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きっかけは黒歴史ノート

#UDCアース

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#UDCアース


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●黒歴史ノートを守れ!
 よく、世間で中二病と揶揄される人々。
 主に、中学生から大学生などにおいてよく見られ、自己愛に満ちた空想、思考などに想いを馳せる人のことを指す。
 恰好まで入って手首に包帯を巻いたり、眼帯をつけて邪気眼がどうのと常日頃から空想ごとを呟いたりするのは、そこそこ重度な中二病だろう。
 とはいえ、そこまでいかずとも、大学ノートなどに自分の考えた設定をびっしり書いてしまい、大人になってからそれを封印する人というのは、さほど珍しくはないのではないだろうか。
 しかしながら、これが邪神の復活に使われることになるとは、まさか執筆した本人すら思いもしなかったことだろう。

 とある青年……仮名、山田・太郎君が気の迷いで描いた中二病……もとい、本人が恥ずべき過去としている、黒歴史ノート。
 それを、邪神復活の為に邪神教団の教団員達が奪取しようと動いていることがUDC組織の調べで分かった。
 UDC組織はこの情報を重要視して調べていたところ……。
 なんとその黒歴史ノートが禁断の魔導書とされ、とある図書館で保管するに至っているのだという。
 邪神を復活させるわけにはいかない。
 図書館の警備を密にした上で、このノートを狙うのが何者なのか情報を集めたい。
 ただ、一般人の生活区域に食い込んでいることあって、UDC組織の活動は行き詰まり感があるようだ。
 この為、猟兵達に黒歴史ノートの防衛が託されることとなるのである。

●……ってなんだよその依頼(笑)
 グリモアベースにて。
 そこまで、金髪エルフ少女のグリモア猟兵、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が説明すると、話を聞いていた猟兵達が鼻で笑ってこの場を去ろうとして。
「ああ、待って、本当なの。嘘じゃないのよ……!」
 なんとか猟兵達をこの場に留め、話を聞いてもらおうとするセレイン。
 話を再度聞いてもらう態勢になってくれたことで、彼女もホッと一息ついて改めて説明を始める。
 なんと、とある少年が書いた黒歴史ノートを邪教徒達が狙っているのだという。
 今回の事態は、図書館の利用者の1人がそのノートを借りようとしたところで判明したらしい。
 UDC組織が一般人に扮した教団員を捕らえ、事情聴取していたのだが、相手はオブリビオン。自害しても問題なしと判断し、命を絶ってしまったらしい。
 この為、この一件に関わる邪神教団については情報が乏しい状況だ。

 ところで、魔導書扱いされる黒歴史ノートとは、一体どんな内容なのか。
「いや、正直、私もなんというか、直視するのも辛いというか……」
 そこには、怪しげな幾何学模様に小難しい文字がびっしりと描かれていた。
 漢字だけでなく、各地の言語が描かれている他、ルーン文字などまで使われ、事細かに注訳付きで情報が記されている。
 ただ、その内容は大人が見れば、一笑に付すものでしかない。
 その内容は、図書館で直に確認してもらうとして……。
 ともあれ、このノートを邪教との手から守る必要がある。
 おそらく、相手も最初は本性を現すことなく、そのノートを確保しようとしてくる。
 問題の図書館に張り込んで警備、ノートを確保しようとする怪しげな連中を割り出すあるいは、邪教徒がどういった姿をしているかなど情報を集めるなど、できる限り相手の素性を割り出してノートを守りたい。
 その後、実力行使に出てくると思われるので、こちらも猟兵として実力で叩き潰していきたい。
「以上ね。ともあれ、よろしくお願いするわ」
 最後に、話を締めようとするセレインに、どんな内容だったのと猟兵達が問うと。セレインは顔を真っ赤にして、何やら悶えるような素振りを見せていたのだった。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。

 今回は、黒歴史ノートを発見の上、それを確保しようとする邪神の尖兵の撃破、さらに、蘇ってしまう邪神の撃破を願います。

 こちらのシナリオでは、
 第1章は、図書館に保管された黒歴史ノートの確保と防衛。
 第2章は、黒歴史ノートを確保しようと本気を出してくる、エピタフオブブラックとの集団戦。
 第3章は、戦いの最中生まれてしまう邪神、『磨羯卿』カプリコーンの討伐を願います。

 まずは、図書館にて黒歴史ノートの防衛を願います。
 中の内容は、ご自身でお決めいただいて問題ありません。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 冒険 『魔導書を守りぬけ』

POW   :    図書館に張り込んで警備する

SPD   :    怪しげな行動をするものを探し出す

WIZ   :    邪教徒の情報を収集する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

いやぁ、若気の至りって奴だよな?
こう、あのさ。アタシもそんなに昔って気がしないから
こう……静かにしといてやった方がいいんじゃね?
って。それは邪神教団に言わないとダメか。

まずは図書館職員に【変装】してノート近辺を
違和感なく警護できるようにする。
その上でノートに接触しようとする奴がいたら
【時縛る糸】で行動をそれとなく阻害するよ。
そうやって隙を作ったところに近付いて
「どうしました?」とか適当に【コミュ力】を発揮して
【情報収集】を試みる。

大人しく話に応じてくれたならそれでよし、
逃げようとしたなら即座に【追跡】【スライディング】で
相手を転ばせて身柄を確保するよ。


叢雲・源次
※話を聞いていた猟兵達が鼻で笑ってこの場を去ろうとしている中、この男は真摯にその依頼内容を聞いていた。

なるほど、つまり、そのとある少年が恥や外聞等々おおよそ常人が持っているであろう羞恥心や常識がなんらかの作用で麻痺していた状態で書き綴った、至極一般的な神経を持った人間が見たら卒倒しそうな…仮にその少年の立場になった時の事を考えると割腹も辞さない程の有象無象が書き綴られている決して外に出してはならない禁書ともいえるノートを死守すればいいのだな?
※状況確認であって悪気は無い

その依頼承った。教団が絡む案件であるのならば尚更だ。
なれば、俺は図書館の警邏・防衛にあたるとしよう。


波狼・拓哉
邪教徒に狙われるレベルの黒歴史ノートとは…いや本人確保されるよりはましなのかな?というか多分邪教徒そこまで考えてねぇなこれ。
さてと…まあ、こういうときは定番だけど罠仕掛けとくか。普通に貸し出しは出来ない様に司書さん達には頼み込んでおいてレプリクラフトで黒歴史ノートを模倣した仕掛け罠を作りだし置いておこう。保管ということは一般人なら普通は手の届かん所に置いてあるだろうしね。勝手に持って行こうとしたら怪しいわ。
後は引っかかるまで張り込んでおこう。地形を利用しつつ目立たないように。取ろうとした奴いたらすかさず撮影。邪教徒の情報に使えるかもしれんしな。
(アドリブ絡み歓迎)


月山・カムイ
……見ないであげるのが人情なのか、それとも
と、非常に悩ましい状況ですね

POW
偶然とはいえ図形がオブリビオンを喚び出す魔法陣と合致して、星辰の位置も揃ってしまうのでしょうか
仕方ありません、図書館で張り込みを行いまして警備に当たりましょう

保管されている、という事は普通には借りられない場所に置いてあるのでしょうか?
地元UDC組織と連携して、ノートが保管されてる場所で見張りを行います
隠れて見張る、という方向で行きましょう
忍耐力にはそれなりに自信があるつもりですので

借りようとする人が居る、ってのも驚きですがねー
教団員らしき人物が来ないか、辛抱強く見張る
とにかく、力づくでも黒歴史ノートを守って見せましょう


伊万里・紗雪
POW

あー、分かるわぁ黒歴史な
うちも自分をヒロインにした小説書いてたで
「山田・太郎(仮)と盟友(とも)になれそうやね……故にうちは」
腕時計<キラーン☆>
「盟友を助けんとあかん!盟友の名誉はうちが守る!」
オルタナティブ・ダブルで分身
うち(紗雪)と夏美(色気美女)で

「いちいち警備するより、原本抹消した方が早いんじゃない?」by夏美
「それ言い出すと山田・太郎抹殺にいきつくやろし、多分著者が変わるだけで根本的な解決にならんと思う」by紗雪

とりあえず出入口に張り込み
――て言うか、地味に著者である山田・太郎が黒歴史デリートの為に突撃してきそう
「盟友よ!気の迷いなどない、あんたが正すべきは覚悟のなさや!」


アイリス・ゴールド
中二病、聞いたことがある。再発率が高く根治するのは困難な難病であると。
仮に治っても言動や行動の端々にその片鱗が残る、と。
しかし、邪神教団が狙う黒歴史ノートか、昔やったPBWでそんなのに憑依する敵がいたけどまさか、ね。ぷらとんめがごとかしんどいから勘弁してほしい。

さて、邪神教徒の割出か。学習力で得た過去の邪神教団の手口から盗み攻撃でその思考をトレースして、どのような動きをするか予測してみよう。
虚構想造で外付け思考装置として人形を造り演算の確度をあげたいと思う。


はっ!推測に没頭してたら黒歴史ノートが出来てしまったぞ😓
これは封印せねばなるま……あっ!



いや違うんだ、別に偽物で囮っ訳じゃ……ぬわー


ネク・タール
【SPD】身体を細くし、通風口や隙間を這い回り、システムを管理している部屋(あるいは内部ネットワークの接続端子)を特定。監視カメラをハッキングして不審者を探します。


神村・狐猫
【WIZ】とにかく情報が欲しい……何も情報が無い状態で動けるわけないだろ!!周りに聞き込みをして変な動きをしている集団がいないか調査をする


シェラ・ルート
【POW】図書館の見張りをしようかな。ずっと同じところにいると怪しまれそうだから、図書館の中で読書したり、近くの建物の屋上から図書館を見張ったり…。

読書はシェラも好きだよ、だからすごい楽しそうだね!
もし怪しい人がいたら飛翔して【見切り】で見失わないようにしつつ、必要そうなら【聞き耳】もして【追跡】するかな。逃げるんだったら【槍投げ】でランスを近くに投げて転ばせちゃってもいいかも。

「くろれきしって、シェラはよくわからないんだけど。なんだかかっこよさそうだね?」

ノートの中身、気になるなぁ。見れないのかな?わくわく。



●ガチでその説明を聞いていた男
 グリモアベースにおいて、その依頼の話を笑い飛ばして去っていく者が多かった中、一人の男がこくこくと頷いていて。
「なるほど……」
 冷淡な印象を抱かせるフォーマルスーツの男、叢雲・源次(黒風白雨・f14403)は真摯に、しっかりとその依頼内容を聞いていた。
「つまり、そのとある少年が恥や外聞等々おおよそ常人が持っているであろう羞恥心や常識がなんらかの作用で麻痺していた状態で書き綴った、至極一般的な神経を持った人間が見たら卒倒しそうな……仮にその少年の立場になった時の事を考えると割腹も辞さない程の有象無象が書き綴られている決して外に出してはならない禁書ともいえるノートを死守すればいいのだな?」
 源次の畳みかける状況確認に周囲は唖然としており、依頼したグリモア猟兵のセレインですら絶句していたようだ。
「その依頼承った。教団が絡む案件であるのならば尚更だ」
 源次は意気揚々と、UDCアースへと向かっていった。

●邪教徒が欲しがる黒歴史ノート
 改めて、とある青年が少年時に書いたという黒歴史ノートを、邪神教団の教団員から守る依頼を受けた猟兵達。
 その考え方は、実に様々だ。
「中二病、聞いたことがある。再発率が高く根治するのは困難な難病であると」
 ローテンションな人形遣いの少女、アイリス・ゴールド(愛と正義の小悪魔(リトルデビル)・f05172)が記憶をたどる。
 仮に治っても、言動や行動の端々にその片鱗が残るというなんとも厄介な病だと彼女は記憶していた。
「しかし、邪神教団が狙う黒歴史ノートか」
 アイリスは昔、プレイしたPBWにおいて、そういったものに憑依する敵がいたのを思い出す。
「まさか、ね」
 えらくしんどい敵だったことが鮮明を頭に残っているらしく、勘弁してほしいとアイリスは辟易としていた。
「あー、分かるわぁ、黒歴史な」
 見た目美形な少女、伊万里・紗雪(覚醒せし腐女子・f10367)が頷いて見せた。
 彼女も以前、自らをヒロインとしていた小説を書いていたと暴露する。
「そういうのを見ないであげるのが人情なのか、それとも……と、非常に悩ましい状況ですね」
 紅いメッシュの入った黒髪の少年、月山・カムイ(絶影・f01363)が頭を抱え、どうすべきかと考える。
「いやぁ、若気の至りって奴だよな?」
 後々の作戦の為にスーツを着て変装をしていた数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)が呆れながら口にして。
 成人済みの多喜だが、彼女もどうやら心当たりがあり、そこまで昔という気もしていないらしく。
「こう……、静かにしといてやった方がいいんじゃね?」
 とはいえ、この場の猟兵達に告げた所で状況は変わらない。
 何せ、狙っているのはこの世界の邪神教団なのだから。
「邪教徒に狙われるレベルの黒歴史ノートとは……いや、本人確保されるよりはましなのかな?」
 探偵家業を営む一族である青年、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)はしばし考えるが、邪教徒達がそこまで考えているとは思えぬ拓哉である。
「山田・太郎と盟友(とも)になれそうやね……。故にうちは……」
 その黒歴史ノートを作成した青年、山田・太郎(仮名)のことを考えつつ、紗雪は腕時計を『キラーン☆』と煌めかせる。
「盟友を助けんとあかん! 盟友の名誉はうちが守る!」
 すると、彼女の体が分身し、その場にもう一人の紗雪が現れた。
 そして、元々多重人格者である紗雪の人格のうち、色気美女の夏美がその分身体を操って。
「いちいち警備するより、原本抹消した方が早いんじゃない?」
「それ言い出すと山田・太郎抹殺にいきつくやろし、多分著者が変わるだけで根本的な解決にならんと思う」
 作者である青年がどうなろうと、邪神教団自体が動き続ける以上、同じ事件は起こりうる。
 ともあれ、猟兵達は襲い来る邪教徒から黒歴史ノートを守るべく、それが管理されている図書館へと向かうのである。

●図書館で見張りを
 確保、及び防衛すべき対象物を保管している図書館は、とある大学が所持しているもので、様々な研究の為にと手広く文献を扱っている。
 この場にやってきた猟兵達の行動は実に様々。
「とにかく情報が欲しい……。何も情報が無い状態で、動けるわけないだろ!!」
 黒のパーカーを着用し、全身黒で統一した見た目の神村・狐猫(キマイラの死霊術士・f15587)はそう考え、付近の人々へと聞き込みを行う。
「この辺で、変な動きをしている集団がいなかったか?」
 アシンメトリーの青髪に、右頬に黄色のペイントという見た目の狐猫。
 そんな彼に近場の奥様方が色めき立ち、集団ではほとんど見たことがないと親切丁寧に教えてくれる。
 ただ、怪しげな人がちらほらとこの近辺に姿を現していることに、奥様方も気づいていたようである。
 源次は周辺で警備、防衛に当たるべく、見回りを始めていた。
 外を見ている分において、同じような場所に同じ一般人らしき者の姿が見えるのは気のせいではないだろう。
 紗雪はとりあえず、出入り口付近で張り込みを行う。
 地味に著者の青年、山田・太郎(仮名)が突撃しているかもなんて紗雪は考えて。
「盟友よ! 気の迷いなどない、あんたが正すべきは覚悟のなさや!」
 彼女はそう本人に使えようとも考えていたのだが。
 残念ながら当人がこの場に現れることはなく、その機会は訪れることとはなかったようだ。

「さて、邪神教徒の割出か」
 アイリスは過去に現れた邪神教団の手口を分析し、その思考を洗い出し、どのような動きをするかと予測を立てる。
「其は虚像、されど実像。虚より境界(チラリズム)を越えて想造されたる実。レプリカクラフト」
 その上で、思考力を高める為、アイリスは外付け思考装置として人形を造り演算の確度を上げていく。
 そこで、彼女はノートに何かを書き始めていたようである。
 図書館内部で動いている猟兵は他にもいる。
 非常に長寿な男性、ネク・タール(ブラックタールの死霊術士・f15592)は液状の体を生かし、通風口、ダクトといった隙間を這い回り、どこにそのノートが保管されているのかを把握する。
 それを特定したネクは次にシステムを管理している部屋へと移動し、監視カメラをハッキングして図書館内にいると思われる不審者の捜索に当たっていた。

「偶然とはいえ、図形がオブリビオンを喚び出す魔法陣と合致して、星辰の位置も揃ってしまうのでしょうか」
 問題の黒歴史ノートを気にかけ、カムイはやむなく図書館で張り込みを行い、警備に当たることにする。
 保管されているという状況なのを聞いたカムイは、普通には借りられない場所にあるのだろうと判断し、地元UDC組織と連携を取って隠れて見張りを行う。
「忍耐力には、それなりに自信があるつもりですので」
 他にも、職員に変装した多喜がノートが管理されている近くを、違和感なく警護できるようにと状況を整える。
 拓哉も定番だとは思いながらも、罠を仕掛けることにしていた。
 司書に別途話をつけていた彼は、そのノートが現状禁帯出扱いされていることを確認し、自身のユーベルコード『レプリクラフト』で複製する。
 やや造りが荒いが、時間稼ぎをするには十分だろう。
 しばらく、外から見張りを行っていた白い髪に白い竜の翼を持つシェラ・ルート(ドラゴニアンの竜騎士・f09611)がそこにやってくる。
 彼女は一般人を装い、その近辺で読書を行っていたのだが……。
「ノートの中身、気になるなぁ。見れないのかな? わくわく」
 折角、仲間が本物が一旦別の場所に保管するとあって、彼女はそれを手に取る。
「くろれきしって、シェラはよくわからないんだけど。なんだかかっこよさそうだね?」
 何やらかっこよさそうな文面や模様に、目を輝かせるシェラ。
 ずっと同じ場所にいると、ノートを狙う邪教徒達に怪しまれると感じた彼女は、少し離れた場所で読書を始めて見張りを続けることにしていたようだ。

 ところで、相手方の考え方を推測していたアイリス。
 彼女が気づけば、そこには新たな中二病満載な内容の黒歴史ノートが完成してしまって。
「これは封印せねばなるま……あっ!」
 そこで、シェラが興味津々に覗き込んできて。
 改めてみれば、その内容はひどく恥ずかしい。
「いや違うんだ、別に偽物で囮って訳じゃ……ぬわー」
 無表情ながらも、アイリスは思わず声を荒げてしまうのである。

●ノートを見つめる不審な影
 しばらくは、猟兵達も緊張感を持ちつつ、ノートに近づく不審者を待つことになる。
 職員として、時折こちらへとやってくる多喜。拓哉も物陰からの張り込みを続ける。
「借りようとする人が居る、ってのも驚きですがねー」
 カムイも辛抱強く見張りを続けながら、そんなことを考えていると……。
 しばらく、外で図書館を見つめていた男が中へと入ってきて、そのノートがある部屋へと現れる。
 そいつがダミーである本を手に取ったところで、思念波を発して相手の時間を止めた多喜がそれとなく近づく。
「どうしました?」
 コミュ力を使い、声を掛けた多喜を振り切ろうとするその男。
 しかしながら、シェラがすかさずランスを投げつけ、さらに多喜がスライディングでそいつの態勢を崩して身柄の確保に当たる。
 この場へと続々と駆け付ける猟兵達。
 監視カメラで状況を確認したネクがその場へとやってくると、拓哉もまた現場をカメラで撮影してから、抑えに駆け付けてきていた。
 ただ、相手も状況を察し、近場で一般人の振りをしていた数人が立ち上がり、外からも張り込みを行っていた邪教徒達が駆け付けてくる。
 合わせて、源次、狐猫らも外からやってきて、合流してきていた。
 集まった猟兵達と邪神教団の団員達が対峙する。
「力づくでも、黒歴史ノートを守って見せましょう」
 カムイが告げると、そいつらはどこからかノートを取り出す。
 その正体は、黒歴史ノートに憑りつくことで、無自覚に黒歴史ノートを作成した物を邪神の先兵としてしまうUDC怪物『エピタフオブブラック』である。
 だからこそ、一般人と大差なく見えてしまうのが恐ろしい相手だ。
 ただならぬ雰囲気を察した利用者が離れていく中、黒歴史ノートを巡って両者の戦いが始まる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『エピタフオブブラック』

POW   :    教えてやろう
予め【自慢気に設定(含後付け)を語る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ぼくのかんがえたさいきょうひっさつわざ
いま戦っている対象に有効な【黒歴史ノートに書かれた最強必殺技】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    ぼくのかんがえたきゅうきょくまほう
いま戦っている対象に有効な【黒歴史ノートに書かれた究極魔法】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●黒歴史ノートに取りつくオブリビオン
 図書館で魔導書認定された黒歴史ノートを狙う人々。
「ふふふ……、はーっはっはっはっ!」
 彼らは猟兵達に囲まれ、突然高笑いを始めた。
「バレてしまってはしかたない!」
 彼らは邪神教団の教団員として、自らが書いた黒歴史ノートの力を使う。
 ……いや、正確には、そのノートに憑りついたオブリビオン『エピタフオブブラック』こそが本当の邪神教団の教団員だ。
 そいつはノート所有者に力を与え、いつの間にかノートに追記して彼らをそそのかしている。
 それに気づくことなく、一般人でしかないノート所有者は自らの思い通りに振る舞っていると錯覚し、無自覚に邪教徒となって振る舞っているのだろう。

 彼らが新たに求める黒歴史ノート。
 それには、新たな邪神を目覚めさせる何かが描かれている可能性が高い。
 同様に、『エピタフオブブラック』が取りつく黒歴史ノートにも邪神復活について書かれている可能性も否定できない。
「教えてやろう。我らに勝てる術などないのだ……!」
「ぼくの考えた最強の必殺技、受けてみろ!」
「究極魔法の威力、その身に刻め!」
 口にするその言葉はなんとも中二病っぽいが、邪神が目覚める可能性が大いにあるから笑えない。
 大事になりかけていることを察し、図書館関係者はこの場からの避難を利用者へと呼びかけ、外へと退避していく。

 さて、猟兵達としては、ノートに宿る本当の邪教徒であり、UDC怪物でもある『エピタフオブブラック』を討伐したい。
 一般人ごと強引に倒してもいいし、中二病バトルで圧倒してその力を弱体化させるのもいい。面倒だったら、ノートを当人から引き離して説教するのもいいだろう。
 ノートの持ち主が現実を直視できれば、『エピタフオブブラック』は弱体化し、本来の少年のような姿を現すはずだ。
 そうなれば、後は適当に張り倒せば問題ない。
 猟兵達はこの集団を止めるべく、そして、山田・太郎(仮名)の書いた黒歴史ノートを守るべく、この場の対処に当たり始めるのである。
叢雲・源次
●VS教えてやろう
敵ならば斬り捨てる…しかし何故だろうか。俺は聞き届けなければならない。その語りを…。

教えてやろう語り部分
【フェムトとは須臾。須臾とは生き物が中略時間とは、認識できない時が無数に積み重なっている。時間の最小単位である須臾が認識できない中略組み合わさってできている。中略そのとき中略最強の強度を誇る中略その縄は遥か昔から中略に使われてきたのさ】

【見切り】【カウンター】(偽りの無い感想)
支離滅裂で只々ケレン味を追求したような…否…追求した『だけ』でそれ以上の事は無いそういった荒野のような空しさを現すその…む、何やら勝手にダメージを受けているようだが…まぁいい…当身(電磁抜刀峰打ち極弱


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

なんだよこいつらの人数……改めて考えてもおっかないね。
しかしどいつもこいつもくどくどくどくど……
御託が長いんだよ!
ドヤ顔で凄さを説明してる奴の前につかつか歩いて行って、
そのノートを【漢女の徹し】でぶち抜く…というか

はたき落とすよ。

だって設定を読み上げてる間、隙だらけじゃねぇか。
ぱしんと落ちたノートを拾って、
アタシが代わりに読み上げてみようかねぇ。

で、だ。えーとこの究極閃光極大滅闘法?
ってどう読むのさ?
ふむふむ。読めるかそんなん!!
とダメ出しオンパレード。

ああノートを持ってる手にゃサイキックエナジーを
纏わせてるからね。
適当な所でボン、さ。
怪物本体を逃がす訳ゃないだろ?


アイリス・ゴールド
……よく考えたらこれ、禁断の魔導書扱いして図書館に保管したのパンピーなんだよな?え?もしかして山田(仮)さん本人が寄贈したんじゃないか、そうなるとまだ現役中2病?


現実逃避してた……やっぱりアレじゃないですかヤダー、持ち主が保護されてない分もっと酷い。
黒歴史増やしたくないな、よし、ここは某ヴァイオリン勇者がやっていたコメディパートに引き込んで撃破だ、それしかない。
亀さんと木馬さんの輪舞で自分を亀さん縛りして人形遣いの業で操る三角木馬で騎乗突撃だ。
シリアスがギャグに勝てると思うなよ?
くくっツッコミを入れた時点で貴様らの負けフラグは成立するだろう。


そもそも、最強と究極とか名乗るのが負けフラグじゃね?


月山・カムイ
ナンダカ、タノシソウデナニヨリデスネ
等というとでも思いましたか?
最強の必殺技? 究極の魔法?
ただの思いつきでなんの研鑽も積まぬ紙切れなぞ、所詮切り裂かれる運命でしか無いことを、思い知りなさい

半径27mの任意の対象を斬りつける無響剣舞・絶影で、教団員の持つ黒歴史ノートを細切れに切り刻む
対象はあくまでノート、その力が無ければ何も出来ないような貴方達に、我々が負けるはずがない、それを思い知りなさい

とはいえ、全体を一気に圧倒するのは流石に無理でしょう
避難する一般人を逃し、盾になるように立ち塞がって、そちらを狙おうとする教団員のものを重点的に攻撃していきます
関係ない人達を巻き込む訳にもいきませんので


主・役
『犬聖』蛮勇の魔獣アバターで人間(笑)ごっこ☆
一般人のスペックで人外ムーヴも中2病っしょ?
瞬間移動されようが勘(野生の勘、第六感、見切り)でタダヒョイト迎撃し、それなんて弾幕ゲーされても時に大食いでおやつにし、時に足場(地形の利用)にしてアクロバットな空中戦を展開し、時に盗み攻撃でキャッチ&投擲で別の弾に当て連鎖的に弾けるようにして避けさせていく。仮に実体がなくとも属性攻撃を纏えば問題なく触れられる。
そして、時間が立てば学習力を発揮して確度と精度が向上していき、やがてそもそもの攻撃の機会を盗み攻撃で奪っていく。
で、本体らしいノートをスナイパーよろしく属性攻撃で狙撃。


波狼・拓哉
・・・なんて恐ろしいUDCなんだ。(色々な意味で)致命的ダメージ振り撒くとは。
さて・・・うん。こいつらいまのままじゃ話聞きそうにないよな。ならばやる事は1つ。さあ、化け撃ちな、ミミック!あの正気に戻ってからは直視出来ないノートだけをぶち抜きな!自分も衝撃波込めた弾でノートを弾こう。
多分説得的なのは他の猟兵がやってくれるだろ。ならこっちは恐怖を与えるや、相手が現実に戻り始めてる時に精神的な傷口を抉ったりするショック療法をやってみようか!
(アドリブ絡み歓迎)



●中二病に侵された若者達
 図書館内で正体を現す邪神教団の教団員達。
「ふふふ……、はーっはっはっはっ!」
 明らかに、若者たちは己に酔ったような態度で笑う。
 彼らはどこからか大学ノートを取り出して広げる。
「バレてしまっては仕方ない!」
 そこには、いかにも妄想で塗り固められた文字や図形がぎっしりと書き込まれている。
「幹部たる我を知らぬとは言わせぬぞ……」
「ククク、大人しくノートを渡すのだ。余の望みの為にな」
「世界征服の為の一歩。俺様こそがそのノートを使いこなすにふさわしい」
 彼らが狙うは、図書館で管理されている山田・太郎氏(仮名)の黒歴史ノート。
「……よく考えたらこれ、禁断の魔導書扱いして図書館に保管したのパンピーなんだよな?」
 己の妄想全快の相手を尻目に、緑髪のミレナリィドールのアイリス・ゴールド(愛と正義の小悪魔(リトルデビル)・f05172)がこの状況を鑑みて。
「もしかして、山田(仮)さん本人が寄贈したんじゃないか、そのノート」
 そうなると、黒歴史というものの、本人はまだ現役中二病なのではと、アイリスは無表情のままで呆れるような態度をとる。
「現実逃避してた……やっぱりアレじゃないですかヤダー」
 この場にはいない山田氏(仮名)。
 彼が保護されていないこの状況は、アイリスには酷いものに映っていたようだ。
 なお、この場にある保護対象のノートは先ほど波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が作ったダミー。本物はすでに図書館の関係者が移動させている。
 さて、我こそはと、口上を垂れる黒歴史ノートの持ち主達。
「……なんて恐ろしいUDCなんだ」
 これだけの数の人々に、UDCと戦い続ける探偵の拓哉は戦慄してしまう。
 いろいろな意味で、致命的なダメージを振りまく相手。
 周囲に見悶えさせるような言葉の羅列を吐いてくる彼らは、きっと数年後にこの出来事を思い出し、悶絶する程のダメージを受けてしまうのだろう。
「なんだよこいつらの人数……。改めて考えてもおっかないね」
 このUDCアース出身の元一般女性、数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)もまた、狂気とも思える相手に囲まれて背筋に寒気すら走らせる。
「聞け、我こそは魔界の王の生まれ変わり……」
「冥府で名を馳せたこの俺が全てを裁いてやろうというのだ」
「ブツブツブツブツ…………」
 声高らかに語る者から、何を言っているか変わらぬ者まで様々。
「敵ならば斬り捨てる……。しかし、何故だろうか」
 フォーマルスーツ姿の生真面目な男、叢雲・源次(黒風白雨・f14403)は目の前の若者達を見つめる。
 なぜか若者たちの語りを聞き届けなければならないと感じた彼は、それに耳を傾けていた。
 語る彼らは、強い力を行使する。
「教えてやろう。我らに勝てる術などないのだ……!」
「ぼくの考えた最強の必殺技、受けてみろ!」
「究極魔法の威力、その身に刻め!」
 本当の邪神教団の教団員であるエピタフオブブラック。
 そいつらがこの若者達へと力を与えているのだ。
 そんな敵に対し、主・役(エクストリームアーティスト・f05138)は『犬聖』蛮勇の魔獣アバターで人間(笑)ごっこと、対抗する。
「一般人のスペックで、人外ムーヴも中二病っしょ?」
 アバターに憑依し、キャラに人格を同期して闘う多重人格者のバトルゲーマーである役はそれっぽく立ち回ってみせる。
 例え、相手が人外の動きをしても、彼女もまた自称中二病の動きで対処できると対抗する。人外の動きができるなら、もう中二病とは言わない気はするが、それはさておき。
「さて、お遊びはこれまでだ……!」
 実戦の構えをとる若者達に、月山・カムイ(絶影・f01363)は笑顔を浮かべながらも威圧的な態度で相手と対する。
「ナンダカ、タノシソウデナニヨリデスネ等というとでも思いましたか?」
 最強の必殺技や究極の魔法と御託を並べる相手に、カムイは限界寸前。
「ただの思いつきでなんの研鑽も積まぬ紙切れなぞ、所詮切り裂かれる運命でしか無いことを、思い知りなさい」
 本当の力を見せつけるべく、彼は小太刀『絶影』に手を駆けていくのだった。

●現実を見せつけろ!
 群がる若者達は口々に自らの妄想した力を示しながら、猟兵達を囲んでくる。
 周囲を避難する人々を背にし、カムイは盾となる様に立ち塞がっていた。
「関係ない人たちを巻き込むわけは行きませんね」
 無関係に、最強魔法とやらを使おうとしていく中二病の若者達へ、刃を抜いたカムイは攻撃を仕掛ける。
 役も己の勘を働かせて、相手が繰り出す最強必殺技とやらを避けていく。
 実に多様な攻撃でこの場を立ち回る役はまるで弾幕ゲーをプレイしているかのように、アクロバティックに空中戦を仕掛けていった。

「ふははは、食らうがいい!」
 ノートから力を得て、自らの考えた最強の技やら魔法を繰り出す敵。
 何やら周囲に破滅の光やら、粉塵爆発やら、よくわからん攻撃法が図書館内に被害が及びそうになってしまう。
「このままじゃ、話聞きそうにないしな」
 ならばやる人は一つと、拓哉はミミックと名付けた箱型生命体を呼び出して。
「さあ、化け撃ちな、ミミック! あの正気に戻ってからは直視出来ないノートだけをぶち抜きな!」
 彼は衝撃波を込めた弾で、直接ノートを弾こうと実力行使に出る。

「矮小な奴らに、我が真の力をみせてやろう」
 そんな中二病丸出しな相手を、アイリスは鼻で笑って。
「黒歴史を増やしたくないな」
 ここは、某ヴァイオリン勇者がやっていたコメディパートに引き込んで撃破と、ユーベルコード『亀さんと木馬さんの輪舞』を使う。
 自らを亀さん縛りした彼女は、人形遣いとしての技で三角木馬を操り、騎乗攻撃。
「なんだこれは!?」
「シリアスがギャグに勝てると思うなよ?」
 渾身のギャグを真顔で繰り出していくアイリス。これきっと、良い子は真似しちゃいけませんってやつである。
「くくっ、ツッコミを入れた時点で貴様らの負けフラグは成立するだろう」
「そんなものが許されていいのかああぁっ!?」
 こんなもの、素になればただの一般人である若者達がツッコミを入れないわけがない。

 その近場では、とある若者が己の考えた設定を聞こえよがしに語る。
「フェムトとは須臾。須臾とは生き物が……(中略)時間とは、認識できない時が無数に積み重なっている。時間の最小単位である須臾が認識できない……組み合わさってできている」
「ふむ……」
 源次は対する相手が教えてやろうと語る話を、じっと聞き続けていた。
「そのとき、中略最強の強度を誇る……(中略)その縄は遥か昔から……(中略)に使われてきたのさ」
 それに対し、源次は見切りとカウンターで反論、偽りのない感想を口にする。
「支離滅裂で、只々ケレン味を追求したような……。否……追求した『だけ』でそれ以上の事は無いそういった荒野のような空しさを現すその……」
 こちらはしばらく、放置してもよさそうである。
 ところが、多喜はそれに我慢がならず。
「どいつもこいつもくどくどくどくど……。御託が長いんだよ!」
 ただ、得意げになって自らの考え出した空想設定を口にする若者達。
 その前へと多喜がつかつか歩いて行き、掌底で手にするノートを叩き落としていく。
 まあ、多喜が感じるように、相手は隙だらけなのだからこれは仕方ない。
 落ちたノートを多喜が拾い上げて。
「で、だ。えーと、この『究極閃光極大滅闘法?』……って、どう読むのさ?」
「そ、それは……!」
 自分で読む分にはいいが、これを人に読まれるとなれば、ものすごく恥ずかしいものである。
「ふむふむ。読めるかそんなん!!」
「や、やめろおおおお!!」
 多喜のダメ出しオンパレードに若者は我に返ってしまい、見悶えていたようだった。

●本当の邪教徒の討伐を
 図書館内での戦いは、一部コメディチックに。一部実力行使で強引に、猟兵優勢で若者達を鎮圧して行く。
 いつの間にか、反論していた相手が崩れ落ちていることに、源次は気づいて。
「む、何やら勝手にダメージを受けているようだが……、まぁいい……」
 高速の居合い斬りで、源次はそっと峰打ちを食らわせ、若者を卒倒させていく。
 拓哉は圧倒して恐怖を与え、現実に引き戻す。
「そんなの、あるわけないじゃないか」
 やや相手を小馬鹿にするようにして、精神的な傷口に塩を塗り込むような態度で、ショック療法を行う拓哉。
 その若者はきっと、しばらく立ち直ることができないと思われる。
「そもそも、最強と究極とか名乗るのが負けフラグじゃね?」
 アイリスはそんな若者へ、さらに追い打ちして見せたのだった。
 ところで、多喜が相手から拾い上げた黒歴史ノート。
 彼女はその手に、サイキックエナジーを纏わせていた。
 状況が悪くなってきていたことを察し、周囲のノートから少年のような姿をしたオブリビオンが姿を現そうとしていた。
 こいつこそが、本当の邪神教団の団員である『エピタフオブブラック』である。
 だが、持ち主が現実を直視したことで、弱体化したそいつらを多喜は逃がすことなく、サイキックエナジーを炸裂させて仕留めていく。

 実力行使で立ち回るカムイや役は、己の最強の設定の上を行く猟兵達に驚きを隠せない。
 役は自らが成りきる魔獣アバターの確度と精度を高めながら、立ち回っていた。
 多くの敵を引き付けていた彼女は若者達が繰り出す攻撃をやり過ごしつつ、それが無駄であることを態度で示す。
 本体のノートはしっかりと属性攻撃し、役はエピタフオブブラックが姿を現す前にそいつごと仕留めてしまう。
「な、んだと……!?」
「音も無く――――その身に刻め」
 驚く相手へとカムイが迫り、相手を、いや、若者達の持つ黒歴史ノートだけを次々に切り刻んで細切れにしていく。
「その力が無ければ何も出来ないような貴方達に、我々が負けるはずがない、それを思い知りなさい」
「我が力の源が……!」
 事実、ノートを失い、力をなくした者達は愕然として地面にうずくまってしまう。
 ここでもまた、この状況を作り出した元凶……教団員達は姿すら見せることなく、その存在を消してしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『磨羯卿』カプリコーン』

POW   :    輝き導きなさい、私のギエディ
【自分が抱いているぬいぐるみ】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【光り輝く狂暴な山羊】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    輝き導きなさい、私のナシラ
【自身の武器である針】から【大量の光り輝く針の雨】を放ち、【対象を地面に縫い付けること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    輝き導きなさい、私のダビー
【頭部のオーラを変化させた黒い角】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に磨羯宮のサインが刻まれ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルム・サフィレットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●絶望が邪神を呼び寄せる
 図書館内での戦いは、ひとまず集結を迎える。
 ほとんどの若者が所持する黒歴史ノートを処分、もしくは姿を現したエピタフオブブラックを討伐した猟兵達。
「つええ、つええよ……」
「俺様のノートが……、これでは力が使えない……」
「わかってるよ、こんなのありもしない妄想なんだって……」 周囲には、現実を突きつけられ、愕然とした若者たちの姿が。
 また、先程姿を現したエピタフブラックの姿を目にした若者も少なくない。
「邪神、本当にいたのか……?」
「我らは利用されていたと? そんなはずは……!!」
 この状態でもぶれずに中二病全開の振る舞いを崩さぬ者もいるが、それはさておき。
 自分達が無自覚に利用されていたと知れば、若者たちはより深い絶望を味わう。そういった負の感情こそが邪神への最高の供物となる。

 破かれた散らばるノートの断片。
 それらが寄せ合うように魔法陣を描いていき、この場へと邪神が復活を遂げる。
「ふう、ようやく骸の海から戻ってこられたわ……」
 紫色の体に不気味なぬいぐるみを持つその女性は、『磨羯卿』カプリコーンと呼ばれるUDC怪物。
 そいつは、自らが強大な神格性を与える神であると召喚者に諭し、偉大なる指導力を与えると伝えられてきた邪神だ。
「さあ、私が貴方達を導いてあげる」
 もし、黒歴史ノートで誰かがこの磨羯卿を召喚したのであれば、こいつのいいように操られ、世界を破滅へと導いていたのかもしれない。
 ――山田・太郎(仮名)もそれを事前に察し、有識者に助けを求めたのかもしれない。
 猟兵達はそんなことを考えつつも、この場の若者達へと避難を促す。
「ふふ、どうしたの。絶対的な力がほしいのではないの……?」
 それは、中二病に侵された若者達であれば、魅力的にも映る誘いだったことだろう。
 だが、猟兵達によって現実を直視させられた若者達は、磨羯卿の誘いに耳を貸そうとはしない。本当に世界を破滅に導きたいなどと、考える若者ばかりなはずはないのだ。
 もちろん、猟兵達も邪神の戯言を聞く気などさらさらない。
「……そう、なら、貴方達を倒して、別の指導者候補を探しに行くわ」
 素っ気なく告げた磨羯卿は、抱いていたぬいぐるみを光り輝く狂暴な山羊に変化させた。
 さらに、自らの周囲に針を舞わせ、針の雨を猟兵達へと降り注がせてくる。
 ――この邪神を放置するわけにはいかない。
 そう判断した猟兵達は、磨羯卿との新たな戦いへと身を乗り出していくのだった。
波狼・拓哉
山田・太郎(仮名)…奴は中々感のいい男…男だよね?なのかもしれない…まあ、あれを倒せば終わりとは分かりやすい。行くかー。
それじゃあ、先制でドーンと行こうか。ミミックを箱型に戻してそのまま相手に内角高めに投擲!針やぬいぐるみ、角で撃ち落とされる瞬間に炎に化けて暴れまくりな!避けられるなら避けた瞬間に。まさか爆発するとは思うまい…!あ、味方は気を付けてねあれ、無差別だし。長くは持たないけど。
自分は衝撃波込めた弾で浮いてる針を狙う撃ったり、ロープと地形を利用して立体移動して味方助けたりとサポートに回ろう。
(アドリブ絡み歓迎)


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

こいつは拙いね…邪神がこんな場所で暴れちゃ
ノートの持ち主たちが危ない!

一番無差別に被害が出そうな針の雨に
サイキックの電撃を広げて迎撃するように対策を絞って、
一般人の避難を優先する。
なるべく周囲に被害を出さないように戦いたいね!
他にも地面に縫い付けられた奴がいたら電撃を飛ばして
針を吹き飛ばしたり、とにかく連携を重視する。

民間人の避難が終わったら反撃開始さ。
それまでに放ってたサイキックの力、目いっぱい収束させてやる。
【黄泉送る檻】を、カプリコーンを閉じ込めるように
発動させるよ!

……よくよく考えりゃアタシのこの聖句も
じゅうぶん厨二病っぽいか。
聞かれてなくてよかったな……。



●邪神の誘い
 図書館内、散らばる黒歴史ノートより姿を現した邪神『磨羯卿』カプリコーン。
「ふう、ようやく骸の海から戻ってこられたわ……」
 奇妙なぬいぐるみを抱くそいつは大きな針を宙に浮かし、自らの力が問題なく使えることを確認する。
 長いオーラの髪に覆われ、その顔を完全に確認することはできないが、吊り上がる口元を見るに、笑っているのは間違いない。
「こいつは拙いね……邪神がこんな場所で暴れちゃ、ノートの持ち主たちが危ない!」
 危機を感じた、数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)は、周囲でうなだれる黒歴史ノートの所有者に気を払う。
 多喜はまずこの場の若者達を守る為に、サイキックの電撃を広げていく。
「さあ、私が貴方達を導いてあげる」
 邪神が若者達へと呼びかけるが、すでに現実を直視した彼らがそれに応じる様子はない。
「ふふ、どうしたの。絶対的な力がほしいのではないの……?」
 今の若者達であれば、この邪神の誘いがいかなる影響を及ぼすかは想像に難くはないだろう。
 己が利用されると分かっており、世界を破滅に導くと分かっていながら、首を縦に振るはずがない。
 そんな彼らと対比して、事前にこの図書館に黒歴史ノートを預けた山田・太郎(仮名)の勘の良さに、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が感嘆する。
「……奴は、中々感のいい男……男だよね? なのかもしれない……」
 箱型生命体のミミックを連れた拓哉は少し首を傾げつつ、仲間達に確認を取る。
 一応、冒頭で青年と言っている以上、男であるとは思われるが、それはさておき。
「まあ、あれを倒せば終わりとは分かりやすい。行くかー」
「……そう、なら、貴方達を倒して、別の指導者候補を探しに行くわ」
 動き出す拓哉を始め、猟兵達の姿を確認した『磨羯卿』カプリコーンは、自らの抱くぬいぐるみへと呼びかける。
「輝き導きなさい、私のギエディ」
 すると、そのぬいぐるみは光り輝く狂暴な山羊へと変貌する。
「オヴェエエエエエエエエエエ!!」
 山羊は一声奇妙な声で叫ぶと、一直線に猟兵達へと近づいてきたのだった。

●避難する為の時間を
 ギエディと呼ばれたその山羊は、猟兵達へと向かい来る。
 相手がすぐに針を使った攻撃をしてこなかったのは、猟兵達や若者達にとって幸いと言うべきか。
 多喜が相手の出方を見ながら若者達の避難を優先させる間、拓哉が磨羯卿へと仕掛ける。
「それじゃあ、ドーンと行こうか」
 彼は自身のミミックを箱型にし、内角高めに投擲していく。
 敵正面にいる山羊がそれを直接撃ち落とそうとする。
 しかしながら、拓哉はその瞬間を狙っていて。
「さあ、化け焦がしなミミック……! 陽炎が全てを焼き尽くす時だ!」
 その時、ミミックが炎に化け、縦横無尽に暴れ始めた。
「あ、皆気を付けてねあれ、無差別だし。長くは持たないけど」
 これもあって、他の猟兵達は攻勢に出るのを一旦待つ。
 まさか磨羯卿も爆発するとは思わず、山羊が痛む状況に驚く。
「……ギエディを倒しただけで、私は止まらないわ」
 続き、邪神は武器である針を使い、光り輝く針を広範囲に飛ばそうとしてくる。
 そちらはすでに、多喜が対策済み。
 邪神から距離を置き、この場を離れようとする敵を守るように、多喜の展開したサイキックの電撃がそれらの針を受け止める。
 拓哉も衝撃波を込めた弾を飛ばし、浮いている針を狙い撃っていく。

 しばらく、防戦に回るメンバー達だが、若者達がある程度はなれれば、多喜が反撃へと回り始める。
 彼女は防戦の為にと展開していたサイキックの力を活かして。
(ashes to ashes,dust to dust,past to past……収束せよ)
 それを使い、多喜は目いっぱい収束させ、増幅したサイキックブラストの檻に磨羯卿の体を閉じ込めようとしていく。
「…………!」
「……よくよく考えりゃ、アタシのこの聖句もじゅうぶん厨二病っぽいか」
 逃げた若者達に聞かれていなくてよかったと、多喜は安堵するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月山・カムイ
はじめまして、魔蠍卿
折角骸の海から上がって来た所申し訳ありませんが、還っていただけますか?

そう問いかける
中二病に侵された若者達も、所詮は一時の出来事
多少心を惹かれるものはあるかもしれないが、彼等は本質的にまだ子供で発展途上だったからでしかない
これから現実と向き合う仕事が待っているのだ、なら……それを妨げさせる訳にはいかない

ブラッドガイストで殺戮捕食態となった絶影を振るい、魔蠍卿と戦う
針の雨は最低限の動きで見切り、カウンターとして捨て身の攻撃を行う
多少の傷は耐えればいい、呪詛も弾けばいい
その身体を構築する力を食い尽くし、刻印に吸収して
貴女を今一度骸の海の安寧へ還してあげますよ


叢雲・源次
ようやく姿を現したか。人心を惑わし、弄んだ報い……ここで受けるが良い

【見切り】【早業】【残像】を以て邪神の攻撃を掻い潜りつつ懐に飛び込んだならば、磨羯卿の周囲を舞う針を【なぎ払い】で斬り落としつつ
全ていなせるとは思っていない…【覚悟】と【激痛耐性】で多少の被弾と引き換えに【電磁抜刀】にて勝負を掛ける。

別の指導者候補を探しに行く……と言ったな?
だが、もはや退路は無い。此処が貴様の『地獄』と知れ。

心に傷を負った彼等がどうなるかは俺にも分からん。しかし、彼等が痛みを克服した時、邪神の囁きにも負けぬ精神を得ているはずだ。俺は、そう希望してやまない。



●宣戦布告
「はじめまして、魔蠍卿」
 タイミングを見て、漆黒の髪に赤いメッシュの入った月山・カムイ(絶影・f01363)が相手に……邪神へと語り掛ける。
「折角骸の海から上がって来た所申し訳ありませんが、還っていただけますか?」
「断るわ。だってこちらの方が楽しいもの」
 すると、スーツ姿の叢雲・源次(炎獄機関・f14403)が鋭い視線で敵に言い放つ。
「人心を惑わし、弄んだ報い……ここで受けるが良い」
 先の2人が抑えている間に、彼らもまた死神を滅する為にと攻撃を仕掛けていく。

●若者達の自立の為に
 荒ぶる山羊は傷ついていても、健在。
 源次がそいつを見切りや残像を伴ってやり過ごし、磨羯卿へと接近しようとする。
 ただ、近づいてくる猟兵達を鬱陶しく感じた死神は、距離を取ろうと針を大きく振り払って光り輝く雨を撃ち放つ。
 源次は飛んでくる針を鉄塊剣で薙ぎ払う。
 さすがに数が多く、全ての針をいなすことはできないが、傷つきながらも源次は魔蠍卿へと接敵していく。
 カムイは先ほど攻撃の機を窺っている際、我に戻ってこの場から逃げ出す若者達の姿を見ていたカムイ。
 中二病に侵されていた彼らの状態も、所詮は一時の出来事。
 多少、心を惹かれる者はあるかもしれないが、それは若者達が本質的にまだ子供で、発展途上だったからでしかない。
「これから現実と向き合う仕事が待っているのだ。なら……、それを妨げさせる訳にはいかない」
 考える最中、カムイは先ほどの戦いでついた傷から流れ出る血を操り、刃渡り二尺の小太刀『絶影』封印を解く。
 そうして、針の雨を最低限の動きで見切りつつ、カムイは殺戮捕食態となった刃を振るい、カウンターとしてサイキックブラストの檻に捕らわれた魔蠍卿へと捨て身の攻撃を食らわせていく。
「貴女を今一度、骸の海の安寧へ還してあげますよ」
「輝き導きなさい、私のダビー」
 だが、相手も応戦の為、頭のオーラを変化させて黒い角とし、それを振るう。
 カムイが角に貫かれながらも相手の呪詛を弾き、さらに刃を返す。
「別の指導者候補を探しに行く……と言ったな?」
 源次は問いかけながらも、一度納刀して。
「だが、もはや退路は無い。此処が貴様の『地獄』と知れ」
 高速の居合で磨羯卿の体を切り伏せようとするが、相手もしぶとい。
「残念だったわね」
 相手はそのタイミングで、檻から逃れる。
 頭上へと舞い上がった彼女は全身をボロボロにしながらも、なおも自らの周囲に浮かぶ針から大量の針の雨を降り注がせてきたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霑国・永一
実力のない厨二病は実に痛々しいけど、あればカッコいいかもねぇ
俺がどっちなのかはこれから試そうか……『試すのは俺様だがなァッ!』

狂気の戦鬼を発動
常時【ダッシュ・逃げ足・フェイント・見切り】を入れたうえでの高速移動で動き回り、死角から【早業・鎧無視攻撃】入れた衝撃波を放ち続けて敵に攻撃する暇をなるべく与えない

針の雨に対して、高速移動で基本は躱し、難しければ自身に降り注ぐ範囲は衝撃波をぶつけて弾き飛ばす
少なくとも手を縫い付けられるのは避け、それ以外が縫い付けられても衝撃波で弾いて脱出できるようにする

また、可能なら相手の武器を【早業・盗み・盗み攻撃】で奪って壊す
「ハハハハッ!そう来なくっちゃなァ!」



●邪神を飲み込む狂気
 図書館内で繰り広げられる戦い。
 『磨羯卿』カプリコーンは、猟兵達の攻撃から逃れ、さらなる攻撃をと宙に針を揺らめかせてくる。
 だが、この場で戦うメンバー達も攻撃の手を止めない。
 死神のけしかける荒ぶる山羊はボロボロになっており、降り注ぐ針の雨もその数が減ってきているように思える。
 激しい攻防が繰り広げられる中、救援に駆け付けた猟兵が1人。
「実力のない厨二病は実に痛々しいけど、あればカッコいいかもねぇ」
 一連の経緯を知り、この世界出身における自称の普通の青年、霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)が呟く。
「俺がどっちなのかはこれから試そうか……」
 そこで、突然、彼の表情が豹変して。
『試すのは、俺様だがなァッ!』
 別人格を発現させた永一は、戦場で降り注ぐ針の雨の中へと身を投じる。
「ハハハハッ! 俺様がぶち殺してやるぜ!! 愉しませなァッッッ!!!!!」
 ダッシュし、高速移動で戦場を駆け回る永一。
 拓哉が衝撃を込めた弾丸で降り注ぐ雨を狙い撃ち、多喜が再度、サイキックの電撃を広げていく。
 その最中、磨羯卿の死角へと永一が移動し、敵の体へと衝撃波を浴びせかけていく。
「……ギエディ、行きなさい」
 再度、光り輝く山羊が戦場で暴れ始める。
 残像を纏って飛び込む源次が再度居合で切りかかると、カムイも山羊の攻撃をものともせずに捨て身の攻撃を仕掛けていく。
「また返り討ちにしてあげるわ」
 死神も黒い角で再びカムイを貫こうとすると、フック付きロープで軽やかに戦場を移動した拓哉がカムイを助け出す。
「ハハハハッ! そう来なくっちゃなァ!」
 その隙を突き、永一が相手の針を素早く破壊した。
 針で地面に体が縫い留められる事態は、これで避けられるはずだ。
「なっ……」
 大きく口を開いて戸惑う相手に、態勢を整えたカムイが今度こそと『絶影』の刃を煌めかせて。
「――その身に刻め」
 数え切れぬほどの斬撃が磨羯卿を襲う。
「ハハハハハハハハッ!」
 永一もそれに合わせるように相手の背に衝撃波を撃ち込み、ダメ押しの一撃を与えて。
「ここは諦めるしか……なさそう、ね……」
 悔しそうに口元を歪ませた磨羯卿は山羊や針と共に爆ぜ飛び、その姿を消したのだった。

 邪神の復活を無事に阻止した猟兵一行。
 図書館は一時閉鎖され、UDC組織が事態のもみ消しへと動いていたようだった。
 一息ついた源次がガラス張りの窓から外を見下ろして。
(「心に傷を負った彼等は、どうなるのだろうな」)
 自身の行いを自覚し、絶望した若者達。
 彼らが痛みを克服したとき、邪神のささやきにも負けぬ精神を得ているはず。
 源次はそう願ってやまないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月21日


挿絵イラスト