闇の救済者戦争⑲〜力の証をその身に纏え
こつり、こつりと響く足音。ばさりと広がる大きな翼には様々な紋章が並ぶ。
「力なき正義は無力。だが、意志無き力はただの悪だ。意志の力だけが、人を『英雄』にする」
五卿六眼『紋章つかい』。自らの身体の至る所にも紋章を埋め込んだその姿は豪奢にして異端。
「とはいえ、まだまだ紋章は研究不足。人は未だ装着には耐えられない。さて、吸血鬼共に次の材料を集めさせよう。オブリビオン10体、魂人500人もあれば足りるかな」
振り返った先で、紋章つかいに何かを告げる声。
「……なんと、猟兵が近くまで来ているのか? 丁度良い! 正義を知る彼らは喜んで検体になってくれるだろう。頼みに行ってこよう」
「まあ、ンな事言われても検体になんてなるわけ無ェんだけどさ」
樹・怜惺(Guardiano della Dea Verde・f31737)が肩を竦める。
「正しき意志の持ち主に紋章を渡し、英雄にする――っつー目的の為に非人道的な実験を繰り返す、正真正銘の鬼畜だ。何故か自分の正しさを疑わず、猟兵達は自分に賛同し検体になってくれると心から信じてンだとよ」
ちなみになってくれない猟兵は正義とは認めないらしい。
「欠落は健在だが、能力を紋章作成に特化しているので無敵能力は無い。倒せば終わる……んだが、紋章つかいはその場で複数の紋章を肉体に埋め込み、装着変身を発動する。この状態になると、紋章を各個撃破する事も出来ねェし、単純にめっちゃ強ェ」
だからといって倒す方法が無いわけでは無い。怜惺が一寸嫌な顔をしつつ説明を再開する。
「対抗するには、そのへんに無造作に放置された紋章の失敗作を拾ってこちらも装着変身するしかない……奴が喜びそうで超嫌なんだが、それ以外に対抗する方法は無ェ。装着すると、装甲的なモンがついたりなんだり……まあ、俺が思う最強って感じになれるからそれでぶっ飛ばしてくれりゃイイ」
所謂変身ヒーロー。すでに自前で変身できる者も居るかもしれないが、まあその場合は装甲が追加されるとかになるのだろう。ぱちんと指を鳴らし、転移の扉を開いた怜惺が小さく息を吐く。
「頼むわ。ヤツを倒さないと、検体に使われんのは捕まった魂人とかになるからまた犠牲が増えちまう」
真空。
見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
プレイングボーナスは【「装着変身」を行い、敵と同等のパワーアップを得る】です。
変身は魔法少女でも戦隊でもライダーでも何でも。
1章完結戦争シナリオのため、公開後即受付し、少数採用となるかと思われます。
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
今回のシナリオの構成上、大人数は厳しいかと思います。
皆様の参加、心よりお待ちしております。
第1章 ボス戦
『五卿六眼『紋章つかい』』
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POW : 紋章正拳
【「番犬の紋章」を拳に装着しての正拳突き】が命中した部位に【紋章つかいの正義】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD : 紋章連脚
【「不死の紋章」を脚裏に装着しての飛び蹴り】【「辺境伯の紋章」を膝に装着しての膝蹴り】【「殺戮者の紋章」を爪先に装着しての連蹴り】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。
WIZ : 紋章断罪翼
自身が装備する【「月の眼の紋章」を両翼に装着した漆黒の翼】から【細胞破壊光線】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【肉体宝石化】の状態異常を与える。
イラスト:レインアルト
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夜刀神・鏡介
これが出来るのに犠牲になった人達の事を考えれば気分はよくないが
こいつが生き延びれば、この先も紋章の被害者になる人達が出続けるのだろう
……それを止めるのに必要ならば、躊躇いはしまい
放置されている紋章を手に取り変身。そして神刀の封印を解除して、廻・漆の秘剣【蒼鷹閃】の構え
蒼い神気を纏って、高速で移動しつづけながら相手の蹴りを回避。接近時には斬撃波で牽制しつつ、刀で受け流して斬り込んでいく
相手の攻撃を一度喰らえば連続攻撃が来るので、基本的には一撃離脱の繰り返し
もし食らってしまった場合は、多少強引にでも抜け出そう
多分、自分が作った紋章に倒されるならばコイツも本望だろう……それも気に入らないがな
「来たか猟兵!」
紋章つかいは転移の扉から降り立つ猟兵を正面から出迎える。何故なら、彼は猟兵達は自分に賛同し検体になってくれると心から信じているから。英雄と成り得るのだと。素晴らしい事なのだと自身の正義を疑いもせずに。
「これが出来るのに犠牲になった人達の事を考えれば気分はよくないが、こいつが生き延びれば、この先も紋章の被害者になる人達が出続けるのだろう……それを止めるのに必要ならば、躊躇いはしまい」
しかし、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は決して彼の手を取る事はしない。そこに至るまでにどれだけの犠牲があったか、そしてこれからも発生するのか。決して許す事は出来ないから。失敗作として捨て置かれ、足元に転がる紋章の一つに手を伸ばす。そして、変身したその身に纏うのは武者鎧を思わせる赤い線の入った黒の甲冑。顔まで全てを隠すような作りではあるが、厳つさよりも風を感じさせるような洗練された形状をしていた。
「何故、そんな失敗作を……! 俺に手を貸せば英雄となれるのだぞ!」
「作り物の英雄になどなってたまるか。神刀解放。駆けて刻め、蒼き爪痕――廻・漆の秘剣【蒼鷹閃】」
甲冑の上から、蒼い焔のような神気が上がる。目にも見えぬような速度で走り、刀による攻撃を向けてくる鏡介に対し、紋章つかいは露骨な軽蔑の色を浮かべ。
「成程、貴様は正義を為す者では無いという事だな!」
為らば排除するのみと自らの身に紋章を張り付け、足技の連続攻撃を仕掛けてくるが、動きを読んだ鏡介には当たらない。高速移動で躱し、一撃を当てては離れと繰り返す動きは規則性が無く、狙い難くなっていた。
「多分、自分が作った紋章に倒されるならばコイツも本望だろう……それも気に入らないがな」
重たくは無いが、確実な一撃が紋章つかいの全身に無数の傷をつける。一旦距離を置いた鏡介は、更なる攻撃の為に清祓の柄を握りしめた。
大成功
🔵🔵🔵
ソラウ・エクステリア
僕は君の様な外道を許さない!
『貴方…自分の事ばかりじゃない!』
僕とエミリアーノは敵に啖呵を切る
敵の動きを視力で確認して念動力を纏った結界術で防御する
『ソラウ、作戦通りに行くわよ…』
エミリアーノはUC天命時空龍顕現を発動して迷彩で姿を消す
やってやる!
紋章の失敗作を拾い上げてUC発動して仮面を着けた破滅の歌姫に変身し概念無効化の音響弾を放ち攻撃
これで…どうだ!
敵のUCに対しては素早く結界術を展開し防御したり槍銃から呪殺弾を放ち攻撃する
『行くわよ!』
敵が攻撃で吹っ飛んだらエミリアーノはUCの効果で時間を止めながら電撃の斬撃波を放ち敵を切り裂いた
これで…終わりだよ!
僕は推力移動して爆撃と焼却の槍で攻撃
「我が検体となれ猟兵……正義の為だ、何も問題は無いだろう?」
断られるはずが無い、と言いたげな態度で問いかけて来る紋章つかい。しかし。
「僕は君の様な外道を許さない!」
『貴方…自分の事ばかりじゃない!』
紋章つかいへと叫ぶソラウ・エクステリア(歌姫の時空騎士と時空龍の協奏曲・f38698)の声に重なって、もう一人。スマホから響く声は時空神機エミリアーノ。
「何が不満だというのだ……もう良い、痛めつければ気も変わるだろう」
紋章を纏い連続攻撃を仕掛けてくる紋章つかいの動きを追い駆け、直撃を避けるように結界を張り巡らせる。
『ソラウ、作戦通りに行くわよ……』
ソラウの持つスマホが浮き上がると光を放ち、天命時空龍エミリアーノへと姿を変えた。そのまま、空中に溶け込むように姿を消してく。
「おお、何だ!?」
「やってやる!」
紋章つかいがエミリアーノに気を取られている間にソラウは落ちている失敗作紋章の一つを掴み、その姿を変化させていく。黒のドレス。黒の髪飾り。顔には口元以外を覆うような黒の仮面。破滅の歌姫へと変身したソラウが時空騎士銃槍に付けたマイクを使い、概念無効化の音響弾を放った。
「これで……どうだ!」
戦場に響く滅殺の歌。高らかに歌い上げながらも、ソラウは紋章つかいの隙を探し呪殺弾を撃ち込んでいく。
『行くわよ!』
足元に呪殺弾が落ち、バランスを崩した紋章つかいに向かって、エミリアーノが電撃の斬撃波を放つ。その一撃が紋章つかいへと命中し、足を止めた。
「これで……終わりだよ!」
ソラウが銃槍を振り被り、頭上から叩きつける。大きな爆炎が上がり――倒したかのように見えたが。
「まだまだ! まだ終わらん!」
爆炎の中で叫ぶ紋章つかい。強化された力はまた底を尽きぬようだ。
大成功
🔵🔵🔵
フォルク・リア
「英雄だ正義だと。滑稽だな紋章使い。
お前は此処に英雄が居たなら真っ先に倒される存在だからだよ。」
紋章を手に取り
「この紋章を作る為にも一体どれだけの犠牲があったか……。
しかし、今は考える暇はない。使わせて貰う。」
「装着変身」を行い、体を闇そのものの様な姿に変えると同時に
表の呪い裏の呪詛を発動。
敵の動きを【見切り】攻撃を躱しつつ
精神と肉体を蝕む死の呪詛で攻撃。
敵の攻撃が当たっても体が闇となっている事でその効果を軽減し
受けたダメージは敵に呪詛として肩代わりさせる。
徐々に敵にダメージを蓄積させていき、隙を見て接近。
冥府の闇で敵の翼を貫き、直接敵の体に呪詛を流し込む。
「その紋章お前の体ごと葬ってやる。」
協力してくれると信じていた、それなのに。思い通りにならない猟兵達の様子に、紋章つかいは苛立ちを隠せない。
「何故だ! 何故検体とならぬ猟兵!」
だん、と足を踏み鳴らし怒りを見せる彼の姿を、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は嘲笑う。
「英雄だ正義だと。滑稽だな紋章つかい。お前は此処に英雄が居たなら真っ先に倒される存在だからだよ」
今まで何をしてきたか、考えたら分かり切った事だろう。そう告げると足元にあった失敗作と捨てられている紋章を手に取って。
「この紋章を作る為にも一体どれだけの犠牲があったか……。しかし、今は考える暇はない。使わせて貰う」
強く握り、力を込める。瞬間フォルクの身体が闇に染まった。華麗な衣装も、下がった幾つもの飾りすらも夜よりも黒く。その身に合わせたような呪いを宿した黒の杖をかざし、発動するのは表の呪い裏の呪詛。
「冥府の果てにある忌わしき呪詛。我が手に来たりてその死の力と転変の呪い、現世のものに存分に振るえ」
闇を纏った姿に更なる黒が重なる。冥府へと繋がる闇を纏い紋章つかいへと差し向けるのは内側から湧き上り精神と肉体を蝕む死の呪詛。
「宝石となってその身を差し出せ」
ばさり、と紋章つかいの翼が大きく広がり、月の眼の紋章が怪しい光を放つと、細胞破壊光線がフォルクを狙って放たれる。襲いくる光線を闇を使い逸らし、杖で吸収した分は紋章つかいへ呪詛として肩代わりさせる事で凌いだ。
「何だこの力は……俺の、力が闇に吸われる……!?」
フォルクから紋章つかいが目を離した一瞬。回り込んだフォルクが指から伸ばした闇で紋章つかいの翼を貫いた。
「その紋章お前の体ごと葬ってやる」
言葉と共に流し込まれる呪詛は、紋章ごと黒い翼を腐らせる。
大成功
🔵🔵🔵
フラーウム・ティラメイト
ほう…紋章自体は興味がありますが貴方は気に食わないですね
狂笑しながらそう言いながら紋章を拾ってUC発動しながら分身を召喚した
(恐怖を与えるは常に発動)
姿はhttps://tw6.jp/gallery/?id=175868に仮面を着けた姿です
これが紋章の力ですか、興味がありますが攻撃が当たると危ないですね…
私は視力で敵のUCを見て推力移動で回避して生命力吸収と魔力吸収の力が纏った呪殺弾を放ち反撃
さあ消えなさい!
敵が攻撃したら追撃に因果断絶属性の斬撃波を放ち攻撃
分身達は敵に因果断絶属性の斬撃波と呪殺弾を放つ
敵のダメージが蓄積したら
止めを刺してあげましょう!
私は生命力吸収と魔術吸収のブレス攻撃を放つ
「……紋章自体は興味がありますが貴方は気に食わないですね」
フラーウム・ティラメイト(因果獣と因果を喰らう者『オベイ』を宿す探究者・f38982)の呟きに、紋章つかいがぎらついた眼を向ける。
「興味があるのか、それならこれを使ってその結果を採らせてくれ!」
紋章つかいが差し出す紋章を見て。ふ、と鼻で笑い落ちている失敗作を拾い上げる。
「言ったでしょう。貴方は気に食わない、と」
拾った紋章を身に着けると、フラーウムの背から牙を連ねたような羽が生え、その姿が何人もに分かれていく。本体であるフラーウムの顔には、道化師のような模様の入った黒の仮面。身体のあちこちを保護する黒の部分鎧が花のように広がっていく。
「追撃ですよ……オベイ/因果獣神皇は次元能力と不老不死消滅しても無限強化復活する身体を持ち絶対必中と抵抗無視の因果断絶攻撃をする」
紋章つかいの放つ紋章連脚を、ぎりぎりまで見極めさらりと躱して因果獣の杖を構える。生命力吸収と魔力吸収の力を纏った呪殺弾を生み出すと、軌道を変えつつ紋章つかいへとぶつけていく。
「力が、吸われる……っ」
「これが紋章の力ですか、興味がありますが攻撃が当たると危ないですね……」
紋章つかいの放った攻撃は強化されているフラーウムにしてもかなりの威力と速度だった。躱せて良かったと分身達に合図を出しつつ鍵形の黒剣へと持ち替えて。
「まだまだいきますよ」
フラーウムが因果断絶属性の斬撃波を放ち攻撃すると、それに合わせ分身達は同じ武器を構えて因果断絶属性の斬撃波と呪殺弾を放って追撃。足元、翼を狙われ動きを止められて強化されている紋章つかいと言えども次第に傷が増え、動きが鈍り始めた。
「止めを刺してあげましょう!」
すう、時を吸い込むフラーウム。生命力吸収と魔術吸収を乗せたブレス攻撃が紋章つかいを直撃する。しかし。
「まだ終わらぬ!!」
傷を負いながらも叫ぶ紋章つかい。彼の怒りを吸って、紋章が怪しく輝く。
大成功
🔵🔵🔵
ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ歓迎
あなたの言うこと、分かる部分もあるよ
力に制約と志は必要なの
でも、ぼくはあなたがしてきたことを許せない
あなたが正義だとしても、ぼくは正義って言葉で悪い事を正当化してる
だから、ぼくは正義は好きじゃないの
これを使うのも、ね…
でも、正義を打ち倒すのには、必要なの
装着変身!
体表面を鏡のような装甲で覆った人狼の姿になるの
ぼくも月の力を扱う者
その翼、ぼくが堕とすの
装甲表面をさらに鏡面結界で覆って光線対策
肉体宝石化の影響を受けたら剥離、再展開
剥離した|結界《宝石》にも魔力接続
宝石は古来から魔術師の触媒
利用させてもらうの
ぼくが望むのは、こんな正義がない世界なの
UC発動
満月の力、受けてみるの!
「あなたの言うこと、分かる部分もあるよ……力に制約と志は必要なの」
ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)の言葉に、紋章つかいは喜色を浮かべ歩み寄ろうとする。
「そうだろう! 正当な志を持つ者こそが強くあるべきなのだ!」
「でも!」
遮るように上げられた声に紋章つかいは訝し気に動きを止めた。その間に、ロランは話し続ける。
「ぼくはあなたがしてきたことを許せない。あなたが正義だとしても、ぼくは正義って言葉で悪い事を正当化してる……だから、ぼくは正義は好きじゃないの」
「お前も俺を否定するのか!」
今まで此処に来た猟兵と同じか、と表情を変える紋章つかい。拾い上げた失敗作の紋章を手に、ロランはほろ苦く笑う。
「これを使うのも、ね……でも、正義を打ち倒すのには、必要なの」
好きじゃない。と言葉にはせずに語りながらも、紋章に力を注ぐ。
「装着変身!」
ロランの全身を鏡の様に輝く装甲が覆う。そして、ロラン自身も人狼の姿へと変わっていた。
「ぼくも月の力を扱う者――その翼、ぼくが堕とすの」
「させるか……喰らえ!!」
紋章つかいが背の翼を広げれば、月の眼の紋章が輝き細胞破壊光線を放つ。ロランを狙った光線は鏡の装甲表面をさらに鏡面結界で覆った鎧で反射し、ロラン本人には宝石化の影響を与える事が出来無い。鎧の表面が宝石化しても、はらりと表面がはがれまた新たな鎧が生み出されている。落ちた破片を見たロランが、そちらにも魔力を向けた。
「宝石は古来から魔術師の触媒、利用させてもらうの――ぼくが望むのは、こんな正義がない世界なの」
ロランの顔に魔力の光が走り、毛並みの上を隈取のような模様が覆う。
「うぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉぉん!」
人狼の咆哮が細胞破壊光線を掻き消し、紋章つかいへと魔力の波を叩き込む。衝撃の波に全身を殴られたような衝撃を受け、紋章つかいは大きくよろめいた。
大成功
🔵🔵🔵
ニィナ・アンエノン
おー、変身出来るんだぁ!
じゃあ普通の格好で行こうかな。
その方が気分出るよね☆
にぃなちゃんの思う正義ってヤツともこの人は相容れないし、全力でやっちゃうぞ!
そんな訳で変身!
うーん、黒くてカッコいいし銃も撃てる!
紋章のデザインのせいかちょっとカブトムシっぽいけど、まぁおっけー!
そんな訳でブラスターでの【制圧射撃】をメインに、蹴りと渡り合う事になるね。
相手が好きに動けないように、足をメインに狙って撃つぞ。
敵の【体勢を崩す】事が出来たら、そのチャンスを見逃さないようにしなきゃね!
ガジェッティアレーザーを【早業】で構えてユーベルコードでMAXの数まで増やして【一斉発射】!
紋章ごと撃ち抜くぞ☆
「おー、変身出来るんだぁ!」
グリモア猟兵の説明を聞くなり、歓声を上げて転移の扉へと飛び込んだニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)。変身感が出るように敢えて普通の恰好で向かった先には。
「どうした猟兵、新しい姿になりたいのなら俺に協力すれば良い!」
なんて偉そうに言ってくる男が居て。でもそんなのノーサンキュー。こいつの言っている事は一見正しそうに思えるけど、犠牲を沢山産んだ上での正義なんて正義じゃない。
「にぃなちゃんの思う正義ってヤツともこの人は相容れないし、全力でやっちゃうぞ!」
手近な失敗作の紋章を手に入れ、思い切り力を込めた。
「変身!」
艶を帯びて輝く黒い装甲がニィナの身体を包んでいく。関節部には柔らかい素材が当てられ、ヘルメットには長く伸びた刃のような角。
「うーん、黒くてカッコいいし銃も撃てる!」
手足を一寸動かしてみるが、装甲は固いのに動きに合わせた際にはしなやかで思い切り暴れても妨げにはならなさそうだ。
「紋章のデザインのせいかちょっとカブトムシっぽいけど、まぁおっけー!」
ぱっと取り出したのは、自身の名を冠した光線銃。
「そんな玩具のようなものでどうする気だ!」
蹴りかかってくる紋章つかいの足元を狙い緑色の光線を放つ。時折念動力で軌道を曲げ、バランスを崩させて連続攻撃を受けずに躱しきる。そして出来た隙は見逃さない。続いて用意したのは戦車にも使われそうな大きさの大型レーザー砲。幾つも複製し、紋章つかいを取り囲むと。
「せーの、ばぁん☆」
紋章ごと撃ち抜いてしまえ、と一斉発射。叩き込まれたレーザーが紋章つかいを中心に爆炎を上げる。
「……まだだ、未だ……俺の研究は完成していない……!」
膝をつき、血を吐き出しながらも紋章つかいは唸る。憎々しげに見遣る彼の視線をニィナはヘルメットの下で笑みを浮かべたままさらりとかわした。
大成功
🔵🔵🔵
天瀬・紅紀
日曜朝八時台…
文豪で剣豪で炎使いの変身ヒーロー出た時の僕の気持ち語っておく?
まぁ僕としては…
(落ちてる紋章の中から一つ拾い上げ)
蠍モチーフのが好みなんだけど、ね?
変、身…!
胸に紋章翳し、黄金に輝く蠍座的な何かっぽい軽装甲に身を包み
同時にUC発動
全身を炎で包み、高速移動で先手を狙う
この心の、魂の小さき宇宙を燃やし尽くす!
素早く放つ斬撃波で向こうの足を狙い攻撃
向こうの攻撃は籠手で受け止め返す刃で反撃加え
そもそもてめぇは鴉みたいなナリが気に入らない!
焼鳥にして吊すから覚悟しやがれゴルァ!
喰らえ、スコーピオンスラッシュ!(炎纏った居合い)
|英雄《ヒーロー》に必要なのは必殺技名の格好良さなんだよ…マジで
満身創痍。そんな言葉は似合う状態となった紋章つかいの下へ、新たな猟兵が訪れる。とん、と肩の上で青江貞次を弾ませ天瀬・紅紀(蠍火・f24482)は小さく息を吐いた。
「日曜朝八時台……文豪で剣豪で炎使いの変身ヒーロー出た時の僕の気持ち語っておく?」
「日曜朝……? 何を言っているのか分からんが、変身したいのなら検体となれ猟兵!」
紋章つかいの言葉に応える事無く、紅紀はすっと身を屈めて。
「まぁ僕としては……蠍モチーフのが好みなんだけど、ね?」
手近な所から一つ拾い上げた紋章を構え。
「変、身……!」
掛け声と共に胸に紋章を翳す。瞬間炎が紅紀の身を包むと、黄金の鎧がその身を覆っていった。大きなハサミを模した肩当て、段を為した胸当てに兜からは針のついた尾が伸びる。蠍のような印象を受ける軽装甲に身を包んだ紅紀は、即座にその力を解放する。
「始めるよ――僕も君も燃え尽きるまでこの心の、魂の小さき宇宙を燃やし尽くす!」
先程身を包んでいた炎が再び激しく噴き上がった。片手の刀で斬撃波を放ち紋章つかいの足元を狙い、飛び蹴りを片手の籠手で受け止めるとそのまま斬り付ける。受け止めた手からも炎を放ち紋章つかいの黒い衣装を焦がし違う黒へと変えていく。
「そもそもてめぇは鴉みたいなナリが気に入らない! 焼鳥にして吊すから覚悟しやがれゴルァ!」
頭に浮かんだ鴉が何処かでくしゃみを零している気がしないでもないが、増した気合で紋章つかいを押し切り一旦距離を開くと。
「それだけ紋章を使えるのなら、検体となって俺と……」
「黙れ――喰らえ、スコーピオンスラッシュ!」
自身へと向かって手を伸ばす紋章つかいを、紅紀は勢いよく地を蹴り炎を纏った居合で一刀両断する。刀を振り切った背後でどさり、と倒れる音が重たく響いた。
「英雄ヒーローに必要なのは必殺技名の格好良さなんだよ……マジで」
その点でお前の考える英雄は物足りない、と。変身を解きつつ振り返る紅紀の視線の先で、辺りに転がる紋章ごと崩れ去る紋章つかい。歪んだ正義を掲げた男の唾棄すべき野望は、此処で途切れる事となった。
大成功
🔵🔵🔵