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闘いに呼ばれいでしモノ達よ

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●強きモノを求めて
 雪原、キラキラと太陽の光を受けて雪が光り輝く中で、甲高い鳥の鳴き声が響いた。
「見つけた、これが……!」
 冒険者否、強いモンスターを専門としている者達は、雪原に住む巨大な鳥を狩りにやってきたのだ。
「美しい姿だ……しかし、あれが強いというのは他の冒険者から聞いている。討伐すれば名が世界中に轟くだろう」
 彼らはいわゆるハンターという部類であり、その中でも戦いに餓えている変わり者の集まりだ。
「ま、まて! モンスターの群れがやってくるぞ! その奥にも……!」
 偵察してきたチームが戻ってくると、血相を変えてリーダーに言った。
「ありゃ、餓えてる……このまま戦えば、俺らはアイツの腹の中だ」
 ひと際大きなグリフォンの様な鳥がじっと、彼らを品定めするかのように見詰めていた。
「ここは、俺達が囮になるからリーダーは逃げて援軍を呼んでくれ!」
「しかし!」
 偵察隊と部下達は武器を手にすると、リーダーの制止する声を無視して飛び出した。
 リーダーは駈け出すと、後ろから悲鳴や冷たい風に乗って血のニオイでどうなったのか理解しつつも、ギルドがある大きな街まで一心不乱に雪原を駆け抜けた。

●グモリアベース
「皆様、お集まりいただきありがとうございますわ。アックス&ウィザーズにて、雪原に住み着いたオブリビオンが街へ侵攻するのを予知しましたわ」
 カミリア・オリヴィオン(人工悪魔・f01650)が集まった猟兵達に告げた。
「場所は雪原、近くに小さな林がある位ですわ。そこに住み着いたオブリビオン、その地に住んでいたモンスターを操り雪原を横断させようとしておりますわ。勿論、街の人々を空腹であるその胃を満たす為にですわ」
 地図を広げて、一番近い街からオブリビオンが住み着いた雪原を指しながら説明をする。
「モンスター達を退け、指揮しているオブリビオンを倒してきてほしいですわ。長期戦となるやもしれませんので、準備はしっかりとしてから向かってくださいませ。特に、雪や寒さの対策はしておいた方が身の為ですわ。それでは、皆様に幸運を」
 と、言うとカミリアは猟兵達を、アックス&ウィザーズ世界の雪原に転移させた。


龍真 神
 OPに目を通して頂きありがとうございます。
 このシナリオを書いた、龍真 神(タツマ シン)と申します。
 PBW初心者でも入りやすい内容にしておりますので、よろしくお願いします。
 
 一章:冒険『猟兵一番乗り』
 二章:集団戦『氷凝鳥』
 三章:ボス戦『氷雪の鷲獅子』
 以上の構成となっております。
 珍しく、純粋な戦いとなっておりますので、兎に角プレイングを書いて送っていただいでも大丈夫です。
 最低限の文字数でも、ステータスシートを見ながら書かせていただきますので、『まだよく分からないけど、シナリオ参加したい!』という方でも遠慮せずにご自身の文で書いて送って下さい。
 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『猟兵一番乗り』

POW   :    自慢の剣技を敵に味合わせてやる! かかってこい!

SPD   :    弓矢や罠を喰らいたい奴はいるかい? 喰らいやがれ!

WIZ   :    私の魔法で目にもの見せてあげましょう。覚悟してください。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユリアン・アマテ
※アドリブ、他者連携は可能であれば希望します

 「腹が減って、随分気が立っているようだが。
  ここから先への通行はご遠慮願おうか!」

【行動】

 POWの行動を取る。

 「一応警告はするぜ、引き返す気がないならば命の保証はないし
  無闇に近づくと言葉通りに火傷するぜ。」

 「トリニティ・エンハンス」で炎の魔力を纏い寒さから身を守る。

 攻撃は、サムライブレイドとルーンソードの二刀流で戦う。
 戦意を無くした相手には手を出さず戻るように一喝する。

 「腹減って気の毒だが、さっさと森に帰りな!!」



●侵攻を防げ!
 雪原の真ん中にモンスター達が街へ侵攻しに進んでいる前に一人の猟兵が立ちはだかった。
「腹が減って、随分気が立っているようだが。ここから先への通行はご遠慮願おうか!」
 剣豪のユリアン・アマテ(流浪の自由剣士・f08104)がサムサイブレイドの柄に手を添え、姿勢を低く前屈みの状態でモンスター達をエメラルド色の眼光で睨みつけた。
「一応警告はするぜ、引き返す気がないならば命の保証はないし、無闇に近づくと言葉通りに火傷するぜ」
 予想通りにモンスター達はユリアンの言葉を気にも留めずに進むを見てーー彼はユーベルコード『トリニティ・エンハンス』を発動させ、炎属性を体に纏いに防御重視にして寒さへの対策をした。
「腹減って気の毒だが、さっさと森に帰りな!!」
 ルーンソードも手にすると、ユリアンは雪原の中を駈け出した。
 積もった雪に足で踏みしめるとスボッと足首まで入り、上手く前に進めないが攻撃出来る距離までどうにか接近する。
 もともと雪原で住んでいたモンスターだ、雪をものともせずに駈け出すがーー

 白いキャンバスに、赤い色彩が追加された……絵具をそのままぶっかけたかの様にーー

「しょっしゃ! 数だけかもしれないが……どこまで戦えるのか、俺の限界まで戦い抜いてやろう!」
 血が付着した刀身を振り払うと、ユリアンは口元を釣り上げるとモンスターの群れに向かってサムライブレイドを、振り上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラリー・マーレイ
POW使用。アドリブ歓迎です。

事前になけなしの財布をはたいて安物の防寒具や雪用のブーツを買っておきます。
急いで現場に向かいます。

ユリアンさんの闘いっぷりを見て感動。
「すげぇ……。よ、よぉし俺だって……!」
と、粗末なルーンソードを構えて、緊張して震える手足を無理矢理抑えこんで雄叫びを上げて敵に突っ込んで行きます。

最初は頭に血が昇って、無我夢中で剣をがむしゃらに振り回します。
苦戦したら、さっきのユリアンさんの戦い方を思い出します。
「そ、そうだ。あの人が使ってた魔法は、確かこうやって……」
と、【トリニティ・エンハンス】使用。炎の防御結界を纏って防御力を高めます。
後は無我夢中で戦い続けます。



「すげぇ……。よ、よぉし俺だって……!」
 冒険者に憧れて故郷から出てきたラリー・マーレイ(見習い剣士・f15107)は、モンスターの群れを見ても怯む様子を見せずに戦うユリアンを見て胸に熱いものが込み上げてきた。
 出て行く為に貯めた少ない銀貨を手にし、それで買った少し古ぼけているルーンソードを手にすると震える剣先をモンスターに向けた。
「うおぉぉぉぉぉ!!」
 無理矢理、自分を奮い立たせてモンスターにルーンソードをブンッと振るが、斬ることが出来ずにラリー自身がルーンソードに振られている様だった。
 初めての戦い、憧れていた冒険者の様に戦うーーそれがラリーの胸を熱くして故郷を出てまで求めたモノ。
「う、わっ!」
 白いオオカミの様なモンスターは牙を剥き出しにて噛みつこうとするが、驚いたラリーは咄嗟に身を翻して攻撃を回避した。
「そ、そうだ。あの人が使ってた魔法は、確かこうやって……」
 目の前で戦うユリアンを見て思い出すと、ラリーはユーベルコード『トリニティ・エンハンス』を発動させた。
 ごうごう、と燃える炎が舞うとラリーの意思に答えるかのように、体に纏い防御重視にさせた。
「なけなしの銀貨で防寒具買わなくてもよかったんじゃ……いや、この依頼が追わればっ!」
 ラリーは近くで戦っているのに、遠くに感じるユリアンの背に一瞬だけ視線を向けた。

 たまごから、ひよこへと少しはーー成長するかな?

 茶色い瞳に映るのは、きっと未来の自分ーー

 猟兵になってまだ間もないけど、少年は心身共に成長していくだろう。

「や、やった!」
 モンスターを一匹倒したラリーは、肩で息をしながら額に浮いた汗を拭った。
 何処か古ぼけたルーンソードに光が戻った気がするーー

成功 🔵​🔵​🔴​

ネージュ・ローラン
出遅れましたが皆さん大丈夫ですか!?

雪上はわたしの舞台です。
まとめて相手をしてあげましょう。

まずはクルリと舞いながら詠唱して、【精霊獣召喚の舞】を使用。
氷狼を呼び出して騎乗します。
そして一気に突っ込んで【先制攻撃】です。
氷の精霊魔法による【属性攻撃】と氷狼の攻撃とのコンビネーションによる【二回攻撃】をお見舞いしましょう。

反撃してきた相手は攻撃を【見切り】、【エレメンタルヴェール】による【オーラ防御】で受けようとします。

街へは一匹たりとも通しませんよ。

※連携、アドリブ歓迎



「出遅れましたが皆さん大丈夫ですか!?」
 雪原に舞い降りた雪の様なネージュ・ローラン(氷雪の綺羅星・f01285)は、戦う猟兵達に向かって言うと凛とした表情でモンスター達を見据えた。
「雪上はわたしの舞台です。まとめて相手をしてあげましょう」
 雪の上を滑るように足を動かし、力強く美しく舞うと地面の雪は再び舞いあがりダイアモンドダストの様に輝く。
「我が舞に応じ、具現せよ精霊の化身」
 ユーベルコード『精霊獣召喚の舞(インヴォーク・エスプリベート)』の詠唱を歌うように言いながら発動させ、巨大な霊力が具現化した精霊獣である氷狼が召喚された。
 『エリアルシューズ』で空中を自在に舞うと、氷狼の背に乗ってモンスターの群れに向かって突撃するように指示を出す。
「ガルルルルッ」
 氷狼が牙をむき出しにしてモンスターを威嚇すると、ネージュは銀雪の宝杖を振り上げると氷の属性で攻撃し、続けて氷狼も前足を振り下ろした。
「街へは一匹たりとも通しませんよ」
 一気にモンスターの群れを後退させたネージュが凛とした声で言った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

草野・千秋
剣技、ではなくても銃技なら。
(変身ベルトギュイーン)
変身!
ダムナーティオー、いざ参る!

2回攻撃と範囲攻撃を駆使し
ヴァリアブル・ウェポンを使って
技を披露しつつ戦う
勇気なら誰にも負けない!
負傷した仲間がいたら盾受け、かばうを
トドメが刺せそうなら捨て身の攻撃



「変身!」
 雪原の戦場に立つ青年、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は変身ベルト『tonitrus transformatio』を起動させ、鋼の防具に身を包みソレは仄かに青く光っていた。
「ダムナーティオー、いざ参る!」
 拳のオーラは冷たい風に吹かれ揺れると、千秋はモンスター達に向かって「秩序の崩壊」の名を持つ『ordinis tabes』を放った。
 広範囲に放たれた弾丸はモンスター達を撃ち抜き息も吐かせず、侵攻をさせぬように次々と的確に倒していく。
「勇気なら誰にも負けない!」
 ユーベルコード『ヴァリアブル・ウェポン』を発動させ、内蔵兵器で千秋は更に大型のモンスターに向かって銃技を魅せた。
 先に戦っていた猟兵達の活躍もあり、難無く大小様々なモンスターで編成されている群れが侵攻しようとも負ける気はしない。
「仲間の力、己の力、どちらもあるからこそ! この戦況は出来ているのだ!」
 正に英雄(ヒーロー)である千秋は、雪原の戦場で街にモンスターを絶対に向かわせまいと雄々しく立ち向かう。

 勇気を胸に、正義を背にして――

成功 🔵​🔵​🔴​

アネット・レインフォール
▼心情
…さて。戦争は一段落したが色々と課題も浮き彫りになったな。
今後も強力な相手と対峙する機会があるだろうし、
今は少しでも剣技を磨いておくとしようか。

▼行動
【POW】

防寒対策として厚手の服を着用しておく。
皆から少し出遅れたようだが、単車を出せばすぐに追いつけるだろう。
ある程度、敵を誘導して戦場を街から遠ざけられれば良かったんだが…。

合流を目指す上で車線上に敵がいる場合は、
単車から覇剣を取り出して敵に剣撃を刻みつつ走り抜けよう。
敵との距離がある場合は【雷帝ノ太刀】で斬撃を飛ばして対応を。

…雪原に単車は向かないって?問題ない、スノー仕様に換装済みだからな。

▼他
ソロや連携、アドリブ歓迎



「……さて。戦争は一段落したが色々と課題も浮き彫りになったな。今後も強力な相手と対峙する機会があるだろうし、今は少しでも剣技を磨いておくとしようか」
 猟兵が優勢の中でアネット・レインフォール(剣の教育者・f01254)は、モンスター達はそれでも侵攻しようと進む光景を見据えた。
 防寒具に身に付けた姿で単車【三頭黒狼】に跨ると、先頭目指して雪原にスノー仕様に換装済みの単車を走らせた。
 単車に格納されている【聖女】が刻まれた蒼の両手剣『覇剣【洸燐蒼刃】』を手にすると、宇宙バイクが走る速度を加えた斬撃でモンスター達を切り刻む。
「参式・雷帝ノ太刀」
 単車を止めるとアネットはユーベルコード『【参式】雷帝ノ太刀(ライテイノタチ)』を発動させ、遠くにいるモンスター達に向かって稲妻を纏った居合斬りを放った。
「退けても、親玉の元へはまだ先というワケだな」
 モンスター達の後ろに控えているオブリビオンが猟兵達に鋭い眼光を向けていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

神楽・鈴音
街を襲撃する怪物の群れ……穏やかじゃないわね
まあ、ここは手っ取り早く片付けましょうか

まずは【七星七縛符】を使用して敵の動きをまとめて封じる
「今日は出血大サービスよ! 使った護符の代金は、あんた達から手に入る素材を売っぱらって埋め合わせるわ

動きの止まった相手から、賽銭箱ハンマーで1匹ずつ撃破
ドサクサに紛れて、倒した敵から折れた角を奪う、羽を抜くなどして、売れそうな素材を回収

どうしても多勢に無勢な場合は、【錬成カミヤドリ】で鋼鉄製の賽銭箱を生成し、突撃させることで応戦

「あんた達から、お金でお賽銭もらおうとは思わないわ
「その代わり……素材はきっちり、寄進してもらうわよ!



「まあ、ここは手っ取り早く片付けましょうか」
 黒曜石の様な黒く大きな瞳で神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)は、モンスターの群れに向かって駈け出した。
「今日は出血大サービスよ! 使った護符の代金は、あんた達から手に入る素材を売っぱらって埋め合わせるわ」
 手にした護符を雪原の空に放り投げると、鈴音は七星七縛符でモンスター達の動きを止めると鋼鉄製の賽銭箱に柄を備え付けたハンマーで殴り飛ばした。
「いやー他の猟兵様様ね! 軽く殴るだけでモンスターの素材が沢山、沢山。売ったら幾らに……ハッ! そんな事を考えるより収集よ」
 じゃらじゃら、お金の鳴る音と札束を思い浮かべるが我に返った鈴音は、弱弱しくなったモンスターを片っ端から殴り飛ばしていった。
「あんた達から、お金でお賽銭もらおうとは思わないわ。その代わり……素材はきっちり、寄進してもらうわよ!」
 と、鈴音は言いながら倒されたモンスターからも『寄進』を称して没収し、美味しいとこどりした。
 ちょっと戦って、周りを見たら落とし物が沢山あって誰に渡すのかもわからない物は、保管して持ち主を探さなければならない。
 絶対に“持ち主”なんて現れずに自然と鈴音へ『寄進』されるのを見越して――

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『氷凝鳥』

POW   :    爪の一撃
【非情に素早い突進からの爪】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    氷柱雨
レベル×5本の【氷】属性の【鋭利な結晶体】を放つ。
WIZ   :    大空を舞う
【空高く飛ぶことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●氷の鳥
 モンスターの群れを一掃した猟兵達は雪原を進むと、そこには氷像と見紛う程の美しい鳥がいた。

 それは、まるで氷像の様に――

 その鳥は、まるで幻の様な――

 より一層、寒さを増す雪原の真ん中でその鳥達は透き通るような美しい翼を広げた。
 トンビの様な美しく、甲高い鳴き声を響かせて羽ばたくと猟兵達に向かって飛んできた。
ラリー・マーレイ
「え、氷像……?いや、動いてる、あれがモンスター?」
初めて見る綺麗な氷の鳥に一瞬見とれるけど、急いで気を引き締めて身構える。

近接武器で戦うのは俺の腕じゃ無茶だ。こうなったら、魔術でやってやる!
UC【発火の呪文】を使う。十数個の火の玉を一つに纏めて大きな火球にして、敵に撃ち込む!

UCで回避されたら、流石にちょっと考えるよ。どうやって命中させるか……。
昔読んだ軍師の冒険譚を思い出す。そうだ、五千の軍勢を三百の歩兵で包囲し殲滅したと言うあの陣形戦術。あれを応用すれば。

【誘導弾】で空の敵を包み込む様に十数の火の玉を球状に配置、すり抜ける隙を与えず炎を敵に収束させ回避不能の攻撃を行う。これならどうだ!



「え、氷像……? いや、動いてる、あれがモンスター?」
 ラリーは『氷凝鳥』の美しさに見とれてしまい、眼前に近付いているのさえ気付いてない程にーー
 構えた時には、「速いっ!」と声を洩らしながら来るであろう衝撃に身構えるが、ラリーをあざ笑うかのように横を掠めるように飛び抜けた。
「近接武器で戦うのは俺の腕じゃ無茶だ。こうなったら、魔術でやってやる!」
 ショートソードを鞘に納めると、ラリーはユーベルコード『発火の呪文(イグナイトファイア)』を発動させようと構えた。
「ヘーア・ラーイ・ターザンメ……」
 詠唱が終わると、周囲に純粋な魔力で造られた炎が雪原を溶かすかのように揺らめき、ラリーが氷凝鳥に向けて炎が弧を描きながら放った。
「キュゥーン!」
 青い氷の様な体を溶かさんとするかのように炎は、氷凝鳥を包みこみ燃やす範囲を広げて行く。
「よしっ! 避けられたらどうしようかと思ったよ……」
 雪原にその身を氷凝鳥を見て、ラリーがほっとした様子で言いながら胸を撫でおろした。

 昔、読んだ軍師の冒険譚を思いだす――

「でも、まだまだオブリビオンはいるんだ。気は抜けない」
 再び詠唱を始めるとラリーは、無数いる氷凝鳥達を見据えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

神楽・鈴音
ああ、なんて綺麗な鳥かしら
あの鳥の羽を手に入れて売れば……って、今は戦いに集中しないとね

まずは【錬成カミヤドリ】で鋼鉄製の賽銭箱を生成
これを空中に10個ほど飛ばすことで、他の人達が空中で戦うための足場にするわ
相手より高所から仕掛ければ、見切りの効果も下がるかもしれないし
残りはレンガみたいに積んで、敵の攻撃から身を守るための壁にするわね

気をつけるべきは突進ね
下手にこっちから近づくとまずそうだし、突っ込んでくるやつに正面から賽銭箱を突進させて叩き落してやるわ
1発目は囮、2発目以降が本命よ
弱っている鳥は、積極的に賽銭箱ハンマーで頭を狙うわね

戦いが終わったら、戦場に散っている鳥の羽を回収しておくわね



「ああ、なんて綺麗な鳥かしら。あの鳥の羽を手に入れて売れば……って、今は戦いに集中しないとね」
 相変わらずの鈴音は、氷凝鳥達をお金の塊の様にしか見えていなかった。
 それを手に入れる為には戦うしかない。
「にひひ……」
 ユーベルコード『錬成カミヤドリ』を発動させ、『鋼鉄製の賽銭箱』を18個ほど複製すると10個を念力で空中に飛ばした。
 これは他の猟兵達が戦いやすくする為の準備で、鈴音自身の前には残りの8個をレンガの様に積んで身を守る為の壁にした。
 ユーベルコード『氷柱雨』が発動し、氷凝鳥が甲高い鳴き声を上げると氷の鋭利な結晶体が放たれた。
「そんなツララ程度で、私の賽銭箱が壊れると思わないわ! さぁ、御寄進してもらうわよ!」
 鈴音がこちらに飛んで来る氷凝鳥に賽銭箱の壁を押し進め、ぶつかった氷凝鳥がころりと倒れた瞬間を狙って賽銭箱ハンマーで頭部を殴る。
「うーん、思った通りにこれは!」
 賽銭箱の壁のおかげで安全に採取出来る鈴音は、透き通る様な青い羽根とクリスタルの様な欠片を手にすると嬉しそうに微笑んだ。
 ちらり、と空を見上げればまだまだいる氷凝鳥達。
「取り尽くしてやるわよ!」
 鈴音は、意気揚々と賽銭箱の壁を押し進めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

草野・千秋
真の姿は白髪に2Pカラー的いでたち

なんとも敵ながら美しい
……見とれてる場合ではありませんね

2回攻撃、怪力、勇気で攻撃
この一撃見切れますか?
サイボーグになってから手に入れた力です!
オリジナルUCも交え前のめりに戦っていく
敵が弱ってきたら捨て身の一撃
仲間が攻撃されそうなら
盾受け、かばう
お怪我はありませんか?

アレンジアドリブ絡みなど歓迎



 身を包んでいる防具は黒く変わると同時に、光もオーラも燃えるような緋色に変化した。
 そう、この姿こそ千秋の――真の姿だ。
「なんとも敵ながら美しい……見とれてる場合ではありませんね」
 重量級のバトルアックス『draco interfectorem』を向かってくる氷凝鳥に向かって振り下ろした。
 更に、息を持つかせぬ2撃目も加えると、まるでガラスの塊が割れたかのように水晶の破片が雪原に飛び散った。
「この一撃見切れますか? サイボーグになってから手に入れた力です!」
 ユーベルコード『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(ヤクソクノジュウダン)』を発動させると、防具に仕込まれている武装が展開されると氷凝鳥に向かって一斉発射した。
 先ほど鈴音が作った足場に飛び乗り、他にも戦っている猟兵に負傷者がいないかと見渡す。
「今は大丈夫そうですね。ならば、この足場を借りて少しでも氷凝鳥達の動きを鈍らせましょう」
 再び千秋がユーベルコードを発動させ、冷たい風を切って飛ぶ氷凝鳥達に向かって一斉発射した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユリアン・アマテ
※アドリブ、他者連携は可能であれば希望します

 「成程、確かに美しい鳥だが、かなり短気な正確なようだな。
悪いがここは通させてもらうぜ!」

【行動】

 POWで戦う。

 鈴音の出した賽銭箱を利用させてもらい、相手より高い位置を取る。

 「ありがたく利用させてもらうぜ!」 

 相手の「爪の一撃」に対して、技能「残像」を使う。
 攻撃は、サムライブレイドとルーンソードで「剣刃一閃」で攻撃、相手の翼を狙う。

 「少し熱くなっちまったてるようだな。
  相手をよく見る事と、自分より高い所からの攻撃には気をつけるんだな!」



「成程、確かに美しい鳥だが、かなり短気な正確なようだな。悪いがここは通させてもらうぜ!」
 ユリアンは雪原を駆け抜け、鈴音が作った浮いている足場に乗って一番高い鋼鉄製の賽銭箱に足を付けた。
「ありがたく利用させてもらうぜ!」
 サムライブレイドとルーンソードを両手に持つと、ユーベルコード『剣刃一閃』を発動させると飛んできた氷凝鳥の翼を切断した。
 翼をもがれた氷凝鳥は、雪原に落ちると雪が舞いあがりダイアモンドダストの様にその周辺は光り輝いた。
「少し熱くなっちまっているみたいだな。相手をよく見る事と、自分より高い所からの攻撃には気をつけるんだな!」
 ユリアンは跳躍し、落下しながらサムライブレイドを真っ直ぐにその氷の彫像の様な体を貫いた――
「だが、数だけはいやがる……だけどな、落としてやる! 全部な!」
 頬に付いた返り血を拭い、ユリアンがエメラルドの様な緑の瞳で睨みながら叫んだ。

 まだ、戦いは始まったばかりだからな――と。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラリー・マーレイ
……よし。倒せない相手じゃない。
少しは落ち着いてきた。緊張は……してるけど、このくらいなら大丈夫。
……やってみるか。

長剣を抜いて構える。
敵の群れに突入。迫ってくる敵を【なぎ払い】と【2回攻撃】で迎え撃つ。
動き回りながら周囲の敵の動きを警戒し、死角から襲われない様に注意。
爪の一撃を喰らわない様に、長剣を振り回して敵を至近距離に近寄らせない様立ち回る。

取り囲む敵の数が多くなったら、出来るだけ多数を巻き込めるタイミングでUC【惰眠の呪文】を【高速詠唱】。一気に眠らせるよ。
全体が眠れば起こさない様に静かにとどめを刺していく。
眠らなかった敵がいればそいつから斬り倒していく。
地道だけど堅実に倒していこう。



(……よし。倒せない相手じゃない)
 深呼吸をするとラリーは、優雅に飛ぶ氷凝鳥を見据えた。
「少しは落ち着いてきた。緊張は……してるけど、このくらいなら大丈夫。……やってみるか」
 腰に帯刀しているブロードソードをすらりと、鞘から引き抜き構えると氷凝鳥に向かって駈け出した。
 しかし、寒さで手がかじかんでしまったのだろうか、甲高い鳴き声を上げながら氷凝鳥が爪を振り上げた瞬間にブロードソードが手の中からするりと落ちて雪の中へ。
「しまっ……!?」
 拾おうと手を伸ばすが――ブロードソードの柄を握るよりも早く氷凝鳥の爪が振り下ろされた。
「っ!!」
 パッと雪原の白いキャンバスに赤い花が咲いたかのようにラリーの鮮血で染まる。
「カーフアレフ・ターイ・ヌーンザンメ……」
 高速詠唱でユーベルコード『惰眠の呪文(スリープクラウド)』を発動させると、ラリーの姿を隠すかの様に霧が発生して氷凝鳥を中心に覆われた。
(眠らせれたか分からないけど……これで、オブリビオン達が倒しやすくなれば)
 全てが眠ってしまうとは思ってないラリーは、落としたブロードソードを手にすると羽ばたく音がした方向へ駈け出した。

 地道だけど確実に数を減らす為に――

苦戦 🔵​🔴​🔴​

水心子・静柄
30cmまで近づかないと攻撃出来ないなんていい的ね。私の複製で一掃してあげるわ。

一掃するなら見晴らしがいい所がいいわね。幸い雪原だし地形を利用して全周から襲われる場所で待ち構えるわ。30cm以内に近づかれる前に射合で一斉射撃、攻撃するタイミングは長年培った勘(第六感と野生の勘)ね。最大限の成果得られるタイミングを狙うわ。失敗したら大勢の鳥に囲まれて爪で斬り裂かれてしまうけど、そんなリスクを恐れず捨て身の覚悟でいくわ。

粉々に砕けた氷像は光に反射してさぞ綺麗でしょうね、楽しみだわ。



 しゃなり、と凍える様な冷たい風で振袖と裾を靡かせながら水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は、水晶で出来た様な氷凝鳥を翡翠の様な瞳で見据えた。
「30cmまで近づかないと攻撃出来ないなんていい的ね。私の複製で一掃してあげるわ」
 ふわり、と飛び上がると、鋼鉄製の賽銭箱に乗ると静柄は、野生の勘と第六感を研ぎ澄ます。
 ばさり、と氷凝鳥が羽ばたく音、風を切ってこちらに向かうのを感じ取るとユーベルコード『射合(イアイ)』を発動させる準備をする。
「いつから居合と錯覚した?」
 静柄の翡翠の様な瞳に氷凝鳥が映ると、錬成カミヤドリで複製した自分の本体(鞘入)を放った。
「……はっ! 流石に、弱っておったようね」
 あっさりと切り落とされた氷凝鳥を見据えたまま、静柄はチン、と美しい音色を奏でながら刀身を鞘に納める。
 斬られた氷凝鳥の体から血ではなく、水晶や氷が砕けたかのように宙を舞うと太陽の光を反射してキラキラと光る。
 その光景は殺伐とした戦場とは思えないほどに、美しく、幻想的なダイアモンドダストの様であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『氷雪の鷲獅子』

POW   :    極寒の風
【両翼】から【自身を中心に凍てつかせる風】を放ち、【耐性や対策のないものは氷結】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    爪による連撃
【飛翔してからの爪による攻撃】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    凍てつく息吹
【氷の息吹】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を凍らせ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雪原の王者
 氷凝鳥達を倒し終えた猟兵達は、オブリビオンの根城に足を踏み入れた。
「キェェェェ!」
 卵を抱え、守ろうとしている氷雪の鷲獅子が氷の様な青い瞳で睨みながら甲高い鳴き声を上げた。
 このオブリビオンを倒さなければ、この雪原の地に平和は訪れない。
 青いグリフォンは、周囲に氷の矢を生成すると猟兵達に向かって放った。

 倒せよ、猟兵。

 それが、使命なのだから――
ラリー・マーレイ
ようやくここまで辿り着いたよ。
猟兵として初めての任務。短い冒険だったけど、随分と色んな事を学べた気がする……気のせいかもしれないけど。
とにかく、後は全力でぶつかるだけだ。

革手袋を検め、防寒具の襟元を締め直して、冷気に耐える【気合】を入れる。
剣を握った拳の上から、刃の手入れ用の布切れをきつく巻いて、剣を落とさない様に対策。
ブーツで足元を踏み締め、雪や氷に足を取られない様構える。
「……行くよ」
UC【トリニティ・エンハンス】発動。全身に防御用の炎を纏い冷気への『耐性』を固め『対策』。
敵の攻撃は剣で【武器受け】盾で【盾受け】しながら一直線に【ダッシュ】し間合いを詰め、真っ向から全力の斬撃を放ちます。



●戦いの合図
 革製の手袋に冷気が入らない様に施し、防寒具も隙間が出来ぬようにしっかりと首も覆うように襟元を閉めた。
 頬を軽く叩き、寒さに耐える為に気合を入れた。
「ようやくここまで辿り着いたよ」
 さく、と地面を覆う雪を踏みしめたラリーは、『氷雪の鷲獅子』をその茶色い瞳に映した。
「猟兵として初めての任務。短い冒険だったけど、随分と色んな事を学べた気がする……」
 腰に携えたショートソードを引き抜くと、刀身に刻まれたルーンが淡く光を放ちながら剣先を氷雪の鷲獅子へと向けた。
「ピュールルル!」
 猛禽類を思わせる顔が眼前に近付くと、ラリーはショートソードを構えた。
「……行くよ」
 口から吐いた息が白く宙を漂わせ、ラリーは覚悟した瞳で氷雪の鷲獅子を睨んだ。
 ユーベルコード『トリニティ・エンハンス』を発動させると、ラリーの体は炎の魔力包まれてると雪が積もった地面を蹴り、ショートソードを真っ直ぐに突き出した。
 致命的ではないが、斬り傷が出来るとそこからは血の変わりに透明な破片がポロポロと落ちた。
「キュォォォン!」
 甲高い鳴き声を響かせ、バサッと大きな翼を羽ばたかせると凍てつかせる風を放った。
 しかし――ラリーは炎の魔力によって守られていた為、氷雪の鷲獅子の極寒の風は一切効かなかった。
「とにかく、後は全力でぶつかるだけだ」
 ギュと雪を踏みしめると、ラリーが手にしているショートソードも炎の魔力で覆われたのを斬りつけた。

 初心者だった猟兵は、自身が思っているよりも、成長している。

 そう、ここまで辿り着くまでの間に倒したモンスターは、この世界の中堅冒険者と同じくらいの数を倒して戦闘経験を積んだから――

成功 🔵​🔵​🔴​

神楽・鈴音
こいつが鳥の親玉ね
確かに、今までのザコと比べても強そうだわ

とりあえず【錬成カミヤドリ】で賽銭箱召喚して足場と盾にするのは同じ
賽銭箱を突撃させて叩き落すのもありね

地形を凍らされた場合は賽銭箱ハンマーで凍った場所を砕いてやるわ
強化なんてさせるもんですか

ピンチになったら切り札【祭神・物理ハ女子力ナ姫の加護】発動
金…じゃなかった、神の力を思い知らせてあげるんだから!

※祭神の設定
口癖:はぁ、怠いわねぇ,なぁんだイケメンが相手じゃないのぉ?
セクシーなのに自堕落で酒豪な残念系お姉さん
ハンマーの代わりに怪力に任せて酒瓶で殴るのが得意
酒瓶が割れて敵に酒を浴びせられれば後は誰かがそれに火を放ってくれることに期待?



 白い世界に鴉の様に黒い翼を広げた氷雪の鷲獅子は、氷の様に青くて冷たい瞳を向けた。
「こいつが鳥の親玉ね。確かに、今までのザコと比べても強そうだわ」
 視線を感じた鈴音が睨み返すと、ユーベルコード『錬成カミヤドリ』を発動させて鋼鉄製の賽銭箱を召喚して念力で宙に浮かせた。
「さぁ、来なさい! 近付いても遠くからでも、この無数にある賽銭箱で防いでみせるわ!」
 と、賽銭箱ハンマーを担ぎながら鈴音が叫んだ瞬間――眼前には、氷雪の鷲獅子の姿。
「……っ! ふせっ!」
 念力で複製した賽銭箱を動かすよりも早く、氷雪の鷲獅子の爪による連撃で仮初めの体が引き裂かれた。
 足場にしていた複製の賽銭箱は切断され、鈴音の仮初めの体は雪原の白を紅く染め上げながら雪の中に埋もれた。
「……っ。金……じゃなかった! 神の怒りを思い知るがいいわ!」
 ユーベルコード『祭神・物理ハ女子力ナ姫の加護(サイジン・ブツリハオナゴチカラナヒメノカゴ)』を発動させると、立ち上がる気力も無い鈴音の前に自堕落で酒好きで、怪力自慢な姐御風の女神が召喚された。
 氷雪の鷲獅子が甲高い鳴き声を上げながらコチラに迫りくると、女神は猛禽類の前足を両手で受け止めた。
 しかし――氷雪の鷲獅子は翼を羽ばたかせて凍てつかせる風を起こすと、鈴音は寒さのあまりに眠くなり意識が遠のいた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

クリューラ・センティファ
「遅くなりましたが、参戦させて貰います。」

全身防寒具で包んで懐には使い捨て懐炉を山程仕込んで足元は転ばない様にスノーブーツ。準備に時間がかかりました。仕上げにアイテムのパーティクルバリアで全身を覆って冷気をシャットアウトします。

冷気を使う敵なら、高熱で対応してみましょう。
ユーベルコード【可変速熱線砲】を使います。左腕部が砲身に変形、荷電粒子の弾丸を撃ちます。
攻撃回数重視モード。高速連続発射で弾幕を張ります。点ではなく面で攻撃。
機動力の高い敵に回避する隙間を与えないと同時に、プラズマの余波で敵との間の空間を熱して敵の冷却攻撃を弱める意図です。

遅れて来た分、仕事はさせて貰いますよ。



「遅くなりましたが、参戦させて貰います」
 白銀の雪原に黒い人型――ブラックタールのクリューラ・センティファ(ブラックタールの鎧装騎兵・f12129)が、氷雪の鷲獅子を水色に光つぶらな瞳で見据える。
 もちろん、ブラックタールであっても感覚はあるので全身防寒具に身を包み、懐には使い捨てカイロを沢山仕込むという寒さ対策としては完全武装状態だ。
 『パーティクルバリア』で内部からの攻撃は阻害しない粒子状のエネルギー障壁で守られ、冷気もシャットダウンしたクリューラは、サクと雪を踏みしめる音を立てながら雪原に足を付けた。
「……ファイア」
 ユーベルコード『可変速熱線砲(ヴィアード)』を発動させると、クリューラの左腕部を砲身に変形させると、銃口から荷電粒子の弾丸を氷雪の鷲獅子に向かって放った。
 その射撃は攻撃回数重視にし、威力よりも、当てる事よりも、荷電粒子の弾丸を連続連射で弾幕を回避されぬように、点ではなく面で攻撃をする。
「キュゥーーーン!」
 氷雪の鷲獅子が鳴き声を響かせ、両翼を羽ばたかせて凍てつかせる風を起こして弾丸を凍らせようとするが――熱を帯びた荷電粒子の弾丸は一瞬だけ凍っても解けて羽を宙に散らばせながら体を貫かれた。
「遅れて来た分、仕事はさせて貰いますよ」
 ドサリ、と氷雪の鷲獅子が地面に倒れるのを見てクリューラは、笑顔で先に戦っていた猟兵に言った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラリー・マーレイ
クリューラさんの戦い方を見て、「そうか……炎を武装として操れば、冷気に対抗しながら攻撃出来る。そういう戦い方もあるのか……!」
また一つ学びました。

UC【発火の呪文】。本来の呪文の詠唱の頭に、拡大を意味する真言を加えます。
『ミームアリフ・ヘーア・ラーイ・ターザンメ……!』
複数の火球を発生、半数を自身の周囲に展開させ防御壁に使用。敵の攻撃を受け止めます。地形を凍らせる技も、この火球で相殺して溶かし対抗。
残りの半数は敵の周りを球状に囲む様に展開。移動を牽制します。
敵の動きが止まった瞬間を狙って、全ての火球を敵に向かって集束、焼き尽くします。前と同じ攻撃だけど、前より火力が上がってる。これならどうだ!



「そうか……炎を武装として操れば、冷気に対抗しながら攻撃出来る。そういう戦い方もあるのか……!」
 クリューラの戦いを見て、ラリーはハッとした表情になると大きな瞳を輝かせながら拳を握り締めた。
「ミームアリフ・ヘーア・ラーイ・ターザンメ……!」
 ユーベルコード『発火の呪文(イグナイトファイア)』を詠唱するが、全力で魔法を放つ為に更に拡大を意味する真言を加えた。
 詠唱が終えると、25個の純粋な魔力の炎が何時もより勢いが強くなっており、ラリーの周囲に展開させて来るであろう冷気に備えた。
「ヒューーーーッ!」
 雪原の雪を宙に撒き散らしながら氷雪の鷲獅子が立ち上がると、ユーベルコード『凍てつく息吹』を発動させ口から氷の息吹を吐きだした。
 しかし、ラリーは炎に守られている為、凍りつかなかったがその代わりに大地が凍りついて他の猟兵達は立っているのがやっとの状態にされてしまった。
「凍らせても、溶かすだけだ!」
 まだ残っている炎は地面の氷も雪も溶かし、残しておいた炎をラリーは氷雪の鷲獅子を囲むように放った。
「前と同じ攻撃だけど、前より火力が上がってる。これならどうだ!」
 炎は氷雪の鷲獅子を中心に収束し、骨の髄まで焼き尽くしそうな大きな炎に包まれた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・マジック
冷気を操るオブリビオンか。
この防寒コートがどれだけ役に立つか……、まぁ、気休め程度かな。本格的に凍えてしまう前に、オブリビオンを倒して暖を取るとしようか。

〇WIZ
 [属性攻撃]で炎属性のウィザード・ミサイルを大量に作り出し、炎で弾幕をはります。ただし、ミサイルは全て撃ち尽くさず、一定数を周囲に展開して温存し、冷気の緩和を狙います。
 最も警戒するのは氷のブレスで、兆候が見えたら口内にウィザード・ミサイルを放ち、出し切る前に攻撃して自滅を誘います。
 飛翔していて当てにくいと思いますが、[誘導弾]で補助エイミング、[フェイント]で動きを誘導して偏差射撃することで命中精度を高めます。



●かくして、仲間と共に
 ゴウゴウと身を炎で焦がしてもなお、氷雪の鷲獅子は鷲の様な翼を広げて宙へ舞い上がった。
 それをアリス・マジック(旅の手妻師・f00870)は、黒曜石の様な黒い瞳で見詰めながら分厚いコートの隙間から入ってくる冷気に体を震わせた。
「気休め程度でも無いよりかは、と思って着ていて正解だったね。凍える前に――」
 皮の手袋をした指で空に炎のルーン文字を描くと、ユーベルコード」『ウィザード・ミサイル』が発動した。
 アリスの周囲に炎で出来た105本の矢が冷たい雪原の雪を溶かすかの様に、ゆらゆらと蜃気楼で視界を揺らしながら生成された。
 バサッ、と氷雪の鷲獅子が翼を羽ばたかせながら身を焼いていた炎を弾けさせ、クチバシの間から冷気を吐き出そうとしていた。
「させはしないよ! ただでさえ、コッチは寒いのに……っ!」
 数本の炎で出来た矢を氷雪の鷲獅子のクチバシに向けて放つとアリスは、被っている帽子の間から濡れ鴉の様な黒い髪を靡かせながら駆け出した。
(炎の矢で少しはマシになったけど、アレの直撃はイヤだね)
 ヒュン、ヒュン、と炎で出来た矢を単発で少し間を開けながら放ち、氷雪の鷲獅子が冷たい息を吐かせぬ様にしながらも当てる。
 ワザと炎で出来た矢を外し、冷たい息を吐こうと隙が出来た瞬間にアリスが絶妙なタイミングで吐かれる寸前に、炎で出来た矢が口の中へ吸い込まれる様に撃ち込まれた。
 氷雪の鷲獅子の頭部が後ろへ吹き飛び、雪原に積もった雪を舞い上がらせながら墜落する。
「……っ! 手足が、かじかんで……もう少しなのにっ!」
 指先は震え、足は冷たいを越して痛くて凍った様な感覚になったアリスは、氷雪の鷲獅子が落ちた方向に視線を向けながら悔しそうに呻いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラリー・マーレイ
中々倒しきれない。手強いな……。
地の利が敵にある、これ以上長引かせるのはまずいかな。

防寒装備を再度確認。
防寒具に綻びは?冷気は防いでるか、体の動きを阻害しないか。
両手を動かして手袋の具合を確かめる。滑り落ちない様武器を握り直す。
足元の地面を確認。ブーツのスパイクはしっかり氷雪を踏み締めてるか。
マフラーを口元に。冷気を肺に吸い込まない様に調整。

「……決めるよ。」
UC【死点打ち】発動。加速の呪文を唱え速度を上げる。周囲の全てがゆっくり動いて見える。
アリスさんの攻撃で墜落した鷲獅子が再び飛び立つ前に一気に距離を詰め、今までの戦いで見切った急所にショートソードを深く突き刺すよ。
「これで……終わりだ!」



「中々倒しきれない。手強いな……」
 ラリーは憔悴しきった様子で氷雪の鷲獅子を、そのドラバイトトルマリンの様な焦げ茶色の瞳に映す。
「これ以上長引かせるのはまずいかな……」
 低く呻くように言うと、ラリーは防寒具を再度確認すると比較的無事であり、戦闘する際の支障が出ないと分かると次は手足だ。
(うん、こっちも大丈夫だな)
 両手をわきわきと動かし、まだ指先の感覚も動きを見てこくりと頷く。
 ギシ、とその場に足踏みをして足元の地面を確認し、ブーツのスパイクはしっかり氷雪をしっかりと踏みしめられる。
 それから、首に巻いていたマフラーをグイッと口元を覆い、冷気を吸いこまない様に調整した。
「……決めるよ」
 ラリーは決意をした表情になると、激しく鼓動する心臓を落ち着かせると氷雪の鷲獅子がゆっくりと、立ち上がろうとしていた。
「ペーザンメ・ヌーン・ターイ……!」
 ユーベルコード『死点打ち(クリティカル・ヒット)』を発動させながら、ラリーは氷雪の鷲獅子との距離を一気に詰めた。
 高速詠唱で詠唱は加速すると、頭部が吹き飛ばされた影響かまだ視点が定まらない氷雪の鷲獅子の前で跳躍する。
「これで……終わりだ!」
 ショートソードをしっかりと両手で握り締め、ラリーは氷雪の鷲獅子の急所に向かって貫いた――
 どさり、と雪原に糸が切れたかのように倒れ、冷たい風がゴウッと吹くと氷雪の鷲獅子の体の一部が雪の様に崩壊し始めた。
「本当に、終わったんだ」
 安心したラリーは、雪原に膝を着けると消えゆくオブリビオンをぼうっと見詰めながら呟いた。
 初めての依頼で、先輩の後ろ姿や技術を見ながらも自分なりに戦ったラリー。
 そのおかげで彼は、成長し、もう新人の肩書は不要な程に、立派な猟兵へと成長をした。
「でも、まだまだ強いオブリビオンは居る。俺以上の猟兵の背中はまだ遠いけど、何時かきっと」

 追いついてみせる――

 走り出した少年は、目標を新たに決めると1人で歩き始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月16日


挿絵イラスト