、弾薬足りなくなったら帰ってきてね。
超速で補給するから!

ん?支援要請?
女の子はどの……あっ、『希』ちゃん作戦中だからブラックアウトはやめて!
ジャマーさんにお願いしておいてー!


支倉・錫華
【箱庭】

こっちの世界でも戦いはある、か。
傭兵としては稼ぎ場がたくさんあるのはいいことだね。

アミシア、今回水中はスルーズさんとルンバさん、海上は博士が担当だから、空中からでいくよ。
【ナズグル】に【フレキシブル・スラスター】を装着しておいて。

『了解です。メインウェポンの【ライフル】はマシンガンモード。
サブウェポンに【歌仙】【スネイル・レーザー】でよろしいですか』

ん、おっけー。アミシアがいると準備が楽だね。
わたしは【ナズグル】をチューンして、装甲を半分、移動力を5倍にしておこう。

アミシア、索敵は任せるね。
『希』ちゃんとリンクして、レーダーめいっぱい使わせてもらって。

アミシアが敵を感知するか、敵からのソナーの反応があったら、
【Low Observable Unit】で姿を隠して相手のソナーの死角に
移動。

敵がこっちを見失ったら、死角からの【ライフル】で狙撃しよう。
近づかれたら【歌仙】かなって思ってるけど、
【ワイヤーハーケン】巻き付けたりとかも面白いかな?

支援はスナイパーでお願いしておこうかな。


スルーズ・イデアール
【箱庭】

この世界も脅威に晒されてる…それも、見上げた先からやって来る脅威が…!

でも、意思を持つロボットがいるのはちょっと嬉しかったかな…
ともあれ、みんなと力を合わせて、海上都市を守っていこう!

今回は水中戦を担当するから
アーマーをType-Mに変更
…でもその前に、キャバリアの私にシンクロして、専用の防護スーツに着替えてから…!

出撃したら
【ジャマー】シャドウミストさんにハッキングで支援してもらいながら
敵や罠を迎撃
その際はハッキングや理緒さんからのデータを利用して敵や罠の位置を把握

ハッキングで処理しきれなかった機雷や罠をマルチライフルの実弾モードで撃ち落とし
敵の新手を含め、ハッキングされてない敵を撃破していくよ!
ルンバさんが潜入を試みるみたいだし
引き付けるためにもちょっと大胆に攻めていくね…!

基本はライフルに加え、バックキャノンとミサイルポッドでの中距離射撃戦で対応し
懐に潜られそうなときはライフルの掃射で牽制し、ダブルダガーで迎撃

敵が多数いる場合はフルバースト・マキシマムでまとめて攻撃!


ルンバ・ダイソン
【箱庭】
決戦兵器メガブレイブナイツ......興味深い兵器だな。じっくり話を聞きたいが、まずは敵を追い払ってからだ。

潜水艦モードに変形し、アビス・ヘイヴンに先行して海中から敵基地に接近を試みる。仲間が派手に暴れているので、うまく敵の索敵を誤魔化そう。

電磁ジャミングをしつつ、高精度カメラであるルンバ・アイでこちらも敵を索敵。録画機能もついてるので、いい動画も撮れるかもしれないな。あくまでおまけだが。機雷や水中ドローンの類も丁寧に無力可しておこう。

、通常形態に変形して島に上陸。
ニュークリアミサイル......は、海洋汚染で後で怒られそうなので、惑星に優しいビーム兵器で集中放火を浴びせるとしよう。燃料消費が激しそうだが、加減なしだ!




 ――上陸作戦開始前。超巨大潜水艦ディープブルーフォートレス艦内の巨大ロボット格納庫に、5人の猟兵が集まっていた。

「へえぇー、ディープブルーフォートレスにメガブレイブナイツかー。アキバには|A.I.R.I.S.《アイリス》ちゃんがいたし、DIVIDEにもいろんな子がたくさんいるね♪」
 琥珀色の瞳を輝かせながら、発進に備えるメガブレイブナイツたちに熱い視線を送るのは、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)だ。その脳内では、作戦後のご褒美――メガブレイブナイツたちの電子頭脳のOSや、ディープブルーフォートレスの制御コンピューターのプログラムを覗き見るという楽しい時間が想像されていた。思わずよだれがこぼれる理緒。
 その隣で、同じくメガブレイブナイツをじっくりと観察しながら桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)が悪人っぽい笑みを浮かべる。
「こっちの世界にもキャバリアみたいな機動兵器があるのね。これは新たなシノギの匂いがするわ。業界進出の初手として桐嶋技研脅威のメカニズムをDIVIDEに見せつけるわよ。そしてDIVIDEの対デウスエクス兵器部門をお得意様にしてウハウハに儲けるわよ。人類も侵略者に対抗するためならお金を惜しんだりしないわよね♪ ――そして、うっかり敵側に情報が漏洩しちゃって、敵も最新兵器を投入してくるのよね。そうなれば人類もさらなる技術競争に投資を惜しんでいられなくなるわ」
 最後の方を小声で呟いた水之江は、隣でメガブレイブナイツをみつめる理緒に話しかける。
「理緒さん。よかったら作戦終了後、一緒にメガブレイブナイツを解体させてもらいましょうね」
「そうだ、ねー!」
 純粋な瞳で答える理緒と、昏く濁った瞳の水之江。対照的な二人は、共に正反対な表情で笑みを浮かべていた。

「君たちが決戦兵器メガブレイブナイツか……。興味深い兵器だな。俺の名はルンバ。侵略者から故郷を守る正義のロボットだ」
 理緒と水之江が視線を向ける先。整備用ハンガーで調整を受けている6体の巨大ロボット、メガブレイブナイツたちに話しかけるのは、パンダ型のウォーマシンであるルンバ・ダイソン(機械の掃除屋・f13195)である。全高5メートルのメガブレイブナイツたちに対して、ルンバは身長275cm。片膝立ちで整備を受けるメガブレイブナイツたちとちょうど目が合うくらいの身長だ。
「同じ正義を守るロボットとして、君たちとぜひ話がしたい」
『ああ、いいぜ。オレはクラッシャーのアースブレイカーだ! その可愛い外見で正義の味方を名乗る熱い魂、気に入ったぜ! 一緒に侵略者デウスエクスたちから、この地球を守ろうな!』
「まて、アースブレイカー。俺は可愛くはない、悪と戦う掃除屋だ。その点は間違えないでもらおうか」
 家庭用のお掃除ロボットだった過去を持つルンバは、パンダアイをキリッとさせながら、渋い声でそう言った。

「整備用のハンガーを貸してくれてありがとう」
「なぁに、お安い御用さ。ここの設備は自由に使ってくれ」
「ええ、スルーズゲルミルの整備に使わせてもらうね。この世界に迫る脅威……。みんなと力を合わせて、海上都市を守っていきたいから」
 銀髪に青い瞳の少女、スルーズ・イデアール(レプリキャバリア・f30206)が、ディープブルーフォートレスの整備員に礼を述べる。彼女の目の前には、まるで少女の姿をそのまま巨大化させたかのようなキャバリアが整備用ハンガーに固定されていた。レプリカントであるスルーズとフルシンクロするジャイアントキャバリア、スルーズゲルミルである。
「装備を換装できる場所があってよかったかな。水中での戦いを想定して、アーマーをType-Mにしておきたかったから……」
 スルーズと動作シンクロしたスルーズゲルミルが、近くにあった防水シートをカーテンのようにしてハンガーを覆った。そう、少女であるスルーズそっくりで生体部品を多用されているジャイアントキャバリアであるスルーズゲルミルの装備換装――それは、スルーズが着替えをするのと同じなのだ。
 防水シートのカーテンの向こうで、スルーズゲルミルの装甲が外され、地面に落ちる重い音が響いた――。

 スルーズがスルーズゲルミルの着替え――装備換装をおこなっている隣では、支倉・錫華(Gambenero・f29951)が実体化したサポートAIのアミシアに指示を出していた。
「アミシア、今回は空中からで行くよ。ナズグルにフレキシブル・スラスターを装着しておいて」
『了解です。メインウェポンのライフルはマシンガンモード、サブウェポンに歌仙とスネイル・レーザーがおすすめです』
「ん、おっけー。じゃあそれでよろしく。アミシアがいると準備が楽だね」
 アミシアが漆黒の量産型キャバリア、ナズグルの装備を換装していくのと同時に、錫華自身も機体をチューニングしていく。今回は空中戦を仕掛けるので、装甲を軽量化して機動力を向上させるという構成だ。
『そんなに装甲を落として大丈夫ですか?』
「攻撃なんか、当たらなければどうということはないからね」
 心配するアミシアをよそに、錫華は余裕の表情だ。
「こっちの世界でも戦いはある、か。傭兵としては稼ぎ場所がたくさんあるのはいいことだね」
『錫華、楽しそうなのはいいですけど、あんまり無茶しないでくださいね』
「はいはい、わかってるよ、アミシア」
 サポートAIの言葉を聞き流しながら、錫華は機体のチューニングに没頭していたのだった。


「大佐、本艦ディープブルーフォートレス、作戦海域である『アビス・ヘイヴン』近海に到着しました」
「了解しました。――ディープブルーフォートレス、緊急浮上。ケルベロスおよびメガブレイブナイツによる上陸作戦を開始してください」
 巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室から、艦長の深海ミオの指示が発せられた。それに従い、全長200メートルを誇る巨大潜水艦ディープブルーフォートレスが、デウスエクスの目が届かない深海から急速浮上していく。
 まるで海の底から飛び出した大型鯨のように、ディープブルーフォートレスは激しい水しぶきを上げながら艦首を海面から突き出し、そのまま船体全体を海上に横たえた。

 潜水艦が浮上する際に生じる大きな揺れ。その大部分はディープブルーフォートレスに備えられた慣性制御システムによって抑え込まれ、艦内のケルベロスたちは小さな振動を感じたにすぎない。
 ――しかし、この揺れが潜水艦の浮上によるものと気づいた理緒は、格納庫の手すりに掴まった姿勢のまま近くの通信機に向かって叫んだ。
「ミオさん、なんで浮上しちゃうのー! 潜水艦のメリットは奇襲でしょー! もっと潜水艦の利点を活かそうよー!」
 普段、ミネルヴァ級戦闘空母ネルトリンゲンを潜水艦としても運用している理緒にとって、潜水艦での戦いのセオリーから外れた戦術に驚きを隠せなかったのだ。
 そこに、ミオからの返答が返ってくる。
『おっしゃる通り、このディープブルーフォートレスは敵に捕捉されない深海からの奇襲のために建造されました。――ですが、見てください』
 ミオの言葉とともに、格納庫のディスプレイにレーダーの映像が表示された。それは潜水艦乗りの理緒にとって、ひと目で意味のわかるものだった。
「これは――機雷原!? それも島の周囲を取り囲むようにびっしりと!?」
『はい。おそらく、この機雷自体、小型のダモクレスなのでしょう。通常の機雷ではあり得ない密度と量です。――これが海底まで設置されているため、ディープブルーフォートレスはこれ以上進むことができないのです』
 あたかも機雷のカーテンに覆われたかのような『アビス・ヘイヴン』。その絶海の孤島に近づくためには、空中から島に向かうか、機雷を掃討しながら小型艇で島に向かうか――。いずれにせよ、巨大潜水艦であるディープブルーフォートレスの巨体では、これ以上、海中から近づくことは不可能なのだった。
『それに、この機雷原に近づいた段階でこちらの存在には気づかれています。どのみち、奇襲は不可能なのです』
 ――それが、ディープブルーフォートレスが潜水艦である利点を捨ててまで、海上に姿を見せた理由。
 そう気づいた理緒が、作戦の要点を言い当てる。
「つまり、ケルベロスとメガブレイブナイツによる強襲作戦になるということか、なー? それなら、わたしがやることはひとつ! みんなの速やかな突入を援護するよ!」
 理緒は格納庫から飛び出し、潜水艦の上部デッキに出ると、そのまま海に向かってジャンプした。
 ――だが、理緒は海中には沈まず、海の上にしっかりと立つ。否、その足元から浮上してくるのは、ディープブルーフォートレスと一緒に潜水艦として航行してきていたネルトリンゲンだ。
『理緒、早く中へ』
「おっけー、|希《まれ》ちゃん!」
 ネルトリンゲンを操縦していたサポートAIである希の言葉に従い、理緒はネルトリンゲンの中へ入り、艦長席に座る。
「希ちゃん、ネルトリンゲンは海上で前線基地になるよ―! みんながダメージ受けたり、弾薬足りなくなったら補給できるように準備して。あと、レーダーとソナーで周辺警戒!」
『了解。アクティブソナーでの探知開始します』
「データはみんなと共有よろしく、ねー!」
 潜水艦の艦長っぽい軍帽を目深にかぶりながら、理緒が手早く希に指示を出していった。


「理緒さんからのレーダーとソナーのデータを受信、っと。それじゃ、このカナリアの力を見せるとしましょうか」
 水之江が乗り込んだのは、金色の装甲を持った重装型キャバリアであるカナリアだ。格納庫から潜水艦の上部デッキへとリフトアップされてきた機体が、太陽の光を反射して黄金色に輝いた。
「それじゃあ、わたしも発進しようかな。作戦は、博士が海上、スルーズさんとルンバさんが海中、わたしが空中担当ってことでよかったよね」
 カナリアの隣にせり上がってきたのは、錫華が乗るナズグルだ。機体背面に装着したフレキシブル・スラスターを操作し、思った通りに動くことを確認する。
「さすがはアミシア、完璧な調整だね」
 にやりと笑みを浮かべ、錫華がナズグルの操縦桿を握る。
「こちらスルーズ。ディープブルーフォートレスの海中ハッチから出撃したよ」
「同じく、ルンバ。俺も海中に出た」
 スルーズゲルミルのコックピットであるシンクロナイズケージに乗り込んだスルーズ――なお、ケージの挿入は防水シートのカーテンの中で誰にも見られないようにおこなった――が、仲間に通信を送る。
 スルーズ同様にディープブルーフォートレスの海中ハッチから出撃したルンバも、潜水艦モードに変形して、海中を音もなく進みながら答える。
 これで、5人の戦闘フォーメーションが整った。


「さて、カーニバルの始まりね。――けど、その前に。こちら桐嶋水之江。|決戦配備《ポジション》キャスターを要請するわ」
『深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》キャスター、要請承認。マジカル・ヴォルテックス、出撃してください』
『マジカル・ヴォルテックス、出撃するよ』
 水之江の要請により、ロボ形態のマジカル・ヴォルテックスが潜水艦デッキ上へとせり上がってくる。
 マジカル・ヴォルテックスはデッキ上で発進準備をしているカナリアとナズグルを見て、陽気に語りかけてきた。
『僕をご指名ということは、魔法をお望みかな?』
「ええ、そうね。せっかくだから攻撃力を高めておいてもらおうかと思ったのよね」
『そういうことならお安い御用さ』
 マジカル・ヴォルテックスは、科学技術と魔法技術が融合した|この世界《ケルベロスディバイド》でも、魔法技術に特化した機体だ。その力は、まさに魔法そのものである。
『いくよ、グランドエンチャント!』
 マジカル・ヴォルテックスから放たれた魔法の光が、水之江のカナリア、錫華のナズグル、スルーズのスルーズゲルミル、ルンバ、そして理緒のネルトリンゲンを包み込む。
 それは味方の能力を大幅にアップさせる強化魔法だ。
「助かるわ。それじゃ、カナリア発進するわね」
 水之江はカナリアの背部に装着された大型の推進装置を最大出力で噴射させ、脚部スラスターによるホバー移動でディープブルーフォートレスから飛び出すと、海上を滑るように進んでいく。
「――さて、邪魔な機雷やドローンは排除しましょうか」
 カナリアが構えるのは右手に持ったハイパーメガバスター。さらに両肩に装着されたメガビームキャノンも前方を向いて発射体勢を取る。
「荷電粒子砲、ってー!」
 高出力のハイパーメガバスターと、収束モードで放たれた二門のメガビームキャノン。合計三本の光条が海上すれすれを切り裂き――。その進路上にあった海中機雷とドローン群を爆散させた。

「博士、最初から飛ばしてるね」
 水之江のカメリアが放った強力な三本のビームを上空から見ていた錫華が感心したように呟く。
『希さんのレーダー情報を受信。進行方向、海上近辺の機雷およびドローン群の消滅を確認しました。ですが、周囲よりドローンたちが集まってきます』
「おっけー。アミシアはそのまま希ちゃんとリンクしてデータ収集をよろしく。わたしは空から博士たちを援護するよ」
 錫華はチューニングしたナズグルの機動力を活かし、高速で飛行しながらライフルで狙いをつける。ターゲットスコープの先に映るのは、ドローンの群れ。
「ターゲット狙い放題か。たくさん落としたらDIVIDEから特別ボーナスでも出るといいんだけど、ね」
 錫華が操縦桿のトリガーを引くたびに、ライフルから発射された弾丸がドローンを一体、また一体と撃ち落とし爆散させていく。――だが、この程度ではドローンの数が減った気がしない。
「やれやれ、これはちょっと面倒だから、援軍を呼ぼうかな。支倉錫華、|決戦配備《ポジション》スナイパーを要請するよ」
『こちらディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ。|決戦配備《ポジション》スナイパーの要請を承認します』
 ミオの承認と同時に、巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの甲板上にミサイル発射車両が姿を現した。その車両は人型に変形すると、狙撃ライフルを持ったロボットの形態になる。
『ロングショット、敵を狙い撃つ』
 ロボット――ロングショットはディープブルーフォートレスの甲板上で超長距離狙撃ライフルを構えると引き金を引いた。ライフルから発射された銃弾は、はるか遠方に浮遊するドローンたちを次々と精密に撃ち落としていく。
「この援護は助かるね――と!」
 ロングショットの援護を受けた錫華はナズグルを加速させ、片刃の実体剣である歌仙を抜き放つ。ドローンの群れに突っ込んだナズグルは歌仙を閃かせ、ドローンたちを次々と切り刻んでいく。
『錫華、後方から敵です』
「アミシア、Low Observable Unit起動!」
 ナズグルはLow Observable Unitを起動する。それはあらゆるセンサーによる感知を無効化する強力なステルス装置だ。接近していたドローンたちはナズグルの姿を見失い混乱に陥った。
「ワイヤーハーケン、射出!」
 動きの止まったドローンたちを、ナズグルから射出されたワイヤーハーケンが絡め取る。ワイヤーに巻き取られ、動けなくされたドローンたち。
「博士、今だよ!」
「これはちょうどいい的ね」
 水之江のカナリアがメガビームキャノンを拡散モードで放つ。ワイヤーで動けなくなったドローンたちに向かって偏向ビームとして軌道が曲がったビームが雨のように降り注ぎ――。ドローンの群れを爆散させた。
「この調子で突っ込むわよ」
 カナリアの黄金色の装甲――カナリア装甲によってドローンのビーム兵器を無効化しながら水之江が爆進し。
「了解、援護するよ。ロングショットもよろしく」
『任せろ』
 カナリアの行く手を遮るドローンたちは、錫華とロングショットの狙撃により次々と撃ち落とされていった。


「桐嶋博士と錫華さんは順調に進んでるみたいだ、ねー。わたしたちはスルーズさんとルンバさんを援護する、よー。希ちゃん、ネレウス出してー」
『了解。多目的水中ドローン・ネレウスで機雷を探査し、発見次第デコイミサイルで掃海します』
 ネルトリンゲンから無数の水中用ドローンが発進し、機雷を発見次第、ネルトリンゲンから発射されたデコイミサイルがそれを破壊し、海中に道を作っていく。
「スルーズさん、ルンバさん、いまだ、よー」

「理緒さん、援護ありがとう」
「ああ、助かる」
 ネルトリンゲンが切り開いた海中の道を、スルーズゲルミルとルンバが進んでいく。だが、希から共有されたレーダーやソナーのデータによると、この先に無数の水中型ダモクレス兵たちが待ち受けている。
「このままだと、ちょっと大変そうだね。ここは私たちと同じ意思を持つロボット――メガブレイブナイツの力を借りるよ。スルーズ・イデアール、|決戦配備《ポジション》ジャマーを要請!」
『深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》ジャマー、要請承認! シャドウミスト、発進してください』
 ミオの指示とともに、ディープブルーフォートレスの甲板上にステルス戦闘機が姿を現した。その機体はアフターバーナーを全開にすると、甲板上を滑走路として空へと飛び立った。
『こちら、シャドウミストです。これより援護をおこないます』
 シャドウミストのハッキングとジャミングが、スルーズたちの進路上にいる水中型ダモクレス兵たちを妨害する。ハッキングされたダモクレス兵は味方を攻撃し始め、ジャミングを受けたダモクレス兵たちは周囲の情報が得られず行動不能に陥っていく。
 だが、すべてのダモクレス兵たちを無力化できたわけではない。何体かの水中型ダモクレス兵がスルーズたちに襲いかかってくる。
「メガブレイブナイツや私たち――|機械《モノ》にだって心があることを証明するよ!」
 スルーズゲルミルは、腕部アーマーに装着したマルチライフルから実弾を発射し、水中型ダモクレス兵を迎撃していく。
「ああ、そうだ。機械にだって――心はある!」
 ルンバもビームマシンガンやプラズマ砲を放ち、進路上を塞ぐように展開している敵を薙ぎ払い、爆散させる。

 だが、『アビス・ヘイヴン』に近づくにつれ、水中型ダモクレス兵の守りは厚くなっていく。
「くっ、なんとか敵の守りをかいくぐって、『アビス・ヘイヴン』に上陸したいところだが――」
 悔しげに呟くルンバ。静音性が高く隠密行動に向いた潜水艦モードだが、さすがに敵の守りが固い中を突破するのは不可能だ。
 だが、そこにスルーズの決意に満ちた声が届く。
「――ルンバさん、潜入するなら、ここは私たちが引き受けるよ」
「待て、一人じゃ無茶だ……!」
 スルーズを置いては行けないと答えるルンバ。しかし、スルーズの気持ちは揺らがない。
「大丈夫、私たちは一人じゃない――。二人で一人だから」
 さらに、シャドウミストからの通信も届く。
『私もいることを忘れないでください。スルーズさんは守り抜いてみせます』
「――わかった、ここは任せる」
 機械の仲間たちの絆を信じ――ルンバは『アビス・ヘイヴン』へと針路をとる。
「道は私たちが切り開くよ!」
 スルーズゲルミルが、マルチライフル、バックキャノン、ホーミングミサイルポッドなどの全武装を|一斉発射《フルバースト》する。
 放たれた実弾、ビーム、キャノン砲弾、連装多弾頭ホーミングミサイルが一斉に水中型ダモクレス兵に襲いかかり、閃光とともに敵を爆散させる。
 その爆発で発生した衝撃波により、周囲の機雷が誘爆。『アビス・ヘイヴン』への道が切り開かれる。
『今です、敵の撹乱はお任せください』
「ありがとう、みんな!」
 シャドウミストからの通信にルンバは強く答え、全速で前へと進んでいった。

「――さて、ここをなんとか切り抜けないとだね」
 スルーズゲルミルは残弾を撃ち尽くした武装をパージすると、両手にダガーを構えてダモクレス兵たちに斬りかかっていった。


「あんまり歯ごたえがない敵だったわね。まあドローンじゃそんなものかしら」
 水之江の余裕の声とともに、金色の装甲を持ったカナリアが砂浜に上陸する。
 それに続き、上空から黒いキャバリア、ナズグルが着地した。
「大量の敵は勘弁してほしいかな。弾薬代、経費で落ちればいいんだけど」
 錫華が愚痴る声が響き――。
「みんなー、無事だったか、なー?」
 理緒の声とともに、ネルトリンゲンが砂浜へと到着する。
 ネルトリンゲンの甲板上には、弾薬の補給を受けたスルーズゲルミルが武器を構えて立っていた。
「補給ありがとう、理緒さん。おかげで助かったよ」
「どういたしましてだ、よー」
 理緒に礼を述べたスルーズが乗ったスルーズゲルミルが砂浜に上陸し――周囲を見渡して呟いた。

「――ルンバさんは?」


「ここが――『アビス・ヘイヴン』か」
 海中からデウスエクスの基地へと潜入を果たしたルンバは、カメラアイで周囲の映像を録画していく。基地内は広大な空間になっているようで、真っ暗で先が見えない。
 暗闇の中をゆっくりと進んでいくルンバ。
 ――そして、目の前にそびえ立つ巨大なシルエットに気がついた。
「こ、これは――まさか、デウスエクスたちの秘密兵器か!?」

 だが、その時、奥からダモクレスの人型兵器が近づいてきたことに気づく。
「くっ、ここは一時撤退か!」
 ルンバはライトアーム・キャノンとビームマシンガンを連射して敵を足止めすると、デウスエクスの基地から脱出し、仲間たちと合流したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『GLMストーク』

POW   :    プラズマキャノン
【胴体上部に展開した砲台】から【高密度プラズマ弾】を放ち攻撃する。その後、着弾点からレベルm半径内が、レベル秒間【超高熱】状態になる。
SPD   :    OCSミサイルランチャー
【胴体側面のミサイルポッド】からレベル個の【光学迷彩機構搭載型ミサイル】を射出する。射出後も個々の威力を【光学迷彩の精度】で調節でき、低威力ほど視認困難。
WIZ   :    制圧射撃
【胴体下部の機銃】から無限に供給される【高貫通力の弾丸】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『アビス・ヘイヴン』の近海に浮上している巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室にオペレータの声が響く。
「大佐、ケルベロスたち、全員『アビス・ヘイヴン』へ上陸しました」
「作戦の第一段階は完了ですね。――引き続き、第二段階、敵拠点への突入を開始してください。メガブレイブナイツも全機、『アビス・ヘイヴン』に上陸し、引き続きケルベロスの皆さんを支援してください」
 深海ミオ大佐の指示のもと、ディープブルーフォートレス甲板のカタパルトからメガブレイブナイツたちが射出されていく。ケルベロスたちによって穴の空いた『アビス・ヘイヴン』の防衛網では、放物線を描いて高速飛翔するメガブレイブナイツたちを迎撃することはできなかった。
『アースブレイカー、『アビス・ヘイヴン』に上陸したぜ!』
 人型に変形して着地したアースブレイカーから作戦司令室に通信が入る。
 他のメガブレイブナイツたちも同様に次々と浜辺に着地していき――。
『こちらシャドウミストです。――島内の敵拠点より、防衛兵力の出現を確認しました。巨大型のダモクレスです』
 シャドウミストから作戦司令室に送られた映像には、島の洞窟――デウスエクスの拠点への出入り口らしい――から次々と出現してくる全高5メートルほどの巨大機動兵器の姿が映っていた。
「本時刻より敵防衛戦力をコードネーム『GLMストーク』と呼称します。ケルベロスの皆さんとメガブレイブナイツは敵拠点に突入しつつ、GLMストークを撃破してください。目標は――敵拠点最奥部への到達です」
 ミオは手元のモニタに、敵拠点に潜入した猟兵からもたらされた映像を表示した。そこに映っているのは、暗闇の中に佇む巨大な影。
「もしも、これがデウスエクスの切り札なのだとしたら、起動される前に破壊しなければなりません。皆さん、急いでください――」

●状況説明
 |猟兵《ケルベロス》たちは、デウスエクスの拠点である絶海の孤島『アビス・ヘイヴン』に上陸しました。『アビス・ヘイヴン』は大半が岩山になっている島で、崖の各所に巨大な洞窟が口を開けています。この洞窟の先、岩山の内部がデウスエクスの拠点である|機械種族《ダモクレス》製造工場になっています。
 洞窟の内部は、メガブレイブナイツやキャバリアが自由に動けるくらいに広い人工の通路になっており、そこを|機械種族《ダモクレス》の巨大兵器『GLMストーク』が警備しています。
 |猟兵《ケルベロス》たちはGLMストークを撃破しつつ、洞窟を突破し拠点最奥部を目指してください。

●|決戦配備《ポジション》について
 この章でも引き続き、|決戦配備《ポジション》であるメガブレイブナイツたちの支援を受けることができます。メガブレイブナイツの詳細は1章の断章を参照してください。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
確かに急いだ方が良さそうですぅ。

少々攻撃的な手段を選びますので、『FLS』の空間歪曲障壁と『FMS 」のバリアに加え【ディフェンダー】を要請、準備の間のガードを願いますぅ。

『FPS』で相手の行動を探査し【暜噄】を発動、戦場内の敵方の『物理&科学属性』を吸収してしまえば、『機械』の性質を持つ敵方の力を奪えるでしょうし、他属性の方が有効な場合や『プラズマ』も、探査で得た情報を元に『指定』すれば吸収可能ですぅ。
後は、吸収したエネルギーで強化すると共に、防ぎ辛い『空間属性』の『吸収の波動』を放射、その分も含め強化した各『祭器』による[範囲攻撃]で[追撃]し、一気に叩きますねぇ。




 あらゆるものの接近を拒む絶海の孤島『アビス・ヘイヴン』――デウスエクスの拠点たるその島内の洞窟を、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が進んでいた。天然の洞窟だと思っていたら、周囲はいつの間にか金属質な床や壁になっている。それは、この島がダモクレスの生産拠点であることを示していた。通路は、巨大なダモクレスでも悠々と通れるくらいの広さがある。
「本格的なデウスエクスの基地という雰囲気になってきましたねぇ。確かに急いだ方が良さそうですぅ。少々攻撃的な手段を選びましょうかぁ」
 祭器である御札型の|FLS《フローティングリンケージシステム》と円盤型の|FMS《フローティングミラーコートシステム》によって、空間歪曲障壁とバリアを展開したるこる。そこにさらに通信機に向かって要請をおこなう。
「こちら、夢ヶ枝るこるですぅ。|決戦配備《ポジション》ディフェンダーを要請しますぅ」
『深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》ディフェンダー、要請承認します。ガーディアンシールドに座標を送ってください』
『了解しました』
 通信機から聞こえてきたミオの指示と、オペレータの返事。
 それからほどなくして、るこるの耳に装甲車の走行音が聞こえてきた。通路内を走ってきた装甲車は、るこるの目の前で停車すると、人型へと変形していく。
『フォームチェンジ、ガーディアンシールド、ただいま到着しました』
「ガーディアンシールドさん、防御をよろしくお願いしますねぇ。これからぁ、攻撃の準備をしますぅ」
『承知しました、お任せください』
 銀色の光沢を帯びた装甲を輝かせながら、ガーディアンシールドが大きな盾を構える。

 だがそこに、通路の曲がり角の先から巨大なダモクレスが現れた。
『あれは……!』
「報告にあったGLMストークですかぁ」
 巨大ロボットに変形したガーディアンシールドと同サイズの機動兵器――GLMストークは、るこるたちをカメラアイに捉えると全身のランプを赤く光らせた。侵入者排除モードになったGLMストークは、その四角い箱のようなボディから激しく蒸気を吹き出し始める。冷却効率の悪いボディに無理やり搭載されているプラズマキャノンにエネルギーを集中させているため、機体の冷却が追いついていないのだ。だが、それほどまでの高エネルギー状態から放たれる高密度のプラズマ弾は、敵拠点内という閉鎖空間では避けることは難しい。
 激しい閃光とともにGLMストークから発射された電離した粒子の奔流。周囲の金属床や壁を溶解させながら、プラズマ粒子の集合体が、るこるを飲み込もうと迫ってきて――。
『させません! フォートレスウォール!』
 ガーディアンシールドの両腕に装着したシールドから展開した防御壁が、超高密度プラズマを遮った。
 その防御壁をかろうじて抜けてきた高温のプラズマも、るこるの空間歪曲障壁とバリアを破ることはできず、るこるには傷ひとつつけられない。
「|FPS《フローティングプローブシステム》、探知完了ですぅ。――大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その収穫の理をここに」
 るこるが祈りを捧げるとともに、GLMストークを不思議な光が包み込んでいく。その光とともに、GLMストークはまるで燃料が尽きたかのように床に膝をつく。
『これは……いったい……!?』
「|暜噄《カイシキノイコウ》ですぅ。物理や科学といった、機械に関係する属性の力を吸収させていただきましたぁ」
 その能力は敵から力を吸収するだけではない。るこるは、吸収したエネルギーを空間属性の吸収の波動に変換して解き放つ。周囲の機械から吸収したエネルギーは、るこるの祭器を強化するエネルギー源となり――。
「それでは、反撃ですぅ」
 展開した無数の祭器がGLMストークへと襲いかかり、その機体をスクラップにしたのだった。

『防御壁がなければ、私のエネルギーも吸収されていたのでしょうか――』
 機械であるガーディアンシールドは、額から垂れた冷却液を腕で拭うと、るこると共に拠点の奥へと進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンジェリカ・ディマンシュ
ジャマーのダークヴェールで暗闇を展開し、『GLMストーク』の視界を遮りイニシアチブを握りますわ
次にブラン・オラシオンとノワール・オラシオンを展開し、時間軸の破却を行い敵のUCの『発動した時間』をキャンセルし高密度プラズマ弾の射出を阻止

そこから時空間を消滅させる効果を持つ魔法の弾幕を展開
ダメージだけでなく制圧効果……脱出・侵入を困難にする状態を以て砲台の角度等を調整し、安全地帯を確認し確保
そのまま『オラシオン・バスター・ライフル』を構えて音響魔法陣の魔弾による狙撃を

このまま、この地域を制圧させてもらいますわよ!




「ここがデウスエクスの拠点内部ですのね」
 金属質の床や壁でできた広い通路に、アンジェリカ・ディマンシュ(ケルベロスブレイド命名者・f40793)の呟きとブーツの靴音だけが無機質に反響する。まるで他には誰もいないかのような静けさだが――ここは間違いなくデウスエクスの拠点たる『アビス・ヘイヴン』。無数のダモクレスたちが待ち構えているはずだ。
「――警戒しながら進むべきですわね。こちらアンジェリカ・ディマンシュ、|決戦配備《ポジション》ジャマーを要請しますわ」
『深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》ジャマー、要請承認します』
 通信機からミオの声が聞こえてからしばらくして。
 アンジェリカの背後――通路の影から滲み出るかのように巨大な人影が姿を現した。決戦兵器メガブレイブナイツの一員、シャドウミストが光学迷彩を解除したのだ。
 とっさに構えたライフル――オラシオン・バスター・ライフルを下ろしながら、アンジェリカが安堵の息をつく。
「女性の背後からいきなり現れるとは、もう少し紳士としてのマナーを学ばれた方がよろしいのではなくて?」
『失礼しました。我々メガブレイブナイツは戦うために造られた存在。マナーというものがプログラムされていないのです』
 これまで、そのようなことを指摘してくれる人はいなかったのだろう。シャドウミストが深く頭を垂れて謝罪する。――だが、アンジェリカは気にした風もなく。
「わかればよろしいのですわ。足りないことについては、次から直していく。それが人類として正しい生き方なのですから」
『機械である私が――人類……』
 呆然と呟くシャドウミストに、アンジェリカは「だって、一緒にデウスエクスと戦う仲間なのでしょう?」と自然に微笑みかけたのだった。

『やはり、アンジェリカ嬢の考え通り、敵の待ち伏せがありましたね』
「ええ、あまりに静かすぎて不自然でしたので」
 アンジェリカとシャドウミストは、敵の感知網をくぐり抜けることができるダークヴェールの暗闇の中に潜みながら通路を進んでいた。通路の曲がり角の先には、巨大なダモクレス――GLMストークがメインエンジンを止めて、完全に気配を消して待ち構えていた。もしも普通に進んでいたら、通路から踏み出した瞬間にプラズマキャノンで不意打ちをうけていたことだろう。
 ――だが、今はこちらが先手を打てる状況だ。
「これならば十分に詠唱の時間がありますわね!」
 純白の音響魔法陣ブラン・オラシオンと漆黒の音響魔法陣ノワール・オラシオンを展開しながら、アンジェリカが音響魔法――|幽玄なる銃はやがて聖に至る《ガンズ・オブ・アストラル》を詠唱する。
「聖なるに至るは幽玄なる銃。放たれる魔弾は、想像し創造する運命を超克する為に時空を消滅させるだろう――」

 ようやく侵入者であるアンジェリカに気づいたGLMストークが、メインエンジンを緊急起動させ、機体についたキャノン砲からプラズマ弾を放とうとする。あらゆる|安全装置《セーフティーシステム》を無視して強引に発射しようとしたプラズマキャノンの一撃――。
 ――だが。
「わたくしに攻撃するには時間が足りませんでしたわね――いえ、正確には、わたくしに攻撃した事実はありませんでしたわね?」
 砲塔から放たれ、アンジェリカに命中するかと思われたプラズマキャノンは――まるで発射された事実がなかったかのように虚空に消え去った。
「それでは、こちらからも攻撃させていただきましてよ」
 アンジェリカが悠々とオラシオン・バスター・ライフルを構える。
 放熱しきれずに機体が赤熱するのも気にせず、GLMストークがプラズマキャノンを乱射するが――時空間を制圧しているアンジェリカには決して命中しない。彼女が制する空間では、何人たりともアンジェリカに害をなすことはできないのだ。
「このまま、このあたり一帯を制圧させてもらいますわよ!」
 アンジェリカが放った音響魔法陣の魔弾がGLMストークの巨体を貫き――プラズマ発生機構を破壊して爆散させたのだった。

「それでは、わたくしは奥へと進みますわ」
『この先、何が待ち受けているかわかりません。アンジェリカ嬢、お気をつけて』
 シャドウミストに見送られ、アンジェリカはダモクレスの拠点の奥へと進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竜堂・無影
援護してくれるのか。
それはいいな。派手にやらせてもらうとしよう。
あるとうれしいのは火力とけん制、防御かな。
支援を要請したい。ガーディアン、スナイパー、ジャマーを。
同時が難しいなら優先度は言った順に欲しい。

黒駒がワイヤーアンカーを駆使しつつ、三次元機動で全方位からけん制射撃。
ジャマーがいる場合、ミストイリュージョンで混乱を煽る。
自分は遠距離からディフェンダーにフォートレスウォールを展開してもらい、その後ろからオーバーフレーム換装で機動力を犠牲に攻撃力を増加させて長距離狙撃ライフルにて関節部を中心に急所と思しき所を狙い打っていく。
ロングショットがいる場合、同時にヘッドショットマスターで攻撃してもらい火力を出す。

(黒駒は無邪気で陽気なAIなので、「ほらほらこっちこっちー」「僕のこと見えてる~?」等けん制中に煽ります。
陽気な黒駒、冷静沈着な竜堂なのでそこでのコミカル要素があるかもしれません。黒駒の被弾に「調子乗り過ぎだ」的な)
その他アドリブも大歓迎です。




「ほらほら~、鬼さんこちら~。あ、手がないから、僕を捕まえることできないか~。残念でした~」
 プラズマキャノンの閃光が飛び交う広大な空間で、一台の多脚戦車が曲芸のようにワイヤーアンカーで三次元機動しつつ、GLMストークの群れを煽っていた。

 ――その様子を、少し離れた高台から見下ろす複数の機影があった。
『あの、よろしいのですか、この状況――』
「ああ、敵は黒駒しか目に入っていない。シャドウミストのジャミングのおかげだな」
『いえ、そうではなく……黒駒殿が危険ではないかと』
「――ああ、それは考えていなかった」
 シャドウミストと通信越しに話をしているのは、竜堂・無影(魂人の量産型キャバリア・f42025)だ。搭乗しているキャバリアを狙撃型に換装し、狙撃ライフルでGLMストークの群れを狙っているところである。
『心配無用だ、シャドウミスト。あの多脚戦車が落とされる前に、俺たちが敵を殲滅すればいい』
 無影の機体と並び、狙撃ライフルを構えているロングショットが意見を述べる。
 そこに、さらに第三のメガブレイブナイツの声が交じった。
『大丈夫です。黒駒さんが危険になったら、このガーディアンシールドがこの身に替えてもお守りします』
 白銀の盾を構えながら、ガーディアンシールドが自信満々に言い放つ。

「そんなへなちょこ攻撃なんて当たらないよ~」
 地下空洞の天井付近を三次元機動する黒駒の、能天気な声が洞窟内に響き渡った。


 ――同時刻、『アビス・ヘイヴン』近海の巨大潜水艦ディープブルーフォートレス作戦司令室にて。
「大丈夫でしょうか、あの子たち――」
「どうしました、大佐?」
 深刻そうに艦長席で悩む深海ミオ大佐の表情を見て、副官が声をかけた。論理的で理性的な彼女がここまで悩んでいる姿を、副官は見たことがない。
「メガブレイブナイツたちがケルベロスを支援するために開発されたことは知っていますよね?」
「はい、もちろん……」
 人類がデウスエクスに対抗するための決戦兵器として開発されたメガブレイブナイツ。その開発には、ディープブルーフォートレス艦長でもある深海ミオ大佐も大きな貢献をしていると聞いている。それゆえのメガブレイブナイツ指揮官なのだとも。その彼女が、メガブレイブナイツについて悩んでいるのは、一体、なにゆえか――。
「――メガブレイブナイツは、チームワークが悪いのです」
「は……?」
「ケルベロスをサポートするという使命を優先するため、彼らのAIには|決戦配備《ポジション》に応じた個性をプログラミングしてあります。ですが、そのため、彼らは時折、意見を衝突させるのです。それが――現在、半数の3機が同一任務についているのですよ。これが心配せずにいられますか!」
 作戦司令室に響き渡るミオの叫び声。普段の冷静な彼女からは想像もつかない。――それだけ、メガブレイブナイツたちが心配なのだろう。
 そんなミオの年相応の態度を見て、副官がふっと笑みを浮かべた。
「なるほど。大佐は我が子同然のメガブレイブナイツたちが心配なのですね。私も、自分の子供のことでは色々と心配をかけさせられたものです」
 はっはっはと笑うと、副官は言葉を続ける。
「ですが、子供というものは、親の知らない場所でいつの間にか成長しているものです。メガブレイブナイツたちも、きっと、大佐の目の届かないところで成長しています。それを見届けるのも、親の務めでしょう」
「――そういう、ものでしょうか?」
「ええ、そういうものです。今、温かいコーヒーをお淹れしましょう」
 ミオは、コーヒーを一口飲むと、ぽつりと呟いた。

「――そう、ですね。あの子たちの成長を信じましょう」


 場面は戻って『アビス・ヘイヴン』の巨大地下空洞。
 そこでは、メガブレイブナイツたちがそのチームワークを――まったく発揮できていなかった。
『おい、シャドウミスト。敵にみつかったのはお前のジャミングが不完全だったからだぞ』
『待ってください、さすがに黒駒殿がこっちに向かって手を振ったら、敵に気づかれないのは無理があります』
『私が黒駒さんに手を振り返して応援したのもいけなかったでしょうか?』
『ああ、お前の盾は光る上にバカでかいから目立つんだよ』
「いやぁ、僕ばっかりが活躍して目立つのも悪いかなー、と思ってね!」
「お前は囮役なんだから、おとなしく目立ってろ」
 地下空洞を見下ろす高台の上で言い争うメガブレイブナイツたち。勝手に戻ってきた黒駒に、無影のツッコミが入る。
 狙撃ポイントになる予定だった高台は、今、下方からGLMストークたちのプラズマキャノンによって逆に狙撃されている状況だった。

「まあ待て。今、言い争いをしていても事態は好転しないだろう。――まあ、誰が悪いかといえば間違いなく黒駒だがな。とにかく、敵を撃破する策を考えるぞ」
『敵を撃破と言っても、狙撃作戦が失敗した以上、もうどうにもならないだろう』
『ええ、敵に見つかってしまった以上、奇襲作戦は成立しません』
 無影の言葉に、ロングショットとシャドウミストが首を横に振る。
 ガーディアンシールドも作戦はないようで、沈黙したままだ。
「――なるほど。3機の支援を要請したとき、あの大佐が躊躇した理由がわかった。お前たちは、精神的にはただの子供だ。もっと状況分析し、自分で冷静に判断してみろ。自分に弱点があるなら、他の方法で補うことを考えろ」
『状況分析――』
『冷静な判断――』
『弱点を補う――』
 無影の言葉によって、メガブレイブナイツたちのカメラアイに勇気の光が灯る。
 それは、戦いを生き抜くために――メガブレイブナイツたちが成長するために必要な心構えだった。
『この状況、まずは敵の攻撃を防ぐ必要があるな。――ガーディアンシールド、頼めるか?』
『ええ、任せてください。必ずや敵の攻撃を防ぎ切ってみせましょう』
『そして、私が敵を撹乱したところで、ロングショットと無影殿が敵を殲滅する――』
「ねえねえ、僕は~?」
『黒駒殿には、私と一緒に敵の撹乱をお願いします』
「おっけー。任せてよシャドウミスト」
 メガブレイブナイツたちの作戦会議が終わったところで、それまで様子を見守っていた無影が声をかける。
「どうやら、何かを掴めたようだな」
『無影殿のおかげです。――とはいえ、それもここを生き延びられれば、でしょうか』
 無影とメガブレイブナイツは作戦を確認すると、それぞれの持ち場へと向かっていった。


 GLMストークの群れが、敵が潜む高台に向かってプラズマキャノンの閃光を絶え間なく発射し続ける。高密度プラズマ弾は、高台の床を削り、周囲を超高熱状態にしていく。これを続けていれば、敵は隠れている高台から姿をあらわさざるを得ない。――そして、高台から出てきたが最後、プラズマキャノンで蜂の巣だ。
 ――だが、その高台から何か巨大な影が飛び出した。
 白銀に輝く重装甲と巨大な盾を持ったメガブレイブナイツ、|決戦配備《ポジション》ディフェンダーのガーディアンシールドだ。
 GLMストークの群れの眼前に着地したガーディアンシールドに向かって、一斉にプラズマキャノンの砲口が向けられる。たかが一機のロボット、プラズマキャノンの集中砲火の前には障害にもならない。プラズマキャノンの砲口から荷電粒子の励起光が漏れ出し、ガーディアンシールドに向かって一斉に高密度プラズマ弾が発射された。

『フォートレスウォォォル!!』
 ガーディアンシールドの叫びとともに、そのシールドが巨大化。あらゆる攻撃を防ぐ絶対の盾を形成した。プラズマ弾が盾に命中するが、その表面に焦げ目ひとつつけることができない。

『よく防ぎきりました、ガーディアンシールド』
 その盾の背後から、空間に滲み出るように姿を現したのは、光学迷彩を解除した|決戦配備《ポジション》ジャマーのシャドウミスト――と、その肩に乗っている黒駒だ。
 シャドウミストはまるで影に隠れるような動きでGLMストークたちの群れの中へと飛び込んでいく。
 GLMストークたちはプラズマキャノンの発射直後で、その動きに対応することができない。
『サイレントハック!』
 シャドウミストから伸びたハッキングアームがGLMストークに接触すると同時に、その制御系をのっとり行動不能にしていく。
 黒駒もGLMストークたちの頭上を飛び回ることで注意を引き付ける。

「あとは俺たちでカタをつけるぞ」
『ああ、任せておけ』
 高台に残った無影のキャバリアと、|決戦配備《ポジション》スナイパー、ロングショットが、揃って狙撃ライフルを構える。
『ヘッドショットマスターで解析した標的の弱点の情報を送る』
 無影のキャバリアのモニタに表示される、GLMストークの弱点情報。その一点を目掛けて狙撃ライフルの引き金を引き――二体のGLMストークが同時に爆発四散した。
「この調子で敵を殲滅するぞ」
『ああ――』
 無影のキャバリアとロングショットが引き金を引くたびに、GLMストークが次々と火を吹き倒れていき――。

「やったね! 僕たちの完全勝利だよ!」
「お前がきちんと仕事をしていれば、こんなに苦労しなかったがな」
 黒駒の言葉に無影のツッコミが入った。


『今回の功労者は、敵を一番倒した俺だな』
『待ってください、ロングショット。私が敵の動きを止めたから狙撃が成功したことを忘れないでください』
『私が敵の攻撃を防いだところも評価に入れていただけるとありがたいですね』

 メガブレイブナイツたちの戦闘後の会話を通信で聞いていた深海ミオ大佐は――。
「――子育てって、どうやったらいいのでしょうか」
 18歳の若さにして、子育ての難しさに悩むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
さっちゃん!工場だぞ!
ダモクレスの工場だ!
「ダモクレスか…俺様や神機シリーズを差し置いて神をなのるたぁ生意気にも程があるな!此奴は少々お仕置きが必要だ!」
決戦配備
クラッシャー継続
我がチョコでパワーアップしたあっくんは無敵だ!
【戦闘知識】
敵の陣形と洞窟の状況を把握

奴らもサイズはキャバリアの様だな
「まったくもって生意気だな…主様!俺の権能を使って下さい!あんな奴けちらしてやりますよ!」
おお!心強いなさっちゃん!わかった!
【二回攻撃・切断】
鎌剣で切り刻み周囲の敵を粉砕し
あっくんにも前方を殲滅してもらった所で

仲間が前方にいる場合は退避を行う

【空中機動・乱れ打ち・弾幕・念動力】
UC発動
「つゆ払いと行こうかこの野郎!」
超絶速度で飛び回りながら念動光弾を乱射して蹂躙
遂にで時空転移を繰り返して攪乱しながら亜空切断で切り刻む
「てめーら如きに使うのは持ったいねーが…この先の奴には俺の…戦略級の攻撃を叩き込んでやらぁ!」
…中々恐ろしそうだな…取り合えず生き埋めにならないように注意しないといけなさそうだな




 絶海の孤島『アビス・ヘイヴン』。そこは|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》の配下たる|機械兵《ダモクレス》の工場であった。
 今、そのダモクレス工場を、キャバリアに乗った皇・絶華(影月・f40792)が探索していた。
「見ろ、さっちゃん! 工場だぞ! ダモクレスの工場だ!」
 天然の洞窟を改造して作った機械兵の工場を目にして、絶華が興奮しながら叫ぶ。
 一方、絶華の乗機である意思あるキャバリア、連環神機『サートゥルヌス』は不機嫌だった。
「ダモクレスを指揮する十二剣神か……俺様や神機シリーズを差し置いて神を名乗るたぁ生意気にも程があるな!」
 とりあえず、この拠点は潰すと心に決めたサートゥルヌスが工場を進んでいくと――。
「待つんだ、さっちゃん」
「どうした、主様?」
 サートゥルヌスの操縦席で、絶華が前方を指さした。
 そこは、巨大な部屋になっていて、無数の巨大ダモクレス――GLMストークたちが侵入者を待ち構えていた。
「敵の陣形と、この地形――私たちだけで突破するのは難しいな」
「主様! 俺はあんな奴らに負けません! 俺の権能を使ってください!」
 サートゥルヌスの言葉を聞き、絶華はしばし黙考する。
「よし、正面突破しよう。だが、その前に――こちら、皇絶華、|決戦配備《ポジション》クラッシャーを要請する!」
『あ、皇さんですか!? あのチョコドリンクのレシピ、教えてくださ……え、私用の通信してないで、早く承認しろ? こ、こほん。深海ミオ大佐、|決戦配備《ポジション》クラッシャー要請承認します! あ、ちょっと、まだ回線切らないでくださ――』
 通信機の向こうでオペレーターが回線を強制切断した直後――。
 サートゥルヌスの隣に両腕がドリルになったロボットが地面を揺らして着地した。
『アースブレイカー、参上!』
「よし、あっくん、さっちゃん、力を合わせてダモクレスの守りを突破するぞ! ――あ、念のため、チョコ食べておくか?」
 絶華の言葉に、サートゥルヌスとアースブレイカーは全力で遠慮するのだった。


 GLMストークたちが守っているのは、開けた広い部屋だった。正面から無策で突入しても、数の差の前に苦戦は免れないだろう。
 だが、そのGLMストークの群れの中に、サートゥルヌスとアースブレイカーはたった2機で飛び込んでいった。
 侵入者を発見したGLMストークたちは、胴体の側面に装着したミサイルポッドから多数のミサイルを撃ち出す。発射されたミサイルが、まるで嵐のようにサートゥルヌスとアースブレイカーに迫り来る。
「あっくん、任せたぞ!」
『おう! ドリルゥゥストォォォム!!』
 アースブレイカーの両腕のドリルが回転すると、そこから激しい空気の渦が生み出された。空気の渦は、飛んでくるミサイルを巻き込むと、その軌道を変えていく。
『ほらよ、道は開いたぜ!』
「行くぜ、主様!」
 BX鎌剣『ハルペー2』を構えたサートゥルヌスが、敵陣に飛び込み、GLMストークたちを次々と斬り裂いていく。
 GLMストークたちがサートゥルヌスを迎撃しようとミサイルを放つが――。
「へっ、そんな攻撃当たらないぜ!」
 亜空間戦術級制圧機構『巨神の王』による次元転移で爆発を回避し、さらに亜空切断で巨大ダモクレスの巨体を真っ二つに断ち切る。空間ごと切り裂かれた切断面は、この世のものとは思えない滑らかさだ。
「てめーらごときに、この戦術級の力を使うのはもったいねーが――この先で待ち構える奴には、俺の戦略級の攻撃を叩き込んでやらないといけないからな!」
 サートゥルヌスは、その言葉を言い終えないうちに、時空転移と亜空切断の連発でGLMストークたちをすべて沈黙させたのだった。
「さすがはさっちゃんだ。……とりあえず、生き埋めにならないように注意しないといけなそうだな」

 ダモクレス工場を守るGLMストークを撃破した絶華とサートゥルヌスは先を急ぎ――工場の最奥部で、巨大な影を見ることとなるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○

▼心情
なるほど、であればここからはスピード勝負
目標まで最速で進攻する
時間がない、立ち塞がる相手は斬って進むまでだ

▼ポジション
ジャマー

▼戦闘
巨神キャリブルヌスは切り札だ
敵の切り札が起動してしまった場合のカウンターとして残しておくため今は騎乗しない

「シャドウミスト、一息に目標地点まで翔け抜ける。巻き込まれない程度に援護をお願いする」
生身のまま、しかし真の姿を解放してUCにより高速で洞窟内を[ダッシュ]
途中接触するGLMストークはシャドウミストSPDの支援を受けて隙を作ってもらい、剣の翼で次々と斬り裂いて進む
自身の周囲には[霊的防護]を備えた刀剣を[念動力]で結界のように張り巡らせ
敵の迷彩ミサイルを[心眼]によって[見切り]、遠距離で[受け流し]切り払う




「なるほど、島の最奥部にあるダモクレスの切り札か――」
 ディープブルーフォートレスからの通信でもたらされた情報に、金色の瞳をより一層細めるハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)。通信機に向かって迷いのない口調でディープブルーフォートレスに通信を送る。
「こちら、ハル・エーヴィヒカイト。|決戦配備《ポジション》ジャマーを要請する」
『ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》ジャマー、承認します。シャドウミスト、現場に急行してください』
 通信の直後、ハルの背後の壁から光学迷彩を解除したシャドウミストが姿を現した。
『お待たせしました。シャドウミスト、只今到着しました』
「ああ、いや、全く待たなかったのだが……ともかく時間がないので目標地点まで一気に駆け抜ける。攻撃は私がするので、シャドウミストは巻き込まれない程度に援護をお願いする」
『承知しました』

 洞窟の中を高速でダッシュする2つの影――ハルとシャドウミストはまっすぐに最奥部を目指す。洞窟は徐々に天然の岩肌から金属質で人工的な材質へと変わっていっていた。この先にダモクレスたちの切り札があることの証左であろう。
『前方にダモクレスの反応です』
「迂回している暇はない。突破する」
 ハルの判断にシャドウミストがうなずくと、その姿が光学迷彩でかき消えた。

 広場のようになった場所を警備していたのは、全高5mに達する巨大ダモクレスの『GLMストーク』が3体だ。そのうちの一体が侵入者に気づき、警報音を上げながら胴体側面に装着されたミサイルポッドを発射した。100を超えるミサイルの嵐。さらに光学迷彩機能もついているため、回避は不可能――。

「ああ、回避が不可能なら、すべて斬るだけだ」
 ハルはその周囲に11本の刀剣を出現させた。浮遊する和洋の刀剣を結界のように展開し、接近する端からミサイルを斬り払っていく。不可視のミサイルすら、心眼による見切りで正確に捉えていく。
「100程度のミサイルでは、この剣の結界を破ることはできないな。――とはいえ、これ以上、時間をかけている時間もない」
『承知』
 残る2体のGLMストークがミサイル発射体勢に入った瞬間。その背後から音もなく姿を現したシャドウミストが、ハッキングアームをGLMストークに突き刺していた。ミサイル発射系統の命令権をハッキングされ、GLMストークが混乱に陥る。
「ああ、十分な隙だ。羽ばたき、舞い踊れ剣。そして散れ、|天翼崩陽刃《てんよくほうようじん》ッ!」
 ハルの背に広がるのは6枚の剣翼。それを広げると、洞窟内の空間を所狭しと超高速で飛び回り、GLMストークの装甲を軽々と斬り裂いていった。

「片付いたな。この調子でこの先も頼むぞ、シャドウミスト」
『承知いたしました。ですが先程の攻撃――私まで間違って斬らないよう願います』
「ああ、善処しよう」

 こうして、さらに何度かのGLMストークとの交戦を経て――ハルとシャドウミストはついに『アビス・ヘイヴン』の最深部に隠された敵の切り札を目にすることとなった。

「――巨神キャリブルヌスは温存して正解だったな。これが起動してしまった場合にはこちらも切り札として使わざるを得ないだろう」
 広い空間に浮かび上がる巨大な影を見上げながら、ハルは呟くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリスフィア・スターライト
アドリブ、連携歓迎、NGなし

キャスターのマジカル・ヴォルテックスに協力を要請するよ
引き続きワイルド・サンダーに搭乗して挑むよ
GLMストークを早めに撃破して拠点最奥部に到達しないとかな
武装転移でキャバリアの射程が短くなる代わりに移動力を強化するよ
プラズマキャノンやミサイルランチャーの集中砲火を受ける前に
接近してルナ・ブレードで一刀両断だね
マジカル・ヴォルテックスにも追随してもらい
エレメンタルフュージョンによる火力支援を行ってもらいたいかな
グランドエンチャントによる強化魔法の方が有利になりそうなら
そっちをお願いするね
洞窟内だし隠れている敵機体がいないかも注意しつつ
足を止めないように突き進むよ
でもマジカル・ヴォルテックスには無理させ過ぎないようにかな
共に戦う大切な仲間だしね
最奥に何が待ち構えていても恐れたりなんかしないよ

「最新技術で作られたキャバリアもいいけれど魔法技術で作られたキャバリアもいいよね。わたしは扱いやすさを重視しちゃうけれどね」
「脚部を破壊すれば脆そうな外見だよね!」


防人・拓也
決戦配備:マジカル・ヴォルテックス…グランドエンチャントを要請

さて、敵がわんさかと出て来たか。なら、おあつらえ向きの魔術がある。
「こちらリーパー。マジカル・ヴォルテックスの支援を要請する」
と通信し、マジカル・ヴォルテックスが来たら
「敵機をまとめて片付けたいから、強化魔法を頼む」
と言い、魔法が掛かったのを確認したら、両手で術印を組んで大きく息を吸い込んで
「炎術・豪火焔!」
とUCを発動し、口から強化された炎を広範囲に吹き出す。敵のミサイルも機銃弾もまとめて焼き尽くす。プラズマキャノンを撃とうとする機体がいたら優先的にそいつを叩く。敵機が行動不能になったのを確認したら、友軍の通る道を開ける為に指を鳴らして炎を消火する。
「取り敢えずこんなものか。他に敵機がいれば、そちらの掃討に移る」
と言い、他の仲間の進軍を妨げそうな敵機の掃討に移る。
アドリブ・連携可。


ミレア・ソリティス
――情報を更新。私自身の損害よりも味方被害の軽減と迅速な侵攻を優先
『AMシフト』起動、兵装を2型+5型の複合兵装へと換装後、進軍を再開

決戦配備:キャスター(WIZ)を要請し強化を依頼、同時にUC【コード・テンペスト】を起動、ジャミング機能は軽度の認識阻害に限定、こちらの存在自体は捕捉させ意識を私に向けさせます(かばう)

『プラズマグリーブ』のプラズマ推進機能を補助推進(推力移動)に、可変翼『グライフフリューゲル』を安定用補助翼とし(空中機動)て突撃、
機首に装備した『インパクトランス』でのランスチャージ突撃に加え、噴出するプラズマ及び補助翼より変形させたクロー形態(戦闘機の下部より猛禽の脚のように展開)のGフリューゲルでの「敵機の懐に飛び込んだ」状況での「接近戦」を行いつつ迅速に進軍、多くの敵防衛部隊を引きずり出し撃破していきましょう

損傷限界間近ならばデータを他の「ミレア」へと転送し、
私自身を囮とし、より多くの敵機を巻き込んでのPキャノンでの同士討ちを狙わせます

※アドリブ連携等歓迎です




「どう見ても脚部が弱点だよね、っと!」
 金属質な壁で囲まれた施設の一角に、キャバリア――ワイルド・サンダーの影が疾走る。目にも止まらぬ速さで抜き放ったルナ・ブレードの一閃が、巨大ダモクレスGLMストークの逆関節型の脚部を切断した。
 両脚をフォースセイバーで斬られたGLMストークはそのまま地響きを立てて横倒しになり、行動不能となる。量産型のためかロボットアームも持たない機体では、脚部を失い転倒すれば戦闘不能間違いない。
 だが、その胴体のプラズマキャノンはわずかとはいえ角度を変えられる。運の悪いことに、そのわずかな角度修正により、キャノンの砲口がワイルド・サンダーに向いた。GLMストークのプラズマ炉内でチャージを終えていたエネルギーが砲口から高密度プラズマ弾を発射しようとし――。
「サブユニット転送……コード・テンペスト」
 戦闘機形態に変形したミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)がプラズマスラスターを全開にしてGLMストークに突撃。機首のランスを敵機に突き立て、装甲内部に砲撃を叩き込む。
 動きが止まったGLMストークに、ワイルド・サンダーもルナ・ブレードを深々と突き刺し、今度こそ巨大ダモクレスが完全に活動を停止したことを確認した。
「リリスフィア様、ご無事ですか」
「ミレアさん、助かったよ。見つかる前に倒せると思ったんだけど、まさか倒れても撃ってくるとか、油断大敵かな」
 ワイルド・サンダーのコックピットハッチを開けて顔を出したのは、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)。駆け寄ってくるミレアに、笑顔で怪我がないことをアピールする。

 ――そこに3人目の声が響く。
「二人とも、まだ油断するには早いようだ」
 声の主は、後方を警戒していた防人・拓也(独立遊撃特殊部隊ファントム指揮官・f23769)のもの。その鋭い視線の先には、戦闘音で集まってきたと思しきGLMストークの群れ。
 プラズマキャノンの砲口にプラズマ粒子の灯りを燃やしながら近づいてくるダモクレスに、リリスフィアとミレアが再び戦闘態勢を取る。だが、最初に動いたのは拓也だった。
「敵がわんさかと出てきたか。なら、おあつらえ向きの魔術がある。ここは任せておいてくれ」
 拓也は懐から通信機を取り出すと、スイッチを入れる。
「こちらリーパー。|決戦配備《ポジション》キャスターを要請する」
『ディープブルーフォートレス艦長、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》キャスター、要請承認します』
 通信機から返ってきたのは深海ミオ大佐の声。現在、アビスヘイヴン沿岸に待機中の巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの艦長にして、メガブレイブナイツたちの指揮官だ。

 ミオの言葉に首肯し、通信機をしまう拓也。
 だが、その面前には、プラズマキャノンを今にも放たんとするGLMストークたちの姿があった。あらゆる物質を溶解させる高温高密度のプラズマ弾。それを生身で受けて耐えられる者などいるはずもない。
 しかし、拓也の態度には恐怖も不安も見られなかった。ただ普段通りに冷静な笑みが顔に浮かんでいる――それだけだ。
「防人さん!」
「防人様!」
 リリスフィアとミレアが叫んだ。
 ――瞬間。GLMストークの群れから、無数のプラズマキャノンの熱線が放たれた。その閃光は拓也を飲み込んで跡形もなく蒸発させようとし――。

『マジックリバース!!』

 子供っぽい機械音声が響いたかと思うと、拓也の前に多重魔法陣が展開された。
 GLMストークから放たれたプラズマキャノンは多重魔法陣に触れた瞬間、その超高密度のエネルギーが初めから存在しなかったかのように、エネルギー保存則を無視して虚空に消えていった。

『ふふん、どう、僕の魔法は? 敵の攻撃属性がわかっていれば、ガーディアンシールドみたいに防御もできるんだからね。――っと、名乗りを忘れてたね。僕は|決戦配備《ポジション》キャスター、マジカル・ヴォルテックスだよ!』
「マジカル・ヴォルテックス、助かった。――が、今、俺が撃たれるまでわざと姿をあらわさなかっただろう?」
『ぎっくう! な、なんのことかな?』
「お前がそこの物影で待機していたことには気づいていたんだ。すぐに出てくることもできたはずだな?」
 詰め寄る拓也の声に、マジカル・ヴォルテックスのロボットの顔からまるでだらだらと汗が流れているかのようだ。その態度こそ、拓也の指摘が正しい証左と言えた。

「ちょっと、二人とも!」
「防人様もマジカル・ヴォルテックス様も、気をつけてください。敵が再度攻撃しようとしてきています」
 リリスフィアとミレアの言葉に、拓也が改めてGLMストークたちの方を向く。
 そこには、再び体内のプラズマ炉でチャージしたプラズマキャノンを発射しようとしているGLMストークの群れがいた。
「ああ、そうだったな。こいつらにおあつらえ向きの魔術がある、というところまで言ったんだったな」
 拓也は強化戦闘服のグローブを外すと、一歩前に踏み出し、GLMストークたちの前に出る。拓也の視線が動き、敵の数、配置を正確に頭に叩き込んでいく。
「マジカル・ヴォルテックス、敵機をまとめて片付けるから、強化魔法を頼む」
『お任せあれっ、いっくよー、グランドエンチャント!』
 マジカル・ヴォルテックスから放たれた虹色の光が、この場にいる3人の力を大きく強化した。
 それを確認した拓也が、両手で素早く印を組む。
「炎術・豪火焔!」
 拓也の口から放たれるのは、鉄をも容易に溶かす紅蓮の業火。まるで生き物かのように自在に動き、GLMストークたちを炎に巻き込んでいく。その温度は巨大ダモクレスの機体の耐熱限界を軽く越えているようで、GLMストークたちは炎の海の中に溶けて消えていった。
『ほえー、あれだけ熱い攻撃をしてくる敵だから、炎耐性高そうなのになー』
「プラズマキャノンは、プラズマを磁場で閉じ込めているだけだ。あの巨体そのものに、プラズマに耐える耐熱性はないさ」
 GLMストークを一掃したことを確認した拓也は、パチンと指を鳴らして炎を消し去るのだった。


 絶海の孤島『アビス・ヘイヴン』。その島内に張り巡らされた洞窟内を猟兵たちは進んでいた。
「入り口は天然の洞窟だったけど、途中から金属質な感じになってきたよね」
「はい、リリスフィア様。私のセンサーによりますと、島内の半分は機械化されている模様です」
「機械化か。――ダモクレスとかいう機械兵の工場にされていると見て間違いなさそうだ」
 小休止を取りながら、周囲の様子を伺い、意見交換する猟兵たち。
『うん、ダモクレスは地球にはない高度な機械技術を持っているんだ。たとえば、GLMストークのような巨大な機械兵器を作ったり、ね。――まあ、僕たちブレイブナイツは、そのダモクレスの機械技術を参考にして開発されたから、ちょっと複雑な気分だけど、ね』
 ぽつり、とこぼすマジカル・ヴォルテックス。
 その言葉にリリスフィアが反応する。
「私はマジカル・ヴォルテックスのこと、いいと思うな。見て、私のワイルド・サンダー。一緒に平和を守ってくれる頼れる相棒だよ。マジカル・ヴォルテックスもワイルド・サンダーと同じ。共に戦う大切な仲間だよ」
『リリスフィア……』
 マジカル・ヴォルテックスが涙目っぽい顔になりながら、思わずリリスフィアの両手を握りしめようとして――その大きさの違いに断念する。
 そして、ミレアもまた、マジカル・ヴォルテックスに親近感を抱いている一人だった。
「マジカル・ヴォルテックス様。私も機械の身。マジカル・ヴォルテックス様のお気持ちは痛いほどわかります」
『ミレア……』
「マジカル・ヴォルテックス様、機械の身は便利です。損傷限界に達したら、データをバックアップへと転送すればよいのですから。そして自身を囮として、一体でも多くの敵を撃破することこそ……」
『えええっ、ぼ、僕、そんな戦い方やだよー』
「そうだよ、ミレアさん。ミレアさんがそんな戦い方をしたら、私、悲しいかな。ミレアさんも大切な仲間だからね」
「ああ、ミレア。特殊部隊ファントム指揮官として、これだけは言っておく。俺の目が黒いうちは、仲間に犠牲者は出させん。誰一人もだ。もちろん、マジカル・ヴォルテックス、お前もな」
 リリスフィアと拓也にたしなめられ、しゅんとしながら、ミレアは囮作戦の選択肢を戦術リストから除外したのだった。

「|私達《ミレア》は、どこまでが|私《ミレア》なのでしょうか……」


「ちぃっ、敵が多いな! リリスフィア、ミレア、突破口を頼む。後ろの敵は俺が引き付ける」
「了解しました、防人様」
「行くよ、ワイルド・サンダー!」
 無数のGLMストークたちに囲まれた猟兵たち。
 だが、それは彼らがアビス・ヘイヴンの中心部へと接近している証拠だ。GLMストークたちは、これ以上侵入者を奥へと進ませまいと迫ってきている。
 ――であれば。
「リリスフィア様、向かうは――」
「うん、護りが一番硬いところだよね!」
『僕も援護するよ、グランドエンチャント!』
 マジカル・ヴォルテックスの強化魔法を受けたミレアとリリスフィアが、GLMストークの部隊が展開する正面へと突撃する。
 コードテンペストで戦闘機形態に変形したミレアが誘導攻撃端末でGLMストークたちの注意を引き付けながら地下空間を旋空し、その隙をついて|武装転移《ウェポンマスタリー》によって移動力を強化したワイルド・サンダーが高出力のフォースセイバー、ルナ・ブレードを手に地上を駆ける。
 上空のミレアに向かってプラズマキャノンを撃つGLMストークたちだが、AR-02 プラズマグリーブによる高い推進力と、SA-01 グライフフリューゲルの補助翼による細かい機動をするミレアには、かすりもしない。
「――これだけ敵が密集しているなら、囮作戦がもっとも効率的に敵を殲滅できるのですが……それは最後の策という気がしてきました」
 苦笑気味に呟くと、ミレアは急降下し、格闘用サブアームでもあるグライフフリューゲルのクローでGLMストークを切り裂いていく。
「ミレアさんが頑張ってくれているんだから、私も頑張るよ」
 GLMストークたちが上空のミレアに気を取られている隙に、ワイルド・サンダーは敵機の脚部を着実に斬り裂いていっていた。
『僕も手伝うよ、エレメンタルフュージョン!』
 マジカル・ヴォルテックスも、火、水、土、風の属性を持つ魔力弾を放ち、GLMストークを撃破する。

『よし、これで先に進めそうだよ!』
「了解しました」
「うん、行こう!」
「皆、俺もすぐ行くからな!」

 こうして、猟兵たちはアビス・ヘイヴンの奥地で巨大な機影を目にすることになるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ノエル・ラーズグリーズ
【決戦配備:クラッシャー(POW)】

白銀の海上戦への調整に思った以上に手間取った……!
すみません、ノエル・ラーズグリーズ、これより戦闘に参加します!!

状況的に『ドヴェルグ』を配置してじりじりと戦線を押し上げるような戦いは遅すぎるし、
かといって、私に「生身で切り込み大型ダモクレスを一刀両断!」なんてママみたいな真似は無理!

……だったら……!【機械妖精部隊展開・防護障壁】!!
『白銀』より|機械妖精《メタルフェアリー》「タイプ:スプリガン」を数機発進、白銀の前面、敵デウスエクスとの間に配備して「光の城塞」を展開、相手の攻撃を受け止め雷属性の魔力ビームで反撃する防御陣形を取ります!
相手の攻撃はスプリガンで防げる、けど防壁維持と干渉を避ける為に私からは攻撃ができない

けど、私は一人じゃない…!!
「決戦配備:クラッシャー」を要請します!反撃で向こうの攻撃が途切れるその瞬間、
そこに合わせて防壁を一時解除します……その隙に、【ドリルストーム】での一掃してください!!




 デウスエクス拠点『アビス・ヘイヴン』近海――巨大潜水艦ディープブルーフォートレス艦内の作戦司令室。そこでは、突如レーダーに現れた光点にオペレーターたちが騒然としていた。
「艦長、本艦近くに未確認反応です!」
「落ち着いてください。数と大きさは?」
「――数は1、大きさは――通常車両程度でしょうか」
 深海ミオ大佐に応えるレーダー手の横で、無線に耳を傾けていた通信士が慌てて声をあげる。
「大佐、未確認漂流物体より通信です!」
「つ、繋いでください……」
 ごくり、と喉を鳴らし、緊張しながら頷くミオ。
 通信士が回線をつなぐと同時に、作戦司令室内に少女の声が響いた。
『あ、やっと……繋がりました……。|白銀《シロガネ》の海上適応への調整に手間取ったと思ったら、さらに海で迷子になって漂流して……。もう誰にも見つけてもらえないのかと……。――じゃなかった。こちらケルベロスのノエル・ラーズグリーズ(楽園おうちの追放者。・f40853)です。遅くなりましたが、これより『アビス・ヘイヴン』攻略作戦に参加します!!』
「は、はい。こちら本作戦司令官の深海ミオ大佐です。援軍はもちろん大歓迎です。島までは本艦の通信士がナビゲートしますので、安心してくださいね」
『ほんとですか!? ありがとうございます!』
 巨大潜水艦の作戦司令室に、ノエルの嬉しそうな声が響き渡った。


「わぁ、久しぶりの揺れてない地面!」
 ディープブルーフォートレスからのナビゲーションで『アビス・ヘイヴン』に上陸した可変式魔導戦闘車両『|白銀《シロガネ》』から降りたノエルは――久方ぶりの陸上を満喫していた。眼の前にはデウスエクスの拠点である岩山がそびえ立っているが、今のノエルにとっては何もない大海原よりもよほど心安らぐ光景だ。
「さて、あの岩山に張り巡らされた洞窟を抜けて、島の最深部を目指すのよね――」
 どのように攻略すべきか思索を巡らせる。ノエルが得意とするのは、機械兵器や罠を設置して、そこに敵をおびき寄せて戦うスタイルだ。今回のような電撃戦向きの戦法ではない。
 自分自身が敵陣に切り込み、敵をなぎ倒すという案も考えてみるが――自分には無理だと即座に思考から追い払った。
「――となると、策は一つですね」

 揺れない地面から名残惜しそうに立ち上がったノエルは、相棒たる|白銀《シロガネ》に乗り込むと、『アビス・ヘイヴン』の最奥部へと続く洞窟に向かって白銀を発進させた。


「洞窟内部は金属製になっているのね……。ということは、島の大部分がダモクレス工場に改造済みということ!?」
 白銀が洞窟に入ってすぐに、四方の壁は自然の洞窟から金属製の人工的な通路に変わっていた。ノエルはそれが意味することを即座に理解する。――確かに、この島は放置しておいていい場所ではない。
「島の最奥部に急がないと――」
 ノエルは白銀の索敵機能をフル稼働させつつ、敵に気づかれない静音性を維持しながら、可能な限り白銀を加速する。
「通路右からダモクレス反応。ここは戦闘を回避して左へ――」
 GLMストークの反応を感知し、ノエルは逆方向へと白銀を進ませる。
 途中、幾度かGLMストークの反応を捉えて、戦いを避けて奥へと進むノエル。だが――。
「さすがに、これ以上、戦闘を回避することはできなそうね」
 白銀のセンサーには、前方の広い空間と、そこに待ち構える十数機のGLMストークの反応があった。白銀の最大速度で駆け抜けようとすれば、集中砲火で蜂の巣間違いなしだ。

「だったら――この手で!」
 ノエルは白銀を停車させるどころか加速させ、GLMストークの群れが待ち受ける広場へと白銀を突撃させた。
 突然飛び出してきた魔導戦闘車両にGLMストークたちが戸惑ったのも一瞬。ダモクレス軍団は即座に迎撃体制を整え、胴体側面から無数のミサイルを発射してくる。光学迷彩で不可視化したミサイルが白銀へと迫り――。
「|機械妖精部隊展開・防護障壁《コールメタルフェアリー・タイプスプリガン》!」
 ノエルの声が戦場に響く。その声に従って、白銀からスプリガンタイプの|機械妖精《メタルフェアリー》たちが飛び出してくる。
 まるで鋼鉄の|巨人《ゴーレム》のような大型機械妖精たち。それらが白銀の前に陣取ると同時に――GLMストークから発射された大量のミサイルが轟音と閃光を撒き散らしながら連鎖爆発を引き起こす。超高熱の嵐にさらされた一帯は、たとえ魔導装甲車両の白銀でも跡形も残らず蒸発したかに見えた。

 ――だが。
「その程度の攻撃で、スプリガンたちの「光の城塞」を破れると思わないでくださいね」
 爆風の晴れたそこには、無傷の白銀と、その前で防護機構を発動している|大型機械妖精《スプリガン》たちの姿。そして、その前方に展開された光の障壁――「光の城塞」があった。
 スプリガンたちが展開した光の障壁が、すべてのミサイルを防いだのだ。
 GLMストークたちはミサイルの発射を続けるが、「光の城塞」の防護を破ることはできない。
「スプリガン各機はそのまま防御障壁を展開――その間に……」
 ノエルは、白銀の通信機に向かって声を上げた。
「こちら、ノエル・ラーズグリーズ。|決戦配備《ポジション》クラッシャーを要請します」
『深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認します。アースブレイカー、現場に急行してください』
 ミオの命令に応え、ノエルの前に一体のロボットが姿を現した。
『おう! アースブレイカー、見参! 俺も戦いを手伝うぜ!』
「これから防壁を解除して反撃します。そこに合わせて敵を一掃してください」
『任せときな! 攻撃なら俺の得意技だぜ!』
 ノエルの指示を聞き、アースブレイカーの両腕のドリルが高速回転を始める。
『こっちはいつでもいいぜ!』
「「光の城塞」一時解除、主砲発射!」
 ノエルの声と同時に白銀の主砲が激しく帯電し、そこから雷のようなまばゆい光が放たれた。雷光はGLMストークの放ったミサイル群に突き刺さると、それを片っ端から爆散させる。
『俺もいくぜ! ドリル・ストォォオム!!』
 アースブレイカーの両腕のドリルが逆回転し、広場に真空の渦を作り出す。それは周囲のGLMストークたちを一点に吸い寄せていき――。
『今だ、その魔力砲を叩き込みな!』
「行きます!」
 白銀から放たれた雷撃が、GLMストークの装甲を貫き――。その動力炉を破壊して活動を停止させた。

『へっ、俺たちのコンビなら、どんな敵相手でも楽勝だな!』
「――そうですね」

 こうしてGLMストークの防衛網を突破したノエルは、『アビス・ヘイヴン』の最深部へとたどり着いた。
 そして、そこで巨大な影を目にすることとなるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

陽環・柳火
「おー、ゾロゾロと出てきやがったな」
出てきたストーク達にやる気を見せる
「チマチマと範囲攻撃で削られても面倒くせぇ」
決戦配備:ディフェンダーでガーディアンシールドを呼ぶ
「合体だ! よろしく頼むぜ」
ガーディと【火車合体】し、両肩にシールドを展開した鎧武者っぽい形態になる

敵に接近するまではUCを使用しないキャノン砲や柳火自身の火【属性攻撃】の【弾幕】で牽制かけつつ、相手のプラズマ弾を回避、超高熱状態はポジション効果と【火炎耐性】で耐える
「弾幕ごっこならカクリヨでは嗜みの一つだぜ!」
近接攻撃の射程に入ったらエネルギーブレードを刀状に展開し、【ブレードカウンター】で敵の攻撃を防ぎながら反撃。反撃は|居合斬り《【クイックドロウ】》の要領で瞬時にぶった斬る
「一度懐に入っちまえばこっちのもんだ。攻撃はこっちに任せて、守りは頼んだぜ!」
そんな感じで他にディフェンダーの要請が来るまでは周囲の敵を片付けておく

あとの細かい部分とかアドリブはお任せするぜ




「うじゃうじゃといやがるな、あの段ボールみたいなバケモノ」
 ガシャンガシャンと広い部屋の中を歩き回るGLMストーク――巨大ダモクレスを見て、東方妖怪『火車』である陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)が小声で呟いた。
 デウスエクスの拠点である『アビス・ヘイヴン』の洞窟に突入したところ、その内部は人工的で金属質な壁に囲まれたダモクレス工場と化していた。目指すはその最奥部だ。
 だが、奥に進むにつれ、段ボールのバケモノ――GLMストークによる警備が厳しくなってきている。先に進むには、無数のGLMストークたちが警備している大部屋を抜けなければならない。遮蔽物がない部屋だけに、GLMストークをやり過ごすこともできない。

「へっ、ならば全部ぶっ潰してやるぜ! どうせ段ボールだ、俺の火には弱いはず!」
 金色の瞳を輝かせた柳火は、身を低くして猫のようにしなやかな動作で走り出す。目指すはGLMストークの群れのど真ん中だ。
 接近してくる柳火に気づいたGLMストークたちが戦闘モードに移行し、胴体の砲身にプラズマの光を灯す。超高熱のプラズマ弾の直撃を受けたら、さすがの柳火もただではすまないだろう。

 ――だが、柳火も無策で飛び出したわけではない。駆けながら通信機に向かって叫ぶ。
「こちら、陽環・柳火。|決戦配備《ポジション》ディフェンダーを要請するぜ!」
『ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》ディフェンダー、要請承認。ガーディアンシールド、援護を』
 通信機から返ってくるのは、巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室で指揮をとっているミオの声。
 それと同時にGLMストークたちのプラズマキャノンが柳火に向かって勢いよく発射され――。

 そこに、穏やかな人工音声が響く。
『遅くなりました。ガーディアンシールド、只今到着しました』
 柳火の眼の前に地響きとともに着地したガーディアンシールドが、銀色の光沢を放つ巨大な盾でプラズマキャノンの砲撃を防いでいた。
「よろしく頼むぜ、ガーディアンシールド! いくぜ、火車合体だ!」
『了解しました!』
 ガーディアンシールドの全身がバラバラに分解され、その各パーツが柳火の身体に次々と装着されていく。――これこそ、乗り物と合体する柳火の火車合体だ。
 GLMストークたちのプラズマキャノンの閃光の中から姿をあらわしたのは、身長3メートルほどの武者鎧を纏ったかのような姿の柳火だった。その両肩――鎧の大袖に当たる部分は、銀色の巨大な盾になっている。
「よーし、この装甲なら、どんな攻撃でも効かなそうだな!」
『過信は禁物です。さすがに敵の主砲の直撃までは防げません』
「なら、直撃さえしなければいいってことだな!」
 ガーディアンシールドと合体した柳火は、指先から無数の炎を生み出し、それをGLMストークたちに向かって放つ。さらに武者鎧の一部になっているキャノン砲を発射し、敵を牽制しながら駆け出した。
 再びプラズマキャノンを放とうとチャージしていたGLMストークたち。だが、その装甲に着弾した柳火の炎はプラズマの制御を妨害する。さらにGLMストークの足元で爆発したキャノン砲は、プラズマキャノンの照準を狂わせた。
 狙いの定まらないプラズマキャノンならば、柳火にとって回避は難しくない。その弾幕の隙間を縫うように、風のように戦場を駆ける。
「弾幕ごっこなら、カクリヨでは嗜みの一つだぜ!」

 超高熱のプラズマキャノンの弾幕をくぐり抜けた先――敵の懐は、柳火の独壇場だ。
「一度懐に入っちまえばこっちのもんだ! ガーディアンシールド、守りは頼んだぜ!」
『お任せください。どんな攻撃でも防いでみせましょう』
 柳火は目の前のGLMストークに向け、腰から引き抜いた刀を一閃した。――否、それはただの刀ではない。ガーディアンシールドが『ブレードカウンター』で使用するエネルギーブレードだ。
 あらゆるものを斬り裂くエネルギーの刃が、GLMストークの胴体をまるで紙切れのように斬り裂いた。
「さすが段ボールの装甲。紙みたいに楽々切れるな!」
『いえ、あの装甲、普通に硬い材質でできてるのですが……』
 ガーディアンシールドのツッコミも聞き流し、柳火は振り向きざま、背後のGLMストークに居合斬りを浴びせる。他の敵からの攻撃は肩のシールドで受け流し、さらに流れるような動作でGLMストークの群れを斬り裂いていく。
 ――しばらくして、大部屋を守っていたGLMストークたちは、一体残らず沈黙することとなった。

「ふう、これで先に進めるな」
『私もこのままお供しましょう』
 火車合体した柳火とガーディアンシールドは、島の奥に向けてGLMストークを撃破しながら進んでいき――その最深部で巨大な敵影を目にすることになったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリン・フィニス
【決戦配備:クラッシャー・SPD】

……ふむ……迅速な突破が必要なのだな?
何処まで通るかはわからないが……手はなくもない

アクアシールドで攻撃を「受け止める」でなく「弾き」UCを使う。
立地柄、耐水性は得ていても、水中機動は困難だとみる。
よって周囲の壁や床を含めた無機物を海へと変換し、敵の足場を崩す……!
これで動きを止められればそのままサメットに騎乗して高速で泳ぎながらの凍結バブルで仕留める

だが念には念をだ、もし敵が水中機動や海中に落ちても攻撃を続行可能、もしくは思った以上に「海」を展開できなかった場合は、逆に相手が海に浸かった状態にしてからUCを解除、
「海」へと変換していた無機物を「元に戻し」敵を床や壁に「埋まった」状態にする…!

流石に海中から土中に変われば即座に対応はできない筈、そして地面に埋まった状態ならば……
……アースブレイカー殿の【アースクエイクブラスト】の支援を要請、身動きできぬ敵を地を伝うその衝撃波によって打ち破ってもらうぞ!




「――この拠点最奥部までの速やかな突破が必要、か」
 デウスエクス拠点『アビス・ヘイヴン』の各所に開いた洞窟を見上げ、蒼い全身鎧を身にまとったマリン・フィニス(蒼海の騎士・f26997)が性別のわからない声音で呟いた。マリンの眼前に広がるのは、キャバリアでも通れるくらいの巨大な洞窟であった。デウスエクス拠点の警備をする巨大ダモクレス兵も通る出入り口である。
 マリンは周囲の地形をじっくりと観察する。
 島は周囲を海に囲まれているが、それ以外は通常の地上部と、島の大半を占める山岳地帯――その内部は洞窟が張り巡らされたダモクレス工場――になっている。
「この条件であれば、あの策が使えるかもしれないな」
 マリンは意を決して洞窟へと足を踏み入れた。

「やはり、簡単に通ることはできないか」
 洞窟を進むことしばし。周囲の壁が天然の洞窟から人工的な金属質の通路に変わり、内部を警備する巨大ダモクレスをみかけるようにもなってきた。ここまでなるべく戦いを避けて進んできたが、今、マリンの眼の前に広がる大広間では、無数の巨大ダモクレスGLMストークが守りを固めていた。
「迂回路はなし。遮蔽物もない広間では、敵をやり過ごすこともできない、か。――仕方ない」
 マリンは魔法の水による盾『アクアシールド』を出現させると、それを左手に装着する。右手には魔法の短杖『バブルワンド』を構え、そのまま広間へと飛び出した。
 侵入者を検知したGLMストークたちが、その胴体下部に装着された機銃をマリンに向け、高貫通力の弾丸を無尽蔵に撃ち出してきた。銃弾の嵐がマリンに襲いかかる。
 だが、マリンは左手の盾を掲げると、大きな声で叫んだ。
「アクアシールドよ、凍れ!」
 マリンの身体を守る水の盾が凍りついていくと、それはマリンの身体を守る巨大氷壁となる。GLMストークたちの機銃は、傾斜のついた氷壁によって弾かれていく。

「よし、今だ! 来たれ、母なる海よ!」
 マリンはフラッドオブオーシャンを使い、自身から半径100メートル以上の範囲の床を海へと変換した。

 突如、足元が海へと変わったことで、GLMストークの群れは海中に落下する。
「やはり浸水で壊れるということはないか。――だが、機動力は落ちたはず」
 マリンの想定通り、海中に落とす程度ではGLMストークを倒すことはできないが、海中での戦いを想定されていない機体だけにほとんど動けずにいる。その二足を無闇に動かすが、それで金属の巨体が浮くことはない。
 一方のマリンは――。
「来い、サメット!」
 鮫魔術を使い、鮫を呼び出してその背に乗っていた。これなら海中も自由自在だ。
 マリンは右手のバブルワンドから、凍結した泡を放ち、GLMストークたちを攻撃していく。
 水中で動きを封じられたGLMストークたちは、次々とその機体を凍りつかされていった。

「――思ったより敵の数が多い、か」
 バブルワンドだけでGLMストークを全滅させるのは難しいと判断したマリンは、サメットを海中から飛び上がらせ飛行させると、地面を海に変えていたフラッドオブオーシャンを解除した。
 突然、海が元の地面に戻ったことで、GLMストークたちは床に埋まった状態になっている。
「よし、この状態ならば――! こちら、マリン・フィニス。|決戦配備《ポジション》クラッシャーを要請する」
『深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認。アースブレイカー、支援を!』
 ミオからの返答と同時。大広間に戦車が猛スピードで突っ込んできた。
 現れた戦車は空中に飛び上がると、人型の巨大ロボットへと変形する。
『フォームチェェエンジ! アースブレイカー、参上! ――って、随分すごいことになってるなあ、こりゃあ』
 大広間の床にGLMストークたちが埋まっているという状況を見て、アースブレイカーから呆れたような声が響く。
「アースブレイカー殿、あの地中に埋まった敵を、貴殿の技で撃破していただけないだろうか」
『なるほど、そういうことなら任せとけ!』
 アースブレイカーは、その両手のドリルを大きく振りかぶり、GLMストークたちが埋まっているあたりの床へと突き刺した。
『アースクエイクブラストォォ!』
 床へと突き立ったドリルが高速回転し、地面に衝撃波を発生させる。
 激しい振動に床が揺れ、ヒビが入って大きく割れていく。それは、床に埋まったGLMストークも例外ではない。激しい衝撃波によって機体を砕かれ爆散していった。
『よし、一丁上がりだぜ! この後も必要があったら、いつでも呼んでくれよな!』
「ああ、よろしく頼む」

 この後も、敵を海に落としたり、地面に埋めてアースブレイカーの技で一網打尽にしながら最奥部へとたどり着いたマリンは、そこで巨大な機影を目にすることとなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
【心情】
さて、ここからが本番だ

こういう大規模な決戦はガキの頃の戦争を思い出すな
最近、あの規模で作戦行動するのなんざ、第二次聖杯戦争以外ではあんまなかったし
※魎夜個人の話です

それじゃ、俺なりに援護させてもらうぜ

【決戦配備】
クラッシャー
アースブレイカーにWIZで遠距離からGLMストークを攻撃してもらう

【戦闘】
ロボットとの戦闘経験は豊富な方じゃねえが、神代にまで遡れば、似たような動きをするゴースト兵器やメガリスが暴れた例は0じゃねえ

数限りない魔性に異界からの来訪者の跋扈する銀の雨降る世界を守り抜いた嵐獅丸(ストームブリンガー)の力、見せてやるぜ!

『アビス・ヘイヴン』およびメガブレイブナイツに予測した敵の攻撃パターンを伝える
「あのロボットの動きの予測だ。上手く使ってくれ」

「勝者のカリスマ」で「鼓舞」しつつ、バイクを「運転」し、戦場を突っ走る
攻撃を「見切り」とUCの効果で回避しつつ、「斬撃波」でGLMストークを攻撃
拠点最奥部を目指す

護衛ですらこのレベルか
さて、最奥部にはどんな化け物が待ってるんだ?


セツナ・フィアネーヴ
洞窟か、それに数が多いみたいだが……
あまり時間をかけていられないんだな?

ケラヴノスに乗ったまま内部へ侵入、極力先行するぞ
敵に出会ったら、単体の場合は先手必勝、『BX-B 竜神嵐翼』で起こした暴風を障壁に突っ込み、
『BS-A 竜雷金剛爪』による電撃照射と、雷を帯びた爪での打撃を狙う
飛翔体なら風と嵐の影響はどうしても受ける筈、できれば早々に片づけたいところだな

敵が同時に複数現れたらUCを使う…!ケラヴノスの影の中から『災禍の武器』の一つ、【不和の投槍】を呼び出し敵に向けて投擲し、「同じ姿の存在」に対する強烈な不快感と嫌悪、殺意を植え付ける事による“不和の災い”……向こうの同士討ちを誘うぞ!

……隙は作った、アリシア!決戦配備:クラッシャー(POW)の要請を!
味方のアースブレイカーの攻撃と同時にこちらもケラヴノスの雷を放ち、不和を起こした敵集団を一気に片付けるぞ!!




 絶海の孤島『アビス・ヘイヴン』。
 デウスエクスの拠点となっているその島の奥に続く洞窟を、一台のバイクが疾走していた。周囲の地面は自然の岩肌から人工的な金属の通路に変わっている。それはつまり、この島がダモクレス工場と化していることを意味していた。
「こういう大規模な決戦は、ガキの頃の戦争を思い出すな」
 呟くのは、バイクを駆る赤髪の男性。銀誓館学園の卒業生である能力者、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)だ。かつて、銀誓館の生徒として戦ってきた数々の戦争の記憶が、バイクの明かりに照らされる影の中、魎夜の脳裏に浮かんでは消えていく。
「まあ、こないだの第二次聖杯戦争みたく、過去の戦争の再現じゃない分マシだけどな」
 魎夜はヘルメットを被った頭を振り、意識を集中する。今は過去の戦争ではなく、目の前の決戦に注力するときだ。
「それじゃ、俺なりに援護させてもらうぜ」
 魎夜はアクセルを吹かすと、闇を切り裂くように大型バイク『レッドバージョン』を加速させた。

 その魎夜のバイクと並ぶように、洞窟の中を巨大な影が飛翔していた。
「洞窟か……。ケラヴノスが飛びながら入れるくらい大きくて助かったな」
『油断しないでください、セツナ。これだけ広いということは、敵も自由に動けるということなのですから』
 飛翔する竜神機ケラヴノスに乗るのは、セツナ・フィアネーヴ(災禍貫く竜槍・f26235)と、セツナの友である精霊のアリシアだ。
「だが、あまり時間をかけていられない状況だ。多少の無理はしても先を急ぐぞ」
『そうですね。敵の切り札――起動させるわけにはいかないですね』
 セツナとアリシアを乗せ、雷霆の鋼機たるケラヴノスは大きく羽ばたき闇の奥へと飛び込んでいく。


「先の様子を見てきたが……ちょっとヤバいな、こりゃ」
 バイクから降りて周辺の様子を偵察してきた魎夜が、苦い顔で報告する。
 それを聞くのは、ケラヴノスを後方で休ませているセツナだ。
「敵か……?」
「ああ。この先の巨大地下空洞に巨大ダモクレスがわんさか待ち伏せてやがる」
『嫌な予感がするという暗都さんの勘が当たってしまいましたね。迂回路は……?』
 アリシアの問いに魎夜は首を振る。
「先に進む道は、巨大ダモクレスたちが守ってる通路のみ。飛んでいこうにも、遮蔽物がないから撃ち落としてくれと言わんばかりだな」
「……ならば、多少危険でも強行突破するしかないな」
 決意に満ちたセツナの表情を見て、魎夜も力強く頷いた。
「ああ、それでこそ学生ってもんだ。――世界は違えども、な」

『セツナ、敵影、約20です』
「これは確かに、ケラヴノスで頭上を飛んでいったら撃ち落とされるな……」
 巨大ダモクレス――GLMストークたちが守る地下空洞を見下ろしながら、ケラヴノスの内部でアリシアとセツナが言葉を交わす。
 その下方、地上でも大型バイクに乗った魎夜がGLMストークの群れを観察していた。
「作戦通りに行くぞ」
 先に飛び出したのは、セツナとアリシアが乗るケラヴノスだ。竜神機は、まるで雷鳴のような咆哮をあげながらGLMストークの群れに突撃していく。

 上空から飛翔してきたケラヴノスに気づいたGLMストークたちが、次々と胴体側面のミサイルポッドからミサイルを発射する。それは光学迷彩機能付きのミサイルであり、威力の低下と引き換えに、その視認性を著しく低下させることができるのだ。
 ほぼ不可視となったミサイルがケラヴノスに迫る。
「ケラヴノス、|竜神嵐翼《ティフォナス》!」
 セツナの指示と同時に、ケラヴノスがその翼を羽ばたかせた。竜神機の翼は嵐の障壁を生み出し、迫りくるミサイルを乱気流によって吹き飛ばした。
 ――だが、GLMストークの群れが放ったミサイルをすべて吹き飛ばすには至らない。
『セツナ、障壁を抜けてきたミサイルが!』
 嵐の障壁をくぐり抜けてきたミサイル群が、乱気流を背景に光学迷彩を解除した。それらのミサイルは四方八方からケラヴノスへと迫り――。
「セツナ、上だ!」
「――ケラヴノス!」
 魎夜の声に、セツナは反射的にケラヴノスに指示を出した。
 急上昇するケラヴノス。それを追尾してくるミサイルの群れ。だが――。
「よし、ひとまとまりになれば――」
 ケラヴノスは両手の鉤爪、|竜雷金剛爪《ディアマンテタロン》を大きく振りかぶると、その指先から電撃を照射した。
 足元から迫るミサイルは、電撃を受けて空中で誘爆していく。

『助かりました、暗都さん』
「なに、気にするな。同じような攻撃をしてくる敵が、昔にもいたってだけのことだ」
 魎夜が使ったのは|銀の嵐の記憶《メモリー・オブ・シルバーレイン》。魎夜の経験と歴代のストームブレイカーの記憶から、敵の攻撃への対処法を引き出すという能力だ。
「ロボットとの戦闘経験は豊富な方じゃねえが、似たようなゴースト兵器やメガリスがいなかったわけでもねえ。ならば銀の雨降る世界を守り抜いた|嵐獅丸《ストームブリンガー》が負ける道理はねえ!」
 吼える魎夜は、自身もバイクに乗ってGLMストークの群れへと突撃する。
 だが、生身で突っ込んでくる魎夜は、GLMストークたちにとってはいい的だ。その胴体のミサイルポッドから、無数のミサイルが撃ち出され、光学迷彩によってその軌道がかき消えた。
 しかし、飛んでくる不可視のミサイルは、まるで光学迷彩の効果がないかのように、魎夜によって軽々と避けられていく。
「残念だったな。俺たちの世界には、ロボットとかミサイルよりも見えない敵の方がよくいるんだわ。それに――俺たち銀誓館の能力者に、一度見せた技は通じねえよ」
 バイクでGLMストークたちの懐に入った魎夜は、炎を模した魔剣を振りかぶると、その刀身から斬撃を飛ばしてGLMストークを斬り払っていく。
「ちっ、さすがに数が多いか――だが、俺たちは諦めねえ!」

「――ああ、同感だ。遅くなった、加勢する!」
 GLMストークたちが地上の魎夜に気を取られている隙に上空から接近したセツナがケラヴノスを着地させる。
「来い、『災禍の武器』……|不和の投槍《ディセンション・スピアー》!!」
 セツナの声とともに、ケラヴノスは自身の影の中から一本の槍を取り出した。それは、まるで影のように黒い色をした投げ槍だった。『災禍の武器』――セツナが封じている災竜の力の一端である。
「悪いが、今でも制御が難しいんだ……、恨むなよ……」
 ケラヴノスは不和の投槍をGLMストークの群れに向かって投げつける。それはまるで実体を持たない影のように空中で分裂し、GLMストークたち全体に雨のように降り注ぐ。
 黒き槍が命中したGLMストークたちは、突然、ケラヴノスや魎夜のことが目に入らなくなったかのように、GLMストーク同士でミサイルの撃ち合いを始めた。不和の投槍の力で「自身と同じ姿の存在」に対する不快感を植え付けられたのだ。

「隙は作った! とどめを刺すために決戦配備の要請を!」
「おう! こちら暗都・魎夜、|決戦配備《ポジション》クラッシャーを要請するぜ!」
『深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認します』
 『アビス・ヘイヴン』近海で待機している巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室から、ミオの応答が返ってくる。
 ――そして、その直後、魎夜とセツナたちの前に一体のロボットが姿をあらわした。
『アースブレイカー、只今参上だぜ! ――どうやら、そいつらを倒す手助けをすればいいみたいだな!』
 アースブレイカーの言葉に、魎夜とセツナが頷く。
「いくぜ、滅びの業火!」
「ケラヴノス、|竜雷金剛爪《ディアマンテタロン》!」
『いくぜぇ、メガトンミサイルにドリルストォォム!!』
 三人の一斉攻撃によって、同士討ちをしていたGLMストークたちは成す術もなく爆発四散。
 地下空洞を守っていた巨大ダモクレスは全滅したのだった。

「やれやれ、護衛ですらこのレベルか……最奥部にはどんな化け物が待ってるんだ?」
「それを確かめるためにも、先を急ごう」
 こうして、最奥部にたどり着いた魎夜とセツナたちは、暗闇に佇む巨大な影を目にすることになるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルンバ・ダイソン
【箱庭】
サイズ的にちょうどいいので、俺はちびのえさんと組むか。いざという時には超合金ボディで盾になれるしな。
さて、次は洞窟か。核ミサイルやら、天体破壊用レーザー砲やらを使うと洞窟ごと崩れてしまうな......。ここは秘密兵器を使おう。
「お友達製造機~!」(謎の効果音と共に怪しげな自販機みたいなマシンを取り出す)

説明しよう! お友達製造機とは、捏造した過去の記憶を語り聞かせることで、そのエピソードを聞いた者達とお友達になることができるマシンだ! とある世界ではボッチの為に作られたそうだが、悪用する者が続出したため、あっという間に回収騒ぎになった危険物だ。

このマシンを使い、オブリビオン達をおびき出す!
俺は猟兵に捕まった哀れな虜囚(ロボット)という設定にしよう。
みんな、助けてくれー(棒読み)
ノコノコ出てきたオブリビオン達は箱庭の仲間たちに蹂躙されるはずだ。
え? 人の心はないのか、だと? 俺はウォーマシンだからな。そんなものはない(ダークヒーロー)


スルーズ・イデアール
【箱庭】

いよいよ上陸だね…
でもまだ先は長そうだから、気を引き締めていかないと…!

ここからはアーマーを|Type-L《陸戦型》に替えて戦っていくよ

通路が整備されているとはいえ、洞窟の中だから、そこは壊し過ぎないように、かな?
念のため、攻撃の際はできるだけよく狙っていこう

また、みんながマップデータを作ってくれたらそれを参照しつつ、私達が進むルート外からの奇襲に警戒
みんなにもそれを伝えつつ、みんなの進み方次第ではそちらへの対処を重視していくよ

決戦配備は、そういった地形や敵のスキャンや奇襲阻止のために、ジャマーのシャドウミストさんにお願いしていこう

マルチライフルで牽制と誘導をして
みんなが狙いやすくしながら
私もそこへバックキャノンやミサイルポッドで狙い撃つよ
ここでもシャドウミストさんと連携していけたら連携を!

敵の攻撃は【ダッシュ】での回避を中心に、ライフルや近接武器での迎撃を交えていくよ

その中で、敵をまとめて攻撃できそうなチャンスには「ブレードウェーブ・スラッシャー」で一気にまとめて切り払う!


桐嶋・水之江
【箱庭】
島の洞窟を利用して要塞化したのかしら?
この手の拠点を攻略しようとすると手間なのよねぇ
いっそ巡航ミサイル撃ち込めれば楽なんだけれどね
ま、あんまり簡単に終わらせちゃうと理緒さんの言う通り|作戦終了後のごほうび《桐嶋技研の製品を売り付ける》に支障が出るし?
依頼主の注文に沿うのがプロフェッショナルってやつよね

引き続きカナリアで行くわよ
突入口はディープブルーとネルトリンゲンで確保してくれるみたいだし、錫華さんと一緒にズンドコ進攻していきましょうか
決戦配備はサンクチュアリシールドでよろしく
内部は入り組んでいそうね
ちびのえさんを放ってマッピングの手伝いをさせるわ
ついでに歩兵戦力にもなるわね
面倒だから嫌?踏み潰すわよ?

速射モードのメガビームキャノンで制圧射撃しながら前進
目に付く敵は片っ端から蜂の巣よ
幅の広い通路なら拡散モードで面制圧するわ
近付かれたら慌てず騒がずプラズマガントレットで雷パンチ
火炎放射の熱についてはご心配なく
カナリア装甲と決戦配備の守りがあるわ
ストークのプラズマ弾も同様よ


菫宮・理緒
【箱船】

これって島が要塞化してるってことだよね。
しかも出入り口は洞窟か。

ね、ちゃんミオ。洞窟に巡航ミサイルとか撃ち込むのは……。
ダメ? やっぱり?
『おねーちゃん、それだと島が沈んじゃうからね』
と、『希』ちゃんに、島をスキャンした|要塞の見取り図《ダンジョンマップ》を見せられるよ。

それじゃわたしは【セレステ】で出るね。
『希』ちゃんは、ちゃんミオの護衛しつつ、全体のサポートよろしく。
メガブレイブナイツのみんなに無事に帰ってきてもらわないと、
|作戦後のごほうび《桐嶋博士との極秘ミッション》がダメになっちゃうからね。

さてそれじゃ『希』ちゃん、ちゃんミオ、
空母と潜水艦の武装で、みんなが突撃する洞窟の入り口のクリアリングお願い。
入り口付近の『GLMストーク』吹っ飛ばしちゃってー。
ミサイルも通常弾ならいけるよね。

洞窟の中に入ったらキャスターに支援要請して、ウイルスを散布。
ストークのフレームを腐食させて、行動不能にしていくよ。
安全になったら奥へごー、だね。


支倉・錫華
【箱船】

『錫華。スキャン結果から、要塞格納庫らしき場所のエネルギー係数があがっています』

なるほどね。
ここの護りは、あの機体が起動するまでの時間稼ぎってことか。

アミシア、スピード勝負になりそうだから、
『希』ちゃんから地図をもらって、最短コースを割り出しておいて。

わたしはその間に機体のリチューン。
射程距離5倍、攻撃回数半分でいくよ。

洞窟の入り口付近がクリアになったら突入。
【AMIS-FL30】で、火炎放射しながら洞窟を進んでいくよ。
同時に【メディック】に支援要請。シールドを張ってもらおう。

炎の照り返しをシールドでキャンセルしながら、
洞窟の奥の方まで灼き尽くしながらいくことにするね。

『錫華、いつもより炎が大きいことに留意してください』
了解。洞窟がどこで繋がってるかと、味方のマーカーの把握は細かにお願いね。
某爆弾男のやりすぎ爆風みたいになっちゃってるからね。

やー、これだけ強力な炎見てると、ヒャッハーな気分がちょっとわかっちゃうね。
そういえば景気よく燃やしちゃってるけど、弾薬に誘爆とかしないよね?




 デウスエクスの拠点『アビス・ヘイヴン』。
 その近海で待機する巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室に、深海ミオ大佐の悲鳴のような声が響いた。
「洞窟に巡航ミサイル!? 洞窟内に味方が強襲をかけているのですよ! ダメに決まっているではないですか!」
『えー、やっぱりだめ?』
『当たり前だよ、おねーちゃん。それに、そんなことしたら、島の構造によっては島が沈んじゃうかもしれないからね』
 通信機から聞こえるのは、ミネルヴァ級戦闘空母ネルトリンゲンに乗る菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)と、そのサポートAI『希』の声だ。
『じゃあじゃあ、ちゃんミオ!』
「誰が、ちゃんミオですか!」
『空母と潜水艦の武装で、みんなが突撃する洞窟の入り口のクリアリングをするのはだめかな?』
『深海ミオ大佐、洞窟入り口近辺のみのスキャン結果ですが、標的の洞窟は他の猟兵が突入したルートとは繋がっていない洞窟です。計算によれば、通常のミサイルであれば洞窟の崩落の危険もないかと』
 希が提示してきたデータと作戦計画書に素早く目を通し――。
「確かに、これなら危険はないですね。作戦を許可しましょう」
 深海ミオ大佐は、疲れたようなため息を大きく吐いたのだった。


「それじゃ、希ちゃん! わたしはセレステで出るから、あとお願いね!」
『わかったよ、おねーちゃん。こちらネルトリンゲン。ミサイル発射準備完了しました』
『こちらディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。こちらも対地ミサイル、いつでも行けます。カウントダウン開始――』
 『アビス・ヘイヴン』近海に浮かぶ空母と巨大潜水艦が、同時にミサイルハッチをオープンする。そこからせり出してくるのは、垂直発射式の対地ミサイルだ。
『対地ミサイル発射!』
 ミオの声と同時に、数発のミサイルが噴煙を吹き上げながら青空に向かって上昇していく。放物線の軌道を描いたミサイルたちは、『アビス・ヘイヴン』の洞窟――そのひとつに向かって落下。着弾と同時にまばゆいばかりの閃光と、激しい轟音を撒き散らした。
 このミサイルの直撃を受けては、当然ながら洞窟の入口は無事では済まない。洞窟の入り口は完全に崩落し――その奥に金属質な通路が口を開けていた。
『普通なら、このミサイル攻撃で洞窟の入り口も埋まってしまうところですが――島がダモクレス工場に作り変えられていることを計算して、あえて最短経路を作ったというわけですか』
 ミオはネルトリンゲンの高いスキャン性能と、希の計算能力に、驚愕の表情を隠しきれなかった。

「よーし、これで島の奥に向かう入り口ははっきりしたね! 近くを警備してたダモクレスも、ミサイルで吹き飛んだみたいだし!」
 宙間戦闘艦『RI-21A リオ・セレステ type-W.E.A-』に乗って洞窟の入口に向かって飛ぶ理緒。洞窟だった残骸の岩石に混じって、ひしゃげたダモクレスの機体の残骸がいくつも目に入ってくる。
 理緒は、そのまま洞窟に突入――したりするはずもなく、さらにダメ押しのためにディープブルーフォートレスに通信を送る。
「こちら、菫宮理緒。ちゃんミオ、|決戦配備《ポジション》キャスターを要請する、よー」
『誰が、ちゃんミオですか。――こほん。深海ミオ大佐、|決戦配備《ポジション》キャスター、要請承認します』
 ミオの承認と同時に、セレステの近くに魔法陣が浮かび上がり、そこに1機のロボットが虚空から姿を現した。
『マジカル・ヴォルテックス、呼ばれたから来たよー』
「強化魔法をお願いする、ねー」
『よーし、任せて! グランドエンチャント!』
 マジカル・ヴォルテックスの機体から輝く光が放たれたかと思うと、それが理緒とセレステを包み込む。味方を強化する強化魔法だ。
「一応、敵味方は識別するけど、ちょーっと危険だから、マジカル・ヴォルテックスは下がってて、ねー」
 理緒はマジカル・ヴォルテックスが十分に距離を取ったことを確認すると、セレステのハンドルに付いたボタンを押し込んだ。機体の前方から噴出する霧のようなもの――それはストラクチュアル・イロージョン。GLMストークの機体を腐食させるウィルスだ。
「それじゃ、ちょっと洞窟の中に、ウィルス散布してくる、ねー」
 そう言い残し、理緒はセレステを洞窟内に突入させ――入口近辺のGLMストークを全滅させたのだった。


「さて、理緒さんは随分派手にやったみたいだね」
『はい、標的の洞窟入り口がほとんど吹き飛んだ模様です』
 黒い量産型キャバリア『ナズグル』の機体をチューニングしながら会話をしているのは、支倉・錫華(Gambenero・f29951)と、そのパートナーユニットであるアミシアだ。
 洞窟突入予定地点からかなり離れた場所に待機していたというのに、ミサイルの爆発によって巻起こった突風のせいで錫華の服は砂利だらけになっている。こういうときは、実体のないアミシアが羨ましい。
「まあ、何にせよ、わたしのやることに変わりはないよね。機体の射程距離を伸ばしていくよ」
 錫華は、ナズグルの装甲板を開けて機械系を微調整していく。武器の射程距離を伸ばすために、腕部関節の衝撃吸収性能を上げて、命中精度を確保する必要がある。他にも機体制御OSの武器情報の更新など、やることは山積みだ。
『錫華、希さん経由で、理緒さんがクリアリングした範囲のマップを入手しました』
「じゃ、そこから最短で奥に行けるルートの選定をよろしく。今回はスピード勝負だからね」
 錫華はナビゲーションをアミシアに任せると、チューニングによる最適化が完了したナズグルの制御OSを起動する。
「支倉錫華、ナズグル、出るよ」
 簡易ハンガーからナズグルを発進させた錫華は、ミサイルによって露出した金属質な洞窟の入り口へと機体を滑り込ませていった。

「内部は――ダモクレスの残骸ばかりみたいだね」
『このあたりのGLMストークは、理緒さんのウィルスによって壊滅しています。未踏領域はこの先です』
 コックピットのモニタに映る巨大ダモクレスの残骸――まるで百年近く風雨に晒されてきたかのごとく金属の装甲板が腐食している――を見ながら、錫華は頷く。
「了解」
 キャバリア用火炎放射器『FdP AMIS-FL30』を構えると、ナズグルは警戒するように周囲を確認しながら洞窟の奥に進んでいく。
『錫華、敵反応です!』
 アミシアによってナズグルのモニタに表示されたのは、物影に隠れているGLMストークの姿だ。
 GLMストークは、侵入者であるナズグルに向かってプラズマキャノンを発射しようとし――。
「させないよっ!」
 射程距離が伸びた火炎放射器の炎が、GLMストークのボディを熱する。2000度にも達する火炎は、ダモクレスの装甲の耐熱限界を越え赤熱させていく。
 さらに、GLMストークの胴体側面に装着されたミサイルポッドや、胴体下部の機銃の弾薬庫に火炎放射器の炎が着火。誘爆により、GLMストークは巨大な火の玉になって爆発四散した。
 ――そして、誘爆して四方八方に飛び出したミサイルが、ナズグルの方にも飛翔してくる。
「っと、このままだとナズグルも誘爆に巻き込まれるね。こちら支倉錫華、|決戦配備《ポジション》メディックを要請するよ」
『深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》メディック、要請承認します』
 ミオとの通信が終わると同時に、錫華の元に救急車が走ってきて、人型の姿に変形した。
『フォームチェンジ! お待たせしました、ヒーリングウェーブです』
「よろしく、ヒーリングウェーブ。悪いけど、バリアを張ってもらえないかな?」
『承知いたしました。サンクチュアリシールド!』
 ヒーリングウェーブのボディから、光り輝く粒子が広がり、ナズグルの機体を包み込んだ。この光は、味方を包む強力なシールドバリアだ。
 爆発したGLMストークから飛んできたミサイルがシールドバリアに命中するが、その爆風はナズグルまでは届かずに光の壁で阻まれる。
「これなら、弾薬への誘爆も気にせずに進めるかな」
 ヒーリングウェーブを帰した錫華は、再びナズグルで洞窟の奥へと進んでいく。火炎を放射しながら進んでいるため、GLMストークと遭遇しても敵が先に誘爆して自爆するという寸法だ。ナズグルはシールドバリアのおかげで誘爆を気にする必要もない。
 物影に隠れている敵ごと景気よく周囲を燃やしながら進む錫華には、世紀末を感じさせる雰囲気があった。
『錫華、いつもより炎が大きいことに留意してください。味方を蒸し焼きにしてしまったら笑い話にもなりません』
「了解、味方の識別反応があったら、すぐに教えてね」

 こうして、錫華の乗るナズグルは、長大な火炎で派手にGLMストークを爆散させながら、洞窟の奥へと進んでいった。


「理緒さんと錫華さんからマップデータが送られてきたよ。かなり奥の方までGLMストークを掃討できたみたい。最深部に向かう道はこっちだよ」
 自身と同じ姿をしたジャイアントキャバリアに搭乗したスルーズ・イデアール(レプリキャバリア・f30206)が、送られてきた情報を分析しながら同行する仲間たちに情報を共有する。
 スルーズが乗る機体は、いま、陸戦型の『CGアーマー:Type-L』を装着し、防御力を強化している。腕部アーマーに接続されたマルチライフルを周囲に向け、奇襲を警戒しながら洞窟の奥を目指していく。
「内部は要塞化されてて入り組んでるのね。この手の拠点を制圧するのは面倒なのよねえ。このあたりもまとめてミサイルで吹き飛ばせたら楽だったのにね」
「いや、洞窟の入口だけならともかく、内部までミサイルやら天体破壊用レーザー砲やらを使うとダモクレス工場ごと崩れてしまうだろう。そうなったら、突入した味方も全滅だ」
 物騒なことを言う桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)に対し、パンダ型ウォーマシンのルンバ・ダイソン(機械の掃除屋・f13195)が冷静な判断を口にする。
「やあねえ、冗談よ」
「――冗談に聞こえないのが怖いよね」
 水之江の言葉に、スルーズが素直な感想を呟いた。

「錫華さんが踏破したのは、この階層までだよ。この先はまだ探索されていないから気をつけて」
 マップを確認しながら、スルーズが下へと続くスロープを指し示す。暗闇に口を開けた未探索の通路からは、今にも敵が現れそうだ。
「じゃあ、斥候を出そうかしら」
 水之江が乗る黄金色の装甲のキャバリア『カナリア』のコックピットハッチが開き、100体以上の小さな人影が飛び出してきた。デフォルメされた水之江のような姿をした小人たちの群れの名前は、ちびのえさん軍団。水之江本人と同じくとても性格が悪い、闇属性の小人たちである。
「さあ、ちびのえさんたち、先行して偵察をしてくるのよ。なんなら敵を全滅させてしまっても構わないわよ。いえ、むしろ敵を全滅させてきなさい」
 水之江の命令を受けた、ちびのえさんたちは、その命令に素直に従う――はずもなく。
 手に手に『パワハラ反対』とか『労働者に権利を』とか『BBAは引退しろ』といったプラカードを掲げて抗議デモを開始していた。
「あら、どうやら反抗的な従業員がいるようねえ? いい? 桐嶋技研では私が法よ。逆らうなら人体実験――こほん、最新技術の臨床試験に立候補してもらうけれどいいかしら?」
 カナリアの外部スピーカーから聞こえる水之江の声からは冗談の色は伺えない。
 それが本気の警告だと悟った、ちびのえさんたちは、非人道的な実験で闇に葬られるよりも社畜としてダモクレスと戦うことを選び、洞窟の奥へと足を進める。
「よし、俺はちびのえさんたちと組むか。いざという時には超合金ボディで盾になれるしな」
 同行を申し出たルンバの言葉に、ちびのえさんたちは、まるでヒーローを見るかのような眼差しを向け――ルンバを先頭に立たせて盾にしながら調査を開始した。


「ここは秘密兵器を使おう」
 ごそごそと荷物を漁るルンバの姿を見て、ちびのえさんたちが『秘密兵器?』というプラカードを掲げながら首をかしげた。
「あったあった、おともだち製造機~!」
 謎の効果音を鳴らし、高めの声でルンバが取り出したアイテムは、自動販売機のようなマシンだった。
 『おともだち製造機?』『え、おともだちってお金で買うものじゃないの?』『拷問器具かな?』という疑問のプラカードを掲げるちびのえさんたち。
「こほん。説明しよう。おともだち製造機とは、捏造した過去の記憶を語り聞かせることで、そのエピソードを聞いた者たちとお友達になることができるマシンだ! ――だが、悪用する者が続出したため、あっという間に回収騒ぎになった危険物だ!」
 その説明を聞いたちびのえさんたちは、『BBAなら、絶対悪用するもんね』『おともだちという名の社畜にされて、サービス残業で殺されそう』『BBAにだけは絶対渡せないね!』といったプラカードを掲げていく。
 『それで、その危険なマシンをどう使うの?』というプラカードを掲げた一人のちびのえさんに、ルンバは作戦を告げる。
「俺はこのマシンを使い、デウスエクスをおびき出す!」

 島の最深部へと続く通路を、3機のGLMストークが守っていた。
 どの機体も光学センサーやサーモセンサー、ソナーにレーダーなど、対象が光学的な迷彩を展開していても見逃さない備えをしている。センサーに敵の姿が映れば、機銃で一瞬のうちに蜂の巣だ。
 そんなGLMストークたちの集音マイクが、通路の前方から聞こえてくる音声信号をキャッチした。
「おーい、助けてくれー。猟兵に捕まってしまったんだー。俺のことは覚えているだろう? かつて、共に厳しい修行を乗り越えた仲間の俺だ!」
 その声を聞いたGLMストークたちの電子回路に、経験したことのない電気信号が流れた。――それは友情という感情に相当するシグナルだったのだが、このダモクレスにそれを理解する知性はない。だが、それでもGLMストークたちは、この場所の警備という最重要命令を無視して、助けを求める声の元へと向かっていった。かつて共に苦難を乗り越えた友を助けるために!

 そして、GLMストークたちが通路の曲がり角を曲がったところで――武器を構えたルンバとちびのえさん軍団の姿が目に入る。
「ノコノコと、おともだちを助けに来てくれたところを悪いな。お前たちはここで殲滅させてもらう。俺はお前たちのことなど友だとは思ってないからな」
 ルンバの言葉に、ちびのえさんが『うわ、人の心ないわー』というプラカードを掲げる。だが、ダークヒーローであるルンバはニヒルに答えた。
「俺はウォーマシンだ。人の心など持ち合わせていない」
 3機のGLMストークは、おともだちに対して迎撃行動に入るという選択肢を選ぶことができないまま、ルンバのライトアームキャノンと、ちびのえさん軍団の闇の攻撃で、撃破されたのだった。

「こちらルンバ。進路クリアだ」


「この奥が最深部に通じてるはずだよ――けど、さすがに敵の警備も厳しいね」
 ルンバとちびのえさんたちが確保した通路を抜け、スルーズが広間を指さした。
 その広間では――無数のGLMストークたちがプラズマキャノンの砲口を向けながら、侵入者を待ち構えていた。
「まあ、こうなったら正面突破といきましょうか」
 カナリアを駆る水之江が前に出る。
 そこにスルーズも並んだ。
「そうだね、一気に最深部まで突破しよう! こちらスルーズ・イデアール、|決戦配備《ポジション》ジャマーを要請するよ!」
『こちら、ディープブルーフォートレスの深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》ジャマー、要請承認します』
 ミオとの通信の直後、何もない空間から染み出すように、光学迷彩を解除したロボットが姿をあらわした。
『シャドウミスト、援護に入ります』
「うん、よろしくね、シャドウミスト」
 スルーズは、BSマルチライフルでGLMストークを射撃して敵の注意を引き付ける。
 射撃を受けたGLMストークたちは、まずスルーズから排除しようとプラズマキャノンの砲身を向けて、超高密度のプラズマ弾を撃ち出し――。
『ダークヴェール!』
 GLMストークたちが攻撃する直前、シャドウミストが周囲を暗闇に包み込んだ。この空間内では、GLMストークたちのあらゆるセンサーが無効化され、シャドウミストやスルーズの存在を感知できなくなる。
「ありがとう、シャドウミスト!」
 デタラメに発射されたプラズマキャノンならば、回避するのは難しくない。スルーズはダッシュでプラズマキャノンの合間を縫うように回避しながら、GLMストークたちとの距離を詰めた。そのまま、対装甲用ダガーや高速振動爪でGLMストークたちの装甲を斬り裂いていく。
「これもおまけだよ!」
 さらにバックユニットに装着されたキャノン砲の砲撃で、プラズマキャノンの発射態勢に入っていた機体のプラズマ炉を破壊してプラズマを誘爆させ、ミサイルポッドでGLMストークたちのセンサーを潰していく。

「スルーズさん、カナリアのエネルギーチャージの時間を稼いでくれて助かったわ」
 シャドウミストのダークヴェールによる闇が晴れたところに――まるでより深い闇のような水之江の声が響いた。彼女が乗るカナリアは、すでに両肩部の大型荷電粒子砲の展開・チャージを終えており、その巨大な砲身をGLMストークに向けていた。
「へえ、プラズマキャノンね。カナリアのメガビームキャノンの威力とどっちが上かしら?」
 挑発するような水之江の声。そこに向かってGLMストークのプラズマキャノンから超高熱のプラズマ弾が放たれた。
 カナリアはその攻撃を回避する素振りも見せない。プラズマ弾はまっすぐにカナリアに吸い込まれていき、その金色の装甲表面で炸裂した。
 超高密度プラズマによる一撃を防げる装甲など存在しない。プラズマ弾の直撃を受けたカナリアは、その超高温によって融解――するはずだった。
「あらあら、残念でした。このカナリアの黄金の装甲は、荷電粒子――つまりプラズマの伝導を遮断する特殊装甲なの。せっかくの必殺兵器が無力化されて残念だったわねぇ」
 水之江の勝ち誇った声が戦場に響き――。
「それじゃあ、今度はこちらの荷電粒子砲の番よね」
 カナリアのメガビームキャノンが発射され、GLMストークをそのプラズマの奔流で消し飛ばす。


 だが、島の最深部へ通じる通路から、さらなるGLMストークの群れが姿をあらわした。
「さすが、最深部だけのことはあるね……」
 呟いたスルーズは、腕のレーザーブレードを展開してGLMストークたちと対峙する。
 消耗戦になったら、数で勝るGLMストークの方が有利だ。それがわかっているGLMストークたちは、スルーズとカナリアを包囲するように陣形を組んでいく。
 それを見たスルーズが、GLMストークたちに向かって声をあげた。
「そろそろ、かな。あなたたちの敗因は、奇襲への備えを怠ったことだよ!」

 スルーズの言葉とともに、戦場に一台の宙間戦闘艦が飛び込んできた。
「お待たせー! ダモクレスの工場中にウィルスを撒いてたら、遅くなっちゃった、よー」
 セレステに乗った理緒は、GLMストークたちに向かってストラクチュアル・イロージョンを放つ。それはダモクレスの装甲をあっという間に腐食させ、機体をボロボロにしていった。

「いやぁ、工場の弾薬庫に誘爆しちゃった時は死ぬかと思ったね」
『だから、あれほど火炎放射器の威力には注意してくださいと――』
 広間の天井が轟音と共に崩れ落ちたかと思うと、そこから黒いキャバリア、ナズグルが降ってきた。
「お、どうやら合流に成功みたいだよ、アミシア」
 ナズグルを駆る錫華は、火炎放射器から極大の炎を放つと、GLMストークたちを燃やし尽くしていく。

「俺のことも忘れてもらっては困るな。別方向の偵察をしている間に戦いになっていたとはな」
 広間に通じるもう一本の通路から姿をあらわしたルンバが、GLMストークたちを指差し叫ぶ。
「行け、俺のおともだち、ちびのえさんたちよ! 思い出せ! 俺と君たちが共に過ごしたあの学生時代を!」
 『おともだちのために頑張るのです!』というプラカードを掲げたちびのえさん軍団が、ハイライトの消えた瞳で、闇属性攻撃を放つ。その攻撃はGLMストークたちを撃破していった。

「さて、カナリアの力がこの程度だと思われても困るから、もう少しだけ働こうかしら」
 カナリアに乗った水之江も、メガビームキャノンを拡散射撃しつつGLMストークに接近すると、その左腕で帯電しているプラズマガントレットで敵の装甲をぶち抜いた。

 こうして、いよいよ残るGLMストークはあと数機となり――そこにスルーズがレーザーブレードを向けた。
「ブレードモード変更……」
 スルーズの右腕に装着されたレーザーブレードが、まばゆい光を放つ。
 レーザーブレードが大きく振りかぶられると、一段とブレードの光が強くなり――。
「まとめて、切り払う……!」
 振り下ろされると同時に、光の刃がGLMストークたちに向かって飛んでいき、直線上のダモクレスを薙ぎ払い爆散させた。

 こうして、一行は『アビス・ヘイヴン』の最深部へと到達し――そこで巨大な影をみることになるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『レヴィアタン』

POW   :    巨鯨上陸
単純で重い【脚部ユニット】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    インビジブル・ワン
見えない【ステルス型ダモクレス】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    ロールアウト
レベル×5体の、小型の戦闘用【新型ダモクレス】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



『なんだ、この巨大なダモクレスは……!』
 アースブレイカーが目の前の巨大な影を見上げて、思わず呟いた。
 デウスエクス拠点『アビス・ヘイヴン』の最深部に到達したメガブレイブナイツと|猟兵《ケルベロス》たち。――その眼前にそびえ立つのは、『アビス・ヘイヴン』最深部に眠る巨大ダモクレス戦艦であった。
『ディープブルーフォートレス作戦司令室の深海ミオ大佐です。こちらでも映像を確認しました。――特務機関DIVIDEのデータベースと照合。そのダモクレスは、レヴィアタン級の戦艦です! メガブレイブナイツおよびケルベロスの皆さん、レヴィアタンが起動する前に破壊を――』
 しかし、ミオの言葉が終わる前に『アビス・ヘイヴン』が大きく揺れた。
 レヴィアタンの巨体が、拘束ボルトを強制排除しながら動き出す。侵入者に対する自動防衛機構が発動したのだ。
『いけません、皆さん、すぐにその場を離れてください!』
 ミオからの悲痛な声が届くが、ここは『アビス・ヘイヴン』最深部。簡単に脱出できる場所ではない。
 レヴィアタンは、その巨大な前足を大きく振りかぶり――|猟兵《ケルベロス》たちの頭上へと叩きつけた。

 ――だが。
『そうはさせません、フォートレスウォール!!』
『僕もやるよ、マジックリバース!』
『こういう場合は私にお任せください。サンクチュアリシールド』
 ガーディアンシールド、マジカル・ヴォルテックス、ヒーリングウェーブの防御技が、レヴィアタンの足を|猟兵《ケルベロス》たちの頭上で押し留めた。
『今だ! ドリルゥゥストォォォム!!』
『受けろ、ヘッドショットマスター』
 アースブレイカーとロングショットの攻撃がレヴィアタンを怯ませる。
『ダークヴェール! 皆さん、今のうちに後退を!』
 シャドウミストの援護の元、メガブレイブナイツと|猟兵《ケルベロス》たちは、洞窟の外へと退避したのだった。


『ケルベロスの皆さん、レヴィアタン級戦艦はここで必ず沈めます。――そのために、ディープブルーフォートレスも、全力で戦いましょう』
 ミオの言葉とともに、『アビス・ヘイヴン』近海で待機していた巨大潜水艦ディープブルーフォートレスの動力炉が轟音を上げ始めた。それと同時にディープブルーフォートレスが海上を加速し疾走する。
『対デウスエクス決戦兵器、巨大空中戦艦ディープブルーフォートレス――テイクオフ!』
 巨大潜水艦――否、巨大空中戦艦は、その後部から激しくプラズマジェットを噴出しながら、空へと飛び上がった。折りたたまれていた左右舷の飛翔翼が大きく広げられ、まるで鳥のような形状へと変形する。
『|重力制御《グラビティ》エンジン、安定稼働。これより、ディープブルーフォートレスも戦闘を援護します! 皆さん、どうか力を貸してください!』

●|決戦配備《ポジション》について
 対デウスエクス決戦兵器、巨大空中戦艦ディープブルーフォートレス(略記DBF)が起動しました。
 これにより、|猟兵《ケルベロス》の皆さんは、メガブレイブナイツまたはディープブルーフォートレスからの|決戦配備《ポジション》効果を得ることができるようになりました。(どれか一つ)
 メガブレイブナイツの|決戦配備《ポジション》効果は1章の断章を参照してください。
 ディープブルーフォートレスの|決戦配備《ポジション》効果は以下のとおりです。

・【クラッシャー(攻撃力支援)】主砲攻撃
 ディープブルーフォートレスの主砲である荷電粒子砲による攻撃を要請できます。

・【ディフェンダー(防御力支援)】電磁バリア
 ディープブルーフォートレスを覆う電磁バリアによる防御を要請できます。

・【ジャマー(妨害・奇襲支援)】陽動攻撃
 ディープブルーフォートレスに陽動攻撃を要請できます。

・【キャスター(術式・奇策支援)】特殊工作員
 特務機関DIVIDEの特殊工作員の支援を要請できます。

・【スナイパー(遠距離支援)】ミサイル攻撃
 ディープブルーフォートレスからのミサイルによる遠距離攻撃を要請できます。

・【メディック(救護支援)】応急手当
 ディープブルーフォートレスの格納庫でキャバリアを修理したり、医務室で手当を受けたりできます。

●戦場について
 レヴィアタンは『アビス・ヘイヴン』の地上部分から攻撃が届く場所にいます。地上からの攻撃や、レヴィアタンの上に乗り込んでの攻撃、空中からの攻撃など、自由に戦うことが可能です。
 『アビス・ヘイヴン』への被害は気にしなくて大丈夫です。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
中々の規模ですねぇ。
それでは、遠慮なく。

『FAS』により飛行、『FLS』の空間歪曲障壁と『FMS』のバリアを展開しまして。
【嚮俅】を発動し「全長=年齢mの齢4桁の『神霊』」を召喚&融合、『巨神姿』に変身しますねぇ。
サイズ差を補えば『FPS』の探査で相手の動きは判別可能、【巨鯨上陸】が『概念反射』で跳ね返せそうなら反射、厳しそうなら『FIS』の転移で時機を計り回避すれば良いですぅ。
後は『概念反射』で攻撃に対処しつつ『FGS』で動きを止め【クラッシャー】要請、『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FBS』の斬撃、『FDS』の[爆撃]に要請した『主砲』も集中、一気に叩きますねぇ。




 デウスエクスの拠点である『アビス・ヘイヴン』が揺れた。
 それは巨大なレヴィアタン級の戦艦型ダモクレスが一歩を踏み出した振動だ。ただそれだけで、島を揺らす巨体。――だが。

「なかなかの規模ですねぇ。それでは遠慮なく行かせてもらいましょうかぁ」
 巨大なダモクレスを前にしても、緊張感を感じさせない口調で夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が前に出た。その背中からは三対のオーラの翼である|FAS《フローティングエアロフォイルシステム》を展開し空中を飛翔している。
 さらに、るこるの周囲には16枚の札――|FLS《フローティングリンケージシステム》が浮遊している。FLSはるこるの周囲の重力を制御し空間歪曲障壁を展開。それに加えて|FMS《フローティングミラーコートシステム》を構成する12枚の円盤がバリアも構築していた。
「ですがぁ、これだけで戦艦級ダモクレスの攻撃は防げませんよねぇ」
 るこるは、空間歪曲障壁とバリアだけでは不十分とみて、自らの信じる神へと祈りを捧げる。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、古より見守りし運命の御霊よ、私の元へ」
 豊乳女神の加護・|嚮俅《ジョウセイヨリノヨクサン》によって呼び出されたのは、身長が4桁メートルにも達しようかという巨大な神霊。それがるこると融合していき、巨神とでも言うべき姿へと変じる。
 巨神姿になったことでレヴィアタンにも匹敵する巨体を得たるこる。
「サイズ差さえ補えば、|FPS《フローティングプローブシステム》によって、相手の動きは探知可能ですぅ」
 るこるは、涙滴型の水晶であるFPSの探知機能を発動し、レヴィアタンの動きを探っていく。

 巨神姿になったるこるに対し、レヴィアタンはその巨大な脚部ユニットを振り上げた。島全体を揺らすほどの一撃が振り下ろされる。
「この攻撃は、概念反射では防ぎきれなそうですねぇ」
 神霊の力をもってしても、攻撃を跳ね返すことはできそうにないという計測結果に基づき、るこるは|FIS《フローティングインタディクトシステム》による瞬間移動を発動させた。
 レヴィアタンが踏みつけた場所にいたはずのるこる――その姿が瞬時に別の場所に現れる。
「これで動きを止めてあげましょう」
 16本の錫、|FGS《フローティンググラビトンシステム》から放たれた重力がレヴィアタンの動きを縛る。

「こちら、夢ヶ枝・るこるですぅ、|決戦配備《ポジション》クラッシャーを要請しますぅ」
『巨大空中戦艦ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認。ディープブルーフォートレス、主砲エネルギーチャージ!』
 ミオの応答が返ると同時に、空中に浮かぶ巨大な戦艦、ディープブルーフォートレスの艦首ハッチが開き巨大な砲口が姿を現した。主砲に紫電の光が舞い、光が膨れ上がっていく。
『ディープブルーフォートレス主砲、荷電粒子砲、発射!』
 戦艦の主砲が放たれ、レヴィアタンの外装に直撃する。
 だが、その程度で破れるダモクレス戦艦の装甲ではない。が――。
「今ですぅ、こちらからも一斉攻撃ですぅ」
 るこるの|FRS《フローティングレイシステム》、|FSS《フローティングシールドシステム》による砲撃と、|FBS《フローティングブレイドシステム》による斬撃、さらに|FDS《フローティングデトネイトシステム》による爆撃が同時に放たれたとなれば話は別だ。
 るこるとディープブルーフォートレスの集中攻撃は、レヴィアタンの装甲を貫き、その内部にダメージを与えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
【心情】
デウスエクスにはまあ、随分ととんでもない奴がいるもんだ
ちょっとした戦略兵器だな

こいつが都市部に来たら、とんでもないことになる
だが、俺が来た以上、こいつは発進させねえぜ

【決戦配備】
クラッシャー
「深海大佐、タイミングを合わせて荷電粒子砲をぶっ放してくれ!」

ディープブルーフォートレスの主砲を同時に攻撃を放ってもらう

「師匠が言ってたぜ!「仲間の絆は最強の武器」ってな! 」

【戦闘】
「運転」で距離を取って、狙われないように遠隔から攻撃を仕掛ける

「全力で行くぜ、イグニッション!」

「魔力溜め」から「リミッター解除」した「全力魔法」のUCを放つ
「受けてみやがれ、ストームブリンガー最大最強の奥義!」




 ダモクレス戦艦レヴィアタンの姿を見上げている男がいた。赤髪が印象的な暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)である。
 魎夜はレヴィアタンの一歩で『アビス・ヘイヴン』の島全体が揺れる様子を見て、真剣な眼差しで呟く。
「たった一歩動いただけでこれか――もし都市部への侵略を許したら……」
 魎夜の脳裏に、出発前にグリモア猟兵が言っていた言葉が蘇る。特務機関DIVIDEが建造した|巨大海上都市《メガフロート》ネオ・オーシャンシティがデウスエクスに壊滅させられることが予知された、と。
 もし、このレヴィアタンがネオ・オーシャンシティを襲撃すれば、海上都市などあっという間に海の藻屑となるだろう。
「まさに戦略兵器ってとこか……。だが、俺がいる以上、こいつはネオ・オーシャンシティには向かわせねえぜ!」
 魎夜は一枚のカードを掲げると、大きな声で叫んだ。――|起動!《イグニッション》、と。

 直後、魎夜に向かって頭上からレヴィアタンの重厚な脚部ユニットが振り下ろされた。
 ――だが、魎夜はイグニッションカードから呼び出したバイクをフルスロットルで加速させると、その一撃を紙一重で回避する。クレーターができた衝撃で飛んでくる石は、魎夜の身体を包む真紅のプロテクターが弾き、大きな岩は手にした七支の刀で断ち切っていく。

「ここまで距離を取れば大丈夫だろ」
 レヴィアタンを見下ろすことができる高台まで下がった魎夜。しかしそれは撤退ではない。攻撃へと転じるための布石だ。
「こちら、暗都・魎夜だ。|決戦配備《ポジション》クラッシャーを要請するぜ! 深海大佐、タイミングを合わせて荷電粒子砲をぶっ放してくれ!」
『巨大空中戦艦ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認。ディープブルーフォートレス、荷電粒子砲スタンバイ!』
 上空を飛行する空中戦艦ディープブルーフォートレスの艦首から、荷電粒子の光が漏れてくる。
 それを見た魎夜も、攻撃の準備を開始した。
「俺もまだまだ学生時代に劣らねえ力が出せることを見せてやるぜ」
 肉体のリミッターを解除し、全盛期の力を解放する魎夜。全身から放つ魔力を溜めて――そして、それを一気に解放した。
「受けてみやがれ、ストームブリンガー最大最強の奥義! |竜神爆火雷《ドラゴニック・パニッシュメント》!!」
『ディープブルーフォートレス、主砲、発射!!』

 ディープブルーフォートレスが放った荷電粒子の光と、魎夜が放った炎と電光がレヴィアタンに向かって一直線に飛んでいく。
 荷電粒子砲がレヴィアタンの装甲へと突き刺さり――そして、そこに竜神爆火雷の炎と電光が炸裂した。荷電粒子と炎、電光によって溶解したレヴィアタンの装甲の内部に、竜神爆火雷による爆発が起こる。あらゆるものを滅ぼす爆発はレヴィアタンの体内に格納されたダモクレス兵たちを灼いていき、その区画を爆散させた。

 黒煙を上げるレヴィアタンを見下ろしながら、魎夜が力強く叫んだ。
「師匠が言ってたぜ! 「仲間の絆は最強の武器」ってな!」
 魎夜の言葉に応えるかのように、頭上を飛ぶ空中戦艦のエンジン音が力強く響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
クラッシャー継続
あっくんは最後まで宜しくな
「之から使う俺の権能なら…お前の手も利用させて貰うぜ!」

【戦闘知識・念動力】
敵戦艦の動きと攻撃パターンや広域に薄い念動力を展開してステルス型ダモクレスの捕捉を行う
お前達のような光学迷彩を使う知り合いがいてな
どう対処すべきか考えてたんだ
「かくれんぼは趣味じゃねーぜ」
【二回攻撃・切断・乱れ打ち・弾幕】
念動光弾や鎌剣による連続斬撃を戦艦敵機諸共切り刻み蹂躙し

距離を取れば
UC発動
あっくん!メガトンミサイルだ!
円環にミサイルをくぐらせて超光速で敵戦艦を砲撃!
序に念動光弾も打ち出して超光速蹂躙
最後は…
「俺達でやってやる!」
超光速で突撃し一閃!!!
更に衝撃で粉砕!!




「こちら、皇・絶華、|決戦配備《ポジション》クラッシャーのあっくんを要請する」
『空中戦艦ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認。メガブレイブナイツ、アースブレイカー発進してください』
 ミオの声とともに、空中戦艦の上部甲板に一台の戦車が姿をあらわした。ディープブルーフォートレスの格納庫で補給をすませたアースブレイカーである。カタパルトから射出された戦車は、空中で人型に変形し、地面に着地する。
『フォームチェェェンジ! アースブレイカー、参上!』
「おお、来たか、あっくん!」
「之から使う俺の権能なら……お前の手も利用させてもらうぜ」
 皇・絶華(影月・f40792)と、その下僕である連環神機『サートゥルヌス』がアースブレイカーに歓迎の言葉を投げかけた。

 起動した戦艦級ダモクレス、レヴィアタンは、艦体各所にあるハッチを開き、無数のステルス型ダモクレス、インビジブル・ワンを発進させていた。インビジブル・ワンはレヴィアタンに搭載されたダモクレス兵であり、侵略時に地球人たちを皆殺しにするための殺戮兵器である。
 だが、今の攻撃対象は、レヴィアタンの進路に存在する絶華、サートゥルヌス、そしてアースブレイカーである。インビジブル・ワンたちは、その姿を不可視にしたまま、前後左右の死角から絶華たちに襲いかかる。

 ――だが。
「さっちゃん、あっくん、これから指示するところを攻撃してくれ」
「かくれんぼは趣味じゃねー。一気にいくぜ!」
『ああ、任せてくれ!』
 絶華の指示に従いサートゥルヌスが念動光弾を乱れ撃つと、何もない空間で光弾が炸裂。遅れてステルス機能が破壊されたインビジブル・ワンの光学迷彩が解除されて姿を現し――爆散した。さらにサートゥルヌスが鎌剣を振り抜くと、そこでもインビジブル・ワンの機体が両断され、閃光とともに爆発する。
 ドリルブレイカーが両肩のキャノン砲を発射した先でも同様だ。砲弾が何もない場所で爆発したかと思うと、そこにはインビジブル・ワンの残骸が転がっていた。
「すごいですね、主様!」
『一体何がどうなってるんだ、こりゃ?』
 絶華の指示通りに動いただけのサートゥルヌスとアースブレイカーが驚きの声をあげるが、絶華は涼しい顔だ。
「あいつらのような光学迷彩を使う知り合いがいてな。どう対処するか考えてたんだ。広域に念動力による探知結界を張れば、相手の動きは手に取るようにわかる」
『念動力を広範囲にって……そんな精密に念動力を制御、探知できるケルベロスは、そうそういないと思うんだが……』
 なんでも無いように答えた絶華の言葉に、アースブレイカーは絶句せざるを得ない。

「それよりも、さっちゃんの力で一気に敵艦をたたくぞ」
「畏まりました、主様! クロノスチャクラム全機展開……! 戦略級殲滅制圧機構|『円環』《ヒカリノサバキ》……ターゲットロックオン!!」
 サートゥルヌスの周囲に展開されていた9つの円環がサートゥルヌスから離れ、直線上に配置される。それはまるで巨大なレールガンの砲身だ。
「あっくん、今だ! メガトンミサイルを!」
『おう、任せておけ! メガトォォン・ミサァァイル!』
 アースブレイカーから発射された特大のミサイルは、クロノスチャクラムの円環を通過するごとに速度を増していく。9つの円環をくぐり、超光速にまで加速されたメガトンミサイルがレヴィアタンの装甲に直撃し――凄まじい運動エネルギーによりその装甲に穴を開けた。
「今だ、さっちゃん!」
「行きます、主様!」
 サートゥルヌス自身も円環に飛び込むと、その機体の速度がぐんぐんと加速され、超光速に達する。そしてそのままレヴィアタンの装甲に開いた穴から巨体の中に飛び込むと、鎌剣で戦艦内部を一閃。激しい爆発を引き起こした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桐嶋・水之江
【箱庭】
随分と大きいのが出て来ちゃったわね
これが向こうにとっての最終秘密兵器ってわけね

一方ちゃんミオ艦長も秘密兵器を持ち出したようだけれど
その潜水艦って飛べたのね

あの鯨戦艦を墜とすのには外側から攻撃するだけじゃ現実的とは言えないわね
装甲厚とんでもないでしょ?
内側を壊して機能停止に追い込む方が効率的よ
という訳で内側に入り込む為の入り口を作るわよ

引き続きカナリアで行くわ
私はネルトリンゲンの上から収束メガビームキャノンで援護射撃
味方の接近支援の意味もあるけど、弾幕を張ってどこに居るか分からないステルス型ダモクレスを追い払う目的もあるわ
折角両肩に乗せてるんだから左右交互に絶え間なく撃っていきましょう
ステルス型ダモクレスが明らかに近くに居る場合は拡散モードで撃ち落とすわ

肝心の入り口候補は見付かるかしら?
装甲に穴を開けられればそれで良し
ダメなら砲塔とか壊せばそこから入り込めるんじゃない?
いけそうな所が見付かったらハイパーメガバスターを最大出力で発射
タイミングは理緒さんに合わせればいいわよね


菫宮・理緒
【箱庭】

レビィアたん……。
『たん』ってつく子はだいたい可愛いはずなんだけど、ねー。
まぁ、クジラっぽいとこがちょっと可愛いといえば、そうかも?
『おねーちゃん……』

あはは、そこはいまどうでもいいね。

ちゃんミオー。潜水艦設定どうなったの?
『だからね?』
あ、うそ、ちゃんとやるから、空調止めはやめて!?

みんな、おっきぃのにはあの手でいきたいんだけどいいかな?
うん。そう。取りついて、できれば中へ、で!

『希』ちゃん、みんなの出撃にあわせて、【ネルトリンゲン】の全火力で援護射撃。

ちゃんミオ、あらためてサポート要請【クラッシャー】。
わたしの攻撃と博士の主砲とのタイミング合わせて、砲撃をお願いするよ。

みんなー、思いっきり撃つから当たらないでね♪
目くらましだと思って、なんとかよろしく!

みんなが取りつくまでは、博士とちゃんミオと連携して、外壁への援護は継続。
あと、タイミングを見て火力を合わせて、外壁に穴を開けて、中に誘導しよう。

って、ルンバさん、ほんとに撃っちゃったー!?
総員退避!総員退避ー!みんな逃げてー!


支倉・錫華
【箱庭】

うわ。また大きいの出てきたね。

大きさはパワーではあるけど、
大きいから強いっていうのとは違うと思うんだけどな。
『だとしても、強力なのは違いありません。どうしますか、錫華?』

あー、まぁ理緒さんがなにか考えるよ。たぶんアレだと思うけど。
『アレですか……』

ん、やっぱり取りついて中へ、だって。
了解だよ。

アミシア、【ナズグル】に【フレキシブル・スラスター】を。
とりつくまでは【Low Observable Unit】使っていくよ。

えっと……敵の攻撃より、味方の援護に注意してね。
『了解です。いつもながら無差別援護ってすごいですね』
そこは信頼されてると思おう。

相手に取りついたら、中への進入口を探そう。
できれば中からのほうが……って!

理緒さん、あまりにも力業過ぎない?
あと、ルンバさん、火力過剰すぎないかな?

中に入ったら、エネルギーソードやバンカーナックルで無差別破壊しながら、
弾薬庫とか動力炉を探していこう。
アミシア、高出力反応があったらみんなと情報共有よろしく。

……核で蒸発する前に脱出しないとね。


ルンバ・ダイソン
【箱庭】
ずいぶんと大きな船が出てきたな......。年はまたいでしまったが、大掃除の時間だ。

俺は内部に侵入する味方をサポートするべく、弾幕を張って敵の注意を惹きつけるとしよう。さらに核攻撃もちらつかせる。この世界に核兵器が存在するのかは分からんが。

「こちらには核攻撃の用意がある! 負けるぐらいならば、貴様らも道連れだ!」
とりあえずデモンストレーションとして空中で一発核ミサイルを爆発させてみる。威力を誇示すれば敵は俺の攻撃を意識せざるをえないはずだ!

ルンバ専用ジェネムで発進。空中を高速機動しながら、敵戦艦を狙ってありったけの弾薬を打ち込むぞ。撃墜が目的ではないので、防御と回避を重視する。爆炎で敵の視界を隠せるチャンスがあれば積極的に狙っていこう。

そしておもむろに俺の最強火力を使う。囮は派手な方がいいからな。
今だ! 核ミサイル発射!

不発弾にしておけば実際に爆発することも......あ、安全装置の設定を解除しておくのを忘れていた。
みんなー! 逃げるんだー!


スルーズ・イデアール
【箱庭】
巨大戦艦…!
あれだけの物を攻め込ませるわけにはいかないよね…!
流石に正面からの撃ち合いは分が悪そうだから、どうにかして中に潜り込めないかな…

…艦載機がいるなら、そのハッチからいけそう、かな…?

ここは射撃と砲撃でみんなを援護しながら【ジャマー】シャドウミストさんにも協力してもらおう!

サイレントハックで艦載機のステルスを解除してもらい、そいつらを迎撃
ライフルとキャノンでの攻撃に加え、グラビトンホール・ボムでまとめて撃破するよ!
ボムはできるだけみんなを巻き込まないよう、レヴィアタン本体や砲台の方を狙って発射
それに加え、ハッチの制御をしてもらって、閉じれないようにしてもらうよ

他にもみんなが突入口を開いてくれたら、内部でも連携していけるよう、そちらからの侵入も考慮するよ

内部に侵入できたら、襲ってくる敵を排除しつつ機関部や制御室など、急所になりそうな場所を捜索
無事発見できたら、グラビトンホール・ボムで一気に破壊するよ!

その後は…
そこでそれを使うの!?
みんなと一緒に急いで脱出しないと!




 |猟兵《ケルベロス》たちの迎撃により装甲から黒煙を上げる巨大戦艦レヴィアタン。だが、その巨体はその程度の損傷では止まらない。

 『アビス・ヘイヴン』の大地を揺らしながら、一歩一歩前進してくるレヴィアタンの巨体を、ミネルヴァ級戦闘空母ネルトリンゲンのモニターに映しながら、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)が呟く。
「あれがレヴィアたん……」
『おねーちゃん、なんだか発音がおかしくない?』
 理緒の言葉に反応したのは、ネルトリンゲンの制御を預かるサポートAIの|希《M.A.R.E》だ。こういう時の希の嫌な予感はよく当たる。
「名前に『たん』ってつく子はだいたい可愛いはずなんだけど、ねー。まあ、クジラっぽいとこがちょっと可愛いといえば、そうかも?」
『おねーちゃん、今は敵戦艦の名前とかどうでもいいでしょ!』
「あはは、まあそうだ、ねー。ところで、ちゃんミオー。ディープブルーフォートレスの潜水艦設定どうなったの?」
 突然、通信回線をオンにして、理緒がディープブルーフォートレスに通信を繋ぐ。
『こちら、ディープブルーフォートレス……って、誰が、ちゃんミオですか!』
 通信に出たのは、ディープブルーフォートレスの艦長にして特務機関DIVIDEネオ・オーシャンシティ支部長の深海ミオ大佐――通称ちゃんミオだ。
『だから、ちゃんミオではありません!』
 真っ赤になって怒るミオに、ディープブルーフォートレスの作戦司令室のオペレータたちから温かい眼差しが向けられる。弱冠18歳にしてDIVIDEの大佐に昇進した冷静沈着な少女が、このように年相応の顔を見せるのは今回の作戦が初めてだった。オペレータや副官を始めとした周囲の大人たちは、自然体の少女の姿を見られて安心したような表情を浮かべている。
 周囲から向けられる視線の意味を誤解したのか、ミオはこほん、と咳払いをすると、いつもの冷静な表情に戻る。
『それでは説明しましょう。我々の地球は、宇宙から飛来するデウスエクスたちの襲撃を受けています』
「宇宙から攻めてくる敵っていうのは、厄介だよ、ねー」
『ええ。こちらから反撃に出ようにも、衛星軌道上から常に監視されていては、ロケットも飛ばせません』
 宇宙に攻め上がれなければ、地球側は遅かれ早かれ物量差によって敗北することになるだろう。
『そこで特務機関DIVIDEが考えたのが、衛星軌道からのデウスエクスの監視をかいくぐって移動できる戦艦――巨大潜水艦ディープブルーフォートレスです』
「深海までは、敵の監視網も届かないってわけだ、ねー」
『ええ。ですが、デウスエクスは地球外からやってきます。潜水艦として隠れているだけでは反撃することができません。そこで、潜水艦に飛行能力および大気圏離脱能力を持たせ、地球外に逆侵攻できるようにした決戦兵器、それがこのディープブルーフォートレス――海と空の青を表す名を冠した戦艦なのです』
 自身が開発を主導したディープブルーフォートレスについて嬉しそうに解説をしたミオが、えへん、と無い胸を張る。――サウンドオンリーの通信機越しなので理緒には見えないが。
 深海、空中、そして宇宙に対応した戦艦ディープブルーフォートレス。それは理緒が乗る万能型戦闘空母ネルトリンゲンと同じ設計思想だ。理緒の瞳が輝きを増しキラキラと煌く。
「これは後でじっくりと中を見せてもらわないとだね!」
『おねーちゃん、それくらいにしておかないと、空調止めるよ?』
「希ちゃん、もう止まってる止まってる! メインサーバーからの発熱が熱い、よー!」
 理緒がミオと会話をしている間にも、ネルトリンゲンのメインサーバーはレヴィアタンの弱点を探す解析や、作戦のシミュレーションなどのマルチタスクをこなしている。その稼働によって発生する熱は、ネルトリンゲンのコントロールルームをサウナにするには十分だ。
『どう? 頭冷えた?』
「逆に茹でダコだ、よー」


 一方その頃、ネルトリンゲンの甲板上には、黄金色の装甲をしたキャバリア、カナリアが立っていた。
 カナリアのコックピットの中で通信を聞いていた桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)が、コンソールパネルの光しかない影の中で昏く微笑んだ――ように見えた。
「へぇ、ちゃんミオ艦長の潜水艦って、空中や宇宙まで飛べたのね。万能戦艦なら、桐嶋技研でも、ワダツミ級強襲揚陸艦やセイヴザクイーン級大型戦艦を扱ってるのよねえ。艦隊作らないかって売り込んだら、買ってくれないかしら。なんていっても地球の危機なんだし」
 問題はどうやってデウスエクス側と戦力の均衡を取ることかしらね――という死の商人めいた考えが、水之江の脳内を駆け巡っていた。


『それで、おねーちゃん。作戦は決まったの?』
 希の言葉に、ようやく茹でダコ状態から回復した理緒が自信満々に頷いた。
 そして、仲間たちとの通信回線を開くように希に指示してくる。
『あ、このおねーちゃんの顔、ぜったい碌でもない作戦を考えついた時の顔だ……』
 そう小さく呟きながらも、希は仲間たちとの回線を繋いでいった。
 回線が繋がると同時に、理緒がネルトリンゲンの艦長席で提案する。

「みんな、おっきぃのには、あの手でいきたいんだけどいいかな? ――うん、そう。取り付いて中に突入しちゃおう!」


 ネルトリンゲンの前方、『アビス・ヘイヴン』では、3機のキャバリアがレヴィアタンの巨体を見上げていた。
「うわ。また大きいのが出てきたね。大きいから強いっていうのとは違うと思うんだけどな」
『だとしても、強力なのは間違いありません。どうしますか錫華?』
 支倉・錫華(Gambenero・f29951)とそのパートナーユニットであるアミシアが、漆黒の量産型キャバリア、ナズグルの操縦席で、レヴィアタンへの対処法を思案する。
「あー、まぁ理緒さんがなにか考えるよ。たぶんアレだと思うけど」

 その隣に待機するのは、自身とそっくりな外見のキャバリアに乗るスルーズ・イデアール(レプリキャバリア・f30206)だ。スルーズはジャイアントキャバリアのスルーズゲルミルの視界を通して巨大戦艦レヴィアタンを見て呟く。
「あれだけのものを人類の元に攻め込ませるわけにはいかないよね……!」
 一歩動くだけで街を壊滅させかねない巨大戦艦。それを倒す方法を考えて敵の巨体を隅々まで観察する。
「流石に正面からの撃ち合いは分が悪そうだから、何か作戦はないかな……」
「それなら俺にいい考えがあるぞ」
 スルーズの声に答えたのは、パンダ型ウォーマシンのルンバ・ダイソン(機械の掃除屋・f13195)だ。ルンバは自分専用にチューニングした量産型キャバリアであるルンバ専用ジェネムを操縦しながら、機体の右腕に装着されたバズーカ砲を持ち上げた。
「この核ミサイルを撃ち込めば、いくら巨大戦艦といえども無事では済まないだろう! こいつで年末の大掃除といこう!」
「核ミサイル!? いくらなんでも、味方の多い戦場でそれはやりすぎじゃ……!?」
『ルンバさん、核ミサイルなら敵の装甲は破れるでしょうが、リスクが大きすぎます』
 ルンバの案は、即座にスルーズとアミシアのツッコミを受ける。
「敵を一網打尽にするにはいい案だと思ったんだが……」
 渋々、バズーカを引っ込めるルンバ。

 そこに、理緒からの通信が入った。

『みんな、おっきぃのには、あの手でいきたいんだけどいいかな? ――うん、そう。取り付いて中に突入しちゃおう!』
「外から核ミサイルを撃ち込むのと、内部へ強行突入しての破壊――どっちもどっちだよね」
 理緒の作戦を聞いた錫華が諦め混じりの吐息とともに呟いた。


「希ちゃん、ネルトリンゲンもいっくよー!」
『了解です』
 理緒の指示と共に、『アビス・ヘイヴン』沖の海域で海上空母として援護をおこなっていたネルトリンゲンが後部プラズマジェットを全開にして空中へと飛び上がる。
「みんながレヴィアたんに取り付くまでは、博士とちゃんミオと連携して、援護攻撃をおこなう、よー! みんな、巻き込まれないで、ねー」
 ネルトリンゲンからレヴィアタンへと無数の火線が伸びる。さらに敵の頑強な装甲を撃ち抜くために成形炸薬弾を搭載した無数のミサイルがネルトリンゲンから発射された。

「なるほど、確かにあの鯨戦艦を墜とすのには、外側から攻撃するだけじゃ現実的とは言えないわよねえ。装甲に穴を開けて、中から叩くのが効率的よね」
 ネルトリンゲンの甲板上で固定砲台となっている水之江のカナリアも、理緒の攻撃に合わせて機体の両肩に装着されている収束メガビーム砲にエネルギーをチャージする。
「せっかく二門装備してるんだから、左右交互に撃って弾幕を張ろうかしら」
 荷電粒子砲は、チャージや発射後の砲身の冷却に時間がかかるのが欠点である。だが、水之江は左右の荷電粒子砲を交互に発射することによって、その武器の弱点を克服した。
 拡散モードで絶え間なく発射される荷電粒子砲の弾幕は、ステルス状態でレヴィアタンから出撃した敵機体インビジブル・ワンを網の目に絡め取るかのように捉え、その機体を爆散させていく。
「さあ、みんな、がんばって接近してね」
 カナリアからの|援護射撃《カバーリング・ファイア》によって、明らかにレヴィアタンと艦載機の行動が鈍っていた。

 なお、ネルトリンゲンと並んで飛翔するディープブルーフォートレスの艦長席では――。
『か、荷電粒子砲の連続射撃ですか!? あの機体、いったいどれだけのジェネレータ出力をもっているのですか!? ――下手をすると、このディープブルーフォートレスの主動力機関並の出力ですよ!?』
 深海ミオ大佐が驚愕の声をあげていた。


「アミシア、敵の攻撃よりも味方からの援護に注意してね」
『了解です。いつもながら無差別援護ってすごいですね』
 水之江のカナリアから降り注ぐメガビームキャノンを回避し――目の前でステルス機が爆散するのを見届ける錫華。その機体はフレキシブルスラスターによって加速されており、さらにステルス装置Low Observable Unitによって、センサー類での探知を無効化している。

 錫華の隣を駆けるのは、スルーズが乗るスルーズゲルミルだ。
「……艦載機がいるということは、そのハッチから中に入れるかもだね。こちらスルーズ・イデアール、|決戦配備《ポジション》ジャマーのシャドウミストさんを要請します」
『ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》ジャマー、要請承認。シャドウミスト、発進してください』
 空中戦艦の甲板上からステルス戦闘機が発進し――スルーズの眼前で人型へと変形する。
『フォームチェンジ! シャドウミスト、只今到着しました』
「シャドウミストさん、敵のステルス型ダモクレスの迷彩を解除できないかな?」
『お安い御用です』
 シャドウミストがジャミング機能を起動すると、周囲のダモクレスのステルス機能に不調が生じ、その姿があらわになっていく。
「これなら!」
 姿をあらわしたインビジブル・ワンたちに向かって、スルーズはビームモードにしたマルチライフルの引き金を引く。銃口から発射されたエネルギー弾は、装甲の薄いステルス型ダモクレスを貫通し爆散させた。さらにバックユニットに接続されたキャノンの砲口をステルス型ダモクレスに向けると、スルーズはしっかりと両足で地面を踏みしめた。直後、轟音と共に砲弾が発射され、ダモクレスの至近距離で爆発。巻き込まれたダモクレスは閃光に包まれ消えていった。

「よし、俺はここから錫華とスルーズのサポートをしよう!」
 ルンバはジェネムで高速機動しながら、レヴィアタンにむかって機体に搭載された銃火器を叩き込んでいく。
 キャバリアの通常攻撃で破れる装甲ではないが、その爆煙は錫華とスルーズが戦艦に取り付くまでの注意を引き付けるのには十分だ。レヴィアタンはその前足を持ち上げると、ルンバの機体を押しつぶそうと振り下ろすが――高速機動するジェネムを捉えることはできない。
「さらに、念を押して、ここは俺の最強兵器の威力を見せておくか」
 ルンバはジェネムの右手に装備したバズーカを何もない空中に向かって構え――その引き金を引いた。
 バズーカから撃ち出されたのは核ミサイル。『アビス・ヘイヴン』の上空へと飛んでいった核ミサイルは、まるでもう一つの太陽かのように激しい光と熱を放ち、地上を照らし出す。
「これは警告だ。――次は当てる」
 ルンバのハッタリを真に受けたのか、レヴィアタンはルンバを最優先排除対象として動き出した。
 レヴィアタンからの猛攻を避けつつルンバが呟く。
「これで、錫華とスルーズも動きやすくなったはずだな」


「前衛組、レヴィアたんに接近した、ねー。それじゃ、博士、ちゃんミオ、タイミング合わせて行く、よー。菫宮理緒、|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請する、よー」
『誰がちゃんミオですか!? ――こほん。ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐、|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認。ディープブルーフォートレス主砲発射準備!』
 理緒の要請により、空中戦艦の先端ハッチが開き、そこから巨大な荷電粒子砲が姿をあらわした。動力源である|重力制御《グラビティ》エンジンからのエネルギーが注ぎ込まれプラズマの閃光が輝く。
 それに合わせて、ディープブルーフォートレスの隣で飛行するネルトリンゲンも甲板上に巨大な鏡を展開した。
「博士、テスカトリポカの鏡の展開完了だ、よー」
「了解したわ」
 水之江は、カナリアのメガビームキャノンとハイパーメガバスターを、ネルトリンゲン上に展開された巨大な鏡に向け――。
『ディープブルーフォートレス、主砲発射!』
「カナリア、全砲門、ってー!」
 ディープブルーフォートレスの艦首から荷電粒子砲が放たれる。
 そして、それに合わせてカナリアが全武装をネルトリンゲン上に展開された巨大な鏡へと照射した。
 ――カナリアの両肩と右手の主砲から放たれた荷電粒子は、理緒が展開したテスカトリポカの鏡によって反射され、数ナノメートルという極細のビームとして収束されていく。
 まず先に、ディープブルーフォートレスの荷電粒子砲がレヴィアタンの装甲に着弾。その重厚な装甲を破らんと高エネルギーによる熱がじわじわと装甲材を融解させていき――そこに一拍遅れて命中した極細の収束ビームがレヴィアタンの分厚い装甲を一気に貫いた。

「さすが理緒さんね。カナリアの武装では、ここまでの収束率は出せなかったわ」
「わたしの方こそ、ネルトリンゲンだけじゃここまでの出力はだせない、よー」
『――威力も収束率も弱くてごめんなさい』
『あれは、おねーちゃんと博士がおかしいだけだから、ちゃんミオさんは落ち込まないでね』
 どんよりと落ち込んだ声のミオを、希が優しくなぐさめていた。


「理緒さんたちの砲撃で装甲に穴が空いたね」
 高エネルギーを纏った実体剣『歌仙』を振るい、小型の戦闘用ダモクレスを倒していた錫華がレヴィアタンの装甲を見上げた。
「だが、あれでは突入するだけの大きさがないぞ!」
 ルンバの言葉の通り、砲撃によって開いた穴はキャバリアが通れるほどの大きさがなかった。あまりにも高いビームの収束率のため、生身の人間が通るくらいの大きさの穴しか開かなかったのだ。
 しかし、そこにスルーズがキャノン砲を構えて叫ぶ。
「けど、少しでも穴が空いたなら……任せてっ!」
 キャノン砲に込められた砲弾は|重力渦炸裂弾《グラビトンホール・ボム》。その砲弾が発射され、レヴィアタンの装甲の穴の近くで爆発すると――空間を歪曲させるほどの爆発が起こり、その場所に重力渦が残された。重力の渦は潮汐作用によって装甲に開いた穴の周囲から装甲を剥ぎ取り、穴を大きくしていく。
「これで中に入れるはずだよ」
「了解、わたしも突入するね」
 破壊された装甲部分から、スルーズゲルミルとナズグルが突入し、巨大戦艦レヴィアタンの内部へと侵入した。

「行くよ、サポートよろしく、アミシア」
『了解しました』
 錫華は、ナズグルのバンカーナックルで戦艦内部の戦闘用ダモクレスたちを破壊していく。さらにE.O.Dソードで『歌仙』にエネルギーをまとわせ、レヴィアタンの内部を滅多斬りにし、動力炉――いくつもあるうちの一つ――を破壊した。

「シャドウミストさん、援護を」
『お任せください。サイレントハック!』
 スルーズに襲いかかろうとしてくるステルス型ダモクレスは、シャドウミストによるハッキングでその動きを止められ――そこをスルーズのライフルで撃ち抜かれて爆散する。
「どこか――戦艦の弱点になりそうな場所は?」
『それでしたら、この先が制御室の一つのようです』
「なら――|重力渦炸裂弾《グラビトンホール・ボム》、いくよっ!」
 スルーズゲルミルが放った重力渦炸裂弾が戦艦の制御室の一つを破壊し――巨鯨の咆哮が『アビス・ヘイヴン』に響き渡った。


「よし、敵の内部に侵入した仲間がダメージを与えたようだな! ここは俺もレヴィアタンに精神ダメージを与えてやろう!」
 ルンバは右手のバズーカを構えると、レヴィアタンの装甲に開いた穴をロックオンする。
「核ミサイルを体内に撃ち込まれる恐怖を味わうがいい! まあ、安全装置がかかっているから爆発はしないけどな」
 ルンバがバズーカの引き金を引くと、そこから核弾頭を搭載したミサイルが撃ち出される。それはレヴィアタンの体内に吸い込まれていき――。
「あ、今撃った核ミサイル、安全装置付きじゃなくて、時限爆破式の核弾頭だった――みんなー! 逃げるんだー!」

 ルンバの通信の直後――。
 レヴィアタンの装甲が内側から膨れ上がるように膨張し――爆ぜた。さすがの巨鯨も、その衝撃に耐えきれずに巨体を傾かせる。

「すまない、錫華、スルーズ……君たちの犠牲は無駄にはしない……」
 ルンバの瞳にきらりと涙が光り――。
「ちょっと、勝手に殺さないでね――いや、死にかけたけど」
「シャドウミストさんがいなかったら、私も錫華さんも危なかったです」
『ミサイル発射の探知と、脱出経路の計算が間に合って良かったです』
 戦闘機形態のシャドウミストに乗ったナズグルとスルーズゲルミルが、ルンバの元に降り立ったのだった。

 ――なお、この後、ルンバがどのようなお仕置きを受けたのかは本人たちのみが知ることである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アンジェリカ・ディマンシュ
ディープブルーフォートレス、主砲攻撃開始!
ステルス型ダモクレスの『ステルス状態』とディープブルーフォートレスの『識別状態』を入れ替える事で『ステルス型ダモクレスのステルス状態を奪い、ディープブルーフォートレスを識別する能力を奪う』現象を発動
そのまま同時発動する『幽玄なる銃はやがて聖に至る』で時空間を消滅させる弾幕で主砲攻撃と共に挟撃開始

ダメージを負っても問題ありませんわ…『ディープブルーフォートレスのダメージの状態』と『レヴィアタンがダメージを負っていない部位の状態』を入れ替えてダメージを消して相手に押し付けますわ

このまま、レヴィアタンを制圧しますわよ!




「こちら、アンジェリカ・ディマンシュ(ケルベロスブレイド命名者・f40793)、|決戦配備《ポジション》クラッシャーの主砲攻撃を要請しますわ」
『ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認します。主砲発射準備!』
 アンジェリカの通信にミオの声が応え、頭上に浮かぶ空中戦艦の艦首に荷電粒子砲の輝きが灯る。
 だが、攻撃体勢に入ったディープブルーフォートレスを見て、ダモクレスの巨大戦艦レヴィアタンからステルス型ダモクレス、インビジブル・ワンが次々と飛び出してきた。ディープブルーフォートレスが主砲を放つ前に撃墜しようという魂胆だろう。
「やはり迎撃に出てきましたわね。――けれど、わたくしの力で思い通りにはさせませんわ」
 アンジェリカは自身の周囲に音響魔法陣を展開する。
「過去に起きた事を巻き戻す事は出来ない。けれども、今を変える事は生命の義務。故に遡行に対する反定立として逆転を成せ――|『逆転するはしかし、巻き戻しに対する反定立』《ル・アンチテーゼ》!」
 アンジェリカが音響魔法を発動した直後、ステルス状態だったダモクレスたちの姿が現れ、逆に上空のディープブルーフォートレスの姿がかき消えた。
「任意の2点の間に確定した現在の事象を逆転させましたわ。――つまり、ステルス型ダモクレスのステルス状態と、ディープブルーフォートレスの識別状態を入れ替えましたの。これで、あなた方はステルス状態になれず、ディープブルーフォートレスを識別することもできませんわ」
 目標を見失って右往左往するインビジブル・ワンたち。
 その隙に、アンジェリカはレヴィアタンに向かって音響魔法を発動する。
「聖なるに至るは幽玄なる銃。放たれる魔弾は、想像し創造する運命を超克する為に時空を消滅させるだろう――|『幽玄なる銃はやがて聖に至る』《ガンズ・オブ・アストラル》!」
 時空間を消滅させる魔法の弾幕が、レヴィアタンの装甲へとダメージを加えていく。

 だが、インビジブル・ワンたちもディープブルーフォートレスに肉薄して銃火器を発射する。いかに相手を識別できない状態になっていたとしても、至近距離からの攻撃なら外すことはない。
「残念でしたわね。『ディープブルーフォートレスのダメージの状態』と『レヴィアタンがダメージを負っていない部位の状態』を入れ替えましたわ」
 見れば、攻撃を受けたはずのディープブルーフォートレスは無傷で、代わりにレヴィアタンの装甲にダメージが入っていた。
「さあ、このままレヴィアタンを制圧しますわよ!」
 気合の声とともに、アンジェリカの|『幽玄なる銃はやがて聖に至る』《ガンズ・オブ・アストラル》がレヴィアタンの装甲を穿ち――。

『ディープブルーフォートレス、主砲、発射!』
 空中戦艦の荷電粒子砲が一閃。レヴィアタンの装甲に穴を開け、その巨体から爆煙を吹き上げさせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○

▼心情
やはりこうなってしまったか
ならば全力で切り開くまでだ

▼ポジション
クラッシャー

▼戦闘
キャリブルヌスに[騎乗]
事前に自機が持つ古代武装(UC)についての情報は友軍に共有しておく

「こちらハル、状況を開始する」
アビス・ヘイヴンの[地形の利用]を伴った[対空戦闘]
戦闘スタイルは変わらず[結界術]によりフィールドを展開し
キャバリアのスケールまで拡張された領域内の刀剣をミサイルのように[乱れ撃ち]
敵の攻撃は[気配感知]と[心眼]で[見切り]、実弾なら[斬撃波]で撃ち落とし非実弾なら[霊的防護]を備えた刀剣で[受け流す]

「半端な攻撃では無意味か。皆、範囲内から一時退避を。"妖精"を起動する」
UCを起動して敵艦を囲うように飛びまわる
機械などの人工物や機械生命体を悉く分解する古代武装
周囲への影響も踏まえ展開は結界内、短時間に限定
これだけでは倒しきれなくとも装甲の劣化や各種機器に致命的な不具合を残すことになるだろう
弱体化したところをDBFの主砲と全刀剣の一斉射撃で一気に落とす
「さよならだ」


ミレア・ソリティス
……作戦情報更新、敵大型目標「レヴィアタン」撃破に移行

恐らくですが、敵は「多数の機体を積載した重量大型艦による強襲突破及び艦載機展開による制圧」がコンセプトではないかと想定され、敵ダモクレスの搭載数、あるいは製造機能の有無によってはこちら側が物量で押される可能性もあります

したがって兵装を4+5型兵装へと変更し、マジカル・ヴォルテックス様の強化支援(【WIZ】)を要請、
加えてUC【コード・テュポーン】を使用、全長21mの全領域対応人型機動兵器の姿となり、前衛で敵艦を抑え、攻撃と注意を引き付ける役目を務めましょう

空中を飛行しながらの『ノヴァ・バスター』での重力弾頭での砲撃や『サーベラス・ガトリングF』での弾幕展開を主軸とし、
必要ならば味方の運搬や、敵重量攻撃に対しアーマーによるバリア展開と副腕変形した『Gフリューゲル』のクロー、『プラズマグリーブ』での打撃を敵脚部ユニットの関節部位や側面へとぶつけ攻撃を妨害、味方のカバーを行います。

※アドリブ・連携歓迎です。


セツナ・フィアネーヴ
……あれがこの拠点での敵の首魁、もしくは切り札という事か……!だが相手にとって不足はない、いくぞ…!

あのような巨獣が相手だ、引き続きケラヴノスに搭乗、『竜神嵐翼』で風の障壁を纏いつつ、空へと飛翔して距離を保ちながら『竜雷金剛爪』から雷を放っての攻撃を仕掛けていく…!

相手がUCで「見えない敵」を繰り出してくるなら、こちらもUCを!【雷帝咆哮】で「敵に対してのみ」飛翔と移動を妨害する嵐と、機械に特効の雷を浴びせ本体含めて感電・麻痺させて動きを止めるぞ
ケラヴノスやアリシアの助けもあるんだ、この程度の制御、こなしてみせる…!

敵の動きを封じることができたのなら……!
アリシア、【決戦配備:クラッシャー(DBF)】の要請を!同時にこちらからも全力での雷を本体へと放ち、ここで、一気に仕留める……!


リリスフィア・スターライト
アドリブに連携歓迎、苦戦描写OK

ようやく本命の登場だね。
危ないところだったけれど、
ディープブルーフォートレスやメガブレイブナイツの援護もあるし、
全力で巨大ダモクレス戦艦を撃破するだけだね。
引き続き量産型のキャバリア、ワイルド・サンダーに搭乗して参戦するよ。
ただ闇雲に攻撃しても効果は薄いだろうから、艦橋や動力炉といった
戦艦の急所ともいえる箇所の破壊を狙いたいね。
決戦配備効果はスナイパーを要請するよ。
巨大戦艦に接近されてしまうと、被害も拡大するだろうから、
その前に致命傷を与えたいね。
ディープブルーフォートレスからのミサイル攻撃で、
巨大戦艦の動きを鈍らせてもらい、周辺のダモクレス達の数も
減らしたところで、巨大戦艦に突撃するよ。
UCの効果で移動力を5倍で、装甲を半分にして
被弾する前に有効射程内に飛び込んで決めるよ。
ライトニング・ライフルで戦艦の脆い部分を破壊しつつ
距離を詰め、ルナ・ブレードで戦艦の装甲を切り裂いていくよ。
「肝心な所が壊れれば戦艦は脆いものだからね!」


陽環・柳火
クラッシャー要請
「最後にド派手に頼んだぜ!アースブレイカー!」
【火車合体】でアースブレイカーと合体
「このドリル、敵さんにぶち込んでやろうぜ!」
アースは機動力が高くないらしいので、敵の遠距離攻撃等はキャノンやミサイルの弾幕で撃ち落としつつ肉薄。脚ユニットの叩きつけには
「ドリルストーム、行くぜ!」
腕部のドリルを片方だけ回し、その推力で飛翔し回避
「ぶち破るぜ! ドリルストーム・」
柳火の【属性攻撃】【全力魔法】でストームの風を増速、そのまま敵に突撃し
「バァァァァァスト!!!」
もう片方のドリルに炎を纏わせ高速回転。そのまま相手のボディをぶち破る。ぶち破る箇所は仲間とかが重要な機関部の位置を見破っていたらそこを狙うし、分からなければ大事そうに守られていそうな箇所をぶち抜きにかかる

魔力が尽きたら合体解除し、アースブレイカーを他の仲間の援護に向かわせる
「なかなか楽しかったぜ、メガブレイブナイツ」
あとはアビス・ヘイブン破壊の後始末に備えて体力と魔力の回復に努めておくかな


マリン・フィニス
「レヴィアタン」……|そのもの《リヴァイアサン》でなくとも、その名を冠するにふさわしい|戦艦《フネ》と言う事か……!

多数の機械兵を載せているのなら、尚更海を渡らせるわけに行かんな……!
【鋼鉄巨鮫戦艦】を呼び対空砲や冷凍光線で大物…敵本体の相手を任せ、私自身は『サメット』に騎乗し、空中を泳ぎながら周囲に電撃・凍結属性のバブルを生じさせ空間上に浮かべておく事で敵の動きに制限を加え、更にバブル領域外に巨大爬虫類のような怪獣『古怪獣レブラゴン』を呼ぶことでフォローをさせ、共に敵の呼び出した機兵の相手をしよう

済まないのだが、私達では敵本体にはおそらく決定打を打てないだろう。
……冷凍光線で隙を作り、【決戦配備:クラッシャー(DBF)】を要請する!!
…深海殿。貴女と、その|艦《フネ》の力で決めてほしい。


防人・拓也
「確かに大物だな。だが、必ずどこかに弱点があるはず…」
術式付十文字クナイを複数持ちながら、敵を観察。攻撃はクナイを安全な場所へと投擲し、指定UCで転移して避ける。
「…やはりな。奴には死角がある。そこへ小型ダモクレスを多めに飛ばしたりして、補っている。ならば…」
と言い、通信で
「こちらファントム1-0。マジカル・ヴォルテックスへグランドエンチャントを要請する」
と言う。エンチャントを付与してもらったら
「一気に行くぞ」
と言い、右手に組み合わせるUCの旋風術・疾風を発動させながら、左手でクナイを投げて転移を繰り返し、死角の場所へと目指す。小型ダモクレスが邪魔であれば、右手の疾風で切り裂いて破壊する。
死角の場所に辿り着いたら
「強化されたこの疾風なら…くらえ!!」
と右手の疾風を放つ。内部へと貫通したら、魔力を更に解放して敵の内部をズタズタにしてやる。その後、迅雷天神で安全な場所へと転移して離脱する。
「これで多少はダメージを与えられたはずだが…どうだ?」
アドリブ・連携可。


ノエル・ラーズグリーズ
うん、もしかしてと思ったけど、やっぱり飛ぶんだ……やっぱりそういう仕込みって普通なんだ……うちの親だけじゃなかったんだ……ってそうじゃなくて!

白銀緊急発進!地面に『ドヴェルグ』を設置しながら踏まれないように走る!
あのサイズに白銀だけで挑むのは多分効率が悪い…それにステルスダモクレスの対処も一人じゃ厳しい……だったら、複数で対処すればいい。なので……深海大佐!こちら白銀、ノエル・ラーズグリーズです!確実に仕留める為にも、DBFによる【決戦配備:クラッシャー】を要請します!そのための道は、こちらが!

UC【戦闘配備:牽制支援】!走り回りながら設置したドヴェルグを全機起動、範囲内の味方への射撃支援を行い、同時に敵本体及びステルス機への牽制を!
白銀の機銃『陽炎』と『タイプ:スプリガン』の護衛を一機出して自衛し、時折主砲の『迅雷』で敵本体へ牽制攻撃を加えながら戦場を駆け、味方支援に専念します!




 デウスエクス拠点『アビス・ヘイヴン』の上空を飛行する空中戦艦ディープブルーフォートレスの作戦司令室に、オペレータの声が響く。
『ケルベロスたちの攻撃によるレヴィアタン級戦艦の損傷を確認。ですが、まだ動きは止まりません!』
『レヴィアタンは何としてもここで破壊します! ――ケルベロスの皆さん、私が指揮をとります。ご協力いただけますか』
 ディープブルーフォートレス艦長である深海ミオ大佐の決意のこもった通信が、|猟兵《ケルベロス》たちに届けられた。


『艦長、レヴィアタンより多数の小型ダモクレスの発進を確認しました!』
『フィニスさん、小型ダモクレスへの対処、お願いできますか』
「承知!」
 ミオからの通信に、蒼い全身鎧に身を包んだマリン・フィニス(蒼海の騎士・f26997)が首肯した。
 マリンは、その全身から無数の小型ダモクレスを雲霞のごとく吐き出す巨大なダモクレスを見上げて呟く。
「レヴィアタン――|神話の怪物《リヴァイアサン》そのものでなくても、その名を冠するにふさわしい|戦艦《フネ》か。多数の機械兵を載せているなら、尚更、海を渡らせるわけにはいかんな……! ――サメット!」
 マリンは鮫魔術によって空飛ぶ鮫のサメットを呼び出すと騎乗した。その姿はまるで騎馬を駆る騎士のようだ。空中を泳ぐサメットの上でバブルワンドを振るい、電撃の泡や冷気の泡を放っていく。
 放たれた泡は、シャボン玉のように空中をゆっくりと漂いながら拡散していく。――シャボン玉と違うところは、触れた場合に弾けるのが泡だけでなく小型ダモクレスたちであることだ。
 電撃の泡が命中した小型ダモクレスの全身に激しい電流が流れ、その制御系を破壊。激しい閃光とともに動力炉が誘爆した。冷気の泡が当たった小型ダモクレスは、飛行用ブースターを氷漬けにされ地上へと落下し――凍った全身を地面に叩きつけられ、まるでガラスが割れるかのような音を立てて粉々に砕け散った。
 泡によって撃ち落とされなかった小型ダモクレスたちは、まるで空中機雷のごとく配置された泡を回避するように動きを変える。――だが。
「レプラゴン!」
 マリンが呼び出した巨大爬虫類状生物である古怪獣レブラゴンが、泡を回避した小型ダモクレスたちを待ち構えていた。レプラゴンが巨大な爪を振り回すたびに、小型ダモクレスたちの装甲が紙のように引き裂かれる。爪を避けても、レプラゴンの巨大な尻尾によって地面に叩き落されていった。

「済まないのだが、私達ではおそらく敵の|戦艦《フネ》には決定打を打てないだろう――。マリン・フィニス、|決戦配備《ポジション》クラッシャーを要請する。深海殿、貴女とその|艦《フネ》の力で決めてほしい」
『ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認します。――ディープブルーフォートレス、主砲全力チャージ用意! 本艦の全エネルギーを集中させてレヴィアタンを落とします! ケルベロスの皆さんは、エネルギーチャージの時間を稼いでください!』
『承知した。小型ダモクレスは、この身に代えても貴女の|艦《フネ》には近づかせん! 行くぞ、レプラゴン!』
 戦場にマリンの気合の声とレプラゴンの咆哮が響き渡った。


『艦長、小型ダモクレス群からの攻撃は止まっています。主砲エネルギーチャージ30%! これなら――』
 オペレータの声と同時に、ディープブルーフォートレスを激しい振動が襲った。
 巨大モニタに映し出された巨大戦艦の船体各所が赤色に染まっていく。
『報告します! 本艦はレヴィアタンから出撃したと思われる見えない敵からの攻撃を受けています!』
『ステルス型ダモクレスによる奇襲ですか。エーヴィヒカイトさん、フィアネーヴさん、ラーズグリーズさん、すみませんが本艦を攻撃してくる敵の迎撃をお願いします』
 ディープブルーフォートレスを襲う見えない敵への対処は、3人の|猟兵《ケルベロス》に託された。

「了解した。こちらハル、状況を開始する。――こうなった以上、全力で切り開くまでだ」
 古の巨神、剣の騎神キャリブルヌスに搭乗したハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)が応答する。まるで騎士の甲冑をまとったかのような姿のキャリブルヌスが、数多の剣を周囲に浮遊させながら見えない敵――インビジブル・ワンに向かって剣を向けた。

「見えない敵の対処は任せろ。敵の切り札である巨獣との戦いの前に、戦艦を落とさせはしない。いくぞ……」
『セツナ、どこから攻撃が来るかわかりません。警戒してください』
 セツナ・フィアネーヴ(災禍貫く竜槍・f26235)は、友である光と雷の精霊アリシアの声に頷くと、雷霆の鋼機たる竜神機ケラヴノスの翼を羽ばたかせる。双翼によって飛翔したケラヴノスは、ディープブルーフォートレスの援護に回るため蒼空を駆ける。

「うん、もしかしてと思ったけど、やっぱり飛ぶんだ、あの潜水艦……。やっぱりそういう仕込みって普通なんだ……。うちの親だけじゃなかったんだ……。って、そうじゃなくって!」
 巨大潜水艦から巨大空中戦艦へと姿をかえたディープブルーフォートレスを見て現実逃避気味にぶつぶつと呟いていたノエル・ラーズグリーズ(|楽園《おうち》の追放者。・f40853)が我に返る。
「|白銀《シロガネ》緊急発進! ステルス型ダモクレスへの対処を開始します!」
 銀色の可変式魔導戦闘車両が、土煙を上げながら『アビス・ヘイヴン』の大地を蹴って加速した。


「まずは戦艦への攻撃を防ぐぞ。ケラヴノス、|竜神嵐翼《ティフォナス》だ」
 ステルス型ダモクレス、インビジブル・ワンたちから攻撃を受けているディープブルーフォートレスを守るため、空中に飛び立ったセツナのケラヴノスが両翼から激しい暴風を巻き起こした。それはディープブルーフォートレスの周囲に嵐の障壁を構築する。
 ステルス型ダモクレスからの機銃による攻撃は嵐の障壁によって吹き散らされ、ミサイルや榴弾は嵐の障壁によって何もない空中で爆散する。

『ステルス型ダモクレスによる被害、停止しました!』
『助かりました、フィアネーヴさん。――今のうちに被害状況の確認および消火活動を!』
 ミオからの通信を聞き、ケラヴノスの中で精霊のアリシアが安堵の声をあげる。
『セツナ、これで戦艦の方は一安心ですね』
「ああ、だが――見えない敵を倒し切るまでは安心はできない」
 周囲に警戒の目を向けるセツナ。
 インビジブル・ワンたちは、攻撃目標をディープブルーフォートレスからケラヴノスに切り替えたようだ。
 飛んでくる機銃やミサイルを竜神嵐翼による障壁で防ぎつつ、両腕の鉤爪、|竜雷金剛爪《ディアマンテタロン》から放つ雷撃で迎撃を試みるが――相手の姿が見えないとなると撃墜は困難だ。
「大技で一掃したいが――敵に隙ができないと難しいか」

「ならば、私が援護します!」
 聞こえてきた通信は、ノエルからのものだ。
 ノエルは白銀を走り回らせつつ、島の各所に多用途セントリーガン『ドヴェルグ』を設置していた。無数のドヴェルグの銃口が上空を睨む。
 だが、地上をうろちょろする白銀をインビジブル・ワンは放置しておかない。目障りな魔導戦闘車両を黙らせようと、銀色の装甲に向かって無数のミサイルが発射された。
「あわわっ、回避、回避っ!」
 慌ててノエルは白銀に回避運動を取らせるが――白銀をロックオンしているミサイル群は、しつこく白銀の背後を追ってくる。
「これならっ!」
 白銀に搭載された、光波迎撃機構「陽炎」から無数の光魔法の弾丸を吐き出す。光魔法の機銃がミサイルの数本に命中し爆発四散させるが――その爆煙の中から姿を見せた残りのミサイルが白銀に追いすがる。
「陽炎だけじゃ無理なら……スプリガン、お願い!」
 白銀の後部ハッチが開き、そこから|機械妖精《メタルフェアリー》のスプリガンが姿をあらわした。
 まるで鋼鉄の|巨人《ゴーレム》のような形状のスプリガンは、白銀の屋根に陣取ると、その腕に装着した巨大な盾を構え――そこにミサイルが命中。激しい爆風と爆煙が巻き起こった。
 だが、その爆煙の中から、煤だらけになった白銀が飛び出してくる。
「あ、危なかったぁ……」
 安堵の息をつくノエル。だが、白銀が無事だと知ったステルス型ダモクレスたちは、再びミサイルの発射態勢に入る。
「ちょ、ちょっと待って……! これ以上は……!」
 インビジブル・ワンたちがミサイルを発射し――。

 そのミサイルが空中で爆散したかと思うと、ミサイルを発射したインビジブル・ワンたちもまた、空中でバラバラに分解され、弾薬への誘爆により閃光の中に消えた。
「大丈夫だったか?」
「助かりました、ありがとうございます」
 ハルからの通信にノエルが答える。
 ノエルを狙っていたミサイルとステルス型ダモクレスを斬り裂いたのは、ハルが搭乗するキャリブルヌスから放たれた刀剣だった。生身のハルが用いる、結界内に無数の刀剣を飛ばす戦術――。それがキャバリアに乗ったことでより広範囲に対して使用できるようになったのだ。
 キャリブルヌスを中心とした広域結界内を、まるで意思をもったミサイルのように刀剣が飛び回り――見えない敵の気配を頼りに、インビジブル・ワンたちを滅多斬りにしていく。
 ステルス型ダモクレスたちはミサイルや機銃で刀剣を撃ち落とそうとするが、ミサイルは斬撃の衝撃波で斬り落とされ、機銃の銃弾は刀剣の剣身によって受け流される。そして攻撃したダモクレスはそのまま真っ二つにされていった。

「この隙に私も……三秒後にドヴェルグ全機起動、弾幕展開します!」
 ノエルがドヴェルグに命じたのは、|戦闘配備:牽制支援《コンバットシフト・コンテインシュート》。戦場の各所に設置したセントリーガンのドヴェルグを一斉に起動し弾幕を張るものだ。
 銃口を空に向けたドヴェルグたちは、その砲塔から銃弾を嵐のように吐き出していく。
 ドヴェルグによる弾幕は、上空でディープブルーフォートレスと、セツナのケラヴノスを襲っているインビジブル・ワンたちへの牽制射撃となり、その動きを鈍らせていく。

「敵の攻撃が緩んだ……」
『セツナ、今がチャンスです』
 ノエルの援護によって、ステルス型ダモクレス、インビジブル・ワンの攻撃の手が緩んだのを見て、セツナはケラヴノスに命じる。
「吹き荒れろ雷霆の嵐……吼えろ、ケラヴノス……! |雷帝咆哮《サンダー・ランページ》!!」
 ケラヴノスの全身から放たれるのは、敵にのみ影響をおよぼす雷帝の咆哮。ディープブルーフォートレスを撃墜しようと接近してきていたインビジブル・ワンたち全機に向かって、激しい嵐と落雷が襲いかかる。
 インビジブル・ワンたちは、嵐によって飛翔を妨害され、さらに落雷によって機械の身体に収められた制御機器が灼きつくされていく。

「敵の動きが止まったか」
「隙ありです!」
 ケラヴノスが放った嵐と雷で動きが止まり、ステルス機能も解除されたダモクレスたちに、キャリブルヌスの刀剣が襲いかかり、次々と一刀両断にしていく。
 さらにノエルが設置したドヴェルグの一斉射撃が、インビジブル・ワンたちを撃ち抜いていった。

『ステルス型ダモクレス、全反応消滅! 主砲エネルギーチャージ率60%です!』
『ディープブルーフォートレスも損傷軽微! 艦長、戦闘行動に支障ありません!』
 オペレータからの報告を受けたミオは、ひとつ頷き。
『ケルベロスの皆さん、ステルス型ダモクレスへの対処、どうもありがとうございました。本艦は作戦行動を続行します』


『艦長、レヴィアタンがさらに前進。本艦が敵の攻撃圏内に捉えられるのは時間の問題です』
『陽環さん、ソリティスさん、スターライトさん、防人さん、前衛としてレヴィアタンの足止めをお願いします』
 主砲のエネルギーチャージをしているディープブルーフォートレス。その艦首に眩い閃光を灯しながら、艦長の深海ミオ大佐から|猟兵《ケルベロス》たちへ通信が届けられた。

「任せとけ、俺の力を見せてやるぜ!」
 ここまで、ロングショット、ガーディアンシールドと合体して戦ってきた陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)が自信満々に答える。
「陽環柳火、|決戦配備《ポジション》クラッシャー、アースブレイカーを要請するぜ!」
『こちらディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》クラッシャー、要請承認します』
 ミオの言葉と同時に、空中戦艦ディープブルーフォートレスのカタパルトデッキから戦車が発射された。高速で飛翔してきた戦車は、柳火の目の前で人型へと変形する。
『フォォオオム・チェェエエエンジ! アースブレイカー、参上!!』
 人型になったロボットは、両肩にキャノン砲、両腕にドリルをつけたアースブレイカーだ。
「最後にド派手に頼んだぜ! アースブレイカー! 火車合体!」
 柳火が乗り物と合体する能力を使うと同時に、アースブレイカーのボディがバラバラに分離し、柳火の元へと集まっていく。そして眩い光が収まった時、そこには身長3メートルほどの、両腕にドリル、両肩にキャノン、そして全身に金属の装甲を装着した柳火の姿があった。
「このアースブレイカー・柳火の力、見せてやるぜ!」
 柳火はレヴィアタンに向かって砲口を向けた。

「……作戦情報更新、敵大型目標レヴィアタン撃破に移行」
 ミオからの通信を受け、ミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)の赤い瞳が巨大な戦艦型ダモクレスを映し出す。
「敵情報を整理――敵は多数のダモクレスを積載した重量大型艦であると思われます。恐らくそのコンセプトは強襲突破および艦載機展開による制圧と想定。敵戦艦へのダモクレス搭載数、あるいはダモクレス製造機能の有無によっては、脅威度が跳ね上がります」
 冷静にレヴィアタンの分析をおこなったミレア。自身にまとう兵装を、情報体化していた4+5型兵装へと変更した。さらにその身体に『SV-00 ヴィントシュトス』と『SV-01 ヴィントシュティレ』が装着され――。
「機体兵装複合、再構築―――モード・テュポーンへシフトします」
 サブユニットを再構築し合体することでミレアの全身と装備が巨大化し、身長20メートルを超える巨体へと変化した。これがコード・テュポーンによるヒト型機動兵器の姿である。
 だが、レヴィアタンを相手にするにはまだ力が足りない。
「ミレア・ソリティス、|決戦配備《ポジション》キャスター、マジカル・ヴォルテックスを要請します」
『ディープブルーフォートレス、深海ミオ大佐です。|決戦配備《ポジション》キャスター、要請承認します』
『はーい、僕にまっかせてー!』
 ミレアの目の前に展開された六芒星の魔法陣から、キャスターのマジカル・ヴォルテックスが姿をあらわした。魔法によってディープブルーフォートレスの格納庫から直接転移してきたのだ。
「マジカル・ヴォルテックス様、支援魔法をお願いします」
『わかった、いっくよー、グランドエンチャント!』
 魔法による鮮やかな光が|猟兵《ケルベロス》たちを包んだかと思うと、その能力を大幅にアップさせる。
「私は正面から敵艦を抑え、攻撃と注意を引き付ける役目を務めましょう」
 ミレアの決意のこもった声が響く。

「ワイルド・サンダー、巨大ダモクレス戦艦――敵の本命を倒すのに力を貸してね」
 量産型キャバリアである愛機のワイルド・サンダーに乗って戦場を飛び回るのはリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)だ。ワイルド・サンダーは、リリスフィアの|武装転移《ウエポンマスタリー》によって装甲を犠牲にする代わりに通常の5倍もの速度で飛翔できるように最適化されていた。
「敵の厚い装甲は簡単には破れないよね。――けれど、艦橋や動力炉といった戦艦の急所さえ狙えば、致命傷を与えられるはずだよ」
 キャバリア用多機能ライフル『ライトニング・ライフル』とキャバリア用高出力フォースセイバー『ルナ・ブレード』を装備したワイルド・サンダーがレヴィアタンに向かって高速で突っ込んでいく。
『スターライトさん、単機で先行しすぎです!』
 ディープブルーフォートレスのミオから通信が入るが、リリスフィアは機体の速度を落とすどころか、むしろ加速させていく。
「前衛メンバーの中で一番速いのは私だからね。――巨大戦艦の接近を防ぐにはこれくらい無茶しないといけないよね」
 リリスフィアの背後には、後衛として戦ってくれた|猟兵《ケルベロス》たちと――空中戦艦ディープブルーフォートレスがいる。ここを突破させないためにも、レヴィアタンの進行を止める必要がある。
 リリスフィアは、ワイルド・サンダーのライトニング・ライフルから電撃弾を放ち、レヴィアタンの装甲の継ぎ目を狙うが――。
「――硬いっ!?」
 至近距離からの電撃を浴びても、レヴィアタンの装甲はびくともしない。
 ――そして、レヴィアタンも一方的に攻撃を許しはしない。その巨大で重厚な装甲をもった前脚を振り上げると、ワイルド・サンダーを踏み潰そうと頭上から叩きつけてきた。
「そんな遅い攻撃――!」
 高機動力を発揮できるように最適化されているワイルド・サンダーは、踏みつけの一撃を見切って余裕をもって回避する。――だが。
『スターライトさん、気をつけてくださいっ!』
 ミオからの警告の言葉と同時。
 地面を踏みつけたレヴィアタンの脚の一撃によって巻き上げられた土埃が、ワイルド・サンダーの周囲を覆い囲んだ。
「視界がっ――!?」
 慌ててワイルド・サンダーのメインカメラを各種センサーに切り替えるが、赤外線センサーやレーダーの類も大量の土埃に対しては効果がない。安全圏に離脱しようにも、視界が効かない中ではどちらに脱出すればいいのかもわからない。
『スタ……ライトさ……上……です』
 雑音混じりのミオの言葉が聞こえ――頭上を振り仰いだ時には、すでにワイルド・サンダーを押しつぶそうとする巨大な影が頭上から迫っていた。

 ――その時、ワイルド・サンダーの目の前に生身の人影が出現した。
「強化されたこの疾風なら……くらえ!!」
 まるで瞬間移動でもしてあらわれたかのような人物――防人・拓也(東アーレス半島にて殉職?・f23769)は、右手にまとわせた風の魔力、旋風術・疾風を頭上に向けて放つ。
 振り下ろされるレヴィアタンの脚と疾風が正面から衝突し一瞬だけ脚の動きを静止させた。しかし、巨大な脚を止めることができたのはほんの一瞬だけ。すぐに脚部の押しつぶしが再開される。
 だが、拓也は頭上から降ってくる巨大な影を冷静に見つめ、呟く。
「問題ない、一瞬静止させられれば十分だ」
 
「ノヴァ・バスター!」
 ミレアの声と同時に、振り下ろされようとしていたレヴィアタンの前脚に強力な対要塞ランチャーによる重力弾の一撃が突き刺さる。激しい爆音とともに脚部による踏み潰しの軌道がずれ、ワイルド・サンダーと拓也の横を巨大な脚が通り過ぎた。
 そこに、柳火の声が響く。
「ぶち破るぜ! ドリルストーム――」
 右腕のドリルを高速回転させ、さらに魔力による風をまとわせて推進力とすることで、柳火がレヴィアタンの脚部へと突撃していく。そして、炎の魔力で熱く燃えながら回転する左腕のドリルを――重力弾によって損傷した脚部装甲へと突き立てた。
「バァァァァスト!!!」
 炎に包まれたドリルがレヴィアタンの脚部装甲を貫き――その内部の駆動系を破壊していく。
「プラズマグリーブ!」
 さらに、ミレアのプラズマによる打撃攻撃が脚部内部へと叩き込まれ、レヴィアタンの右脚が完全に機能停止したのだった。


 右脚を破壊されたレヴィアタンの身体がゆっくりと横倒しになっていく。それは、ディープブルーフォートレスに胴体下部――腹部を向ける体勢だ。
『艦長、レヴィアタンの腹部主動力炉、確認!』
『ディープブルーフォートレス、主砲チャージ150%! いつでもいけます!』
 オペレータの言葉に、深海ミオ大佐が頷く。
『ターゲット、レヴィアタン級戦艦の腹部主動力炉! 決戦兵器空中戦艦ディープブルーフォートレス、主砲――荷電粒子砲、発射!!』
 ディープブルーフォートレスの艦首に装着された荷電粒子砲が眩く輝きながら一条のビームを放ち、レヴィアタンの腹部装甲を徐々に溶解させていく。
『レヴィアタンの腹部装甲貫通まであと5秒!』
『このまま主砲に全エネルギーを集中! 砲身が灼ききれても構いません! レヴィアタンの主動力炉を撃ち抜きま――きゃあああっ!?』

 ミオの言葉が終わる直前――激しい衝撃がディープブルーフォートレスを襲った。

『な、何が起こったのですか!? 被害状況を報告してください!』
『レヴィアタンが残った左脚をミサイルとして射出した模様です! 状況、モニタに出します!』
 オペレータがメインモニタに表示させた戦艦のダメージ状況は真っ赤に染まっていた。特に艦首の主砲は完全に破壊されている。
 右脚を破壊され倒れたレヴィアタンは、最後の切り札として左脚を射出。上空のディープブルーフォートレスの艦首を左脚で打ち砕いたのだ。
『そ、そんな――あと一歩だったというのに……』
 ディープブルーフォートレスは飛行能力を保持できず、海上へと墜落していった。

『このままでは、デウスエクスはレヴィアタンを再建してしまいます。――ディープブルーフォートレスなしでは、私たちはそれを止めることができません……』
 ミオの悔しそうな声が響く。

 ――だが。
『おっと、大佐、諦めるにはまだ早いぜ!』
『ええ、私たちは彼らに教わったのです』
『私たちはデウスエクスには負けません』
 それは、メガブレイブナイツたちからの通信だ。希望に満ちた声に、ミオは思わず問い返す。
『アースブレイカー、ガーディアンシールド、シャドウミスト!? けれど、あなたたちだけでは――』
 ミオの言葉は、続く通信で遮られた。
『僕たちだけじゃないさ、ケルベロスたちがいるからね』
『ああ、俺たちがケルベロスたちを支援する』
『私の癒やしも忘れないでくださいね』
 ケルベロスを支援するために作られたメガブレイブナイツ。彼らは|猟兵《ケルベロス》たちの力を信じていた。
『マジカル・ヴォルテックス、ロングショット、ヒーリングウェーブ――あなたたちまで、一体何を!?』

『決まってるだろ、大佐! 俺たちメガブレイブナイツとケルベロスたちで、レヴィアタンをぶっ倒すのさ!』
 アースブレイカーの声が力強く響いた。


『ってわけだ、柳火、すまないが力を貸してくれ!』
「ああ、任せな!」
 アースブレイカーの声に、合体している柳火が応えると同時。柳火の元にガーディアンシールド、シャドウミスト、マジカル・ヴォルテックス、ロングショット、ヒーリングウェーブが集まり、それぞれのボディがバラバラに分離していった。
 そして一瞬の閃光のあと、そこに立っていたのは、6体のロボットと合体した柳火だった。
「火車合体、メガブレイブ・柳火! いくぜ、メガブレイブゥゥゥ・バァァァァスト!!!」
 メガブレイブナイツと合体した柳火の全身から、ドリルやミサイルといった各種武装が発射された。
 それはレヴィアタンの主動力炉を守る腹部装甲――ディープブルーフォートレスの主砲で半ば以上融解した部分に命中し、その装甲を削り取っていく。
 ――だが、メガブレイブナイツの攻撃でも主動力炉を露出させるには至らない。
『俺たちだけの力では足りない! ケルベロスのみんな、力を貸してくれ!』
 アースブレイカーの言葉とともに、ケルベロスたちをグランドエンチャントによる強化と、リフレッシュヒールによる癒やしの光が包み込んだ。

「なるほど、中途半端な攻撃では無意味か。皆、範囲内から一時退避を。”妖精”を起動する」
 ハルが搭乗する剣の騎神キャリブルヌスは、外套のような装甲を展開するとレヴィアタンの元へと高速で飛翔した。
「私たちも行こう。ケラヴノス! 攻撃を合わせるぞ」
 セツナも竜神機ケラヴノスを羽ばたかせ、上空へと飛び上がる。
「外套展開、”妖精”起動――」
 キャリブルヌスの外套型古代武装――|”妖精”《フェアリーシステム》が起動する。それは機械などの人工物のみを分解する波動を放つシステムだ。”妖精”を受けたレヴィアタンの装甲が劣化していく。
「これもおまけだ!」
 さらにキャリブルヌスに搭載されたすべての刀剣が射出された。
「吹き荒れろ雷霆の嵐……吼えろ、ケラヴノス……!!」
 そこに、上空からケラヴノスの|雷帝咆哮《サンダー・ランページ》による豪雷が放たれる。雷撃はキャリブルヌスが放った刀剣に落ちると、それを激しく帯電させ――。
 激しい雷撃をまとった刀剣が次々とレヴィアタンの腹部に突き刺さり、装甲を穿つ。

「私も行くよ」
「援護します、リリスフィア様」
 ワイルド・サンダーに乗ったリリスフィアがレヴィアタンへと突撃し、至近距離からライトニング・ライフルを発射。電撃弾によって腹部装甲を削っていく。
 ミレアもリリスフィアの攻撃に合わせて、背部に装備された2門のガトリング砲『SA-02 サーベラス・ガトリングファランクス』を一斉発射し銃弾の嵐を叩き込む。連射による発熱でガトリングの砲門が赤熱するが、暴発の危険性を無視して全弾を撃ちきった。

「私も……ドヴェルグ全機起動、全弾発射!」
 白銀に乗るノエルの命令と同時に、島の各地に設置したセントリーガンが起動した。ターゲットをレヴィアタンへと変更したドヴェルグたちが、その砲塔に積載された弾を全弾撃ち込んでいく。

 ――だが、まだレヴィアタンの腹部装甲を貫通できない。

「せめて、ディープブルーフォートレスの支援が受けられたら……」
 呟くリリスフィアだが、海上に墜落したディープブルーフォートレスは、そのまま海中へと没してしまった。援護を求めるのは不可能だ。

「深海殿の|艦《フネ》の支援が必要なのだな」
 リリスフィアの呟きに応えたのは、空飛ぶ鮫に乗るマリンだった。
「――既に海へと還りし古の牙よ。お前に海に眠りし蒼き|艦《フネ》の力を宿そう。……そして、我らが敵たる|化け物《レヴィアタン》をその牙で討て!」
 マリンが呼び出すのは|鋼鉄巨鮫戦艦《ドレッドノート・メガロドン》。それは「かつて沈みし軍艦の力を宿した」古代の巨大鮫の霊だ。――つまり、撃沈されたディープブルーフォートレスもその対象となる。
 マリンに呼び出された巨大鮫の霊――鋼鉄巨鮫戦艦は、蒼き巨大戦艦ディープブルーフォートレスの力を宿し空中を泳ぐ。

「これなら――リリスフィア・スターライト、|決戦配備《ポジション》スナイパーを要請するよ」
 鋼鉄巨鮫戦艦は、その舷側にあるミサイル発射筒をオープンし、鮫の顔が描かれたミサイルを撃ち出した。発射されたミサイル群はレヴィアタンの腹部装甲に着弾。大爆発を巻き起こした。

「私も行きます!」
 さらにミレアも大型ランチャー『FR-06 ノヴァ・バスター』から重力弾を全弾発射してレヴィアタンへとダメージを蓄積させる。

「白銀、魔導加速砲『迅雷』、全力射撃!」
 ノエルが白銀の全エネルギーを主砲に集中させる。砲塔から多重の魔法陣が展開され、魔法の力で砲身内の弾丸が超加速されて、白銀から発射される。白銀のすべてのエネルギーを込めた砲弾が、レヴィアタンの腹部に突き刺さった。

「今っ!」
 リリスフィアがワイルド・サンダーのルナ・ブレードを最大出力にして、レヴィアタンの腹部を深々と斬り裂く。ルナ・ブレードのフォースフィールド生成器が高出力に耐えきれず爆発を起こしたが――。

 ――その一撃は、ついにレヴィアタンの腹部装甲を貫通し、体内の主動力炉を剥き出しにすることに成功した。
 だが、切り裂かれた装甲はほんのわずか。人間が通ることもできないほど小さな穴だった。

「あれが弱点だな。あとは俺に任せておけ」
 拓也が一歩前に踏み出す。だが、あらわになった主動力炉を守るようにステルス型ダモクレスが集まってきた。装甲の穴を守るようにインビジブル・ワンが陣形を組みながら、拓也に向かって機銃を掃射した。
 激しく撃ち出される銃弾に拓也が蜂の巣にされたかのように見えたが――。
「残念だったな。その程度の攻撃は当たらないな」
 いつの間にか、インビジブル・ワンたちの背後に立っていた拓也が無傷のまま告げた。
 |時空間魔術・迅雷天神《ジクウカンマジュツ・ジンライテンシン》――術式を付与したクナイを投擲した先に空間転移する術だ。
「お前たちのような雑魚に構っている余裕はないんでな。一気にいくぞ」
 拓也の右手に風の魔力――|旋風術・疾風《センプウジュツ・ハヤテ》が生じる。拓也は左手でクナイを投げて転移を繰り返すことでインビジブル・ワンたちの攻撃を回避しつつ、姿をあらわすたびに敵を疾風の風の刃で切り刻み、撃破していく。
「それでは仕上げといこう」
 レヴィアタンの腹部に開いた小さな穴。拓也はそこにクナイを投げ入れるとレヴィアタンの体内に転移し――。
「これでケリを着ける。旋風術・疾風!」
 風の魔力をまとった神速の貫手がレヴィアタンの主動力炉を貫き、風の魔力が内部をズタズタに斬り裂く。
 暴走を始めた主動力炉から激しい閃光が溢れ出し、レヴィアタンを飲み込んでいき――その巨体が連鎖的に激しい爆発を起こし『アビス・ヘイヴン』とともに海の藻屑と消えていった。

 ――こうして|猟兵《ケルベロス》たちは、デウスエクスの切り札レヴィアタン級戦艦を破壊することに成功したのだった。

 なお、レヴィアタンを破壊した拓也は――。
「転移が遅れていたら、爆発に巻き込まれていたな……」
 迅雷天神によって、ギリギリ爆発から逃れていた。

●エピローグ
「ケルベロスの皆さん、作戦へのご協力、どうもありがとうございました。皆さんの力がなければ、デウスエクスたちを倒すことはできませんでした」
 ネオ・オーシャンシティのDIVIDE支部で、|猟兵《ケルベロス》たちは深海ミオ大佐から感謝の言葉を受けていた。

「ディープブルーフォートレスは大規模な修理が必要ですが、乗組員に被害はありませんでした。そのうち、再び出航できる日が来るでしょう。それに、今回の任務のおかげで、メガブレイブナイツたちも成長できました。きっとこれからの任務も――」
 そこまで言ったところで、ミオの表情が固まった。

『どうだ、今回の任務、この俺が一番活躍できただろう!』
『何を根拠にそのような戯言を言っているのですか? 一番役に立ったのは私です』
『僕だって頑張ったからね~。負けてないんだから!』

「こら、あなたたち! 仲良くしなさいとあれほど言ったでしょう!?」

 ――深海ミオ大佐の苦労はまだまだ続きそうであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年01月09日


挿絵イラスト