最強は誰だ! 神社奉納武術大会
サムライエンパイアのとある藩にて。
「祭りだ祭りだぁ! 祭りが始まるよぉ!」
瓦版売りが橋のたもとで叫んでいる。
「祭りだぁ? この時期に? 梅の花見かなんかかい」
気になった町民が瓦版売りを呼び留めた。
「いやいやそんなチンケなもんじゃない! 最も強い者を決める、喧嘩祭りの神社奉納武術大会よ!」
それきたことかと、ここぞとばかりに読売を始める瓦版売り。読み上げるは瓦版。木版一枚刷りだ。
「老若男女、刃さえ潰せば武器の有無、大小も問わず、最後まで立っていた者の勝ち! これほどわかりやすいもんはねえや!」
「おお、面白そうだねぇ。でも、いくら刃引きでも武器を使うんじゃあ……それこそ刃傷沙汰になるんじゃないかい?」
「なあに、渡来人の医学者がいるらしい。どんな傷でもたちどころに癒しちまうから命のやり取りの心配もないそうな」
「へえ、それなら安心して見物ができるってわけか」
「そうそう。それより旦那、ここまで読み聞かせたんだから買ってってくんなよ」
「悪いなぁ、生憎手持ちがないんだ」
そんなぁ、と天を仰ぐ瓦版売り。読売を聞いていた周囲から朗らかな笑い声が辺りに響く。
平和な藩へ陰りが差そうとしていることに、まだ誰も気づいていなかった。
「今度の事件が起こるのは、サムライエンパイアだ」
富士王は自らが見た予兆について、猟兵へと告げた。
「事件は、今度の喧嘩祭り……ありていに言えば武術大会で起こるみたいだね。まあ、そういう大会には賞品や賞金を狙って気の荒い者や脛に傷持つやつが紛れ込むからなぁ」
そういった治安を乱すような者が集まったところを狙って、オブリビオンが動き出す、と富士王が説明する。
「そういうやつらを使って何か、企らんでるんだろう。そこでみんなにはそれとなく武術大会に混じってほしいんだ」
選手としてでもいいし、裏方や観客としてでもいい。武術大会の治安を守り、オブリビオンが焦って尻尾を出すのを待ち、これを潰す。それが今回の目的だった。
「大会のルールだけど、神社奉納や興業的な側面もあるから刃物は駄目。逆に言えば、木刀とか逆刃刀とか刃引きをしたやつならいいわけだ。あと予選的なものとして、神社の境内に置かれた大要石、これを一人で三寸動かす必要があるそうだ。動かす方法は、なんでもいいってさ」
何かしらの道具を使ったり、サイキック的なパワーでもいいらしい。とはいえ、大要石は神社に祀られたことで霊験あらたかだ。生半可な術では弾かれてしまうかもしれない、どっちみち力がいりそうだと富士王は補足する。
「戦いの中じゃ臨機応変さが求められるし、そういうのを問う試験なんだろう。ま、選手として参加するなら考えてみるといいよ」
富士王は、自分も皆を転移させる役目が出なかったら出てみたかったと嘘か本当かわからない軽口を残し、猟兵たちを見送るのだった。
蘇我真
どうも、蘇我です。今回はサムライエンパイアのとある藩で行われる武術大会が舞台です。
1章で大会前(予選など)
2章で大会中
3章でボス戦
を予定しています。
腕に自信のある者よ、集え!
第1章 冒険
『大要石を動かせ』
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POW : 俺様が気合を入れて、まっすぐぶつかれば動かないモノなどねえ、壊してしまったらすまんな。
SPD : テコの原理で…ちょうどいい棒なんて落ちてませんよねえ、持ってきたアイテムでなんとか。
WIZ : 金剛力士を召喚する我が秘術を持ってすれば、このような石などたちどころに…。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
戦場外院・晶
【WIZ】
「奉納武術大会……喧嘩祭り……ああ、ここな神様、素敵な機会をありがとうございます」
オブリビオンにも感謝してやっていい気分です
殺す時は優しくして差し上げましょう
「きなこペロペロ、智慧もりもり」
さて、予選でございますか、こんなところで躓く訳には参りません
喧嘩が私を待っています
……何を舐めてるか?
「ご覧の通り、きなこでございますが」
こんこんと軽く大要石を叩いて形状や重心を計り
どう力をかければ良いか導き
「きなこを舐めれば百人力です」
とか嘯きながら持ち前の【怪力】を【グラップル】の掌底で発揮
軽く押し出すようにして大要石を動かします
「……お粗末様です。これで大会に参加させて頂けますね?」
にっこり
「ああ、ここな神様、素敵な機会をありがとうございます」
予選会場ともいうべき神社の境内に、最初に降り立った参加者は僧の姿をしていた。
鎮座した大要石を前に、手を合わせて拝んでいる。僧が仏ではなく神様に拝んでいいのかとか、細かいことを気にしてはいけない。感謝の気持ちを示すことが大切なのだ。
「ついでにオブリビオンにも感謝してあげましょうか。出てきたら優しく殺してさしあげますからね」
さりげなく物騒なことを言いながら、その僧、晶は袱紗へと手を突っ込み、指先をぺろりと舐める。
「一体何を舐めてるんだ?」
見物していた客の一人が興味深げに尋ねてくる。
「ご覧の通り、きなこでございますが」
晶は証拠とばかりに指先を見物客へと突きつける。その人差し指の腹には確かに大豆を炒って粉にした物体、きなこが付着していた。
「きなこを舐めれば、智慧がもりもり、力ももりもり百人力でございます」
「は、はぁ……な、なんでもいいけど、大要石様を汚さないでくれよ」
なるほど、霊験あらたかな大要石はご神体的な扱いを受けているようだ。ポテチ食べた手でゲームするな的な指摘だろう。
承知したとばかりに晶は手を拭いてから、こんこんと軽く大要石を叩き、音の跳ね返りを把握する。
「ふむ……これでしたら」
そうして大要石の形状や重心を把握すると、涼し気な顔で大要石を押した。
「よいしょ、っと」
ずずず……と要石が前方へと押し出される。
あまりにもあっさりと動かしたのであんぐりと口を開けたまま固まる観客たち。
「……お粗末様です。これで大会に参加させて頂けますね?」
微笑みを絶やさない晶、予選を軽やかに通過するのだった。
成功
🔵🔵🔴
ラッセル・ベイ
武術大会か。面白そうだから参加するのも良いかもな
私の武器を披露できないのは残念だが、致し方あるまい
……いや待てよ、盾ならば使って良いのだろうか?
それならば「地盾グラウンド」を使うのはアリだな
●予選(POW)
ふむ、この要石を動かせば良いのか
まあ、難しい事は考えずに腕力で動かしてしまうか
「ストレングス・ルーン」を起動させ、怪力を得てから押せば良い
しかし要石か。中々に強力な霊力を秘めていそうだ
少し力を借りたい所だが
……そうだな、「スティールアイ」で少しだけ属性を借りてみるか
後で返せば……まあ、多分問題はないだろう
「実はこの石軽かったりするんじゃねぇか?」
あまりにも鮮やかだったため、観客のひとりが訝しがって大要石を押す。
「うんしょ、うん……しょっ! や、やっぱり重ぇや」
ピクリともしない大要石。
「まあまあ、ここは私に任せてくれ」
次に現れたのは、盾を背負ったドワーフ、ラッセルだった。
「ふむ……なるほど。この鉱石で武器を作ったら、どのようなものができるだろうか」
鍛冶師としての習性で、つい大要石の材質や霊力を素材として捉えてしまう。
そう、彼は鍛冶師である。ルーン魔法とドワーフの鍛冶技術を組み合わせて自らが鍛え上げた武具を試す目的もあり、今回の武術大会へと参加していた。
もっとも、今回は刃物ついた武器は使えないルールだ。そのために地盾グラウンドのみ持ち込んでの参戦である。
「どうした? やっぱり押せないか?」
見物客に話しかけられ、ラッセルは思考を中断する。
「ああ。すまない、少し考え事をしすぎていた。今動かそう」
ラッセルが取った行動は、ルーン魔法の発動だ。
「ストレングス……」
空中に力を示すルーン文字が現れると、ラッセルの腕へと付与されていく。
難しいことを考えずに、腕を強化させて怪力で大要石を押す。それが彼の作戦だった。
晶が動かした分と同じだけ動かし、大要石を元の場所に戻してみせる。
「これで問題はないだろう」
その怪力に湧く観衆達。ラッセルも危なげなく予選を突破するのだった。
成功
🔵🔵🔴
ツーユウ・ナン
:大陸系徒手武術の使い手。発勁法を重んじ、質実剛健さが特徴。
偶にはこんな賑やかな場所も悪くない。さて、どんなオブリビオンが出てくるかのう。
古今東西を問わず格闘術の原点は相撲よ。わしも小さい頃、よく師傅(shifu)に石柱の相手をさせられたもんじゃ。
相手が人でも石でも同じ事、重心が傾いた所を押してやればそんなに力は必要ない。
◆POW
・大要石を眺め、掌でペシペシと打診する(重心の分布を探る)と、重心から遠い側にドシッと掌底を打ち、軽い側から石を滑らす。
その一瞬に氣(機・呼吸・タイミング)を合わせ【見切り】、震脚と共に石を一気に押し出す。【早業】【グラップル】
「哼フン!」
まぁこんなもんじゃろう。
「せっかく戻してもらったところ、悪いんじゃが」
そう言って現れたのはツーユウだった。
ドラゴニアンの女性、しなやかな肢体にはしっかりと筋肉がついている。
一目見ればかなり鍛えていることがわかる。観客たちも強そうだとか美女だと誉めそやす。
「なんとも面映ゆいものよ。じゃが、偶にはこのように賑やかな場所も悪くない、か」
ツーユウははにかみながらも大要石の表面をぺたぺたと触る。
前に晶がしたのと同じように、掌で大要石の形、特に重心を探る。
「ふむ、ここ……じゃのう」
そうして重心から一番離れた場所を見つけると、自らの足を大きく広げ、腰を落とす。
「おい、ありゃあ相撲だぜ」
観客のひとりが指摘する。それはサムライエンパイアの人々にも馴染みの深い武術であった。
(「わしも小さい頃、よく師傅に石柱の相手をさせられたもんじゃ」)
自らの武術の原点である相撲、その鉄砲と言われる練習法を思い出し、呼吸を整える。
「哼(フン)!」
決着は、一瞬だった。震脚と共に掌底を放つ。大要石はくるくると横回転をしながら大地を大きく滑っていく。
「ふぅ……まあ、こんなものじゃろう」
事も無さげに言い放つツーユウ。決まり手は突き出し、という声がどこかから上がるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ヘルメス・トリスメギストス
「神社の奉納武術大会ですか。
荒事は好みませんが、神社への奉納という神聖な儀式でしたら
この執事としての力を存分にお見せしましょう」
執事とはご主人様、お嬢様に仕える存在。
すなわち神に仕える神職と同じと言っても過言ではありません。(過言です
「まずは大会参加権をかけての予選で
執事の実力を示すとしましょうか」
モノクルを胸ポケットにしまい、白手袋を嵌め直して【執事格闘術】の構えをとります。
「執事にとって主を守る格闘術は必須の技術。
そして、主を守る志は神職が神に捧げるのと同じ神聖なもの!
この拳ならば霊験あらたかな大要石とて動かせないはずがありません!」
掌底、肘打ち、回し蹴りを要石に打ち込みます。(罰当たり
「神社の奉納武術大会ですか」
次に現れたのは執事姿の優男、ヘルメスだった。
「おいおい、あんなひょろっこいのが要石を動かせるのか?」
観客からはからかい半分の野次が飛ぶ。
「荒事は好みませんが……神社への奉納という神聖な儀式でしたら、この執事としての力を存分にお見せしましょう」
ヘルメスは声を受け流すようにして、モノクルを胸ポケットに収め、白手袋を嵌めなおす。
「ふぅ……」
深呼吸すると、ヘルメスの纏ったオーラが一変する。
ぞくりと、寒気を覚える観客たち。それは、ヘルメスが放つ気迫に相違なかった。
「執事にとって主を守る格闘術は必須の技術。そして、主を守る志は神職が神に捧げるのと同じ神聖なもの!」
ヘルメスが声を張り、掌底を大要石へと叩き込む。
グラつく大要石。主を護る為に振るう拳は力強く、徐々に勢いを増していく。
掌底を張り、伸びきった腕を曲げるとそのまま肘打ちへと移行する。身体を半身にして、大要石を巻き上げる。
初撃でグラついていた大要石が、刹那、大地から離れ宙に浮く。
「この想いが、霊験あらたかな大要石とて動かせないはずがありません!」
そのまま身体を駒のように回転させ、蹴りを放つ。遠心力を利用した強烈な回し蹴りは、大要石を元あった場へと吹き飛ばす。もうもうと舞う土煙。
「……綺麗に戻りましたね」
モノクルを取り出し、大要石の位置を確認するヘルメス。
「清掃も、執事としては必要なことですから」
「……に、兄ちゃんすげーぞー!!」
「ひょろっこいとか言って悪かったぞー!」
一呼吸遅れて、大歓声がヘルメスを包むのだった。
成功
🔵🔵🔴
如月・源
霊験あらたかな…のぅ。もしこれで弾くようならばこれを加工して何かしら良いモノを作ってもいいかもしれんな。なぁに、ついうっかり壊してしまっても構わんのだろう(多分ダメ)
片腕で石に指で穴をあけ、【サイコキネシス】【怪力】【念動力】で持ち上げよう。腰に差すには刀ではなく、賢者の杖〜ワールドエクリプス〜じゃな。これならばただの杖にしか見えまい。
「これを持ち上げればよいのか?ほれ」
ひょいっと持ち上げれば、審査員に「これでよいか?」と伝えてダメなら振り回す。良いならそのまま降ろす。穴開けた部分から砕けたら「脆いのぅ…」ぼそりと呟く。
「これを加工して何か作ったら面白そうじゃのう」
ラッセルと似たような感想を述べたのは源だ。
しげしげと、猟兵たちの攻撃やら参加者の怪力で動かされた大要石を観察する。
「なあ、これうっかり壊してしまっても構わんじゃろう?」
「構います」
審査員を兼ねた神官がじとっとした目で源をにらむ。
「霊験あらたかな要石ですから、壊すのは勘弁してください」
「あー、わかった。わかったから疑いの目で見るのはやめてくれ」
源自身も多分ダメだろうとわかっていたので、あっさりと引き下がる。
「やれやれ、腰をかがめるとぎっくり腰になりそうなんじゃがのう」
できれば直立姿勢でひょいと持ち上げてみせたかった源だが、審査員の言葉に従い、普通に腰をかがめて要石へと両手をかける。
「ふんっ!」
次の瞬間、腕が筋肉で膨れ上がる。持ち前の怪力に、刺すような視線が加わる。
その両眼からは物を動かす念が放出されており、大要石を上へと持ち上げる力が働く。
電動サポート付自転車で坂道を駆け上がるが如く、悠々と大要石を抱き上げる源。
「お、お見事……合格です」
審査員の言葉を聞き、源は大要石をゆっくりと地へ戻す。
念動力を切り、ずしりと大きな音を立てる大要石。
「普通にやるとこのようにつまらんのがのう」
「一応建前は神事なので、滑稽みは今回要りませんので……」
審査員の神官は、クソ真面目なのだった。
成功
🔵🔵🔴
九尾・へとろ
◼️WIZ
ほほうほうほう。
先ずはそこな岩を動かせとな。
岩の眼前に立ち、ぽんぽんと岩を撫でてやろう。
立派じゃのう、偉そうじゃのう。
ウチが幼子と民衆は笑うじゃろうか、呆れるじゃろうか。
ひょひょ、目開きの癖に見えておらんのう。
撫でた折にウチの異能(UC)にて赤の色を施した。赤は炎のように熱を持つ。チンチンに熱くなる筈じゃ。
それに対し、撫でた手と逆の手では氷のように冷たい青を描く。
あとは簡単、さもデコピンをしたかのように青を赤へとぶつかるだけ。
超高温に超低温をぶつければ、爆ぜるのは自明。
せせら笑っておった莫迦共には、ウチがデコピンで動かしたように見えるじゃろ。
ひょひょひょ!
これが九尾へとろの実力よ!
「今度の挑戦者はまた随分とちっこいな」
へとろは聴衆の声を余裕しゃくしゃくな態度で聞き流した。
「ひょひょ、目開きの癖に見えておらんのう」
大要石の眼前に立ち、ぽんぽんと手のひらで撫でる。
「無明ならば、ウチが何をしておるか、或いは理解できたのかのう……」
へとろが駆使するは異能の力、ユーベルコード。
赤く色を付けたそこは、超高温で熱されている。
「では、そこへこの指でピンと弾いたれば……」
指には青い色が付着している。それは超低温を示していた。
「破っ!」
超高温と超低温が組み合わさった結果――
「ぎゃああああ!!!」
大要石が水蒸気爆発を起こし、爆散した。飛来する破片、逃げ惑う観客たち。
「おろ?」
デコピンならぬ石ピンで動かすつもりだったのだが、望外の効果を上げてしまったようだ。
「……ひょひょひょ! これが九尾へとろの実力よ!」
へとろは一度ぐるりと周囲を見回した後、とりあえず自分の実力ということにした。
「大要石が……神社の御神体が……」
がくりと膝をつき、うなだれる審査員の神官。
「あー、いや、その……すまぬの、ウチの力が強すぎたせいで……」
流石にへとろも悪いと思ったのか、神官へ声をかける。
「はぁ、また裏山で手ごろな大岩引っ張ってきて、御神体に祭り上げないと」
「……おぬし意外と良い根性しとるの」
クソ真面目な神官は思ったよりちゃっかりもしていた。
「とりあえず、力試し用の大要石を動かしはしたので、あなたは合格です。というか、他の石が今のところないので、今後の参加者も全部合格! 飛び入りで良し!」
「なんのための腕試しだったんじゃ……」
参加者紹介を兼ねたデモンストレーションということで観客のボルテージが上がった、その点では効果があったようだ。
とにもかくにも、いよいよ神社奉納武術大会が始まろうとしていた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『喧嘩祭りで勝ち上がれ!』
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POW : 圧倒的なパワーを見せつけて参加者の戦意を削ぐ
SPD : 素早い動きで参加者を圧倒し棄権へ持ち込む
WIZ : 他参加者同士で戦わせるなど、策をめぐらせる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「えー、大要石がどっかの誰かさんによって爆破されたので、なし崩し的に神社奉納武術大会、本選を開始いたします!」
神社の玉砂利参道を区切って作られた試合会場。
「参加者の方々はそれぞれ好きな相手を指名するもよし、飛び入り参加するもよし! 最後に立っていた者を勝者とします!」
半ばやけっぱちになっている神官が説明を行う。
「今回は天下自在符持ちの猟兵様も参加されているようですし、猟兵様同士で戦ってもなんでもいいです、盛り上がれば! そうでしょう!」
「「「おおおぉぉ!!」」」
観客たちの地鳴りのような声。ケンカのような戦いを期待して、集まった聴衆たち。
「刃物以外はなんでもよし! 倒れたら医学者様のおわす社務所へ! 小腹が空いたら参道脇の寿司屋天ぷら屋へどうぞ!!」
天ぷら屋や寿司屋の屋台を紹介するあたり、神官も商売っ気を出している。
神官はドスの効いた声で、宣言するのだった。
「さあ、最初の戦いを繰り広げる猛者、出てこいや!!」
ラッセル・ベイ
随分とアバウトな大会だ……
刃物以外は何でも良いのか?ならば禁じ手を使うとしよう
相手は誰でも良いぞ、何人でも掛かって来い
……一斉に掛かって来たな。ノリの良い事だ
●戦闘(WIZ)
という訳で、頼んだぞ「ポイゼ」
『えー……』って、そこまで嫌そうな顔をせずともいいだろうに
ん?私は戦わないのかと?
集団を相手にする場合、私は手加減が出来ん
こういう時はポイゼの方が遥かに巧いのでな
……刃物を使わない以外はルール無用の様だしな
始めよう、私は猛毒耐性ポーションを飲む
ポイゼが猛毒の液体を操って空中に生成
周囲に叩き落とす……終わりだ。流石だぞポイゼ
安心せよ、致死性ではなく神経性の猛毒だ
半日は一切身体を動かせんだろうがな
ツーユウ・ナン
用心棒なんてものをやっておると一対多になる事も少なくないが……
先ずは一般人相手に多数取りの稽古でもしようか。
打ち、掴みかかる相手の動きを【見切り】、氣(機)を合わせてスッと位置を外す(入身の様な動き・歩法)だけで相手にはまるで「敵が消えた」様に感じる。そこをまとめて靠法で軽く吹っ飛ばしてやろう。
後に取っておいた猟兵勝負はできるだけ派手に見えるように、強力なUCが仕掛けられたら『UC』【オーラ防御】で弾き飛ばす。
→馬歩站椿の姿勢で【力溜め】
立ち回りは体術と化勁(捌き受流し)から震脚を鳴らして踏込み突き、頂肘等でずんずん押し込む。
決め技には氣を見切って、交叉法【カウンター】の双掌打。
「なんだ、随分とアバウトな大会なんだな……」
最初に壇上へ上がったのはラッセルだった。
「さあこい、誰でもいいし、何人でも掛かってこい」
老人にも見えるそのいでたちに、組みやすしと考えた参加者たちが、今だとばかりに歩み出てきた。
「……ノリの良いことだ」
ラッセルはそれを見て呆れたように呟く。
「という訳で、後は頼んだぞ『ポイゼ』」
そう声をかけると、精霊が面倒くさそうにのろのろと宙を舞う。
「何やっとるのかのう」
同じく舞台に上がったツーユウは、空を揺蕩う精霊を見る。
「ほう」
呟くとペロリと指先を舐め、風を測る。
「風上はこちら、と」
ツーユウが移動すると同時にラッセルの精霊が毒の霧を降らす。
「うっ……!?」
「なんだ、これ、は……」
力自慢の猛者たちも、毒には耐えきれずにばたばたとその場に倒れ伏していく。
「刃物以外はなんでもあり、だからな。禁じ手も使わせてもらう」
毒の散布外にいるラッセルは、淡々と告げた。
「安心せよ、半日程度動けなくなる程度の猛毒だ」
「それは充分危険な毒じゃがのう」
風上に避難していたツーユウの方へ、毒から逃げようとした参加者たちが殺到する。
「必死じゃな。まあ、その方が稽古にもなるが」
ツーユウは構えらしい構えを取らない。
「……ッ!」
ただ突進してくる相手に合わせて、スッと立ち位置を外してやる。
「え、ここにいた奴は――」
相手からすれば、ツーユウの姿が忽然と消えたように見えただろう。
「はっ!」
側面、視界外から脇腹へ肘が突き刺さる。
「ぐはぁっ!!」
参加者の一人が吹っ飛び、他の参加者を巻き込んでなぎ倒していく。
「これが靠法じゃ」
「お見事だな」
対岸の火事とばかりに眺めていたラッセルが、拍手でツーユウを褒めたたえる。
「いやいや、武術大会で毒を使うのもある意味思い切ってるのう」
ツーユウに戦いの構えを解く様子はない。
ラッセルも同じ参加者、戦うべき相手なのだ。
「いや、相手は誰でもいいと言ったが、君は相性が悪そうだ」
ラッセルはというと、冷静に彼我の相性を観察していた。
ツーユウは風上に移動しただけでなく、ユーベルコードで自らの身体を龍氣漲る金剛身に変えることもできる。
その代わりツーユウは動けなくなるが、ラッセルにも彼女を動かす手立てが見つからない。今回二人が戦った場合、勝つのはツーユウだろう。
「とりあえず手っ取り早く参加者は減らせたし、また今度ということにしておこう」
人の肩を借りて、治療所がわりの社務所へと運ばれていく参加者たち。
こうして、参加者の三分の一は蹴散らされて敗退していくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
九尾・へとろ
◼️WIZ
な、なんじゃ!どっかの誰かさんなどと!
ウチの無双の剛力でとかなんとか言わんか!
…まぁ良い。ひけらかすのも品がないというしのう
(悪いことしたと思いつつ壊したこと自体は自慢だと思っている)
さて、参加者との打ち合いか。
ウチの武舞は暗殺術じゃから正面切って多勢に無勢は不利よな。
よし、この美貌でもって参加者共を「誘惑」してやるとしようか。
屈強で愚鈍な者を選び、しなを作って誘う。
ウチのお願いを叶えたれば望むように一日付き合うてやる、とな。
お願いは「ウチ以外の参加者を全て脱落させよ」じゃな。
その間ウチは舞でも舞って会場を盛り上げてやるとしよう。
ひょひょひょ!いけ!やれ!倒せ!正に愉悦よな!
如月・源
…結局壊しても良かったのかあれ。めり込ませるぐらいやっておけば良かったのぅ。
まぁよい。久々の児戯じゃ。遊ぶのも良かろう。賢者の杖を携え、ゆらりと舞台に乗り込む。
「誰でも良い。なんなら10人ぐらいでも構わぬ。かかってくるがよい」
と挑発してみようかのぅ。乗るならばよし、乗らぬなら――「ならば、この杖を抜かぬ。これで良かろう。もしや武器を使わぬ爺一人勝てん…とはいわぬよなぁ」と挑発じゃな。【第六感】【見切り】【残像】【フェイント】【怪力】を組み合わせて拳に蹴りで有象無象は十分じゃ――それに、〆として【夢幻阿修羅切り】を披露するのも良かろう。元から抜かずに使える技じゃしな。
「……結局壊しても良かったのかあれ」
源が声をかけた先にいたのは、大要石を壊したへとろだった。
「い、いやあすまんのう。ウチの無双の剛力が留まるところを知らんせいで!」
謝っているのか謝罪風自慢なのか微妙なへとろ。
「やはり、穿つくらいはしておいても良かったかのぅ」
源は杖をつき、幽玄とした様子で舞台へと上がっていく。
「まあ……今度はウチ自身は手出しをせんでおくか」
言いながら、へとろもまたステージへと立った。
「誰でも良い。なんなら十人ぐらいでも構わぬ。かかってくるがよい」
「さあ、この片割れが大要石を破壊した張本人でございます! 神罰てきめん、天誅を与えたいやつ、出てこいや!」
挑発する源に、八割方私情が混ざっている進行役の神官。
これに、三分の一ほどの参加者が呼応して壇上に上がる。
例によって源を老人と見て組みやすしと思ったのか。否、そうではない。そのタイプは既にラッセル相手に散っている。
「その所作、杖術の手練れとお見受けいたす」
腕に覚えのある剣士が、木刀を抜いて源を取り囲んでいく。
「さあ、天誅を与えてやろう」
どちらかといえば、幼い少女の外見をしたへとろへ向かう男達の方がその類だろう。
「のう、ウチのお願いを叶えてくれんかの?」
へとろは自らに寄ってきた、屈強かつ愚鈍気な大男へとシナを作り媚を売る。
「お願い、だぁ?」
「そうじゃ。ウチのお願いを叶えたれば、望むように一日付き合うてやるぞ」
服の裾をチラリと持ち上げて誘惑する。
ごくり、と唾をのむ音が聞こえた。
「の、望むように、か?」
「そうじゃともそうじゃとも」
「その言葉、二言は無いな?」
「ないない。お願いは『ウチ以外の参加者を全て脱落させよ』じゃ」
「うおおおお!!!」
甘言に惑わされた大男が他の参加者をなぎ倒していく。
「あのような約束をして良かったんじゃろうか?」
源が問うと、へとろは軽やかに答えた。
「まあ、無理じゃろうし。おぬし様には勝てんじゃろうから」
適当に仲間割れをさせておいて、疲れたところをまとめて叩き潰す。それがへとろの狙いだった。
「ひょひょひょ! いけ! やれ! 倒せ! 正に愉悦よな!」
自らの心情を表すかのように、舞い始めるへとろ。その華麗な舞いで観客も魅了する。
「やれやれ、付き合っておれん」
ショー的な誘惑に乗らない層は、源が対応する。
腰を落とし、杖を刀のように構えた。
「きええぇっ!」
剣士の一撃、二の太刀要らずの大上段。
「っ!」
下から杖を合わせて滑らせていく。
「な――」
鍔まで杖を降ろし、手をしたたかに打つ。痛みに木刀を取り落とす剣士。
「いなされるのならッ!」
別の剣士が力を抜いた薙ぎ払いを選択する。
大きく下がる以外には回避もできない胴への一撃。
「遅いのう」
だがその一撃は、虚空を斬るだけに終わった。背中から聞こえる源の声。そこにあったのは源の残像だ。
「ほい、っと」
杖の先でぼんのくぼ付近を小突く。力が抜けた剣士は、そのまま両ひざを地に付け、倒れ伏す。
「これでは良いようにやられる! 皆、一斉に掛かるぞ!」
「おう! 一本の矢はすぐ折れるとも、三本束ねれば――」
「何本だろうが、同じことじゃ。儂の間合いに入った時点でのう」
源は杖を腰に回し、居合にも似た納刀の仕草を取る。
「何を――」
のたまう、という言葉は続かなかった。
「―――鏖殺よ」
見えない刃による、真空刃攻撃。源の視認する対象全てを切り刻む。
源のユーベルコード、夢幻阿修羅切りの前に腕自慢の剣士たちはみな社務所送りになるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ヘルメス・トリスメギストス
「いよいよ本選ですね。
それでは執事の実力をお見せすることにしましょう」
対戦相手は……そうですね。
せっかくですから、猟兵で御相手してくださる方がいたら、胸をお借りします。
「先ほどもご披露した技で恐縮ですが、また格闘術で戦わせていただきましょうか」
主を守るための戦闘技術、存分に味わっていただきましょう。
【執事格闘術】で全力攻撃をおこないます。
戦闘が終わったら【執事給仕術】で紅茶を出して、対戦相手に差し出しましょう。
勝敗に関わらず
「良い勝負でした。機会があれば、またぜひ一戦させていただきたいですね」
負けた場合
「やはり主がいないと執事パワーが出ませんでしたか」
(なおオブリビオンのことは忘れてます)
戦場外院・晶
強い方を探します
猟兵であれ、オブリビオンであれ、構いません
……祭りとあらば、躍らにゃ損、損です
我が神も、此処な神も、照覧あれ
この【祈り】を捧げましょう
「戦場外院・晶にございます。……よしなに」
静々と、目星を付けた方に進み出て……駆け寄ります
私に出来ることなど二つ
「寄る」と「掴む」
【オーラ防御】を頼りに断固として間合いを詰め
相手の【手をつなぐ】……これです
これだけを望み、これだけを臨んでいるのです
「……捕らえました」
掴んだのなら【怪力】で離さず
【グラップル】で崩し、極め、流し、蹴り、殴り、畳んで差し上げる……一発逆転のUCは、この間合いなら
「……そこです」
我が奥義で封じてみせる
「かくあれかし」
「いよいよ本選ですね。それでは執事の実力をお見せすることにしましょう」
「戦場外院・晶にございます……よしなに」
猟兵同士の戦いを希望したのはヘルメスと晶だ。
執事と僧、ふたりが神社の参道に並び立つ。
「いいぞー!」「やれやれー!」
観客たちは、興奮してふたりの猟兵へと声をかける。
「では、参ります」
最初に動いたのはヘルメスだった。執事らしくスマート、洗練された足運び。最短距離のジャブを打って出方を伺う。
「自分から寄って来てくださるとは。ありがたいですね」
インファイトは晶も望むところだった。ジャブの腕、手首を掴む。
「……捕らえました」
手を繋ぐかのように、かくも自然な腕運び。ヘルメスは一瞬呆けて反応が遅れる。
「ッ!」
事態を認識したときには、既にヘルメスの身体が宙を舞っていた。
晶が掴んだ手首を支点にして横方向へ一回転。ぐるりと世界が回り、ヘルメスの視界が青空と自らを見下ろす晶の笑顔だけになる。
片腕で捻り投げられた。ヘルメスが認識すると同時に行動を起こす。
手にはめていた白手袋を外し、拘束から抜け出す。
「あら」
回転をしたままうつぶせ気味に着地すると参道の玉砂利を握りこみ、晶の脛をしたたかに打つ。
「それがあなたの戦い方ですか」
「本来はナイフやフォークなどを使うのですが、生憎身の回りのものはこれしかございませんから」
立ち上がろうとするヘルメス。執事格闘術で挽回しようとする。
「でも、もう見てしまいましたから」
晶は笑顔を崩さない。
石を握りこんで拳の威力を上げようとした刹那に、自らの手を合わせる。
「……そこです」
対象のユーベルコードに対し、発生前の刹那を乱す打撃を放ち、相殺する。
完全にカウンターを意識した奥義なうえに、事前にそれを見ていれば成功率が上がるというおまけつきだ。
再び、拳を掴まれて宙に舞う。今度は脱げる手袋も無かった。
「参りました。やはり主がいないと執事パワーが出ませんでしたか」
綺麗に投げ飛ばされ、空を仰ぎながら敗北を認めるヘルメス。
「そうかもしれませんね……守るものがあるほうが、人は強くなれますから」
礼を尽くし、祈りを捧げる晶。
ヘルメスは立ち上がり、執事服の埃を払うと頭を下げる。
「ありがとうございました。紅茶を用意してあります、どうぞこちらも味わってください」
紳士的なやりとりに、いいぞーと大喜びの観客たち。興奮も最高潮といった様子だ。
だが今の戦いを見た残り三分の一の参加者は、到底レベルが違うと恐れおののき、棄権してしまった。
こうして、その場に残っているのはほぼ猟兵だけになったとき。
どこかから、悲鳴が上がるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『渡来医フランツ・ツェルン』
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POW : 診察
【医学的見地により筋肉動作を観察することで】対象の攻撃を予想し、回避する。
SPD : 執刀
自身が装備する【嘗ての『実験台』から入手した妖刀の数々】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : 移植
対象のユーベルコードを防御すると、それを【医学的見地から分析・解析・模倣し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「一駒・丈一」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「な、なんだ今の悲鳴は!?」「あっちから聞こえたぞ!」
観客の一人が指さしたのは、社務所の方角だった。
「はて、社務所は怪我人を運び込む救護所のはずですが……」
進行役の神官が首をかしげる。
一瞬の呆けた時間は、すぐに悪夢へと変わる。
社務所で働いていた巫女が、血まみれで飛びだしてきたのだ。
「お医者様が……あ、が……」
巫女はばったりと倒れると、それ以上何も言えず絶命する。
「おや、この個体はこの程度で死んでしまいましたか。まだ観察したりないのですが」
にこやかな笑顔で悠然と歩いてきたのは渡来医フランツ・ツェルンだ。
彼もまた血まみれであった。巫女と違うのは、それが返り血という点だ。
「皆さんのおかげで、活きも良く強い検体を沢山得ることができました。感謝いたします」
フランツは医者という立場を使い、怪我をして運び込まれた参加者の身体をいじくりまわしていたのだった。
「お礼に、貴方たちも実験に使って差し上げましょう。フフフフ……」
オブリビオンの出現に驚き、逃げ惑う観客たち。
一刻も早くフランツを倒し、平和を取り戻さねばならないようだった。
戦場外院・晶
「結論から言えば、貴方は愚か極まりない」
何故なら、因果は応報し、私が貴方を惨たらしく殺すからですわ
「……証明して差し上げましょう」
「……ペロペロ……きなこ美味しいです……ペロペロ」
断言しますが、「美味しい神秘のきなこ召喚」を医学で模倣など出来る訳もなく
存分に舐めて、尼僧服を強化してから
「……参ります」
【オーラ防御】と併せて、念刀による攻撃を潜り抜け肉薄
磨いた【グラップル】で予備動作を消し、この線の出ない服で筋肉診察予測を防いで
「……捕らえました」
瞬時に【手をつないで】しまいます
【怪力】で手がもげるまで離しません
脳を揺らす打撃を混ぜて念動と抵抗を許さず……じっくり殴り殺す
優しく殺す?あれは嘘です
如月・源
折角の祭りじゃというのに無粋な輩じゃな。きつめの仕置きをしてやらんとなぁ
非常に愉快そうに、笑いながらゆらりと前に立つ。
「お主が医者か。くっくっくっく……お主のそれは医療でも実験でもない。ただのおままごと、小童の遊び。児戯に付き合ってる程暇ではないからのぅ…という訳で――云ね(※訳:死ね)」【限界突破・零】発動。距離も無意味となった刀の糧となれ。
医者の真似事をしておるというのであれば筋肉、骨格の動きから身体の動きは見られておるな。ならば――【念動力】で強引に身体を動かし、本来曲がらぬ程まで関節を動かして相手の動きを【見切り】【怪力】【二回攻撃】で斬る。サイボーグならではの技じゃな。痛いが。
ヘルメス・トリスメギストス
「くっ、何故こんなところにオブリビオンがっ?!」
(すっかり仕事を忘れていた執事)
これ以上の被害を出さないために、執事として御主人様、お嬢様である、観客や神職の皆様を守らねばなりません!
「こうなったら、先ほどは封じていた執事パワーを全開にしましょう」
【三重の知恵】を発動して、知力、魔力、執事力を解放します。
「【執事格闘術】は既存の武術にとらわれない独自の武術体系。
果たして私の動きを読めますか?」
周りに被害が及ばないように身を挺して庇いながら、
渡来医に攻撃を仕掛けます。
「素手で刃物に対処するのは、主を守る執事としての最低限のたしなみです。
私の前でお嬢様の命を奪った罪、思い知っていただきましょう」
ラッセル・ベイ
ぬぅ……ポイゼが倒した参加者を言い様に使うとは何と非道な
よくもポイゼが倒した参加者を……待て、蹴るなポイゼ
責任の九割は私にあるから、蹴るのを止めてくれ
●戦闘(POW)
どうやら鬱憤を晴らしたいようだな……分かった、存分に暴れて来い
その前に猛毒ポーションを飲んで属性力を上げておけ
【コンビネーションⅡ】で行くぞ
前衛はポイゼだ、動き回って毒針をガンガン撃ちまくれ
極小の体躯ならば筋肉動作を見極め難いだろう
私は後衛から「聖杖セイント」で魔法攻撃だ
魔法には筋肉動作は無いので観察も何もないだろう
閃光魔法で奴の目を眩まして、診察を妨害しよう
毒針で鈍った所を渾身の極大魔法だ
悪しき者を浄化せよ、白銀の槍
九尾・へとろ
ほぅ、よく考えたのう。
医者の身分であれば確かに多くの者の体もいじれよう。
じゃから医者は嫌じゃの~ウチ本当医者嫌い。臭いし。
どれ、日ごろの鬱憤晴らしがてら痛い目を見てもらうとしようかのう。
タンタンと足で節をとり、跳ねるように舞おう。
なにやら動きを見て分かったりバラバラと刀を飛ばすらしいのう。
飛んでくる刀は異能の色を飛ばして落とせばよいか。
後は足で大地に色を描き、ウチの舞いの冴えを増すとしよう。
なかなか強者が多いようじゃったからのう。
誰ぞか肉薄する者もおるじゃろう。
それで気がそがれてる内に気配を沈め背後に回り首を狙うとしようか。
ひょひょ、ウチの武舞は暗殺の術。
目を離したおぬし様が阿呆ということよ。
ツーユウ・ナン
西洋の医術が伝わり外傷の治療法が進歩している事は有難い事じゃが、怪しげなオブリビオンが紛れ込むと言うのは頂けないのう。
催しの趣旨が変わってしまうが仕方あるまい、わしらはこの為にやって来たのじゃからな。
:腰を落として呼吸を整える
練った氣を湯気の様に立ち上らせて手足に纏い、化勁(受け捌き)に用いる事で武器受けを可能にする。【オーラ防御】(氣の流動により緩衝・減衰させ受流す)
:攻撃をかわして踏込み、格闘の間合に持ち込む
・受け捌いた手首等を【グラップル】極めて敵を崩し、突き・頂肘で押し込む
・反撃を【見切り】、【カウンター】で重い震脚と共に『UC』
「哈ハァッ!」
例え予測ができても回避できるかは別の話よ
「くっ、何故こんなところにオブリビオンがっ?!」
先程の戦いで脱いでしまった白手袋をはめ直しながら驚愕しているヘルメス。
「いや、もともとオブリビオンをあぶりだすのがわしらの目的じゃからな」
ツーユウはツッコミながらも、フランツへは鋭い視線を向ける。
「サムライエンパイアにも西洋の医術が伝わり、外傷の治療法が進歩しているのは有り難い事じゃが……」
「信長が召喚した渡来人の中に、オブリビオンが混ざっていたんじゃろうか……折角の祭りじゃというのに無粋な輩じゃな」
源は杖を抜く。賢者の杖、ワールドエクリプス。伸縮自在なその杖は、今や一振りの刀としてあつらえ向きのサイズに変わっている。
「そうだそうだ。ポイゼが倒した参加者を使って人体実験を行うとは……ポイゼが毒で倒した参加者を解放しなければ!」
『ポイゼ』という部分を強調するラッセルの顔周辺を、毒精霊が激しく舞う。ぽかぽかと頭部を殴る蹴るなどして抗議しているようだ。
「わ、悪かった、責任の九割は私にある。認めるから暴行を止めてくれ」
「……まぁ、そこのコントはともかく、医者として潜り込むのはよく考えたもんじゃの」
へとろは肩幅まで足を開き、臨戦態勢を取る。
「その身分であれば、確かに多くの者の身体もいじれよう。薬品臭いからウチは嫌いじゃが、弱っている相手なら主導権も握れるしの」
へとろの言葉を引き継いだのは晶だった。
「ですが貴方は愚か極まりない」
「……ほう、それはなぜですか」
沈黙を守っていたフランツが、晶へと尋ねる。
「そうですね、あなたの信仰の埒外かもしれませんが、因果は応報するものなのです」
晶は宣言と共に、虚空からきな粉を召喚した。
「ふむ、カルマだとでもいうつもりでしょうか。申し訳ありませんが、私はオカルトなど信じません」
フランツは背負った刀をすらりと抜き、構える。
「信じるのは目にしたもの、すなわち医学のみです」
「やれやれ、オカルトめいた存在がオカルトを信じないとは。全くこれは喜劇ですね」
ヘルメスもきなこを舐めてパワーアップした晶と同様に自らの力を解放する。
「本当の執事パワーを全開で、お相手いたしましょう」
「それを先ほどの戦いで出してくださればよかったのに」
「勘弁してください、先ほどと今とでは勝手が違います」
晶の言葉に苦笑しながら、ヘルメスが駆け出す。先程、ヘルメスの眼前で殺害された巫女がいる。守るべきものがあるとき、彼は最大限の力を発揮するのだ。
「執事格闘術は既存の武術にとらわれない独自の武術体系。果たして私の動きを読めますか?」
「見えるものなら読み尽くしましょう。さあ、執刀開始です!」
フランツは抜いた刀の他、自らの周囲に幾振りもの刀を召喚する。
それが抜き身の業物、血に飢えた妖刀である。
ヘルメスの頭部へと向かって飛んでいく一本の妖刀。
「っ!」
ヘルメスは恭しく頭を下げる。執事らしくしっかり深い角度で刻まれたお辞儀。妖刀はすり抜けて飛んでいく。
「はっ!」
その妖刀をすれ違いざまに握りこみ、逆手で払い切るヘルメス。
「ちいっ!!」
飛びすざるフランツ。脇腹、血に汚れた白衣が一文字に斬り裂かれる。
「……見なくてよいのですか。模倣できませんよ」
そこへ晶が追撃する。
「……参ります」
フランツがバックステップするよりも、晶のダッシュの方が早い。
「……捕らえました」
手を掴んで、ねじり上げる。
「くっ……見えない……!」
「それは、そうでしょう。私のきなこも、筋肉も貴方には読むことができない」
晶の尼僧服はゆったりとしていて身体の多くを包み隠している。筋肉の動きから次の行動を予測するフランツにとっては、身体の線が出ない服装は相性が悪い。
「今度は逃がしませんよ。捕まえた手を、もう離したりはしません」
手首を掴み、振り回す。幾度も背中と顔を地面へと叩きつける。
「う、がっ……」
何度か叩きつけていくと、晶は不意に抵抗が軽くなるのを感じた。
「ああ、取れましたね。手」
もぎとった手首をしげしげと見つめながら、晶は呟くのだった。
「優しくは殺せませんから、覚悟していただきますわ」
手を千切られたフランツは、遠心力で空を舞っていた。
「……お主が医者の真似毎をしているのであれば、わしの一撃も躱せるじゃろう?」
落下地点で待ち受ける源は、一分間の間、あらゆる能力を無効にする超越者と化していた。
「もちろんです。空中といえども、筋肉、骨格の動きから――」
放たれた一撃を、身を捻ってかわすフランツ。
いや、かわしたと思ったところで源の手首が返った。270度。
「なっ……!?」
念動力、そしてサイボーグの身体でこそできる、燕返し。戻ってきた杖がフランツの肩をしたたかに打った。
「が、はぁっ!!」
「やはりお主がしていた医学はただのおままごと、小童の遊び。児戯に付き合ってる程暇ではないからのぅ……」
惨めに地に這いつくばったフランツへ、源は杖を向ける。
「という訳で――云ね」
突き刺す杖の一撃を横っ飛び、転がって命からがらと言った様子で避けるフランツ。
なんとか起き上がろうとする彼にまとわりつくのはラッセルの毒精霊だ。毒針で突き刺してくる小さいサイズは単純に筋肉を見極めづらい。
「さあ、観察できるものならしてみるがいい」
ラッセルは後衛から杖を振り、魔法攻撃で支援する。
杖を振って魔法を打つという予備動作までは予測できても、魔法の軌道や内容まで読める訳ではない。この援護攻撃も効果的にフランツの体力を削っていく。
「くうっ!」
フランツは周囲の妖刀をむやみやたらに振り回し毒精霊を追い払う。
「所詮医学者、刀の扱いがなってないのう」
そう呟いたのはへとろか、ツーユウか。
「何をっ!!」
声のした方へ刀を振るうフランツ。その先にいたのはツーユウだった。
首元へ吸い込まれる一撃。いくら腕がなまくらでも刀は業物だ。首に受ければ致命傷。
ツーユウは自らの手を首元に添える。
「無駄です!」
フランツは骨ごと断ち切ろうと力を込める。しかし、それこそが無駄だった。
「ぬるいのう」
手に纏った湯気のようなオーラ、ツーユウの練り上げた氣だ。
氣が刃を防ぎ、首どころか彼女の指すら斬ることができない。
「さて、では次はわしの番じゃのう」
ツーユウの姿が掻き消える。
インファイトだ、超至近距離での接近戦を挑まれる。
フランツはそう予測する。
予測はするのだが、対応ができない。
片手首は千切られ、もう片方の腕は肩を叩かれたことで神経が麻痺し動かせない。
「いくぞ狐の!」
「あいよ龍の!」
背後に突如現れる気配。へとろだ。フランツがツーユウの相手をしている間に背後に回り込み寝首を掻く。それがへとろの武舞、武器なのであった。
「く、くそおぉぉ!!」
「ひょひょ、目を離したお主様が阿呆ということよ」
「哈ァッ!」
「おおおぉぉぉッ!!!」
前門の龍に後門の狐。圧倒的な攻撃に前後を挟まれ、フランツはその存在をチリひとつ残さずかき消されるのだった。
「やれやれ、祭りどころではなくなってしまったのぅ。とりあえず、血を消しておこうか」
アフターケアとして、へとろは血や社務所に色を付けて巫女やフランツの流した血を掃除する。
「清掃は任せてください。執事清掃術をお見せしましょう」
ヘルメスも慣れた手つきで荒れた周囲を清掃していく。
「あとは一応清めのきなことか塩でも撒きますか?」
晶は巫女の墓を作り、供養してやっていた。ただのきなこ好きなだけではない。死者は彼女なりの流儀で手厚く弔われるだろう。
「折角ならあの妖刀を詳しく観察してみたかったが……」
ラッセルはそこまで口にして、首を振る。
「観察か、それではあの医者と同じだな」
フランツと共に掻き消えた妖刀は惜しかったが、実験材料を欲して人を襲っていた彼と同じステージに登る必要はない。
「帰ろうか、ポイゼ」
毒精霊と共に、その場を後にする。
「結局最強は決めれず仕舞いか……ま、そういうこともあるかのう」
ツーユウはまだ暴れたりないといった様子で首の骨を鳴らしてみせる。
「そうだ、美味い地酒でもないか探してみるかのう!」
「おお、わしもそれはちいと気になる」
源も愉快気に、身体を揺らしてツーユウに続く。
「なんじゃ爺さん、老いてなお盛んじゃのう」
「くっくっくっく……気を若く持つのが長生きの秘訣というものよ!」
豪快な笑い声が木霊する。
それは村に平和が戻った証なのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴