6
バルセロナ★ラグジュアリー★バカンス

#獣人戦線 #ヨーロッパ戦線 #スペイン #バルセロナ #地中海 #夏休み #水着 #バカンス #ゾルダートグラード #豪遊 #アオハル #団体様のご参加大歓迎 #カップルのご参加大歓迎 #初心者さん大歓迎 #オーバーロード歓迎 #MS夏休みノベルもよろしくお願いします

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#獣人戦線
🔒
#ヨーロッパ戦線
#スペイン
#バルセロナ
#地中海
#夏休み
#水着
#バカンス
#ゾルダートグラード
#豪遊
#アオハル
#団体様のご参加大歓迎
#カップルのご参加大歓迎
#初心者さん大歓迎
#オーバーロード歓迎
#MS夏休みノベルもよろしくお願いします


0




「水着コンテスト2023、みんなお疲れ様~っ! でも夏はこれからだよっ!」
 蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)はグリモアベースで、周囲に煌びやかなビーチの光景を浮かび上がらせた。
「今日は夏休みってことで、みんなに獣人戦線のスペイン・バルセロナで地中海バカンスしにいこうねっ!」
 スペイン! バルセロナ! 地中海バカンス!
 なんて魅力的な響きであろうか!
 しかし……なんで獣人戦線で?
 その訳をレモンは話し始めた。
「ヨーロッパ戦線でのゾルダートグラード軍の侵略が続く中でも、バルセロナ周辺の地域は比較的被害が軽度な場所らしくてねっ? 戦火を逃れてバカンスに来る人達が多いんだってっ! でもやっぱりみんな心のどこかで不安だから、街のみんなの雰囲気が暗いんだよ……そこで猟兵のみんなの出番だよっ!」
 聞けば、今までの猟兵達の活躍をバルセロナの人々は聞き及んでおり、一部で憧れの声が上がっているとかいないとか? 特に、今まで何度も世界の脅威に対抗してきた、異界から来た猟兵達には獣人戦線の猟兵達とは違う風格を覚えるのか興味津々だという。
 なので世界を渡り巡る猟兵達がバルセロナに遊びに来て盛大に豪遊して青春を満喫すれば、バルセロナの経済と人々の心が満たされて一挙両得って話らしい。
「要は観光大使兼戦力アピールだねっ! バルセロナに異界から来た猟兵ありっ! そうゾルダートグラド軍に知らしめれば、おいそれと手が差しにくくなるうえに非戦闘員の市民のみんなも安心して暮らせるようになるってワケっ! ねっ? ちゃんと理にかなった“任務”でしょっ!?」
 夏休みを獣人戦線のバルセロナで豪遊するだけで近隣地域の平和が守れてしまうというのなら、これはもうやるっきゃないはずだ! お金のことを気にせずにどんどん散財しまくっていい、とレモンが語った。
 本場のスペイン料理を満喫したり、地中海のビーチで泳いだり、闘牛場やフラメンコ鑑賞も楽しいだろう。街の人々に声を掛ければ、更にディープな観光スポットを案内してくれるかもっ?
 そして夜は酒場やナイトプールに繰り出してパーティーの時間だ。
 とにかくお金を湯水の如く使って遊び倒してほしい。
「でも、そのおかげであたいはバルセロナの偉い人達と朝から夜まで会談や交渉が続くから、みんなとは遊びに行けないんだよね……でもみんなの豪遊の為に、あたいは事務手続きを頑張ってくるよっ! ……でも、本場のパエリア食べたかった、紺碧のバレアレス海で泳ぎたかったなぁ~」
 グリモア猟兵は裏方に徹するのが任務の常。仕方がないことなのだ。
 少しだけ黄昏るレモンのためにも、猟兵達はたくさんのアオハルな豪遊してお土産話を作ってあげようと心に誓うのであった。


七転 十五起
 獣人戦線の情熱の国スペイン・バルセロナで夏の思い出、作りませんか?
 ちゃんと理にかかった豪遊“任務”で、とびっきりのアオハルを体験できますよ!
 なぎてん はねおきです。

●概要
 このシナリオは第1~3章にかけてすべて日常フラグメントです。
 とにかくラグジュアリーでファビュラスに豪遊して、バルセロナを活気付けましょう。
 ここで描写するバルセロナの街並みは、今現在のバルセロナを基準に描写させていただきます。
(ただし、商標や固有名詞は伏せさせていただきます)
 住民の獣人階梯は1~3を想定してます。

 第1章は街の人々に声を掛けて、美味しいご飯が食べられるお店を聞き込みます。まずは腹ごしらえして、英気を養いましょう。
 アピールの際に獣人戦線ではお目に掛れない種族特性やアイテム、ユーベルコードなどを披露すると、街の人々はとても喜んでくれます。
(※このシナリオだけのプレイングボーナスです)

 第2章は前章で出会った第一町人やお店の常連客達が、街のおすすめスポット(映画館とか遊技場とかアスレチックのある公園とか)を教えてくれました!
 早速おすすめスポットに向かい、獣人の街でのレジャーを楽しみましょう!
 もし海で泳ぐなら、この章で描写します。その際は水着のアピールポイントもプレイングに明記をお願います。

 第3章はリゾート地の夜遊びを描写します。
 おしゃれな酒場やナイトプール、ナイトイベントに繰り出してゴージャスに過ごしてください。
 ここまでで皆さんがたくさん豪遊すると、街の人々もかなり陽気になってくれます。
 朝まで一緒に大騒ぎしましょう!

●その他
 コンビやチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
 グループプレイングの採用人数に制限は設けませんので、旅団単位でのご参加も大歓迎です!
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能ですが、その際は【参加者全員のオーバーロード投稿を強く推奨します】)

●告知
 MSページで🌊🏝夏休みノベル企画🔆🌊も開催中です。
 詳細はMSページ内に掲載中です。是非、リクエストをお待ちしてます!

 それでは、2023年の夏の思い出作り、皆様のご参加をどしどしお待ちしてます!
213




第1章 日常 『おしえて! 街のおすすめグルメ』

POW   :    がっつりボリュームのある料理を食べる

SPD   :    地元素材を活かした料理を食べる

WIZ   :    お菓子や軽食をつまむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【プレイング受付開始日時:7月27日(木)朝9時から】



 南ヨーロッパのスペイン王国は、イベリア半島に位置し、同半島の大部分を占める国家だ。
 長きに渡る内戦を終えたばかりの最中でゾルダートグラードの侵略に脅かされたスペインは、自国を守るために体裁としてゾルダートグラード側の親派を謳っているものの、ゾルダートグラード軍への支援を国の困窮を理由に一切断っているため、実際は事実上の中立国である。
 UDCアースでは枢軸国の支援を行っていた歴史を持つスペインだが、獣人戦線のスペインは現在進行形で支援要求を無視した報復攻撃に度々さらされている。とはいえゾルダートグラード軍も豊富な資源と流通販路を誇るスペインを焦土に変えてまで欲しておらず、小競り合い程度の衝突で済むという『お互い暗黙の不干渉の合意』が通っている状況だ。だからこそ、戦火を逃れて人々がスペインへ、バルセロナへ集い始めている。
 だが、その人々の顔色は総じて暗く陰りが見える。
 故郷を失って流浪した者、職を求めて辿り着いた者、安全な場所を求めてきた者。
 その多くはゾルダートグラード軍の脅威から逃げてきた人々ばかりなのだ。
 だからこそ、猟兵達が豪遊をしてバルセロナを活気付ければ、たくさんのハッピーがこの街に生まれるはずだ。

 転送されてきた猟兵達は、地中海沿岸特有の爽やかな潮風を全身に浴びながら、まずはバルセロナのグルメを堪能するべく聞き込み調査を開始する。
 果たして、どのような美味に出会えるだろうか?
●プレイングボーナス:獣人戦線ではお目に掛れない種族特性やアイテム、ユーベルコードなどを披露する。
ゼーレ・ユスティーツ
ここがバルセロナかしら?

失礼するわ…ここのオススメ料理はあるかしら?
配慮しながら獣人の親子にオススメ料理店を聞く

ん?この鎌に興味があるのかしら?
しゃがんで子供の視線を合わせながら話す

この鎌はワタシが8歳の時に拾ったのよ…ちょっと!
鎌に触ろうとした子供から鎌を遠ざける

ごめんね、いきなり大声出してこの鎌をワタシ以外が触ると廃人になっちゃうのよ…(実話)触った奴が悪党だったから良かったけど未来があるアンタが廃人になったら目覚めが悪いからね。

改めてオススメを教えて貰った
フィデウア…ね。分かったわ

その店に向かいそれを頼んだ

〈感想〉
シーフードの香りやトマトやピーマンを味がマッチしていてとても美味しかったわ



 ゼーレ・ユスティーツ(彷徨う『黒蝶の死神』・f41108)はグリモアベースから転送されると、一瞬で様変わりした景色……特に降り注ぐ太陽光に思わず目を細めた。
「ここがバルセロナかしら?」
 ゼーレはどうやらバルセロナの市街地に転送されてきたようだ。
 目の前には赤レンガ製の凱旋門。これがかの有名なバルセロナ凱旋門であり、観光スポットのひとつだ。
「立派な門ね。でも門といっても広場のど真ん中にあるだけだし、門の役割を果たしていないわ。一体何のために作られたのかしら?」
 首を傾げるゼーレに、階梯3の羊の中年女性が声を掛けてきた。その傍らには孫と思しき小さな階梯2の羊幼女が寄り添っている。
「あら、あなた、他所から来たのかしら? 観光客?」
 唐突に親し気に話しかけれられ、ゼーレは若干戸惑い気味に目を逸らしてしまう。
「……まぁ、そんなところよ。アンタは?」
「私は生まれも育ちもバルセロナでねぇ、少し前まではこの街のガイドの仕事をしていたのよ。その名残で、あなたみたいな人を見るとついついお節介を焼いちゃうのよ」
「ばぁばはこのまちがすきなんだよ!」
 羊の幼い女の子がニコニコと笑みをゼーレへ向ける。
 ゼーレは相手に敵意がない事を察すると、先程の疑問をぶつけてみた。
「そうだったのね。じゃあ、この門の意味も知ってるのよね?」
「もちろんよ」
 羊の中年女性は気さくに凱旋門の成り立ちから教えてくれた。
 バルセロナ凱旋門は、1888年のバルセロナ万博の会場となったシウタデリャ公園に続く入場門として創建された。アラブ文化の影響を受けたムデハル様式によって、レンガを使って建てられた。門には様々な装飾が施されている。高さは約30mで、パリの凱旋門(50m)と比べると小さい。凱旋門からシウタデリャ公園まで、約300mの遊歩道が続くのは、そういう成り立ちがあったからだ。
「バンパク……? それがなんだか分からないけれど、そうね、きっと賑わったのよね?」
「ええ、私が子供の頃、両親と一緒にこの門をくぐったわ。とてもワクワクしたものよ。それが戦火に負けずにまだ残ってることを、私は誇りに思うわ」
 羊の中年女性は蹄をカツカツと嬉しそうに地面に鳴らす。
 ゼーレは思い知らされる。獣人といえども、街を愛する感情や心は人間と同じだということに。
「そう……歴史があるのね。ありがとう。ところで、この辺りで美味しいご飯が食べられる場所はないかしら?」
「ああ、それなら……」
 羊の中年女性は、しばし逡巡する。その間に、孫の女の子がゼーレに手を伸ばす。
 ゼーレはそれに応えるべく、身を屈めて女の子と目線を合わせた。
「どうしたの? なにか言いたいことがあるのかしら?」
 ゼーレの問い掛けに、女の子は不思議そうに指差した。
「どうしておねえちゃんは、そんなあぶないものをもってるの?」
 女の子が指差したのは、ゼーレが担ぐ剝き身の大鎌であった。
 猟兵はどんな世界でどんな種族にも違和感を持たれないため、武器を丸出しにしても咎められることが少ない。しかし、子供からしたら当然の疑問だ。
 これにゼーレは即答した。
「おねえちゃんは猟兵だからよ。これがワタシの武器だから。悪いオブリビオンをやっつけるためよ」
「えー? でも獣人じゃないよ?」
「ワタシは異世界から来た猟兵なのよ。最近、そういう猟兵がたくさんこの世界へ着て戦ってるのよ」
「ふーん……?」
 女の子は半信半疑のまま、ゼーレの顔を見詰めていた。
 そして、おもむろにゼーレの持つ大鎌の柄を掴もうと……。
「ちょっと……! 何するのよっ?」
 ゼーレは咄嗟に女の子を怒鳴り、大鎌の柄を自分の頭の上へ掲げてみせた。
 女の子は突然の大声に驚き、その場でわんわんと泣き出してしまった。
「な、何をしたのですかっ?」
 慌てて中年女性が駆け寄り、ゼーレから女の子を引き離す。
 これにゼーレは狼狽しながら弁明を始めた。
「待って! 急に大声を出してごめんなさい。でもワタシ以外がこの大鎌の柄を触れると、精神を蝕まれて廃人になっちゃうのよ……」
 急にとんでもない台詞を吐き出すゼーレ。
「この鎌を拾ったのは8歳の頃……住んでいた孤児院を悪党に襲撃されて、その直後よ。元は襲撃してきた悪党が持ってたのだけど、誰某構わず殺戮をくりかえして発狂した挙句、ワタシの目の前で自死したわ。それ以来、ワタシがこの鎌の所有者になったのよ。この呪いで誰かが死ぬのを回避するためにね……?」
「あなたは、なんともないのですか?」
 中年女性が目を細めて身震いしている。
 ――ああ、そんな目でワタシを見ないで。
 死神と恐れられたゼーレは、不本意ながら怯えさせてしまったふたりに頭を下げて謝罪した。
「ワタシはこの呪いを無効化できるから。だから大丈夫。それと、怖がらせてごめんなさい。未来があるアンタ達が廃人になったら目覚めが悪いからね。それじゃ……」
 ゼーレは二人から離れ、街中を当てもなく彷徨う事にする。
 やはり自分は誰からも恐れられてしまうのか……?
 そう考えていた矢先、彼女の背に中年女性が声を掛けた。
「この通りをまっすぐ行ったすぐ先に、美味しいパエリアが食べられるお店があるわ。そこで魚介のフィデウアを注文なさいな。私のおすすめよ」
「魚介のフィデウア……ありがとう」
 ゼーレはふたりに向かって手を振り、凱旋門を背に通りをまっすぐに進んでいった。
 そして5分ほどでレストランが見付かった。
 だが大鎌が邪魔で店に入るのを苦労してしまった。
「収納系ユーベルコードが必要だわ……特に今日みたいな旅行だと、四六時中大鎌を持ち歩くのも不便ね」
 そんなボヤキと共に注文した魚介のフィデウア……パスタパエリアを熱々のまま頬張る。
「シーフードの香りやトマトやピーマンを味がマッチしていて、とても美味しいわね」
 喜ぶゼーレだったが、流石に大鎌の傍らで食事する光景は目立って仕方なかった……と、後に地元の常連客が苦笑いを浮かべていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミフェット・マザーグース
ばるせろなー!
ミフェットの行ったことのない世界だし、これから助けに行くためにも、その世界のことを知らなくちゃいけないよね。

せっかくのお誘いだから、ティエル(f01244)といっしょにお邪魔しよう!

情報集めはどうしよう? きょろきょろ街を見回しながら人の波に乗ってたら、お絵描きさんや、芸人さんが見世物をしてる通りに来たみたい。ここなら唄っても大丈夫そう?
歌のパフォーマンスで情報収集しよう!

UC【田園を照らす暖かな陽の光の歌】

たくさん唄って満足したら、聞いてくれた人に美味しいスイーツのお店の情報をもらおう! チェロスとチョコラテ・スイソ! 聞いたことあるやつ!!

アドリブ、連携、大歓迎だよ


ティエル・ティエリエル
ミフェット(f09867)とばる!せろ!なー!!
わーい、一緒にめちゃくちゃ楽しんじゃうぞー☆

まずは美味しい食べ物の情報収集だ♪
ミフェットのお唄に合わせて空中をくるくるっと舞っちゃうよ♪

チェロスとチョコラテのお店を聞いたら売り切れる前にお店に急行だ☆
わわっ、クリームいっぱいのチョコラテに揚げたてのチェロスもいっぱいだ♪
ミフェットと二人、仲良く分け合いっこしていっただきまーす♪
ふんふん、チェロスはチョコラテにつけて食べても美味しいんだね、早速試してみようっと☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 ミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の仲良しコンビはグリモアベースから手をつないで一緒に転送されてきた。
「ばるせろなー! ほんとうに来ちゃった!」
「いぇーい! ミフェットと一緒に、ばる! せろ! なー!」
「「ふらめんこ~!!」」
 二人は異世界の海外旅行に大はしゃぎ!
「わーい、今日はミフェットと一緒にめちゃくちゃ楽しんじゃうぞー☆ ボクは獣人戦線は何度か来たことあるから任せて☆」
 フェアリーのティエルは、ミフェットの顔の近くでえっへん!と胸を張ってみせる。
 ミフェットは親友の頼もしさに目を輝かせ、嬉しくて声を弾ませた。
「ありがとう、ティエル! すっごく頼もしいよ! 獣人戦線、今までミフェットの行ったことのない世界だし、これから助けに行くためにも、その世界のことを知らなくちゃいけないよね?」
「そうだねミフェット! 今日はお金の心配もないから遊びまくるよ☆ まずは美味しい食べ物の情報収集だ♪」
 意気込むティエル。だがミフェットはふと大事な事に気が付く。
「ねぇティエル? その情報集めはどうしよう? 誰に聞いたらいいのかな?」
 ミフェットは行き交う獣人を視線で左右に追い掛けている。どうやら見知らぬ土地で声を掛けるのに躊躇しているようだ。猟兵とはいえ、ミフェットは14歳の少女だ。目の前を行き交う大人達を呼び止めるのは少々勇気がいるだろう。中には悪い大人だっているかもしれない。戦時中ゆえか大人達もピリピリしている様子、こちらから声を掛けるのはリスクが高い。
「どうしよう……うーん?」
「とりあえず、街を歩いてみようよ!」
「うん、そうだね! ちょっと見て回ろう!」
 困ったミフェットは、やむなくしばしティエルと共にバルセロナの街を散策することに。
 すると、とある光景を二人は目撃する。
「ティエル、あれ見て!」
「わぁ、大道芸人さんだ!」
 偶然、二人はバルセロナでも有名なストリートパフォーマーの聖地であるランブラス通りに出ていた。
 ランブラス通りは、カタルーニャ広場から港までまっすぐに続くバルセロナのメインストリート。全長1.2kmほどの通りには朝から夜遅くまで人の往来があり、道の脇には大道芸人や似顔絵描きの姿も見られるなど、ただ歩いているだけでも賑やかで楽しい雰囲気の場所だ。
 そこでパフォーマーたちは見物客からチップをもらっているのを見たミフェット、これだと閃いた。
「ティエル! ここで歌を唄って、美味しいお店の情報を教えてもらおうよ!」
「それ面白そうだね♪ よーし、ボク、ミフェットの歌に合わせてくるくるって踊っちゃうぞー☆」
 これなら自分たちから話しかけて危ない目に遭わずに済むし、チップ代わりに情報を貰えばWin-Winである。
 ミフェットは大通りの空いてる場所の使用許可を隣接する大道芸人に確認したうえで、精神を集中させてユーベルコード『田園を照らす暖かな陽の光の歌』を披露した。

 ♪目を閉じて ほんの少しだけ 思い出して
 ♪胸のそこにしずんでる 暖かいばしょ
 ♪その陽の光は いつでもみんなを照らしてる
 ♪この地中海のおひさまは みんなにやさしくて
 ♪心の中の田園風景を ぴかぴか照らしているよ

 ミフェットの歌に共感した獣人達は、ユーベルコードの効果で心に田園風景を描き出す。
 すると彼らの心の中から、肉体疲労と精神摩耗を癒す輝きが満ち溢れて活気を取り戻してゆく。
「ああ、懐かしいなぁ。俺の故郷……」
「戦火から逃げてきて生活どうしようと嘆いてたけど、元気が貰えたよ」
「なんか疲れも取れた気がするわ!」
 徐々にミフェットの歌声に魅了された獣人達が立ち止まって聞き入り出した。
 そこへティエルが小さな体で空中をアクロバティックな動きで回転しながらダンスを披露する。
 空中捻り三回転!
「そりゃー☆ ボクのダンスにも注目だー♪」
 ティエルが身体を捻るたび、背中の翅から輝く粉が獣人達の頭上へ降り掛かる。
「ボクの翅の粉には傷を癒す力があるんだよ☆ それじゃあ、いっくよー! みんな治っちゃえ♪」
 駄目押しの回復ユーベルコードで、疲れ切っていたバルセロナ市民は元気を取り戻してみせた。
 二人のパフォーマンスが終わると、ランブラス通り中から割れんばかりの大喝さいが湧き起こったので、ミフェットもティエルもびっくりしてしまった。
「わっ、ありがとうございます! チップはいりません! そのかわり、美味しいご飯が食べられるお店をおしえてください!」
「ボクとミフェット的にスイーツが美味しいお店だと嬉しいな♪」
 素晴らしいパフォーマンスに魅了された獣人達は、各々のおススメの店を彼女達へ教えてゆくのだった。

 そして、二人はレンガ造りの建物が並ぶメインストリートを進んだすぐ現れたお店へ向かった。ここが最も口コミが評判だからだ。
「ええとね? サン・ジュセップ市場っていう場所の中にあるお店らしいよ? あ、ここかな?」
「いいところを教えてもらってよかったね、ミフェット! 地元の人が通う市場のお店って、結構穴場だと思うよ!」
 市場の一画にある屋台のようなお店だ。簡素なパーテーションで区切られているだけだが、かなり賑わっているのが店の外からでも分かる。
 そっと店の中を覗けば、確かに店内は地元の常連客ばかりだ。
 二人は意を決して入店すると、デザートを頼む前に軽食を摂ることにした。
 注文したのは、焼き立ての小さなバゲットにトルティージャ(ジャガイモが入ったスペイン風オムレツ)だ。
 ミフェットはティエルとシェアして早速食し始めた。
「ん~♪ 美味しい! 玉子のふっくらな食感とジャガイモのゴロゴロ食感が楽しい!」
「ジャガイモが入ってるから食べ応えがあるね♪ ベーコンの塩加減が絶妙☆」
 真夏でもついつい口に運んでしまうのは、スペインを代表する家庭料理だからなのだろうか。
 これが焼き立てのバゲットと非常に相性がいい。水を飲みながらトルティージャとバゲットを交互に口に入れてしまう。二人は完食するまで首を左右に振るのを止められなかった。
 そしていよいよ、スイーツの出番だ。
「 チュロスとチョコラテ・スイソ!  聞いたことあるやつ!!」
「ふんふん、揚げたてのチェロスはチョコラテにつけて食べても美味しいんだね、早速試してみようっと☆」
「ティエル、食べさせてあげる! はい、あーん♪」
 ミフェットがチョコラテにディップした熱々のチュロスの端っこをティエルに差し出す。
「ありがとう、ミフェット! あーん☆ あむっ! おいひ~♪」
「ティエルったら、口がチョコまみれ! って、あれ? これ、ミフェットは頼んでないよ?」
 突然、彼女達のテーブルに市場に売られているフルーツの盛り合わせが運ばれてきた。
 店内にいた常連客が、さっきの二人のパフォーマンスに感動してプレゼントしたいと申し出たのだ。
「わお☆ これ、あちらのお客様からですってやつだよ、ミフェット!」
「ありがとうございます! でも、ミフェットはこんなに食べきれないから、よかったらみんなで食べましょう!」
 ミフェットの優しい心遣いで、店内は終始和やかな食事風景が続くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴァルターン・ギャンビット
(バルセロナ上空に突如現れる宇宙艦『スペースダイナソー号』。そして宇宙艦から降りてくるヴァルターンと【宇宙忍者軍団】。)
フォッフォッフォッ、ここが惑星『地球』の観光地か。中々いい場所じゃねえかッ!
てめえらッ!今日は存分に羽を伸ばすぜッ!
金の事なら気にすんな、グリモア猟兵の姐ちゃんの奢りだからなッ!
「「「「ひゅー、太っ腹ッ!」」」」

先ずは腹ごしらえだな。そこらの住人に店の場所を聞いてみるか。
ようアンタ、ここらでいい店をしらねえか?肉が旨い店だとなお良い。
ん?俺達が気になるのか?俺達はシノビン星人。
宇宙艦に乗って遠い宇宙からやって来た猟兵よッ!
この世界じゃ宇宙人は珍しいか?


【アドリブ歓迎】



 この日、バルセロナに住む獣人達は忽然と空に現れた巨大な円盤型飛行物体を忘れることはないだろう。
 更に言えば、その飛行物体から光柱が街中を照らして宇宙人を大量に市街地へ着陸させたことを、決して忘れないだろう。
「フォッフォッフォッ、ここが惑星『地球』の観光地か。中々いい場所じゃねえかッ!」
 円盤型飛行物体もとい宇宙艦『スペースダイナソー号』からド派手に降り立ったのは、侵略宇宙人……ではなく、猟兵でありスペースオペラワールドからはるばるやってきたヴァルターン・ギャンビット(宇宙忍者軍団の頭領・f38772)と彼の部下である宇宙忍者軍団のシノビン星人達133人の一団であった。
「てめえらッ! 今日は存分に羽を伸ばすぜッ! 金の事なら気にすんな、グリモア猟兵の姐ちゃんの奢りだからなッ!」
「「「「ひゅー、太っ腹ッ!」」」」
 はしゃぐ部下達。しかしヴァルターンは彼らを一喝した。
「おいてええらッ! 観光地だからって浮かれて現地の人達に迷惑かけんなよッ! 俺達の目的はなんだッ!?」
「「「豪遊で地域活性化ッ! 街の人達を笑顔にッ!」」」
「そうだッ! だからこそ余所者の俺達は礼儀を弁えねぇとなッ! くれぐれも団体行動を乱すなよッ!」
「「「分かりましたッ!」」」
 めちゃくちゃしっかりした頭領と従順な部下達であった。
 そんなことを街中でやっていれば、いくら猟兵が違和感を与えないとはいえ注目を浴びるのは必然である。
「ちょっとすいません、バルセロナ市警の物ですが」
 ほら、言わんこっちゃない。警察のシカさん(階梯2)がヴァルターンに職務質問してきた。
「団体さんで道のど真ん中を占拠されると困っちゃうんだよね。って、あんた虫みたいな顔してるな?」
 これにヴァルターンは頭を下げながら弁明する。
「ああ、それはすまねぇ。つか、俺達が気になるのか? 俺達はシノビン星人。ハサミのような両手のセミ人間と言うべき姿をした、誇り高き宇宙忍者軍団だッ! そんで、宇宙艦に乗って遠い宇宙からやって来た猟兵よッ! この世界じゃ宇宙人は珍しいのか?」
「君、外の世界から来た猟兵なんだね? まさか宇宙人が猟兵とはなぁ……珍しいというか、宇宙人なんてみんな信じてないんだけども」
「そ、そんなッ!」
 ガビ~ンッと両ハサミの手を天に掲げてオーバーリアクションするヴァルターン。
 早くも獣人戦線とスペースオペラワールドの認識のズレに直面してしまう。
「宇宙人ッ! お前の目の前にいるじゃねぇかッ! 俺がッ! 宇宙人だッ! 現実を直視しろッ! ふざけんなッ!」
 当然、ヴァルターンはシカ警官を叱り飛ばす。シカ警官もものすごく気まずそうに眉尻を下げて肩を竦めていた。
「わ、悪かったから。お巡りさん、まさか外の世界に宇宙人が実在するとは思ってなかったんだ。お詫びとして、最近流行ってるバルを紹介するよ」
「バル? なんだ、そいつはッ?」
 首を傾げるヴァルターンへ、シカ警官はバルとは何ぞやと教えてくれた。
 シエスタ(昼寝)の習慣・文化が根付いているスペインでは、食事処の開店時間は午後2時以降が常識だ。
 だからスペイン人の食事は遅い昼食から始まる。
 しかし、習慣と文化とはいえ、午前中にお腹が空いた場合はどうすればいいのか?
 それを解決してくれるのがバル……お酒を出す軽食店である。
 バルは午前中から開業しているところが多く、スペイン文化に不慣れな旅行客が多く集う場所だ。
 また地元の常連客の溜まり場となっており、食事がてら観光名所を訪ねるのにはぴったりの場所だ。
「よっしゃッ! だったら俺達はバルに行くぜッ! おすすめはあるのかッ?」
「あ、ああ……本官もたまに“休憩”する、馴染みのバルがあってね……ゴニョニョ……」
 こうして、シカ警官のサボり場所こと行きつけのバルへとシノビン星人御一行は大移動を開始した。
 しかし……。
「なんてこったッ! 人数が多すぎて全員座れないだとッ!?」
 店内はは入れて30人までくらいの小さな敷地であった。
 やむなく130人近くはテイクアウトで済ませることにした。
 ただ首領であるヴァルターンは、部下の勧めで店内でゆっくり寛いでいる。
「おッ! 来た来たッ! スペインにはイベリコ豚っていう美味い豚肉があるらしいなッ? ポークステーキ……分厚い肉を香草と岩塩で焼くだけのシンプルさッ! 牛肉じゃなくて敢えて豚っていうのも面白いじゃねぇかッ! くぅ~ッ! この焼けた網目が食欲をそそるぜッ! もう辛抱堪らねぇッ! いただきますッ!」
 器用に両ハサミでカラトリーを掴んで豚肉を切り分け、セミのような細長い口元へ肉を持っていく。
 すると、針のような口元の前で肉の塊が瞬間移動したかのように消失したではないか。
「美味ぇえッ! 脂身がジューシーィィだぜッ! そして甘味すら感じるッ! これは岩塩を振ったからだなッ! 旨味を引き立たせてくれてるのかッ! そして香草ッ! 豚の臭みを消して、食べた時に油っぽさを解消してくれてるぜッ! 調理法はシンプルなのに、どうしてこんなに計算高いんだッ!? つか肉が柔らけぇ~ッ! 歯ごたえはあるのに、口の中で肉の繊維がホロホロと解けてゆくぜぇッ!」
 一緒に出された焼き立てのバゲットと一緒に、分厚いポークステーキを食すヴァルターンは大いに満足した。
 ちなみに130人の部下は、ワンハンドで楽しめるイベリコ豚のハムサンドイッチを美味しく食べていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と一緒に。

バルセロナって確かサッカーで有名だっけ(変に偏った知識)。生まれて初めて、異世界とはいえ行く海外旅行だから、バイトの事は忘れて楽しもう。

オリガがライブやっている間に私は聞き込みをって、頭の百合の花見てる…。確かに珍しいけどって変な触り方しないで!くすぐったい…。オリガ早く来てよぉ…!

(数分後)やっ、やっと終わった…。ってオリガ、なんでいきなり手を握り締めて走り出すの⁉
そうして走り出した私は、去年の無人島の風とは違う爽やかな潮風を浴びながら、オリガと共に勧められた店へ駆け出していくのだった…。

(スペインには詳しくない為、オリガ同様お任せでお願いしたいです。)


オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に!
ついに来たわよ、異世界だけど初の海外!しかもバルセロナよバルセロナ!有名な都市に来たらやることは一つ!アンナと楽しむ事よ!…あと普段からアレだし、労うためにも。

着いたら猟兵だからか注目されてるわね。なら食事前の腹ごなし兼バルセロナの活気付けのため、【共鳴する行進歌】でも歌いますか!楽器展開、マイクチェックOK!行くわよ!

歌い終わって周囲を見たらアンナが困ってるし、助けましょうか。おススメを聞き出せたら、アンナと手をつないでそれがある店へ行くわよ!
「さぁバルセロナが、今年の夏があたしたちを待っているー!」

(おススメの料理と店での描写はお任せでお願いします)



 アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)とオリガ・ホーリエル(黒き天使を支える水着メイド(アルバイト中)・f12132)の二人は、未来を誓い合った最愛のパートナー同士である。
 そんな彼女達がグリモアベースで海外旅行の話を聞いたならば、二人のアルバイト先へ真っ先に休暇届を出して転送されるのは必然であった。
「ついに来たわよ、異世界だけど初の海外! しかもバルセロナよバルセロナ! 有名な都市に来たらやることはひとつ! アンナとこの旅行を楽しむ事よ!」
 オリガは歴史情緒あふれるレンガ造りの街並みに目を輝かせながらも、アンナの手を片時も放そうとしない。
 手を引っ張られるアンナは、オレンジと白のコントラストの建物が立ち並ぶバルセロナ市街地に周囲をきょろきょろ見渡しながら最愛の人に問いかけた。
「ねぇオリガ? バルセロナって確かサッカーで有名だっけ?」
「えっ? う、うん、多分そうだったはずだけど? アンナのバルセロナの知識、偏ってない?」
 苦笑いを浮かべるオリガ。
「うん、自覚してる……」
 これにアンナは少々気まずそうに目を澄み渡る異国の青空へつぅーっと逸らしてゆく。
「だって、異世界とはいえ、生まれて初めて行く海外旅行だから。予備知識とかそんなになくて……」
「大丈夫よアンナ! 一緒に楽しむって言ったじゃない! あたしだってスペイン料理のことは詳しくないわよ? そうね、有名なカステラくらいしか知らないから!」
「それ、これからご飯食べに行こうとしてるのに言っちゃうんだ……? あとカステラはポルトガルのお菓子……まあ、私もスペイン料理は詳しくないんだけど」
「心配しないで! 旅の醍醐味は手探りで情報収集することも含まれているわ! それに、ほら……あたしたち、毎日バイト漬けでアレでしょ……?」
 そう語るオリガの顔が一気にどんよりと陰ってゆく。
 彼女達が勤務しているコンセプトカフェは様々なコスプレ衣装を身に纏った従業員が給仕してくれるのがウケにウケたらしく、経営陣は何を思ったのか、猟兵達が現在発見した全24世界に支店を出すという無茶苦茶な経営方針を発表。本来、グリモア猟兵に頼らなえれば界渡りが出来ないはずだが、この経営陣は本当に現在発見された世界すべてに支店を出してしまった。そして猟兵であるアンナとオリガは、夏休み期間限定とはいえ全24支店を巡回しながらアルバイトする日々を送っていたのだ。
 つまり、端的に言えば異世界を股に掛けた超過労働事案でドが付くほどブラック業務三昧であった。
「うん、だから今日はバイトの事は忘れて楽しもう。休暇届を受理してもらわなかったら私、何するか分からなかったからね?」
 経営陣も詰め込み過ぎのシフトに負い目を感じていたのだろう。もしくはアンナの殺気から命の危機をひしひしと感じ取ったのだろうか。
「そうそう! お互い労うためにもバルセロナを満喫するわよ!」
 励ましの言葉を口にするオリガがアンナをリードしながら、早速二人のバルセロナ観光が始まった。
 まずは食事を出来る場所を見付けなくてはならない。
 そのためには現地の人に声をかけなくてはならないのだが……?
「あら? やっぱり獣人じゃないから注目されているようね?」
 オリガの言葉通り、彼女達は大っぴらではないが周囲の獣人達が見慣れない二人をチラチラと盗み見ているのを感じていた。
「参っちゃうわね! やっぱり異世界から来た猟兵ってオーラが半端ないの? アンナ、わたし、みんなの視線を釘付けにしてるわ!」
「それは私もそうなんだけど。やっぱり黒白一対の翼って目立つよね」
 アンナの背にあるオラトリオの翼は生まれつき片方が真っ黒に染まっている。これが原因で嫌な思い出も味わってきたので、注目を浴びるのは多少抵抗があるのはやむなしだ。アンナもどこか不服そうに唇を尖らせている。
 そんな最愛の人の表情を見たオリガの心は、突如として使命感に燃え上がる。
(アンナが不機嫌になってる! せっかくの初海外旅行を嫌な思い出にしたくないわ!)
 だからオリガは行動に移す。バルセロナの市民も、大切な人も、笑顔になってほしいから。
「食事前の腹ごなし兼バルセロナの活気付けのため、『|共鳴する行進歌《シンフォニック・マーチ》』でも歌いますか!」
 ちょうど足を運んだ有名な噴水前を陣取ると、オリガは何処からともなく楽器類を顕現させてゆく。
「全自動式バーチャル楽器セット展開、あー、あー、マイクチェックOK! それじゃ、行くわよ!」
 バルセロナの巨大な噴水をバックに、ゲリラライブ開催だ!
 かつてオリガの母が歌い教えてくれた旋律が奏でられ、彼女の魔王たる歌声で一瞬でオーディエンスを魅了してゆく!
「皆様! まだまだいけるはずですわよ! バルセロナーっ!」
「「OHHHHH!」」
「もっと騒ぎなさいスペイーン!」
「「FUUUUUU!」」
 初のバルセロナ入りでコール&レスポンスをこなす、うたの☆魔王さま。流石の貫禄である。
 一方、そんな熱気にアンナは心を震わせていた。
「オリガ、私が落ち込んでいるのを見越して歌ってくれた? バルセロナのみんなも一瞬で元気になった……!」
 どこまでも真っ直ぐに愛を注いでくれるオリガに、アンナは薄っすら目尻に涙すら浮かべる。
「そうだ、私も落ち込んでられない。オリガが頑張ってる間に、美味しいお店の聞き込みをしなくっちゃ」
 アンナの心にも決意が漲り、ライブで熱狂する人々に頑張って声を掛けた。
「あ、あの、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
 声を掛けたのは狼の親子連れ(階梯2)。小さな男の子がアンナの顔をじーっと注視していた。
 アンナも一心不乱に見詰められると気になってしまうので、男の子に尋ねてみた。
「どうしたの? 獣人じゃないから気になる?」
「ううん、ちがうの。おねえちゃん、あたまにお花はえてる。へんなの」
「へ、へんなのって……」
 面食らったアンナへ男の子の両親が平謝りする。
「すいません、うちの子がとんだ失礼を!」
「ほら、おねえちゃんにごめんなさいしようね?」
 両親に促された男の子は、不服そうに膨れっ面をする。
「だってみんな、あたまにお花はさかないよ? ねえなんでおねえちゃんのあたまにお花があるの?」
 男の子は無邪気に、そして興味本位でアンナの頭に咲く白百合の花を触れてくる。
 獣人戦線の世界しか知らない子供にとっては、オラトリオの髪に花が咲くなんて現象を知る由もない。
「ひゃっ!? 変な触り方しないで! くすぐったい……!」
「こら! やめなさい! おねえちゃんが嫌がってるじゃないか!」
「うえぇえぇぇんっ!」
「す、すいません! 痛くなかったですか!?」
 男の子は父親にきつく叱られて泣き出し、母親はペコペコ頭を下げ続ける。
 アンナはそれほど社交的ではなくコミュ障気味なので、この状況にパニックになってしまう。
「あ、あの、私、オラトリオって種族で、確かに珍しいけど、そういう感じで……ああぅ、オリガぁ~早く助けてぇ……!」
 戦場では敵を容赦なく屠る呪詛天使も、一般市民に手をあげるわけにもいかず。オリガのライブが終わるまで、アンナは別の意味で涙ぐんでしまっていた。

「えっぐ……怖かった……子供怖い……」
「よしよし、ごめんなさいね、すぐ助けてあげられなくて……」
 人目をはばからず抱き締め合うアンナとオリガ。
 あのあと、オリガがすぐに気付いてライブは急遽終了。
 狼親子に厳重注意をして、街で評判のバルの場所を聞き出した次第である。
「さあ! 気を取り直してオススメのお店へ行くわよ! バルセロナが、今年の夏があたしたちを待っているー!」
「う、うん! 今度こそ楽しもう!」
 二人は教えられたバルに入店し、スペイン料理の定番中の定番、エビのパエリアとイカスミパエリアを注文した。
 しかし、それらは1人前が超巨大なパエリア鍋で運ばれてきてびっくり!
「こ、これで本当に1人前? 量が間違ってないかな?」
 アンナが恐る恐る階梯1の兎店員に尋ねる。
 すると兎店員は笑顔で告げる。
「バルセロナっ子はこれくらいペロリさ! 毎日食べてるよ!」
「どうみても3~4人前あるわね……! うぅん……」
 オリガもテーブルを占領する黄色と黒のパエリアに唸り声を出してしまう。
 それでも料金はとっても良心的な価格帯。さすが国民食。
 やむなく、二人は店主に相談し、食べきれなかった分をテイクアウトできないか交渉する。
 すると店主は快くこれを承諾し、大きな透明プラパックに半分ずつ詰めてくれた。パエリア弁当の完成である。
 こうして、大皿左右でハーフ&ハーフとなったパエリアを、二人は仲良くシェアしながらいただく。
「わ、エビの風味がすごい……!」
「イカスミの濃厚な味わいと香りが口の中で広がるわね!」
 本場のパエリアの味は、さっきまでのトラブルをきれいさっぱり忘れさせてくれるほど鮮烈な海鮮の旨味がたくさんで、ふたりは夢中になって完食してしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
「ご主人サマー☆バルセロナだよ☆スペインだよ☆」
UDCアースとかシルバーレインとかでも全然行った事なかったな!
大体日本だったし!
此奴は名物料理を堪能するしかねー!
食い倒れかますぞ!
「ひゃっはー☆」
という訳でお勧め料理を食べまくるぞ!(内容は今回はMSお任せ!

何でもかんでも美味しく頂きます
「マルミタコ美味しいー☆」

そういや色々とUC披露して元気づけなければいけなかったのか
そういう見栄えする奴は…
「ご主人サマ☆そういう時は幼女ま」
するわけねーだろ!規模を考えろ馬鹿野郎!
之で我慢しろ!UC発動
「「いーやっふー☆」」
という訳で念動力で飛び回りながら無数の少女が踊り狂うカオス光景
ジャパニア料理も配膳☆



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は相棒のメルシーと共に獣人戦線のバルセロナに転送されてきた。
「ご主人サマー☆ バルセロナだよ☆ スペインだよ☆」
「そういやUDCアースとかシルバーレインとかでも全然行った事なかったな! 大体が日本だったし! 此奴は名物料理を堪能するしかねー! おいメルシー! 覚悟はいいか!? 食い倒れかますぞ!」
「ひゃっはー☆」
 と、いうことで二人は街ゆく獣人達に次々と声を掛けてゆく。
 この辺りはコミュニケーション強者の片鱗を見せるメルシーに助けられる。
「へえー☆ そのマルタミコっていうのが美味しいんだね?」
「そうさ、この辺りのバルの中では、その店のマルタミコが一番美味いぜ!」
 そう語るウマの獣人(階梯3)が自信たっぷりに答える。
 だがその表情にどこか陰りが見える。
「なあ、情報を渡したんだから、寄越すものを寄越せよ」
 ウマの獣人は空いた手を差し出してきた。どうやら情報料を欲しているようだ。
「ちっ……まぁギブ&テイクですからね。もってけ!」
 カシムは札束をウマの獣人の鼻っ柱にぶつけて踵を返した。
「ご主人サマ……なんかごめんね?」
「メルシーが謝る必要はねーよ。この街の治安が悪いだけだ……」
 カシムは心当たりがある。食料を求めて街へ出向いた際に、浮浪者の大人がああやって日銭を稼いでいるのを見たことがあった。心に余裕があれば、あんなことは誰もしたくない。それは見ていたカシムが一番理解している。
「そういや、グリモア猟兵から色々とユーベルコードを披露して、市民を元気付けなければいけなかったか。確かに辛気臭ぇー雰囲気だし、物乞いが増えるのも一理あるな?」
「メルシー達がお金ばら撒きながら練り歩く?」
「それも派手だが、幾ら他人の金とはいえ僕の理念違反する……! ええと、そういう見栄えするユーベルコードを……」
 カシムが逡巡すると、メルシーが食い気味に意見を出してきた。
「ご主人サマ☆ そういう時こそ幼女ま――!」
「ふざけんな! するわけねーだろ! 規模を考えろ馬鹿野郎! バルセロナがてめーらで占領されるわぼけぇぇぇ!」
 万単位のメルシー幼女軍団が街を占拠したら、それこそ大パニックである。
「しゃーねーな! 之で我慢しろ! パラダルク!」
「「いーやっふー☆ ドラグナーガールモードだぞ☆」」
 142人の分身体になった踊り子風メルシー軍団は、念動力で飛び回りながらバルセロナの上空で踊り狂う。
 なんというカオスな光景か!
 当然、バルセロナ市民は一斉に空を見上げて指を差す。
 情熱の国らしく扇情的に身体をくねらせ、ダンスがいよいよ激しさを増してゆく。
 ドラグナーガールのメルシー軍団は、一糸乱れぬコンビネーションダンスで人々を熱狂させて大喝采を浴びたのだった。

 そして……。
「マルミタコ美味しいー☆」
「まぐろとじゃがいものトマト煮込みか、うめーなこれ?」
 カシムとメルシーはバルで目的のマルタミコにありついていた。
 更にスペイン風オムレツであるトルティージャを堪能。
「ふわふわほくほくで食べ応えあるよ☆」
「中のジャガイモがいい仕事してるじゃねーか」
 更に牛肉のフリカンドと呼ばれる伝統料理も堪能。
 大満腹で二人は店を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
えー!? レモンちゃんと遊べないのー!?
「ちぇー… |妹さん《ライムちゃん》含めて色々とお世話になってるから、エスコートしてあげたかったんだけど…」
まぁ、これもグリモア猟兵としてのお仕事って事で、お土産はいーっぱい用意してあげよーっと!
僕はUC:無限収納 があるから、|あとで《お仕事が終わったら》お土産渡せる様に楽しむぞー!

「まぁまずはパエリアだよね!」
勿論、僕の分とお土産用(無限収納行き)を頼みつつ、美味しそうなおすすめタパスとおすすめワインをもぐもぐごくごく!
「このおすすめのタパスって持ち帰り出来ますかー?」
次のお店でも肉厚~なアンチョビやら巨大白アスパラとかのタパスとお酒をもぐごく!
「あ、これ美味し~」
3件目のお店のバゲットに乗った子牛のステーキも美味しいけど、スペイン風ジャガイモのオムレツは外せないよねー!
「このチュロスはちょっと多めに持ち帰りして…っと」
通りすがった人気のお店のチュロスは他の人がドン引くぐらい大量にお買い上げ!
僕のおやつにもいいし、お土産にも良さそうだからね!



「えー!? 金髪ポニテのグリモア猟兵ちゃんと遊べないのー!?」
 インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は唇を尖らせながらバルセロナの街を闊歩していた。
「ちぇー…… 妹さん含めて色々とお世話になってるから、エスコートしてあげたかったんだけど……」
 ただでさえ色々と困窮している国で猟兵達が安心して羽目を外すためにも、色々と超法規的措置やら治安維持の強化など、裏で手を回さなければならない事が山積みなのだ。それをこなすのが裏方の仕事なので仕方がない。
「まぁ、これもグリモア猟兵としてのお仕事って事で、お土産はいーっぱい用意してあげよーっと! 僕はユーベルコードに『|無限収納《インベントリ》」 があるから、|あとで《お仕事が終わったら》お土産渡せる様に楽しむぞー!」
 こうして、インディゴのバルセロナ食い倒れ道中が幕を開けた。

 インディゴは街ゆく獣人達に声を掛けたりなどしない。
 彼は巧みに街中で気配を消し、足跡すら立てずに人々の近くを通過しながら聞き耳を立てる。
(情報は足で集めろ、ってねー? 美味しい店は大抵口コミになってるはず!)
 すると、自分以外の猟兵達がどこで何を食べたのかという噂がすぐ耳に入ってきた。
(なるほどー! 今はまだレストランは閉まってるんだねー、それじゃー僕もバルで軽食とお酒を楽しむプランで行こうーっと!)
 そうと決まれば、まずは他の猟兵が訪れたパエリアの美味しいお店へ足を運ぶインディゴ。
「まぁまずはパエリアだよね! すいませーん! このメニューの端から端まで、全部くださーいっ!」
 ざわ……っ! ざわざわ……っ!
 インディゴの豪快な注文内容に、店の店主と常連客は一斉に彼を二度見した。
 だがインディゴは笑顔で注文を繰り返した。
「すいませーん! このメニューの……」
「端から端までですね!? あの……かなり時間がかかりますが、よろしいですか!?」
「うんっ! 全然オッケー! あ、でも先にワインを貰えると嬉しいなー? お金ならいくらでもあるから、お願いしまーすっ!」
「か、かしこまりました!」
 店主は厨房の奥で何かを早口にまくし立てると、しばらく戦争めいた騒音と調理音がフロアに響いてきた。
「はあ……はあ……ま、まずはこちら、10年モノの地元産白ワインです」
 店主が肩で息を切りながら、白ワインの瓶をグラスに傾けてくれた。
「ありがとうー! 魚介類のパエリアにはやっぱり白ワインが合うよねっ! パエリアも期待してるっ! それと、あとで赤ワインもちょーだいっ? 勿論、お肉料理と一緒にっ! そうそう、このおすすめのタパスって持ち帰り出来ますかー? というかそれ見越して|注文《オーダー》したんだけど?」
 インディゴは支給された札束の山をドスドスッと積み上げながら店主へ圧をかけてゆく。
 こんな事されたら、店主も頷かざるを得ない。
「やったーっ! それじゃ、そのタパスとパエリアの一部はテイクアウトするねー?」
 インディゴ、豪遊の極み……っ!
 運ばれてきたエビとムール貝のパエリアを白ワインで堪能しつつ、運ばれてきた料理を次々とユーベルコード製の茨が纏わりついた扉の中へ吸い込んでゆく。自身曰く、この扉の先にある屋敷を物品保管庫として使用しており、飲食物は自動的にキッチンへ転送されて経年劣化しないらしい。つまり、インディゴが窮した時点の品質が保持されたまま、腐りも痛みもせず冷めたりぬるくなったりもしないという便利なユーベルコードである。
「お肉料理と赤ワインも最っ高ーだった! それじゃ~次行ってみよー!」
 まさかのハシゴ酒である!
 今度は別のバルへ足を踏み入れると、肉厚なアンチョビと巨大白アスパラのアヒージョや生ハムのスライスを堪能するインディゴ。
「あ、これ美味し~。ワインが進んじゃうねっ!」
 ちなみに2件目も全メニューを制覇。
 この時点で2時間が経過、もうそろそろ午後1時に差し掛かろうとしていた。
「へ~、2時過ぎにレストランが始まるところがあるんだ? そっちも気になるなー? ってこのバゲットに乗った子牛のステーキも美味しいけど、やっぱりスペイン風ジャガイモのオムレツは外せないよねー!」
 資金にモノを言わせてどんどん注文するインディゴ。
 そんな羽振りの良さをみせつけるインディゴの噂は、たちまちバルセロナ中のバルに広まっていった。
 なので、こんなハプニングも……。
「お、いたいた! あの藍色の髪の奴じゃねえか?」
「なあ、アンタ? なんだかすげぇ羽振りが良いらしいじゃねぇか? カネがない俺達にも奢ってくれよ?」
 噂が広まるとインディゴに絡んでくる常連客も現れだすが、これを彼は二つ返事で快諾する。
「いいよ~! ほら、好きなだけ飲んでいってねっ! それじゃーねー?」
「お、おい!? あいつ、やりやがった!」
「どけっ! 俺が拾うんだ!」
「こっちはいただくぜ!」
 インディゴは手にした札束を店内にまき散らしながら颯爽と去ってみせ、バルの中の喧騒など目もくれない。
 そんな彼は周囲の市民からは自然と拍手で見送られるのだった。
 ……だが、インディゴ伝説はまだ終わらない。
 彼は偶然にも例のブツを発見してしまったからだ。
「おおっとー? あれはスペインの銘菓チュロスだー! 本場のチュロス! ちょうどお店が暇そうだし、たくさん頼んでも大丈夫だよね? ……おねえさん、すいませーん! チュロスの在庫を全部くーださーいなっ?」
「え、ええええっ? あ、ありがとうございます……っ! 売れ残っちゃってどうしようって落ち込んでたので、助かります~!」
 店主と思しき階梯3の狼娘さんが飛び上がるほど喜んだ。
 こうして不景気真っ只中のスペインに降臨する大富豪インディゴは、チュロスのキッチンカーまでも救ってしまった。
「このチュロスもお持ち帰りしてっと……別に僕のおやつにもいいし、お土産にも良さそうだからね! あむっ、んっ美味し~♪」
 インディゴの豪遊を発端に、バルセロナの街に異世界の猟兵の噂がどんどん広まってゆく。
 バルセロナの時刻は、そろそろ午後2時に差し掛かろうとしていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『街で遊ぼう!』

POW   :    体力の続く限り遊ぶ

SPD   :    地元住民達と遊びで勝負する

WIZ   :    ひとつの遊び方を極めてみる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 バルセロナのグルメを堪能したら、次は本格的に観光を開始しよう。
 ここバルセロナはこれでもかと観光名所だらけの街だ。
 歴史的建造物や有名な大聖堂がいくつも存在しているので、それらを巡るだけでも一日を費やせるほどだ。
 特にサクラダ・ファミリアとサンタ・エウラリア大聖堂は人気が非常に高い観光スポットだ。

 また文化遺産の展示・保護にも力を入れている都市でもある。
 有名なカタルーニャ宮殿は一部が美術館となっており、一般人でも見学料を支払えば自由に出入り可能だ。
 宮殿自体もとても造形美に優れているので、一見する価値があるだろう。
 また各所に点在する公園自体も文化遺産として保護されており、美しい景観が獣人戦線の戦時下でも保たれている。

 バルセロナといえば美しい建造物だけじゃない。
 大小さまざまな市場が点在しており、そこで買い物を楽しむのも文化に触れる意味で有意義な時間を過ごせる。
 観光客に人気なのはバルセロナのメインストリート、ランブラス通りにある『ボケリア市場(別名サンジュセップ市場)』である。地元の雰囲気を肌で感じながら、地元産の野菜やフルーツ、特産のイベリコ豚の生ハム原木を始めとする肉類、地中海で獲れた魚介類、スイーツの類いなど、まさに食材の宝庫だ。

 勿論、アクティビティも充実している。
 地中海沿岸のバレアレス海は澄み切った透明度を誇る内海で、波も穏やかで海水浴に持ってこいだ。
 水着を持ち込んだ猟兵達は、是非とも地中海バカンスの醍醐味といえるこの場所を訪れてほしい。

 ……とはいえ、全部を回り切るにはどうしても時間が足りない。
 目的を1つに決め打ちするか、多くても2つまで候補を絞って行動すべきだ。
 それでは、猟兵達よ。充実した夏のバルセロナの午後の時間を楽しんでいただきたい。
カシム・ディーン
さて…お腹いっぱいになりましたし…贅沢の一つである観光といきますか

こうインテリ系盗賊であるカシムさんは美術にも興味ありです

という訳で宮殿を見学します
まぁ…実を言うとこういう芸術的な価値ってあまり詳しくねーから勉強もかねてだな
「ご主人サマってば星月夜とかと賞とった子供の絵画見分け付かなかったもんね☆」
うっがー!割と分からねーよああいうの!?格付けチェックの気持ちが分かった…(げふぅ

という訳で存分に見学します

そして…バレアレス海いくぞ!
「ひゃっはー☆」水着しゃきーん!

すげーな透明度…UC使ってねーのに空飛んでる気分…
「お日様の光で絶景だぞー☆」

後は大きめの浮き輪でぷかぷか浮かんでゆらゆら



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は相棒メルシーと共にバルセロナ市街地の散策を開始。
 真夏のバルセロナの日差しはギラギラに輝くも、湿度が少なく海風も拭く為か気温26℃前後と過ごしやすい。
「さて……お腹いっぱいになりましたし……贅沢のひとつである観光といきますか」
「ご主人サマ、どこ行くのー? メルシーは見て回るだけでも楽しいぞ☆」
 実際、バルセロナの市街地の建物は殆どが白レンガ造りで目に美しく、ただ市街地を散策するだけでも異国場長を満喫できる。
 だがカシムは迷いなく目的地へ向けて歩を進めていた。
「メルシー、分かってないなおめー? インテリ系盗賊であるカシムさんは美術にも興味ありです。つまり向かうべき場所はただひとつ……!
 カシムが指差す先に、真っ白で豪奢かつ巨大な建造物が見えてきた。
「カタルーニャ宮殿だ! 建物の一部に美術館もあるらしーな。ここで美術品への理解と鑑定眼を養うぞ」
「さすがご主人サマ! 盗賊の鑑だね☆ それで、ご主人サマの美術品の理解度ってどれくらい?」
 メルシーは興味津々でカシムに尋ねてくる。
 するとカシムは気まずそうに目を細めて苦笑する。
「まぁ……実を言うと、こういう芸術的な価値ってあまり詳しくねーから……勉強もかねてだな」
「そっかー☆ そういえばご主人サマってば、絵画の展覧会で受賞した子供の作品がどれか見分け付かなかったもんね☆」
 そのメルシーのツッコミにカシムは耳まで真っ赤にして怒鳴り出す。
「うっがー! その話はやめろ! つか割と分からねーよああいうの!? 格付けチェックの気持ちが分かった……はあぁぁ~」
 深い溜息をしたのち、カシムは目の前に迫ったカタルーニャ宮殿の全容をその目に収めるべく周囲を見渡し始めた。
「月並みな感想だが……でけーな!」
 言っておくが、カシムの語彙力が欠如しているわけではない。
 カタルーニャ宮殿は本当に圧倒的なスケールで見るものを魅了させるからだ。
 正面の大階段は白レンガ造りで建物の壁と一色に染まって太陽の光を反射してキラキラと輝いている。
 寸分狂わぬシンメトリーの造形美も延々と見ていられるし、階段中央に流れる滝めいた噴水の水音も耳に涼やかだ。
 宮殿に近付いてみれば、まつで中世ヨーロッパにタイムスリップしたかのような感覚に五感を包まれ、歴史のロマンも感じられた。
「宮殿だけでこれだけ心躍るなら、博物館の展示物も期待が高まるな……! 博物館はあっちか! 行くぞ!」
「あ、ちょっと待ってよご主人サマー!!」
 カシムはメルシーを置き去りするほど夢中になってしまう。
 展示されるロマネスク美術・ゴシック美術の作品の数々に、カシムは案内役のオオカミ学芸員へ幾つも質問をぶつけるのだった。

「バレアレス海だー☆ メルシーはこっちのほうが好きだぞ☆ ひゃっはー☆」
 カシムの審美眼レベルがうなぎ上りした一方で暇を持て余していたメルシー、ようやく念願の地中海の海水浴タイムに水着早着替えをするほどテンションが爆上げしていた。
 白猫レイヤード水着でバレアレス海の穏やかな波へ突撃するメルシーの後ろから、濃紺のクオーターパンツ水着のカシムが浮き輪を抱えて後ろから追いかける。
「よし! 地中海で泳ぐぞメルシー! って、すげーな海水の透明度……!」
 カシムとメルシーは大きめの浮き輪でぷかぷか浮かんでゆらゆらしながら、真っ青なバルセロナの青空とバレアレス海を交互に見遣る。
「ユーベルコードを使ってねーのに空飛んでる気分だな……極楽だな……!
「お日様の光でキラキラだね☆ 絶景だぞー☆」
 このあと2人は海水浴を満喫しつつ、浜辺でジェラートや七色の彩りのトロピカルジュースを堪能して夏を全身で体感し続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴァルターン・ギャンビット
よ~し、てめえら。ここからは自由行動だ。
何かあったら『コミュニケーターマフラー』で連絡するように。それじゃ解散ッ!
(思い思いにバルセロナに散らばって観光しにいく【宇宙忍者軍団】)

フォッフォッフォッ、ここに来る前に軽く事前調査していたのさ。
何でもサクラダ・ファミリアなる場所は観光として外せないらしい。部下何人かもそちらに向かってるな。楽しみだぜ。

うおおお、立派なもんじゃねえかッ!スペースオペラワールドでも、そうそうお目にかかれない建築物だぜッ!
これで未完成?マジかッ!?
そのまま観光を続けるぜ。中入れるのかな?ワクワクが止まらねぇ。
後、お土産。サクラダ・ファミリア饅頭とかあるかな?


【アドリブ歓迎】



 バルセロナの住民達に宇宙人の存在を知らしめたヴァルターン・ギャンビット(宇宙忍者軍団の頭領・f38772)と宇宙忍者軍団シノビン星人御一行。
 集団行動で観光するには少々人数が多い事に気付いたヴァルターンは、配下達の前で宣言した。
「よ~し、てめえら。ここからは自由行動だ。何かあったら『コミュニケーターマフラー』で連絡するように。それと自分が出したゴミは持ち帰るようになッ? それじゃ解散ッ!」
「「はいッ!」」
 こうして、シノビン星人達はバルセロナ中に散り散りになって各々の行きたいことやりたいことを満喫してゆく。
 そして当然ヴァルターンも、かねてから訪れたい場所があった。
 それが……。
「フォッフォッフォッ、ここに来る前に軽く事前調査していたのさ。何でもサクラダ・ファミリアなる場所は観光として外せないらしい。部下も数名がそちらに向かってるな。楽しみだぜ」
 サクラダ・ファミリア!
 それは、カタロニア・モダニズム建築の最も良く知られた作品であり、バルセロナのシンボルとして市民に愛され続けている。正式名称を翻訳すると『聖家族贖罪教会』となり、文字通りこの建物は教会聖堂である。
 サクラダ・ファミリアの褒め称える箇所は数多に存在するが、一番顕著なのは“未だに完成していない”作品群である点だ。
「うおおお、立派なもんじゃねえかッ! スペースオペラワールドでも、そうそうお目にかかれない建築物だぜッ! これで未完成? マジかッ!? 中入れるのかな? ワクワクが止まらねぇ。なになに? これを設計した有名な建築家は、聖堂やのひとつひとつを作品としてこだわり抜いたが、戦時下での寄付金の減少と、昨今の内戦で彼が残した設計図や模型、彼の構想に基づき弟子たちが作成した資料のほとんどが散逸した、だとッ!? おいおい、そりゃまずいだろッ!」
 ヴァルターンはここで動かなくてはいけないと使命感に燃える。
「よっしゃッ! その寄付、俺が支払うぜ! ここにいるてめえらも寄付しろッ! こんな素晴らしい作品が永遠と未完成なのは勿体ねえぜッ!」
「「応ッ!」」
 サクラダ・ファミリアの関係者を呼び出すと、ヴァルターンを代表して宇宙忍者軍団が建設費用にと多額の寄付を現金でしてみせた。
「この金で、腕のいい建築家を雇って陣頭指揮に当たらせなッ! それで散り散りになった設計図や資料を取り戻せッ! 宇宙忍者軍団が応援してるからなッ!」
「あわわわ……こんな多額の寄付を……! ありがとうございます!」
 関係者が札束を抱えて目を白黒させるほどの寄付金だ。
 この寄付行為に、見守っていたバルセロナ市民は歓喜の拍手でヴァルターン達を称賛した。
「あ、そうだッ! お土産を売って資金を稼げよ。サクラダ・ファミリア饅頭とかあるかな? ねぇのか? キーホルダーでもいいと思うぜ?」
 教会側は慈善団体なので商売は出来ないと断られたが、街の商人達がこれに賛同して打ち上げの一部を寄付金に当てると約束してくれた。
 獣人戦線のサクラダ・ファミリアは、ここから一気に完成までのペースが格段に加速してゆくこと間違いないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
観光もイイけど…生ハムの原木か…知っちゃったら…ねぇ?
「普段の僕なら、目移りしまくりで迷うとこだけど!」
今回のお目当ては生ハム原木!
海産物のお買い物も|そこそこ《控え目》に、生ハム原木狙っちゃうぞ~!
「贅沢を言うと、3つぐらいは買っておきたいな~」
1つでも買えたならおっけー!
原木は重いだろーから、買ったら即UC:無限収納 に収納!
「よーし、|別世界《UDCやヒロア辺り》のワインと一緒に楽しむぞー!」
あ。
出来れば、バレアレス海?で水と戯れてみたいけど…
まー、生ハム原木の購入で時間かかるだろーし、水着でビーチをブラついて写真撮るぐらいでいいよね…
「どうみても泳ぐ格好じゃないもんねー」



 インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は違いの分かる男だ。
 そんな彼がバルセロナのグルメを口コミで諜報していた際、ある情報を耳に入れていた。
「観光もイイけど……生ハムの原木か……知っちゃったら……ねぇ?」
 そう、生ハム原木である。しかもイベリコ豚の高級生ハム原木である。
 スペインは豚の飼育が盛んな土地であり、中でもブランド豚のイベリコ豚は世界中に知名度を轟かせているほど有名だ。
 品種としては、イベリア種100%純血、もしくはイベリア種とデュロック種を交配させた豚(イベリア種50%以上)のうち、スペイン政府が認証したものをイベリコ豚と言う。
 地中海地方に起源を持ち、主にイベリア半島の中央部から南部、スペイン西部からポルトガル東部にかけてみられる。黒い脚と爪をもつ傾向があることから、スペイン語では「黒い脚(pata negra)」とも表現される。
 世間では『どんぐりを食べて育った豚=イベリコ豚』と紹介されることもあるが、イベリコ豚とは血統のことである。ドングリを食べて育った最高級のイベリコ豚(全体の10パーセントほど)は「ベジョータ(スペイン語でどんぐりをさす言葉)」と呼ばれ、どんぐり以外の普通の飼料を食べて育ったものは「セボ」と呼ばれる。
 当然、インディゴが狙うのは「ベジョータ」の生ハム原木である!
 そうと決まれば、スペイン中の市場という市場を駆け巡るしかない。
「普段の僕なら、目移りしまくりで迷うとこだけど! 今日の僕のお目当てはベジョータの生ハム原木! 何処にあるかな~?」
 時間は有限だ。ここは聞き込みで獲物を探すしかない。
「あのーすいませーん! バルセロナの市場で最高級生ハム原木を売ってる精肉店って知ってる? 知ってたら、ここの新鮮な魚介類は端から端まで全部買うから、教えて!」
 インディゴ、魚屋の店主に情報を求める。その対価が豪遊……!
 もはや店ごと買い取る気かと思わせるほどの気持ちのいい|買い物《情報料》である。
 これには近隣の店舗にも主人は相談してくれ、ようやくお目当ての品がある店を特定!
「ありがとうー! それじゃ、これらは『|無限収納《インベントリ》』にいれてっと!」
 買い漁った魚介類やら野菜や果物を、鮮度が劣らないユーベルコードの保管庫へ放り込んだインディゴはまっしぐらにお目当ての精肉店へ直行!
「すいませーん! ベジョータの生ハム原木くーださーいな!」
「……あるよ」
 店主の指差す場所に吊るされている、インディゴの上半身と変わらないサイズの巨大な生ハム原木!
「これだけするが……?」
 店主の提示金額は普段なら桁が2~3個多くないか?と疑うレベル。
 しかし今のインディゴは富豪なので、キャッシュの一括払いだ!
「贅沢を言うと、3つぐらいは買っておきたいな~ってことで、倍プッシュだー!」
 こうして生ハム原木3つをゲット!
「よーし、|別世界《UDCやヒロア辺り》のワインと一緒に楽しむぞー! あ。出来れば、バレアレス海?で水と戯れてみたいけど……」
 生ハム原木の購入で時間かかってしまったインディゴは、やむなく水着でビーチをブラついて写真撮る程度で地中海を満喫。
「どうみても泳ぐ格好じゃないもんねー」
 その顔は満足げな笑みに満ちていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミフェット・マザーグース
ね、ね、ティエル(f01244)、そろそろ行こう?

美味しいデザートに満足したところで、そわそわしはじめるミフェット
なぜならバルセロナにきた一番の目的がまだなのです

それは腕に下げた大き目のバッグの中、そう、水着!
ミフェットは、親友と揃えて選んだ水着で海をエンジョイしたいというひそかな野望を抱いていたのです

ビーチについたら、水着に着替えて……
泳ぐのは、お気に入りの素敵なパレオを脱がないといけないし、もったいないよね
ビーチでのんびりするのが、大人っぽい、のかな?

と思ったら、ティエルが現地の子のビーチボールに混ざってる!
ミフェットも混ぜてもらっていっぱい遊んじゃった!

アドリブ、連携、大歓迎だよ


ティエル・ティエリエル
ミフェット(f09867)とバルセロナの美味しい物巡りを終えて海水浴だ☆
ふふーん、今日の本命はこっちだよ♪

市内とビーチを巡るバスに乗って目的地に到着♪
今度来るときはあっちの建物にもいってみよう!

海水浴場についたら、ようし、さっそく水着に着替えてきちゃうぞ☆
じゃじゃーん!ミフェットと一緒に選んだお揃いの水着だ☆
これでバルセロナのビーチを堪能しちゃうぞ♪

んー、ミフェットはまだ着替えに時間かかってるみだいだね♪
それじゃあ、ボクが場所取りをしておくぞ!
どこかいい場所ないかなーと探してたらビーチボールが飛んできた!
わわっ、楽しそう!ボクも混ぜて混ぜてーと地元の子供たちが遊んでいるところに混ぜてもらうね♪



 ミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の仲良しコンビは、食事を終えると急にソワソワしていた。
「ね、ね、ティエル、そろそろ行こう?」
「そうだね、ミフェット! 食休みも済んだことだし、午後は海水浴だ☆ ふふーん、今日の本命はこっちだよ♪」
「うん! 地中海で海水浴! バルセロナに来た一番の理由がそれだし、せっかくお揃いの水着を持ってきたからね!」
 ミフェットが肩から掛ける大き目のバッグの中には、親友と色違いの同じデザインで揃えた水着が用意されているのだ。彼女は親友と揃えて選んだ水着で海をエンジョイしたいというひそかな野望を叶えるべく、グリモアベースで転送される前に交通手段やルートを徹底的に調べ上げてきたくらいにやる気に満ち溢れている。
「それじゃ、ここからはバスで移動だね! ティエル、こっちだよ!」
「オッケー☆ ボク、バルセロナってバスがたくさん通ってるって知らなかった♪」
 ティエルの言う通り、バルセロナには日中100以上の市営バスの路線が巡回しており、市民の足として定着している。中には観光客用のバスも存在しているらしく、バスの屋根の上に座席を設けて展望席にしている車両もあるのだとか。
 ミフェットとティエルは、ビーチまで直行するのも味気ないということで、バスで市街観光もかねて移動することにした。
「しゅっぱーつ! しんこー!」
「ごーごーごー☆」
 親友コンビはちゃんと一席分ずつの料金を支払うと、片方にミフェットが座ってもう片方の隣の座席に荷物を置く。ティエルは荷物を盗られないようガードしつつ、その上に腰を掛けたり、時々背中の翅で怪しい人物がいないかをチェックしてくれた。
「異常なーし! ミフェット、いくら観光地だからって悪いオトナはいるから気を抜いちゃ駄目だよ! ボクが守ってあげる!」
「ありがとう、ティエル! すっごく心強いよ!」
 戦時下で不景気のバルセロナ市街は、実際治安が良いとは言えない。ましてや少女2人組を狙おうとする悪漢がいないとは限らないし、バルセロナ市内は悪質なスリが多い事で有名なので注意が必要だ。しかしティエルの頑張りが彼女達の安全な旅行をもたらしていた。
「でもミフェットもね、いざとなったら髪の毛でギュギュっと悪い人を捕まえちゃうから! ミフェットもティエルをまもってあげる!」
「わーい☆ ありがとうミフェット! だいすき!」
「ミフェットもティエルがだいすきだよ! あ、見て! すごい立派な教会!」
 バスが交差点を曲がった先に見えてきたのは、荘厳な|ファサード《建築物外観》が特徴的なサンタ・エウラリア大聖堂だ。海外の観光客はどうしても巨大なサクラダ・ファミリアへ足を運びがち(事実、バルセロナの街のど真ん中に天を衝くかの如くそびえ立つので何処からでも目立つ)だが、地元の人々から800年以上愛され続ける格式の高い大聖堂として、是非バルセロナに訪れたら観光してほしいスポットだ。
「すごーい☆ まるでお城みたいだ! ボクのお城にも負けないくらい豪華だー! でも今から見学すると海で泳ぐ時間がなくなっちゃうね! あの建物はまた次に来た時に見学しよう!」
 ティエルがミフェットにそう告げれば、ミフェットも少々名残惜しそうに大聖堂をバスの上の座席で見送っていった。
「そうだね、ティエル! 次は実際に中を見学したいね!」
 ミフェットもティエルへ微笑みかけた。
 ……後に、ミフェットはネット検索で、大聖堂内部のキラキラで重厚感あるゴシック建築の内装の画像を目の当たりにして、次の旅行は絶対に見学したいと胸をときめかせたらしい。

 そして、2人はいよいよバレアレス海沿岸の観光ビーチに到着!
「きれー! 海の色が遠い向こうまで真っ青だよ!」
「バダロナ・ビーチだって! 観光客がいっぱいだ☆」
 紺碧の海が水平線まで続く地中海に、2人は感動で居ても立ってもいられない!
 2人は荷物番を交互に請け負いつつ、水着に着替えて颯爽と白い砂浜を闊歩する。
 海風にたなびく透け感素材のロングパレオが2人を少しだけオトナな雰囲気にさせてくれた。
「じゃじゃーん! ミフェットが着替えている間に、ビーチで場所取りをしておいたよ!」
 ティエルはフェアリーの小さな体で懸命にパラソルやデッキチェアを親友の為に用意してくれていた。
 これにミフェットは大感激!
「すごいすごい! ここに寝そべってトロピカルジュースを飲んだら、ミフェット達もオトナの仲間入りだね!」
「ボクもオトナのレディーになれるね☆ よーし、ミフェットと一緒に選んだお揃いの水着で、バルセロナのビーチを堪能しちゃうぞ♪」
 早速、ティエルは海へ突撃しようとするのだが、それをミフェットが制止した。
「待って! 泳ぐとなるとお気に入りの素敵なパレオを脱がないといけないし、もったいないよね。やっぱりビーチでのんびりするのが、オトナっぽい、のかな?」
「うーん? でもボクは身体を動かして遊びたいな☆ って、わわっ!」
 悩んでいたティエルの背中に、突然ビーチボールが激突してきた!
 自分の背丈と変わらない大きさの物体にボヨヨンッと弾き出されたティエルは、思わずミフェットのお腹に不時着してしまった。
「あいたたた……って、ビーチボール?」
「すいません! まさか本当にちっちゃなお嬢さんがいるなんて知らなかったから!」
 慌てて駆け寄ってきたのは、階梯4のオオカミの家族の両親だ。
「この子が『ちっちゃな人がいる!』って、いたずらであなたにボールをぶつけてしまって! ごめんなさい!」
 母親が子供を連れて頭を下げさせた。
「おねえちゃん、ごめんなさい……すごく小っちゃいのに動いてるから、不思議でいたずらしちゃったんだ……」
 オオカミの男の子がしゅん……としょげながら謝ってくれたので、ティエルは笑顔でこれを許してあげた。
「そっかそっか☆ ボクはフェアリーっていう種族で、外の世界からきた猟兵だよ☆ いたずらならボクも負けないぞー♪ こしょこしょこしょ~☆」
 ティエルは男の子の全身を両手でくすぐり出す。
 オブリビオンでさえもこの悶絶テクニックで翻弄されたのだから、男の子は耐えられるわけもなく大笑いして逃げ出してゆく。
「きゃっはははは! くすぐった~い!」
「ほら待て待てー☆ ボクにいたずらで勝てると思ったかー! うりうりうりー♪」
 一瞬で仲良くなったオオカミの男の子とティエルの様子に、ミフェットはびっくりして言葉も出ない様子。
「え、えっと……!」
 おろおろするミフェットへ、オオカミのお母さんが手を差し伸べた。
「よかったら、うちの子と遊んであげてくれるかしら? あの子、一人っ子で遊ぶ相手がパパしかいなくって……」
「そのパパはもうクタクタで動けないんだ……君達の荷物も見てあげるから、どうか息子と遊んでくれるかい?」
 そういう事ならば、とミフェットも立ち上がって笑顔で返した。
「わかりました! おーい、ティエルー! ミフェットもあそぶー!」
「ミフェットがきたぞー! にげろー☆」
「キャッキャッ!」
「ちょっとー! なんで逃げるのー!? まてー!」
 砂浜を駆け出したミフェット、ティエルと合流するとしばらくは男の子と一緒に鬼ごっこに興じた。
 そして、いつしかビーチボールを始める3人。
 この頃には3人の心はぴったり重なり、ラリーも延々と続くほどまで仲を深め合った。
 でも、やっぱり親友コンビは泳ぎたい気持ちが抑えきれなくて。
「……おしゃれなパレオを脱いじゃうのはもったいないけど」
「動いて身体も火照ったから、海で泳ごう☆」
 こうして、親切なオオカミの家族のパパとママにパレオを預けた二人は、男の子と一緒に日が暮れるまでバレアレス海の波を掻き分け続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と一緒に

昼食の後ボケリア市場にやってきた私達だけど、オリガのテンションが高すぎて止まらない状態になってる。さっきから生ハム原木の前から動かないし。…あれ、絶対酒のつまみを探してるよ。

あの様子じゃまだまだかかりそうだし、私はスイーツでも買いに行こう。そしてお土産を買い終わった私の目の前にあるのはジェラートの屋台。ちょうどいいし、オリガが好きそうな味も買っておこう(オリガが好きなのは武道系)。

戻ってきてオリガに話しかけたら、座れそうな場所で食べる事に。ジェラートが頬に付いてるのを取ってもらったら、可愛いって言われた。よく可愛いって言われるけど、何回言われても嬉しいな。えへへ。


オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に!

さて!ボケリア市場に来たわ!料理好きとしては、この市場は外せないわ!全てはアンナの笑顔の為に!…あとワインに合う物を探す為。いい加減魔王姿で飲む酒のつまみがコンビニの生ハムじゃねぇ…。

さて、さっきの店で聞いたスペイン料理や普段の料理に使えそうな物を中心に買っていくわ。特にパエリアやアヒージョに使える魚介類…とかってあれは生ハムの原木!?これさえあれば、寝る前の楽しみが増える!買っちゃおうかしら。

(数十分後)アンナがジェラートを買ったので、買い物を中断し一緒に食べる事に。あら頬に付いてるわ、ふふ可愛いわってなんで赤面するの!?こら周囲の人たち、見世物じゃないわよ!



 アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)は恋人のオリガ・ホーリエル(黒き天使を支える水着メイド(アルバイト中)・f12132)のギラギラでメラメラなハイテンションぶりを横で目の当たりにして、まるで宇宙の真理を垣間見た猫のように目を丸くしたまま戸惑いを隠せない。
「さあアンナ! やってきたわよ、ボケリア市場!」
「う、うん……そうだね」
「料理好きとしては、この市場は外せないわ! 全てはアンナの笑顔の為に! はあ……アンナがあたしの料理を美味しいって言って、顔が綻ぶ瞬間なんて見れた日には!」
「見れた日には……?」
「一日中ハッピーで色々とすごくなるわ!」
「色々と……?」
「そうよ! いろいろと……♪」
 オリガの艶のある視線の意味を察し、アンナは思わず顔が熱くなるのを感じた。
「そ、そうなんだ……優しくしてくれるなら、オリガにもっと美味しい料理、作ってほしい、かな?」
 この言葉にオリガは使命感に燃え、愛する人へ誓った。
「任せて、アンナ! 旅行から帰ったら、しばらくはあたしの事しか考えられないようにしてあげるわ!」
 ふふん、と得意満面の笑みでオリガはアンナの手を引いて市場へ突入していった。

 ――そんな誓いの場面から約30分後、現在に至る。
「ねえオリガ? そろそろ次のところへ……」
「待ってアンナ! もう少しだけ時間をちょうだい!」
 精肉店の前で、さっきから一点を見詰めて微動だしないオリガ。
「他にも精肉店があるのは、此処へ来る前に情報を得ているわ。でも、ここを離れた瞬間にこの子がいなくなったら、きっとあたしは後悔するわ!」
「う、うん……そうかも、しれないね?」
 アンナはオリガに聞こえないよう、小さく溜息を吐いた。
(オリガってば……さっきから生ハム原木の前から動かないし。……あれ、絶対自分の酒のつまみを探してるよ。私の料理の為じゃないよね?)
 オリガは市場の中でイベリコ豚の高級生ハム原木の情報を、先程のパエリアのお店の常連客から聞き出していた。だから、アンナは薄々こんな展開になるのを予想していたのだ。
「完全100%どんぐり食の最高級イベリコ豚の高級生ハム原木よ!? スペイン政府公認の生ハム原木よ!? それって国が認めた美味しさって事じゃない! いい加減、魔王姿で飲む酒のつまみが、コンビニの薄っすい生ハム数切れじゃ格好つかないのよねぇ……」
 オリガは本物中の本物の生ハム原木を前にして、別の店と比較するか悩みまくっているのだ。
 ちなみに、狙っている生ハム原木のお値段はUDCアース換算でなんと、35万円!
 4年熟成ものかつ台座と専用ナイフ込みでこの値段なら、まだお買い得なほうらしい。
「王室へ献上される品質なら、5年熟成以上のもので50万円いくんじゃないか?」
「ごじゅっ!?」
 店主からの情報に、オリガは思わずむせてしまう。
「そんなに高い生ハム、オリガ以外に買わないって……」
 呆れるアンナだが、オリガには懸念があった。
「いいえ、そうとも限らないわ! 他の猟兵だって今、この市場にいるはずよ! あたしたちと同じく札束を握り締めてね! そうしたら、この子はその猟兵のもとへ行ってしまうわ! 少し目を離した隙に!」
 鬼気迫る表情で、動くか一旦離れるべきか、オリガは苦悩し続ける。
「国が認めた生ハム原木だなんて、そうそうお目に掛れないわ! これさえあれば、寝る前の楽しみが増える! やっぱりここで買っちゃおうかしら? ああ、でも……!」
「……駄目だこれ。この様子じゃまだまだかかりそうだし、私はスイーツでも買いに行こう」
 アンナは遂にオリガへ愛想を尽かしてしまい、ここからは別行動をとることにした。
「あ、ジェラートのお店だ……お土産を適当に買った後にまた寄っていこう」
 アンナはオリガの代わりに、自分が食べたい料理をリクエストするべく食材を買い込み始めた。
「魚介類は欠かせないね。あと現地のお米も。さっき食べたパエリア、オリガなら再現してくれるだろうし……うん、フルーツも買っていこう。すごいカラフルだね。目がチカチカする……」
 色とりどりのフルーツを選んだあと、アンナは再びジェラートのお店まで戻ってきた。
 オリガはまだ来ない……。
「もうオリガってば。まだ悩んでるのかな……? いい加減に私がいない事に気付いてくれても……」
 不貞腐れながらも、アンナはしっかりオリガの好物であるグレープ味のジェラートも一緒に買ってみせる。アンナは定番のイチゴのジェラートを買っていった。

 そして精肉店へアンナが戻ると、オリガが勝ち誇った顔をして店主と握手を交わしていた。
「あ、アンナ! どこ行ってたのよ! たった今、35万円の生ハム原木を30万円にディスカウントしてもらったわ!」
 陽の者のコミュ力強者たるオリガだからこそ為せる交渉であった。
 こうしてオリガは生ハム原木を梱包してもらうと、嬉々としてそれを抱えてアンナのもとへ戻ってきた。
「あら? もう買い物を済ませちゃったのね?」
「……うん、オリガが私よりも生ハム原木に夢中だった間にね?」
「うっ……ご、ごめんなさい。ほ、ほら! ジェラート買ってくれたんでしょう? あっちに大きな公園があるから、一緒に食べるわよ!」
 強引にオリガの流れへ持ってかれたアンナであったが、ようやく恋人の意識が自分に向いてくれたので思わず口元が緩むのだった。
 そして到着した公園にて、噴水を眺めながらジェラートを味わう2人。
「ねえアンナ? ほっぺにジェラートがついちゃってるわよ? ほら、ここ!」
「え? うそ? とってよオリガ?」
 アンナがオリガに頬を差し出す。
 するとオリガは、ハンカチではなく自身の下でペロッとアンナの頬を舐めとってみせる。
「オ、オリガ……」
 突然のスキンシップにどぎまぎするアンナの様子に、オリガの口から自然と愛おしさが漏れ出る。
「ふふ、アンナはやっぱり可愛いわ」
 アンナの顔が一気に真っ赤に染まってゆくと、彼女はにへらと柔らかく笑ってみせる。
「……オリガからよく可愛いって言われるけど、うん……何回言われても嬉しいな。えへへ」
「――ッ♥(ズッキューンッ!)」
 オリガ・ホーリエル、アンナのほにゃほにゃスマイルに惚れ直すの巻。
 そして、そんな美しき百合の花が咲き誇る光景に、バルセロナ市民達も思わずニッコリ!
「ちょっと! あなたたち! 見世物じゃないわよ! あっちにいきなさい!」
 シャーッ!と猫のように威嚇するオリガの姿を、アンナは世界一可愛いと心の中で愛でるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ゼーレ・ユスティーツ
えぇぇぇ?!一輪車?!
ちょっと↑待てぇ↓と声が聞こえたので一輪車に乗ったハイテンションなコブラ(地元では変人で有名)の獣人が現れた

古い屋敷に連れて行かれて鎌を貸して欲しいと言われたので拒否しようとした瞬間には鎌を持っていた

ちょっ?!アンタ大丈夫なの?!
彼は大丈夫、俺はアンタと同じさと言った

彼はUC無限量子空間を教えてくれた
(応用すればワープも可能とノリノリで教えてくれた)
彼曰くこの鎌は中途半端な収納系UCでは呪いが漏れ出るらしい


鎌を入れるバックパックもくれた
どうしてそこまで…



ワタシが辛そうな顔をしてたのをある人から聞いたと彼は言う

…まあ助かったわ
彼の屋敷に鎌を置いていく事に彼はボケリア市場に行くといいと言った

『あらら…僕は置いていかれてしまったね』
謎の声に『俺はディアベルスター家だからな、ちゃんと封印してやるよ』と返事をしたのは彼だった


ボケリア市場に行くとさっきの羊の女性が居た

…ありがとう
涙を流しながら彼女の気遣いに感謝しながら共に市場を回った

沢山のスイーツを共に味わって身も心も満足した



「ちょっとそこの女ァ! 待まってくれぇ!」
 ゼーレ・ユスティーツ(彷徨う『黒蝶の死神』・f41108)は何者かに呼び止められて後ろを振り返る。
「えぇぇぇ!? 一輪車!?」
 彼女が見たのは、コブラ獣人が巧みに自転車を乗ってゼーレへ突撃してくる真っ最中だった。
「その鎌を寄越せ! あらよっと!」
 コブラは自分の口でゼーレの呪われた大鎌をくわえると、あっという間に奪い取って逃走してゆくではないか。
「ちょっと! アンタ大丈夫!? って、泥棒ーっ!」
 叫んだゼーレ、時すでに遅し。
 一輪車に乗ったコブラ獣人は、あっという間にバルセロナの街並みから姿を消してしまった。
「どうしよう……! あの大鎌、呪われてるのに! ワタシ以外が触ったら死んでしまうわ!」
 途方に暮れるゼーレ。
 そんな彼女に、酔っ払いのおっさんがゲラゲラと笑う。
「うわ、あのコブラにスラれたってマジかよ! ぎゃははは!」
「……うっさいわね! というか、あのコブラの事を知ってるのね? 教えなさいよ!」
 睨み付けるゼーレを前に、酔っ払いの羊のおっさんはたじろぎながら話し出した。
「あ、あいつは頭がおかしい事で有名なんだ! 3日に1回はスリで捕まってるクズさ! でも手足がないからいつも未遂で終わって、即日釈放されるっていうのがお約束の奴でな? そんな奴が初めてスッたお宝が呪われた大鎌とか、嗤えるじゃねぇか! いっそくたばってくれた方がこの街の為だな!」
「うわ、最悪じゃない……」
 ゼーレはがっくりと肩を落としてしまう。
 しかし、大鎌は回収しなくてはならない。彼女が猟兵としてやっていけるのは、あの大鎌の力があってこそなのだから。
「その頭のおかしいコブラがよく行きそうな場所は何処なの?」
「バルセロナの郊外の廃墟の屋敷さ。戦死者の怨念が化けて出てくるとかで誰も近付かないがな?」
 そういうと、酔っ払いは飲みなおすべく何処かへ消えていった。

「……ここね。薄気味悪いわ……」
 ゼーレが教えてもらった廃墟にやってきた。
 とりあえず、人の気配は全くない。
「あのコブラ……まさかくたばってないわよね?」
 薄暗い荒れた屋敷の中へ足を踏み入れ、探索を始めるゼーレ。
「誰かいないの!? ワタシの大鎌を返しなさい!」
 廃墟の中で彼女が叫ぶと、急に声が聞こえた。
「ようやく来たな……」
「ひっ」
 声がしたのはゼーレの背後だった。
 なんと虚空に大穴が開いており、そこからコブラ獣人が顔を出しているのだ。
「驚いたか? こいつはユーベルコードで量子空間にこっちの世界と繋げることで、いろいろと道具や生き物を格納できるんだ」
「す、すごいわね? ていうか、呪いは!?」
 慌てるゼーレに、コブラ獣人が彼女の大鎌を尻尾で差し出してきた。
「ほら、受け取れ。俺はこの呪いを受け付けない体質だ。つまり、君と一緒だ」
「どういう事……?」
 訝しがるゼーレの質問に、コブラ獣人は全く取り合おうとせずに言いたいことだけを話し始めた。
 曰く、今からこのユーベルコードはゼーレに発動権が移る事、量子空間に入れても大鎌の呪いは完全に封じ込められない事、あと鎌を剥き出しにして持ち歩くなと叱って収納用バッグと呪いを軽減する封印の鍵を与える事、そして、実は午前中からゼーレをストーキングしてたので老婆と孫のやり取りも見ていた事も。
「この後はボケリア市場に行くといい。じゃあな!」
 コブラ獣人はそう勝手に告げると、『別の穴の中』へするりと入り込んで忽然と姿を消してしまった。
 呆気にとられるゼーレは、仕方なく大鎌をバッグに押し込んでから量子空間の穴を発動させて突っ込むと指定された市場へ向かう。
 すると、そこで午前中の老婆と孫と再会し、ゼーレは泣きながらわびの言葉を述べて市場の案内をお願いするのだった。

『あらら……僕は置いていかれてしまったね』
『俺はディアベルスター家だからな、ちゃんと封印してやるよ』
 市場の上空で、先程のコブラ獣人と謎の人物がゼーレを見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
チョコ

ボケリア市場
……どうやら猟兵になりたてだから…力が戻ってないのかな?(ぜっちゃんに気付かれないよう追跡しつつ見守り中
うん…あのチョコでここの住民で死傷者が出たら…流石にヤバいからな…
「そ、そうですね…ぅううう…!(頭抱える女神」
だけどあの黒髪の女の子誰だ…?
「何者でしょうね…それと気を付けてください。あのクソ神機が近くに隠れてるかもしれません。若しかするとあのうんこ二号が誘拐した娘かもしれませんしね?」
その…サトウさん?ってそんなヤバい奴なのか?
「ええ…ユピテル様同様に女好きで傲慢不遜。正式に登録するには「自分を心身共々屈服させる」ってクソ条件入れてるんですから!無理だってわかってて!」
うわぁ…

ってぜっちゃんが…あ…普通に薬出してる…

おいあのカカオ汁出したぞ!
「ちょ…飲まされた人凄いテンション上がって元気に!?」
た、確かにおれ達も凄い回復したし…!ってかあれドラ◎ンボールの超◎水じゃ!?

そしてバレアレス海
どうやら泳いでるだけだな(水着状態

「…やはりこれは照れる…!」

おれ達も泳ぐか!


皇・絶華
チョコ

成程…こういう慰安というのはKB世界でもあった物だ

「そういう物なんです主様?」
うむ


ボケリア市場
(テラ達に気づかず
よしさっちゃんよ
お小遣いを沢山もあったからな
好きな物の買い物をしてくるといい
「ぬ、主様ぁ!いいんですか!?(ぶわっ)…はっ!?…別に俺最強の神機だし!この程度で喜ぶわけねーし!(超嬉しそう…チョロ神だった」

さて…とはいえあまり治安は良くないようだがな(スリは即座に捕まえカカオ濃度500%漢方チョコを口に捻じ込み

基本健康に良い食材諸々を購入

治療薬や薬膳食も分析

【薬品調合】
怪我人や病人は必要な医薬品を調合(極めて意外な事に適切

必要な人(危機とか死にかけとか諸々)にはカカオ汁を進呈(絶望的な味でありながら驚異的回復力と活力増強

我がチョコをデウスエクス以外に振舞えるのは良い事だ
UCは良いな!

さっちゃん
「美味しい…美味しいよぉ…!でも…チョコ程の活力がな…(はっ!?)いやあんなのいらねーし!」

後はバレアレス海で泳ぐぞ
泳ぐのも修練だからな

「海ー!!」

人様に迷惑はかけないからな?



 皇・絶華(影月・f40792)は他の猟兵達よりも遅れてバルセロナ入りした。
 彼がまず向かったのは、ボケリア市場であった
「成程……こういう慰安というのは、ケルベロスブレイド世界でもあったものだ。懐かしいな」
「そういう物なんです主様?」
 従属の身の連環神機『サートゥルヌス(少女の姿)』が首を傾げて主人の顔を見上げた。
「うむ、デウスエクスに破壊された建物やインフラをヒール魔法で修復して回ったのだ。ただし、修復したものはファンタジー容姿が混じってとんでもない形状になったりするのだがな」
「それ、復旧になってます……?」
 サートゥルヌスは訝しんだ。
 だが事実、ケルベロスブレイド世界では常識であった。
 そんな絶華はおもむろに懐からスペイン紙幣の束を懐から掴むと、サートゥルヌスの小さな掌の上に乗せてあげた。
「よし、さっちゃんよ。お小遣いを沢山もあったからな、これで好きな物の買い物をしてくるといい」
「ぬ、主様ぁ! いいんですかぁ!? やったぁ~!」
 サートゥルヌスは思わず嬉し涙を目尻に滲ませてしまう。
 しかし、すぐに我に返ると涙を拭って反骨精神を露わにした。
「……はっ!? ち、ちげーし? ……別に俺、最強の神機だし!? この程度で喜ぶわけねーし!」
 その割にはめちゃくちゃ両目がキョロキョロと動き回って不審者じみている。どうやら市場内のめぼしい品を視界に入った途端チェックをしているのだ。
「ふふ、気に入ったようだな? 素直でいいじゃないか」
「だからちげーし! って、あっ!」
 サートゥルヌスが絶華に食って掛かろうとしたその時、絶華と同年代の男がサートゥルヌスに身体をぶつけて走り去っていった。
「いってーな! おいテメェ待ちやが、れって、俺のカネがねええぇ!」
 手に握っていた札束が忽然と消えているではないか!
「ふむ? あまり治安は良くないようだがな?」
 絶華は自身にユーベルコード製の超濃厚カカオ汁を服用すると、凄まじい活力を得て一気に男の背後へ肉薄!
「それは私のカネだ、返してもらおうか」
 スリには即座にカカオ濃度500%漢方チョコを口に捻じ込んで撃沈させる絶華であった。

 その様子を、物陰から監視する2人組がいた。
「おい! あのカカオ汁出したぞ!」
「ちょ……飲まされた人凄いテンション上がって元気に!? というか性格が変わってませんか!?」
 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)と保護者兼相棒のヘカテイアは、目の前で起きた現象にドン引きしていた。
「た、確かに、おれ達もこの間飲まされた時に凄い回復したし……! ってかあれ違法薬物じゃなかったんだな!?」
「……薬効は確かなんですよね。良薬は口に苦しどころのレベルじゃないのが難点ですが」
 その後も絶華は街ゆく人々に疲れや病がないかを聞いて回り、身体や心の不調を訴えるバルセロナの獣人達へユーベルコード製の超濃縮カカオ汁を強引に飲ませてゆく絶華。
 さすがに止めに入るべきかと飛び出そうとするテラとヘカテイアだったが、その度に絶華は市民達から感謝されるので2人は毎度引き返してゆかざるを得なかった。
「……どうやら猟兵になりたてだから……力が戻ってないのかな? うん……あのチョコでここの住民で死傷者が出たら……流石にヤバいからな……というか、あれ飲んで感謝されるんだな……」
「そ、そうですね……ぅううう……!」
 ヘカテイアはもう何がなだか分からずに頭を抱えてしまう。
「って、ぜっちゃんが……あ……今度は普通に薬を処方してる……」
「彼は医者じゃないので法律違反ですが……どうやら処置は的確のようですね……何故なんでしょうか……」
 2人はあの激マズの要素だけでも改善すれば、絶華は慈愛に満ちた人物だったのではないかと勘繰ってしまう。
 しかも、その後も健康に良いとされる食材やスーパーフードを大量に購入してゆくので、ますます彼が何故チョコとか顔にこだわりすぎるのかが理解出来なくなっていった。
「ところでヘカテ? あの黒髪の女の子誰だ……?」
 テラが絶華の隣ではしゃぐ女の子に疑問を持った。
 しかしヘカテイアも首を捻ってしまう。
「何者でしょうね……? それと、気を付けてください。あのクソ神機が近くに隠れてるかもしれません。若しかすると……あの『うんこ二号』が誘拐した娘かもしれませんしね?」
「なんだって……? その、サトウさん?ってそんなヤバい奴なのか?」
「サートゥルヌスです……ええ、ユピテル様同様に女好きで傲慢不遜。正式に操縦者が契約を結ぶためには「サートゥルヌスが操縦者に己を屈服させる」ってクソ条件を入れてるんですから! 無理だってわかってて!」
「うわぁ……」
 よもや、悪評高いサートゥルヌスが……今やカカオの恐怖に日々怯えながら絶華に屈服させられているとは思いもしない2人であった。

 一方、テラとヘカテイアが尾行していることに気が付かない絶華とサートゥルヌスは、いつの間にかスラム街で英雄視されていた。
「無料でこの子の病気を治してくださってくれて、ありがとうございました! おぼろろろ!」
「医者から見放されたガンが治った! あんたのおかげじゃゲボボボ!」
「あなたはこのスラム街の救世主よオエエエエエエエエエエ!」
 スラム民は揃いも揃ってゲロを吐きながら絶華の顔に喜びゲロを塗りたくっていた。
「ははは! 我がチョコをデウスエクス以外に振舞えるのは良い事だ! これだからユーベルコードは良いな!」
「うっぷ、主様はなんでゲロ塗れで平然としてるんだ……? くっせぇぇ!」
 サートゥルヌスは既に散々振り回されて、気力が尽き掛けていた。
「さっちゃん、お疲れ様だ。ジェラートを食べて涼をとるといい」
「ありがとうございます、主様! ああ、美味しい……美味しいよぉ……! でも……あのチョコ程の活力がな……」
「ほう?」
 絶華の目が怪しく輝く!
「い、いやいやいや! あんなのいらねーし! 少なくとも今は! あー、くっせぇぇ! 海入る前にホテルでシャワー浴びねーとなー!」
 こうして、絶華とサートゥルヌスは宿泊先でひんしゅくを買いながらもゲロ臭さを洗い流すと、後はバレアレス海で泳ぐのだった。
「地中海か。泳ぐのも修練だからな」
「海ー!! 主様! かわいい水着を用意してくれたんだな!」
 すっかり精神が10歳程度の女児まで退化しているサートゥルヌスである。
「はっはっはっ! さっちゃん、人様に迷惑はかけるなよ?」
「分かってるって! きゃーぁ♪」
 波打ち際でバシャバシャと飛び跳ねるさっちゃん、それを眺める絶華の目は完全に父性に溢れていた。

「どうやら泳いでるだけだな?」
 テラとヘカテイアも尾行を続行し、海水浴に繰り出していた。
 勿論、今年の新作水着を纏って、完全に地中海をエンジョイ中だ。
「……やはりこれは照れる……!」
 黒のビキニ姿のヘカテイアは被っている三角魔女帽子のつばを目深に被ってもじもじしている。
 見かねたテラが彼女の手を引き、波打ち際まで引っ張ってゆく。
「おれ達も泳ぐか!」
「えっ、テ、テラ!?」
 こうなってしまえば、もう尾行の事などどうでもよくなってゆく二人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『獣人酒場大宴会!』

POW   :    誰彼構わず乾杯し、盛り上がる

SPD   :    トークや歌、一発芸で宴席を盛り上げる

WIZ   :    喧騒を少し離れて大人の会話を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――バルセロナのバレアレス海に夕日が沈む。
 街に街灯が灯されれば、昼間とはまた違う顔を見せ始めた。
 この時間からは大人なムード漂うレストランやバーが営業を開始し、ショーパブも賑わいだす。
 観光客用にフラメンコを披露する飲食店もいくつか点在しており、他国からの旅行客はこぞって押しかけている。
 高級ホテルではナイトプールを解放しており、彩り豊かなネオン照明がバルセロナのプールサイドを怪しく照らす。
 無軌道な若者たちは夜の街へ繰り出し、公園で戦時下の鬱憤を晴らしてみせていた。
 キラキラした青春の思い出と豪遊をするなら、まさにうってつけの観光スポットだ。

 一方、街灯の当たらない裏路地へ行けば、アングラな違法商店が軒を連ねる。
 情欲渦巻く娼館、武器弾薬やキャバリアパーツの闇市、法外な金額が動く賭場と地下闘技場。
 観光客の中には、こちらを初めから期待している連中も少なくないのだとか。
 バルセロナ市の地元ギャングがシマを仕切る夜の遊技場は、警察もゾルダートグラード軍も介入しずらい一種の聖域だ。失業難で喘ぐバルセロナ下層市民の最後の受け皿であるこの裏社会は、表側の市民にとっても立派な必要悪なのだ。
 ここでのアンタッチャブルな非日常空間は、君達に極めてスリリングな体験を提供してくれるだろう。
 ただし、何があっても自己責任であり、完全に法に触れることは猟兵といえども推奨できない。

 さて、残された時間は僅かだ。
 猟兵諸君の夜は、どのように更けてゆくのだろうか……?
ヴァルターン・ギャンビット
【宇宙忍者軍団】の部下達も思い思いに各地で豪遊してるようだ。
俺様も引き続き遊ぶとするか。闇賭博とか面白そうじゃん、何人かの部下引き連れてに行ってみるかッ!

(地下闘技場の賭博で遊ぶ宇宙人。
…たまたま視察に来てた地元ギャングのボスに馴れ馴れしく肩組ながら)
おっしゃあ、俺様の賭けたオオカミ君がまた勝ったぜッ!大勝ってやつだなッ!
おいおい、ギャングのボスがそんな不景気なツラすんなって。フォッフォッフォッ!
よし、アンタの経営する酒場にこれから行くか。この金、アンタの所で使えば少しは腹の虫が納まるだろ?
地下闘技場の他の客達にも声をかける。今から俺の奢りでパァーっと呑みに行こうじゃねえかッ!


【アドリブ歓迎】



 バルセロナの夜は、獣人戦線が戦時下だとはにわかに信じられないほど、ネオンで煌びやかに彩られ人々の活気で賑わっていた。
 ヴァルターン・ギャンビット(宇宙忍者軍団の頭領・f38772)もこの盛況ぶりに浮かれている様子。
 彼の部下達も、首元に巻いているコミュニケーターマフラーで楽し気な報告と観光スポットの情報交換が盛んに行われていた。
「宇宙忍者軍団の部下達も思い思いに各地で豪遊してるようだ。俺様も引き続き遊ぶとするか。小耳に挟んだ話だが、闇賭博とか面白そうじゃん、何人かの部下引き連れて俺もそこに行ってみるかッ!」
 さすが忍者、忍者はアングラへ惹かれるのはブッダのマントラの如き真理である。
 早速、ヴァルターンは部下達5名を引き連れ、裏路地へ進んでいった。

「いやぁ、助かったぜ! アンタがこの街の裏の顔役だったなんてな?」
 ヴァルターンはテーブルを挟んだ相手へ酒を奢っていた。
 その人物は午前中にバルで出会った常連の男性であった。
「こんなところになんでいるか気になって、声掛けてみて正解だったぜッ! おかげで地下闘技場が顔パスってありがたいことこの上ないなッ!」
「別に構わない。君は金払いがよかったからね。私の賭場で大いにお金を堕としてもらえると思ったまでさ」
 男はこの地下闘技場を仕切るマフィアのボスの側近中の側近であった。
 ヴァルターンは思わぬところで獣人戦線のバルセロナ裏社会との太いパイプが出来上がってしまった。
 そんなヴァルターンも上機嫌で酒を一気に飲み干す。
「へへ、そうかよ。しかし悪いなぁ? さっきからバカ勝ちしちまってて!」
 彼の手元には増えに増えた掛け金のチップが山積みになっていた。
 何故ならば、部下達がヴァルターンが対戦カードの情報を逐次すっぱ抜いてくるので、どっちか有利かがすぐさま判断できてしまうのだ。
 イカサマ? いいや、これは情報に基づいた立派な予想である。
「おっしゃあ、俺様の賭けたオオカミ君がまた勝ったぜッ! 大勝ってやつだなッ! っておいおい、ギャングの大幹部がそんな不景気なツラすんなって。フォッフォッフォッ!」
「ううむ、君はかなりの豪運のようだ。そろそろ切り上げてくれないと私のシノギが危ないんだが……」
 事実シャレにならないほどヴァルターンが稼いでしまっているので、大幹部の顔が青ざめていた。
 さすがにヴァルターンも鬼ではないし、この旅行の本質を見失っているわけでもない。
 ここでヴァルターンは大幹部のリターンになる提案を持ちかけた。
「だったら、アンタの別のシノギ先でこの金を全額使うっていうのはどうだ? 酒場のひとつくらい経営してるんだろ?」
「あ、ああ。勿論だ。私にも表の顔があるからね」
「んじゃ決まりだな! ああ、俺の稼いだチップの半分は此処にいる奴に配布してやんな! さすがに使いきれねぇからなッ! ほら持ってけお前等ッ!」
 ヴァルターンの大盤振る舞いで、博徒達は涙を流しながらチップを山分けしていった。
 そして、ヴァルターン軍団とマフィアの大幹部は表世界の酒場へ移動。
「今日は俺の奢りだッ! 好きなだけ飲んでくれッ!」
 自分の部下達や地下闘技場の博徒達、そして酒場の常連客やオーナーの大幹部まで、全部まとめてヴァルターンが大枚はたいて朝までどんちゃん騒ぎ!
「ヒューッ! バルセロナ、最高ーォッ! 会計を気にせずに飲む酒は美味ぇーッ! おい、どっかの店から女の子呼んでこいッ! まだまだ盛り上がってゆくぜぇぇッ!」
 とうとう娼館から娼婦をコンパニオンとして呼び寄せてまで大酒宴が開催され、ヴァルターンら宇宙忍者軍団の夜は煌びやかに過ぎてゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミフェット・マザーグース
たくさん遊んで泳いで、水着も着れたし大満足!
と思ったら、ティエル(f01244)は遊び足りないみたい

夜にも観光スポットあるよ!と教えてもらってはガマンできないと飛び出したティエルについて、教えてもらった行先は、小さなお店の、フラメンコショー?

そーっと覗くと迎えてくれたのは教えてくれた当人さん!
夕食つきで壇上でフラメンコを見せる観光客向けのお店で、軽快なフラメンコギターに合わせて靴で音を鳴らして踊るダンサーさん、客席のみんなもいっしょに手拍子でリズムに乗って、すっごい楽しい!

店主さんに壇上で踊らせてもらって
ティエルといっしょに手拍子にあわせて一生懸命タップしてダンス!

※アドリブ、連携、大歓迎だよ


ティエル・ティエリエル
親友のミフェット(f09867)と引き続きバルセロナを満喫だ☆

ふふーん、いっぱい海で遊んだぞー☆
でもでもでもー、バルセロナの時間はまだまだこれからだよ♪

夜の観光スポットに出発だーと戻ってきたホテルからさっそく飛び出すよ♪
えーっと、さっき教えてもらったお店はこっちだな!たぶんっ!
ミフェットはやくはやくーと呼び掛けて先に進んでいくね♪

微妙に道に迷ったりしながらも無事にお店に到着だ♪
フラメンコだーと独特の踊りにワクワク。
そうだ、ボク達も一緒に踊らせてもらおうよ♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 ミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の親友コンビは、バレアレス海を満喫しまくったあとは夜のバルセロナ市街へ繰り出していった。
「ふふーん、いっぱい海で遊んだぞー☆」
「ミフェットもたくさん遊んで泳いで、水着も着れたし大満足! 今日はこのままホテルへ戻る?」
 バレアレス海で出会った家族からバルセロナで一番グレードの高いホテルを教えてもらった親友コンビは、今夜はそこでラグジュアリーなパジャマパーティーをしようねと約束していた。
 だが、これにティエルは自身の好奇心を抑えきれない様子。
「でもでもでもー、バルセロナの時間はまだまだこれからだよ♪ だってお祭りみたいに賑やかだからね☆」
 ティエルは煌びやかな街灯が彩り大人のムードが漂うバルセロナの街並みに、すっかり心が奪われていた。
 今日1日猟兵達が街中で羽振りよく振舞ったせいか、バルセロナの獣人達も心なしか笑顔で大通りを闊歩しているようにもみえた。
 ミフェットも午前中の意気消沈した街の空気が変わりつつあるのを肌で感じており、自分たちがたくさん遊ぶことでこの流れが加速するならもっと貢献したいと強く願う。
「まだティエルは遊び足りない? それじゃ、キラキラした街を散歩してみよう!」
「やったー! 夜の街をブラブラ歩くのって、オトナっぽいよね☆ ボクもおしゃれなバーでオレンジジュースを飲んでみたいぞ☆」
「おしゃれなバー? ミフェット達だけでは入れるかな? ノンアルコール飲料なら許してもらえそう?」
 ミフェットとティエルは未成年なので、夜の大人の社交場の代名詞である酒場への入店はどうしても躊躇される。
 しかし、こんなムーディな雰囲気の街の酒場で、少し背伸びしてみたい気持ちと憧れも湧き上がってくる。
 親友コンビが酒場通りの入り口で狼狽えていると、背後からシカの女性に声を掛けられた。
「あら、あなた達、迷子かしら?」
「えっと、ミフェット達は迷子じゃなくて……!?」
「わわっ! すごくキレイなシカさんだ☆」
 振り返った親友コンビが見上げると、見るからに妖艶なメイクと衣装を纏った女性が微笑んでいた。
 ミフェットは数瞬ほど見惚れていしまうが、すぐに我に返って事情を説明してみせる。
「――というふうに、ミフェットとティエルでも入れるオシャレなお店ってありませんか?」
「せっかくだしカウンターでグラスを傾けながら、ショーダンスを見てみたいよね♪」
 二人の要望を聞いたシカの女性、すぐに蹄を街の奥へ指し示した。
「とっておきのいい場所を教えてあげる。3つ目の十字路を左に曲がったら、次の角を右に曲がって2つ先の十字路を左へ曲がってみて? ふたりもきっと満足してくれるはずだわ」
 シカの女性は意味深に笑みを浮かべた後、バスに乗って街の奥へと消えていった。
「えーっと、3つ目の十字路を左に曲がったら、次の角を右に曲がって、2つ先の十字路をまた左に曲がった先、だね?」
「そうだね! どんなお店なのかなー? 早速行ってみようよ! ばびゅーん☆」
 ティエルはドキドキする胸の高鳴りを抑えきれず、先行して文字通り飛んでいってしまう。
「ミフェットー! こっちこっちー!」
「あ、待ってよティエル! えっと、3つ目、3つ目……」
 先走るティエルを見失うものかと必死にとてててっと走ってゆくミフェットは、教えられた通り街の角を数えながら進んでいった。
 ちなみにバルセロナの市街地の一部は、長い歴史の中で区画整理が進んで碁盤の目のような街並みになっている。そのため土地勘のない観光客からしたら、曲がる角をひとつ間違えると迷子になりやすいのだ。
「あ、ここだよミフェット! ほら早く早く☆」
「はぁ、はぁ……着いた! って、ここは……フラメンコ?」
 看板に『フラメンコショー』と書かれた大衆酒場に到着した二人は、そっと店内を覗いてみる。
 内装はキリスト教の宗教壁画とアラブ・イスラム系美術の融合したエキゾチックな雰囲気。
 そこは、大人も子供もワイワイ笑顔で食事を楽しみ、情熱的なステージ上の演奏に耳を傾けていた。
「いらっしゃい、小さなレディ達。待っていたわ」
 おっかなびっくりに店を覗いていた二人を出迎えたのは、先程この店を教えてくれたシカの女性であった。
「あっ! さっきのシカのお姉さんだ☆」
「もしかして、このお店で働いてるの?」
「ええ、私はここの踊り子なのよ。さあ、入って入って! ちょうどこれから私の出番なの。本場のフラメンコ、見ていってね!」
 シカの女性に促されて特等席に案内された親友コンビ。
 店内が暗転した後、スポットライトの中に現れたのは……真っ赤な衣装を纏ったシカの女性であった。
 フラメンコギターの高速アルペジオ奏法から繰り出されるリズミカルで情熱的な音色に合わせ、シカの女性は手拍子と共にハイヒールで床をカンカンッと軽快に鳴らしてステップを小刻みに踏んでゆく。そのステップの間隔が徐々に短くなってゆくにつれ、彼女はスカートの裾を持ち上げて右へ左へと大きく振り乱し始めた。
 そのステップが床を蹴るリズムに乗って、ミフェットとティエルも自然と身体が縦へ左右へと動き出してしまう。
 最後はシカの女性がクルッとその場でターンを決めて天を仰いだ。
「Ole!」
 次の瞬間、店内は万雷めいた拍手喝采で埋め尽くされた!
「すごいすごいすごい! すっごい楽しい!」
「カッコイイ~☆」
 ミフェットとティエルもスタンディングオベーション!
 踊り子のシカの女性は、すぐに親友コンビのもとへ歩み寄ってきた。
「どうだった? って、その様子じゃ感想を聞くまでもないようね?」
「おねえさん、素敵だったよ! ミフェット、感動しちゃった!」
「ボクもダンスは得意だけど、フラメンコってカッコイイね♪」
 本場のフラメンコショーに、二人は大興奮の様子。
 と、ここでシカの女性は二人へ提案してみる。
「ねえ、あなた達って猟兵なんでしょ? 猟兵って何でもできるってウワサだけど……フラメンコも出来たりする?」
「えっ、それは……ミフェットに踊れるかな?」
「やろうよミフェット! ボク、フラメンコを踊ってみたい! マスターすればユーベルコードでカッコよくステップを踏んで戦えちゃうかも? Ole!」
 ノリノリのティエルを見ていたら、ミフェットもなんだか興味がむくむく膨れ上がってきた。
 このやりとりからシカの女性はすべてを察し、彼女達を楽屋へ招くと簡単なステップを教えてあげるのだった。
 そして……。
「いえーい☆ ステージデビュー☆」
「よ、よろしくお願いします!」
「ご来場のお客様、今回は特別ショーよ。小さな異界の猟兵さんとのコラボをご覧あれ!」
 なんとミフェットとティエルは、シカの女性の勧めもあっていきなりステージでお客へ覚えたてのステップを披露することに。
「たんたたん、たたたたーん! やった! ミフェット、ちゃんとできたよ、おねえさん!」
「ボクは空も飛べるから、空中アクロバティックダンスも披露しちゃうぞー☆ うりゃりゃりゃー☆」
 こうしてミフェットとティエルの特別フラメンコショーは大盛況を博し、その後はカウンターでシカの女性を交えてのお疲れ様会を開催して楽しむのであった。
 親友コンビのバルセロナの夜は、まだまだお楽しみが続いてゆく……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に!

夜の街といったらまずはバー。大丈夫、外見はともかく20超え酒飲めるからね!どうせならユーべルコードで魔王の姿になってみましょう。こういうのはムードも大事なのよ!

私はワインやオシャレな酒を頼むけど、アンナは体のことがあるから、飲みやすくて軽い酒でも注文しようかしら。あとこっちが気になっている客がいるならその分も注文して、こっちに連れてこようかしら。

そんな事を繰り返していたら、やたら人が集まってきた。そうなったら【コミュ力】で話を振ってみたり、店の許可を貰って【歌唱】で歌を歌ってみるわ。こういう機会はなかなかないし、アンナと一緒に楽しむわ。さぁ、夜は長いわよー!


アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と

なんとなく予想はしてたけど、人生初のバーデビューすることに。まぁ来たからにはしょうがないし、せめて服は普段着のコートを脱いだワンピース状態になろう…。

酒を頼むけど、実験の影響で肝臓が弱い私はどうしよう…、と思っていたらオリガがちょうどいいお酒を注文してくれた、くれたけど、どんどん人が増えてきた。オリガ曰く酒はみんなで飲むのも楽しいから…らしい。あとアルコールは1杯だけの方がいいって。

そんな状況だけど、オリガが色々と楽しみ方を教えてくれるから、私も会話してみたり、オリガや客の歌っている所に交じってみよう。せっかくの初バルセロナでバーデビューなんだ。楽しまなきゃ損、だよね。



「夜の街といったらまずはバーよ!」
 そう豪語するのはオリガ・ホーリエル(黒き天使を支える水着メイド(アルバイト中)・f12132)だ。
「ふふん、大丈夫、外見はともかく20超え酒飲めるからね! どうせならユーべルコードで魔王の姿になってみましょう。こういうのはムードも大事なのよ!」
 オリガはユーベルコード『|現実偽装《テクスチャー》解除・魔王降臨』を発動させ、姿を青いゴスロリ服を着たドS魔王へ変貌する。
「さあ、バルセロナの夜へ繰り出すわよアンナ!」
 オリガが手を引いて酒場通りへススで行く相手ことアンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)は、恋人のテンションの高さと反比例して虚無になりかけていた。
(なんとなく予想はしてたけど、オリガに連れられて人生初のバーデビュー。まぁ来たからにはしょうがないし)
 ドレスコード云々をオリガから教授されたアンナは、普段から羽織っている真っ黒なコートを脱いだ黒のワンピース姿で真夏の夜のバルセロナの街を引き回されていた。
「ねえオリガ? 知ってると思うけど……私、色々と昔に受けた実験の影響で肝臓が弱いんだけど……あ、お酒を頼まないって話じゃなくて、オリガとは一緒に楽しくお酒が飲めたらなって思うんだけど、その……すぐ潰れちゃうと思うし、無理すると体が持たないから……えっと……うぅ……」
 アンナは恋人の気持ちに水を差したくない反面、自分がその席に相応しくないのではと危惧していた。
 その気持ちをうまく言語化できないアンナは、語気が尻すぼみしていってしまう。
 しかし、オリガはそんなアンナへ満面の笑みで返した。
「安心してアンナ! お酒を正しく楽しめる人っていうのは、他人へ無理強いなんてさせないわ! ほら、ここがいいわ! 高級感があって素敵よ! さ、行くわよ!」
「うわ、本当に高そうなお店……初心者の私がいきなり入って大丈夫かな……? ちょっと怖い……」
 依頼で強敵と戦うときには見せたことのない逃げ腰を披露するアンナ。
 オリガはそんな恋人のポンコツな部分に、たまらなくSっ気を覚えながら優しく入店へ導いていった。

「はい、アンナにはこのカクテルがオススメよ。アルコールは2~3%だし、こういう場は最初の1杯だけで十分なのよ」
「ありがとう、オリガ……わぁ、きれいな色……!」
 まるでオリガの青い髪のようなライトブルーのカクテルに、アンナはしばらく見惚れていた。
「いただきます……んぅ、んく……あ、飲みやすい……!」
 アルコール特有のツンとくる感覚が全くなく、まるでジュース同然の喉越し。
 これなら何杯でも飲めてしまいそうだ。
「でも、実際飲めないからね……って、オリガ、どうしちゃったの……!?」
 アンナがカクテルと対峙している間に、コミュ力強者のオリガは地元の獣人の若者達に酒を奢りまくっていた。
「ごめんなさいね、あたしにはあの緑髪の愛しい天使がいるから。男になんてこれっぽっちも興味ないの。そのお詫びに、今夜の此処のお会計を全部あたしが持つわ!」
「マジで? オリガちゃんサイコー!」
「俺らからしたらオリガちゃんが天使に見えるぜ!」
 アンナは途端に膨れっ面になった。オリガはナンパしてきた男をあしらうついでに、任務である豪遊をおこなっていたからだ。
「私のオリガを盗らないで……!」
 アンナはすぐにオリガの腕に自分の腕を絡ませて、男どもの前で“所有権”をアピール。
 これにオリガのドSハートに火が付いた!
「あらアンナ? それは違うわよね? アンナがあたしのモノなのよ? この場で分からせてあげようかしら?」
「う、うぅ……恥ずかしいよ、オリガ……!」
 バルセロナの獣人チャラ男たちは今夜、純白に咲き誇る百合の群生地を目の当たりにしたことで『性癖が曲がりかけた』と後日供述している。
「でも心配かけさせたことは謝るわ、アンナ。ごめんなさいね? さあ、バルセロナの夜は長いわよー! こういうのは楽しまなきゃ損なんだから!」
 オリガは店の客へ次々と酒を奢り、自分の勤務するコンセプトカフェの宣伝も抜かりなく行ってゆく。
 そんなコミュ力強者のオリガに圧倒されながらも、アンナも初のバーデビューの日を噛みしめている。
「お酒を飲みながらワイワイ騒ぐのって、楽しいな……っかくの初バルセロナでバーデビューなんだ。楽しまなきゃ損、だよね」
「それじゃ、歌うわよー! あたしの歌を聞きなさい!」
 興に乗ったオリガは、とうとう店内でゲリラライブを敢行!
 アンナはオリガの恋人兼トップオタとして最前列で声援を送り、この夜を全力で楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
「ご主人サマー?地下闘技場とか行くの?」
おうよ
こういう場所でならファイトマネーを稼げるだろ?
ここ最近散財も多かったしちょいとお小遣い稼ぎと行こうじゃねーか!
「それと戦闘訓練もかねてるんだね☆」
という訳で闘技場でバトル
チームなら連携で蹂躙
個人戦ならきちんと相手を観察して動きを視切り打ち破る
基本的には盗賊スタイルなので華麗に行ってやる!

技能を尽くして稼ぎまくってやるぞー!

賭博は…安全パイしかとらない(サイバーザナドゥの経験が生きた

もうけた後はもう娼館いくしかねーだろー!ひゃっはー!
「でもけも度高いんじゃない?ご主人サマ大丈夫?メルシーはイケるけど♥」
ちくせう!!(撃沈)

後はレモンへのお土産用意



「ご主人サマー?地下闘技場とか行くの?」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の相棒メルシーが尋ねる。
 その当人は繁華街から奥まった暗い裏路地を突き進んでいた。
「おうよ。こういう場所でならファイトマネーを稼げるだろ? ここ最近は散財も多かったし、ちょいとお小遣い稼ぎと行こうじゃねーか!」
「それと戦闘訓練もかねてるんだね☆」
「そーゆーこった」
 カシム程の実力者なら、地下闘技場の並みいる猛者達ともいい勝負が出来るはずだ。
 と、いうことで、裏路地で寝転がる浮浪者に金を使ませたカシムは、彼に地下闘技場へと案内させるのだった。

 地下闘技場では、カシムコールが鳴りやまなかった。
「なんとなんと! 彗星の如く現れたニューカマーことカシムが! ここ1年無敗の王者オーガンを撃破ァ!」
「「カシム! カシム! カシム!」」
 地下闘技場の猛者たちは、パフォーマンスもかねて大技を繰り出すパワーファイターばかりだった。
 カシムのような機動力重視の戦闘スタイルにはカモのような存在であり、見事に瞬殺しまくっていったのだ。
「やったよご主人サマ! メルシー、全額技場とか行くの?」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の相棒メルシーが尋ねる。
 その当人は繁華街から奥まった暗い裏路地を突き進んでいた。
「おうよ。こういう場所でならファイトマネーを稼げるだろ? ここ最近は散財も多かったし、ちょいとお小遣い稼ぎと行こうじゃねーか!」
「それと戦闘訓練もかねてるんだね☆」
「そーゆーこった」
 カシム程の実力者なら、地下闘技場の並みいる猛者達ともいい勝負が出来るはずだ。
 と、いうことで、裏路地で寝転がる浮浪者に金を使ませたカシムは、彼に地下闘技場へと案内させるのだった。

 地下闘技場では、カシムコールが鳴りやまなかった。
「なんとなんと! 彗星の如く現れたニューカマーことカシムが! ここ1年無敗の王者オーガンを撃破ァ!」
「「カシム! カシム! カシム!」」
 地下闘技場の猛者たちは、パフォーマンスもかねて大技を繰り出すパワーファイターばかりだった。
 カシムのような機動力重視の戦闘スタイルにはカモのような存在であり、見事に瞬殺しまくっていったのだ。
「やったよご主人サマ! メルシー、全額をご主人サマに賭けてがっぽり儲けちゃったぞ☆」
 謎の新人の活躍でオッズは大荒れ!
 メルシーは最初の所持金の今や20倍近くを抱えていた。
「ふん、賭博は……安牌しかとらない。つまり、このカシムさんが最強だから、僕に賭けるのが一番安牌だ!」
 今宵、バルセロナの闇に新たな伝説が生まれたのであった。

「いやー、がっぽり儲けたな! こうなりゃあとはもう、娼館いくしかねーだろー! ひゃっはー!」
 カシムは股間を漲らせながら意気揚々と娼館へ足早に向かってゆく。
 しかし、ここでメルシーが疑問を呈した。
「でもご主人サマ? 此処の世界の女の子って、ケモ度が高いんじゃない? ご主人サマ大丈夫?」
「な……!?」
 そう、獣人の世界だから娼婦も獣人、モッフモフの可能性が高い!
「ちなみにメルシーはイケるけど♥」
「ちくせう!! 僕は無理だー!」
 故に、グリモア猟兵へのお土産を用意せざるを得ないカシムであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リンカ・ディアベルスター
ギャング達が廃墟にて巨大な宝箱を見つけてアジトへ持ち帰った

ボスは魔力的な何かで開かないようで途方に暮れていたが突然宝箱に罅が入り…

出られたぁぁぁぁ!
両手を上げた女性が登場

おや?君達は誰だい?私はリンカ、見ての通り綺麗なお姉さんさ…
自身の胸に当てながら自己紹介をする

ギャング達は何だこいつは…と困惑する中ボスだけは冷静に何で宝箱に入っていたと聞いて来た

ラスティング?というオブリビオンを倒したのは良かったけど戦った時に施設が壊れちゃってね〜
指定UCによる知恵の力で超越概念干渉魔法の応用で空間移動魔法で脱出したと言う事さ♪

その後ギャング達に路地裏の外へ案内された
理由はボスが戦ったら不味いと判断したから



 バルセロナ市街地の片隅にて。
 ギャング達が郊外の廃墟にて巨大な宝箱を発見し、アジトへ持ち帰った。
 しかし、頑丈な封印魔法が施されており、どうやっても開かないので途方に暮れていた。
 遂に箱ごと叩き割って仲を取り出すかと話がまとまったところで、突然宝箱に罅が入る。
 まるで卵から生物が孵化するが如く、それは宝箱の中から飛び出した。

「出られたぁぁぁぁ!」

 なんと、宝箱の中から両手を上げた女性が登場したではないか。
「おや? 君達は誰だい? 私はリンカ、見ての通り綺麗なお姉さんさ……」
 リンカ・ディアベルスター(星神伝説を知る開拓者・f41254)は自身の胸に当てながら自己紹介をする。
 ギャング達は見るからに怪しい女性に拳銃を突き付けながら困惑するが、ボスだけは冷静に豪奢な椅子に腰を深く掛けたまま宝箱に入ってた理由と問うた。
「ラスティング……とかいうオブリビオンを倒したのは良かったけど、戦った時に施設が壊れちゃってね〜。私のユーベルコードによる知恵の力で、超越概念干渉魔法の応用で空間移動魔法で脱出したと言う事さ♪」
 言ってることが支離滅裂な上に理解不能である。
 ギャング達はアジトを知られたため女性を亡き者にするべく、拳銃で一斉に蜂の巣にしてみせる。
 血を流して倒れる女性を確認したボスは、このアジトを捨てて別の拠点へ移動していった。
 しかし、女性は彼らがいなくなると目を開けて平然と立ち上がってみせた。
「ふむ……どうやらこの身は既に死んでるようだ。愛する者との絆により『骸の海』から蘇生した、まだ暴走していないだけのオブリビオン。それがビハインド……今の私たらしめる存在のようだ」
 ビハインドとなった彷徨えるオブリビオン。それが、今のリンカ。
 彼女は喧騒溢れる夜のバルセロナの街へ繰り出し、そのまま二度と姿を現すことはなかった……。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ゼーレ・ユスティーツ
『これで少しは僕の呪いが漏れるのを防げるよ、ありがとう。アルブ・ディアベルスター殿(コブラ獣人の本名)』
エーリュシオンはコブラの獣人に言った後、鎌の中に戻った
コブラの獣人もおう!と言って別れた



凄いわ…これがナイトプールね
ワタシは高級ホテルのナイトプールに来ていた

水着が貸出してあって良かったわ、最悪全裸で泳ごうと思っていたしね

前の世界では魔力なしには水着など売ってくれないのでこのサービスは有り難かった

冷たくて、気持ちいいわ…
背泳ぎで泳ぎながら夜景を楽しんでいた


ふぅ…
ホテルの自室にあるシャワーを浴びてとてもリラックスしていた

…今日はワタシの鎌の問題が少しはマシになったけどかなり疲れたわ

新しい電話番号にはコブラの獣人と羊の老婆の名前が登録してあった

…でも、知り合いが増えて良かったわ
その後ベットで眠りについた
『僕の声は聞こえてないだろうけど…おやすみ、ゼーレ』



コブラの獣人が古い屋敷(自宅)で肖像画を見ながら呟いた
『今日も呪いの武器に困っている人を助けれたぜ…初代当主、リンカ・ディアベルスター様』



 呪神鎌『エーリュシオン』は自我を持つ武器だ。
 ゼーレ・ユスティーツ(彷徨う『黒蝶の死神』・f41108)のユーベルコードで量子空間に押し込まれたソレは、先程のコブラ獣人の男と会話を交わしていた。
『これで少しは僕の呪いが漏れるのを防げるよ、ありがとう。アルブ・ディアベルスター殿」
「おう! よかったな!」
 コブラ獣人は一言二言交わすと、その場から忽然と消えてしまった。
 ソレは量子空間のなかで、しばし惰眠を貪るのだった。

 コブラの獣人が自宅である廃屋敷に転送されてくると、彼はとある肖像画を見ながら呟いた。
『今日も呪いの武器に困っている人を助けれたぜ……初代当主、リンカ・ディアベルスター様』

 ――閑話休題。
 ゼーレは高級ホテルにチェックインすると、スイートルームに宿泊することにした。
 豪華なコース料理を堪能したのち、彼女が向かったのは最上階のナイトプールだ。
「凄いわ……これがナイトプールね」
 ゼーレはネオンライトが煌めき、陽気な音楽が流れ続ける巨大なプールに目を奪われていた。
「水着が貸し出しされててよかったわ。全裸のまま泳ぐつもりだったけど……さすがに止められたわね」
 更衣室から素っ裸で出歩くゼーレに、ホテル従業員が水着の貸し出しの旨を理解させるまで15分かかったのだけれども。それもそのはず、ゼーレは水着の着用意義を理解してなかったのだから。
「前の世界は水着なんて売ってなかったから。貸し出しサービス……とても便利ね」
 恐らく、ゼーレがいた異世界では誰かが素っ裸になっても気に留めない風潮だったのだろうか。
「プールって、冷たくて気持ちいいのね」
 ゼーレは何故か背泳ぎで延々とプールの端から端まで何度も往復し続けていた。
 その姿が奇異に映ったのか、周りの獣人達は誰もゼーレと目を合わせようとしなかった。

 部屋に戻ったゼーレは、温かいシャワーを浴びて一息つく。
「……今日はワタシの鎌の問題が少しはマシになったからか、かなり疲れたわ」
 この世界で知り合った人達の顔を思い浮かべる。
 羊の老婆と孫の二人組、そして頭のおかしいコブラ獣人。
 獣人戦線の文明レベルが第二次世界大戦初頭であるため、この世界にスマートフォンの類は存在しない。
 故に連絡先を好感したかったが、それは叶わなかった。
「……でも、知り合いが増えて良かったわ。ふわぁ……」
 その後、ゼーレは泳ぎ着かれたのかベットで眠りについた。

『僕の声は聞こえてないだろうけど……おやすみ、ゼーレ』

 大鎌が量子空間から主の寝顔を見守る。
 その自我は次第にフードを目深に被った人物へと象られてゆくのであった……。

 ●

 こうして、猟兵達のバルセロナ旅行が幕を閉じた。
 猟兵達の豪遊ぶりは周辺都市へ噂となって伝わり、ゾルダートグラード軍は迂闊に手を出しにくくなるだろう。
 バルセロナ市民も勇気と希望を取り戻し、戦時下の明日を逞しく生きてゆく。
 いつの日か、この世界の戦争が終わる日を夢見て。

<了>

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年08月20日


挿絵イラスト