#けものマキナ
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夏。
燦々と照りつける太陽はやる気と気力を削ぎ落とし、異様に煩い蝉の声は聞くだけでやる気が消え失せる。
そう、夏という季節はやる気とかぜんぶ無に帰す季節なのだ。
たまにやる気を出す奴も居るが、まあ、ソレは些細な問題だ。
この、夏は戦争抗争上等祭を開催している血気盛んなけものマキナ世界においても、たまにそんなことしてられないような、所謂『ナツバテ』に悩まされているけもの個体が居た。
「あづい…異常気象も良いところだよね…くっそ暑い。」
「暑いって言うから暑いんじゃあないかな?」
そもそも論、けものマキナ世界においての寒暖差というのは大した問題になることは少ない。大半の住民が毛皮を持つ者や、金属のボディで熱を帯びやすいのにだ。
それは、一重に『戦争用』に作られた人造生物が大多数を占めるからだった。
そりゃあそうである。戦場なんて基本暑いものだ。そんな中、ナツバテや熱中症なんかを起こされては世話がない。
ケモノは身体に搭載されたナノマシンによって、マキナは高性能の自動排熱によって、特段暑さが問題になるような生態にはなっていない。
……筈だった。
この数年、なぜかナツバテやオーバーヒート等の『暑さによる症状』を訴える住民がとある地域で続出したそう。
原因は不明、しかし、バテてしまう住民が増えたことにより、夏の戦にあまり力を出せず、それどころか生活にも支障をきたす住民もちらほらいるとかいないとか…。
これによる死者は出ていないものの、割と由々しき事態のようだ。
グリモアベースにて。
メリッサ・ファルマシー(陸軍特殊連隊アマノ小隊所属、ファルマシー一等兵・f39931)は、集まった猟兵に敬礼をし、話を始めた。
「えっと…本日はお集まり頂き、ありがとうございますぅ…今回の作戦は、とある電波塔の調査、及び破壊ですぅ。」
電波塔といえば、よくアニメとかで乗っ取られがちだが、別に現実世界だと乗っ取った所でなんの意味がない、アレである。
「今回向かっていただく、けものマキナの世界では、全住民がナノマシンを持っていたり、全身が機械だったりするそうなんです。体温調整なんかもそれのお陰でほぼ無縁の世界なのだそうですが…その、今回赴く電波塔から発せられている、害電波によって、体温調整機能がバグを起こしているようなんですねぇ。私にも、よくわかりませんがぁ…」
よくわかんないことを説明するのはいいものか。とは思うが、こういうのは上からの指示をコピペしてるだけだ。現場の人間がよくわかんないのはよくあることである。多分。駄目な気がするが、気にしない気にしない。
「えっと…どうやら、電波塔の屋上にあるアンテナを壊せばこのバグはじどう収束するようですぅ。ですので、皆さんにはアンテナの破壊だけお願い致しますぅ。
………間違えても、電波塔ごと倒さないでくださいねぇ?その電波塔は333mもあるんですから。周りの被害が測りしれません。」
何処かで聞いたことある高さに、何処かで見たことある赤い電波塔の資料写真。まぁ、無関係だから特に問題はない。それに、例のタワーより足場があるから別物だ。
「アンテナは複数存在しますので、手分けして破壊をお願い致しますぅ。
これを作ったニンゲン?…まぁ、オブリビオンが自動迎撃装置を設置しているとの情報がありますぅ。自動機関銃やら、レーザーセンサーやらが、ルート内にはうじゃうじゃありますのでぇ…いい感じに切り抜けて下さいねぇ。
まぁ、取敢えず、作戦の無事を祈ります。現地に転送しますねぇ。私は後方に待機してますので、何が有りましたら、無線で送りますぅ。」
そう言って、転送は始まった。
人参が嫌いな田中になりたい人
こんにちは、人参が嫌いな田中になりたい人と申します。
初けもマキシナリオを執筆させていただきました。ちょっと緊張しています…。
今回のシナリオでは、電波塔のアンテナ破壊で一章、駆けつけたニンゲンとの戦いで一章の計二章構成を予定しております。ですが、この章のみの参加とかでも大丈夫ですので、お気軽にご参加くださいね!
今回のシナリオでは、空中で好きなようにあばれろいっ!って感じで書きましたので、好き勝手暴れて下さいね。
あと、下の表には書いておりませんが、ニンゲンの技術の調査だけのプレイングも可です。
POW :迎撃装置をを壊しながら進む。
SPD :迎撃装置を出し抜く。
WIZ :迎撃装置を弱点を見抜いて無力化する。
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
イラスト:仁吉
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
コニー・バクスター
WIZ
アドリブ歓迎。
「コニー、電波塔へ出撃っ☆
今回もけものマキナ世界をお助けするよ!」
コニーが愛機のBRRに乗って参上。
塔下の狙撃ポイントに隠れる。
「まず迎撃装置共を狙撃するか。
狙い撃て、コニーの黒き兎よ!」
BRRはUCで攻撃回数5倍で手数を増やして移動力を半分。
武器はRSロングレンジライフル(Code:BRR)。
EPレーダーユニット(Code:BRR)で精密さを向上。
EPミラージュユニット(Code:BRR)で敵の迎撃を回避。
「電波塔のアンテナも破壊していくか!
暑さごと吹っ飛べ!」
迎撃装置を片っ端から撃ち落とした後はアンテナも撃つ。
けものマキナ世界が改善されるといいね。
「コニー、電波塔へ出撃っ☆今回もけものマキナ世界をお助けするよ!」
見覚えのある赤い電波塔の根本、少し離れた位置にてそう口上を述べたのは、黒いボディのウサギ型量産型キャバリア、Code:BRRことブラック・ラピッド・ラビットに騎乗した元気溌剌なの少女。
夏の暑さを吹き飛ばしそうなレプリカント少女、コニー・バクスターだった。
彼女が今いるのは3本ある電波塔の足から少し離れた草むらの影。
手入れもされていない野生の荒野の草は、この夏の暑さにより、それはそれは高く育っていたため、姿をひた隠すのにはお誂え向きだ。
眼前にそびえ立つ巨大な赤い電波塔には、いくつか存在する上に登れそうな足場に、さも当たり前に手すりがついているように迎撃装置が設置されていた。
策もなく突撃してしまえばハチノス間違い無しの圧倒的な物量がそこにはあった。
タイプ的にはフルオートの機関銃のようだ。
コニーを発見していないため、まだ活動はしていないものの、発動すればひとたまりもないだろう。
「まず迎撃装置共を狙撃するか。狙い撃て、コニーの黒き兎よ!」
『発動すれば』…つまり、センサーに引っかからないように狙撃してしまえば何ら問題はないのだ。
「【オーバーフレーム換装】!ロングレンジライフル展開!攻撃回数強化!ぶちかますよ!」
Code:BRRから展開された超長距離を狙撃可能なロングレンジライフルは、コニーのユーベルコードである【オーバーフレーム換装】により、攻撃回数は脅威の5倍となった。
更に、Code:BRRからコレまた展開されたEPレーダーユニットにより、精密性が向上。更に更にEPミラージュユニットにより見つかった際の回避力の向上など、様々な強化がなされた。完璧な布陣と言っていいだろう。
「発射っ!」
ドンッ!という銃声と共に、ライフルから放たれた銀色の弾丸は、EPレーダーユニットにより完璧な位置へと狙撃された。
333mという高さももろともしない圧倒的超長距狙撃だ。
そんな非現実な狙撃なんて想定していないのか、見える範囲の迎撃装置共は反撃も許されぬまま機能停止に追い込まれた。
「電波塔のアンテナも破壊していくか!暑さごと吹っ飛べ!」
その宣言通り、一際遠いてっぺんに位置するアンテナすらコニーは、Code:BRRは狙撃してみせた。
圧倒的超長距のロングレンジライフルは、333m先のアンテナの、丁度固定具を的確に狙撃したり
ガシャンっ!と丸いアンテナは音を立て、開花時期を過ぎた朝顔の花のようにアンテナは落ちていった。
これで、また少しけものマキナの世界は平和に近づいただろう。
ナツバテに苦しむけものも、オーバーヒートするマキナも減っただろう。
しかし、まだ足りない。
|人間《夏の暑さ》との戦いは、まだまだ始まったばかりなのだから。
大成功
🔵🔵🔵
グウェン・ラクネリア
「大地に広がる毒電波、許せんッ! 悪のからくりを粉砕する女、スパイダーガール!」(てっててーれてれ! てれってれー!)
わたいも暑いから水着なの。
アラクネ族はモンスター種の中も垂直方向の移動が一番得意な種族。高い建物ってのは得意分野! ウェブ・シューターで糸を高い所に張り付けて立体機動で登るの。壁に張り付く事も出来るし、物音一つ立てずに進めるの。
「人間の妨害装置なんて朝飯前なの」
糸でぐるぐるにしてぽいなの。アンテナもぐるぐるにしてぽいなの。
「糸に巻かれて死ぬのよさ!」
破壊力はあんまりないけど、まともに戦わせない事にかけてはアラクネは強いのよさ!
「大地に広がる毒電波、許せんッ! 悪のからくりを粉砕する女、スパイダーガール!」
てっててーれてれ! てれってれー! という何処かで聞いたような音楽が聞こえる気がするが、まあ気の所為だ。きっと。
キレキレの謎の動きで電波塔へと華麗に参上したのは、安らぎとかすべてを捨てて戦い続ける地獄からの使者、スパイダーガールこと、グウェン・ラクネリアだ。
電波塔から発せされる毒電波は原住民の一人であるグウェンにまでその魔の手を伸ばしており、熱中症やナツバテ程ではないが、暑さを感じているようだ。
下半身は蜘蛛なのでともかく、上着は水着を着こなしていた。見る人が見れば鼻血ものだろう。
グウェンの眼前にそびえ立っている何処かで見たことあるような赤い電波塔の高さは333m。人間が登るにはエレベーターや階段がないと登れないほどの高さである。
そのエレベーターも階段も罠だらけなのだから、人型の人は何かしらの対策を講じて進むほかない。
まあ、最も。それは人型の猟兵に限った話なのだが。
スパイダーガールことアラクネ族のグウェンにとっての垂直の壁は取るに足らない道端の坂道に等しいのだ。もちろん、階段もエレベーターも必要ない。それどころか物音一つ立てずに外壁を進むことが可能だ。
外側に存在する対侵入者兵器は少なく、対空のものが多い。陸路を塞いだら空路を塞ぐのは鉄則であり、何も間違えちゃあいないのだけれども、陸路には壁を登るというとんでもないおおきな穴があったようだ。とんでもない欠陥建造物である。
グウェンはそんな血管建造物をいともたやすくすいすいと登る。欠陥建造物は電波塔の為、鉄の棒が幾重にも重なったようなジャングルジムを彷彿とさせる形状をしているのだが、グウェンはその手首に装備したウェブ・シューターから射出する糸により、立体的な移動でそんな登りにくそうな鉄塔を攻略しつつあったのだった。その動きは巨人も敵わないだろう。
しかし、順調そうに登るグウェンに忍び寄る魔の手。そう、対空装備である。
いくら対空用で上の方にあって、尚且つグウェンがいくら音を立てずに移動していたとしても、生体認証システム導入の自動操作してくる系機関銃なのだ。登ってくる相手を撃ち落とすには余裕すぎる戦力になり得た。
グウェンを発見した機関銃はグウェンに狙いを定め、はじめの銃弾を押し出そうとしたその直後。
機関銃は気がつけば綺麗な放射線を描いて300m先の地面へと自由落下をしていた。
「ネスト・オーバーロード!人間の妨害装置なんて朝飯前なの」
グウェンを撃ち抜こうとしたその銃はその引き金が引かれることなく、蜘蛛の糸を使用したトラップにより銃口は封じられ、無力化されたのだ。グウェンは全方位に射出できるような糸を纏い、次々に同様の銃を拘束し、無力化した。
そして、無力化された銃は用無しということで、グウェンが糸でぐるぐるぽいっ!と簀巻きにして放り投げてしまったのだ。今頃落ちた銃海の藻屑ならぬ陸の残骸に成り果てている頃だろう。
そうこうしているうちに見えてきた円盤のようなもの。つまりは電波塔の名前の由来、アンテナが見えてくる。
ここまで簡単にこのアンテナまで辿り着いたのは、他でもないアラクネの力によるものだった。アラクネ族の特徴、攻撃力は得意ではないが搦手が得意である。という部分にひどくマッチした現場と言えるだろう。さすがまともに戦わせない物事には定評があるアラクネさんだ。
「糸に巻かれて死ぬのよさ!」
宣言通りアンテナは自由落下をきめこみ、333mから地上の方へ消えていった。
しかし、これはまだまだ序章。|暑さ《人間という恐怖》は忘れた頃にやってくる。
大成功
🔵🔵🔵
天王寺・駿
暑さねー…あたし、元々住んでたところも暑い所だったみたいなんだけど。
寒いのはちょっとばかし堪えるんだけどね。
でも、強制は良くないと思うのよね。
あたしはそういう事にはならないんだけど、される者の身にもなって見るべきかと思うのよね。
エレメンタルファンタジア…はやめておくのね。
なら、階段はゆっくり行くけど、たどり着いたら無機物を使いクライシスゾーンでアンテナぶっ壊すのね。
ジリジリとした暑さが目と皮膚を突き刺す夏の野原。中心に聳え立つ電波塔を眺めるシマウマが|1人《いっとう》。
天王寺・駿はナツバテを引き起こすという悪逆非道的な毒電波を流す電波塔を前にして、攻略法を考えていた。
「暑さねー…あたし、元々住んでたところも暑い所だったみたいなんだけど。寒いのはちょっとばかし堪えるんだけどね」
けものマキナ住民に作用するタイプの毒電波のため、アポカリプスヘル出身の賢い動物である綾に特段悪影響を与えることはないものの、それを指し抜いてもこの世界は暑すぎる。しかし、実験体とはいえサバンナで暮らすシマウマにはそれは障害になりえない。はずだ。育った環境が違ったとてその体に流れるサバンナ暮らしの血によってどこまで影響を感じるのかわからないが。
「強制は良くないわよね。される身にもなってほしいのよね」
そう言いながら、聳え立つ電波塔へと少しずつ歩みを進める。
電波塔への侵入経路は主に2つ、エレベーターか、階段下だ。綾が選択したのは階段だ。シマウマの体はエレベーターを乗るのには些か不向きだったためでもあるが、一番の理由はそれではなかった。
(エレメンタルファンタジアは流石にやめておくのね……)
彼女が持つユーベルコード。エレメンタルファンタジア。それを使えば地上から電波塔を破壊することも可能だ。しかし、あまり制御が効かず、アンテナごと壊してしまいかねないため、この場合によっては不向きとなる。階段でゆっくりとあがり、別のユーベルコードでアンテナを壊そうというのだ。
333mもあるこの高さのある電波を歩きで登るのは大変な道のりだった。
人間とは味が2倍もあるとはいえ、高さが高さのためその疲れは足へと溜まっていく。ずしりとした疲労感に綾はさいなまれることだろう。
しかし、それだけで終わるほど簡単な依頼は存在しない。
階段の入口には少ないが、上に行けば行くほど自動照準の機関銃や、オールドな落とし穴など様々な罠がせっちされているのだ。
階段を登る綾の目の前にも、うぃーんという機械が動く独特の音共に、現れたのは機関銃だ。
目標である綾を品定めするように動いた後、その体に詰められた弾丸を発射しようとチャージを始める。寸で弾丸が綾を捉えようとしたその時だった。
「『クライシスゾーン』まったく、罠が多いのね」
無機物を超次元の竜巻に変換する彼女のユーベルコード。クライシスゾーン。
それにより銃はあっという間に支配下の竜巻へと巻き込まれ、大破してしまったのである。また綾の道を邪魔する物は消えてなくなった。猟兵というのは随分強かだ。
無機物というのは鉄などの金属を含むため、この鉄だらけの鉄塔にはもってこいのユーベルコードと言えただろう。
階段を登り、罠を撃破し、というのが随分と板についてきた頃、ようやくアンテナのメンテナンス用だろうか。ちょうどいい足場についた。
大きな白いアンテナは、そこだけを切り取れば全く悪いものでもないように思えるが、その実何よりも大変な毒電波を撒き散らす存在である。
「『クライシスゾーン』ぶっ壊してやるのね」
従えた竜巻によって、これまでの銃たちがそうであったように、呆気なくそのアンテナは短い|生涯《使用期間》を終わらせたのだった。
「これでちょっとは良くなると良いんだけどね」
まだまだ日差しは陰りを見せないのだった。
大成功
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