#ダークセイヴァー
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●
彼らには何の罪もなかった。
繰り返して言おう。彼らには何の罪も、なかった。“彼女”を怒らせたのが罪であるというのなら、世界は無慈悲にすぎるというものだ。
「ひっ、ひいぃ……!!」
篝火に取り囲まれる。本来なら火を恐れぬ人間も、この篝火は恐ろしい。いや、恐ろしいのはそれではない。篝火が傾き煌々と照らす、赤い封印を今まさに解き放とうとしている、四つ足の、ああ、赤い……赤い――。
「汝、恐れたな」
彼らには、何の罪もなかった。
しかし、女王はその恐れを罪となじり、己が此処にいる事が断罪だと罵り、死という罰を、粛々と与えた。
彼らはその点においてだけは幸せだった。
喰らわれるのが、死んだ後であったから。
●グリモアベースにて
「大変大変! 大変だよー!」
メッティ・アンティカ(f09008)が今日もまたぴょんぴょん跳ねる。グリモアベースは一つの世界を平和に導いた後だというのに、人でいっぱいだ。
「みんな、スペースシップの世界の問題を解決したんだね! うん、僕もちょっとだけ……ちょっとだけ、協力出来てとっても誇らしく思ってるよ! 本当にお疲れ様っ! ……と、言いたいところなんだけど……」
別の世界はまだ大変なんだ、と言うメッティ。そう、猟兵が救うべき世界はまだまだある。解決すべき問題は尽きないのだ。
「今回はね、ダークセイヴァーの世界だよ。夢で見たのは……そう、なんというか、赤い……血溜まり? かな? それと、篝火がいっぱい。何人かは……殺されて。何人かは、連れて行かれて……」
あんまりいい夢じゃなかったし、抽象的でごめんね。いつもならメモしているんだけど。
メッティの顔に嘘偽りの類はない。本能的にメモにするのを避けたのか、彼自身も夢ノート(とメッティは呼んでいる)のあちこちを見ている。結局今回の夢に関する書き込みはなかったようで、とにかく!と気を取り直して声を張った。
「今回はその原因を調査して、敵を撃破してほしい! みんな疲れてるところだけど……お願いしますっ!」
key
こんにちは、keyです。
銀河帝国攻略戦、お疲れ様でした。という訳で依頼だぞ!
●目的
「村人を捜索し、敵を撃破せよ」
●
まず、猟兵の皆さんはとある村に転移します。
血溜まりがあちこちにあります。まずはその血溜まりの元について捜査してください。
村人は探せば残っています。しかし全員酷く動転しているので、巧く情報を引き出せるかはプレイング次第となります。(当然他の選択肢もプレイング次第ですが)
第二章、第三章は戦闘になります。特記事項はそれぞれ冒頭でお話しますが、生存者の扱いが鍵となります。
では、いってらっしゃい。
第1章 冒険
『この血なんの血気になる血』
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POW : 周辺をくまなく探す
SPD : 村人にそれとなく聞いてみる
WIZ : 村の中に不審な場所がないか確認
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●血塗れの村
グリモア猟兵の導きにより、ダークセイヴァーの名もなき村へと転移した猟兵たち。
――惨憺たる有様だった。
地面に血。家屋の壁にも、窓にも血。いったい何人が血を流せばこれだけの量になるのか? そう疑問にすら思わせる、血溜まりの数。
よくよく耳を澄ましてみれば、生き残りのつぶやきが聞こえるかもしれない。意味のない呟きが、何度も繰り返されている。
周りは木々に包まれている、ひっそりとした村だった。今はただ、死んだような静寂があるばかり。
フォルター・ユングフラウ
【WIZ】
あぁ、実に心地良き香りだ─命の残り香たるこの紅は、我を昂らせる
居城の地下室を思い起こさせる様相だが、随分と愉しんだらしいな
では、我もオブリビオンを玩具として愉しませてもらうとするか…ふふっ
さて、まずは情報収集からだ
愉しむ前には、前戯が必要であるからな
生き残りはいるものの、動転しているか…まずは鼓舞と言いくるめを駆使し、汝等を助けに来たと丁寧に言い聞かせる
なに、我の真意はどうであれ嘘では無いからな
落ち着きを取り戻せば、身体を寄せ、誘惑と催眠も掛けておく
誘惑で堕ちれば、UC:ヴィーゲンリードで見聞きした事を全て吐かせる
その情報を携えた上で、村内を歩き不審な場所を探すとしよう
※アドリブ歓迎
「あぁ――」
すう、と大きく吸って、恍惚と吐く。真っ赤に染まった村で、血生臭い空気を思い切り肺に満たし、フォルター・ユングフラウ(嗜虐の乙女・f07891)はよい香りだ、と小さく呟いた。
命の残り香。確かに人がいた証。昂らずにはいられない。居城の地下室を思い起こし、ぺろりと上唇を舐める。此処を荒らしまわった「先客」は、随分とお愉しみだったようだな?
では、我もオブリビオンで愉しませて貰うとしよう。
「なれば、まずは情報収集……生き残りに話を聞いてみるか」
「ひっ、ひ、いぃ! 来ないで、来ないで……」
生き残りを見つけるのは容易だった。その扉を開くのも容易。しかし難しいのは、生き残りの心の扉の建付けを治す事。
「怯えるな。我は汝等を助けに来た者だ。此処で何があったのかを知りたいだけだ。その証左に、ほら、お前はまだ生きている。我が汝等を傷付ける事はない」
「ひ、……ほんと、に……?」
力強く鼓舞するようなフォルターの言葉に、生き残りの男は頭を抱えてうずくまったまま、少しずつ落ち着きを取り戻していく。フォルターはゆっくり、ゆっくりと距離を詰め……体を寄せる。蠱惑的な香りがする。恐怖とは違う甘やかな感情が、男の脳裏をぼやかしていく。
「そう。我に心を委ねよ。恐れるものはない、我がいる限り、汝は何も恐れる必要はない。さあ、答えよ。汝は何を見た……?」
篭絡された生き残りは、自分が傀儡となっている事にすら気付かない。この人の傍なら、この人に任せれば――そんな甘い感情に、次第に酩酊したような表情を浮かべる。
「……大きな、獣と……篝火が、やってきて……」
「突然殺して森へ去った、か」
酩酊のままに意識を失った男をゆっくりと寝かせてやりながら、フォルターは興味深げに呟いた。愉しむためには、森へ足を運ぶ必要があるらしい。
ゆっくりと立ち上がると、せめてもの情けか、気まぐれか――起こさぬよう足音を立てずにその場を後にした。
大成功
🔵🔵🔵
アイ・エイド
【SPD】
おーい!助けに来たぞォ!!って
一応大きな声かけてから
静かに耳をすませて声や物音を探すぜ!まァ、ちょいと方法は荒いが、さっきの大声で生き残りの村人たちは何らかの反応を取るはずだ!!
気が動転してんな恐慌状態ってとこか…
【毒を以って毒を制する】で精神安定の毒霧を放つ!
相手の視界から風景、
特に血が見えねェように遮って
声は普段たぁ違い抑え気味で
なるべく優しい感じで話しかけるぜ。
大丈ー夫だ。怖いモンはいない
それを追っ払うためにオレたちが来たんだから、安心してくれ
気分が大分落ち着いたようなら、
悪いが、本題に入らせてもらう
この村でいったい何が起きたんだ?
聞く相手は出来りゃ成人以上
アドリブ・絡みお任せ
リーヴァルディ・カーライル
…ん。まだ生き残った人がいる?
彼らから情報を得たいけど…まずは治療が先決。
救える生命があるなら、見捨てる訳にはいかないもの。
極微量の生命力を吸収する魔力を周囲に放つ範囲攻撃(非殺傷)を行い、
返ってきた反応と第六感を頼りに生存者を探し、怪我の状態を見切る。
【常夜の鍵】から救助活動に必要な物資を取りだして治療、
必要なら【限定解放・血の聖杯】を使用する。
まずは治療をした後、何があったか聞き出す。
…私の声が聞こえる?今から傷を治すけど、暴れないでね?
…冷静に会話ができないようなら最後の手段。
魔力を溜めた瞳で見つめた誘惑の呪詛で魅了し、
相手の精神を強制的に落ち着かせる。
…何があったの?落ち着いて話して。
皆城・白露
…ひどいな。
何が起きたのか…まあ、胸糞悪い奴が胸糞悪い真似をした、ってのはわかる
(大量の血液を見ても冷静ではあるが、苛立ちは感じる
ただ、ここで嘆くのは自分の仕事じゃない
この感情は、ぶつける相手が現れるまでとっておこう)
(他の猟兵との絡み・アドリブ等歓迎です)
【POW】周囲をくまなく捜索
周囲の猟兵と協力し、情報を共有
血溜まりを調べ、襲撃者や生存者を【追跡】
血は戯れに振り撒かれたものか、それともただひたすら蹂躙された跡か
現場の状態から敵の性格・性質を推測
生存者とも話ができればいいが
…落ち着かせたり慰めたりは、あまり自信が無くてな…
(その辺り得意そうな人がいれば預ける)
「…ひどいな」
惨状を目にして、たった一言に皆城・白露(モノクローム・f00355)は全ての感情を込めた。憐憫、苛立ち。まるで血の入った革袋をめちゃくちゃに振り回したような惨状。
「まだ生き残った人がいるなら、彼らから情報を得られないかな。あと、治療も」
怪我をしていたら大変、とリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)が周囲を見回す。どうやら全員家の中に籠ってしまっているのか、ぱっと見た限りでは人の姿は見当たらない。
「よし、取り敢えず声かけてみようぜ! おーい! 助けにきたぞォ! 生きているやつがいたら返事してくれ!」
アイ・エイド(腐れ人狼・f10621)が大きく息を吸い、声をかける。リーヴァルディも合わせて広範囲に非殺傷の攻撃を放つ。微量の生命力を吸う特性の攻撃を用いて、生命反応を探索するという手段だ。
一方白露は、血溜まりを調べていた。
「此処で一気に突き刺されるか何かした後、……僅かだが引きずった跡がある。死体がないのは連れて行かれたからか。……にしては、血の飛び散り方が異様だ。これは半分遊んだ跡、か……?」
半分は生き残りへの牽制。半分はただ自分が楽しむ為に。だとしたら、悪趣味極まりない。眉を寄せた白露の耳に、バタンと扉を閉める音が聞こえた。
「あ! あっちの扉が閉まったぞ!」
「生命反応があります。生き残りの方でしょう」
「っし、ちょっと待ってくれ! 回復の毒霧を放つぜ!」
「え? 回復の……毒……?」
「おう! 毒を以て毒を制する、ってなァ!」
思わず聞き返したリーヴァルディに快活に答え、アイは毒霧を放ち、大きく咆哮する。その咆哮は味方を鼓舞し、心を蝕む闇を打ち払う。
ただ――共感するには村人の心にあった傷は深かったようで、うわああ、という悲鳴と共に転ぶような音がした。
「あ、……やばい、開けよう」
「ええ!」
白露がその脆いつくりの扉を蹴り開ける。中は家具が倒れ、物が散乱し、男は古びたベッドの上で怯えていた。
「っとォ、やりすぎちまったか? おい、大丈夫か?」
「獣……ひいい、ひい、獣……!」
「大丈夫よ。私たちはあなたを助けに……ってあなた、傷が」
男の背には斬られたような傷があった。浅くはなく、いまもどろりと衣服を血で汚しつつある。
「早く治療しないと。さあ、傷を見せて」
「やめてくれ、放っといてくれ……! 俺は妻も、子どもも、守れなかった……!」
「……咆えない方が良かったか?」
「いや、彼が此処まで喋れるのは多分お前のおかげだと思う」
「そうか! じゃあまずは傷の治療だな!」
アイに頷く白露。血生臭い香りに耳を倒し、眉を寄せる。
「……俺は……」
「まずは傷の治療よ。あなたが何を後悔しているのかは、その後で聞かせてもらうわ」
リーヴァルディと男の距離は、すっかりと縮まっていた。男は心が折れたのか。しゅんと大人しくなって。ぶつぶつと呟くばかりの彼の背中側に回り、リーヴァルディは指を噛む。垂れた血液には彼女の生命力が凝縮され、男の傷と肉体の痛みをみるみる治癒していく。
「……妻と子どもは、表で遊んでいたんだ」
傷が治って落ち着いたのか、彼らを信用したのか――3人を前にした男は、ぽつぽつと語り始めた。
「其処に、突然あいつらが現れた。森の方からだ……それからは、もう、判らない。お前たちは罪人だ、とか、悲鳴だとか、……俺は、怖くて外に出られなかった……表にいた奴らは全員殺されるか、攫われた……! 妻も子ももう、……う、うぅ」
「……希望を持ちなさい。攫われただけで、死体を見た訳じゃないんでしょう」
「そうだぜ兄さん。オレたちは……死んだ奴を蘇らせる事は出来ねェが、生きてる奴を助ける事は出来る! 任せてくれって」
「……巧く言えないが、俺も、努力する。家族の特徴を教えてくれれば」
探しやすい、と、思う。
不器用だが確実な手段をとる白露の言葉に、男は泣き顔を上げた。また新しい雫が頬を伝う。それは僅かだが、希望の涙にもとれた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
チガヤ・シフレット
これはまたとんでもない状況だなぁ?
惨たらしいっていうのか?
こういう死に様じゃ可哀想で仕方ないな。
さっさと犯人見つけて、文句でも言ってやらなきゃだなぁ?
【POW】
あちこち探し回ってみるか。
血溜まりもよく観察しつつ、だな。
本当にただの血か?
量が多いよなぁ。
まだ暖かけりゃ、直近のなのかもしれねぇよなぁ。敵も近くにいるか?
足跡とか残ってないかくまなく見てみようか。血溜まりが多くて判別できないかもだが。
生き残りに遭遇したら、話しかけてみるが……。
まともに反応返せそうにないなら、そっとしてやろう。
あるいは、記憶消去銃で楽にしてやるのがいいか?
「これはなんというか……惨たらしい、って言葉が似合うのかね」
チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)は周囲を見回し、その血生臭さに軽く咳をした。ともすれば肺を占拠しそうな血の香り。そこかしこから漂う死の静寂。
これはさっさと犯人見つけて、文句の一つも言ってやらなきゃだな。
村の開けた場所に一つ、住居群に一つ。血溜まりは大きく分けて二つあり、当然大きいのは開けた場所の方だ。傷を負って逃げ回ったものがいたのか、周囲の建築物には血の手形やら擦れた跡やらが残っている。
「量が多いな……人数が多いのか」
少ないのなら、生き残りの可能性はゼロに近いだろう。僅かに触れてみれば、既に血液は冷たかったが、血は粘っこく、固まってはいないようだった。微妙な時間だ。
「…………」
視線を感じて、チガヤは振り返る。扉を少しだけ開き、住居群から見ている誰かがいた。
「おい、生き残りか?」
「!」
バタン!
すぐに閉まってしまった扉。破るのはたやすいだろう、けれど――
チガヤは腰にさした記憶消去銃に触れる。扉を無理くり破ったところで、相手は錯乱するだけだ。いっそ記憶を消してやれば大人しくなるのかもしれないが、それはなんとなく、怒られる気がした。
誰にだ? とチガヤは考えて……一人の男が脳裏をよぎり、笑った。記憶を消すのはやめておこう。何より、手がかりも一緒に消えちまう。
その後、足跡を慎重に検分していくと、彼らは森に消えた事が判る。チガヤは成る程、と敵の巣へと歩いていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ガルディエ・ワールレイド
『ザザ・クライスト(f07677)と行動』
【POW】周辺をくまなく探す
◆行動
生存者に近づく時は、治療が為されてないなら応急処置を行うし、相手が落ち着くよう気遣って対応するのが前提だ
その上で周辺を探るぜ
探るのは以下
・襲撃者の特徴(足跡や破壊痕等から)
・血溜まりの数、配置、血の乾き具合
(以上から襲撃者の侵入ルートや撤退ルートがわからないか考える)
・生存者の見落としが無いかも入念にチェック。話がしやすそうな人間がいれば対応してる猟兵に連絡
◆心情や会話
この世界にいると血痕なんて見慣れちまうもんだが……それでも、これは酷ぇな。
「こっちも最悪だ。とは言え、最悪の中からだろうと手がかりを探さねぇとな」
ザザ・クライスト
ガルディエ・ワールレイド(f11085)と同行
【POW】根気良く手掛かりを探す
「チッ、酷ェ有様だ。何人死んだ?」
ヘル・ワールレイドと手分けして捜索に当たるぜ
村人を発見したらまずは肩を抱いて安心させるよう声をかける
「もう大丈夫だ。良く生きていてくれた、まずは落ち着こうか」
温かい紅茶(ブランデーが少々IN)を差し出して暖をとらせる
未成年ならホットレモンだ
怪我人はヘルに応急手当てを頼む
「一体何があったか話せるか?」
血溜まりから引きずった痕などないか【追跡】の要領で痕跡を探す
生存者からも【情報収集】
「これだけ派手な惨状だ。手がかりを消すなんて真似は考えてもなさそうだぜ」
タバコで一服しながらヘルに答える
ザザ・クライスト(人狼騎士第六席・f07677)とガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は、何人かの猟兵がそれぞれ村人の家に――それぞれの手段で――入っていくのを見届けて、血溜まりの調査に徹する事とした。
「この世界にいると血痕なんて見慣れちまうもんだが、それでも――」
「酷ェ有様だ。何人死んだ?」
「少なくとも、十数人分の血液はある。あちらこちらにまるでぶつけて遊んだようなありさまだ」
「人間でボール遊びとは全く、悪趣味なこったな。……見ろ」
「あ?」
ザザが不意にしゃがみこんで、指差す。ガルディエは近付いて見下ろし――それが蹄による足跡だと気付いた。
「蹄か」
「あァ。体重を乗せて叩き付けたかのような跡だな」
「敵は四つ足か……?」
「いや、他にもいるだろう。じゃなきゃこれだけ綺麗に撤退は出来ねェ。配下は人間型かもしれねェな」
「……血の乾き具合から見て、そんなに時間は経っていない。確かに、獣にしては撤収が速すぎる」
ガルディエは頷き、血で汚された壁を見やる。その部分の血はだいぶ乾いており、指でなぞればパリパリ、とかさぶたのように赤黒い破片がはがれて落ちた。
「攫われた奴はどうなったと思う?」
「……さァて。生きてるか死んでるかにもよるンじゃねェか。生きてる方に賭けたいが、それはそれで厄介だぜ、ヘル」
一服させてくれ、とザザが煙草と鍋を取り出す。何をするのか、と問うたガルディエに、紅茶を淹れる、とザザは答える。
「生き残りを落ち着かせないことにゃ話にならねェ。少しブランデーを足した奴を配りながら話を聞く。幸い、他の奴らのおかげで村全体の警戒は解けてきてるしな」
「成る程。……最悪と言っていい状況だが、その最悪の中からでも、手がかりを探さねぇとな」
「ああ。これだけ派手な惨状だ、手がかりを消すなんて考えてもなさそうだぜ」
つまり、探せば探すだけ出てくるってこった。
煮えてきた紅茶にスキットルからブランデーを垂らし、ザザは呟いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『篝火を持つ亡者』
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POW : 篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
イラスト:トギー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●篝火の迎え
それぞれの方法で調査を済ませ、敵は森にいると確信した猟兵たち。
森は薄暗いが、どうも“団体様”が通った後がある。その足跡と蹄跡をたどっていくと――ぼっ、と音がして、周囲が明るくなった。
君たちは直ぐに気付くだろう。
……囲まれている!
相手は一体が一人ずつ、村人の死体を抱えている。それは恐らく、予備の戦力――
なんとか奪い返せたら、敵の増援を防げるかもしれない。
皆城・白露
お前ら…何をしてる。「それ」を、返せ…!
(亡者が抱える村人の死体を見て、頭に血が上る
(努力する、と濁しはしたが)探すと、言ったのに)
(他の猟兵との連携・アドリブ歓迎です)
周囲の猟兵と協力して戦う
【ブラッド・ガイスト】使用、黒剣を禍々しい爪状に変化させ
【2回攻撃】【敵を盾にする】等も利用し
怒りに任せて敵を攻撃、村人の死体を奪い返す
奪い返した村人はできるだけ傷つけないように戦闘区域外へ
その程度の冷静さは残っている
利用なんてさせない
お前らにこれ以上、何一つ渡すものか
戦闘後
奪い返した死体の中に、村で話した生存者の家族の特徴がないか調べる
リーヴァルディ・カーライル
…ん。彼らも、元を辿れば犠牲者…かな?
私は貴方達を助けてあげる事は出来ないけど、約束する…。
必ず、貴方達を殺した報いは受けさせると…。
事前に装備類に【常夜の鍵】を刻んでおき、
防具を改造して耐火の呪詛を付与しておく。
第六感と暗視を頼りに敵の攻撃を見切り、
カウンターで大鎌を怪力任せに振るう2回攻撃を行う。
…なるべく遺体を傷付けたくは無いけど。
ごめんなさい、手荒になる…。
1撃目で死体に鎌を引っ掛けて【常夜の鍵】に回収し、
2撃目で亡者をなぎ払い生命力を吸収し傷口を抉る。
敵を倒した後は同じく【常夜の鍵】に回収し、
危険を感じたら【常夜の鍵】に転移して離脱する
…もう苦しむ必要は無い。眠りなさい、安らかに…。
「お前、ッ、何してる――!」
白露の怒りが爆発する。沸騰寸前だった血液が、一気に温度を上げた気がした。
「それを、返せ……!」
利用なんてさせるものか。誰一人として、亡者として立たせるものか。
それを危なっかしいとみるのはリーヴァルディだ。
「貴方達も元をたどれば犠牲者なのかしらね。助けてあげる事は出来ないけど、……必ず、貴方達を殺した報いは受けさせるわ」
亡者は聞こえているのかいないのか、呻き声を上げながら篝火を掲げる。リーヴァルディは血の魔法陣を刻んだ大鎌を振り上げ、構える。
「返せ!!」
白露は己の血液を代償に、黒剣を禍々しい爪のような形に変化させ、力任せに敵を攻撃していた。斬り、刻み、潰す。背後に迫った篝火に、敵をくるりと裏返して盾にさえする。
力任せに奪い返した村人の遺体を、そぐわぬほど優しく戦闘区域へ運ぼうとした、その隙を見逃す亡者ではない。赤々と燃える篝火の炎を白露に向け――
「――っ! 邪魔っ!」
リーヴァルディが大鎌で、力任せに、その亡者の胴体を引き千切り裂いた。倒れた亡者に鎌を触れさせると、その姿が霧のように掻き消える。彼女の領域――『常世の鍵』の先へと誘ったのだ。
「戦力を増やさせることはしないわ。……あなた」
白露へと振り返るリーヴァルディ。その目はとても冷静で、白露はその目を見るうちに段々と己を取り戻す。
「遺体の回収は私に任せて、あなたは敵を相手にしてくれない? 大丈夫、悪いようにはしないから」
「……本当だな?」
「ええ。私は嘘はつかないわ」
言うとリーヴァルディは鎌の先を、白露が保護した遺体に触れさせた。すう、と矢張り霧のように消え失せる遺体。何処へ行ったのか、とは、白露は問わなかった。
「この調子でいけば、亡者は減っていくだけのはず。……気持ちは判るけど冷静になって」
「ああ、……判った。その代わり、取り戻した遺体の」
「特徴を見たいのね。判ったわ、それくらいの時間はあげられるから」
短いやりとりを終えると、再び白露は獣めいて敵へ飛び掛かり、リーヴァルディも静かな影のように亡者を相手取った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フォルター・ユングフラウ
【WIZ】
森の中、か…厄介な場所だな
だが、わざわざ照らしてくれるのならば暗視を使うまでも無い
手早く片付けてやろう
なるほど、あの死体が次の駒という訳か
では、その駒ごと葬り去る
所詮は魂の抜けた肉塊、己の意思に反して亡者と化すよりかは良いだろうよ
篝火がつくる影に触れぬ様注意しつつ、UC:トイフェルスシュピースにて亡者も死体も共々穿ち、地に縫い止めてくれよう
我の攻撃には、誘惑・催眠・毒・呪詛・恐怖といったものが込められている…精々、抗ってみせると良い
受けた傷は、攻撃に付随する吸血や生命力吸収で補いたいところだ
※アドリブ歓迎
ごおん、と鳴ったのは、フォルターの杭だ。何十という数の杭が、死体共々亡者を大地に釘付けにする。
「次の駒を用意するとは知恵の回る。ならその駒ごと葬り去るだけだ」
所詮は魂の抜け殻。意思に反して亡者と化すよりはよいだろう?
フォルターは片手に杯を持ち、踊るように亡者と対峙する。黒の弔銃が跳ね上がり、弾丸が亡者を穿つ。隙を見せれば杯を傾け、また何十という数の杭を召喚し、磔に処する。
それはさながら、女帝の進軍である。他の猟兵が見れば痛ましいと目を背けるだろう光景も、フォルターにとっては極めて合理的な判断の結果に過ぎない。保護しようとすればこちらが傷を負いかねない状況なら、切り捨てるまで。
女帝は篝火に照らされたダンスフロアを踊る。その影を踏まないようにしながら、月をも貫けそうな数の杭を、また一軍、放つ。
「我の杭には誘惑も恐怖も、毒も呪詛も詰まっている。――抗えるものなら抗うと良い」
たっぷりと敵の生命力を吸い上げながら、女帝は踊る。
大成功
🔵🔵🔵
ガルディエ・ワールレイド
ザザ・クライスト(f07677)やチガヤ・シフレット(f04538)と共闘。
(補足)彼らは”狼の巣”という結社のメンバーだが、ガルディエは部外者
「噂に聞きし”狼の巣”の実力、頼りにしてるぜ」
◆行動
武装は《2回攻撃》《怪力》を活かすハルバードと長剣の二刀流
攻撃は武器での攻撃(特に《なぎ払い》)と【竜神の裁き】を織り交ぜる
味方に通ってヤバそうな攻撃は《かばう》
近接攻撃が命中すれば《生命力吸収》
新たな亡者になる前に《念動力》で死体を奪う事を狙うぜ
共闘する人間の誰かが注意を引いて、他の人間が死体を奪うような連携も意識
「連なる死体の不毛な連鎖は絶たせて貰うぜ」
【篝火からの炎】は《殺気》を読んで避ける
ザザ・クライスト
ガルディエ(f11085)とシフレット曹長(f04538)と共闘
他の猟兵とも連携
【POW】敵を引きつけて戦う
「数が多いな。曹長、手を貸してくれ」
共闘を呼びかけてガルディエと共に前に出る
「ハッ、おだてるなよ。小躍りしちまうだろォが」
ふざけた返しをしながら戦闘開始だ
バラライカを斉射、味方に【援護射撃】をして敵の頭を抑えるぜ
合間に【束縛の鎖】を抱えた死体に打ち込んで無理矢理回収だ
「クソッタレ、こんな森で炎なんて大火事待ったなしじゃねェか!」
ぼやきながら銃撃、敵を【おびき寄せ】つつ撃破を狙う
ガルディエの淀みない動きと怪力に、
「そんな重武装でその動き、真似できねェよ」
念動力まで使うンだからたまげるぜ
チガヤ・シフレット
ザザ(f07677)とガルディエ(f11085)と連携
さぁ、追いついたな!
死体を抱えて悪趣味なこった。ダンスのパートナーか何かか?
違うんなら、さっさとその死体を置くんだな。
なに、ダンスの相手なら私がなってやろう。
両腕の内臓兵器を起動して、一気に攻めていくか!
相手が死体を抱えたまんまなら、なるべくそこには当たらないようにだけは気を付けよう。
無理なら無理で……すまないな、死んでるんだから許してくれ。
スナイパーでなるべく精密な射撃を心掛けつつ、攻撃をしていこうか。
ザザたちをアシストできそうなら、援護射撃も入れつつ。
あとは、高速移動で一気に近づいてブレイドで敵の腕でも斬って、死体を開放してやるか?
「さぁ追い付いた」
「チガヤ曹長、来てたのか」
「まぁな。まさか本当にザザも来てるとは思わなかったが?」
「俺を何だと思ってやがる。……まぁ、長話は後にするか」
気付けば己らを取り囲む篝火。死体を抱えた亡者たち。ザザとガルディエはチガヤと合流し、三人で血路を開く。
「噂の“狼の巣”の実力……見せてもらうぞ」
「そうおだてるなよ。小躍りしちまうだろォが」
「そうだぜ。私にできるのは……ちょっと壊すくらいのもんでさ!」
最初に動いたのはチガヤだった。サイボーグという体を最大限に活用し、内蔵した兵器とガジェットを亡者にブチ込む。一歩動けば亡者の隣に。一歩動けば亡者の後ろに。目に見えぬ速さは命と引き換えだが、チガヤがひるむことはない。
「その死体はなんだ、ダンスのパートナーか? どうせなら私と踊ってくれよ、そいつを置いてさ。じゃないと、体に穴が開くぜ?」
ばらまいた弾丸が、死体ごと亡者を貫く。一瞬だけチガヤは苦い顔をしたが、死んでるんだから許してくれといつもの表情に戻った。
ザザも援護のために愛銃バラライカから弾丸をばらまく。
「――クソッタレ! 森で火を使っちゃいけませんってママから教わらなかったかァ!?」
乱戦状態だ。ザザに影を踏まれた亡者はするりと弾丸の軌道を読み、かわす。しかしかわした先でチガヤのフルバーストに巻き込まれ、塵となって霧散するか――
「この雷は半端じゃねぇぜ――覚悟しな!」
竜神の裁き――そうガルディエに名付けられた雷という名の暴力に耐えかねて、霧散するか。そのどちらかだ。最早誰が誰の影を踏み、どれが亡者なのか判らない。
亡者の数が減っていないように思えるのは、村人が変化したものが僅かにいるからだろう。ザザは舌打ちをする。亡者にされる前に、回収してしまわなければ――
「不毛な連鎖は断たせて貰うぜ」
だが彼が銀鎖を放とうとしたその時、亡者から死体を奪い去った男がいた。ガルディエである。……念動力か。ヒュウ、とザザは思わず口笛を吹いた。
「その重武装で念動力まで使うかよ。敵には回したくねェな」
「安心しろ。今のところそういう予定はない」
チガヤが跳躍し、上空から亡者の頭を狙い打つ。1、2、34! 更に4体目にはご褒美だ。飛び降り様に両腕をブレードで断って、死体を代わりに持ってやる。
「私を止めたいンなら、ブッ壊さないと駄目だぜ?」
滑るように走り、ガルディエが回収した死体の上にそっと死体を重ねる。
「はは、曹長はやる気みてェだな。見習わないと駄目か」
「ああ、俺も見習わないとな。――行くぜ」
「そうだな。二人とも、働き者の私を見習ってくれよ」
ザザとガルディエは背を合わせてウィークポイントを塞ぎ、亡者を相手取る。ガルディエが雷を亡者どもに落として――ザザが愛銃と共に走る。
森に燃え移らない虚ろな火は、そうして少なくなり――やがて、一つ残らず消えた。
いや……遠くに明かりが見える。あれは、森の奥――
大成功
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第3章 ボス戦
『『血染めの災厄』ルベルレギナ』
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POW : 女王の慈悲
【ルベルレギナに恐怖したものの生命力】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【五感で認識したものを無抵抗に嬲り殺す爪牙】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : 女王の躾
【視界内の全てのものに恐怖をもたらす咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 女王の奴隷
戦闘力のない【ルベルレギナに恐怖し絶望した奴隷】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【ルベルレギナに生きたまま食われること】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「黒玻璃・ミコ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●血杯の女王
罪なき者を、裁くものがいる。
罪なき者を、殺すものがいる。
其処に理由など存在しない。私がいるからお前は罪人だ。そういう風に世界は回っているのだ。
私を恐れるか? 私を恐れたか? 私を畏怖するか。
ならば死ね。私のために。
森の奥にその赤い四つ足はいた。
獣というより、四つ足の竜のようなその風貌は、人々に恐怖を与えるに十分すぎるだろう。
その後ろには大樹が聳え、根元では何人かの大人子どもが震えて固まっている。
何故彼女が生き残りを其処に据えたのか?
勿論――食するためである。
サパータイムはこれからだ。
(行動でWIZのユーベルコードを選択した場合、攫われて木の根元にいる村人が召喚・捕食されます。阻止する行動がなければ、ルベルレギナは村人の捕食を最優先します)
フォルター・ユングフラウ
【WIZ】
我の能力を最大限に活かすには、餌共の存在が枷となるか
ちっ、面倒極まりない…が、目の前で女王を名乗る輩を見逃す訳にはいかぬ
頂きに立つ者は、一人で良い
跪くのは、貴様だ
一か八かだ…UC:ヒュドラを発動させ、我の巨体にて全力で締め付け捕食を阻害してやる
あぁ、揺ぎ無く締め付けてやろう…貴様の骨が砕け、肉が爆ぜるまでな
その上で、九つの顎にて喰らい付き、毒や呪詛を牙から注ぎ込んでやる
他にも、誘惑・恐怖・催眠・殺気辺りも添えてやろう
折角の夕食時だ、遠慮せずに味わうが良い
負った傷は、攻撃に付随する吸血と生命力吸収で賄うとするか
我が奴の行動を束縛している間に、他の者による攻撃に期待したい
※アドリブ歓迎
皆城・白露
…恐れなど、するものか。それがお前の得になるのなら、猶更だ
俺はお前と違う、裁くとか大層な事は言えない
ただ、恐れて潰れろ…!
(死体を見た時よりは落ち着いているが、怒りは収まらない
攫われて生存している村人がいることに安堵しつつ、取り戻さねばと気を張っている)
(他の猟兵との絡み・アドリブ歓迎です)
周囲の猟兵と協力する
真の姿を解放、【黒風鎧装】使用
(黒い風に覆われよく見えないが、獣じみた異形のシルエット程度は視認可能)
【2回攻撃】【カウンター】も使用して攻め立てる
敵が村人の捕食にかかるようなら【捨て身の一撃】を使ってでも阻止
「食事とは余裕じゃないか、こっちを見ろ」
リーヴァルディ・カーライル
事前に装備類に刻んだ【常夜の鍵】を活用
村人の近くの樹に短剣を投擲して目の前に転移
誘惑の呪詛を施し精神を鎮静化した上で、
短剣の【常夜の鍵】に触れ逃げるように促す
…落ち着いて。この魔法陣の中に転移すれば、安全。
…視界に入らなければ、恐れも消える。
これ以上、犠牲者を召喚する事は出来ない…。
暗視と第六感を頼りに敵の攻撃の気配や存在感を見切り、
自身や村人への攻撃を、怪力任せに大鎌を盾にし武器で受ける
隙があれば敵に魔力を溜めた銃撃を行い、
弾丸に刻んだ【常夜の鍵】に生命力を吸収する大鎌の刃だけを転移
大鎌をなぎ払い傷口を抉る2回攻撃を行う
私の前で無辜の民を食べようとするなんて…。
そんな事、許せるはずがない…。
アイ・エイド
これは手前ェの最期の戦いだが、
晩餐なんてとらせはしねェぜ!
第六感で村人が召喚される
もしくは捕食しそうだと感じ取れたら
村人が食われる前に
防御行動は最低限もしくはせずに
ただダッシュでルベルレギナと
村人の間に割り込むぜ!
攻撃は食らうだろうが、
ただでやられはしねェよ?
その攻撃によって
相手の狂気を感じ取り【狂い満月】で
WIZのユーベルコードを封印する!
相手が光で目が眩んでたら
捨て身の一撃でタックルかまして
村人と距離をとらせる!
「ちっ、面倒極まりない……」
あからさまに舌打ちをするフォルター。しかし、その矜持において女王を名乗る不逞な輩を許すわけにはいかない。頂きに立つのは一人で良い。そしてそれは、自分でいい。
「跪くのは貴様だ! オブリビオン、この威容を目に焼き付けて逝け!」
フォルターがその気高い時間を削り、十数メートルにもなろうかという大蛇へと変ずる。ルベルレギナへと音もなく素早く滑り寄り、巨体を締め上げた。九つの首が一、二、三と噛みつき、毒と呪詛をたっぷりと注ぎ込む。
「行け!」
「ああ、……いまだ……! 村人を助ける!」
「よっしゃあ、行くぜ!」
「――呪詛の鍵よ、怯える人たちの灯となって」
フォルターへ蹄を打ち付けるルベルレギナの横を、白露、アイ、リーヴァルディが駆け抜けていく。フォルターは爪で肉を引き裂かれ、抉られる痛みに耐えながら、早くしろと三人の猟兵を睨みつけた。なんと面倒臭い役割を引き受けたものよ。
アイはルベルレギナと二人の猟兵の射線上に立ちはだかり、人質のもとへ辿り着くのはリーヴァルディと白露だ。女子供ばかりが揃って怯えている。女王の好む肉も知れようというもの。
「――大丈夫か!?」
「ああ、助けに来て下さったのですか……! 私たちは無事です……でも、他の方は……」
「うわーん! 怖いよう、怖いよう……!」
「大丈夫よ、強い人がいま助けに来てくれたから……!」
「落ち着いて。この魔法陣に触れれば安全な場所へ避難できる。ちょっと今は散らかってるけど、気にしないで」
「早く……しろ! もたぬぞ……!」
「もたねェと思ったら解除しろ! 大丈夫だ、オレがいる!」
ルベルレギナの反抗は予想以上。村人の生命力を削り封印を解いた爪牙で、同じところを何度も抉られて、フォルターは胴がちぎれるかと思うような痛みを覚える。寿命を削られたところで痛みは感じないが、こればかりはどうしようもない。
そこにアイが声をかける。そう、女王は孤独だが女帝は孤独ではなく孤高。猟兵である以上、仲間という存在は切っても切れない切り札である。
もう少しだけ耐えると言いたげに外れた牙をルベルレギナに突き立てるフォルター。
アイは肩を竦め、ルベルレギナを見つめた。
「呆れた女王様だぜ。なら、この隙を利用させてもらうだけだ! ――狂い満月……!」
蒼い瞳がルベルレギナを見据える。狂気を同調させ、己の理性で蓋をする。視界にいるルベルレギナの邪悪な召喚を封印する光が、何処からともなく、煌、と輝いた。その光は当然、その場にいる全員に眩しさを与え。
「ッ、眩しいわ戯け!」
「おォ、悪い悪い! でも、敵さんの厄介な技は封印してやったぜ!」
「ッ眩し……今のうちだ、早く!」
「いい? 決してあの赤い獣を恐れないで。私たちが絶対に倒すから。出来るなら忘れなさい。何もなかった事には出来ないけれど……」
「……判りました。さあ、子どもたち……!」
子どもたちから先に常世の鍵に触れさせるのは、村人なりの信頼だろう。それとも、リーヴァルディが彼らに知らせず施した誘惑のせいか。何にせよ、子どもと女性は次々と、魔法陣に触れては消えていく。
「……なあ。向こうには、死体もあったんじゃないのか」
「そうね。違う地点にいるのを願うばかりだわ」
「……。まあ、いい。村人の避難が出来た!」
複雑な表情をしていた白露だが、ごくりと言いたい事を飲み込んで、ただ事実だけを述べた。
「フン、やっとか……あとは叩くだけだな」
「おっと、アンタが離れないと叩くモンも叩けないぜ?」
「そうであった。……我とした、事が……」
首から下を真っ赤に染め上げた大蛇が、衣服を真っ赤に染めた少女へと移り変わる。ふらついたフォルターをアイが受け止め、よくやったと言いたげに肩を叩いた。
傷付いている。
傷付いているのに、私を癒す生贄が来ない。これは、これはどういう事か!
苛立たしげにルベルレギナが大地を踏み鳴らす。
ふん、と笑うように息を吐いたのは、アイとフォルターが同時。やった、と視線を合わせ頷いたのは、リーヴァルディと白露が同時。
白露が一気に距離を詰める。その姿が黒い風となり――獣じみた異形のシルエットとなって、ルベルレギナを二つの脚で攻め立てた。漆黒と深紅が躍る。リーヴァルディがその隙をついて、銃弾を一発撃ち放つ。
『――!?』
着弾。血しぶきを上げた己の左前足、遅れて届いた鋭い痛みに驚いて、深紅の女王の胴が跳ね上がる。漆黒の獣はその隙を逃しはしない。白露の爪が大きく胴を引き裂き、
「――……開け、常世の門よ」
弾丸に刻まれた魔法陣が唸る。肉を引き裂く音がして、ルベルレギナが大きくバランスを崩した。
その左前脚、半分以上にまで食い込むのはリーヴァルディ愛用の大鎌。駆け寄ったリーヴァルディが更に柄を掴んで薙ぎ払い、傷口をこれでもかと抉る。
――オオオォォォオオオオオッ!!!
女王が吠える。リーヴァルディへと振り上げた右前脚を、白露の漆黒の風が払った。
「もう、やらせない……ッ!」
そう、もうやらせない。もう此処からは返さない。
此処は最早女王の食卓ではなく、猟兵の狩り場となっていた。
大成功
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ザザ・クライスト
ガルディエ(f11085)とシフレット曹長(f04538)と共闘
他の猟兵とも連携
【POW】村人たちを救出する
女王様は曹長たちに任せて隙を伺う
【忍び足】で近付いて【ダッシュ】で一気に接近するぜ
「ビビるなとは言わねェッ! だが、今は大人がガッツを見せる時だろォが!!」
人質の特に大人を一喝する
【勇気】を奮い起こせ。子供たちまで死なせちゃいけねェ
まず子供から、次に女、最後に大人の男の順で逃がす
「ゴチャゴチャウルせェぞ、クソババァッ!!」
村人たちへの攻撃は【かばう】
また【束縛の鎖】を使って捕食を妨害
【盾受け】して耐えながら【挑発】
ダサくて構わねェ、立ち上がって歯を食いしばって立ち向かえ
【勇気】を見せろ
ガルディエ・ワールレイド
『ザザ(f07677)やチガヤ(f04538)と共闘』
人々を恐怖から守るのが騎士の役目なれば!
俺の誇りにかけて此処を通すわけには行かねぇんだよ
◆行動
【存在証明】を防御力重視で使用だ
武装は《怪力》《2回攻撃》を活かすハルバードと長剣の二刀流
「行けザザ! こっちは任せな!」
仲間が一般人を救出する間、敵の足止めに主眼を置くぜ。
《ダッシュ》で敵と一般人の間のルートに割り込んで立ち塞がり《武器受け》を軸に立ち回る
被弾しそうな時は《オーラ防御》
近接攻撃の命中時は《生命力吸収》
通ってヤバそうな攻撃は《かばう》
一般人救出後は攻勢に
【女王の慈悲】には《気合》を入れつつ敵の所業を思い出し、騎士の使命感を意識するぜ
チガヤ・シフレット
ザザ(f07677)とガルディエ(f11085)と連携
ハハハハ! こいつぁ笑える。こりゃまた酷い女王様だ!
言っておこう。私は罪人だぞ。殺しもするしなんでもする。
だが、お前を恐れることはない。
あまりにおかしくて笑うな!
さて、お前に私が殺せるかな?
内臓兵器を起動だ。
フルスロットルで行くとしよう!
連射連射連射!
フルオートで銃をぶっぱなって注意を引き付けて、砲撃かましてどでかいのを一発!
二人が村人の救助に向かうからな、それまでは引き付けようじゃないか!
それでも、こっち向かないならワイヤーガン使って搦めて、こっちに引っ張ってやろうじゃないか。
力比べでもするか?
「ヘル、曹長、行くぜッ!」
「ああ、判ってる! あとはこいつを叩くだけだ!」
「ハッハー! 手間が省けたじゃないか! 叩くだけなら話は早い! なあ女王様、私は罪人だ。殺しもするしなんだってやる。でも、お前を恐れる事はないぞ? むしろあまりにおかしくて笑ってしまうな!」
お前に私が殺せるかな?
猟兵の奮闘にて大事な生贄を失ったルベルレギナ。おのれ。おのれおのれおのれ。怒りが募る。チガヤの挑発に、頭に血が上る。まだだ、まだこの爪がある、牙がある! 恐れを吸って尖り切ったこの刃を貴様に叩き付けてくれよう!
「ははは! やっぱりな、おかしくて笑ってしまった!」
「一応聞くが……何かキメたか?」
「何をいうガルディエ。私はいつもこんなんだ! そうだろ? ザザ」
「あァ。曹長はこういう奴なんだ。まあかくいう俺も、思わず笑いだしそうだぜ」
ルベルレギナがザザに飛び掛かる。女王と称された者がなんという有様だろう! 左前足はぶらりと頼りなく、あちこちに大きな噛み傷を晒して。これを笑わずに、何を笑えというのか。おかしいったらありゃしない。
ザザは真っ正面からルベルレギナの爪牙を受ける。その鋭さはナイフもかくや。腕に食い込む爪の痛みに、けれどザザは歯をむき出すように笑っている。
「おいおい、こんなモンかァ? 倉庫の隅で眠ってるナイフの方がまだ鋭いぜ!」
「ルァアアアアアッ!」
「こっちも見てくれよ、女王様! 女王には騎士がつきものだが……悪いな! 俺はアンタの騎士にゃなれねぇ!」
「ははは! ガルディエは騎士だったのか? 初めて知ったなァ」
「言ったな!」
ルベルレギナの背後に影が落ちる。ハルバードと、長剣の影。一気に振り下ろすのはガルディエの怪力なれば。
更にその横っ腹を、チガヤの銃から放たれた銃弾が叩く。連射。連射。連射連射連射!女王をも殺すキリングジョーク!
フルオートで大体の狙いをつけて放たれた弾は、けれど女王の身体を広く蹂躙し、ふらつかせた。ずぶり、と音を立ててザザの腕から爪が抜ける。
「二人とも離れろ!」
チガヤの肘から先が変形する。二人がそれぞれ自分の後方に下がり、女王の周りが空いたのを確かめるのと同時に、ドン、と重い音がした。
それは砲弾を放つ音。間もなくしてぐらりと女王の身体がもう一度揺れ、爆裂が起こる。
「おー……たーまやー、だな」
「全く、どれだけの弾を内蔵してるんだ?」
「ハハハ、私にも判らん」
「おい、油断するなよ! まだ相手はくたばってねェ!」
両腕の傷をそのままに、ザザだけが真面目だ。
そう、ルベルレギナはまだ生きている。――生きているだけだ。赤い衣は擦り切れて、爪は誰のものか判らない血に濡れて。左前脚は完全に吹き飛び、三本の脚で何とか立っている。ただぎらぎらと輝く瞳が、戦意を失っていないと告げていた。
誰ともなく笑う。それは、ルベルレギナも同じ。
命を懸けた戦場は、どんなダンスホールとも比べ難い。命のぎりぎりを渡る綱の、なんという煌きか。
「はは……」
「ハハハ!」
「はははは、行くぜェ!!」
最初に出たのはザザ。愛銃バラライカを傷付いた手で撃ち放つ。それをあえて受けながら、ルベルレギナはぎろり、とチガヤを見、飛び掛かった。
「なーるほど、遠距離の私を狙ったか。だが……」
「俺を忘れて貰っちゃ困るな!」
立ちはだかったガルディエが、ハルバードでその巨躯を受け止める。があん、と金属が大きく響く音。チガヤはその隙に横合いへ移動し、再びフルオートの弾幕をルベルレギナに浴びせる。
銃弾を数重と浴びて、女王は泰然としていた。寿命を一秒、また一秒と削られながらも、ハルバードに体重をかけてへし折ろうとしている。
「やっちまえ、ヘル!」
「ああ、やっちまうぜ、ザザ! 最期は俺が貰う!」
そうだ、やっちまえ。俺は、俺は、私は、お前なんか恐れちゃいねえ。
ガルディエはもう片手の長剣を振りかざし――片手で支えたハルバード、ルベルレギナに押し負けて仰向けに倒れながら――その首めがけて、刃を振るった。
どすっ――
ごろん。
……。
…………。
「はー、終わったな。ガルディエは女王に押しつぶされて終わりか? ナムナム」
「縁起でもねェ。ほら、起きろヘル」
女王と呼ばれた獣の首が、大地に転がっている。その目は見開かれ、未だに戦意が燃えているようだった。
ザザが両手で首のない巨躯を押しのけると、むくり、と血を頭から浴びたガルディエが立ち上がる。
「………血生臭ェ」
「だっはっはっは! 敵を倒して最初に言うことがそれか!」
「うるせェな、臭ェもんは臭ェんだよ!!」
「まったく、ヒヤっとしたぜ……」
戦の前も後も、真っ最中も、この三人は変わらない。お互いの傷と健闘を称え合い、ひとしきり笑いあって――血を流そう、村に行こう、と結論づいた。
もう獣はいないのだと。罪も罰もなく、恐れる必要はないのだと、村人に告げるために。
大成功
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