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自由農夫のなつやすみ

#エンドブレイカー! #ノベル #猟兵達の夏休み2023

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ミカ・ノルンベイラ
アドリブ歓迎
畑でいっぱいとれた夏野菜を絶賛おすそ分け中のボク。
ウーシャンさんもお野菜好きそうだよねとおすそ分けに出向いた先で、ふと思い出す。
「ウーシャンさんって配達員だったよね?」
おすそ分け手伝って貰っちゃえばいいんじゃないかって。
と、まぁ「どの辺が夏休み」ってツッコまれるかもだけど、お野菜は夏休みだからって水やりサボったら枯れちゃうからね。
ので、途中から夏休みっぽくしてくよ。おすそ分けに行く途中で水浴びしたりとか、木陰でおすそ分けしても余る分のお野菜や果物齧って休憩とか。
「トマトでしょ、キュウリでしょ、他所の世界で手に入れた生でも食べられるトウモロコシもあるよ?」
「果物なら桃に梨、ブドウにメロンかなぁ」
「ふふーん、こんなこともあろうかってボク水着着込んでるもんね」
「セミの声。んー、セミの声聞くとエメラルドパレス思い出すんだよねー」
エメラルドパレス、エルフヘイムの大樹に張り付く内部に都市を持つエメラルドに輝く巨大なセミの抜け殻。ギガンティアなんだけど。
「確か、伝説のチョコレート『恋色の奇跡』の材料の一つがそこにあるらしいよ」
「ボクもエルフだからねー。前に行ったことがあるんだ」
とかたわいない話を休憩中にするかも。
「あ、かき氷屋さんだー」
「寄ってく? おすそ分けに付き合わせちゃったしー、一杯奢るよ?」
なんておすそ分けが終わった後に寄り道してもいいかもね。
不足部はウーシャンさんにお任せで



「あつーい」
『つれーうしゃ』
 長閑な街道を進むミカ・ノルンベイラとウーシャンの口から言葉が漏れた。
 まだ昼前だとはいえ、雲一つない青空の下、荷車を引きながらの暑さはとても辛い。


 暑い中移動するのは同行者である友人の知り合いの家に用事があるから。
 ミカは自由農夫だ。畑を担う農夫に夏休みはない。休めば農作物は枯れ、収穫適期を逃してしまう。
 野菜も彼らの情熱に答えて多くの実を付けるが、それは出荷分引いても自分の分をひいても食べ切れない量。
 そのためミカは自身の畑で取れた夏野菜をおすそ分けするために友人、ウーシャンがいる都市へと赴いた。
 その際彼に聞けば近くに大家族の知り合いがいるという。なら彼らにもおすそ分けしようと決めたのだ。


『ミカ~川があるしゃ!』
「あっ、本当だ。少し休憩していこうか」
 ウーシャンの声に視線を向ければ、太陽の光を反射しきらきらとせせらぎが流れている。川の付近は木陰もあるため荷台を置いても大丈夫そうだ。
「休憩がてら……はいっ、ウーシャンさん」
『うまそうしゃ~!』
 ミカは早速木陰に荷車を置くと中から桃を取り出しウサギへと手渡す。
 二人で瑞々しい夏の恵みを堪能すると――ミカはおもむろに服に手をかけた。
『しゃ!? 人の目が』
「じゃじゃーん、もう着替えてあるんだ!」
 ウサギが止める間もなく脱げば黒を基調としたビキニタイプの水着を晒しミカはそのまま川にダイブ!
「ぷはっ……あーきもちー!」
『……焦ったうしゃ』
 ウーシャンは呟きながら水面ギリギリを浮遊しながら近づいてくる。
 そうして涼を取り、耳をすませば何処かから聞こえるのはセミの声。
「セミの声。んーセミの声聞くとエメラルドパレスを思い出すよ」
『エメラルドパレス?』
 ウサギが首を傾げるとミカはエルフレイムの大樹にあるギガンティアだと補足する。
「あそこには確か、伝説のチョコレート『恋色の奇跡』の材料の一つがあるらしいよ」
『へー伝説のチョコの。うめーんだろうしゃねぇ。ミカは行ったことあるしゃ?』
「ボクもエルフだからねー。行ったことがあるんだ……あっかき氷」
『しゃ?!』
 ミカが視線を遠くにやれば軒先にかき氷を扱う旗が舞う。
「一緒に食べに行こうか?」
『ニンジンシロップはあるしゃ!?』
「うーんどうだろ?」
 他のシロップで満足してもらえるかなと考えながらミカは川淵へ近づいて行った。

 ……野菜を届けるには時間がまだかかりそうだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年08月02日


挿絵イラスト