「お困りのようですね?」
道端に座り込む少女に、一人の男性が声をかける。黒い服に黒のマント、首には銀の十字架を提げた彼は、牧師か何からしい。
「私で良ければ聞かせて頂けますか? 何か助けになるやもしれません」
「実は……」
泣きはらした後なのだろう。目元を腫らした少女が語るには、父が病に伏し、薬を買おうにもお金がないという事だった。
「仮にあったとしても、どこに行けば手に入るのか……」
再び涙ぐむ少女。無理もない、この近辺はとうの昔にオブリビオンに滅ぼされ、店はおろか民家もほとんどない。
「お任せください」
柔らかい微笑みを浮かべる男だが、第三者がいたなら気づいたかもしれない。この男は、ずっと少女の胸……より正確には、彼女の胸元に下がる古びたペンダントを見ていたのだと。
「我々の神は言いました。助けを求める人あらば、手を差し伸べよと。ただ……」
ふと、困ったように男の顔が曇る。
「薬をお渡しすることは問題ないのですが、実は私の所属する教会は遠方にあります。それに加えて、この辺りにはヴァンパイアやその眷属も跋扈するとか。今から取りに向かうとなると、果たしていつになるか……」
ふと、少女のペンダントを示し。
「その首飾り、相当な値打ちものとお見受けしますが……いかがでしょう、私も手持ちはあまりないのですが、それを質に入れれば旅費くらいはできるかもしれません。そうすれば、数日中には薬をお届けできましょう」
「そんな……これは、母の形見で……」
にやりと、微かに男の口角が上がる。
「お父様を亡くしてもいいのですか? お母様のように……」
「それは……!」
ギュッと、少女はペンダント握る。母の遺してくれた首飾りに、何度救われたことだろう。しかし、それを惜しむばかりに父まで喪えば、自分は本当に独りぼっちになってしまう。
「分かりました……これをお持ちください」
ペンダントと共に、自分と父が暮す隠れ家の地図を渡した少女に別れを告げて、男は歩きだす。
「あー、ちょろいちょろい」
ボロ布を適当に仕立てたカソック擬きを翻し、男はペンダントを弄ぶ。
「ま、こんな安物でも二、三日は酒に困らないだろ」
「見ていましたよ」
「!?」
気配などなかった。しかし気づけば後ろにいた女に男は背筋が凍る。
「人に手を差し伸べる態度、実に素晴らしい。このすさんだ世界において、そう簡単にできる事ではありません……」
踵を返し、女は笑う。
「ついてきなさい。例え信ずる神は違えども、私もまた神の教えに従う者……あなたがよりよき道を歩めるよう、ささやかながら洗礼と施しを授けましょう」
「なんと、我が身には勿体ない……」
慇懃に頭を垂れ、降ってわいた餅に男は舌なめずりするが……。
「皆さまお集まりいただき、ありがとうございます」
人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)はコロリと電子巻物を広げて、ダークセイヴァーにおける、とある豪奢な教会を示す。
「ここに居を構えるオブリビオンがいるのですが、彼女は美しい物語を愛し、本来なら美しくあるはずの神様の逸話を騙り、綺麗事で塗り固めて汚いことをする人を優先的に殺しているようなのです」
で、なんでそんなことを話すのかというと。
「彼女は一人の男を殺し、その寸前に彼の同胞がたむろする隠れ家の場所を話しました。その場所へ自分の配下を向かわせるようなのです」
つまり、教会にいる配下の数が少なくなり、強襲のチャンスなのだ。
「それでは皆様、十全に装備を整えてから赴きましょう……此度ばかりは、怪我ではすみませんからね」
真剣な眼差しの椿に釘を刺され、猟兵たちは装備を整える……。
久澄零太
ふひひふひひ……
はっ!?
皆様やっふぉい、久澄(発狂)です
第六猟兵から始めた人は、俺が発狂(シリアス)してるとどうなるか、とある番犬の聖剣伝説の方をよく知る人に聞いてから参加をご検討くださったほうがいいかもしれません
なお、現地は人々が神だのなんだのと戯言ほざいて苦しむ人から搾取するくらいには一般人の心も荒んで疲弊しています
最後に一つ、物語好きな敵への意趣返しのノリで芝居をしてみるのもいいかもしれませんね(ていうかラストはその予定です)
第1章 集団戦
『堕ちた死体』
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POW : 噛み付き攻撃
【歯】を向けた対象に、【噛み付くこと】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : 一度噛まれると群れる
【他の堕ちた死体の攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【追撃噛み付き攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 仲間を増やす
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【堕ちた死体】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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アイ・リスパー
「ここがダークセイヴァーですか。
情報では知っていましたが、実際に来ると酷さを実感できますね」
周囲に渦巻く邪悪な気配に顔を背けそうになりながらも、
猟兵の義務として現実をしっかり目に焼き付けます。
「なんにせよ、邪悪なオブリビオンを倒すため、
まずは露払いが必要ですね」
教会に強襲をかけ、オブリビオンの配下を倒さなければなりません。
とはいえ、私は直接戦闘向きではありません。
電脳世界からドローンたちを召喚して敵陣の様子を偵察しましょう。
周囲に多数のホロディスプレイを展開して画像を解析しながら、
守りが手薄で突入に適した場所を探して味方に情報共有します。
「みなさん、邪悪なオブリビオンは確実に倒しましょうね!」
テティス・ウルカヌス
「今回のお仕事はお化け屋敷のレポーターですねっ!」
目の前に広がるのは、まるで実物のようなアトラクションの世界。
ネズミの国も真っ青です!
「これは天才美少女アイドルのテティスちゃんのレポートの腕の見せ所ですねっ!」
あ、ちょうど私に似た女の子がドローンで撮影してくれてます。
きっとあの子が今回の番組のカメラマンでしょう。
「それでは、早速、突撃ですっ!」
お化け屋敷(?)に突撃レポートを敢行です!
「って、きゃああっ!」
突然わらわらと現れたゾンビの群れに、思わず悲鳴を上げて右ストレートを撃ち込んでしまいました。
もー、まるで本物のゾンビみたいで怖いじゃないですかー!
最近の特殊メイク技術は凄いですね!
敷島・初瀬
「了解であります、必ずや敵を殲滅して見せるであります」
虚空と会話しながら見えない何かに敬礼して任務に参加します、作戦中にそこらの石や何かを耳に当てて何かを受信、報告してますが見ちゃいけないであります。
「ゾンビはこの手に限るであります」
手にアサルトライフル、背中にロケットランチャー、爆弾にナイフの重武装、正面から火力で押し切るであります。
味方の援護も行います、その際にレポータぽい人をロケランの爆風で吹き飛ばして服を引ん剝くかもしれませんが良くあることらしいであります。
「味方をやっちまったであります!今楽にして、、あ、大丈夫だったでありますか」
ナイフもって駆け寄り無事を確認すると離れるであります。
「ここがダークセイヴァーですか。情報では知っていましたが、実際に来ると酷さを実感できますね」
ダークセイヴァーのとある教会を前にして、アイ・リスパー(電子の妖精・f07909)が溢したのはそんな言葉だった。朽ち果てた村と思しきものの端に位置する豪奢なそれは、近隣地域との差異から異質そのものと化している。
「なんにせよ、邪悪なオブリビオンを倒すため、まずは露払いが必要ですね」
電脳世界からドローンを召喚し、周囲の探索に向かわせるアイ。その姿を見ていたテティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・f12406)はドローンの一つに向けてウィンクを飛ばす。
「今回のお仕事はお化け屋敷のレポーターですねっ!」
何かを勘違いしたまま戦場に来てしまったのだろう。周りをきょろきょろ見回して、人気がない事を確認すると首を傾げる。
「スタッフさんはどちらでしょう……あ、これはもう中でスタンバイなさっているという事ですね!それでは、早速、突撃ですっ!」
「え……ちょっと待ってください!」
アイの制止虚しく真正面から両開きの扉に手をかけるテティス。開いたそこに広がるのは整然と並ぶ長椅子と煌びやかなステンドグラス、シックな教壇と美しいパイプオルガン、そして……無数の生ける屍達。
「って、きゃああっ!」
「考えなしに動くからですよ……!」
周囲に展開していたドローンを呼び戻すアイだが、そもそも彼女は支援を目的にユーベルコードを展開していたのだ。テティスの援護には間に合わない。
「了解であります、必ずや敵を殲滅して見せるであります」
虚空に向けて敬礼した敷島・初瀬(フリーの傭兵・f04289)。背中にRPGを背負い、アサルトライフルを手にした彼女はアイの横を通り抜けて突貫。ロケットランチャーを手前に撃ち込み、爆風でテティスを取り囲もうとする屍の壁を吹き飛ばすと、後方へ倒れこむようにスライディング。爆煙の下を掻い潜り、テティスと背中を合わせて屍の群れと睨み合う。
「あれ、アクション映画の女優さんですか?今回はバラエティって聞いてたんですけど……本格的ですね!」
「……このお気楽能天気は船団に置いてくるべきでありましたね」
幼くして戦場を渡り歩いてきた初瀬には分かる。この現場は、猟兵の身体能力を持ってなお、余裕の欠片もない。いわゆる死線なのだと。
「あーもー!ていうかこの数相手に馬鹿を守りながら戦うとか無理であります!!」
「初瀬さん!部隊の他の方へ通信送りました!いつでも撤退できます!!」
アイの声に初瀬は手榴弾のピンを歯で抜き、空いた手でテティスの襟首を引っ掴む。
「きゃっ!?何するんですか!私にはレポーターのお仕事が……」
「黙ってろ!舌噛むでありますよ!!」
自身より数メートル前に爆弾を叩きつけ、粉塵を巻き上げつつ爆風で長椅子を砕き、破片で目くらましと足止めをしながら初瀬はテティスを背負うと全力で走り出す。
「こんな事なら、最初から真面目に動くべきでありましたね……!」
強力な武装は味方を巻き込むのも良くある事。誤射は火力型の華といえど、今回ばかりはそんなことを考えるべきではなかったのだ。
「撤退!撤退でありまーす!!」
「他の方は、ちゃんと動けているといいのですが……」
「わー、最近のお化け屋敷の演出の花火って、派手なんですね……」
アイと初瀬がテティスを救出するべく、撤退ルートの検索と追手の足止めをする傍ら、当のテティスは最後まで自分が何をしでかしたのか、分かっていなかった。
苦戦
🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
ウィルトス・ユビキタス
オブリビオンに肩入れしたくなるとは……この希望もないこの世界は荒廃しきっているな。
しかしそれが人々を見捨てる理由にはなるまい。
オブリビオンを倒すことで俺達がこの世界に希望をもたらさねば。
俺こんな感じの敵が出てくるゲームをUDCで見たことあるぞ。ヘッドショットで仕留めていくのが楽だって話だ。
装備している『イクリプス・フリティラリア』の狙撃銃形態で遠距離からパンパン撃っていく。
不意打ちとか接近されたらUCを使って銃身でぶん殴る。
対処出来ない数が来たら?……手記を遺す。
アドリブ・連携可
土斬・戎兵衛
あーあー、金目の物を貰ったらちゃんと報酬分は働かないからこーなるのよ
まー経済の回ってない世界じゃやむ無しか
それじゃー俺ちゃん、美しいかは分からないけど、いつも通り侍を騙って、活劇に語られようか
敵の脅威は数とみた
まずは【早業】の投げ銭連射で敵陣にダメージを与えるでござる
それだけで倒せるとは思わんが、落ちた硬貨を回収したいという衝動は己が身を強化する
あとは刀で死体の首を落として回るでござる
敵は所詮は亡者の身
智に乏しく単純な動きしかできぬのではないか?
であるならば、【学習力】で動きのパターンを読むこともできるハズ
群がられるのは御免こうむる故、回避には力を入れたいでござるな
(絡み・アドリブ歓迎)
「オブリビオンに肩入れしたくなるとは……この希望もないこの世界は荒廃しきっているな」
崩れ落ちた無数の民家の間を通り、村の名残と思しき廃墟の陰にウィルトス・ユビキタス(武闘派デスクワーカー・f01772)が見たものは、一人の女性の遺体だった。人の形をまともに残さぬそれは、『喰われた』のだと分かる。そして、その犯人がオブリビオンではない事も……。
「しかしそれが人々を見捨てる理由にはなるまい。オブリビオンを倒すことで俺達がこの世界に希望をもたらさねば」
開いたままの目蓋を降ろし、そっと祈りを捧げて歩き出すウィルトス。その耳に、派手な爆発音が届いた。
「おーおー、派手にやってるねぇ?」
隣を歩いていた土斬・戎兵衛(営業広報活動都合上侍・f12308)は軽薄な笑みを浮かべると、教会の側面の壁を見やる。
「あっちがバカ騒ぎしてる間に、俺ちゃんも美しいかは分からないけど、いつも通り侍を騙って、活劇に語られようか」
刀の柄に手を乗せて、にやりと口角を上げると窓を斬り捨て、落下する前に受け止めて内部に潜り込む。廊下に出た戎兵衛が見たのは、正面の騒ぎに向かおうとして迫ってくる屍の群れ。
「俺こんな感じの敵が出てくるゲームをUDCで見たことあるぞ。ヘッドショットで仕留めていくのが楽だって話だ」
窓枠を乗り越えて、ウィルトスが鎌を振るえばそれは柄を畳み、刃を納めて狙撃銃に姿を変える。
「近づかれたら厳しいんでな!」
弾丸を正確に眉間に撃ち込むウィルトスだが、敵は止まらない。額に風穴を開けたまま迫ってくる屍の群れを前に、今度は戎兵衛が紐で一繋ぎにされた一文銭を構えて。
「脳天ぶち抜いてるのに効いてない!?」
「頭を落とさねばならぬという事ではござらぬか?」
侍モードの戎兵衛が親指で小銭を弾き、機関銃の如く小銭で弾幕を張れば、点の攻撃には強くとも、面の攻撃を前に屍も速度を落とさざるを得ない。それでも近づいてくる屍に向けて、指弾をやめた戎兵衛の居合が閃く。
「その首、もらったでござる」
スラリ、刃を納めた瞬間、屍の首が転がって……戎兵衛を見た。
「なん……ッ!?」
正に早業。仕留めたと思った相手からの至近距離の攻撃に、むしろ飛び込み交差するように躱しながら、すり抜け様に居合の一撃。その身を上下に二分してなお、下半身は蠢き、上半身は床を這って戎兵衛を追って来る。
「こやつら……ただの屍ではないな?」
「下がれ!足……というか、動いてる部分を吹き飛ばせばさすがに止まるだろ……!」
怪訝な顔で後方へ跳び、ウィルトスの弾丸が屍の手首、足首を吹き飛ばして動きを封じると、今度こそ動かなくなった。まるで、壊れた人形を打ち捨てたかのような有様に、戎兵衛は顎を揉む。
「智に乏しく単純な動きしかできぬと思っていたが、何か妙だな……」
そう簡単には死なない。そこまでは分からなくもないが、頭を吹き飛ばしても無事なのに、手首足首……関節を吹き飛ばすと動きが止まるとはどういうことか?じっと屍の動きを見つめていたが、首を捻るばかり。
「もう少しばかり、寺子屋に通っておくべきでござったか……」
「冗談言ってないで援護してくれ!正直今すぐ手記を残したい気分なんだ!!」
「おっと、コイツは失礼」
正確な射撃をもって敵を無力化できるとはいえ、いかんせん数が多い。ならば。
「拙者が彼奴等を足止めしてしんぜよう。ウィルトス殿、トドメをお願い申す!」
小銭をばら撒き牽制して踏み込むなり首を落として刃を翻し、腰を断つ。上下二分されて動きが鈍ればウィルトスが関節を破壊して無力化して……。
「ギリギリ、なんとかなったな」
増援が来ない事を確かめて、ウィルトスが壁に背を預けると、戎兵衛は唸る。
「にしてもなんでござろうな、この動き……ゾンビとやらにしては何か違和感が……」
されど、答えは出ない。考えるのをやめて、戎兵衛はばら撒いた小銭を懐に戻すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
満月・双葉
…何だか嫌な予感がするな。
取り敢えずは掃討しましょう
戦場への突入と同時に戦場の状態を把握
地形の利用で効率的にダッシュで動き回り虹色の残像で翻弄していく
有利と判断すれば空中戦で上からの攻撃も行う
お兄ちゃんの銃で上から攻撃すると共に、地上でもすぐ側の敵へのゼロ距離射撃も行う
本で殴りつける気絶攻撃
置物を投げつける投擲
大根による串刺しからの傷口を抉る2回攻撃
第六感や野生の勘も利用しつつ、視力、暗視、聞き耳と全ての感覚をフル活用し見切る
見切れないものは盾受け、武器受け、オーラ防御などあらゆる手段で凌ぐ
ダメージは激痛体制で凌ぐ
また、敵を盾にして他の敵の攻撃を受けて同士討ちを起こさせ数を効率的に減らしていく
シュネー・スムフヴォルト
僕の手が、光が届かなかった人達……せめて次の道を外れる人が出る前に…僕のこの手で…っ!
基本的には囲まれない様に走りながら戦います、
噛まれそうになったら蹴り飛ばして距離を取り、蹴りなどで隙が出来たらUCの一撃で確実に粉砕です。
味方ががもし噛まれて堕ちた死体に囲まれた場合は急いでそちらへ助けに向かい、味方に当たらない様に斧で敵を薙ぎ払います。
怪我などを負って気絶の危機に陥ったら【祈り】を捧げ治癒を試みます。
もしも僕が囲まれたら薙ぎ払いで迎撃を、それでも押さえきれない場合は【捨て身の一撃】で起死回生を試みます。
連携・アドリブ歓迎です。
アリス・セカンドカラー
アリスインワンダーランド、今よりこの場はカートゥーンアニメ世界の法則とコント世界の法則が適用されます。
シリアスになんてさせねぇよ?
そして、GSL21を召喚。アースたんをはじめいずれおとらぬカートゥーンの申し子達をこの場に放流するわ。流石に21個師団は多すぎるから戦闘に支障ない人数だけ呼んで無限湧きぽっぷの如く補充していく方向で。
まぁ、ギャグ補正でそもそも補充する必要があるかは疑問だけど。
堕ちた死体、死体ねぇ、カートゥーン世界の法則が適用されてるし、属性攻撃で沼創って雷を撃って沈めたらスワンプマンの如く生前の姿にもどらないかしら?
ま、試すだけならタダだしね。
マリア・ルート
神だかなんだか知らないけど、知り合いの現人神にように扱われてたらしい奴が聞いたらどう感じるか…
こんなの、胸糞もんね。かけらも残してたまるか。
【血統覚醒】をしたら、噛みつきを【逃げ足】で回避しつつ、【2回攻撃】でアサルトウェポンを乱射して全力で蹴散らしていく。
「あいにく、ゾンビになるつもりはないのよ、私」
「……あんたらに用はない。死体は死体のまんま朽ちてなさい」
「……何だか嫌な予感がするな」
裏口から忍び込んだ満月・双葉(星のカケラ・f01681)が呟く。その不安の正体は分からない。ただ、誰かに呼ばれているような、誰かが警鐘を鳴らしているような、相反する予感がするのだ。
「神だかなんだか知らないけど、知り合いの現人神にように扱われてたらしい奴が聞いたらどう感じるか……こんなの、胸糞もんね。かけらも残してたまるか」
「僕の手が、光が届かなかった人達……せめて次の道を外れる人が出る前に……僕のこの手で……っ!」
マリア・ルート(黒き面影に囚われし根源姫・f15057)が憤りを感じ、シュネー・スムフヴォルト(夜闇をその身に背負って・f05227)が使命感を覚える。
「アリスインワンダーランド、今よりこの場はカートゥーンアニメ世界の法則とコント世界の法則が適用されます……シリアスになんてさせねぇよ?」
三人を嘲笑うようにアリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)を中心に、生活の為の空間だったのだろう、テーブルや台所を備えた部屋全体が丸みを帯びて、まるで漫画の一ページのような姿に改竄されていく。すると、音は聞こえないが、扉が突然『ゴゴゴ……』などと文字を浮かべるではないか。
「あら、カートゥーン法則の影響で、敵の登場に前振りがついてるのかしら?」
「なんにせよ、奇襲されないに越したことはありません」
自身ですら把握しきれていないアリスに代わり、双葉が周囲を見渡し、この現状を把握する。耳を研ぎ澄まし、足元に伝わってくる振動に加えて、漫画染みた演出まで加わっているのだ。
「……」
無言で兄に寝物語に聞かされた本を両手で構え、振りかざす双葉。ドアの前で、その時を待つ。
「……今!」
双葉が振り下ろした瞬間、扉が開いて屍が飛び出し、自ら後頭部を双葉に差し出した形で床に叩き付けられてしまう。倒れた屍に足を取られ、後続がコケた瞬間に本を放り投げ、大根を突き立てた。もはや野菜の領域にないそれは、屍の背骨を砕き、肉を裂いて貫通。下の個体諸共その場に縫い付けてしまう。
「……あんたらに用はない。死体は死体のまんま朽ちてなさい」
双葉が飛び退き本を回収、入れ替わりに肉薄するマリアの瞳は真紅に染まっており、銃剣の刃で足元の屍の首を断つと双葉によって築かれた、屍と大根のバリケードを乗り越えようとする屍に向けてフルオート。マガジン一本分の弾丸をばら撒き、蜂の巣にしてしまった、だが。
「嘘……まだ倒れない!?」
頭蓋と胸元をハニカム構造にされてなお、バリケードを強引に登ってくる屍にマリアがたたらを踏み、その隙に固定されていた屍がマリアの脚を掴む。
「しまっ……」
「えぇい!!」
引き倒され、脚に食いつかれかけたマリアへシュネーが飛びかかると大斧を振り下ろし、床ごと屍の腕を粉砕。バリケードが崩れて雪崩れ込んでくる屍に追いつかれるより先に、マリアを抱えて飛び退いた。
「団体様ごあんなーい♪」
あわや数の暴力で嬲り殺しにされるかと思いきや、アリスが指を鳴らせば空間を紙のように破いて、二十二の亡霊が湧く。かと思えば二十二の亡霊は更に配下を呼び出して……狭い空間内にとんでもない人数の亡霊がひしめき合い、屍達は廊下に押し戻されてしまう。
「これで戦うのはせいぜい一度に数体……楽な戦いでしょ?」
ご丁寧にドアの前にわずかなスペースが残されており、屍達は猟兵達と同じ数しか部屋に入れないばかりか、無数に湧く亡霊を倒さなければまともに動けない有様に。
「あいにく、ゾンビになるつもりはないのよ、私」
屍が部屋に入った瞬間、マリアのアサルトライフルの弾幕が足を止めさせ。
「首を落としただけじゃ倒せない……全身を粉々にしないといけないのでしょうか?」
双葉の拳銃が関節を撃ち抜き、屍を這いつくばらせて。
「それなら僕が仕留めます!」
シュネーの怪力無比な一撃が文字通り、木端微塵に粉砕。もはや残された屍は、その身を砕かれる為だけに並んでいるようなものだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…ん。物語を愛するオブリビオンね。
吸血鬼も悪辣な悲劇を好む輩が大勢いるけれど…。
今回は少し、毛色が違うかな…?
事前に【常夜の鍵】を装備類に刻み、防具を改造して第六感を強化。
攻撃の気配や存在感を感知する呪詛を付与しておく。
他の猟兵と連携して行動し、暗視頼りに敵の攻撃を見切り回避。
避けきれない場合は大鎌を盾に武器で受け防御。
危険を感じたら無理はせず【常夜の鍵】で離脱。
攻撃は怪力任せに大鎌を振るい生命力を吸収した後、
力を溜めた大鎌をなぎ払い傷口を抉る2回攻撃で追撃を行う。
亡者を倒したら【常夜の鍵】の中に死体を収納。
仲間を増やされ無いように隔離する。
…死の安らぎは等しく訪れる。
眠りなさい、安らかに…。
ユキノ・サーメッティア
絵里香(f03667)さんと協力するよー
死体が蠢くって…ようはゾンビだよねー
じゃあ、死者は死者らしく動かない物に変えましょうか
死んでも使われるって、冒涜的でもあるしね
絵里香さんが四肢を取って何も出来ないようにしてくれそうなので
私は二度とそんな風に扱われないように火によって火葬してあげよう
(【全力魔法】の【なぎ払い】でUC・ヴォーゲンレーレ使用)
足元に火の海を呼び出して、ゾンビ達纏めて火で浄化させようね
しかし、これは配下っていうより、防壁?
死者の冒涜であることには変わりないけど
この襲撃はもう察知されたのだろうかなぁ?
神宮寺・絵里香
ユキノ(f00911)と連携
≪心情≫
・物語好きのヴァンパイアか?どうせ悪趣味だな
取りあえず、ぶちのめす。まずはそれからだ。
・んじゃ、行くぞ。ユキノ。ゾンビ退治の時間だ。
≪戦闘≫WIZ
・この手の味方をゾンビ化するやつの対処は‥手足を斬って放置だな。 そして後でまとめて焼却が無難だ。
・【破魔】と【水属性】を武器に纏う
・武器は黒剣と擬槍蛇の目。黒剣で【薙ぎ払い】傘で【受ける】
手足を【薙ぎ払い】、四肢をもぎ取り、石突で歯を折っておく
・敵の攻撃は【見切り】【武器受け】で受け流す
・敵が固まって押し寄せてきたら、【範囲攻撃】UCで動きを止める
・敵を無力化した後、ユキノに火葬してもらう
「……ん。物語を愛するオブリビオンね。吸血鬼も悪辣な悲劇を好む輩が大勢いるけれど……今回は少し、毛色が違うかな……?」
「物語好きのヴァンパイアか?どうせ悪趣味だな」
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)のささやかな疑問を、神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)が鼻で笑う。
「取りあえず、ぶちのめす。まずはそれからだ」
ユキノ・サーメッティア(空白・f00911)へ目配せして、絵里香は真紅の傘を肩に乗せる。
「んじゃ、行くぞ。ユキノ。ゾンビ退治の時間だ」
「はいはーい。じゃあ、死者は死者らしく動かない物に変えましょうか。死んでも使われるって、冒涜的でもあるしね」
などと、三人が向かうのは正面の扉から入った大講堂。しかし、そこは先陣を切った猟兵達によって屍の誘導がされており、最初の半分程度しか残っていない。
「この手の味方をゾンビ化するやつの対処は……手足を斬って放置だな。そして後でまとめて焼却が無難だ」
絵里香が講堂に踏み込んだ瞬間、屍は一斉に彼女を見る。
『聖なるかな聖なるかな聖なるかな……』
「うるせぇ!!」
屍の乾ききった聖句を怒声で塗りつぶし、手にした刀を地面と水平に構えれば、刃が伸長。
「まずは足!」
ドゴッ、壁に突き刺さった刃をそのまま横薙ぎに振るい、戦場ごと薙ぎ払う。壁を砕き、長椅子を破壊して屍の脚を断ち、振り抜いた反動で反対側の壁に突き刺さった得物の刃を縮小するために動きが止まった瞬間、屍は瓦礫の中を高速で這い、引きずる自らの体が擦り減るのも構わず血の軌跡を残すが、絵里香に届く前にリーヴァルディの大鎌がその首を刎ねる。されど止まらず、リーヴァルディに狙いを変えた屍を前にクルリと身を翻し、振るった大鎌の慣性のままに得物を再度振るい、胴体を貫いてその場に縫いとめると。
「……ん?」
後続の屍がリーヴァルディの身を引き千切ろうと殺到。その手が届く前にリーヴァルディは誰もいない教会の壁に向けて背負っていたマスケット銃を発砲。弾丸が壁にめり込んだのを確認すると……。
「ありゃ、消えた?」
ユキノが見守っていた目の前で、屍がリーヴァルディに縫いとめられた同胞を押し潰す。そこに彼女の姿はなく、弾丸がめり込んだ壁の前にたたずんでいて。
「まぁいいや。誰もいないなら思いっきりやれるしね」
ユキノの右手に小さな水球が現れると、上部から中心に向かって渦が生まれ、左手には種火が浮かぶ。
「その身を祓え、二度とそんな風に扱われないように火によって火葬してあげよう」
両手の二つを叩き合わせ、床に両手を押し付ければ、ユキノを起点に扇状に炎が走る。文字通り火の海が広がり、逃げ出そうとする屍達なのだが、その身はジワジワと中心に引きずり込まれていく……。
「ほう、火の渦潮か」
広がる炎はゆっくりとだが螺旋を描き、その熱風をもって獲物に食らいついており、どれだけ足掻こうと炎の猛る中心に飲み込まんとするのだ。
「そうら、お前達もいってしまえ!」
炎の渦潮から逃れた屍の背に向けて、投網のように重力を飛ばす絵里香。対象を吸引するようにして絡めとる無数の鎖は屍の脚を掴み、絵里香は強引に炎の中心に放り込んでしまうのだった。
「しかし、これは配下っていうより、防壁?死者の冒涜であることには変わりないけど、この襲撃はもう察知されたのだろうかなぁ?」
「さすがに察知はされているだろう、相当派手にぶちかましたからな……」
もはや焼け野原の様相を呈している講堂を前に、ユキノが首を傾げ、絵里香は奥を見やる。
「行こう、まだ屋敷の主が残っているはずだ」
「はーい」
歩き出す二人の背を見ながら、リーヴァルディは戦闘中に覚えた疑問を溢す。
「確かに仕留めたはずの屍は、何故転移できなかったの……?」
リーヴァルディの武器や弾丸には共通して、無抵抗の対象を引きずり込み、異なる魔法陣に転移させるユーベルコードが仕込まれていた。
「……確かに、仕留めたはず」
首を刎ね、心臓を貫いた屍が何故か転移できず、リーヴァルディは一瞬動きが止まって後続の屍に襲われかけた。それはつまり。
「倒してなお、抵抗された……じゃあ、最初から……」
この屍達は自身以外の意思を持っている……つまり、何者かによって『動かされている』事になる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『鮮血皇女』
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POW : 誤裁
【のしかかる十字架】【締め付けるオリーブ】【手足に突き刺さる釘】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD : 修行
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【経験な修道者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ : 試練
【裸眼を晒すこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【トラウマを呼び対象の罪を裁く大鎌と大剣】で攻撃する。
👑11
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「……ここまで来てしまいましたか」
竪琴のような美しい声をもって、その女は猟兵達を出迎えた。目隠しをしているが、窓から月でも見ていたように、窓際の椅子に腰かけて、机に頬杖をついていた彼女はゆっくりと立ち上がる。彼女の寝室と思しきこの部屋は、今までの部屋に比べれば広さはなく、猟兵達が包囲するのも容易い。しかし、それでもなお、女は笑っていて。
「自らの罪を告白しなさい。神はきっと贖罪の機会をくださるでしょう……まぁ」
そっと、女は己の目を隠す布に触れる。
「あなた達が自身の罪の重さに耐えられれば、の話ですが……」
女が目隠しを上げた。その瞬間、猟兵達は暗い闇に閉ざされる。何も見えない、感じない、五感を封じるユーベルコードかと思った瞬間、それは起こった。
「――!!」
それは、過去。それは、罪。それは、自分自身……自らの胸の内にある、自らが犯した罪が蘇る。
あぁ、あぁ、来るな、来ないで……声ならぬ声を上げる猟兵は、己が救えなかった者、手を差し伸べなかった者、自らの代わりに逝った者にその身を抱かれて……。
「おい、しっかりしろ、おい!」
周りで倒れた猟兵達を助け起こすのは、偶然敵の視界から逃れた者。
「無駄ですよ。皆様は自らの胸の内にある、自らの罪と共にある……」
スラリ、女は大鎌を構えた。
「私が死ぬか、自らの罪と向き合い、乗り越えなければ目覚める事はありません」
クスリ、女は少女のように微笑んで。
「眠ったという事は、自らの心に深い傷を残す罪を背負っているという事。であれば、罪人は裁かなくてはいけませんから」
猟兵の首を狩るべく、その得物を振り下ろした。
アリス・セカンドカラー
オロチに続いてお前もか、どいつもこいつも人の『大事なモノ』に土足で踏み込みやがって。
しかもそんな二番煎じの精神攻撃で。こちとら既に乗り越え済みだってーの。
断罪?私を裁きたくば『迷いと共に慈悲を持って振るわれる刃』を用意してきなさい。
発動の所作は一度見た、ならば、後はそれに合わせてタイミングを合わすだけ。
イマジンリフレクター、私の妄想でルールを書き換え反射する業よ。
さぁ、あなたが自覚していなかった罪を暴かれなさい。
本当にこれで良かったのだろうか?わからない、けど、反射した試練にはまだ続きがある。
トラウマではなく、慈悲をもちてその罪を裁きましょう。
私の中で永遠になった『あの子』はまだ応えない。
敷島・初瀬
「危なかった、トラウマが多すぎて喰らったら終わりだったであります」
偶々ドアの付近にいたので助かったでありますが、戦場や国家権力とのトラブルを思い出してしまったであります。
「さて今度は真面目に仕事するであります!」
倒れた猟兵が起きて来るまでの時間稼ぎを狙って戦闘に参加します、この状況ではロケランは使いにくいので両手にアサルトライフルとナイフを持って回避重視で行くであります。
味方を巻き込まない状況が出来ればダメージ覚悟で接近してロケランを零距離で撃ち込もうと試むであります。
リーヴァルディ・カーライル
…暗闇の中で目にするのは二人の女性。
純白の衣を纏う桜色の髪の聖女。
白い羽根を背負う黒髪の天使。
…私を救い、私を護り、私の代わりに生贄にされ…。
…ん。少し意識が飛んでいた。
代行者の羈束…呪詛耐性があるのに、防ぎきれなかったのね…。
まぁ、毎晩見ている光景、改めて見せられても何も変わらない…。
私は私の誓いを果たす…。ただ、それだけ。
…私の罪は、私が裁く。お前の手を借りる気は無い。
暗視と第六感を頼りに敵の行動を見切り、
怪力を瞬発力に変え接近し【限定解放・血の聖槍】を発動。
呪詛の力を溜めた掌打で敵を掴んだ後、
生命力を吸収する血杭で傷口を抉る2回攻撃を行う
…人の罪を暴き心を荒らした罪は、お前の生命で償え。
倒れた猟兵の首目がけて、大鎌が振り下ろされる。しかし、その刃が響かせたのは肉を裂き、血を吐き出させる水音ではなく、甲高い金属音。
「危なかった、トラウマが多すぎて喰らったら終わりだったであります」
コンバットナイフを逆手に構え、大鎌の質量とオブリビオンの腕力に対し、ソードブレイカーを噛ませて押さえこみながらナイフを握る手首にもう片方の手も重ね、ギリギリで断頭の一撃を防いだ初瀬。彼女を力任せに弾き飛ばそうとした聖女のような女は、しかし後方へ跳び退きその後を別の大鎌が駆け抜ける。
「……ん。少し意識が飛んでいた。」
どこか眠そうに、ややまぶたが下がったリーヴァルディ。聖女の眼に当てられながら、すぐさま彼女が覚醒できたのには、理由があった。
「毎晩見ている光景、改めて見せられても何も変わらない……私は私の誓いを果たす……ただ、それだけ」
瞬き一つ。その刹那、リーヴァルディのアメジストの瞳はガーネットのそれに変わる。
「……私の罪は、私が裁く。お前の手を借りる気は無い」
少女のソレとは思えぬ怪力をもって床を蹴る。床板に亀裂を走らせるほどの筋肉のバネを砲台に、撃ちだされたリーヴァルディが肉薄。並大抵の反応速度では、理解すらさせずにその掌底を叩きこんだだろう。
「惜しいわね?」
「……っ!?」
心臓めがけて突き出した右手、その手首を寸前で握られ、わずかに届かない。敵の反射を上回るには速度が足りなかったのだろう。だが、リーヴァルディにとってそんな事はどうでもいい。
「……この距離なら、外さない……!」
瞳がフッと赤みを失い、鮮血を打ち、研ぎ澄ましたような魔力の杭が射出され、オブリビオンを壁に突き刺し縫いとめた。
「オロチに続いてお前もか、どいつもこいつも人の『大事なモノ』に土足で踏み込みやがって。しかもそんな二番煎じの精神攻撃で。こちとら既に乗り越え済みだってーの」
呆れかえった様子のアリスが片目を隠し、その片目の前で聖女は杭を握り潰し、自由を取り戻すと得物を構える。
「罪を乗り越えたというのですか?あぁ、なんて傲慢な。あなたがした事は何も変わらない。乗り越えた?薄っぺらい自己肯定で塗りつぶしたの間違いでしょう?」
(発動の所作は一度見た、ならば、後はそれに合わせてタイミングを合わすだけ)
聖女が目隠しに手をかけたのを前に、アリスはその目が開くのを今かと待ち構える。
(あの日、私は『あの子』を殺した)
それはきっと、罪なのだろう。
(でも、私は確かに『あの子』を愛していた)
騙されていただけの、お友達ごっこに過ぎない、紛い物の友情だったけれど。
(『あの子』が私をどう思っていたのかなんてわからない。それでも……)
「例え偽物だったとしても、私と『あの子』の絆に土足で踏み込むんじゃないわよ!!」
聖女と猟兵の眼が同時に開く。重なる視線、交差する魔眼。勝ったのは……。
「イマジンリフレクター」
アリス。
「私の妄想でルールを書き換え反射する業よ。さぁ、あなたが自覚していなかった罪を暴かれなさい」
勝利を確信するアリスの前で、聖女は小さく笑い始める。
「いつから私に罪があると思っていたのですか?」
「な……」
その瞬間、アリスは理解する。このユーベルコードは……。
「人の隠してる罪そのものじゃなくて、罪への意識をトリガーに発動するっていうの
……!?」
敵の力の正体。それは、人が心の内に閉ざした、自らの罪への意識をもってその心を蝕むもの。だからこそ、罪悪感ではなく『誓い』を抱くリーヴァルディはすぐさま意識を取り戻し、『愛』を隠していたアリスは相殺という状況に持ち込めた。
「さぁ、次はどうするのですか?」
予想外の事態にたじろぐアリスへ、得物を振りかざす聖女。だが。
「今度は真面目に仕事するであります!」
横合いから初瀬が飛びかかり、鎌の一振りをナイフでいなし、宙転して躱すとナイフを放棄。頭を下にアサルトライフルを抜き、弾丸をばら撒き牽制。
「とにかく一旦立て直すであります!それに、タネが割れたなら、すぐに起きてくる仲間だっているはずでありますよ!!」
着地するなり床を転がって距離を取る初瀬の叫びに応えるように、倒れた猟兵達がうめき声をあげた……。
成功
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マリア・ルート
ーーなーにが罪を乗り越えろ、よ。と最初は馬鹿にする、けど。
「ああ、でもーー私は、あいつを、助けてあげらんなかったわねそういえばーー」
過去が重くのしかかる。後悔を幾重にものせて。それが罪だというのか。
私は倒れちゃって瀕死になるんじゃないかしら。でも、ここで罠UC【戦場の亡霊】を発動。この戦場の後悔している亡霊を呼び起こして攻撃する。
ある程度ダメージを与えたら無理な傷をおして起き上がって死ぬ気でライフルを連射。
「ーーあいつの分まで私が生きないとーー自分が自分を許せなくなる。
ーーははっ、幻影かしら…誰かが、銃を支えてくれる気がする。
オッケー、これが走馬灯だとしても、これならば百人力よ…!」
アイ・リスパー
「先ほどは作戦が狂いましたが、今度こそは……!」
お邪魔な能天気娘を置いてきて
ボスの寝室に乗り込みます。
「って、な、なんですか、この暗闇……」
徐々に目が慣れてきて見えてくるのは、私が生み出された実験室の光景。
幼い子供にナノマシン処理を施し
電子の海への親和性を高めるという非人道的な研究……
実験で命を落とした仲間たちが恨みがましい目で私を見つめてきます。
「ち、ちが……
私はみんなを見捨てたわけでは……」
そう、私はたまたま実験に成功したから生き残れただけ。
一歩間違えば私もみんなと同じように……
「ひっく、ご、ごめんなさい、私だけ生き残ってごめんなさい……」
私は暗闇の中で子供のように泣きじゃくるのでした。
テティス・ウルカヌス
「ふっふっふ、縄でぐるぐる巻きにした程度で身動きを封じた気になるとは、カメラマンの子も甘いですねっ!」
けど、どうやら今回のお仕事はレポーターじゃなくてお芝居だったみたいです。
もう、マネージャーさん、ちゃんと仕事の連絡はしてくれないと!
「あ、ここが撮影現場ですねっ!」
寝室らしき部屋に足を踏み入れた瞬間。
あたりが真っ暗になり、なにも見えなくなりました。
「そんなっ、これではお芝居してもカメラに映らないじゃないですか!」
その瞬間、私は閃きます。
姿が見えないなら歌えばいいのです!
きっと歌い始めればスポットライトが当たるに違いありませんっ!
「それじゃ、テティスちゃん、歌いまーす!」
【天使の歌】を熱唱です。
「なーにが罪を乗り越えろ、よ」
ふん、鼻で笑うマリアはユーベルコードの直撃を食らってなお、小馬鹿にしていた。
「私に罪なんて……」
あるわけないじゃない。そう続けようとして、一寸先すら見えぬはずの暗闇の向こうに、小さな背中が見えた。手を伸ばせば届くような錯覚。腕を伸ばせど縮まらない距離。
「あぁ、そういえば……」
何とかなると、高をくくっていた。その実態はどうだ?
「私は、あいつを、助けてあげらんなかったわねそういえば……」
思い当たった瞬間、全身が鉛のように重くなる。今まで無数の鉛弾をばら撒いて来たというのに、手に馴染んだはずのアサルトライフルが、巨大な手枷の如く、その身を床に引きずり下ろす。
「待って……」
泥沼に沈むように、体は動かない。闇に見た背中は、少しずつ遠のいて……
「待ってよ……」
時は戻らず、一度手放した命は帰らない……。
「って、な、なんですか、この暗闇……」
マリアが過去に囚われ、崩れ落ちる傍らで、アイもまた己の過去を見せつけられていた。年端もいかぬ子ども達が水槽の中に浮かび、水族館のように無数に並ぶ柱型水槽のその中心には、今まさに手術が行われているベッドがあった。
「バイタルに乱れがあります」
「構わん。死ねばそこまでだ」
「ナノマシン、脳神経から拒絶。信号微弱です」
「延髄につなげ。自分の体を生かす為に必死になるだろう」
「これは……」
届きなどしないだろうに、声を押し殺して口元を隠すアイの前で、幼い子どもの頭蓋を開き、脳にナノマシンを打ちこんでその脳髄を基盤代わりに、『生きた電子回路』を生み出す実験が行われていた。
「心拍停止。これ以上は……」
「心臓に電子チップでも刺しとけ。脳からの信号と噛み合わせれば、他の失敗作よりいい結果になるかもしれん」
「しかし、心臓が小さすぎて、切開したら……」
「じゃあいいや、次」
子どもが飽きた玩具を投げ捨てるように、その子どもは投げ捨てられた。アイの足元に転がったその体は、頭の半分が切り開かれ、胸元は大きく開かれて微かに鼓動する心臓が覗く。残されたわずかな脈動すら止まるまでの刹那を、アイは永遠にも等しく感じながらジッと見つめていて……。
「ねぇ、どうして生きているの?」
「ひっ」
グリン、唐突に、後頭部から脳髄がこぼれ落ち、千切れた眼球を落として、子どもだったモノがアイを見た。
「ち、ちが……私はみんなを見捨てたわけでは……」
「うそつき」
「自分だけ助かりたかったから、逃げ出したんだ」
「酷いよ……皆、生きたかったのに……」
血管を導線に挿げ替えられたのか、失った手首からスパークする金属線を垂らした子どもが、眼窩に球形の演算回路を差し込んで脳に接続されたらしく、眼球が不規則に動き回り、過度な負荷がかかって肥大化した頭を揺らす幼児が、今まさに、目の前で捨てられた体を中途半端に切り開かれた少女が……。
『さぁ、帰ろう?』
「ひっく……ご、ごめんなさい、私だけ生き残ってごめんなさい……」
涙を溢し、幼子のように泣きじゃくるアイを彼女のかつての仲間達が引きずっていく。『ガラクタ』を粉砕する、巨大なプレスに向けて……。
「えーっと、何がどうなってるんでしょう?」
目の前で二人の猟兵が生きるか死ぬかの瀬戸際なのに、わけが分からず首を傾げるテティス。
「それにしても、縄でぐるぐる巻きにした程度で身動きを封じた気になるとは、カメラマンの子も甘いですねっ!」
倒れて、悪夢にうなされているらしいアイの頬をつついて悪戯っぽく笑うテティスに、聖女の方が眉根を寄せる。確かにユーベルコードの対象に捉えたはずなのに、何の影響も受けていないのだから。
「それにしても、この短時間で急に寝てしまうなんて……きっと疲れていたんですね」
それもそのはず。既に発覚しているが、敵の力は対象の罪悪感を基にする……つまり、本人が抱え込む罪の意識によって相手を殺すという、『自責の念』を持つ対象に対して、事実上必殺のユーベルコード。
裏を返せば、戦犯級のミスをして、多大なる迷惑をまき散らしておきながら、『自分が悪い』と気づきもしない超ド級の馬鹿……もとい、故あってテティスには通用しないのである。
「あ、せっかくだから、テティスちゃんが子守唄を歌ってあげますね!」
※しばらくお待ちください。
「まったく、どうせならゆっくり寝かせなさいよ……!」
生存本能が己の意識を叩き起こし、目を覚ましたマリアは頭痛を覚えて頭を押さえる。なお、アイは吐血した血をもって『テティス』の名を遺した。
「でもま、そうよね……」
先ほどまで、グリップを握ることすらできなかった銃が、軽い。
「あいつの分まで私が生きないと……自分が自分を許せなくなる」
震える銃口を聖女に向けて、定まらぬ照準に奥歯を噛むが……ふと、腕の震えが止まった。傍らに、人の気配を感じて振り向けば……。
「ははっ、幻影かしら……誰かが、銃を支えてくれる気がする」
そんなはずはない。けれど、『あの人』の温もりが、手を重ねてくれている気がして。
「オッケー、これが走馬灯だとしても、これならば百人力よ……!」
強気な微笑みを取り戻し、マリアは引き金を引いた。
苦戦
🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
シュネー・スムフヴォルト
贖罪…僕にはとても過ぎた物です、僕は道を外れた者を裁ち、その罪を背負い生きていく覚悟をしたのです。…だから僕は今、あなたを裁ち、その罪を背負わせて頂きます…!
攻めに重みを置き多少の傷は厭わず攻めていきます。
十字架は斧で砕き、オリーブが絡むなら引きちぎり、釘が刺されば引き抜き投げ返します。
味方が傷を負い危機にあるなら【祈り】を捧げ回復を試みます。
【試練】によって現れるトラウマは今まで助けが間に合わなかず斃れていった人達が一面に広がる光景。
ごめんなさい、こんな事許される筈が無い、赦しを乞う理由すら無い。何故ならばこの罪を僕はもっと背負わなければならないから。
敵の気配を感じたらトラウマごと切ります。
土斬・戎兵衛
意識を奪われる前に対策としてUCを上空に放つ
(俺ちゃんは元人斬り。罪なら軽く3桁は犯してきたよ。でもなー、あの頃は自我とかなかったから罪悪感とか別にね……)
それでも戎兵衛に罪悪があるとしたら、それは人斬り時代殺せなかった人間。故郷アルダワで蒸気刀を携えた剣聖に敗北し逃げるしかなかったこと。
斬るために造られた戎兵衛に取って罪とは、殺すことではなく、殺せなかったこと。
けれどきっとお金ちゃんの落ちた音が戎兵衛の目を覚まさせてくれる
「……まっ、気にする程のことでもないんだよ。斬るとこだけが存在意義だった頃と違って、"俺ちゃん"には他にも生き様があるんだから。お金ちゃんとかね」
反撃はポン刀の気軽な一閃で
ウィルトス・ユビキタス
悪いが俺はまだ自らの罪とやらに向かい合う勇気がなくてね。
UCで『イクリプス・フリティラリア』を花びらに変え、自身の前に壁のように展開する。
そしてそのまま鮮血皇女の方へと押し出そう。
試練は先送りだ。数年後にまた会おう。次があればな。
「贖罪……僕にはとても過ぎた物です、僕は道を外れた者を裁ち、その罪を背負い生きていく覚悟をしたのです……だから僕は今、あなたを裁ち、その罪を背負わせて頂きます……!」
「私達を……見捨てるの……?」
「え……?」
先ほどまで、戦場に居たはずだ。気づけば、シュネーが立っていたのはとある貧民街であり、啖呵を切った相手は聖女ではなく、骸骨のような女性。
「昨日は飢えた男を助けて、その前は病の子どもを助けて……ねぇ、私はいつ救ってくださるの……?」
「俺の番は……?」
「僕も助けてよ……もう、お腹の中が痛くて仕方ないんだ……」
それは、シュネーが『救おうとしてしまった』人々だった。
「俺ちゃんは元人斬り。罪なら軽く三桁は犯してきたよ。でもなー、あの頃は自我とかなかったから罪悪感とか別にね……」
一方、戎兵衛が見せられていたのはかつて『壊れかけた』時の事。故郷の世界、蒸気刀を佩いた剣聖を前にして、逃げる事しかできなかった。それが迷宮に挑む少年少女や、彼らを導く先達であれば問題はなかっただろう。
「俺ちゃんってば、人を斬る事を目的にしてたのに、殺し損ねちゃったからなー」
使えない人形に存在価値はない。戎兵衛はそのまま廃棄される……はずだった。
「でもまー」
チリン、小銭が床に落ちる音がする。
「気にする程のことでもないんだよ」
咄嗟にばら撒いた小銭を拾い、真ん中に開いた穴を通して聖女を見やる。
「斬ることだけが存在意義だった頃と違って、『俺ちゃん』には他にも生き様があるんだから」
にやり、正義のせの字もない笑みを浮かべて。
「お金ちゃんとかね」
「こんな事許される筈が無い、赦しを乞う理由すら無い」
戎兵衛の隣で、シュネーがローブの下で目蓋を開く。
「この罪を僕はもっと背負わなければならないから」
ぎゅっと、少年は……否。過去と決別するために、『少年を名乗る少女』は、己のちいさな手を握り込む。
「最初から、人を救おうなんて考えるべきじゃなかった。だって、そうでしょう?僕に救える人には限りがある。必然的に、救えない人も出てきてしまう」
西の人を救えば、東で人が死ぬだろう。北に救済に向かえば、南が見殺しになるだろう。実に単純な答えだ。人一人に救える数など、たかが知れている。誰かを救うのなら、他の誰かの下へは間に合わない。
「それでも僕には、あの時あの人達を見捨てることなんて、できなかったから……!」
相反するようで、戎兵衛とシュネーは良く似ている。あるいは金の為、あるいは己のエゴの為……そのどちらもが、『自身の為』だ。己の根幹を持つ二人は、それぞれの得物を構え、聖女と睨み合う。
「二人とも、随分と殊勝なものだな」
ウィルトスの感心する声と共に、黒い嵐が吹き荒れる。その正体は無数の黒百合の花弁。触れた者の身を侵食する、呪いにも似た花弁の竜巻はウィルトスの姿を隠すようにして、戦場の中心に黒いカーテンを広げる。
「悪いが俺はまだ自らの罪とやらに向かい合う勇気がなくてね」
聖女はおろか、猟兵すらも視界を塗りつぶす黒百合の花弁。その向こうでウィルトスは片手を挙げた。
「試練は先送りだ。数年後にまた会おう」
トン、床を蹴る音が二つ。
「次があれば、な」
黒百合の合間を縫うように振るわれる戎兵衛の斬撃を聖女が大剣で弾いた瞬間、腕を振るった後の無防備な胸元へ、シュネーの大斧が叩き込まれ鮮血を散らした。
大成功
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神宮寺・絵里香
ユキノ(f00911)と連携≪心情≫ ・オレが罪とかを感じながら生きてるような殊勝な人間に見えるか?トラウマというか今までで一番ぎょっとしたのは、16の時に娘の妊娠が発覚した時くらいだ。あの時は焦ったなぁ…。・目隠ししてるってことは魔法少女の類か?ユキノ。・ま、ああいう偉そうな手合いは一番嫌いだ。さっさとぶっ潰す ≪戦闘≫・相手の視界に入らないよう傘を使って視線を遮りながら戦闘 ・武器には【雷属性】【破魔】【麻痺攻撃】の痺れる雷を付与・POWの攻撃に対しては冷静に【見切り】、【武器受け】で叩き落とす・【フェイント】を混ぜつつ攻撃。隙を見て【投げ槍】。麻痺で動きを止めた後UCで【串刺し】
ユキノ・サーメッティア
絵里香(f03667)さんと協力ー
過去のトラウマって言ってもな~ (過去の記憶がない勢)
(見えたとしても断片で見える程度で自分に似て非なる誰かが誰かを
その手にかける映像が見れるだけ
その程度で罪と言われるトラウマって言われてもだけど)
いや、目隠し=魔法少女じゃないからね?なんでそう思…思っちゃうよねぇ
まぁそれは今はいいとして、あの手合が嫌いってエゴの塊だからじゃない?
誤裁は浮遊盾で【盾受け】したり【武器受け】で防ぐよー
隙があったら『UC・ナーデゲヴァル』で武器持ってる手に
【衝撃波】の一撃入れて【武器落とし】を狙ってみよう
試練は…そもトラウマらしいトラウマが…どっか行ってるし
「オレが罪とかを感じながら生きてるような殊勝な人間に見えるか?」
目を見たらアウトだと言っているのに、真っ向から視線を重ねて片眉を上げる絵里香。とはいえ、その視線の先にあるのは敵の瞳ではなく、黒い帯。
「……目隠ししてるってことは魔法少女の類か?ユキノ」
「いや、目隠し=魔法少女じゃないからね?なんでそう思……」
ユキノはツッコもうとして、店長を筆頭に複数の目隠し魔法少女が所属する喫茶店が脳裏を過る。
「思っちゃうよねぇ」
遠い目をしつつも、視界の中心には聖女を捉えたまま、細身の剣を携えれば、絵里香は既に臨戦態勢。
「ま、ああいう偉そうな手合いは一番嫌いだ。さっさとぶっ潰す」
「あの手合が嫌いってエゴの塊だからじゃない?」
ユキノの問いを聞いているのかいないのか、絵里香は傘を開いて投げ捨てて、敵の視界を番傘の朱に染める。されど敵は、はなから視覚など頼りにしていない。傘で視線を塞いだ所で意味などないのだが。
「目に見える物が全てとは言わないが、見えていないと不便な事もあるだろう。こんな風にな!」
傘の骨を蹴り飛ばせば、なんと骨組みだけが油紙を脱ぎ捨てて、一振りの短槍として射出される。真正面からの奇襲に対し、聖女は大剣を振るってその穂先をいなすのだが、弾かれた得物の軌跡が水で描かれて。
「急急如律令!」
パンッ!両手を重ねて印を結んだ絵里香の声に応え、水は捻じれ、研ぎ澄まされて、八つの槍に姿を変えるとユキノへ殺到。
「はいはい使わせてもらいますよっと」
迫る槍を剣で一閃。薙ぎ払うと水はユキノの武器に取り込まれて、巨大な槍に姿を変えるではないか。水への親和性を持った剣を核に、大型武装を携えたユキノは肉薄。
「随分と派手な攻撃ですね?」
ズドン、ユキノの行く手を阻むように、巨大な十字架が立てられ咄嗟に浮遊する盾を当て、それを足場に跳び越えて。
「ほんと厄介だな……!」
本来なら拘束に動くのであろうオリーブが、編み込まれて巨大な壁となる。水の槍を振るい、突き抜けた直後、得物を持つ肩に激痛が走った。
「やってくれるんだから困るよね、もー……」
肩に釘を打たれ、もはや腕が言う事を聞かないが、身を捻って強引に叩きつけ、自身は反動で床を転がる。放つ槍は大鎌の一振りで打ち砕かれてしまったが。
「絵里香さん、後はお願いねー」
「任せておけ!」
迸る水飛沫の中、先に弾かれた槍を携えた絵里香の眼が引き絞られて。
「いかに芸達者なお前でも、これは躱せまい」
放つ槍は、再度弾かれた。先ほどと違うのは……バツンッ!!
「どうだ、因達羅の雷の味は?」
周囲一帯を濡らす水に、絵里香お得意の雷神の一撃が加えられ、空間ごと焼き払われた事である。
大成功
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満月・双葉
お姉ちゃんは生きたかっただろうに
ぁぁ、お兄ちゃんが言っていたっけ
例えそれが罪でも、約束なら踏み越えて行けと
罪を犯したものの義務だから
己を鼓舞して立ち上がる
…貴女でしたか…矢張りオブリビオンとして復活したのですね
僕は正面から行くのは苦手なんですが、貴女に無駄なのは解っていますし、それに貴女はお望みでしょう
桜姫を抜き、鎧無視攻撃・早業・虹色の残像で2回攻撃を行い、少しでも有利に傾けられるように 鎧砕きで他の猟兵の攻撃も到達しやすいようにしてみる
まぁ、死ぬ訳にはいかないので、あぶなければ後方に離脱して、スナイパー、または武器の投擲にて援護射撃し、他の猟兵がトドメをさせるようにしてみます
魅黒・神影
アドリブ歓迎です。
まったく、神を騙るなんて許せないね…って今回はそっちじゃなかったっけか
……ここの土地神様はあまり降ろしたくない雰囲気だけど…蛇神様達だけじゃ不安…かな?
反動以外に色々あったら怖いけど…やるしかないね
それに罪、ね…潔白…とはいいがたいから気を付けなきゃ…かな。
ユーベルコードで神々をその身に降ろして強化された身体能力で敵の得物となぎなたで撃ち合います。
強い力の反動は仕方ないと割り切って攻撃重点の行動を、限界が来たら最後に一発大きいのをお見舞いする勢いで攻撃をした後に可能であれば撤退を。
罪:神を降ろした時に制御をしきれずに少なくない被害を出したこと
江戸川・律
『SPD型』
満月・双葉のサポートとして参加
ごたごた五月蠅いな…
俺の罪は…
親父(元の持ち主)を守り切れずに目の前で失ったこと
仕事で救いたかった命を目の前で救えなかったこと
あの時の悔しさ、無力感を忘れない為にも
これからも親父の信念を継いで
手の届く大切なものは何が何でも守ると決めたんだ!
てめえの言葉やマヤカシで語るんじゃねぇよ!!
常にユーベルコード『ペンは剣よりも強し』で
10秒先を先読みしながら
ホルスターから抜いたブラスターを構え
戦闘知識、先制攻撃、早業、2回攻撃を使い
仲間たちのフォローに回りながら立ち回ります
WIZ型の攻撃で
もし双葉がトラウマがん積みされて動きが止まった場合
フォローで背中を支えます
ネリッサ・ハーディ
いわゆる罪悪感、ですか・・・それは誰しもが、大なり小なり持っているもの。生ある人は皆罪人、とまぁ、柄にもなく宗教じみた話になりましたが。
私も罪は犯しています。むしろ、過去のキャリア的に犯してない方がおかしいでしょう。しかし、残念ながら罪悪感を感じる事はありませんね。そんな感情は、とっくに摩耗しましたから。
基本的に、射撃戦にて味方を援護射撃。隙あらば、UCを使用。
あなたが罪悪感でくるならば・・・こちらは、恐怖感で挑みましょう。
※アドリブ・他者との絡み歓迎。
灯璃・ファルシュピーゲル
満月さんより連絡受け【SIRD】として増援参加
まあ確かに罪が無い人生を送ってきたと言えるような
そんな身ではありませんが…
それは私が自分で考えて処理すべきことであって
貴方に対して今行うべき”仕事”に関係がある事ではありません。
初動で即座に援護射撃・2回攻撃・戦闘知識で
移動しつつ牽制射撃。
仲間の動きに合わせて連携して動き敵の狙いが
一人に集中しないよう敵の攻撃を見切り・おびき寄せつつ
機動戦闘
仲間の誘導で敵に死角が出来ているときは
コードで黒霧を纏った狼達を召喚。
スナイパー・だまし討ち・目立たない・鎧無視攻撃で
死角から頭部狙いで断続的に襲い掛からせ、
霧による視線封じを図りつつ確実なダメージを狙います
真っ暗な空間の中、双葉は虚空に浮かんだ時代遅れなテレビを見ていた。流れているのは人生という名の趣味の悪い歴史番組……双葉の過去の記憶そのもの。
「お姉ちゃんは生きたかっただろうに」
あの日、姉は死んだ。自分の事を突き飛ばして、崩落するビルの下敷きになって……。
「そうだよ……双葉……」
過去の映像が流れる古臭いテレビが消えた。聞こえるはずのない声が、肩越しに落ちてくる。
「アンタを庇って、私は死んじゃった。もっと生きていたかったよ……ねぇ、どんな気持ち?私の命を踏み台にして、自分だけ生きるって……ねぇ、どんな気持ちなの?」
ギュッと、二度と重なるはずのなかった温もりが、双葉を締め付ける。ずっと恋しかったはずなのに、今は何故か、冷たくて……。
「双葉?おい双葉!?」
江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)がどれだけゆすろうと、双葉はその目を開かない。彼女から離れようとしない律に、聖女はクスクスと微笑む。
「無駄な事を。その娘は二度と目を覚ます事はないでしょうに」
「ごたごた五月蠅いな……」
小馬鹿にしたような声音に、律は眠りに落ちた少女を庇うように、聖女と向き合うと愛用の万年筆を見つめた。
「俺の罪は……親父を守り切れずに目の前で失ったこと。仕事で救いたかった命を目の前で救えなかったこと……」
自分の本体でもある万年筆を握りしめ、ただの文房具だった自分に心を宿してくれた、とある記者の背中を偲ぶ。
「あの時の悔しさ、無力感を忘れない為にも、これからも親父の信念を継いで、手の届く大切なものは何が何でも守ると決めたんだ!てめえの言葉やマヤカシで語るんじゃねぇよ!!」
「ならば、やってみせなさい」
ふと、彼我の距離がなくなって、大鎌の刃が怪しく光る。
「大切なものを守るのでしょう?」
「しまっ……」
油断はしていなかった。それどころか、短期未来予測の異能をもって、十秒先すら見越して備えていた。にもかかわらず、敵に距離を詰められたばかりか、双葉の首を落とされる未来を視て彼女を庇おうとしたはずなのに、その立ち回りをすり抜けて敵の刃は自分か双葉、どちらかの首を確実に落とせる位置にある。
(やっちまった……!)
未来を視る事の弊害。それは起こるはずだった未来を、予め知ってしまった事でささやかな変化が起こり、本来とは全く異なる結果が起こされる事。
今回は条件が悪すぎたのだ。狭い室内において、近接武器をメインに扱う敵を相手に、睨み合う程の距離で十秒先の未来を予測して対応した所で、その未来に至らぬように動いた九秒間に敵が動き、全てが終わってしまう。
(せめて、俺の首で……!)
自分は死んだ所で、本体である万年筆が無事ならなんとかなる。腹を括った律の耳を打ったのは、自分の肉が裂ける音ではなく、甲高い金属音とけたたましい銃声。
「いわゆる罪悪感、ですか……」
ネリッサ・ハーディ(ナイフ・アンド・コーツ・f03206)は銃口を聖女に向けたまま、一瞬だけ視線を双葉に投げて一先ず『まだ』生きていはいる事を確認する。
「それは誰しもが、大なり小なり持っているもの。生ある人は皆罪人、とまぁ、柄にもなく宗教じみた話になりましたが」
そう、実に柄でもない話である。神なぞという、世界を上手く回す都合のいい者があったなら、彼女の人生は違っていたのだから。
「私も罪は犯しています。むしろ、過去のキャリア的に犯してない方がおかしいでしょう。しかし、残念ながら罪悪感を感じる事はありませんね。そんな感情は、とっくに摩耗しましたから」
某国において、スパイとして活動していたネリッサ。外套と短剣、と呼ばれるように、その道を歩いておいて、その手が血に濡れていない可能性の方が低いだろう。感情の一部が……人としての心が擦り切れてしまった今の彼女に、罪も償いもないのかもしれない。
「だから、騙し討ちもいとわない、と?」
「……」
灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は柱の陰で息を飲む。敵が目隠しをしているならば、音と匂いがごまかせれば見つからないはずだった。
「まあ確かに罪が無い人生を送ってきたと言えるようなそんな身ではありませんが……」
勘付かれたのなら、もはや身を隠す必要はない。アサルトライフルを構え、灯璃はネリッサと肩を並べる。
「それは私が自分で考えて処理すべきことであって、貴方に対して今行うべき『仕事』に関係がある事ではありません」
拳銃一発で大鎌を弾けるわけがない。先の銃声は、灯璃とネリッサが、異なる銃でほぼ同時に弾丸を撃ち込む事で、銃の使い手は一人しかいないと誤認させようと試みたもの。言うは容易く、行うは難い芸当を披露する二人は、とある組織に所属する気心の知れた間柄故の連携だったとも言えるだろう。
「まったく、神を騙るなんて許せないね……って今回はそっちじゃなかったっけか」
魅黒・神影(蛇巫女・f00667)がおどけるように両手を広げ、聖女の注意がそれた隙にネリッサと灯璃が視線を交差する。
「……ここの土地神様はあまり降ろしたくない雰囲気だけど……蛇神様達だけじゃ不安……かな?」
「神を降ろす、と?」
神影の言葉に、ヒクと聖女の口の端が震えた。
「あなたもそうなのですか……神を降ろしたなどと嘯いて、人々を誑かす愚か者なのですね……」
「え、いや、ボクは……」
やってしまった。そう思った時にはもう遅い。
「神を騙る者どもに、生きる価値などありません。もはや語る言葉もなし」
次の瞬間には神影の首が落ち、残された喉笛からどす黒い血が噴き出してその身はゆっくりと……。
「はっ!?」
自分の首を絞めつける程に強く握って、まだ繋がっている事を確かめた神影は半歩、後退る。
「殺気に当てられただけで死が見えるとか、冗談キツイなぁ……!」
チリン、刃の根元に鈴をあしらった薙刀を立て、神影は祝詞を捧げる。
「いと慈悲深き我らが主よ、どうかか弱き我らを守る力をお授け下さい」
「戦場で足を止めるとは、愚かですね」
しかし、神影の体に黒い蛇がはいずり回る様に呪印が刻まれるより先に、聖女の鎌が降り上げられて。
「今こそ集え、我が同胞よ!」
灯璃の号令を狼煙にして、聖女の行く手を阻むが如く、無数の黒い霧が林立するとその身に食らいつく。
「仕事の時間だ、鉛弾をくれてやれ!!」
普段の落ち着いた雰囲気からは想像もつかない、軍人上りの激しい口調に、黒霧は獣の形を浮き彫りにしていく。
「戦場で足を止めるのは、何でしたっけ?」
動きを止めた聖女に向けて、ネリッサが二発発砲。ライフリングに沿って回転しながら迫る弾丸を、聖女の大剣が受けとめて、その腹を滑らせて軌道を逸らす。振るわれた大剣が駆け抜けた後、続く二発目が眉間を穿とうとして聖女は身をよじり、横髪を微かに散らした。
「もらった!」
既に回避を終えた後の聖女に向けて、律が熱線銃を抜き放つ。もはや振るうは叶わぬ得物と自らを戒める獣の群れ。されど聖女は止まらない。
「ッ!」
大鎌を振るい、狼の群れを掻き消して躱せど、避け損ねた肩が焼け爛れるが大きく振るわれた鎌はもはや彼女の膂力を必要としておらず、慣性のままに律の首目がけて……。
「ボクを忘れてない?」
神影の薙刀に弾かれた。
「その身でいつまで戦えますか?」
嘲笑う聖女、振るわれる大剣を柄で受け軌道を逸らし、踏み込んで切先で脇腹を裂こうとすれば鎌に阻まれて、すぐさま全身を逆転させて反対から斬り捨てようとすれば大剣が回り込み、鎌が神影を引き裂こうとする。しかし、柄をついて跳び鎌に乗ってこれを避け、更に跳んで首を狙って薙げど大剣の柄が阻み、翻って再度迫る鎌から距離を取る。
「もちろん、双葉さんが起きるまでさ」
軽口を叩く神影の双眸からは、真紅の涙が流れていた。
「お姉……ちゃん……」
かつて自分を救った姉に、今度は殺される。背後から抱きしめるようにして、首を締めあげられる双葉は、それでもいいと思ってしまった。あの時は、結果的に自分が姉を殺してしまったから。
「死んで……死んでよ双葉……あの時、アンタが死ねばよかったんだ!アンタさえいなければ、私は死ななくてよかったのに!!」
それはきっと、姉の本心だろう。言葉を交わさずとも、分かってしまう。だってあの時……。
(お姉ちゃん、羨ましそうな目、してたもんな……)
もっと生きたかった。それだけは、確かなのだ。
「アンタなんか……救わなければよかった……!」
ポツリ、双葉の頬に熱い雫が落ちる。もはや意識は遠のき、焦点の合わぬ目で見上げれば、姉は泣いていた。後悔に染まり、体を震わせる姉を前にして、双葉は懐から一挺の拳銃を取り出すと、震える手で銃口を上げる。
「お兄ちゃんが……言ってたんだ……」
「え……?」
カチリ、撃鉄を起こし、引き金に指をかける。
「例えそれが罪でも……約束なら踏み越えて行けって……罪を犯したものの義務だから」
揺らいでいた銃口は、確かに狙いを定めた。
「お姉ちゃんに言われたんだ……アンタは生きるんだよって……」
「双葉……?アンタ、自分が何してるか分かって
……!?」
「お姉ちゃんの顔で……お姉ちゃんを否定するのは……僕が許さない
……!!」
ズガァン……!
長く、長く、銃声が響く。ゆっくりと立ち昇る硝煙に導かれるようにして、額に風穴を開けた姉の幻影は消えていった……。
「……貴女でしたか……」
「双葉!?」
意識を取り戻した双葉を、律が支えて助け起こす。赤黒い剣を抜いた双葉に対し、聖女は待ち望んでいた時の到来を感じてか、愉悦の笑みで出迎えて。
「僕は正面から行くのは苦手なんですが、貴女に無駄なのは解っていますし、それに貴女はお望みでしょう」
聖女は答えない。ただ、静かに大剣を振りかざすのみ。
「……」
もはや言葉は不要。周囲に虹色の薔薇を咲かせて、双葉は律に送り出されるようにして床を蹴る。
「ッ!」
幾重にも連なる薔薇を断ち、散らした炎の花弁を刃に纏わせて、二つの刃が重なる寸前に双葉の姿が虹と散る。
「おやすみなさい」
虹の残像を残して寸前で背後に回った双葉の一撃。振り下ろされた斬撃は確かに聖女の身を斬り裂いた……だが。
「詰が甘いですよ……双葉……!」
振り向きざまに、大剣を投げ捨て大鎌を振るう聖女。されど、その刃が至る前に一発の銃声が鳴り響き。
「全く、心配をかけないでください」
敵の頭蓋を撃ち抜いたネリッサが、双葉の無事を確認してため息を溢すのだった。
大成功
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第3章 日常
『猟兵、舞台に立つ(ダークセイヴァー編)』
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POW : 書き割りの設置など、力仕事なら任せとけ。もちろん、出演もする!
SPD : 小道具や衣装の製作など、手先の器用さが求められる仕事なら任せとけ。もちろん、出演もする!
WIZ : 演出や脚本など、センスが必要な役割なら任せとけ。もちろん、出演もする!
👑5
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「聖女様は……?」
オブリビオンを討伐し、近隣住民の安全を確保して、接触した人々の中から上がった言葉は意外にも、オブリビオンを偲ぶものだった。
「俺たちは、神様に祈りを捧げてただけだ。せめて、自分の家族は助かりますように、ってな」
まとめ役と思しき男性曰く、聖女のようなオブリビオンは現れた直後、人々が信仰する神の話を聞いて、その物語を気に入り、人々が正しく信仰を抱く限り、殺しはしなかったという。
「まぁ、ただの気まぐれなんだろうけど……」
結局、何人もの人が犠牲になった。それに比べればほんのわずかではあるが、『生かされも』した。故に、複雑な心境のようだが……こんな歯切れの悪い結末で良かろうか?いや良くない。そんなわけで猟兵達は人々に愛と希望と信仰と、ついでに笑顔を届けるべく、一つ舞台を演じる事になる……。
魅黒・神影
悪いね、キミらの聖女はボクたちがやっつけちゃったよ。
怪力を使用して力仕事のお手伝い、出演は…神楽舞くらいしかできないけどまぁ何とかなるでしょう精神でやってしまおう…!
誘惑使えばごまかせたりするかな…?ま、できなくてもきっと何とかなるのさー
アドリブ大歓迎です
マリア・ルート
気まぐれ、ねぇ……ったく……しけた面しちゃって……依存症かっつうのあんたら……(頭を掻きつつも本音はなんとか心を癒したいというツンデレ)
とりあえず舞台みたいなのやるなら手伝うわよ。【創造:生成志向】で私が知ってるものなら色々作れるしね。合計量制限はあるけど、小道具係ならできるわ。
役者?あー……やれるとしたら、ヴィランかそれともツンデレみたいな役どころかしら?
ただしあまり派手には暴れないでおく。みんな心が衰弱してるし、こういう時に暴れるようなものを見せると逆効果かもしれないしね……
アイ・リスパー
「昔のことは、まだ吹っ切れませんね。
……いえ、一生忘れられないでしょう」
けど事件は無事に解決しました。
ここは住民たちのために舞台を開いて元気づけましょう。
とはいえ、私は舞台に立てるような器量も度胸も資格もありません。
裏方として、大道具の準備でもしましょうか。
【ビルドロボット】で『小型宇宙戦』と合体してパワードスーツを装着し、
力仕事をおこないますね。
細かい仕事はドローンを呼び出して、それにやらせましょう。
舞台はドローンのカメラで撮って、みなさんが見られるように再生機器と一緒に残していきますね。
多くの人を勇気付けられるといいですが。
「って、わ、私も出演するんですか?
む、無理ですよっ」
アドリブ大歓迎
テティス・ウルカヌス
「いよいよ舞台のクライマックスですねっ!
主役は天才美少女アイドルのテティスちゃんにお任せあれっ!」
ふむふむ。
よくわかりませんが、みなさん、聖女様とかいう人のことを慕っていたみたいですねっ!
よーし、ここは村人たちのためにも、『聖女様』を題材にした舞台をやりましょう!
あ、もちろん、私が聖女役ですからね!
「昔々、あるところに、村人たちに崇められる聖女様がいました。
けれど、聖女様は崇められることに嫌気が差して、
たまに悪いことをするようになってきました。
だって、聖女様だって人間です。
周囲の期待に答えたくないときだってありますよね。
村人たちはそれに気がつくと、自分たちで考えて生きるようになったのでした」
満月・双葉
【WIZ】
(昔昔、神を騙る不届き者達になぶり殺しにされた聖女がいましたとさ、なんて…言っても今更どうにもならない)
…気まぐれでしょうかね…ぇぇ、ここに来たのは確かに気まぐれだったのでしょう。
悲しい人だ、貴女は。
さて、どうしましょうか… 彼らの信ずる神の話を聞き、それを穢さぬように台本を考えましょう。
また湧いて出てこられても嫌ですし。
彼女は桜が好きだったので…と言ってこの世界に桜はないですか。
どなたかユーベルコードで桜の花吹雪は作れませんか。
ピンク色の花吹雪でいいと思います。 ここに居なくても見守っておられると思いますよ。
僕も祈ります。貴方達の行先が少しでも笑顔に恵まれますように。
江戸川・律
『WIZ型』
満月・双葉のサポートとして参加。
双葉からのオーダーは「桜の花吹雪」
中々、難しい依頼を出してくれるよなぁ~
まぁ俺の出来る範囲で協力するよ。
◆準備 「コミュ力」「情報収集」で村人たちに話を聞き まずは舞台の脚本のネタを集めます。
また【レプリカクラフト】で 小道具を作ったり、村の中央に大きな天幕を張り、 場を整えて行きます。
◆演出
裏方仕事中心で動きます
【Whiteout】で生み出した雪の結晶の花びらを空中に漂わせ
【レプリカクラフト】で作成したピンク色の照明で下から照らし
『煌めくピンク色の舞い落ちる桜の花びら』を演出します。
地面に落ちた花びらは勝手に溶けるし片づけも簡単
シュネー・スムフヴォルト
…罪を背負う、とは言いましたが……事情を知るとやはりこたえますね…
僕は裏の力仕事をさせていただきます、出演は遠慮させていただきますね…
書き割りの設置はもちろん、動作に力がいる舞台装置などを動かします、
UDCアースやサムライエンパイアでいう「クロコ」でしょうか?それを真似してフードはいつもより深めに下げます。
…えっ、で…出番…?ちゃんと役割割り振っている
…?!……い、いやだから僕は出演は遠慮すると言待って待って!引っ張らないで!僕は本当に良いですからっ!やっ、やめっ……!
(演じている様子は何も無いところで転けかける程かなりの恥ずかしさと緊張でいっぱいいっぱいな感じです、またローブは外されてます)
灯璃・ファルシュピーゲル
【SPD型】
【SIRD】一員として満月さんを支援し他メンバーと連携
まあどういう想いがあったにせよ
住民達のこれからの方が重要ですし.. 理想の物語の中に去ってもらいましょう
仲間の台本・舞台案をもとに現職時の 野戦築城・設営経験「拠点防御・地形利用・戦闘知識」を活かし 舞台案に従い図面を作るなどして舞台設置を支援
効率よく短時間で物資を運んで組めるよう計画し作業に当たる
桜が散り始めたらコードで白狐を召喚、 薄っすらと見えるくらいに存在させ、遠くで一鳴きさせて消えるように遠ざからせ 神秘的な感じを演出
「郷里では狐は神の使いと言われてましたが.. 聖女さんも誘われて旅立ったのかもしれませんね」
「これはそちらで、そっちはあちらに。あっちは使えませんから、釘を抜いて木材にしてから組み立て直してください」
灯璃の指揮の下、まずは教会の片付けが始まった。既に滅ぼされたこの地域において、舞台を整える事ができる場所は他になかったからだ。
「昔のことは、まだ吹っ切れませんね……いえ、一生忘れられないでしょう」
小型宇宙船と合体したアイは浮遊し、戦闘後とあって足の踏み場もない教会内をせわしなく動き回り、まずはスペースを確保しつつ、ここで振るわれたのであろう、巨大な得物の爪痕を見やる。
その傍でドローンに壊された椅子を解体させて、それを基にシュネーと神影ことガテン系……もとい、怪力少女コンビがステージと舞台装置を組み立てていく。
「そっち持ったー?」
「大丈夫です!」
「おっけー、じゃあいくよ?」
「「せーのっ」」
その光景を前にした近隣住民は後にこう語る。小柄な少女も二人並べば、家一つを持ち上げられるものなのだなぁ……と。
実際のところ、壁は一面しかなく、上は布張りという簡易的なステージなのだが、それでも少女二人が巨大な木造建築の出来損ないを運ぶ様は強く印象に残ったのだろう。
「気まぐれ、ねぇ……」
「およ?」
舞台装置の位置を微調整する神影にメジャーを巻きつけながら、マリアはため息をこぼす。
「ったく……しけた面しちゃって……依存症かっつうのあんたら……」
「え、な、なんですか?」
チラチラと、さっきまでの不安顔から、開いた口が塞がらなくなった住民を横目に、今度はシュネーを採寸。
「まぁ、アフターケアまで含めて仕事かしら、ね」
仕方ない、とでも言うように両手を挙げて再びのため息。
「さぁ、あんた達、衣装合わせるわよ!」
「衣装!?」
その言葉に、シュネーは顔を隠すフードをぎゅっと引っ張り、ジリジリ後退。
「ぼ、僕は出演は遠慮すると言……待って待って!」
「あはは!観念したまえー」
「神影さん!?押さないで!僕は本当に良いですからっ!やっ、やめっ……!」
ずーるずーる、二人がかりでシュネーは物陰に連れ込まれていった。
「大変ですね……さて、今のうちに記録機器の確認を……」
「あんたもよ!」
「わ、私も出演するんですか?む、無理ですよっ」
「つべこべ言わずに来る!」
アイは物陰に消えていった……。
「向こうは賑やかだなー」
「さて、どうしましょうか…… 彼らの信ずる神の話を聞き、それを穢さぬように台本を考えましょう」
紙とペンを手に苦笑する律を連れて、双葉はボソリ。
「また湧いて出てこられても嫌ですし」
「それは確かに嫌だな……」
虚ろ目になった律にメモを取らせて、双葉が聞き集めた話をまとめると、かなりの数の神話が出てくる。
「多いですね……」
「と、思うでしょ?」
手帳ではなく、あえて紙に残した律はそれらをグループ分けすると、大きく三つに固めた。
「神様の名前や権能なんかを見るとめちゃくちゃ多いけど、この手の物語は同じ物の違う側面を切り取ってる場合もあるからね」
一つ一つ、指差しながら律が言うには。
「大きく分けて、愛、幸運、豊穣の神様の三種類の神話かな。いつ死ぬか分からない世の中だからこそ、家族の無事を祈ったり、自分が生き延びるには幸運にすがるしかなかったり、僅かな作物が少しでも増えるように祭ったり……まぁ、まさに人々が求める存在だね」
「おぉ……詳しいですね」
無表情のまま拍手する双葉に、律は照れ笑いしながら。
「これでもジャーナリストだからね。情報を組み合わせてその裏側を見るのには慣れてるだけだよ」
「では、もう一回組み合わせをお願いします」
首を掲げる律を、双葉は無言でじー。
「記事を書くノリで、台本お願いします」
「俺が書くの!?」
「いよいよ舞台のクライマックスですねっ!主役は天才美少女アイドルのテティスちゃんにお任せあれっ!」
などと息巻くテティスだが、こいつにそんな器があるかと言われると怪しい。そこで律が考えた台本というのが……。
「女神が三人いるんですねー」
「待って、僕も女神役ですか!?」
「私の出番多くありませんか……?」
まさかの三柱の女神と聖女の話。テティスは台本を読み込みやる気上々だが、シュネーは自分が女性の役を割り振られたことにもはや涙目であり、アイに至っては覚える台詞や登場シーンが多過ぎて目が死んでいる。
「ところで、全員衣装が同じだけど大丈夫?」
女神役を傍に、神影に確認されてマリアは遠い目。
「仕方ないじゃない、十分な質を求めるには、本物を見たことある必要があるんだもの」
こうして、先程まで戦っていた聖女の服をサイズ小さめで四人分作るという暴挙に出たらしい。
「そろそろ始まりますよ」
「あの、やっぱり私……」
「僕、急用が……」
灯璃に呼ばれて逃走を図るアイとシュネー。しかし神影にとっ捕まり。
「覚悟決めるのと、このままボクと初っ端舞台を飾るのどっちがいい?」
退路なんてなかった!
【昔々、あるところに、村人たちに崇められる聖女様がいました】
舞台の幕が上がり、薄紅の花弁が舞い散る中、聖女は風に手を引かれるように、くるり、くるりと舞い踊る。
【けれど、聖女様は崇められることに嫌気が差して、たまに悪いことをするようになってきました。だって、聖女様だって人間です。周囲の期待に答えたくないときだってありますよね】
ふと、聖女は座り込み、目を伏せて顔をドレスの袖で隠してしまった。
【村人たちはそれに気がつくと、自分たちで考えて生きるようになったのでした】
遠く、遠く、どこか遠く。獣の声が聞こえてくる。顔を上げた聖女が見たのは、純白の狐。
【もう、頑張らなくていいんだよ……神様の御使様に、そう言われた気がして、聖女様は旅に出る事にしました】
歩き出す狐に導かれて、聖女は声の主を求めて立ち上がって……。
【これは、旅立った聖女様と、残された人々を見守る、三柱の神様の物語……】
「昔昔、神を騙る不届き者達になぶり殺しにされた聖女がいましたとさ、なんて……」
テティスの声で進み、退場する神影を見送る舞台を眺め、双葉は呟くと頭を振った。
「言っても今更どうにもならない」
舞い散る桜を模した、雪の結晶に祈りを添えるように、そっと目を閉じる。
『あの人』は、桜が好きだった。だから桜を舞台に使いたかったが、ダークセイヴァーにそんなものがあるわけがない。そこで、律に桜の花吹雪などという無茶をお願いしたのである。結果、雪の華に薄紅の光を当てて、桜を再現するという形になったが。
「まぁ、これはこれで綺麗だし、花は散るもの、雪は溶けるもの……なんか似てるから、いいですよね」
ふと、まぶたを開けば、桜吹雪は散り終えて、舞台を見つめる人々の、物語に一喜一憂する顔が映る。
愛の女神ことシュネーがずっこけて、頭と顔を隠していたヴェールが脱げて獣の耳が露わになり、聖女を導いたのは愛の女神だったのだと発覚したり、豊穣の女神ことテティスが四季の巡りを伝えるべく、大地に歌を届け始めたら本当に大地が震え、教会が崩落しかけて急遽参戦した歴史の神こと、律が押し留めて舞台裏に引っ張ろうとするも、華麗なるカウンターに殴り飛ばされてむしろ舞台裏に叩き込まれてしまったり……。
このハプニングのせいで、脚本家が目を回した状態でアドリブでシナリオを回さなくてはならず、他の神の危機と気づいた幸運の女神ことアイが聖女に扮する神影を伴って止めに入る冒険活劇に変わって、大慌てで小道具を生成するマリアが怨みがましい目でテティスを見るのを横目に、灯璃が手早く舞台を整えてどうにか物語を繋いだり……。
良くも悪くも色々あったが、舞台上の出来事に、喜んで、あるいは驚いて、様々な表情を見せるが総じてどこか楽しそうな彼らに向けて、双葉はそっと祈りを捧げる。もしかしたら、『あの人』にも届くかもしれないから……。
「僕も祈ります。貴方達の行先が少しでも笑顔に恵まれますように……」
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年03月04日
宿敵
『鮮血皇女』
を撃破!
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