月夜に舟遊び〜外来種の握りを添えて〜
穏やかな海だった。
とある漁村に面したそこは、比較的南方に位置するためか青く鮮やかで、多種多様な魚が集うと、海好き魚好きには評判だった。
その凪いだ海に、波が立つ。
「島が見えたぞー」
「いやこの国全部島じゃんね」
「船着場があるねえ。あそこから上陸だー」
「食べ物あるかなー。あと綺麗なお姉さんいたらいいよね」
何やら緩くも不穏な言葉を交わしながら。
小さな影が、漁村へと忍び寄っていた。
●
「お寿司食べに行こーう!」
新入りグリモア猟兵である四月一日・てまり(地に綻ぶ花兎・f40912)が、宝石のような瞳をきらきらと輝かせて皆に告げた。
いや、猟兵たち外来種オブリビオン討伐のために集められたんじゃなかったでしたっけ?
「そうそう、サムライエンパイアにある漁村にね、デウスエクス……じゃなかったオブリビオンが現れるんだって。で、色々と略奪行為を働こうとしてるらしいのね」
この子たち! と広げられた写真には、鮫に跨がる少年の姿が写っている。兎のような耳を生やしているところを見ると、獣人系種族の類だろうか。
「兎は可愛いよねー。でも残念ながらこの子たちが本体? ……なの。鮫は魔術で使役してるみたい。皆にはこの子たちを倒して、鮫の方だけを捕まえて欲しいんだ」
鮫だけ。
どうやら倒せば本体もとい主たる兎の少年は消滅するようだ。そうなるとその召喚獣たる鮫も同時に消滅しそうなものだが、今回に限り何故か残るらしい。上手くやれば生け捕りにも出来るとのこと。
「でね。この鮫……食べられるみたいなの」
マジか。
いや、普通の鮫なら解るけど。フカヒレとか高級食材だし。
「そしてこの村にはなんと、凄腕の寿司職人さんがいるのです! ちょっと気難しいみたいだけど、調理に関しては寧ろ積極的に新しいことをしてみようって考えの人なのね」
更にてまりの言うことには、この漁村は知る人ぞ知る、舟遊びで月見の名所でもあるようなので。
「私、安全になったら職人さんも含めて漁村の人たちに事情を説明するからさ。つまり今回の件は、オブリビオン退治した後の夜の海に舟を出して貰って、お寿司食べながらお月見しよう! というお誘いだったのだよ!」
なんだってー!?
悪ノリは兎も角、ちょっとした屋形船のような感じで月と寿司を楽しむことが出来る模様。
「鮫肉、脂が乗ってコクがあって美味しいらしいんだよねえ。というわけでさくっと退治して、じっくり楽しもうねー♪」
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあです。
某ダイビング&経営ゲーム、早く携帯機(?)の方にも来ないかなー。
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:集団戦『うさぎライダーズ』
第2章:日常『月酔い語り』
第1章では、漁村に食料と女性を奪いに来たうさぎライダーズを掃討していただきます。
鮫は戦闘中に捕獲を試みることで上手く行けば生け捕りに出来る模様。
因みに女性にはナンパしてくるかも知れませんが、お色気的な展開にはなりませんのでご承知おきくださいませ。
|安全圏《リプレイ外》からてまりが目を光らせています。PTA。
第2章では月夜の海に舟を出し、舟遊びで月見と寿司を楽しみます!
寿司以外にも料理やお茶、成人済の方は希望があればお酒も出るようです。詳細は断章にて。
拙宅グリモア猟兵の風月(浴衣)とてまり(水着)もおりますので、お声がけいただければご一緒させていただきます。
水着or浴衣での乗船可能です。詳しくは後述。
☆第2章で水着or浴衣希望の場合☆
イラストがある場合、プレイングの最初か最後に🩱(水着)or👘(誰が何と言おうと浴衣)+納品年数で反映いたします。
(例:🩱2023、👘2022、等)
イラストがない方は🩱or👘+最低描写して欲しいポイント(色や形など)の記載をお願いいたします。
但し余りに際どいものですと採用そのものを見送る可能性がございます。
第1章開始前に、断章を執筆予定です。
各章での追加情報も断章での描写という形で公開させていただきます。
断章公開後、プレイング受付開始日をタグにて告知させていただきますので、ご縁がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『うさぎライダーズ』
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POW : 契約鮫魔術
自身の【契約の履行、もしくは契約内容の破棄】を代償に、【自身と契約を結んだ鮫】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【高速飛行(遊泳)や強化された牙】で戦う。
SPD : ヴォーパル・カットラス
【カットラス】による素早い一撃を放つ。また、【支配下にある空飛ぶ鮫のスピードを利用する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : シャークカウント
【一族が結んだ契約鮫魔術】から、【過去に飲み込んだオブリビオンやメガリス】の術を操る悪魔「【鮫伯爵】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。
イラスト:さいばし
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「上陸だー」
「錨を下ろせー」
「いや鮫に錨ないんよ」
「てか鮫ごと乗り上げるしー」
ざぱりと海から跳ね上がる鮫。
そして兎の少年を乗せ、浮遊したまま陸地へ上がる。鮫はエラ呼吸だがその辺どうなってんだとか気にしてはいけない。多分魔術的なパゥワーで何とかしている。
「取り敢えず食糧貯めてるとこ探そー」
「えー、綺麗なお姉さん探して遊びたーい」
「何なら美人か可愛ければ熟女でも幼女でも可」
「ダメです。食糧が先」
「食べなきゃ死んじゃうもんねー」
オブリビオンがユーベルコード要因以外で餓死するとは思えないが。気持ちの問題か。
ともあれやはり緩ーい感じの兎少年らであるが。ばっちり略奪働く気は満々のようなので。
この船着場でしっかりと押し留めて、ついでに鮫肉……もとい、厄介な外来種オブリビオンを確保してしまおう。
音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。
自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
プロデューサーより
●
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上……」
そう、番組のためと気乗りのしない口上を今日も音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)が述べた。
その瞬間だった。
「お姉さん可愛いねー」
「兎の耳生えてるし、ボクらの仲間だねー」
「ねえねえボクらとイイことしよっ」
「えっ、えっ」
速攻群がられてしまった。
外見を褒められるのは曲がりなりにもアイドルとして喜ばしいことではあるのだろうが……何だろうか。
無垢な少年の顔をしているオブリビオン軍団だが、その一見澄んだ眼から邪な念しか感じない。
本能的に身の危険を覚えた鬱詐偽さん、耳と肩が強張る。そんな彼女を、激しく抵抗しないのをいいことに兎少年らはぐいぐいと何処かに連れて行こうとしたが。
「……お……」
「お?」
「お触り禁止ーーーーーー!!!!!!」
アイドルとしての譲れない一線!!
それに撮影している以上、見せられないよ! な絵面が残ってしまっては困るのでね!!
普段は絶対張り上げないような大声(でもやっぱり大声と言うには小さい)を上げ、バロックレギオン発動!
「わー!?」
スタッフの代わりに影の兵隊が不届き者共を千切っては投げ、ついでに召喚された鮫伯爵も千切っては投げ、何とか放送中止の危機は免れた。
が、バロックレギオンの一体が振り返ると、何故かそこに鬱詐偽の姿はなく。
「た、助けて……!!」
持ち前の不運で船着場から足を踏み外し、海に落ちてしまっていたようだ。
他の猟兵に何とか助けられたが、やはり夏の海には碌なことがない……と、鬱詐偽は駄目な方向に再認識してしまったのだった。
成功
🔵🔵🔴
ハル・エーヴィヒカイト(サポート)
▼心情
手の届く範囲であれば助けになろう
悪逆には刃を振り下ろそう
▼戦闘
殺界を起点とした[結界術]により戦場に自身の領域を作り出し
内包された無数の刀剣を[念動力]で操り[乱れ撃ち]斬り刻む戦闘スタイル
敵からの攻撃は[気配感知]と[心眼]により[見切り]
[霊的防護]を備えた刀剣で[受け流し]、[カウンター]を叩き込む
●
(「何処の世界でも、略奪行為を許すわけには行かないな」)
ハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)は予知を聞いて、嫌な顔ひとつせず現場に転移したのだが。
「あっ美人さん発見ー」
「えっでも男じゃんね」
「ほんとだー。一瞬でも期待して損したわー」
何だろう、ここに来て急に嫌な気持ちになった。
いずれにせよ、やることは変わらない。寧ろこの言いようのない蟠りでやる気はより増した。
「我が眼前に集え、世界」
静かに展開する領域は内なる世界より広がる結界。
無数の刀剣を内包し、ハルの意思ひとつで幾重にも閃きを描く華の世界だ。
「男なら遠慮はいらないねー、ごーごー」
兎少年らは宙にて鮫を乗りこなし、刃を掲げて四方八方からハルへと迫るが。
この領域の中にいる限り、何処にいようがハルの間合いだ!
「咲き踊れ狂乱の刃、|碧月光華《へきげっこうか》――」
一閃は碧く。
重なれば描くは華と成り、花開く。
蒼き月夜に光を受けて咲く月下美人の花の色にも似た太刀筋が、胸元に咲く度に敵は墜ちる。
(「生け捕りには出来そうもないが、可及的速やかに被害を減らすためだ」)
領域に踏み込む者の数だけ華は咲く。
この村を蹂躙せんと企む者の数だけ。
成功
🔵🔵🔴
中村・裕美
【オルタナティブ・ダブル】で副人格のシルヴァー名を召喚して対処
裕「……いかにも陽キャ……最悪な相手」
シ「そんなこと言わないで。なかなか可愛らしい相手ではありませんの」
裕「……鮫の方は……こっちで対処する」
電脳魔術で鮫に【ハッキング】を【早業】で仕掛け、|【凍結《フリーズ》攻撃】を仕掛けて動きを止めさせる。戦闘終了までフリーズさせていられれば、生け捕り行けるかしら?
シ「では、うさぎさんは私が仕留めるといたしましょう」
シルヴァーナは【残像】の残るようなステップでカットラスを回避し、【早業】で惨殺ナイフ二刀流を繰り出して仕留めてゆく
シ「こちらが楽しめるよう、少しでも抗ってくださいしね?」
●
次々陸地へと上がる空飛ぶ鮫〜兎少年を乗せて〜へと、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)はげんなりした視線を向けていた。
「……いかにも陽キャ……最悪な相手」
「そんなこと言わないで。なかなか可愛らしい相手ではありませんの」
傍らでニコニコしている副人格のシルヴァーナさんは今回、ユーベルコードの恩恵を受けて裕美本人とは別に実体化しての参戦。
「あっ美人姉妹? はっけーん」
「白い髪のお姉さんは文句なしだし、黒い髪のお姉さんも眼鏡外したらレベル高そー」
眼鏡女子をこよなく愛する民を敵に回しそうな台詞を吐いた個体もいたがそれはさておき、まあ邪念しかない様子で近づいてくる兎少年らに、うわあと裕美はドン引きしつつも。
「……鮫の方は……こっちで対処する」
「では、うさぎさんは私が仕留めるといたしましょう」
やることはしっかりやります!
「やっぱり目の前に綺麗なお姉さんがいるのに、放っておくなんてボクらにはできなーい」
「さくっと生け捕りにして、それからしっかり食糧調達すれば問題なーし」
奴らは知らない。
生け捕りにされようとしているのは自分自身――正確にはその乗機である鮫――であるということに!
「お姉さんちょーっと痛いかもだけど、ごめんねー」
「傷は後で舐めて治してあげるからー」
そうとは知らず、鮫による突進の勢いでシルヴァーナに斬りかかろうとした兎少年らであったが。
うふふと蠱惑的に笑った彼女は、軽やかにステップを踏んで残像を残す。その姿は刃を受けてもゆらりと掻き消えるばかりで傷ひとつ負わせるに至らない。
ばかりか、少年らの刺客に回ったシルヴァーナは、目にも留まらぬ早業で両掌で繰る惨殺ナイフを、踊るように閃かせていく!
「いったーい!」
「こちらが楽しめるよう、少しでも抗ってくださいましね?」
その間、裕美もまた密かに別の早業を披露していた。
兎少年に感知されるより早く、ハッキングによる|凍結《フリーズ》攻撃を鮫へと仕掛け、まさにその動きを凍らせたようにぴたりと止める!
「戦闘終了までフリーズさせていられれば、生け捕り行けるかしら?」
「わっ、えっ?」
急に動きを止めた己の乗機に、兎少年らが驚くのも無理はなく。
しかし当然、シルヴァーナがその隙を見逃すわけもなく。
「あら、もう終わりですの?」
残る兎少年らも斬り捨て叩き落とし、ばっちり鮫のみを生け捕りにしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ウルスラ・ロザーノ(サポート)
いつもテンション高いとは言われるなー、確かに誰に対してもフレンドリーな対応しようと心掛けとる
といっても銀誓館の学生時代から能力者をしてきたんでな
救えるもんはできるだけ救う、でも倒すべき敵は必ず討伐すべしっちゅー方針や
戦法はヒット&アウェイ型、戦場全体を広く利用して戦うで
基本は中距離
レーザービット射撃やナイフの蹴り込みで牽制しつつ、
エアシューズで、地上は高速で駆け回り、空中も地形とか足掛かりに利用して軽業のように跳ね回るよ
敵からの攻撃は、すべて見切って受け流したりの回避で凌ぐよ
攻め込む機会を見つけたら奇襲を仕掛けるで
一気に接近して、蹴撃やその斬撃波を叩き込む!
サッカーボールのシュートは必殺技や!
●
「あっお姉さん可愛いねー」
「ボクらと熱い夏を過ごさなーい?」
そう、兎少年らに声を掛けられて。
「なはは……なんや素直に喜べへんのは何でやろ……」
ウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)は寧ろ、遠くに浮かぶ入道雲を力なく見つめた。ああ夏だな、この後は舟遊びらしいが雨降らないといいな、なんて取り留めもない考えすら脳裏をよぎる。
こういう色仕掛けを弄してくる類の敵は、|故郷《シルバーレイン》の能力者時代のリリス討伐などで慣れている。年齢的にも経験的にも、照れたり狼狽えたりするような段階はとっくに過ぎていると言うのだ。
寧ろウルスラが悲しくなったのは『可愛い』という称賛そのものである。相手の意図はどうあれ、若々しいを通り越して幼いと言われている気分になる。
まあ、そもそも幾ら好意的でも敵は敵なので。
「返事はー、はいかイエスでお願いねー」
「ん? お生憎様、ボクの身体は安くないで!」
空飛ぶ鮫のスピードを利用し、ウルスラが反応する前にその身体を力づくで押さえこもうとする兎少年らだったが。
ウルスラは、自分の方が速いと確信していた。
「エアライダーの真髄とくとご覧あれ、や!」
振り払うように繰り出される蹴撃は幾重にも弧を描き。
その速度、音速の五倍もの超絶スピード!
「うわー!?」
「まだまだ行くでっ」
そして描かれた軌跡はウルスラを助ける月の階となり。
変幻自在の動きで敵を翻弄し、薙ぎ倒す!
成功
🔵🔵🔴
樂文・スイ(サポート)
一人称:俺
二人称:君、お前
女性、子供にはくん、ちゃん付け、男性には呼び捨て
口調は~だね、~だよ系で飄々としている
人助けは完全にヒトへの好意から。
ヒトの死を見るのも好きだが、あくまで自分の手で殺してこそと思っているので敵の殺戮を許すようなことはない。立場上殺人衝動は敵を倒すことで紛らわせている(我慢してる)
表向きは人好きのする明るいお兄さんで楽しいこと大好き!なノリ
残酷な面は敵対した相手にしか見せないようにしている
攻撃としては傷口をえぐる、誘惑、威圧など
防御としては毒耐性、医術など使用
物騒なキャラだがシナリオ内で一般人や仲間に危害を加えるなど迷惑行為はしない
UCは活性化されたものどれでも使用可
●
「お、いたいた。まだ残ってんね」
戦場に在って樂文・スイ(欺瞞と忘却・f39286)は飄々と楽しげな様子だ。相手が男性と見てあからさまにつまらなさそうな表情をした兎少年らとは対照的である。
「なーにー? 男には興味ないんだけどー」
「まあそう言わずに遊んでくれよ、退屈させないからさ」
スイにとって、ヒトというのは愛すべき隣人たちだ。
舟遊びなんて楽しいことを考えるものだと思ったし、外来種すら食材にして美味しくいただこうという逞しさにも好感を覚える。
それもまたヒトの得る快楽の寄せ集め。食欲などは三大欲求であるし、月を愛でるのも己の心満たすため。それでいい、ヒトのその正直なところこそ好ましい。
だから、兎少年にはこの村の人々のため、鮫だけ置いてお帰り願いたい所存――躯の海へと。
それでも自分は相手をしたくないと言わんばかりにけしかけられた鮫伯爵ごと。
「火の気無く、人気無く。畏み畏み参り申す――ってね」
唱えると同時。
「わー!? 燃えたー!!」
「あっつーい!!」
全て、狐火にて焼き尽くす!
慌てて海へと飛び込む兎少年らと鮫伯爵であったが。
「残念、海に入っても消えないんだなコレが」
何せ超常の狐火だ。燃やすも消すもスイ次第。
小さく疎らだった炎も寄せ集まって、業火と化して海に浮かぶようだった。
やがて、踊り疲れた兎少年らは骸の海で眠りに堕ち、鮫だけがぷかりと浮かんでくる。
「生け捕りにする前にヤっちゃったけど、そこはご愛嬌ってコトで……っと」
スイは漁村を顧みると、茶目っ気たっぷりにひとつウインクして見せた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 日常
『月酔い語り』
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POW : いつもより素直になる
SPD : 本当の自分が顔を出す
WIZ : 秘めた想いが零れる
イラスト:anじぇら
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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かくして日も暮れ、月夜の海へと舟が出る。
現代で言うところの屋形船のような内装を設えて――と言っても小さな漁村の小さな舟ゆえ簡素なものだが――饗しの準備は万全と言わんばかり。
口数少なく気難しげな職人は、注文があり次第すぐにでも握りに取り掛かれる。そんな空気を醸し出している。
寿司職人であるゆえやはり握りがメインで、コクがあり程よい脂乗りは、人によっては鮪のトロに匹敵すると感じるほどの旨さだとか。
また、生魚が苦手な猟兵のために寿司以外の料理も幾つか出してくれるようだ。唐揚げ、|卵綴じ《オムレツ》、後は兜焼きなども出せるそう。
飲み物は寿司には定番の緑茶の他に、成人済みの猟兵が望むなら日本酒も出してくれるそうだ。但し、見た目が成人に見えない場合は職人からストップがかかるので要注意。
また、舟の中からも月は望めるが、舟の外に出ることも出来、飲み物や食事を取って、外で月を眺めながら飲み食いするのもアリだ。その場合は勿論、食器は後でちゃんと片付けましょう。
そして浴衣の他、水着で参加することも出来、後者は飛沫を上げての飛び込みさえしなければ、舟から離れすぎない範囲で夜の海を泳ぐことも出来る。しっかりと装備をして夜の海に潜れば、昼の海とはまた違った世界を堪能出来るかも知れない。
一風変わった舟遊びの一時は、ゆるりと過ぎていく。
稲護・狐燐(サポート)
※連携およびキャラを逸脱しないアドリブ歓迎
※お色気、公序良俗に反する行動、R18やR18GはNG
※口調等ステシも参照
サポートとしては、お手伝い/サポート役に徹するように立ち回りますが、状況に応じて立ち回ります。細かい判断はお任せします
UCを使う場合は、基本的には高いステータスのUCを状況に応じて使用。
他の猟兵に迷惑をかけたり、脚を引っ張る、目的達成に反する行為はしません。
男性には若干塩対応な素振りをみせます。
女性は年齢を問わず(名前)ちゃん付けで呼びます。
ナンパでチャラそうに見えますが、オンオフはきちんと区別をつけますし、基本的には嫁と家族が大事なので、過度な一線を越えるような言動はしません。
●
「お、来た来た」
稲護・狐燐(護りの狐火・f35466)の眼前の卓に、鮫の握りが並ぶ。一部は刺身にもして貰い、お猪口には日本酒が注がれている。
滅多に食べる機会もないものだから、これは是非と相伴に与ろうとやって来たのだ。……妻には許可を取ってある。勝手にいなくなると怒ら……もとい、心配をかけるので。
(「想ってくれてると思えば可愛いモンだが」)
それはそれとして、気になることは体験してみなければ損というもの。節度は弁えている。きっと。多分。
さて、肝心の鮫のお味はと言うと。
「ん、美味っ! 脂も乗ってんなあ」
まずは刺身を口に運べば、脂が乗ってコクがあり、まさにトロに匹敵――すると思えるかどうかは個人差があるだろうが、そう表現されるのも頷ける味わいだった。
過去には臭いと言われていたらしい鮫だが、それも固定概念らしいと今度は寿司を口にしながら狐燐は唸った。
(「ん? でも臭いって言われてたの、丁度江戸時代くらいじゃなかったっけか」)
サムライエンパイア。徳川家光の治世。即ち江戸。
まあ、職人の腕と技術とチャレンジ精神の賜物だろうと狐燐は結論づけた。食を進める合間に酒を煽り、一息吐く。
(「……折角だし、嫁と義妹夫婦に土産でも包んで貰うかな」)
恐らくこの美味さには鮮度も関わっているから、帰り際に握って貰って急いで帰ろう。
そんな計画を立てながら、狐燐は舟から見える夏の月を仰いだのだった。
成功
🔵🔵🔴
中村・裕美
🩱2023
前回と同じく2人で
裕「……鮫……軟骨魚類ゆえに仕留めから時間が経ってしまうとアンモニア臭が出てくる。……生で食べられるのは貴重……ネットの受け売りだけど」
シ「そんな情報だけでなく、ちゃんとした実物があるのですから、しっかり味わっていただきましょ」
そんな訳で料理の舌鼓
裕「……美味しいわね。……お寿司やお刺身もいいけど……炙ったものもいいわね」
シ「本来ならお酒とも合うのでしょうけど、わたくし達はまだもうちょっと先ですわね(未成年)」
お茶で脂をさっぱりさせつつ、あとは波の音を聞きながら月でも眺める
シ「風流ですね。……来てよかったわですわね」
裕「……ん」
●
ずらり。
中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)とシルヴァーナの眼前に、鮫の握りが並ぶ。炙りと刺身も揃って、食べ比べも出来そうだ。
「……鮫……軟骨魚類ゆえに仕留めから時間が経ってしまうとアンモニア臭が出てくる。……生で食べられるのは貴重……ネットの受け売りだけど」
「そんな情報だけでなく、ちゃんとした実物があるのですから、しっかり味わっていただきましょ」
と言うわけで、二人で生け捕りにした新鮮な鮫の身を使った寿司と刺身――いざ実食です!
まずは刺身から一口。脂乗りがよくコクがありながら、白身魚特有の淡白さも相まってくどさはなく、寧ろ深みのある味わいだ。
「……美味しいわね。……お寿司やお刺身もいいけど……炙ったものもいいわね」
寿司としてもしっかり酢飯に合うし、炙ればその脂の旨味がより引き出されて香ばしさも増した。
それぞれに違った味わいや食べ応えを感じながら、舌鼓。
「本来ならお酒とも合うのでしょうけど、わたくし達はまだもうちょっと先ですわね」
未成年なので、今はまだお茶を一服。
脂をさっぱりさせながら、またのんびりと鮫肉を味わいながら、その合間にふと二人、舟の中から見える月を見上げる。
波の音は心地よく、明るく照らす夏の月と涼やかに吹く夜風が、晩夏の夜の穏やかなひとときを感じさせた。
「風流ですね。……来てよかったわですわね」
「……ん」
偶には、こういう場も悪くない。
猟兵たちの戦いは日夜、これからも続き、まだまだ終わりは見えそうもない。
だからこそ、楽しむ時は楽しみ、味わう時は味わい、休む時は休む。そうして英気を養うことも、戦い続ける上できっと大切だ。
夜はまだ長い。もう少しこの場と、美食を楽しんでいこうか。
二人はそれぞれに、のんびりと箸を進めていくのだった……。
大成功
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