【サポート優先】猟書家決戦~賽の行方
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●|業《カルマ》求めし者
「機が熟した――とは、まさに今を言うのだろうね」
何の、と問われる前に、ウェズリー・ギムレット(亡国の老騎士・f35015)はその名を口にした。
「敵は、猟書家『クルセイダー』……いや、陰陽師『安倍晴明』に肉体を奪われた彼は最早、自らを『晴明クルセイダー』と名乗っている」
憑装した晴明にとって彼は“未熟”だったらしい。
容易く身体を乗っ取ると、クルセイダーのユーベルコード『超・魔軍転生』を使い、自身の尖兵たる生殖型ゾンビに魔軍将を憑装させたうえに、それを量産しようとまで画策している。
「彼が居るのは、サムライエンパイア上空に在る|魔空原城《まくうはらじょう》。
今それを、首塚一族の頭領の呪詛による鎖の力で地上に引きずり下ろしている。
――この意味が分かるね?」
討つなら、今しかない。
「まずは、魔空原城より群れとなって湧いて出る島原一揆軍勢との闘いになるだろう」
彼らはその異常なまでの信仰心によって、滅多なことでは揺らがないほどの高い士気を持っている。更には晴明によりゾンビ化も施されており、頭部や心臓を吹き飛ばした程度では討伐には至れない。
最早自我を持たぬ相手だ。慈悲など無用。完膚なきまでに屠るのみだ。
「次いで現れるのは、『晴明クルセイダー』を守護する魔軍将ゾンビ『上杉謙信』だ」
彼はかつて“軍神”と呼ばれていたときと同等の力と理性を取り戻している。
いかに猟兵とて、生半可な力と作戦では太刀打ちできぬ相手となろう。
「それらを倒した先……魔空原城の最奥“ぱらいそ礼拝堂”に、『晴明クルセイダー』がいるはずだ」
意識はほぼ晴明に乗っ取られてはいるが、肉体を動かすことは赦されているらしい。
|肉体《クルセイダー》と|霊体《晴明》による2回攻撃を仕掛けてくる相手に対するなんらかの策があれば、戦闘も優位に運べよう。
「決して油断のならない相手だし、無論君たちが油断をするとも思っていない。
それでも、今回ばかりは言わせてほしい」
――どうか、気をつけて。
そう言った老騎士の口端は、けれど勝利を確信した笑みを湛えていた。
西宮チヒロ
こんにちは、西宮です。
クルセイダー、そしてセイメイとの純戦シナリオとなります。
●3章プレイングボーナス
敵の「2回攻撃」を打ち破る方法を見出す
※敵は「PC様の使用するPSW」+「それ以外のPSW」計2種類のUCを同時に使用します。
※サポートプレイングでは当プレイングボーナスは発生いたしません。
●プレイング受付期間
サポート優先シナリオの為、基本的には随時サポート様を採用して進行いたします。
フォームが開いている間は通常プレイングも受け付けておりますが、突然閉まる場合もありますので予めご了承ください。
※タグでの受付期間の設定などはいたしません。
※途中から/一部章のみの参加も構いません。
※通常プレイングも極力採用しますが、時間の兼ね合いで流れる場合もございます。
申し訳ございませんが、重ねてご了承のほどお願い申し上げます。
第1章 集団戦
『妖魔忍者』
|
POW : 忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鈍色を帯びたサムライエンパイアの空に染む、ひとつの影――|魔空原城《まくうはらじょう》。
その頂、その最奥で座していた白の王が、微かに視線を上げた。
『やはり現れましたな。……されど、これもまた一興』
――振られた賽は、出目が分からぬから面白いのでございます。
鬼灯原・孤檻(サポート)
「この一刀は神罰。その首をもって贖うがいい」
罪を刀で斬る神。その特性上、無数の刀を生み出すことが出来ます。生み出した刀は基本消えません。
立ち回りは刀で斬ること。補助では黒い鎖と、フワフワと浮く謎の黒い布状の影のアイテムを使用します。
多少の状態異常は、毒を払う小刀を刺した鉄製の仮面と、肩に羽織った災厄を寄せ付けない着物で防ぎます。
本能的に罪を斬ろうと動くため、敵への心情の描写は薄くて構いません。
一人称は「俺」、クールというよりは朴訥で不器用です。
戦闘シナリオに出して頂けると嬉しいです。エログロは苦手です。
書いていない部分は全ておまかせします。
ご縁がありましたらよろしくお願いします。
✧ ✧ ✧
静寂を感じたのも、僅か一瞬。
その唯ならぬ気配を感じたのだろう。無言で立ちはだかっていた城門が突如開かれると、闇色の忍び装束に身を包んだオブリビオンたちが堰き止められていた水流のように溢れ出し、瞬く間に鬼灯原・孤檻(刀振るう神・f18243)を取り囲んだ。
だが、男はさして動じることなく、己へと殺意を向ける嘗ての島原一揆軍らを一瞥する。
屍人と化してもなお感じられるほどの士気を帯びてはいるが、その眼窩に光はない。彼らの裡に在るという揺らぎなき信仰心すら、余所から注がれた紛い物に過ぎぬ。
偽りに塗れた存在に、けれど孤檻は砕く心を持ち合わせてはいなかった。
本能的に罪を斬らんとする男にとって、今此処に在る罪とは、彼らが己を阻むことではない。戯れに命を弄び、人に仇成す白き屍王のその所業。
――故に、断つ。
「この一刀は神罰。その首をもって贖うがいい」
孤檻が柄に手を掛けたと同時、忍者らもまた一斉に地を蹴った。
男の頭上、薄墨の空に無数の黒が広がり、まるで群がる蟲のように襲い掛かったそのとき、一際強い閃光が爆ぜた。
刀一振りで呆気なく塵となり、幾つもの忍者の姿が四散する。その塵屑ひとつが地に落ちる前に、孤檻は返し刃で次の切っ先を跳ね返すと、片足を軸に身を反転させ、背を穿たんと忍者刀を振り翳していた一刃よりも先んじて上段から刀を一気に振り下ろした。
男の手の裡にあるのは、今し方生み出した一振り。相対するのが死に属する者ならばと、聖なる光を纏った太刀だった。
群れとなって襲い来る忍者らの、その仮初の骨肉を断ち砕くたび、幾重にも生まれる太刀筋。
それは揺るぎなき光芒となり、ひとつ、またひとつと、闇を、罪を、討ち滅ぼしてゆく。
成功
🔵🔵🔴
司・千尋
連携、アドリブ可
信仰心ねぇ…
ヒトは気持ちで強くなるから不思議だよなぁ
まぁ俺には関係ない話だけど
装備武器も使いつつ『翠色冷光』で攻撃
範囲攻撃や2回攻撃など手数で補い
回避されても弾道をある程度操作して追尾させる
範囲外なら範囲内に入るよう位置調整
敵の数を減らす事を最優先で行動
範囲内の敵は全て攻撃する
ゾンビ化って面倒だよなぁ…
まぁ動かなくなるまで全部ぶっ飛ばせば良いんだろ?
敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や防御、迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
見切りや第六感で敵の動きを予測し
極力30cm以内に近付かないようにする
青い軌跡を描きながら戦場を迸った光弾が、連なる忍の身体を串刺しに貫通しながら、その奥先で霧散した。
忽ち襤褸のように崩れ落ちる姿を見留めることもせず、司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)は次の群れへと狙いを定める。
聞けば、彼の者らには信仰心があるという。
骸の海に落ちても尚消えぬほどの想いとは、如何ほどのものだろう。それが人も、人で在ったものも強くするのだから不思議なものだ。
(――まぁ、俺には関係ない話だけど)
千尋の両の指先から伸びる糸に繋がれた呪術人形も、それを繰る彼自身も、元を正せば“モノ”であり“ヒト”ならざる身。歳月を経て人の形を取った今でも、心や想いなどといったものはどこか余所事だ。
流れるような所作で操る、宵と暁と名づけた人形が舞うように揺れた瞬間、再び青光が爆ぜた。黒蟲のように群れていた処へと浴びせた凍てつくほどに透いた翠光が、瞬く間に屍人らを飲み込み屠ってゆく。
それでもまだ沸いて出る様に、千尋は露骨に嫌気を孕みながら嘆息した。
「ったく、ゾンビ化って面倒だよなぁ……」
厄介なことをしてくれたと、『晴明クルセイダー』などと名乗る輩を思い描く。
頭部や心臓を吹き飛ばした程度では死なぬ身体に、揺らぐことのない信仰心。それがこうも無尽蔵に沸いてくるのだから、質が悪い。
だが、言うほどに千尋の顔に悲観の色はなかった。緩く口角を上げると、今にも迫り来る敵を見据えて双眸を細める。
「まぁ、動かなくなるまで全部ぶっ飛ばせば良いんだろ?」
考えるまでもない、それは至極簡単な答えだった。
男は躊躇うことなく幾つもの光弾を放ちながら、それを潜り抜けて来た輩には咄嗟に、オーラを纏わせ強化した|光線盾《鳥威》を展開し闇刃を阻む。懐には決して潜り込ませやせぬと、間断なく攻防を繰り返す。
手数を増やして穿ち、躱し、防ぎながらのこの状況を、人ならばなんと思うだろう。
積み重なる疲労。終わりの見えぬ闘い。
それらが喚ぶのは、悲観か、はたまた絶望か。
だからこそ、人ならざる男は嗤う。
「そう、関係ないからな――俺には」
心で奮い立つのが人ならば、心に惑わされぬのが物であろう。
――つまりそれは、この戦場において、千尋が圧倒的な強者であることを意味しているのだ。
大成功
🔵🔵🔵
クロエ・ボーヴォワール(サポート)
「カネならありますわよ~!」
◆口調
・一人称はわたくし、二人称はあなた様。典型的なお嬢様風
◆性質・特技
・好奇心旺盛にして仕事熱心
・実はゲテモノ料理好き
◆行動傾向
・ボーヴォワール社の持て余した圧倒的カネの力にモノを言わせ、万事解決を目指す
・法すらカネで買い取る自由奔放すぎる性格であるが、ノブレスオブリージュの精神に則り他者の為ならば才と財を惜しまない(混沌/善)
・猟兵としての活動は異世界を股にかけたボーヴォワール社の販路開拓と考えており隙あらば自社製品を宣伝し、「実演販売」に抜かりはない
・教養として体得したシンフォニアとしての技術をビジネス話術にも応用する
・細かい仕事は老執事セバスチャンに一任
自らを包囲する忍の姿に動じることなく、クロエ・ボーヴォワール(ボーヴォワール財閥総裁令嬢・f35113)は凜とした声を響かせた。
「あらあら……よってたかって、一人の女性を嬲るおつもり? ――あまりスマートとは言えませんわね」
言いながら、緑の双眸を細め、まるで品定めをするかのように視線を巡らせる。
(“異常なまでの信仰心による、高い士気”、ね……)
生前ならば、彼らにも闘わざるを得ぬ理由、もしくは自ら闘わねばと思えるほどの想いがあったのだろう。
ただ、それも過去のことだ。骸の海へと堕ち、そして再び異形となって現れ弱者を脅かさんとする彼らは、最早クロエの――ボーヴォワール社の“顧客”には成り得ない。
――ならば、すべきことは明確だ。
忍の群れが動くよりも一拍早く、そう結論づけたクロエが動いた。
突如現れたのは、無数の金貨。己の周囲を巡るそれを一瞥しながら、娘は優美に微笑み――叫んだ。
「本日お見せいたしますこちらのお品はボーヴォワール魔法蒸気技術株式会社製の蒸気機関式拡声器!」
淀みなく済んだ声音が、文字通り屍人らに“命中”した。興味はないだろうに脚を止め、クロエへと好意的な視線を向ける。彼らの生み出した幾つもの鬼火は、主からの指示を待ち、ただ戦場に灯りを点すばかりだ。
「なんとこのように私のようなか弱い声でも明瞭度抜群しかも音量音域はスライドバーで任意に調整可能! しかも――」
瞬間、娘を慕うようにその周囲を巡っていた無数の金貨が、一斉に忍たちへと襲いかかった。小さくも固いそれは弾丸となって、既に朽ち始めている屍人の身体を穿ち、貫ぬいてゆく。
男たちの呻き声や断末魔とともに、終ぞ娘に触れることも叶わなかった鬼火もまた、ひとつ、またひとつと命を終える。
そのただ中で、クロエは肩に掛かる艶やかな金糸を手で軽く払いながら、
「こうして戦闘の実践成果も出ておりますの。お買い得ですわよ? ――って、あら」
効果絶大のようですわね、と。
物言わぬ屍の海を見下ろしながら、極上の微笑を浮かべた。
成功
🔵🔵🔴
マロン・ビネガー(サポート)
◎連携・アドリブ歓迎
知的好奇心旺盛で少し不思議+ひんやり系な性質の僕っ子。思考は理系寄り
戦場ルールと他者の意志は尊重する方
現地住民や先輩には「礼儀作法」で丁寧な対応を心掛ける
◆戦闘傾向
エキセントリック+トリックスター
属性魔法や精神攻撃/誘惑、地形の利用等で撹乱するタイプ
主な得物は蓬莱の玉枝orレイピア、弩
技能は主に「天候操作」、
特に雨・雪系を好む
攻撃系UCに合わせて「電撃」+「貫通攻撃」、
回復系UCに「浄化」を載せる等
勝利の為なら代償・取引系UCも躊躇いませんが
保護対象や共闘する方々を攻撃に巻き込む事は極力避けます
必要なら「結界術」等で防御、場所感知等
臨機応変に支援行動も可
後は基本お任せです
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』
故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師
昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ
実はシルバーレイン世界の同位体である自分と融合していたことが判明
三角定規型詠唱定規の二刀流で戦う様に
アドリブ・絡み・可
記憶がない、という面で言えば、偶然居合わせたマロン・ビネガー(夢幻輝夜の月帝姫・f37213)も鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)も、同じであった。
だが、それも些末なことだ。|銀の雨降る世界《あのころ》の記憶が曖昧だろうと、今のこの身が識っている。――闘い方も、その理由も。
「なんか|前《・》にも居たような気がしませんか? こういうの」
「ああー……言われてみればそうかも?」
リビングデッドという存在は記憶の靄に掛かっていようとも、どういう類いの敵かは見れば分かる。だからこそ二人は、他愛のない会話をしながら既に戦闘を開始していた。後方に成美が、そして前方に位置取ったマロンが蓬莱の玉枝を空へ掲げる。
口ずさむのは、言の葉か謳か。
囁くように喚んだ雨雲が、瞬く間に上空を覆った。無数に生まれた雨粒が冷気を孕んで雪となり、戦場を一瞬にして真白に染める。
「さ、寒……!」
「少しは我慢してください、先輩」
恐らくは成人済みだろうとふんだマロンがそう笑ってみせれば、成美もまた瞳を細め――視線を移した先の敵へと口角を上げた。
視界は白で覆われている。
だが、手許から流れ出た陰陽の気は、確かに戦場の四方まで行き渡っていた。だからこそ、白の隙間にちらちらと見え隠れする忍の影が、抗うことすらできず雪魔法を浴び続けているのだ。八卦炉結界に囚われたが最後、美しく燦めく残酷な冷花から逃れる術はない。
次々に肉片を零しながら崩れ落ちていく屍人の合間を縫うように駆けながら、成美は愛用の二種の巨大詠唱三角定規を繰り出し敵影を減らす。敵も気流を扱うと聞くが、身動きできねばどうしようもない。思いのままに動かせるという鬼火すら、為す術もなくただ雪に塗れ成美の一閃に断ち割かれ、音もなく消失していくばかりだ。
それでもまだ起き上がってくる影へと軽く嘆息したマロンが、成美の背へと声を掛けた。
「頭部や心臓を吹き飛ばした程度じゃ、駄目なんでしたよね?」
「そうだけど……?」
言って、振り向いた視線の先。娘の手の裡にあるのはフラスコ生命体――赤蠍。
「まさか……!?」
「はい。――行っておいで」
透明なフラスコが傾けられた途端、血色が爆発的に増殖した。見る間に飛び出し白に混ざり、忍らの身体を伝い、尾節から伸びた毒針を腐った肌へと突き立ててゆく。
「はは……豪快だね」
「先輩が拘束してくれたお陰です」
娘と男。見た目の年齢も大きく異なるふたりの、他愛のない会話。
それをほかに聞く者は、もう誰もいなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『軍神『上杉謙信』』
|
POW : 毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 毘沙門刀車懸かり
対象の攻撃を軽減する【回転する12本の『毘沙門刀』】に変身しつつ、【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
イラスト:色
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大宝寺・朱毘
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
アイドルでありロッカー。
ロック(漢気があるとほぼ同義)な様を好み、「ロックだ」と感じれば味方はもちろん敵でも賞賛することがある。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は黒いボディに炎の模様が入ったギター『スコーチャー』
演奏によって音の爆弾や衝撃波を生み出してぶつけるという戦法を好む。
必要なら演奏を続けつつ蹴りなども行う。
冒険では、魔力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「いいね、ロックじゃん」
「こっちゃ世界の命運背負ってんだよ!」
|魔空原城《まくうはらじょう》の城門を突破し、中層へと駆け抜けた猟兵たちを阻んだのは、紺白の鎧に身を包んだ武将――上杉謙信だった。
『変形・車懸かりの陣でも太刀打ちできぬとはな……少々、戦力を……いや、貴君らの可能性を見誤っていたか』
独り言ちながら一歩、また一歩と距離を縮める様は、自然体のようでいて一分の隙もなかった。両の手に握る黒と白の二刀の柄が、ちき、と鳴る。
「へぇ……お前が謙信か。勿論、簡単に通してはくれないんだよな?」
『そういう貴君こそ、闘わずして通る気は見受けられぬが?』
「ははっ! ――流石“軍神”。分かってんじゃん」
一番に躍り出た大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)は、そう言って眼鏡の硝子越しに、闘気を孕んだ双眸を細めた。愛器――黒に炎の彩られたエレキギターを構え、その弦へとピックを添える。
『女子供とて容赦はせん。……だが、貴君のそれは琵琶……いや、三味線か? 楽器で闘うとは面妖な』
「こいつはあたしの相棒の“スコーチャー”。折角のアリーナ席だ。――お前には最高のサウンドを聴かせてやるよ!」
弦を弾いたと同時、周囲の景色が一変した。
大広間はスタンディング型のライブハウスに、揺らぐ炎の灯りは煌びやかなスポットライトやレーザー照明に、周辺の家具はアンプやスピーカーへと見目を変える。流石のオブリビオンとて、全く異なる文明に塗り替えられた景色を前に、微かな狼狽の色を浮かべた。
その隙を逃す朱毘ではない。
細やかながらも力強い弦さばきで紡がれた音が、目に見えぬ衝撃波となって謙信一瞬にして喰らった。躱す余裕など与えるきは毛頭ない。ここを突破し、最上階にいる晴明クルセイダーを屠らねば、次に奴を討てる機会がいつになるとも知れぬのだ。
名の通り、焼け焦がすほどの熱を全身に浴びた軍神は、暴風に散る葉の如く後方へと吹き飛ばされた。それでも尚、朱毘は奏でる手を止めはしない。
だが、敵とてそう易々と倒れる相手ではなかった。軍神と呼ばれし頃の力と知性、それに加え屍人としての強靱な肉体を持ち得た謙信は、幾重もの音波の衝撃を受けながらもその身を起こし、戦場に仁王立ち朱毘を見据える。
『中々の腕前……そう来なくてはな!』
発した声と共に生まれた覇気が、朱毘へと放たれた。無意識に粟立つ肌。武人としての誇りと強さが、確かにそこに在った。 謙信の周囲を舞う12本の毘沙門刀が、一斉に朱毘へと切っ先を向ける。
『私は、魔軍将として主に此処の護を任されし者。……主の信に応えるべく、我が義に賭けて、この場を明け渡す訳にはゆかぬ』
その意志と共に生まれた氷の津波。己の身丈を優に超えるその氷塊が迫り来る中、朱毘は歓びのままに口角を上げる。
「あははっ! ――いいね、ロックじゃん」
嫌いじゃないぜ、お前みたいな奴。
言って、好意と闘志を浮かべた女の眸がぎらりと光った。
大成功
🔵🔵🔵
司・千尋
連携、アドリブ可
軍神か…
こっちは単なる一兵卒だからお手柔らかに頼むよ
手加減してくれても良いんだぜ?
装備武器も使いつつ『翠色冷光』で攻撃
範囲攻撃や2回攻撃など手数で補い
回避されても弾道をある程度操作して追尾させる
範囲外なら範囲内に入るよう位置調整
見切りや第六感で敵の動きを予測し
12本の刀に当てて攻撃をずらし
隙を突いて謙信を狙う
敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や防御、迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
クルセイダーって晴明に乗っ取られてるんだろ?
お前はどっちの手下になるんだ?
…まぁどっちでもやる事は変わらないけど
激しいサウンドの響く中、謙信の|眼《まなこ》からは未だ光が消えることはなかった。己が放った氷の津波が消えた跡に見えた人影を、探るように見据える。
「軍神か……こっちは単なる一兵卒なんだ。お手柔らかに頼むよ」
『……それは貴君の本心か?』
「ああ。なんなら手加減してくれても良いんだぜ?」
『――ハッ。笑止』
言い捨て、謙信は口端を微かに上げた。無論、眼は笑ってはいない。それどころか、まるで見透かすようですらある真っ直ぐな眼差しを、司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)へと向ける。
得も言われぬ威圧感が、千尋の肌をひりつかせる。一歩、また一歩と、秒針よりも緩やかな歩調だのに、一足飛びに近づいてくるような錯覚さえ覚える。
こういうとき、"ヒト”ならば恐怖を感じるのだろうか。こんなときでさえ浮かんだ思考を、謙信の低く張りのある声が遮った。
『貴君のその言葉さえも、まるで他人事のように聞こえるが……如何か?』
一歩。
男の背後で、様々な属性を孕んだ十二の毘沙門刀が静かに展開する。
『慎重故の警戒心でも非ず、真に実力差を感じての懇願でもない。……貴君からは“心”を感じぬ』
一歩。
毘沙門刀のすべての切っ先が、千尋を捉えた。主の命を待つかのように、そのまま微動だにしない。
「……お前に答えてやる義理はないよな?」
『確かに。――だが、この謙信、如何なる相手にも手加減はせぬ……!』
瞬間、その場から軍神が消えた。否、彼の眼前へと出た毘沙門刀の群れが、その姿を隠したのだ。
気づけば相応の近距離まで詰められていた間合い。そこ一気に迫り来る刃の群れに、千尋も咄嗟に|鳥威《防御壁》を分裂展開する。
「……ッ」
鋭い鋒に貫かれた幾枚かが硝子のように光を零しながら砕け散った。すかさず穴を埋めんと新たな壁を展開しながら、千尋は脇腹の激痛に柳眉を寄せる。
その隙を狙って襲い来る最後の一刃を、仲間の放った弾丸が直撃した。軌道を逸れた剣はそのまま戦場を駆り、宙へと消失――気づけば再び謙信の背後に佇んでいる。
(オーラ防御で耐久性上げててもこれか……! ははっ……さすが軍神……本当に手加減して欲しいくらいだ)
そう思っても、千尋に焦りの色は見えない。“見せる必要がない”から、見えぬのだ。男が表に出そうとしなければ、彼の|顔《かんばせ》には何の|彩《いろ》も浮かびはしない。
一瞬だけ仲間と交わった視線で、互いのすべきことを察した千尋が双眸を窄める。
「なぁ、軍神さんよ。クルセイダーって晴明に乗っ取られてるんだろ? なら、お前はどっちの手下になるんだ?」
『……それも、本心で知りたいと思っているわけではないのだろう?』
勿論、と心中で即答する。
会話を愉しめるような相手ではないことは十分分かっている。だからこそこれは、回避、防御、迎撃――この先の展開を予測し、思考と身体を備えるための時間稼ぎに過ぎない。
最悪、|双睛《懐鏡》で防御もできるが、自身しか護れぬそれは本当に最終手段だ。
「……正解。まぁ、どっちでもやることは変わらないけど――な!」
最後の一音を引き金に、一瞬にして周囲を万彩が埋め尽くした。
『ッ、これは……花!? 否……折り紙、だと……!?』
戦場の視界を瞬く間に奪ったのは、仲間の繰り出した無数の折り鶴や折り花。
敵の僅かな動きの乱れに、千尋が分かりやすく口角を上げた。短く息を吸い、指先の糸を繰り、|熒惑《呪術人形》を眼前に据え――ヒトならぬモノに命を下す。
途端、強い光条が戦場に迸った。
人形の口許から放たれた光弾が、青い軌跡を描きながら、まずは群れる毘沙門刀を穿った。その影で体勢を崩す男の姿を、ヤドリガミたる男は見過ごさない。
「――律儀すぎるんだよ、お前の動き」
射程範囲は常に確認しているし、なにより謙信の挙動パターンは既に見切っていた。次に移動するであろう立ち位置を先読みし、弾道をねじ曲げる。
正面から蒼き光芒に貫かれた軍神の、絶叫にも近しい耳を劈くほどの咆吼が、戦場を震わせるほどに響き渡った。
大成功
🔵🔵🔵
春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。
基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。
シリアス以外ならいたずら好きの面も。
ヤドリガミと軍神。
その二人の神を後方から見守っていた春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は、語られる敵の言葉がこちらを惑わせんとしたものではないことを察していた。仲間の男の本心は分からぬが、答える代わりに敵から視線を逸らさぬ彼と対峙した軍神の双眸に濁りはない。
だが、だからこそ末恐ろしい。その視線にひとたび捉えられれば、すべてを見透かされてしまいそうで、遙は静かに息を飲む。
手加減はせぬ、と発した瞬間、瞬く間に距離を詰めた謙信の毘沙門刀が仲間を襲った。
瞬時に展開された防御。それを掻い潜った最後の一刃へと、遙が咄嗟に弾丸を放つ。鋭い金属音を響かせながら軌道を逸れた剣は、戦場の果てで消失したかと思えば、いつの間にか再び謙信の背後に佇んでいる。
その僅か一瞬に交した視線で、遙は己がすべきことを理解した。
機会は恐らく一度きり。仲間が生むはずのその一瞬を、逃しはしない。
(――今!)
空気の変化を感じ取った遙が、迷わずユーベルコードを紡いだ。
瞬間、周囲を万彩が埋め尽くす。
『ッ、これは……花!? 否……折り紙、だと……!?』
此処を勝たねば、この先に居る大将を打たねば、想像だにできぬ厄災が人々に降りかかる。己に闘う力が然程ないことは自分自身が最も知っている。
それでも、この身がどれ程に傷つこうとも、それだけは退けんと誓う強い意志が、遙の散らず褪せぬ紙鳥と紙花をより一層強くする。
軍神の鍛え上げられた腕でもっても払えぬほどに、鳥と花は力強く美しく戦場を舞い躍り――そうして、仲間の放った青い光条が、その屈強な肉体を真っ向から貫いていった。
成功
🔵🔵🔴
ウルスラ・ロザーノ(サポート)
いつもテンション高いとは言われるなー、確かに誰に対してもフレンドリーな対応しようと心掛けとる
といっても銀誓館の学生時代から能力者をしてきたんでな
救えるもんはできるだけ救う、でも倒すべき敵は必ず討伐すべしっちゅー方針や
戦法はヒット&アウェイ型、戦場全体を広く利用して戦うで
基本は中距離
レーザービット射撃やナイフの蹴り込みで牽制しつつ、
エアシューズで、地上は高速で駆け回り、空中も地形とか足掛かりに利用して軽業のように跳ね回るよ
敵からの攻撃は、すべて見切って受け流したりの回避で凌ぐよ
攻め込む機会を見つけたら奇襲を仕掛けるで
一気に接近して、蹴撃やその斬撃波を叩き込む!
サッカーボールのシュートは必殺技や!
シャルファ・ルイエ(サポート)
何をお手伝いしましょうか?
オラトリオなので空が飛べるのと、歌うことで魔法を使ったり、動物とお話して協力して貰ったりすることが出来ます。
具体的には、上空からの俯瞰や動物との会話での情報収集、戦闘なら仲間の怪我の治療やちょっとした支援、遠距離からの攻撃や範囲攻撃が得意です。
説得が必要だったり出来るような相手の場合は試みてみますけど、それが出来ない相手なら、戦う事も割り切ります。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵さんに迷惑をかける行為はしませんし、依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
よろしくお願いします。
猟兵なら誰しも分かる、それは好機だった。
双眸を見開き、弧を描いた口端から八重歯を覗かせながら、ウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)は素早く床を蹴った。
さすがの軍神も、これまで幾度となく喰らった攻撃によって心身ともに消耗してきてるのだろう。仲間の攻撃によって吹き飛ばされた上杉謙信は、未だ身を起こしきれてはいない。
「その隙がありそに見えとんのも、まさか油断させよなんて魂胆やないねんな?」
尋ねはするが、端から答えは期待してはいない。寧ろ、女は確信を得ていた。
義に厚い故に、こちらの問いには答える男の、その“答えがないこと”がすべてを物語っている。
敵がいくら衝撃で舞い上がった粉塵に塗れようと、優れたウルスラの視力からは逃れられはしない。的確に居場所を見定めると、まるで縮地が如くエアシューズで|空《くう》を蹴り、それまで意図的に取っていた間合いを一足飛びに詰める。
『クッ……またその珍妙な珠か……!』
蹌踉けながらも立ち上がった謙信が、ウルスラの展開したレーザービットを睨めつける。その眸にはまだ、諦観の色はない。
次なる一手を先読み、毘沙門刀そのものに身を転じた男が、12本に分裂した自身を急速回転させ喚んだのは風だった。
忽ち生まれた豪風を、ウルスラ目がけ一直線に放たんとした毘沙門刀が――そのとき、止まった。
戦場一帯に響き渡る、流麗な歌声。頭上から降り注ぐようなその旋律が、一瞬にしてあたりの景色を一面の花畑へと変えた。
柔く風に揺れる、白い霞草。そのあまりにも美しく穏やかな風景は、軍神とて足を止めざるを得ない。
本来の謙信ならば、反射的にでも反撃をしたのだろう。だが、それは叶わない。シャルファ・ルイエ(謳う小鳥・f04245)の澄んだ歌声に聞き惚れてしまったが最後、その音色に浸り、まるで夢を見るかのような心地にならずにはいられない。
『そなたの、その白き翼……天女、いや……|天使《エンゼル》……?』
朧な謙信の問い掛けに、シャルファは唯、澄んだ青い眸を柔らかく細めた。大きく広げた翼がひとつ羽ばたけば、血塗れの戦場へと白い羽根が舞い落ちる。
瞬間、空気が轟いた。
「おーきに、シャルファ!」
「いいえ。――後はお任せしました、ウルスラさん」
「まっかせとき!」
『ま、まさか……!』
驚愕の色を浮かべながら眼を見開く男へと、シャルファは清かに微笑む。
攻撃までの時間を稼ぐだけではない。その翼でもって視界を覆い、仲間の姿を隠したのだと気づいたときには、もう男の結末は定まっていた。
治癒ばかりしていた様から、攻撃は仕掛けてこないとばかり思い込んでいた。
否、今のも攻撃ではない。武力を行使するだけが闘いではないのだと、女は身を以て証明したのだ。
そうして、男は悟る。ここで命果てるのだと。
ともすると、最初から決着は見えていたのかもしれぬ。彼らの可能性を見誤っていた、あのときから。
「最高のゴラッソ、蹴り込んだるで!」
十分に溜めたガッツを、振り上げた脚に注ぎ込む。
そうして蹴り放たれたボールが――ウルスラの超必殺と呼べるシュートが軍神に炸裂し、その四肢諸共すべてを吹き飛ばした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『憑装猟書家『晴明クルセイダー』』
|
POW : 十字槍「人間無骨」
【十字型の槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【体内の骨を溶かす光線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 憑装侵略蔵書「ぱらいそ預言書」
【預言書に書かれた未来の記述を読むことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 『魔軍転生』秀吉装
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:kawa
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ
全員リクエストによる、各シナリオへの救援プレイングです。
長らく滞っていたり人手が足りてない時など、ご自由にご利用ください。
アレンジ、アドリブ、連携歓迎。自作PBWも採用歓迎です。
ユーベルコードも指定外の、公開中から適当なものを使用してもらって構いません。
HAHAHA!
グリモア猟兵殿の要請に応じて参上デース!
お困りのようデスネー? ドントウォーリー! ワタシが手伝いマスヨー!
アタック、ディフェンス、他の方への支援! おまかせくだサーイ!
白兵戦、射撃戦、集団戦もボス戦もオーライ!
冒険の踏破や日常への奉仕活動も得意であります!
|臨機応変に対処可能《好きに動かしてOK》デース!
よろしくお願いしマース!
狼姫・黒
口調は寡黙気味。~だ、だろう等で、!はあまりつく方ではない。
ユーベルコードは所持する他のモノを使用しても構わない。
呪詛により剣を形作り、口に咥え――敵を相手にするのなら、退魔神器と成して血気盛んに挑もう。
俺よりも小柄な者が傍にいて、背に乗せたほうが効率が良いなら背中は貸せる。
近年、引き篭もりの|番犬《ケルベロス》でもあった。
……運動不足だが、鈍ったつもりもない。
状況に合わせ、UCを扱うぞ。
戦闘外だというのなら、俺は『のんびり』した空気を好む
尚、戦闘中なら攻撃的だ
会話好きのマイペースでな。
ヘリポートよりやってきた『無知』に近きモノかも知れないが。
尾くらいなら振って気前よく聞いてやらなくもないぞ。
|魔空原城《まくうはらじょう》――その最奥、ぱらいそ礼拝堂に在った影は、唯ひとつだった。
集った猟兵の誰しもが瞬時に悟る。問わずとも分かるその姿こそ、此度の首謀者。幾度となく対峙したオブリビオンのそれであった。
だが、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は敢えて問う。
「ハロー! アナタがクルセイダー……いえ、晴明クルセイダーデスネ?」
『これはこれは……猟兵の方々がわざわざ斯様な場所までお越しくださるとは』
問いへの答えはなく、男は言いながらゆっくりと一歩前へ出た。右手に持つ十字の槍から、微かな金属音が洩れる。
問うたバルタンも口端を上げた。元より、返事なぞ期待してはいない。このやり取りも挨拶程度のものだということは、相手も承知しているはずだ。
『……して、此処には何をされに? よもや、私の邪魔をしに来たなどと妄言を吐きますまいな?』
「HAHAHA! ――勿論、“Yes”デース!」
バルタンが得意気に微笑んだ瞬間、あたり一面が一瞬にして煙った。
給仕服姿の女も、他の猟兵たちも、周囲の景色すら瞬く間に灰色に飲まれていくが、晴明クルセイダーの顔色は微塵も変わらぬままだった。
そしてそれはまた、バルタンも同じ。
(お相手も重々承知デショウケレド……!)
煙幕なぞ、端から驚愕させるためのものではない。それに敵はあの晴明だ。|パイルバンカー《この獲物》を見れば、接近戦に持ち込まんとする此方の意図も知れていると思った方が良い。
それでも、バルタンは戦場を疾駆した。煙に紛れ、一気に距離を詰める。
『悪あがきですか……無駄なことを』
そう笑みを湛えると同時、男が手にしていた十字架の描かれた本が宙に浮いた。自ずと頁が繰られてゆき、特定の場所で止まる。
『――ほう、其方からですか』
紙面を一瞥した男が、視線を上げた。正面に未だ塗れた鼠色へと向かい、十字の金槍を大振りに横に薙いた途端、なにかが砕け散る音と緋色の燦めきが四散する。
己の攻撃が読まれても、狼姫・黒(漆黑バーチカル・f40925)は揺らがなかった。
近年は引き篭もっていたし、なにより猟兵に成り立ての身だ。憑装猟書家なる強敵に、そう易々と一撃与えられるなぞ思ってもいない。
だが、それは諦める理由にはなり得ない。
黒は、名の通りの艶やかな毛並みを靡かせながら煙を切って駆けた。出現場所を悟られぬよう立ち位置を変えては緋色のオベリスク群を展開し、各々を意のままに操る。そうして幾つも生まれては破壊されてゆくオベリスクを、それでも黒は生み続けた。
『初めて見るものでしたから、どのようなものかと思えば……斯様な脆いもの、私に傷ひとつつけられますまい』
美しい造形の顔立ちから、煽るような笑み声が洩れる。が、黒の双眸も僅かに窄んだ。
「――いつ、|オベリスク《それ》が攻撃手段だけだと言った?」
『まさか……!?』
「狼姫サン、ありがとうございマース! ――油断大敵雨あられデース!」
煙を掻き切り、不意に現れたバルタンに、晴明クルセイダーの双眸が見開かれた。眼前に構えられたパイルバンカーを、躱せる術は最早ない。
『グァッ……!!!』
至近距離から放たれた杭に腹を貫かれた晴明クルセイダーは、勢いのまま後方へと吹き飛んだ。それを追った黒もまた、高く跳躍して一気に肉薄すると、咥えた呪剣で血塗れの傷口へと追い打ちを立てる。
一気に劣勢へと持ち込まれた男は、腹から洩れ止まぬ血を手で押さえながら、やおら立ち上がった。怨恨を帯びた眼差しで、ふたりを睨めつける。
『あの煙では……相手を視認できぬのは、其方も同じだったはず……』
「残念デシター! 狼姫サンのオベリスクのひとつが、常にアナタの頭上にありマシタヨー?」
初手から意図に気づいたバルタンが、そう言って黒へと笑みを向ける。
「俺のオベリスクは偵察も可能だ。覚えておくんだな」
――次があればの話だが。
そう言って男を見下ろした黒は、紛うことなく勇猛な|番犬《ケルベロス》であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ウルスラ・ロザーノ
歴史上の有名人が、こんなド外道とか変な姿形になっとるのは見たくなかったわ
とっとと骸の海とやらに帰したる!
モーターを全力で回して、エアシューズを全速機動
まずは様子見風に礼拝堂の中を駆けまわるよ
速度が乗れば、壁や天井だって走れるんやで?
秀吉たちが襲い掛かってくるんなら、スピードで距離を離しつつナイフ群を蹴り込んで迎撃や
モーグルのエアリアルみたいに、身体の捻りとかも入れながら晴明に接近!
ダンスのような、戦闘で見せるには毛色の違う身のこなしで、槍の突きは回避するで
全周に広がるレイヴ波動は、予知できるとしても避けられん!
ほんの少しでも奴の想定外の動きを取らせればええ、隙に全力の蹴撃を叩き込んだるわ!
司・千尋
連携、アドリブ可
身体を奪われるとか操り人形みたいだな
こういうのが哀れって言うのかね?
攻防は基本的には『子虚烏有』を使う
範囲内に敵が入ったら即発動
本体も近くにいるなら範囲内に入るように位置調整する
近接武器や投擲での攻撃も混ぜたり
死角や敵の攻撃の隙をついたりフェイント等を駆使
確実に当てられるように工夫
片っ端から消失させてやるぜ
召喚された豊臣はなるべく早く倒したい
鳥威で攻撃を防ぎつつ優先的に狙う
数の暴力が一番厄介だからな
敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や『子虚烏有』で迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
無理なら防御
仲間の作り出した勝機を繋がんと、身を屈めていたウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)がエアシューズのモーターを全開にし、力強く地を蹴った。機械音とともに一気に身体ごと加速する。
本来の彼ならともかく、大きく負傷した晴明クルセイダーには、広い礼拝堂を縦横無尽に駆け巡るウルスラの姿は到底捉えようがなかった。即時に反応しない様を見てそれを悟ると、女は更に風に乗る。
それがウルスラの準備運動めいたものでもあると察した司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)は、自身も|鳥威《ビームシールド》を手早く展開した。細かく分裂させたそれを四方へと張り巡らせ、更にはオーラの膜を張る。
「身体を奪われるとか操り人形みたいだな。……こういうのが“哀れ”って言うのかね?」
誰へともなく独り言ちながら、嘗てクルセイダーと呼ばれた男を見遣った。見目に変わりはないが、自我も野望も食われてしまった今の有様を“哀れ”と言うならば、ヒトならざる己でも少しはその意味も察せよう。
“人形”を繰るという、唯その一点のみで言うならば、己と晴明は同じなのかもしれない。
だが、|飾り紐《モノ》たる身であるからこそ、|人形《モノ》へ思うところは少なからずある。が、晴明にそれがあるとは思えない。それが、ふたりの男の決定的な差異であった。
『……ッ、召されよ、“魔軍転生”秀吉装……!』
『フェーン! フェンフェン!』
「ちょっ、あれが秀吉なん!?」
トップスピードに乗らんとしていたウルスラが、思わず双眸を見開いた。晴明も大概だが、秀吉と呼ばれたそれは人ですらない。黒く丸みを帯びた身体に円らな瞳は、正しく小動物だ。
「はぁ……歴史上の有名人が、こんなド外道とか変な姿形になっとるのは見たくなかったわ……とっとと骸の海とやらに帰したる!」
「短期決戦は俺も賛同だ。――消え失せろ」
戦場を埋め尽くさんばかりの|豊臣秀吉《グレイズモンキー》に対し、それを上回る数の光剣が忽然と出現したと思えば、それらが一斉に秀吉へと襲いかかった。
無数の光と闇が接触した途端、次々と|秀吉《それ》が音もなく消えていく。瞬時に状況を察した晴明クルセイダーが光剣を回避せんと指示するも、幾何学模様を描きながら、時に死角に紛れ込み、時にフェイントを交えながら複雑に飛翔するそれを、捉えることは敵わない。
視界を埋め尽くしていた双方が一瞬にして消失した光景に、晴明クルセイダーの顔に焦りが滲む。傷を負った身体では、飛び火した光剣をどうにか躱すので精一杯だった。
『一体、何が……!?』
「数の暴力が一番厄介だからな。悪いが、“否定”させてもらった」
剣戟でもなく、猛打でもなく、唯その存在を|否定する《・・・・》。子虚烏有とつけた技の名の通り、其れを嘘偽りと定め、無に返す技。
「おおっ! やるやん、千尋!」
幾つか討ち洩れた秀吉の追撃も、最高速に達したウルスラまでは届かない。代わりに、距離を取りながら蹴り込んだ女のナイフで仕留められ、零れた鳴き声とともに消えてゆく。
『クッ……ならば……!』
「遅いで!」
|憑装侵略蔵書《ぱらいそ預言書》を開いた男を、良く通る声で一蹴する。壁を、天井を走り、一足飛びに晴明クルセイダーの頭上へ現れると、身を捻りながら、まさに躍るように男の眼前へと舞い降りる。
その奇想天外な動きに、一拍、男の動きが遅れた。
咄嗟に突き出された十字槍――人間無骨も、舞踊の如く流麗な動きで躱される。その舞いのような一挙一動に、男の|拍《テンポ》が狂わされる。
否、|躍らされる《・・・・・・》。
『なっ……! 私の身体が、勝手に……!』
抗うほどに裡からダメージを受けるが、それから逃れる術はない。
「ボクの踊りは、宇宙も世界も何もかも踊らせてまうで♪」
悪戯めいた笑みを浮かべたウルスラに、千尋も仄かに口角を上げる。
「滑稽だな。『大した|業《カルマ》もない相手の躰を奪うなど、造作もない』……だったか?」
再び召喚し展開した剣の生む光の海に佇みながら、感情の籠もらぬ眸に男を映しながら、静かに告げる。
「――最期は、返してやれ」
既に、ウルスラから放たれた超宇宙的レイヴ波動は、戦場全体に満ちていた。
彼女に敵とみなされたが最後、否が応でもその心身は解放される。
「いっくでー! 全力の蹴撃、受けてみぃ!」
最後の足掻きとばかりに現れた|豊臣秀吉《グレイズモンキー》の群れを千尋の光剣が一掃し、その光のなかを一気に駆け抜け肉薄したウルスラの強烈な蹴撃が、男の脇腹の肉を断ち、骨を砕き、四肢諸共すべてを撃攘し尽くした。
✧ ✧ ✧
振られた賽は、廻り落ち。
「ぱらいそ預言書」は、最早語らず。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵