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武曲七星儀~彼女は逃げも隠れもしない

#シルバーレイン #武曲七星儀 #決戦

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●茨城県笠間市~笠間稲荷神社にて
 茨城県の中部に位置する茨城県笠間市に古くから存在する神社、そこで人知れず儀式が行われていた。
 その儀式は笠間市を破滅にへと導く程の危険な儀式であり、過去にもその儀式を阻止すべく大きな戦いが起きた。
 その戦いの名は武曲七星儀、忌まわしき儀式が現在もまた同じ場所で行われようとしているのである。
「さぁ、来るがいい猟兵達よ!この武曲、逃げも隠れもしないぞ!!」

●グリモアベースにて
「シルバーレイン世界でまた事件が起きるのを予知したよ。これからその内容を説明させてもらうね」
 集まった猟兵達に依頼の内容を説明するのは、金髪のグリモア猟兵の少女、リリスフィアである。
「妖狐の|武曲《ぶきょく》って、知っているかな?どうやら彼女の複製体が、笠間稲荷神社で危険な儀式を行おうとしているようなんだ」
 武曲は過去にも同じ場所で儀式を行っていた事がある。
 当時の銀誓館学園の能力者達の活躍で阻止されたものの、もし儀式が成功していたのなら、笠間市は破滅の道を辿っていた事だろう。
 武曲の複製体は、ナイトメア王ジャック・マキシマムが手にした妖狐の情報を元に生み出された存在である。
 銀誓館学園と敵対していた頃を元に生み出されたのだが、何らかの強化が施されており、既に妖狐七星将と同等の力を持っているのである。
 そんな武曲の複製体が儀式を成功させてしまえば、その被害は笠間市だけでは留まらないだろう。
「説得も通用しない。だから儀式が完成する前に全力で倒して欲しいんだ」
 だが神社周辺は結界に囲まれており、まずはこれを破らなければ武曲に迫ることは出来ない。
「結界を守っているのは、武曲の複製体の『尾』から生み出された、大陸妖狐の姿をした強力なオブリビオン達だよ。結界を破壊するにはまずは、彼女達を倒さないといけないかな。そして結界を破壊できた後も障害が待ち受けているんだ」
 神社の社殿周辺には『尾』の素材として集められていたゴースト達が集結しており、それも放置しておくわけにはいかない。
「ただ悪い話ばかりじゃないよ。今回の話を受けて、七星将の巨門が協力してくれるんだ」
 懸念されていた妖狐の複製が出現してしまった事に、巨門は積極的に協力を申し出たのである。
「巨門と協力して戦えば有利に進められず筈だよ。説明は以上かな。準備が出来た人から転送するね」
 説明を終えたリリスフィアは、シルバーレイン世界にへと続く転送門を開くのであった。


吾妻 銀
 吾妻 銀です。

 3章構成のシルバーレインでのシナリオとなります。

 1章および2章は妖狐達との集団戦となります。どちらもゴーストのオブリビオンですので、速やかな撃破しをお願いします。
 どちらの章も巨門の協力が得られますので、彼と協力して戦う事でプレイングボーナスが付きます。
 この依頼に限り、巨門は九尾獣顕現および黄龍の風のUC相当の力を使用可能とします。
 3章は妖狐『武曲』複製体とのボス戦となります。
 元の武曲との関係は性格以外は一切ありませんので、問答無用で倒してもらって問題ありません。
 ただ相応の強敵であり、巨門は儀式の影響で際限なく出現し続ける、オブリビオンの掃討を引き受ける事となるため、彼の助力は得られません。

 プレイング受付は各章毎に断章を記載後に開始となります。
 参加状況を見て締め切り日時をタグで告知します。
 巨門や武曲の人となりについては断章で紹介しますので、過去の情報は知らなくても気にしなくてOKです。

 それでは参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『大陸妖狐・尖兵』

POW   :    アヤカシの群れ
戦場全体に【舞い上げた小石や粉塵に『小妖怪の幻影』】を発生させる。レベル分後まで、敵は【実体を持つかのような幻影たち】の攻撃を、味方は【幻影が与えたダメージ分】の回復を受け続ける。
SPD   :    約束の完成絵図〔パラノイア・ペーパー〕
自身が装備する【ページ無限の魔導書】から【切り離されたページの紙片】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【虚脱】と【アンチヒール】の状態異常を与える。
WIZ   :    トラウマ想起〔ナイトメア・ランページ〕
【紅い瞳による凝視】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【トラウマや黒歴史を再現する悪夢や幻影】で攻撃する。

イラスト:さいばし

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やあ、来たね!君達が来るのを待っていたよ」
 茨城県笠間市の笠間稲荷神社付近に転送されてきたばかりの猟兵達を待っていたのは、七星将の巨門である。
「神社はすぐそこだよ。案内させてもらうね」
 言動こそ生意気そうな少年のように振る舞っているが、巨門は最強クラスの妖狐である。
 単純な実力だけでも猟兵達に劣る事は決してない。
「そういえば、今年は久しぶりに銀誓館学園のプールで盛大に、水着コンテストが行われるんだって?僕もその日を楽しみにしているよ」
 強大な力を持った妖狐の複製体の出現という一大事に中でも、巨門は焦っている様子はまるで感じられない。
「あ、そうそう気になっている人もいるかもしれないから伝えておくけれど、『本人』には今回の事は伝わっていないからね」
 『本人』とは複製体ではない、現在を生きる武曲、その人である。
 武曲はかつての自分の行いを心から悔やんでおり、今でもその償いの為に奔走しているのだ。
 そんな武曲が忌まわしき過去の自身の複製体が出現し、かつての自分と同じ過ちを繰り返そうとしていると聞けば、とても冷静ではいられないだろう。
「僕個人としてはそんな武曲も見てみたかったんだけれどね…とはいえ知られて単身で乗り込まれても面倒だしね」
 そこで巨門は世間話は終わりだとばかりに身構える。
 猟兵達からも目的地である笠間稲荷神社に強力な結界が張られているのがはっきりと見え、その結界を大陸妖狐の少女達の姿をしたオブリビオンが守っているのである。
「ここから先には進ませない!相手が七星将だろうと武曲様の邪魔はさせないわ」
 猟兵達と巨門の気配に気づいた、大陸妖狐の少女達は恐れる事なく迎撃態勢をとる。
「へえ…随分と舐められたものだね。君たち如き僕一人で…と言いたい所だけれどね」
 巨門は静かに闘志を燃やしつつも、わきまえている程度には冷静であり、戦いの主導権は猟兵達に譲り、自身はサポートに徹する姿勢をとる。
「さあ君達の力の見せ所だよ。まずは生意気な妖狐もどきに思い知ってもらおうじゃないか!」
儀水・芽亜
お久しぶりです、巨門様。前回は、そうそう、『夢魔随筆』のことを学園に知らせに来てくださった時でしたか。
ともあれ、真正の七星将がお味方なれば、負けることなどあり得ません。
では参りましょう。

さて。オブリビオン如きがナイトメアランページの猿真似とか。かなり機嫌が悪いですよ、私。
本物のナイトメアランページを見せてあげましょう。
「全力魔法」「催眠術」「蹂躙」悪夢の「属性攻撃」「精神攻撃」「貫通攻撃」、全部乗せ!

敵に見せられる黒歴史は、それこそ学園の時代のゴスロリに耽溺していた自分の姿。
それはもう卒業しましたの! 私はちゃんと現実を見据える社会人ですわ!
巨門様、ニヤニヤしてないで早く片づけてくださいませ!



 銀誓館学園と妖狐との付き合いは長く、七星将の巨門と旧知の能力者は数多くいる。
 儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)も、その一人である。
「お久しぶりです、巨門様。前回は、そうそう、『夢魔随筆』のことを学園に知らせに来てくださった時でしたか」
「ああ、見た顔だね。そうさ、その時に伝えていた事がこうして現実となったという訳さ」
 複製体として生み出された過去の武曲、その存在が多くのゴーストのオブリビオンをも生み出す結果となった。
 このまま放置しておけば、その勢力は拡大するばかりである。
「ですが、真正の七星将がお味方なれば、負けることなどあり得ません。では参りましょう」
 七星将の実力は芽亜もよく知っている。
 今回のような非常事態では、頼りになる存在であるのは間違いない。
「歯向かうのなら、悪夢を見せてあげるわ」
 笠間稲荷神社の結界を守る、大陸妖狐の姿をしたゴーストは瞳を紅く輝かせる。
 その瞳は敵対する者のトラウマや黒歴史を再現する悪夢や幻影を作り出す。
 ナイトメア適合者が得意とするアビリティであり、UCでもある、ナイトメアランページによるものだ。
「オブリビオン如きがナイトメアランページの猿真似とか。かなり機嫌が悪いですよ、私」
「それはそうだろうね…」
 大陸妖狐のゴーストが生み出したのは、ゴスロリに耽溺していた少女である。
 その少女は紛れもなく芽亜の過去の姿である。
「まあ、何が悪夢なのかは本人次第だからね」
 自身の過去の姿から目を反らす芽亜に、巨門からフォローのつもりなのかもしれない言葉がかけられる。
「と、とにかく本物のナイトメアランページを見せてあげましょう」
 芽亜は気を取り直して自身のプライドを賭けた、全身全霊の|ナイトメアランページ《UC》を披露する。
 悪夢は即座に現実のものとなった。
「な、何よこれ!」
 表現しがたい程のおぞましい姿をした|悪夢《ナイトメア》は、同質の力を持つ大陸妖狐のゴースト達でさえも、恐れおののく程である。
「駆け抜けなさい、ナイトメア!」
 芽亜の号令を受け、ナイトメアは大陸妖狐のゴースト達の蹂躙を開始した。
「おや?まだそっちの悪夢は残っているようだね。もしかして未練があったりするのかな?」
 大陸妖狐のゴースト達の悲鳴と怒号が響き渡る中、しっかりと残っているゴスロリの少女を、巨門は気になって仕方がないようである。
「それはもう卒業しましたの!私はちゃんと現実を見据える社会人ですわ!巨門様、ニヤニヤしてないで早く片づけてくださいませ!」
 恥ずかしさで顔が紅潮するのを誤魔化すように芽亜は声を荒げる。
「あはは、そうだね。いつまでも居てもらっても邪魔な連中ではあるからね」
 巨門は芽亜を援護すべく尾獣を召喚する。
 口元はマスクで隠れているから見えないが、その目と表情の緩みからニヤニヤしている事は明白であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

穂村・耶子
巨門さんとは、こうしてお話するのは初めてかな?
今なら少しは役に立て……って、なんか周りが変態ゾンビだらけなんだけど!?
これって、もしかしなくても僕の黒歴史!?(主に過去作にてゆうきMSの依頼で遭遇)

今は田吾作ガードもないし、こうなったら僕がやるしかないよね
見た目も行動も気持ち悪いし、一思いに焼いちゃおう

UCで仙狐に変身して、黄金火炎でオブリビオンも纏めて焼き払う
なんか、変態から逃げ惑う自分の姿もあるけど、ドサクサに紛れてそっちも焼く

いや、これは違うんだよ!
僕が戦ってたの、こんな変なのばっかりじゃないから!
変態見て泣いてなんか……ぁぁぁぁ!
巨門さん、笑わないでぇ!(悶絶&キャラ崩壊)



「どうやら君も銀誓館学園出身のようだね」
「うん、巨門さんとは、こうしてお話するのは初めてかな?」
 穂村・耶子(甘党残念剣士・f35497)は、七星将の巨門と他愛のない会話を交わしながら、当時の事を思い出す。
 当時は耶子もまだ幼く、同じく銀誓館学園の生徒達と数々の苦難を経験してきたのである。
 そんな思い出に浸っていたせいなのか、行く手を阻む大陸妖狐・尖兵がトラウマとして呼び出した幻影は、耶子にとって封印していた忌まわしき記憶を呼び起こしたのである。
 耶子は出現した幻影の姿に表情が青ざめる。
「彼等はリビングデッドのようだけれど…随分と良い趣味をしているようだね」
 巨門の推察通り、幻影の姿は数多く存在していたゴースト『リビングデッド』である。
 だが筋骨隆々なリビングデッドもいれば、スクール水着やブルマを被ったリビングデッドに、刃物にご執心なリビングデッドもいる。
「不浄な存在め。俺達の手で浄化してやる!」
 挙句の果てには、呪いの言葉を吐きながら、特定の箇所にだけ視線を集中させるリビングデッドまでいる始末である。
 ここまで揃っている以上、彼等は紛れもなく変態集団であると言わざるを得ない。
「これって、もしかしなくても僕の黒歴史!?」
 その言葉が正しい事を証明するかのように、リビングデッドの幻影達は、巨門には目をくれずに、耶子を目がけて一斉に飛び掛かる。
「く…今は田吾作ガードもないし、こうなったら僕がやるしかないよね!」
 見た目も行動も、心底気持ち悪いと、嫌悪感に苛まれながら、耶子は強大な神通力を持ち、金色の焔を操る仙狐にへと変身する。
「一思いに焼いちゃおう!ご先祖様……力を貸して!」
 リビングデッドの幻影達に接近される前に、黄金の火炎でリビングデッドの幻影達を焼き払う。
「ウオォォォォ…」
 幻影達は耶子に触れられる事無く、黄金火炎によって消し炭となった。
「あの時とは違うからね!さあ次は君達だよ」
 今度は大陸妖狐の姿をしたオブリビオン達を焼き払うべく、再び黄金火炎を放とうとする。
「そうはどうかしらね?」
 だが大陸妖狐達も懲りずに、紅い瞳を輝かせて、耶子のトラウマを出現させる。
「うわあああ!こっちに来ないでぇ」
 今度はよりトラウマを刺激する形で、変態リビングデッド達に追われている幼き耶子の姿が再現された。
「へぇ…君は今までこんなのと戦っていたのかい?」
 当然その幻影は巨門にもしっかりと目撃されている。
 これには現在の耶子も赤面して、集中力を乱してしまい、放とうとしていた黄金火炎も消えてしまう。
「いや、これは違うんだよ!僕が戦ってたの、こんな変なのばっかりじゃないから!
 そして気が付けば、幼い頃の姿を重ねるかのように、耶子自身も変態リビングデッド達に追われていた。
「変態見て泣いてなんか……ぁぁぁぁ!巨門さん、笑わないでぇ!」
 トラウマを刺激され、悶絶しキャラ崩壊を起こした、耶子は涙目で変態リビングデッド達から逃げ回る羽目になった。
「あはは、君にとっては懐かしいんじゃないのかな?」
 その様子を巨門はひとしきり笑ってから、思い出したかのように黄龍の風で変態リビングデッド達を吹き飛ばして、耶子の窮地を救うのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

山吹・慧
巨門さん、お世話様です。
欧州人狼騎士団の山吹慧です。
今回はよろしくお願いします。(礼)

黄龍拳士である巨門さんの戦い方にはとても興味があるので
学ばせてもらいますね。
(いつか戦う日が来るかもしれませんしね)

巨門さんに合わせて闘気を纏った【功夫】の打撃と
【グラップル】による投げ技で攻めていきます。
敵の通常攻撃は【オーラ防御】と【ジャストガード】で対応。
敵がUCを使用したならば【リミッター解除】した
【衝撃波】の【乱れ撃ち】で小妖怪の幻影を
【吹き飛ばし】てやりましょう。
そしてお返しとばかりに【震脚】を放って
纏めて薙ぎ払いましょうか。

アドリブ等歓迎です。



「巨門さん、お世話様です。欧州人狼騎士団の山吹慧です。今回はよろしくお願いします」
「ああ、よろしく頼むよ。どこかで会った事があったかな?」
 礼儀正しく挨拶をする山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)に対して、七星将の巨門は慧の姿に見覚えがあったかどうか記憶を辿る。
 慧も銀誓館学園の卒業生の一人である。
 そして運命の糸症候群の影響によって若返り、慧は当時の頃と変わらぬ姿をしているのだ。
 直接の面識はなくとも、銀誓館学園と敵対、もしくは共闘していた頃に見かけた事もあったのかもしれない。
「黄龍拳士である巨門さんの戦い方にはとても興味があるので、学ばせてもらいますね」
「…そんなに警戒しなくとも、僕は裏切るつもりはないよ。ぜんぜん怪しくないってね」
 いつか戦う日が来るかもしれない、謙虚な慧の態度から、その深層を読みとった巨門から、そんな言葉がかけられる。
「そう思われてしまったのなら謝ります」
 慧とて、今の巨門が敵対するつもりはない事は百も承知である。
 第一、武曲七星儀の完成まで刻一刻と迫る中、いがみ合っている時間などないのだ。
「会話はここまでです。行きますよ!」
 慧は鋭い視線を、行く手を遮る大陸妖狐・尖兵達にへと向け、功夫の構えをとる。
「なら、僕から行かせてもらおうか!」
 先に仕掛けたのは黄龍の風を纏った巨門だった。
 急加速で大陸妖狐・尖兵との距離を詰めたのである。
「あ、しまっ!!」
 巨門のあまりの速さに、トラウマ想起による幻影を生み出す間もなく、大陸妖狐・尖兵の一人が殴り倒された。
「爆ぜてください!」
 慧もすぐ後に続き、功夫による打撃からの投げ技によるコンビネーションで、もう一人の大陸妖狐・尖兵に致命傷を与え、投げ飛ばすのであった。
「よくもやったわね!」
 仲間が倒され、他の大陸妖狐・尖兵達も黙っているはずも無く、舞い上げた小石や粉塵から小妖怪の幻影を生み出して、慧と巨門にけしかける。
 二人の先制攻撃を受けた時点で、実力差が歴然としている事は、大陸妖狐・尖兵達とて承知している。
 だが彼女達の狙いは、武曲七星儀を完成させる為の時間を稼ぐ事である。
 その為なら、自分達が捨て石になる事も厭わない。
「時間をかけるつもりはありません!」
 慧も足止めされるつもりはなく、出し惜しみなく全力攻撃を繰り出す。
 巨門の黄龍の風にも負けない程の、強烈な衝撃波を拳と蹴りから何度も放った。
「そ、そんなっ!!」
 空間ごと吹き飛ばす勢いで、小妖怪の幻影達を蹴散らした後、息つく間もなく、慧は大陸妖狐・尖兵達に挑みかかる。
 接近されては大陸妖狐・尖兵達も得意の幻影をまともに生み出す事も出来ない。
「ぶ、武曲様ああぁ!!」
 慧に対してロクな反撃も出来ずに、大陸妖狐・尖兵達はまとめて薙ぎ払われていく。
「へぇ…やるね。僕も君の戦い方には、とても興味が持てそうだよ!」
 今度は巨門が慧の動きに合わせる形で続き、共に大陸妖狐・尖兵達を薙ぎ払っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
マオ(f36169)と参加
【心情】
武曲の複製体とはね
彼女とは学生時代に付き合いのあった身だ
安心して仕事に専念できるよう、片してやらねえとな

「(巨門に)たしかに武曲がこのこと知ったら、間違いなく突っ込んでいくぜ」

【戦闘】
巨門には年明けにも世話になったな
「今度は油かけるの勘弁してくれよ?(1月はかかった)」

幻影の攻撃を「武器受け」で凌ぎ、「なぎ払い」で反撃することで防ぐ
巨門に幻影の動きを抑えてもらい、「天候操作」で発動したUCをたたきつけ、邪魔な幻影を吹き飛ばす
「行くぜ、イグニッション!」
「とどめは任せるぜ、マオ!」

今年、銀誓館の学園祭は派手にやるみたいだし、OBとしては
とっととづけてやらねえとな


マオ・イェンフー
暗都魎夜(f35256)と参加

【心情】
自分の黒歴史が勝手に騒動起こすなんて悪夢以外の何物でもねーだろうな…
武曲とは同じ結社で戦ったダチだ。俺達で解決してやらねーとな。
(巨門に)アンタとこうして肩並べる機会が出来るとはな。ま、今回は宜しく頼むぜ。上手く相手を木偶の坊にしてくれ。

【戦闘】
「リミッター解除」でイグニッションし疾走
二丁拳銃で「クイックドロー」「弾幕」「受け流し」「威嚇射撃」で幻影や紙片を撃ち倒し、あるいは誘導し掻い潜って接近
巨門との連携で【黄龍の風】で敵や幻影を減速させ魎夜のUC支援も受けて相手の懐に入り掌打の【白虎絶命拳】を打ち込む
サンキュー!さあ前座は退場しやがれ!覇ッ!!



 今回の事件を引き起こしたのは武曲の複製体である。
 その元となった頃の武曲、そしてその後の武曲を知っているだけでなく、親しくしていた銀誓館学園の生徒は数多くいる。
 銀誓館学園出身の能力者である2人の青年、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)とマオ・イェンフー(その漢トゥーハンド・f36169)もその中に含まれているのだ。
「武曲の複製体とはね。彼女とは学生時代に付き合いのあった身だ。彼女が安心して仕事に専念できるよう、片してやらねえとな」
「ああ、そうだな。自分の黒歴史が勝手に騒動起こすなんて悪夢以外の何物でもねーだろうな…武曲とは同じ結社で戦ったダチだ。俺達で解決してやらねーとな」
 ましてや武曲本人と同じ結社で過ごしてきた過去のある2人は、武曲の性格、そして頑張ってきた姿を良く知っているのだ。
「たしかに武曲がこのこと知ったら、間違いなく突っ込んでいくだろうぜ。彼女に知らせないでおいてくれたのには、感謝はさせてもらう」
「それはどうも」
 七星将である巨門の表情が和らいだ。
 魎夜の屈託のない感謝の言葉に、巨門も悪い気はしないらしい。
「巨門には年明けにも世話になったな。今度は油かけるの勘弁してくれよ?」
「アンタとこうして肩並べる機会が出来るとはな。ま、今回は宜しく頼むぜ」
「さて、第二次聖杯戦争の時の事だったかな?まあ、僕も及ばずながら力にはならせてもらうよ。
 魎夜とマオに対して、巨門はすっとぼけながらも謙虚な態度で返す。
「ふん、同窓会なら他所でやって欲しいわね!」
 そしてこれ以上、先には進ませないと笠間稲荷神社の入り口付近に陣を固め、立ちはだかる大陸妖狐達。
 巨門と同じ妖狐である彼女達だが、武曲の複製体に呼び出されたオブリビオンであり、銀誓館学園と付き合いの長い妖狐達とはまた別の存在である。
「安心しな。お前達の存在は忘れてないぜ。行くぜ、イグニッション!」
 話はここまでとばかりに、魎夜は|起動札《イグニッションカード》を取り出して高らかに叫ぶ。
「ああすぐにお前達を木偶の坊にしてやる」
 マオも続いてイグニッションして、二丁の拳銃を構える。
「武曲様の為に、ここからは行かせないわ!」
 大陸妖狐達は一斉に魔導書から切り離されたページの紙片を無数に放ち、3人を動きを封じにかかる。
 |約束の完成絵図《パラノイア・ペーパー》、一部の能力者が扱う力と類似しているが、それよりも数段強力な攻撃である。
「この程度、一片も残さずに撃ち落としてやるぜ!」
 マオは二丁の拳銃で狙いを付け、手慣れた動作で連射した。
 銃弾の嵐は正確にかつ迅速に、大陸妖狐達が放った魔導書の紙片を撃ち落としていく。
 猟兵として活動を続けているマオもまた、能力者として活動していた頃よりも、比べ物にならない程、強くなっているのだ。
「く…それなら行けアヤカシ達!」
 宣言通りに一片も残さずに撃ち落とされ、狼狽えながらも後ろに控えていた大陸妖狐達が、小妖怪の幻影を発生させて、攻撃の手を緩めない。
「悪いけれど、その幻影はもう見させてもらったよ」
 今度は巨門が黄龍の風を発生させて、幻影を吹き飛ばし、そして大陸妖狐達の動きを減速させた。
 既に大陸妖狐達との何度も戦ってきた巨門は、彼女達の実力をおおよそ把握しているのだ。
「2人共、流石だな!」
 マオと巨門が大陸妖狐達の動きを抑えてもらっている間に、魎夜が畳みかける。
「あいつを止めて!」
 残っていた幻影達がその行く手を阻むが、その程度では魎夜のとっては何の脅威ともならない。
 猟兵となり新たな力を手にした魎夜が呼び寄せたのは強大な水流である。
「まとめて吹き飛びな!」
「きゃああああっ!」
 強大な水流は幻影ごと、大陸妖狐達を飲み込んでいく。
 抵抗出来ず術もなく、幻影は消滅し大陸妖狐達は水流に押し流されるのであった。
「とどめは任せるぜ、マオ!」
「サンキュー!さあ前座は退場しやがれ!覇ッ!!」
 そこへマオが飛び掛かり、吹き飛ばされながらも起き上がろうとしている大陸妖狐達に指で触れていく。
「うう…」
「せめて痛みは感じさせずに終わらせてやるよ」 
 オブリビオンであるといはいえ、相手は女性である。
 せめてもの情けとなかりにマオは、呼気により練り上げられた気を、指先から大陸妖狐達の内部に流し込む。
「あ…」
 急所を内部から破壊された大陸妖狐達は、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちるのであった。
「片付いたか…今年、銀誓館の学園祭は派手にやるみたいだし、OBとしてはとっととづけてやらねえとな」
 大陸妖狐達の妨害を退け、魎夜は笠間稲荷神社を見上げた。
 過去の武曲七星儀の時と同じように、武曲の複製体がそこで儀式を執り行っているのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
どうも巨門さん。遠路はるばる同胞もどきの対処、お疲れ様でーす。

舞い上げた小石や粉塵に憑依させた妖怪を使役するんなら……こっちもエースを突入させましょう。いってこい機械仕掛けのワニ!

私の超能力エネルギーを使って発熱したワニの元へ、大門さんに【黄龍の風】で妖怪達の大元である小石や粉塵を流してもらって溶かし尽くしてやる。ヤドリガミと一緒で大元の器物が壊れたら存在し続けることは出来ないでしょ?

あとは裏切者の大陸妖狐だけど……大門さん、大陸妖狐流のケジメの付け方ってあったりする? あるんだったらそれに則って対処するけど。

なければ熱々のワニに噛み付かせてデスロールか、車輪に磔にして気分の方法で処す感じかな



「どうも巨門さん。遠路はるばる同胞もどきの対処、お疲れ様でーす」
「こちらこそお疲れ様。お嬢様の来た所に比べれば、近所なようなものさ」
 カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)は、スペースシップワールド世界の出身のお嬢様育ちである。
 巨門にしてみればカーバンクルは、遠くから来た存在であるといえるだろう。
「さぁて、あと一息といった感じね」
 先の猟兵達の活躍によって、神社の結界を守る大陸妖狐・尖兵達の数もかなり減ってきており、まともに戦えるのはカーバンクル達の前に立ちはだかっている者達だけとなっている。
「まだよ・・・」
 それでも大陸妖狐達は懲りずに、舞い上げた小石や粉塵に小妖怪の幻影を呼び出して、防衛網をかろうじて維持している。
「なかなか根性あるじゃない。それなら……こっちもエースを突入させましょう。いってこい機械仕掛けのワニ!」
 カーバンクルは超能力エネルギーを代償に、全身を赤熱させた機械仕掛けのワニを召喚する。
 触れた者を大火傷させる程の熱気を発したワニが、小妖怪の幻影達と対峙する。
「巨門さんお願い!」
「ああ、わかったよ」
 カーバンクルの意図をすぐに理解した巨門は、ワニに向けて黄龍の風を放つ。
 黄龍の風はワニの熱気を更に加速させ、炎の竜巻と化して、小妖怪の幻影達を襲う。
「ヤドリガミと一緒で大元の器物が壊れたら存在し続けることは出来ないでしょ?」
 カーバンクルの狙いは、幻影の大元である小石や粉塵を炎で溶かし尽くす事である。
「そ、そんな…」
 カーバンクルの思惑通り、大元が焼失した事で幻影も消失し、大陸妖狐達は愕然とする。
「く…お前が、お前さえ余計な事をしなければ!」
 大陸妖狐達は憎らしげな目で、七星将である巨門を睨み付ける。
「お前呼ばわりされるいわれはないけれどね」
 巨門は特に害した様子もなく大陸妖狐達を見下ろす。
「あとは裏切者の大陸妖狐だけど……巨門さん、大陸妖狐流のケジメの付け方ってあったりする?あるんだったらそれに則って対処するけど」
 止めは任せた方がいいのかとカーバンクルは問いかける。
「彼女達を裏切者と呼ぶのもおこがましい。お嬢様に好きにして構わないよ」
 そもそも大陸妖狐の姿をしていても彼女達は武曲の複製体に呼び出されたオブリビオンであり、巨門とは何の関係もないのである。
「そう…それなら好きにさせてもらうわ」
 それから行われたのはカーバンクルによる一方的な拷問ショーである。
 大陸妖狐達は熱々のワニに噛み付かれた挙句、拷問器具の巨大車輪に磔されたのだ。
「も、もうやめてぇ…」
「ええ、もうすぐ終わらせてあげるわ」
 お嬢様育ちなはずのカーバンクルが、どのようにしてそんな戦い方を身につけたのか、それは彼女のみしか知らない。
「お楽しみの所悪いけれど、どうやら結界は解けたみたいだよ」
 拷問中のカーバンクルに巨門が声をかけて神社の方角に指を差す。
 カーバンクルの拷問に耐えられず大陸妖狐達が息絶えたタイミングで、神社を覆っていた結界が消失するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

私の技は加減が難しいの。
『事が済むまで』下がってて頂戴

巨門に忠告してから大陸妖狐達の前に立つ。
彼女達がUCを発動するには私を凝視する必要があるから
【第六感・見切り・高速詠唱・カウンター】で
光の【属性攻撃・範囲攻撃】による目晦ましを行い、UCを封じる

視覚が閉ざされれば、嗅覚・聴覚・触覚が敏感になる。
『ベルベットパフューム』
【誘惑・催眠術】の睦言
耳を舐めたり、胸元やスカートの中を愛撫しての【慰め】で
彼女達を虜にしつつ【生命力吸収・大食い】よ♥

怖がらないで、可愛い狐ちゃん達。
私は貴女達とお友達になる為に来たの

いっぱい気持ちよくしてあげる。
身も心も、魂までも|救済《アイ》してアゲル♥



 笠間稲荷神社入り口付近での戦いは、既に大勢は決していた。
 武曲の複製体に生み出された大陸妖狐・尖兵達は壊滅状態にあり、守っていた結界も破壊され、先の猟兵達も神社内に突入している。
「い…行かせないわ…」
 それでも生き残っていた僅かな大陸妖狐達が、猟兵達を追いかけようとする。
「やれやれ…しつこいね。止めを刺しておかないといけないかな」
「それは私に任せてもらうわ」
 巨門に代わって大陸妖狐達の前に出たのは、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)である。
「私の技は加減が難しいの。『事が済むまで』下がってて…いや先に行ってて頂戴」
「それがお望みならお言葉に甘えて、そうさせてもらうよ」
 巨門は特に詮索するつもりもなくドゥルールの忠告を受け入れ、猟兵達の後を追いかける形で武曲の複製体が儀式を行っている神社にへと突入する。
 この場に残ったのは、ドゥルールと大陸妖狐達だけとなった。
「せめてお前だけでも先には行かせない!」
 大陸妖狐達は最後の抵抗とばかりに、紅い瞳でドゥルールを凝視する。
「ええ、わたしはどこにも行かないわ」
 ドゥルールは強烈な光を放ち、幻影が生み出される前に大陸妖狐達の目を晦ませる。
「幻相手じゃつまらないでしょ」
「く…何を?」
 大陸妖狐達の目が眩み怯んだ所で、ドゥルールは躊躇いなく接近する。
「何も見えない方がより敏感に感じられるはずよ…」
「あ、ああ…」
 ドゥルールから常に放出されているベルベットパフュームは、彼女が近くに居るだけで、大陸妖狐達を心を乱し、そして身体の動きを束縛する。
 その束縛は強制によるものではない。
「怖がらないで、可愛い狐ちゃん達。私は貴女達とお友達になる為に来たの」
 大陸妖狐達はドゥルールにこれからされる事に期待の感情を抱き、興奮さえも覚えているのだ。
 ドゥルールは抵抗を止めた大陸妖狐達の耳を舐めたり、胸元やスカートの中を慰めるかのように愛撫する。
「も、もう好きにしたらいいわ…」
 大陸妖狐達はすっかりドゥルールの虜となり、生命力を吸収される事にすら、快楽を覚えている。
「いっぱい気持ちよくしてあげる。身も心も、魂までも|救済《アイ》してアゲル♥」
 ドゥルールが満足するまで、もしくは大陸妖狐達の生命力が尽きるまで、行為は続くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『色欲の怪狐』

POW   :    おなかすきました……。
【死角から飛び出す跳躍力 】で敵の間合いに踏み込み、【気力と精力を奪う接吻】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
SPD   :    おいしいです……♪
【四方八方から飛び出す仲間たち 】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【色欲・情欲に関した好み】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    こっちにおいで……❤
戦場全体に【身体中から沸き立つ色香 】を発生させる。レベル分後まで、敵は【無抵抗になる程に沸き立つ色欲】の攻撃を、味方は【色欲を更に刺激され、精力】の回復を受け続ける。

イラスト:さいばし

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 笠間稲荷神社を守っていた大陸妖狐達を蹴散らし、神社内への侵入を果たした巨門と猟兵達。
 だが障害が全て無くなった訳ではない。
「武曲さま…私達もあなたの力にならせてください…」
 神社内を徘徊しているのは、外の大陸妖狐とはまた違う妖狐達である。
 武曲の複製体に呼び出された妖狐達の役割は武曲七星儀の防衛ではなく、儀式の贄としてである。
 際限なく呼び出される妖狐達は、喜んで儀式の贄となり、そして儀式を完成にへと近づけるのだ。
「これは放っておくわけにはいかなそうだね」
 巨門と猟兵達の姿を見ても、妖狐達は襲い掛かってくる様子はない。
 だが巨門の言う通り放置しておけば、武曲の複製体に辿り着いた所で、儀式が完成するのを阻止できないだろう。
 武曲の複製体に向かう前に、儀式の贄である妖狐達を排除する必要があるのだ。
「…邪魔するのですか?」
 贄となる事に悦に浸っていた妖狐達は、敵意を感じ取り反応する。
 今は襲って来る様子は無いが、排除しようとすれば流石に抵抗はするだろう。
 色欲の怪狐、決して侮っていい相手ではない。
「それにしても…もしかして、当時の武曲にもこんな趣味があったのかな?いや…ただの冗談だから睨まないでくれよ。ほらモタモタしていられないよ」
 猟兵達の視線を誤魔化すかのように、巨門は戦いを促すのであった。
儀水・芽亜
大陸妖狐にはこういう系統の術式も伝わっているんですか?
目の保養にはなりますけど、放っておくわけにはいきませんね。

「全力魔法」「浄化」の「属性攻撃」「範囲攻撃」「矢弾の雨」で光輝の雨を降らせましょう。
彼女らの間合いに取り込まれる前に、一気に殲滅です。

飛びかかってくる以外の芸は無いようですね。
唇は駄目ですよ。夫だけのものですから。
光輝の雨を耐えて攻撃してくるだけの余力がある相手は、武器を持ち替えて裁断鋏で「切断」していきましょう。

巨門様、この程度の色香に血迷ったりはしませんよね。
背中をお任せします。手負いとなってなお襲ってくる妖狐のオブリビオン、須く討滅してくださいませ。

さて、いよいよ本陣ですね。



「こっちにおいで…あなたも武曲さまのものになりましょう」
 武曲七星儀が執り行われている笠間稲荷神社に突入した猟兵達を待ち受けていたのは、誘うように微笑みかける色欲の怪狐達であった。
 彼女達の身体中から沸き立つ色香に、猟兵達は否応なく視線を向けてしまうのである。
「大陸妖狐にはこういう系統の術式も伝わっているんですか?」
 儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)が、そんな疑問をしっかりと付いてきている巨門に投げかける。
「伝わっていなくはないかな…もっとも当時の武曲やその部下が使いこなせていた話は聞いていないけれどね…」
 妖狐が人をたぶらかすのはよく聞く話ではあるが、武曲の人物像を考えれば以外ではある。
「目の保養にはなりますけど、放っておくわけにはいきませんね」
 武曲の複製体に呼び出された色欲の怪狐は、武曲七星儀を完成させる為の贄である。
 単純な戦闘能力ならさほど脅威とはならなくても、早急に撃破しなければならない対象である事には間違いない。
 ならば行動は早いに越したことはない。
「天上より光の雨降り注ぎ、地を這う不浄の一切を討ち滅ぼさん」
 芽亜は驟雨の弓から天へ一射し分裂した光の矢の雨を放ち、色欲の怪狐に近づかれる前に一掃しにかかる。
「い…いたいです…」
 光の矢に撃ち貫かれ、バタバタと倒れる妖狐達。
 1体1体は大した実力ではないようである。
 それでも生き残った妖狐達が、芽亜の死角に回り込んで急接近してきた。
「おなかすきました……」
 そして芽亜に組み付いて、気力と精力を奪うべく接吻を交わそうとする。
「唇は駄目ですよ。夫だけのものですから」
 芽亜は帰りを待つ夫の姿を思い浮かべることで妖狐達から漂う色香に耐え、近接用の武器『裁断鋏』を取り出して、組み付こうとする妖狐達を躊躇いなくバッサリと切断しく。
「ふぅ…危ない所でした」
 近づいて来た妖狐達を撃退し、再び光の矢の雨を降らせる芽亜。
「おいしいそうです……」
 このまま退けられるかに見えたが、すぐにまた色欲の怪狐の別集団が出現する。
 彼女達は儀式の贄として際限なく呼び出され続けるのだ。
 そして漂う色香も、より濃くなっていく
「巨門様、この程度の色香に血迷ったりはしませんよね?」
「もしかしてさっきの冗談のお返しのつもりかい?」
 巨門の問いかけにクスりと笑う芽亜である。
「背中をお任せします。手負いとなってなお襲ってくる妖狐のオブリビオン、須く討滅してくださいませ」
「…わかったよ」
 巨門は面倒くさそうな態度を取りながらも、9体の尾獣を召喚した。
 きっちりとサポートとしての役割は果たすつもりのようである。
「ここを制圧出来れば、いよいよ本陣です。気を引き締めていきましょう!」
 妖狐達の色香を振り払いつつ、芽亜は掃討を続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

山吹・慧
やれやれ、こういう手合いが相手ですか……。
時間をかけると面倒な事になりそうですから、
手早く片付けましょうか。
巨門さん、お互いの背中を守りませんか?

巨門さんと協力して敵の位置を把握しながら戦います。
敵の攻撃は【集中力】による【気功法】でその気を感じ取り、
【残像】で攪乱して回避しましょう。
感情むき出しの敵とあれば、気を感知するのも容易いはず。
攻撃を受けそうな時は巨門さんにフォローしてもらいましょう。
敵の攻撃を凌いだら炸裂弾をばら撒いて、
爆発と光による【目潰し】で敵陣を更に攪乱。
そのまま【転玄脚・嵐】を放ち、烈風に乗って
追撃していきましょう。

アドリブ等歓迎です



「やれやれ、こういう手合いが相手ですか……」
 神社内は色欲の怪狐達の色香が充満しており、山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)は溜息をつく。
 幻影を操る大陸妖狐とは別の意味で、精神を疲弊させる相手のようである。
「時間をかけると面倒な事になりそうですから、手早く片付けましょうか」
 慧は気を引き締め直して身構える。
「おなかすきました……」
 色欲の怪狐達はまだ襲って来る様子は無いが、これ以上近づけば精力を吸い尽くそうと寄ってきそうな雰囲気である。
「巨門さん、お互いの背中を守りませんか?」
「おや、それは信頼してくれているということかな?」
 巨門はおどけてみせながらも、慧の提案を承諾する。
 ここで時間をかけたくないのは、巨門も同じのようである。
「もうがまんできないです…」
 色欲に耐えられなくなったのか、怪狐の1体がふらふらと、近づいてくる。
 彼女達の役目はあくまで武曲七星儀の贄となる事なのだが、その名の通り色欲には充実なようである。
「はっ!」
 慧は即座にその怪狐を蹴り飛ばした。
「ああん❤」
 それが合図となり、色欲の怪狐達は二人を取り囲む。
「こっちにいきたいです……❤」
 そして色香を撒き散らせながら距離を詰めていく。
 だがそれは統率された動きではなく、情欲に任せただけの単調な動きでしかない。
「お断りしますよ!」
 それ故に気を感知するのも容易く、意識を集中させている慧にとって回避するなど訳のない事であった。
 飛び掛かる怪狐を避けざま、慧は回し蹴りを叩きこんだ。
「いたいです……❤」
 蹴り飛ばされながらも色っぽい悲鳴をあげる怪狐に、慧は軽い眩暈を覚える。
「やりにくい相手ですね…早く終わらせないと危険ですね…」
 怪狐が集まればそれだけ色香も強くなる。
 まともに相手にしていられないと、慧は炸裂弾を取り出してばら撒いた。
「うう…まぶしいです…」
 炸裂弾による爆発と光が、色欲の怪狐達の目を晦ませる。
「今度はただの蹴りではありませんよ!」
 色欲の怪狐達が怯んだ隙に、慧は闘気の嵐を巻き起こす程の強烈な回し蹴りを放つ。
「きゃあああっ!」
 闘気の嵐に巻き起こまれた色欲の怪狐達は、抵抗する間もなく一蹴される。
「まだ終わりじゃないですよ!」
 転玄脚・嵐、その軌跡には烈風が残り、慧はその烈風を足場に追撃に移る。
 烈風の勢いに乗った慧は、怪狐の色香をものともせずに、蹴散らしていく。
「やれやれ…爆弾を使うなら事前に言って欲しかったものだけれどね。それにもう背中を守る必要もなさそうかな?」
 巻き込まれる形で炸裂弾の光に目が眩んでいた巨門も、少し遅れる形でフォローに入るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

穂村・耶子
うへぇ、酷い目に遭ったよ
で……変態の次はエッチなお姉さん?
なんだか、それはそれで黒歴史な気が……

とりあえず、生贄にされても面倒だし、さっさと斬り捨てちゃおう
こっちに攻撃してくるようなら、UCで鬼火の渦の中に隠れるよ
「不可視の炎、君達には見えるかな……なんてね

鬼火を纏っている限り、僕の匂いをどれだけ覚えたところで無意味だよ
視覚、嗅覚、それに聴覚も頼りにならない状況で、僕を捕まえられるかな?
こっちは死角から鬼火を小刻みに発射しつつ、時間差で爆破して攪乱

巨門さんには、混乱した敵を倒してもらおうかな?
これで僕も少しは汚名を挽回……え? 汚名って、挽回じゃなくて返上するもの!?(まだ少しキャラ崩壊中)



「うへぇ、酷い目に遭ったよ」
 武曲の複製体に生み出された大陸妖狐達を辛くも退けた穂村・耶子(甘党残念剣士・f35497)。
 幻影によりトラウマを刺激され、キャラ崩壊まで起こしてしまう事態にまで陥ったが、どうにか笠間稲荷神社への侵入を果たす。
 だが神社に突入した直後に、また別の妖狐の集団と遭遇してしまい頭を抱えたくなった。
「おいしいそうなのが来たのです……♪」
 耶子の臭いを嗅ぎ取った色欲の怪狐が歓喜の声をあげる。
 彼女達の役割は武曲七星儀の贄となる事だが、その名の通り色欲にあふれた妖狐なのである。
「で……変態の次はエッチなお姉さん?なんだか、それはそれで黒歴史な気が……」
 克服したばかりのトラウマが耶子の脳裏に再び浮かび上がる。
 再びクールビューティなキャラが崩壊する危機である。
「とりあえず、生贄にされても面倒だし、さっさと斬り捨てちゃおう」
 何にせよ時間をかけられる相手ではない。
 耶子はUCの力で生み出した鬼火の渦の中に身を隠す。
「不可視の炎、君達には見えるかな……なんてね」 
 鬼火を纏っている限り、色欲の怪狐から、耶子の姿が見える事は無い。
「どこにいったのです?」
 視覚、嗅覚、それに聴覚すらも頼りにならず、色欲の怪狐達は神社内をくまなく探そうとする。
「僕を捕まえられるかな?」
 耶子は鬼火を纏ったまま、色欲の怪狐の死角に回り込んで、新たな鬼火を小刻みに発射しつつ、時間差で爆破させた。
「うう…ひどいのです…」
 鬼火の爆発が各地で起こり、色欲の怪狐達は耶子を見つけられないまま大混乱にへと陥った。
「こっちに来て欲しいのです…」
 それでも色欲の怪狐達は身体中から沸き立つ色香を発生させて、耶子を無抵抗にさせようとする。
「そんな事をしても無意味だよ!」
 彼女達の色香は同じ妖狐である耶子にも効力を発揮するが、耶子は強靭な精神力で色香を跳ねのける。
 これ以上、妖狐達に惑わされ、キャラ崩壊を起こすわけにはいかないのだ。
「巨門さん、混乱している今がチャンスだよ」
 耶子が撹乱している間に、巨門が呼び出した9体の尾獣が、色欲の怪狐達を打ち倒していく。
「なかなかやるじゃないか」
「これで僕も少しは汚名を挽回できるかな?」
 巨門に賞賛の言葉をかけられ、耶子は得意げになる。
 そのせいで思わぬ失言をしてしまった。
「汚名は返上するものなのです・・・」
「……え? 汚名って、挽回じゃなくて返上するもの!?っていうか、巨門さんじゃなくて、なんで君達に突っ込まれているの!!」
 鬼火は耶子と武器は隠せても失言までは隠せなかったようで、巨門だけでなく色欲の怪狐達にも、しっかりと届いてしまったのだ。
「ついでに言うと鬼火を爆発させるだけで、いつになったら斬り捨てるのかな?」
「巨門さんまでそんなこと言うの!ああああああ…」
 思わぬ指摘まで受けてしまい、耶子は再びクールビューティのキャラを崩壊させてしまうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

暗都・魎夜
マオ(f36169)と参加
【心情】
実際、武曲は後輩女子からモテるタイプだったとは思う

この様相見てると妖狐が本気で対処に当たるのも無理ないわな
改めてジャック・マキシマム、何で死んだ後でここまで世の中に迷惑かけられるんだ?

【戦闘】
巨門の「黄龍の風」で動きを止めてもらう
「ここも頼む。学園祭に来れば出店位は奢ってやるよ」

正にサキュバスみたいな能力だな
負ける気はしねえが、社会的に困るわ

「心眼」「見切り」で攻撃を回避
「こっちは4回どころか1回でアウトなんだよ」
「助かるぜ、マオ。こっちも本気で行ける」

UCで強化した「なぎ払い」「斬撃波」で攻撃

こいつら、どういう感情で儀式の生贄なんざやってるんだか


マオ・イェンフー
暗都魎夜(f35256)と参加

【心情】
自ら贄にねぇ…気分の良くない話だ。それが武曲に絡むってのが最悪だね。こんなんアイツに見せられる訳がねぇ(静かな怒り)
(巨門)おいおい…冗談で止めてくれよ

【戦闘】
(魎夜)違いない。こんなんお互い妻にゃあ見せられんさ(苦笑)

「リミッター解除」でイグニッション
巨門の黄龍の風の援護を貰いつつ死角から飛んでくる妖狐を「心眼」「弾幕」「クイックドロー」「二回攻撃」で迎撃
向かってくる相手は「軽業」「受け流し」でいなす
大技を繰り出す魎夜を護るよう体を張り防御
殺到する妖狐は「集団戦術」でルートを予測し【白虎絶命拳】の掌打で吹き飛ばし迎撃
「ダチの方には行かせねーよ!」



「ああ…武曲さま…」
 うっとりとした表情で笠間稲荷神社内を徘徊している色欲の怪狐達。
 呼び出したのが武曲本人ではなく、彼女の複製体に過ぎないのだが、妖狐達にとっては関係ないようである。
「……実際、武曲は後輩女子からモテるタイプだったとは思う」
 暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は、本人の名誉を守る意味でもフォローを入れる。
 無論、当時の武曲本人が色欲の怪狐達のような慕われ方をされていた記憶は魎夜にはない…筈である。
 この様相見てると妖狐達が本気で対処に当たるのも無理ないと、魎夜は実感するのだった。
「はは、確かに慕われていたようだね」
 七星将の巨門がこの場に同行しているのがその証拠である。
「自ら贄にねぇ…気分の良くない話だ。それが武曲に絡むってのが最悪だね。こんなんアイツに見せられる訳がねぇ」
 マオ・イェンフー(その漢トゥーハンド・f36169)は、色欲の怪狐達の様子に呆れるだけでなく、静かな怒りさえもこみ上げてくる。
「ここまで露骨だと、逆に本人の反応が見たくなってきたよ」
「おいおい…冗談でも止めてくれよ」
 空気を読まない巨門の発言に、マオはしっかりと釘を刺しておく。
「改めてジャック・マキシマム、何で死んだ後でここまで世の中に迷惑かけられるんだ?」
 これから先も同じような事件が起き続けるかもしれない事を考えると、魎夜は気が遠くなりそうになる。
 まさか今になってまでジャック・マキシマムに悩ませられる事になろうとは、当時は考えもしなかっただろう。
「それじゃ、ここも頼む。学園祭に来れば出店位は奢ってやるよ」
「それは楽しみにさせておこうかな」
 大陸妖狐達の時と同様に、巨門は黄龍の風を吹かせて、色欲の怪狐達の動きを封じにかかる。
「ああん…動けないです…」
 男達に聞かせるかのような色っぽい声で悲鳴をあげる色欲の怪狐達に、魎夜とマオは頭を抱えたくなった。
「正にサキュバスみたいな奴等だな。負ける気はしねえが、社会的に困るわ」
「違いない。こんなんお互い妻にゃあ見せられんさ」
 先程の大陸妖狐達とは性質の違う相手ではあるが、2人がとる戦法は先程と変わらない。
 マオの2丁拳銃による銃弾の嵐が、色欲の怪狐達をけん制し、彼女達が怯んだ所で、魎夜が接近戦を仕掛けるのである。
「全力で行くぜ。こいつに耐えられるか、試してみな!」
 燃え盛る太陽の炎を纏い、攻撃力を極限にまで高めていく。
 その分、防禦面はからっきしになるが、色欲の怪狐達攻撃は一撃たりとも受けるつもりはない、というより受けたくはない。
 魎夜による怒涛の攻めが色欲の怪狐達を蹴散らしていく。
「あ、あついですっ!!」
 足止めされている所をまとめて薙ぎ払われる怪狐に、斬撃波に切り裂かれる怪狐。
 そして止めとばかりに太陽の炎に焼かれ、彼女達は二度と起き上がる事はない。
「おいしいそうです……」
 だが怪狐達も、ただではやられはしない。
 仲間が焼かれていく中、生き残った怪狐達は恐れる事なく、色欲の赴くまま魎夜の死角に回り込んでいたのだ。
 気付かぬ間に怪狐達に迫られ、魎夜に悪寒が走る。
「げっ!!こっちは4回どころか1回でアウトなのによ!」
 気力と精力を奪う怪狐の接吻は、4回受けてしまえば確実に死を迎えるだろうと、グリモア猟兵の事前情報で聞かされていたのを思い出したのである。
 そして1回でも接吻を受けてしまう事は、妻帯者である魎夜にとっては色々な意味で致命傷となりかねないのだ。
「逃がさないのです…」
 怪狐の1体が信じられないほどの跳躍力で、魎夜に肉迫する。
「ダチの方には行かせねーよ!」
 そこへマオのフォローが入った。
 怪狐達が魎夜の死角を狙って来ることを予測していた、マオの渾身の掌打が、魎夜に組み付こうとしていた怪狐を一撃で絶命させたのである。
「助かるぜ、マオ。こっちも本気で行ける」
 2人の息の合った連携と、巨門のサポートも加わり、怪狐達が突ける死角はなくなった。
「ひいぃぃぃぃ!」
「あついですぅ…」
 それからの色欲の怪狐達は接近する事も叶わないまま、蹴散らされていく。
 色っぽい断末魔に、残された色香が、2人の心を乱しにかかるも、2人は強靭な精神力で自我を保つ。
「武曲さま…もうしわけないのです…」
 怪狐達は色欲にまみれながらも、倒れる最期の瞬間まで忠誠心を捨てる事はなかった。
「……こいつら、どういう感情で儀式の生贄なんざやってるんだか」
「まあ、彼女に所詮は呼ばれた|存在《オブリビオン》だし、あまり気にする事はないんじゃないかな?」
「は、今度はまともな事を言うじゃねえか」 
 巨門の言葉に頷いた2人は、それからも色欲の怪狐達が出現しなくなるまで掃討し続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
いや、大門さんの方が知ってるでしょ? 私ご本人にお会いしたことないもん。月にいたから僕もよく知らない? なら今度本人に聞きましょう。

というか、あからさまにハニートラップ担当なあいつらについて何か知らない? 同じ妖狐っぽく見えるけど、大陸の子じゃないん?

とりあえず……大門さんはしばらく私には接近禁止でよろしゅう。これからやるのはクリスタリアンの技というより性質なんだが……最近押さえがとんと効かなくなっててさ。

離れた大門と入れ替わるように飛んできた妖狐達に向けて【ガーネット・フラッシュ】を発動。死角から飛んでこられようと、飛んで火に入る夏の虫のごとく片っ端から光に飲まれて不時着してもらうわ。



「いや、巨門さんの方が知ってるでしょ?私ご本人にお会いしたことないもん。月にいたから僕もよく知らない?なら今度本人に聞きましょう」
「聞くって、そういう性癖があるのか本人に問いただすって事かい?それはそれでいい趣味しているね」
 カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)と七星将の巨門は、他愛のない会話をしながら神社内を進む。
 他の猟兵達による神社内のオブリビオン掃討も滞りなく進んでいる。
 武曲七星儀を執り行っている武曲の複製体に辿り着けるのも、そう時間はかからないだろう。
「それなら複製体にでも聞きましょうか?本人にも聞かれないでしょうし」
 と、ここでカーバンクルは雑談を止める。
「おなかすきました……」
 儀式の贄である色欲の怪狐達が徘徊しているのが、目に入ったのだ。
「というか、あからさまにハニートラップ担当なあいつらについて何か知らない?同じ妖狐っぽく見えるけど、大陸の子じゃないん?」
「さあね…御覧の通りとしか言いようがないかな。少なくとも僕達の仲間ではないよ」
 だから遠慮する必要は無いと、巨門は付け加える。
「とりあえず……巨門さんはしばらく私には接近禁止でよろしゅう。これからやるのはクリスタリアンの技というより性質なんだが……最近押さえがとんと効かなくなっててさ」
「ふぅん…ならそうさせてもらうよ」
 先の大陸妖狐達との戦いで、カーバンクルの実力と性質は巨門も十分に把握している。
 巨門はカーバンクルの言葉に従い、距離を開けるのであった。
「いただくのです…」
 それと入れ替わるかのように、色欲の怪狐達は驚異的な跳躍力で、カーバンクルめがけて飛び掛かる。
 クリスタリアンであるカーバンクルの身体は、彼女達にとっても魅力的に見えたのだろう。
「まさに飛んで火に入る夏の虫ね!」
 カーバンクルは全身から赤く眩い閃光を放ち、色欲の怪狐達の目を晦ませる。
「あ…あついですぅ…」
「と…とけてしまいますぅ…」
 カーバンクルの放った閃光はただの目晦ましなどではない。
 敵味方関係なく触れた者を焼失させる、高威力の熱線なのである。
「このままあなた達には不時着してもらうわ」
「ああん❤」
 死角から襲い掛かろうとしていた色欲の怪狐を払いのけ、カーバンクルは無差別攻撃を続行する。
 色欲の怪狐はカーバンクルの言葉通り、次々と墜落して、そのまま閃光に身を焼かれていく。
「やれやれ…これは近づいたら僕でも火傷では済まないね」
 これなら援護も不要だろうと確信した巨門は、更にカーバンクルから離れるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

儀式の為に自ら贄となるなんて見上げた志ね。
貴女達は私が救ってみせるわ

【脱衣】して身を委ねるけど
【狂気耐性】そして何より彼女達を救うという【気合い】で
無抵抗にならず『救済の黒朱雀』発動

あぁん、とっても上手ねぇ♥
ヤられたらヤり返す。倍返しよ♥

殺傷力の無い媚毒の黒炎を纏い
愛欲に比例して無限に戦闘力上昇。
黒炎も無限に規模を増し【誘惑・範囲攻撃】となって彼女達を魅了

そうよ……何も考えずに私を求めて……あんっ♥
無上の悦びを……教えてアゲル……んぅぅっ♥

無限に高まる戦闘力と【生命力吸収・大食い】の威力で
私の【継戦能力】は実質無限。
回復で粘られても弱い所を【見切り・慰め】絶頂・救済に導くわ♥



「もうすぐです…もうすぐ儀式が完成するのですね」
「私達も…おそばに参ります」
 武曲の複製体に呼び出されたばかりの色欲の怪狐達は、贄としての役割を自ら進んで果たそうとしている。
 彼女達の言葉から武曲七星儀の完成も近いようである。
「儀式の為に自ら贄となるなんて見上げた志ね。貴女達は私が救ってみせるわ」
 贄としての役目を果たし、今にも消えてしまいそうな色欲の怪狐達を見かねた、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が、挑みかかる。
 彼女達を滅ぼす為ではなく救済の為にである。
「邪魔しないでください…」
 服を脱ぎ捨てて身を委ねようとするドゥルールに対して、色欲の怪狐達は拒絶の意を示し、彼女達のやり方でドゥルールから気力と精力を奪い尽くそうとする。
「あぁん、とっても上手ねぇ♥」
 色欲の怪狐達に吸収され続ければ、半吸血鬼であるドゥルールとて死は免れない。
 だがそんな死の隣合わせの状況でさえも、ドゥルールを更に昂らせる要因でしかないのだ。
「ヤられたらヤり返す。倍返しよ♥」
 ドゥルールは狂気に陥った訳でも、無抵抗にやられるつもりもない。
 吸収されながらも殺傷力の無い 極めて強力な媚毒効果の黒炎を纏って、自身の戦闘力上昇を際限なく上昇させ続けているのだ。
 そしてその高まった戦闘力は、攻撃にではなく色欲の怪狐達を逆に魅了する為に行使された。
「あ…ああん♥」
 黒炎を纏ったドゥルールの妖艶な輝きに、色欲の怪狐達は心を奪われ、贄としての役割、そして武曲への忠誠心すらも書き換えられていく。
「そうよ……何も考えずに私を求めて……あんっ♥無上の悦びを……教えてアゲル……んぅぅっ♥」
「…お、お姉さまぁ♥」
 無限に高まり続ける両者は互いの目的を忘れ、永遠とも思える間、交じり合うのであった。

「はは、楽しく盛り上がっているみたいだね。これは手出し無用かな」
 その様子を遠くから見ていた巨門は、助力は不要だと判断し、他の猟兵達と共に武曲の複製体の元にへと急ぐ。
 贄である色欲の怪狐の多くを撃破した事で、儀式を阻止できるだけの時間は稼げただろう。
 後は儀式が完成する前に武曲の複製体を撃破出来れば、万事解決なのだ。
「本当の楽しみはこれからってね」

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『妖狐『武曲』複製体』

POW   :    龍王顕現
自身の【ゴースト軍団「オブリビオン百鬼夜行」 】から、自身の技能どれかひとつを「100レベル」で使用できる、9体の【東洋龍型ゴースト『龍王』】を召喚する。
SPD   :    武曲九尾扇
【九尾扇 】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
WIZ   :    七星百鬼大夜行
【オブリビオンゴースト軍団 】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[オブリビオンゴースト軍団 ]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。

イラスト:みずの瑚秋

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●笠間稲荷奥の宮
 神社を守っていた結界も破壊され、儀式を完成させる為の贄も失われた。
 迫り来る猟兵達と最強クラスの妖狐である巨門を相手に、武曲の複製体は極めて不利な状況であると言える。
 だが、それでも武曲の複製体は戦意を失ってはいなかった。
 武曲の複製体はかつて同じ場所で本人がそうしたように、戦闘態勢を崩さぬまま、生き残っている僅かな手勢のオブリビオン達に告げる。
「まだ勝負はついていない。私が健在である限り、七星儀は継続される……。ならば、命ある限り戦うのみ!!幸い、あと少しで儀式も完成する。魂が折れぬ限り、私達に敗北は無い!」
「私達が不甲斐ないばかりに…でも貴方さまのおっしゃる通りです!」
 武曲の複製体の毅然とした態度に、戦意を失いかけていた妖狐のオブリビオン達も奮起する。
 そして僅かでも時間を稼ぐべく、妖狐のオブリビオン達は入り口で防衛網を敷く。
「お前達だけに苦労はさせないぞ」
 武曲の複製体は儀式を続けながらも、残っている力で新たな妖狐のオブリビオン達を出現させて、防衛の足しとする。
「さぁ、来るがいい巨門、そして猟兵達!作られた身であろうとも、この武曲、逃げも隠れもしないぞ!!」
 愛用の九尾扇を一振りし、武曲の複製体は、力強く宣言するのだった。

「本人でもないのに随分と盛り上がっているようだね…」
 猟兵達と共に奥の宮に踏み込んだ巨門は、待ち受けていた妖狐のオブリビオン達に足止めを余儀なくされてしまう。
「巨門さま、どうかお覚悟を…」
「君達のような部下をもった覚えはないよ…まあ、でもお望みなら相手をしてあげようか」
 妖狐のオブリビオン達は明らかに狙いを巨門に定めていた。
 これから始まる激戦に少しでも不安要素を排除しておきたいのだろう。
「どうやら、僕自身が彼女と戦うのは諦めた方が良さそうだね。ならせめて彼等の相手は引き受けさせてもらうよ」
 自分の役割はサポートであるとわきまえている巨門は、黄龍の風を纏い妖狐のオブリビオン達を吹き飛ばす。
「ここは任せてもらうよ。噛み付く相手を間違えた事を、彼女にも思い知らせてあげるのだね」
 黄龍の風によって僅かの間だが、武曲の複製体にへと届く道が開かれる。
 妖狐のオブリビオン達の相手は巨門に任せ、防衛網を潜り抜けた猟兵達は、武曲の複製体と対峙するのであった。
儀水・芽亜
巨門様、後詰めは任せましたよ。
お久しぶりというのも違いますね。本当に昔のままで。懐かしさは感じます。よく関わらせてもらいましたから。
それだけに、複製体など認められません。無為な歴史再現はここでお仕舞いです。
ご本人に知られる前に終わらせますよ。

「全力魔法」「破魔」の「属性攻撃」「範囲攻撃」「矢弾の雨」で光輝の雨。
オブリビオンゴースト百鬼夜行ごと殲滅させてもらいます。『龍王』も一緒に討滅しますよ。

やはり、複製体では武曲さんには及びませんね。
間合いを維持しながら、光輝の雨を降らせ続けましょう。
一撃必殺とは行きませんが、消耗戦に引きずりこむことは出来ます。

出来れば、この手で消滅させたいところですけど。


カーバンクル・スカルン
光をOFFして質問。
あの万年発情気味の妖狐を雇ったのはあんたの趣味? 趣味だとしたら……ふふっ。(馬鹿にするな感じで鼻で笑う)

武曲が怒って接近戦を試みて来たらすぐさま機械仕掛けのワニと合体して【三軍暴骨】を起動。2tに達する握力で武曲の体を捉えて、そのまま噛み潰してしまいましょう。

鉱物と金属の体を持ってる相手にそんなそよ風程度じゃ相手にならないよ? 次期妖狐七星将候補筆頭といえどもこんなもんかー?



「巨門様、後詰めは任せましたよ」
 七星将の巨門が他の妖狐達の注意を引いて、孤軍奮闘している様子を見届けてから、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は、武曲七星儀執り行っている主と対峙する。
「来たな猟兵達よ!」
 彼女こそナイトメア王ジャック・マキシマムが手にした妖狐の情報を元に生み出された、武曲の複製体に他ならない。
 笠間稲荷奥の宮で毅然として立つその姿に、芽亜の脳裏にかつての戦いが記憶に蘇る。
 それほどまでに武曲の複製体は、当時の武曲そのものなのである。
「お久しぶりというのも違いますね。本当に昔のままで。懐かしさは感じます。よく関わらせてもらいましたから」
 だが芽亜は思い出を振り払って、神器『|驟雨の弓《しゅううのゆみ》』を構える。
「それだけに、複製体など認められません。無為な歴史再現はここでお仕舞いです。ご本人に知られる前に終わらせますよ」
「近づけさせはしない!」
 武曲の複製体は九尾扇を掲げ、新たな|七星百鬼大夜行《オブリビオンゴースト軍団》を召喚する。
 過去と現在との戦いの違いを挙げるなら、圧倒的な物量の差だろう。
 当時は5千を超える能力者達で挑んだが、今は数名の猟兵と1人の妖狐だけで戦っている。
 それに対し武曲の複製体は、新たなゴーストを際限なく召喚し続けるだけの力をまだ残しており、物量差だけなら、過去とは真逆であると言えるだろう。
「天上より光の雨降り注ぎ、地を這う不浄の一切を討ち滅ぼさん」
 だがそんな物量差を覆すように、芽亜の放った光の矢の雨が、百鬼大夜行に頭上に降り注いだ。
 呼び出されたばかりのゴースト軍団は、刃を交える事無く、光の矢に打ち滅ぼされていく。
「そんな私の軍勢が…」
「過去は過去という事です!」
 猟兵として覚醒した芽亜の実力は、武曲の複製体の予想を遥かに超えているのだ。
「ところでさ、あの万年発情気味の妖狐を雇ったのはあんたの趣味?趣味だとしたら……ふふっ」
 武曲の複製体が唖然としている所に、挑発じみた言葉をかけてきたのは、カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)である。
 カーバンクルは馬鹿にするような感じで鼻で笑い、武曲の複製体を怒らせようとしているのだ。
 現在過去ともに武曲とは縁もゆかりもない、カーバンクルに遠慮する理由などない。
「おのれ、私を…彼女達を侮辱するのか!」
 武曲の複製体はカーバンクルに対して敵意を剥き出しにする。
 プライドの高さも本人譲りなのだ。
 そして九尾扇を手に、カーバンクルに向かって単身で飛びかかる。
「その罪、死を以て償ってもらうぞ!」
「あっさりと引っかかってくれたわね」
 待っていましたとばかりに、カーバンクルは自作の機械仕掛けのワニと合体して迎え撃つ。
「そんな簡単にスクラップにはならないでよ!」
 ワニと合体したカーバンクルは、2tに達する握力で接近戦を挑んできた武曲の複製体を噛み潰そうとする。
「はあっ!」
 だが武曲の複製体も大したもので、軽やかな動きでカーバンクルの拳と牙を避けると、九尾扇を振り回して、風の刃を発生させる。
 立て続けに放たれた風の刃はカーバンクルを何度も切り裂くが、合体しているワニの強靭な装甲と鉱物と、金属のボディを持つ、カーバンクルに対したダメージは与えられない。
「そんなそよ風程度じゃ相手にならないよ? 次期妖狐七星将候補筆頭といえどもこんなもんかー?」
「やはり、複製体では武曲さんには及びませんね」
 カーバンクルは挑発を続け、芽亜もそれに続く。
 百鬼大夜行を呼び出されて時間を稼がれても面倒だからだ。
「く…どこまでも愚弄するか!だが最後に勝利するのは私達だ」
 だが武曲も幾分か冷静さを取り戻したのか、距離をとって再び七星百鬼大夜行を呼び出そうとする。
「私達ですか…」
 あくまでも武曲として立ち振る舞う姿に、芽亜も間合いを維持しながら光輝の雨を降らせ続ける。
 呼び出されたばかりのゴースト達が盾となって、光輝の雨から武曲の複製体を守る。
 消耗戦は避けられないだろう。
「出来れば、この手で消滅させたいところですけど」
「ならどちらが先に倒せるか競争してみない?もたもたしていると私が踏みつぶしちゃうよ」
 早い者勝ちとばかりに、カーバンクルは合体した姿のままで徹底的に接近戦を仕掛けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

山吹・慧
さて、正直なところ気が進まないのですが、
武曲さんの事を考えればまがい物など
この場で消し去らねばなりませんね。

……とは言え、まがい物といえど相手が武曲さんとあれば
ぞんざいに扱うわけにはいきません。
「欧州人狼騎士団の山吹慧です。尋常に勝負願います」(礼)
と正面からの接近戦を挑みましょう。

敵の攻撃は【残像】を交えた【フェイント】で攪乱。
敵がUCを使用したならば初撃を【集中力】で
【受け流し】、エンジェリックウィングの
光の【羽を飛ばす】【目潰し】を仕掛けて
怯ませましょう。
そして【宿星天剣戟】で飛翔して
一度敵の近接範囲から離れてから
【リミッター解除】した最大の攻撃を
放ちましょう。


穂村・耶子
あれが本気の武曲さんか
いつまでもキャラ崩壊している場合じゃないね

攻撃力は低いけど、連続攻撃をしてくる?
それなら、UCで実体を持った分身を召喚して撹乱するよ
でも、この分身はただの囮じゃない
僕が次に使うUCを分身も使うことができるんだ

僕が次に使うのは秘剣・時空超越斬
瞬間移動で懐に飛び込んで、過程を無視した斬撃を浴びせる技だよ
僕や分身が刀を振り下ろせば、その瞬間に「斬られた」って結果だけが与えられるから、防御も回避も意味ないよ
それを13回も四方八方から繰り出されたら、さすがに無事じゃ済まないはず
連続攻撃しようにも、誰かを狙ったら、その隙に別の分身が斬り掛かってくるからね
偽物にはここで退場してもらうよ



「さて、正直なところ気が進まないのですが、武曲さんの事を考えればまがい物など、この場で消し去らねばなりませんね」
 今相手にしているのが、本人ではなく複製体であるに過ぎない事は山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)とて理解している。
 それでも武曲の複製体は、過去の彼女の姿と性格を完全に再現された存在であり、その事が慧の戦意を少なからず削がれてしまっているのだ。
「欧州人狼騎士団の山吹慧です。尋常に勝負願います」
「いいだろう。私は逃げも隠れなどしない!」
 だからこそ、彼女をぞんざいに扱うわけにはいかず、慧は礼を尽くした上で正々堂々と勝負を挑むのであった。
「あれが本気の武曲さんか。いつまでもキャラ崩壊している場合じゃないね」
 その様子に穂村・耶子(甘党残念剣士・f35497)も、妖狐達との戦いで曝け出してしまった醜態など忘れ、覚悟を決める。
「さあ、行くぞ!私の攻撃に耐えられるものか!」
 武曲の複製体は九尾扇を取り出して、2人を相手に接近戦を挑みかかる。
 ここで七星百鬼大夜行を呼び出さないのは、自信の表れなのだろう。
 その証拠に九尾扇から繰り出される連続攻撃に、2人は早々に防戦を余儀なくされた。
「く…やりますね」
「思っていた以上に手強いみたいだね!」
 武曲の複製体から繰り出される一撃一撃には、さほどの威力は無いが、絶え間なく繰り出される九尾扇による連続攻撃が、慧と耶子に反撃の隙を与えない。
 このまま無策で戦い続けても、手数で武曲の複製体に押し切られてしまいかねない。
 そこで慧と耶子はアイコンタクトで、互いの意思疎通を図った。
 慧が武曲の複製体の連続攻撃を一手に引き受けている間に耶子が攻勢に出ると、言葉を発する事無く示し合わせたのである。
「逃がしはせぬ!」
 耶子が離脱しようとした所を、武曲の複製体が追撃しようとするが、慧が割って入る。
「別に逃げるわけではありませんよ」
 多少のダメージを覚悟で慧が九尾扇による連続攻撃を受け流す。
 狙いが集中した分、苛烈になった連続攻撃が慧に襲い掛かる。
「く…」
 その攻撃を慧は懸命に回避し防禦する。
 少しでも意識の集中を乱せば、その怒涛の攻めに押し切られてしまいかねない。 
「こうなったら手段は選んでられませんね!」
 このままでは危険だと判断した慧は、背中に装着していたエンジェリックウィングを輝かせ、その一部を切り離して、武曲の複製体に飛ばす。
「く…小癪な!」
 慧が飛ばした羽はまばゆい輝きを放ち、ほんの僅かだが武曲の複製体を怯ませる事に成功する。
「全てが偽りにして真……秘剣・幻魔鏡影殺法!」
 その間に距離をとった耶子が実態を持つ精巧な分身を召喚する。
「偽物には相応しい相手を用意させてもらったよ」
「たかが分身で私を止められると思うな!」
 すぐに立ち直った武曲の複製体は、慧をすり抜けて先に耶子の分身から始末しようと再度連続攻撃を繰り出す。
「この分身はただの囮じゃない」
 強敵ではあるが、これまでの妖狐達と違って真っ向勝負を挑んで来る武曲の複製体を相手に、耶子は心乱す事なく、本来の冷静な態度で対処する。
「僕が次に使う|UC《ユーベルコード》を分身も使うことができるんだ」
 耶子と12体の分身は一度、武曲の複製体の攻撃範囲内から離脱したかと思えば、瞬時に至近距離まで転移すると、無造作に刀を振り下ろした。
「この程度でっ!」
 武曲の複製体は耶子の奇襲攻撃を予知していたかのように、計13人による斬撃を回避し、回避しきれなかった刃は九尾扇で受け止めた。
「ぐあっ!な、何故?」
 だが次の瞬間、武曲の複製体から全身を斬られたような激痛が走った。
 彼女自身が斬られたわけではないのにである。
「残念だけれど防御も回避も意味ないよ」
 耶子とその分身が繰り出された斬撃は、過程を無視して結果だけを相手に与える。
 刀を振るった時点で、『斬られた』という結果が確定してしまうのだ。
「猟兵の実力、これほどとは…」
 このような常軌を逸した攻撃は、当時の生命賛歌を受けた銀誓館学園の能力者であっても出来た芸当ではない。
 過去の記憶しか持たない武曲の複製体に、対処する術は無いのだ。
「驚いている暇はありませんよ!」
 畳みかけるのは今を置いて他ならない。
 エンジェリックウィングを展開して飛翔した慧は、一度上空に飛び上がってから、宿星剣を手に斬りかかる。
「さあ、消えてもらいますよ!」
 そして勢いをつけて、武曲の複製体に向けて最高速度による最大の一撃を放つ。
 耶子とは違い過程を飛ばして結果だけを与えるような異能の力ではなく、純粋に早くそして強力な一撃である。
「うああああああっ!!」
 防御も回避も間に合わず、宿星剣の斬撃にその身を切り裂かれ、武曲の複製体はその仮初の命を大きく刈り取られるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

その志は立派だけど、犠牲ありきの作戦なんて認めない。
私の望みは貴女達を幸福にする事だもの

『私達の楽園』で
今まで救済してきた美男美女の霊140人を召喚。
一人一人が私と同じ強さ。しかも再生能力つき

男性霊:もっと自分を大事にしろよ。美人が勿体ないぜ
女性霊:人類を滅ぼす事は難しいけど、|私達《オブリビオン》が幸福になる道はあるのよ

【誘惑・催眠術】の睦言と【慰め・集団戦術】による快楽で
ゴースト軍団や生き残りの妖狐を魅了しつつ【生命力吸収】

最後は貴女(武曲)ね。
妖狐なら精気吸収は得意でしょ?
私と一対一でヤりましょうよ

【脱衣】して精気吸収による一騎打ちを挑むわ。
複製とはいえ相手は高名な妖狐。イかせイかされの接戦となるけど
素敵な彼女を必ず救うという【気合い】による自身への【鼓舞】と
【継戦能力】の高さで粘るわ

【吸血】しつつ媚毒の【呪詛】を注ぐ事で彼女の感度を何倍にも高め
雷の【属性攻撃】を纏った指先で敏感な所に触れての【マヒ攻撃】
怯んだ隙に生命力を【大食い】
無上の悦びの中、救済へと導くわ♥



 武曲七星儀、それは多くのゴースト達を贄に捧げる事で武曲の複製体を七星将にへと覚醒させる儀式である。
 もし儀式が完成してしまえば、複製体であっても、その実力は当の本人を遥かに上回るだけではなく、シルバーレイン世界、そして猟兵達にとっても大きな脅威となるだろう。
「武曲様が苦戦しておられる…一刻も早くこの命を捧げなければ!」
 それ故に呼び出された妖狐のゴースト達が贄に捧げられる事は、彼女達にとって望むところであり、気に病む者なと誰も居ようはずもなかった。
「その志は立派だけど、犠牲ありきの作戦なんて認めない。私の望みは貴女達を幸福にする事だもの」
 ただ一人、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)を除いてである。
 彼女はこれまでに数多くの、オブリビオンの救済を掲げ、そして彼等を死霊として使役・保護してきたのである。
「もっと自分を大事にしろよ。美人が勿体ないぜ」
「人類を滅ぼす事は難しいけど、|私達《オブリビオン》が幸福になる道はあるのよ」
 そしてドゥルールが呼び出した総勢140人もの美男美女の霊が、生き残りながらも自らを捧げようとしている妖狐ゴースト達を説得にしにかかる。
「…一体何を?」
 敵である筈の猟兵に手を差し伸べられ、訳が分からずにいた妖狐のゴースト達に対して、美男美女の霊は誘惑・催眠術の睦言と慰め・集団戦術による快楽といった、各々が得意とする術で、生き残りの妖狐達を魅了していく。
「あ、ああ…」
 一人一人がドゥルールと同じ強さを持ち、しかも再生能力を持つ霊達を止められる者は誰もいない。
「おのれ、怪しげな術を!」
 儀式の贄である妖狐達が次々と篭絡され、儀式の進行もままならない事に業を煮やした武曲の複製体は、単身でドゥルールに挑みかかる。
「あなた達は手を出さないで」
 ドゥルールは霊達にそう言い聞かせてから、武曲の複製体の九尾扇による一撃を受け止める。
「妖狐なら精気吸収は得意でしょ?私と一対一でヤりましょうよ」
「言われるまでもない!」
 脱衣したドゥルールの熱い視線に怯むことなく、武曲の複製体は容赦なく連続攻撃を繰り出した。
 複製とはいえ相手は高名な妖狐、一撃一撃の威力はさほどではないが、的確な攻撃はドゥルールをじりじりと追い込んでいく。
「じらしてくれるわね…でもそういうのも嫌いじゃないわ」
 やや不利な状況に陥りながらも、ドゥルールは|武曲の複製体《素敵な彼女》を必ず救うという一念で、自身を鼓舞し、尾扇による連続攻撃を凌ぎ続けた。
「さすがは猟兵か…しかし諦めはしない!」
 武曲の複製体は懸命に攻撃を続行するが、ドゥルールに粘り続けられ、次第に焦りが生まれる。
「ようやく隙を見せたわね!」
「く…しまった!」
 焦りによる九尾扇の一撃が大振りとなってしまい、武曲の複製体はドゥルールの接近を許してしまったのである。
「さあイかせてあげるわ!」
 ドゥルールは躊躇なく武曲の複製体の首筋に噛みついた。
「貴女の血…とても美味しいわ」
 柔らかい感触と高潔な妖狐の血の味が、ドゥルールの喉を潤していく。
「く…は、放せっ!」
 武曲の複製体は慌ててドゥルールを突き放すが、その直後に全身が麻痺するような感覚に襲われる。
「おのれ…毒か!」
「ええ、そうよ。おかげで感じやすくなったんじゃない?」
 ドゥルールは噛みついた牙から、媚毒の呪詛を注ぎ、武曲の複製体の感度を何倍にも高めたのである。
「ほら、こんな風にね」
「あ、ああん!」
 ドゥルールは指先に触れただけで、武曲の複製体は電撃は走ったかのように、ビクっと反応する。
「いい反応ね。無上の悦びの中、救済へと導くわ♥」
「く…そんな救済など…」
 媚毒をその身に受けながらも、武曲の複製体は抵抗の意志をかろうじて保つ。
 他の妖狐達はドゥルールが救済した霊達に完全に魅了されており、武曲の複製体の窮地を助けられる者は誰も居ない。
「怖がることは無いわ…これから貴女を本物にしてあげる♥」
「や…やめろ!」
 慈愛に満ちた表情で迫るドゥルールに、武曲の複製体は初めて恐怖を覚えるが、それも僅かの間である。
 彼女がドゥルールの救済行為に、陥落するのも時間の問題だろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

マオ・イェンフー
暗都魎夜(f35256)と参加

【心情】
複製武曲の存在は俺のダチに対して迷惑だ
俺は複製武曲を認める訳にはいかねぇ
そこに覚悟があったとしても、ダチの為に似たような奴でも退ける。
それが俺の大事なダチに対する矜持(スタイル)だ。悪いな複製の。

【戦闘】
カードを取り出して[リミッター解除]でオーバーロードイグニッション
オーバーロード状態で体に雷光を纏いパチパチと帯電しつつロングコートを翻しながら戦う
複製武曲の前にゴースト龍王を攻略する
[クイックドロー][ジャンプ][2回攻撃][落ち着き]でクールに横っ飛びで逆鱗に銃弾を叩き込み数を減らす
「龍の弱点といえばこれだろ」
「魎夜走れーー!後ろから援護する!」

敵陣が手薄になったり、複製武曲が動揺しだしたら[受け流し][覇気][弾幕]で攻撃をいなして肉薄して【白虎絶命拳】を叩き込む
「隙を見せたな!」
「お前さんが骸の海にいた時も、こちらは戦ってたんだ。これが銀誓館さ」

【戦闘後】
学園祭にて中華の出店を出すから巨門にはサービスするぜ
おたくも母国の料理は好きだろ


暗都・魎夜
マオ(f36169)と参加
【武曲に質問】
「一つ聞きたい、武曲。お前は何のために戦ってる?」
「別に意味がある質問じゃねえが、俺にとっては重要なことだ」

【心情】
過去の武曲は文曲を助けるとか、組織への忠誠とかで、儀式を行おうとした

単にそれを真似てるだけなら、本物武曲の友人として許さねえ
オブリビオンとして、自分の生に意味を見出したのなら、それでも俺は儀式の完成を止めるために戦う

【戦闘】
「(誰何の声に)俺は通りすがりの能力者さ、覚えておきな!」

七星将としての力を備えているとは言われたが、回れ右して逃げたくはなってくるな
「だがな、師匠が言ってたぜ、"退路は前にしかない"ってな!」

UCを発動して「リミッター解除」「限界突破」
「見切り」で攻撃を回避しつつ戦闘

「マオ、後ろは任せた!」

道を塞ぐ竜王を「生命力吸収」「斬撃波」で切り捨てて
「激痛耐性」で攻撃を耐えつつ最奥にいる武曲をまっすぐ目指し「捨て身の一撃」

「最後に七星将よりももっと強い力を教えてやるぜ」

【戦闘後】
巨門を学園祭に誘って出店で奢る(自費)



「一つ聞きたい、武曲。お前は何のために戦ってる?」
「決まっている我等、妖狐の未来の為、命ある限り戦うのみ!」
 暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)の問いかけに、一切の曇りのない毅然とした態度で返す武曲の複製体。
 彼女の在り様は、過去の武曲そのものである事は、魎夜の記憶が証明している。
 だがあれから月日も経ち、大陸妖狐の組織も様変わりしている。
 例え武曲七星儀が成功した所で、彼等に喜ばれる事は無いだろう。
 それでも武曲の複製体の信念に揺らぎはない。
「別に意味がある質問じゃねえがよ…」
 その言葉とは裏腹に、魎夜にとっては重要な質問であった。
 そしてその答えにもだ。
 予想通りというべきか、武曲の複製体の信念はあくまでも過去の武曲もしているだけに過ぎないのだと、彼女の有様を目の当たりにして確信する。
 本人が今でも親しくしているであろう妖狐仲間の文曲の名前が、彼女の口から出なかったのは、せめてもの救いなのかもしれない。
「何にせよ本物武曲の友人として許さねえ…」
 武曲の複製体がオブリビオンとしての生に意味を見出してしまう前に、魎夜は儀式の完成を止めるために戦うと心に誓う。
「複製武曲の存在は俺のダチに対して迷惑だ。俺は複製武曲を認める訳にはいかねぇ。悪いな複製の」
 武曲の複製体を阻止しなければならない想いは、マオ・イェンフー(その漢トゥーハンド・f36169)も同じである。
 複製体なりの覚悟はあるのは認めるが、|本人《ダチ》の為にも、彼女は退けなければならない。
 それが自分の大事なダチ、そして複製体に対しての|矜持《スタイル》なのだと、マオの信念にも揺らぎはない。
「そうか…せめて名前だけでも聞いておこうか?」
 2人の真っ直ぐな信念に、武曲の複製体も感じるものがあったのか、名前を尋ねる。
「俺は通りすがりの能力者、暗都・魎夜さ。覚えておきな!」
「マオ・イェンフーだ。それがお前さんが聞く、最後の名前だ」
 魎夜とマオは名乗りをあげてから、イグニッションカードを取り出して、リミッターを解除する。
 魎夜は溢れる生命のエネルギーを纏い、マオは雷光を纏ってロングコートにもパチパチと帯電しつつ、|黒双虎《二丁の詠唱銃》を構える。
 両者とも当時の能力者とは比べ物にならない程の力を有している事が、武曲の複製体にも伝わってくる。
「いいだろう…ならば私も全力を…いや限界を越えて相手になろう!」
 2人の闘気に触発されたかのか、武曲の複製体からもこれまで以上に強力なオーラーを発しながら九尾扇を掲げ、瞬時に東洋龍型ゴースト『龍王』を9体も召喚する。
 恐らくは武曲七星儀の完成が近いのだろう、あと一歩で武曲の複製体は七星将にへと到達しつつあり、その力も極限までに高まり続けているのだ。
(七星将としての力を備えているとは言われたが、回れ右して逃げたくはなってくるな…)
 武曲の複製体から放たれる闘気は紛れもなく本物であると、魎夜も認めざるを得ない程である。
「だがな、師匠が言ってたぜ、"退路は前にしかない"ってな!」
「そういう事だ。怖気ずくんじゃねぇぞ!」
 マオは雷光を纏まったロングコートを翻し、二丁詠唱銃を構えて、龍王に狙いを定める。
 まずは武曲の複製体の最後の切り札を排除しなければならない。
「グオオオオオオオォ!」
 9体の龍王も自分達が狙われている事に気付き、それだけで神社を崩壊しかねない程の凄まじい咆哮をあげる。
「龍の弱点といえばこれだろ」
 マオは冷静に立ち回り、龍王の咆哮に巻き込まれないよう、横に飛びながら詠唱銀で作られた魔力の弾丸を、龍王の1体の逆鱗を狙って発射する。
「グオオオオオオオォッ!」
 魔力の弾丸は吸い込まれるように、龍王の逆鱗に着弾した。
 それが致命傷となり龍王の1体が倒れ、マオの見立てが正しい事を証明する。
「魎夜走れーー!後ろから援護する!」
 とはいえ、龍王全てを相手にするだけの猶予は無い。
 マオが声をあげると同時に、魎夜は走り出す。
「マオ、後ろは任せた!」
 魎夜はマオの援護を受ける形で、龍王の背後で儀式を続けている武曲の複製体に挑みかかる。
「グオオオオオオオォ!」
 その行く手を龍王の1体が遮るが、マオの的確な援護で怯んだ所を、魎夜は蒼玄の刀で龍王を切り捨て、強引に突破する。
「来るかっ!」
 龍王だけでは2人を止める事はできないと、武曲の複製体は覚悟を決めて、九尾扇を構える。
 その直後に繰り出されたのは、嵐のような怒涛の連続攻撃である。
「ぐ…」
 これまでの猟兵達との戦いでも繰り出していた、一撃の威力よりも手数を優先した攻撃だが、この時ばかりは一撃一撃の威力が重く、それだけ武曲の複製体も必死なのだという事が伺える。
 だがそんな武曲の複製体の全力の攻撃を受けても、魎夜は倒れる事無く逆に追い込んでいく。
「く…この力、メガリスの力か?」
 何度倒れてもまた立ち上がり挑んで来る。
 特殊な遺物であるメガリスを代償にする事で、生命賛歌を受けて戦う銀誓館学園の能力者達の姿が、武曲の複製体の脳裏に浮かぶ。
「まあ似たようなものだがよ。生憎だがこれは俺自身の能力だ!」
 生命力があ溢れる魎夜の気迫に、武曲の複製体も気圧される。
「最後に七星将よりももっと強い力を教えてやるぜ」
 魎夜は自身のダメージは顧みずに、捨て身の一撃を武曲の複製体に叩きこんだ。
「うあっ!」
 その言葉に嘘偽りはなく、魎夜の刃は七星将の力に覚醒しつつある、武曲の複製体を大きくっ切り裂いた。 
「隙を見せたな!」
 そこへ龍王を足止めしていた筈の、マオが急接近する。
 龍王は健在ではあるが、マオもまた突破してきたのである。
 それだけに武曲の複製体も完全に不意を突かれ、マオの接近を容易く許してしまったのである。
「あばよ!元居た場所に還んな」
 そして|必殺の一撃《白虎絶命拳》を叩きこみ、それが武曲の複製体への止めの一撃となった。
「ぐ…無念だ……」
 魎夜とマオから、それぞれ致命傷を受けた武曲の複製体はそれだけ言い残して、ドサりと倒れた。
 それから間もなくして妖狐の少女の身体は消滅し、僅かに生き残っていた龍王と百鬼大夜行の軍勢も共に消滅したのである。
「お前さんが骸の海にいた時も、こちらは戦ってたんだ。これが銀誓館さ」
 手強い相手、それも見知った顔との戦いであったが、所詮は過去の存在、今も戦い続けている2人に敵うはずも無かったのだ。
「終わったようだね。肝心な所を見れなかったのが悔やまれるかな」
 そこへ足止めと儀式を食い止める事から解放された、七星将の巨門が姿を見せる。
 その言葉通り巨門は、武曲の複製体の最期を目撃する事が出来なかったのだ。
「複製なりに頑張ったようだね」
「ああ、認めるのは複雑な気分だがな…」
 魎夜は武曲の複製体から受けたダメージが今になって返って来て、マオに支えられる形でやっと立っている状態である。
「…何はともあれ事件はこれで解決だ。約束通り奢らせてもらうぜ」
「中華の出店を出すから巨門にはサービスするぜ。おたくも母国の料理は好きだろ」
「そうだね。楽しみにさせてもらうよ。何なら彼女達も誘わせてもらおうかな?」
 猟兵達と巨門は、雑談を交えながら帰還する。
 今年の銀誓館学園の学園祭が開催されるのは、もう間もなくである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年07月16日


挿絵イラスト