●
グリモアベースの景色が、ケルベロスディバイドのそれへと移ろい変わる。
アルドラ・カリオストロは、グリモアベースに集結した|猟兵《イェーガー》たちを見回した。
「ケルベロスディバイドの日本という島国には、果たして幾つくらいの無人島が存在しているのか、ご存知の方はいらっしゃるかしら?」
金髪の少女からの突然の質問に対して、猟兵たちの多くは|怪訝《けげん》な顔をする。
猟兵たちの中には、正確な数は不明だが、一万を超える数の無人島が存在している解答する者もいた。
「正解よ。日本には四百を超える数の有人島があり、そして、一万を超える数の無人島が存在しているわ。規模の大小はあれど、これは世界的に見ても、上位から十番以内に位置づけられるほどの数なのよ」
そのように語り聞かせるアルドラの掌中では、グリモアが赤い輝きを放っている。
「それほどまでに多くの数の無人島が――滅多なことでは、人の目には触れない場所が存在しているのだもの。なかには、そのうちのひとつを、自分たちの|企《くわだ》てのために、勝手に利用している|輩《やから》もいるのではないかしらね」
吸血鬼の少女の言葉で、猟兵たちの間に緊張が漲った。
「デウスエクスが、瀬戸内海の洋上に存在する無人島のひとつを、要塞へと改造しているらしいわ。さらには、要塞内の|船渠《ドック》では、ダモクレスの巨大戦艦が建造されているようなの」
アルドラが予知した巨大戦艦の艦名はレヴィアタン。それは旧約聖書に記された海原の怪物の名前である。
「貴方たちには、デウスエクスの要塞を攻略して、その内部の船渠にて建造中のレヴィアタンを破壊して貰いたいのよ」
それは、決して容易に成しえることではないだろう。
デウスエクスが、無人島を改造した要塞の内部にも、侵入者を葬る鉄壁の防護が敷かれている。
「猟兵の進行を阻む幾重もの|防火壁《ファイアウォール》。振動や赤外線をはじめとした各種の高感度|感知装置《センサー》。多数配備された竜牙砲兵による波状攻撃。これらを突破したうえで、要塞の最奥部に存在する船渠へと強襲をかける必要があるわ」
猟兵たちから、レヴィアタンが建造されている船渠に直接、転移することは可能なのかと質問が飛んだ。
「それが可能であれば、話は早いのですけれども。|生憎《あいにく》と私が予知で見た景色は――門を開いて、貴方たちを送り届けることが出来るのは、要塞の入口付近だけです。要塞内の船渠の位置も判然としていません。ですから、貴方たちには、要塞の防護を突破すると同時に、レヴィアタンが建造されている船渠の位置も特定してもらうことになりますね。これは探索や解析が得意な方の出番になるでしょう。勿論、要塞の内部を隅から隅まで総当たりで浚っていくという手段でも、最終的な結果は変わらないでしょうけれども」
アルドラは、各員の得意とする方法で、任務を遂行してくれれば良いと言う。
その掌中にあるグリモアが赤い輝きを放つと、猟兵たちを新たなる戦場へと導く、界渡りの門が開かれた。
「そろそろ刻限のようですね。猟兵――いいえ。ここは行く先である世界の呼称に倣ってケルベロスと呼びましょうか。それでは、盛大な宴を始めましょう。ケルベロスたち。不死なる神々の喉元に我等が牙を突きたてるのです」
黒猫白猫
黒猫白猫です。よろしくお願い致します。
第6作『巨大戦艦破壊指令』をお届けします。
この物語が僅かでも皆様の楽しみになれば幸いです。
それでは何卒、宜しくお願い致します。
第1章 冒険
『デウスエクスの要塞』
|
POW : 要塞の設備を破壊する
SPD : 罠を発見し、解除する
WIZ : 隠されたアイテムや情報を探す
イラスト:純志
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
岩社・サラ
アドリブ共闘歓迎
要塞の突破、そして建造中の大型戦艦の破壊ですね。了解しました。
まずは情報収集から始めましょう。
感知装置が作動しているということなので、それらセンサーの無力化を兼ねてフルフェイスマスクを用いた「ハッキング」を仕掛けて要塞内部の情報を集めていきましょう。
ハッキングにより大まかな地図情報などを入手したら後はそれを参照し最短のコースで要塞を踏破していきますね。
行く手を阻む防火扉はUCにより召喚した特殊兵装の装甲穿孔機を用いて無力化していくことにします。
強固な防壁であろうと破壊する大型ドリルであれば要塞内の障害を排除していくことも容易でしょう。
●
|岩社《いわしろ》サラは、グリモア猟兵の開いた界渡りの門を潜り抜ける。
サラは、デウスエクスの手により要塞へと改造された無人島に降り立つと、その身体を偽装外套に包み込んで、周囲の風景の一部へと溶け込んだ。
「無人島の地表部分には視認できるような変化はありませんね。そうすると、やはり地下でしょうか?」
サラは、大地を操る魔術を得手とする猟兵である。
その感覚器官が、無人島の地下に建造された巨大構造物の存在を知覚した。
「やはりですか。地表部分の偽装工作には力を入れているようですが、その分、地下への偽装工作が疎かになっていますね」
サラは、無人島の地表部分に張り巡らされた各種高感度|感知装置《センサー》による警戒網を危うげなく潜り抜けると、要塞内部への|潜入口《ゲート》へと辿り着く。
「ダモクレスの巨大戦艦を建造しているというだけあって、|防御装置《セキュリティー》の大半が科学技術によるものですね。|外部装置《ハードウェア》に頼りきっているところに、つけいる隙が生じるので、私としては助かりますけれども」
サラは、要塞内部への潜入口の開閉を操作している端末を発見すると、プログラムの解析、改変を補助する機能を備えたフルフェイスのヘルメットを被った。
フルフェイスのヘルメットのカバー・スクリーンに、デウスエクスが建造した秘密要塞の、防御装置の情報が目まぐるしく表示される。
サラの青い瞳の中で、幾つものプログラミング・コードが明滅したかと思えば、それらは一瞬にして改竄されて、要塞の防御機能の大半が無力化された。
「――これで良いでしょう。ついでに|船渠《ドック》の位置も把握できましたね。もっとも、そこだけは流石に、外部から切り離された|単独《スタンドアローン》のシステムになっているようですけれども。正面から突破するのは難しそうですが、他に手段がないのでしたら、仕方がありませんね。これより――最短距離で、目的地に強襲を仕掛けます」
サラは、自らの魔力を籠めた特殊武装を召喚する。
それは、頑健な装甲として身に纏う事が可能な|穿孔機《ドリル》――アーマードリリングマシンだった。
堅い岩盤さえも掘削する巨大な穿孔機が、重厚な駆動音を響かせて猛烈に回転を始める。
サラは、ケルベロスたちの進行を想定して設置された幾重もの|防火壁《ファイアウォール》の|悉《ことごと》くを貫通して、文字通りの最短距離で突き進むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
皇・絶華
…ふむ…調査とは螺旋忍者に相応しき任務だな
ポジション
ジャマー
「え…主様…調査とかそういうの出来たんですか!?」(驚愕する|黒髪美少女《キャバリア》
何を言う
私は螺旋忍者…忍者としてこういった調査は我が管轄だとも
UC発動…チョコドリンクを自らごくごく
ちゃんと|さっちゃん《サートゥルヌス》にも与え
「いや俺はだいじょう…ごげがぁぁぁぁ!!??」
成程…先ずは見つけなければいけないな
【念動力】
念動フィールドを広範囲に展開
違和感のある場所を探る
罠は可能な限り回避するが最悪UC効果で防ぎきる
「んぎゃー!?」(割と被弾しまくる黒髪少女!UC効果で頑張る
可能な限り罠は後続のケルベロスを支援するために粉砕する
●
|皇《こう》|絶華《ぜっか》は、黒髪の少女と連れだって、瀬戸内海の洋上に浮かぶ無人島へと降りたつ。
「ふむ……調査とは螺旋忍者に相応しき任務だな」
「え? 主様、調査とか出来たんですかっ!?」
瀬戸の海の潮風に吹かれながら不敵な笑みを浮かべる絶華の台詞に、黒髪の少女――|連環神機《キャバリア》のサートゥルヌスが驚愕した。
「何を言う。私は螺旋忍者……忍者として、この手の調査は、もちろん管轄だとも。それでは。本格的に任務に就く前に、一発、|力《りき》を入れるとするか」
絶華は、懐から液体の入った小瓶をとりだすと、蓋を開く。
小瓶から立ち昇る、苦みと香ばしさの入り混じった臭気に、サートゥルヌスは、思わず鼻を掌で覆い隠した。
「見ろ。この任務のために決戦都市に要請した超々希少漢方薬から抽出した特濃エキスを贅沢に使用した、特製のチョコドリンクだ。こいつは一発で――トべるぞ」
「主様。チョコドリンクはトぶために飲むもんじゃ……って、あぁっ! そんな一気に!?」
絶華は、ごくり、ごくりと、喉を鳴らしながら、特製のチョコドリンクを飲み干す。
その効能は劇的だった。
絶華の全身から、猛々しい闘気が湯気のごとくに噴きあがり、秘められた力を覚醒させる。
「――フゥゥゥッ……! ……来たぞ! この圧倒的パワー! さっちゃんも飲むのだ。新しい扉が開かれるぞ!」
「いや主様、俺は別に開きたくないって言うか大丈夫って言うか勘弁してくださ……ぎやぁぁぁぁぁぁぁっ……!?」
可憐な少女が発したとも思えぬような、聞くに堪えない苦悶の声が、サートゥルヌスの口から発せられた。
とはいえ、やはり絶華の特性チョコドリンクの効能は確かであり、サートゥルヌスの性能が大幅に向上したのは事実である。
「それでは任務を開始するぞ。さっちゃん。私たちの活躍が、後に続くケルベロスたちを一人でも多く助けるのだと考えろ。必ずや目標が建造されている|船渠《ドック》の位置を見つけだす!」
闘志に満ち満ちた絶華の跳躍に、サートゥルヌスも続いた。
絶華は、特性チョコドリンクの効能により強化された念動力を広範囲に展開することで、デウスエクスの要塞の内部情報を|走査《スキャン》する。
獲得した情報をもとに、絶華とサートゥルヌスは、堅固な|防御装置《セキュリティー》に護られた要塞の通路を駆け抜けた。
放たれた螺旋手裏剣が|自動銃座《セントリーガン》を破壊し、闘気を纏う斬霊刀がダモクレスの警備兵を両断する。
そして、サートゥルヌスは――。
「痛っ! 痛っ! ちょっと待って! 流石に|電磁砲《レールガン》は洒落にならないって! |焼夷弾《サパーム》も熱いっ! 毒ガスは煙いっ! 主様! 助けて、たーすけーてー!」
情けない悲鳴を上げつつも、身体を張って、要塞の防御装置の無力化に励んでいた。
大成功
🔵🔵🔵
ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○
▼心情
無人島か。確かにこの国にはまだまだ人目につかない僻地というものは多いのだろう。海にも山にも。生憎私が慣れているのは山の方だが。
▼ポジション
キャスター
▼潜入
要塞に潜入したらUCにより領域を広げる
事前に用意してもらったキャスターの魔法陣で術式効果をさらに強化
周囲を[結界術]で多い、その中を[心眼]で見通してルートを定めていく
突破が難しい罠は避けつつ、竜牙砲兵はそのまま領域内の刀剣[乱れ撃ち]で斬って進む形での最短ルートを心がけよう
目的は巨大戦艦の破壊。雑魚相手に足踏みするつもりはない
●
ハル・エーヴィヒカイトの長い黒髪が、瀬戸内海の潮風に吹かれて乱れる。
「無人島――洋上の僻地か。確かに、この国には人の目の届かぬ場所が数多く残されているようだ。|生憎《あいにく》、私が慣れているのは海よりも山の方だが」
ハルは潮風を裂く一条の影と化して要塞の内部へと危うげなく潜入した。
これはハルに先んじて潜入した他の|猟兵《イェーガー》たちの活躍もあるが、“閃花の剣聖”と謳われる、彼自身の卓越した技量と身体能力がもたらした結果である。
ハルの眼前には、果てが見通せぬほどに長い機械の回廊が伸びている。
「もっとも、この有様ではな。海とも呼べないか。無人島の地下は、ただ無骨なだけの鉄の城塞か」
ハルは精神を集中すると、決戦都市に要請しておいた術式増幅の魔法陣を周囲に展開した。
幽玄の輝きを放つ魔術文字が|十重《とえ》に|二十重《はたえ》に折り重なって、現実の光景を、ハルの心象風景によって塗り潰していく。
それは無数の魔剣が忠実なる臣下の如くにハルに付き従う剣聖の世界の具現化である。
自らを明鏡止水の境地に至らしめて、心眼をもって全てを暴きたてるハルの瞳には、目指すべき場所へと続く道のりは指し示す導きの光が確かに見えた。
「|征《ゆ》くぞ――悪いが、雑兵を相手に足踏みをする心算はない」
ハルは、宣言と同時に、デウスエクスの秘密要塞の内部を疾駆する閃光と化す。
堅牢な|防火壁《ファイアウォール》が、その行く手を阻もうとすれば――。
「――|紅蓮《グレン》」
終末の紅き鋼の炎獄剣が、その耐火性能を遥かに上回る灼熱によって防火壁を蒸発させた。
無数の高感度|感知装置《センサー》に連動した|自動銃座《セントリーガン》が、その身を撃ち抜かんとすれば――。
「――|雪華《セッカ》」
絶氷の碧き鋼の氷輪剣が、音速を超える無数の銃弾のことごとくを凍てつかせて静止させる。
かくしてハルは、デウスエクスの要塞を守護する|防御装置《セキュリティー》を実力で捻じ伏せながら、|船渠《ドック》へと至るための最短距離を駆け抜けた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『竜牙砲兵』
|
POW : 竜牙固定砲台
自身の【骨の肉体】を【魔導書中心に組み替えて固定砲台】に変形する。変形中は攻撃力・射程が3倍、移動力は0になる。
SPD : 竜牙速射砲
【魔導書】から無限に供給される【球状の魔力弾ブレス】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
WIZ : 模倣ドラゴンブレス
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【魔炎】属性の【ドラゴンブレスを模倣した禁術】を、レベル×5mの直線上に放つ。
イラスト:塚原脱兎
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○
▼心情
斬って、進む……!
▼ポジション
クラッシャー
▼戦闘
もし現地で合流できた相手がいれば即席で連携しよう
相手も私よりはるかに経験で勝るだろうケルベロスや猟兵だ、どうとでも合わせられるだろう
さて、戦いはいつもの通り殺界を起点とした[結界術]により戦場に自身の領域を作り出し内包された無数の刀剣を[念動力]で操り[乱れ撃ち]斬り刻む戦闘スタイルだ
敵からの攻撃は[気配感知]と[心眼]により[見切り]、直線的なブレスを左右に避けながら、UCによってさらに強化された刀剣による[範囲攻撃]と持続ダメージ、さらにクラッシャーのデリバリーによる追撃で速攻突破を試みよう
「――|侵入者《ケルベロス》ヲ|討《ウ》テ! 掃討セヨ! 先ニ進マセルナ!」
「――D‐12号通路ヲ封鎖セヨ! 竜牙砲兵隊ニ通達! 1番カラ7番マデ侵入者ノ迎撃ニ向カエ!」
一条の黒い影と化してデウスエクスの秘密要塞の内部を疾駆するハル・エーヴィヒカイトの行く手を阻むように、竜の牙から創造された砲兵どもが|隊伍《たいご》を組む。
巨大な頭部を有する砲兵どもは見るからに|鈍重《どんじゅう》であり|機敏《きびん》な動作など望むべくもないように思えた。
しかし、その|竜頭《りゅうず》の中心部に設置された魔導書が紡ぎだす魔炎の呪法の威力には侮れぬものがあると感じとれた。
(直線の長い回廊の先に砲撃戦特化型の竜牙兵団を並べての一斉掃射か――なるほど。これは確かに逃げ場がない)
回廊を疾駆するハルに対して照準を定める砲兵どもとの間に横たわる距離は目測であっても50メートルを下回ることはないだろう。
剣聖とまで謳われるほどに卓越した剣腕の持ち主であろうとも、相対する者が刀剣の間合いの|裡《うち》に存在しないのであれば、それを斬ることは適わない。
砲兵どもは、自分たちこそが開戦と同時に間合いを支配したという事実を疑わずに|悠悠《ゆうゆう》と魔炎の威力を増大させる詠唱を続けた。
「――愚かな。我が|刃圏《じんけん》の裡にありながら、なおも悠長に詠唱を続けるとはな。教えてやろう。私が知覚する天地の総てが、億の剣に支配された破邪の領域であるのだと」
ハルの殺界を起点として周囲の空間を侵食する魔剣の世界が、デウスエクスの要塞内部の景色を塗り替えていく。
それは大気の粒子の一粒でさえもが微細なる白刃と化して、吹雪の如くに吹き荒れる億刃斬撃領域の具現化である。
剣聖を相手にしてながら愚かにも間合いを支配したと思い込んでいた砲兵どもが慌てて、詠唱途中の魔炎の呪法を解き放つ。
しかし連携を欠いた上に、|碌《ろく》に狙いも定まっていないような直線的な攻撃など、明鏡止水の境地にあるハルの心眼をもってすれば見切ることも容易い。
長い黒髪の一筋さえ焼くことは出来ずに、右に左にと僅かな足さばきだけで回避される。
「|境界《キョウカイ》・|白蓮雪華《ビャクレンセッカ》――光塵と散れ」
微細なる刃の|驟雨《しゅうう》が、万華鏡のごとくに光を乱反射させながら、眩く白く輝く連続斬撃をもって砲兵どもを薙ぎ払う。
かくしてハルの行く手を阻む竜牙兵どもの戦列は崩壊した。
大成功
🔵🔵🔵
岩社・サラ
アドリブ共闘歓迎
多数配置された砲兵による防御陣地ですか…迎え撃つという意味では高い正面火力を持つ砲兵陣地は脅威かもしれません。
隠れて突破するのが困難であるなら殲滅しつつ進むほかはないですね。
敵の魔力砲撃に対抗するためにも、ジャマーの決戦配備により煙幕を展開可能なドローンの配備を要請します。
接敵と同時にドローンに煙幕を散布をさせ敵の視界を潰しつつ、UCで要塞の床に潜りましょう。
煙幕が撒かれたら敵は砲身が煙幕に向くように固定砲台化すると予想できるので、地面を潜りつつ敵の背後まで移動することができれば敵の砲撃を無力化することも可能なはずです。後は斧を用いた鎧砕きの一撃で敵を排除すればよいでしょう。
装甲として身に纏える|穿孔機《ドリル》を駆使して地下を掘り進んでいた|岩社《いわしろ》サラは、大地を通して伝わってくる敵の気配を感じ取ると、穿孔機の使用を停止した。
(掘り進む事が出来るのは|流石《さすが》にここまでのようですね。これ以上は敵の振動|感知装置《センサー》に引っ掛かるでしょうし……目的地の近くで布陣する敵兵の放置は|後《のち》に挟撃される危険性がありますからね)
サラはデウスエクスの要塞内部に張り巡らされた感知装置の死角へと身体を滑りこませると、通路の先で|隊伍《たいご》を組む竜牙兵どもの様子を慎重に観察した。
(あれは……確か|DIVIDE《ディバイド》の|戦歴資料《データベース》に記載がありましたね。砲撃戦特化型の竜牙兵。デウスエクスとしてのコードネームは|無《ブランク》……上位のデウスエクスに使役されるだけの兵士ではありますが……この狭い要塞内部において、その火力を拠点防御を目的として運用されるのは厄介ですね……)
地下要塞の通路は当然のことながら侵入者を想定して、その移動|経路《ルート》を制限するような造りとなっている。
サラのように穿孔機などを駆使して道なき道を強引に切り拓く術を持ち合わせる者は他の|猟兵《イェーガー》の中にも存在はするだろうが、それでも全員という訳ではないだろう。
(私だけなら経路を迂回することで戦闘の回避も可能でしょうけれども……戦術的には、この一団は、ここで排除しておくべきでしょうね。幸い決戦配備として支給された『これ』がありますからね……)
サラはデウスエクスの知覚能力さえ一時的に妨害することが可能であるという触れ込みの特殊煙幕を噴霧する機能が備わった高性能ドローンを操作した。
サラの元から飛び立ったドローンから勢い良く噴霧された特殊煙幕が、竜牙兵が布陣する通路全体を包み隠していく。
「――敵襲! 視界喪失! 不用意ニ攻撃スルナ! 同士討チヲ避ケヨ!」
突如として特殊煙幕に包まれて視認能力を奪われた竜牙兵どもが狼狽の声を上げる中、その|裡《うち》の一体だけが声を張り上げて部隊の混乱を鎮めようと奮戦した。
「――なるほど。つまり貴方が、この部隊の指揮官ですね」
「――ッ!?」
|土魔法《アースマジック》――|土潜り《グラウンドダイバー》。
得意とする魔法を駆使して大地に潜り、竜牙兵どもを指揮する個体の背後に出現したサラの手には近接戦闘用のコンバットアックスが握られていた。
砲撃戦に特化した竜牙兵の部隊は、優秀な指揮官のもとで、その長所を活かす運用をされるのであれば十分な威力を発揮する。
ならば、その照準能力を奪った上で近接先頭に持ち込み、部隊運用の要となる指揮官を早急に排除すれば良い。
サラの狙いは|正鵠《せいこく》を射ていた。
大上段から振り下ろされたコンバットアックスの一撃が竜牙兵の指揮官個体を速やかに打ち倒し、更なる混乱が周囲の竜牙兵どもに伝播していく。
指揮官を欠いたことで烏合の衆に成り果てた軍集団など、もはや脅威に値しない。
ようやく要塞通路に設置された排煙装置が作動して、特殊煙幕が吹き散らされた時、静かに佇むサラの周囲には竜牙兵だったものの残骸だけが散らばっていた。
大成功
🔵🔵🔵
皇・絶華
決戦配備
ジャマー
主に煙幕による妨害
「主様!?俺知ってる!あれだ!悪魔◎ド…に出てきた敵だ!」(なんかゲームしてたらしい
さっちゃんは何を言っているんだ?(きょとん
ともあれ殲滅するぞ
UC発動
【第六感・バーサーク】
己の力を暴走させながらも直感を利用して敵を捕捉
さっちゃん
【念動力・乱れ打ち】
「くっ…このまま俺が活躍してないってのは納得できるかっ」
念動光弾の乱れ打ちで攻撃
【二回攻撃・切断】
TCで襲い掛かり切り刻んで破壊する
…恐ろしいものだな
この世界のデウスエクスは定命化の恐れもないというのか
状況は私が居た世界よりもきっと厳しい筈だが
それでもこの世界の者達が諦めていないなら…私も力を尽くそう
|皇《こう》|絶華《ぜっか》と黒髪の少女の姿をした|連環神機《キャバリア》――サートゥルヌスの行く手を阻む者は、秘密要塞の通路を塞ぐように布陣した竜牙砲兵どもによる魔力弾の一斉掃射であった。
一人と一機は通路の曲がり角に身を潜めることで、魔力の|飛礫《つぶて》の弾幕を遣り過ごしている。
しかし僅かにでも姿を見せれば、魔力弾による制圧射撃が再開されるだろう。
「主様! 俺知ってる! |彼奴《あいつ》らは、あれだ! 悪魔城ドラキ〇ラに出てきた敵だ!」
「さっちゃんは何を言ってるんだ? まぁ、どうせ何かのゲームの話だろうが。あれは竜牙兵だよ。ドラゴン――デウスエクス・ドラゴニアの牙から生み出された雑兵だが……そうか。雑兵であってもデウスエクスであることに違いはないのか。|BLADE《ブレイド》世界ではない|DIVIDE《ディバイド》世界ではデウスエクスの定命化が起こらない――つまりは、本来は雑兵である筈の奴らさえ滅ぼすことは出来ないのか。何という過酷な世界だ」
「主様、どうする? |流石《さすが》に機械仕掛けの|防御装置《セキュリティー》とデウスエクスの魔力弾とでは威力が段違いだし。引き返して別の|経路《ルート》を探す?」
「……いいや。どうせ|船渠《ドック》に繋がっている全ての経路で同じように防御が固められているだろう。それに私たちの目標はダモクレスの巨大戦艦だ。ここで雑兵を相手に苦戦しているようでは、到底、デウスエクス・マキナクロスとは闘えない――ここで奴らを殲滅する!」
「あっ、ちょっと! 主様っ!?」
絶華は通路の曲がり角に潜ませていた身を躍らせると、竜牙砲兵どもの前へと姿を現した。
|忽《たちま》ち絶華の身に照準を定めた竜牙砲兵どもによる魔力弾の一斉掃射が開始される。
「砲撃特化型なだけあって狙いは正確だな。だが、それがお前たちの弱点でもある! 忍法・煙玉!」
「あれは! 決戦配備の煙幕! 主様、しれっと自分のものにしてやがる!?」
「さっちゃん! そこは空気を読んで内緒にしておこう! ともあれ、この煙幕の中では狙いを付けることはできないだろう! 今のうちに殲滅するぞ!」
「いや。主様。俺たちも煙幕で敵の姿が見えないんだけど……」
「……こういう時こそ感だ! 直観に頼るのだ! ウォォッ……! 四門……開門……! 窮奇……!」
視界を閉ざす特殊煙幕に身を隠した絶華は、自らの意思により力を暴走させた。
その言葉の通りに冴え渡る直観をもって煙幕の中にあっても竜牙砲兵どもの位置を特定し、音速の三〇倍超という神速をもっての連続攻撃を叩き込む。
次々に砕かれていく竜牙砲兵どもも反撃の魔力弾を撃ち放つが、特殊煙幕に視界を奪われている状態では、超超高速度で移動する絶華の動きを捕捉することは出来ない。
「いや。主様……直観って……。俺、一応キャバリアだから。そういう根拠のないものに頼れって言われてもなー……でも、このまま俺が活躍しないってのも納得がいかない! 主様! 俺の弾に当たるなよ! 光弾、乱れ撃ちぃっ!」
サートゥルヌスの|念動力《サイコキネシス》が光を凝縮させた破壊光弾を生み出すと、根拠のない感を頼りにして乱射されて、煙幕の中に弾幕を構築する。
絶華の連続攻撃とサートゥルヌスの念動光弾によって竜牙砲兵どもの集団は一方的に蹂躙された。
通路の排煙装置が作動して特殊煙幕が排出された時、絶華の周囲には竜牙砲兵だったものの残骸が散らばっていたのである。
大成功
🔵🔵🔵
オルフェウス・シフウミヤ
※アドリブ大歓迎
決戦配備はスナイパー、長距離ミサイルによる遠距離支援をしてもらいます。
炎竜の砲台ですか。
まぁ、移動しないでただ撃つだけでしょうし、対処方法はいくらでもありますね。
さて、と。それでは私の矢で根こそぎ葬ってあげましょう。
|超越雷閃《トランセンデンスアロー》を発動。レベル×5本の黒雷属性の超雷速の汎ゆる因果律、事象、次元を貫く矢を敵の攻撃をBNCで反応速度と瞬発力を上げてから黒雷疾走の雷速の疾走で回避しつつ射程外に移動し、スナイパーのミサイルで攻撃してもらい、限界突破したトランセンデンスアローで一気に殲滅します。
機獣リュカオンも使い高速移動して回避させつつレーザーで攻撃させます。
オルフェウス・シウフミヤは一条の黒紫の雷光と化して、デウスエクスの秘密要塞の内部を疾走する。
銀髪の少女の左右の手に携えられた剣と刀――黄金の剣身を持つ|聖戦神剣《クルセイドテスタメント》と、雷光の粒子で形成された|夜空煌星刃《ナイトライトニングセイバー》が振るわれる度に、鉄壁の|防御装置《セキュリティー》の|悉《ことごと》くが斬り裂かれて無効化される。
オルフェウスの傍らには鋼の肉体を持つ銀狼――機獣リュカオンが忠実なる騎士の如くに追従していた。
無人の野を行くかのように秘密要塞の内部を最奥へと向かって突き進む一人と一機の道行を阻むために、通路には竜牙砲兵の一団が配備された。
竜牙砲兵はオルフェウスとリュカオンの姿を補足すると同時に、鋼鉄をも瞬時に融解させる魔炎の光線を放ってくる。
オルフェウスは身を翻すことで光線を回避しながら、瞬間同時並列思考による戦局分析を開始した。
それは|機械化義体《サイバーザナドゥ》に換装したサイボーグであるが故の情報処理能力の賜物である。
緩慢とさえ形容できるほどに引き伸ばされた時間感覚の中で、数多の事象が数式に置換され、勝利という解答を導きだすための連立方程式を解き明かす。
(|DIVIDE《ディバイド》の|情報集合体《データベース》に|接続《アクセス》――竜牙砲兵の戦闘能力に関する項目を閲覧――|解析《アナライズ》、|開始《スタート》――現状から考え得る有効的な戦術は――全47パターン――各戦術についての詳細な検証を開始――パターン1:成功率72パーセント/|却下《リジェクト》――パターン2:成功率69パーセント/却下――)
瞬きの間に数十種にも及ぶ戦術の考案と検証を完了させたオルフェウスは、|虹彩異色症《ヘテロクロミア》の銀と紫の瞳に、竜牙砲兵どもの姿を映した。
「炎竜の砲台――その威力は申し分ありませんけれども、ただ撃つだけならば、対処方法は幾らでも立案できますね」
既に完成された必勝、必殺の数式に従って、オルフェウスの全身が黒紫の雷霆を纏う。
少女の全身に移植された人工神経が、肉体の動作速度を雷速――音速の440倍にまで強化することで、刹那の|裡《うち》に竜牙砲兵の射程外へと退避した。
|冥府の吟遊詩人《オルフェウス》――その名前に相応しい美しい|朗唱《ろうしょう》が、銀髪の少女の唇から零れ落ちる。
「雷奏せよ。悪に満ちた地獄の運命。悪夢の世界に救世の矢を撃ち込み貫け。悪滅一切慈悲は無し。私は正義にあらず。母と同じ悪の敵だ――|超越雷閃《トランセンデンスアロー》」
あらゆる因果律と事象と次元を凌駕して対象を貫く黒雷の矢が無数に放たれて、竜牙砲兵どもを一網打尽にする。
オルフェウスが奏でる雷の旋律は、|炎竜の息吹《ドラゴンブレス》を模した竜牙砲兵どもの魔炎さえも穿ち貫いて、眼前の敵集団を壊滅させたのだった。
「さて。目前の敵は排除できましたが、背後の敵に対しても何らかの対策が必要ですね。本命を前に後顧の憂いは断っておきましょうか――DIVIDEに決戦配備を要請します。長距離ミサイルによる遠隔支援。その目標は――」
オルフェウスの要請から、さほどの時間を置かずに、デウスエクスの秘密要塞の一角に最新式の長距離ミサイルが着弾した。
爆発の衝撃と轟音が瀬戸内海の静けさを打ち破る。
「――目標への着弾を確認。支援、感謝します。竜牙砲兵の製造工場を今の一撃により破壊しました。これで敵は戦力の再投入が出来なくなります。今の裡です。|船渠《ドック》に強襲をかけましょう」
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『レヴィアタン』
|
POW : 巨鯨上陸
単純で重い【脚部ユニット】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : インビジブル・ワン
見えない【ステルス型ダモクレス】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ : ロールアウト
レベル×5体の、小型の戦闘用【新型ダモクレス】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:もりさわともひろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
|猟兵《イェーガー》――否、ケルベロスたちの侵攻により、デウスエクスの建造した秘密要塞の内部が|俄《にわか》に騒がしくなる。
高らかに鳴り響く|警報《アラート》は、もはや一刻の猶予もないほどに状況が|逼迫《ひっぱく》していることを伝えていた。
『レヴィアタンノ出航ヲ急ゲ! 我ラガ怨敵ケルベロス共ヲ撃滅セシメルニハ、ソレシカ手段ハ無イ!』
『マダ最後ノ調整ガ完了シテオリマセン!』
『止ムヲ得ヌ! ケルベロス共ノ侵攻ガ速スギルノダ! コノママデハ、レヴィアタンハ起動サエ出来ズニ破壊サレテシマウ! 起動セヨ! 起動セヨ! 奴ラヲ瀬戸内海ノ藻屑ニ変エテヤレ!』
『――了解シマシタ! レヴィアタン――起動ッ!』
――|Quickly《緊急発進》!
――|4th gate open《第四ゲート開け》!
――|20 seconds before《発進二〇秒前》!
――|Pull the throttle《操縦桿を引け》!
――|All Out《出力全開》!
――|Let's go《発進》!
かくしてデウスエクスの秘密要塞において建造されていたダモクレスの巨大戦艦、レヴィアタンが鋼の巨躯をもって瀬戸内海の洋上に出現した。
岩社・サラ
アドリブ共闘歓迎
船渠内での破壊には失敗しましたが、敵は万全とは言えない様子ですね。被害が出る前に仕留めましょう。
海上での戦いとなると相応の準備が必要ですね。ここはジャマーの決戦配備により戦闘ヘリの配備を要請しましょう。
小回りが利く戦闘用のヘリであれば、敵の脚部ユニットを用いた攻撃を回避するのは容易いはずです。
後は攻撃を行うだけですが……どこを狙うかですね。
巨大な戦艦の装甲を闇雲に攻撃しても効果は薄いでしょうし……ふむ、敵戦艦の尾に当たる部分、あそこは他の部位とは異なっているように見えますね。もしかしたら装甲が薄い部分かもしれません。
あの部分にUCを用いた鎧砕きの重量攻撃を行ってみましょう。
瀬戸内海の洋上に浮かぶ無人島を改造した、デウスエクスの秘密要塞。外見からは、それと看破できぬように巧妙に偽装された発艦用のゲートが開き、その奥から、巨大な鋼で建造された鯨を思わせる外観のダモクレス――レヴィアタンが出現する。
|岩社《いわしろ》サラは|DIVIDE《ディヴァイド》に決戦配備として要請した攻撃ヘリコプターに乗り込み、上空から、レヴィアタンの様子を伺っていた。
「あれがレヴィアタンですか。|船渠《ドック》内での破壊は適いませんでしたが……敵も調整が済んでいない状態での緊急発進です。その機能を十全に発揮することは出来ない筈です。周囲に被害が出る前に仕留めましょう」
サラの眼下では海上に威容を現したレヴィアタンが|重重《おもおも》しい駆動音を響かせて、その巨大な脚部ユニットを海面に叩きつけていた。
巨大な質量と重量に任せただけの単調な一撃は、穏やかな海面を|千千《ちぢ》に乱して、高く激しい飛沫の柱を立ち上げると、衝撃波を伴う大波を引き起こす。
「――厄介ですね。このままレヴィアタンを放置しておけば海岸沿いの都市は津波によって流されてしまいます。近海の決戦都市に緊急連絡。至急、津波対策の魔導防壁を沿岸沿いに展開するように指示を出しましょう。あとの問題は……あの巨体と、それを護る分厚い装甲を、どうやって攻略するか……ですね」
サラは攻撃ヘリコプターの機動力と旋回能力を活かして、レヴィアタンの攻撃を掻い潜りながら、その躯体の弱点を発見する一助になればと対戦車ミサイルによる砲撃を繰り返す。
しかし、主力戦車の装甲さえ破壊するミサイルの炸裂にも、レヴィアタンの装甲は傷つかない。
「――|米国主力戦車《M1エイブラムス》すら破壊できるミサイルでも効果なしですか。流石はデウスエクス。出鱈目な硬度ですね。しかし、やはり完成前の機体を急発進させた弊害でしょう。船尾の部分の装甲が周囲とは異なっているようです。狙うはならば――あそこですね」
サラは攻撃ヘリコプターの搭乗席から身を乗り出すと、上空の潮風に身を晒しながら、得意とする土魔法の詠唱を開始した。
「大地の力。鉄の巨腕。破壊せよ――|戦闘魔法《コンバットマジック》「|鉄の巨腕《ジャイアントアーム》」」
サラの掌中に握り絞められた土属性の魔石が輝きを放つと、上空に、巨大なる|鉄巨人《アイアンゴーレム》の右腕が召喚される。
召喚者の意に従い打ち放たれた剛力無双の拳は、狙い過たずに、レヴィアタンの船尾に突き刺さった。
――轟音。
レビィアタンの脚部ユニットによる踏みつけの衝撃にも勝る激しい水柱が立ち上がり、レヴィアタンの船尾部分は破壊された。
「狙い通りですね。どれほどに堅固な堤も蟻の一穴からです。このまま沈めて差しあげましょう」
大成功
🔵🔵🔵
皇・絶華
おお、さっちゃん
巨大な鯨みたいなダモクレスが現れたぞ!
「ぁあん!?生意気だなおい!?主様!俺に乗って下さい!しばきます!」
という訳で機神搭乗
【戦闘知識・念動力】
敵の動きを見据えながら構造も把握
更に念動力を広範囲に展開させてインジブルダモクレスも捕捉する
UC発動
【バーサーク・弾幕・第六感・乱れ打ち】
超高速で飛び回りながら超次元念動光弾を乱射
更に接近する敵は直感で迎撃や転移で回避
【二回攻撃・切断】
「でかきゃいいってもんじゃねぇぞごらぁ!このサートゥルヌス様相手に頭が高いわぁ!」
おお、さっちゃんも元気だな
では蹂躙を開始しよう
鎌剣で機械鯨を空間毎切断して破壊の限りを尽くす!
「相手が悪かったな!!」
「おお、さっちゃん! 巨大な鯨みたいなダモクレスが現れたぞっ!? あれが敵の巨大戦艦という奴に違いない! さっちゃん! お前の力を見せる時が来たぞ!」
瀬戸内海の洋上に出現したレヴィアタンの巨体を前にして、皇絶華が声を上げた。
黒髪の少女の姿をしたキャバリア――連環神機サートゥルヌスは、主人の言葉に応えて、その真の力を解放する。
「勿論! ああいう、でかくて生意気そうな奴はしばくに限ります! 主様! 俺に|騎乗《の》って下さい!」
「やる気だな、さっちゃん! では、いくぞ! 機神搭乗! 敵が海を征くのであれば、私たちは空を征くぞ!」
絶華はサートゥルヌスに搭乗すると、そのまま大空へと飛び上がった。
音速を凌駕する速度で飛翔しながら、レヴィアタンの全容を把握し、その構造や機体の性能、戦闘力を精査していく。
「でかけりゃいいってもんじゃねぇぞごらぁ! 時空を統べるサートゥルヌス様相手に頭がたけぇっ! 超次元念動光弾の乱れ撃ちを食らいやがれぇっ!」
サートゥルヌスの放つ、念動力の光弾が|驟雨《しゅうう》のごとくに、レヴィアタンの巨体へと次次に着弾する。
「むっ! 私の念動力内に異物の存在を感じる――さっちゃん! 敵は、どうやら光学迷彩か何かで姿を隠している、見えない小型のダモクレスを無数に展開しているようだ! 私が位置を補足する――さっちゃんは、そのまま光弾の乱射を続けるんだ!」
「よっしゃ! 任せたぜ、主様っ! そらぁ、|墜落《お》ちろぉっ!」
洋上のレヴィアタンが射出したステルス型ダモクレスの集団を、サートゥルヌスの光弾が薙ぎ払っていく。
「……よし! 敵のステルス型ダモクレスを一掃することにはには成功したぞ! 今だ! 敵が第二破を放つ前に、蹂躙する! さっちゃん! 今こそハルペー2の出番だ!」
絶華の言葉に応えたサートゥルヌスが、不死殺しの神器たる鎌剣――ハルペー2を抜き放つ。
その長大な刃に宿るのは、連環神機の時空操作の権能――あらゆる物理法則を無視して対象を切断せしめる、空間切断の絶技である。
「相手が悪かったなっ! クロノスチャクラム、Ⅴ・Ⅵ・Ⅶ展開! 次元転移――からのぉ、一刀、両断っ!」
空間跳躍により、瞬きの間にレヴィアタンとの間に横たわる距離を零としたサートゥルヌスが振るうハルペー2の一撃が、ダモクレスの巨大戦艦の装甲を切り裂き、破壊した。
大成功
🔵🔵🔵
オルフェウス・シフウミヤ
※アドリブ大歓迎
ふむ、デカいですね。ならば…そうですね、まずは煌銀眼を発動、戦闘演算と瞬間思考力を合わせて非常に遅い世界の中で常に最適解を選択します。その後、BNCで瞬発力と反応速度を大幅に増強します。
更に雷天使 雷閃悪滅(トールハンマー・ヴァルキュリア)を発動、限界突破した次元を貫く光線を撃つ三対六枚の翼の雷天使になり、デカイので拡散光線で攻撃しつつ雷速でジグザグ空中機動で急接近し、通電物質内移動でレヴィアタンの内部に侵入、内部から次元を貫く光線で撃ち内部ごと目茶苦茶に蹂躙し尽くしましょう。そして、決戦配備のスナイパーで長距離ミサイルを撃ってもらい外部と内部からのサンドイッチ戦法をとります。
「ふむ。デカいですね……あの巨体と装甲を外部からの攻撃で破壊するのは容易なことではなさそうです……」
オルフェウス・シフウミヤは、瞬間同時並列思考を可能とする|煌銀眼《オルフェウスハヤトロギア》を起動させると、限界を超越して加速された思考の中で、幾つもの戦術を立案しては検証し、棄却と再構築を繰り返す事で、戦況に即した最適なる術策――その精度を研磨して、限りなく高めていく。
刹那の|裡《うち》に限りなく勝算の高い戦術を導き出したオルフェウスは、そのまま、眼前に広がる瀬戸内海の洋上へと身を躍らせた。
跳躍と共に潮風を切り裂いて、麗しい銀色の髪を翻す。
オルフェウスの唇が、詩歌の如き旋律を紡いだ。
「雷奏せよ、我が身はこれより雷天使。悪に蹂躙されし者の悲哀の涙が頬を伝う、ならば弱者の為に悪滅一切慈悲はなし、強者を蹂躙しよう――|雷天使 雷閃悪滅《トールハンマー・ヴァルキュリア》」
オルフェウスの肉体が雷に包まれると、その背中には三対六枚からなる電光の翼が広がっていた。
雷の天使へと姿を変えたオルフェウスは、一条の白銀の閃光と化して海上を走り抜けた。
雷速――実に音の四四〇倍もの速度で、大気をイオン化させながら、しかし通常の自然現象の雷としてはありえない、明確なる意図を有する旋回軌道によって瞬く間にレヴィアタンへと肉薄する。
巨大戦艦から放たれるステルス型ダモクレスによる迎撃も、次元さえ貫く雷天使の前には力不足も甚だしい。
オルフェウスから放たれた幾条もの光線に撃ち抜かれて撃墜される。
「どれほどに堅牢な装甲であっても、金属である以上、良導体であることには変わりはありません。内部から破壊させて貰います」
銀の雷と化したオルフェウスの肉体は、金属で建造された巨大戦艦の装甲を通電して、その内部への侵入を可能とした。
巨大な鯨の臓腑のように無数の機械が蠢く戦艦の内部に顕現した雷の天使は、その断罪の光と刃をもって、レヴィアタンの内部機構を、滅茶苦茶に破壊することに成功したのである。
大成功
🔵🔵🔵
ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○
▼心情
発進を止めることはできなかったか。しかし問題はない。
相手は万全ではないようだ。今のうちに斬ってしまおう。
▼ポジション
クラッシャー
▼戦闘
「顕現せよ、キャリブルヌス。我らであの脚つきクジラを落とす」
巨神キャリブルヌスに[騎乗]
殺界を起点とした[結界術]により戦場に自身の領域を作り出し
内包された無数の刀剣を[念動力]で操り[乱れ撃ち]斬り刻む戦闘スタイル
それをキャバリアのスケールで再現する
さらに今回の敵は完全機械のダモクレス戦艦
であるならば味方には警告を出した上でUCを起動
外套型装甲を展開して超高速で飛び回り、"妖精"によって敵機の装甲を分解して脆くなった箇所に刀剣を撃ち込んでいく
ステルスだろうが機械であれば例外なく分解するが、分解しきれないダモクレスは[心眼]により[見切り]刀剣射出による[カウンター]を叩き込む
妖精は敵味方の区別がないため味方側に機械を用いる者がいれば巻き込まないように注意する
ある程度でUCの展開は止めて、要請したクラッシャーとの一斉攻撃
「さよならだ」
|猟兵《イェーガー》たちの攻撃を受けて機体の各部位から火花を散らすデウスエクスの巨大戦艦、レヴィアタン。損害を受けてもなお瀬戸内海の洋上に君臨する威容の前に立ち塞がる、ハル・エーヴィヒカイトの姿は、それに比べれば余りにも矮小なようにも見える。
しかし剣聖たるエルフを前にしたレヴィアタンは、ハルが纏う剣気の凄まじさをして、自らを|鎧《よろ》う鋼の装甲を断つだけの技量を有する相手であると看破した。
レヴィアタンの内部に格納されたステルス型ダモクレスの攻撃ユニットが次次に発艦し、一斉攻撃によってハルを仕留めようとする。
自らに殺到してくるダモクレスの攻撃編隊を前にして、ハルは、携えた剣を天空に掲げた。
「――顕現せよ。キャルブリヌス。我が内なる世界に招かれし大いなる鋼の剣神よ!」
放たれた言葉と同時に、空間が軋みをあげて歪み、砕けて、巨大なる鋼の巨人が顕現を果たす。
その銘はキャルブリヌス――ハルの内なる世界に招かれて、今、現世に姿を顕した剣の機神である。
ハルはキャルブリヌスに搭乗すると、巨神が有する外套型の古代武装――"|妖精《フェアリー・システム》"を起動させた。
レヴィアタンにも劣らぬ巨体を誇る剣の機神が、物理法則すらも超越して、重力の戒めを振り切って天空へと飛翔する。
「征くぞ、キャルブリヌス――自然に非ざる者、|悉《ことごと》くを塵に還せ!」
"|妖精《フェアリー・システム》"から放たれる波動に触れた機械は、たとえそれがデウスエクスの手によるものであろうとも分解されて自然物へと還る。
ステルス型ダモクレスの攻撃編隊、巨大戦艦レヴィアタンの装甲でさえも例外ではなく、妖精の波動がもたらす神秘の前に|塵埃《じんあい》へと変わっていく。
「貴様を護る鎧は、もはや存在しない。決着の時だ!」
キャルブリヌスに搭乗したハルが纏う剣聖の殺気は、ひとつの結界と化して、洋上に剣の世界を構築する。
ハルの心象風景である剣の世界に、燦然と輝きを放つものは、古今無双の魔剣、聖剣、霊剣、神剣の数数である。
――境界鍵。剣の力を解き放つ鍵たる刃。
――境界剣。実体なき朱光の刃。
――利剣。神をも断つ静なる純白の刃。
――殲滅剣。憎悪を乗り越えし象徴たる漆黒の刃。
――閃光剣。実体なき蒼き星と緋の月の刃。
――告死槍。剣の世界にありて死を告げる唯一の神槍。
――祓魔刀。邪を喰らい魔を祓う清浄なる黒き刃。
――氷輪剣。時をも静止させる碧き絶氷の刃。
――炎獄剣。仇なす者を焼き尽くす終末の紅き刃。
――螺旋剣。万物を貫く螺旋機構の刃。
――星剣。光を束ねて魔を砕く白き刃。
そして――剣の機神。ハルの内なる世界に存在せし十の剣と一の槍を振るう剣聖の似姿たる鋼の巨人。
ハルの意のままに、キャルブリヌスの周囲に浮遊する剣と槍が、妖精の波動により装甲を奪われたレヴィアタンの巨躯に殺到する。
剣聖と剣神が振るう魔剣の乱舞に、魂を持たぬ鋼の戦艦が耐えられる道理はなし。
「……さよならだ」
静かなるハルの呟きと同時に、巨大戦艦は進撃を止めて、瀬戸内海に凪のような静寂が満ちていく。
次の瞬間、轟音と共にレヴィアタンは爆発、炎上し、閃光の中に、その姿を永遠に消滅させたのである。
大成功
🔵🔵🔵