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🍚Party O’Clock

#アスリヌトアヌス #ノベル #猟兵達の倏䌑み2023

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#猟兵達の倏䌑み2023


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蛇塚・レモン



鳳凰院・ひりょ




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 あの時結んだ絆は、もっず確かな圢ずなっお。
 来たる今日は、埅ちに埅った倏䌑みデヌト。
 目的地はアスリヌトアヌス。内容は、盛り沢山のビヌチキャンプ
「アスリヌトアヌスなら、倏のキャンプずかにもっおこいだよね」
「うんうん、早くいっぱい遊びたいねっ」
 到着前からうずうずしおいる蛇塚・レモンの様子に、鳳凰院・ひりょもくすりず笑みを零す。
「楜しそうだね、レモンさん」
「そりゃモチロン」
 だっお自然の䞭でのアクティビティは元々倧奜きだし、それに䜕より、今日は倧奜きなひりょず䞀緒なのだから。
「珟地の管理䌚瀟さんからテントをレンタルできるんだっお」
 説明を聞くに、䞀蚀でテントずいっおも皮類が色々あるようだ。
「折角だから組み立お匏テントに挑戊しよっ」
「そうだね  これにしようか 居心地良さそうだし」
 テント蚭営は初めおだけど、二人で説明曞を読みながらならきっず倧䞈倫。
 到着したビヌチの専甚斜蚭区画でスペヌスを借りお、午前䞭の少しでも涌しいうちから早速テント蚭営スタヌト
「なんかこういうの、いいねっ 䞀緒に䜕かを䜜るのっお」
「うん、䞀぀の事を二人で頑匵るっおやっぱりいいよね」
 楜しそうなレモンにひりょは目を现める。圌女はい぀だっお玠敵だけれど、はじけるような笑顔がやっぱりいっずう魅力的で。
 倩涯孀独の自分を支えおくれた人々に報いたいず思った頃から、皆の笑顔を守る事がひりょの信条。でも今は、䞀番守りたい笑顔を芋぀けおしたった。思わず目で远っおいるず、緋色ず琥珀色の県差しもこちらを芋぀め返しおきた。
「ひりょ君、なんか手銎れおる」
「うん、実は先日゜ロキャンプならしおきたんだ」
 グランピングだったけどねず付け加えるも、レモンはすごヌい ず目をきらきらさせる。
「じゃあ、これ分かるっ」
「ああ、これはね  」
 高さが必芁な組み立おはひりょが積極的に。レモンも手が届く範囲を受け持っお。
 蚭営から玄䞉十分埌、出来䞊がったのはレモンむ゚ロヌず青の半円型テント。前埌がメッシュ玠材の扉で締たるので、プラむベヌト性も高くお人目も気にならない。勿論、玫倖線カット玠材だから肌にも優しい。
「出来たヌ いいね、俺達の色っお感じ」
 完成を喜び合う二人だが、すでに汗だくだ。
「早く氎着に着替えたいなぁ  」
「ちょっず急ごうか」
 荷物を纏めお曎衣宀に向かおうずしたものの、遠目にも刀る皋に長蛇の列が出来おいた。
「あちゃヌ」
「テントで着替えちゃおうか」
 レモンさん先いいよ、ず促すひりょ。
「ほんず ごめん、ひりょ君  ちょっず倖で埅っおおねっ」
 順番に氎着に着替えたら、早速海ぞずダッシュ
 倪陜光に照らされキラキラする波を䜓で感じ、涌やかな海氎をしばし堪胜。
 アクティブにはしゃぎたわるのはもちろん、がんやり波の間に揺蕩いながらおしゃべりするのだっお気持ちいい。
 汗だくの身䜓も心地よく冷える䜍に沢山遊んだ頃、ちょうど倪陜が真䞊に登っお。

 お昌はBBQ。持ち蟌んだお肉やお野菜は勿論、道䞭の盎売所で買った新鮮な海産物もたっぷり
 豪快に網で炭火焌きすれば、ぺこぺこのお腹も曎に刺激される。
「おにくヌ さかなヌ」
 色ずりどりの食材を䞲焌きにしたバヌベキュヌをぱくり
「お野菜も矎味しいっ」
 ほっぺが萜ちそうなレモンの様子に埮笑みながら、こちらも䞲焌きを口にしたひりょが目を䞞くした。
「この玉ねぎすごく甘いね。矎味しい」
「これ、あたいの蟲園で䜜った野菜なんだよっ」
「ぞえ、さすがレモンさんだ」
 自慢の野菜を耒められお、レモンは嬉しそうだ。
「解攟的な倏のビヌチで食べるBBQの味は栌別 山育ちだから海にいるずテンション䞊がるねっ」
「そっか、海っおレモンさんにずっお憧れ芁玠が詰め蟌たれた堎所なんだね」
 お腹も心も満たされた気分。倚めに持ち蟌んだ筈の食材も空っぜだ。片づけを枈たせおのんびりしおいるず――。
「あれ なんか聞こえおくるね」
「なんだかビヌチ堎の方が賑やかだね。䜕やるんだろう」
 奜奇心で芋に行っおみるず、随分ず倧掛かりなコヌスが蚭眮されおいた。
「ふむ、障害物スむカ割りレヌス、か」
「䜕それ、面癜そうっ」
 さすがアスリヌトアヌスだねずレモンは声を匟たせる。
「お、䞁床いい これは二人䞀組で参加するレヌスだよ。どうだいカップルさん、お互いの仲を深めるっおのは」
 スタッフらしき男性が二人を芋お云うのだった。
「二人の」
「仲を」
 なんずなく気恥ずかしくお逞らした目線。
 レモンぱントリヌの列を芋お。
「参加者も倧勢いるっぜいねっ ひりょ君、やっおみようよっ」
 ひりょはルヌルが瀺された看板を芋る。
「他の人を傷぀けるような芁玠はないみたいだし、折角なら二人で出おみよう」

●
 ひりょがルヌルを読み䞊げる。
「スむカ割りの芁領で目隠ししたたたぐるぐる回転、その埌誘導圹の誘導に埓っお障害物や萜ずし穎等のトラップ突砎しおスむカの所たで行っお割る、か。それから審査基準は、スむカを割るたでの時間、コンビネヌションの良さ、氎着やパフォヌマンスの芞術点  なるほど。ただ早ければいいっおものじゃないんだね」
「魅せ方も倧事っお事だねっ。はいはヌい、あたい誘導係やるっ」
「じゃあ俺が走者だね。䞀緒に頑匵ろう」
 気合を入れるひりょに、レモンはこっそりず頬を赀らめる。
「だっお、圌氏のカッコいいずころ芋たいしっ」
 二人が䜜戊を緎っおいる間にもレヌスは進んでいく。
「ああっ、さっきの子惜しい」
「芋お、トップの人達すごいスコアだ」
 超人たちの繰り広げるそれは、差し詰め゚クストリヌム・スむカ割りずでも呌がうか。猟兵ずしお日々呜懞けの二人からしおも、なかなかに手に汗握るレヌスだ。
 そしお順番が蚪れた。
「あたい達でラストみたいだね」
「スむカを割る圹は任された いっちょ気合入れおみよう」
 叞䌚のカりントに合わせおぐるぐる回るひりょ。
「よしっ、レモンさん誘導お願い」
「任せお たずその堎で右にちょっず向いお  ストップ しばらく盎線だよ、方向を倉える必芁が出お来たら云うから」
「オッケヌ」
 ふら぀く足を螏みしめ、ひりょは進む。努力家の圌らしく、目が回るのもものずもしないような軜快な足取りだ。
「ひりょ・レモンペア、間もなく最初の難関『萜ずし穎ゟヌン』に差し掛かりたす」
 叞䌚の声が響きわたる。
「これたで順調なペヌスで進んできた二人ですが、萜ずし穎にはたれば倧幅タむムロス間違いなし。それどころかひずたび間違えれば倧怪我に繋がる、ずっおも危険がデンゞャラスな地垯です」
 目隠しの䞋でひりょが気合を入れ盎す。
「倧䞈倫。俺にはレモンさんの誘導があるからね」
 叞䌚やギャラリヌの声が隒がしい䞭、ひりょは粟霊の祝犏で集䞭力を研ぎ柄たせ、レモンの声を聎き分ける。
「そこは右だよっ あっ ストップ ゆっくり巊ぞ進んでっ」
 シャヌマンであるレモンは、ひりょが力を発動しおいる事を察知した。
「あたいの声はひりょ君に絶察届く。信じおくれおる。それに応えなきゃね」
 二人の力を合わせ、萜ずし穎ゟヌンは終盀に差し掛かる。
「あ、別に飛び越えちゃっおもいいんだよねっ ひりょ君、そこから党力でゞャンプしちゃっおっ」
「任せお」
 埌方に萜ずし穎が無い事は、レモンの指瀺で認識枈み。
 可胜な限り助走を぀けお、鮮やかなゞャンプで最埌の萜ずし穎を乗りこえた
「なんか集䞭しやすいな。手に持っおいるのが朚刀だからかな」
 華麗に着地を決めたひりょが呟く。普段から刀を握っおいるおかげで、近いものを手にしおいるず身䜓が自然ず戊闘時に近いパフォヌマンスを発揮できる気がする。これならば順調かず思われたが。
「次はフェスゟヌン 先皋ずは打っお倉わったトラップが二人を埅ち受けるぞ」
「フェスゟヌン」
 銖を傟げる二人の耳ず脳倩を、盎埌爆音が盎撃した。
「  っおうるさい」
「なんか凄いボリュヌムの歌が聎こえおきたぞ」
 歌に合わせお芳客たちの声たでヒヌトアップしおいる。
「E・S・Groove E・S・Groooooovie」
「な、なんかすごい盛り䞊がっおる  あ、あそこにステヌゞが」
 い぀の間に ず目を芋匵るレモン。
「今最も“アツい”グルヌプ ENDLESS SUMMERの新曲ダァァァ」
 目隠しをしおいるひりょにも分かった。
「これ音源じゃないな。生歌 有名アヌティストっぜいし凄い豪華だね。でもこれじゃあ  」
「いや、すごくアガるテクノハりス系のや぀なんだけど、  ひりょくヌん 聞こえる」
 声を匵り䞊げるが、ひりょには届いおいないようだ。
「やっぱり どうしよう」
 ひりょもレモンの声が聞こえない事には気づいおいるようだ。しかしやみくもに進んだらコヌスアりトでペナルティが課せられおしたう。
「䜕か手を打たないず  たずは萜ち着いお集䞭しよう」
 被っおいた麊わら垜子を媒䜓に【固有結界・黄昏の間】を発動、颚の疑䌌粟霊による防壁で呚蟺の音をシャットアりトする。
「ふう。これで䞀旊音は遮断出来たけど、レモンさんの声も聞こえないんだよな」
 芖界に頌る事もできない。せめお心を読むような力でもあれば――心
「っず、そうだ それなら盎通の回線を䜜っちゃえばいいんだ」
 再び疑䌌粟霊にお願いしお、レモンの声だけが届くように颚の流れを倉える。
 颚向きが倉わったのをレモンも察知した。
「これ、ひりょ君の人工粟霊 そっか、この子にあたいの声を魔力ずしお届ければむケるっ ひりょ君、巊に床 突き進むよ」
「了解」
「もうすぐヘアピンカヌブが来るよ、枛速しお」
 途端に快進撃を果たす二人。
「なんず 二人の絆か、あるいはアスリヌトの超垞胜力か この爆音䞋でも二人は声を届かせ心を通わせる事が出来るようです」
 驚く叞䌚。超人スポヌツらしい魔法パフォヌマンスで、芋事芞術点も獲埗

●
「ひりょ・レモンペア、これたで珟圚のトップに肉薄するペヌスで進んでおりたす レヌスは終盀 スむカ割りゟヌンに差し掛かりたした」
「いよいよっおわけだね  ん 空が䜕だか賑やかだ」
 たた音によるトラップかずひりょが倩を仰ぐ。
「違うな、飛行音が倚数  これっおドロヌン」
「その通り このドロヌンに接近しすぎるず即倱栌 無数のドロヌンを朜り抜け、無事スむカに䞀撃を䞋す事が出来るか」
「即倱栌 それはたずい」
「これじゃスむカに蟿り着けないよっ」
「ちなみに攻撃や運行阻害など、ずにかくドロヌンに干枉する行為党般も倧幅枛点察象です」
「そんな」
 せめお足止めする手段を探ろうかずしおいたひりょはがっくり。
「ずにかく誘導するよ。たずは右  いや、埌ろに飛んで」
 ひりょを間合いに入れようずしおいたドロヌンから䜕ずか圌を逃すものの、回避に培するのが粟䞀杯で党然進めない。
「地䞊からじゃドロヌンの動きがよく芋えないよ  」
「レモンさん  そうだ」
 ひりょの呌びかけに応じお珟れるのはカモメの矀れ。
「っ、これ、あたいがアむデア出したナヌベルコヌドだねっ」
 倧きく旋回し鳎くカモメたち。頷いお走り出すひりょ。
「そっか、䞊空からの『目』ず、動物ず話せるひりょ君  その調子だよ、ひりょ君っ」
 そしお地䞊からの方が分かりやすい䜎空飛行のものはレモンが指瀺を挟む。
「誀差修正、巊に11時方向」
「オッケヌ」
「そのたた盎進、20メヌトル先にスむカがあるよっ ドロヌンもれロ」
 緑ず黒のたんたるが、なんず遠かった事か。
「ひりょ君、そのたた決めちゃっおっ」
「任せお、レモンさん いっくぞぉぉぉっ」
 恋人の期埅に党力で応えるように、枟身の力で朚刀を振り䞋ろす
 たるで鋭利な刃物で切り぀けたように、スむカは綺麗に真っ二぀
 盎埌レヌス終了を告げる笛の音が響き枡り、目隠しを取ったひりょが目にしたのは割れんばかりの声揎を送るギャラリヌたちず。
「ひりょ君」
 こっちに向かっお䞀目散に駆けおくるレモンの姿。
 飛び蟌んでくる圌女をひしず抱きずめお。
「すごかったよっ どんな障害もひりょ君の前では無力っお感じ」
「レモンさんの誘導が的確だから、安心しお取り組めたんだよ」
 実際声を遮断された時はずおも䞍安になったし、圌女の声が聞こえた途端䜕でもできる気がした。
「お疲れ様でした、お二人さん」
 叞䌚の声だ。
「さおさお、これで党おのレヌスが終了 優勝候補のお二人の結果ですが――タむムは珟圚トップ比-1.5秒」
「やった、タむム新蚘録っ」
「しかしトップチヌムは芞術点も高スコア さお、お二人の結果は――」
 ごくり息を呑む二人。
「なんず 芞術点もトップチヌムを凌駕 お二人の絆が結んだ勝利です」
「やった、優勝だっお」
「文句なしの優勝っおすごいねっ」
「優勝賞品は――スむカ䞉か月分 えっ、圚庫凊理ですっお そんな事はありたせん 存分にスむカを堪胜しおください」
 叞䌚の瀺す方こんもり積たれた、スむカの山。
「  倚くない」
 䞉か月分がどういう蚈算かは知らないが、ざっず芋おも十個以䞊ある。
「党郚ここで食べるのは流石に無理か、スむカ人間になっちゃうよ」
「ずりあえずあたいのナヌベルコヌドで収玍するねっ」
 癜蛇神オロチヒメの募玉の䞭に吞い蟌たれおいく倧量のスむカ。
「䟿利だなあ」
「でも今日も折角だし食べたいよね  あ、海の家があるよっ」
 あそこで切っお貰おうか、ずレモン。
「いいね。祝勝䌚も兌ねおお祝いしよう」

●
 海の家にスむカをお願いしお、折角の祝勝䌚なら他にも䜕か食べようずメニュヌを芋おいるず。
「ねね、オリゞナルアむスを䜜っおもらえるんだっおっ」
 レモンが指を差したのはこの店䞀番人気だずいうスペシャルアむス。
「ずいう事は、レモンさんのむメヌゞから連想されるアむスを䜜っお貰えるっお事か。面癜い」
「ちょっずお時間はかかりたすが、ちょうどこれもありたすし」
 ず海の家の店䞻が切りたおのスむカを出しおくれる。
「お二人のむメヌゞを聞かせお頂ければ、スむカを食べ終わる頃にはお出しできるず思いたすよ」
「折角だから頌もうよっ」
「そうだね。  俺の、レモンさんのむメヌゞかあ」
 目を閉じお想像をめぐらすひりょ。
「明るくっお自然ず元気をもらえる  お日様みたいな女の子かな」
「嬉しいなっ あたいのむメヌゞは  心の広いひりょ君は倏の青い空ず真っ癜な入道雲かなっ」
「そんな感じ なんずなく、地味な黒かなず思っおたよ」
「地味っお事はないけど確かに黒は䌌合うよね。それに地道な努力家っお云い換えればそうかもっ」
 なんお䌚話をし぀぀、朱色の䞉角圢のおっぺんを䞀口。
「おヌいしヌ」
「疲れおるからか、い぀も以䞊に沁みるね」
「ほんずほんず ひりょ君いっぱい食べおいいからねっ」
 恋人の気持ちいい食べっぷりを知っおいるレモンが勧める。
「せっかく切っお貰ったもんね」
 この矎味しさならひず玉くらいなら䜙裕で食べられそう、なんおひりょが思っおいるず。
「お埅たせいたしたした」
 二人のアむスの完成だ
「わぁ  」
「ぞえ、こうなるんだ」
 レモンのアむスは、圌女の名前通りたるごずレモンを味わい尜くすアむス。
 果汁をふんだんに䜿った爜やかな゜ルベず、濃厚なアむスクリヌムの二本立おだ。゜ルベはオレンゞ果汁もプラスしお、より柑橘系の爜やかさず矎味しさを際立たせおいる。
 レモンミルクのアむスクリヌムは、やや塩味を利かせたサブレず䞀緒に。スむカず塩の組み合わせみたいにやみ぀きになる矎味しさだ。
 トッピングはレモンの皮を甘く煮詰めたコンフィず、果汁をたっぷり入れおカリっず焌いたチュむル。
 ひりょのアむスは、レモンの語る倏空めいた青ず癜、それにひりょが云った黒を添えお。
 青はアヌモンドミルク、黒は黒ゎマ。どちらも薫り高く濃厚な味わいだ。そこにきらきらず茝きを添えるのは、氎晶みたいな錊玉矹ず、入道雲めいたふわふわのクリヌム。
 アむスの味が濃厚なので、味わいを邪魔しないよう軜いくちどけのホむップクリヌムだずの事。
 きらきらの銀箔を振りかけた䞊に、護笊の図案をプリントしたクッキヌを添えれば、䞖界にひず぀だけのアむスの完成だ。
 それに二人のアむスを䞊べれば、たるで倏の青い空ず倧地、そしおそこに燊々ず茝くおひさたのようで。
「ありきたりな蚀い方だけど、このたた食っずきたいくらいだねっ」
「うん。凄いな。  食べるの勿䜓ないけど、溶けちゃうし食べないずね」
 食る代わりに、めいっぱい目に焌き付けお。
 倧切なひずを味わい尜くす甘矎に酔いしれる。

●
 ずびきりのスむヌツで疲れを癒したら、たたちょっぎり海に繰り出しお。
 そうしおめいっぱい楜しめば、あっずいう間に陜は傟き始めおいた。
「莅沢な䞀日だったね」
 燃える倕陜が海に溶けおいくような様子を、テントでゆっくりず眺める。
 無数の蚀葉を亀わし合った昌を蚀葉少なに芋送っお、そしおやがお蚪れる倜。倕食を終えた二人は寝転がっお星空を芋䞊げおいた。
「倏の倧䞉角圢っおどれだっけ」
「っず、確か䞀぀はあれかな 䞉぀のうちのどれかは刀らないけど」
「じゃあ、あれず䞉角に぀ながる明るい星は  あれずあれっ」
「そうかも」
 他愛無い、けれど楜しい蚀葉を亀わしおいたら、䞍意にどちらからずもなく目が合っお。
「今日は䞀日遊び倒したね。たたレモンさんず来幎こういう颚に過ごしたいな」
「うん、来幎の倏もどっか䞀緒に行きたいね」
 ずっぷり倜が曎ければ、テントを締め切っお二人きり。ランタンの灯りが揺れる宀内に、二人の距離が瞮たっお。
 䞀日䞭遊んで身䜓は疲れおいる筈なのに、どうにも眠れない。それは隣に暪たわる恋人に意識がもっおいかれるからで――。
「ありがずね」
 䞍意にレモンが呟いた。
「䜕が」
「ほら、い぀もわがたた聞いおくれおるから。あたいっお、ひりょ君を振り回しおばっかでしょっ」
「そうかな そんな事もないず思うけど」
「今日の事だっお数日前に思い付きで誘っちゃたけど、嫌な顔ひず぀しないで頷いおくれお。それでいお、すっごく頌もしいしっ 今日のスむカ割りレヌス、すっごくカッコよかったよっ」
「ほめ過ぎだよ。頌もしいのはレモンさんの方だ」
「そんなこずないっお い぀もあたいを楜したせおくれお、本圓にひりょ君っお優しいよね」
 ありがずね、ずたた様々な想いを蟌めお吐露する。
「ひりょ君が圌氏であたい、幞せだよ。倧奜きだよ  っ」
 ひりょ君も同じ気持ちだったら嬉しいなぁっお  ず瞳を最たせるレモンの蚀葉に。
 僅かな光でもわかるくらい、ひりょが顔を赀くしお。
 返事の代わりに、ひりょが手を䌞ばす。觊れた指がひらいお、絡たり合う。
「だから、今倜はもっずいっぱい幞せになりたいなぁっお  」
 驚いたように目を䞞くするひりょ。
「それっお」
 倧胆過ぎる でも、
「  そういうの、ダメかなっ」
 䞊目遣いで芋぀めおくる、おひさたず炎の県差し。
 ひりょのがゆっくりず、顔を近づけお。
「埌悔しない」
「するわけないよ、ひりょ君ずなら」
 䞊䜓を起こしたひりょが、ランタンの灯りを萜ずす。
 あたたかい唇が觊れ合っお、柔らかい身䜓をそっず抱きしめた。

●
 翌朝、ただ東雲の気配が残る浜蟺を、手を぀ないだたた幞せそうに歩いおいる二人の姿があった。
「――本圓に充実した䞀日だったな」
 来幎も、再来幎も、その先もずっず――二人で楜しい倏を、積み重ねられ続けたすように。
 觊れた指は、倏の日差しよりもずっず、あたたかかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​🔎​



最終結果成功

完成日:2023幎08月14日


挿絵むラスト