【サポート優先】戯雨の夢
#サクラミラージュ
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これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
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「自転車乗る身として言っておくが。自転車も立派な乗り物だからな。事故起こすことだってあるンだぜ」
まァお前らならその辺弁えてるだろうがよ、と明・金時(アカシヤ・f36638)は続けながらも。
彼が語るのは、不慮の事故で召喚主を亡くし、再び影朧へと変貌した|悪魔《ダイモン》の悲劇。
「生前は遊女だったらしいンだがよ。遊郭では遊女を秘密裏に売り飛ばしたりと後ろ暗い仕事もしてたそうだぜ。その辺りの恨みつらみで殺されて影朧になってな、中でもこいつはとある事件を起こしたところを帝都桜學府との激戦の末に倒された」
桜の精の癒やしも受け、転生の輪に乗るところであった。
ただ、生前そうして何度も手を汚した身だ。きっと来世でも人並みの幸せすら得ることは難しいだろうと、半ば諦めていたと言う。
「そんな折に、悪魔召喚士に喚び出された、と。この召喚士が変わり者でな、伴侶を求めてたッてンだ」
――伴侶。
金時が言うところによると、その召喚士は名家の生まれであったが、次男坊であり身体も弱かったことから、家族にもいないもの同然として扱われていたらしい。
縁談もなく、それでも悪魔召喚の才はあったものだから、孤独を癒やす存在を求めていたのだと。
流石に馬鹿かと遊女はその時点では一蹴したそうだが、温和な人柄と愛情深い性質に、やがて絆されたそうだ。悪魔としてではなく、伴侶として望まれるままに彼に尽くすようになった。
二人で始めた商売も軌道に乗り、慎ましやかながらも二人暮らしを始めた。贅沢は出来なかったが、召喚士も悪魔も満たされていた。
次の生までの、ささやかな幸せだった。筈だった。
「節約倹約して、小金が貯まったってンで、湯治も兼ねて温泉旅館にでも泊まるかって。その道すがらによ、召喚士が自転車に轢かれた」
咄嗟に悪魔を庇って、そのまま……だそうだ。
自転車乗りの男は……不注意とは言え、悪気はなかった。混乱しながらも、出頭して罪を償おうともしている。
だが、最後の幸せすら奪われた悪魔には、それだけでは許せなかった。
「言っちまえば、怒りの余り自分を見失ってる。また踏み外しちまう前に、止めてきてくれ」
再び、その手を汚してしまう前に。
●
「馬鹿なひと」
ぽつり、零す。
「あたしは悪魔。こんなことで死ぬなんて……」
自分が轢かれればよかったのだ。
自転車に轢かれた程度で、この身が滅びることはない。
だが、彼女の腕の中で冷たくなった男は、それすらよしとしなかった。
はらり。
はらり、はらりと狐面の奥から涙が落ちる。
男の頬へと、戯雨のように。
止むことのない、それは。
「もう、いい」
ゆらりと。
憎悪の炎へと、転じる。
「お前を殺して、死んでやる」
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
(勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします)
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:集団戦『残響の影朧』
第2章:ボス戦『『殺人者』遊女』
第3章:日常『桜舞う温泉街でのひととき』
第1章では、悪魔の憎悪に共鳴した『残響の影朧』と戦っていただきます。
数が多く、捨て置けば悪魔に近づけませんが、全員相手をしていると自転車乗りの男が殺されてしまいます。
一点突破を目指しましょう。
第2章では、『『殺人者』遊女』を正気に戻しつつ無力化していただきます。
なお、SPDの攻撃はあくまで『そういう錯覚を覚えさせて精神ダメージを与える』ものとなります。
お色気や、いわゆる○ョナを期待すると盛大な肩透かしに終わりますのでご承知おきください。
因みに廓言葉でないのはその必要がなくなったためです。抜くのには時間がかかったとか。
第3章では、遊女と共に召喚士の分まで温泉旅館を満喫していただきます。
遊女は皆様が堪能していれば雰囲気を楽しんで満足します。
女性であれば温泉に誘っても問題ありませんが、例の如くお色気にはなりませんのでご承知おきくださいませ。
サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『残響の影朧』
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POW : 鈴の唄
【この世への愛憎】の主張を込めて歌う事で、レベルm半径内の敵全てに【発狂】の状態異常を与える。
SPD : 死人残響
自身が装備する【銀色の鈴】から【音色による精神攻撃】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【トラウマ】の状態異常を与える。
WIZ : 共鳴する双鈴
【小指に垂らした鈴を鳴らす】動作で、自身と敵1体に【憎悪】の状態異常を与える。自身が[憎悪]で受けた不利益を敵も必ず受ける。
イラスト:黒江モノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「バトルの時間デース!」
雇われメイド、バルタン! 参上デース!
アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイルは物理系!
遠距離ならば、銃火器類の一斉発射が有効デース!
近距離ならば、武器を展開して白兵戦を挑みマース!
敵の数が多いor護衛対象がいるならば、バルタンズの使用もお勧めしマース!
状況に応じて行動して、他の猟兵のサポートに回っても大丈夫デス!
迎撃、防衛、襲撃、撤退戦。どのような戦場でも参戦OKデース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
勝利のために頑張りマース!
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「Oh! 大群デスネー!」
雇われメイドのバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が現場に到着した時、既に残響の影朧らがまるで野次馬のように悪魔と自転車乗りの男を取り囲んでいた。
成程、このままでは近づけない。しかし今求められているのは殲滅ではなく、突破だ。ゆえに、一点を可及的速やかに突き崩すための火力が求められる。
幸いにして残響の影朧らは悪魔や男の様子を窺うように、輪の中心へと注目しているようだ。攻撃への反撃はするだろうが、向こうからの自発的な攻撃はないと見ていいだろう。
「デ、あれバ最強の弾丸で道を開くまでデース! 六式武装展開、雷の番!」
瞬間、バルタンの身体が輝き始めた。それは雷光であり、雷撃。迸り弾けるそれは、最高潮にまで高められたその時、爆発するようにバルタン自身を文字通り射出する!
「自分自身を射出することこそ、最強の弾丸デース! 製造主の博士の受け売りデスガ!!」
はっと気づいた残響の影朧、慌てて愛憎の情感を乗せた歌声でその突撃を阻もうとするも。
常識を遥かに凌駕した速度で風を切るバルタンの耳には、届かない!
「いざ、正面突破デース!!」
雷の弾丸へと変じたバルタンが、影朧の囲いを貫き、打ち破る!
成功
🔵🔵🔴
月杜・屠(サポート)
大人びていて飄々としたタイプのくの一
臨機応変な柔軟さが信条ね
仕方ないわね、といいつつの面倒見のよさ有り
他の猟兵のフォローなども進んで行うわ
無益な殺生は好まず不要な争いは避ける傾向だけど、人の生き死は割り切っていて非情な態度を取ることが多いわ
・身体能力の高さを生かした身軽さや体捌きを重視した戦闘スタイル
・忍者刀や無手での接近戦と遠距離からの忍術やくないでのヒットアンドアウェイ
・スキル多用
・くの一ならではの撹乱やトリッキーな戦術
スキルとUCは使い時には使用をためらないタイプよ
NGなし、基本お任せとアドリブは大歓迎
●
「影朧は転生の輪に乗れる、と言うけど」
現場に群がる影朧らを淡々と見据える碧眼。
月杜・屠(滅殺くノ一・f01931)の眼差しは冷たい。
嫌悪や憎悪を抱いているわけではない。ただ、彼女は割り切っているだけだ。くノ一として。
「緊急事態だし、容赦する必要はないわね?」
手心を加えることなく、任務の遂行を。
無益な殺生は必要ない。だから、突破する一点を定め、そこを塞ぐ敵の殲滅を。
「万の刃の贄となれ――」
念じれば、幻より短刀に忍刀、苦内が無数に現れる。それらはひとつひとつが意思を持つかのように動き、影朧らを的確に攻め始めた。
その動きに合わせて、屠自身も動く。魔を殺し、退ける二刃を振るい、流れるように舞うように敵を討ち、囲いをこじ開けていく。
りん、と鈴の音が響いた。音色は衝撃波にも似て、屠へと襲いかかるが。
(「源を断てばいい」)
一度蜻蛉返りして、距離を取る間にも数多、苦内を投擲すれば、音を放つ鈴を貫き破壊していく。
攻撃の手段を失った者から、刃が飛来しその身を静かに切り裂いた。
成功
🔵🔵🔴
ティエン・ファン(サポート)
シルバーレイン出身の除霊建築士です。
明るく善良な性格で、できることがあるならば、できる限りを全うしようとします。
除霊建築士というジョブに拘りがあるため、その知識や技術が活かせそうな場面では、積極的にそれらを使って問題解決に取り組みます。
戦闘時は主武器のT定規と副武器の浄銭貫を用いて、近距離戦も遠距離戦も行います。
キャバリアが有効な場面では、『蚩尤』を使用します。
『蚩尤』は普段イグニッションカードに収納しています。
ユーベルコードは『蚩尤』搭乗時は”蚩尤”とついたものを、そうでないときはその他のものを状況に応じて使用します。
以上を基本として、シナリオに合わせて思うままに動かして頂ければと思います。
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(「確かにこりゃ大群だね」)
ティエン・ファン(除霊建築学フィールドワーカー・f36098)は現場の様子を少し離れたところから窺っていた。
戦場の把握は彼女にとって、除霊建築士としての癖のようなものである。こうも敵が密集しているのなら、除霊建築士の本領を発揮出来そうだが。
(「纏めて拘束してもいいんだけど、今回はこの全員を相手にしないようにした方がいいんだよね」)
で、あればと。
敵に気取られる前に、ティエンは愛用のT定規を取り出し、構えて精神を集中させる。
宿した力は大山の如き強大な木の力。一度振るえば薙ぎ払えぬものなし、その一撃で突き進む!
「この一撃は嶮山の如く――!」
渾身の力で切り裂くように、或いは殴りつけるように敵群へと飛び込めば、直撃した敵が吹き飛び、その余波で周囲の敵も仰け反り、後退していく。
「まだまだっ!」
襲撃に気づいた影朧らがティエンの集中を乱そうと、朗々と歌い上げるも。
意識の中にその声が混じるよりも速く、再び定規を振るえば歌声ごと吹き飛んでいくのだった。
成功
🔵🔵🔴
赤嶺・愛(サポート)
『世界が平和になりますように』
人間のパラディン×シーフの女の子です。
普段の口調は「平和を愛する(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、怒った時は「憤怒(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は明るく、人と話す事が好きで
平和的な解決を望む優しい性格の女の子ですが
戦う事でしか依頼を成功出来ない時は戦う事も厭わないです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
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(「折角幸せになれたのに、旦那様を亡くしてしまうなんて……」)
赤嶺・愛(愛を広める騎士・f08508)は、自分のことのように胸を痛めた。
遊女は確かに生前罪を犯した。来世も彼女の考える通り、苦難に満ちているかも知れない。
けれども彼女は現世と来世の道すがらに愛を得た。それを失うのが罰だと言うのなら、余りに悲しすぎる。
だが、今ならこれ以上の罪を重ねることを、止めることは出来る。
「だから……ごめんなさい。道を開けて貰うね! おいでませ、騎士達よ!」
愛の喚びかけに応じて現れたのは、二人の霊。それぞれに異なる武器を有する戦士だ。
後から現れた盗賊の霊が、味方の攻撃で崩れかけた一角に、目にも留まらぬ速さでダガーを投擲し続ける。無論、それに気づいた影朧らは反撃を行うが、バスタードソードを携えた騎士がそれらを全て引き受けた。
「頑張って!」
敵の鈴の音で憎悪に囚われた騎士は、怒りに我を失う。だが、その間にも着実に盗賊が道を塞ぐ影朧らを削り続けている。
あと少しだ。あと少しで道は開ける!
成功
🔵🔵🔴
ジゼル・サンドル
だるま自転車にも一度乗ってはみたいが、安全運転しないといけないな。どこの世界でも。
でも…愛する伴侶を守って死ねたなら、夫は幸せだったんじゃないだろうか。…それができなかった|悪魔《ダイモン》を知っているから…
歌姫探偵としてサクラミラージュで起こる悲しい事件は未然に防いでみせるさ。
報われぬ魂への慈愛を込めた鎮魂歌を歌い指定UC発動、そこでわたしの歌を聴いていてもらおうか。影朧達をUC効果で【足止め】し一点突破を狙う。
歌声に【浄化】の力を乗せ憎悪の状態異常に対抗、追いすがってくる影朧は歌声を【音響弾】に変え攻撃。
憎しみで足を止めてはいられないんだ。
…君達の憎しみも晴れる時が来るように祈っておこう。
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(「自転車か。だるま自転車にも一度乗ってはみたいが……」)
達磨を横倒しにしたような、前輪の大きな自転車。大正文化のハイカラさんが乗るイメージのそれには、ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)も興味がある。
(「安全運転しないといけないな。どこの世界でも」)
『車』である以上、事故の危険性は常に付き纏う。
今回の件で、ジゼルはそれを改めて認識することとなった。小さな気の緩みが、誰かの命を奪うこともあるのだと。
(「でも……愛する伴侶を守って死ねたなら、夫は幸せだったんじゃないだろうか」)
それが出来なかった男を――|悪魔《ダイモン》を、ジゼルは知っている。その慟哭の行き着く先を知っていた。
狂ってしまうほどに愛する心は、激しくも美しい。だが、罪を犯す必要まではないのだ。
「歌姫探偵として、サクラミラージュで起こる悲しい事件は未然に防いでみせるさ。さあ、そこでわたしの歌を聴いていてもらおうか」
歌い上げるのは報われぬ魂への慈愛を込めた鎮魂歌。
怒りに、悲しみに、憎しみに寄り添うように、それでいて、その心を震わせるように。
振り向いて足を止める陰朧らだが、中には歌い上げながら歩を進めるジゼルを阻もうとする者もいて。
(「……済まないな」)
歌声は音響弾となり、憎しみで他者を害せんと目論む者を討つ。
響き渡る浄化の声は、ジゼルを呑み込もうとする負の感情を虚空に洗い流していった。
(「憎しみで足を止めてはいられないんだ」)
生前に遊女が、どれほどの罪を犯したのかをジゼルは知らない。
けれど、愛のままに罪を重ねることなど、して欲しくはなかった。
(「……君達の憎しみも晴れる時が来るように祈っておこう」)
残響の影朧――彼女らもまたきっと、その憎しみには辛く悲しい由縁がある。
今はそれを、晴らしてやることは出来ない。それでも、その時が訪れることを、信じることは許される筈だ。
開かれた道を、ジゼルは進んでいく。
罪の連鎖を、終わりにするために。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『殺人者』遊女』
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POW : ゴールデン遊郭
戦場全体に、【あらゆる存在を誘惑する、豪華絢爛な遊郭】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD : 【指定技能:呪詛耐性】水子コンセプション
【広範囲に、遊郭で死亡した遊女達の恨み】を籠めた【指定技能以外では防御不可能の呪詛】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【身体の中に異形の赤子を孕ませ、その体内】のみを攻撃する。
WIZ : 享楽バイオレンス・ボーイズ
【遊郭で豪遊していた、Lv×10人の男性達】の霊を召喚する。これは【【性別:女性】の対象では防御行動】や【回避行動を不可能にする能力を持ち、手足】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:屮方
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アララギ・イチイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」
楽観的でマイペース、夢見がちで元気いっぱいな女の子
好奇心旺盛で無邪気であるが、根本が人でない故に残酷
神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も遵守しようとするが、それはそれとして常に楽しい、面白いで物事を判断しているので、時にはそれを優先して行動することも
バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ
戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、即時回復目的の捕食等、野性味溢れる肉弾戦を好む
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる
水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか
太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ
正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな
それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ
●
猟兵たちは急ぎ、自転車乗りの男の前へと立ちはだかる。
今まさに、男を殺そうとしていた遊女は金切り声を上げた。
「何だい、アンタたちは!! 邪魔をするなら容赦はしないよ……!!」
発狂したようなその叫びは、同時に悲痛でもあった。
遊女は猟兵たちを閉じ込めてしまおうと、現場を一から作り変えてしまった。煌びやかにして絢爛豪華、この世の全てを魅了する遊郭だ。
「わあ! 凄ーい! 綺麗だねー」
警戒するでもなく、その双眸をきらきらと輝かせたのはアウル・トールフォレスト(瑞々しき夏の怪物・f16860)だ。森では見ることのなかった華やかな世界は、彼女の心を踊らせるには充分だった。
……いや、充分すぎた。
「上も何階もあるんだ……どうなってるのかな、見てみたいなー!」
言うや否や。
アウルの身体が、ぐんぐんと遊郭の階層を突き破りながら巨大化していくではないか!
「な……っ!」
上階に身を潜めていた遊女も、これには呆気に取られるばかり。
更にアウルの肩には、ひとり別の猟兵が乗っていた。
太刀に脇差を下げ佩いて、水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)はそこにいた。
「水心子真峰、推参」
「ちッ……!」
遊女は舌打ちひとつして、壊れかけた遊郭を再構築しようとする。だが、真峰が動き出す方が早かった。
ひらり遊女の眼前へと飛び降り、崩れる前に床を踏み抜き蹴って肉薄。その手に携えるは自身の本体、水心子真峰――その、写し。
錬成により複製されたそれは真峰自身を削ることなく、それでもなお鞘を抜き放つことなく一閃!
だが、抜身の刃で斬りつけるが如く、切れ味鋭く遊女の肌を裂く!
「ギャッ」
小さな獣が上げるような悲鳴と共に、遊女は斬りつけられた腕を押さえて転がった。咄嗟に庇った辺りは荒事に慣れているのだろうか。
遊郭が崩れてゆく。煌めきは鳴りを潜めて桜の空が再び広がった。
だが、倒れながらも遊女の尾は剣呑にゆらり揺れた。復讐を諦めてはいないのだろう。
まだ、戦いを続ける必要があるようだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
バルタン・ノーヴェ
全員リクエストによる、各シナリオへの救援プレイングです。
長らく滞っていたり人手が足りてない時など、ご自由にご利用ください。
アレンジ、アドリブ、連携歓迎。自作PBWも採用歓迎です。
ユーベルコードも指定外の、公開中から適当なものを使用してもらって構いません。
HAHAHA!
グリモア猟兵殿の要請に応じて参上デース!
お困りのようデスネー? ドントウォーリー! ワタシが手伝いマスヨー!
アタック、ディフェンス、他の方への支援! おまかせくだサーイ!
白兵戦、射撃戦、集団戦もボス戦もオーライ!
冒険の踏破や日常への奉仕活動も得意であります!
|臨機応変に対処可能《好きに動かしてOK》デース!
よろしくお願いしマース!
●
しかし遊女は再び遊郭へと立てこもり、態勢を整えることを選んだようだ。
現場を遊郭で覆ってしまえば自転車乗りの男も逃げられまいという目論見もあるのだろう。事実、男は遊郭の過剰な魅了効果にあてられて気を失っているようだ。猟兵たちとしては逆に好都合かも知れない。
さて、遊郭の何処かに身を隠してしまった遊女であるが。
「手負いデスし、そう遠くには行けない筈デース。であれば近場に隠れていると推察しマース!」
しかし、この遊郭は幻でありながら実体を伴って創造されている。先程は巨大化する猟兵を押し留められなかったが、壁を破壊して進んだり探したりは容易なことではなさそうだ。
「ならば、より強力な攻撃で粉砕するのみデース!」
そう言って、バルタンが取り出したのは見るからに重量感のあるチェインハンマーだ。
生半可なユーベルコードでは、この遊郭迷宮を破壊することは不可能だろう。だが、そもそも破壊に特化したユーベルコードであれば、試して見る価値はある!
「六式武装展開、鉄の番! 力こそパワー! 粉砕しマース!!」
真っすぐ行って振り回す。力の限り振り下ろす。
それだけ。単純明快にして一切の小細工なし。
だが、だからこそ重く、強烈な一撃となる!
「ぐ……ッ」
事実、チェインハンマーは隠れていた遊女ごと壁を破壊し、攻撃と索敵を同時に成功させた。
遊女が堪らず吹き飛ぶと、同時に遊郭も再び崩れ落ち、消滅したのだった。
成功
🔵🔵🔴
四十物・寧々(サポート)
※サポートプレイング
多少の怪我や失敗は厭わず積極的に行動し、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
その上で現在の状況に対応できる人格で行動します。
シナリオ進行に必要な言動など青丸稼ぎに役立てて下さい。
使用ユーベルコードの指定はありません。
「成功」の結果で書けそうなものを一つステータス画面からお選び下さい。フラグメント次第で不使用も可です。
アイテムもご自由にお使い下さい。
服装系は提案の一例としてアイテムの最後尾から装備としております。
あとはお任せ致します。
宜しくお願い致します。
●
「ッ、畜生、何だってんだい一体……!? アンタらには関係ないだろう、邪魔するんじゃないよ……!!」
「それは出来ません!」
遊女の前に立ちはだかったのは、四十物・寧々(あいもの・ねね・f28377)だった。急を要するが人手が足りない依頼があると聞いて、支援のため駆けつけたのだ。
「若い女か……なら、この苦しみはまだ、経験したことはないだろう!」
「!?」
黒い靄のようなものが周囲に広がり、寧々を覆った。
その瞬間、寧々は胎の中で何かが暴れ回る錯覚を覚える。まるで内側から傷つけられるかのようだった。
「あう……」
堪らず腹を押さえて蹲る寧々。
ふうと溜息を吐く遊女が、寧々へと歩を進めると。
「うう……お腹やむ〜……」
「……や……なんて?」
目をきゅっと瞑った寧々から、遊女にはよく解らない言葉が聞こえた。
呆気に取られていると、にゅっと遊女の後ろからもう一人の寧々が現れる!
「囮ありがとうございます、道産子の私!」
「こんなにやむなんて聞いてないですよ〜」
「は……え?」
そう。
呪詛による精神攻撃を受けていたのは、寧々の人格のひとつが実体化した、いわば分身のような存在だったのだ。
「と言うわけでちょっと不意打ちじみてしまって気が引けますけど、お覚悟! です!」
「うぐ……っ!?」
本体の寧々の手に握られていたポンポンのような何かが、唐突にぐいっと伸びて遊女を薙ぎ払う。
なかなかシュールな光景だったがちゃんと寧々の攻撃は効いているようだ。あと、もう一押しだろう。
成功
🔵🔵🔴
ジゼル・サンドル
迷路の中でも意志を強く持ち、歌声を響かせながら進む。
きっと届くと信じ指定UCに乗せ、歌うように語りかけ。
許せとは言わないさ、愛する人を突然奪われた怒りや悲しみはそう簡単に癒せるものじゃない…仕方なかったと分かっていても許せるものじゃないだろう。
でも、怒りにまかせてさらに罪を重ねたところで残るのは虚しさだけだと思うんだ。
君が愛する彼の人も君がこれ以上手を汚すことを良しとしないだろう。
息を引き取るその時まで傍にいたなら分かるはずだ、彼の人が最後の最後まで想っていたのは君のことだけだって!君の幸いだけを願っていただろう彼の人の為に、君がこれ以上苦しまないためにどうか思いとどまってほしいんだ。
●
「うぐ……うぅ……」
「!」
呻き声が聞こえる。
それをジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)が認めた瞬間、世界は再び煌びやかな遊郭へと変わり果てていた。
華やかな夜の夢の世界で、心を惑わせようと働きかけてくるのは変わらず――しかし、ジゼルは先程の声から、気づいていた。
(「泣いていた」)
きっと、遊女に戦意はもうない。
だが、受け入れられない。傷ついた身体で復讐を果たすことの叶わなくなった、自分自身を。
決意を新たに、ジゼルは歌い始めた。そうして歩き出す。迷子を探すかのようにして。
(「大丈夫。届く筈だ、信じよう」)
今は遊女のためだけに歌おう。
怒りと悲しみと絶望で、動けなくなった彼女のために。
「わたしたちは、君を止めなければならない。けれど……それを許せとは言わないさ、愛する人を突然奪われた怒りや悲しみはそう簡単に癒せるものじゃない……」
惜しみない愛を注いでくれた母を喪失した悲しみも。
焦がれるほどの想いの炎に触れて知った悪魔の絶望も。
「仕方なかったと分かっていても許せるものじゃないだろう」
その心も、その傷も、その人だけのものだ。
全てを計り知ることは出来ないし、軽々しく許せと、前を向けとも言えよう筈もない。
「でも、怒りにまかせてさらに罪を重ねたところで残るのは虚しさだけだと思うんだ」
男を殺しても、主は――夫は帰ってこない。
余りに辛く、悲しい現実だ。それでも。
「君が愛する彼の人も君がこれ以上手を汚すことを良しとしないだろう」
「……放っておいておくれ、どうせあたしはもう……」
声が響く。
遊郭全体に響く声は、何処からのものか解らない。だが、だからこそ!
「いいや、放ってはおけない! 息を引き取るその時まで傍にいたなら分かるはずだ、彼の人が最後の最後まで想っていたのは君のことだけだって!」
愛していたから、守りたかった。
愛していたから、幸せにしたかった。
愛していたから。愛ゆえだ。全て。
「君の幸いだけを願っていただろう彼の人の為に、君がこれ以上苦しまないために、どうか思いとどまってほしいんだ」
「……う……うう……」
崩れてゆく。
夢の世界が、終わる。
そして、ジゼルの目の前に。
「あああああああああ……!!」
蹲り、慟哭する遊女の姿があった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『桜舞う温泉街でのひととき』
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POW : 飲食店や、お土産屋がある通りを散策する。
SPD : 湯畑を見たり、屋形船に乗る。
WIZ : 温泉に入ったり、手湯や足湯を楽しむ。
イラスト:菱伊
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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桜舞い散る中に広がる、古き良き伝統を感じさせる温泉街。
詫び代わりと言っちゃなんだがと遊女に案内されたそこは、彼女と夫が一夜を過ごす筈だった場所。
「折角だから最期に、雰囲気だけでも楽しんでおきたいと思ってねえ。……あのひとの分も」
遊女の微笑む口元は寂しげだったが、その言葉に嘘は感じられなかった。
ならばと、猟兵たちは思い思いに温泉街を堪能することとする。
温泉街の空気を彼女も楽しめるように。
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
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温泉街での楽しみ方は、何も温泉に入るだけじゃない。
通り沿いを散策し、並ぶ店を巡って食べ歩き。それもまた楽しみ方のひとつだ。
「やっぱり温泉まんじゅうは外せないのにゃ♪」
猫のような尻尾を楽しげにゆらゆらとさせて、ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)はお菓子にグルメを食べ歩いていた。
なお、言葉通り幸せそうに温泉まんじゅうを味わっているミーヤであるが、ここに来るまでに既にせんべい、かまぼこ、わたあめ、アイスを制覇している。しかもおかわりまでしている。この細身の何処に消えているのだろうか。世の女性羨望の体質である。
「はっ」
そんな中、ぴこーんとミーヤの耳がセンサーのように勢いよく立った。
甘い香りに誘われて、その源である店先に近づけば、温泉の湯で蒸したプリンを売っているようだ。元々は温泉卵の店であったらしい。
「プリンも温泉卵もくださいなのにゃー!」
勿論ミーヤは両方購入!
プリンはカラメルソースがないタイプのものであったが卵の味が濃厚で、甘みも程よくしつこくなく、まろやかでとろけるような味わいだった。
温泉卵も勿論、とろとろで濃厚だ。
「はぁあ……食べた食べたのにゃー……ちょっと休んで温泉入るにゃー♪」
そりゃあ温泉だって満喫しますよ、温泉街ですもの!
ミーヤはのんびり、温泉宿に向かって歩き出したのだった。
成功
🔵🔵🔴
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
お疲れ様であります!
遊女殿が満足して廻れるよう、サポートさせていただきマース!
遊女殿や他の猟兵の皆様が温泉街を堪能できるよう、出張バルタン・クッキング!
出店を展開して、温泉街の料理(温泉卵とか?)を提供しマショー!
どうぞデース。
(場の雰囲気を壊さないよう、テンション抑え目で裏方的な動きに務めます。遊女の影朧が穏やかに旅立てるように見送る一助になれれば幸いです)
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「お疲れ様であります!」
温泉街の通り沿いにて、猟兵たちに労いの言葉をかけたのは、自身も先程まで支援のため戦線に加わっていたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)だった。
「遊女殿が満足して廻れるよう、サポートさせていただきマース!」
通りの一角に出店を展開して出張バルタン・クッキング!
超常の力と格納型メイド用キッチンを駆使すれば、温泉卵に温泉まんじゅうなどの定番メニューから、おでんに天ぷら、ソフトクリームまで多岐に渡って提供が可能だ。
「遊女殿や他の猟兵の皆様が温泉街を堪能できるよう、最後まで務めさせていただきマース」
あくまで裏方。あくまでサポート。
温泉街の空気を味わって貰いたいから、テンションも控えめ。それでも遊女の旅立ちが少しでも穏やかで安らかなものであるよう、その力になれればバルタンとしては本望だ。
すると猟兵に連れられて、遊女がバルタンの出店にやってくる。猟兵は自分と遊女の分の二本、ソフトクリームを注文した。
「どうぞデース」
受け取ったソフトクリームを、遠慮がちに口にする遊女。
彼女は暫し、沈黙のままソフトクリームを味わっていたが、やがてはらはらと狐面の奥で涙を流した。
「……こんなに甘くて美味しいもの、生前も影朧になってからも……悪魔になってからも、食べたことはなかったよ。あのひとにも食べさせてやりたかったねえ……」
叶わない願いではあるけれど、ひとりの人を愛した者の、ささやかな願いだ。
バルタンは慌てることなく、ハンカチを差し出しつつも見守った。
今は、泣きたい時に泣けばいいのだ。見送るその時に、彼女の胸に立った波が少しでも穏やかな凪となるように。
遊女は、暫くそうしていた。
大成功
🔵🔵🔵
ジゼル・サンドル
君も夫の分まで楽しむといい、きっと喜ぶと思うぞ。
それじゃわたしも楽しませてもらおうか。
土産屋で温泉まんじゅうを買い、足湯に浸かりまんじゅうを食べながらのんびりと。
温泉まんじゅう美味しい…!お土産用にも買って帰ろう。
また誰かと一緒に来るのもいいかもしれないな。
…誰かと、でまた思い浮かんでしまうあのひと。いい加減そろそろ忘れないとと思ってたが、やっぱり無理そうだ…あの遊女を見てたから余計に。
わたしはまだ愛はよくわからない…でも好きって気持ちならわかる。わたしきっとあのひとが好きだ。
もう二度と会えないし、会えたところであのひとは別の人のものだけど。
それでいいんだ、自然に忘れられるまで、もう少しだけ…
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「君も夫の分まで楽しむといい、きっと喜ぶと思うぞ」
そう言って遊女と別れたジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)は、自身も温泉街を堪能すべく。
土産屋で温泉まんじゅうを購入し、飲食可能な足湯に浸かってのんびり時を過ごす。温泉まんじゅうの素朴な甘さと、程よい温かさの足湯の心地よさに癒される。
(「温泉まんじゅう美味しい……! お土産用にも買って帰ろう」)
自分と、親友と、お世話になっている人たちと……そう考え始めると、この時間をひとりで味わうのは……贅沢ではあるが、少し勿体ないような気もしてきて。
(「また誰かと一緒に来るのもいいかもしれないな」)
つい、そんなことを思ってしまった。
誰かと。……誰と? 一番最初に浮かんできたのが、今はまだ忘れ得ぬ『あのひと』の存在だった。
(「いい加減そろそろ忘れないとと思ってたが、やっぱり無理そうだ……」)
愛する者を喪い、怒り、狂い、そして泣いたあの遊女を見てしまった今は、余計に。
(「わたしはまだ愛はよくわからない……でも、好きって気持ちならわかる。わたし、きっと……」)
もう、自覚してしまわざるを得なかった。
(「あのひとが好きだ」)
叶わぬ想いだ。解っている。
二度と会えぬ相手だ。会えたとて、傍らには他の誰かがいる。そんなことは、ジゼルにだって解っている。
それでも、想ってしまうのだ。想ってしまえばひどく苦しい。幸せであれと祈る度に、温かな気持ちと苦い気持ちの板挟みになった。そのまま押し潰されてしまいそうだった。
(「でも、それでいいんだ」)
この痛みは、あのひとを想うがゆえの痛みだ。
この想いが、確かにこの痛む胸の中に宿る証だ。
「どうしたんだい」
別れた筈の遊女が、背後に立っていた。
「……何でもないんだ」
「そうかい」
ぽんと、ジゼルの頭に何かが触れた気がした。冷たいけれど、温かさを感じる女の手だった。
振り返れば、そこに遊女はいなかった。頭に感じた感覚も、もうなくなっていた。
(「逝った、んだろうか」)
生前は碌な恋も出来なかったであろう遊女には、何か思うところがあったのかも知れない。
想うことなら止められないと、肯定してくれた気がして。
ジゼルの鼻の奥が、つんと痛む。それでもどうにか涙は堪えた。
(「自然に忘れられるまで、もう少しだけ……」)
この胸に宿る炎が消えるまでは、どうか。
大成功
🔵🔵🔵