●とあるゴーストタウンにて
今年の初めに起きた第二次聖杯戦争の舞台となった金沢市。
その片隅で人知れずゴーストタウン現象が引き起こされていた。
廃工場だった区画がゴーストタウン化し、そこではとある物が生産されていた。
「もきゅうううううううう!!」
ベルトコンベアーの上に拘束された野良モーラット達が並べられている。
そしてその様子を見守っているのは、モーラットによく似た兎型のオブリビオンであるモーラビットである。
「モキュ!」
監督役と思しきモーラビットが指示を下すと、モーラット達を乗せているベルトコンベアーが動き出し、モーラット達は必死に拘束から逃れようとするが、拘束具はビクともしない。
ベルトコンベアーが向かう先は巨大なミキサーのような装置である。
巨大ミキサーによるけたましい回転音は、モーラット達の悲鳴すらもかき消し、その数秒後にはモーラット印の缶詰が新たにベルトコンベアーの上に乗せられ流されていくのであった。
●グリモアベースにて
「モーラビット達がまた悪さをしているみたいなんだ…第二次聖杯戦争の後はすっかり大人しくなっていたから、油断していたよ」
金髪のショートカットのグリモア猟兵の少女、リリスフィアがシルバーレイン世界で起きている事件の説明を始める。
モーラビットとはモーラットによく似た兎型のオブリビオンであり、モーラット達を好物とする習性により、幾度ともなくモーラット達に多大な被害をもたらしてきた存在である。
リリスフィアも何度か彼等の存在を予知してきたのだ。
「第二次聖杯戦争中、缶詰を持っているモーラビットを目撃した人がいるとは思うけれど、その製造元が予知できたんだ。聖杯戦争の戦場となった金沢市の廃工場、そこでモーラビット達が集まって新たなゴーストタウンを形成したんだ。彼等はそこで野良モーラット達を捕まえては、缶詰の材料にしているみたいだね」
ゴーストタウン化した廃工場はモーラビット達の意のままに稼働し、野良モーラット達を自動で加工して、缶詰としているのだ。
「中身の予想はしていた人もいるけれど、それが的中したんだね。喜ぶことではないけれど…でも、予知できたからにはそんな工場は潰さないとだよね」
第二次聖杯戦争以降はモーラビット達の活動も沈静化しつつあり、野良モーラット達の被害も減少している。
モーラビット達の工場を潰し、モーラビット達を駆逐する事は、聖杯戦争の後始末としても取り掛かるべき事項なのだ。
「まずは工場で捕まっているモーラット達の救助と、工場の生産をストップさせる事だね。その後のモーラビット達との戦いではモーラット達も応援してくれる筈だよ」
相手は第二次聖杯戦争以降もしぶとく生き残っていたモーラビット達である。
協力は多いに越したことはない。
「説明は以上だね。シルバーレイン世界の平和とモーラット達を助ける為に、よろしくだね」
説明を終えたリリスフィアは、シルバーレイン世界に繋がる転送門を開くのであった。
吾妻 銀
吾妻 銀です。
久しぶりのモーラット&モーラビットのシナリオとなります。
ついに明かされたモーラット印の缶詰の正体です。
シルバーレインでの2章構成の戦後シナリオとなります。
第1章:モラ缶の製造工場に突入して、モーラット達の救助をお願いします。
第2章:モーラビットとの集団戦です。1章で助けたモーラット達も加勢してくれます。
プレイングの受付は、各章ごとに断章を記載しますので、その直後から受付開始となります。
各章の締め切りは参加状況次第でタグに告知します。
それでは皆様の参加をお待ちしております。
第1章 冒険
『おかしな工場を突破せよ』
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POW : 我慢して移動する。
SPD : 急いで移動する。
WIZ : 他のことを考えながら移動する。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「もきゅううう!」
「きゅぴぃぃぃ!」
本日も野良モーラット達の悲痛な悲鳴と共に工場の一日が始まる。
この工場で生産されるモーラット印の缶詰は、一部のモーラビットだけが持つことを許される限定品であり、モーラビット達にとっては数少ない保存用食料なのである。
もっとも塩漬けされ、熟成された肉が詰まったモーラット印の缶詰を手にしたモーラビット達は我慢できず、すぐに中身は空となってしまうので、保存用食料としての役目はあまり果たされていないが。
「モキュ!」
そんな缶詰を製造する工場はモーラビット達にとっても重要な拠点であり、警備も厳重である。
その中でまた新たに野良モーラット達が缶詰にされようとしているのだ。
安喰・鷆
「うーん……物の悍ましさとしてはどっかのトラウマ缶詰に似たものがあるなぁ……」(苦笑い)
転送されてすぐ、UCを発動して地中に潜行。
下からベルトコンベアを尾の打ち払いなんかで攻撃して破壊し、解放されたモーラットたちは口の中に入れて保護。仔ワニを口の中に入れて運ぶワニいるでしょ、あんな感じで。
救助出来そうなのを粗方救助したら、後は設備ぶち壊しながら相手の出方を窺おうかな。
「もっきゅ~!」
「きゅぴぃいい!」
ゴーストタウンと化した廃工場は、今でも絶賛稼働中である。
オブリビオンであるモーラビット達の保存食である缶詰を生産しているのだ。
そしてその材料となるのは、不幸にも捕まってしまった野良モーラット達なのである。
「うーん……物の悍ましさとしてはどっかのトラウマ缶詰に似たものがあるなぁ……」
元はキマイラフューチャーの旧人類時代に稼働していたMMORPGのNPCであった、安喰・鷆(悪食・f40477)は、拘束されたままベルトコンベアーに流されていく、モーラット達の様子に苦笑する。
「それにしてもモーラットか……どんな味がするのかな?」
そんな疑問が浮かびながら、鷆は大ワニのようなモンスターに変身して、モーラビット達に気付かれる前に地中に潜行する。
「……この辺りだったな?」
そして地中からベルトコンベアーの真上に移動して、ベルトコンベアーを尾で破壊しにかかる。
「…む、簡単に破壊はできないか?」
ゴーストタウンの設備だけあって、ちょっとやそっとでは破壊できないようである。
「もきゅ?」
だがそれでもベルトコンベアーを一時的に止める事には成功し、その間にモーラット達を救助しにかかる。
「少し狭いが我慢してくれよ?」
「もっきゅ!!」
大ワニに変身したままの鷆は、その大口でモーラット達を飲み込んだ。
無論食べる為ではなく、保護する為である。
仔ワニを口の中に入れて運ぶワニのような感じでだ。
「もっきゅきゅ」
「ぴっきゅ!」
案外勇敢なモーラット達は、鷆の口の中で楽しそうにゴロゴロとしている。
鷆に悪意がない事を感じ取ったのだ。
(ひとまずは相手の出方を窺おうかな)
粗方モーラット達を保護できたと判断した鷆は、再び地中に潜って、設備を破壊しながら引き返す。
「もきゅうん♪」
その間にもぞもぞと動くモーラット達によって、口の中がくすぐられ、鷆は何とも言えない心地になるのであった。
成功
🔵🔵🔴
穂村・耶子
もふもふは愛でるもの、肉を食べるなんて言語道断
まずはUCを使って高空まで飛んでから、目的の工場目掛けて急降下
窓ガラスなんかがあったら、そこをブチ破って内部に侵入
いくら警備が厳重でも、時速500kmで突っ込んでくる空からの攻撃まで対応できるかな?
工場内に入ったら、対象を野良モーラット達に指定して生命賛歌発動
これでモーラット達の戦闘力は強化されるし、滅多なことじゃ死なないよ
「みんな、助けにきたよ! 連結して攻撃だ!
後は、強化したモーラット達を連結させて、一斉に静電気を放ってもらおう
1匹ずつじゃ大した威力なくても、直列にすれば電流は何倍にも強化されるからね
工場設備を黒焦げにして破壊させるよ
「もふもふは愛でるもの、肉を食べるなんて言語道断」
穂村・耶子(甘党残念剣士・f35497)は銀誓館学園の卒業生である。
そんな彼女にしてみれば、モーラット達が肉にされるのを黙って見ていられるわけもない。
「工場はあそこだね!」
詠唱銀から作られた翼を生やして、空高く飛んでいた耶子は目的地である工場を見つけ、躊躇う事無く急降下を始めた。
そして勢いに身を任せ、窓ガラスをぶち破り、工場内部への侵入を果たしたのである。
「モキュ!」
「モキュキュ~!」
警備を担当していたモーラビット達も、まさか上空から超高速で突っ込んでくる侵入者がいるとは思ってもいなかったらしく、派手に降下してきた耶子に慌てふためく。
「もきゅ~!!」
「きゅるるる~!」
そんな中でも工場内では野良モーラット達を材料に缶詰を生産すべく、ベルトコンベアーを稼働させ続けており、拘束されているモーラット達も必死に助けを呼んでいる。
「みんな、助けにきたよ!」
警備担当のモーラビット達に追われている中、自分だけでは間に合わないと判断した耶子は、野良モーラット達に向けて生命賛歌を送った。
生命賛歌はかつて銀誓館学園がメガリスを破壊する事でしか得られなかったが、耶子はそれをUCとして再現できるのだ。
「もきゅ?」
「もっきゅ~!!」
耶子の歌声は、モーラット達にとっても懐かしく響いた。
そして眠っていた力が目覚めたかのように、モーラット達から火花が激しくほとばしる。
「ちゃんと届いているね。さあ、連結して攻撃だ!」
襲い掛かる警備のモーラビット達を相手にしながら、耶子はモーラット達に号令を送る。
「「もっきゅ~!!」」
生命賛歌で強化されたモーラット達は一斉に火花をバチバチとさせて、拘束具を引きちぎり、ベルトコンベアーを直接攻撃しにかかる。
1匹の力は弱くとも、複数が集まって直列に連結された電流は何倍もの力となる。
今のモーラット達に下手に触れようものなら火傷程度では済まないだろう。
もふもふなモーラットもここぞという時には勇敢なのである。
「「もっきゅきゅ~!!」」
拘束具から解放されたモーラット達は一か所に集まって、自分達を缶詰行きにしようとしていたベルトコンベアーを真っ黒焦げにする。
「さすがだねこの調子で他のモーラット達も助けるよ」
「「きゅるるる~!」」
耶子の言葉にモーラット達は力強く頷くのだった。
成功
🔵🔵🔴
プリシラ・アプリコット
【かんにき】トリオなのヨ♪
あかりんモラが尊い犠牲となってる裏で、アタシはモラ救護に向けて待機ネ。
……決して眠いからでも、面倒だからでも無いわヨ?
毛刈りされても治してあげるから、安心してネ♪
あら、脇差も見事な潜入だワ♪
コッチを破壊、アッチを破壊、ソソラソラソラ よよいのよい、なのネ。
騒ぎを起こしてくれてる間に、モラの救出に勤しむワ。
ぴっかりぴかぴか、元気になあれ♪
囮代わりに、あちこち♪を出しておくわネ♪
コッチで♪
アッチで♪
もらびっとがソッチに気を取られてる隙に、野良モラをよしよししてあげるワ。
モラのブラッシングは大得意なのヨ!(わしゃわしゃ)
あら、あかりんモラ。
お帰りなさいなのネ♪(混じってた)
木元・あかり
【かんにき】
※きゅっ!とかのモラ語(?)しか話せません
きゅーきゅきゅきゅと突入作戦を皆で確認・共有
きゅっ!(野良モラとして工場をウロチョロ、わざと捕まり他の野良モラと合流。至近距離から野良モラ達を庇いに入るぞ)
美味しいモラに見えるよう毛繕いは入念に
奥さま(プリシラ)のブラッシングは今日も最高(きゅー…)
ところでモラ語でも俺の行動を以心伝心出来ちゃう脇差はアレかな?HENTAIさんかな?
きゅきゅっとつぶらな瞳と毛並みで魅力アピール
誘惑でモーラビットを釘付けにし作戦成功度をあげてこう
モラ達と合流すれば囮になるべくずずいと前に出、マントを翻し【モラスパーク】!
モラ達に隠密与え、逃走を手助けてこー
鈍・脇差
【かんにき】
……またモラかよ(やれやれと溜息吐きつつ
仕方ない、助けに行くか
もきゅ(成程、野良モラに紛れて庇う作戦だな)
もきゅきゅ(ならば俺は『黒影剣』で闇に紛れて潜入して)
もきゅもきゅきゅ(缶詰製造器械の方を破壊しよう)
なんて偶には真面目に打合せしてたのに……
ヘンタイ言うな!!
お前がもきゅもきゅ煩いから、モラ語覚えちまったんじゃねーかよ
少しはその減らず口を閉じやがれ、この年中お祭り毛玉野郎!
仲良く?喧嘩しつつ作戦突入
プリシラ援護を頼……あれ?どこ行った??
闇のオーラで隠れつつ装置を破壊
モラ達を解放していこう
なあに礼には及ばんさ……って、俺の事見えてないし!?
まあ、こいつらが無事ならそれでいいか
「モキュ~!!」
「きゅーきゅきゅきゅ、きゅっ!」
ゴーストタウン化した工場では、新たに缶詰の生産が開始されようとしている。
そんな中で警備担当のモーラビットが、工場内をウロチョロしていたモーラットを取り押さえていた。
「モキュ~?」
付近の野良モーラット達は全て捕獲したにも関わらず、未だにウロウロしているモーラットがいる事に、モーラビット達は疑問を感じる。
しかもそのモーラットは、他の野良モーラット達よりも毛並みが綺麗に手入れされているのだ。
「きゅきゅっ!」
毛並みのいいモーラットはモーラビットの疑問を誤魔化すかのように、つぶらな瞳でうるうると見つめた。
「キュ~♪」
そんなモーラットを、美味しいそうだと感じたモーラビットはあっさりと疑問を片隅に置いて、他のモーラット達と同様に拘束してベルトコンベアーに乗せる。
「もきゅぴぃ…」
「ぴきゅ…」
犠牲者が増えた事に、拘束されている野良モーラット達は悲しそうに鳴くのだった。
話は少し前に遡る。
「きゅーきゅきゅきゅ」
モーラットの猟兵である木元・あかり(トメ子さん・f35690)は、自らが囮となって突入する作戦を他の二人に、モラ語で確認・共有する。
「了解なのネ。それならぴっかぴかにしてあげるのネ♪」
VRキャラであるプリシラ・アプリコット(奥様は聖者・f35663)は、長い付き合いという事もあって、あかりの言葉を理解して、作戦の為、入念にあかりの毛並みをブラッシングする。
「……またモラかよ」
やれやれと溜息吐いているのは、普通の暗殺者である鈍・脇差(ある雨の日の暗殺者・f36079)だ。
彼もまたあかりの言葉を理解して、ブラッシング中に作戦の詳細を詰める。
「もきゅ。もきゅきゅ。もきゅもきゅきゅ」
成程、野良モラに紛れて庇う作戦だな。
ならば俺は『黒影剣』で闇に紛れて潜入して缶詰製造器械の方を破壊しよう。
脇差はごく自然にモラ語で2人にそう伝える。
「あら、脇差も見事なモラ語だワ♪」
「きゅー…もきゅきゅ?」
プリシラのブラッシングは今日も最高だと言わんばかりに上機嫌なあかりである。
そして脇差に対しては、モラ語でも俺の行動を以心伝心出来ちゃうのはアレかな?HENTAIさんかな?
とでも言わんばかりにつぶらな瞳で首を傾げる。
「偶には真面目に打合せしたのに……ヘンタイ言うな!!お前がもきゅもきゅ煩いから、モラ語覚えちまったんじゃねーかよ。少しはその減らず口を閉じやがれ、この年中お祭り毛玉野郎!」
「もきゅ~♪」
脇差とあかりはいつもの如く、仲良く喧嘩した後、突入作戦は実行されたのである。
「上手く潜入できたみたいなのネ。さすがあかりんなのネ」
あかりが野良モーラット達と一緒に拘束され、ベルトコンベアーに乗せられていく様子を見て、プリシラは作戦は順調に進んでいると頷く。
あかりが注意を引いている間に、プリシラは身を隠し、救出作戦実行のタイミングまで待機しているのだ。
「そろそろ助けに行くか?」
その一方、脇差は闇のオーラで自身の姿を見えないようにして、モーラビット達に気付かれないように慎重に距離を詰めている。
「きゅーきゅきゅきゅ!」
その間に二人が気づかれないよう、あかりはわざと騒ぎ立ててモーラビット達の注意を引きつけていた。
「モキュ!」
静かにしろと作業担当のモーラビットが、あかりを小突く。
「きゅ~!」
それでも拘束された状態でジタバタするのを止めない、あかりの様子にモーラビットは、それならお前から缶詰にしてやると言わんばかりに、他の野良モーラット達よりも前に配置させた。
「きゅ~っ!!」
そして生産工程の前段階とばかりに、あかりは例の如く、白い毛をバッサリと刈り取られてしまうのであった。
「あ、また毛刈りされているのネ。でも後で治してあげるから、安心するのネ♪」
とはいえ、手遅れになる前に行動を開始しようと、プリシラは脇差に合図を送る。
「ああ、援護を頼む!」
闇のオーラを纏ったまま、プリシラの合図を受けた脇差は装置を破壊しにかかる。
「モ、モキュ~!」
その直後、工場内からけたましいアラームが鳴り響き、モーラビット達はようやく侵入者の存在に気付いて慌てふためく。
「簡単には破壊できないか…面倒だな」
脇差の刀をもってしても、ゴーストタウン内の施設を破壊する事は容易ではない。
だがそれでも装置の稼働を停止させるには十分であった。
「コッチで♪アッチで♪ぴっかりぴかぴか♪」
工場内をさらに混乱させようと、プリシラは踊る『♪』の群れを召喚して、モーラビット達に対しての囮とする。
「モッキュ!?」
モーラビット達は突如出現した『♪』に翻弄され、大混乱にへと陥るのであった。
「もきゅ~!!」
そんな中で専用のプレス機によってミンチにされかけていた、あかりはここぞとばかりにパチパチ静電気を放出して、拘束から脱出した。
そして毛が狩られた事を隠すようにモラ用のマントを羽織って、拘束されていた野良モーラット達を解放する。
「もきゅ!」
「きゅぴぴ♪」
別の場所でも脇差の手によって、モーラット達が救出されていた。
解放された野良モーラット達は嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねている。
「なあに礼には及ばんさ……って、俺の事見えてないし!?」
助けたモーラット達がプリシラの方にへと向かっていく様子に、脇差は思わずツッコミを入れてしまう。
「まあ、こいつらが無事ならそれでいいか」
それでも気を取り直して、脇差は装置の破壊を続行する。
「もう大丈夫なのネ。よしよししてあげるワ♪」
集まってきた沢山のモーラット達に囲まれながら、プリシラはわしゃわしゃと一匹ずつ丁寧に、お得意のブラッシングをしていく。
「もきゅ~ん❤」
「きゅぴ❤」
ブラッシングされた野良モーラット達は缶詰にされそうになっていた事も忘れて、幸せそうな表情を浮かべる。
「きゅ~!」
「あら、あかりんモラ。お帰りなさいなのネ♪」
その中にあかりが混ざっている事に気付いたプリシラは、前言通り毛刈りされてしまった、あかりを優しく治療してあげるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
鳥羽・白夜
八坂(f37720)と。
また胸くそ悪い話だな…けどあの|エセウサギ野郎《モーラビット》が持ってる悪趣味な缶詰の製造元をぶっ潰すチャンスだ!
これで猟兵になってから散々戦ってきたあいつらとの因縁ともおさらばだ(たぶん)
そんじゃ行くぞ、|起動《イグニッション》!
紅い刃の大鎌を手に。
黒影剣発動、姿を隠し警備のモーラビットの目をすり抜け潜入。ついでにUC効果で【生命力吸収】しつつ【斬撃波】で攻撃。
ある程度モーラビット達を片付けたらUCを解き【鍵開け】でモーラット達を拘束具から開放し救出。
機械もぶっ壊しときたいよな、配電盤とかコンベアのベルト等弱そうなところを【斬撃波】で【貫通攻撃】、【部位破壊】を狙う。
八坂・詩織
白夜さん(f37728)と。
あの缶詰を製造してる工場なんてあったんですね…野良モーラットを捕まえて材料にするなんて酷すぎます!
因縁に決着つくかは分かりませんけど、どのみち工場は潰さないとですね。
|起動《イグニッション》!
髪を解き、瞳は青く変化。防具『雪月風花』を纏う。
指定UC発動、姿を隠し工場内へ潜入。夏に吹雪ともなるとさすがに怪しまれるでしょうが、吹雪の竜巻で【吹き飛ばし】て蹴散らします。
ベルトコンベアを止めたいですね、結晶輪で【凍結攻撃】、ローラー部を凍結させて一時的にでも動きを止められないか試してみます。
救出する際はUCを解き、抱き上げて落ち着かせるように声掛けを。もう大丈夫ですよ。
「あの缶詰を製造してる工場なんてあったんですね…野良モーラットを捕まえて材料にするなんて酷すぎます!」
明るめの黒髪を持つ雪女にして元能力者である八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)は、モラ缶の真実を目の当たりにして憤慨している。
「もっきゅう~!!」
工場では今まさに拘束されたモーラット達が、ベルトコンベアに乗せられて缶詰にされようとしているのだ。
その様子を期待の眼差しで眺めているモーラビット達が、何と憎たらしく思える事か。
「また胸くそ悪い話だな…けどあの|エセウサギ野郎《モーラビット》が持ってる悪趣味な缶詰の製造元をぶっ潰すチャンスだ!」
それは能力者として引退していたが猟兵として復帰した吸血鬼の鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)も同じ気持ちだ。
モーラビットとは何度も相対してきた二人は、彼等がモーラット印の缶詰を大事そうに持ち歩いているのを目撃している。
つまりそれはこの工場で数多くのモーラット達が、缶詰にされてきた事を意味しているのだ。
「これで猟兵になってから散々戦ってきたあいつらとの因縁ともおさらばだ」
「因縁に決着つくかは分かりませんけど、どのみち工場は潰さないとですね」
必ず工場は潰さなければならないと、二人は強く心に誓う。
第二次聖杯戦争以降、モーラビット達の活動も沈静化している。
規模に厳重な警備の様子からしても、この工場がモーラビット達の生命線である事は間違いない。
ここで工場を潰しておけば、モーラビット達に止めをさせるかもしれないのだ。
「そんじゃ行くぞ、|起動《イグニッション》!」
「行きます、|起動《イグニッション》!」
白夜は紅い刃の大鎌を手にした吸血鬼に、詩織は髪を解き、瞳は青く変化し、白く美しい着物を纏った雪女の姿にへと、それぞれ変身する。
そして白夜は黒影剣による闇のオーラを纏い、詩織は吹雪の竜巻で自分の姿を隠して、工場内に突入した。
「モキュ!?」
だが姿を隠しているとはいえ、夏の時期にしかも室内で吹雪が発生したともなれば、警備担当のモーラビット達も異常事態であると気づいて騒ぎ出す。
当然ながらその事は織り込み済みであり、詩織は吹雪の竜巻でモーラビット達を容赦なく吹き飛ばした。
「相当怒っているようだな。まあ、俺もだがな!」
警備のモーラビットの目をすり抜け潜入を果たした白夜は、紅い刃の大鎌から斬撃波を発生させて、不意打ちの形でモーラビットの胴体を無慈悲に斬り飛ばす。
「モキュ~ッ!!」
二人の息の合った奇襲攻撃を受けた警備のモーラビット達は呆気なく、蹴散らされるのであった。
「ひとまずは邪魔者はいなくなったな」
ついでにモーラビット達の死骸から生命力を奪いつつ、白夜は即座に次の行動を開始する。
本格的にモーラビット達が集まってくる前に、モーラット達の救出と機械の破壊は済ませておきたいのだ。
「巻き込まれないようご注意ください」
詩織のそのつもりで、ベルトコンベアのローラー部を狙って、結晶輪を投げつける。
「もきゅ!」
今まさに野良モーラット達を乗せて処理場にへと運ぼうとしていたベルトコンベアは、結晶輪による凍結を受け、その動きを停止させるのであった。
「よし、今の内だな!」
「もきゅ?」
そこへ闇のオーラを解除した白夜が駆け付け、モーラット達を手早く拘束具から解放する。
「やっぱぶっ壊しておきたいよな!」
モーラット達をベルトコンベアから避難させてから、白夜は配電盤とかコンベアのベルトといった、機械の脆そうな箇所を狙って、大鎌による斬撃波で攻撃を繰り返す。
「もう大丈夫ですよ」
吹雪の竜巻を解除した詩織は、助けたモーラット達を宥める。
「もきゅ♪」
「ぴっきゅ♪」
モーラット達は思いのほか元気な様子で、ぴょんぴょんと跳ねている姿に、詩織は安堵する。
「どうやらこの子達で最後のようですね」
ほぼ同じタイミングで他の猟兵達も動いていたようで、工場内各地で機械の破壊とモーラット達の救出も滞りなく行われている。
周囲を見渡しても工場内でベルトコンベアに乗せられ、缶詰にされようとしている野良モーラット達は一匹もいない。
「あとはあの|エセウサギ野郎《モーラビット》どもをぶっ飛ばすだけだな」
「もきゅう!」
白夜の言葉に野良モーラット達は力強く同意する。
今回ばかりは野良モーラット達も黙っているつもりはないようである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『モーラビット』
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POW : 兎の牙がモーラットを喰らう
戦闘中に食べた【捕縛したモーラットの肉】の量と質に応じて【全身の細胞が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 兎の耳は剃刀よりも鋭い
【モーラットの毛を一瞬で刈り取る鋭さ】を籠めた【兎の耳】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【毛髪】のみを攻撃する。
WIZ : モーラットとなって誘き寄せる
全身を【丸めモーラットそっくりの姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
イラスト:イツクシ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「もっきゅ~!」
「キュキュ~!」
猟兵達の手によって稼働が停止したばかりのゴーストタウン化した工場内で、白い毛玉同士が睨みあっていた。
一方は猟兵達に助け出されたばかりの野良モーラット達で、もう一方は逃走を阻止すべく集まってきたモーラビット達である。
「きゅるるるる…」
野良モーラット達は火花をバチバチとさせて、モーラビット達を威嚇している。
自分達だけでは決して勝てない相手であるのは、野良モーラット達も承知の上である。
猟兵達に協力したいという気持ちと、これまでに散々な目に遭わせられたモーラビット達への怒りが、普段は人懐っこいモーラット達を奮い立たせているのだ。
「モッキュ!」
モーラビット達もまた背後に猟兵達が控えているにも関わらず、一歩も退く気はなく、牙を光らせている。
捕食対象であるモーラット達に背を向ける事は、モーラット達を捕食する側としてのプライドが許さないのだ。
上位種が不在の中でも、モーラビット達の想いは一つなのである。
「「もっきゅう~!!」」
両者の存続をかけた戦いが、今まさに始まろうとしていた。
穂村・耶子
これ以上、モーラットを食べさせるわけにはいかないね
悪いもふもふには、正義のもふもふでお仕置きだ!
モラストラップを投げてUC発動!
指定する対象はモーラット
こうしておけば、敵は肉を食べたくても、罪悪感からまともに食事ができないはず
「行け、モラ之助! ギガ・エボリューションだ!
後は、ストラップが変身したモーラット・ヒーローで、モーラビット達を攻撃
数が多いから、電撃攻撃で一網打尽にしよう
弱ったやつは近接攻撃でトドメだ
「モラ之助、モラスパーク! 最後はVキャリバーだ!
逃げる敵がいるなら、僕が直々に斬り捨てる
今まで散々、もふもふを食べてきたんだ
今度は君達がサイコロステーキにされる番だよ
「きゅるるるる~」
「ギュウウウウ!」
ゴーストタウン化した廃工場で、野良モーラット達とモーラビット達の睨み合いが続いている。
一触即発の状況だが、いざ戦いとなれば、野良モーラット達にも犠牲は避けられない。
「これ以上、モーラットを食べさせるわけにはいかないね。悪いもふもふには、正義のもふもふでお仕置きだ!」
モーラット達の勇気は認めるが、このまま戦わせるわけにもいかないと、穂村・耶子(甘党残念剣士・f35497)は、モラストラップを投げる。
「もきゅ~!」
投げられたモラストラップにはUCの力が込められており、モーラット達の憧れの存在であるモーラット・ヒーローにへと姿を変えた。
「僕の相棒、モラ之助だ」
「もっきゅ~!」
モラ之助は強烈な静電気を発生させて、野良モーラット達を鼓舞していく。
「もきゅ~♪」
野良モーラット達は憧れの存在に励まされ、戦意を更に高めていく。
「モキュゥゥゥゥ…」
反対にモーラビット達はモラ之助の存在に狼狽えている。
モラ之助が放つ静電気には、攻撃することへの罪悪感を与える効力があるのだ。
それが捕食対象であっても例外ではない。
「行け、モラ之助! ギガ・エボリューションだ!」
「もっきゅ~!!」
全身を振るわせたモラ之助の放った電撃が、モーラビット達をまとめて攻撃する。
「「ギュウ!」」
感電したモーラビット達から絶叫があがる。
「もきゅ~!」
続く形で野良モーラット達も火花をバチバチとさせて加勢する。
「キュウ!」
モーラット達の連携攻撃に、モーラビット達は大混乱にへと陥った。
「モラ之助、モラスパーク!最後はVキャリバーだ!」
「きゅぴ~!」
耶子の指示を受けたモラ之助は全身から静電気を放出し、額のVの字を正義の炎で燃え上がらせた。
時折、モーラビットの反撃で白い毛を刈られそうになる野良モーラットもいたが、すかさずモラ之助が割って入り窮地を救う。
そんなモラ之助の活躍に助けられる形で、野良モーラット達は殆ど犠牲を出す事なく、モーラビット達を一匹また一匹と倒していく。
「モキュゥ!?」
モラ之助と野良モーラット達の奮闘ぶりに、形勢不利とみたモーラビット達は慌てて後退しようとする。
「逃がさないよ!」
そこへ後ろに回り込んでいた耶子がサムライブレイドを手に斬りかかる。
そして見事な剣捌きで1匹のモーラビットを切り伏せた。
「モキュウ!」
「今まで散々、もふもふを食べてきたんだ。今度は君達がサイコロステーキにされる番だよ」
サムライブレイドの鋭い刃がモーラビットを細切れにしていく。
ちなみにモーラビットの肉が美味なのは、一部の者達の間では知られている話である。
モーラットの口にも合うのか、それはわからないが…
大成功
🔵🔵🔵
木元・あかり
【かんにき】
※もきゅ!とかのモラ語しか話せません
きゅー…(毎度エラい目にあった)
…きゅ!(お腹に十円ハゲ!)(恥ずかしいので奥さま(プリシア)から隠し)
気を取り直し、きゅっ、モラ達に向き直り
きゅー!(モラ達よ立ち上がれ!ヤツらを倒し、懐かしい我が家に帰るぞ!)
郷愁を誘いつつ気合いを入れるよう喝を入れ、モラ達と共にマントから電撃帯びながらモラ用機関銃をきっと構えるぞ
ふ、ちょっと俺カッコいい
奥さまもきっと惚れ直すハズ(照れ
転がるモラ親分をうわぁって目で生暖かく眺めつつ皆と確り連携し、素早く間合いに飛び込み【薔薇の剣戟】
耳の一撃を受けても毛が刈られても怯まずに
4回確実に攻撃を加え倒してくぞ
プリシラ・アプリコット
【かんにき】毛玉の群れがやる気なのネ!
そうそう、やればできるのヨ、カッコいいのネ♪
モーラビなんかに負けないワ♪(煽る)
貨幣型の毛刈り跡もおシャレだワ♪(抉る)
普通の暗殺者の脇差は顔が緩みがちネ♪
もふ好きは仕方ないから、ニンジンで相殺するのヨ♪(モラだまりに投げ込む)
モーラビ耳が好きなら、後で付け耳作ってあげるわネ♪(にぱり)
さてと、アタシは食材集めていくわヨ♪
ローリングストック~♪(麺棒しゃきん☆)
美味しいは正義ネ!(ゆべこ 発動)
あかりんや脇差が倒しかけたモラビに、トドメを刺す!
横取り? 何のコトかしらネ?(ばっくれ)
うん、だいぶ集まったワ♪
帰ったらミートパイ作りましょネ♪(元パティシェ)
鈍・脇差
【かんにき】
敵も味方も毛玉だらけだな
なんというもふもふ空間だ
もふ……(やる気満々で集まるモラ達にもみくちゃにされ……めっちゃ癒し
いてっ!?誰だニンジン投げたやつ!(もとい気合を入れ直す
やれやれ、モラ達のこんな姿を見たら
力を貸さない訳にはいかないじゃないか
そうだろう『英霊』?
この身に宿れ、リベレイション!
掲げたお菓子セットを触媒にして召喚するのは
英雄の中の英雄、伝説のモーラットヒーロー、モラ親分!
超超超巨大なモーラットヒーローの姿になって……戦場を転がる
兎の牙で喰らっても、元は霊体だし肉にはならん
気にせずモーラビット共を潰していくぞ
ミートパイか悪くないな
だがニンジンは入れるなよ!(←ニンジン嫌い
「敵も味方も毛玉だらけだな。なんというもふもふ空間だ」
普通の暗殺者である鈍・脇差(ある雨の日の暗殺者・f36079)が呟いた通り、廃工場は皆渡す限りの白いもふもふ空間に包まれていた。
「もきゅううう…」
「モキュゥゥ…」
モーラットとモーラビット、食べられる側と食べる側、姿は似ていてもその関係は真逆である。
傍から見れば癒し空間に見えなくもないが、彼等は互いの尊厳を賭けて懸命に戦っているのだ。
「おい、あまり無茶はするな…うわっと!」
モーラビット達の危険さを嫌と言う程、知っている脇差は、野良モーラット達が心配になって駆け寄ろうとするが、背後から集まってきたモーラットの集団に巻き込まれてしまう。
「もふ……」
押し寄せて来るモーラット達に、もみくちゃにされながらも、脇差はそのもふもふな感触に存分に癒されるのであった。
「きゅー!」
そのモーラット達の中心にいるのは、おなじみの木元・あかり(トメ子さん・f35690)である。
モーラビット達に対抗すべく、野良モーラット達を鼓舞して、そのついでに脇差をもふもふ空間にへと巻き込んだのである。
「もきゅ?」
「きゅ!」
野良モーラットの1匹にお腹の十円ハゲに気付かれ、あかりは慌てて隠した。
毎度の如くモーラビット達によって、毛刈りされてしまった後遺症である。
そんな恥ずかしい姿を、特に嫁(?)であるプリシラ・アプリコット(奥様は聖者・f35663)には見せたくないのだ。
「毛玉の群れがやる気なのネ!」
そのプリシラはあかりの十円ハゲを気にしている様子もなく、いつもの調子でモーラット達に声援を送っていた。
「きゅー!」
モラ達よ立ち上がれ!ヤツらを倒し、懐かしい我が家に帰るぞ!
あかりは気を取り直して、野良モーラット達に郷愁を誘いつつ活を入れる。
「「もきゅ~!」」
あかりの激励に気合いが入った野良モーラット達は、勇敢にもモーラビットに挑んでいく。
その先頭に立つのは、マントから電撃帯びながらモラ用機関銃をきっと構えている、あかりである。
ゴーストタウン化した廃工場のあちこちで、火花がバチバチと炸裂する音が聞こえる。
「キュ~!」
野良モーラットを狩る事に慣れているモーラビット達でも、モーラット達を勢いを止められないようである。
「そうそう、やればできるのヨ、カッコいいのネ♪モーラビなんかに負けないワ♪」
モーラット達の奮闘ぶりを褒めつつ、モーラビット達を挑発するプリシラ。
「モキュ~!」
モーラビット達から怒ったような声が上がり、その目と兎耳は鋭く光る。
不利な状況であっても、モーラットには負けられないというプライドが撤退を許さないのだ。
「それはそうと、普通の暗殺者の脇差は顔が緩みがちネ♪そんなにモーラビ耳が好きなら、後で付け耳作ってあげるわネ♪」
プリシラは未だに癒されている…もとい動けないでいる脇差に向かってニンジンを投げつけた。
「いてっ!?誰だニンジン投げたやつ!」
ニンジンをぶつけられた脇差は、我に返って犯人を捜そうとするが、目に入ったのはモーラット達が勇気を出して捕食者であるモーラビット相手に、懸命に立ち向かっている姿である。
優勢であるとはいえ、野良モーラット達も無傷では済んでいる訳ではなく、無残にも毛を刈られてしまう者も出てしまっている。
それでも野良モーラット達は傷ついたモーラットを庇いながら、戦い続けているのだ。
「やれやれ、モラ達のこんな姿を見たら。力を貸さない訳にはいかないじゃないか。そうだろう『英霊』?この身に宿れ、リベレイション!」
そんなモーラット達の姿に、脇差は苦手なニンジンをぶつけられた事など、すぐに忘れて、高らかな声で英霊を召喚する。
「もきゅ~!!」
脇差が掲げたお菓子セットを触媒にして召喚されたのは、英雄の中の英雄、伝説のモーラットヒーロー、モーラットの親分である。
「きゅるるるるる!!」
超超超巨大なモーラットヒーローが、ボールのように戦場を転がる。
「「モキュ~!」」
その勢いはモーラットの天敵であるモーラビットですらも止められない程である。
転がるモラ親分にモーラビット達は次々と巻き込まれていく。
鋭い耳で反撃しようにも、霊体であるモラ親分に対して、有効なダメージを与える手段を、モーラビットは持っていないのだ。
「「もきゅ~♪」」
憧れの存在が活躍している姿に、野良モーラット達も勇気づけられる。
「きゅるるるるる~♪」
元がお菓子であるだけに、好奇心のままモラ親分にくっついて一緒に転がっている野良モーラットもいるが、楽しそうにしているので心配する必要もなさそうだ。
「もっきゅ!」
転がるモラ親分がモーラビット達を蹂躙していく様子を生暖かく眺めつつ、野良モーラット達と連携して、モーラビットの間合いに入り込んで、必殺の四連撃を叩きこんでいく。
「モキュ~!」
あかりの連撃を受けたモーラビットは、鋭い耳で毛を刈る間もなく絶命した。
戦場を薔薇の花弁のような血だまりで染め上げていく。
「きゅぴ~ん|」
ふ、ちょっと俺カッコいい!奥さまもきっと惚れ直すハズ、と照れながら、自身の活躍を見てくれたかと、あかりはプリシラに視線を向ける。
「貨幣型の毛刈り跡もおシャレだワ♪」
だがそこで気を緩めてしまったせいで、あかりはお腹の10円ハゲをプリシラに見られてしまうのであった。
それだけではなく、モーラビット達の決死の反撃によって、あかり自身が気づかぬ間に、頭の毛髪を少しばかり狩られてしまっていた。
そして自慢げに手にしていたモラ用機関銃も、真っ二つにされてしまっている。
「さてと、アタシは食材集めていくわヨ♪ローリングストック~♪」
麺棒しゃきん☆とさせて、プリシラは2人と野良モーラット達が倒したモーラビットを丁寧に1匹ずつ捌いて食材にへと変えていく。
「美味しいは正義ネ!」
勢い余って横取りする形で、あかりが止めを刺そうとしていたモーラビットに止めを刺したりもする。
「もきゅきゅ!」
「横取り? 何のコトかしらネ?」
あかりの非難めいた鳴き声に、プリシラはしらばっくれ、狩りの成果を確認する。
「うん、だいぶ集まったワ♪帰ったらミートパイ作りましょネ♪」
元パティシェでもあるプリシラはウキウキな様子だ。
モーラビット達の白い毛玉に隠されていた、高級和牛の霜降りのような新鮮な肉は、誰の目から見ても美味しそうである。
「ミートパイか悪くないな。だがニンジンは入れるなよ!」
プリシラの腕前を知っている脇差も期待に胸を膨らませる。
「お前達も食べるか?」
「もきゅ~!」
脇差の問いかけに、野良モーラット達から力強い返事が返ってくる。
勢いづいた3人と野良モーラット達によるモーラビット狩りは、尚も続くのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鳥羽・白夜
八坂(f37720)と。
モーラット達もやる気らしいな。
今まで散々痛めつけられてきた分、倍返ししてやろうぜ!そんでエセウサギ野郎どもともおさらばだ。
指定UC発動、トマトジュースでモーラット達も回復できるからな。
いや血じゃねーし…旨いもん降ってきた方がモーラットもやる気出るだろ。
UCでモーラビット達を攻撃しつつ、大鎌を振るい【斬撃波】で【部位破壊】、モーラビットの耳を【切断】。もうモーラットの毛(と、俺の髪の毛も)刈れないようにしてやるよ。
ついでに缶詰残ってるのがないか工場内も探っておきたいところ。全部処分しとかねーとな。
…た、たぶんここだけだろ…こんな悪趣味な工場いくつもあってたまるかよ…
八坂・詩織
白夜さん(f37728)と
そうですね、モーラットさん達も一緒に頑張りましょう!私達もサポートします。
氷雪地獄発動、モーラットさん達も雪だるまアーマーで防御力アップです。
白い毛玉に雪だるまって可愛いですね(ほわ)
…雪に血のような赤いトマトが混じるのはあれですけど。(白夜さんのUC)
トマトジュースでやる気が出るのは白夜さんくらいかと…
モーラビット達が丸まれないように氷雪地獄の吹雪で【吹き飛ばし】たり【凍結攻撃】で【身体部位封じ】、腕や足を凍らせて動きを封じます。
…ところで缶詰製造工場ってここだけですよね?まだあるとか言いませんよね?モーラビットに聞いたところでまともな答えは返ってこないでしょうが…
ゴーストタウン化した廃工場の各地では激しい戦いが続いており、戦局は猟兵達と野良モーラット達に傾きつつあった。
「きゅうううう…」
「キュ~…」
そんな中で、野良モーラット達とモーラビット達の一団の衝突が、新たに始まろうとしている。
食べられる側であった野良モーラット達もこの時ばかりは、勇敢にもモーラビット達を威嚇しているのだ。
「モーラット達もやる気らしいな。今まで散々痛めつけられてきた分、倍返ししてやろうぜ!そんでエセウサギ野郎どもともおさらばだ」
「そうですね、モーラットさん達も一緒に頑張りましょう!私達もサポートします」
そこへ鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)と八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)が、加勢に駆け付ける。
2人の想いは同じ、今度こそ去年から続くモーラビット達との戦いに終止符を打ち、モーラット達を守る事である。
「これ血じゃなくてトマトジュースだから安心しろ」
「もきゅ?」
手始めに白夜は血ではなくトマトジュースの雨を白い毛玉達の頭上に降らせる。
「もきゅっきゅっ♪」
美味しくて健康的なトマトジュースの雨に、毛玉達は上機嫌に飛び跳ねる。
「モキュ~!!」
もう片方の毛玉達には、熟れすぎたトマトの嵐が吹き荒れ、大混乱にへと陥っている。
「トマトジュースでやる気が出るのは白夜さんくらいかと、思っていましたが…」
すっかりやる気になっている野良モーラット達を微笑ましく思いつつ、詩織は優しい雪吹を発生させて、野良モーラット達を雪だるまアーマーに包んでいく。
「モッキュ~!?」
そしてもう片方の毛玉達には、猛烈な吹雪を発生させて、氷漬けにさせるのであった。
「白い毛玉に雪だるまって可愛いですね…血のような赤いトマトが混じっているのはあれですけど」
「そんな目で見るな…」
詩織の冷ややかな視線に、白夜はたまらずに目を反らす。
「「モキュ~!!」」
そしてそれ以上に、不満の声をあげているのは二度も嵐に晒されたモーラビット達である。
「そんな目で見ても無駄からな!お前らは敵だからな」
モーラットと似た姿でも、もはや同情する気にもなれない、白夜は冷たく突き放す。
「二度ともうモーラットの毛(と、俺の髪の毛も)刈れないようにしてやるよ」
吹雪で身動きが取れなくなっているモーラビット達に、大鎌で斬りかかる白夜。
「「もっきゅ~!」」
そしてトマトジュースと雪だるアーマーで、完全武装した野良モーラット達の一斉突撃が敢行される。
「キュ~!?」
氷結の嵐とかまいたちのように鋭い斬撃波、そして強烈な火花によって、モーラビット達は徹底的に蹂躙され、そう時間が経たないうちに全滅するのだった。
主を失った事でゴーストタウン化も自然消失していくだろう。
「終わりましたね…これでモーラットさん達も大丈夫ですね」
生き残っているモーラビット達が居ない事を確認してから、詩織は野良モーラット達に装備させていた雪だるまアーマーを解除する。
「「もきゅ~!」」
元の白い毛玉に戻った野良モーラット達は、歓喜の声をあげている。
天敵であるモーラビット相手に、一丸となって立ち向かったという経験は、野良モーラット達にとっては大きな一歩となるだろう。
「後始末もしておかないとな」
白夜は勝利の余韻に浸る間もなく、廃工場内をくまなく探り、モーラット印の缶詰がまだ残っていないか物色する。
そして最近生産されたばかりの缶詰が数個見つかった。
「全部処分…もとい供養しておかねーとな」
中身が中身だけにぞんざいに扱う訳にもいかず、白夜は躊躇いがちに缶詰を懐にへとしまう。
中身は生暖かく、持ち歩きたくなどないが、野良モーラット達には見せられない。
「…ところで缶詰製造工場ってここだけですよね?まだあるとか言いませんよね?」
詩織の問いかけにまともに答えられる者は、残念ながらこの場には存在しない。
少なくともゴーストタウン化の消滅により、この廃工場で生産活動が行われる事は二度とないだろう。
「…た、たぶんここだけだろ…こんな悪趣味な工場いくつもあってたまるかよ…」
白夜はおぞましい可能性が脳裏に浮かぶのを、全力で振り払うのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴