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春は、まだ先

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 とある山間の村。
 一面の銀世界に村人たちは慣れているとはいえ、そろそろ暖かい日差しが欲しい……と考え始める季節。
「……おや、あれはなんだ?」
 今日は、日が出ている穏やかな一日になるはずだった。
 村人の一人が山頂の方を指さす。
「まさか、雪崩か!?」
 雪の塊が山を下りてくる。
 その様子に慌てた村人たちだったが、
「……違う、雪兎様だ。」
 近くまで来たら正体が分かった。
 雪兎様、冬を告げる雪を祭神とするこの村であがめられている怪異である。
 毎年、雪の季節に顔を出すことがあるが……。
「ちょっと、多くないか?」

「皆さんお集まりいただき、ありがとうございます。
 今日は、サムライエンパイアのとある村で起きた事件の解決をお願いします。」
 八咫・美都子はグリモアベースに集まった猟兵達を前に、困ったような笑みを浮かべながら話し始める。
「今の時期、まだまだ雪深い村に小さい妖怪の雪兎たちが大量に発生しているようです。
 皆さんには、それを集めて山に運んでもらいたいと思います。」
 ……妖怪なら倒していいのでは?という猟兵へ、八咫は困ったように話を続ける。
「正直、そうした方がいいと私も思いました。
 ですが、ここの村の人達にとって、雪兎は祭神……手をあげるのはもっての外、だそうです。
 ですからいつもは、そっとお帰り願っていたようですが、今年は数が非常に多いようです。」
 そういうわけですので、よろしくお願いしますね?
 とゲートを開こうとした八咫は、気が付いたことを話す。
「……おそらく、雪兎の数が多くなる原因が、山にいるはずです。
 できれば、それも退治してください。
 そちらは容赦する必要はありません。」
 では、頼みます。
 八咫がゲートを開くと、一面の銀世界が広がっていた。


ヨグ
 ヨグです、まだまだ寒い日々が続きますね。
 春が来るのを拒む妖怪たちを、何とかしてください。
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第1章 冒険 『雪うさぎを捕まえろ!』

POW   :    凍るなんて関係ない!全力でモフモフを捕まえる

SPD   :    触っても一瞬なら凍らない!スピードで勝負

WIZ   :    モフモフしたいのは山々だが、ここは触れずになんとか捕獲

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

蛇塚・レモン
<WIZ>
う~ん、雪兎様かわいそう……
(常日頃、蛇神を半身に宿しているので祭神に親近感と同情の念を抱く)
流石にこのままだと村に春が来なくなっちゃうよね
ごめんね、雪兎様。あたい達が悪者をやっつけている間でいいから、大人しくしててねっ!

ユーベルコードで蛇神様を呼び出すよ
ちょっ、寒いのが苦手なのは判るけどっ!
(とぐろを巻いて「余は働きたくない」アピールの蛇神様)
仕方ないなぁ(蛇神様を抱きしめて温めてあげる)(氷結耐性)

蛇神様、雪兎様たちを睨んで動きを止めてっ!
(範囲攻撃+呪詛+マヒ攻撃+視力)
動きが止まった雪兎様から、あたいの念動力で捕獲っ!
村の人から籠か何かを借りて、念動力でそこへ移していくよっ!



 村を見ると、外は雪兎でいっぱいだった。
「うーん……雪兎様、かわいそう。」
 山から追い出された雪兎たちに、自身に蛇の神を降ろしている蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は同情を寄せる。
「流石にこのままだと、村に春が来なくなっちゃうよね。」
 だからちょっと大人しくしててね!と蛇神を呼びだす。

 ……返事がない。
「ちょっ、神様!」
 雪の上でとぐろを巻いて、顔をも隠している蛇神様。
 蛇塚は蛇神様を抱え上げて、
「いや、寒いのはわかるけど!」
 頑張ってよね!と自分の体で温める。
 億劫そうながら、雪兎たちの方を見た蛇神様の目が輝くと、視線の先の雪兎たちが動かなくなった。
「やったぁ!神様、ありがとう!」
 蛇塚が頭を撫でてやると、そのまま蛇神様は蛇塚の体に戻っていった。
「よーし!後はがんばって捕獲しちゃうよ!」
 事前に村人たちが用意してくれた籠に、念動力で身動きを止めた雪兎たちを入れていく。
「……ごめんね、雪兎様。あたい達が悪者をやっつけている間でいいから、大人しくしててねっ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

三岐・未夜
【零時と】

……そりゃ同じ団地には住んでるよ。
でもまさか、ほぼ初対面でいきなり初依頼の相談されると思わないじゃん?そりゃ、大分行き慣れて来たけど……。
年下が苦手な割に、見捨てるとか突き放すなんて絶対に出来ない狐のぼやき。
ちゃんと、行きやすそうな依頼を探して連れて来たのだ。

雪兎たちが嫌がりそうな炎で行って欲しくない方向は封鎖して、零時がやりやすそうな方向へ誘導する。【属性攻撃】
それでも動かない奴は【誘惑、催眠術、おびき寄せ】で大人しく集まってついて来るように仕向けるつもり。数が多かったら【範囲攻撃】で誘惑や催眠術の効果範囲を広げるよ。

え、触んないよ?凍るのやだもん。
それに僕の尻尾の方がもふいし。


兎乃・零時
【三岐と】

良く依頼に行ってるっぽかったから、思い切って声かけたけど良かったぁ…!
依頼に行くのは初めてだったから、正直俺様一人じゃ心細…………依頼のやり方の参考になりそうと思ってな!!!
というか行きやすい依頼探してくれるとか凄く良い奴じゃん…!(嬉しい)

そんなことを想ったり喋ったり
実は一人が寂しかった魔法使いっ子、いざ初依頼


ぎゃー?!雪兎を捕まえる為に掴んだら、凍りかけたけど!

こうなったら、触っても凍らないぐらいの速度で…!
タイミングを『学習力』で学び
『目立たない』よう注意
『勇気』をもって突撃
一応氷対策に手袋を装備するぜ!

ユーベルコードと『ロープワーク』で手作りの籠を作って兎を運ぶ

アドリブ大歓迎



「ほら、三岐はよく依頼に行ってるみたいじゃん?俺様まだ行ったことなくてさ、思い切って声かけてみて良かったよ!」
「あー……そうだね。」
 自分が未熟であるのを誤魔化すかのように捲し立てる、大きな帽子をかぶった兎乃・零時(でっかい魔法帽・f00283)と、その話を聞き流しながら歩いている三岐・未夜(かさぶた・f00134)。
「正直、俺様一人じゃ心細……。」
 ん?と三岐が振り返ると、兎乃はぶんぶんと首を振って、
「いや、依頼のやり方の参考になりそうと思ってな!」
「そっか……。」
 ぶっきらぼうに答えているが、今回の話を見つけてきたのは三岐である。
 どう見ても慣れてない兎乃でもできそうな、雪兎を逃がす仕事。
(まぁ、これくらいから慣れるのがいいんじゃないかな。)
「あ!あれがそうだよね!」
 早速、雪兎を見つけた兎乃が駆け出す。
「あ、おい!」
「ぎゃあああ!」
 三岐が声をかける間もなく、雪兎を抱き上げた兎乃。
 手触りは確かにモフモフだったが、その触れた部分が霜で覆われて真っ白になっていた。
「大丈夫かい?」
「あ、ああ……俺様は大丈夫、凍りかけたけど。」
 想像以上の冷たさにびっくりして悲鳴を上げただけで、手は問題ないようだ。
「まぁ、ちょっと考えないとな。」
「うーん……。あんまり長く触ってられないし。」

 三岐が自身の生み出す炎で雪兎たちを追い立てる。
「そっちいった!」
「よっし!俺様に任せとけ!」
 雪兎から見えにくいように隠れた兎乃は、駆け寄ってきた雪兎を手袋をはめた手でつかみ上げ、凍る前に籠に移す。
「やったー!1匹ゲット!」
 自身で編んだ籠に入った雪兎を見せて、本当に嬉しそうにしている兎乃を見て、三岐の顔も少し綻ぶ。
「よーし、まだまだいっぱいいるから、次いくぞ!」
「おっけー!」
 こうして二人で雪兎を捕まえながら、兎乃は思う。
(やっぱり声かけて良かった!しっかりやり方教えてくれるし、良い奴じゃん!)

「大体、こんなもんかな?」
「そうだね!見える範囲じゃ居ないかな。」
 雪兎の詰まった籠を覗く三岐に、
「触るとモフモフなんだぜ!触ってみなよ!」
 と声をかけるが、
「え、触んないよ。凍るのやだもん。」
「えー。」
 明らかに不満そうな兎乃。
「それに、僕の尻尾の方がモフいし。」
「おー、どれどれ!」
「い!?」
 いきなり鷲掴みにされて変な声が出る三岐と、それを見て笑う兎乃の楽しそうな声が響いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を

*アドリブは大歓迎です☆

凍っても翔んでいれば問題無いと、『シンフォニック・キュア』でキュア・サニティで落ち着かせてから、ゆっくり優しく捕まえます☆
もふもふに触れた瞬間に「ほにゃ~♪」と癒され一瞬恍惚としますが、改めて捕まえ始めます♪
『エレメンタル・ピクシィーズ』で氷の精霊を呼んで雪の精を導きます☆
会話・精神感応ができれば話して集まってもらったり、導いて連れて行きます♪
付いて来てくれたら精霊たちと一緒に“こんぺいとう”を配ったりします☆
嫌がらなければ『フェアリーランド』の中に入ってもらって、快適な環境・状況を作ってあげます☆

紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)や猟兵にも配ります☆


紬雁・紅葉
ティファ―ナと同行

救助活動です…傷つけないように気を付けないと…
内心ハラハラ

氷と…「気」を合わせる…(呼吸)
【氷の魔力】を防御力に付与
更に地形を利用し氷属性を強めて耐性と合わせて凍結と転倒を防ぐ

その上で一匹一匹丁寧に捕まえ、ティファ―ナに預かってもらう
忍び足でするする近寄り、よそ見している兎を背後から捕まえる
動きを見切って機先を制し、傷つけないように素手で抱え上げる
地形を利用しちょっと恫喝、保護しやすい場所に追い誘導する

御山の神様
兎の神様
落ち着かれませ
落ち着かれませ

一生懸命追いかけて叶う限り優しく抱き集める

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



「御山の神様、兎の神様。落ち着かれませ、落ち着かれませ……。」
 ゆっくりと囁くように祝詞を唱えながら近づく羅刹の巫女、紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)。
「みんな静かに~☆眠れ眠れ~♪」
 そして、小さい身体ながらよく響く歌声で雪兎たちを落ち着けている、祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)。
 二人の周りの雪兎たちは、すっかりおとなしくなっていた。

「……よし、捕まえました。」
 力を入れすぎないように……と内心ハラハラしながら、氷の魔力を帯びた手でそっと持ち上げる紬雁。
 そうして、ティファーナの周りに雪兎たちを集めていく。
「えへへー、モフモフだぁ!」
 ティファーナもまた、自身の使う精霊と近しい存在の雪兎たちと仲良く話をしながら、彼らをその場に留めていた。
「ねぇねぇ!どうしてここに降りてきたの?」
『今年は冷たいのが住みついちゃって、寒かったんだ。』
『これ位がちょうどいいんだ。』
『それに、ここの人達は襲ってこないし。』
 雪兎たちは口々に、山の中に何かがいると話す。
「そっか~、大変だったね!そうだ☆」
 ティファーナは壺の中からこんぺいとうを取り出し、雪兎たちに配る。
「良かったらどうぞ☆」
『ありがとう!』
『甘くておいしい!』
「えへへ~、よかった☆」
 と、そこへ雪兎を手にした紬雁が近づく。
「この子で最後ですね。」
「お疲れさまだよ!はい!」
 ティファーナから差し出されたこんぺいとうを受け取り、
「ふふ、ありがとう、ティファーナ。」
「えへへ~、どういたしまして!」
 口に入れ、しばし甘みを楽しむ紬雁。
「そうそう!なんだか山の中に冷たいのがいるんだって!」
「そう……やはり、妖怪退治が必要と。」
 紬雁は腰に差したルーンソードに手をやり、足元に群れている雪兎たちを見て、
「この子達、どうしましょうか?」
「あ!それは大丈夫だよ☆」
 ティファーナは壺を出して雪兎たちに語り掛ける。
「みんな!これから私たちが、冷たいのを退治してくるからね!それまでこの中で待っててね☆」
 その言葉に従い、吸い込まれるように入っていく雪兎たち。
「ふふ、それなら安心ですね。」
「うん☆」
 最後の1匹を入れ、紬雁の肩に留まるティファーナ。
「では、行きましょう。妖怪退治です。」
「おー!」
 戦いの気配に内心胸を躍らせ、紬雁達は山へ入っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『雪女見習い』

POW   :    ふぅふぅしてみる
【くいくいと対象を引っ張る動作】が命中した対象に対し、高威力高命中の【凍てつく氷の吐息】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    とにかくふぶいてみる
【全力で吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    みようみまねのゆうわく
予め【足を魅せる等の誘惑行動をとって赤面する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が山へ入ると、周囲の気温がさらに下がるのを感じる。
 そうして進むと、白い着物姿の少女たちがいた。
「里の人じゃないね?」
「これ以上きちゃだめだよ!」
 口々に言いながら、手を広げて通せんぼしている。
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を

*アドリブは大歓迎です

紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)と一緒に頑張ります☆
雪女見習いと会ったら「何故」、進んじゃイケないの?」と聞いてみます♪
ボスや首領に言われているからであれば「この子たちと入ってみる?」と雪兎たちの入っている壺を見せてみますが、雪兎がイヤがったり雪女たちが入らなかったら『神罰の聖矢』を準備します☆
「教えてくれないと、攻撃するしかないの、教えて」とお願いしてみます。

解らなかったり答え無かったら仕方なく攻撃します♪
猟兵たちには『生まれながらの光』『シンフォニック・キュア』で治し癒し、紅葉には“オーラ防御”の対象内にします☆
“鼓舞”“勇気”を猟兵にも送ります♪


紬雁・紅葉
ティファ―ナに同行

先ずは武器を抜かずティファ―ナの説得の様子を見守る
穏便に済めばそれでよし
そうでないならティファ―ナをかばいつつ武器を構える

火…ではなく【風の魔力】を防御力に付与
剣と薙刀を使い分け
風の属性衝撃波で範囲を薙ぎ払い吹き飛ばす
攻撃がが本格的なら討ち倒すが、子供だましなら吹き飛ばしてお終い

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像で躱し
そうでなければUCとオーラ防御などで軽減

仲間はかばう+援護射撃

童子打つのは本意でないが
雪やこんこ霰やこんこ
悪さするなら仕置きが居るか
鬼が悪童泣かせよか?

羅刹紋を浮かべ笑みつつ
悪ぃワラシぁ居ねがぁ!?
(恫喝)

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



「ええー、何で通っちゃいけないの?」
 紬雁の肩から飛び立ったティファーナは、少女達の目の前まで飛び、
「ねえ、なんで?」
「えっと……だって……。」
「わ、私たちの住みやすい場所を見つけたんだもん!」
 すぐに攻撃して来る様子はないが、その答えから簡単にどく気がないことがわかる。
「なるほど、ね。」
 武器を抜かずに静観していた紬雁だったが、風の魔力を身に帯びながら詰め寄る。
「どうしても、この場から立ち去る気はありません、ね?」
「ひぐっ……だ、ダメなの!」
 物腰柔らかく笑顔だが、近づいて来る紬雁に気圧されて、泣きそうな顔をしながらも立ちはだかる少女達。
「それでは……力ずくでどいてもらうしか、ありませんね!」
「あぐ……。」
「きゃあああ!」
 言葉とともに、担いでいた薙刀を近くにいた少女へ振り下ろし、一人を柄で打ち据える。
 気絶する様を見た紬雁は、改めて羅刹紋が浮かぶ腕で薙刀を構え、
「ふふふ……子供に手をあげるのは不本意ではありますが、お仕置きといきましょう。」
 笑顔で少女達と対峙した。

「よーし!ボクもやっちゃうからね☆」
 ティファーナも神聖な光を指先から放ち、少女達を攻撃していた。
「ひあああ!」
「や、やめてよぉ!」
 少女達も泣き出しそうな顔をしながら、吹雪を巻き起こして応戦している。
「ダメだよ!キミたちを倒さないと、雪兎たちが帰れないからね!」
 ティファーナが少女達へ指先を向けていると、服を摘まれた感覚。
 振り向くと少女の一人が目の前にいた。
「捕まえた!」
「っ!しま……。」
 少女の凍てつく息が吹き掛けられようとした時、
「悪ぃワラシぁ居ねがぁ!?」
 紬雁が薙刀の柄で少女を吹き飛ばした。
「あー、危なかった。ありがと☆」
「ふふ、どういたしまして。」
 ふわりと飛んで紬雁の後ろに動いたティファーナ。
「さぁ、続けていきますよ。」
 風の魔力で少女達の吹雪を逸らせつつ、嬉々として突っ込んでいく紬雁。
「童子打つのは本意でないが、雪やこんこ霰やこんこ。悪さするなら仕置きが居るか、鬼が悪童泣かせよか?」
 さらに、祝詞のような言葉を唱えている。
 そんな様子を見ながら、紬雁の戦いやすいように神聖な光を放つティファーナは一人呟く。
「……楽しそうだなぁ。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

三岐・未夜
【零時と】
急に尻尾を掴まれたので、警戒から若干距離感が遠い。
この尻尾は親しい人専用だ。
親しくない人とのスキンシップは好きじゃない。

儚火を喚び出し、豊かな毛並みの中に潜り込む。
だって寒いし……あと急に尻尾に手が届かない距離感が欲しい……。

ちょっと戦いづらいんだけど……理由でも聞いてみよっかな。
里のひとだったら来て良いの?
っていうか、山が寒すぎて元から住んでた雪兎たちが寒がってて困ってるんだけど。
この先に何があるの?
少女たちに【誘惑、催眠術】込みで声をかけて聞いてみるよ。

戦闘しなきゃいけないなら、儚火に【属性攻撃】で炎を付与。
【操縦、誘導弾、全力魔法、範囲攻撃、援護射撃】で一掃しよう。


兎乃・零時
【三岐と】
警戒されたのもあり、いきなりすぎたかと反省
次からは気を付けねぇと…嫌われたいわけじゃねぇし

確かに戦いづれぇよな…理由聞いておきたいし!

何で来ちゃダメなんだ?理由があるなら知りてぇが…
ほら、雪兎も困ってるし
俺様に手伝えることがあるなら協力するからさ
教えてくれない?……ダメ?
キラキラした宝石の目で『雪女見習い』を見つつ
【勇気・気合・コミュ力】を駆使して聞いてみる、きっと話は通じるはず…!

もし戦うことになるなら、仕方ねぇ
【逃げ足】で攻撃を頑張って避けつつ、隙を見てユーベルコードでドカーンとしてみる!

正直彼女たちを攻撃したくないし、どうにか気絶で済ませられるといいんだけど…!!

アドリブ大歓迎



 時間は少し前。
「……なあ、えっと。」
「ん、なに?」
 兎乃から微妙に距離を離しながら歩く三岐。
「さっきのは、その……。」
「ああ、気にするなって。」
 ……心なしか、三岐の尻尾が兎乃から離れている。
「いや……うん、俺様悪かった、ごめん。」
「……ああ、気にしなくていいって。」
 モフモフした尻尾を振りながら答える。
 三岐は怒っているわけではなかったが、急に触られたりするのは好きじゃない。
 不愛想なのも元々だが、人懐っこい兎乃は自分のせいでそうなったと思ってしまった……。
 ちょっとしたすれ違いをおこしたまま、二人は山を登っていた。

「お、お兄ちゃんたちなら、通しても……。」
「ダメだよ!この人達強そうだもん!」
 二人を見た雪女見習いたちは、少しだが態度が緩いように見える。
「何で来ちゃダメなんだ?理由があるなら知りてぇが……。」
「だって、私たちを退治しに来たんでしょ?」
 兎乃の問いに、一つ答えが返ってきた。
「あー、まぁ返答次第だけどね。」
 寒さに身震いした三岐は、自身の配下の黒狐である儚火を呼びだし、ふかふかの毛皮にもぐりこみながら言葉を続ける。
「ここら一帯、えらく寒くなってて、雪兎たちが困って里まで下りてきてるんだ。」
「そうだ!この先に何があるんだよ!」
「ひぐ……。」
 兎乃の強気な態度に少女は泣きそうな顔になるが、
「だって、だってお母さんを倒しに来たんでしょ!?」
「私たちの棲み処だもん!通せないよ!」
 そう言って、退くつもりはないようだ。
「……もう一つ、いいかな?」
 三岐はフードの上から頭を掻きながら聞いた。
「里の人なら、いいの?」
「そうだよ!」
「だって、お母さんが喜ぶんだよ!ご飯だって!」
 こともなげに答える少女たち。

「え……ちょ、まってよ、そういうあれなのかよ!?」
「……ああ、こんななりだが、中身は妖怪ってことみたいだ。」
 三岐は儚火に炎を纏わせ、少女たちに突進する。
 少女たちも吹雪を起こして抵抗しようとするが、
「きゃああ!」
 一人が吹き飛ばされ、そのまま雪の塊になった。
「ひぐ……やっぱり退治しに来たんじゃない!」
「え、あ……いやまぁ、そうなるよな。」
 涙目の少女が兎乃に向け、吹雪をぶつけてくる。
「しょうがねぇ!……ぶっとべーッ!」
「ひああああ!」
 兎乃も手から高度に圧縮された魔力の塊を放ち、少女を吹き飛ばす。
 そのまま雪と化した少女に向けて呟く。
「……正直、戦いたくなかったな。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

蛇塚・レモン
「村人をご飯とか言っちゃう悪い妖怪に情け容赦は一切なしっ!」
普段なら持ち前の優しさで攻撃の手を緩めてしまうレモン
だがレモンの質問に対して、雪女見習い達の回答はレモンの逆鱗に触れた

すかさずユーベルコードで巨大な蛇神様を召喚
寒いけど頑張って、蛇神様っ!
まずは誘惑行動をとっている間に此方は木々を利用して結界を幾重にも張るよっ!
(地形の利用+オーラ防御+拠点防御+範囲攻撃)
正直、誘惑されても全く響かないんだけど……
あたいを誘惑したいのなら、褐色ピンク髪巨乳になってから出直してくるんだねっ!
蛇神様、やっちゃってっ!
(視力+念動力+範囲攻撃+鎧無視攻撃+衝撃波)
あたいも蛇腹剣クサナギでなぎ倒すよっ!



 そんな中、少女たちの言葉に怒りを向ける蛇塚。
「村人をご飯とか言っちゃう悪い妖怪に、情け容赦は一切なしっ!」
「ひえっ……。」
「や、やめてよぉ……。」
 そんな蛇塚に、涙目を浮かべて震える少女たち。
 元々の性格もあるとはいえ、いつもはこの庇護欲をくすぐる仕草によって攻撃の手を緩めさせていたのだった。
 だが、正義に燃える心を持つ蛇塚には、それが逆効果になってしまった。
「そんな顔したって無駄だよ!」
 と身の内に宿る蛇神を呼びだす。
 シュルシュルと蛇塚の体にまとわりつき、少女達を睨みつける。
「やっちゃえ!」
「ひっ!」
 蛇神の邪眼に睨まれた少女たちは、その場にぺたんと座り込み、動けなくなっていた。
 そして、雪兎を捕まえている時の比ではない寒さに、蛇神も蛇塚の体にまとわりついて動けなくなっていた。
「ありがと!てりゃああああ!」
 そのまま駆け寄り、黒い蛇腹剣を振るう蛇塚。 
「ああ!」
「ひぅ!」
 黒い蛇となって少女たちに巻き付き、切り裂き、雪の塊と変えていく。
「ふん、それで誘惑してたつもり?あなた達が褐色でピンク髪の巨乳だったら危なかったかもだけど、全然あたいには響かないんだから!」
 と剣を収め、少女たちが現れた方へ歩み出す。
「あとはボスを倒せば終わりだね!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『雪熟女』

POW   :    妖艶なる氷の吐息
【口】から【『はふぅ』と悩ましげな、絶対零度の吐息】を放ち、【魅了と氷結】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    心惑わす魅惑の吹雪
【おみ足を魅せる等して肌から冷気を集める事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【髪を色っぽく乱す程の猛吹雪】で攻撃する。
WIZ   :    遭難者様ご案内
小さな【吹雪の中に現れる雪の宿】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【対象が望む幸せな世界の幻】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あらあら、うちの子達が騒いでいると思えば……。」
 声とともに、突然の吹雪が猟兵達を襲う。
「ふふ……私を倒しに来た、という顔をしていますね?」
 吹雪が止むと、一人の雪女が猟兵達を見つめている。
「素直に倒されるつもりは、もちろんありませんよ。」
 それでは参りましょう……と目を細める。
 猟兵たちの目に、暖かな雪の宿が見えた気がした。
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を

*アドリブは大歓迎です♪

雪女見習いが頑張って足止めをしていたけれども、雪熟女を見て“怒りマーク”を浮かべて火の精霊と風の精霊と雷の精霊を呼んで「みんな、ボクあの方キライだからお願いするね!」と言って“金平糖”を手に乗せます♪
『エレメンタル・ピクシィーズ』と『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます!

自らと猟兵に“オーラ防御”“勇気”“属性攻撃”で支援します☆
ティファーナ本人は『クリスタライズ』で姿を隠しながら精霊と聖霊に頑張ってもらいます♪
精霊・聖霊と猟兵に状態異常や回復が必要な際には『生まれながらの光』『シンフォニック・キュア』で癒し治して行きます☆

防御面では氷の精霊に頑張ってもらう♪


紬雁・紅葉
ティファ―ナと同行

あらあら…ティファ―ナをこんなに怒らせて…
どうなっても知りませんよ?

【炎の魔力】と【風の魔力】を
攻撃力と防御力に付与

精霊の乱舞に紛れてするすると接敵
火と風の精霊力と魔力を相乗させ(地形利用?)
射程に入り次第属性+破魔衝撃波で回数に任せ薙ぎ払う
熱風をバンバン送り込み敵の力を削ぐ

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像で躱し
そうでなければUCとオーラ防御や気合い等で軽減

敵の動きが止まったら力を溜め渾身の一撃でとどめ

敗因は一つ、単純な答えです
貴方は、ティファ―ナを怒らせた

事後は弐式の地と氷の魔力で土地の修繕

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



「むー!あの子たちが倒されて、何とも思ってないの!?」
 ティファーナは頬を膨らませながら、雪女に抗議していた。
「あら……何を言うかと思えば。力が足りなければ負ける、そういうことでしょう?」
 雪女見習いが倒されたのは、ただ弱かったから。
 その言葉と態度に、ティファーナは怒りマークを浮かべながら、仲間の精霊たちを一斉に呼び出した。
 応えてくれた火・氷・風の精霊たちに金平糖を渡し、
「みんな!ボクあの方キライだから、お願いするね!」
「ふふ、嫌われたものね。」
 その様子を見た雪女は笑みを浮かべながら、ティファーナへ猛吹雪をぶつけてきた。

「……そうはいきません。」
 様子を見ていた紬雁が間に入る。
 風の魔力を纏った紬雁と、その力を増幅するティファーナの風の精霊。
「あらあら、耐えること。」
 風で吹雪を逸らしているのを見て、さらに力を込めた雪女だったが、
「それは……どうも!」
 その言葉と共に、炎の斬撃で猛吹雪が切り裂かれる。
 自身の炎の魔力を薙刀に込め、連続で振り抜く斬撃に巻き起こる炎の嵐。
 ぶつかり合う熱と冷気。
「く、これほどとは。」
 そして、精霊のサポートもあり、吹雪が掻き消された。
「隙あり☆」
「……な!」
 その瞬間、雷の精霊から雷撃が放たれる。
 とっさに身を躱す雪女だったが、さらに聖なる魔法の矢が降り注ぐ。
「避けられるかな!」
「く、なかなかやるわね……!」
 姿を隠したティファーナから放たれる矢を避け、吹雪で矢を吹き飛ばす雪女。
 注意が逸れたところへ一足飛びに迫る、炎を纏う紬雁の薙刀。
「そこです!」
「ぐ、あ!」
 袈裟掛けに切り裂かれる、雪女の身体。
 そのまま雪の中に倒れるのを見て、構えていた薙刀を下ろし、
「ふふ、敗因は一つ、単純な答えです。」
 そして、紬雁の周りに集まる精霊たちとティファーナ。
 彼女たちに笑顔を向け、言い放つ。
「……貴方は、ティファ―ナを怒らせた。」
「そこは自分じゃないんだ。でも……えへへ☆」
 ありがとう!と紬雁の肩に座るティファーナ。

「ふふふ……まだよ。」
 だが、雪の中から声が響く。
「今のは、かなり堪えたわ。でもね、雪がある限り。」
 ぼふ!という音とともに立ち上がる雪女。
「私は倒れないわ!」
 傷はふさがっているようだが、さきほどまでの余裕はない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三岐・未夜
【零時と】

ま、雪には火でしょ
自分で雪があれば倒れないって言っちゃってるし、とりあえず溶かしてみれば良いんじゃない?
いつもより山が寒いって言ってたし、雪が溶ければ少しはマシになるかな

火矢を【属性攻撃】で強化、【操縦、範囲攻撃、誘導弾、全力魔法】で周辺の雪を溶かしがてらに雪女も狙おう
振り分けても十分な弾数はあるし大丈夫
一応、雪崩とか起きないようにその辺は気を付けてやるよ
その兎、えっと、パル?も気を付けて零時

雪の宿なんてお呼びじゃないよ
僕の帰りたい場所はもう決まってるんだから

【誘惑、おびき寄せ】で攻撃を自分に引き付け、【催眠術】で狙いを逸らして立ち回るよ
……まあ、初依頼で怪我させるのは寝覚め悪いしね


兎乃・零時
【三岐と】
※詠唱はしなくて大丈夫、真の姿にはならない

なぁ三岐……雪がある限り倒れないって、雪女の人が言ってるよな…
じゃあさ、溶かしたら倒れるって事なのか?(素朴な疑問)


ともかく、溶かすんならパルにも手伝ってもらうか!
『紙兎ノ守護』で「紙兎パル」を「異次元ウエストポーチ」の中から呼び出して
パルには炎の【属性攻撃】を雪女目掛けてしてもらう事にするぜ!
頼むぞパル…!

俺様自身は、炎を操るとかは出来ねぇけど出来る手が一つある!
俺様は、雪女目掛けて【全力魔法】でビーム攻撃をするぜ!

勿論、【気合・逃げ足】を駆使して戦闘中も動き続ける感じだ

三岐の攻撃とかにも合わせるように、出来る限り足引っ張らないよう頑張る!



「なぁ三岐……雪がある限り倒れないって、雪女の人が言ってるよな……?」
「あぁ、言ったね。」
 兎乃の耳打ちに答える三岐。
「じゃあさ、溶かしたら倒れるって事なのか?」
「だね、そういうことで仕掛けるよ。」
 三岐は自身の能力で炎の矢を作り出す。
「んじゃあ、俺様も手伝うぜ!」
 兎乃も異次元ポーチから式神の札を取り出す。
 それは兎の形の紙に変わり、雪女を囲むように飛び回った。

「ふふふ……火はちょっと困るのよね。」
 炎の矢を生み出した三岐へ、雪の宿の幻覚を見せつける雪女。
「さぁ、あなたも私のところへいらっしゃい?」
「あいにくと……。」
 しかし、三岐はそれを見ないよう唇をかみしめ、炎の矢を雪女の周りに解き放つ。
「僕の帰りたい場所は、もう決まってるんだから。」
「いっけえ!パル!」
 少し大雑把な狙いで放たれた炎を、兎乃の式神『パル』が集め、雪女へ襲い掛からせる。
「く、可愛いだけじゃないのね、あなた。」
「そういうことさ!」
 雪女も負けじと、炎をはじき返すかのように吹雪を兎乃に叩きつけようとするが、素早く駆け回る兎乃には当たらない。
 そして雪女の周囲へ降り注ぐ、三岐の炎の矢。
「ま、雪が溶ければ少しはマシになるかな。」
「おのれ……!」
 気が付けば、雪女の周りの雪がだいぶ溶けている。
「まだよ、私が吹雪を起こせば元に戻るのだから。」
「させないよ。」
 雪女は自身の力を高めるために周囲へ吹雪を巻き起こすが、そこへ三岐は炎の矢を落として混ぜ、雪を溶かしていた。
 さらに、パルがその炎を操りながら雪女の視界を塞いだ。
「とりゃああ!」
「が!くふ……。」
 それを貫く、兎乃の全力の魔力。
 雪女は腹を貫かれ、すっかり雪の溶けた斜面に倒れる。
「く……やる、わね。ふふ……楽しかった、わ。」
 そう言葉を残し、一塊の雪となって消えていった。

「……よっしゃ!俺様やったぜ!」
「ああ、お疲れさん。」
 喜ぶ兎乃に労いの言葉をかける三岐。
 雪女が倒れたことで、若干周囲も暖かく感じるようになってきた。
「これで、雪兎たちも過ごしやすくなったかな?」
「たぶんね。」
 持ってきた籠を見ると、雪兎たちは早く外に出たいと言うように動いていた。
「へへ、これでみんな元通りだ!」
 兎乃が雪兎たちを解き放ち、山へ帰っていくのを楽しそうに眺めている。
「そうだね、春ももうすぐだ。」
 三岐もまた安堵していた。
 初仕事の兎乃に怪我がなくてよかった、と。

 こうして、一つの村の危機は去った。
 暖かな日差しに、雪は少しずつ溶けていく……。
 春は、もうすぐそこまで来ていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月26日


挿絵イラスト