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煌めきアミューズメントタイム

#UDCアース #ノベル

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朧・ユェー



ルーシー・ブルーベル




 キラキラぴかぴか、何だかとっても煌びやかで、楽しそうな音もいっぱい。
 可愛いぬいぐるみさんたちがずらりと並んでいたり。
 バーチャルな世界が体験できることだって、ハラハラドキドキ。
 何より、みんなすごく楽しそうだなって思っていたから。
 今回のおでかけ先は、そう!
「ゲームセンター!」
「おやおや、ゲームセンターですか」
「ゆぇパパと色々な所へおでかけしているけれど、ゲームセンターは初めてね」
 ふたりで行く、初めてのゲームセンターです!
 そして、そうわくわく張り切るようなルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)の姿に。
 朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)はいつものように金色の瞳を柔く細めてから。
「というかルーシー、ゲームセンターへ入るの自体が初めてかも」
「ルーシーちゃんは初めて? それはやってみると楽しいですよ」
「パパはゲームセンター、行ったことある?」
「えぇ、数回ですが行ったことあります」
 そう訊かれれば、こくりと頷いた後、答えて。
 ふふっと笑み宿しながらも、興味津々自分を見上げている彼女へとこう続ける。
「入る時は覚悟して下さいね。色んな音がして少しびっくりするかもしれませんから」
 そんな思わぬ言葉に、瞳を瞬かせるルーシー。
「か、カクゴがいるの!?」
 思わず声を上げちゃって、にこにこ笑んでいる彼をそっと見つめてみるけれど。
 でももう行くと言ったからには、カクゴを決めるしかない……!?
 それにひとりじゃなくて、数回行ったことがあるというパパも一緒だから。
 きっと……大丈夫な、はず!
 そんな初めてのゲームセンターに、ルーシーはパパと並んで向かいながら。
 ちょっぴりドキドキ緊張しちゃうけれど……でもすごく、わくわく楽しみ。

 そしていざ、ゲームセンターの入り口までやって来れば、瞳をぱちくりとしてしまう。
 だって、色々な光がピカピカ眩くて、本当に大きな音もあちこちからしていて。
 思わずビックリして、隣のパパにくっついちゃうけれど。
 自分にぴたりと身体を寄せるそんな娘の姿を見つめ、ユェーはクスリと笑み零す。
 驚いておそるおそるではあるものの……それでもキョロキョロと興味津々な様子に。
 そして、そんなルーシーが、まず気になったものはといえば。
「ねえねえパパ、ルーシーあれやってみていい? あの、音楽といっしょに楽器を鳴らすの」
「あぁ、音のリズムゲームですね」
 音楽に合わせてタイミング良くボタンを押していく、リズムゲーム。
 やっている人を見れば、リズムに合わせてボタンをぽちぽち押す姿は、何だかとって楽しそうだったから。
 そんなルーシーの申し出に、はい、良いですよ、と勿論頷いてから。
 ユェーは高さを合わせる様に台を持ってきて、その上に彼女をひょいと乗せてあげれば。
「ありがとう、これで画面がしっかり見れるわ!」
 準備万端、気合いも十分、いざチャレンジ!
 意気揚々と、プレイしていた人がやっていた通りに真似てみて。
 音楽に合わせて、ボタンを軽快にぺちぺち――。
「え、えっ、今ちゃんと叩いたのにダメなの? ああっ、左右をまちがえてる」
 なかなか同じようにはできません……!
 そうおろおろしている間にも、音符はどんどん流れてきて。
 リズムに乗るどころか、もう今何をやってるのかわからなくなって、パニック!
 そしてゲームしている後ろで微笑みつつ見守るユェーは、クスリと笑ってしまう。
 わたわたと、それでも懸命に頑張っているその姿に。
 それから、何とかパニックになりながらも、最後まで諦めずにやりきれば。
「けっこう難しいのね……高得点かなあ……?」
「初めてなのに高得点ですよ、とても凄いです」
 ドキドキ出た結果は、ユェーの言う様に、初めてにしては上出来の駆け出しレベル!
 それからそう褒めてもらえて、えへへ、と笑んでから。
「つぎ、パパがやってみる?」
「はい? 僕ですか、こういう系はあまりした事ないですが」
 次は、パパの番です!
 そして、では……といざ、再び音楽が鳴り始めれば。
 前にしていた人やルーシーがやっていたのを見て、大体の要領はわかったから。
 音に合わせて、ポン、ポンポンッと次々ボタンを押していけば。
 応援しつつもそれを見ているルーシーは驚愕してしまう。
「え、ええ~~~??? 本当に初めて!?」
「ふむ、どうやら満点の様ですね」
 最後の怒涛のコンボも難なくクリアして、達人レベルの満点スコアです!
 そしてそんな華麗なプレイにまだ瞳をぱちくりさせている彼女へと、ユェーは微笑みながら告げる。
「ルーシーちゃん、音とこちらのボタンを合わせると簡単に出来ますよ」
 ……いや、確かに、プレイしている時のその余裕な姿を見れば。
 一見すると、何と言うこともなく簡単に出来そうな風に見えるが。
 真剣に助言に耳を傾けつつも、思わず小さく首を横にふるふる。
「ううう、わかってる、わかってるけれど」
 ……それが難しいのに! って。
 そう思わず声を大にして言いたいルーシーである。
 けれどユェーは、次はさらに高得点をと。
 やっぱり気合十分、一生懸命な頑張り屋さんの姿を見ては笑んで。
「大丈夫、ゆっくりやったら、ルーシーちゃんなら出来ますよ」
 コツをさり気なく教えてあげながらも、達人のお墨付きを。

 そしてスコアも更新できて、リズムゲームを真剣に楽しく遊んだ後。
 ゲームセンターの雰囲気にもすっかり慣れた様子で、わくわくキョロキョロ。
 ルーシーは気になるゲームをいくつか試しながら、賑やかなフロアをうろうろして。
 彼女が興味あるゲームを一緒にやってみるユェー。
 それから、何気に体験型っぽいゲーム機にコインを投入してみれば。
「ルーシーちゃん、ゾンビですよ」
「ひえぇ、ゾンビ!」
 ウオオオォォ! と唸りをあげながら襲ってくるのは、ゾンビの大群!?
 そしてふと見れば、備え付けてある銃は二丁。
 そのうちのひとつをルーシーへと、はい、と手渡して。
「ほら銃で撃って」
 そう言いつつ、すちゃりと構えたもうひとつの銃でゾンビの頭を撃ち抜くユェー。
 ルーシーも言われた通り、ゾンビを狙ってカチカチ引き金を引いてみるも。
「撃ってるけど全然倒れないよう」
 ぷるぷる手が震えちゃって、なかなかうまく当たりません……!
 そしてふと、涙目で隣を見上げてみれば。
(「パパは何だか楽しそう!」)
 迫るゾンビたちを次々と銃撃しては頭を吹っ飛ばして。
 バシバシ殺しまくっているユェーは、ふふっと楽しそう。
 それから引き続き敵を正確に撃ち抜きまくりながらも、ユェーは彼女のフォローも何気にしつつ。
「ルーシーちゃん、そっちにゾンビがきましたよ」
「えっ!? あっ、見て! 倒せた!!」
「ふふ、ルーシーちゃんが倒してくれたからボスが現れましたね。この調子で倒してクリアしましょうね」
「うん! って、ひえぇぇっボス……!」
 ボスゾンビはさらに強そうでこわいけれど。
 でも親子ふたりで力を合わせて、そんなボスゾンビだって撃破しちゃいます!

 それからゾンビを楽しく殲滅し終われば、今度は他の階にも移動してみて。
 ルーシーはふと目に入って見つけたそれに、瞳を大きく見開いて。
「……!! パパ、あれ見て!」
 くいくいっとユェーの服を引きつつ、興奮気味に声を上げる。
「黒ヒナさんにソックリの黄緑色のヌイグルミが入ってる!」
「黄緑色の黒雛?」
 ユェーはその声に小さく首を傾けるも。
 キラキラした目で見つめる彼女の視線を追えば、こくりと頷く。
「あぁ、インコさん? のひよこぽい子ですねぇ。確かに色は違いますがソックリです」
「なんていうゲームなのかしら」
 そして、そわそわしている彼女へと教えてあげる。
「ユーホーキャッチャー、クレーンゲームですね」
「ゆーふぉーきゃっちゃー?」
 それから、うんと背伸びしてもっと中を覗き込もうとする彼女を、両手でひょいと抱き上げて。
「ルーシーちゃん見えますか? あの、手みたいなモノを操作して商品を掴んであの場所まで運んだらゲット出来ます」
「ふむふむ、あの手? で黄緑ヒナさんをキャッチすればいいのね!」
「やってみますか?」
「うん、やってみる!」
 見やすい様に抱き上げて貰っているから、ばっちり全体が良く見えるし。
 何より、あの黄緑ヒナさんをゲットしたいから。
 やり方をしっかり教えて貰えば……いざ挑戦です!
 じいと真剣に黄緑ヒナさんを見つめ、そして慎重に狙って。
 まんまるボディーにアームを引っかけ、うまく掴んだ……かと思ったのに。
「! あっ」
 ぽろっと落ちてしまう黄緑ヒナさん。
「むう、今つかめてたのに」
「でも転がって少し狙いやすくなりましたね。もう一度やってみましょうか」
「もう少し手前で、あの手みたいなモノをおろしたほうがいいかな……」
 けれど諦めず、もう一度挑戦!
「今度こそ……あっ、惜しい! また落ちちゃった」
「でも、もうちょっとで取れそうですね」
「うん、もう一回!」
 何度か失敗が続くも、手を貸すのは、抱っことささやかな助言だけにして。
 その頑張りを見守りつつ、何度もやらせるユェー。
 だって、一生懸命真剣に取り組む彼女を見て思うから。
 失敗を重ねて学んで、そして成功する事に意義があると。
 それに、ルーシーも思うから。
(「パパは抱えたまま、見守っててくれている」)
 諦めたら、とは決して言わずに、色々教えてくれたり応援してくれている。
 ――だから絶対成功させたいの、って。
 これまでの失敗をふまえつつ、改めて黄緑ヒナさんへと再度狙いを定めて。
 ぐっと集中して、アームを動かすルーシー。
 そしてついに……ころん、と。
「……あ! やった、やった! ゲットできたわ!」
「おー、上手です」
 黄緑ヒナさん、ゲットです!!
「えへへ……パパ、ありがとう。ずっと抱っこして下さってて、重くなかった?」
「大丈夫ですよ。ふふっ、頑張ってゲット出来ましたね」
 ユェーは彼女をおろし、商品を取って手渡せば。
「がんばったから、達成感があるわ!」
 ぎゅうと黄緑ヒナさんを抱きしめて、ぱあっと満開の笑顔を咲かせる頑張り屋さんの頭を撫でてあげる。
 そして嬉しさでいっぱいの彼女を微笑ましく見ていたユェーだけれど。
「おや? ちょっと待っててください」
 ふと何かを見つけて、スタスタ。
「う? どうしたの?」
 黄緑ヒナさんを抱っこしたまま首を傾けつつ、ルーシーはまた別のクレーンゲームの台の前に立った彼へと視線を向ければ。
 ――ぽすっ。
 巧みにアームを操作して、一発で何かをゲット……!?
「え、ええ……?? パパ、ゲームの才能もお有りなのね!?」
 ……今日一番のビックリだわ、なんて。
 やはり驚愕したように自分を見つめる彼女へと、どうぞ、と。
 取り出したその子を手渡す。白いうさぎ――ララにソックリな子を。
 ルーシーはゲームがうますぎるゆぇパパにびっくりしつつも、差し出されたその子を受け取って。
「それにしても、ふふ。本当にララにそっくりなうさぎさんね!」
「色違いの黒雛とララちゃんですねぇ」
 黄緑ヒナさんと一緒に、ぎゅうっ。

 それからも、目に入って気になったゲームにいっぱい挑戦してみて。
「穴から出てくるモグラさんをこれで叩けばいいのね? パパも一緒にやる?」
「ええ、一緒にやりましょう。では……」
 コインを投入すれば、ぴょこりっ。
 次々と顔を出すモグラさんを、えいえいっ。
 ぽかぽかとふたりで協力しあって、楽しく逃さず叩いていけば。
「あ、パパ見て! 本日の最高スコア、ですって!」
「満点ですね。ルーシーちゃんが上手に叩いてくれたおかげです」
「えへへ、パパとふたりでやれて、とっても楽しい!」
 そんな満点花丸のスコアを、親子で叩き出してハイタッチした後。
 ルーシーは瞳を再びキラキラ。
「お菓子がたくさん積んである! あれはどうやるのかしら」
「下のお菓子を掬って上の台に落として、押し出して穴に落とせばゲット出来ますね」
「お菓子、美味しそう。やってみようかな……」
「ええ、やってみるといいですよ」
 散りばめられた飴玉やガム、それにタワー上に積まれたチョコレート。
 今度は、そんなわくわく美味しそうなお菓子のプライズ機にチャレンジしてみれば。 
「前には押し出せたけど、崩れなかった……」
「でもタワーが前に飛び出しているので、もう一押しで崩れそうですよ」
「じゃあ、もう一回……あっ、いくつか落ちたわ!」
「よかったですねぇ、飴玉でしょうか」
「パパにもお裾分けね! 本当はチョコレートも落としたかったのだけれど……」
 ぽろぽろっと4粒ほど落ちた飴玉を、ルーシーはパパにも分けてあげつつも。
 少し名残惜しそうに、積み上げられたチョコレートのタワーをちらりと見遣れば。
「僕にも? ありがとうございます、ルーシーちゃん。ふむ、チョコレートですか」
 試しに、とコインを投入して、やってみるユェー。
 瞬間――グラグラッ、どさどさーっ。
「わ、わぁっすごい! タワーが崩れて、いっぱい落ちてきた!」
「倒れましたね、この量は袋にいれないと持てませんね?」
 タワーが的確に崩れて、両手に持てないほどのお菓子ゲットです!
「こんなにたくさん、しばらくはお菓子には困らないわ」
「紅茶と一緒に少しずついただきましょうか」
「ふふ、パパの紅茶といただくの、とっても楽しみ」
「ルーシーちゃんから貰った飴玉も、いただきますね」
「ええ、どうぞ! ルーシーも飴玉食べちゃおうかしら」
 そしてふたりで一緒に飴玉を口にし、甘くて美味しい、と笑み合って。
 くるりと再びフロアを巡れば、やはりこれは欠かせません。
「パパ、写真をシールにできるんですって」
「プリクラ、ですね」
「わ、キラキラしてる……! ねえねえパパ、撮ってみない?」
「撮りましょうか、フレームも色々選べるみたいですよ」
 それから早速ふたり並んで、モードや設定を選んだ後、まずは撮影から。
 ユェーは高さ調節できる台を再び持ってきて、彼女を乗せてあげて。
「ありがとう、パパ。折角だから、黄緑ヒナさんと白ララさんも一緒に撮りたいわ」
 黄緑ヒナさんと白ララさんを抱っこして……ぱしゃり!
「綺麗に撮れましたね」
「落書きとかもできるの? フレームはキラキラなのにしたいわ」
「ええ、それにしましょう。機械の外で、落書きしたりフレームが選べるみたいですよ」
 ハートやお花でキラキラしたホログラムのフレームにして、自分達のサインなんかもそれぞれ入れてみて。
「あ、でてきたみたい。見てパパ、キラキラで可愛い!」
「いい記念になりましたね、ルーシーちゃん」
 キラキラ可愛い、記念のプリクラもゲット。
 それからプリクラの出来に満足気に笑んだ後、ルーシーはくるりと周囲を見回して。
「次は、あっちに行ってみていい?」
「メダルゲームコーナーですか。いいですよ、行きましょう」
 折角だから、全部のフロアを巡っちゃいます!

 そして沢山ゲームを遊びつくして、戦利品もいっぱい。
「ゲームセンターはどうでしたか?」
「うん、すごく楽しかったわ!」
 ルーシーはそう、すぐに大きく頷いて返してから。
 ぬいぐるみたちを嬉しそうに抱っこしつつも、ちらりと隣の彼を見上げて続ける。
「パパは?」
「とても楽しかったですよ」
 自分もいっぱいはしゃいじゃったけれど。
 でも、そう微笑むユェーも、確かに楽しそうだったから。
 ルーシーは見上げる瞳を細め、そして、ぐっと決意を新たにする。
「よかった。また一緒にいって下さる? 次はパパみたいに達人を目指すわ!」
「えぇ、また行きましょうね。ふふっ、ルーシーちゃんならすぐに出来ますよ」
 次こそは、目指せ、達人レベル!
 まだどれも簡単にクリアとはいかなかったけれど。
 でも失敗しつつも、どれもちゃんと最後は大成功だったし、むしろその分達成感も大きくて。
「ゾンビもこわかったけど、倒せてよかった! あ、色違いのこの子たち、どこに飾ろうかな?」
「帰ってゆっくり考えてみましょうね」
 そう思い返して話す帰路だって、こんなに楽しい気持ちだから。
 またふたりで遊びに行こうと――そう、約束げんまん。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年08月01日


挿絵イラスト