【サポート優先】夢の続きは向日葵色
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●
「早いもので、シルバーレインでの戦争ももう半年前の話ですか」
時の流れって無情ですね、と虹目・カイ(未来は虹色・f36455)はしみじみ呟く。
「決戦の舞台は金沢市でしたが、彼の地に存在する自然環境保全区域で、オブリビオン溜まりの発生が予知されました」
オブリビオン溜まり――最近このシルバーレインで発生している、戦争や嘗ての決戦の地で多数発生が報告されている、急激なゴーストタウン現象の進行により危険地帯と化した土地のことだ。そこでは地面さえも不安定で、迂闊に入り込めば命の保証はない。
「この地では来月頃に向日葵が見頃を迎える筈なのですが、どうも現時点で急速に開花し、狂い咲きのようになっているようでして。現地でひっそりと暮らしていた茨乙女の皆様が、この現状を憂いているようでしてね」
ちょっと待て聞き慣れない名前が出てきたな。誰だそれは。
「茨乙女。ゴーストカード……こほん、資料によると、棘を持つ茨と化した長髪を持つリリスですね」
ゴーストじゃねえか!!
「あくまでゴーストであって、リリス化オブリビオンではございませんから。それに現地の彼女たちに関しては穏健派で、近隣住民に危害を加えることなく慎ましく生きて? おりますよ」
生きている、という表現が正しいのかは微妙なところ。暮らしているとでも言っておけばよかったんじゃないかな。
「と言うわけなので、皆様には近隣住民と茨乙女の皆様のために、現地で大量発生しているファントムミラージュガールを掃討してきていただきたいのですね。特殊空間に敵の大群と盛り沢山ですが、茨乙女の皆様が色々と協力してくださるようなので、力を合わせてこの難局を乗り越えて参りましょう」
いい感じに締めてますけどあなた戦わないですよね。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
(勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします)
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:冒険『向日葵色の幻想』
第2章:集団戦『ファントムミラージュガール』
第1章では、オブリビオン溜まりの影響で発生した特殊空間を攻略していただきます。
一見すると幻想的な向日葵畑ですが、ここに居続けると現実の肉体がオブリビオン溜まりに呑まれてしまいます。
幸い、茨乙女さんたちが現実世界から茨を道標に張り巡らせてくれますので、探し当てて果てのない夢から抜け出しましょう。
第2章は、オブリビオン溜まりに出現した『ファントムミラージュガール』の掃討戦です。
リリスらしい攻撃を行いますが、お色気を期待すると恐らく盛大な肩透かしに終わります。
あって精々クラっとする(頭が痛くなる)程度。
サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『向日葵色の幻想』
|
POW : どこまでも続く向日葵畑を歩いていこう
SPD : 向日葵畑の果てを探してみよう
WIZ : 向日葵畑を眺めながら日陰で休み休み行こう
イラスト:もちつきかがみ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
響納・リズ(サポート)
「皆様のお役に立てるよう、頑張りますわね」
移動時には、急ぐ要素があれば、サモン・アーティアを使って移動します。
洞窟など罠が予想される場所では、慎重に進み、万が一、けが人が出た場合は、回復UCにてすぐに癒します。
調査の際は、タロットを使っての失せもの探しや、礼儀作法を使っての交渉。聞き耳等を駆使して、情報を得ようとします。
交渉時は相手の機嫌を損ねないよう気遣いながら、気持ちよく話してくれるように進めます。
共同で進む際は、足手まといにならないよう、相手を補佐する形で参加したいと思います。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです。
●
「まあ、素敵な光景ですわね」
向日葵畑に足を踏み入れた、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)の眼前に一面の向日葵色が広がった。
鮮やか、と言うよりは夏の柔らかな日差しに和らいだ淡い黄色が、穏やかにそよそよと揺れている。どこまでも続く、不思議で、幻想的な光景だった。
(「これが特殊空間でなければ、純粋に楽しめたのですけれど……」)
そう。これは、夢だ。
猟兵たちの魂のみが見る、白昼夢。今もリズの身体は元の限りある向日葵畑で眠り、オブリビオン溜まりに呑み込まれようとしているのだろう。
可及的速やかに、ここを抜け出さなければ。
(「茨乙女の皆様が、茨で道標を作ってくださっているとか。となれば……足元に張っている筈ですわね」)
花を傷つけないよう、なおかつ足元に注意を払い、リズは向日葵畑を進んでいく。すると、ある地点に茨の先端部分を発見した。
「見つけましたわ」
後は、見失わないように辿っていく。茨を踏まないように、向日葵の中を進んでいく。
やがて、茨は地面の中へと消えていった。それをリズが認めた瞬間、足元から世界が崩れていく。
抗わずに地の底へと落ちていけば、覚醒したリズは現実の向日葵畑の中。まっすぐ太陽へと伸びる筈の向日葵が、不自然にリズの身体を拘束していた。
かと思えば、魂を取り逃がしたことを悟ってか、向日葵がリズから離れていく。そこを、茨乙女たちに助け起こされた。
(「人々の心に明るさを与える筈の花の在り方を、このように歪めるなんて……このままにしておくわけには参りませんわ」)
リズは茨乙女たちに柔らかく微笑む。しかし茨乙女の一人は、その微笑みが少し怖かったと後に語った。
成功
🔵🔵🔴
キノ・コバルトリュフ(サポート)
キノキノ、キノが来たから
もう、大丈夫だよ。
キノノ?キノだけじゃ心配だって?
マツタケ!キノには星霊の仲間がいるから大丈夫!!
トリュフ!!キノ達の活躍を見せてあげるよ。
シメジ?キノが苦戦はありえないけど、その時は一発逆転を狙っていくよ。
キノキノ、みんなよろしくね。
●
「キノ! 向日葵畑、綺麗だね」
キノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)は眼前に広がった、幻想的な夏の光景に目を輝かせながらも。
「いつかキノコヘイムを設立したら、こんな観光名所を作るのもいいかもね。キラキラしたロクショウグサレキンとか、コウバイタケも可愛いよね。夜ならヤコウタケとかもいいかも!」
夢が広がる。可能性は無限大。
ともあれ、そのためにはまずこの特殊空間から脱出しなければ。星霊スピカがちょいちょいと足元をつつけば。
「マツタケ? 大丈夫だよスピちゃん、ここから出るには茨を探せばいいって言われたからね」
ちゃんと覚えてるよ、と星霊たちを伴い、探索開始。
向日葵畑の中を、蒼い傘がひょこひょこと動いていく。
やがて、星霊バルカンがぴたりと足を止めれば、近づけたその鼻先に茨の先端。勿論、うっかり刺さるなんてヘマはしません。
「キノキノ、見つけたね! シメジ、この茨を辿っていこー」
軽やかに朗らかに、鼻歌を歌って歩き出す。
キノが茨を見失わないよう、星霊たちが導いてくれる。それを追う形でスキップしながら歩き続ければ。
やがて見えてくる終点。そこで茨は地面の中へと消えており、かと思えばそれを認めた瞬間、キノは星霊たちと地の底へ真っ逆さま。
けれど、落下の痛みや衝撃はなく。目を覚ませば自身を拘束していたと思しき向日葵がするすると元に戻っていくところだった。
茨乙女たちが、キノを助け起こしてくれる。
「エノキ! ありがとう!」
感謝を込めて、満面の笑顔を向けるキノであった。
成功
🔵🔵🔴
クロト・ラトキエ(サポート)
基本、戦闘中は無口。
静かに、密やかに、確実に…
鋼糸やワイヤーを張り巡らせ、陸空構わず足場とし、武器として、
他に、毒にナイフ…と多彩な暗器で敵を討つ。
物心ついた時から戦場に在り、
仮令、相手が誰であっても、如何なる強者や数だろうと、
ふわり、いつも通りの微笑みを絶やさない、生粋の戦場傭兵。
かわいい小動物から猛獣まで、生き物には避けられがち。
かなしみ。
常に周囲を視。
敵の動きや特性を見切り、回避や攻撃へと繋げる、
距離・範囲拘らずの攻撃orサポートタイプ。
温かな癖に、凍れる感情。
特に色仕掛けは効かない。
状況に合わせ、動きやUCはご自由に。
物語にとって良い様に、上手いことサポートさせて頂ければ幸いです。
●
(「果てが見えない……」)
クロト・ラトキエ(TTX・f00472)が瞬く。
眼前に広がるのは、淡い空と陽光の向こうまで続く向日葵畑だ。余りに穏やかで、幻想的な光景。
綺麗だ、と思う。だが、それだけだ。柔く微笑むその貌と裏腹に、ここが素敵な場所だとか、ここにずっといたいだとか、感情的に彼の心が揺さぶられることはない。
知っているから。ここが、生者の理から外れた世界であるということに。聞き及んでいたという事実よりも、どこか己の経験則で。
迷わず、足元に視線を落として歩き出す。そこに活路があると、理解しているから。乙女の髪の茨が道を指し示すものであるなら。きっと、そこにと。
向日葵色の中を歩く。言葉はなく黙々と。幸いにして日差しは眩いばかりで、過ぎた熱を孕んではいない。
やがて、天に向かう緑とは別に、地に横たわる緑を見つける。葉ではなく茨を纏ったそれこそが、間違えようのない道標だ。
辿る。導かれるままに歩を進める。すると茨は地中に消え、それを認めたクロトもまた、奈落の底へと落ちていく。
暗く変わる景色の前にもクロトの心は凪いでいた。大丈夫、真夏の昼の夢から覚めるだけ。
瞼が上がれば、己を拘束していた花と緑が逃げてゆく。代わりに緑の髪を持つ乙女たちが、クロトを助け起こそうと集まってくる。
「ありがとうございます」
短く温かく、それだけ告げて。
けれども茨乙女たちは、その微笑みに安堵した。
成功
🔵🔵🔴
八坂・詩織
興味があったのでおまかせでプレイング送ります。お役に立てましたら。
雪女の月光の魔女×ファンガス共生者。元能力者で現在は銀誓館の中学部で理科を教えている。
口調は丁寧「私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?」
落ち着いた物腰で、大抵のことはソツなくこなす一方実は方向音痴でよく道に迷う。またホラーも実は苦手。でも意地っ張りなので平気なふりをしがち。
学生時代に天文部を設立するほど星が好きで天文分野に詳しい。
戦いの際には|起 動《イグニッション!》し、髪を解き瞳は青く変化、白い着物を纏う。
UCは指定した物をどれでも使用、多少の怪我は厭わず積極的に行動。他人に迷惑をかけたり公序良俗に反する行動はしない。
●
(「特殊空間とは言え、見事な向日葵畑……けれど花の急速な成長はどうも気になりますね……」)
銀誓館学園で教鞭を執る八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)の担当は、中学理科。
中でも得意とするのは天文だが、植物を含めた生物の知識も当然ながら広く深く有している。
(「解決した後に、急成長の反動で枯れてしまうなんてことがないといいのですが……見頃はこれからだと言いますから、心配です」)
特殊空間と理解してはいるが、やはり見事な向日葵畑だ。ここに足を踏み入れる前に見た向日葵畑も、ここまで広大でこそなかったが、活き活きと太陽に向かい咲き誇っていた。
だからこそ、その生命が一瞬にして失われてしまうのではないか。どうしても、そのことが心に引っかかっている。
(「ともあれ、確かめるためにもまずは無事に脱出しないといけませんね」)
ここで力尽きてしまっては、元も子もない。特殊空間の出口を求めて、詩織は歩き出した。
かつてはゴーストタウンで戦ったリリス、茨乙女。彼女たちの力を借りることになるというのもまた数奇な縁だ。だが、この|故郷《シルバーレイン》を守りたいという気持ちが同じなら、手を取り合える。
そんな彼女たちの茨を求めて足元を探していると、遂に詩織はそれを見つけた。辿っていくと、やがて茨が地中へと消えていく。
「!」
直後、足元が崩れ去る。世界が終わり、闇へと呑み込まれていく。だが、詩織は知っている。特殊空間の綻びに潜っている、それだけのことなのだと。
やがて目を覚ませば、拘束されている感覚があった。けれど視界にするりと離れていく向日葵色を認めれば、その感覚も夢のように消えていく。
茨乙女たちが、詩織へと手を差し伸べる。その手を取って、詩織は微笑んだ。
「ありがとう、もう大丈夫です。さあ、行きましょう――私たちの故郷を、取り戻すために」
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『ファントムミラージュガール』
|
POW : 夢魔の檻
レベルm半径内を【濃密な桃色の霧】で覆い、[濃密な桃色の霧]に触れた敵から【生物か非生物を問わずに精気】を吸収する。
SPD : 避けられぬお約束
【よーく絡まった桃色の運命の糸】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【社会的ダメージを負う事故】を誘発する効果」を付与する。
WIZ : 揺蕩う欲望
【悟らないと耐えられない桃色のオーラ】を放ち、命中した敵を【思春期のように悶々とした情動】に包み継続ダメージを与える。自身が【体表の80%以上を露出(ソックスは除く)】していると威力アップ。
イラスト:赤霧天樹
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リィンティア・アシャンティ(サポート)
「数は多いですが……負けないのです。守るためにがんばるのです」
妖精ルノを連れた、礼儀正しくほわほわと穏やかな雰囲気の妖精騎士
穏やかながらエンドブレイカーとして戦っていたので
助けるために武器を持ち、ルノと一緒に勇敢に戦います
自分の生まれた世界と似ているところ違うところ様々な文明があるけれど
助けなくてはいけないものがあるから大切に思い
自分ができることを精一杯に
諦めることなく戦います
複数の敵に一度にダメージを与えるよう範囲攻撃を試みたり
周囲の人達を補助するよう行動しようとしたり
UCや武器はその時に一番有効そうなものをどれでも使用します
アドリブや連携は歓迎です
迷惑行為、公序良俗に反する行動はしません
六島・風音(サポート)
ガレオノイドのスターライダーです。
スピードなら誰にも負けません。
基本的に人の話を聞かず、スピード勝負に持ち込みます。
そんなことより駆けっこです。
普通に駆けるか、天使核ロケットエンジン搭載の宇宙バイクで駆けるか、ガレオン船形態で駆けるかは状況によります。
ユーベルコードは使えそうなものはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
遂に姿を現したファントムミラージュガールの群勢を、一所に追い込むように茨乙女たちが茨の髪を張り巡らせる。
その光景を目の当たりにした六島・風音(スピードなら誰にも負けません・f34152)は。
「成程、ここが今回のトラックというわけですね!」
「……ト、トラック??」
凡そ戦場で聞きそうにない単語を耳にしたリィンティア・アシャンティ(眠る光の歌声・f39564)が首を傾げた。アスリートアースならまだしも、ここシルバーレインですしね。
追い込まれたファントムミラージュガールらは、まずは目の前の脅威を排除しここから脱出せんと、猟兵たちへと向き直ったが。
「ちょっと狭いですが、この程度の制限で私の速さが損なわれることはありませんよー!」
「えっ」
敵味方共に囲い込む茨に沿って、風音は猛ダッシュ!
咄嗟にファントムミラージュガールらは、桃色の糸を張り巡らせ風音を絡めとろうとするものの。
「おっと進行妨害ですか? そんな小細工で私の歩み、いや駆け足が止まるとでもっ!」
身体に絡まる糸をものともせず、走り続ける。何なら彼女の周りに見えない風の膜が出来ていて、邪魔な糸を切り裂いているかのようですらある。
かけっこ特化のユーベルコード。本当にかけっこするだけで、衝突した敵にダメージを与えるなどということもない。その代わり、何者にもかけっこを邪魔することは叶わない。
まさに走りの申し子――彼女アスアスに向いてるな。
「と、ともあれチャンスですね。えいっ!」
いいのかなあ、と思いつつも、その間リィンティアは相棒たるエルフヘイムの妖精・ルノと共に敵を攻撃していくが。
彼女の存在を思い出したファントムミラージュガールらが、リィンティアにも糸を飛ばしてくる。
しかし、リィンティアは慌てることなく。
「ガーランド、お願いしますね」
曙光の彩纏うフレイムソードを掲げれば、同じ名を冠した星霊フェニックスが翼を広げる。
羽ばたきが温かな風を生み、糸を主へと送り返して絡め取る。
「キャー!?」
ぐるぐると絡み合った彼女らは、習慣少年誌レベルのいわゆるラッキーなんちゃら的な絡まり方をしながら絞め上げられ、ぐるぐると目を回した。
(「……ほ、本当にいいんでしょうか」)
自業自得とは言え、同じ女性として少々同情の念を禁じ得なくなるリィンティアだったが。
「あれっ、もう終わりですかー?」
風音と共に、多くの敵の無力化に成功したようだ。これで後に続く仲間たちの追い風になればよいのだが。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!
●
「こ、こうなったら……!」
まだ無力化されていない一部のファントムミラージュガールらが、戦場全体に桃色の霧を充満させる。
これにより猟兵たちを抗い難い煩悩への葛藤へと誘い、攻撃の手を緩めようという算段だった。だが――。
「?」
「あれっ効いてない!?」
真っ向からそれを浴びた筈の徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)は、きょとんと首を傾げていた。
彼は何があったのか理解出来ていない様子だったが、ふと思い至ったようにぽむと手を叩き。
「もしかして、僕を求めてくださったのですか? ……ですが、申し訳ありません。貴女たちの気持ちに応えることは出来ません」
「え、えっ」
寧ろ丁寧に謝られてしまい、困惑するファントムミラージュガール。
「大奥に、妻たちを待たせているんです。彼女たちを悲しませることは出来ません」
「!?」
リリス(化オブリビオン)も吃驚の一夫多妻であった。まあ立場が立場ですからね。
しかし、彼もまた将軍である前に、一人の猟兵である。
「それに、猟兵とオブリビオンが相入れることはない……ここで、討ち取らせていただきます!」
『上様!』
『が……頑張ってください!』
『負けないでー!』
「!?!?!?」
突如、ファントムミラージュガールらにも聞き覚えのない女性の声が聞こえた。それも一人のものではない。何人もの女性の声だ。
見れば家光の背後に出現した、鏡にも似た映像デバイスに、代わる代わる女性――そう、彼の妻たちだ――が映し出されているではないか。
「妻たちのような、今を生きる人々の未来を守るためにも……負けるわけには行きません! はあっ!」
「イヤアアアア!?」
今日も家光は、猟兵として世界を飛び回り、オブリビオンと戦う。
そんな彼の勇姿に、デバイスからは黄色い歓声が響き続けていたとかなんとか。
成功
🔵🔵🔴
御梅乃・藍斗(サポート)
一人称:僕
二人称:君、あなた
他人にはさん付け
基本的に敬語(ですます調)、動揺した時など男子っぽい口調になるのも可
まじめで負けず嫌い
積極的に他人と親しくする方ではないが任務に必要であれば協力は惜しまない
必要時サバイバル、捕縛、居合、受け流しなど活用
敵からの攻撃には激痛耐性や狂気耐性で耐える
名家の出であり、力あるものはそうでないものを守る義務があると考えている
サキュバスだが種族ゆえに性的な要素を警戒あるいは期待されることを厭っており、下世話な話題には嫌悪感を示す潔癖な性格
UCは活性化した物をどれでも使用
迷惑行為や公序良俗に反する行動はしない
●
「……あ、アタシそろそろヤバいかも知れない……」
「アタシも……精気吸って回復しなきゃ……」
様々な理由で疲労困憊のファントムミラージュガールらは、再度桃色の霧を広範囲に展開する。
空の青も、向日葵の黄色も塗り潰すその濃密な色は、同じ誘惑でも、より攻撃的で、守備的な力だ。
リリスとしての力を最大限活かしたその攻撃に、御梅乃・藍斗(虚ノ扉・f39274)が眉を顰めるのには、理由がある。
(「……同族嫌悪というやつなんですかね、これは」)
俗に淫魔とも呼ばれるサキュバスは、その種族特性から主に性的な面で誤解を受けることの多い種族である。
リリスと違い、快楽への欲望からは解放されている彼らだが、それでも性的な期待ないし嫌悪の目を向けられることも未だにあり。藍斗自身も例外ではない。
そんな周囲の目も、自分自身も嫌だった。そして今、己の種族としての本質を、まざまざと見せつけられているようで。
(「……心底、不快だ」)
こんなもの、もう一秒だって見ていたくない。
早々に片付けよう。そう決めてから動くのは早かった。
「収容すらも生温い」
野放しになんてしておけない。
駆逐あるのみ。覆われた空へと手を翳した。
ぎらり、虚空が光る。降り注ぐは雨、ではなく。
鉄格子という名の、槍だ。
黒鉄が降り注ぎ、霧の元から絶っていく。
余りに唐突で、容赦のない断罪に、断末魔すら上がらない。
「もう生まれてこないでください」
頼むから。……でなければ。
根絶やしにしなければ、ならなく、なる。
成功
🔵🔵🔴
八坂・詩織
|起動《イグニッション》!
髪を解き、瞳は青く変化。防具『雪月風花』を纏う。
…分かりやすくリリス、ではなくてリリス化オブリビオンですね…リリスの茨乙女でさえ慎ましく暮らしているというのに、向日葵畑を好き放題するとは感心しませんね。花にも咲くべきタイミングというものがあるんですよ?
私は月光の魔女ですし、あいにく太陽の光は持ち合わせていませんが…赤い月の光で害なす存在を溶かしてあげます。
極月煌光発動、今なら威力も上がっているはず。
桃色の霧による精気吸収は光の子安貝の【浄化】を載せた光で対抗。ちょっとクラっときましたが、これくらいなんでもありません。教師たるもの、風紀を乱す相手には負けられませんから!
●
割とカウンターやら(意志の力も含め)無効化やらで自縄自縛のグロッキー状態になっているファントムミラージュガール衆。
それに伴い薄れゆく桃色の霧――八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)も実は少し吸い込んでしまったものの。
(「ちょっとクラっときましたが、これくらいなんでもありません。教師たるもの、風紀を乱す相手には負けられませんから!」)
そして覚えた違和感を、完全に遮断すべく。そのまま、決着をつけるべく!
「|起動《イグニッション》!」
声を上げると共に、イグニッションカードを起動。風に揺れる艷やかな髪は解け、瞳は涼やかな青へと彩られてゆく。薄紅の花と蝶が遊ぶは纏う雪月風花の袖に裾に。
掌の内に収まった、光の子安貝が放つ浄化の光が、身体に内外から纏わりつく不浄すらも取り払う。
(「……分かりやすくリリス、ではなくてリリス化オブリビオンですね……」)
快楽を得続ける人々の、特に能力者の命を狙うとされてきたゴースト、それがリリスだ。
詩織も能力者時代はその認識で戦い続けてきたが、今となっては人々に友好的、ないし穏健派のゴーストも増えつつあり、リリスも例外ではない。
代わりに、より性質の悪さを増したリリス化オブリビオンなんてものが現れてしまった。奴らは猟兵にしか倒せず、そして一度は平和になったこの世界を、再び脅かすと言うのなら。
何度だって戦場に赴き、この力を振るおう。それが猟兵であり、能力者である詩織の覚悟だ!
「リリスの茨乙女でさえ慎ましく暮らしているというのに、向日葵畑を好き放題するとは感心しませんね。花にも咲くべきタイミングというものがあるんですよ?」
諭すように語るも、戦う意志は確固。
今はまだ小さな世界の異変でも、巡り巡って大きな災いを呼ぶのなら、見過ごすわけには行かない。
何より、花の生命を、その開花を待ち望む人々の心を弄ぶなど、許せる筈もない!
「私は月光の魔女ですし、あいにく太陽の光は持ち合わせていませんが……赤い月の光で害なす存在を溶かしてあげます」
花を、生命を、世界を守るために。
特殊空間での冒険を経て、輝きと威力を増した赤い月が、その光が、邪悪な幻を打ち滅ぼす!
「きゃああああああ!!」
眩く輝く月光が、敵を呑み込んで晴れた時、そこにはもう、幻の女の姿はなく。
ただ、蕾のままの向日葵が、そよ風に揺れるばかりである。
「……よかった」
大成功
🔵🔵🔵