全ては我等がキング・ブレインのために!
●システムフラワーズ中枢領域『キングブレインキャッスル』
「ブレブレブレ(笑い声)、頭を垂れよ下郎共!」
居丈高に響く笑い声があった。
我々は知っている。
この
股!
この
背!
この本
棚(?)
「そう! 秘密結社ブレインの大首領、『キング・ブレイン』見参であるぞ! みなさまご機嫌いかがですか?」
『キング・ブレイン』の言葉に彼が課した地獄の特訓によって『スーパー怪人』へと至った『スーパー怪人軍団』たちが叫ぶ。
「キーング!」
「キーング!」
「キーング・ブレインー!!」
熱狂は最高潮である。
しかし、その熱狂を受けて『キング・ブレイン』は大仰な身振りで持って彼等を制する。
「みなさま、よくぞ吾輩の地獄の特訓に耐えてきました! みなさまはもう立派な『スーパー怪人』! 吾輩の故郷デビルキングワールドの悪魔たちにも負けず劣らずの存在へと至りました! 立派です!」
己たちの居城である『キングブレインキャッスル』が中空に浮かんでいる。
例え猟兵たちが、この拠点を攻め立てるのだとしても、『スーパー怪人軍団』がいればたやすく突破することはできないだろう。
正直言って難攻不落である。自画自賛が過ぎるが、これも何もかも『キング・ブレイン』の地獄特訓に耐えてきた怪人たちがあってこそだった。
「どうにか猟兵達に気づかれる事なく『最終段階』を迎えることもできました! このシステムの中枢に、吾輩の……」
彼は己の愛車『ブレインバイシクル1号(残骸)』を何故か『ドン・フリーダム』から譲り受けた『システム・フラワーズ』の中枢に設置した。
「ポチッとな! 見よ! これによりキマイラフューチャー以外のあらゆる世界にも、この施設のパワーを送り込むことができるようになったぞ!」
わー! と『スーパー怪人軍団』である『ダラクモニター・ニンジャ』たちが歓声を上げる。
「ではさっそく、全ての世界にコンコンコンを送り、全ての飢えと貧困を消し去って……」
そう、コンコンコンとはキマイラフューチャーに見られるコンコンコンとするだけでなんかこう食べ物とかいっぱい出てくる夢と欲望のシステムなのである。
それを全世界にばらまけば、食糧問題はまるっと解決できてしまうのだ。
食料があるのならば、満たされる。
そうなれば、争いだって消えるだろう。
なんという善意!
だが、ぐっと『キング・ブレイン』はこらえた。
そう。
彼は!
「いかんいかん、吾輩は悪の大首領であるぞ! 無論、そんなことはしない!」
「ああ、その通りだ」
「『キング・ブレイン』様のお心は私達がよくわかっています」
「うん、とってもいい人だってわかるもの。でも、『キング・ブレイン』様のしないといけないこと、僕はわかっているよ!」
「……」
「おお、『日直式キング・ブレイン四天王』! 今日の当番は君たちか!『ゼクス』、『ズィーベン』、『アハト』、『ノイン』!」
日直式。
そう、『キング・ブレイン』の前には本日の四天王が揃い踏みであった。
何を隠そう、『キング・ブレイン』は『4thKING』!
良い子の種族である悪魔である。故に、彼の地獄特訓は苛烈であったが、優しさもあったのだ。
疲れたら、無理せず報告。
一日三食の栄養たっぷりの食事。
睡眠は8時間たっぷりに、お昼寝も! 怪我はちゃんと労災申請! 冠婚葬祭はきちんと! イベントがあったり、遊びに行きたい時は有給申請!
そのあまりにも優しすぎる『キング・ブレイン』に怪人たちは心酔しきっていた。
「ブレブレブレ(笑い声)、馬鹿を言うでない! 吾輩は悪の大首領であるぞ! 吾輩はこれから諸君らに命じるのだ! 極悪非道たる所業をな!」
翻るマント。
遠からずは寄って聞け! 近くば寄って見よ!
「僭越ながら! 宣言させて頂こう! 吾輩が作り上げたスーパー怪人軍団の諸君! 君たちを、他の世界へ送り込む!」
『キング・ブレイン』の声に『日直式キング・ブレイン四天王』が一、『ゼクス』が『キング・ブレイン』と同じ様に翻し宣言する。セリフを取ったとも言える。
「諸君はすでに『キング・ブレイン』様のふるさとであるデビルキングワールドの住人の悪魔たちよりもずっと強くなった!」
さらに『ズィーベン』と呼ばれる怪人が、ぽちっとスイッチを押せば、中空に巨大な画面が降りてきてパワーポイントでもって示す。
「即ち、どの世界でも遜色のないスーパー悪い作戦を完遂できるはずなのです。そう、例えば?」
えっと、えっと、と『アハト』とよばれた少年怪人が一生懸命、パワーポイントの文字を読み上げる。
『キング・ブレイン』が慌てなくていいですよ、と耳打ちしている。優しい。
「えっと! 例えばね! 幼稚園バスを100個誘拐したり、遠足のお菓子を300円じゃなくって、3000円分買って持って行ってもいいんだよ!」
すごい! と『アハト』とよばれた少年怪人が嬉しそうにしている。
「……」
『ノイン』と呼ばれる怪人はなんか黙っていた。
そういうポジションなのかもしれない。
「さあ、猟兵達に見つかる前に旅立つのだ、『スーパー怪人軍団』よ!!!」
システムフラワーズを起動しようと『キング・ブレイン』がぽちっとなとしようとした瞬間、なんか地球がいきなり二つに割れていた。
はて。
なんです、これ? と『キング・ブレイン』は訝しんだ。
「これは!」
「知っているのですか、『ゼクス』さん!」
「これってあれだよね。メンテナンスルートって言うやつだよね!」
「『アハト』君、なんですって?」
メンテナンスルート! 嘗ての大いなる戦い『バトルオブフラワーズ』のように地球が真っ二つになってしまっているのだ。
そんでもって、『システムフラワーズ』の中枢への道が拓かれていることを意味している。
そう、今の『キングブレインキャッスル』は丸裸も同然!
「ぬ、ぬぅーにー!? どうしそんなことになっているのです? もしかして、これは」
「もしかしなくても猟兵がやってくるってことですよね!?」
「あわわわ!」
「……」
『キング・ブレイン』と『日直式四天王』たちは大慌てである。
しかし、そんな彼等の慌てぶりを他所に『スーパー怪人軍団』、『ダラクモニター・ニンジャ』たちが一斉に声を上げる。
「ダラー!」
「ぬっ、そうですね。慌てても仕方ありません! 今の貴方達はデビルキングワールドの悪魔たちをも凌駕する存在! 猟兵一人辺り100人でボコにすればなんとかなります! さあ、行きますよ、みなさん! なんとしてでも、世界中の飢えと貧困を……あっ、いえ、違いました! 多世界にひとっ飛びして、スーパー悪い作戦を完遂するのです――!」
海鶴
マスター海鶴のキャラクターのナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)です。
ついに猟書家『キング・ブレイン』がしれっと完成させていたスーパー怪人軍団による悪の組織『秘密結社ブレイン』がキマイラフューチャーから全世界に飛び出そうとしています。
これは彼等の侵攻をさせぬために、脈絡なく真っ二つになった地球へと向かい、彼等の目論見をぶっ飛ばすシナリオになっております。
●第一章
集団戦です。
真っ二つになった地球はメンテナンスルートが生まれています。そこに浮かぶ『キングブレインキャッスル』に乗り込まねばなりません。
ですが、周囲には『スーパー怪人軍団』が溢れかえっています。
彼等は非常に強いだけではなく、猟兵の皆さん一人につき100人掛かりで襲いかかってきます。
さらに通常のユーベルコードに加え、追加でユーベルコード、『スカイステッパー』えもって空中を自在に飛び回ってきます。鬱陶しいです。
これらに対策を講じなければ確実に『失敗』扱いになります。
●第二章
ボス戦です。
『キングブレインキャッスル』内部で『キング・ブレイン』と『日直式キング・ブレイン四天王』を名乗る四体のスーパー怪人が立ちふさがります。
四天王は、どうやら人間怪人のようで、男女二人ずつの青年、少女、少年、成人女性の姿をしています。
なんていうか、めちゃくちゃ強いです。
しかも、『キング・ブレイン』に心酔しているので、彼の為なら生命も投げ出します。
彼等と『キング・ブレイン』と同時に戦って勝利しなければなりません。
●第三章
第二章で倒された『キング・ブレイン』は律儀にも彼が倒されると作動する自爆装置を作動させ『キングブレインキャッスル』を破壊します。
逃げるのは容易ですが、城が崩壊するまでの間なら、色々喋ることもできます。
ささっと逃げるのもいいですし、なんかこうおしゃべりしてからでもいいかなって感じでもいいと思います。それくらいの余裕はあります。たぶん。
それでは、悪の大首領『キング・ブレイン』との一大決戦! 悪と正義が激突し、火花散らしてキマイラフューチャーに吹き荒れる皆さんの活躍を彩る物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 集団戦
『ダラクモニター・ニンジャ』
|
POW : 猟兵に帰宅を促すダンス
【滑稽だがキレの良い動きの洗脳ダンス映像】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
SPD : 自宅警備カラテ術
【「戦わずに今すぐ自宅警備をしたくなる洗脳】を籠めた【爆笑漫才映像」を観せながらの空手チョップ】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【仕事をする意思】のみを攻撃する。
WIZ : カワイイネコチャン
【冒涜的な紋様が映された顔のモニター】から、戦場全体に「敵味方を識別する【カワイイネコチャンのほのぼの洗脳映像】」を放ち、ダメージと【家の布団でネコチャンと眠りたくなる気持ち】の状態異常を与える。
イラスト:湯戸川
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
真っ二つに割れた地球。
それはキマイラフューチャーにおいて、二度目の出来事であった。
メンテナンスルートとよばれる『システムフラワーズ』の中枢に至るための道筋。いや、それにしたって地球真っ二つにせんでもと思わんでもない。
しかし、現に真っ二つになっているのだから仕方ない。
その中空に存在するのが『キングブレインキャッスル』である。
かの悪の大組織の城。魔城とも言って差し支えない城へと猟兵たちは迫る。
「ダラー! これ以上は通さぬ!」
「ダラー! そう、ここは『キング・ブレイン』様の居城! あの方の優しさに触れ、我等はスーパー怪人へと至ったのだ!」
「ダラー!『キング・ブレイン』様はめちゃくちゃ優しくしてくださった! 三食昼寝付き! 週休8日制! あの方が望むのなら、我等は世界すら侵略してみせよう!」
メチャクチャ気合が入っている。
いや、なんとなく分かる気がする。
それだけの好待遇をしてくれたのだ。それに報いようって気持ちが芽生えなくもない。
猟兵達だって、え、なにそれ羨ましいと思ったかも知れない。だが、ダメなのである。敵はオブリビオン! そんでもって自分たちは猟兵!
どんなにいい人っぽくてもオブリビオンはぶっ飛ばして滅ぼさなければならないのである。
『キングブレインキャッスル』に走る猟兵達に迫る一人頭100人のスーパー怪人軍団たち。多勢に無勢! それも常時ユーベルコード『スカイステッパー』を使用し、空中を自在に駆け抜けてくるのだ。
恐るべき強敵たちである。
「ダラー! 来るがいい、猟兵!」
「「「我等が『キング・ブレイン』のために――!」」」
だが、それでも!
猟兵たちは彼等をぶっ飛ばさなければならないのだ!
征け! 正義の血潮たぎらせ、明日の地球を救うのだ――!!
アルテミシア・アガメムノン
他はともかく週休8日制は貴方達、他の世界線から来ていませんか?
まあ、それはさておき悪魔を凌ぐ身体能力と二つのUCの同時仕様を可能としたのは素晴らしいですわね。
立派です。それを称えてわたくし手ずから成敗してあげましょう!
『スカイステッパー』で飛び回る100人を個別に捕捉するのは面倒です。
戦場空間ごと吹き飛ばしましょう!
先制攻撃で『黄金の暴嵐』を発動。戦場全体を神雷と滅嵐で吹き荒ばせます。
えっ、カラテ術は仕事をする意思を奪う?
申し訳ありませんが飛び回りながら映像を観せられてもよく分かりませんし、そもそもオブリビオン退治は仕事ではなく政務の息抜きの様なものですから。それに……わたくしに近づけますか?
全人類が望むもの。
それが週休8日制である。
いや、そもそも一週間は7日しかないのだから、どう足掻いても無理じゃないかと思わないでもない。
「貴方達、他の世界線から来ていませんか?」
アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は訝しんだ。
どう考えてもおかしい。
暦とかそういうのがない世界かな?
そんなことを思いながらも、しかし、迫る『スーパー怪人軍団』たる『ダラクモニター・ニンジャ』たちの凄まじさを彼女は感じていた。
100人以上の『ダラクモニター・ニンジャ』たちはモニターに爆笑漫才映像を垂れ流しにしながら、アルテミシアへと問答無用の空手チョップを繰り出していた。
それだけではない。
彼等は『スカイステッパー』――空中を蹴って飛ぶことのできるユーベルコードを同時に使用しているのだ。
「ダラー! ぬかせ! 我等が『キング・ブレイン』様は与えてくださったのだ! 週休8日制! 無理せず特訓しつつ、寝食を与えてくださった! この素晴らしさを理解せぬ者は、須らく我等が空手チョップの露と消えるがいい!」
どりゃー! と迫る一撃をアルテミシアは人差し指で受け止めた。
「ゆ、指一本で受け止めただと!? だが、指は全部で10本! 我等は100人! ならば両手では足りぬまい!」
「ダラー!」
確かに、とアルテミシアは思う。
敵の『スーパー怪人軍団』、『ダラクモニター・ニンジャ』たちの力は凄まじい。
デビルキングワールドの悪魔たち以上の力を持っている。
同時に使用されるユーベルコード、『スカイステッパー』は戦場たる空中を彼等のものとしている。
だが、それでもアルテミシアは不敵に笑む。
「足の指まで合わせれば20本ですわ! 一本につき、5人までなら、わたくしお相手できましてよ! つまり! これで100人全員ぶっ飛ばせますわ!」
なるほど!
じゃない!
指一本で『ダラクモニター・ニンジャ』5人を相手取ると?
冗談じゃない!
彼等には意地がある。矜持もある。
だが、それ以上に『キング・ブレイン』に報いなければならぬという理由がある。この場合、あらゆる意地と矜持に勝るものである。
故に!
「やれるものならやってみるがいい! ダラー!」
一斉に飛びかかる『ダラクモニター・ニンジャ』たち。
100人が一斉にアルテミシアをボコにしてやろうと迫る。空手チョップは仕事をしたくねーなーという気持ちにさせるし、労働意欲を削ぎ落とす恐るべき力。
だが!
「申し訳ありませんが飛び回りながら映像を見せられても、よくわかりませんの」
「ダラー!?」
「あと、そもそもオブリビオン退治は仕事ではなく、政務の息抜きのようなものですから」
「なん……だと……?」
「ええ、そうです。息抜きです。仕事ですらないのです。貴方達の相手をするのは、正直、我が王国の政務に比べれば仕事と呼べるものではありません」
えぇ……どんな激務なの。
そんな思いを『ダラクモニター・ニンジャ』たちは思った。
確かに『キング・ブレイン』は大変に優しかった。
ぬるま湯にどっぷり浸かっていた。けれど、アルテミシアは違う。デビルキングワールドにおいてワルを極めるために一生懸命がんばっていたのだ。
そんな彼女がオブリビオン退治に来るなんて、余程のオーバーワーク。ワーカーホリック! だが、彼女にとって己たちとの戦いは、戦いですらなかったのだ。
息抜きて!
どんな理屈で考えればそんな境地に至ることになるのだろうか。
もうわけがわからない。
アルテミシアの至高ロジックがわかんない! 『ダラクモニター・ニンジャ』たちは漸くにして悟る。
そう!
彼女こそは、黄金の暴嵐(ルドラ)にしてデビルキングワールドの『7thKING』! アルテミシア・アガメムノン!
「逆らう存在すべてに終焉を」
煌めくユーベルコード。
それは黄金の神雷と滅びの暴風荒ぶ領域。
アルテミシアは指一本でいいと言った。5人分ぶっ飛ばすと。
だが、彼女に触れることができたものはいなかった。触れる前に彼女のユーベルコードに全てぶっ飛ばされたからだ。
「ダラー!? ずっこい!?」
「ふ……わたくしに近づけに者に、わたくしに挑む資格などないのですわ」
アルテミシアは余裕の笑みと共に吹き荒れる黄金の暴嵐でもって空飛ぶ『ダラクモニター・ニンジャ』たちをぶっ飛ばすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
リリスフィア・スターライト
なかなかに結束の固そうな人達だね
このまま何できずに帰るわけにはいかないかな
向こうも空を飛ぶようだしこっちも
全翼天開で飛び回って1人ずつ倒していくね
相手は100人だし捕まらないよう動きは止めないよ
高速戦闘にダンスバトルでも負けるつもりはないかな
長時間の戦闘も避けたいし手早く片付けていくね
頭のモニターも優先して破壊しておくね
これはあくまでもボランティア活動みたいなものだし
仕事じゃないから、仕事をする意思が奪われても大丈夫
…という事にしておくね
転移はダメージを受けても拒否して、
ネコチャンと眠りたくなる気持ちは事前に済ませてきたから
少しは耐えられるかな
「さて、待遇に見合っただけの働きはできるかな?」
「ダラー! 我等が『キング・ブレイン』様のために!!」
空を飛ぶ100人の『ダラクモニター・ニンジャ』たち。
ユーベルコード『スカイステッパー』に寄って空中を蹴って飛ぶことのできる彼等は、さらに同時にもう一つのユーベルコードを使用することができる。
100人の『ダラクモニター・ニンジャ』たちが飛び交う光景は凄まじいものであったが、しかし、それ以上にリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)の目を引いたのは、そのモニターに浮かぶ映像であった。
「あれは……一体何?」
彼女の瞳に映るのは、謎のキレあるダンス。
具体的に言うなら、全身タイツのカボチャ頭の人がキレッキレな滑稽なダンスをしているのだ。
なんかよくわからない。
「ダラー! これが猟兵に猛省を促すダンスである! 我等が『キング・ブレイン』の邪魔はさせん!」
一斉に飛びかかってくる100人の『スーパー怪人軍団』。
正直に言って、りりスフィアは彼等の結束の固さに感心していた。
どこまでも『キング・ブレイン』のために戦う彼等。
もしも、立場が違ったのならば、彼等とは共に世界の破滅を救うために戦うこともできたかもしれない。
けれど、彼等はオブリビオンなのだ。
どうしたって倒さなければならない。
「全翼天開(スフィア・ドライブ)! こっちだって何もできずに帰るわけにはいかないからね!」
敵が『スカイステッパー』でもって空中を蹴って飛ぶというのならば、リリスフィアは己の瞳をユーベルコードに輝かせる。
魔力で生み出された光り輝く翼。
全身を覆う翼は、彼女の力を膨れ上がらせる。
「ダラー! 空中で我等を張り合うか!」
「そうだよ。ここからは私の全てをぶつける!」
「ダラー! その意気や良し! だがどこまで持つかな! 貴様たち猟兵は世界を救うという仕事のために戦っている! 我等は違う!」
「ダラー! そう、我等は『キング・ブレイン』のために!!」
滅私奉公とでも言えば良いのか。
『ダラクモニター・ニンジャ』たちは『キング・ブレイン』に心酔している。
彼等はそのためだけに戦おうとしているのだ。
けれど、りりスフィアは手にした武器でもって迫る『ダラクモニター・ニンジャ』たちを打ち据えていく。
「ダラー!? どういうことだ! 我等が押し負けるなど!?」
「これはあくまでボランティア活動みたいなものだし仕事じゃないんだよ。あなたたちが『キング・ブレイン』のために戦うように。私だって誰かのために戦っているんだから!」
だから、仕事をしたくないなーっていう気持ちを減ずる力はりりスフィアには通用しない。
そのために、彼女は猫ちゃんとお家で眠りたいなーって気持ちを噛み殺してきたのだ。
ぐっと堪える。
痛みが走る。
でも、それでも戦わなければならない。
これが世界の破滅を齎すのならば、お家にいたって同じなのだ。だから、戦う!
「ダラー! 何という覚悟!」
「そう大層なものじゃないかもだけど……でも!」
りりスフィアと『ダラクモニター・ニンジャ』たちが空中で激突する。
火花散るようなユーベルコードの激突と、空中に描かれる飛翔の軌跡。
リリスフィアは早くお家に帰りたい、猫ちゃんもふもふしたい、そんな気持ちに耐えながら、懸命に飛ぶ。
「世界を護らないと、猫ちゃんももふもふできないでしょ!」
だから! とりりスフィアは気合一閃、『ダラクモニター・ニンジャ』の頭を打ち抜き、戦場を駆け抜けていくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
王女・プリンセス
うふふ、ごきげんよう。
自作おネコさん人形にUC【ゴッド・クリエイション】で生命を与え、繁殖力を「人間以上」にしますわ。
するとどうでしょうか?見る見るうちにもふもふのおネコさんで辺りが埋め尽くされていきます。
はふぅ……あたたかいでございます……
これはプリンセス城(自宅)の最高級プリンセスベッドにも劣らない癒し効果でございますの……♪
『にゃあ♪』『ごろごろ♪』
もふもふ欲を満たし満足しましたらおネコさん達に突撃をお願いしますわ!
『うにゃあんっ!』『ふしゃーっ!』
百匹を超えて今も増殖し続けるおネコさん達は猫特有の驚くべき跳躍力で飛び掛かり、ガブっと噛み付いたり爪でバリバリ引っ掻いて攻撃していきますわ!
「ダラー! 猟兵達を『キングブレインキャッスル』へと行かせるな!」
『スーパー怪人軍団』となった『ダラクモニター・ニンジャ』たちは戦場を駆け抜ける。
真っ二つに割れた地球。
その中空たる中心に猟書家『キング・ブレイン』は存在している。
彼の元に猟兵を行かせるわけにはいかない。
彼等が敬愛して止まない『キング・ブレイン』は、『システムフラワーズ』と『ブレインバイシクル1号』を合わせて、コンコンコンを全世界にばら撒き、飢えと貧困を解消……じゃなかった、すんごい悪い作戦を実行しようとしていたのだ。
例えば、幼稚園バスを誘拐したり! 銀行強盗したり! 後なんかこう、とにかくワルいことをしまくろうとしている。
だが、そんな『キング・ブレイン』の極悪作戦を阻もうとする者たちがいる。
言うまでもなく猟兵である。
「ダラー! そんな猟兵共はぁ! この猫ちゃんかわいい動画でもって撃退してくれるわぁ!!」
冒涜的な映像を流す『ダラクモニター・ニンジャ』の頭部のTVモニターから、とってもほのぼのしい映像が流れる。
あっ、とっても可愛い。
猫ちゃん可愛い。
誰もが猫に夢中になってしまう。
だが、そんな中、一人の少女が現われる。
「うふふ、ごきげんよう」
「ダラー! ごきげんよう! だが貴様は猟兵だな! ならば、喰らえ! この可愛い猫ちゃん動画をぉ!!」
びかーってユーベルコードの輝きが満ちる。
だが、王女・プリンセス(Princess of Princess・f40349)は己に迫る100人の『ダラクモニター・ニンジャ』たちを前に己が作った自作おネコちゃん人形をユーベルコードの輝きで持って満たす。
己の創造物に生命を与え、繁殖力を強化した彼女の力は、瞬く間に人間以上の繁殖力でもって増えていく。
手編みの人形であったのならば、一体作るだけでも大変に大変である。
それを彼女はユーベルコードで持って一瞬で作り上げてしまう。
それどころか、自分たちで勝手に増えていくのだ。
「ダラー! ねこちゃん!? ぬいぐるみの猫ちゃん!?」
「ダラー! あ、かわいいねぇ!」
「どうでしょう? このもうもふのおネコさんたちは。はふぅ……温かいでございましょう?」
これは彼女の城の最高級プリンセスベッドにも劣らないいやし効果を持っているように思えた。
もふもふおネコさま人形が『ニャア』とか『ごろごろ』言っているのである。
誰が攻撃できようか。いや、できまい。
「ダラー! なんたる卑劣! このおネコさまたちを俺たちが攻撃する
……!?」
「ダラー! できるわけがない!」
「ダラー! くっ……!」
たじろいでいる彼等を他所にプリンセスはおネコ様人形たちに耳打ちをする。
「ね、あのひとたちをかじってしまいましょう」
『うにゃん! ふしゃーっ』
その言葉と共に一斉に駆け出すおネコ様人形たち。
ネコ特有の跳躍力。
爪! 噛みつき! バリバリいうあれ! 障子ぶち抜き、柱をひっかく、その可愛いの蹂躙劇。
それを前に『ダラクモニター・ニンジャ』たちは、逆に籠絡され、増えていく人形のもふもふに沈むしかないのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
榊・ポポ
ゑ?あんだって?また地球割れた?何処のSTGゲームの結末だYO
ダラダラしてたら残業ついちゃうネ☆
バリバリ君でフラワーズへ直行ダ☆
う~~~ん怪人邪魔ァ...あんまうろちょろすっと轢くぞ!
てか数多いYO!残業確定じゃないかぁやめてくださーい(棒)
そんな時はコレ☆ゲーミングポポちゃんの無敵モード☆
更にゲーミングドリンクの☆不眠不休☆継戦能力で24時間戦えますか?はブラック企業戦士モードじゃー!
一体一体相手にしてられっか!攻撃判定あり無敵モードの☆ダッシュの轢き逃げアタックで直進行軍じゃー!!
おらおらおらー!どけどけどけー!レインボー無敵モードのポポちゃんに当たったら飛ぶぞ!
ポポちゃん忙しいの!!
頻繁に割れる地球。
それはSF世界にあっては、まあ、なんていうか日常茶飯事であった。
特にSTG……シューティングゲームに至っては、地球というのは常に滅びてるか侵略されているか、そんな具合の扱いであった。
人類に何の恨みがあるのかというほどに頻繁に滅びているのである。
とはいえ、人類の、という言葉を付け加えるのならば、確かにキマイラフューチャーは滅びた世界である。
人類の姿はなく。
代わりにキマイラたちが面白おかしく生きている。
「ほんと何処のSTGの結末だYO!」
ほんとだYOね!
「ていうか、あれだな。テンション上がってきた」
なんで? と『スーパー怪人軍団』の『ダラクモニター・ニンジャ』たちは思った。
いや、本当に脈絡なく、榊・ポポ(デキる事務員・f29942)は言い放った。
「ダラー! だからなんだというのだ! テンションが上がったくらいで我々に勝てるとでも思ったか!」
「ダラー! やっちまいやしょうぜ! こんな賢い動物! 焼き鳥にしてやるぜ!」
三下ムーブが板に付いている。
これもそれも全部、猟書家『キング・ブレイン』の仕込みである。
怪人とは斯くあるべきと彼は怪人たちに懇切丁寧にレクチャーしていたのだ。
「ダラー!」
掛け声だってそうである。
やられ役の怪人には決まった掛け声があるのである。キッー! てきなあれである。
「そんなことはどうでもいい。怪人邪魔ァ……あんまうろちょろすっと轢くぞ!」
『ダラクモニター・ニンジャ』たちはポポのあまりの口の悪さにビクッとした。
なんで怯んでるんだとポポは思った。
ていうか、数多いな! とも思った。
それもそうである。
なんせ、一人の猟兵につき100人の『ダラクモニター・ニンジャ』たちが襲いかかっているのだ。多勢に無勢ってレベルじゃねーぞって感じである。
「残業確定じゃあないかぁやめてくださーい」
はいはいどいたどいたー、とポポは、雑に暑かった原付バイクでもって『ダラクモニター・ニンジャ』たちを盛大に轢いていく。
本当に轢いた。
『ダラー!? え、今からでも入れる保険があるんですか!?」
「あるわきゃねーだろ! 不眠不休で戦えますか! 25時間戦えますか? これが本当のブラック企業戦士じゃー!」
ポポは一体一体相手にしていられないと原付バイクでバカスカ『ダラクモニター・ニンジャ』たちを弾いていく。いや、轢いていく。
清々しいほどの無双。
これが、ゲーミングポポちゃん(ポポチャンパーリーナイ)の弊害である。
なんでもかんでもリセット世代。
悲しいゲーム脳。
それによってポポは七色に輝きながrあいみもなく超高速爆走飛行でもって原付バイクのサラダ油で回るエンジンを唸らせ、『ダラクモニター・ニンジャ』たちを無慈悲に轢いていくのだ。
サラダ油なんだ、と思う。
けど、それ以上に賢い動物であるポポがどうやってバイクを運転しているのかわからない。
どう考えても、その。
「うるせー! 考えるな! 感じろ! パッションがあればなんでもできる! おらおらおらー! どけどけどけー!」
虹色に輝くポポはまさに無敵状態。
さらに最高にハイテンション状態である。
「当たったら飛ぶぞ!」
そういう間にまた『ダラクモニター・ニンジャ』をぶっ飛ばしていく。
「ダラー!?」
「いいか、ポポちゃん忙しいの!! 家賃取り立ても楽な稼業じゃないんだぞ! おらー!」
最後はなんか私情入っていたような気がしないでもないが、そんなことお構いなしにポポは原付バイクで無数の『ダラクモニター・ニンジャ』たちをぶっ飛ばしていくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』
一人称:私 のほほん
武器:灰遠雷
…どこからツッコめばいいのやらー?
まあ、根が真面目なキング・ブレインの配下なら…強いのはわかるのですがー。
さて、スカイステッパー使いながらですかー。そんなことされると…映像よく見えないのでは?
100人いますと、まあ遮られたりしますし。
ああ、念のための結界を六重展開してますー。風、氷雪、炎、重力、海、雷とねー。
まあ、とっとと早業でUC使っちゃいましょう。10km以上離れないと逃れられない矢(というには怪しい)やつです。二回攻撃しますねー。
あのですね、空中にいますと。下からもやってくるので気を付けた方がいいですよ?
「……どこからツッコめばいいのやらー?」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱、『疾き者』は思わず首をひねっていた。
いや、何にって決まっている。
目の前の光景である。
猟兵達のユーベルコードが煌めく度に雑にぶっ飛んでいく『スーパー怪人軍団』こと『ダラクモニター・ニンジャ』たち。
「ダラー!? 数をものともしないとは!!」
「ダラー! だがこの程度で諦める我等ではない! 我等が『キング・ブレイン』のために!!」
「ダラー! やったるぞ! やったるぞ!!」
彼等はものすごい数だった。
具体的に言うならば、猟兵一人に対して『ダラクモニター・ニンジャ』たちが100人。まさに過剰戦力。
一体であっても凄まじい強さを持っているのだ。
デビルキングワールドの住人、悪魔たちをも超える強さ。
それは正直に行って侮ることのできない戦力であった。
「まあ、根が真面目な『『キング・ブレイン』の配下なら……強いのは分かるのですがー」
「ダラー! その首元に空手チョップ!」
迫る『ダラクモニター・ニンジャ』たちは、ユーベルコード『スカイステッパー』を同時に発動することに寄って、それはもう戦場の空を縦横無尽に駆け抜けて『疾き者』に迫ってくる。
その前に『疾き者』は尤もなことを言う。
「あの、その映像。飛び跳ねながらでは、映像がよくみえないのでは?」
真っ当なことであった。
ほんと、まっとうな指摘であった。
「ダラー!? た、確かに!」
ぴたっと『ダラクモニター・ニンジャ』たちが止まる。
うっわ、やっべ、マジ出そうだ、と『ダラクモニター・ニンジャ』たちは立ち止まって顔を見合わせている。
動き回ると映像しっかり見てもらえないじゃん! と動揺している。
「……ええと」
『疾き者』はとても心苦しかった。
なんかこう、不意打ちみたいだったからだ。彼等が動揺している間に弓を放つ。ユーベルコードに寄って黒く染まった弓。
それは『疾き者』が視認する全てを標的とするユーベルコード。
「あのですね、空中にいますと。下からもやってくるので気をつけた方がいいですよ?」
「ダラー! これはご丁寧にどうも」
「ダラー! 確かにこれはうっかりしておりました。いやはや、動き回っては映像がみえないとは……」
「ダラー! なんか矢が飛んできてません?」
来てます。
「えぇ……」
『疾き者』は困惑していた。
彼の放った四天境地・雷(シテンキョウチ・カミナリ)は狙い過たず『ダラクモニター・ニンジャ』たちの体を貫いていた。
彼のユーベルコードは分裂して追尾する矢であるが、しかし追尾する必要もなかった。
『疾き者』の指摘に『ダラクモニター・ニンジャ』たちは、それもそうだと足を止めていたからだ。
それが決定的だった。
どれだけ100人いるのだとしても、空中で止まっていれば。
「まあ、的ですねー」
放たれた矢が彼等を貫き。
そして、ダラー!? と断末魔の叫びを戦場に響かせるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
まーたキマイラフューチャーが割れておるぞー!
さておき私も週休8日、生きてるだけでお賃金が出る生活がしたい!
怪人ばっかりそんな生活しやがって…財布置いてけよ!!
しかも浮足立ち?やがって…
飛びながら変な動きをするんじゃないよ!
ダンスをされる前にさっさと手を打つ!
【Code:U.G】起動
全域に自重で潰れる程の重力を照射
飛び回るのも、踊るのも無し!
家に帰りたいけど…拒否!
うっ!ダメージが…!
これは…福利厚生の手厚い秘密結社ブレインには示談金を払って貰わないとなあ!
《RE》Incarnationを抜刀
重力で地面に押し付けたニンジャをザクザク『串刺し』にしながら、ポケットを漁って財布を探って行こうか
次々と雑にぶっ飛ばされていく『スーパー怪人軍団』、『ダラクモニター・ニンジャ』たち。
だが、彼等にも退けぬ理由がある。
そう、彼等の首領。『キング・ブレイン』のために彼等は命をかけて猟兵たちと対峙しているのだ。
「ダラー! この程度で負けてたまるか!」
「ダラー! 見よ! この帰宅を促すダンスを!」
「ダラー! このキレッ! この動き! この軽快さ!」
おらー! と『ダラクモニター・ニンジャ』たちのユーベルコードが煌めく。ついでに『スカイステッパー』も同時に発動しているので、彼等は空中を自在に飛び跳ねて迫るのだ。
そんな彼等を前に月夜・玲(頂の探究者・f01605)は立ちふさがる。
二振りの模造神器を抜き払う。
蒼き刀身が残光を残し、その刃の切っ先が見せる軌跡はきらめいていた。おお、かっこよ……。
「まーたキマイラフューチャーが割れておるぞー!」
だが、玲の口からついて出てきたのは、かっこいいっていうか、そのなんていうか、ギャグ時空のセリフであった。
わからないでもない。
『バトルフラワーズ』と呼ばれる大いなる戦いでもそうであったが、メンテナンスルートと呼ばれるように今のキマイラフューチャーの地球は真っ二つに割れている。
そこに『キングブレインキャッスル』が浮かんでいるのだ。
猟兵はそこを目指している。
「私も週休8日、生きてるだけでお賃金が出る生活がしたい!」
わかる。
とてもしたい。だが、現実はそうは行かないのである。どうあっても働かないといけない。働かないとお賃金が出ない。お賃金がないとご飯が食べられない。
そして、遊びお金欲しさに遊ぶ時間を削ってお仕事しないといけないのである。
これは本末転倒である。
なのに!
「怪人ばっかりそんな生活しやがって……財布置いてけよ!!」
「ダラー! そんなことばっかり言っているから、我々が猟兵に猛省を促すダンスを――!」
「やっかましい!」
瞬間、玲の瞳がユーベルコードに煌めく。
こういう時は初手ぶっぱって決まっているのである。
敵が『スカイステッパー』でもって空中を自在に飛び跳ねるというのならば、玲は周囲に重力を解き放つ。
そう、これこそが彼女のユーベルコード、Code:U.G(コード・アンロック・グラビティ)。
重力制御に寄って自身は飛翔し、敵は地に落ちるほどの重力で縛られる。
自身にはアドバンテージを。的にはデバフを。
これが戦いの基本である。
「飛びながら変な動きをするんじゃないよ!」
ぐわ! と玲の瞳が見開かれる。
セリフのない噴き出しコマなら、酷くかっこいい玲の姿なのだが、言ってるセリフが残念であった。
「ダラー! というか、貴様ッ! 家に帰りたくはないのか! 爆笑漫才を見てゲラゲラ笑いたくはないのか!」
「そんなもん、当然でしょ! だけど、拒否! だって!」
玲の体に痛みが走る。
多分重力制御による筋肉痛である。明日来るはずだった筋肉痛が今来た感じのあれである。肉離れとかしてない? 大丈夫? あ、大丈夫。
「この痛み……これは福利厚生の手厚い秘密結社ブレインに示談金を払って貰わないとなぁ!」
「ダラー! どう考えても帰宅拒否の痛みで自業自得ではないか!」
「ダラー! そうだそうだ! 当たり屋みたいなことを! ってダラー!?」
ぐさーって玲は雑に模造神器の刀身を大地にへばりついている『ダラクモニター・ニンジャ』たちにぶっ刺していく。
ものすごく雑だった。
なんかもう適当って感じだった。
後なんかついでに『ダラクモニター・ニンジャ』たちの懐をガサゴソしていた。
「ダラー!? ま、まさか貴様……!」
「え、うん。お財布、あるでしょ」
「ダラー! な、ない! あるわけがない!」
「ふーん」
玲は重力制御に寄って『ダラクモニター・ニンジャ』たちの体を上下に振る。
小銭の音がした。
「持ってんじゃん」
「ダラー!? ま、待ってくれ、それはこの戦いの後、『キング・ブレイン』様にお疲れ様でした会をするための会費!」
にこし。
玲は『ダラクモニター・ニンジャ』たちの悲鳴を他所に集金をしていくのであった。
無慈悲――!
大成功
🔵🔵🔵
フィア・シュヴァルツ
「ほう、三食昼寝付きに週休8日制だと!?
よし、フギンよ、今すぐ面接の準備だ!」
『なにナチュラルに敵側に寝返ろうとしているのでございますか、フィア様!?』
ふむ。確かに良く考えたら、自由をこよなく愛する我が、誰かに仕えるなど選択肢としてなかったな。
ならば、あの城を落とし、蓄えられている食料をいただくまで!
『フィア様、怪人の自宅警備をしたくなる洗脳でございます!』
「ふむ?
宿なしの我には警備する自宅などないが?」
『フィア様、怪人の空手チョップで仕事する意思が――あ、フィア様にそんな意思ございませんでしたね』
とりあえず、うろちょろ飛び回る怪人どもはいい的だ。
【竜滅陣】でまとめて吹き飛ばすとしよう。
秘密結社ブレイン。
それは『キング・ブレイン』が為した目的の最終段階である。
怪人たちを束ね、『スーパー怪人軍団』へと変貌させた彼の手腕は素晴らしいものであった。何より、彼等に施された福利厚生は凄まじいものであった。
あまりの充実っぷりに猟兵の幾人かは卒倒しそうであったかもしれない。
現にフィア・シュヴァルツ(漆黒の魔女・f31665)は秘密結社ブレインの面接に来ていた。
いやなんで?
本当になんで? と使い魔である『フギン』も思った。
「三食昼寝付きに週休8日制であるからだ」
『フィア様。何ナチュラルに敵側に寝返ろうとしているのでございますか、フィア様』
あんまりのことに『フギン』は二度名前を読んだ。
ここでーす! 此処に造反者いまーす! っていう警告の意味もあったかもしれない。
いや、主人を売るなんてそんな使い魔失格なことは『フギン』はしないだろう。多分。
けど、思いとどまって欲しい。
『秘密結社ブレインに寝返るということは、雇われるということでございますよ!』
その言葉にフィアは確かにと頷く。
「そうだな。自由をこよなく愛する割れが、誰かに仕えるなど選択肢としてなかったな」
いや、そもそもそんな選択肢はない。
どうあっても猟兵とオブリビオンは滅ぼし滅ぼされる間柄であるからだ。
どれだけ週休8日制が魅力的であっても!
どれだけ福利厚生が充実していようが!
ダメなもんはダメなのである!
「ならば、あの城を落とし、蓄えられている食料を戴くまで!」
さらっと押し込み強盗宣言である。
これを冗談ではなく、本気で言っているのだ。
フィアの厄介なところの一つだった。ならまだ他にも厄介な部分があるのかと問われれば、まあ、ありますって応える。
具体的には食費とか。
あと、ブッパ癖があるとか。
そういう所。
「ダラー! そんなことはさせぬ! コンコンコンは『キング・ブレイン』様の野望のために使われるのだ!」
「ダラー! 貴様ごとに扱えるものではないわ!」
「ダラー! そうだぞ、このぺたんこ魔女! 食べたら全部魔力じゃなく、ぺたんこの部分をどうにかしろ!」
メチャクチャな言い分である。
それにカチンと来たのはフィアであった。
ていうか、『フギン』は思った。
彼等のモニターに映し出されている猟兵に帰宅を促す映像。
あれをフィアは見ているが、平気そうなのだ。
「我は宿無しぞ。その我に警備する自宅などないが?」
さらっと言ってのける。
その様子に『ダラクモニター・ニンジャ』たちは、すんごい気まずい空気になってしまった。
いや、マジモンを引き当ててしまったと顔面蒼白ならぬ、顔面モニター砂嵐状態である。
「ダラー! あ、あの、その、なんていうか」
「ダラー! そ、そうだ。悪気があったわけでは……」
しどろもどろである。
そんな様子で何故か『ダラクモニター・ニンジャ』たちの動きが止まる。
瞬間、フィアは雑にぶっぱした。
詠唱もなんもなかった。
適当に魔力を貯めて開放する事によってぶっ放された 竜滅陣(ドラゴン・スレイヤー)によって、気まずさに足を止めた『ダラクモニター・ニンジャ』たちを雑にぶっ飛ばしたのだ。
流石、大規模破壊魔法である。
100人、スーパー怪人軍団が来ても大丈夫である。
「ふんっ、どっちでも良いわ。我は家には帰らぬ! 宿なし故に! そして、貴様らの城にある食料は、我が全部まるっとツルッとぐるっとさらっと頂いてくれるわ――!」
大成功
🔵🔵🔵
ユーシア・ロクス
2P「いよいよ決戦!気合い入れていくっすよわたし!……わたし?」
…ふ、ふふふ、敵がいっぱい飛び交ってます……
全部、墜とせばいいんですよね……?
3P「あちゃあ……悪いスイッチが……」
ハードモードですね?だったら出し惜しみはなしです!
『戦禍撃ち抜く鋼鉄のカギ』を掲げ『アイゼンケーファー』を呼び出し搭乗、更に
凸な形状の白砲を呼び出して接続しUCです!
後はひたすら無心で飛び交う
的を補足次第クイックドロウで砲撃、
動きが速いなら近接信管ミサイルで複数まとめて爆破、
……一部何か変な動きしてますけど、きっとボーナスキャラですね
マシンガンで足を止め、砲撃で確実に落としますね!
真っ二つに割れた地球。
その中空に存在するのが秘密結社ブレインの居城『キングブレインキャッスル』である。次々と飛び出す『スーパー怪人軍団』。
『ダラクモニター・ニンジャ』たちはユーベルコード『スカイステッパー』でもって空中を自在に蹴って猟兵達に襲いかかる。
猟兵一人に対して『ダラクモニター・ニンジャ』100人。
いささか過剰な戦力ではないかと思わないでもない。
しかし、『ダラクモニター・ニンジャ』たちは油断なんてしない。
どれだけ数の利を得ているのだとしても、猟兵はそれを覆してくる。故に、油断はない。油断はないのだが……。
「いよいよ決戦! 気合入れていくっすよわたし!」
ユーシア・ロクス(まっさらゆうしゃ・f26126)はバーチャルキャラクターである。
個人制作RPGのデータから生まれた1P、2P、3Pと人格を有する者である。
故に2Pと呼ばれるが己に呼びかける。
「……わたし?」
返事がない。ただの1Pのようだ。
「……ふ、ふふふ、敵がいっぱい飛び交っています……全部、墜とせばいいんですよね……?」
急に声色がおかしい。
2Pは動揺したが、そんなことお構いなしに100人の『ダラクモニター・ニンジャ』たちが殺到する。
「ダラー! 我々は猟兵に帰宅を促す者たち! というわけで我々のキレッキレのダンスを見るが良い!!」
「ダラー! このまま一網打尽にしてくれるわ!」
「ダラー! それはどっちかっていうと、猟兵側のセリフのような気がするが!」
「ハードモードですね? だったら出し惜しみはなしです!」
「あちゃぁ……悪いスイッチが……」
ユーシアの瞳がユーベルコードに輝く。
手にした鍵を掲げ、己のキャバリアを招来する。『アイゼンケーファー』。
「覚悟と決意が悪夢を払う!」
ユーシアは乗り込んだ『アイゼンケーファー』でもって白砲を手にする。言ってしまえば、これはSTG。シューティングゲーム!
迫る敵は撃ち落とす!
「ぜ、全部、全部撃ち落とせばハイスコアですよね!?そうですよね!?」
「ダラー! ゲーム感覚!」
「ダラー! これがゲームではなく、本物の戦いだということを教えてくれるわ!」
おらー! と一斉に『ダラクモニター・ニンジャ』たちがユーシアへと迫る。
だが、彼女にとって、これはユーシアのプレイ日記~シューティング~(トクテンカセギモード)とさほど変わりない状況である。
迫る敵機をどれだけ撃ち落とせるか。
ハイスコアを狙うためだけの精神状態に至った彼女には、此処が自宅なのである。今彼女は自室でゲームをしているという認識しかない。
誰がなんと言おうとそうなのである。
此処は自室。
そして、目の前の光景はモニターに映るシューティングゲーム!
ならば!
「ダラー!? な、なんだ!? どうなっている、我々の動きが読まれているだと!?」
「変な動きをしているのがいますけど、きっとボーナスキャラですよね! スコア倍増しですよね! わかってますよ!」
放たれるマシンガン。
砲撃が飛び交う。
まさに弾幕。迫りくる敵を次々撃ち落とし、ユーシアは視界の端にスコアボードを幻視するだろう。
いや、実際にはスコアもなければタイムアタックもないのだが、しかし彼女にはみえている。
「あちゃぁ……」
「気合いが入ってるのはいいんだけどなぁ……」
そんなユーシアの様子に2Pも3Pも呆れている。けれど、楽しそうに戦っているのならばいいことなのかなぁと思うのだ。
たぶんぜったいちがうとおもうけど――!
大成功
🔵🔵🔵
播州・クロリア
すごい
漫画みたいに地球が真っ二つに割れるの初めて見ました
この世は不思議に満ち溢れ、感性を刺激してくれるおかげで
私のダンスがより鮮やかになっていきます
しかし貴方たちが敬愛するキングブレインはその彩りを奪おうとする
それが許せない
(スピンしながらジャンプすると背中の翅を広げて『空中浮遊』し燃え盛る炎のように大きく動き{紅焔の旋律}で『ダンス』を始めるとUC【蠱の宴】を発動する)
空中を跳ねようが魅力的な動画を見せようが
行動が遅ければ足は地に着くし
動画は読み込み中のまま
大人しく私のダンスを見ながら骸の海へと還りなさい
(空中でダンスをしながら『斬撃波』を纏った蹴りを放つ)
「すごい」
目の前に広がる光景に播州・クロリア(踊る蟲・f23522)は思わずうめいていた。
キマイラフューチャーの地球。
それが真っ二つに割れているのだ。所謂メンテナンスルートと呼ばれる現象。嘗ての大いなる戦い『バトルフラワーズ』において見られた現象である。
まるで漫画みたいだとクロリアは感動すらしていた。
「初めて見ました」
なんかこう、女の子のアンドロイドが地球を簡単に割るような、そんな具合で割れているのが、クロリアにとっては新鮮だった。
いや、誰にとっても驚天動地の事態であるだろうし、こんなことが二度三度起こってもらっては困るのだが、まあ、実際に起こっているので仕方ない。
「この世は不思議に満ち溢れ、感性を刺激してくれます」
クロリアはなんだか嬉しそうだった。
今まさにこの地球が真っ二つに割れている状況は、彼女の心に何かを去来させるものであった。
「ダラー! 何をわけわからんことを言っているかー!」
「ダラー! そういうわけで喰らえ! 我々の鍛え抜かれた空手チョップを!」
「ダラー! 全ては『キング・ブレイン』のために!」
一斉に襲いかかる100人の『スーパー怪人軍団』、『ダラクモニター・ニンジャ』たち。
彼等は頭部のモニターに爆笑漫才映像を垂れ流しにしながらクロリアへと空手チョップを打ち込もうと飛びかかっているのだ。
「私のダンスがより鮮やかになっていく……」
クロリアは迫る空手チョップを華麗に飛び、回転しながら躱す。
それはまるで燃え盛る炎のような動き。
広げた羽根が、ふわりと空中に花を咲かせるようでもあった。
「ダラー! 我等の一撃を躱すだと! だが、数で押せば! 100人で一斉にボコしてくれらぁ!」
めちゃくちゃである。
一斉にクロリアへと襲いかかる彼等は一度に二つのユーベルコードを発露する。
空手チョップと『スカイステッパー』。空中を自在に跳躍するユーベルコードで持ってクロリアのダンスへと追従する。
「確かに、貴方達は素晴らしい。ですが、貴方達が敬愛する『キング・ブレイン』は、世界の彩りを奪おうとする。それが許せない」
「ダラー! 我等が『キング・ブレイン』様を愚弄するか!」
クロリアの瞳がユーベルコードに煌めく。
「蠱の宴(コノウタゲ)、楽しんでますか?」
「ダラー!? 何を言っている!?」
踊る。
空中を跳ねるように飛び、クロリアは瞳を開く。ダンスで生み出した旋律。足踏む音すら旋律に変えて、クロリアは迫る『ダラクモニター・ニンジャ』たちを翻弄し続ける。
彼等は楽しんではいないだろう。
クロリアが齎す旋律を追うのにやっとなのだ。
「ダラー! まて!」
「いいえ、まちません。私は楽しんでいるのです。この世界を。この旋律を。このダンスを」
ああ、とクロリアは天に手を伸ばす。
『ダラクモニター・ニンジャ』たちはなんか自分たちと毛色が違うなって思ったが、それもそのはずである。
爆笑漫才映像とダンスは確かに芸能の括りであろうが、ジャンルが違うのである!
言ってしまえば、爆笑漫才映像は場違いなのだ。
「ダラー! そんなわけが……!」
「あるのです。すでに戦場は私のダンスで満たされている。ならば、空気を読んでいないのは、そちらの方!」
ばーん!
「ダラー!?」
「そういうわけで私のダンスを見ながら骸の海へと還りなさい」
空中でクロリアの体がひねられる。
スナップが効いたような腰の回転。それにより放たれる襲撃の一撃は、斬撃波を伴った一撃となって『ダラクモニター・ニンジャ』たちを次々と打ち据え、ジャンル違いという名場違い空気に飲まれた彼等は、ただ散り散りにぶっ飛ぶしか無い運命なのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ワルルーナ・ティアーメル
ぐむむ、やはり4thKINGも競合他社であったか……だが我が魔王軍は負けぬぞ!
さあゆくぞワルルンガーΣ!そして来るがよい秘密兵器【天空魔王城塞】!
空を飛び交うのならば落雷で落とし、ワルルンガーで腕を振り回して叩き落してくれよう!
そしてこの機動魔王城ワルルンガーΣはその名の通り我が居城そのもの!
つまりすでに我は自宅警備の真っ最中という訳だ!というか遠くてよく画面が見えぬし、これは仕事ではない
……我が生き様であり存在意義なのだ!!
そして貴様らが決死の覚悟で天空城塞に乗り込んでも堕天使隊長率いる死も恐れぬアンデッド兵達が待ち構えておる!
くく、さあ我が魔王軍を前に貴様らの忠義と意地を見せてみるがよい!
猟書家『キング・ブレイン』。
彼の出身はデビルキングワールドである。ワルひしめくデビルキングワールドにおいて、白羽の矢が立った悪魔が競い合うKING WAR! その4thKINGが彼なのである。
そして、彼の手腕は見事だった。
これまで猟兵達に察知されることなく秘密結社ブレインを立ち上げ、さらにはキマイラフューチャーにおいて『ドン・フリーダム』から『システムフラワーズ』を譲り受けて、『スーパー怪人軍団』を多世界に送り込もうとしているのだ
その極悪非道なる作戦は、実現すれば悪魔すら凌駕する『スーパー怪人軍団』によって実現されてしまうだろう!
「ぐむむ、やはり4thKINGも競合他社であったか……だが、我が魔王軍も負けぬぞ!」
ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は歯噛みしていた。
『キング・ブレイン』のものすごいワルな企み。
それを聞いた時、彼女はものすごいことだと思った。そして、そのあり方も! 理念も! わからないでもない! いや、わかる! すっごい理解る!
だからこそ、ワルルーナは対決しなければならないと思った。
己が他者の欲望を満たすことが欲望である以上、彼女は魔王として降臨しなければならない。
「さあゆくぞ『ワルルンガーΣ』! そして来るがよい秘密兵器!」
機動魔王城ワルルンガーΣ!
それは建造中の魔王城を勝手に改造した自立式悪魔型歩行要塞である!
さらには魔王軍第1冠所属:天空魔王城塞(フハハヒトガゴミノヨウダ)さえもワルルーナは呼び出すのだ。
「これぞ総力戦である! 我等が魔王軍と貴様ら『スーパー怪人軍団』! どちらが上かはっきりさせてくれよう!」
「ダラー! 望むところよ!」
「ダラー! 我等が『キング・ブレイン』のために!」
「ダラー! といわけで喰らえ、空手チョップ……ってデッカ! でかい! でかくない!?」
『ダラクモニター・ニンジャ』たちは見上げていた。
何をって、機動魔王城ワルルンガーΣである。
だが、彼等とて『スーパー怪人軍団』である。一度に二つのユーベルコードを使えるし、それに一人の猟兵に対して100人で当たることができるほどのあっ登的な数を有しているのだ。負けるわけがねぇ! って思っていたのである。
「数を覆すには質である!」
それにしたってデカすぎである。『ダラクモニター・ニンジャ』たちがたじろぐのも無理なからぬことであった。
「ダラー! だ、だが、我等がモニターを見ろ! この爆笑漫才コントを! 帰って自宅で見たくなるであろう!」
一斉にモニターに映し出される爆笑漫才映像!
だが、ワルルーナは頭を振り、刮目して言い切る。
「この機動魔王城ワルルンガーΣはその名の通り我が居城そのもの! つまりすでに我は自宅警備の真っ最中というわけだ! というか、よくみえぬ! 遠い!」
なんたることだろう!
そう、どれだけ面白い映像も、今のワルルーナには届かない。
だって、居城たる『ワルルンガーΣ』の中にいるからだ。
そして、彼女のユーベルコードに寄って常に落雷が迸り、『ダラクモニター・ニンジャ』たちは次々に撃ち落とされるし、さらに堕天使隊長が率いるアンデッド軍団が一斉に彼等に襲いかかっているのだ。
気分はもう風雲ワルルーナ城。
迫りくる『ダラクモニター・ニンジャ』たちの猛攻を堕天使隊長率いるアンデッド軍団が次々と池ポチャさせるみたいに蹴散らしていくのだ。
「うむ! 言ってしまえば、これが爆笑映像というやつであるな! フハハ人がゴミのようだ!」
ワルルーナは笑いが止まらない。
池ポチャほど楽しいものはない。難攻不落でまったくクリアさせる気がないアトラクションを高いところから眺めているものほど愉悦に浸れるものはないのだ。
故にワルルーナは高笑いを続ける。
「くっくっく、これが我等が魔王軍の力よ! この力、我が軍圧倒的ではないか! さあさあ、ミセルが良い! 貴様らの忠義と意地を!」
ワルルーナはノリノリであった。
もうどっちが悪でどっちが正義かわからんことになっているが、しかしてワルルーナはご満悦である。
だって、こういう高いところから見下ろして笑うポジションなんてワルがクールな悪魔的種族たちにとってはご褒美以外の何ものでもないのだから――!
大成功
🔵🔵🔵
サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、胸が大きくて忍べてないとかそんなことないもんっ!!
ふっ、久しぶりに前口上がばっちりですね!
まったく、悪の大首領が聞いて呆れます!
もっとこう、悪なら悪ってばっちり悪むーぶしてもらわないと!
クノイチが忍べてないのと一緒くらいわけわからないですよ!
え?私?こんなにクノイチらしいクノイチもいないと思うのですが?
ええい、どうやらお互いの見解が平行線のようです
ならば後は実力で決着をつけましょう!
具体的にはどっちが多いか、みたいな!
【かげぶんしんの術】でしゅばばばっと分身
1対100だったとしても、私が500になれば逆転です!
このクノイチ力(ちから)を思い知るがいい!
真っ二つになった地球の中心。
そこに浮かぶ『キングブレインキャッスル』から溢れるようにして『スーパー怪人軍団』こと『ダラクモニター・ニンジャ』たちが飛び出す。
空中を自在に蹴って飛ぶのはユーベルコード『スカイステッパー』が常時発動しているからだろう。
さらにもう一つのユーベルコード、可愛い猫ちゃん達の動画をモニターに映し出し、可愛い猫ちゃんと戯れて眠りたいという気持ちを励起させるのだ。
なんたる非道! なんたる卑怯!
そんなの絶対勝てるわけがないじゃない! と誰もが思ったかもしれないし、思ってないかも知れない。
「ダラー! 猫ちゃん様の可愛さには世界のすべてがいずれ屈するのだ!」
「ダラー! どけどけぇい! お猫様がお通りなさるぞ!」
だが、そんな『ダラクモニター・ニンジャ』たちの横暴を許さぬ者がいた。
天に月影、地になんちゃらかんちゃら!
そう!
「お呼びとあらばさんじましょう! 私はクノイチ、胸が大きくて忍べてないとかそんなことないもんっ!!」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は、ぴかぴかびっかーん! とIQ3くらいの描写と共にキマイラフューチャーの真っ二つに割れた地球に降り立つ。
「ふっ、久しぶりに前口上がばっちりですね!」
「ダラー! 忍べてるわけない」
「ダラー! まったく忍べてない」
「ダラー! あれで忍べてるとか全クノイチに謝って欲しい」
「酷くないです!?」
ものすごい攻撃であった。サージェはお猫様動画以上に傷ついていた。
クノイチとしてのアイデンティティも、なんかこう、いい感じのクノイチっぽさも、全部『ダラクモニター・ニンジャ』たちの攻撃によってさらっと押し流されてしまっていた。
「ダラー! その点、我等が『キング・ブレイン』はすごい」
「なにがですか! もっとこう悪なら悪ってばっちり悪ムーブしてもらわないと! クノイチが忍べてないのと同じくらいわけわからないですよ!」
「ダラー! 言ったな貴様ぁ!!!」
「ひっ、めっちゃ怒るじゃないですか!?」
サージェはビクッとした。
滅茶苦茶キレてる。そんなに? そんなに『キング・ブレイン』のことディスると怒るの? 地雷すぎる。
「ええい、どうやらお互いの見解が平行線のようです。ならば後は実力で決着を付けましょう!」
「ダラー! 望む所だ! クノイチらしくできないくらいあんなことやそんなことやどんなことをしてやる! 猫まみれになれー!!」
煌めくユーベルコード。
だが、サージェは笑む。
これは数の勝負。
どれだけ『スーパー怪人軍団』たる『ダラクモニター・ニンジャ』たちが100人単位で自分に襲いかかってこようとも!
「これは数の勝負! ならば! しゃどーふぉーむっ!」
かげぶんしんの術(イッパイフエルクノイチ)!
そう、説明しなくてもわかるが、ふえるワカメくらいの感じでサージェは増える。一杯増える。具体的にはレベル×5! そんくらい増える。
100人に対して600くらい!
それは卑怯だろって『ダラクモニター・ニンジャ』たちは思った。こっちが数で圧倒したるわ! ってところにさらに倍増しどころじゃない数をぶつけてくるとか。
「うるさいですね! これが天丼ってやつです! このクノイチ
力を思い知るがいい!」
おらっ! お前もクノイチになるんだよ! と言わんばかりに戦場にあふれかえるクノイチ(仮)。
なんで(仮)ってしたのかと言えば、まあ、サージェがクノイチ? という感じであるからである。
しかし、数の力は圧倒的である。
クノイチの大洪水が『ダラクモニター・ニンジャ』たちを押し流すようにぶっ飛ばし、『キングブレインキャッスル』へと押し寄せるのだった。
怖い。
褐色のニンジャ怖い――!
大成功
🔵🔵🔵
ステラ・タタリクス
…………
なんか仄かに
エイルさまの香りがしたので馳せ参じてみたのですが
うーん、なんか違う
あれですね
ある意味、あの方がいる必要がないというか
平和ですねえ(ほのぼの)
まぁこのシチュにノイン様がいるのがちょっと気になりますので
会いに行くとしましょう
え?通過儀礼必要ですか?
仕方ありませんねえ
メイドの力をお見せしましょう
というわけで、フォル、いらっしゃーい?(鳥型キャバリア呼び寄せ
ええ、この最初から巨大ロボを呼び寄せるという
目的のために
お約束すら破る展開、
キングブレイン配下にして
ルールを守る貴方たちには真似出来ないでしょう?
誰ですか、やべーなこのメイドと思った人
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は思う。
「我思うに主人様在り、と」
なんかいい感じの雰囲気で言っているが、内容はびっくりするくらい薄い。
コンソメスープのキューブをケチって半分に割って沢山の水で薄めたような感じのあれであった。
いや、結構な具合なことを言っているが、ステラにとって『それ』とは、そんな些細なものであっても逃さぬ鋭い嗅覚を持つことを示していた。
「なんか仄かに
『エイル』さまの香りがしたのですが」
微妙にしている気がする。
してないっていえば、してない気もするけど。
でもなんかこう、その、ほら、あれー、とステラは要領を得なかった。
「あれですね。ある意味あの方がいる必要がないというか。平和ですねぇ」
彼女が見やるのは真っ二つになったキマイラフューチャーの地球である。あれを見て平和って言える胆力がすごい。
「ダラー! この状況で何を言うか猟兵!」
「ダラー! その通り、我等が『キング・ブレイン』様は地球すら真っ二つにするのだ! めちゃんこ悪だろうが!!」
「いえ、これって『システムフラワーズ』の『メンテナンスルート』なのですよね。割ったのではなく、開いた、が正しいのでは?」
それはそう。
ステラは冷静であった。
なんか日直式四天王が怪しい気がする。なんか香る気がする。
「ダラー……!(ぐぬぬ)」
「では、私はこれにて。先を急ぎますので」
何にせよ、この香りの正体を確かめなければならないとステラは思っていた。
なので、ハイ通りますよって感じで100人の『スーパー怪人軍団』たる『ダラクモニター・ニンジャ』たちの小脇を抜けようとした。
「ダラー! ちょい! ちょいちょいちょい!?」
「なんです?」
「ダラー! なんで普通に抜けようとしてるの!?」
「……仕方在りませんねえ。メイドの力をお見せしましょう」
その言葉と共にステラが天に手を掲げる。
瞬間、旋風が吹き荒れ、頭上より降り注ぐはソニックブーム。
そう、ステラの瞳に輝くユーベルコードに呼応するようにして、鳥型キャバリア『フォルティス・フォルトゥーナ』が飛来し、その鋼鉄の翼の羽撃きで持って『ダラクモニター・ニンジャ』たちを一層したのだ。
「ダラー!? ず、ずるい! いきなりはずるいだろう!」
「ダラー! こっちは登場時のお約束を守っているというのに!」
「ダラー! 本当だよ! なんでこっちが一方的に攻撃されないといかんのだ!」
「ふっ……」
「ダラー! 何がおかしい!」
いえ、とステラは不敵に笑む。
なんかユーベルコードに輝く瞳が暗闇に光っている。演出です。
メガネをくいっと持ち上げ、そのレンズが光を反射し、赤い瞳を隠している。演出です。
「目的のために
お約束すら破る展開、『キング・ブレイン』配下にして
ルールを護る貴方達には到底真似できないでしょう?」
これが猟兵であるとステラは言う。風評被害が起こりそうである。
そんなステラの笑みに、『ダラクモニター・ニンジャ』たちはヒソヒソと言葉をかわす。
なんていうか思った以上にやべーなこのメイドってヒソヒソしている。
ついでにいうと、なんかさっきから香りとかなんとか言っているけど、さらに倍増しでやべーなと言っている。
「聞こてますからね!」
ステラの瞳が輝く。
残念ながらメガネをかけた程度で割増されたインテリジェンスでは到底太刀打ちできないギャグ時空に引きずり込まれていることを自覚していただこう。
「ダラー! こんなやべーメイドを『キング・ブレイン』様の元に行かせるわけにはいかぬ!」
「ダラー! ここでぶっ飛ばしてくれるわぁ!」
「なんかこっちが悪役みたいな雰囲気にしないでくださいます!?」
雑にぶっぱされる『フォルティス・フォルトゥーナ』のソニックブーム。
吹き荒れる嵐のようなユーベルコードの煌めきの中、ステラは、叫ぶ。
「私はやべーメイドじゃないですから!」
いや、やべーだろ、と『ダラクモニター・ニンジャ』たちは、心中に押し込め、雑にぶっ飛ばされていくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
キーング!
キーング!
キーング・ブレインーーー!!
三食昼寝付き!週休8日制ばんざーい!
さー異世界侵略だー!!
●考えてみたら
それってボクの日常では?
いいやそれは違う…ボクのハッピーライフにはさらにおやつが着く!
つまりボクの勝ちだね!
よし倒そう
●しゅいーん
と彼らの目の前に転移して(させられて)現れよう
なんでかって?
あらゆる世界は全部ボクのホーム!ボクのいる場所こそがボクのホームだからね!
これがランダム転移なら危ないところだった…
後はディスプレイにUC『神撃』をドーーーーンッ!!
キング・ブレイン!ボクは三時のおやつを要求する―!
そうすれば屈するのもやぶさかじゃない!
三食昼寝付き。
週休8日制。
それは猟書家『キング・ブレイン』が作り上げた秘密結社ブレインの主な業態である。
なんたるクリーン。
なんたるホワイト!
これを全世界は見習って欲しい。どうしてこうじゃないんですかって誰も声をあげないのがおかしい事態であるが、ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)はそんなの関係なかった。
だってそうである。
自分は神。
神だから、まあ、日常である。
世界創造の最初で最後の大仕事を終わらせたのだから、別にもうずっとおやすみでもいいんじゃないかなって思うのである。
「ダラー! 開店休業状態じゃねーか!」
「そうとも言うよね! ほら、キーング! キーング! キーング・ブレイン――!!」
あ、それ、とロニは『ダラクモニター・ニンジャ』達に呼びかける。
「ダラー! そう呼びかけられたら踊らずにはいられんだろうが!」
悲しいかな、条件反射である。
「ふっ、でもね! それはボクの日常かもしれないけれど、それは違う。ボクのハッピーライフにはさらにおやつがつく! はい、ボクの勝ちー!」
「ダラー! ふっ、浅いな猟兵! 我等とて、しっかりおやつつきよ!」
変なところで張り合う。
「よし倒そう」
うわ、急に冷静になるやつ。
ロニは、すんっ……とした顔になって一気に飛び込む。
一瞬で転移した彼は何故か『ダラクモニター・ニンジャ』たちの眼前に居た。
「ダラー!? いきなり!? なんでだ!? 家に帰りたくなってはいないのか!?」
彼等の疑問も尤もである。
モニターに映し出されている爆笑漫才映像。
これを見た者は、家に帰ってごろ寝しながらポテトチップスをガサゴソ、コーラをぐびっとやりたくなるはずなのである。
なのに、ロニは一瞬で『ダラクモニター・ニンジャ』たちの眼前に顕れたのだ。
瞬間移動だとか、なんとかそんなちゃちなもんじゃあねぇ、もっと恐ろしいものの片鱗を、とかそういうやつ!
「ふふーん、わかっていないね。あらゆる世界は全部ボクのホーム! ボクのいる場所こそがボクのホーム!」
「ダラー! 暴論がすぎる!」
「ダラー! 言ったもん勝ちのやつじゃねーか!」
「ダラー! そんな理屈でダメージ回避とか!」
できとるやるがい。
「これがランダム転移だったら危ないとこだった……けどね!」
どっせい! そぉい!
ロニの神撃(ゴッドブロー)の一撃が『ダラクモニター・ニンジャ』たちのモニターをぶち抜く。
とってもざつであった。
ものすごく雑であった。
撃ち込まれた一撃は、モニターをぶち抜き彼等をぶっ飛ばす。はい、ド――ンってやつである。
「ダラー!?」
「いいかい!」
ロニは高らかに宣言する。
拳を突き上げ、『キングブレインキャッスル』へと高らかに言い放つ。
「『キング・ブレイン』!! ボクは三時のおやつを要求するー!!」
滅茶苦茶である。
なんでおやつ要求するのだろうか。『キング・ブレイン』のことである、言われたら茶請け出してくるに決まってるでしょうが。
「そうすれば屈するのもやぶさかじゃない!」
屈するな!
誰もが思った。というか、そんなこと大声で言うもんじゃない。
『ダラクモニター・ニンジャ』たちはそう思ったが、ツッコミ入れた瞬間にロニがパンチを適当に雑に、それこそ流れ作業で打ち込んできて、ぶっ飛ぶしかないのだ。
三時のおやつで屈する猟兵、そんなのいてたまるか――!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『猟書家『キング・ブレイン』』
|
POW : 侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD : 本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
イラスト:屮方
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
『キングブレインキャッスル』に迫る猟兵達。
『スーパー怪人軍団』であっても猟兵たちを止められなかった。
『日直式四天王』である『ゼクス』、『ズィーベン』、『アハト』、『ノイン』たちは『キング・ブレイン』を護るように猟兵達の前に立ちふさがる。
けれど、四天王の一人、少年怪人『アハト』が咳き込む。
「ごほっ、ごほっ!!」
「ぬっ!『アハト』君、無理はいけない。君はオブリビオンになっても不治の病がいえていないのだから。あっちで休んでいなさい」
『キング・ブレイン』は悪の大首領らしからぬ気遣いで持って咳き込む『アハト』を下がらせようとする。
それに、と彼は『ゼクス』と『ズィーベン』にも同じ様に告げる。
「君たちもだ。君たちもまたオブリビオンになったは良いが、本調子ではないだろう。ここで無理をしてはならない。若者の身は未来への可能性に溢れているのだから。『ノイン』君、無論、君もだ」
「いえ! やれます! 私達の生命は『キング・ブレイン』様のために!」
「ああ、そのとおりだ。俺たちはオブリビオン。怪人になっても、変わらぬものがある。けれど、それでもあなたのために生命をかけて猟兵たちと戦う」
「ごほっ……ん、そうだよ! 僕たちは『キング・ブレイン』四天王! どんな状況でも命懸けで『キング・ブレイン』様を助けるんだ」
「……」
その言葉に『キング・ブレイン』は苦渋の表情を浮かべる。
いや、猟兵たちは思った。
なんかこっちが悪者に見えてくる。え、なにこれ。
「……故に、戦おう」
『ノイン』が漲る力を発露する。
同時に『ゼクス』、『ズィーベン』、『アハト』たちが叫ぶ。
「『セラフィム』!」
重なる言葉とともに現われるのは、青い体高5mの人型戦術兵器。それに乗り込んだ彼等は一気呵成に猟兵達に『キング・ブレイン』と共に襲いかかるだろう。
この攻勢をしのぎ、『キング・ブレイン』に攻撃を届かせねばならない。さらには『キング・ブレイン』自身もユーベルコードで猟兵たちを滅ぼさんとしてくる。
「……吾輩としたことがらしからぬことをしました! ええ、皆さんの意気を無駄にはしませんとも!」
『キング・ブレイン』は高らかに笑う。
「ブレブレブレ(笑い声)! ならば、その生命、吾輩に預けて頂こう! 決して負けることなく、世界から貧困と飢えを根絶してみせましょうぞ!」
「『キング・ブレイン』様、そっちじゃないです。貧困と飢えの根絶じゃなくて」
「あっ、そうでした。吾輩とした事がつい! それじゃあ、仕切り直しまして」
直せるか! 猟兵たちは皆そう思い、グダグダのままに最終決戦が始まるのであった――!
馬県・義透
引き続き『疾き者』だが
武器:漆黒風
ええ…なんです、これ?
締まらない…いえ、デビキンとキマフュのコラボレーションだとそうなります…?
ですがまあ、これは任務で。私は忍なので。
容赦なくいきますよ、と。
その巨体四つは…ダッシュで駆け抜け、さらには騙し討ちを交えての回避。
ええまあ、足元潜りますけど?ついでにUCついた漆黒風で破壊しますけど。
あとですね、王🧠(略した)殿も大きくなってますねー。大きいですけどまあ…このUCつき漆黒風の投擲が当たればいいので。
その攻撃は第六感で見切り、さらには六重結界で当たるのをずらしましょう。
いいんですよ、こっち悪者感覚でも。
言ったでしょう。私は忍だと。
なんか始まっていた『日直式四天王』と『キング・ブレイン』のやり取り。
それを見て猟兵の立場である馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は困惑しきりであった。
「ええ……なんです、これ?」
寸劇だよ。
「締まらない……いえ、デビキンとキマフュのコラボだとそうなります?」
なんか急に『疾き者』は言葉を略し始めている。
「ブレブレブレ(笑い声)、悪の大首領たる吾輩の恐ろしさに恐れおののいておりますな! ならば、四天王諸君、征きましょうぞ!」
「えい、えい、おー!」
少年怪人『アハト』の掛け声と共に体高5mの青い戦術兵器が『疾き者』へと迫る。
問答無用!
どんな寸劇をやろうとも、それは結局のところ茶番でしか無いのだ。
真に迫るものであったとしても、己は猟兵で、彼等はオブリビオン! ならば、滅ぼし滅ぼされる間柄でしかないのだ。
「此れは任務で。私は忍びなので」
「忍びですって!? ニンジャ!? ええ、ニンジャですか!?」
「え、そうですが……」
「ブレブレブレ(笑い声)! ならば、吾輩の『スーパー怪人軍団』の『ダラクモニター・ニンジャ』さんたちはさぞや驚いたことでしょう! ニンジャ! 即ち強いことですから!」
「いえ、あっさりでしたが」
「ぬにー!?」
「……調子狂いますが、容赦なくいきますよ、と」
「それはこちらのセリフであります! では、スーパー怪人大全集(全687巻)より、怪人『バイスタンダー』を呼び出しまして!」
へい、合体! と青い巨人と『キング・ブレイン』が合体する。
巨大化した姿で迫る巨腕の一撃が『キングブレインキャッスル』の地面を砕く。
凄まじい衝撃波。
さらには三体の『セラフィム』がプラズマブレイドを叩き込んでくるのだ。
圧倒的な攻勢。
それを前に『疾き者』は駆け抜ける。
ただ只管に走るのだ。
「速い……」
「ええ、私は忍びですからね。不意打ち騙し討ちは最も得手とするところでありますから?」
迫る人型戦術兵器『セラフィム』の股下をくぐるようにして『疾き者』は巨大化した『キング・ブレイン』へと迫る。
「あとですね、王🧠殿」
「なんか略してません!? ルビで『キング・ブレイン』って言ってくれてますよね!? あれ!?」
「いえ、ちょっと名前が長かったので」
「略すほどでもないと吾輩思うのですが!?」
「まあ、そこはいいじゃあないですか。あなたも大きくなっていますねー。大きいですけどまあ……当たりやすいと思えば良いわけで」
握りしめた棒手裏剣。
それはユーベルコードの煌めきを解き放つ。
振りかぶった一射。
それは狙い過たず『キング・ブレイン』へと飛ぶ。
「って、ぐわー!? どことはいえないが、とても大変な場所に命中したであります!? でかいから的がデカイってことですか!?」
「いえ、まあ、はい、その、そうです」
「なんという! 悪の大首領たる吾輩より極悪ムーブ!」
なんかこう良心が痛む。
悪いことしてないのに。なんか、こっちが悪いみたいな空気がずっと流れている。
だが、それでも構わないのだ。
何故なら!
「いいんですよ、こっち悪者感覚でも。言ったでしょう。私は忍びだと」
故に、汚れても構わぬというように『疾き者』はニヒルな笑みを浮かべる。
それを見て『キング・ブレイン』も『日直式四天王』もみんな同じ言葉を上げる。
「なにそれかっこいいやつ――!!」
大成功
🔵🔵🔵
大町・詩乃
放っておいても、気が付いたらコンコンコンを輸出して、貧困と飢えの
根絶をしてくれそうですが、その前に騒動をばら撒くのはご近所様に
迷惑ですよね💦
なので、ここは心を鬼にして、メッ!てしますよ。
決意を示す様に邪神様なりきりセットを着用。
ここはUCでスーパーカオスドラゴンさんを召喚です!
神社近くの和菓子屋さんの人気菓子(葛饅頭)を
触媒に。
脳ビームは直線上ですから、第六感・心眼で軌道を見切り、
大型化した天耀鏡による盾受け・カウンターで反射します。
スーパーカオスドラゴンさんと連携し、神威の王笏に神罰・雷の属性攻撃
を籠めて、キング・ブレインさんにゴチン!としますよ。
(小声で)痛くてゴメンね💦
猟書家『キング・ブレイン』は思わず唸っていた。
猟兵のワルな雰囲気。
それになんかちょっと飲まれそうになっていた。だがしかし、彼と手『4thKING』であり、また同時に秘密結社ブレインの大首領。
これほどまでにワルな者もいないだろうという自負がある。
「負けないで、『キング・ブレイン』様! 僕たち一生懸命がんばってきたじゃない!」
少年怪人『アハト』が体高5m級の青い戦術兵器から声援を飛ばす。
3体の『セラフィム』と呼ばれる戦術兵器と『ノイン』と呼ばれる怪人が猟兵に迫る。
「ええ、がんばりますとも!」
『キング・ブレイン』は奮起した。
必ずや、全世界にコンコンコンを輸出して、世界の全てから飢えと貧困を取り除かなければならないと思った。
「……ハッ!? ち、違いますとも! ええ、違います。飢えと貧困を根絶するのではなく、ええと、その銀行強盗100回やるとかそういうワルをするのです!」
懊悩というか葛藤というか。
なんかそんな感じで勝手に揺れ動いている『キング・ブレイン』を前に大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は、放って置いてもいいんじゃないかなって思った。
いや、だって、どう考えても『キング・ブレイン』は良いやつである。
悪の大首領とか言われても、そのってなる。
「いえ、その前に騒動をばらまくのはご近所様迷惑ですよね」
「ほう! 例えばどんな迷惑を?」
「ええっ!? え、えっっと……か、枯れ葉を勝手に集めて焼き芋用の枯れ葉として独り占めしてしまう、とか、ですかね?」
なにそれかわいい。
「ブレブレブレ(笑い声)! ナイスアイデアです猟兵! ならば、そのアイデア、貴方達を打倒した後で実現させてもらいましょう!」
「そんな!」
平和だなー。
「なんていう人でしょう。根が良い人なのはわかっていますが、此処は心を鬼にして、メッ! ってしますよ!」
どっちかっていうと、滅! って感じがするけど。
「そんなこと言う人は!」
詩乃の瞳がユーベルコードに煌めく。
「過去の約定に従い、此処に参上して我が命に従いなさい――悪魔召喚『次世代のデビルキング候補』(アクマショウカンジセダイノデビルキングコウホ)」
「ぬぅ!?」
詩乃のユーベルコードと共にあれたのは、7thKING候補であったラスボスこと『スーパーカオスドラゴン』さん!
「ゲヒャ~! はるばるやってきたぜぇ! あんたが4thKING、『キング・ブレイン』かぁ~! 相手に獲って不足はねぇぜぇ!」
喰らえ! 混沌魔法『カオスヘッダー』!
すんごいたくさんの『スーパーカオスドラゴン』さんが溢れ出す!
「なんの! あなたは確かに凄まじい存在! ですが、それはメタを張ったが故! 一体が消えれば連鎖的に消える定め!『日直式四天王』!」
「させません!」
溢れる『スーパーカオスドラゴン』軍団と入り乱れる『日直式四天王』たちと詩乃。
もう滅茶苦茶である。
大怪獣バトルでも、もうちょっと整然としているはずだ!
だが、詩乃は構わない!
「喰らえ、脳ビーム!」
「反射!」
「え、ずっこい! 鏡は反則でありましょう!?」
「こういう時に卑怯もありません! お覚悟!」
どっせい! と詩乃が邪神様なりきりセットについてきている王笏を振るう。
その一撃は神罰の雷を宿し鮮烈なる輝きを放ちながら『キング・ブレイン』の頭をぶっ叩く。
「あ、頭割れますよ!? めちゃくちゃ痛いんですが!?」
「痛くしてゴメンね」
ぽそっと詩乃は『キング・ブレイン』の耳元で囁く。
憎みきれない敵を前にちょっと手心を加えてしまうところは、デビルキングワールドの悪魔たちと似通っているように思えたが、だったらもうちょっと手加減して欲しいと『キング・ブレイン』は思うのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
フェアリー・プリンセス
わーい!こんな感じの『あにめ』で見たことあるー!がんばって倒しちゃうぞー!
じゃじゃんっ♪そこまでだーっ!
悪者は正義の妖精姫騎士であるこのボクが許さないぞーっ☆
いかにも悪の組織っぽいでかゴーレム!
ボクみたいな小さくて可愛い女の子相手に卑怯だぞー☆
小さな体で飛び回って死角に身を隠し同士討ち狙っちゃうぞー!フェアリーシールドで武器受けして、プリンセスレイピアから光線で反撃だー☆
敵UCはUC「フェアリーランド」の【壺】をサッと取り出してビームを吸い込んじゃえー!全部吸い切ったら放出してお返しだーっ♪
小さくたってれっきとしたお姫様なんだぞー!滅茶苦茶ちょーつおいんだぞーっ!えっへん☆\(>ヮ<*)/
青い装甲の体高5mの戦術兵器『セラフィム』が戦場を疾駆する。
三体の巨人の如き『セラフィム』と一体の『日直式四天王』が一人『ノイン』。
彼女たちは『キング・ブレイン』に迫らんとしている猟兵たちを迎え撃つ。
「『キング・ブレイン』様に近づかせるものか」
「ええ、ここで止めて見せます!」
「がんばるよ! 此処で絶対、『キング・ブレイン』様のてをわずらわ、おてをわずらわ……わずわずさせないんだから!」
「……」
そんな具合に迫る『日直式四天王』たちを前にフェアリー・プリンセス(フェアリーランドの幼精姫士・f40651)は飛ぶ。
「わーい! こんな感じの『あにめ』で見たことあるー! がんばって倒しちゃうぞー!」
「こっちだって負けないもん!」
迫る巨人のプラズマブレイドの一撃が地面を割り、衝撃波でもってフェアリーの体を吹き飛ばす。
けれど、彼女はめげない。
どれだけ衝撃波が荒ぶのだとしても、戦うことをやめない。
何故なら!
「じゃじゃんっ♪ そこまでだーっ! 悪者は正義の陽性姫騎士であるこのボクが許さないぞーっ☆」
フェアリーは縦横無尽に走り回る。
小さな体で巨大な敵の視覚へと身を隠し、敵を混乱させるのだ。
「ちょこかまと!」
「そっちが大きいのがいけないんだよっ! こんな小さくて可愛い女の子あいてに卑怯だぞー☆」
「小さすぎて的が絞れない!」
放たれる一撃を躱しながら、フェアリーは飛ぶ。
「吾輩にお任せであります! 喰らえ、脳ビーム!」
そこへ『キング・ブレイン』の放つユーベルコードの一撃が飛ぶ。
一直線に走るビームの光条。
それに触れてしまえば、脳を暴走させられてしまう。
即ち、頭ばーん! というやつである。
「むむっ、それは受けちゃダメだよね! ならこうするんだよ!」
フェアリーの瞳がうユーベルコードに輝く。
フェアリーランドによって生み出された小さな壺。
「なんです、それは!」
「これはフェアリーランド! この壺に触れたものを吸い込んじゃうユーベルコード製の壺だよっ!」
放たれたビームを吸い込む壺。
正しく魔法そのものだった。圧倒的な一撃がかき消えていく。
「な、なんと! それがあれば寒さや熱さから身を守れるではありませんか! 一体おいくらです!?」
「ええっ!? 売らないよ~っ!?」
「そんな事言わずに! それがあれば救われる生命だってありましょう! 吾輩、それ欲しいであります!」
どう考えても、悪の大首領の言葉ではない。
やっぱり根は善良なのだろう。
悪魔というのは常々難儀なものである。
「だめだめ! これはユーベルコードなんだから無理だってば~!」
「そこをなんとか! 今なら沢山お金も用意できますので! ……はっ!? あっ、違います。寒さとか熱さとかじゃなくって、えっと、あれですよ。こう、吸い込んで犯罪者を収容したりとかですね」
「抵抗しない人しか入れられないから、それ無理だと思う~」
「た、確かに!?」
「だから、ビームならこうやって」
どばっ、と飛び出すビーム。
その一撃はフェアリーが意図したわけではなかったが、見事な不意打ちとなって『キング・ブレイン』を丸焦げにしてしまう。
「『キング・ブレイン』さまー!?」
「あ、あれ……ふ、ふふん! 小さく立ってれっきとしたお姫様なんだぞー! 滅茶苦茶ちょーつよいんだぞーっ! えっへん☆」
Vサインしているが、あんまり締まらなかった――!
大成功
🔵🔵🔵
リリスフィア・スターライト
アドリブ歓迎
向こうは四天王の人達と一緒に
挑んで来るようだしこっちも連携して戦うよ
別人格である接近戦が得意な強気なリリスと
援護魔法が得意のお淑やかなフィアを呼び出すね
四天王は無理に倒そうとせず、攻撃はキング・ブレインに集中だね
リリスには主に四天王の足止めをしてもらって
その間に私とフィアでキング・ブレイン本体を狙うようにしたいかな
向こうも必死で挑んで来るし苦境に追い込まれても
別人格同士で励まし合いながら戦うね
「精神攻撃を仕掛けて来るなんて、相手もなかなかやるね」(本人)
「別にいいけれど、なんだか、私ばかり損していない!」(リリス)
「そんな事ないですよ。お二人とも援護しますね」(フィア)
「ぶ、ブレブレブレ(笑い声)! なんともたまらぬビームでございましたな! ですが、吾輩まだまだやれますぞ!」
猟書家『キング・ブレイン』は自らのビームによって焼かれて丸焦げになっていたが、何事もなかったかのように飛び上がった。
「セーフティシャッターというやつであります! さあ、『日直式四天王』の皆様方! めげずに行きましょう!」
その言葉に『日直式四天王』たちが駆る体高5mの青い戦術兵器が戦場へと飛び出していく。
そう、この戦いは『キング・ブレイン』だけではない、彼の配下である『日直式四天王』たちとも戦わねばならないのだ。
「変身の時間を稼いでくださいな!」
「わかりました!」
「この生命に代えても!」
迫る巨人の如き戦術兵器。謂わば、キャバリアと同等であると思える機体がリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)へと迫る。
「向こうは四天王の人たちと一緒に挑んでくるのですね」
彼女は冷静だった。
何かどう見てもこちらが悪者みたいな雰囲気になっているが、それを今気にしたら負けであるとわかっていた。
だからこそ、彼女は己の瞳をユーベルコードに輝かせる。
「リリス、フィア!」
叫んだ瞬間、彼女から動のリリスと静のフィア、そしてスフィへと分かたれる。
「三人に別れたよ!?」
少年怪人である『アハト』がびっくりしている様子が伝わる。
そう、彼女の別人格である近接が得意な強きのリリス。
援護魔法が得意のおしとやかフィア。
そして、スフィ。
三人が一気に戦場へと飛び込んでいく。彼女たちの連携は別人格だけあって見事なもんどえあった。
「リリス、足止めを」
「別に居けど、なんだか私ばかり損してない? 役割的に!」
三体の『セラフィム』と呼ばれるキャバリアのごとき青い戦術兵器が迫る。放たれるプラズマブレイドを受け止めながらリリスは叫ぶ。
「そんな事無いですよ。お二人共援護しますね」
フィアが援護魔法でもってプラズマブレイドを受け止めたリリスへと防護魔法をかける。
「無理に倒さなくっていからね!」
というか、とスフィは思う。
どう考えても、さっきの茶番というか寸劇はこちらへの精神攻撃であったのだおるか。いや、違う。あれは本気のやつだった。
彼等は本当に『キング・ブレイン』を慕っているし、またオブリビオンとなっても治らぬ不治の病を少年怪人は抱えているのだろう。
「それでも!」
そう、それでも戦わねばならない。
自分は猟兵で。彼等はオブリビオン。
「戦うというのならば、吾輩がお相手しましょうぞ! 見よ、これぞ『スーパー怪人大全集』より招来せし『セラフィム』のちからでありますぞ!」
巨大化した『キング・ブレイン』の拳の一撃が叩き込まれる。
だが、それをスフィは躱し、その腕を駆け上がっていく。
「そっちも必死だってことはわかってるよ。だけど、こっちだって負けられない。多世界に『スーパ怪人』を送り込むなんてことは!」
「させぬと言いますか、猟兵! ですが、吾輩とて大首領! 簡単には諦められないのであります!」
「なら、押し通るよ!」
「ええ、援護を!」
「こっちを抑えている間に!」
別人格たちがスフィを応援してくれている。
それは『日直式四天王』を擁する『キング・ブレイン』も同様であったことだろう。
けれど、スフィは飛ぶ。
「二人が応援してくれているからね! まけられないんだよ!」
放つ一撃が巨大化した『キング・ブレイン』の脳天を打ち据え、『キングブレインキャッスル』に衝撃をほとばしらせるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
播州・クロリア
むぅなんですかこの展開は…
まるでこっちが悪者じゃないですか
こんなの私の知り合いの悪魔さんしか喜びませんよ
(目を閉じ、すっと手を真横にピンと伸ばすと{絢爛の旋律}で『ダンス』を始めるとUC【蠱の娘】を発動し{舞狂人形}を召喚する)
舞狂人形、大きな敵の相手をお願いします
私は貴女の肩に乗せてもらって『衝撃波』を使った移動で大きな敵を飛び越えて一気にキング・ブレインに近づき攻撃を仕掛けます
貴女の肩からキング・ブレインに飛びかかるときに迎撃されるかもしれませんが{蜂蜜色の陽炎}を練り上げて作った『残像』と共に飛び出せば確率は2分の1まで減らせます
やってみる価値はあるでしょう
猟兵の一撃が巨大化した『キング・ブレイン』の脳天を打ち据える。
みるみる間に縮小化していく『キング・ブレイン』に駆け寄る『セラフィム』を駆る『日直式四天王』たち。
「だいじょうぶ!?」
「ぐふぅっ……脳天直撃であります……! やはり、猟兵、手強い!」
「無理しては……!」
「いえ、ここで無理せずしていつ無理するのです。吾輩、悪の大首領でありますぞ! それに諸君らの奮戦を無駄になんてできないのであります! ブレブレブレ(笑い声)! さあ、行きますぞ、猟兵!」
いやいやいや、いけないいけない。
そんな雰囲気で、さあ、攻撃! とはいけないのである。
少なくとも、播州・クロリア(踊る蟲・f23522)にとってはそうであった。滅茶苦茶やりづらい。
「なんですかこの展開は……まるでこっちが悪者じゃないですか」
「ぬぅにぃ!? なんですと!? どう見てもこっちがワルでありましょうや!」
「いえ、なんかこんな立ち回り、私の知り合いの悪魔さんしか喜びませんよ」
クロリアは嘆息する。
戦場にあって、なんとも気の抜ける光景である。
けれど、クロリアは構わなかった。瞳を伏せる。すっと手を真横に伸ばす。
漲るは絢爛の旋律。
脚を踏み出す、打ち鳴らす、手を開く、伸ばす。
キレ良き体の動きはそれだけで見る者の視線を釘付けにするだろう。
「ぬぅ! 見事なダンス! ですが!」
「ああ、この隙を逃す俺たちではない!」
クロリアの準備が整う前に飛び出す体高5mの戦術兵器。
『セラフィム』とよばれた青い人型兵器がクロリアへと迫る。だが、それを押し留めたのは、同じく体高5mの戦術兵器『舞狂人形』であった。
「踊りたくなりましたか?」
クロリアは己を護るように飛び出したキャバリアに問いかける。
肯定するようにアイセンサーが煌めく。
「こいつもキャバリア……!」
「では一緒に踊りましょう、『舞狂人形』」
クロリアの言葉に反応するように『舞狂人形』が『セラフィム』の一騎を蹴り飛ばす。
「ぐぅっ……!」
「無理はいけませんぞ! 喰らえい、脳、ビームッ!」
脳天からブッパされるビーム。
その光条を『舞狂人形』は躱し、クロリアを肩に乗せる。
揺らめくは蜂蜜色の陽炎。
飛び出す速度は一気に『キング・ブレイン』たちとの距離を詰める。だが、そこに割り込むのは『セラフィム』であった。
「させません!」
「『舞狂人形』、彼等と踊ってもらいなさい」
クロリアが命じた瞬間『舞狂人形』が蹴撃によって衝撃波を解き放ち『セラフィム』たちを押し止める。
「直接、吾輩を狙いますか!」
「ええ、貴女さえ倒せば!」
「甘いと言いましょう! 吾輩のビームは連射可能なのでありますぞ!」
再び放たれる脳ビーム。
だが、それをクロリアは空中で受け止める。受け止めてはダメなのだ。受け止めれば脳が暴走させられてしまう。
「勝った! 第六猟兵・完!」
「いいえ、そうはなりません」
「なに!? はっ……あれは、残像!?」
そのとおりだとクロリアは『キング・ブレイン』に迫る。彼女が練り上げた蜂蜜色の陽炎。それによって生み出された残像を『キング・ブレイン』はビームで撃ち抜いたのだ。
「二分の一の確率でしたが、賭けに私は勝ちました」
故に、と振るう踵落としの一撃が、また『キング・ブレイン』の脳天へと放たれる。盛大な音を立てて、『キング・ブレイン』の頭蓋が揺らぐ。
「また頭ー!?」
「それはそうです。頭。頭をかち割れば大体はオッケーですから」
クロリアは当然、そこを狙うとばかりに振り切った踵落としと共に『キング・ブレイン』を地面に叩きつけるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
榊・ポポ
ヴ~~ン戦いづらいィ(しわしわの顔)
悲しいけど相手はオブリビオンなのよネッ☆
なんかそこそこデカイロボだこれー?!
デキるロボ子出すっきゃないナ!
絶妙に設定が重いそこの四天王!無駄な抵抗はやめろー!(頭から出したさつりくメガホンで叫ぶ)
ちょ!やめたまえ!ポポちゃんの話ききたまえ!
(絶妙にイラぁとくるポーズで回避(挑発・野生の勘・逃げ足)
人の話きかないと大変な事になるゾ!
デキるロボ子が本棚ガードするのに精いっぱいなのにィ!(ジャストガード)
...ア!!(妖怪いちたりないの十円玉がセラフィムにくっつく)
あーあ、いわんこっちゃないネ!
トドメの一撃がキンブレに誤射しちゃうじゃないか!
こんな時に限ってェ!!
「う~ん、脳天直撃であります! これ二度目でありますよ!?」
度重なる脳天に対する一撃に『キング・ブレイン』はうめいた。
ものすごい痛い。
なんか同じ場所を執拗に狙われているような気がする。ものすっごい痛い。だが、『キング・ブレイン』は泣かない。地面にめり込まされても!
「がんばって、『キング・ブレイン』さまー! キーング! キーング!」
少年怪人『アハト』の掛け声に『キング・ブレイン』はブルブルふるえながら立ち上がる。
なんかこう、あれである。
猟兵の方が悪者に見えてくる構図。
「キーング・ブレインー!」
「ええ、吾輩が『キング・ブレイン』でありますとも!」
すっくと立ち上がる『キング・ブレイン』。
そんなやり取りを見て、榊・ポポ(デキる事務員・f29942)は思わず唸っていた。
顔をしわくちゃにしながら、唸っていた。
だって、やりづらい。
とってもやりづらい。
「戦いづらいィ!」
ほんとそうである。旗から見たら猟兵のほうが悪そうな気がする。執拗に『キング・ブレイン』の脳天を狙うし。
「でも、悲しいけど相手はオブリビオンなのよネッ☆」
そうである。どれだけ重い設定が『日直式四天王』にあるのだとしても、戦わなければならないのだ!
「っていうか、なんかそこそこそれデカイロボじゃないー!?」
ポポに迫るのは体高5mの戦術兵器。
人型であることからキャバリア相当の兵器であろう。『セラフィム』とよばれた青い戦術兵器がプラズマブレイドの一撃をポポに叩き込む。
その一撃を隠し玉の圧縮されていたバルーンみたいに飛び出して『デキるロボ子』が受け止める。
「キャバリア!?」
「いいえ、『デキるロボ子』! 分類サイキックキャバリア!」
「キャバリアじゃないの?」
「そうともいうよ! でもちょいまち、そこの四天王! 絶妙に設定が重い四天王! 聞きなさーい!」
ポポは『デキるロボ子』の背後からメガホンを構えて叫ぶ。
「なーにー?」
「なんか未成年が主張しているみたいな感じでオーディエンスせんでいい!」
「えぇ……あの、吾輩は」
「ちょっと待ってて! 今ポポちゃんが四天王説得するから!」
いいから、とポポが『キング・ブレイン』を制する。
あ、はい、と素直に待つところが『キング・ブレイン』である。実に。
「これ戦いなのだが」
「あ、ちょっとやめたまえ! ポポちゃんの話を聞き給え!」
だが、普通にぶち込まれる『日直式四天王』たちの一撃。どかんどかんやっている。
それを妙にイラってくるポーズでポポは躱す。
「妙に腹立つ!」
「人の話は聞くこと! 聞かないと大変なことになるゾ!」
「ははーん、これはあれですな。待て待てと言いながらフリでありますな! では、本棚バーン!」
「いいからッ、ポポちゃんの話を聞けー!!」
もうシッチャカメッチャカである。
ポポは『セラフィム』の攻撃を躱すのに精一杯。突如バーンされる本棚を受け止めるので満身創痍。
「ア"ー!!」
ものすごい濁音。
滅茶苦茶苛ついてる。ポポちゃんご立腹である。
「こんな時に限ってェ!!!」
つるんと『デキるロボ子』がすっ転ぶ。デキるとは一体。
そこに踏み込む『セラフィム』。
しかし、それがポポのユーベルコードの本領である。
飛び出した妖怪『いちたりない』の描かれた妖怪メダルが飛び出し、迫る『セラフィム』に張り付く。
「……なんだ? えっ!?」
瞬間、『デキるロボ子』に振り押されていたプラズマブレイドの軌道がつるんって滑るように『キング・ブレイン』へと放たれるのだ。
「ま、まさかー!? もしかして、脳天直撃ですかー!?」
「あーあ、いわんこちゃないネ!」
ポポは、あーと思う。
ポポちゃんいちたりない(イチナンチャラタンネェヨ)。それは必ず最後にファンブルする力。
此処ぞという時にやらかすということ!
「こんな時に限ってェ! って次に『キング・ブレイン』、てめーは言う、だゾ!」
「こんな時に限ってェ! ……ハッ!? いやー! 脳天は」
だめー! と『キング・ブレイン』は『セラフィム』のはなったプラズマブレイドを脳天にまた直撃させられるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ユーシア・ロクス
迷宮災厄戦からの因縁……ここで決着をつけますよ!キング・ブレインさん!
ユーシア・ロクス…アイゼンケーファー、行きます!
ここが勝負どころです!【システム:必殺技演出ON】!
ちび3P「
敵機の動きも踏まえたルートはこっちで出します!」
ちび2P「バトルゲーマーの目、甘く見ちゃいけないっすよ!」
ブースト全開、敵僚機へと誘導ミサイルを放って牽制して、その隙に一気にブレインさんに近づいて……
本命の【ユーシアのプレイ日記~格闘ゲーム~】!
左腕での射撃→右腕パイルバンカー連続コンボ→頭部ホーンで空中へかちあげて……肩部ミサイルハッチ全開放、全武器での「いっせいしゃげき」でフィニッシュです!!
猟書家たちとの戦いを遡るのならば、アリスラビリンスでの大いなる戦い『迷宮災厄戦』を思い出すことができただろう。
『キング・ブレイン』との付き合いは、そこから始まったと言って良い。
そして、節目節目で『キング・ブレイン』は現れてきた。
時に自転車を爆走したり。
まあ、なんかそんな感じで割りと自由にあちこちでやらかしてきていた。
「でも、そんな因縁も……決着をつけますよ! 今日! 此処で!『キング・ブレイン』さん!」
ユーシア・ロクス(まっさらゆうしゃ・f26126)は己の駆るキャバリア『アイゼンケーファー』と共に『キング・ブレイン』に宣言する。
「おおお……まだ頭がグラグラするであります……!」
「今、『キング・ブレイン』様は、脳天直撃を連続で受けて定かではないので、私が!」
度重なる猟兵に寄る脳天への打撃によって『キング・ブレイン』はぐらついていた。
脳震盪大丈夫かなって思ったが、それには心配に及ばない。
ユーシアたちの目の前に現れたのは体高5mの戦術兵器『セラフィム』であった。
「これ以上、『キング・ブレイン』様の脳天は! 俺たちが護る!」
飛び出してくる『セラフィム』を前にユーシアは此処が勝負どころだと理解する。
「戦闘BGMも影響カットもオッケーですよ!」
2Pがラジカセを取り出す。
え、どこからそれ出した? とか思わない方がいい。考えてはダメだ。これはユーベルコード。どんな不思議なことが起こっても不思議じゃあない。
「わたし! 決めちゃって下さい!」
3Pの言葉と共に謎のBGMが聞こえてくる。
無駄に壮大。
無駄に壮麗。
旋律は戦場に満ちて、『セラフィム』を駆る『日直式四天王』たちをたじろがせる。だってそうだろう。
急にBGMが流れてこようものなら、みんなそんな顔をする。
だが、ユーシアは構わなかった。
何故なら、これがシステム:必殺技演出ON(リョウヘイヒッサツムービー)であるからだ。このBGMが響いた瞬間、勝利確定演出となる。
いつだってそうだ。
勇者は!
「こうやって構える!」
パースの聞いた構図から『アイゼンケーファー』のアイセンサーが煌めく。
「敵機の動きも踏まえたルートはこっちで出します!」
「バトルゲーマーの目、甘くみちゃいけないっすよ!」
ブースターが噴射する。
凄まじい勢いでユーシアの駆る『アイゼンケーファー』は『セラフィム』たちを躱し、さらに誘導ミサイルをばらまいて己に猛追させることを赦さない。
「『キング・ブレイン』さん!」
「ぬぅ! ここまで迫りますか! ですが! ブレブレブレ(笑い声)! 私にはこの『スーパ怪人大全集』があぁーる!」
巨大化する『キング・ブレイン』さん。
大地を割るように巨大化した『キング・ブレイン』さんが巨腕を振るう。
荒ぶ衝撃は。
ミサイルの爆発などものともしない『キング・ブレイン』は高らかに笑う。
「ブレブレブレ(笑い声)! この程度の爆発委託も痒くも……あっ、ちょっ、やめっ、爆発多いでありますよ!?」
「え、だって委託も痒くもないて」
「それとこれとは話は別でありましょう!? 様式美ってやつでありますよ!」
ユーシアはそんなことお構いなしに突っ込む。
弾丸の雨が『キング・ブレイン』を遅い、さらにパイルバンカーの一撃が巨大化した『キング・ブレイン』の腕を跳ね上げる。
さらに頭部の炎熱ホーンが巨体を押し上げ、肩部ミサイルハッチが開放される。
「わたし! 決めちゃってください!」
「うん! これで、フィニッシュ!」
放たれるミサイルが『キング・ブレイン』の巨大化した躰を吹き飛ばし、『キング・ブレイン』に盛大な花火を打ち上げるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
アルテミシア・アガメムノン
キング・ブレインさん、ごきげんよう。美しい主従愛ですわね!
それにしてもやはり飢えと貧困を根絶したいのではないですか。
やりたい事もできないなんて不自由なことですわね。
その枷から解放してあげましょう!
尽きることなき無限の魔力(『魔王の肉体』)を捧げ、超速回転する無数の大焔球を創造。(『焔神の乱舞』)
これは魔王と魔王の戦い。邪魔です。
と幾つかの大焔球に四天王を襲わせ、その間にキング・ブレインさんと決戦です。
『黄金の神剣』で脳ビームを破壊。
そうやって敵UCを防いでいる間にまだまだ無限にポップする大焔球の群れがキング・ブレインさんを襲います!
大焔球があれだけとはわたくし一言も言っていませんわよ?
盛大に上がる花火、もとい『キング・ブレイン』の巨体。
『スーパ怪人大全集』によって巨大化した『キング・ブレイン』であったが、猟兵のユーベルコードに寄る凄まじい爆発でもって空に打ち上げ、頭から地面に落ちた。
所謂車田落ちというやつである。
「ぐしゃぁ!」
『キング・ブレイン』は敢えて自分の口で言いながら落下した。
さっきから脳天に衝撃が走りまくっている。
「『キング・ブレイン』さまー! 大丈夫ー!?」
「だ、大丈夫であります。さあ、敵が来ますよ! ここは余裕を持ってたっぷりと笑いながら……」
「で、でもそのからだじゃぁ!」
少年怪人『アハト』の言葉に『キング・ブレイン』は手で制する。
目の前に現れた猟兵、アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は戦場に在りながら、なんかカツーンカツーンって滅茶苦茶必死に逃げているのに、ゆっくりとした足音でピッタリと謎のスモークと後光でもってぴったりと追いついてくる海外サスペンスの真犯人みたいな雰囲気で拍手しながらやってきていた。
どういう演出? と『キング・ブレイン』は思わないでもなかった。
それやりたいなって『日直式四天王』たちは思った。
「『キング・ブレイン』さん、ごきげにょう。美しい主従愛ですわね!」
これが人望ってやつである。
「それにしてもやはり飢えと貧困を根絶したいのではないですか」
によ。
アルテミシアは笑む。
図星であった。オブリビオンとはいえ元は悪魔。良い子の種族悪魔! 根が善良なのでどうしても良いことをしようとしてしまう。
だから、ワルになるのだ!
「ぐぬぬ……!」
「あら、『キング・ブレイン』さん、図星ですか。余裕がないですか。やりたいことができないなんて不自由なことですわね。どうしました、笑い方忘れましたか? なんでしたっけ?」
めちゃくちゃ煽りよる。
「吾輩の野望は! 悪の大首領としてスーパー極悪作戦を他世界にばらまくことであります!」
「ブレブレブレ(笑い声)を忘れておりましてよ!」
アルテミシアのユーベルコードが煌めく。
『キング・ブレイン』の脳がビームが放たれる。
瞬間。アルテミシアの手より放たれたのは、無限の魔力と超速回転する無数の大焔球であった。
それは、己の魔力を常に捧げることによって維持される、触れたものを消滅させる大焔球!
「させるか!『セラフィム』!」
『日直式四天王』たちがアルテミシアに迫る。
だが、それをアルテミシアは一蹴する。
「これは魔王と魔王の戦い。邪魔です」
にべにもなく振り払うアルテミシア。余裕すぎる。なんかワルな雰囲気もそこはかとなく溢れているように思える。
激突する大焔球と脳ビーム。
光条と焔球が火花を散らすようにユーベルコードの輝きを放っている。
「さあ、お消えなさい!」
「ぬぅ! だが、吾輩、負けるわけにはいかぬのであります!『日直式四天王』! 配下の皆さんのためにも! 負けるわけにはいかないのであります!!」
『キング・ブレイン』の気合一閃。
脳ビームの光条はアルテミシアの放つ大焔球を切り裂き、吹き飛ばしていく。
「勝ったであります!」
「やったー!」
「流石は『キング・ブレイン』様!」
「キーング! キーング!」
「おっと、皆様こういう時は、ブレブレブレ(笑い声)でありますぞ!」
そんな喜びに沸き立つ秘密結社ブレインの面々。
だが、それはぬか喜びであった。
彼等の周囲に浮かぶのは大焔球。
「へ?」
「あら、言っておりませんでしたか。わたくし、大焔球があれだけとは一言も言っておりませんわよ?」
「ぬ、ぬにー!?」
「ええ、では改めて」
にこし。
アルテミシアの微笑みと共に、焔神の乱舞(ヒノカグツチ)が戦場に溢れる。
その盛大な爆発と共に『キング・ブレイン』は再び背景宇宙に飛ぶのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
うーん、こっちが悪者感…
でもよく考えたらあいつが変な事するからこっちが働かないといけないんだから、やっぱりあっちが悪!
私の休みを返せ!
何という極悪非道…
貧困と飢えを解消するフリをして、キングブレイン印の食糧漬けにして中毒患者を増やす作戦だなんて…!
最悪だなキング・ブレイン、ファンやめます
返金請求します
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀!
【Code:C.S】起動
時間加速、どっかで見たような起動兵器は速度に任せてごぼう抜き!
キング・ブレインまで一気に肉薄しよう
本棚を『斬撃波』で迎撃し、軌道を変えて『吹き飛ばし』て避けてそのままダッシュで『串刺し』!
おっと私は急には止まれない!
凄まじい爆発の中、宇宙銀河広がる背景に飛ぶ『キング・ブレイン』の躰。
なんかこう、どこかで見たような光景だなとサブカルマニアの月夜・玲(頂の探究者・f01605)は思った。
具体的には週刊少年跳躍に昔連載されていたギャラクシーファイターな、なんかそういうあれのあれ。
だが、玲は思った。
さっきの茶番というか、寸劇。
『日直式四天王』を気遣う『キング・ブレイン』。
その姿は、なんていうかコッチのほうが悪役にみえてくる感じがしてならなかったのだ。
「でもよく考えたら、あいつが変なことするから、こっちが働かないといけないんだから、やっぱりあっちが悪!」
「それはそうでありますな!」
むくり、と起き上がった『キング・ブレイン』が頷く。
それはそう。
「吾輩、ものすごくワルでありますからな! ブレブレブレ(笑い声)!」
「私の休みを返せ!」
模造神器を抜刀し、その切っ先を玲は突きつける。
だが、『キング・ブレイン』は余裕であった。いや、全然余裕じゃないな。脚ガクガクやんけ。
それもそのはずである。
だって、これまで猟兵達のユーベルコードは執拗に『キング・ブレイン』の脳天を直撃してきたのである。セ(それ以上はいけない)ン!
「ブレブレブレ(笑い声)! 他人の休みを有給休暇にしてあげるのが吾輩の趣味であります!」
「何と言う極悪非道……」
いやそうか? と玲は冷静になりかけた。いや違う、普通に良いことしてるな。
「そういうのはもっと、貧困と飢えを解消するフリをして、キングブレイン印の食料漬けにして中毒患者を増やす作戦とかしたらいいよ」
「ハッ! その手がありました! え、それって採用してもいいでありますか? 是非、吾輩の秘密結社ブレインのマネジメントもしていただきたいのでありますが」
玲の才覚溢れる言葉に『キング・ブレイン』はぐらついた。
いや、猟兵とオブリビオンの間柄を忘れるな。
滅ぼすか滅ぼされるかでしかないんやぞ!
「そこはパクるとか言えばいいのに。最悪だな『キング・ブレイン』、ファンやめます」
「ファンであったでありますか!?」
「返金請求するから。今更詫び☆しても遅いから」
とんだモンスターである。
「『キング・ブレイン』様、猟兵のペースに巻き込まれてます!」
「え、そうでありますか? 案外話せばコッチについてくれそうな雰囲気しているのでありますが」
「いや、それはないから」
玲の瞳がユーベルコードに輝く。
一瞬だった。
迫るどっかで見たことあるような内容な青い戦術兵器を一瞬で彼女はごぼうぬきしていた。
模造神器に施されていた時間加速の封印。
それを解除するCode:C.S(コード・クロノシール)によって彼女は一気に『セラフィム』の躱し、『キング・ブレイン』へと間合いを詰めていた。
「い、いったいいくら欲しいでありますか? 金ならいくらでも出す! ……この悪徳成金みたいなセリフ、一度言ってみたかったのでありますよね!」
「なんだ、そのずっこいのは!」
「というわけで、本棚バーン!」
隙あり! とばかりに振りかぶられる本棚。
だが、玲にはみえていた。なんとも戦いづらい強敵であったが、玲は構わず模造神器の刀身を振り抜く。
「車と私は急には止まれない! そういうことになってるから!」
おらー! と玲は『キング・ブレイン』の胴へと模造神器を叩き込み、ホームランバッターの如きフルスイングでもって彼を空へと再び打ち上げ、星にするのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ワルルーナ・ティアーメル
その野望ちょっと待ったー!
行くぞワルルンガー!そして敵が四天王ならこちらも……来るがよい我が第1の魔将ワルフォン!!
そして戦場中に放て、貴様の『支配する光輝』を!!
どっかで見たような名前の連中が駆るどっかで見たような機械兵の制御を奪いわずかでもキングまでの道を開けさせ、
もしKING本人に光輝が当たったら……詠唱妨害に早口言葉でもやっててもらおう
道が開けたらその隙に肉薄してワルルンガーのパンチでドーン!するぞ!
くく、4thKINGよ、貴様の怪人軍団をけちょんけちょんにしたのち、
コンコンコンとやらでなく我が魔王軍が世界から飢餓と…えーと貧婚?をなくすその野望を成し遂げてやろう!安心して眠るがよい!
一回星になった『キング・ブレイン』は空から『キングブレインキャッスル』へとまた舞い戻っていた。
ぐっしゃぁってものすごい音が響いている。
脳天から落下した『キング・ブレイン』は、蹌踉めきながらも立ち上がる。
猟兵の攻勢は苛烈だった。
だが、それ以上に『キング・ブレイン』のタフネスもすんごかったのである。
「ま、まだであります! 吾輩の野望! 全世界から飢えと貧困を根絶する! あっ、いえ、違いました! 間違えました! スーパー怪人んを派遣して他世界で極悪事件を巻き起こすのでありました!」
根が善良な種族、悪魔。
彼等が住まうデビルキングワールド出身『キング・ブレイン』もまた根が善良なのであった。
「その野望ちょっと待ったー!」
そこに飛び込むのは、ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)と第1の獣ワルフォン/支配する光輝(ワルフォン・ドミネーションレイ)であった。
「我が機動魔王城『ワルルンガーΣ』と第一の魔将ワルフォン! この我等がまずは相手を使用ではないか!」
「フハハハ! この割れの能力強化光線! これを受ければ、即座に貴様らを操ってやるのであーる!」
びっかー!
滅茶苦茶雑な効果音と共に第一の魔将たるワルフォンの背に現れた光輪寄り放たれる能力強化光線が『セラフィム』にぶち当たる。
「……力がみなぎってくる?」
「なんか強化されてません!?」
「ほんとだー……なんか機体の動きが良いよね!」
え、なんで?
『キング・ブレイン』は思った。『日直式四天王』たちの駆る戦術兵器『セラフィム』。
猟兵にとって彼等は敵のはず。
なのに、なんで強化光線?
「フハハハ! 我の放つ強化光線に触れたな? これはな」
「ワルフォンの特殊能力であるのだ! 強化光線に触れた者を自在に操るから!」
「ワルルン! ちょい!」
「ワルルンってゆーな!」
それ説明したかった、とワルフォンが抗議するが、ワルルーナは構わなった。
そんなことよりもワルフォンによって操られた『セラフィム』がプラズマブレイドを『キング・ブレイン』に叩き込む。
「おわー!?」
「ごめんなさいごめんなさい! なんか勝手に機体がー!」
「くく、『4thKING』よ。我はは、貴様の怪人軍団をけちょんけちょんにしたのち、コンコンコンとやらでなく我が魔王軍が世界から飢餓と……えーと貧婚? をなくすその野望を成し遂げてやろう!」
「馬鹿な! 人の野望を横取りしようと!?」
「そうだとも! くく、これぞワルの極致! 人の野望を勝手に叶えてやるという欲望である!」
みんな思った。
それは一緒にやればいいのでは? と。
別に誰かと競合するわけでもないのだし、と。
けれど、そんなのはどうでもいいのである。そもそも貧婚に誰も突っ込まないところが残念である。
「というわけで!」
「その隙に脳ビーム! ブレブレブレ(笑い声)! 一度でいいから不意打ちやってみたかったんであります!」
放たれる光条に機動魔王城『ワルルンガーΣ』の演算装置が脳暴走でもってバグる。けれど、ワルルーナは魔力で持って強引に『ワルルンガーΣ』を突き動かす。
「ワルフォン! しっかり『セラフィム』を抑えておくのだぞ! 我は、『キング・ブレイン』に! その脳天に!」
「え、また脳天でありますか!? ちょ、ちょっと猟兵の皆さん、脳天への殺意強すぎませんか!?」
「たいてい、そういうルックスをしているやつは丸見えのスケルトン脳が弱点と相場が決まっておるのだ! 故に! 喰らえい!」
ワルルーナの言葉と共に『ワルルンガーΣ』の拳が振り上げられる。
「貴様の野望は我が引き続く! 貧婚をなくすためになぁ! 安心して眠るが良い! とにかくでっかい『ワルルンガーΣ』パーンチ!」
おらぁ! と問答無用の巨大質量の一撃が『キング・ブレイン』に迫り、脳天直撃どころではない騒ぎの痛烈な一撃を叩き込むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
――ぎゅいいんと巨大な[ドリルボール]くんの掘削刃が唸りをあげ
ぱくぱく
――ぴゅんぴゅんと[叡智の球]くんが色とりどりのビームをぶっぱし
もぐもぐ
――たりしてセラフィム何某と戦ってる横でボクは最大のピンチに陥っているかもしれない
くっ、これは…SRコンコンコン限定のスーパーレアレアチーズケーキてきなやつ!
いやでもボクはこんなおいしいおやつなんかで屈したりは…
こ、これはURコンコンの数量限定品!わ~い屈す屈す~❤
●こんな言葉を知ってる?
喉元過ぎればなんちゃらかんちゃら!
よし倒そう
【第六感】でブレインくんが油断しきったのを感知したところでそう言ってUC『神撃』でドーーーンッ!!
振り下ろされた鉄拳ならぬ鉄塊の如き一撃。
その一撃を脳天に受けた『キング・ブレイン』はフラフラしていた。それでも全然まだ健在なのは彼が『キング・ブレイン』だからである。
説明になってないけど。
「とんでもない目に合うでありますな、これは!」
ずぼっと地面から頭を引っこ抜いて『キング・ブレイン』は立ち上がる。
「ご無事ですか!」
「『日直式四天王』の皆様、ご心配をおかけしましたな。ですが、もうだいじょう……」
大丈夫って言おうとして『キング・ブレイン』は思った。
なんか地面振動してない?
瞬間、地面を割って現れたのは、巨大な掘削刃を持つ球体であった。
言うまでもなくロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)の操る球体であった。
「なんかでっかいの来た!?」
「え、何あれ!?」
「なんだか口パクパクしてるんだけど……」
「……完璧にこっちを食べる気満々でありますな! というか!」
『スーパー怪人大全集』でもって巨大化した『キング・ブレイン』が掘削球体を受け止め、『キングブレインキャッスル』から放り投げる。
だが、さらに掘り進められたであろう地面から、球体が躍り出る。
それはビームを色とりどりにぶっ放す球体であった。
言うなればミラーボール的なあれ。
こう、光を反射せてキラキラされるあれ。そんな感じでビームをぶっ放しているのだ。
「いい加減にしてほしい!」
「こういう乱痴気騒ぎは嫌いじゃないけど、限度がありますよね!?」
『日直式四天王』たちの叫びをロニは効いていなかった。
ロニはわなわなふるえていた。
何処でって、真っ二つになった地球のどっかでコンコンコンしていたのだ。
「くっ、これは……SRコンコンコン限定のスーパーレアレアチーズケーキてきなやつ!」
目の前に排出されたレアレアチーズケーキ前にロニは戦いを忘れていた。
いや、というか戦っているという自覚すら無いのかもしれない。
戦いより甘いもの。
ロニにとっての優先順位とはそういうものであった。
「……ダメダメ。ボクはこんなおいしいおやつなんかで屈したりは……」
そんなロニにゴロリと出てくるチーズケーキ。
なんかスモークが焚かれているし、光が満ちている。ケーキから光が出るってなんかヤバそうって思わないでもなかったが、神々しかったので忘れた。
「こ、これはURコンコンコンの数量限定品! わ~い屈す屈す~❤」
ダメである。
この猟兵とてもだめである。
こんな姿、真面目に球体と激突している『キング・ブレイン』と『日直式四天王』には見せられない。
けれど、大怪獣決戦じみた戦いをしていた彼等の余波がロニの前に現われる。
チーズケーキの濃厚さを堪能したロニは見上げる。
「あれ、もう来ちゃった?」
「なーにをつまみ食いしているのでありますか! 吾輩達、ずっと戦っていたのですけども!?」
「まあ、いいじゃない。限定品って限定だから限定なんだよ?」
「それはそうでありますが!」
「まあ、いいじゃない。喉元すぎればなんちゃらかんちゃら」
「ちゃらちゃらして!」
「はい、ド――ンッ!」
雑に放たれる神撃(ゴッドブロー)の一撃。説明も描写も不要! そう言わんばかりの唐突な一撃。
戦いより甘いもの。
ロニは雑に『キング・ブレイン』をぶっ飛ばし、またUR限定品に舌鼓をうつのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ステラ・タタリクス
くっ、色々デビキン流に押し切るつもりでしたのに!
私がノイン様に感じた違和感はこれ
良心を得た
完全なる善性!
いえ!
良心だったとしても
過去は揺らぐことなく
ノイン様を介して顕れたならば
熾盛ではなく、熾煌でしょう
ならばそのわずかな差異に私の勝機!
『戦いに際しては心に平和を』
キング・ブレインと日直式四天王
貴方がたの不幸は、エイル様のメイドである私がこちらにいたこと
あの方ならば必ず勝利を掴むでしょう
ええ、揺らがぬ
悪の前に立ち塞がるのはいつだって別の
悪なのです!
フォル、いらっしゃい!(鳥型キャバリア召喚)
【アン・ナンジュ・パス】でセラフィムに仕掛けます!
ですがこの最大火力はブラフ
一瞬でもセラフィムをかわして!
キング・ブレインへ最大加速突撃――【テンペスタース・クリス】です!
これで決まり……ってキャバリアの突撃を受け止める本棚ってどういうことですか!?
ええいっ、某光の勇者なみの理不尽さ!
ですが、メイドに不可能はありませんので!
雑にぶっ飛ばされる『キング・ブレイン』。
本当に敵かな? と思うほどに根が善良であるのは、元々の種族が悪魔であったからだろう。
しかし、同時に悪魔であるがゆえに、その頑強さもまた事実であった。
滅茶苦茶に脳天直撃の攻撃を受けまくっているのに、まだ霧散する気配がない。本当にびっくりするタフネスである。
「ブレブレブレ(笑い声)! この程度で吾輩まだ倒れる訳にはいかないのであります!」
「くっ、色々デビキン流に押し切るつもりでしたのに!」
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は思わず歯噛みしていた。
なんかこう、普通にギャグ時空で押し切れると持っていたし、そうする予定であったのだ。だが、『日直式四天王』たちが駆る青の戦術兵器をみやり、急激に入ったシリアススイッチに戸惑っていた。
言うなれば気圧の乱高下。
気温の急上昇。
なんかそんな高低差でキーンってなっていたのだ。
「
良心を得た
完全なる善性! いえ! 良心だったとしても
過去は揺らぐことなく!」
「これを知っているんだね。でも、間違えないでほしいな」
少年怪人『アハト』は言う。
「君はこれが違うものだと思っているみたいだけれど」
「……?」
「感じているでしょう。この差異を。君が勝機だと感じた違和感を」
「何を……」
ステラは答えに窮する。
確かに違和感を感じていた。
けれど、少年怪人『アハト』の言葉は。
「『戦いに際しては心に平和を』。その言葉を最初に言ったのは『今』を生きる人ではなく。そして、『フュンフ・エイル』でもなく」
迫る『日直式四天王』駆る青い『セラフィム』たち。
「あの空に座す『皇帝』の言葉。地の其処に在りて、人の善性の煌めきを見たものだよ」
そんなシリアスたっぷりな雰囲気をぶち壊すのが『キング・ブレイン』であった。
「ブレブレブレ(笑い声)! その隙にバーン! でありますよ! 不意打ち決まると最高にワルって感じがいたしませんか!」
ステラの後頭部にぶつかる本棚。
だが、空気が悪い。
シーンと戦いの場には似つかわしいほどの静寂。
あっ。
『キング・ブレイン』は理解した。
今、シリアスの時間でしたね、と。こういう雰囲気ではなかったですね、と。
「……あなた方の不幸は、『エイル』様のメイドである私がこちらにいたこと」
地鳴りがする。
え、マジで? と『キング・ブレイン』は思った。
「マジでなんか地鳴りしてません?」
「多分、シリアス雰囲気ぶち壊したからだと思うー」
「そ、そんな!? え、なんか行けるって思ったのでありますが!?」
『キング・ブレイン』の動揺を他所にステラは青筋立てながら手を天に掲げる。
「いらっしゃい、フォル!」
空より飛来するは鋼鉄の翼を持つキャバリア『フォルティス・フォルトゥーナ』。
ステラは瞬時に飛び乗ると、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「させるものか!」
迫る『セラフィム』。
確かに空を飛ぶキャバリアに加速を赦してはならないのは当然のことだろう。だが、己が駆る『フォルティス・フォルトゥーナ』は高速機動マニューバを可能とした機体。
如何に『セラフィム』の性能が高かろうが、空中で自在に軌道を変える飛翔を見せる『フォルティス・フォルトゥーナ』を捉えることはできない。
「速い……!」
「でも、捉えられないわけではないわ!」
「ええ、そうでしょう。ですが!」
ステラが見ていたのは『セラフィム』ではない。
この高速機動は、『セラフィム』を躱すためのもの。
放たれるキャバリア兵装の射撃はブラフ。『セラフィム』の注意を逸らすための威嚇でしかないのだ。
狙いは最初から唯一。
「『キング・ブレイン』! シリアス雰囲気をぶち壊してくれた罪は重いですよ! フォル!」
その言葉と共に急加速突撃を持って『キング・ブレイン』へと『フォルティス・フォルトゥーナ』が飛ぶ。
だが、その一撃を本棚でもって『キング・ブレイン』が受け止めたのだ。
「お、おおおお!? 此れは確実にやばいやつでは!?」
「コレで決まりのはず
……!?」
「まだまだでありますよ! 吾輩なんて言ったって悪の大首領でありますからね!」
その言葉にステラはなんか知人の勇者を幻視した。
いや、分類一緒じゃない? と思ったのだ。あ、理不尽の権化的な意味で。
「本棚でキャバリアの突撃受け止めます、普通!?」
「いやぁ、吾輩もできるかな~って思ったのでありますが、なんとかなるものでありますなぁ~」
ブレブレブレ(笑い声)じゃないのである。
ステラはその理不尽を前に踏み出す。
そう、勇者が理不尽の権化であるというのならば、己はメイド。
「メイドには不可能なんてないのです! それを証明してみせましょう! 押し切りなさい、フォル!」
鋼鉄の嘶き。
それと共にアイセンサーが煌めき、『フォルティス・フォルトゥーナ』は受け止められた本棚ごと『キング・ブレイン』を吹き飛ばす。
そう、ギャグにはギャグを。理不尽には理不尽をぶつけんだよ!
「やれると私がいったのですから、やれるのです! メイド道とはそういうもの! 必ず勝利を掴むのが主人様なのならば!」
私は! とステラは叫ぶ。
瞳に有るのはオーバーロードの輝き。
満たされた輝きと共にステラは『キング・ブレイン』を『フォルティス・フォルトゥーナ』でもって押し戻す。
「ブレ!? こ、これはまずいやつでは!」
「ええ、あなたが先に仕掛けたことです。私のメイド道を塞ぐものは! オブリビオンだろうが、オウガ・フォーミュラだろうがなんだろうが!」
ぶち抜く、とアン・ナンジュ・パスたるユーベルコードの煌めきと共に『キング・ブレイン』を吹き飛ばし、死の天使の羽撃きを戦場に満たすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
サージェ・ライト
ええーーーっ!?
なんですかこれーー!!
巨大ロボは一回倒された後がお約束では!?
くっ、お約束を破ってくるスタイル……さすがデビルキング法を作ったキング・ブレインとその配下ですね!
ふっ、ですが私も世を忍ぶクノイチ
この程度で倒せると思わないことです!
ということで掟破りの2回目前口上!
『私はクノイチ、影より悪を討つ者なり!!』
【威風堂々】なクノイチを思い知るがいいー!!
胸のせいで忍べてないとかそういう事実はありません、ええないのです!
ですが私ひとりでは大変なので!
かもんっ、ファントムシリカっ!!
というわけでシリカさーん、セラフィムの相手おねがいしまーす
私はその間にキング・ブレインを攻めるので!
大丈夫大丈夫、シリカならセラフィムでも戦えます!
セラフィムをシリカに任せつつ
私は【電光石火】でキング・ブレインへ
脳ビームはビジュアルも威力もインパクトも強敵ですが弱点があります!
それは直線ということ!
機動力瞬発力でクノイチに勝てるはずないでしょう!
ええ、クノイチ力で回避です
この間合い、もらいましたー!
荒ぶ戦場。
『キングブレインキャッスル』は猟兵と『キングブレイン』、そして『日直式四天王』との戦いで惨憺たる状況であった。
あちこちに理不尽な戦いの跡が刻まれている。
「ぶ、ブレブレブレ(笑い声)! と、どんでもない目に遭いましたが、『日直式四天王』の皆さんは無事でありますか!?」
我が身よりもまっさきに『キング・ブレイン』は『日直式四天王』たちの安否を気にしていた。
「だ、だいじょうぶー」
「お、同じく……」
猟兵達のとんでもないユーベルコードに乱発に『日直式四天王』たちの操る『セラフィム』は未だ健在であった。
「ええーーーっ!? なんですかこれーー!! 巨大ロボは一回倒された後がお約束では!?」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は思わず叫んでいた。
古今東西お約束というのはあるのである。
自分の前口上だってそうである。まあ、うまくいくことの方が稀であるが、それもまたお約束の内である。
故にサージェは戸惑っていた。
「ロボは卑怯じゃありませんか!?」
「ふっ、これができる配下を持つ悪の大首領というものであります!」
「『キング・ブレイン』様、笑い声、笑い声」
「ブレブレブレ(笑い声)!」
「なんたるデタラメ! ふっ、ですが私も世を忍ぶクノイチ。この程度で倒せると思わないことです!」
謎の音楽が響き渡る。
ちゃららー、ちゃっちゃちゃ、ちゃららー!
あぶないびーじーえむ!
「私はクノイチ、影より悪を討つ者なり!!」
ばーばーん!
敢えて威風堂々(シノベテナイクノイチ)たる姿をクノイチなのに晒す。それがサージェのユーベルコード!
クノイチなのに全然忍べてない場合にのみ発動する力。
命中、回避、ダメージが三倍になる破格のユーベルコード。
クノイチなのに全然忍べてないとか、クノイチにとっては、とてもハードな条件。だが、サージェならね。
「ベリーイージーなの?」
少年怪人『アハト』の無垢な言葉がサージェの胸を穿つ。
「ぐっ……や、やりますね……! ですが、この胸の痛み! 忘れることはないのです! 別にこの胸のせいで忍べてないとかそういう事実はありませんので! ええないのです!」
あるでしょ。
それがひゃくぱー原因でしょ。
どう考えても胸。
踊る胸。弛む胸。弾む胸のせいでしょ。主張強すぎるからでしょって、『日直式四天王』は思った。
けれど、それを指摘するのは野暮だなぁって思ったので口をつぐんでいた。
だから、静寂が戦場を包み込んでしまう。
「……な、何か言ってくださいよ!」
「……」
みんな気まずそうな顔をしていた。
あ、自覚ないんだ、と。
「ええい、黙っていたってシーンは進まないのですよ! かもんっ、『ファントムシリカ』!!」
そういうわけでよろしく『セラフィム』の相手、とサージェは『ファントムシリカ』に内蔵された『シリカ』に頼んで『キング・ブレイン』へと迫る。
「吾輩狙いでありますか! ですが!」
煌めくユーベルコード。
ぶっぱなされる脳ビーム。
それは脳を暴走させる光線。過ぎたるインテリジェンスは及ばざるフールが如し的なあれな、見た目と名前からは想像を絶する恐ろしい光線なのである!
「うっ、あれはやべーですね! ビジュアルも威力もインパクトもすんごいやつです! ですが!」
サージェは走る。
そう、たしかに脳ビームは怖い。
恐ろしい攻撃である。クノイチであるクレバーなサージェに当たれば、とんでもないことにある。そうか? そうかな? そうかも。
「そのビームには弱点があります!」
「ぬにー!?」
「直線ということ! 即ち! クノイチの瞬発力! ユーベルコードによって三倍に増大した回避能力があれば!」
サージェは脳ビームの一撃をかすめることなく躱し、『キング・ブレイン』へと迫る。
見事な理屈!
いやそうか? そうかも。
「これが本当のインテリジェンス! クノイチは賢い可愛いやったー! です!」
「そうはならんでしょう!?」
「なってるでしょうが! これにて『キング・ブレイン』の秘密結社ブレインの壮大な企みは、潰えることになるのです!」
踏み込む。
手にしたカタール。
その煌めきが『キング・ブレイン』へと迫る。
「この間合い、もらいましたー!」
放たれる斬撃が『キング・ブレイン』の体を切り裂く。
瞬間、『キング・ブレイン』の体が弾けるように爆発を起こす。
具体的には採掘場でダイナマイト爆発を起こしたような派手な爆発。絶対そんな感じじゃなかったでしょって感じの爆発と共に『キング・ブレイン』は猟兵達によって撃破される。
アディオス、『キング・ブレイン』!
君の勇姿は忘れない――!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『キングブレインキャッスルの最期』
|
POW : 相手の強さを讃えて行く
SPD : 少しでも長く話せるよう工夫する
WIZ : デビルキングワールドの話を土産に聞かせる
|
とかなんとか、そんなダイナマイト爆発と共に夜空に『キング・ブレイン』のキラキラエフェクトが掛かったと同時に、『キングブレインキャッスル』が凄まじい振動に見舞われる。
そう、それは彼が律儀に作動するようにしていた自爆装置が起動した音であった。
「ブレブレブレ(笑い声の録音) よくぞ吾輩を打倒しましたな、猟兵の皆様! この『キングブレインキャッスル』は1時間後に自動的に爆発して消滅するであります!」
響く録音音声。
なんていうか、こういとこまで律儀だなぁって猟兵たちは思うだろう。
「あ、避難経路は頭上にある避難表示の電灯を目印にしていただくとスムーズにいけると思うであります。あわてず、ゆっくり、押したり押されたりしないように、安全に退避してくださるとありがたいであります」
かしこ。
じゃないのだが。
猟兵たちは、なんか此処まで律儀だと『キング・ブレイン』のことを憎めなくなってしまう。
っていうか。
「あ、吾輩のことはお気になさらず。消滅するまでの間、『キングブレインキャッスル』に取り残された怪人がいないか見回ってきますので、はい」
ふりふりと『キング・ブレイン』が猟兵たちに手を降っている。
倒したんじゃないのかい! と皆思ったが、よく見るとうっすら~としてきている。
なんかフェードアウトしそうな感じ。
言うなら死相的なあれ。
「あ、それともなんかおしゃべりいたします? 吾輩、トークちからには自信ありますよ」
ブレブレブレ(笑い声)。
カウントダウンアナウンスが響き渡る。
『キングブレインキャッスル』爆破まで、後、『00:58:34』――。
馬県・義透
『疾き者』のまま
…最後まで締まりませんね。王🧠…いえキング・ブレイン殿(元に戻った)
律儀なんですよ、あなた。いえまあ、そのお陰でデビキンは無事だったという。
おかげでねー、陰海月が『いつもやれないことがやれて楽しかった!』とか。
私もサーカス楽しかったんですよー。
戦ったり戦ったり曲芸(💣️ジャグリング、槍でバトントワリング)したりでー。
(超重要情報:サーカスを見たの、デビキンが初めてなので…認識が大変なことになってる)
※
陰海月「ぷきゅ~」
バスとか楽しかった~。
「……最後まで締まりませんね。王🧠……いえ、『キング・ブレイン』殿」
「えっ!? めっちゃ良い締めくくりでありましたでしょう!?」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『疾き者』の言葉に『キング・ブレイン』は驚愕していた。
これ以上にないまでの見事な最期。
爆発オチを披露しようとしているのに、締まらないって言われたのである。
「いえ、こういうのって普通は自らを倒した敵ごと自爆して一矢報いてやろうという足掻きであると思うのですが」
「た、たしかに!」
「律儀なんですよ、あなた。いえまあ、そのお陰でデビキンは無事だったのですが」
デビキン。
ああ、と『キング・ブレイン』は手を打つ。
デビキン、デビルキングワールドのことか、と。
「いやはや、言葉を略されていたので気が付きませんで。ははぁ、なるほど。確かに猟兵とあらば世界を跨ぐのもまた容易。『ブレインバイシクル1号』がなくても世界を移動することもできましょうな」
「おかげでー、『陰海月』……ああ、この子です」
そう言って示すのは巨大クラゲの『陰海月』であった。
「なんかすんごい光ってますが!?」
ゲーミングカラーに輝いている。
具体的には1680万色に。
まぶしっ、と『キング・ブレイン』はうっすら~とした姿のまま眩しそうにしている。
「ぷっきゅ!」
「『いつもやれないことがやれて楽しかった!』と」
「ほほう、それは良いことですな! 吾輩も故郷を褒められれば、嬉しくなるというものでありましょう!」
その言葉に『疾き者』はオブリビオンと猟兵とい垣根を一時取り払う。
確かに滅ぼし、滅ぼされる間柄でしかない。
けれど、『疾き者』が語るのは、互いを憎む言葉ではなかった。
デビルキングワールドで起こった事件。
悪魔の善良さ故に救われたことも多かっただろう。
戦ったり、戦ったり、曲芸したり。
なんかよくわからんことに巻き込まれたり。
あれがサーカスっていうのはものすごく語弊が有るきがしたが、まあ、それはいいだろう。あれを準拠にされては、他の普通のサーカスが可愛そうであるが、『キング・ブレイン』も特に否定しない。
だって出身世界がデビルキングワールドだからね!
しゃーなしである。
「ぷきゅ~」
「幼稚園バスをジャックするのは日常でありますからな~! 楽しかった身代金要求。みんなで上った
Dの山。ええ、銀行強盗も沢山やりましたとも!」
そんな風にワルの話に花が咲く。
いやどう考えてもおかしい状況であるのだが、しかし『疾き者』は、まあいいかと思った。
いや、よくないけど。
『陰海月』の情操教育的に良くないことばっかり『キング・ブレイン』言っているけど。
「ぷきゅぷきゅ」
でもまあ、『陰海月』が喜んでいるからまあいいかと『疾き者』は迫る自爆時間のことをすっかり忘れ、『陰海月』と『キング・ブレイン』のファンミーティング的な語らいを見守るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
リリスフィア・スターライト
アドリブ歓迎
ここまでお約束通りな展開だと思わず尊敬しちゃうね
避難経路も案内してもらえるみたいだし素直に従えば間に合いそうかな?
その前にキング・ブレインと少しだけ話してみようかな。
どうして猟書家になったとか、まあどんな回答であっても
答えてくれて事にはお礼をいっておくよ
逃げ遅れた怪人がいるならちゃんと避難はさせるとだけ約束するね
適度な所で脱出するけれど間に合いそうにないなら
全翼天開で空を飛んで外からジャンプして脱出かな
こういうのもお約束だよね?
あ、でもこれでキマイラフューチャーが
真っ二つになるのも元に戻るかな?
『キングブレインキャッスル』爆発まで、後1時間弱。
普通、こういうのって逼迫した状況でやるから効果があるものである。
例えば、敵対している勢力をまるごと巻き込んで死なば諸共的な。
そんなあれなのであるが、大分優しい。
「ここまでお約束どおりな展開だと思わず尊敬しちゃうね」
リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)は放送されている音声を聞いて思わず頷いていた。
しかも、脱出経路まで案内してくれているのだ。
「いやぁ、照れますなぁ!」
『キング・ブレイン』は、ブレブレブレ! と笑って照れくさそうにしている。
さっきまで戦っていた相手であるが、戦いが終わればノーサイドということであろうか。それが王を名乗る者の器のデカさであっただろう。
多分。
「ついで、といってはなんだけれど、どうして猟書家になったの?」
「ではお答えしましょう! ……あ、こういうのはオフレコでありますな! 他の猟書家の方々に御迷惑をかけてしまうわけにはいきませんので!」
『キング・ブレイン』は申し訳無さそうな顔をしている。
もしかして、猟書家になる時に契約を結んだりしているのだろうか。
コンプライアンス遵守していて偉い!
どれだけ猟兵との戦いが激烈なものであり、また同時に互いの健闘を讃えるものであったとしても、線引はしっかりしているのかもしれない。
「でも答えようとしてくれたこと、ありがとう」
「お礼を言われるまでもありません。あなた方は勝利者。それを望むのも当然かと」
「そう? それじゃあ、私も道すがら逃げ遅れた怪人がいないか見ながら戻るよ。それは約束する」
「何から何までかたじけないであります」
ぺっこりと頭を下げる『キング・ブレイン』。
徹頭徹尾、敵らしくない。
それを伝えれば『キング・ブレイン』は、えぇって顔をするだろう。
何せ彼は悪の大首領なのであるから。
とはいえ、そういうところが悪魔という種族の特徴なのだ。
「それじゃあ、私はいくね」
「お達者でー!」
ふりふり。
リリスフィアは『キング・ブレイン』と別れると『キングブレインキャッスル』の内部を飛びながら外へと向かう。
自爆するまでの間、城内を見て回っていたせいか、わりかしギリギリだった。
けれど、これもお約束のうちだろう。
「あ、でもこれでキマイラフューチャーが真っ二つになるのも元に戻るのかな?」
『システムフラワーズ』
それはメンテナンスルートと称される地球真っ二つ機構でもある。
この戦いが終われば、元に戻るのかと聞いておけばよかったとリリスフィアは思った。
けれど、キマイラフューチャーに生きるキマイラたちのことだ。
地球が真っ二つになっても面白おかしく生きて行くだろう。
「なら、心配はないかな。じゃあね、『キング・ブレイン』。その名前覚えておくよ」
リリスフィアは爆発する『キングブレインキャッスル』を見下ろし、その悪の大首領の最期を見送るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
播州・クロリア
最後まで調子が変わらないのですね…
情報を集めようかと思いましたが答えてくれるとは思いませんし
じゃあ残り時間を使って踊らせていただきます
(微笑みながら翅をゆっくりと震わせ軽い足取りでステップを踏んだ後{桃花の旋律}で『ダンス』を始める)
あまり戦場には適していない旋律ですが
システムフラワーに舞う花びらを見て舞いたいなと思って舞いました
残り時間もあとわずか
名残惜しいですがここでお開きとさせていただきます
ご観覧いただきありがとうございました
(ボウ・アンド・スクレープを行うと背中の翅を震わせUC【蠱の翅】で外へと飛翔する)
そんでもって、『キングブレインキャッスル』が爆発するまでの時間を巻き戻すとしよう。
自爆まで1時間弱。
それが残された猶予であった。
猶予……? というにはかなり時間の余裕がある。
「だって、逃げ遅れた怪人の皆様などが居たら大変でありますからな! 余裕大事であります!」
『キング・ブレイン』の言葉に播州・クロリア(踊る蟲・f23522)は最期まで戸惑いっぱなしであった。
最期まで調子がまるで変わらない。
なんともおかしみのある敵であったと彼女は思ったかも知れない。
「おや、あなたはどうして此処に?」
「いえ、情報を集めようかと思ったのですが、私の知りたいと思うことを貴方が答えてくれるとは思いませんので」
「聡いお方であります! 確かに! 吾輩、コンプライアンス遵守でありますので!」
「悪魔の方々は契約を律儀に護られる方ばかりのようですから」
だから、とクロリアは微笑む。
ゆっくりと翅を広げ、震わせる。
それは戦うためではない。
軽い足取りでステップを刻む。
旋律なくとも、聞こえる音があるように『キング・ブレイン』は思えたことだろう。
心安らぐような旋律に思えた。
「これは」
「残された時間を有意義に、というのであれば、踊ることこそが私の中の有意義ですから」
クロリアは『システムフラワーズ』に舞う花弁を見たときから踊りたいと思っていたのだ。
これを表現したいと思ったのだ。
目に映るだけが世界ではない。
けれど、クロリアは己の瞳に映る世界を表現したいと思う。言葉なくともコミュニケーションを成立させるのは、感情を表現する体躯。
「なるほど。踊り事態に己を掛けるのでありますな! ならば、吾輩が破れるのもまた必然というものでありましょう!」
「そう言っていただけると嬉しいものがあります。残り時間も後僅か。名残惜しいですが」「ええ、お開きと致しましょう」
「ご照覧いただきありがとうございました」
「こちらこそ、良いものを最期に見れました。きっと再生される吾輩は、それを覚えてはいないでしょうが、しかし、此処にあなたと吾輩の間には、踊りを介した理解があったとお伝えしておきましょう」
その言葉にクロリアは優雅に、お辞儀をして見せる。
その所作を見て、『キング・ブレイン』も同じ様に礼を返す。
コミュニケーションは鏡合わせだ。
此方の礼儀にあちらも合わせようとする。相互理解には猟兵とオブリビオンの立場は、存在は程遠い。
けれど、今まさに此処に互いを称え合う者同士がいる。
ならば、これはこの場限りの真実であるとクロリアは理解し、飛翔し、『キングブレインキャッスル』より飛び立つ。
背後で爆発が起こる。
幾ばくかの寂しさと。
そして、最期まで調子の変わらなかった『キング・ブレイン』の真芯の揺るがなさを胸にクロリアは帰途につくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
上野・イオナ
勝ち負けはどうでもいい、活躍が見たかった
しかし、戦いに参戦出来なかったとしても僕は行くぞ。
ブレブレの非公式ファンクラブ『KKKK』の一員として、ブレブレの活躍が見たかった仲間達に情報を届けるんだ!
UC【グッドナイス・ブレイヴァー】使用
通信は繋げてますので、どうかお言葉を……!
日直式四天王含め、今回の戦いについて色々インタビューしたい
その後は取り残された怪人が居ないか見回り
後に倒す事になろうとも、今回はブレブレの意思を継ぎインタビューしながらも外まで避難誘導をします。
一緒に爆発するぐらいギリギリまで頑張ります。
「『キング・ブレイン』の活躍が見たかった
……!!」
上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)は、グッドナイス・ブレイヴァーによって召喚された動画撮影ドローンと共に自爆カウントダウンを開始している『キングブレインキャッスル』へと飛び込む。
戦いには参加できなかった。
出遅れてしまったからだ。けれど、それでもイオナは往くと決めたのだ。
だって、そこに『キング・ブレイン』がいるのならば!
「
ブレブレの非公式ファンクラブ『KKKK』の一員として、ブレブレの活躍が見たかった仲間たちに情報を届けるんだ!」
なにそれしらん。
いや、本当に知らないやつである。
そんなのあるの!? と『キング・ブレイン』も思うことであろう。
非公式なので、認知されていなくて当然かもしれない。けれど、イオナは構わない。ひと目! 僅かな時間であっても、なんとかして『キング・ブレイン』とファンミーティング的なあれを! と意気込んでいるのだ。
「おや、先程までいらっしゃらなかった猟兵の方。どうなされました? 忘れ物でありましょうか? 当『キングブレインキャッスル』、もう閉園のお時間でして」
『キング・ブレイン』はイオナの姿を認めて、声をかける。
そんなフレンドリーな対応にイオナは、はわわってなる。
「通信は繋げてますので、どうかお言葉を……!」
「ブレブレブレ(笑い声)! 吾輩の名は『キング・ブレイン』! 秘密結社ブレインの大首領!『キング・ブレイン』! 良い子のみんなもワルな子もみんなまるって吾輩がコンコンコンでもって貧困と飢餓をまるっと根絶してみせますぞ!」
こんな感じでいいでしょうか、とイオナの召喚した撮影ドローンに向かって、びしっと決めてくれる『キング・ブレイン』。
付き合いが良すぎる。
「後は、『日直式四天王』も含めて今回の戦いについて色々インタビューしたいんだけど……!」
「ははぁん、なるほどですな。いやぁ、今回は脳天に執拗に攻撃されて参ったでありますな! 正直、猟兵の皆さんのコンビネーションを舐めてたと言いますか! 皆さん普通に寸分違わず脳天直撃でしたので!」
『キング・ブレイン』の言葉に『日直式四天王』たちが頷く。
「すごかった! みんな強かったよね!」
「ユーベルコードの扱いも凄まじかった。『キング・ブレイン』様には及ばないと思っていたが中々どうして」
彼等の言葉にイオナは頷く。
なんというファンサービス。
ファンサービス……? でいいのか。よくわからない感じであったが、少なくともイオナは満足したかもしれない。
非公式ファンクラブ故に推しとの距離感は大切である。
近づきすぎてもいけない。
あれやこれやと沢山訪ねたいところであったが、持ち時間というものがある。
「じゃあ、最期までギリギリまで、避難誘導をするよ」
「正直危ないのでありますが……まあ、ギリギリまでならよいでしょうとも!」
じゃあ、そういうことで、とイオナたちはギリギリまで『キングブレインキャッスル』の内部に取り残されている怪人たちがいないかを確認し、爆発する直前まで、報酬のない完全なボランティアとして避難誘導を行うのであった。
それがワルのやることかという問い合わせも頂くこともあっただろう。
けれど、それでいいのだ。
それこそが『キング・ブレイン』!
ワルなことをやりながら、しっかり迷惑をかけない!
そこに痺れる憧れるのだから――!
大成功
🔵🔵🔵
アルテミシア・アガメムノン
え、爆発まで一時間も余裕があるのですか?
なるほど……
それではお喋りしましょうか、キング・ブレインさん。
貴方はデビルキング法の制定者。魔界の近況を知りたいでしょう。
―――
それではそろそろお開きの時間ですわね。
ごきげんよう。また会いましょう。
ええ、貴方も気づいていると思いますが貴方を完全に倒すまでまだまだボコらないといけません。連続性はあるのかしらね?
次の機会に教えて下さいな。
(なお、「なるほど……」と「それではお喋りしましょうか」の間に『氷炎の魔王軍』を召喚しており、談笑の裏で悪魔達がコンコンコンシステムやブレインバイシクの残骸等を引き剝がして持ち帰っている模様。研究班行です!)
『キング・ブレイン』との激闘を制したアルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は、『キングブレインキャッスル』が自爆するという旨をアナウンスで知り、そして、猶予が一時間もあることに驚いた。
こういうのって、たいてい最期の悪あがきである。
死なば諸共ってやつである。
だが、『キング・ブレイン』は一味違う。
伊達に『4thKING』をやっていない。
「ブレブレブレ(笑い声)! 決戦はお家に帰るまでが決戦でありますから! 怪我なく帰りましょう!」
そんな彼の言葉にアルテミシアは毒気が抜かれた思いであった。
「なるほど……それではおしゃべりしましょうか。『キング・ブレイン』さん」
「ついさっきまで吾輩達、死闘を繰り広げておりましたよね? でも、良いですとも! ばっちこいであります!」
胸を借りるつもりでどんとこい! とばかりに『キング・ブレイン』は胸を叩く。
「貴方は『デビルキング法』の制定者。デビルキングワールドの近況を知りたいでしょう」
「それはそうでありますな! ワルはびこる素晴らしい世界になっていればよいのですが」
「勿論、それは。かく言うわたくしもデビルキング。猟兵全員が『7thKING』となっておりますが、わたくしは、その中でもことさらに選ばれた者。いえ、勝ち取った者とでもいいましょうか」
「それは素晴らしい! やはり魔力の量がダンチでありましたな!」
そんな具合に二人の会話は弾む。
同じデビルキングワールド出身者ということも手伝っているのだろう。
悪くない空気であった。
しかし、どんな語らいにも終わりは来る。
「それではそろそろお開きの時間ですわね」
「ええ、お帰りはお気をつけて」
「ごきげんよう。また会いましょう」
ひらひらと手を降ってアルテミシアは『キングブレインキャッスル』から去ろうとする。
しかし、アルテミシアは振り返る。
「貴方も気がついているとは思いますが、貴方を完全に倒すまでまだまだボコらないといけません」
「そうでしょうな。『ドン・フリーダム』さんのCGが勝手に再生するのであります! 無論、この吾輩とはまた別の吾輩との対峙となりましょう」
「連続性はないのでしょうね。なるほど。では」
アルテミシアはそう言って立ち去る。
これからもまだまだ『キング・ブレイン』との死闘は繰り返されるだろう。
けれど、アルテミシアはちゃっかりしていた。
氷炎の魔王軍(アガメムノーン)を『キング・ブレイン』との対談の間に召喚し、コンコンコンシステムやらブレインバイシクルの残骸などを引っ剥がして持ち帰ろうとしていたのである!
しかしながら、それらは全てまた再び相まみえるであろう復活する『キング・ブレイン』との戦いで再現されることだろう。
持ち帰って研究したいと願うアルテミシアは、何かしらの行動でもってキマイラフューチャーにおける新たな事実を展開することもあるかもしれない。
「ないかもしれませんが! でもまあ、デビルキングワールドの後輩であります。がんばるのでありますよ!」
そんな風にして、アルテミシアは新たなきっかけに手を伸ばす事ができただろうか。
それはのちのアルテミシアだけが知ることである――。
大成功
🔵🔵🔵
ステラ・タタリクス
はい正座。5人とも正座です
ハリアップ!!
まずキング・ブレイン様
今からお説教をします
ええ、デビルキングワールド的に『悪い事』は推奨されるべき
それでもやっていい事と悪い事があるのは、おわかりですよね?
名乗りを遮る事
変身中や合体中に攻撃する事
そして本当に真面目な話をしている時にシリアスブレイクする事
貴方はその罪を犯しました
それで悪の大首領が名乗れるとお思いですか?
しかし貴方様がお創りになったデビルキング法がかの世界を救ったのも事実
貴方様の世界の民は今も『悪い事』をし続けて
力強く世界を生きていますよ
良かったですね
さて、ハイランダーナインの皆様とノイン様
貴方がたには尋問をします
色々ありますが緊急性からしてこれが最優先
エイル様どこにいるのぉぉぉ!!(崩れ落ちる
もうエイル様成分が枯渇して限界なんです!
早く補給したいんです!
抱き着いてくんくんしてはぁはぁしたいんですぅぅ!!
くすん、エイル様どこー?
知らない?やくたたずぅ…
エイル様…いえセラフィムを巡る物語の、全ての始まりは…青き空の世界に、あるのですね?
ご主人様を探し求める献身的なメイド(ホンニンハソウオモッテイル)ことステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は荒ぶっていた。
荒ぶりに荒ぶり、寒ブリかなんかなってなるくらいに荒ぶっていた。
その勢いに『キング・ブレイン』も『日直式四天王』たちも押されていた。いや、さっきまで死闘を繰り広げ……繰り広げていたと思うのだが、ステラにとっては関係のないことだった。
そんなことよりも!
「はい正座。五人とも正座です」
「え~」
少年怪人『アハト』は難色を示していた。
正座って脚痛くなるしなぁって顔をしていたし、なんで言う事聞かないといけないのだろうと思った。
「ハリアップ!!」
けれど、『キング・ブレイン』がいの一番に正座しているのをみて渋々正座をする。他の3人もそれにならえであった。
「な、なんでありましょうか。これ。どういう辱めなのでしょうか。でもいいでしょう! これも敗者の……」
務め! と言おうとして遮られる。
「今からお説教をします」
「ひ」
「まずは『キング・ブレイン』様。ええ、デビルキングワールド的に『悪いこと』は推奨されるべき。それでもやっていいことと悪いことがあるのは、おわかりですよね?」
「それはそうでありますが、やっちゃいけないことをやるって最高にワルでは?」
「だまらっしゃい! 名乗りを遮ること! 変身中や合体中に攻撃すること、そして本当に真面目な話をしている時にシリアスブレイクすること!」
いやぁ、あれはシリアスだったかなぁって『アハト』が首を傾げている。『ゼクス』と『ズィーベン』が、しっ! と嗜める。
いらんこと言ったらまた変なことになるってわかっているからである。
「貴方はその罪を犯しました。それで悪の大首領が名乗れるとお思いですか?」
「それは、そのー」
「しかし貴方様がお作りになったデビルキング法がかの世界を救ったのも事実」
でへへって『キング・ブレイン』は褒められたと嬉しそうな顔をしている。
「貴方様の世界の民は今も『悪いこと』をし続けて力強く世界を生きてますよ。良かったですね」
「いやぁ、それほどでも」
「それはそれですから」
「あ、はい」
そして、ステラは『日直式四天王』たちの前に向き直る。
あれ、『ノイン』がいない。
「『ノイン』様はどうされました」
「早退けでーす」
「そんなシステムないのですが!? まあ、それはそうと『ハイランダー・ナイン』の皆様には尋問をします」
「そういのってよくないとおもいまーす。僕は『それ』じゃないから」
「いえ、緊急性……え?」
なんて?
「『僕は』違うよ。『それ』じゃない」
「私達はそうですけど」
「ああ」
『ゼクス』と『ズィーベン』は、そう、と頷く。軽い。かるぅい。ステラはしれっと混ざった事実にめまいがする。
「いえ、それよりも『エイル』様はどこにるのぉぉぉ!!!」
膝から崩れ落ちたステラに『アハト』は、少年ながら、うわって顔をしていた。
「『エイル』? それは『フュンフ・エイル』のことを言っている? あの?」
「もう『エイル』様成分が枯渇して限界なんです! 早く補給したいんです! 抱きついてくんくんしてはぁはぁしたんですぅぅ!!」
「……ヤバイな」
「ええ、ヤバイわね」
この人。
『ゼクス』と『ズィーベン』はステラの様子に、顔を見合わせる。
「くすん、『エイル』様どこー?」
「私達の知っている『フュンフ・エイル』なら、もう何処にでもいるでしょう? 何処にでもいるし、何処にでも居ない。此処にはいないけれど、確実に居るとわかっているのに、どうしてそんなことを聞くの?」
「具体的なことは何一つ言わないのやくたたずぅ……」
「えぇ……猟兵ならば、幾度となく、それこそ戦ったはずなのに……」
「は?」
その言葉にステラは首をかしげる。
それは、どういう、と告げる前に、『キングブレインキャッスル』の自爆時間が迫る。
「『戦いに際しては心に平和を』、その言葉を君は誰から聞いた? 何故気が付かないフリをしている?」
『ゼクス』と『ズィーベン』はステラを見送る。
「懐かしき戦乱の世界。俺たちの故郷は今も炎の破滅の前にさらされている。終わりは始まり。始まりは終わり――」
大成功
🔵🔵🔵
サージェ・ライト
いやー激しい戦いでした
歴史に残る死闘
キング・ブレインもまた
強敵であった!!
というわけでキング・ブレインさん
ちょっと働き過ぎです
最後くらいは休んでいってください
(ちゃぶ台と緑茶と和菓子を用意)
あ、日直式四天王の皆さんもご一緒にごゆっくりどうぞー
見回りは私の分身がしてきますのでご安心を!
まぁ私たち、猟兵とオブリビオンですからね
不倶戴天なのはわかってますけど最後くらいはね
そーいえばデビキン、この前ガチデビルが復活しましてかくかくしかじか
でも猟兵が倒しましたし
その結果8thKINGが猟兵になってたりしますけど
概ね平和なんではないでしょうか
デビルキング法はもう必要ないかもですが
やっぱり『悪い事』はしているみたいですよ
嬉しいですね
四天王の皆さんに元気そうで何より?
アハトさんはお久しぶりです?
覚えてないかもですがあの時はヒントありがとうございました
それにしても
貴方たちはずっとセラフィムと在り続けるのですね
呪いにも似た……いえ、余計なことでした
きっと貴方たちが決めたことなのでしょうね
『キングブレインキャッスル』における『キング・ブレイン』との激闘は凄まじいものであった。そうだったかな?
どこかギャグ時空に引っ張り込まれるような思い出にしかならなかったのではないだろうか。
「いえ!
『キング・ブレイン』もまた
強敵であった!!」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は惜しいやつを亡くした、と肩を震わす。
「いえ、また復活するでありますよ。具体的にはあと19回ほど」
『キング・ブレイン』が余韻をぶっ壊すようなことを言う。
いつもそうである。
ギャグ時空にいるので、シリアスをぶっ壊していくのである。強い。
「後19回!? 働きすぎでは!?」
「頼まれたのならば、やらないわけにはいかないでありましょうに」
まじめぇ! とサージェはいつもの自分の勤務態度を恥じた。多分。
「でも最期くらいはゆっくり休んで良いんじゃないですか。ほら、ちゃぶ台も緑茶も和菓子もあるんだよってやつですよ。あ、『日直式四天王』の皆さんもご一緒にごゆっくりどうぞー」
「ありがとー! さっき怖い紫のおねーさんが正座しろって言うから足痺れちゃった」
少年怪人『アハト』が嬉しそうにしている。
「見回りは私の分身がしてきますのでご安心を! しゃどーふぉーむってやつですね!」
「あはは、なにそれへんなの」
「え!?」
へんなのって言われた? え、マジで? とサージェは思わないでもなかった。
でもまあ、この光景は割りと奇跡的であったかもしれない。
猟兵とオブリビオン。
その間柄は滅ぼすか滅ぼされるかでしかない。だからこそ、不倶戴天の敵。けれど、最期くらいは、と思うのだ。
そういう優しさがあればこそ、世界は救われるのだろう。
「むっ、そういえばデビルキングワールドは大変なことになっていたご様子!」
「ええ、この前ガチデビルが復活してかくかくしかじかうまうまうま」
「はしょりすぎじゃない?」
「ええ、そんな感じで猟兵が倒しました」
まあ、概ね今はデビルキングワールドは平和って言えば平和であるとサージェは『キング・ブレイン』に告げると、彼は素直に喜んでいる。
根が善良なワルいこと大好きな種族。それが悪魔。
その4thKINGたる『キング・ブレイン』にとっては、故郷の状況は気がかりだったのだろう。
「ブレインバイシクルがあれば、ひとっ飛びでありますが、敢えてそれをしない吾輩ワルでありますので!」
「キーング!」
やんややんや。
その様子にサージェは毒気を抜かれている。もう何言っても、この感じで返される気がした。
でも、それでも喜んでいるのは彼の性根がオブリビオンになっても変わっていないからだろうと思えた。
「それにしても『アハト』さんもお久しぶりです。覚えてないかもですが、あの時はヒントありがとうございました」
サージェは嘗て戦ったはずの『アハト』を前に頭を下げる。
だが、少年怪人『アハト』は首をひねる。
何が? と彼は本当にわからない様子だった。
「君とあったことはないよ。オブリビオンになる前だって。君の言う『アハト』って本当に『アハト・ラーズグリーズ』?」
その言葉にサージェは息を飲む。
サージェの知る『アハト』とは『アハト・スカルモルド』。
目の前のオブリビオンは『アハト』と名乗っているが、違う存在だと知る。
「……『セラフィム』は呪いにも似ていますね。余計なことだとは思いますが、それはあなた達が決めたことなのですか」
「そうだよ。確かに呪いにも似ていると思うよ。けれど、生命に対抗する兵器、というのならば」
「そうだと言わざるを得ない。生命を殺すのが兵器だ。なら、そう在るべきだろう」
生命に仇為す。
そのためだけに存在しているのだと『ゼクス』は言う。
例え、世界に落ちる影法師の如き存在が、幸せな夢を見ているのだとしても。
サージェは、それ以上聞くことはできなかった。
時間が迫っていたからだ。
時間は無限ではない。だからこそ、終りと始まりがある。この邂逅にも終わりが来る。始まりがあったのだから。
故に、サージェは爆発していく『キングブレインキャッスル』をみやり、彼等の言葉を思い返すしかできないのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
榊・ポポ
なにこのおっさん...(誉め言葉)
オブリビオンは基本キョーボーで人の話を聞かない脳筋仕様と聞いたのに意思疎通できる...だと?
デビキンですけどー、初代王のガチデビルがうっかり蘇って再びブラックな世界に書き換えられかけましたけどー、なんやかんやあって再び黙らせましたんで!
デビキンはきょうも平和です!
あ、〆にこれ使います?これ(いかにもな天井からぶら下がった紐)
やっぱ最後は王道の家屋倒壊オチっしょ!
爆発と同時に建物がバターン!!
ダメ押しで屋根に申し訳程度のパトカーが突っ込んでくるゾッ
「なにこのおっさん……」
榊・ポポ(デキる事務員・f29942)は『キング・ブレイン』のことを、そのように評した。
褒め言葉であった。
基本的にオブリビオンというのは凶暴であり、歪んでいて、己の欲望のままに立ち振る舞う。此方の対話を無碍に蹴り捨てるし、滅ぼすか、滅ぼされるかの間柄でしかない。
だが、『キング・ブレイン』はデビルキングワールド出身であり、4thKINGである。
悪魔である彼の性根が善良であればこそ、今回のような奇跡を生み出したのだろう。
「誘導灯ありますので~慌てず、押さず、押されず、誘導指示に従っていただきますようお願いしておりますですよ~」
そんなふうにして『キング・ブレイン』は自爆スイッチ押してから1時間もたっぷり猶予を持って取り残された怪人や猟兵たちがいないかを見て回っているのである。
とんでもないことである。
「えぇ……」
こういのってたいてい敵を巻き込むタイプの自爆ではないのか。
普通に避難勧告するってどういうことなんやとポポは思った。だが、このレアケースを逃す手はない。
「デビキンですけどー」
「あ、はい。なんでありましょう? デビキン、デビルキングワールド、吾輩の故郷の名でありますな。懐かしいであります。吾輩、悪の大首領として一旗揚げるまでは故郷に戻らぬと決めておりまして」
「いや、その初代のガチデビルが復活してブラックな世界に書き換えられかけましたけどー」
「なんやかんやで猟兵の皆さんが阻止してくださったんでありますな! いやはや、ありがたいことであります!」
ブレブレブレ(笑い声)! と闊達に『キング・ブレイン』は笑っている。
うん、やっぱり普通に良いやつだな、こいつ、とポポは思った。
底抜けじゃんとも思った。
「まあ、そういうわけで今日もデビキンは平和です!」
「最高にワルなことを悪魔の皆様も勤しんでおられるのですな。そうとなれば、吾輩も負けてはおれません!」
「いや、もう負けてんだけど……」
「いえ!『ドン・フリーダム』さんのCGさんが、吾輩を復活させてくれるのであります! 次は負けませんよ!」
「具体的には後何回?」
そういうこと教える? と普通は思うが、『キング・ブレイン』である。教えてくれるのである。
「吾輩含めて20回程ぶっ倒してくだされば、どうにもならなくなりますな! ブレブレブレ(笑い声)! 吾輩の猛攻、今回のように上手く躱せると思わぬことでありますな!」
最期までワルぶるんだもんなぁとポポは思った。
「あ、そうだ。〆にこれつかいます?」
はい、とポポはいかにもな天井からぶら下がった紐を『キング・ブレイン』に手渡す。
「これは?」
「昔懐かしの古典的小道具とでも言えば良いんじゃないです? 爆発とともに建物が、書き割りみたいにバターンってあれですよ!」
「ダメ押しにパトカーが突っ込んでくるのでありますな!」
「それ!」
フィスト・バンプを互いに……しようとして、ポポは羽根しかないことに気がついて変な空気になったが、まあ、それはそれである。
……。
……なんてこともあったなぁってポポは爆発する『キングブレインキャッスル』の爆発をみやりながら、しみじみとするのであった。
いや、なんかおかしいってことはわかっているけども――!
大成功
🔵🔵🔵
ユーシア・ロクス
多分【POW】
3P「聞きたい事はありますが…この人、自分の計画や心情は漏らしても、他の猟書家や幹部達のような味方の秘密…一番大事な事は決して漏らさないタイプじゃないですか?」
2P「……というか真顔でボケ返しされそう」
……キング・ブレインさん、逃げ延びたあなたの部下やその組織、もしくはあなた自身が蘇ってこの世界で何か事件を起こすんだとしても、わたし達が食い止めて見せます、何度でも!です!
2P「『ブレブレブレ…吾輩が敗れても第2第3の吾輩が…』とかしても無駄っすよ!」
3P(…何故か20人近く増えそうですね……)
……行きましょう二人とも、脱出です!
(カート形態の『駆け抜ける疾風のカギ』に乗り込む)
「聞きたいことは山程あるんですが……」
ユーシア・ロクス(まっさらゆうしゃ・f26126)の3Pは、でもなぁって思った。
『キング・ブレイン』はたしかにデビルキングワールド出身のオブリビオン。
根が善良であるので、頼まれたら断れない性根であるのだ。
だからこそ、此処まで追い込めたとも言える。
「ブレブレブレ(笑い声)! 例え、どんな拷問を受けようとも吾輩、仲間を売ることはあり得ないでありますよ! ブレブレブレ!」
『キング・ブレイン』がうっすらとしながら笑っている。
こういうところまで律儀じゃなくってもいいのになぁってユーシアたちは思った。
「そうだよね……いちばん大事なことは絶対漏らさないって感じする」
「吾輩、コンプライアンス遵守いたしますので!」
「悪魔がコンプラとか言わないでよ……いや、契約絶対守ってくれるから、それはそうなのかな……?」
「そういうことであります! コンプライアンス違反はたしかにワルでありますが、ご迷惑をおかけしてしまいますからな! 銀行強盗くらいならまあ、やりますが!」
どうしてそういう方向に行くのだろうってユーシアは頭痛がする思いであった。
でもまあ、仕方ない。
そういう存在なのだから、咎めても治ることはないだろう。
「……『キング・ブレイン』さん、逃げ延びたあなたの部下や組織、もしくは貴方自信が蘇って、この世界でなにか事件を起こすんだとしても、私達が食い止めて見せます、何でも! です!」
その言葉を『キング・ブレイン』はまってましたとばかりに顔を輝かせる。
言える!
あのセリフが言える! とワクワクしている顔だった。わかり易すぎる。
「次に『キング・ブレイン』さんは、『ブレブレブレ……吾輩が破れても第二第三の吾輩が……』と言うっすね!」
「ブレブレブレ……吾輩が破れても第二第三の吾輩が……ハッ!」
「やっぱり言った……」
「いやでも、言いたくないでありますか!? このセリフ! 滅茶苦茶ワルで格好よいでありましょう!?」
その様子にユーシアはまた頭痛がする。
具体的には後19回以上、猟兵は『キング・ブレイン』のこの調子に付き合わないといけない。
それは予知でわかっていることである。
とかく過去の化身であるオブリビオンを完全に滅ぼすのは骨が折れるのである。
「ブレブレブレ! あと19回ほど吾輩をぶっ飛ばせば、吾輩は滅びるでありますよ! その時までお付き合いいただきますようによろしくお願いたしますであります!」
なんでこんな礼儀正しいんだろうってユーシアは思う。
けれど、それでも時間は迫っている。
大分余裕はあったけれど、おしゃべりで時間を潰している暇はなくなってきた。
「もうこんな時間で有りますな。お帰りの際には道中お気をつけて! 決戦はお家に帰るまでが決戦でありますからな!」
「遠足みたいなこと言う!」
「似たようなものでありましょう。帰りを待つ者がいる者も、そうでない者も。須らく、今を生きているのならば」
アディオス! と『キング・ブレイン』はユーシアたちの脱出を特に邪魔するでもなく、誘導灯で示した道を照らし、彼女たちを『キングブレインキャッスル』の外へと送り出す。
「なんかこう、最後の最後まで締まらない感じでしたけど……」
「まあ、楽しかったから良いんじゃない?」
「そうですね。また相まみえることもあるでしょう。その時は、また今回みたいなやり取りをするのかもしれませんし……」
そう思えば、ユーシアは目眩がする思いだった。
このテンションに付き合うのはとてもつかれるのだ。けれど、ユーシアは爆発する『キングブレインキャッスル』をみやり、猟兵としての役目を果たしたことに充足を得るのだったら――。
大成功
🔵🔵🔵
ワルルーナ・ティアーメル
(【WIZ】とりあえずワルルンガーΣは帰しました)
くく、4thKING、大首領ブレインよ
さっきも言ったがその野望、貴様亡きあとに我と我が魔王軍が実行してやろう!…いやだって貴様オブリビオンだし直接協力するのはちょっと……
そういえば貴様が制定したというデビルキング法は確かに役目を果たしたぞ
蘇り再度の王位を狙ったあのガチデビルは、(色々な意味で)壮絶だったあの7thKING WARにて、猟兵の前に斃れたのだからな
くく、思えば奴の野望であった「他世界への悪魔輸出」も、我が魔王軍にとっては第一歩に過ぎなかった
貴様も奴も、躯の海から我らの躍進を眺めているとよいわ!
ふはーっはっはっは…え?残り時間?あっ
激闘に次ぐ激闘。
それが『キング・ブレイン』と猟兵達の戦いであった。
煌めくユーベルコードの輝き。
火花散る激突。
そんでもって、戦場を疾走る巨大兵器。さらに巨大な機動魔王城。
まるで一大パノラマ大活劇を見ているかのような光景は、猟兵達の勝利で幕を閉じた。
「くく、4thKING、大首領ブレインよ」
ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は勝利者の特権とばかりに『キング・ブレイン』の前に立っていた。
すでに機動魔王城『ワルルンガーΣ』は必要ない。
維持費も馬鹿にならんので、早めに帰ってもらっていた。それはそうと帰りの足がなくなっているのだが、大丈夫だろうか?
「そこんところはグリモアベースを介して、送ってもらうから心配ご無用である!」
「それはよかったであります! 時間が来て一緒に爆発とかそんなオチは流石にって思っていたでありますからね!」
「うむ! ではなく! さっきも言ったが、貴様の野望、貴様亡き後に我と我が魔王軍が実行してやろう!」
どうよ! とワルルーナは胸を張る。
確かにそれはありがたい申し出であった。具体的には全世界から貧困と飢餓を根絶するっていうあれ。貧婚とかなんか言ってた気がするが、そこらへんは修正してくれるだろう。多分。
「それはいいのでありますが、吾輩と戦う意味はあったので?」
それもそうである。
「いやだって貴様オブリビオンだし」
直で協力するのはちょっと、イェーガー的にあれなので。
ワルルーナにも立場ってもんがあるのでる。おおっぴらにオブリビオンの言う貧困と飢餓を根絶する! という言葉に賛同するわけには行かんのである。
「つまり談合ってことでありますかな!」
「そうなるな! くくっ!」
「ブレブレブレ(笑い声)」
なんかワルそうな雰囲気を二人は醸し出しているが、やろうとしていることは全世界から貧困と飢餓を根絶しようとしている超良いことである。
「そういえば、貴様が制定したデビルキング法はたしかに役目を果たしたぞ」
「ははぁ、聞き及んでおりますぞ。かのガチデビルを再びぶっ飛ばしたとか!」
「うむ! かく言う我もがんばったので!」
そう言えば、とワルルーナは得意満面である。
わかる。いっぱい頑張ったらいっぱい褒めて欲しいもんである。だからこそ、ワルルーナはワルなかおをスル。
「くく、思えばやつの野望であった『他世界への悪魔ゆしゅつも、我が魔王軍にとっては第一歩もに過ぎなかった」
だって、猟兵になれば、ばんばん他世界を跨ぐのである。
事件が起これば、ばびゅんと飛んで。ズバッと解決。
ふんふん、一々、悪魔契約書とかなんとかしなくても全然輸出できているというもの。
「貴様もやつも、骸の海から我等の躍進を眺めているとよいわ!」
「それはよいのでありますが」
「ん? なんだ? 此処は高笑いさせてもらうところであるぞ!」
「いえ、時間が」
「時間?」
「ええ、『キングブレインキャッスル』の自爆の」
「ふはーはっはっはっは……自爆のな! 今度我が魔王軍の魔王城にも取付けてもらうとしよう……え?」
『キングブレインキャッスル』の自爆までの残り時間を『キング・ブレイン』は申し訳無さそうに示す。
後、00:01:54。
二分もない。
「ちょっ! 今日び光の星の巨人ですら、もうちょっと時間敵猶予が貰えるはずであろう!?」
「いやーこれはまたなんとも。一度やってみたかったのでありますよ。敵を巻き込んでの自爆。ブレブレブレ(笑い声)! とはいえ、怪我しては元も子もありませぬからな! さあ、お早く!」
脳ビームが天井をぶち抜く。
そこからさあ、とワルルーナは飛び出し、背中から迫る爆発の熱にお尻を焦がしながらなんとか、なんとかなれ――っ!!!
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
そんな…いやだよブレインくん!行かないで!おねがいだよ!
だって…だってここにはキマフュー全体でも滅多にないレアスイーツコンコンコンがたくさんあるんだよ!?
●残り1時間
あれとーこれとーそっちも!
ほらほら時間無いよー!急いで急いで!
そうこれも貧困と飢餓にあえぐ子たちのためなんだからね!
●本当かなあ?
ほんとほんと
大丈夫さ
貧困と飢えはそう簡単にはなくならないかもしれない
けれどブレイクンくんのような子がいる限り、希望はあるはずだから…
そう世界には1000人のブレインくんがいるってボクは信じてるよ!
…いややっぱ1000人は要らないかな
五月蠅そうだし
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は滅茶苦茶ダダをこねていた。
地団駄を踏むだけじゃなく、デパートの床で転がりまわる三歳児レベルでダダをこねていた。
しかも泣いていた。
「仕方ないので、あります……」
「そんな……いやだよブレインくん! 行かないで!おねがいだよ!」
「無理なのであります! 吾輩は敗者! そんでもってオブリビオン! どんなにお願いされたって……!」
「だって……だってここにはキマフュー全体でもめったにないレアスイーツコンコンコンがたくさんあるんだよ!?」
別に『キング・ブレイン』との別れを惜しんでいるわけではないのだ。
そう、此処には珍しいコンコンコンがある。
『キングブレインキャッスル』というホットスポットがあるからだろうか。
それとも『システムフラワーズ』の中枢があるからだろうか。
まあ、理由はよくわからん。
とにかく、ロニは惜しいと思った。
この城を自爆させるなんてとんでもないと思った。
だから、『キング・ブレイン』にすがりつきながらも、球体たちに指示を飛ばす。
「あれとーこれとーそっちも!」
さっきまで泣いていたよね。
情緒どうした。
壊れたのか。
そう思うレベルでロニはケロッとしながら球体たちに片っ端からコンコンコンさせまくっていた。
「いくらなんでも吾輩も怖いであります」
みんなそう思っている。
「ほらほら時間ないよー 急いで急いで!」
「めちゃくちゃであります」
「これも貧困と飢餓にあえぐ子たちのためなんだからね!」
それを聞いては『キング・ブレイン』も承諾するしかない。っていうか、率先して、手伝っている。
どういうことなの。
「子供らかを貧困と飢餓から救うのであります!」
ほんまか? とロニ以外のみんなは思った。
絶対一人で全部食べようとしてない?
「いやだなぁ、そんなことないよ」
ほんとうにぃ?
「ほんとほんと。大丈夫さ。貧困と飢えはそう簡単になくならないかもしれない」
お、なんか急にいい感じに収めようとしている意図が見えて隠れてないぞ。
「けれどね。ブレインくんのような子が居る限り、希望はあるはずだから……」
抜本的な解決方法はないってことをいい感じに言い換えるのはやめておいた方がいい。
そのやり口、悪徳すぎるから。
どっちがワルなのかわかんないから。
あーほら、『キング・ブレイン』さんもなんかちょっと、なるほどぉ! そういうやり方がぁ! って顔している。
「そう、世界には1000人のブレインくんがいるってボクは信じてるよ! 明日の『キング・ブレイン』くんは君だ! いややっっぱ1000人はいらない」
「そんな」
「五月蝿そうだし」
それは言ってはならないヤツである。
それを言ったらもう戦争のやつである。
「まあ、いいや! それじゃあ、またね! 具体的にはあと19回くらい復活してそうって思ったけど、気の所為かも知れないから!」
ばいばーいとロニは火事場泥棒よろしくたっぷりのレアスイーツとともに余韻もへったくれもなく爆発する『キングブレインキャッスル』から飛び立つのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
大町・詩乃
キング・ブレインさん、は本当に良い人ですよね~。
このままお別れは勿体無いかなあって思ってしまいます。
「キング・ブレインさん、貴方はオブリビオンとして最後まで立派に(?)
頑張りました。
猟書家も怪人の皆さんも納得しておられると思います。
オブリビオンの貴方は今滅びました。
貴方さえご了承頂けるなら、《回生蒔直》で貴方が今までできなかった事
(良い事)をできるようにいたしますよ。
残留思念を救いあげる形で、本人そのものではないですから、裏切りに
該当しないと思いますし。」
と真摯に語り掛けます。
断りそうな気配を感じたら、「捨てられた子猫や子犬を、神社で面倒を
見る地域猫・犬にしても良いんですよ♪」と誘惑します。
確かに猟書家『キング・ブレイン』はオブリビオンである。
しかし、出身世界がデビルキングワールドであり、また彼自身も悪魔であったことから、その性根は善良であった。
コンコンコンを全世界に輸出する。
それによって貧困と飢餓を根絶しようとさえ、考えていたのだ。考えていたけど、ワルの作法としてやっぱりスーパー怪人軍団でもって全世界でワルなことをやらかすことに切り替えた。
それでこそ悪の大首領である。
「でも、『キング・ブレイン』さんは本当に良い人ですね~このままお別れはもったいないって思ってしまいます」
大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は、それほど善良な『キング・ブレイン』がこのまま消え去ってもいいものかと悩んでいた。
「ブレブレブレ(笑い声)! それこそ吾輩の擬態であるという可能性は捨てきれないのではないでしょうか!」
「いえ、普通に良い方であるように私は思えました。ええ、本当に」
詩乃の感心しきりな言葉に『キング・ブレイン』は、たじろぐ。
「や、やめろーう! そうやっていい人みたいに言うのはダメでありましょう!? 吾輩、猟書家でオブリビオンで悪の大首領でありますよ!?」
「でも、私の見た『キング・ブレイン』はしっかりとお勤めを果たしたように思えますよ?」
いや、その計画をぶっ潰したのが猟兵であるのだが、詩乃は譲らなかった。
ええ、となんか慈母みたいな雰囲気を放っているのは気の所為だろうか。
「猟書家も怪人の皆さんも納得しておられると思います」
「いえ、してないと思いますが」
「いいえ、しております。オブリビオンの貴方は今滅びました」
「まだですが!? 吾輩、うっすら~となっておりますが、まだ居ますからね!?」
滅茶苦茶であった。
詩乃はぐいぐい来る。
まるでこっちの話聞いてない。神性てみんなこうなの!? と『キング・ブレイン』はビビる。
「貴方さえご了承いただけるなら、貴方が今までできなかったことをできるようにいたしますよ」
「ちょ、ちょいちょいお待ちを!? なんか吾輩良いやつにしようとしていません!?」
ええ、そうですが、なにか。
そんな顔を詩乃はしている。
それがなんで嫌がることになるのかと本気でわかっていない顔である。
悪魔である。
悪魔はワルに憧れる。他ならぬ4thKINGである『キング・ブレイン』が制定したデビルキング法にも書いてる。古事記にも書いてる的なノリである。
「残留思念をすくい上げる形で、本人そのものではないですから、裏切りに該当しないと思いますし」
真摯であった。
あくまで真摯であった。
善意。
ひゃくぱーの善意。それで詩乃はグイグイ来る。邪神様なりきりセットで迫っているからなおさらたちが悪いアレである。
「捨てられた子猫や子犬を、神社で面倒を見る地域猫・犬にしても良いんですよ」
「勧誘方法っ! ですが! 丁重にお断りさせていただきましょう! 真摯な勧誘を裏切るというワルを吾輩やりますので!」
「そんな。だって猫ちゃんワンちゃんですよ?」
「それはそうでありますが! あっー! もうお時間ですお客様ー! あーいけませんお客様! 自爆時間でありますのでー! 退避! 退避お願いしますー!」
ぐいぐいと詩乃は『キング・ブレイン』の押されて、『キングブレインキャッスル』より退去させられてしまう。
ああ、と詩乃は落涙する。
あの迷える真の良い子。『キング・ブレイン』を導くことができなかったと。
「なんでか、こっちが心苦しい感じになっておりますが――!」
とまあ、そんな具合に詩乃は、またあと19回くらい『ドン・フリーダム』のCGに復活させられる『キング・ブレイン』との戦いに機会を見出そうと心を切り替えて、盛大に爆発する『キングブレインキャッスル』を後にするのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
え、何この時間…
気まずい…うーん…
あ、そういえばアレ余ってたかな…
余ってるかも…あった
はい、それじゃあお疲れ様記念のタイガー印の高級羊羹
大量に善意で貰ってたから!残ってた!善意で沢山くれたから!
デビキンの元キング候補のお土産!
羊羹だから賞味期限長いから!まあ切れてても猟書家でしょ?
ほら賞味期限切れてたら過去になったって事でオブリビオン羊羹とも言える訳で…
解決!
で、ちょっとキング・ブレイン君ジャンプ
そこでジャンプジャンプ!
んー、何か持ってる?
ほら勝者は敗者のパーツを貰えるとか、所持金の一部を貰えるとかそんな感じで…
ほら、何か記念品を善意で貰おうかな…と
で、何ある?
ポケットの中身全部見せてみ???
「え、何この時間」
「自爆までの時間でありますな!」
『キング・ブレイン』の言葉に月夜・玲(頂の探究者・f01605)はちょっと気まずい思いであった。
だってそうである。
先まで死闘を繰り広げた相手。
しかもオブリビオン。
猟兵とオブリビオンは滅ぼし滅ぼされる間柄でしかない。相互理解なんてないのである。見かけたら絶対滅ぼす! というのがお互いの不文律なのである。
だから、なんかその、気まずい。
「あ、そう言えば!」
玲はそうだ、とポッケをごそごそする。
『キング・ブレイン』はうっすらと消えそうになりながら、多数の猟兵たちへの応対に忙しかった。
そんな中、玲は漸くにしてタイガー印の高級羊羹を取り出す。
「そ、それは!!」
「はい、お疲れ様記念」
玲が手渡す。
それは、デビルキングワールドにおいて知らぬ者はいない。多分。な、高級羊羹! なんでこれを玲が持っているのだと『キング・ブレイン』は驚いているようだった。
「なんちゅうことをしてくれたんや……これが故郷の味でありますよ!?」
落涙。
なんかグルメ漫画の一コマみたいな感じになっている。羊羹がしゃっきりぽん!
「大量に善意でもらってから! 残ってた! 善意でたくさんくれたから!」
元デビルキング候補のお土産である。
いや、ていうか嘘である。
玲が強引にジャンプさせてカツアゲしたやつである。具体的には『スーパーカオスドラゴン』から強奪したやつである。騙されてはいけない。
なんかいい雰囲気にしようとしている。
騙されてはいけない。
二度言ったが、絶対『キング・ブレイン』は騙されている。
涙しながら羊羹食べている。美味しいのである。賞味期限切れている可能性もあるが、まあ玲は構わなかった。
「だって賞味期限切れていたら、過去になったってことでオブリビオン羊羹とも言えるわけで……解決!」
解決じゃないが?
「ああ、それにしてもタイガー印の羊羹は最高でありますなぁ! こんなところでたべられるとは! コンコンコンでも出てこなくてしょんぼりしていたでありますよ! ありがとうございます!」
お礼言えて偉い!
じゃないが? 今、普通に賞味期限切れてるやつ玲は渡していたが?
「感謝されてるよ……こわ」
玲は自分で手渡しておいて何だけど、泣くほど感謝されるとまたなんていうか違うっていうか、引いた。なんでだよ。
「で、ちょっと『キング・ブレイン』君」
「はい?」
「ジャンプ」
「奇しくも今日は月曜日でありますが」
「違う違う。ジャンプ。週間少年じゃなくて。物理でジャンプ」
「電子書籍派でありますか?」
「そこでジャンプジャンプ!」
ええーと『キング・ブレイン』は言われるままにジャンプする。なんかガシャガシャ音がしている。
「なにか持ってるよね? 出して」
「え」
「出して早く。ほら、勝者は敗者のパーツを貰えるとか、所持金の一部を貰えるとかそんな感じのあるでしょ」
ゲーム脳がすぎる。
「記念品。ゲームでもトロフィーとかあるでしょ」
それはどうなんだと思わないでもない。だが、『キング・ブレイン』は、困った顔をしながらポッケをごそごそやる。
「で、何ある? ポケットの中身全部見せてみ???」
おら! 全部ひっくり返すんだよ! と玲は強引に『キング・ブレイン』を逆さまにして振る。振る。振る。酷い。これが猟兵のやることかよぉ!!
「うう……酷いであります」
「じゃ、これもらってくから。湿気てんな」
強奪しておいてコレである。
彼女の手にあるのは、何かのパーツ。青い装甲? のような、なんかこう、何、これ? というガラクタであった。
だが、なんか気になったので玲は自分のポッケにインする。
実績「キング・ブレイン撃破」のロックが解除されました。
「まあ、そういうわけだから。後具体的に19回くらいぶっ飛ばしに来るかもしれないけど、がんばって」
他人事みたいに玲は笑って、ばいばーいと『キング・ブレイン』に別れを告げる。
「もう懲り懲りであります!」
そんな風に叫びながら『キング・ブレイン』は自分の城の自爆の爆発に巻き込まれて消えていく。
なんか満足げだったのは、一度こういうワルなエンディングを迎えてみたいっていう憧れがあったからかもしれない。
ともあれ、猟兵たちは強敵『キング・ブレイン』を打倒し、再び真っ二つになったキマフューの地球を救うのだった――!
ばりっ!
「あと19回は付き合ってもらうであります! 吾輩しぶといでありますからな~!!」
ブレブレブレ(笑い声)が木霊する――!!
大成功
🔵🔵🔵