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エンドレス・ティーパーティ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 それは迷宮『アルダワ』のとある深層区域で行われていた。
 絢爛豪華なティーセット、注がれる紅茶はアプリコット。
 添えられたお菓子はどれも甘くて、集う学生たちもみんな笑顔を浮かべている。
 そんな、しあわせいっぱいなティータイムの中に。
「はふー、もうおなかいっぱいなのにゃー」
 黒くて小さなケットシー、コパン・コラパンはまんぷくにゃーとばかりに丸いおなかをぽんぽん叩いた。
 そんな彼の隣に置かれた、大きな青いティーカップの中から、白い毛並みの猫が顔を覗かせている。
 黄色い右目、赤い左目をぱちりと瞬かせる彼は幸せそうなコパンを見ては優しく微笑んだ。
「スコーンは美味しかったかニャ? クッキーもまだまだたくさんあるニャ、遠慮しニャいでどんどん召し上がって、楽しんでおくれニャ」
「白猫さん、ありがとなのにゃー。 ぼく、看板持ったネズミさんたちに追いかけられて、とっても大変だったのにゃー」
「おや、それは災難だったニャあ。 けどもそのネズミはここには入ってこれニャいから、安心するといいニャ。 ……紅茶のお代わりはいるかニャ?」
「あうあう、ありがとなのにゃー。 でもちょっとまんぷくにゃから、少しおやすみするにゃぁ……」
 自前の毛布を取り出しては、くるんと丸まって寝入ってしまったコパン。
 ニャーさん、と呼ばれた白猫はそんなコパンをじぃっと見つめて……やはりまた笑う。
「……そうだニャ、好きニャだけ楽しむといいニャ。 ずっとずっと、ずうっと続くこのお茶会をめいっぱい、ニャ。 だから、」
 ――帰りたいだニャんて、絶対に言わせニャい。
 ――もしそう言ったニャら、その時は。

●グリモアベース
「とまぁ、こんな具合でコパンを含む現地学生たちが猫型災魔、ティーパーティキャットに捕らわれてしまいました。 皆さんには学生たちの救出及び、ティーパーティキャットの撃破をお願いしたいのです」
 コンラッド・アレグリアス(ケットシーの精霊術士・f01460)はアルダワ魔法学園の背景を振り返りつつ、猟兵たちへ改めて説明を開始する。
 グリモアがより大きく映し出している存在……青いティーカップに半身を隠した白猫をぴっと指差した。
「ティーパーティキャット。 迷宮の奥深くに広い支配領域を持ち、その一角でお茶会を開く災魔です。 そのお茶会の招待を受けた者は快く歓迎しますが、席につけばそのお茶会を抜け出すことは出来ないと言われています。 学生たちの今の状況がまさにそれですね」
 広い支配領域を持つだけあって、ティーパーティキャットの魔術師として高めの戦闘力を持つと、コンラッドは注意警戒を促す。
 宙に浮かべた瞳から赤黒い瞳から死の視線、闇の輝きで攻撃を仕掛けてくる他、トランプ兵や、過去に招待した人々の霊を召喚して戦わせる戦法を取ってくる。
 愛らしい白猫の見た目から油断することは決してないように、とコンラッドは念には念を押してくる。
 転移場所は直接このお茶会へ向かうのかと、ある猟兵がコンラッドへ尋ねたが、コンラッドは首を横に振った。
「……支配領域が広すぎて、お茶会の会場を特定することは叶いませんでした。 しかしティーパーティキャットの配下となっているふだつきマウスの発見は容易でしょう。 このふだつきマウスたちは、皆さんを帰る宛のないお茶会へと誘導しようとします。 ふだつきマウスの誘導に従えば自然とお茶会に乗り込めますが……可能ならばふだつきマウスの数を減らしてください」
 ふだつきマウスを野放しにしていると、別の学生がティーパーティキャットの支配領域に巻き込まれ、さらに誘導される可能性が発生すると言う……その確率を減らすためにもふだつきマウスとの戦闘は行ってほしいとコンラッドは依頼する。
 ふだつきマウスへの対処を終え、お茶会へ辿り着いた後にやることと言えば、先程の言葉通り……学生たちの救出と災魔の撃破だ。
「……そうですねぇ、特に大きな被害もなく事を終えられたら、そこでお茶会を楽しんでもいいかもしれません。 その為の設備は整っていますし、捕らわれていた学生たちも目覚めれば、お茶会に参加するかと思います」
 僕も後で伺いましょうかね、とコンラッドは転移の準備を開始する。


四季臣
 十九度目まして、四季臣です。
 この度はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。

 不思議なネコさんとお茶会を楽しみませんか?
 ただし、負けたら帰ってこれなくなるかもしれませんけども。

 第1章は、集団戦です。
 配下のふだつきマウスたちが、あれやこれやと皆さんをお茶会へと誘導してきます。
 そのまま大人しく従うのもいいですが、グリモア猟兵は数を減らせと依頼しています。
 第2章は、ボス戦です。
 お茶会の主催者、ティーパーティキャットとの戦闘になります。
 現地にはコパン以外にも捕らわれている学生がいますが、彼等は戦闘に巻き込まれません。
 また、時間経過や🔴の発生数などで学生がどんどん死亡していくこともありません。
 今の学生と過去の霊の関連性もありません。
 第3章は、日常パートです。
 救出された学生たちと、お茶会を楽しむパートになります。
 コンラッドも後で顔を出すと言っていますが、参加者様の接触がなければリプレイには登場しません。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『ふだつきマウス』

POW   :    カンバンストライク
単純で重い【看板】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    『ここは通行止めだよ!』
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【行き止まりの標識】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ   :    仲間がピンチだ!
自身が戦闘で瀕死になると【ふだつきマウス1匹】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セルヴィ・アウレアム
「片っ端から倒したら居場所が解らへん。倒さなんだらまた厄介事につながる。はてさて、どう料理したもんかなぁ。」
軽く思案し、何やら思い付いたのか、背負い鞄から小さな機械のようなものを取り出す。

●行動「UC:マギアガトリングを使用。」
ふだつきマウスが数匹居る所を探しだし、マギアガトリングによる急襲を行う。
その際、一匹はあえて傷つけず、残したふだつきマウスに発信器をつける。
あとはその一体に気づかないフリをしつつ一旦撤退。ふだつきマウスが逃げた、または増援を呼びに戻った場所に向け、「内臓ハンド・ファーニス」で直通路をつくってカチコミをかける。


リグレース・ロディット
ティーパーティー好きだけど、血あるかなぁ?気の利かない主催者のわけないよねぇ?
【WIZ】うわぁ!僕綺麗なネズミ初めて見た!可愛いなーえっへへついてこっと。……ついていくだけって暇だなぁ。後ろから触ったり装備の『クライウタ』でつんつんしたりざくざくしたりするー。喜ぶかな?怒っちゃうかな?ネズミが増えちゃったらUCの『赤く煌く影が散る』で辺りを花びらだらけにするよ。この花と一緒にネズミ達の血が混じればもっときれいになると思うんだ!!
叩かれたりしても『激痛耐性』があるから大丈夫!もっと楽しもうよ。それともこの先にもっと楽しいものがあるから加減してくれてるのかな?嬉しいなぁ!!

(絡み・アドリブ大歓迎)


ペパシア・ドロキペ
ネズミさんがたくさんですわ!?
わたくしアレ、苦手ですのよね…。でも退治しないわけにもいきませんし、あんまり直視しないようにして頑張りますわ。

ネズミさん、見るからにわたくしたちを迷子にさせてきそうなユーベルコードを持ってますわね…。あれにハマると厄介そうですし、ボスのところまで案内してくださるというのならその口車に乗ってしまおうと思います。

作戦としてはこうですわ。
まずわたくしがネズミさんをできるだけ大勢巻き込んでユーベルコードをお見舞いします。
…生き残ったネズミさんに案内してもらいますわ。
以上ですわ。



●ティーパーティキャットの支配領域
 そこは、まるでどこか大きな屋敷のそばにありそうな庭園と錯覚してしまいそうな場所だった。
 熟練の庭師によって整えられたかのような草木の壁が、迷路のように構築されている。
 一歩足を踏み入れたなら、すぐに迷子になってしまいそうな雰囲気がそこには存在していた。
 そんな草藪迷路にまだ足を踏み入れていないというのに、先に転移された猟兵たちの目に写るのは数匹のふだつきマウスの群れ。
「片っ端から倒したら居場所が解らへん。 倒さなんだらまた厄介事につながる。 はてさて、どう料理したもんかなぁ」
 セルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)は思案顔で考え込みながら、背負い鞄の中身をごそごそと探っている。
 やがて策を思い付いたセルヴィは、目的のモノを鞄から取り出してから、くるっと背後をみやった。
「うわぁ! 僕綺麗なネズミ初めて見た! 可愛いなー」
「ネ、ネズミがたくさんですわ?! わたくしアレ、苦手ですのよね……」
 マウスたちを見ては楽しむリグレース・ロディット(夢みる虚・f03337)と、苦手意識を露にするペパシア・ドロキペ(お嬢様はカラスと戯れたい・f00817)。
 まず居合わせた三人の猟兵たちは、見かけたマウスの群れへと向かっていく……ペパシアだけはなるべく直視しないように目を背けていた。

「やあ学生のみんな! 楽しいお茶会はこちら――」
「この――! これでもくらえですわー!」
「うわーっ?!」
 ふだつきマウスが声を上げると同時に、真っ先に突っ込んでいったのはペパシアだった。
 土煙の中でボコスカするやつ、お見舞いしてやりますのとばかりに突進からのぐるぐるパンチはれっきとしたペパシアのユーベルコードである。
 出会い頭にぐるぐるぼっかんとかかしのげんこつを浴びせられたふだつきマウスたちは、四方八方へどかーんと弾き飛ばされていく。
 目をつぶってお見舞いしているとは思えない命中精度だったが、ペパシアのパンチから逃れたマウスたちはこれに対して、ピンチを悟って仲間を呼ぼうとした。
「いきなりなんてことするんだ! み、みんなー!」
「下手な鉄砲もなんとやら……舐めとーと後悔するでぇ!」
「またいきなり来たー?!」
 リーダーっぽいマウスが呼んだ仲間たちを、セルヴィはマギア・ガトリング――碗部内蔵の魔力ガトリングガンで急襲する。
 援軍としてやってきた先に魔力弾をたくさん撃ち込まれては倒れ伏す仲間たちを見たリーダーマウスは、意を決したように褐色のミレナリィドールへと看板を振り上げた。
「このっ、やめろー!」
 しかしそのカンバンストライクは見向きもされず、セルヴィは援軍マウスたちを追いながらその一撃をすかっと回避する。
 草藪の壁がめりっと凹んだその横には、色黒の少年が金色の刃の刀を手にしていた。
「えっへへへ、僕たちをティーパーティへ案内してくれるんだよねぇ? それじゃあ連れていってよ!」
「わああっ、連れてくからその刀振り回すのやめてー!!」
 リグレースがその刃、『クライウタ』でつんつんざくざくと刺したり切りつけたりしてくるのを、リーダーマウスは泣き喚きながら回避してたったか逃げていく。
 危ないから、とばかりにリーダーマウスは行き止まりの標識をざくっと立ててリグレースを立ち止まらせた。
「ところで僕ティーパーティは好きだけど、血はあるかなぁ? みんなを誘ってパーティ開くだけあって、そんな気の利かない主催者なわけないよねぇ?」
「血なんてパーティに出すわけ……わああ花びら出すのやめてー!!」
 リグレースの手が翳された先に舞う、血と影で出来た夕顔の花びらは援軍マウスたちを次々と切り裂いて、草花の迷宮を赤へと染めていく。
 セルヴィのガトリング掃射も重なって、リーダーマウスが呼んだ援軍は殆ど倒される事態に陥っていた。
「な、なんて乱暴なやつらなんだー!!」
 リーダーマウスは捨て台詞を吐きながら迷宮の奥へと一匹で待避していく。
 ちゃっかり一匹だけほぼ無傷での退却となったわけだが、そこには理由があった。
「……はっ! ネズミさんに案内してもらわないといけなかったんですわ!」
「あー、それはもう手を打ってあるからなぁ」
 草藪に突っ込んでいたペパシアを引っ張り出しながら、セルヴィはニヤリと笑う。
 わざと逃がした一匹に発信器を仕掛けておいたセルヴィは、リグレースとペパシアを先導するように行き止まり標識の脇を通り抜けていく。
「この先にもっと楽しいものがありそうだなぁ? 楽しみだなぁ!」
「で、出来ればネズミさんはお茶会では見たくありませんわ……」
 終始変わらぬハイテンションのリグレースにちょっと驚きつつ、ペパシアは行き止まり標識を引き抜いてからセルヴィの背中を追いかける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ユリ・アップルヤード
「Search&Destroy!情け無用のネズミ狩りの時間だ!!!」

というわけで、派手に行こうか。
Do it Myself.でコロマルとルーには捕獲用ネットガン、ヒューズには軽機関銃、リアンには榴弾砲を装備させるよ。
リアンとヒューズは徹底的に面を制圧。器用に何匹か残すとかは考えなくてよし。そこはコロマルとルーの仕事。
リアンの榴弾砲の爆風でダメージと態勢崩しを狙いつつ、着弾地点周辺にヒューズは即座に斉射。寄ってくる敵はリアンが踏み潰せばよし。
コロマルとルーは機動力を生かして、爆風と斉射の間を縫って接敵。
弱ってる奴にネットガンを放って1匹捕獲しよう。それができたら、即後退だ。1匹生きてればよし。



「Search&Destroy! 情け無用のネズミ狩りの時間だ!!!」
 見つけ次第ぶっ放せ、とばかりに庭園のような迷宮を突き進む青いツナギ姿のお嬢さんことユリ・アップルヤード(パーツ屋「アップルガレージ」・f00153)。
 パーツ屋を生業とし、自らも優れた技術者であるユリは今日も自慢の機械たちと共に迷宮『アルダワ』を駆ける。
 そんな彼女を――いや、彼女が率いる機械巨人リアンや、戦闘用機械兵ヒューズを見たふだつきマウスたちの旗色は恐怖一色に染まる。
 なんせリアンは榴弾砲を、ヒューズは軽機関銃といった火器をいきなりマウスたちへ向けているのだ。
「いやいやいや! あんなのお茶会に通したら何もかもぶっ壊れるっていうか親分に怒られるってレベルじゃなくてぼくたちの命がヤバいやつだー!!」
「よくわかってるじゃないか! さあ、リアンとヒューズはこの場を徹底的に制圧開始!!」
 ユリの指示と同時に、リアンとヒューズはそれぞれ手に持つ火器の引き金を引く。
 榴弾砲が荒々しくマウスの群れ中央に着弾して爆発、四方八方に吹き飛ばされたマウスたちへは機関銃による掃射が行われ、徹底的に狩りまくられていた。
 対抗手段として行き止まり標記の看板を地に突き立てるマウスもいたが、圧倒的な爆撃と銃撃の前では、風の前の塵のようなものだった。
 爆風に飛ばされながらも逃げ延びようとするマウスもいたが、それすら許さないという機械がもう二体いる。
 偵察ロボットのコロマルと、万能型ドローンのルーが放った網によって、生き延びたマウスは一匹だけ捕らわれてしまったのだ。
「っと、リアンたちが全滅させちゃうかもとは思ったけど、案外上手くいくもんだね」
「ぼ、ぼくをどうするつもり――って、アレ?」
 人質お決まりな台詞を吐いたマウスを一瞥した後、ユリは機械兵たちと共に即時撤退していく。
 あまりにも瞬間的な出来事、しかし被害はしっかり受けてるマウスは目をぱちくりとさせて、呆然とし……やがて周囲で力尽きた仲間マウスたちの気配で我に返ったかのように叫んだ。
「…………こんだけのことされて、捕まった挙げ句に放置されるの、ぼく?!」
 網の中でもがくマウスの背中には、誰かが仕掛けた発信器が元気に点滅を繰り返していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

久東・柚葉
コパンちゃんと学生達の危機 と聞いて駆けつけたよ!お茶会も永遠に続いたら拷問だね。今助けに行くよ!
まず事前に『スクァーレルクラスタ』でリス達を出しておくよ。それでリス達に合ったサイズのダガー(見本は自前で持ってるダガー)も『Re:clone』で出して持たせておこう。これで準備はOK!
最初は大人しく札付きマウスさんの勧誘を受けるよ。時間稼ぎの為に どうしようかなって迷う感じで受け答えするよ。
リス達にはこの間に 後ろからそっと襲うように言ってあるよ。みんなよろしく!
そのうち目の前のマウスさんが気づいて攻撃してきたら『シーブズギャンビット』で応戦!
使用スキルは敵を盾にする と フェイント 使用するよ



 一方、別の地点では。
「やあやあそちらの可愛らしいお嬢さん! 楽しいお茶会に興味はないかい?」
「お茶会? んー、どうしようかなぁー」
「美味しい紅茶はもちろん、いくら食べても太らないお菓子がいっぱいあるよ!」
 別のふだつきマウスは、うさぎのぬいぐるみを抱いている女の子をお茶会へと誘おうとしていた。
 その女の子とは久東・柚葉(小動物ぬいぐるみ遣い・f09545)のことであり、彼女もまたお茶会に捕らわれた学生たちを救うために転移してきた猟兵である。
 救出対象として名を挙げられていたコパンは、かつて共にはちみつコッペパンを食べた仲だ。
 加えて他の学生たちにも危機が迫っていると知り、柚葉もまた行動を起こす。
 “それ”は今なお勧誘トークを展開させるマウスの背後からやってきた。
 柚葉のユーベルコード、スクァーレル・クラスタによって生み出された、たくさんの可愛いリスのからくり人形たちが、ふだつきマウスたちの背後に現れる。
 その手にはリス人形サイズにしっくりと合うサイズのダガー――ユーベルコード、Re:cloneにより複製された武器を持ち……勧誘役を努めるマウスの取り巻きマウスたちを静かに、さくさくと襲い始めたのだ。
 始めは取り巻きマウスの小さな悲鳴をうるさがった勧誘マウスだが、仲間の異変に気付いた頃には既に手遅れ。
 勧誘マウスは背中をリスの人形に、正面を柚葉に切りつけられて制圧されたのだった。
「お茶会も永遠に続いたら拷問だからね。 今助けに行くよ!」
 倒れたマウスたちを通りすぎて、柚葉
は迷宮の先へと急いだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

アガト・シレスティアル
お茶会にゃー!「しゃー!」ティーパーティーにゃー!「しゃーん!」
ワクワクするけど、にゃーもシャーくんもお茶会初めてにゃ……
マウスさんはお茶会のマナーとか知ってるにゃ?
上司の指示で重い看板を持ってずっと案内するのは疲れないにゃ?
お茶会に一度も参加させてもらえず、働きっぱなしだから
にゃー達を案内したら新しい上司を探すとかしたくないかにゃ?
と、ちょっぴり説得にゃ

会場が近くなって、マウスさんが新しいお仕事を探さないなら
電脳ゴーグルを付けてエレクトロレギオンを発動
まとめて撃破されないよう散開させた100体の機械兵器とシャーくんのガトリングで集中砲火にゃ
召喚されたマウスも数の暴力で倒すにゃ

アドリブ歓迎にゃ



「お茶会にゃー!」
「しゃー!」
「ティーパーティーにゃー!」
「しゃーん!」
 なんとも賑やかな声が、支配領域のどこかで響く。
 妙にむすっとしたふだつきマウスの案内に、てくてくと付いて歩いているのはアガト・シレスティアル(シャーくんと一緒!・f03547)。
 抱えている黒鮫剣のシャーくんと一緒に、これから開かれるお茶会を楽しみにしているようだった。
「ワクワクするけど、にゃーもシャーくんもお茶会初めてにゃ……マウスさんはお茶会のマナーとか知ってるにゃ?」
「さぁ、そこまでは」
 マウスのむすっとした感じにはお構いなく、アガトは根気強くマウスへと話しかけている。
 アガトはこれまでの猟兵たちとは異なるスタンスを試みていたのだ。
「マウスさんはもしかして、お茶会に参加したことないのにゃ? 上司の指示で重い看板を持ってずっと案内するのは疲れないにゃ??」
「そりゃまあ疲れるし、ネズミはお茶会に相応しくないってんで、お茶会には出たこともないけど……」
「にゃら、にゃー達を案内したら新しい上司を探すとかしたくないかにゃ?」
 新しい上司を探す――ようするにティーパーティキャットから手を引くようにアガトが先導するマウスに伝えると、マウスはゆらりと振り返る。
「……別のトコで、あんたらの仲間がぼくの仲間をボコってるみたいだからなー。 ぼくもボコられる前に退散するよ」
 そう、ネズミの天敵のケットシーであるアガトにそう言い捨てると、マウスは矢印看板を地面に突き立ててその場をたったか退散していく。
「……新しい上司さんを探しにいったのかにゃー?」
「しゃーん?」
 そうしてアガトは、ふだつきマウスと交戦することなくその数を減らすことに成功していた。
 矢印看板の示す先から賑やかな気配を感じて、アガトはシャーくんと共にそちらへ向かう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
宇宙大戦が終わったから久し振りに来てみたけど…
アルダワは、いつも通りだね
ま、コンラッドの招集だし、真面目にお仕事やってこうか

鼠を一体ずつ探して退治するのは骨が折れる
ここは彼らをヨイショして、一網打尽を狙おう

彼らと話し、取り入るために【動物と話す】技能と【コミュ力】を活用
ねぇ、この辺でお茶会やってるって聞いたんだけど、案内してくれないかな?
迷宮走り回ってあなた達も疲れるでしょ、私が茶会の主催者に話つけてあげるから、お仲間さん集めてらっしゃい
そしたら、みんなで休憩しに行こう
……みんなが休めないと、私だけお茶するのも、気まずいんだけど…ね?

会場が近付いたら【天羽々斬】
お勤めご苦労様、永い暇をあげるよ



「宇宙大戦が終わったから久し振りに来てみたけど……アルダワは、いつも通りだね」
 スペースシップワールドでの戦いを思い浮かべながら、ファン・ティンタン(天津華・f07547)は手近なふだつきマウスを見つけて思案する。
 なんせ、討伐対象に辿り着くためのステップとして、配下に道案内をさせ、その上で配下の数を減らせと言ってきたのだから。

「ねぇ、この辺りでお茶会やってるって聞いたんだけど、案内してくれないかな?」
 今まさにお茶会への道順看板を立てまくるふだつきマウスたちへ、ファンは声を掛ける。
 持ち前の動物と話す技能やコミュ力を活用して話を切り出すと、マウスたちはやや警戒をしつつも看板を担いでついてこいと手招きをしてきた。
「ねぇ、迷宮を走り回ってあなた達も疲れるでしょ」
 マウスたちに続きながら、ファンは身の丈以上の大きさの看板を抱えるマウスを気遣ってみせる。
 マウスたちは振り返らないが、進みながらも話には応じた。
「ここらの災魔はみんな茶会の主催者の支配下だからな。 ヤツの機嫌を損ねりゃ命が消えかねねぇのさ。 あいつネコだしネズミ嫌いだし、オレらはオレらでネコ嫌いだが、逆らう力もない」
「ふぅん……私が茶会の主催者に話つけて、あなた達を休憩させることは」
「無理だね。 あいつはゲストには寛大だがキャストには非情だ、アンタも行くなら精々キャストにされねぇように気を付けるんだな」
「それは気を付けるけど……あなたが休めないと、私一人だけお茶することになるじゃない。 気まずいんだけど……」
 ファンが残念そうに俯けば、マウスはやはり振り返らずにため息を付き、試したけりゃ試せと歩を進める。
 やがてマウスは立ち止まり、『この角曲がった先にお茶会』と書かれた看板を突き立てる。
「到着だぜお嬢さん、精々――おっとぉ」
 ここで初めて振り返ったマウスは、沢山の刀を複製してみせるファンを見て深々とため息を吐く。
「お勤めご苦労様、永い暇をあげるよ」
「……年貢の納め時か。 あの化けネコにその手は通じねえぞ」
 意を決したように看板を振りかぶったマウスの身を、複数の天華が切り裂いていく。
「ぐっ……まぁどの道、お前らはもう帰れねぇさ……」
 倒れ伏したマウスのうち一匹の捨て台詞を聞きながら、ファンは看板の導きに従ってお茶会へと向かった。 

成功 🔵​🔵​🔴​

アスター・ファラデー
アドリブ、連携歓迎

お茶会は、好きです……私も紅茶をよく飲む国の、出身ですので、よくお姉さまと、やりました
ですが、いつまでも続いて、抜け出せないお茶会は、よろしくないです……

ふだつきマウスと戦闘する他猟兵のサポートに動く
仲間が立ち回りやすいように位置関係を調整しながらルーンストーンを飛ばして援護
攻撃されてダメージを受ける仲間がいたら【歓びの贈り物】で回復
「私のルーンは、皆を助けるルーンです……」

お茶会に誘われるのもいいけれど、誘われつつも数を減らすという目的は忘れずに


テン・オクトー
帰ってこれないお茶会!?どんなのだろう?帰れないのはもちろん困るけれど、ティーパーティキャットさんとしては長く引き止める事に意味があるのかなあ?帰ろうとするとどうなるんだろう?色々謎だ。お呼ばれしてみたい気もするね。
冒険心いっぱいでお仕事に参加するよ。
WIZ
初めに会うふだつきマウスさんとは戦ってみるね。
UCでランタンから召喚した二体に頑張ってもらうよ。召喚した二体がやられたらボクも戦う。こちらは戦力として計三体!長期戦になっても耐えれるはず。(武器フレイル)【技能:衝撃波、見切り、気絶攻撃、盾受け】

ふだつきマウスさんに2回目会ったらお茶会に案内してもらおうかな。

連携アドリブ歓迎です。



「お茶会は、好きです……私も紅茶をよく飲む国の、出身ですので、よくお姉さまと、やりました」
 年の離れた姉との思い出の一時を思い浮かべながら、アスター・ファラデー(ルーンの繰り手・f02089)はさくさくと庭園のような迷宮を進んでいく。
 頭に被った黒いヴェールをゆらゆらと風に靡かせつつ歩くケットシーの少女と、その後に続くケットシーの少年テン・オクトー(気弱な小さき猛獣・f03824)は、ふだつきマウスの姿を探しながら、今回のお茶会について話をしていた。
「今回のお茶会の主催者……ティーパーティキャットさんが学生さんたちを長く引き止める事になにか意味はあるのかなぁ?」
「それは、今の段階では、わかりません……。 ただ、いつまでも続いて、抜け出せないお茶会は、よろしくないです……」
「帰ってこれないお茶会……どんなのだろう? 色々謎だ、帰れないのはもちろん困るけれど、もしそうでなかったらお呼ばれしてみたい気もするね」
 まだ見ぬ謎多き主催者と、楽しげなお茶会に好奇心や冒険心をいっぱいにした二人のケットシー。
 その目前に現れたふだつきマウスたちは、二人の姿を見るなり看板を担いで応戦体勢を取る。
 先立って攻略を開始した猟兵たちによって、ふだつきマウスたちの数は既に相当減っていたが故の警戒体勢だった。
「案内はしてもらえなさそうだね」
「はい……私は、サポートに動きます……」
 テンは腰に提げていたランタンを、アスターはルーンストーンを手にしてふだつきマウスたちと交戦開始。
「て、転校生たちを通すなー!」
 仲間を呼んだマウスたちは、援軍マウスたちと纏めてテンとアスターへ向けてがむしゃらに突っ込んできた。
 それに対抗するように、テンのランタンがぼやっとした光を強く放つ。
「右に騎士、左に蛇竜、後方にボク!」
 ユーベルコード、リザレクト・オブリビオンによって召喚された死霊騎士と死霊蛇竜は、それぞれ剣と牙を振るって向かってきたマウスたちを迎撃していく。
 前方で戦う二体の召喚体がマウスの看板に打たれたなら、アスターはすかさずルーンストーンを投げた。
「私のルーンは、皆を助けるルーンです……癒しを貴方に捧げます……」
 騎士や蛇竜の受けたダメージは、アスターのユーベルコード、歓びの贈り物によって治療が施されていく。
 召喚された二体が倒されたら自ら戦うつもりでいたテンだが、アスターの回復があるならそれはとても心強かった。
 召喚者であるテンへ直接向かってくるマウスが現れたなら、アスターが庇うように前に出て、衝撃波で迎撃する。
 弾かれたマウスは、騎士の刃によってトドメを刺されていた。
 こうしてマウスたちのファーストコンタクトは優勢の状態で制圧した二人のケットシーは、先へ進んで新たなマウスの姿を探す。
「数は減らす……その目的は達成しました……」
「そうだね、次に会ったふだつきマウスさんには案内してもらおう」
 首尾よく新たなマウスを見つけられたアスターとテンは、すっかり怯んだマウスの案内でお茶会へ向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
学生達の被害を少しでも減らしたいが、マウスがいないとキャットを見つけづらい
難しい問題だな……(しばし悩んだ後)
よし、マウス達をぶっ飛ばしてから考えるか!

審判竜の特大剣を召喚、装備してリーチの長さを活かして
マウスの看板に当たらない間合いから特大剣を命中させてみるぜ
命中できたら「看板で叩きつけるの禁止!」とルールを付けるぞ
ルールを守ろうとしてウロウロしている間に斧や槍で攻撃していくぜ!
行動自体を封印した訳じゃないから、マウスの反撃には十分気をつけるぞ

「あ、妙案が思いついた!」
マウスを一匹まで減らせたら特大剣を命中させて
「今すぐ寄り道せずキャットの元に帰る」ルールに変え、
キャットの元まで追跡するぞ!



 グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)もまた、討伐対象にして案内役であるマウスの姿を探していた。
「学生達の被害を少しでも減らしたいが、マウスがいないとキャットを見つけづらい……」
 難しい問題だ、とグァーネッツォは頭を捻っていると、やがて手頃なマウスの姿を見つけることは出来た。
 ただ、そのマウスはどうも先に別の猟兵と会った後らしく……網に捕らわれた上に発信器まで付けられている。
「はやく助けてくれー!」
 網の中のマウスは声を張り上げ続けていたのだろうか、周りには数匹のマウスがどうにか網を剥がそう四苦八苦していた。
「よし。 審判を司る竜や、契約に基づいてお前の特大剣を貸してくれ!」
 グァーネッツォはユーベルコード、審判竜の特大剣を竜言語を以て呼び起こすと、ふだつきマウスの群れへ走り込んだ。
「どうするかは、ぶっ飛ばしてから考えるか!」
「げげっ、また転校生が来たー!! 迎撃してー!」
 周りのマウスが一斉に各々の看板を振り回すが、グァーネッツォの持つ特大剣とのリーチ差はかなりのもので。
 カンバンストライクを叩き込もうと突っ込んできたマウスの大半は、審判竜の特大剣によって押し返される。
 しかしこの特大剣を身に受けてもダメージは発生しない……首をかしげたマウスたちへ、グァーネッツォはルールを宣告した。
「お前達、看板で叩きつけるの禁止!」
「はっ?! それ禁止されたら迎撃できないー?!」
「それが狙いだからな! さぁ、行くぜ!」
 ルールを破ればダメージが発生する……それを本能的に察したマウスたちはわたわたとしている間に、グァーネッツォは自前の斧や槍を取り出して追撃を見舞う。
 対抗手段もなく倒されていく仲間を網の中で見て、オロオロしているマウスに対し、グァーネッツォは何かを閃いたように再び特大剣を手にした。
 ぱこん、とダメージのない一撃を与えた後、グァーネッツォはマウスの網をひっぺがしてルールを足す。
「今すぐ、寄り道せずにティーパーティキャットの元に帰るんだ。 破ったら……たぶん痛いぞ」
「ふぇぇ、ご、ご案内しまーす……」
 ルールを課せられたふだつきマウスは涙目で走るのを、グァーネッツォはすかさず追跡する。
 発信器を仕掛けた猟兵が誰なのかをグァーネッツォは知らないが、このマウスがお茶会へ辿り着けば、他の猟兵もすぐに集うだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ティーパーティーキャット』

POW   :    ニャんでもニャい日をいわおうじゃニャいか
【宙に浮かぶ瞳から死の視線 】を向けた対象に、【闇の輝き】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    赤のクイーンの使い
レベル×5体の、小型の戦闘用【 トランプ兵 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    死んでもダンスを踊りましょう
【 お茶会に招待された者達 】の霊を召喚する。これは【魔法】や【剣技】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠カナタ・アマガです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●お茶会へようこそ
 ふだつきマウスの対処を終えた猟兵たちは、ティーパーティキャットのお茶会に辿り着く。
 細長いテーブルの上には沢山のティーセットにお菓子の山、その周囲に腰掛ける学生たちはみな、紅茶やお菓子を手にのんびりとお茶会を楽しんでいる。
 見る限り、深手を負っているものはいないようだ。
「おやおや、今日はお客さんが多いニャあ」
 テーブルの横に置かれた大きなティーカップの中から、ふわふわとした毛並みの白猫が気だるそうに顔を覗かせる。
 猟兵たちの姿を目にした白猫……お茶会の主催者ティーパーティキャットは、小さくため息を吐いた後に、魔法の言葉を呟いた。
 何もない空から現れたたくさんの瞳は、どれもが猟兵たちへ死の視線を送ろうとしている。
 加えてティーパーティキャットを守るかのように、かつてお茶会に招待された者たちの霊が現れる……主催者は既に応戦するつもりのようだ。
「トランプ兵は学生を避難させるニャ。 ふつーの学生ニャら歓迎したんだけど、転校生は苦手ニャ、ぱっぱとお化けにニャってもらうニャあ」
 お茶会を楽しむ学生たちは、現れたトランプ兵たちによって奥の方へと誘導されていく。
 まんぷくにゃー、と寝ているちびくろケットシーのコパンもまた、他の学生たちと共に奥の部屋の扉に消えていった。
 準備は整った、そう言いたげに牙を剥く白猫は猟兵たちへ宣告する。
「……それでは、終わらないお茶会を始めようじゃニャいか。 ふふふ、誰一人帰さニャい……、みんな、みぃんなぼくと一緒にずっとずぅっとお茶会するんだニャあ!」 
アスター・ファラデー
学生を避難させてくれるくらいには、学生想いではあるのですね……
有難いことですが、まぁ、あれです……運が無かったと思ってください……

ジャッジメント・クルセイドで宙に浮かぶ瞳を打ち落としにかかる
「その瞳を守ろうと、霊の皆さんが動くなら、諸共撃ち抜くまでです……」
生徒の皆さんが、避難させられているなら、巻き添えを心配する必要も、ないですものね……
霊の皆さんには悪いですが、これも学園の平和の為です……

ニャーさん、でしたか。
機会があれば、紅茶について語らいたかったですが……来世に期待、ですね……


テン・オクトー
あらあ、やっぱり歓迎されてないね。
こちらもただ出会っただけの災魔なら、少しお茶をご一緒してみたいところだけど、コパンさんや学生さん達を返してくれない貴方には容赦しないよ!
手始めにその青いカップ割っちゃうんだから!
WIZ
【高速詠唱】【先制攻撃】でUC展開。
UC攻撃と共に(武器フレイル)を持って
懐に潜り込み殴りにいくよ【衝撃波】【範囲攻撃】。
魔法や剣技をもらいそうだったらUCの竜巻効果や
【盾受け】【オーラ防御】で防ぐようつとめるよ。

連携アドリブ大歓迎です



「学生を避難させてくれるくらいには、学生想いではあるのですね……」
「けどボクたちはやっぱり歓迎されてないね」
 学生と転校生、その待遇の落差を口にしながらアスターとテンも各々の武器を構える。
 対し霊たちも剣や魔術書を手にして、ティーパーティキャットを護るように陣形を組んだ。
 霊たちがそれぞれ剣や魔法書を取り出そうとする前に、テンは先手を取る技能を駆使してユーベルコードの発動を急ぐ。
「ご先祖様力をお借りします」
 サモニング・ガイストにより、ランタンから呼び出された古代の魔導師は、霊の陣形へ向けて鉤爪を振るう。
 速攻の一撃は激しい竜巻を纏い、敵陣が武器を取り出す前に複数の霊を深く切り裂いた。
「コパンさんや学生さんを返してくれない貴方には容赦しないよ!」
 テンと瓜二つの姿をした先祖の霊の後に、テンも続いてフレイルを持って突撃する。
 狙う先は、竜巻によって陣形を崩された先にいる主催者だ。
「手始めに、その青いカップ割っちゃうんだから!」
 広域を弾きながら、凶悪な鈍器を振り回すテンはティーパーティキャットの身を守るカップに衝撃を叩き込む。
 甲高い音を鳴らしながら、陶器は大きく揺れると、中にいる白猫はガタガタ動く陶器の中で目を細める。
「あわわ、乱暴なお客さんだニャ……キャストさんはなんで守ってくれニャかったニャ?」
 その言葉に反応した、竜巻を受けていない霊たちがテンへ向けて魔法を放とうとするのを、身構えていたアスターが阻止に動く。
「宙に浮かぶ瞳も、貴方を守ろうとする霊も、諸共撃ち抜くまでです……」
 指先を向けた先の霊へ、天からの光を当てて焼き尽くしていく。
 その熱さに悶え苦しむ霊を、テンの先祖霊がトドメとばかりに爪で切り捨てた。
 続けてアスターが指を向けるのは、どこかむすっとした顔付きに変わった主催者の白猫。
「機会があれば、紅茶について語らいたかったですが……まぁ、あれです、運がなかったと思ってください……」
「そ、その機会はすぐ来るニャ、君がぱっぱとお化けになればいいんだニャ……わわっ!」
 宙に浮かんだ瞳を盾代わりにしながら、ティーパーティキャットは怒り気味に言い放つ……焼かれた瞳が力を失い、ティーパーティキャットの頭上にずしんと落ちてきた。
 ケットシー二人、先祖霊一人の連携は、ちょっと抜けてる部分のあるらしい白猫を着実に追い込んでいた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユリ・アップルヤード
「どうも私は戦えないと思われてるようで。だから、教えてあげよう。主義に反するけどね、その気になれば死角はない」

血統覚醒で真の姿をお見せしよう。外見はマイページのイラスト参照。
リアンは鉄柱でトランプ兵ごと敵を薙ぎ払っていこう。フルパワーで細かい配慮はいらないよ、私も他の子も上手く抜けるさ。
コロマル、ルー、ヒューズは私に追従しつつ援護射撃。動きを止める牽制射撃で良し。
私自身は魔影でそこを薙ぎ払い、突き刺し、斬り刻もう。変幻自在に、あらゆる方向から魔影を伸ばして喰らい付き、生命力もきっちり頂いて行こうか。
加減とかお上品にとか、昔から考えたことなんかないけどね。立ち塞がるものは一切合切鏖殺するとも。



 頭上に落ちてきた瞳をぽいっと投げたティーパーティキャット。
 ぼてんと転がった瞳が完全に力を失って消えた先に立っていたのは、ユリだった。
 今にも背後の機械兵たちへ指令を飛ばそうとしている彼女の姿を見て、ティーパーティキャットは慌てて新たな瞳を召喚する。
「ネズミも言ってた暴れん坊メカの女の人だニャ! 死の視線でやってしまうニャ!」
 真っ先にいくつもの死の視線が向けられたユリの右腕が、黒く弾け飛ぶ。
 一部の仲間がユリの名を叫ぶ最中……注目を浴びているユリは、笑っていた。
 ユーベルコード、血統覚醒によって真の姿と化したユリの右腕や顔半分から、魔影と呼ばれる赤黒い影が溢れ出したのだ。
 ユリにダメージを与えたつもりになっていたティーパーティキャットも、その姿には驚きを隠せずに目を見開く。
「ニャ……ッ?!」
「どうも私は戦えないと思われていたようで。 だから、教えてあげよう。 主義には反するけどね、その気になれば死角はない!」
 ユリの身から広がる魔影が、死の視線を向ける瞳に群がり、薙ぎ払い、斬り刻んでいく。
 それだけに留まらず、背後に控えていた機械巨人のリアンもまた鉄柱を大きく振るい、ティーパーティキャットを守るトランプ兵たちを纏めて薙ぎ払ってしまった。
 会場そのものを壊しかねない一撃を潜り抜けて、ユリはティーパーティキャットへ向けて突撃。
 コロマル、ルー、ヒューズ、三体の機械には牽制射撃を行わせて、ユリを止めようとする霊の足を止める。
 そこへ瞳を狩り終えた魔影が変幻自在にあらゆる方向へ伸ばされて、霊たちを更に貫く。
「技術者がそんニャ強いニャんて聞いてニャいニャ! ちょっとは加減とかお上品にとかぁ!」
「そういうの昔から考えたこともないね! 立ち塞がるものは一切合切鏖殺するとも!」
 リアンの鉄柱、ユリの魔影の両方に打ちのめされたティーカップが大きく弾き飛ばされる。
 その中に隠れようとしたティーパーティキャットの身は、ティーカップから投げ出され、会場の床へぺしゃりも倒れ込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リグレース・ロディット
考えてみてよぉ。好きな者がないパーティー何てただの無駄な時間!お前だってそうだろ?だから、血が飲めないパーティー何てこっちからごめんだ!
【SPD】血がないならそこら辺の奴から吸い尽くせば良い。血がありそうな敵をUCの『凍血燃刃』凍らせて『生命力吸収』しながら『吸血』してみるよ。けどね、僕たぶんわかっちゃう。敵の血は、おいしくない!全部全部主催者が悪いんだー!!八つ当たりしながら装備の『暴食紫炎』で仲間を攻撃しないようにして『範囲攻撃』するね。
攻撃されても『激痛耐性』で我慢するよ。こんな、こんな痛み、パーティーでのけ者にされた時の痛みと比べたら全然ましだもんね!!

(絡み・アドリブ大歓迎)


ファン・ティンタン
【SPD】真・アルダワ無双猛将伝
※アドリブ・共闘可

さて、白毛玉は好きなんだけれど…今回はご遠慮するよ
一応、約束したからには当人が故人でも、言っておかないとね(律儀)

そこの白猫、鼠達を解放しなさい、あの子達超過勤務だよ(真顔)

端から話が通じるとは思っていないから、展開関係無しに突撃
【天羽々斬】で【天華】を複製、囲まれても一気には不利にならぬよう防御線として宙に二重円で展開
自身は【天華】本体を振るい、目にも留まらぬ【早業】で敵陣を切り崩しにかかる

何でここに来たって言われるかも知れないけど、私、水以外受け付けないんだよね
紅茶とか、匂いだけで結構

敵が集まれば、超必殺のていで複製天華すとーむ【範囲攻撃】



「……呼んでもニャいお客からとっても乱暴されてるニャ。 ニャぜだ……」
 青いティーカップにいそいそと入り込みながら、ティーパーティキャットは転校生たちの猛攻を受ける現状を嘆いていた。
 すぐさま配下のトランプ兵たちへ我が身を守らせていると、お茶会に現れるやすぐに不満げになったリグレースは血の刃をぐっと握り締めていた。
「考えてみてよぉ。 好きなモノがないパーティなんてただの無駄な時間! お前だってそうだろ?」
「……無駄かどうかはさておき、楽しくはニャいかもニャあ?」
「だから、血が飲めないパーティなんてこっちからごめんだ!」
「あちゃー、噛むと血の味がする葉っぱしかニャかったニャー」
 そもそもお茶会に血なんて置かない、なんて訴えも聞かずにリグレースは血の刃、氷血焼刃をトランプ兵へ向けて放つ。
 ティーパーティキャットの盾となったトランプ兵らは血の刃に刺され、更に凍らせた上から生命力の吸収までされていた。
 リグレースの猛攻の最中、ファンもまたトランプ兵たちをばったばったと斬り倒しながらティーパーティキャットの方へと突き進んでいく。
 適当な兵士を強く押し倒し、ドミノよろしく倒しきった先に驚いた白猫を見て、ファンはさて、と切っ先を向けた。
「白毛玉は好きなんだけど、今回はご遠慮するよ」
「……呼んでもニャいお客から遠慮された?!」
「加えてこれ言うと、何でここに来たって言われるかもしれないけど、私、水以外受け付けないんだよね」
「ホントにニャんで来たの?」
 思わず真顔になったティーパーティキャットと言葉を交わしつつも、ファンのユーベルコード、天羽々斬によって複製された天華はトランプ兵を牽制しつつ斬り払う。
 手近なトランプ兵に接近したリグレースは吸血を試みるも、その結果はやる前からわかってたといった風にご機嫌斜めだった。
「敵の血は、おいしくなーい! 全部全部主催者が悪いんだー!!」
「ああもう、こっちはこっちで八つ当たりが酷いニャー?!」
 血を付けると紫色の炎を出しながら肥大化する鎌、暴食紫炎を振り回しながら、リグレースはティーパーティキャット本体へと突撃する。
 リグレースを止めようと迫るトランプ兵も確かにいたが、それはファンが展開した複製天華が防御線を展開したために届かなかった。
「リグレース、だっけ。 ちょっと派手にやろっか」
「いいよ、パーティでのけ者にされた者の痛み、思い知らせてやる!」
「じゃ、いくよ……複製天華すとーむ」
「燃える痛みを、その身に刻め!!」
 ファンの複製天華が、リグレースの凍血焼刃が交わるように飛び、トランプ兵の群れをずたずたに切り裂き貫いては吹き飛ばす。
 これだけの数を吹き飛ばすニャんて、と呆然とするティーパーティキャットへ、ファンはふと思い出したよつに継げた。
「鼠たちを解放しなさい、あの子たち超過勤務だよ」
「……解放したら帰ってくれニャい?」
 もはや叶わぬことと知りながらも、ティーパーティキャットは無双状態の二人を目の当たりにしてため息をついた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
ご飯食べたら勉強したり友達と遊んだり、寝て朝日を迎えるんだ
ずっとお茶会はお断りだぜ!

浮かぶ瞳に隠れる為に一瞬でも早くアースジャイアントで巨人を召喚するぞ
でも野生の勘が告げている、呼び出すべきは普通の大地の巨人じゃなくて
クリスタルで出来た大地の巨人だ
クリスタル巨人か巨人の近くのオレや猟兵に闇の輝きが飛んできたら、
クリスタルの屈折でキャットや瞳、霊など敵達に輝きを目晦ましとして返してやるぜ!
……何かオレ、目晦ましばっかしてる気がするが勝てばいいんだ!

あとはオレ自身少しでも死角から瞳に狙われないように気配に気をつけつつ
他の猟兵と協力しながらキャットやキャットへの進路を邪魔する敵をなぎ払っていくぜ!


久東・柚葉
へぇー…ここがお茶会会場かぁ。割とのんびりしてるんだね。よし!皆を丁寧に避難してくれて手間が省けたよ!
まずは…あの目を逸らして攻撃する隙が出来るようにしたいかな。攻撃当たりやすそうだし当たったら痛そうだもんね
まずリスを数匹UCで出す。またUCのRe:cloneで猫がじゃれるものの代表な毛糸を今までの記憶から複製するよ。ついでにナイフもリスとノエル用に各種複製。作れ次第持たせ&忍ばせるよ

まず物陰にこっそり寄って手元の動きを見られないよう猫の近くに自然な感じで転がす。猫が食いつけば目玉もそっちに注目する筈!素早さを利用して背後に周り目玉をノエルで叩くよ
さぁ皆を返してもらうよ!

連携アドリブかんげい!


アガト・シレスティアル
……お茶猫さんはそんなお茶会で楽しいにゃ?「しゃあーん?」
最初は学生さん達が笑顔でも、帰さないといえば抵抗するにゃ
会場を血で汚して、命令を聞くお化けにしてからのお茶会は楽しいにゃ?
そういうのはお茶会じゃなくて、お人形遊びっていうんにゃよ
それに、マウスさんを仲間はずれにするのが気に食わないにゃ
こんなお茶会ぶち壊すにゃ

機鮫組の羽織姿に変身して戦闘
前に出て、霊達の攻撃を武器受けでさらに軽減
ダメージは衝撃波と水の刃を霊が多いところやお茶猫さんに向けて飛ばして、生命力吸収で回復にゃ
霊がある程度減ったら、追加されないうちに
シャーくんでガトリングをぶち込みながら
お茶猫さんに斬りかかるにゃ!

アドリブ歓迎にゃ



 状況は猟兵優位のままで進行していく。
 お気に入りの領域やティーカップをボロボロにされたティーパーティキャットは、お化けにニャってくれニャいニャらぱっぱと帰れと言いたげに不服そうが表情を浮かべていた。
 しかしこのまま帰れぬ理由が猟兵たちにはある……ティーパーティキャットに捕らわれた学生たちを、終わらないお茶会から解放しなくてはならない。
「ぼくらはずっとずーっとお茶会してたいだけニャ、悪いことニャんてしてニャいニャ! ニャんでそうまでして邪魔するニャー?!」
 あまりに一方的に叩かれて、堪忍袋の緒が切れたティーパーティキャットは持てるすべての力を駆使して挑みかかる。
 三つの力が発揮されるその前に、グァーネッツォは手を翳してユーベルコードの発動を急いだ。
「ご飯食べたら勉強したり友達と遊んだり、寝て朝日を迎えるんだ。 ずっとお茶会はお断りだぜ!」
 死の視線を放つ瞳に対抗するため、今回グァーネッツォが呼び出したアースジャイアントの身体はクリスタルで構成されていた。
 透き通る水晶体が死の視線、闇の輝きを一身に受け止めると、光が屈折を起こしてクリスタル巨人が一層強く光輝く。
「ニャッ?! 眩し……!」
「……何かオレ、目眩ましばっかしてる気がするな」
 猫の目は突然の強い光に滅法弱く、宙に浮く瞳もまた例外ではなかった。
 それでも勝てばいいんだと、グァーネッツォ自身も斧を振るってトランプ兵を吹き飛ばしていく。
「さぁみんな! 楽しい遊びの時間だよ!」
 自らの光に怯んだ瞳に、柚葉がスクァーレル・クラスタで増やしたたくさんのリス人形を放つ。
 すべてのリス人形は手にした複製ナイフで一斉に攻撃、光に眩んだ隙だらけの瞳を一つずつ、着実に切り刻んでは潰していった。
「はっ?! 瞳がそんニャあっさり倒されるニャんて……!」
「学生の皆を丁寧に避難させてくれた事にはお礼を言うけど、皆は返してもらうよ!」
「そ、それはダメだニャ! 皆はずっとぼくとお茶会……ニャニャッ?!」
 やがて目眩ましが解けたティーパーティキャットの視界に飛び込んで来たのは、ころころと転がって弾む毛糸玉。
 まるくてころころ、ふわふわしたそれに、猫としての本能が反応する。
「け、毛糸玉ニャー!」
 ティーカップからぴょーんと飛び出したティーパーティキャットは、そのまま普通のイエネコよろしくといった風に毛糸玉にじゃれつきだす。
 そこへ、機鮫組の羽織姿になったアガトが、ガトリングモードになったシャーくんを構えながらやってきた。
「……お茶猫さんはそんなお茶会で楽しいにゃ?」
「ニャ?」
「最初は学生さんたちが笑顔でも、帰さないと言えば抵抗するにゃ。 会場を血で汚して、命令を聞くお化けにしてからのお茶会は楽しいにゃ?」
「ニャ……」
「そういうのはお茶会じゃなくて、お人形遊びっていうんにゃよ」
「……ッ?!」
 憐れむように、諭すようにアガトがティーパーティキャットに語るが、それはもはやお茶会ですらないと言う言葉に対して、明確な殺意が返される。
「……呼ばれてもニャいやつが、ぼくのお茶会を滅茶苦茶にした挙げ句にバカにするのか!」
 咆哮にも似た怒声に反応し、呼び起こされた過去の霊達がアガトへ襲いかかるも、アガトはその攻撃をシャーくんで受け流し、返しとして水の刃を放って切り捨てる。
 さらにアガトを狙うトランプ兵をグァーネッツォのクリスタル巨人が叩き潰し、霊は柚葉のからくりうさぎぬいぐるみのノエルがナイフで切り払う。
 アガトは怯まずに、ガトリングシャーくんをティーパーティキャットに向ける。
「それに、お茶猫さんの元で働いてたマウスさんを仲間はずれにするのが気にくわないにゃ……こんなお茶会、ぶち壊すにゃ!」
「しゃっしゃーん!!」
 シャーくんでガトリングを放ちながら、アガトはティーパーティキャットへ真っ向から接近。
 連射に怯むティーパーティキャットを、アガトは衝撃を纏った水の刃で切りつける。
 さらにグァーネッツォ、柚葉のノエルが追撃を放つと……ティーパーティキャットの白い身体はぐったりとティーカップの中に沈む。
「ぼ……ぼくのお茶会は終わらニャい……、終わらせたく、ニャい……」
「もう、終わりにゃ」
「しゃーん」
 色違いの目に涙を滲ませたティーパーティキャットへ、シャーくんの弾丸が引導を渡した。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『秘密のお茶会』

POW   :    クッキーを貪る眠りネズミを演じる

SPD   :    お茶を振る舞う三月兎を演じる

WIZ   :    たおやかな振る舞いでアリスを演じる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●お茶会はまだ終わらない?
 フロアボス、ティーパーティキャットの姿が消えてもお茶会のセットはそのままの状態で残されていた。
 それはさておきと、猟兵が学生たちが誘導された奥の扉を開くと……そこもなんとお茶会の会場となっていたのだ。
 ただ、表の盛大なお茶会に比べたら少し落ち着きのある風ではあるものの、紅茶やお菓子の質は変わらないようで、学生たちは中でも変わらずにお茶会を――。
「……もしかして、災魔を倒してくれたのか?」
「あぁ~よかったぁ、これでやっと帰れるー!」
 楽しんではいなかった、とても帰りたがっていた。
 と言うのも、もしもあの場で誰かが「帰りたい」などと口にしていれば、ティーパーティキャットのあの性格からして「じゃあお化けにニャればいいニャ」と返されるのは容易に想像できる。
 なので、ティーパーティキャットに捕らわれた学生たちは、お茶会を楽しむフリをして助けを待っていたと言うのだ。
「…………ふにゃー、よく寝たにゃー」
 ――ただ、一人を除いて。
「……あれ? ニャーさんどこ行っちゃったのかにゃー? 帰っちゃったにゃ?」
 目覚めたちびくろケットシー、コパンはきょろりと周囲を見渡した後……、猟兵たちの姿に気づいてぱたぱたと手を振ってきた。
「あ、転校生さんもお茶会来てたのにゃ? ぼくと一緒にお茶会するにゃ!」
 緊迫感をまるで感じさせないコパンに不安げな表情を浮かべる学生もいたが、コパンもこの状況が理解できないほど愚かではなかった。
「お茶会を終わらせる時は、みんなできちんとこう言うにゃ。 “楽しい時間をありがとう、ごちそうさま”、にゃ! それがコラパン式お茶会のおまじないなのにゃ!」
 コパンのその言葉に、不安げだった学生もほっと一息をついた。

 終わらないお茶会の終わりは見えてきた。
 ただ、猟兵がもう少しだけ楽しむくらいなら、終わりの時を少し先送りにしてもいいだろう。
 そして終わるときは、おまじないを忘れずに。
アスター・ファラデー
皆さん、無事で……無事ですよね?大丈夫ですよね?
怪我をした人や、体調が悪い人がいましたら、言ってください……ルーンで回復させます……
あと、お手洗いを我慢していた人は、トイレまで急いでくださいね……

アリスを演じつつお茶会を楽しみます
「紅茶は、ミルクティーがいいです……レモンティーなど邪道なのです……」
英国地方出身らしくミルクティーにこだわる
ゆったりと椅子に座ってお茶を楽しみお菓子を楽しみ

存分に楽しんだら、両手を合わせて
「楽しい時間でした……ごちそうさまでした……」


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
無事に学生達を助けられたと安心したらお腹空いてきたー
それにお茶会に対して辛かった思い出だけじゃ、将来のお茶会も楽しめなくなっちまう
という訳で今度こそ楽しいお茶会をしようぜ♪

とは言ってもオレってお茶会のルールやマナーがよくわからないから、
学生や他の猟兵の素振りを見て勉強しながらお茶やお菓子を頂いていくぜ
(ドラゴンランスのファンは優雅にお菓子を手にしたりお茶を飲んでいく)
うむうむ、新しいことを学べるのも楽しいし、ここのお茶もお菓子もおいしー♪

お茶会が終わりそうな時はコパンが教えてくれたおまじないをキチンとするぞ
「楽しい時間をありがとう、ごちそうさまにゃ!」
語尾がにゃもコラパン式……のはず!


リグレース・ロディット
あー終わっちゃった。……いや、これから始めるんだねちゃんとしたティーパーティー!えっと、血はぁ?
【SPD】血ー血ーうるさかったかな僕?ま、ともかく、誰の要望にも応えれるように、お茶をあげてまわるのー!皆にいちいちしゃがんでもらったりするの面倒だろうし、真の姿になって振る舞うよ。僕はちゃんと周りの事を見て動ける良い子だもんね。たぶん。
おすすめはー甘いお茶だけど、一番のおすすめは血かな!……え、飲まない?おっと。ごめんなさい。それはそうと皆に聞きたいんだけどさー、アリスって誰?ネズミとかウサギはそういう品種だーと思ってたんだけど……もしかしてこれ何かの物語?

(絡み・アドリブ大歓迎)



「ええと……皆さん、無事で……無事ですよね? 大丈夫ですよね?」
 やっと終わった安心感からか、ぐったりとしてしまった学生たちを見てアスターはちょっぴりオロオロとしてしまった。
 しかしそれは単なる気疲れというもので、実際に怪我をしていたり、体調を崩している学生は一人もいなかった。
「無事にみんな助けられてよかったなー!」
 アスターと一緒に学生達の様子を見て回っていたグァーネッツォも、安心した様子で適当な席に腰を下ろす。
「せっかくのお茶会に対して辛かった思い出だけじゃ、将来のお茶会も楽しめなくなっちまう……と言うわけで!」
 ティーカップをがっしり掲げたグァーネッツォは、くったりした学生たちに笑顔を向ける。
「今度こそ、楽しいお茶会をしようぜ♪」
「そうそう! これから始まるんだよね、ちゃんとしたティーパーティー!」
 同じく席についたリグレースもまた、グァーネッツォと同じようにカップを手にして……やがてテーブルの上で何かを探し始めた。
「えっとぉ……、血はぁ? ないの?」
「……血、かにゃ??」
 ティーパーティーと言えば血はもちろんある、その考えは崩れなかったリグレースだが、アルダワ魔術学園において血を趣向品とする種族はいない。
 血ー血ーうるさかったかなぁ、と首を傾げたリグレースだが、コパンを含む学生たちの視線はある一点を見つめることとなる。
「エミールって確か、輸血用の血液を持ち歩いてなかったか?」
「えっ。 確かに持ち歩いてるけど……?」
 そんなのお茶会でどうするのと首を傾げた女学生ことエミールへ、リグレースはきらきらとした笑顔を向けていた。

「紅茶は、ミルクティーがいいです……レモンティーなど邪道なのです……」
 テーブルに広げられたトランプ、ウサギを模した置物から、何となく不思議の国の少女の話が思い浮かんだ。
 アスターはそんな不思議の国の少女を演じるように、ゆったりと椅子に座って紅茶を楽しむ。
「えっと、れもんてぃーは邪道、なの、か?」
「いえ……アリスは英国地方の出身なので……お茶はミルクティーにこだわるのです……」
 楽しむ、と意気込んでいたグァーネッツォはおっかなびっくり。
 お茶会の作法などを知らないからと、外の学生やアスターの素振りを見ては真似ていた。
「その、アリスって誰? ネズミとかウサギはそういう品種だーと思ってたんだけど……」
 こてん、と黒髪で白い肌の知的な青年がアスターに訪ねてくる。
 みんなの要望に応じられるようにと、真の姿に変わったリグレースは、姿こそ違えど中身は変わらず無邪気なものだった。
 アスターが勧めてくれたミルクティーが、グァーネッツォのグラスになみなみ注がれていく。
 その傍ら、テーブルの隅にいるドラゴンランスのファン……幽冥竜槍ファントムドラゴンランスのファンもまた、豪快な主の様を眺めながら、優雅にお菓子を齧ったりお茶を飲んだりしていた。
「うむうむ、新しいことを学べるのは楽しいし、ここのお茶もお菓子もおいしー♪」
「そりゃあ、僕が淹れてあげたお茶だからねっ!」
 グァーネッツォの満足顔に、お茶を注いで回るリグレースもご満悦だ。
「まー僕のおすすめは甘いお茶だけど、一番のおすすめは血かな! ……えっ、飲まない?」
「ごめんなさいねぇ、趣味が合わなくって」
 輸血パックの血をカップに注いでは飲み干すリグレースのおすすめを、完全に想定外といった風に見つめる衛生技術者、エミールはにっこりと受け流した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
【WIZ】お茶会、と言う名のお喋り会

さて、どうしよう?(飲み食いしない系ヤドリガミの憂鬱)
水なら、飲めるんだけどねぇ…
とりあえず、飲み食い以外で楽しめることを探して時間を費やそうか(紅茶の香りやお菓子の色合いを楽しんでおく)

コンラッドが会場に来れば適当に世話話
先の宇宙大戦はお疲れ様
ロアーにも一言お礼を言いたいんだけど、ソレはまた今度の機会かな
…ところで、コンラッド
ロアーのヴィオラの腕って、どの程度のものなのかな?
いつか聴かせてとは言ったんだけど…あんまりにもな腕のようなら、黙って時の過ぎるのを待つから…ね?
そうじゃないようなら、改めて、私が演奏の機会を待ってるって、言伝をお願いね


アドリブ演出可


久東・柚葉
無事な様子を見て思わず表情が緩むよ。ネコさんが避難させてたのはわかってたけど、無事な様子をこの目で見たらホッとしたよ。うんうん!

気を取り直してみんなでお茶会の続きをしようか!
今度は気兼ねなく食べたり飲んだりおしゃべりしたりできるね
そう言いながら他の生徒達やコパン、今回一緒に行動した仲間達にお話ししながらお茶を注ごうかな
やぁコパン久しぶり!こっちのお花の香りのお茶はどう?なんて言いながら
あと今回一緒に戦ってくれたアガトにもお茶やお菓子を進めてみようかな!感謝の気持ちを込めて…ね
そんな風にみんなと楽しくお茶会を過ごすよ!
そして終わりにはコパンが言ったおまじないも忘れずに笑顔で言うよ
アドリブ歓迎です


テン・オクトー
みんな無事でよかった〜!
心置きなくお茶会出来るね。

折角の機会、お茶の種類やいれ方詳しい方がいたら教えてほしいな。美味しくお茶飲みたいもんね。まあでも大事なのは皆で楽しくお茶をいただく事、かな!?

うーん、いい香りのお茶と美味しいお菓子。大勢でのお茶会も楽しいねえ。

可能であればコンラッドさんにお茶をいれたいな。感謝の気持ちを込めて丁寧にお茶をいれるよ。ボクのいれたお茶飲んでくれるかな?(以前お魚食べ放題に来てくれてありがとう)

楽しい時間をありがとう。ご馳走さまでした。

絡みアドリブ歓迎です。



「さて……どうしよう?」
 お茶会の席にはついたものの、ファンは憂鬱な表情を浮かべていた。
 先程もティーパーティキャットに告げていたとおり、ファンは水以外は受け付けない。
 テーブルに並べられたお茶やお菓子といった、一振りには到底無縁の趣向品の数々を見ていると、隅の席に座った人物がやんわりと声を掛けてくる。
「飲み食いが出来なくとも、お茶会には参加出来ますよ。 この手の集まりは人々との交流がメインであることの方が多いですから」
「コンラッド、来てたんだ」
「はい、皆さん今回はお疲れさまでし た」
 グリモア猟兵のコンラッドは、お茶会の席についた全ての猟兵を労うように、ティーカップにお茶を注いで配り歩く。
 さあどうぞ、とカップを受け取った柚葉とテンも学生たちが無事である様子を見て、ほっとした表情を浮かべていた。
「あのネコさんがみんなを避難させてたのはわかってたけど」
「みんな無事でよかった~! これで心置きなくお茶会出来るね」
「うんうん!」
 せっかくの機会だから、と柚葉は学生たちの輪に混ざる位置に席を持っていく。
 ちびくろケットシー、コパンの姿を見かけた柚葉は、元気よく手を降ってみせた。
「やぁコパン久しぶり!」
「あっ、柚葉おねーさんお久しぶりにゃー。 えっと、コラパン商店のお手伝いありがとなのにゃ」
 ぺこぺことお辞儀をするコパンの頭を撫でながら、柚葉は淹れてもらったばかりの花茶の香りを楽しんでいる。
「ねぇ、このお花の香りのお茶はどう? なんだか香りだけでも身体があったまってくるよねー」
「はにゃーん……お茶会はお花畑なのにゃー。 これではちみつコッペパンがあったら幸せなのにゃーん」
 購買部のイチオシを思い浮かべながらほっこり顔を浮かべるコパンに、これまた和む柚葉のコパンを撫でる手は止まらない。
「しかし、花茶の用意までしてあるとは……主催者は敵ながら、お茶の好みだけはなかなか合いそうですねぇ」
「へぇー、これ、花茶って言うの?」
 そんな賑わいから離れた席につくコンラッドへ、テンが声を掛けにいく。
 折角の機会だから、と紅茶に詳しそうなコンラッドにいろいろ教えてもらおうとしているようだ。
「ええ、茶葉に花の香りを吸わせて作ったお茶です。 茶葉は主に緑茶が使用されるのですが、まれに紅茶でも作られます。 代表的な花茶といえば、ジャスミン茶あたりですかね」
「へぇー、そうなんだ。 あ、ボクがコンラッドさんにお茶をいれたいんだけど、いいかなぁ?」
「おや、それはありがとうございます。 ぜひぜひ」
 そうしてテンは、感謝の気持ちを込めて丁寧にお茶を注ぎ、コンラッドへと差し出す。
 コンラッドがお茶を一口含み、余韻に浸るようにしながらゆっくり飲み干す。
 そうしてにこりと微笑みを返したコンラッドに、テンもどこかほっとしたように笑い返した。
「ところでコンラッド」
 花茶の香りやお菓子の色合いといった、視覚嗅覚での味わいを楽しんでいたファンは、コンラッドに声をかける。
 先日の宇宙戦争はお疲れさま、とこちらも労いつつ、尋ねるのは彼の兄のことだ。
「ロアーのヴィオラの腕って、どの鄭どのものなのかな? いつか聴かせてとは言ったんだけど……」
「おや、それは兄に直接聞いた方がよかったのでは?」
 にっこりと、満面の笑みでそう突き返すコンラッドだったが、少し意地悪な返しでしたね、と呟いてからファンの問いに応じる。
「少なくとも、ファンさんをがっかりさせるような腕ではないと思いますよ。 あんな性格だからそう思われがちですが、歌と楽器については僕以上かと存じます」
「そうなんだ……なら改めて、私が演奏の機会を待ってるって、宣伝をお願いね」
「ええ、伝えてはおきます。 ただ、次からは本人に尋ねてくださいね?」
 終始変わらぬ笑顔で応じるコンラッドは最後、空のグラスに水を注いでファンへと差し出し、会話の閉めとした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●お茶会の終わり
 お茶会もそろそろ佳境、といった頃合いになってきた。
 そろそろ締めましょうか、とグリモア猟兵が尋ねたところに、柚葉が周囲をきょろりと見渡す。
 柚葉がお茶やお菓子を勧めようとした猟兵が一人、その場にいないことに気づいたのだ。
「どこにいっちゃったんだろう……」
「なら、みんなで探しにいこうか」
「にゃっ! それじゃーみんな、おまじないの時間なのにゃ!」
 皆が席を立ち始めるのに、コパンがカップを置いてみんなにそう呼び掛ける。
 アスターにグァーネッツォ、柚葉にテンは、両手を合わせて笑顔で応じた。

「楽しい時間でした……ごちそうさまでした……」
「楽しい時間をありがとう、ごちそうさまにゃ!」
「楽しい時間をありがとう、ごちそうさま!」
「楽しい時間をありがとう。 ご馳走さまでした」

「……にゃ?」
 コパンがあれ、と首を傾げるのに、グァーネッツォはからっとした笑顔でぐっと親指を立てる。
「語尾がにゃもコラパン式……のはず!」
「にゃっ!」
 お茶会にいる誰もがわっと笑って、秘密のお茶会は幕を閉じる。
 さあ、最後の一人を探しに行こう。
アガト・シレスティアル
…………
「しゃん?」
シャーくん。にゃーは一緒にお茶会したい人が、人じゃないけど、もうあそこにいないだろうけど、行ってくるにゃ
ティーセットをトレイに載せ、転ばないよう急いで行くにゃ

妙にむすっとしたマウスさんの看板の元へ行って
シャーくんランド土産のシャーくんクッキーとティーセットを看板前に置いて大声で叫ぶにゃ
マウスさん!にゃーと戦わないでくれて本当にありがとうにゃ!
お礼としてシャーくんクッキーとティーセットをここに置いとくにゃ
お茶会というには寂しいけど気分を楽しんでってにゃ!
次は猟兵に狙われない上司を探してにゃ!
お茶会に案内してくれて、楽しい時間をありがとうにゃ!ごちそうさまにゃ!

看板は持っていく



「……」
「しゃん?」
 ティーセットを二人分、トレーに乗せてお茶会の場を離れたアガトはある場所に向かっていた。
 シャーくんがちょっぴり寂しげなアガトを気遣ってじぃっと見つめるのに、アガトも気付いてせめてもの笑顔を浮かべる。
「にゃーは一緒にお茶会したい人がいるにゃ……」
 正しくは人ではない、もうそこにはいないだろうけど、それでもアガトは転ばないように急いで向かう。
 その場所とは、アガトを案内したふだつきマウスが看板を突き立てた所だった。
 矢印看板の前に、持ってきたティーセットとシャーくんクッキーを置いて、アガトは自分の分の紅茶をぐいっと飲み干す。
 それから、どこに誰がいるでもない方向へ叫んだ。
「マウスさーん! にゃーと、戦わないでくれて本当にありがとうにゃ!」
 アガトが一緒にお茶会をしたかった相手とは、アガトを案内したあの妙にむすっとした顔のふだつきマウスだった。
 ティーパーティキャットの配下にされ、迷い込んだ学生を案内する役目を負わされたのにも関わらず、お茶会の席には呼ばれず仲間はずれにされた彼と、アガトはお茶を飲みたかった。
「ここにお茶会セットは置いとくにゃ。 お茶会というには寂しいけど気分を楽しんでってにゃ! 次は猟兵に狙われない上司を探してにゃ!」
 ふだつきマウスは、オブリビオンだ。
 それ故に、次に別の猟兵と出会ったならば、その時に倒されてしまう可能性が高い存在である。
 だからせめて、学生に対し悪さを起こさない災魔の上司を探し当て、生き延びてほしいとアガトは願ったのだ。
 そうすれば、いつかまた出会ったときに、彼と本当にお茶会が出来るかもしれないから。
「……お茶会に案内してくれて、楽しい時間をありがとうにゃ! ごちそうさまにゃ!」
 ぽむ、と両手を合わせて深々とお辞儀をした後、アガトは突き刺さった看板を引っこ抜いては持ち帰っていく。
 そうしてアガトを探しに来た皆と合流した後、ティーパーティキャットの支配領域だった一角から去っていった。


「…………ったく」
 看板が刺さっていた跡と、残されたティーセットを見下ろして、一匹のふだつきマウスがため息をつく。
「何で看板持ってっちゃうかなぁ……ま、ねぐらに戻ればいくらでもあるけどさぁ」
 やれやれ、と言った様子でちょこんと座り、クッキーを齧りながらお茶を飲む。
 ケットシー嫌いで知られるふだつきマウス、本来ならばケットシーから施しを受けることすら嫌うであろう彼だったが。
「……次に会えたら、礼くらいは言ってやるかなー」
 戦わずして生き延びた彼は、嫌いなはずのケットシーを想って、微かに笑みを浮かべていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月15日


挿絵イラスト