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フェアリーの人権は1/6じゃないぞ!

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 ここはアックス&ウィザーズの街道沿いに存在する、フェアリーの暮らす村。
 村のフェアリーたちは、旅の導き手と言われる才覚を活かして街道の案内役を生業にしている。村自体も『フェアリーの住まう村』としてちょっとした観光地になっているという。
 だが、そんな賑わいをみせるこの村に、悲劇が訪れる。
「ぐへへ! フェアリーだらけだぜ! さァて、俺の嫁はどこだァ!?」
 突如、よく分からない事を叫ぶ山賊親分が手下を引き連れて村を襲撃!
 手下たちは逃げ惑うフェアリーたちを次々に鷲掴み!
 そのまま汚れた麻袋へ乱暴に放り投げてゆく!
「男と老人のフェアリーは殺せ! 可愛いフェアリーたちは後で俺様のところへ持ってこさせろ。一番の美人を俺の嫁にするぜ! 選ばれなかった残りは奴隷商へ売り飛ばせ! 特殊な需要があるから金になるぜ! ぐへへ! フェアリーは俺様の嫁以外、人権は身長と同じ1/6だぜぇっ! おらおら、逆らう奴は皆殺しだァッ!!」
 村は山賊たちの手により、たちまち滅ぼされたのだった。

「どんな世界でも変態は去勢だよっ!」
 蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は超絶いい笑顔で猟兵たちへ告げた。
 彼女は変態が嫌いだ。変態オブリビオンがいると聞き付ければ、その股間にぶら下がる諸悪の根源たる2個のクルミを割るため、多くの世界を彷徨う『ゴールドナッツ・ブレイカー』を自称している。
 予知の内容を伝達したのち、レモンは今回の依頼の内容を説明する。
「実は、既に山賊によって村が襲われる直前なんだよっ! このあと、あたいが村に転送したら、すぐに山賊たちの手下から村を守ってあげてっ!!」
 力自慢の猟兵たちは身を挺して村人フェアリーたちを庇ったり、身のこなしや器用さに自信がある猟兵たちは射撃や罠を仕掛けて足止めしたり、魔力に自信がある猟兵たちは火力を活かして山賊を吹き飛ばすなど、それぞれが得意なことで村人フェアリーたちを守り抜いてほしい、とレモンは付け加えた。
「それと、フェアリーの女性猟兵が救出に向かうと、手下は優先的に捕まえようとしてくるから気を付けてっ! でも、裏を返せば村人たちから注意が逸れるから、うまく活用できるかも……!?」
 決行するかどうかの判断は各猟兵に委ねるとしよう。
「それじゃあ、みんな! 今回も頑張ってねっ! フェアリーの人権は1/6じゃないってこと、キッチリ分からせてあげてほしいんだよっ! それと、転送役で戦闘に参加できないあたいの代わりに、山賊親分のクルミをっ! 粉々にっ! 砕いてきてねっ!!」
 最後だけやたら力を籠めて伝えるレモンであった。
 そしてグリモアが輝く――!!


七転 十五起
 七転十五起、なぎてんはねおきです。
 この依頼はネタ依頼ではありません。至って真面目な救出依頼です。
 繰り返します。至って真面目な救出依頼です。
 しかし、君たちはクルミを割っていいし、割らなくてもいい。

 このシナリオでフェアリーの女性猟兵の皆さんが参加した場合、優先的に狙われます。
 捕まるとロクな事が待っていませんので、全力で抵抗することをお勧めします。
 え、むしろ捕まりたいだって? 君みたいな奇特な猟兵の挑戦もウェルカムです。
 でも判定はきっちりやるから、そのつもりでな!?

 それでは、皆様の挑戦、お待ちしております!!
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第1章 冒険 『フェアリーの村を守れ!』

POW   :    身体を張って襲撃者からフェアリーたちを守るんだ!

SPD   :    罠や射撃で襲撃者を足止めしてフェアリーたちへ近付かせないぞ!

WIZ   :    魔法や未知のエネルギーを襲撃者にぶっ放してフェアリーたちに触れさせないぞ!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フルール・トゥインクル
フェアリーの人権は1/6なのですか。へぇ……面白いことを言うのです。
ちょっと久しぶりに頭に来ちゃいましたですよ?

到着したら目立つように飛び回りながら手下の気を引くのです。
その間に狙われていた同族さんには逃げてもらうのですよ。
もし捕まりそうになったら雪の精霊が変化したエレメンタルロッドで手下の手をぺちんと叩いちゃうのです。冷たいですよ?怯むといいのです。

周囲に村人さんがいなくなればエレメンタル・ファンタジアで手下を全力全開で吹っ飛ばしてやるのです。
そうですね……樹属性の竜巻にするのです。樹で簀巻きにして竜巻で空の彼方までお帰り願うのですよ。

フェアリーを甘く見た罪を受けるがいいのです!


ルトルファス・ルーテルガイト
(冷ややかな視線で無表情、しかしその心は激昂している)
…卑しい連中め、等しく生ける妖精を何だと思っている。
…蛮族に人権など…いや、生きる権利など「1/6」にも満たないという事をその身に叩き込んでやる。
(柄だけの剣を、蛮族共に向けながら)

(方針:WIS型)
…フェアリー達に「空に逃げろ!」と警告しながら、『エレメンタル・ファンタジア』を使用、【水の津波】を発生させて蛮族共を水に流す。
…フェアリーなら飛んで空に逃げることはできるだろうが、蛮族は空を飛べる羽なんて無いだろう?
…クルミを割る…か否かの前に、その卑しい心ごと掃除してやるとしよう。


クルル・ハンドゥーレ
6分の1?
あんなんでも分数知っとったんや?!(驚愕
とりあえず、こんな変態な悪党たちは徹底的に殲滅すべし、や


WIZ
UC幻月夜行をぶつけまくる
倒すより村人さんが捕獲されんよう妨害優先、マヒ攻撃と毒使いもてんこ盛りで
間違おても村人巻き込まんよう
顔とかどこか言わへんけど急所とかを狙う
フェアリーの人権が6分の1なら
あんたらのんはマイナスや!
村人が逃げおおせたら範囲攻撃もつけて一掃
火力?もちろんウェルダン一択や!
かち割るんはなんか汚れそうでイヤやから、消し炭ゆうことで

アドリブ・他の猟兵との絡み歓迎



 フェアリーの村に転送された猟兵たちは、街道の遠方から山賊たちが土煙を上げて近付いてくる光景を目の当たりにする。山賊たちは目を血走らせながら、口々に何かを叫んでいるようだ。
「げへへっ! フェアリーの身長は1/6だぜぇっ! つまり、人権も1/6だぜぇっ! つまり、何しても許されるわけだぁっ!」
 聞こえてくる外道な叫び声に、猟兵たちは思わず激昂した。
「フェアリーの人権は1/6なのですか。へぇ……面白いことを言うのです。ちょっと久しぶりに頭に来ちゃいましたですよ?」
 フェアリーのフルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)は笑顔のまま小さな拳を握り締めていた。その握られた拳がめっちゃフルフルと震えている。今のフルールには凄みを感じる。
 ルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)は冷ややかな視線で無表情で接近する山賊たちを見据える。しかし、その心は激昂している。
「……卑しい連中め、等しく生ける妖精を何だと思っている。……蛮族に人権など……いや、生きる権利など“1/6”にも満たないという事をその身に叩き込んでやる」
 その手に、柄だけの剣を握り締めながら身構えた。
「つーか、あんなんでも1/6なんて分数知っとったんや?!」
 クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)のツッコミに他の2人は“それな!”と同意の視線を向けた。
「とりあえず、こんな変態な悪党たちは徹底的に殲滅すべし、や。ほな、行こか!」
 3人の猟兵たちは素早く村の入り口へ向かう。
 その際、ルトルファスは擦れ違う村人フェアリーたちへ警告を発する。
「……妖精拐いの山賊たちが襲ってきた、空へ逃げろ!」
 彼の剣幕に事態を悟った村人たちは、急いで上空へ緊急避難を開始!
 だが、それでも避難が遅れたフェアリーたちがまだまだ大勢存在している。このままでは、ルトルファスの放ったユーベルコードに巻き込みかねない……!
 その時、フルールが彼の前に進み出て告げた。
「私が囮になるのです! その隙に、おふたりは村人さんたちの避難をお願いするのです!」
「……わかった。くれぐれも捕まるなよ?」
 ルトルファスは一旦踵を返し、未だ状況が呑み込めない半信半疑のフェアリーたちへ避難を促し始めた。
 一方、クルルはその掌に歪なぎんいろの炎を浮かばせて口角を吊り上げる。
「私はフルールさんに近寄ってきた山賊どもを吹っ飛ばしたるわ。村人のフェアリーたちも助けるけど、間違おても巻き込まんようせなあかんわ。ほれ、来はったで?」
 襲ってきた山賊たちが下品な笑みを浮かべながら、早速、手近なフェアリーの少女たちへ手を伸ばさんと試みる! 完全に変態行為だ!
「やめるのです!!」
 そこへフルールが雪の精霊ネージュを杖状に変化させた氷のロッドで山賊たちの手をべちんっと引っ叩いた! たちまち山賊たちの手が凍傷を負って赤黒く変色してゆく!
「っめてぇぇぇ!?」
「何しやがる、って、おい、あのフェアリー、すっげぇ上玉だぜ!?」
「白髪巻き毛フェアリー娘みぃ~っけ! 親分の嫁にピッタリじゃねぇか!!」
 狙い通りフルールの立ち回りが山賊たちの目に留まった。おかげで山賊たちは他のフェアリーたちへの関心が薄れ、更に避難しやすくなった!
「山賊さんたち、ここまでおいでなのですっ! 捕まえてみてくださいなのです!」
「待てぇ! 嫁候補ぉ!
 逃げるフルール、追い掛ける山賊たち!
 フルールは小さな体を機敏に動かし、悪党たちの腕の隙間をすり抜けてゆく。
 捕まりそうになると、クルルが放つユーベルコード『幻月夜行』の歪なぎんいろの炎によって阻まれる。
 山賊たちはメタリックな発色の炎に包まれてゆく!
「フェアリーの人権が6分の1なら、あんたらのんはマイナスや! 火力はもちろんウェルダン一択や! その股座にぶら下がったクルミをロースト、いや消し炭にしたるさかい、覚悟しいや!」
 20人の山賊が股間を燃え上がらせてのた打ち回るという地獄絵図が爆誕!
 そこへ、避難を終えたルトルファスが『エレメンタル・ファンタジア』によって水のない場所にも関わらず大津波を発生させると、山賊たちを派手に押し流してゆく!
「……フェアリーなら飛んで空に逃げることはできるだろうが、蛮族は空を飛べる羽なんて無いだろう? ……クルミを割る……というか炭化するまえに、その卑しい心ごと掃除してやるとしよう」
 大量の水を飲んで溺れる山賊たちだが、それでもしぶとく立ち上がる奴等もいた。これにルトルファスは柄だけの剣である『精霊剣(スピリチュアルソード)』に水の精霊力を宿す。
「……清めよ、聖水剣!」
 柄から聖なる水が超高圧ジェット噴射めいた勢いで噴き出し、刃となった!
 向かってくる山賊たちをルトルファスはバッタバッタと辻斬りしてゆく!
「ルトルファスさん! 離れてくださいなのです!」
 忠告に従いルトルファスがその場から退くと、フルールが樹の精霊オランジェを小さなオレンジを実らせた杖へと変身させる。
 すると、『エレメンタル・ファンタジア』で一陣の竜巻を発生させた!
 だが、この竜巻は普通の竜巻ではなかった。暴風とともに大樹の幹や根が高速に螺旋を描いているのだ! そのまま山賊たちを飲み込んでゆく!
「山賊さんたちを樹属性で簀巻きにして、空の彼方までお帰り願うのですよ。フェアリーを甘く見た罪を受けるがいいのです!」
 びっちょびちょに濡れてガッチガチに絡め取られた山賊たちが、天高く巻き上げられて雲の隙間へ吸い込まれていった。
 これで、この辺りの山賊たちは撃退する事が出来たと、3人は安堵の表情を浮かべる。
 だが、山賊たちは村を3方向から襲撃していたのだ。
 残る2方面から、山賊たちの間の手が迫る……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

城田・紗希
なるほど、変態を退治すれば良いんだね(要約通り越して圧縮した)

レプリカクラフトで、罠付きで精巧ななんやかんやを作ってばらまいとく。
間違えて猟兵が引っかからないよう、なるべく村から離れて、
あと片方だけ不自然に見えるよう細工しておく(盗賊は気付かず、猟兵には見えるよう

落ち葉にまみれた地面(に似せたトラバサミ)、
枯れかけの木の枝(に見せかけて落ちてくる重量物、別の枝はボウガンの引き金)
切り株(と思わせて剣山が出てくる…これむしろ拷問道具?)
「湧き水と思ってしゃがんだら、板が傾いて落とし穴に」…とかも作ろうかな?

フェアリーの人権が1/6なら、盗賊はゼロでオブリビオンはマイナスだー
(盗賊たちに棒読み


フローライト・ルチレイテッド
SPD分野ライブスタンバイっ!
歓迎しましょう、盛大にー
【地形の利用、拠点防御】を生かして自分に有利な場所へ陣取り、
バーチャルレイヤーを起動、翼に妖精の翼の【迷彩】を投影。
【誘惑、おびき寄せ、存在感】を駆使しつつ羽根を広げて動かしたりして、情報を撹乱しようとしてみます。

効果の有無に関わらず、【範囲攻撃、楽器演奏、パフォーマンス、歌唱、マヒ攻撃、催眠術】を駆使して【指定したUC】を使用、
愛と平和を望む心を生む音と光の嵐で攻撃。

味方と一緒でないなら【野生の勘、視力】で近づいて来るのを察知したら違う位置へ移動。
攻撃は【視力、野生の勘、見切り】で見極め【パフォーマンス】の身軽さを生かし回避行動。


パルピ・ペルポル
※連携歓迎

どう聞いても人権1/6どころか全く無いとしか思えないけど(怒)

村の周囲の草地には、わかりづらいように草を結んで足をとられるようにして、と。
あとは落とし穴を掘って…といっても浅いのしか掘れないけど。
中にとりもちでも入れておきましょ。
あとはわたしが囮になって村から離れる方向に誘導するわ。
何なら罠や他の猟兵達の所まで上手く誘導してあげればいいわね。

身のこなしに自信はあるから捕まるつもりはないけれど。
万が一捕まった場合は、他のフェアリー達を『フェアリーランド』に格納してから袋を裂いて脱出を図りましょう。
汚い袋よりは壷の中の方が快適だと思うし、必ず助けるから。



 村の真ん中の区域付近には、人の手が入った里山がある。
 山賊たちはここから強襲を仕掛けていた。
「ぎゃははははっ! さぁ、捕まえまくるぜぇ!」
 いきなり現れた山賊たちに鷲掴みにされるフェアリーの女性たち! そのまま汚い麻袋に押し込まれてゆく! このままでは村のフェアリーの女性たちが乱獲されてしまう!
 そんな阿鼻叫喚な地獄絵図を、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)のゲリラライブがたちまち塗り替える!
「ライブスタンバイっ! 歓迎しましょう、盛大にー!」
 キマイラな少年がダブルネックギター『蛍灯』を掻き鳴らすと、山賊たちは何事かと思わず手が止まる。フローライトが陣取るのは宿屋の屋根の上だ。
「アリーナー! 僕のギターの音色、届いてますかー?」
 ノリノリのフローライトは、着込んだバーチャルレイヤー『Dress』を起動させると、瞬時に要請を意識したひらっひらのきらっきらな衣装へ早変わり! 更に、自身の純白の翼に妖精の羽のARを投影すれば、気分はまるっきりフェアリーになったようでテンションがグンと急上昇!
「さぁ、山賊のみなさん! 僕の歌を聞いて愛と平和を感じ取ってくださいね!」
 ギターの音色とともに、フローライトの歌声が宿屋の屋根から響き渡る!
「♪Ahー いつの日も ♪ Ahー 夢見てる♪ 時を超えてこのウタゴエ 未来の果て響いてけ Love Song♪」
 すると突然、山賊たちが悲鳴を上げながら光の嵐に飲まれて爆発!
 お判りいただけたであろうか?
 この歌声はユーベルコード『ウタゴエ:ドリー夢: LOVEFULL』なのだ!
 歌とギターの演奏により、視認している対象を、愛と平和を希求する心を生み出す音と光の嵐で攻撃するのだ。つまり、音波攻撃と光熱の渦によって敵を一網打尽にする広範囲攻撃である。彼の愛と平和と光のユーベルコードが、次々と山賊たちを爆発させて吹っ飛ばしてゆく様は非常にシュールである。
 堪らず山賊たちは耳を塞ぐ!
「こ、こんな村にいられるか! 既に収穫はあったんだ、ここは逃げて、捕まえたフェアリーたちを親分に差し出せば……って、なにィ!?」
 山賊のひとりが持っていた汚い麻袋が細身の短剣『リュンクス』によって切り裂かれているではないか!
 麻袋を斬り裂いたパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は、ライブで気が逸れている間に掴まった仲間たちを救助していたのだ!
「みんな! この壷の中に早く飛び込んで!」
 パルピが差し出した壷の中は、ユーベルコード製の『フェアリーランド』だ。安全圏へとフェアリーの女性たちを避難させると、近くにいた山賊の頭に乗っかって短剣でグサグサと何度も突き刺す!
「痛ってぇ!?」
「ざまぁみろ! なにがフェアリーの人権は1/6よ! 失礼ね! それに引き換え、山賊なんか人権1/6どころか全く無いとしか思えないけど!?」
 パルピは怒りを露わにしながら山賊たちを挑発!
「こんのぉ! お前だけでも捕まえてやる!」
「はんっ! やれるものならやってみなさいよっ!」
 パルピは村の出口の里山へ向かって飛翔!
 それを追い掛ける山賊たち!
「このノロマッ! おっそいのよ!」
「俺達をおちょくりやがって! 許さね、ぇ!?」
 次の瞬間、ズボォッと山賊のひとりの足が取り持ち入りの落とし穴にはまってしまう!
「ぬ、抜けねぇ!? 誰か、助けてくれ!!」
「わ、罠か!? 卑怯な遣りく、ちぃぃぃ!?」
 今度は草を結った輪に足を取られて顔面から山賊が転倒!
 ここにきて、ようやく自分たちが誘い出されたことに気が付く山賊たち
「あの羽虫、いつの間にトラップを!?」
「いや、私もいるんですけどねー?」
 あんまりやる気の感じられない声で存在を主張する城田・紗希(人間の探索者・f01927)が草むらからひょっこり顔を出した。
「なるほど、今回の任務はあの変態たちを退治すれば良いんだね」
 オイ待て、ブリーフィングの内容を要約し過ぎて別の案件になってるんだが!?
「フェアリーの人権が1/6なら、盗賊はゼロでオブリビオンはマイナスだー」
 山賊たちのフェアリー熱にドン引きしながら、城田は右手に握られていた縄を思いっきり引っ張った。
 すると、頭上から岩が降り注ぐわ、足元が崩れて巨大な落とし穴が出現するわ、気の幹や切り株に括りつけられたボウガンが一斉掃射されるわのトラップ地獄が同時多発に発動!
「うわー、なんか今日は罠の成功率高すぎデスネー」
 山賊たちが次々とトラップにハマる光景を眺めるトラップアーティスト城田。
 苦笑いを浮かべながら、仕留め損ねた山賊たちを愛刀の紅時雨を振るって切り捨ててゆくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー
ああまでクルミに拘れば興味の裏返しにも思えますが…
……ひとまず処理から入らねばなりませんね!


【騎乗・ダッシュ・串刺し・情報収集】
ヘルメットのナビ機能を参考に行動範囲を拡大しつつ
バイクによる高速の騎兵戦で遊撃を展開。多少の障害物程度なら吹き飛ばす勢い。
【殺気・挑発・恐怖を与える】で男・老人のフェアリーへの殺意の対象を引き受け、各個撃破を行う
足りない哨戒能力は【聞き耳】で補うとします




…のが基本ですが、
護衛対象の総数次第では彼等を集める場所を確保をすべきかも知れません
他猟兵の援護が伴えば
彼らを一か所に集め、ユーベルコードで防衛に専念することも提案します
矢や投擲攻撃なら防げますし


ニコル・ピアース
なんか困ってる人がいる限り、
とにかく解決はお任せなのです。
よくわからないけど全て殴って解決なのです。

うん、本当よくわからないですよ、うん。
なんか悪いことしてるなとか酷いこと言ってるなってのはわかるんですけど、
詳しいことはさっぱりわからないのですよ、うん。

まあそれは別に問題ないですね。
今はまず山賊手下を止めれば解決ですよ。
目に付いたところから一人ずつ順番に殴り倒していけばいいんです。
襲われてる所から優先して。

あとは、フェアリー型の付け羽をして相手を惑わせるのです。
さあ、この大きさならフェアリーといえども対等です。
いや、逆にお前らに人権など無くなるのです。

アドリブ、他の参加者との絡み等、歓迎です。


フランチェスカ・ヴァレンタイン
では、同じように羽(翼)があっても(色々と)フルスケールなわたしが(嫌がらせのように)赴くと致しましょう…!(いい笑顔で
砲撃や斧槍はまだ使う場面ではないとなれば、やはり蹴りですね。ええ、仕方ありません

というわけで村の中を縦横無尽に飛び回って捕まりそうなフェアリーのところへ飛び込み、手下の背後からクルミを蹴り上げて回りましょう
ええ、オブリビオンではないなら加減はしますけれど、今後使いものになるかまでは保証致しませんのであしからず?
蹴り上げる余地がなければ仕方ありません、跳び蹴りや回し蹴りで蹴り倒しましょうか

…そんなわたしは、果たして手下の方々からどのように見えますことやら?

※アドリブ・絡み大歓迎



 こちらは村の出口付近。
 猟兵たちと山賊たちが既に遭遇し、互いに出方を窺っていた。
 そして、互いに困惑し合っていた。
 ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)は、今起きている状況を整理し始めた。
「ブリーフィングでああまでクルミに拘れば興味の裏返しにも思えますが……? ……ひとまず処理から入らねばなりませんね! でも何なのですか、これは!?」
 彼はシステムへルメットの機能をフル活用し、先程まで宇宙バイク『V-RAXX』で男性と老人のフェアリーを救出しながら自ら山賊からのヘイトを搔き集め、直刀で擦れ違いざま山賊を切り捨てていたのだ。
 しかし、2名の奇妙な猟兵に出会うと、思わずバイクを止めてしまった。
 そこへ山賊たちが同じく“この2人ヤベェ!”と思ったのか、取り囲むように様子を窺っていたところなのだ。
「すみません。もしかして、あの2人について何か知ってますか?」
「俺たちに聞くなよ、猟兵!? そっちの仲間だろ、なんか言ってやれよ!!」
 山賊のひとりが抗議している。
 それもそのはず。ニコル・ピアース(蛮鬼・f06009)とフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)は2人とも妖精っぽい服装でめっちゃキラキラさせていた。
「私は妖精なのです」
 ニコルが言い切った。言い切りやがった。
 だが、彼女はどう見ても羅刹が妖精の羽とコスプレを付けて妖精だと言い張っているようにしか見えなかった。
「うん、今回の事件は本当よくわからないですよ、うん。なんか悪いことしてるなとか酷いこと言ってるなってのはわかるんですけど、詳しいことはさっぱりわからないのですよ、うん」
「ニコルさーん!?」
 ベルベナはあんぐり口を開けて驚愕!
 対して、フランチェスカは豊満な胸元を組んだ両腕で支えながら山賊たちを見遣る。
「私はニコルさんと同じように羽(翼)がありますし、(色々と)フルスケールな妖精ですわ。この妖精たる私が(嫌がらせのように)そちらのボスの元まで赴きましょう……!」
「いや、色々と雑ゥ!?」
 ベルベナ、これにはツッコミも雑にならざるを得ない。
 つまり、ニコルとフランチェスカは身を挺して妖精を演じて注意を惹こうとしているようなのだが、違和感ありすぎて山賊たちが対応に困っているところへベルベナが“あなたたちは許しません!”ってノリで来たら、カオス空間が出来上がってしまったのだ。
「えっと、とりあえず結界を張りますね?」
 困り果てたベルベナはユーベルコード『念動力による疑似聖域形成能力(グレイプニル)』によって、周囲5m以内に強固な結界を張り巡らされた。この間、彼は全く身動きが出来ない状態に陥る。
 その結界の中からニコルがバトルアックスを振り上げてにっこりと微笑む。
「なんか困ってる人がいる限り、とにかく解決はお任せなのです。よくわからないけど全て殴って解決なのです。つまり、今はまず山賊手下を止めれば解決ですよ。目に付いたところから一人ずつ順番に殴り倒していけばいいんです」
 超攻撃的脳筋解決法を実力行使せんと、ニコルは結界の外へ飛び出すと全く躊躇せずにグラウンドクラッシャーを山賊たちへブチ込む!!
「この大きさならフェアリーといえども対等です。いや、逆にお前らに人権など無くなるのです」
「こいつ言ってることとやっていることが無茶苦茶だぁ!?」
 一撃で地面にクレーターが出来上がった一撃に、山賊たちは恐れ戦く!
 と、ここでフランチェスカが山賊たちに問い掛けた。
「私は、妖精に見えますか? 見えませんか?」
 山賊たちは首を小さく横に振るだけで答えない。
 なぜなら、彼らがどう答えても、未来は決定しているからだ。
「答えない山賊のクルミは粉砕ですわ! 痛撃、爆砕っ……!!」
 フランチェスカの渾身の蹴りが、真正面にいた山賊の股間を強かに蹴り上げる!
 そのまま石化したかのように硬直して白目を剥いたまま卒倒する山賊仲間の姿に、もはや戦意喪失をしかける残りの山賊たち。
「あら、答えてくださらないのかしら? 私は! 妖精に見えますか!? 見えませんか!?」
「もう勘弁してくれぇぇぇぇぇぇぇ、うッ……!?」
 こうしてひとり、またひとりとクルミを粉砕され、または地面にめり込み、その数を減らしてゆく山賊たち。
 そのフリーダムで地獄めいた光景に、結界を維持するベルベナはただただ恐怖で身を震わせるばかりであった。 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『家屋の解放』

POW   :    肉体言語でお話合う

SPD   :    インフラの切断など工作活動

WIZ   :    説得

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが山賊(手下)をパッカーンとしている間、山賊親分は密かに美少女フェアリーを誘拐していた!
 そしてあろうことか、山賊親分は教会に立てこもり、美少女フェアリーを人質にとったのだった!
「ぐへへ! さぁ、この教会で今すぐ結婚式を挙げようぜぇ!」
「いやぁ! 酒臭いっ! 色々汚い! キスしてこないでぇ!」
 汚い唇を寄せる親分、それを拒む美少女フェアリー!
 すぐさま人質であるフェアリーを救出するために、猟兵たちは教会を包囲する。
 問題は、ここからどうやって人質を救出するか、なのだが……。
ルトルファス・ルーテルガイト
…教会がこれほど似合わない奴も、そうそういないものだな。
…さて冗談はともかく、あのフェアリーから引きはがさんと困る所だ。

(POW型)
…少し距離を見て、どこでもいいから蛮族に「手袋」が当てられる箇所を見つける、フェアリーよりはデカいのだから当てられる場所はあるはずだ。
…隙を見て、教会の空いている窓から「手袋」を投げて【デュエリスト・ロウ】を発動、蛮族に当てる。
…ルールは『そのフェアリーから離れろ』、それだけ。
…奴が理解しようがしまいが発動してしまえば最後、汚い顔を近づけるはおろか…人質に取ろうと体を近づける等してルール違反すれば、痛い目にあうぞ。


フローライト・ルチレイテッド
WIZ分野で挑戦で。
UCはスピーカーのためだけに使用。
服装は前章のままです。

大きめの音量でマイクを使って呼びかけを行ってみます。
一応【コミュ力、催眠術、存在感、優しさ】を駆使しつつ大真面目に説得です。

「あなたの信じている愛はそこにありますか?本当に欲しかった愛はそこにありますか?」
「それは本当にあなたが求めていた愛でしょうか?過ぎ去った日々で求めていた愛のカタチは、
本当にそうだったでしょうか?」
「…きっとそうではなかったはず!」
「どうか思い出してください、あなたの本当にほしかったものを!」

尚、他の人が説得をする場合、必要であれば機材を貸します。


ニコル・ピアース
まさか私達が真面目に戦ってる裏で密かに目的を果たしてるとは思わなかったのです。
さっそく奪還作戦を開始しないといけないですね。

というわけで、私にいい考えがあるのです。
なんか以前誰かに聞いたような気がするのです。
まず教会に乱入するのです。
タキシードとか着てると分かり易くていいかもなのです。
名前なんか叫んじゃうと効果抜群なのです。
そして捕らわれてる花嫁に愛の告白をするのです。
そしてそのまま愛の逃避行に出発なのです。
ああ、なんか思い出したのです。
たしか略奪愛とかそういう名前だったはずなのです。

アドリブ、他の参加者との絡み等、歓迎です。


パルピ・ペルポル
教会だからって準備もなしに今すぐ結婚式ができるわけないじゃない…。
結婚式には準備が大切だということを教えなきゃね。

とりあえずドレスもなしに結婚式とかありえないわよね。
もちろんちゃんと採寸して1から作った奴じゃないと。フェアリー服の既製品ってなかなかないんだから。
山賊の親分なのにフルオーダーくらい用意できないとかちょっとありえなくない?
採寸するから彼女をこちらによこしなさいよ。殿方の見ている前で採寸なんかできないでしょ。

引き離せたらあとは全力で逃げるだけね。
必要なら『フェアリーランド』に避難させた上で逃げるわ。
こんな奴と結婚なんて私も全力でお断りだわ。

※連携歓迎


フルール・トゥインクル
OK、ライオンさん、襲撃なのです
結婚は本当に好きで、心から愛してくれる方とするものなのです
一方的な結婚にもならないそれは妨害工作で取りやめさせちゃいましょうです

あらかじめフェアリーランドの壺の中にライオンライドで呼び出したライオンさんに入っていてもらうのです
もし他にもこっそり侵入したい方がいたら一緒にどうぞするですよ

後は教会なら小さな動物さんいるですかね?
いるようでしたらお話してバレずに内部に入る方法を教えてもらっちゃうです
難しければ目立たなさを活用して窓から侵入ですよ

後は壺を親分のところまで転がして、ライオンさんに不意打ちしてもらうのです
出来ずとも気が逸れたら救出のチャンスになるはずなのです


フランチェスカ・ヴァレンタイン
さて、包囲は致しましたけれど……
ああ、教会でしたら採光用の天窓があるでしょうから、わたしはそこから内部へ侵入しておきましょう
迷彩を使用しつつ、音を極力殺しながらUCのワイヤーを活用して吹き抜けの天井伝いに山賊親分の頭上へ
お誂え向きに不可視のアンカービットとワイヤーですから、複数のそれをいつでも仕掛けられる位置に配置ないし浮遊させて機を待ちます

他の方の行動などで機が熟しましたら、山賊親分の足下に這わせておいたアンカービットを勢いよく浮上させてクルミを突き上げてしまいましょう
それと同時に浮遊させていたもので人質のフェアリーを巻き取って救助、ですかね?

※詠唱改変・アドリブ・絡み歓迎


ユース・アルビトラートル
 同胞にそのような不埒な所業、どういう了見か……と、私情は置いておいて。後で被害者らに遅れてすまないと伝えたい。ボクは法の番人として眼前の危険を見逃せない。人権だって、最後に護るのはボクだよ。

 とりあえずユーベルコードを発動して、次のように呼びかけよう……

 犯人は人質を解放しなさーい(強制)
 犯人はそこを一歩たりとも動かないでくださーい(強制)
 拉致監禁被害者は今すぐ教会から脱出してくださーい(強制)
 ……ここまでやれば皆心置きなく動けるんじゃないかな。

 あとは、せめてもの説得。これ以上続けるのはやめよ?ボクもオブリビオンは保護できないけどね?死ぬより酷い目に遭うよ?クルミとか。(内股気味で)



 山賊の部下たちは陽動だった事実に、猟兵たちは驚愕していた。
「まさか私達が真面目に戦ってる裏で密かに目的を果たしてるとは思わなかったのです。さっそく奪還作戦を開始しないといけないですね」
 ニコル・ピアース(蛮鬼・f06009)が、むぅと眉間にしわを寄せると、ルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)が怪訝な表情で山賊親分が人質とともに立てこもっている教会を見据える。
「……教会がこれほど似合わない奴も、そうそういないものだな」
「そうよね、教会だからって準備もなしに今すぐ結婚式ができるわけないじゃない……、はぁ……」
 パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)も呆れて大きな溜息を吐く。
「……神父がいなければ、誓いを立てられないからな。……さて、冗談はともかく、あのフェアリーから引き剥がさんと困る所だな」
「いざ包囲はしましたが……、ここは人質の安否を優先しましょう。ですので派手に動くのは躊躇われますわ……」
 フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)は、いわゆる“次の一手”をどうするべきか思案に暮れている真っ最中。
 その隣で飛びながら、笑顔のまま憤怒に駆られるフェアリーがいた。
 フルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)、そのひとである。なんか彼女の背後に別世界の荒ぶる神の幻影が見えるのは、恐らく気のせいだと思いたい。
「OK、ライオンさん。襲撃(カチコミ)なのです♪」
 姐御ォォォッ!!
 フルールの姐御は『ライオンライド』で召喚した小柄なライオンにそう命じた。つまり鉄砲玉である。
「結婚は本当に好きで、心から愛してくれる方とするものなのです。こんな一方的な結婚にもならない茶番劇は、妨害工作で取りやめさせちゃいましょうです。ライオンさん、お願いなのです♪ 親分をやっつけてください!」
 フルールが妖精らしく可愛くおねだりしているが、内容は完全に“おう、今からあの親分のタマ獲ってこいや(意味深)”に聞こえてしまうのが不思議である。
「ここは外から説得してみますか? 僕がマイクで山賊親分に話し掛けてみましょうか?」
 フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)はキラキラな妖精コスチュームのまま教会へ駆け付けた。かわいい。
「いや、ここは折角の結婚式という体裁を利用してみた方が……」
 パルピも自分の案を提示すれば、フルールも考えを投げかけてみる。
「近くにいる動物さんに教会の侵入経路を聞いてみますか? こっそり中に入れれば、あとは忍び込んでくれたライオンさんがガブリなのです」
 跨っていたライオンが『待って、聞いてないよ?』という顔を思わずしていた。
「ちょっと待ってくださいまし? 意見がまとまってませんわ……!」
 うーん、とフランチェスカは自身の豊満な胸の下で腕を組みながら猟兵たちの論議に割って入る。
 ひとつひとつは有効そうなのだが、それを一度にやると混乱しかねない。
 どうしたものかと彼らが悩んでいると、遅れてユース・アルビトラートル(法の声の代弁者・f03058)が駆け付けてきた。
「村人のみんな、遅れてすまない。ボクは法の番人として眼前の危険を見逃せない。人権だって、最後に護るのは裁判官であるボクの使命だ。さぁ、猟兵のみんな、作戦は決まったのかな?」
「それなのですが……」
 フランチェスカが困惑していると、ニコルが割って入ってこう告げたのだ。
「私にいい考えがあるのです」
「……その言葉、どこかの司令官が呟いて毎回悲惨なことになってるという噂を聞いていますわね。一応、聞かせてくださるかしら?」
 いわゆる死亡フラグ台詞を聞いたフランチェスカは、ニコルの話に傾聴しようとする。
 だが、ニコルは何を思ったのか、教会の隣の衣服専門店の前へ歩いてゆく。
「まず全員、正装をするのです。タキシードやドレスを着こむと判りやすいのです。ラッキーなことに、ここのお店は色んな種族の貸衣装があるそうなんです。皆で今から着替えるのですよ」
 猟兵たちは訝しがりながらも、とりあえずニコルの案に乗る事にした。

 猟兵たち全員がタキシードやドレスに着替えた。
「……次は、どうすればいい?」
 ルトルファスの問いに、ニコルはバトルアックスを担いで、教会の扉を指差した。
「いまからユーベルコードを使って教会に乱入するのです」
「ちょっとまってぇぇぇぇぇ!?」
 フローライトが脊髄反射でツッコミを入れた。
「穏便に済ませないと、中にいる人質の女の子に危険が迫りますよ!?」
「大丈夫なのです。その前に山賊親分を殴って解決なのです」
「ニコルさんって清々しいほど脳筋ですねっ!?」
 フローライトは唖然としている!
 しかし、このニコルの案に一縷の希望をフルールは見出していた。
「ニコルさんが正面から突入して、私とライオンさんが裏からこっそり侵入するのです。つまり挟み撃ちなのです!」
「それなら、教会には大抵、採光用の天窓があるでしょうから、わたしとフルールさんはそこから内部へ侵入しておきましょう。わたしもこっそり侵入するつもりでしたので」
 フランチェスカの言葉に、姐御もといフルールは喜色満面の笑みをこぼした。
「……ならば、俺はニコルと伴に正面から堂々と突入するとしよう。本当はどうにか教会の隙間からこの手袋をぶつけるつもりだったが、手間が省けた……」
 こうしてルトルファスもニコルに同行する事となった。
 フローライトとユースは説得するつもりだったから、と正面突入組についてゆくことに。
 そしてパルピはというと……?
「貸衣装屋! その手があったのね!」
 彼女は店主に断り、フェアリー用のドレスを数着拝借すると、『フェアリーランド』の壷の中へ吸い込ませてゆくのだった。
 いよいよ、作戦開始だ。

 全員が配置に着いたところで、ニコルは教会の扉の前でバトルアックスを振り上げる。
「それでは行くのですよ。グラウンドクラッシャー!」
 ユーベルコードを叩き付けられた扉は粉砕されて木っ端微塵になった!
 まさかのダイナミック突入に、山賊親分は目を丸くして驚いていた。
「し、正気か!? 俺様の嫁が怪我したらどうしてくれるんだッ!?」
「~~~~っ!!」
 親分の左手には、猿ぐつわをされた美少女フェアリーが握られていた。大方、身勝手な嫁発言に抗議しているのだろう。だが、それも声を発せない状態では虚しく呻き声が響くだけだ。
「つーか、なんでお前ら、正装なんだァ? はは~ん、もしかして、俺様達の門出を祝おうとしてくれているのかァ?」
「それは違うのです!」
 親分の邪推を否定したニコルが、ドレス姿のまま猛然と駆け寄ってくる! そして、親分の前で急ブレーキをかけると、その場に両膝を付いた。これは……土下座だ!
「おとーさん! 娘さんを私にくださいなのです! 幸せにしてみせますなのです!」
「……は?」
 ニコルの言動に、親分のみならず猟兵たちも首を傾げた。
 いやまぁ、猟兵たちはふんわりとニコルが何をするかは聞いていたのだが。
『略奪愛作戦なのです。花嫁を奪還しにきた勇敢な恋人の愛の告白によって、悪い花婿に捕らわれている花嫁を奪還するのです。そのためには正装でなくてはならないのです』
 ……という体裁で突入しようって話だったのだが、まさか、愛の告白がこういう形だったとは誰も想定していなかった。
 しかし、これによって親分の意識が人質から逸れた。この瞬間、猟兵たちが一気に畳みかける!
「なんか思っていたのと違うけど! でも今がチャンスだね!!」
 早速、ユースはユーベルコード『法廷警察権』を発効させた。
「犯人は人質を解放しなさーい! また犯人はそこを一歩たりとも動かないでくださーい!」
 ユースの言霊のパワーが、法律という見えない拘束力となって親分を縛りあげてゆく!
「な、なんだ!? 身体が、勝手に動く、だと!?」
 親分は美少女フェアリーを手放したくない。しかし、それは“法律違反”だ。法に背いた親分は、ユーベルコードの身体拘束魔術によって命令従属以外の、身体的自由が剥奪される! つまり、法律に従わざるを得ない親分は、自らの意思とは関係なく人質を解放してしまう!
「……便利なユーベルコードだ。こちらも放っておくとしよう……」
 ルトルファスは身に着けていた手袋を親分にぶつけて宣言した。
「……ユーベルコード『デュエリスト・ロウ』、お前にルールを宣告する。……ルールは『そのフェアリーから離れろ』、それだけだ」
「嫌だ! やっと見つけた、俺様の嫁だァ……!」
 手を伸ばして人質を再度捕まえようとする親分だが、突然、雷に打たれたかのような凄まじい痛覚が全身を駆け巡り、阿鼻叫喚の騒ぎを起こす!
「ぎゃああぁぁぁ!?」
「……ルールを破れば、お前にダメージが発生する。諦めろ」
 混乱する教会内で、フローライトはユーベルコードによって半径2.7mほどの巨大スピーカー付飛行ステージを召喚して、その上に立った。本来ならば『Ride on Sound』という楽曲を歌い上げて敵を蹴散らしてゆくのだが、今回はステージの上で親分を真剣に説得しようと試みた。
「あなたの信じている愛はそこにありますか? 本当に欲しかった愛はそこにありますか?」
 その言葉は、まるで悲恋を歌い上げるかの如く繊細に紡ぎ出されてゆく。
「それは本当にあなたが求めていた愛でしょうか? 過ぎ去った日々で求めていた愛のカタチは、本当にそうだったでしょうか? ……きっと、そうではなかったはず!」
 親分がそこでハッと何かを思い出したように、目を見開いて固唾を飲んだ。そして、その眼からなんと、ぽろぽろと涙を流しているではないか! 説得が効いている!!
「分かってくれたんですね……。どうか思い出してください、あなたの本当にほしかったものを!」
「俺様は……、ガキん頃、森で道に迷って……、親切なフェアリーのお姉さんに助けてもらったんだった……! ああ、俺様がしたかったのは、結婚じゃねェ……!」
「そうです! やっと気が付いたんですね! あなたの本当にしたかったことは何ですか!?」
 フローライトは手ごたえを感じつつ親分に問い掛けると、親分は晴れやかな表情で答えた。
「可愛いフェアリーの女の子に、『よしよし、バブちゃん良い子でちゅねー♪』って言ってもらいながら頭を撫でてもらいたかったんだァ!!」
「……うわー、キモ……」
 フローライトの口からエクトプラズムめいた絶望の言霊が排出されてゆく。
 説得の結果、『略奪して無理矢理結婚を迫る山賊親分』から『フェアリーの美少女にバブみを感じたい変態』へとクラスチェンジしてしまった。特殊性癖が過ぎて、もうこれわかんねぇな。
 この説得の間、パルピは人質の元へ駆け寄っていた。人質も猟兵たちのフリーダムな作戦を目の当たりにして少々混乱している模様。
「とりあえずドレスもなしに結婚式とかありえないわよね。もちろんちゃんと採寸してイチから作った奴じゃないと。フェアリー服の既製品ってなかなかないんだから!」
 そう言いながら、パルピは純白のドレスを壷から取り出した。
 目の前の美少女の服はボロボロで、何を親分からされかけたのは想像できてしまうだろう。
「本当に酷い……。怖かったね。大丈夫。これを着て! あ、でもこんな大勢の前で採寸はできないよね。壷の中に入る?」
「え、あ、あの、あのひと、なんか、可哀そうなんだけど……」
「えっ!?」
 パルピは美少女の発言に耳を疑った。
 他世界の知識になるのだが、稀に人質が犯人に同情して共犯状態に陥るなんてことが発生するのだ。あまりの心理的ショックで、目の前の彼女は心神喪失し、親分に同情を抱きかけている……!
「あの、もしかして、私が我慢すれば、この場が収まるんじゃ……?」
「そ、そんなの駄目! こんな奴と結婚なんて私も全力でお断りだわ!」
「で、でも、こんな大騒ぎになるなんて、私……!」
 遂に泣き出す美少女。壷に入れようとしても抵抗するため、パルピはユーベルコードを上手く発動できずにいた。
 しかし、そこへ仲間の助け舟が入る。
「拉致監禁被害者は今すぐ教会から脱出してくださーい」
 ユースの『法廷警察権』が美少女に発動! すると法律の力で彼女の言動が一変する!
「だ、脱出しなくっちゃ! 法律は守らないと! あの、壷に入っていいですか? 中で着替えている間、外に運んでくれると助かるんですが……」
「勿論、最初からそのつもりよ!」
 こうして、人質は無事に教会の外へ連れ出す事に成功した。擦れ違いざま、ハイタッチを行うパルピとユース!
 あとは泣き崩れる目の前の変態をどうするかだが……。
 ユースが困惑しつつも、念のため、今一度説得を行った。
「これ以上続けるのはやめよ? ボクもオブリビオンは保護できないけどね? 死ぬより酷い目に遭うよ? クルミとか」
 ユースのこの言葉が、山賊親分の命運を分けることになった。
 突如、親分の足元に転がる小さな壷。そこから、にゅぅ~っと飛び出してきたのはフルールとライオンだ!
「ライオンさん、ゴーなのです!」
「あぎゃあああああああ!?」
 がぶりと左足を噛み付かれた親分は悲痛な声を上げた。
 そして吹き抜けの天井から姿を現したフランチェスカがユーベルコードを発動!
「――アンカービット、射出! 虚空に踊り 繰り爆ぜるもの(ブラスティング・サイコビット)!」
 既に親分の足元には、不可視の念動式ワイヤーアンカービットが放たれていたのだ。それが一気に垂直へ急上昇!
 張り詰めたワイヤーは親分の股座に食い込み、そのまま空中へ親分を反動で浮き上がらせる!
「ふぉぉぉぉぉおおおっ!?」
 天井付近まで跳び上がったのち、真下に自由落下する親分! 当然、その下に張られた見えないワイヤーが股間を押し潰す!
 ぐぎゅっ!
 凝り固まった内臓的なナニカが潰れる音が教会内に響き渡った。
 口から泡を吐く親分!
「もう土下座はしなくていいのです? それじゃ、グラウンドクラッシャー!」
 そこへニコルのユーベルコードが、親分の股間を強かに打ち付ける!
 その効果は『単純で重い【武器】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される』……繰り返そう。『直撃地点の周辺地形は破壊される』!
 どさっ、と床に倒れた親分。白目を剥き、苦悶の表情を浮かべて涙を流しながら息絶えていた。
「……ショック死、してるね」
 唯一、この中で医術の知識を持つフローライトが簡易的な検死を行い、宣言した。
「親分はクルミを砕かれて逝ってしまったよ……」 
 この事実に、猟兵たちは何とも言えない感情を胸に抱きながら、教会を後にするのだった。

 だが、敵はオブリビオン。骸の海から何度でも蘇る存在。
 残念ながら、これで事件が解決するわけではなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『山賊親分』

POW   :    強欲の叫び
【酒!】【金!!】【女!!!欲望に任せた叫び声をあげる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    剛斧一閃
【大斧】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    手下を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【山賊子分】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 教会の外へ出てみると、村の広場が何やら騒がしい。
 猟兵たちが駆け付けると、先程、クルミを全損してショック死したはずの山賊親分が蘇っているではないか!
「げへへへへ! 俺様はオブリビオン! 再び舞い戻ってきたぜェ! もう俺様は迷わねェ……! フェアリーの女の子に! バブみを! 感じたい!!」
 残念ながら、清々しいほどの変態として世界へカンバックしてしまったようだ。
 こうなれば猟兵たちのやることはひとつだ。
 もう色々と救いがない存在と化した目の前の変態オブリビオンこと山賊親分を、徹底的にカチ割って骸の海へお帰り願おう!
ユース・アルビトラートル
 えーっとまずツッコミが。なんであんな、あんな惨い目に遭っておいて、またここに舞い戻ってきたんだい?いくら蘇ることができるからって普通腰竦むよね?そうまでしてフェアリーの女の子によしよしされたいの?気持ちは分からなくもないけどさ?

 色々と憚られるけれど、シンプルに行こう。あくまで制圧程度に加減はし……たい。剣や木槌を駆使して近接戦、スキを見てヤツのクルミに決定打たるユーベルコード。フェアリーが近接戦を挑んでこんなことができるとは流石の親分も思うまい。これに懲りたらもう二度と近寄らないようにね。

 終わったら村のみんなに水桶と大量のボロ布を用意してもらいたいな。アイテムの法典拭いて帰るから。


ルトルファス・ルーテルガイト
(※他PCとのからみ歓迎)

…しぶとい、否…【しつこい】な。(あくまで真顔で、若干【しつこい】が強調された口調で)
…だが、せっかく生き延びたのに逃げずに来る度胸だけは、まあ…認めてやる。(精霊剣を山賊親分に向けながら)

(方針)
…馬鹿の一つ覚えに向かうするつもりなら、容赦はしない。
…【精霊剣】で「風の精霊」の加護をもって、斬り捨てる。
…クルミ…は既に撃ったから、急所は他にしかなかろうが。
…焦って先制する事はない、他の援護を待って隙が出来れば討つ。

…問題は、自棄になってフェアリーに危害を加える行動に走らないか、だ。
…そうなりそうなら、身を挺してでもあの山賊を止めねばなるまい。


フローライト・ルチレイテッド
ダメな大人だった!

悲劇がすっかり喜劇みたいになったけど、
このステージに幕を引かなきゃ!

カモン、バンドチーム!グランドフィナーレまで駆け抜けよう!

【地形の利用】で位置取りを決め、【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、マヒ攻撃、催眠術、鼓舞】を駆使して指定のUCを発動します。
子分がいっぱいなら【範囲攻撃】も込みで。
その場合、味方の巻き込みに注意します。
相手からの攻撃には【視力、野生の勘】で反応、【早業、パフォーマンス】による身軽さで回避を試み、だめなら【激痛耐性】で耐えます。


尚、自分の服装はV系ぽいドレス、バンドマン達はタキシードにバーチャルレイヤーで変えます。
羽は妖精っぽいレイヤーを被せたまま。


城田・紗希
オブリビオンだもんね、心臓突き抜かれたりギロチンで首はねられた程度じゃ、1回だし死なないよね(諦めた表情)

絶望の福音で回避しつつ、紅時雨での斬撃…と、鎧破壊をしておく。
余裕があれば、服?を壊して?、脱ぎにくくしておく。
……まぁ、下着だけになったとしても、見切りと第六感で避けるけど。
さすがに全裸は、ちょっと……(脱がれる前に、斧が持てないように手を痛めつけよう……)


ベルベナ・ラウンドディー
すみません、少々おくれてしまいました
フェアリーを避難誘導していたら身に覚えのない貸衣装のレンタル代を要求されてしまって…


…え、なんでみんな正装してるの…?




【殺気・気合い・存在感・恫喝・恐怖を与える】

…まぁ、よく解りませんが殺しても戻ってくるなら
フェアリーのお姉さんに恐怖心を抱くくらいドツキ回してもらえばいいんじゃないでしょうか?
私が手を下しても無限に復活しそうですので
「殺意全開」による攻撃力の低下で牽制して、直接殴るのは他猟兵にお任せします。
というか、刀が汚れるし触りたくねえんだよ。
変態が伝染する。近づくな。あと脱ぐな。脱ぐな!脱ぐんじゃねえ!
止む無い場合は【串刺し・吹き飛ばし】で対応します


クルル・ハンドゥーレ
アドリブ・他の猟兵との絡み歓迎

これ、骸の海から帰ってきたゆうより、立ち入り拒否されて放り出されたんとちゃうやろか…


WIZ
範囲攻撃となぎ払いと吹き飛ばしで子分一掃
空の遠い彼方に吹っ飛ばす

親分には破魔とマヒ攻撃、毒使いに鎧無視攻撃になぎ払いとあらゆるもん乗せたUC幻月夜行を
炎は弱火2、超強火1ほどに分け
弱火はフェイントのせてすぐ眼前に飛ばすなどして気を引き
その隙に本命の超強火でこんがりと
効果ないかもしれへんけど破魔には気力込める
ええい、変態退散!煩悩退散!
敵攻撃には頑張って見切りを
だってなんか、触られたらこう…気分的に…うん

終わったらフェアリーさんの可憐さと皆の勇姿以外はすべて忘れる、そうしよう


フランチェスカ・ヴァレンタイン
……有り体に申し上げまして、わりと大惨事ですわね?(絵面的に
むくつけき山賊がバブみって…… ほら、フェアリーのお嬢さん方が怯えているじゃありませんか
一度のクルミ割りでは不足のようですし、徹底的に参りましょう…!

ただ正直あまり近づきたくありませんのでアウトレンジからの砲撃で地味につつきましょう
他の方の攻撃の間隙に合わせて五月雨式に砲撃を浴びせ、牽制で足下にも撃ち込んで動きを縫い止めます
隙あらばフェアリーのお嬢さん方にダイブしそうですしねー、この愚物

トドメは総掛かりでしょうから、距離を詰めて最大威力のUCでナッツクラッカーをご馳走致しますわね? どうぞご遠慮なく――!

※詠唱改変・アドリブ・絡み歓迎


ニコル・ピアース
うん、作戦大成功なのです。
あとは復活した親分を倒せば事件解決なのです。
……手下は復活してないですよね?(きょろきょろ)

自分に素直になったのはいいことなのです。
ただお前には絶対に許せない部分があったのです。
それは、顔なのです。
ぶっちゃけ顔さえ良ければ変態行為も許されるのです大抵は。
世間とはそういうものなのです。
イケメンは全て許されるのです。
そうじゃなかったお前はここで倒される道しか残されてないのです。

というわけでグラウンドクラッシャーで攻撃なのです。
×××クラッシャー!
あれ、なんか伏字になったのです。
ん?クルミクラッシャー?
うん、叩き潰すのです。

アドリブ、他の参加者との絡み等、歓迎です。


パルピ・ペルポル
どうしてこうなったのかしらね…。
あのまま骸の海に沈んでおいたほうがよかった気がするけど…。
あ、私にバブみを求められても対応できないからそこは理解しといて。
よしよしぐらいならしてあげられなくもないかな。このダガー(切れ味抜群)でだけど。

正面きっての戦いはあんまり得意ではないから、他の猟兵が攻撃しやすいようにサポートに回るわ。
フェイントかけたり素早い動きで翻弄したり召喚された子分が邪魔ならそちらの排除をしたり。
…クルミを砕くのはまぁやりたい人がいるでしょうし、そちらに任せるわ。

人権うんぬんの話がどこかへ行った気もするけど、それはまぁどうでもいいわね。

※連携歓迎



 どうしよう、この目の前の変態……。
 振り切ってしまったオブリビオンこと山賊親分の登場に、教会から駆け付けた猟兵たちは何とも言えない雰囲気に包まれる。
 そこへ、ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)と城田・紗希(人間の探索者・f01927)、そしてクルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)が駆け付けた。
「すみません、少々おくれてしまいました。フェアリーを避難誘導していたら身に覚えのない貸衣装のレンタル代を要求されてしまって……」
 と、ここでようやく、その身に覚えのない貸衣装のレンタル代の発生元をベルベナは理解してしまった。
「……え、なんでみんな正装してるの……? なにが起きているの……?」
 仲間の猟兵たちが揃いも揃って正装なのだ。何か特別な事情があるに違いない。ベルベナは持ち前の洞察力で仲間の行動を推測していた。
 そこへ真っ赤なXラインのドレスをまとったニコル・ピアース(蛮鬼・f06009)がベルベナへ駆け寄ってきた。
「うん、作戦大成功なのです。実はかくかくしかじか、クルミが潰れて親分リボーンなのです。あとは復活したオブリビオン親分を倒せば事件解決なのです」
「私の想像の斜め上を突っ切ってましたね……」
 ベルベナは何だか無性に青空の向こうを眺めたくなる気分になった。
「……そういえば、手下は復活してないですよね?」
 ニコルは左右確認に余念がない。
 どうやら、手下もオブリビオンだったようで、死体は既に雲散霧消しているようだ。
 状況を把握した城田とクルルも、呆れながら武器を構えて戦闘準備を行う。
「残念だけどオブリビオンだもんね、心臓突き抜かれたりギロチンで首を刎ねられた程度じゃ、1回では死なないよね」
 諦めた表情で城田は愛刀『紅時雨』を鞘から抜いて正眼に構える。
「これ、骸の海から帰ってきたゆうより、立ち入り拒否されて放り出されたんとちゃうやろか……?」
 まさかの『骸の海出禁』説を提唱するクルルも、あでやかに赭い赭い花が漉き込まれた霊符『Nerium oleander』を取り出して霊力を高めてゆく。
 なお、彼女の提唱する仮説は、その場にいる猟兵たちが満場一致で支持したのは言うまでもなかった。
 ルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)は、復活した親分を見据えると、柄だけの精霊剣(スピリチュアルソード)に風の精霊の加護を宿す。すると、柄の先へ激しく渦巻く竜巻のような風の剣が出現! その切っ先を親分へ向けて言い放った。
「……しぶとい、否……“しつこい”な」
 あくまでルトルファスは真顔で、だが“しつこい”の言葉を強調させた。
「……だが、せっかく生き延びたのに逃げずに来る度胸だけは、まあ……認めてやる」
 暴風の剣を引き、身構えるルトルファス。
 今にも一触即発な雰囲気だが、それを一旦、敢えて割って入る猟兵たちがいた。
 まずは裁判官ユース・アルビトラートル(法の声の代弁者・f03058)だ。
 彼は目の前の親分に対して度し難いと言わんばかりに訝しがっていた。
「ごめん、みんな。シリアスな場面なんだけど、どうしてもここでツッコミを入れさせてくれないかな?」
 ユースは親分へ向き直ると、割と真剣に問い質した。
「……親分、なんであんな、あんな見ているこちらも内股になってしまうほどの惨い目に遭っておいて、どうしてまたここに舞い戻ってきたんだい? いくら蘇ることができるからって普通は腰が竦むよね? そうまでしてフェアリーの女の子によしよしされたいの? ……気持ちは分からなくもないけどさ?」
 ぼそっと何か最後聞こえた気がしたけど、猟兵たちは優しさで聞き流した。
 そして親分は答えた。
「仕方がねェだろ……。俺様は死ぬ間際にフェアリーの女の子によしよしされたいと願っちまった。そしたら生き返っちまったんだ、オブリビオンだからな。世界って奴は、本当に残酷だぜェ……」
「やはりあの変態、骸の海から出禁処分を喰らったのでは……?」
 フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)はドン引きしていた。
 どんなにシリアスな雰囲気を親分が作っても、発言は完全にアウトだし見た目が汚い。
「ダメな大人だったー!」
 フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)もショックを受けている。
「……有り体に申し上げまして、わりと大惨事ですわね? 特に絵面的な意味で? むくつけき山賊がバブみって……。ほら、フェアリーのお嬢さん方が怯えているじゃありませんか」
 フランチェスカが周りを見渡せば、村の女性フェアリーたちや、猟兵のパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)もおぞましいものを蔑む目つきを親分に向けていた。
「どうしてこうなったのかしらね……。あのまま骸の海に沈んでおいたほうがよかった気がするけど……。あ、私にバブみを求められても対応できないからそこは理解しといて」
 屠殺場の豚を見る目付きよりも冷たい視線を送るパルピ。
「でも、よしよしぐらいならしてあげられなくもないかな。この切れ味抜群のダガーでだけど」
 彼女は刀身が少し長い細身の短剣『リュンクス』を逆手に構える。
 それを見たフランチェスカはやれやれと肩を竦ませてしまう。
「一度のクルミ割りでは不足のようですし、徹底的に参りましょう……!」
「そうだね、フランチェスカさん! 悲劇がすっかり喜劇みたいになったけど、このステージに幕を引かなきゃ!」
 フローライトのバーチャルレイヤーが、彼の感情に呼応して意匠を変えてゆく。
 それは耽美なヴィジュアル系バンドの装飾過剰なロココ様式めいたドレス。いつの間にかレイヤーのオプションで艶やかなメイクも施され、妖精の翼も金色に輝く。麗しき妖精貴族令嬢の如きギターボーカルが爆誕する!
 だが、フローライトきゅんは男だ!
「カモン、バンドチーム! グランドフィナーレまで駆け抜けよう!」
 その掛け声とともに、タキシードを着こんだバンドマンの霊たちが召喚された!
「ドラム、アップル! ベース、ポル! サイドギター、ジョジー! そしてギターボーカルは僕、フローライト・ルチレイテッド!」
 これがフローライトのユーベルコード『Phantom Ignition(ファントム・イグニッション)』!
「みんな、いくよ! 1・2!!」
 ドラムのスティックのぶつかるカウントの後、攻撃的かつメロディアスな耽美系ロックミュージックが轟けば、戦場を彩る物理的破壊力をもたせた歌と音楽が、フェアリーの村で熱く展開される!
 いよいよ開戦だ!!

「くそっ! うるせぇ!! 頭がくらくらしやがるぜェ!? おい、お前ら、やっちまえっ!!」
 親分の掛け声に呼応して、どこからともなく150人の小柄な山賊子分たちが親分を守らんと召喚された! そのまま猟兵たちに物量を活かしてなだれ込む!
「あ、手下の皆さんが戻ってきたのです」
 バトルアックスを振り回して、迫る子分たちを次々とぶっ飛ばしてゆくニコル。
「子分も不憫やわぁ。こんな変態に使役されとるやなんてなぁ」
 感慨もなさげにクルルは、ユーベルコード『幻月夜行』で生み出した歪なぎんいろの炎を自身の周囲に作り出す。
「詠え、惑え、舞い踊れ――虚ろ月炎に呑まれかし」
 21個の炎が一気に前方に放たれると、押し寄せてきた子分たちを焼き焦がしながらなぎ払って譜飛ばしてゆく!
 さらに薄紅と白の花が咲き乱れ、柄をめぐり渦を巻く薙刀『Kalmia latifolia』で村人たちを守るように近接戦闘を開始!
「あんたら、お空の彼方へ飛ばしたるさかい、二度と戻ってこなくてええんやで?」
 そのまま、ぱっか~んっとフルスイングで子分たちを青空の彼方へかっ飛ばしてゆくのだった。
 ルトルファスも暴風の剣を果敢に奮って、大量の子分たちを切り刻んでゆく。
「……馬鹿の一つ覚えに向かうするつもりなら、容赦はしない」
 子分の棍棒の一振りを身を翻して回避すれば、遠心力を乗せた切っ先が敵を一刀両断! 更に背後から飛び掛かってきた子分を蹴り付けて頭から勢いよく一太刀浴びせ、左右からの連携には前転回避からの素早い連撃で斬り伏せてゆく!
「ちょっと呼びすぎじゃない!? あ、コラ、アンタ! フェアリーに向かって棍棒を振り回すとか危ねえだろ! ブッ殺してやる!!」
 パルピは『シーブズ・ギャンビット』によるダガーの高速連撃で子分たちの頸動脈を断ち切り、次々と骸の海へ送り帰してゆく!
 その活躍ぶりを眺めるベルベナは、何故か金平糖を地面にばら撒いていた。
「……まぁ、よく解りませんが殺しても戻ってくるなら、パルピさんのようなフェアリーのお姉さんに恐怖心を抱くくらいドツキ回してもらえばいいんじゃないでしょうか?」
 金平糖をパラパラと撒きながら、彼の周りだけのほほんと、するはずもなく子分が全方位から襲い掛かってくる!
 だが、次の瞬間、子分たちが一瞬でその場から骸の海へ強制送還されてゆく。
「ああ、この金平糖、武器ではないですが、踏み付けると死ぬほど痛いので。なんせふざけた硬さを誇るキマイラフューチャー産のお菓子ですから」
 子分たちは一撃喰らうと消滅する。それは痛みを与えるという事と同義だ。
 ならば、マキビシとして超硬度の金平糖を撒くことで、足の裏を踏み抜かせてダメージを与えてしまえばいい。
 よく分からないが、実際そうなのだから有効である。
 つまり、オブリビオンも猟兵も遮断する絶対不可侵領域をベルベナは作り出したのだ。
「ただ、弱点は蟻が集り易い事ですね」
 子分たちと猟兵たちが近付けない絶対不可侵領域に黒い軍隊が群がっていた。
「つーか変態の子分や変態そのものの親分に触れたくねぇし刀が汚れんだよ」
 一瞬だけベルベナの嫌悪感が垣間見える。
 それを耳にしたフランチェスカ。長短2対のテールバインダー型重流体加速砲であるアウトレイジ・ブラスターの砲口を子分の群れに向けながらベルベナに話し掛けた。
「奇遇ですわね? わたしも正直あまり近づきたくありませんのでアウトレンジからの砲撃で地味につつきましょう」
 猟兵たちの攻撃の合間を縫って五月雨式に子分たちを爆撃!
 更には親分の足元へ牽制射撃!
「少しでもフェアリーのお嬢さんに飛び掛かってごらんなさい? 下半身の風通しを良くして差し上げますわ、この愚物が…!」
 その砲火の苛烈さは女性としての怒りの発露か、それでも変態への嫌悪か、はたまたその両方か。
 この戦闘中も、フローライトのロックチューンが爆音とともに轟いていた!

 ♪祈れ ただ祈れ 行くぜ!
 ♪空走る 突っ込むのさ!
 ♪獣のように吼えてやれ!
 ♪例えもう壊れても
 ♪最高の歌を歌うのさ 歌うんだ!

 ギャラリーのフェアリー女子たちから黄色い歓声が湧き起こる!
 それと同時に、周囲に群がる子分たちが一瞬にして吹き飛び、その姿を立ち消えさせてゆく!
「くそっ! 子分が全てやられちまっただと!?」
 形勢が不利と悟った親分は、自ら猟兵たちと戦う事を決意する。
「この大斧でぶった斬ってやる! おらァ!」
 親分の剛腕から素早い大斧の一撃が、一番近くにいた城田に振り下ろされる!
 しかし城田はギリギリまで引き付けて避けようとしない!
「そこっ!」
 城田は『絶望の福音』によって未来視めいた回避行動と共にカウンターの斬撃を親分の大斧を持つ手の甲に浴びせた!
「ぎゃっ!? 痛ってぇ!!」
 噴き出した血で大斧が手から滑る!
「……隙あり! ……風の精霊よ……この声に耳を傾け、その力を剣に示せ!」
 暴風の精霊剣がより一層荒々しく渦を巻くと、ルトルファスは親分の懐に飛び込んだ!
 そして渾身の流し斬り! 視えざる暴風の刃が、親分の右腕を刎ね飛ばした!
「お、俺様の腕がぁぁ!?」
「……ゆけ、クルル!」
 ルトルファスが駆け抜けた直後、クルルの超火力炎弾が親分に直撃して火柱を昇らせて爆ぜる!
「ええい、変態退散! 煩悩退散! 破魔の力もおまけしたるわ! えっ、直接なぎなたで叩き斬れ? いや、なんか触れたら、……気分的に……!」
 気持ち悪いと言わんばかりに、追撃の巨大炎弾を叩き込むクルル。
 だが、親分は灰に帰すことなく、その場で己の欲望を叫んでパワーアップ!
「酒ッ! 金ッ! フェアリーの美少女からのバブみッ! それがあれば俺様は無敵だァーッ!!」
 片腕を失っても尚、残された左手で大斧を持って構える親分!
「本当、殺されかけても欲望のために止まらない姿勢に驚くよね」
 ユースは木槌と法典をそれぞれの手に握ると、勇敢に親分の前へ突っ込んでゆく!
「フェアリーが、そして裁判官が最前線で肉弾戦をこなせないなんて訳はないんだよね!」
「馬鹿がッ! 吹っ飛べ!」
 親分の大斧と木槌が激突! 鈍重な一撃を受け止めたユースの身体が沈む!
「な、何て馬鹿力だ! これが性癖のなせる業!?」
「ユースさんから離れなさい!」
 フランチェスカがヴァルフレイア・ハルバードに術式炸薬を籠めて地面を蹴ると、翼で羽ばたいて高速低空飛行!
「セーフティ、解除――! 対反動スラスター、噴射待機――!」
 だが、親分は火事場の馬鹿力を発動させ、ユースを弾き飛ばす!
「げへへ! 俺は脱げば脱ぐほど速くなるんだァッ!!」
 いきなりズボンを脱いで完全に変質者と化す親分に、ベルベナが遂にキレた。
「脱ぐな。脱ぐな! 脱ぐんじゃねえ! てか、こっちくんなよ! 来たら殺すぞ、変態が感染する!!」
「うっせェ、竜のあんちゃん! 今は目の前の豊満天使ちゃんでひとまず多少のバブみの補給するぜ!」
 目の前がフリーになった親分が、向かってくるフランチェスカへ大斧を叩き付けんと腕を振り上げた!
「術式炸薬、フルチャージ! 最大威力のユーベルコードによるナッツクラッカーをご馳走致しますわね? どうぞご遠慮なく――!」
「遅ェぜ!! 胴体真っ二つにしてから、そのデカい胸に顔を埋めてやるッ! その方がサイズ的にフェアリーに近くなるしなッ!」
 親分の身体が残像を帯びて斧の一撃がフランチェスカを両断する……!
 ……かと、思えた。
「やれやれ、色々と憚られるけれどあくまで制圧程度に加減はしたかったんだけどなぁ……」
 そう呟くユースの手元に法典がなかった。
 彼は法典を親分の股間のクルミにシュートッ!
 クリティカルヒット! 超エキサイティング!!
「のっふぉ!?」
 大斧の刃はフランチェスカの頭上の僅か5cm上で寸止め!
 ユースは静粛に、と厳かに告げる。
「こほん、山賊親分、キミの罪状は集団暴行及び傷害罪、教会への不法侵入罪、フェアリーの女の子の拉致監禁罪、婦女暴行未遂、殺人未遂、猥褻物陳列罪、あと存在そのものが有罪確定なので、これより猟兵によって刑罰を執行するっ!!」
 山賊親分は状況を理解できずに股間を抑えて身動きを止めている。
 この隙をフランチェスカは見逃さなかった。
「痛撃、爆砕っ!! 『城塞穿ち 爆ぜ砕くもの(クロスレンジ・ヒートハンマー)』改め! 『男の精を潰し 爆ぜ砕くもの(ナッツクラック・ヒートハンマー)』!」
 ハルバードの爆裂の一撃が、親分の股間に追撃を与えた!
「ぎゃぶぅ!?」
 あまりの痛さにもはや涙すら出てこない親分!
 しかし、真の恐怖はここからだった。
「親分は大きな勘違いをしているのです」
 赤く輝く羅刹紋を浮かび上がらせて、ゆらり、と蛇のように歩み寄るニコル。
「自分に素直になったのはいいことなのです。ただお前には絶対に許せない部分があったのです。それは、……顔なのです」
 親分のむさくるしい顔面を指差しながらニコルは持論を語り出した。
「ぶっちゃけ顔さえ良ければ変態行為も許されるのです、大抵は。世間とはそういうものなのです。イケメンは全て許されるのです。そうじゃなかったお前はここで倒される道しか残されてないのです」
「うるせェ!! イケメン以外に人権はねェっていうのかよ!?」
 手負いとはいえ、自己強化を施した親分は、ニコルに大斧を振りかぶる。
 しかし、大斧は親分の手からすっぽ抜けて地面に落ちた。
 親分の体が動かない。それは柄も言えぬ、未だかつて体験したことの無い恐怖の感情がオブリビオンを支配していたからだ。
「……おい。いい加減にしやがれ、クズが」
 ブチ切れたベルベナの言霊が、警戒態勢を強制させる静かな気合いと思考と精神を恐怖で削り取る殺気を親分の精神を縫い留め、ベルベナの空気温度の低下を錯覚させるほどの存在感によって親分のユーベルコード攻撃を完全に封じてしまったのだ!
 動けなくなった親分の辿る末路は、もはやひとつしかない。
「というわけで、×××クラッシャー! って、あれ、なんか伏字になったのです。 クルミクラッシャー? なら発音できたのです。うん、ともかく叩き潰すのです」
 バトルアックスによるグラウンドクラッシャーで本日2度目のクルミ割り行為を行ったニコル。
 痛烈な一撃はクルミだけではなく、親分の魂そのものも砕け散り、今度こそ骸の海へ強制送還されてゆくのであった。

 ユースは村人のフェアリーに水の入った桶と綺麗な布を持ってこさせると、法典を水拭きし始めた。
「直に触れた分、念入りに拭き取らないと……」
 戦う裁判官として、今回の事件は内容が濃すぎる結果となった。
 クルルも汚いシロモノを目の当たりにしてしまったが為、早速、酒の力を借りて記憶を消し去ろうと考えていた。
「酒や……。楽しいこと以外は全て忘れたいんや……」
「なんか、本当に潰すべきだったのは、股間のクルミじゃなくて、あのオブリビオンのクサレ脳味噌だったんじゃ……」
 パルピが他の猟兵に同意を求めると、彼らは無言で頷いた後、晴れ渡った青空を一斉に眺めた。無性に心を浄化したい気分だった。
「強敵だったね……あ、この村、温泉があるらしいよ。帰る前に浴びていきたいな……」
 フローライトの呟きが青空に溶けてゆき、再び平和が訪れた事を実感する猟兵たちであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月05日


挿絵イラスト