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狂鬼が襲ってくる街

#シルバーレイン #決戦 #狂鬼戦争 #眞由璃の子守歌

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#狂鬼戦争
#眞由璃の子守歌


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「かつて我が殺戮しようとしたこの「もみじヶ丘」は、今も銀誓館が見張っておるか。妖狐までもが軍門に降るとは驚きだが、最早この街に用は無い」
 劉・叔成は、かつての東洋新世界ビルディングを見据えながら、その瞳を細める。
「我が『陰陽都市計画』。その骨子は、除霊建築術によって「地図に無い街」を作り、社会より隔絶された住人共を|鏖《みなごろし》にして狂鬼を生む事……潰えたとはいえ、我が計画に然程の瑕疵があったとは思えぬ。幸い、今や我はオブリビオン。今の我が力に比ぶれば、嘗ての我など世界結界という蜘蛛の巣に絡め取られた羽虫に過ぎぬ。この力を以て、再び『陰陽都市計画』を繰り返してくれよう……成功するまで、何度でも、何度でも……!」
 そして、叔成はその地を後にする。新たな都市を狂鬼な地獄へと変えるために……。

「皆様、シルバーレインの世界に向かっていただけないでしょうか? ある地方都市が危機を迎えようとしています」
 そう告げるのは、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)だ。
「かつて、シルバーレインの世界で行われた『狂鬼戦争』の首謀者である劉・叔成が、新たな街を狂鬼の世界へと変えようとしています。まずは、人々を襲うオブリビオンを倒し、その町の住人の皆様を助けてあげてくださいませ。その後、叔成が施した『奇門遁甲陣』を破ってくださいませ。そこにも、人々を襲っていたオブリビオンと同じオブリビオンが警備していますので、彼らごと、儀式を打ち破ってくださいませ。そうすれば、叔成のいる場所へと向かうことができます」
 そういって、リズは『奇門遁甲陣』の場所と、叔成がいる廃屋に印のついた地図を手渡した。
「ただ……一つ注意点が。叔成がいる場所には、彼だけでなく、精鋭の鬼型オブリビオンもいるのが見えました。そちらの対処もしながら、首謀者の首を討ち取ってくださいませ」
 それともう一つと、リズは付け加える。
「今回の戦いにも眞由璃様が参戦を申し出ています。彼らの助力も得られますので、そちらも加味して戦いに赴いてくださいませ」
 そういって、リズは現地へと向かう扉を開いたのだった。


柚葵チハヤ
 こんにちは、柚葵チハヤです。今回もまた、シルバーレインの決戦シナリオとなります。

 1章は、町で襲われている人々を助けながら、雑魚オブリビオンを殲滅してください。
 2章は、叔成が施した『奇門遁甲陣』を破っていただきます。こちらを破れないと叔成の元へは行けないので、注意してください。護衛のオブリビオン(1章と同じオブリビオン)もいますのでご注意を。
 3章では、叔成との戦いとなります。こちらは、精鋭の鬼型オブリビオンらが叔成を守っていますので、そちらの対処も併せてお願いしますね。

 今回もまた眞由璃達が参戦します。プレイングに協力を要請した際にお手伝いに向かいます。あれからかなり立っていますので、もしかしたら……? 彼女達との親密度をあげたい方は、ぜひご利用くださいませ。

 複数で参加する際は、お相手の名前やID、グループ名もお忘れなく。
 皆様の熱いプレイング、お待ちしています!!
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第1章 集団戦 『ストームウィンドガール』

POW   :    避けられぬお約束
【よーく絡まった桃色の運命の糸】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【社会的ダメージを負う事故】を誘発する効果」を付与する。
SPD   :    荒れ狂う欲望
【悟らないと耐えられない桃色のオーラ】を放ち、命中した敵を【思春期のように悶々とした情動】に包み継続ダメージを与える。自身が【体表の80%以上を露出(ソックスは除く)】していると威力アップ。
WIZ   :    夢魔の檻
レベルm半径内を【濃密な桃色の霧】で覆い、[濃密な桃色の霧]に触れた敵から【生物か非生物を問わずに精気】を吸収する。

イラスト:赤霧天樹

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「さて、今回も戦いに加わって、私達の戦力を高めていきましょう」
 そう告げるのは、この戦いにて、自軍の戦力を高めようと画策している眞由璃だ。
「今回は、俺も行ってもいいんだよね、母さん」
「ええ、傷も癒えたしいいでしょう。但し、自分の力を過信せず、強敵の前には出ないようにしなさい」
「えーっ!! せっかく、母さんと一緒に戦えるのに……」
「あなたはまだ、力に目覚めたばかりです。それに私にいつも倒されているではありませんか」
「それは……」
「あまり前に出ないこと、それと、前回のように私を守るような立ち回りはいりません。あなたはそれができるほど強くはありませんので」
「ううう……」
 眞由璃のいる宮で、ヤマトは借りた赤手を付けて、不満そうに口を噤むのであった。
アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎

【WIZ】

人々を生け贄みたいに…
そんな事はさせないです!

眞由璃さんや
ヤマトさん達とも共闘

『眞由璃さん…毎回のお力添え、有難うございます…ヤマトさんも…宜しくお願いしますね』

UC発動

氷雪魔法で
ヤマトさんには
|日本武尊《ヤマトタケルノミコト》を思わせる
氷晶の勇壮な古代鎧を
(危険な時は退く様に伝え)

眞由璃さんと自分には
|弟橘媛《オトタチバナヒメ》
を思わせる
氷晶の巫女姫衣装で
強化

人々を救出しつつ

クイーンオブハートキーを使い
【ハートのA】も展開
【破魔】の
【誘導弾】の【一斉発射】と
猛吹雪で
敵UCの霧を凍結し
対処&敵に攻撃

敵の攻撃等
【第六感】【心眼】【残像】
【結界術】【オーラ防御】で
防御行動



「人々を生け贄みたいに……そんな事はさせないです!」
 そんな思いを胸に、アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)はこの地に足を踏み入れた。
 既にその場には眞由璃達が、猟兵達のサポートをすべく、待機していた。
「久しぶりね、アリス」
 そういう眞由璃の後ろには、そっと影からアリスを見つめる少年、ヤマトの姿も見えた。
「お久しぶりです。先日の幽霊列車ぶりですね。眞由璃さん……毎回のお力添え、有難うございます……ヤマトさんも……宜しくお願いしますね」
「……よろしく」
 名指しされて、ちょっと驚いている様子のヤマトだが、悪い気はなさそうだ。
「ではさっそく……私の氷河期魔法です……!」
 こちらへと迫ってくるストームウィンドガールを見つけ、すぐさま|【太古の氷姫の古代氷雪領界】《エンシェントプリンセス・アイスエイジレルム》を発動させる。たちまちあたりは、全てを凍らせる寒波に太古の氷雪の吹雪を敵へと浴びせていく。
「まあ……今回も素敵な服をありがとう」
「わわわ……!!」
 アリスと眞由璃は、|弟橘媛《オトタチバナヒメ》を思わせる氷晶の巫女姫衣装を、そしてヤマトには、|日本武尊《ヤマトタケルノミコト》を思わせる氷晶の勇壮な古代鎧でもって、強化を果たした。
「ヤマトさん……危険なことがあれば、引いてくださいね……」
 そうヤマトに告げて、アリスは襲われそうな人々との間に入って、次々とその氷雪魔法で、敵を葬っていった。
「私も負けてはいられないわ」
「お、俺もっ!!」
 少々出遅れたが、眞由璃達も参戦。その場にいた敵をあっという間に殲滅へと導いたのだった。
 そこにいた人々は、ぺこりと頭を下げて、その場から逃げていく。
 彼らの戦いは、まだ、始まったばかり。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シン・コーエン
【シン眞】

眞由璃さん、そしてヤマトくん、今回もよろしく頼む。
俺が前衛に出るので、後方から援護してくれると助かる。
とお願いしておこう。

今回の敵は、社会的ダメージを与えるとか欲望暴発させるとか、
いろんな意味でいやらしい相手だなあ<嘆息>。
攻撃を受けないようにしたいが、避けるのが難しい攻撃なので、
UC:漆黒の門で左手をブラックホールに変換。
運命の糸や桃色のオーラや桃色の霧は全部吸い込んで封印する。

通常の攻撃は第六感・心眼で読んで見切り回避。

右手に陽光の魔法を纏った灼星剣を持ち、閃光の連続斬撃
(早業・2回攻撃・斬撃波・範囲攻撃)で次々と斬る。

仲間を攻撃しそうな敵には、念動力・捕縛で動きを止めてかばう。


神元・眞白
【WIZ/割と自由に/シン眞】
街全体が危ないとなると、私達だけでは手が回らないかもしれません。
国見さん達が来ているということはその分、視点、目が多くできますね。
蜘蛛だけに。……冗談です。
いつの間にか増えていた約束。彼の動き、その時がいつになるか。

街全体にいる相手なら手分けを。陣を踏まえて分担と配置換え。
国見さん。蜘蛛さん達を少しお借りしても?シンさんが相手に苦手意識がありそうですから、攻め手の保険です。……飛威、あっちに付いてあげて。

とはいえ、こちらもやる事はやらないといけませんね。
戦いは数とも言いますし、精気には無縁な私達なら適役でしょう。
蜘蛛さん達にけん制してもらいながら確実に各個撃破を。



「街全体が危ないとなると、私達だけでは手が回らないかもしれません。国見さん達が来ているということはその分、視点、目が多くできますね。蜘蛛だけに」
「えっ……?」
 神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)の言葉に眞由璃は驚きを隠せないでいる。
「……冗談です」
「そ、そう……?」
 なんだか、煮え切らない物言いに、ちょっと眞由璃が不安そうにしているが……。そこにシン・コーエン(灼閃・f13886)が声をかけてきた。
「眞由璃さん、そしてヤマトくん、今回もよろしく頼む。俺が前衛に出るので、後方から援護してくれると助かる」
「こちらこそ、よろしくお願いするわ」
「……」
 にこやかに笑みを返す眞由璃に、ヤマトはちょっと不満げな様子。
「この二人は私の大切な人達よ。粗相のないようにね」
「……母さんがそういうなら」
 何とか表情を少し和らげたものの、ヤマトは猟兵にあまり良い印象を持っていなさそうに感じられる。
 と、敵がやってきたようだ。
「では先に行く!」
 そう告げて、先陣を斬るのはシンだ。
「全てを引滅する究極の門よ、我が元に来れ!」
 その左手に吸い込み対象選択可能なブラックホールを生み出すと。
「きゃああああ!! なんなの、なんなの、その攻撃はっ!!」
「お前達の攻撃は、このブラックホールで吸収して見せる!!」
 そして、お返しと言わんばかりに、右手で愛用の灼星剣で何度も攻撃を重ねていく。
「なかなか良い動きをしているわね」
「それでもこういった戦いは苦手なようですよ。……国見さん。蜘蛛さん達を少しお借りしても? 攻め手の保険です」
 そう告げて、眞白もまた、蜘蛛達と協力して、|百器大波乱《センジュツキ・トニカクタクサン》を発動して、後方から援護していく。
「皆、行って……」
 蜘蛛達には前衛で牽制してもらっている間に、眞白が、|百器大波乱《センジュツキ・トニカクタクサン》で生み出した人形を嗾けていく。
 激しい敵の攻防は、どちらかというと、猟兵有利へと徐々に傾きつつあった。
 ……しかし。
「ねえ、母さん。こんなことしてどんな特になるの? もう辞めてもいい?」
「ダメよ、ヤマト。あなたは私がいなくても……」
「そんな風になりたくないっ!!」
「ヤマト……」
 戦っている間に、ヤマトと眞由璃との溝が開きつつあったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


※マスターより
 現時点、戦いは猟兵有利に進められています。このままいけば、この地の人々を救うことも可能ではないでしょう。
 ……しかし、ヤマトと眞由璃との関係になにやら不穏な動きがあるようです。
 もし、余裕がありましたら、そちらにも気を付けてくださると幸いです。
 引き続き、皆様からのプレイング、お待ちしています!
 
ルナ・ステラ(サポート)
 人間のウィザード×ビーストマスターの女の子です。
 口調は基本丁寧で、1人称は『わたし』です。
 全属性の魔法が使えて、特に星と月に関する魔法が得意。困っているものを放っとけない優しい性格です。また、動物好きです。
 基本的にどんな依頼でも受けます。怖いものや気持ち悪いものは苦手で少し嫌がりますが、誰かの助けになるなら勇気を出して依頼を受ける強い面ももっています。
 UCは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 連携、ピンチからの逆転、アドリブ等歓迎です。
 よろしくお願いします。



「二人とも、落ち着いてください」
 眞由璃達を見かねて、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)が声を掛けてきた。
「今はこの場をなんとかするのが先決ですよ。何か言いたいことがあれば、この戦いが終わってからにしてくださいね」
 そういって、ルナはさっそく|月の女神様《チェンジフォーム・セレーネスタイル》を発動させる。
「月の魔力よ、わたしに力を! フォームチェンジ!!」
 自身の魔力でセレーネスタイルに変身したルナは、飛翔して、上空から敵を捕捉すると、次々と浄化の力を宿した月光の矢を放っていく。
「さあ、皆さん、こちらですよ!」
 敵を倒し、安全を確保した上で、次は襲われていた人々を安全な場所へと誘導していった。

「ヤマト、言いたいことはあるかと思いますが、今は戦いを優先しなさい」
「…………わかったよ」
 不満そうではあったが、ヤマトは眞由璃のいう通りに人々を襲う敵を攻撃し始めたのだった。

 こうして、猟兵達の活躍により、敵のオブリビオンを退け、人々を守ることが出来た。
 次は叔成が施した、あの陣を崩すことさえできれば、首領である叔成の元へ行けるはず。
 逸る気持ちを抑えながら、一行は陣が敷かれた場所へと移動するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『奇門遁甲陣を破れ』

POW   :    儀式場を守る敵を蹴散らす

SPD   :    儀式の陣を形成している物品を破壊する

WIZ   :    儀式の陣を守護する魔力や結界に干渉する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――奇門遁甲陣。
 叔成が恐ろしい『陰陽都市計画』を進めるにあたって、施したと言われる恐ろしい陣だ。
 これを破らないと、首領である叔成の元へは向かうことが出来ない。
 その上、その奇門遁甲陣の周りには、先ほど戦ったストームウィンドガール達が陣を守る様に配置されていた。
 彼らを退け、儀式の陣を形成している無機質な『柱のオブジェ』を壊さなくては。

 また、ここでも眞由璃達からの援護を受けられる。
 そうすれば、より効率よく進めることができるだろう。だが……眞由璃と拾い子のヤマトの関係が少しぎくしゃくしている。その点に気を付ければ、なお良く進めることが出来るだろう。
 猟兵達の力が今、試されようとしている……。
 
アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎

『ヤマトさん…?一体どうされてしまわれたんですか…!?』

まだ敵さん達も配置されていますし

とにかく
ヤマトさんや眞由璃さんが
孤立して
敵に囲まれて
しまわない様に…!

前回同様のUCを
引き続き発動
ヤマトさんを
氷晶の古代鎧で
眞由璃さんと自分を
氷晶の巫女姫衣装で強化
ヤマトさんや眞由璃さんを
【第六感】【心眼】【結界術】【オーラ防御】等で
防護しつつ
共闘
敵群を
吹雪で攻撃し

クイーンオブハートキーに
【ハートのA】も展開
【全力魔法】や
【誘導弾】の【一斉発射】で
『柱のオブジェ』を
破壊していきます

『眞由璃さん…ヤマトさん…本当にどうされて…?』

…ヤマトさん
私達猟兵の事…
あまり
良くは思って
下さってないのかな…



「ヤマトさん……? 一体どうされてしまわれたんですか……!?」
「……別に」
 アリスの言葉にヤマトはそっけなく答える。
「……でも……!!」
 しかし、詳しく言い合う時間はないようだ。まずはこの場にある面倒な陣を破りつつ、守護するオブリビオンを倒すことが先決。
(「とにかく、ヤマトさんや眞由璃さんが孤立して、敵に囲まれてしまわない様に……!」)
 改めて、先ほどの戦いで使った【太古の氷姫の古代氷雪領界】にて、眞由璃とヤマトをそれぞれ強化して、襲ってくるオブリビオンをそのまま倒していく。
「ぎゃあああああ!!!」
 嫌な声をあげるオブリビオンの声も、アリスの耳には届いていない。
 気になるのは、眞由璃とヤマトのことだ。
 陣を形成する柱の一つを破壊して、アリスは二人の方へと視線を返す。
 ヤマトは好戦的に敵へと戦っているが、それを不安そうな表情で眞由璃は見つめている。
「眞由璃さん……ヤマトさん……本当にどうされて……?」
 そんなアリスの言葉に眞由璃は思わず、苦笑を浮かべる。
「どうしても、あの子……私を守りたい様ね。それよりも優先して欲しいことがあるのだけれど……」
「そう、なんですか……?」
 アリスはその言葉に耳を傾けながら思う。
(「……ヤマトさん、私達猟兵の事……あまり、良くは思って下さってないのかな……」)
 少し悲しい気持ちになりながらも、アリスはまた戦いに向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神元・眞白
【WIZ/割と自由に/シン眞】
……国見さん達も大変ですね。区切りがつかない動きができないのは。
陣をなんとかしなくてはなりませんが、必要なことを進めておきましょう。

はい、国見さん。何か悩み事のようですね。
ここは1つ相談を。そうそう、動きは止めずにそのままそのまま。
陣については皆に主を任せながら。ヤマト君は……シンさんが。

言いたいことはあるのでしょう。2人とも。
してほしいことがあるのでしょう。2人とも。
それぞれに必要なのは歩みよること。2人とも。

……私が言うのは野暮でした。聞き流しにしてください。
必要なことは必要なときに。そのタイミングを、逃さないよう。


シン・コーエン
【シン眞】

眞由璃さんとヤマトくん。
立場が違えば、ぶつかることはよくある話。

二人に申し出る。
「ヤマト君、君は強くなりたい、大切な人を護れる様になりたいと思っているのかな?
ならば次の実戦で俺と共に戦わないか。
眞由璃さん、貴女の母としての気持ちは判るつもりだが、男は危険でも前に進む生き物なんだ。
了承して貰えないか。」と

UC:フォースの導きを使用して前衛で。
相手の糸やオーラや霧は第六感・心眼で読んで、衝撃波と念動力で吹き飛ばして対応。
オーラ防御も展開。

ヤマト君をさりげなくかばいつつ、アドバイスして彼の戦いを支援。
シン自身も灼星剣と村正の2回攻撃・斬撃波&UC効果で相手を斬る。

やれたじゃないかヤマト君!



 眞由璃とヤマトのことを気にかけているのは、シンと眞白も同じ。
「皆、行って」
 まずは時間を作るために、眞白が百器大波乱でこちらに向かってくる敵を抑え込んでいく。
(「眞由璃さんとヤマトくん。立場が違えば、ぶつかることはよくある話だけど」)
 それを見て、シンは、二人の元へ向かう。眞白が放ってくれたカラクリ人形の軍勢のお陰で、ヤマトも手を止める時間ができたようだ。
「ヤマト君、君は強くなりたい、大切な人を護れる様になりたいと思っているのかな? ならば、俺と共に戦わないか? それと、眞由璃さん、貴女の母としての気持ちは判るつもりだが、男は危険でも前に進む生き物なんだ。了承して貰えないか?」
「……別にいいけど」
「ええ、お願いするわ」
 二人の了承を得て、シンはヤマトを伴って、敵陣へと向かう。
 その間にそっと、眞白が眞由璃の元へ行く。
「……眞白」
「はい、国見さん。何か悩み事のようですね」
「ヤマトはいつもこうなの。私が守らなきゃと思うたびに、ヤマトはより私を守ろうとする……強くなってくれることは独り立ちにも必要だとは思うのだけれど」
 なかなか上手くいかないわねと呟く眞由璃に、眞白は静かに、諭すかのように。
「言いたいことはあるのでしょう。2人とも。してほしいことがあるのでしょう。2人とも。それぞれに必要なのは歩みよること。2人とも」
「……ああ、そうね」
「……私が言うのは野暮でした。聞き流してください。でも……必要なことは必要なときに。そのタイミングを、逃さないよう」
「ありがとう、眞白」
 どうやら、眞白の言葉に眞由璃は背中を押されたような、心強い何かを感じたようだ。先ほどの心配そうな顔は消え去っていった。

 一方その頃。シンはヤマトと連れ立って戦っていた。
「前に行きすぎだよ。そのままだと、敵に押し込まれてしまう」
「くっ……!!」
 傍にシンがいるからこそ、ヤマトの危なっかしい戦いでも、安心して見られる戦いになっている。
「で、でもっ……!!」
「周りをよく見るんだ。そして、その中で自分が出来るベストを尽くす……だろ?」
 |フォースの導き《フォースノミチビキ》を使って、ヤマトが倒しきれなかった敵を一気に蹴散らしながら、シンは戦いのアドバイスをしていく。
「周りを……よく見る……」
「そうだ。そうすれば、自ずと自分のできる範囲も分かってくるよ」
「……それなら、こうだ!!」
 シンの教えを受け、ヤマトは、離れた所にいた数体の敵の方へと向かい、その敵を一掃してみせたのだ。
「やれたじゃないか、ヤマト君!」
 シンにそう言われて、ヤマトは思わず、嬉しそうな笑みを見せたのだった。

 こうして、猟兵達の活躍により、奇門遁甲陣は無事、破れることになる。
 いよいよ、この戦いの黒幕……叔成が姿を現す……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『劉・叔成』

POW   :    八卦風水呪
自身と装備を【風水の導き】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
SPD   :    不浄奪命陣
戦場全体に【生命と地脈を侵す「不浄の気」】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【武装化した「不浄の気」を纏うこと】による攻撃力と防御力の強化を与える。
WIZ   :    石兵点穴波
自身が装備する【宝剣】から【「気」の力を強制的に断絶する波動】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【石化】の状態異常を与える。

イラスト:高峰 名鳥

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「まさか、主らのような輩に、我が陣が破られようとはな……だが!!」
 どんと、彼の持つ宝剣を突き刺しながら、叔成は告げる。
「我を倒すことは不可能!! 何故なら、我が先鋭の鬼達がいるのだからなっ!!」
 よく見れば、叔成の周りには、屈強な鬼のオブリビオン達が彼を守っていたのである。
 彼らを何とかしなければ、叔成には攻撃が届かないだろう……。
 猟兵達にはより、高度な戦いが求められていた。


※マスターより
 叔成にただ戦いを望むプレイングだけでは、叔成には、思ったように攻撃を与えることはできません。
 彼を守る屈強な鬼のオブリビオン達の対策があると、ボーナスが入りますので、よければご利用ください。
 また、皆様のお陰で、眞由璃とヤマトの関係も少し改善しました。彼らに助力を仰ぐことも可能ですが、ヤマトや蜘蛛童は弱いので、その辺、お気を付けください。
 皆様の熱いプレイング、お待ちしています!!
スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!


ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、
長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。
勿論、隙があれば見逃したくないけど。
見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極めるわ。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.囮役としてボスの注意を引き付け、味方の攻撃を当てやすくする。
2.ボスの移動手段→攻撃手段の優先順で奪っていく。
3.仕留められそうな場合は積極的に仕留めに行く。
 (他に仕留めたい人がいればその手助け)

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎



「なるほど、あれはちょっと厄介ね」
 叔成の周りにいる鬼のオブリビオンを見て、ラムダ・ツァオ(影・f00001)は、ため息交じりにそう呟く。
「なら、やりますか? 後衛ならお任せください!」
 共に来ていたスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)の言葉を受け、ラムダは眼鏡をくいっと上げて笑みを浮かべる。
「それじゃあ、梅雨払いと行きましょうか」
「ええ、行きましょう!」
 スピレイルも力強く頷き、敵の前へと果敢に飛び出していったのだった。

「では……手始めに行きますよ!」
 スピレイルが後方から、バチバチと不穏な音を響かせる金の巨大なリボンを鬼達へと放った。
「ライトニングリボンバラージ!!」
 さっそく、リボンに撒き付かれた鬼達の動きを一時的に封じることが出来た。
「見逃すものか!!」
 そこに、黒炎の鎧で機動力を高めたラムダが黒刃と白刃を手に、動けなくなった鬼どもを斬りつけていく。
 二人の息はピッタリのようだ。
「ほう……良い動きをするようだな。だがっ!!」
「敵の攻撃が……」
「来るっ!!」
 二人同時にそれを感じていた。先にそれを受けたのはラムダ。
 ――不浄奪命陣。
 味方には武装化した「不浄の気」を纏うことによる攻撃力と防御力の強化を与え、対する敵には。
「ぐっ……!!」
 その機動力でもってなんとか多大なダメージを避けることはできたが……。
「かすり傷でも、これほどの力……ね」
 叔成が放った生命と地脈を侵す「不浄の気」で、ラムダはいくばくかのダメージを受けた。しかし、まだ倒れるほどではない。まだ戦える。
 それを見て、叔成は次にスピレイルへと攻撃の手を広げていく。
「私も、まだやられませんよ!」
「そんなことを言ってられるのも今の内ぞ!」
 今度はその黒に染まった宝剣を、スピレイルへと振るってきた。彼女は精霊印の突撃銃を手に、何とかその攻撃を避けきることが出来た。
「石化まで行かぬか」
「……」
 もし少しでもずれていたら、もしかしたらスピレイルは石化していたかもしれない。つうっと、スピレイルの額から汗が流れる。
「なかなかの好敵手というところかしら」
「そう……みたいですね」
 鬼からの攻撃を弾幕で押しとどめながら、スピレイルが頷く。
 敵はかなり手強い。
 それを、二人は肌で感じていたのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎

【WIZ】

ごめんなさい
ヤマトさん…

お母さんを
護りたかった
んですね…

UCで
ヤマトさんを
古代鎧で
眞由璃さんと自分を
巫女姫衣装で強化
更に
ヤマトさんに
魔氷武装で
草薙剣を創り
渡し
(強化は
ヤマトさん達の意思を尊重)

『叔成さん達は私達が…ヤマトさんは、眞由璃さんを護って…』

ヤマトさんや
眞由璃さん達は
基本
引いて貰い
(危険な時は防護

クイーンオブハートキーに
【ハートのA】も展開
氷実で回復や
【第六感】【心眼】【残像】
【結界術】【オーラ防御】で
防御行動

【破魔】の【凍結攻撃】の
【範囲攻撃】や【誘導弾】の【一斉発射】
【全力魔法】で
鬼達を凍結
叔成を攻撃

(お母さんと「いつも」一緒にいられる…少し羨ましいです)



「ごめんなさい、ヤマトさん……」
 仲間が敵を抑えてくれている間に、アリスは改めて、ヤマトへと向き直る。
「いいよ、俺も……その、悪かった」
 ヤマトもまた、自分の態度が悪かったと言いたげに、少々不服そうではあるが、そう告げてくれた。
 アリスは少し目を瞬かせ、そして、僅かに笑みを零す。
「お母さんを、護りたかったんですね……」
「だから……もう」
 アリスは再び、エンシェントプリンセス・アイスエイジドレッサーを発動させ、再び、自身と眞由璃、そしてヤマトの強化を施す。いや、それだけではないようだ。
 先ほどと違うのは、アリスのその手に握られた氷で出来た……。
「これって……」
 ――草薙の剣。あのスサノオが手にした最強の剣である。
「叔成さん達は私達が……ヤマトさんは、眞由璃さんを護って……」
「言われなくても護る。母さんは俺が護るんだからな!」
 アリスから渡されたその剣を、しっかりと握り、ヤマトは強くそう告げる。
「任せましたよ……」
 そういって、アリスもまた戦いに身を投じる。鬼も叔成も一筋縄ではいかないが、それでも、アリスは果敢に華麗に舞うように攻めていく。
 アリスの目線は、やはり、ヤマトと眞由璃の方へと自然に向けられる。もちろん、それは僅かな時間ではあるが。
(「お母さんと「いつも」一緒にいられる……少し羨ましいです」)
 アリスはまだ、気づいていない。
 必死になって眞由璃を守るヤマトと、そして、それを暖かく見守る眞由璃の決定的な違いを……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神元・眞白
【SPD/割と自由に/シン眞】
いよいよ詰めとなります。ヤマトくん、シンさんとの動きはどうでしたか?
終わりよければと言いますし、するべきことを、しましょう。

狙いは将。ただ、まずは周りを崩してから。必要なことを見定めないと。
焦らなくてもその時は来るでしょう。必要なことを必要な時に。

とはいえ周りも数が多いですね。真正面からでは骨が折れるでしょう。
精神的にも物理的にも。そうそう、もちろん冗談ですよ?
そういうことですから私はサポートに周ります。前線はシンさんと一緒に。隙を作る時間は5秒……7秒ぐらいが関の山ですね。それだけあれば十分に、行けるでしょう?
では国見さん。……これ以上は言わなくても、ですね?


シン・コーエン
【シン眞】

敵の首魁に加え、屈強な護衛が何体も。
ヤマト君はどうするべきだと思う?と問う。

ここは力を合わせて戦うしかないので、その答えが出たら、
「俺と眞白さんで道を切り開くから、君と眞由璃さんが力を合わせて…
頼むよ」と。

UC:灼星凄雨で、130本の2倍の大きさの真紅の灼星剣と9本の普通の
大きさの透明な灼星剣の複製を。
透明な方は待機、130本を均等に鬼型オブリビオンを貫通攻撃。

不浄の気は、結界術・高速詠唱・破魔による防御結界で仲間ごとかばう。
オーラ防御も展開。

灼星剣による2回攻撃・斬撃波を叔成に放ち、対応した隙を狙って透明な9本が叔成を貫通攻撃。
更に念動力で捕縛。

止めは眞由璃さんとヤマト君の紅蓮撃で



「いよいよ詰めとなります。ヤマトくん、シンさんとの動きはどうでしたか? 終わりよければと言いますし、するべきことを、しましょう」
 そう声をかけるのは眞白だ。
「……協力した方が、より有利に戦えるってわかった」
 ちょっと不服そうではあるが、先ほどの悔しさとは違うものを感じる。
「……シンみたいにもっと強くなりたい」
「それを理解することができたら、上出来です」
 そんなヤマトに眞由璃は僅かに笑みを浮かべる。
「とはいえ周りも数が多いですね。真正面からでは骨が折れるでしょう。精神的にも物理的にも」
「眞白?」
「そうそう、もちろん冗談ですよ?」
「そ、それならいいのだけれど……」
 どこからが冗談なのか図り切れないところがあるが……悪くはないはずだ。たぶん。
 と、そこにシンが合流を果たす。
「敵の首魁に加え、屈強な護衛が何体も……ヤマト、君はどうするべきだと思う?」
「……協力して戦う」
 そのヤマトの答えにシンは彼の頭にぽんと手を乗せ、くしゃくしゃと撫でる。
「……!?」
「それじゃあ、俺と眞白さんで道を切り開くから、君と眞由璃さんが力を合わせて……頼むよ」
「えっ?」
「私達、が?」
「そういうことですから、私はサポートに周りますね」
 眞由璃とヤマトの返答を聞く前にシンと眞白が動き出していた。

(「狙いは将。ただ、まずは周りを崩してから。必要なことを見定めないと。焦らなくてもその時は来るでしょう。必要なことを必要な時に」)
 そう思いながら、眞白が口を開く。
「隙を作る時間は5秒……7秒ぐらいが関の山ですね。それだけあれば十分に、行けるでしょう?」
「ああ、十分だ」
 眞白が|事象を歪めるもの《ターニングポイント》を使って、周りの鬼どもと叔成、全員の認識力を奪って不幸を与える。
「我が剣よ! 全てを滅ぼす凄雨と化し、天空を駆け! 大地に降り注げ!!」
 その生まれた隙に、シンがすかさず|灼星凄雨《シャクセイセイウ》で2倍の大きさの真紅の灼星剣を、130本以上を作って、鬼へと放つ。
「ぐああああああ!!」
 そこで放たれた叔成の不浄の気をシンは何とかギリギリのところで躱したところで。
「そこだっ!!」
 透明な剣を上空で待機させていたのを、そこで叔成へと放つ。
「なに!?」
 敵の動きが止まった。
「眞由璃さんっ!!」
「では国見さん。……これ以上は言わなくても、ですね?」
 二人の声に、眞由璃とヤマトが少し戸惑いながらも、動いた。
「これで、終わりだっ!!」
「消えていただくわ」
 二人の赤手が、叔成を斬り裂き、駆け抜ける。
「…………」
 何かを言ったようにも思えたが、叔成はゆっくりと地に伏せ、息絶える。

 こうして、猟兵達の叔成との決戦は、無事、幕を下ろした。
『お前もオブリビオンだということを、忘れるな』
 最後に叔成は、そう、眞由璃に告げていた。
「そんなこと、あなたに言われなくてもわかっているわ」
 小さくそう呟いて、消え失せた叔成を見送る。
「母さーん、帰るよ!」
「ええ、帰りましょう、ヤマト」
 今はまだ、彼と共に……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月03日


挿絵イラスト