●
下野国を抜ける街道に、ソレは現われた。山間部を抜ける道、そこに何故か関所が出来たのである。もちろん、江戸幕府はこれに関与していない。誰かが無許可で、勝手にやってる事だ。
「――わしが認めたのだ、だーれの許可もいらん。なぁ?」
『ははー!』
木製の砦、その最上階にどっかと座っていたのは、それは見事な戦装束の巨大狸だった。誰が呼んだか狸大将――かつては妖狐との戦いに敗れ、今なお狸の天下を作らんと企む妖怪変化である。そして、その眼前には狸大将の配下である、狸兵団が平伏していた。
「まずは妖狐どもに復讐する前に、足場固めよ。ここを通る者共から金銭食い物をたらふく巻き上げよ!」
『ははー!』
「では、行けい! 我が精鋭共よ!」
『おおおおおおおおおおおおおおお!!』
狸大将が号令を出すと、場を盛り上げるようにパンダが太鼓を打ち鳴らす。それに気分を高揚させながら、狸兵団達は駆け出していった。
後に残ったのは、狸大将とパンダの太鼓打ちだけである。グイっと杯をあおると、狸大将は言った。
「で? おぬしは行かんの?」
ポコポコと、パンダの太鼓打ちは太鼓を叩き続けるだけだった。
●
「いや、これ冗談に聞こえるのじゃが強さは本物でな」
流されてはいかんぞ、とガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は表情を引き締める。姿形に惑わされるのは二流の証よ、とガングランは解説を始めた。
「どうやらサムライエンパイアで、狸大将というオブリビオンが配下を使って砦をこしらえたようでの。関所を造って、街道を通る者を襲っておるようなのじゃ」
何せ、ないはずの関所である。旅人も深くは考えておらず、サムライエンパイアではこの危険が周知されるまでしばらくかかってしまうだろう。そして、それまでにはとても多くの被害が出る――それを許す訳にはいかない。
「まずは、砦がどこにあるのか調べねばならん。こいつが巧妙に隠されておってな、普通に探しては見つかるのに時間がかかる。じゃから、関所を中心に調べると良いじゃろう」
関所の狸兵団を締め上げるもよし、住人から何か手がかりを得るのもよし。また、わざと捕まって砦へと案内させてしまうのも手だろう。
「ただ、連中妖狐にはかなり恨み骨髄のようでの。妖狐であるなら、バレないような一工夫も必要じゃろう。そこは気をつけるようにの」
ガングランはそこまで語り終えてから、改めて言った。
「何にせよ、狸大将が力をつければ被害はどこまで広がるかわからん。きっちりと今のうちに始末をつけてくれい」
波多野志郎
パンダ、何でいるんでしょうね? どうも、波多野志郎にございます。
今回は隠し砦の狸達と戦っていただきます。
まずは関所を中心に、情報を収集いたしましょう。力づくもよし、人づてに聞くのもよし。また、捕まった振りの潜入もOKです。
では、狸大将の気分でプレイングをお待ちいたしております。
第1章 冒険
『関所を破れ』
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POW : 正面から正々堂々関所を破る
SPD : 旅人から情報を得る、建物に侵入
WIZ : わざと捕まって様子をみる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
火神・五劫
『』:技能
【】:UC
化かして奪うとは、何とも迷惑な話だ…
人に被害が出るのは捨て置けん
どうにかしなければな
(しかし…パンダ?何故にパンダ?)
※POW
どれ、様子見も兼ね正面から行ってみるか
「おい貴様ら、誰の差金で俺のシマを荒らしてやがる!」
「話にならん、貴様らの頭がいる場所を教えろ!俺が直接落とし前を付けに行く!」
この付近を縄張りとしている怖い人を演じてひと暴れ
狸どもを『恫喝』してみよう
【怪力乱心】で周りの物を浮かび上がらせ
怒り爆発の演出もおまけに付けよう
本音を言えば、食う為以外に動物を傷つけるのは好かんのだが
まあ…こいつらはオブリビオン。致し方ない
(他猟兵との連携、アドリブ歓迎)
目面・真
事情は現地で詳しく調べる必要がありそうだな。
なぜ関所を設けたのか。山賊行為だけが目的ではナイだろう。
旅人のフリをして関所の近くの茶屋や民家などで情報収集をしてみようか。
アレは何なのか、と。
あまり判然としないようなら、かの関所に潜入せねばなるまい。
忍び足で出来る限り関所の近くまで寄って、様子を窺ってみようか。
潜入するために、手薄な場所を探すのが目的だ。
様子が分からなかったら、油揚げを目立つ場所に置いてみてはどうか。もちろんオレが見つからないように。
あまり藪を突くマネをしたくはナイが、な。
油揚げに気を取られている隙に、人気のナイ場所から潜入。
中の兵隊を一体ずつ、大太刀で懲らしめてやろうかね。
花邨・八千代
狸、いいなー狸。
臭いがやべーが味は良いらしいし、食い頃は冬らしいし?
肉は持ち帰れねーかなー、ダメかな。
◆行動(POW)
生憎と考えて行動ってのは苦手なんだよなァ。
っつー訳でやることはひとつ、正面突破だ。
空躁で一気に関所に近付いて「怪力」でブチ開けていくぞ。
抵抗はパワーで捻じ伏せる、ついでに絞めあげて砦の場所を聞きだすかな。
そういや狸って金○を変化に使うんだっけか?
なるほどな。
「恫喝」で脅すぜ。
色々と失いたくなきゃ大人しく白状しようぜ狸ちゃんよ。
春にかぁわいい嫁さん、貰いてぇだろ?
ところでパンダって喰えんの?
竹とか笹食ってるし、味は良さそうだよなァ。
シホ・イオア
被害は出てるんだし近くの住民に聞けば関所の場所は分かるかな?
まあ、街道沿いに行けば見つけることはできるよね。
襲われるのは嫌だし、空から捜索ー。
食事時だったら炊事の煙とかでてそうだし
関所だけじゃなく砦も探してみるよ。
関所を見つけたら……悪戯してみたいなー
関所の前にいきなり砦を作ったらびっくりしないかなー
……他の猟兵さんも混乱するからやめておこう。
輝石解放、アクアマリン。おいで、シホの友達♪
召喚した聖霊に関所に侵入してもらいます
狸兵の後を付けて色々情報収集。
宝を運んだり定期連絡で砦に行ったりするだろうから
その追跡ができればいいんだけどね。
石動・彼方
狸だろうが狐だろうが驚きはしないわ、UDCで働いていれば妙なバケモノは沢山見てるから。
◉調査
密かに関所を探って狸兵士を拷問して砦の場所を吐かせましょ。
「お愉しみの時間よ…くふ」
巡回中の狸兵を【サイコキネシス】で小石なんかを使って物音を立てて注意を引き、孤立させる。
完全に関所から離れたら背後から【グラップル】で締め上げて、口を塞ぎながらまずは肩を【怪力】で外す。
「大声を出したらもっと痛くするから…質問に答えて」
そのまま首に腕を回して締めながら、片手は狸の玉を握り締めて砦の場所を質問、抵抗するなら痛めつける。
「ふぅん、ありがと」
用済みになったら握り潰して、嬲り殺しにして捨てていくわ。
アドリブ大歓迎
●山岳の関所
(「事情は現地で詳しく調べる必要がありそうだな。なぜ関所を設けたのか。山賊行為だけが目的ではナイだろう」)
目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)は、ふと街道にある小さな茶屋へと立ち寄った。
「いらっしゃい」
「お茶と団子を頼む」
「はい」
サムライエンパイア、ひいては江戸時代の街道にはこのような小さな茶屋というものが存在した。街道には街はあるものの、その基本的な移動手段が徒歩であったため、茶屋はただ食事のためだけではなく、緊急時に休む場所としても機能していた。
「最近、この辺りに関所ができたらしいな」
「ああ、その話ですか」
だからだろう、真の質問に茶屋の主は疑問を抱かない。よくある茶飲み話の一環、ぐらいの感覚だ。
「お上も、急に何を考えてるんだか。最近はめっきり街道を通る者が減りましてね」
「……それだけか?」
「? ええ、関所というのは手続きが面倒ですからねぇ」
真の問いかけの真意を汲み取れなかったのだろう、茶屋の主はそう湯呑と団子を手に戻ってきた。団子は疲れた体に甘みが染み込む適度な甘さで、お茶も上等ではないが茶の味が楽しめる濃さだ。真はしっかりと味わいながら、会話を続ける。
「例えば、関所で人が捕まったとか――」
「いや、普通に手続きをすれば通れるのが関所ですから。捕まるなんて、そうそうないですよ」
茶屋の主の言葉に、虚偽は感じなかった。なるほど、サムライエンパイアの文化水準を考えれば、人が戻って来ないとしてもすぐにわかるほど情報網は発達していないのだろう。電話もなければ、テレビもラジオもない。情報のやり取りなど、こういう直接的なものだけなのだから。
「そうか……お金はここに置いておく。ごちそうさま」
「はい、お気をつけて」
茶屋の主に見送られ、真は再び歩き出す。狸どももうまく考えたものだ、旅人を狙えば戻って来なくても先へ進んだ程度にしか思わない。往復しなければおかしい者は通せば、完全犯罪の完成と言う訳だ。
「これは、急がないといけないな」
真は、歩く足を早める。状況は、猟兵が思うよりも悪化しかねない。そう、確信するのに十分だった。
●関所を通らば――
「まあ、街道沿いに行けば見つけることはできるよね」
空から街道を見下ろし、シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は呟く。舗装こそされていないものの、街道はよく整備されていた。だから、迷うこと無くシホは進み、関所へと至る事が出来た。
その関所は、小さいながらしっかりとした作りだ。門の両側には、槍を持った兵士が二人ずつついていた。そして、双方に出入り口のある建物が一つ――サムライエンパイアでは、よく見る形の関所だ。
「関所を見つけたら……悪戯してみたいなー。関所の前にいきなり砦を作ったらびっくりしないかなー」
シホはその光景を想像してみて、すぐに考えを改める。
「……他の猟兵さんも混乱するからやめておこう」
賢明な判断である。何より、へたに手を出すと狸達に感づかれる恐れがある。へたな手出しは、警戒を強められる場合もあるのだ。
だから、シホは別の手段を選んだ。
「輝石解放、アクアマリン。おいで、シホの友達♪」
シホのコール・シー・フレンズによって呼び出されるのは、空飛ぶ熱帯魚だ。熱帯魚はシホの周りを一周すると、するりと関所へと下りていく。
熱帯魚の視界と同調したシホは、見た。関所に、堂々と乗り込む羅刹の姿を。
「おい貴様ら、誰の差金で俺のシマを荒らしてやがる!」
「はぁ?」
声を張り上げる火神・五劫(送り火・f14941)に、道を塞いだ兵士達が訝しげな表情を見せた。
(「化かして奪うとは、何とも迷惑な話だ……人に被害が出るのは捨て置けん。どうにかしなければな……しかし……パンダ? 何故にパンダ?」)
そんな五劫の心中を察する事無く、バレたと思っていない狸が化けた兵士は五劫似槍を突きつける。
「何を言ってやがる、極道者が。お上に逆らうたぁ、太えやろうだ」
「おうおう、神妙にお縄につけや!」
ちなみに、兵士達はノリノリである。よほど、言ってみたかったのだろう――表情から、それがうかがいしれた。
「話にならん、貴様らの頭がいる場所を教えろ! 俺が直接落とし前を付けに行く!」
五劫の怒鳴り声と共に、倒木が街道へと吹き飛んできた。轟音と衝撃、それに負けない五劫の気迫に兵士達はたじろんだ。
しかし、太鼓の音と共にかけられた言葉に兵士達は正気を取り戻す。
「引っ捕らえよー」
「お、おう。そうだな!」
「神妙にしろ! それこそ大将の元に連行してやる!」
「ほう、それは面白い!」
どうやら、向こう側から連れて行ってくれるらしい。五劫はニヤリと笑って、兵士達と一緒に建物へと入って――思わず、感心してしまった。
「おい、止まるな! ここを通るんだ!」
「……おう」
そう、建物の中には地下への入り口があったのだ。なるほど、門の両側に出る扉がる関所特有の建物、その片方から入った相手が建物を通って向こう側に行ったと思えば誰も怪しまない。だが、実際には外から見えない地下から砦へと誘拐していたのだ――単純だが、よく出来たカラクリだった。
(「こいつら、見た目よりも馬鹿じゃな――」)
五劫は真剣な表情でそこまで考えながら、視界の隅に映ったゆったりと寝転ぶパンダに耐えきれず叫んだ。
「だから、何でパンダなんだ!?」
「うるさい、そこに答えはない!」
●吐かぬなら、吐かせてみせよう
兵士は、何も関所の前にいるだけではない。街道から外れた森の中、異常がないか見回る兵士もいた。
「……ん?」
ガサリ、と茂みから音がして兵士がそこを覗き込む。しかし、そこには何もない。獣だろうか、と兵士が小首を傾げたその瞬間だ。
「お愉しみの時間よ……くふ」
「――!?」
上だ、兵士が反応するより早く木から下りてきた石動・彼方(狂愛・f13764)が背後から兵士を抱き寄せる。兵士はまたたく間に狸へと戻り腕から抜けようとするも、ゴキン! と両肩を外され槍をとりこぼした。すかさず、彼方の左腕が後ろから首を締めて口を塞ぎ――。
「ぎゃん!?」
「大声を出したらもっと痛くするから……質問に答えて。砦はどこにあるの?」
右手が、がっしりと狸の急所を掴んでいた。狸はもがくが、腕力差は明白だ。
「は、話すものか……!」
「そう、ならこう、コキュっと」
「あ、この森のずっと奥ですぅ」
脅しにあっさりと屈して、狸は白状する。どう考えても、この状況は詰みだ。狸兵士も抵抗らしい抵抗は出来なかった。
「ふぅん、ありがと」
彼方は、艶やかに微笑んだ。聞きたい情報は聞けた――ならば、後はもうひとつの『目的』を果たすだけだ。
「ギ、ギ!? ちゃ、んと、はなし、た……!?」
「あれ? 話したらそれで終わりって言ったかしら?」
声は誰にも届かず、姿も誰にも見られていない。だからこそ、彼方は己の衝動のまま――己の『目的』を、果たしていった。
●Knock Knock
「狸、いいなー狸。臭いがやべーが味は良いらしいし、食い頃は冬らしいし? 肉は持ち帰れねーかなー、ダメかな」
花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)は煙管を吹かし、街道を歩いていく。関所が見えてくると、兵士達がギョっとした。八千代の血を吸った南天が巨大な金棒となって、引きずられていたからだ。
「越えられぬものはない」
八千代が、空中を駆ける――空躁(アップドラフト)の疾走を、兵士達はすぐに狸へと戻って道を塞いだ。このような真似、自分達と同じ妖怪変化にしかできない、そう思ったからこそ出し惜しみはなかった。
「っらああああああああああああああああ!!」
『がああああああああああああ!?』
八千代の豪快な怪力による金棒の一撃が、兵士達ごと関所の扉を破壊した。地面に転がった狸を、ガッ! と踏みしめながら八千代はニヤリと笑う。
「砦はどこだ? 色々と失いたくなきゃ大人しく白状しようぜ狸ちゃんよ。春にかぁわいい嫁さん、貰いてぇだろ?」
「ちょ、ま……!?」
「ところでパンダって喰えんの? 竹とか笹食ってるし、味は良さそうだよなァ」
「いや、一応パンダは雑食可なんでぇ」
八千代の周りを、狸達が囲んでいく。八千代は、それを笑って眺めると吐き捨てた。
「どーれーにーきーこーうーかーなー?」
全員ぶちのめせばいい、八千代はそう判断して――そうする事にした。
●そして、砦は臨戦態勢となる
シホは、ふと大騒ぎの関所から立ち昇る煙を見た。それに応えるように、しばらく立って森の奥から似た煙が立ち昇る。
「あそこかな? うん、地下もあっちの方向だったし♪」
シホと繋がった熱帯魚は、五劫と共に地下を通って進んでいた。どうやら、砦の位置はあの煙――狼煙の上がった場所で間違いなさそうだ。
猟兵達は、こうして砦の位置を知る。ただ、狸側もこの事態に対応する――臨戦態勢の狸達が、猟兵達を迎え撃つ事となるだろう。
大成功
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第2章 集団戦
『狸兵団』
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POW : 狂乱野鉄砲
【仲間がやられた恐怖心】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【弓矢や火縄銃の集中砲火】で攻撃する。
SPD : 狸兵団突撃
予め【突撃陣形を組む】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ : パンダ混じりの狸囃子
戦闘力のない【子狸応援団(何故かパンダがいる…)】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【戦場に響く賑やかな太鼓の音】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:綾智
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●狸側、臨戦態勢
「おい、関所から狼煙があったぞ!」
「まさか、狐共の襲撃か!?」
砦では、騒がしく狸達が忙しく動き回っていた。砦の異常を狼煙で知った本隊は、周囲で警戒している狸兵団を狼煙によって召集する。本陣を固める、戦の常道だ。
しかし、彼らは知らない。敵が地下のルートも把握している事を。地上と地下、両方のルートをどう使い分けるのか? それによって、猟兵達の戦い方も変わるだろう。
まさに、合戦直前。狸達は、決死の覚悟を抱いて戦いに挑むのであった……。
石動・彼方
くふふ…狸を虐めるのは愉しいわね…次はもっと沢山壊せそう…
◉砦攻め
とは言っても私は指先一本で軍隊を薙ぎ払うような強い猟兵じゃないから、判明した地下の道から砦に密かに潜入して、狭い室内で乱戦に持ち込むわ。
「生意気に鎧なんか着ちゃって…私には無駄よ」
狸を見つけたら【絶天頂】を決めて1匹ずつ絞め殺す、『怪力』と『グラップル』で狸を持ち上げて他の狸に投げつけたり、顔面を蹴り抜いたりもするわね。
「私に壊されたい狸さん、手をあーげて♪」
反撃があっても『激痛耐性』のたる私には効かないわ、痛い事されたって私は痛くないから。
ただ近寄れなくなるのは困るから、乱戦の有利を活かしたいわね。
アドリブ大歓迎
火神・五劫
『』:技能
【】:UC
(地下を進みつつ)
……上が騒がしいな
狸ども、既に戦いに備え始めているか
俺の対処に来ないということは、砦の外を警戒している様子かな
よし、騒ぎに乗じて荒らしてやろう
まずは地下から砦への出口周囲の狸どもを
鉄塊剣の『なぎ払い』と作り出した『衝撃波』で一掃だ
注目を集めたら
「さあ、一匹残らず毛皮を剥いでやるぞ!」
声を張り上げて『恫喝』し、さらに
【ブレイズフレイム】で放火
砦内部を混乱させることに努めよう
敵からの攻撃は
『第六感』や『見切り』で回避
避けられぬならば『オーラ防御』『武器受け』で耐えよう
※他猟兵との連携、アドリブ歓迎
花邨・八千代
ははぁん?なるほど、地下もあるってわけか。
じゃあ地上から派手に行くかねぇ、陽動上等!
他に気ぃ取られてる暇なくしてやるよ!
◆戦闘
【空躁】で地上を一気に駆け抜けつつ本隊に殴り込みだ。
登場は派手なら派手なほど良いだろ?
乗りこんだら黒塚で広範囲を「なぎ払い」!「怪力」任せにぶっ飛ばすぜ!
「恫喝」で威圧しつつ敵の攻撃は「第六感」で可能な限り回避。
「2回攻撃」だ、返す刀で「傷口をえぐる」ぜ。
【空躁】で飛び回りつつ派手に暴れてやるかな。
危なくなったら「捨て身の一撃」だ、一匹でも多く巻き込んでくぞ!
たーぬきさーんたーぬきさーん、あそぼうじゃなーいか!
地獄の果てまで付き合ってもらうぜェ!
目面・真
関所へ急いで来てみれば、何なのだコレは?
煙が2つ。森の煙の出所が隠し砦か?
関所に行っても仕方がナイな。放っておいて森の煙へまっすぐ行ってみようか。
目立たない、変装、ダッシュ、忍び足である程度は狸共をやり過ごすコトが出来よう。
もし見つかりそうになれば、油揚げを置いて時間稼ぎ、その間に忍び足で先へ進もう。
もし戦うとなれば、大太刀で斬り伏せて進むのみ。
兵装の甲冑とアームドフォートは置いてきた。いつでも使える準備は済ませてあるが。
相手の攻撃が厳しいようであれば、世界は斯く分かたれりで無効化。そして虱潰し、もとい狸潰しを継続だ。
さて、砦はまだか?
シホ・イオア
せっかく聖霊が見つけてくれたんだし地下からいってみよう
移動中も敵がこっちに来る可能性があるので常に警戒しておくよ
……光ってるからこっちが先に見つかっちゃうかもだけど
砦についたらできるだけ敵の後ろに回りたいなあ
あと単騎の敵がいたら気絶攻撃で捕まえて情報を吐かせたい
捕まった人とかいたら困るしね
狸兵団と戦闘になったら銃持ちを優先して狙うよ
火縄銃なら水浸しにしちゃえば使えなくなるよね?
「輝石解放、サファイア!水球よ、吹き荒れろ!」
敵の攻撃は残像と見切りで対処
ベスティア・クローヴェル
※アドリブ歓迎
砦の位置探し、ご苦労様
調査とかそういうのは苦手だから、とても助かった
それじゃ、狸の敗残兵狩りと行こう
オブリビオンである以上、獲ったところで食べられないだろうし、全て焼き尽くす
地上から侵入して派手に暴れる
そうすれば敵はこっちに集中するだろうから、地下から侵入し易くなるはず
ドローンで敵と味方の位置を把握し、UCで爆炎を放って【先制攻撃】
周囲に他の猟兵がいるのであれば、巻き込まないよう注意する
先制攻撃後は【ダッシュ】と【残像】で的を絞られないよう移動しつつ、UCで四方八方から爆炎を放つ
敵の攻撃は避けられるものは【見切り】で回避。避けられないものは【武器受け】で防ぐ
●隠し砦
「関所へ急いで来てみれば、何なのだコレは?」
街道の途中、目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)は立ち昇る二つの煙に気づいて呟いた。
「煙が2つ。森の煙の出所が隠し砦か? 関所に行っても仕方がナイな。放っておいて森の煙へまっすぐ行ってみようか」
そう判断すれば、真の決断は早い。迷わず、森の中へと駆け出しだ。足音を極力殺し、木々を縫うように駆け抜けていく。
「――っと」
真は、不意に急停止する。前方から、こちらに向かってくる気配を感じたからだ。そのまま、木陰に身を隠し……念のために、油揚げを置いておく。
気配の正体は、数匹の狸だ。ただし、四足ではなく後ろ足で立って鎧装束に身を包んだ妖怪変化――狸兵団であったが。
「……む? この匂いは」
「油揚げ! 油揚げでござるな!?」
「まさか、妖狐のヤツがこの周辺に!?」
油揚げの匂いに気づいたのだろう、狸兵団の間に緊張が走る。どうやら、彼らの間には妖狐=油揚げの図式があるらしい。それが狸妖怪全体なのか、この隠し砦限定なのかは不明だが。
(「では、この隙に――」)
油揚げに気を取られているなら、こっちのものだ。遠回りして、真は狸兵団をやり過ごす。そのまま走ることしばし、真はついに狼煙の元へとたどり着いた。
「なるほど、これは隠し砦だな」
真は、その光景に納得した。木造の砦は山と山の間、峡谷にあったのだ。なるほど、これでは建物など見えるはずもない。それでいて、攻めるのは上から攻めるしかなく――。
「何奴!? 関所の襲撃者か!?」
「敵は発見しやすい、か。なかなか、厄介だね」
上を巡回していたのだろう、狸兵団に真は大太刀義光を抜く。狸兵団達が槍を構えて突っ込んでくるのに、真は義光を横一閃。一太刀の元に、両断した。
「飛び降りる、のはここからだと無理だな。下りる道を探そうか」
真は立ち止まる事なく、次の目的を果たすために走り出した。
●狸を蹂躙せよ
そのころ、空中を駆けている者がいた――花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)だ。
「ははぁん?なるほど、地下もあるってわけか。じゃあ地上から派手に行くかねぇ、陽動上等! 他に気ぃ取られてる暇なくしてやるよ!」
八千代の空躁(アップドラフト)による空中疾走に、度肝を抜かれた狸兵団が砦の前で色めきたつ。
「な、なんでござるかあれ!? 新しい妖怪変化!?」
「あれは羅刹だ! おのれ、鬼が攻めて来るか!」
「矢をー、射かけろー!」
パンダの指示の元、ハっと正気を取り戻した狸兵団は、空中の八千代へ矢を射掛けていく。自身に迫る矢の群れを、八千代は虚空を蹴って大きく跳躍。飛び越えた。
「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ビリビリと渓谷の空気を震わせ、八千代が吼える。大振りの刃が取り付けられた黒塗りの薙刀を大きく振りかぶり、八千代は豪快な一撃で地面ごと狸兵団を薙ぎ払った。
「か、囲め囲め!」
「真正面に来よって! うつけが!」
他の狸兵団が音を聞きつけ、やって来る。立ち上がる砂煙を囲むように集まった狸達は聞いた。風が払った砂煙の向こうから現れる、黒塚を肩に担いだ八千代の姿を。
「たーぬきさーんたーぬきさーん、あそぼうじゃなーいか! 地獄の果てまで付き合ってもらうぜェ!」
八千代はニヤリと笑うと、自分達を取り囲む狸兵団へと言った。狸兵団達は一瞬怯むものの、勇気を振り絞って八千代へと殺到した。
「な、なんだ、この音は!?」
自分を先導する狸の焦りように、火神・五劫(送り火・f14941)も視線を上げた。
(「……上が騒がしいな。狸ども、既に戦いに備え始めているか? あるいは、もう始まったのか――」)
五劫は、地下道に響く音にそう判断する。
(「俺の対処に来ないということは、砦の外を警戒している様子かな。よし、騒ぎに乗じて荒らしてやろう」)
五劫は地下道の終わり、砦の入り口に気付く。そして、すかさず火影を抜いた。
「な!? 貴様――!」
五劫が、火影を全力で振り抜いた。その斬撃は空を切り裂き、凄まじい衝撃波を生み出す。ゴォ! と先導していた狸達はもちろん、そこで警備をしていた狸達も巻き込み、衝撃が吹き飛ばした。
五劫はそのまま歩を進める。どうやら地下道は直接砦の一階へと繋がっていたらしい。砦の上からも、狸達が殺到した。
「正面どころか、地下道からもだと!?」
「おい、こっちもだ!」
(「どうやら、向こうも派手にやってるらしい」)
慌てた様子の狸と戦闘音に、五劫はブレイズフレイムを燃え上がらせた。
「さあ、一匹残らず毛皮を剥いでやるぞ!」」
砦へと燃え移る地獄の炎に、狸達は慌てる。自らの体から地獄の炎を次々と生む五劫に、狸達は殺到した。
こうして、八千代と五劫の陽動は大きな効果を生む事になる。まさに蹂躙、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ――しかし、狸達もそれを簡単に許した訳ではない。
五劫が陽動する間に、砦への侵入に成功した者がいた。石動・彼方(狂愛・f13764)だ。天井の縁に身を隠した彼方は、階段を降りようとする狸達を上から見下ろしていた。
(「くふふ……狸を虐めるのは愉しいわね……次はもっと沢山壊せそう……」)
そこにあるのは、嗜虐の笑みだ。彼方は、狸の流れが途切れた瞬間、最後列の狸の上へと飛び降りた。
「な!?」
「生意気に鎧なんか着ちゃって……私には無駄よ」
彼方が狸の肩の上に着地する。ぎゅう、とその太ももで首をしっかりと締めると、前へと体重をかける。
「お――」
そうすると、狸は倒れないように踏ん張る――その力を利用して、一気に彼方は背後へのけぞった。それこそが、彼方の絶天頂(ゼッテンチョウ)。プロレスの投げ技フランケンシュタイナーだ。
『う、わああああああああああああああああああああああああああああああ!?』
無数の悲鳴が、階段から上がった。最後尾が、階段から転げ落ちたのだ。そのままの勢いで、一列の狸達を薙ぎ払い彼方も一番下まで落下する。
「な、なんなんだお前!?」
「私に壊されたい狸さん、手をあーげて♪」
すかさず、彼方がバク転。次から次へと襲いかかってくる敵へ、絶天頂(ゼッテンチョウ)を叩き込んでいく。股間をしっかりと押し付け、太ももで締め上げるそれはもはや地獄絵図……あるいは、極楽絵図だった。
ただ、彼方の攻撃はあくまで一体ずつが対象。このままでは数で圧倒されていただろう――それを防いだのは、シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)だ。
「輝石解放、サファイア! 水球よ、吹き荒れろ!」
シホのホーリー・レインが、火縄銃を構えた狸達に襲いかかる。浄化の力を込めた無数の水球に、狸達は薙ぎ払われた。近づけば彼方が、遠くにいればシホが、役割分担の出来たこの二人の陣形を、陽動で戦力が減った狸兵団で攻略できるはずもなかった。
「捕まった人はどこ?」
倒れた狸に、シホはそう問いかける。それに床に大の字になった狸が、息も絶え絶え答えた。
「ち、地下牢に……」
「地下だね」
がくり、と気絶した狸に、シホはうなずく。ここに来るまで、他の狸にも情報は聞いていた。多くの狸が、地下牢だと答えている。どうやら、嘘ではないようだ。
「でも、戦ってる間は地下にいてもらった方がいいかも」
シホは燃える一階と砦の前の阿鼻叫喚の光景を見て、そう決めた。さすがに、今逃がすのは危険すぎる――そう、シホが思った時だ。
上空で、鈍い爆発音がした。それは、まさに太陽の如き灼熱の炎だった。
●砦を攻略し
「砦の位置探し、ご苦労様。調査とかそういうのは苦手だから、とても助かった」
ベスティア・クローヴェル(諦観の獣・f05323)のお礼に、途中で合流した真は小さく肩をすくめた。
「それはいいとして……どうする?」
真の言葉に、ベスティアは視線を周囲に走らせる。それは、崖側からこちらに向かってくる狸兵団の姿だ。おそらく、巡回していた狸達だろう――このままでは、挟撃の形になりかねない。
「狸の敗残兵狩りと行こう。オブリビオンである以上、獲ったところで食べられないだろうし、全て焼き尽くす」
確かに煮ても焼いても食えないだろう、Mass Blade〝Skoll〟を抜いてベスティアは唱えた。
「星々が天から堕ち、大地は震え、私の劫火が世界を焼き尽くす」
既にドローンで、敵の位置は把握している。ベスティアは太陽の如き灼熱の炎を身にまとうと疾走、Mass Blade〝Skoll〟を振り払った。
その切っ先の軌道をなぞるように、射線上に存在するものを焼き尽くす爆炎が狸兵団達を薙ぎ払っていく――神々の黄昏(ラグナロク)、まさに神々の世界を焼き尽くした炎の巨人の進軍のように、爆炎が全てを飲み込んでいった。
それでも、狸兵団は諦めない。火縄銃で応戦しようとするも、真が義光を横に薙ぎ払った。
「おっと、オレの白刃の前に、そんなユーベルコードは通用しない」
世界は斯く分かたれり(ワールド・ディバイド・エンド)、ユーベルコードさえ切り払うその一太刀は、火縄銃を断ち切っていく。
攻撃は防がれ、防御もかなわない。崖側の狸兵団達もまた、全滅は時間の問題だった。
こうして、猟兵達による蹂躙が終わりを告げたのは一時間後だった。狸兵団も奮戦したが、相手が悪い。
こうして、猟兵達はいざ狸大将の待つ天守閣へと向かうのであった……。
大成功
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第3章 ボス戦
『狸大将』
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POW : 怨魂菊一文字
【かつての己を岩戸へ封じた霊刀の居合抜き】が命中した対象を切断する。
SPD : 焔の盃
レベル×1個の【盃から燃え上がる狸火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ : 八百八狸大行進
レベル×5体の、小型の戦闘用【狸兵団】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:綾智
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「神月・瑞姫」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●狸大将、立つ
「おのれ、おのれ、おのれ! 憎き妖狐め! やはりわしの邪魔をするか!」
盃を床に叩きつけ、狸大将は吐き捨てる。もちろん、妖狐ではなく猟兵なのだが、狸大将的には敵=妖狐なので、あまり問題はない。
「我が菊一文字を持てい!!」
「ははぁ!」
立ち上がった狸大将の怒声に、狸達は数匹がかりでその巨大な太刀を持ってくる。それをむんずと掴むと、狸大将は吠えた。
「今宵の菊一文字が血に飢えておるわ! 我が配下の流した血は、妖狐の血で購ってもらおうか!」
目には目を。歯に歯を。血には血を――見た目こそコミカルだが、その覇気は本物だ。一軍を治める者、将たる器を持って狸大将は猟兵達を迎え撃った……。
石動・彼方
あれが狸の親玉なのね、なかなか強そうだけど…壊し甲斐もありそう…!
◉慎重に、大胆に
『激痛耐性』があるとはいえ、腕や脚を切り飛ばされちゃ戦えなくなる…慎重に刀が当たらない間合いを測りながら近づいて、狸の居合をバックステップで避け、刀を振り抜いたその一瞬の隙に距離を詰め『グラップル』で刀を持つ腕を掴み関節技を極めて『怪力』で強引に骨折させる。
「あは…快・感♡」
そのまま膝蹴りや拳を執拗に叩き込んで怯ませてから【絶天頂】を炸裂させて仕留める。
「憎い狐に殺されるよりは、人間の女の股の間で死ぬ方がよっぽどマシでしょ…バイバイ、可愛い狸さん」
『怪力』を込めて、絞め殺すわ。
◉アドリブ大歓迎、NG無し!
花邨・八千代
いいねぇ、大太刀勝負といこうぜ。
強い奴は大歓迎だ、とことん遊んでもらおうじゃねぇか。
狸だろうがなんだろうが関係ねェさ、楽しけりゃな。
ところでなんでパンダ居んの?趣味?
◆戦闘
南天に血を吸わせて大太刀に。
「恫喝」一発ぶちこんで気合入れだ。
「怪力」を乗せて武器振り回しつつ一気に間合いに踏み込むぞ。
【羅刹旋風】だ、全力でぶっこみに行くぜ!「捨て身の一撃」だ!
「なぎ払い」つつ、返す刀で「2回攻撃」。「傷口をえぐる」ぞ。
攻撃は「第六感」で避けつつ刺し違いになろうがぶち込んでいくぜ。
楽しいか狸大将、俺ァ楽しいぜ!
火神・五劫
『』:技能
【】:UC
こいつが人を化かしていた元凶か
…良い毛並みだな
いや、和んでいる場合ではない
毛皮も肉も勿体無いが、成敗せねばな
狸大将の得物、なかなかの業物と見た
加えて技量もありそうだ
まともに斬られては一溜りもないかもしれん…ならば
居合抜きのタイミングを『第六感』と『見切り』で察知
鉄塊剣での『武器受け』に『オーラ防御』と『怪力』も乗せ
鍔迫り合いに持ち込もう
その後も、積極的に前に出て
敵の刀の攻撃を受け持つ
仲間に刃が届かんようにな
俺自身は攻勢に回る余裕は無いかもしれんが
傷口から噴出する【ブレイズフレイム】で
『カウンター』をお見舞いしてやりたいところだ
大将よ、一つ聴いてもいいか
…何故、パンダがいる?
シホ・イオア
妖精も妖狐なのかー?
目には目を。歯に歯を。血には血を。
貴方がしてきた悪事を痛みに変えて返してあげる。
輝石解放、ルビー!愛よ、猛々しく燃え上れ!
全力魔法に属性攻撃で破魔の力も載せてシュート!
分散させて味方の援護に使うもよし、
束ねて大ダメージを狙うもよし、
連携を重視して確実に焼きます。
霞よ、シホの身を覆い隠せ。
敵の攻撃は残像と見切りで対処。
ベスティア・クローヴェル
※アドリブ歓迎
妖狐妖狐と騒がしい
狼と狐の見分けもつかないなんて、耄碌しているにも程がある
その様子だと、こちらの質問に答えてもくれなさそうだし、
さっさと焼き狸にして終わらせよう
小細工は一切せず、いの一番に真正面から【ダッシュ】で突っ込む
攻撃は基本的に大剣で【武器受け】して防ぎつつ、足を止めずに懐に潜り込む事を優先
受けきれないものや、直撃するとマズイものは【残像】と【見切り】で避ける
懐に潜り込めたならば、後はいつも通りパイルを構えて、
【捨て身の一撃】で【串刺し】にしつつ『炎巨神の一撃』を叩き込む
この一撃で目が覚めて、狼と狐の区別がつくようになってくれるといいけれど…
まぁ、あまり期待は出来ないか
目面・真
残念だが、オレは妖狐などではナイよ。オレ達の中にいたとしても、狸と因縁があるとは思えないね。
とは言え、その意気は買ってやろう。オレも剣の腕には多少の自信はあるよ。尋常に勝負いたせ。
残像とフェイントでヤツの攻撃を躱して、邪魔なモノは2回攻撃で斬ってくれる。
そういえば、ここは砦の中だったか。ならば柱を一本砕けば、化け狸の頭に何か降ってくるんじゃないか?
見切りと情報収集で事態の想定を立てて、破壊工作でもやってみようか。
吉と出るか凶と出るか。
ヤツの油断と間隙を縫って星羅閃閃をお見舞いしてやろう。
残念だが、その菊一文字はオマエの血を吸いたいとさ。
●狸砦の主
「よく来たな、狐……ども……?」
砦の最上階、たどりついた猟兵達の姿に狸大将がただでさえ丸い目を丸くした。
「狐……ではなかった……?」
「妖狐妖狐と騒がしい。狼と狐の見分けもつかないなんて、耄碌しているにも程がある」
「…………」
ベスティア・クローヴェル(諦観の獣・f05323)の正論に、狸大将は無言。目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)が、義光を抜いて言った。
「残念だが、オレは妖狐などではナイよ。オレ達の中にいたとしても、狸と因縁があるとは思えないね」
「……おう」
「妖精も妖狐なのかー?」
「いや、違う……な、うん」
シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)が小首を傾げて問いかけると、ようやく狸大将は言葉を取り戻す。引き上がったテンションの切り替えのために狸大将は深呼吸を一つ、改めて言い換えた。
「よく来たな、賊ども!」
「こいつが人を化かしていた元凶か……良い毛並みだな」
火神・五劫(送り火・f14941)は丸々と太った巨大狸を見上げ、しみじみと言う。そして、頸を左右に振った。
「いや、和んでいる場合ではない。毛皮も肉も勿体無いが、成敗せねばな」
「……いやいや、肉って言ったか? 言ったであろう? 和みのある単語ではないからな?」
「あれが狸の親玉なのね、なかなか強そうだけど……壊し甲斐もありそう……!」
「何か、狐よりヤバい連中なのだが!?」
恍惚とした表情で自分を見上げる石動・彼方(狂愛・f13764)に、狸大将はツッコミを入れる。猟兵が個性的な存在である、など過去から甦ったばかりの狸大将が知るはずもなく……とにかく、空気を引き戻すために己の身の丈ほどある菊一文字を引き抜いた。
「ええい! 妖狐であろうとなかろうと! わしの邪魔をする者は容赦はせぬ!」
「いいねぇ、大太刀勝負といこうぜ。強い奴は大歓迎だ、とことん遊んでもらおうじゃねぇか。狸だろうがなんだろうが関係ねェさ、楽しけりゃな」
花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)が牙を剥いて笑うと、狸大将は我が意を得たりとうなずいた。
「そう、その流れである! これより、血で血を争う闘争が――」
「――ところでなんでパンダ居んの? 趣味?」
「わしが知るかあああああああああああああああああああああああ!!」
強引に空気を引き戻そう、そう言外の気迫を持って、狸大将の横一線の斬撃が放たれた。
●太刀振る舞い
弛緩した空気を両断するかのごとく、狸大将の斬撃が部屋を薙ぎ払う。見た目のコミカルさはどこへやら、尋常ならざる豪の太刀であった。
「狸大将の得物、なかなかの業物と見た。加えて技量もある――まともに斬られては一溜りもないかもしれん」
壁を大きく切り裂いた斬撃を見て、五劫が呟く。
「……ならば」
ダン! と五劫が床を蹴った。その時には狸大将は太刀を引き戻し、次の攻撃態勢に移っている。
「オ、オオオオオオオオオオオオオオオオゥ!!」
胴を薙ごうと放たれる狸大将の一撃へ、五劫は火影を振るって対抗。太刀と鉄塊剣が、激突する。そのまま鍔迫り合いに――そう思った五劫を、狸大将は吹き飛ばす!
「ハハハハハハハハハハハハハハ! 軽いわ!」
「この馬鹿力が!」
南天紋の描かれた印籠へ己の血を吸わせ、八千代が前へ出た。大太刀に変わった南天を、八千代は力任せに叩き込む。
「おらああぁっ!!」
狸大将は、その裂帛の一撃を、太刀でガード。火花を散らして、受け流した。腕力ではなく、受けた瞬間残していた『遊び』で威力を殺す――ベスティアは、そこに力づくだけではない確かな術理を見た。
「その様子だと、こちらの質問に答えてもくれなさそうだし、さっさと焼き狸にして終わらせよう」
真正面から踏み込み、ベスティアはMass Blade〝Skoll〟を手に駆ける。それはまさに狼の疾走だ、切っ先を床で引きずり低い体勢で俊敏に間合いを詰めた。
鋭いベスティアの一撃を、狸大将は菊一文字で受け流す。狸大将は横へ軽快にステップ、そのままベスティアに裏拳を放った。
「――ぬ!?」
しかし、狸大将の拳がベスティアをすり抜ける。ベスティアの動きが見せた残像だ。狸大将は、目を見張る。
「今のは……わしを化かしたのか!? その耳……やはり狐、いや、おおか……狐?」
「いや、狼だから」
混乱する狸大将に、そうベスティアは指摘する。その隙に、真が義光を手に踏み込んだ。
「オレも剣の腕には多少の自信はあるよ。尋常に勝負いたせ」
「おう、いたそうか」
ギ、キン! と一合、二合、三合、と打ち合いが続く。見上げんばかりの大狸の身の丈ほど太刀が、最短の動きで見事に振るわれていた。狸大将は時折、柄頭を振り下ろす攻撃を混ぜるが、やはり真の残像に空振るだけだ。
「く、やはり化かされている……? わしが、化かされ……?」
「目には目を。歯に歯を。血には血を。貴方がしてきた悪事を痛みに変えて返してあげる。輝石解放、ルビー! 愛よ、猛々しく燃え上れ!」
混乱する狸大将へ、シホはハート・ロンドによる愛の炎を乱舞させる! その炎にくりっと目を剥くと、狸大将が吠えた。
「狸だって、火は使えるわ!」
シホの放った無数の炎を、狸大将は盃から燃え上がる狸火の群れで迎え撃つ! ドドドドドドドドドドドドドドドド! と部屋を揺るがす爆発の連鎖――その爆発に紛れて、彼方が駆け込んだ。
「ふふん、そこ……♡」
彼方の膝蹴りが、狸大将の顔面を狙う。それを狸大将は片腕でガード、即座に斬撃を切り上げた。彼方は狸大将を蹴って間合いをあけ、一瞬前まで自分のいた場所を切り裂いた太刀にぞくりと背筋を震わせた。
「『激痛耐性』があるとはいえ、腕や脚を切り飛ばされちゃ戦えなくなっちゃうわね」
容易に断ち切られ飛ばされる手足を想像できる、鋭く重い斬撃だ。狸大将は自分を囲む猟兵達に、仁王立ちで叫んだ。
「者共、であえい!!」
召喚されるのは、小型の狸兵団達だ。決して狭くない部屋をあっという間に埋め尽くす勢いで、八百八狸大行進が猟兵達へ襲いかかった。
●早すぎた様式美
猟兵達と狸大将の戦いは、膠着状態に陥っていた。数で勝る猟兵が撹乱し、個の戦力で勝る狸大将が迎え撃つ。双方が相手を凌駕するのに決め手が足りない、そういう均衡が生まれていた。
(「確か――」)
戦いが始まるより早く、真はこの砦である物を探していた。これだ、と確信を得るのに時間がかかったが――決め手は、狸大将の動きだった。
真は、仲間達から離れるように後退する。その動きに、真の意図を気づいた狸大将が叫んだ。
「おぬし、まさか――!?」
「多分、そのまさかだ。吉と出るか凶と出るか――勝負」
真が、目の前の柱を義光で断ち切った。狸大将は、この柱には一切近付こうとしなかった。ならば、この柱は――。
ズン! と最初の異変は上下の揺れだった。やがて、ミシミシミシ……! と砦全体が軋みを上げ始める。
「……ん? これは――」
「馬鹿ものがあああああああああああ!! それは自爆用の柱だああああああ!?」
様式美を追求した、その結果である。万が一妖狐に砦を奪われるぐらいならば、そう用意していた狸大将渾身にして趣味十割の仕掛けを、真は発動させたのだ。
ようするに――砦の崩壊が始まった。
「おのれえええええええ!! 戦ってる途中にやるかあああああ!!」
「はははははは! いい趣味だ!」
ぶんぶんと大太刀を振り回していた八千代が吠え――羅刹旋風によって強化した一撃を、床へと叩き込んだ。ドォ! と床が崩れ、狸大将と猟兵達が落下していく!
「楽しいか狸大将、俺ァ楽しいぜ!」
「お前ら、馬鹿かああああああああああ!?」
空中で豪快に笑う八千代に、狸大将が叫んだ。ガキン! と八千代の豪快な大太刀の一撃を受け止め、狸大将の落下が加速する。
「こ、の――!」
「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、優雅に舞い踊れ!」
瓦礫をよけながら、シホがハート・ロンドを撃ち込んだ。空中では、狸大将も動けない――次々に愛の炎が叩き込まれていく。
燃え上がる狸大将の背に、五劫が着地。そして、言った。
「大将よ、一つ聴いてもいいか」
「なんだあ!? この状況で!」
「……何故、パンダがいる?」
「知るかああああああ!?」
狸大将の返答と同時、五劫が傷口から溢れ出さした炎で狸大将の巨体を飲み込んでいく。炎に塗れながら、狸大将は菊一文字を壁へ突き刺し、強引に落下速度を殺した。
だが、その腕を掴む者がいた――彼方だ。
「あは……快・感♡」
ゴキン、と脇固めによって伝わってくる関節破壊の感触に、彼方は笑みを蕩けさせる。そのまま狸大将の首を両太ももで挟み、フランケンシュタイナーを繰り出した。
「憎い狐に殺されるよりは、人間の女の股の間で死ぬ方がよっぽどマシでしょ……バイバイ、可愛い狸さん」
「どっちも、どっちじゃああああああああああ!!」
ミシミシミシ、と頭蓋骨が軋む音を聞きながら、狸大将が吐き捨てる。そこへ、真とベスティアが迫った。
「この身をば、しろき腕に番えれば、刃の星羅、閃閃とせん」
「太陽の如く焼き尽くせ」
真の星羅閃閃(エクサ・カリバーン)の斬撃がベスティアの炎巨神の一撃(レーヴァテイン)による超高熱の炎をまとう一撃が、狸大将をついに地面へと叩きつける!
「が、は……お、のれ、え……!」
落下してなお、狸大将はあがく。みしり、と頭蓋骨が最後の悲鳴を告げたのと同時、真は言った。
「残念だが、菊一文字はオマエの血を吸いたいとさ」
「――あ?」
狸大将は、気づかない。落下速度を殺そうとして腕を折られた時、壁に刺さったはずの愛刀が落ちてきている事を――。
そして、狸大将の腹に菊一文字が突き刺さるのと同時に、バキンと決定的な破砕音が続いた……。
こうして、狸の隠し砦は崩壊した。狸大将も、こうなるとは思わなかったろう。倒れされた時、しぶとく足掻きながら柱を破壊。大笑いしながら消えていく、という構想がおじゃんであったが――猟兵達の活躍によりそれを知る者は、もうこの世にはいなかった。
なお、地下牢に囚われた人達は崩壊に巻き込まれず、無事であった事は記しておこう……。
大成功
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