闇の救済者戦争⑳〜悲嘆する祈りの双子はバズれるか
●予知:五卿六眼が呼び出す超常存在。
ダークセイヴァー第二層の一画。
大量の血管が張り巡らされ、おびただしい量の血液が流れる大地に、その者たちはいた。
最も古く、故に最も弱きフォーミュラを自称する、闇の救済者戦争の発端となったオブリビオン。
ダークセイヴァーを真に支配する『|五卿六眼《ごきょうろくがん》』の一員、『祈りの双子』だ。
「「……『欠落』を知られてはならぬ……。
……しかし、わたしたちは最も古く、故に最も弱きフォーミュラ……。
……最善を尽くしたが、もはや……」」
双子は、闇の種族の弱点である『欠落』と呼ばれる物を猟兵たちに察知されたことで、第三層以下を鮮血に沈めて隠そうと目論んでいた。
だがその目論見も、猟兵たちの活躍により妨げられ、失敗しそうとしている。
今まさに、オブリビオン・フォーミュラの首に猟兵たちの刃が届きつつあるのだ。
「「……否。諦めはしない。わたしたちは鮮血の大地に潜り、猟兵達を迎え撃つ……。
……この大地は、これまでこの世界で流された『全ての血液』……。
……無限の鮮血を贄としたとき、わたしたちは最強……」」
祈りの双子が猟兵たちを迎え撃つために、大地から溢れる膨大な鮮血を生贄に捧げて祈りを行う。
それが彼女たちの能力、『生贄魔術』。
無限の鮮血を贄として、最強の力を行使するものだ。
「「……それでも、これでようやく猟兵と五分……。
……わたしたちは最も古き『はじまりのフォーミュラ』として……。
……ライトブリンガー、かつてあなたたちと戦った時のように……。
……六番目の猟兵達との戦いに、死力を尽くしましょう……」」
そうして、悲嘆の表情を浮かべる双子の目の前で、鮮血の中から超常的な……。
「らっしゃぁぁぁい!」
「「……!?……」」
鮮血の中から勢いよく飛び出した、真っ赤に染まった超常存在。
その耳を、その面を、その手に握る|HPAH《ハンマーパイナッポー&アッポーハンマー》を、猟兵たちは知っている。
だが、カラーリングは異なるパチモンだ。
「鮮血の中よりこんにちは! いつもニコニコあなたの隣に現る妖怪!
新血親分『バスリブラッディ』ただいま現着!」
「「……何だ、これは……」」
お知らせします。シリアスは死にました。
全身赤色のパチモン的超常存在が、召喚者である祈りの双子の間に挟まる。
双子は状況を理解できず、片目ずつの目をまくるして慄いている様子だ。
「よくぞワイちゃんを呼んでくれたなおっかさん!
もう大丈夫! なぜって、ワイちゃんが来た!」
「「……そうか……」」
「かーっ! テンション低いやん! もっと盛り上がっていかんと!
これから猟兵さんたちとの白熱したバズリバトルが始まるっていうのに、そんなんじゃ勝てへんで!」
「「……バズリ、バトル……?」」
困惑する双子に、意気揚々とバズリブラッディが説明する。
なぜだろうか。バズリブラッディの勢いに合わせるように、辺りの鮮血が波打ち始めている。
粋なリズムを感じさせる。
「如何にもタコにもナマコにも!
ここにゃ血の記憶っちゅう|観客《オーディエンス》がぎょうさんおるやん?
そのみんなを楽しませ、笑わせて、喜ばせて! より多くの『いいね』を獲得したら勝ちや!
なお敗者にはワイちゃんと一緒に楽屋裏に沈んでもらう」
鮮血が波飛沫を立て、拍手するような音を立てる。
器用なことである。
一方で、状況を把握できない祈りの双子は戸惑ったままだ。
「「……なぜ、そのようなことをしなければ……」」
「はーん? 勝ちとうないん? ええの? 真っ向勝負やったら言っちゃ悪いけど勝ち目薄いで姉ちゃんたち。
今こそ殻を破って、猟兵を超える! その千載一遇のチャンスやないか! ここで立たなきゃ女が廃るってもんですよ!」
「「……それは、そう、なのか……?」」
熱く訴えるバズリブラッディの勢いに押され、双子は不承不承と頷いてしまう。
同意しましたね? ではバズリバトルで決定です。
ちなみに、『いいね』は鮮血の中からゴポゴポと出現する真っ赤なハートであり、それが空中に漂うほど人気を獲得していることを証左します。
「さあ、始まるでエブリワン!
ここが此度の天王山! 天下分け目の百年戦争! 盛り上がってこいやぁ!」
いつの間にか|バズリブラッディ《超常存在》に仕切られている血の戦場が、ほのかに湧き立っていた。
●招集:もう一度言います。シリアスは死にました。
猟兵たちを呼び集めたグリモア猟兵が重々しく口を開く。
「……世の中には、死者を盛大に見送る葬儀もあります。
離別の悲しみを乗り越え、死する方を未練なく送り出すという……。
この鮮血も、犠牲となったダークセイヴァーの方々も……この大騒ぎで少しでも気を楽になれば、と……。
今回も、まー、そんな感じで?」
言い訳を終えて、バルタン・ノーヴェがミッションの内容を説明し始める。
用意したプロジェクターに映し出されているのは、トンチキであった。
新血親分『バズリブラッディ』、一体何者なのだろうか。
関係は無いがカクリヨファンタズムにいる新し親分『バズリトレンディ』はテレビの前で軽焼きを食べてるので無関係です。
「お許しくだサイ、これもまた可能性の一つなのであります!」
殺伐としたダークセイヴァーにバズリ概念を持ち込んだ罪は、今はお許しください。
トンチキであっても、オブリビオン・フォーミュラを討つためには必要なことなのである。
ポチッとスライドを操作して、今回のターゲットである祈りの双子、そして彼女たちが召喚した超常存在のデータを提示するバルタン。
「という訳で、今回はバズリバトル!
五卿六眼『祈りの双子』を撃破することが目的であります!
周囲に|溢れる鮮血《オーディエンス》を生贄として、超常存在に対抗できる|恐るべき存在《トンデモプラン》を召喚してくだサーイ!
ダークセイヴァー由来、異世界由来、猟兵オブリビオン民間人、一切不問!
このモンスターに負けない、バズれる存在を提示して相対するのであります!」
盛り上がるバズリブラッディよりも盛り上がれる、すごいものを呼び出さなければ勢いに飲まれて沈んでしまうだろう。
もちろん、ボケだけには限らない。ツッコミもOKだ。
終始真面目に、シリアスに対峙することもできるが……それはきっと、非常に苦しい戦いを強いられることになるだろう。
成否ではなく、空気的な意味で。
「ちなみに鮮血の生贄方法でありますが、ノリと勢いに応じて鮮血の中にいる皆様がご協力してくれるようであります!
もちろん、各自の魔術や呪術、科学に技術を活用してもらってもOKデース!」
バズリブラッディの影響か、かつて血を流した人々の記憶の残滓が残っているのか、この鮮血は猟兵たちにも力を貸してくれるようだ。
……本当にこれも、弔いの形なのかもしれない……。
おっと、失礼。シリアスは死んだのだった。
「それでは……皆様、決戦の時であります! よろしくお願いしマース!」
バルタンがグリモアを起動して、現地までのゲートを展開する。
プロジェクターには、バズリブラッディに指導を受けている双子が映し出されている。
あれを超えるバズリを披露して、ダークセイヴァーを解放する。
そのための戦いが、幕を開ける。
リバーソン
こんにちは。リバーソンです。
マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。
マスターコメントをバズリブラッディに奪われそうになりましたが、耐えました。
今回のシナリオは一章構成です。ダークセイヴァーの戦争シナリオとなります。
鮮血に満たされた第二層の大地にて、五卿六眼『祈りの双子』を制圧することが目的です。
祈りの双子の欠落は健在ですが、無敵能力はなく普通に攻撃して倒すことが可能です。
ただし、召喚された超常存在が襲い掛かってくるため、そちらへの対処は必須です。
シリアスに徹しても構いませんが、呑まれないよう気を強く持ってください。
プレイングボーナスは、『周囲に溢れる鮮血を生贄として、超常存在に対抗しうる「恐るべき存在」を召喚する』ことです。
オープニングにあるようにトンチキシナリオなのでご注意ください。
また、危険すぎるネタや過度なお色気など、MS判断でマスタリングさせていただくことがあります。ご了承ください。
オープニング公開後、断章を公開します。
プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
皆様、よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『五卿六眼『祈りの双子』』
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POW : 化身の祈り
自身の【支配するダークセイヴァーに溢れる鮮血】を代償に、1〜12体の【血管獣】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
SPD : 鮮血の祈り
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【支配するダークセイヴァーに溢れる鮮血】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ : 双刃の祈り
自身の【支配するダークセイヴァーに溢れる鮮血】を代償に【血戦兵装】を創造する。[血戦兵装]の効果や威力は、代償により自身が負うリスクに比例する。
イラスト:ちゃろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●断章:ただいまバズリ習熟中。
猟兵たちが現れるまでの間に、五卿六眼『祈りの双子』は新血親分『バズリブラッディ』からバズリの教導を受けていた。
バズらなければ負ける以上、真剣に取り組もうというのだろう。
どこか不揃いの血管獣を召喚して、バズリブラッディに披露している。
「「……こちらの血管獣、ただいま欠陥中……」」
「…………。あかん、滑るなぁ」
だが、これまでユーモアを経験してこなかったのだろう。
双子はバズリに四苦八苦していた。
辺りの鮮血からはまったく『いいね』は飛んで来ない。
溢れる鮮血を代償に捧げて祈っても、一向に成功する様子がないのである。
「しゃーない。ワイちゃんがオフェンスで気張るしかないなー。
双子ちゃんは後ろの方で隠れといて。せいぜい守ったるさかい」
「「…………」」
自らが召喚した超常存在に見限られつつある祈りの双子は、悲嘆に喘ぐ……ことはなかった。
彼女たちにだって、オブリビオン・フォーミュラとしての自負があるのだ。
顔を上げた二人は手を合わせて、再び祈り、鮮血を捧げる。
「「……出でよ、血管獣……」」
「お?」
鮮血の中からもふもふフワフワな毛並みのワンコやニャンコが召喚される。
これはこれは可愛いアニマルズ。十分にバズれますね。
『いいね』がチラホラと浮かび出す。
「「……出でよ、血戦兵装……」」
「ほほう」
鮮血の中からハリセン、タライ、フラフープといった血戦兵装が創造される。
小道具を活かしたボケ・ツッコミを敢行するのだろう。
今後の活躍に期待するように『いいね』が生じる。
「「……わたしたちは五卿六眼『祈りの双子』……。
……絶対に、猟兵には屈しない。きりっ……。
……この戦いが終わったら、ライトブリンガーに告白するのだ……。
……もうすぐ、腐敗の王の誕生日だ。プレゼントを用意しなければな……。
……紋章つかいは……まあ、いいだろう……」」
「怒涛の死亡フラグ建築か……!」
これだけ積み立てればあらゆる行動に成功するだろう。たぶん。
『いいね』がじわじわと現れて、双子の周りに漂い始める。
祈りの双子の熱意に、バズリブラッディも目から血の涙が流れる。
「ようやった……! それでこそワイちゃんのママたちよ!
よか|女子《おなご》たい! ならば駆け上がろうぜ、このバズリ坂をよ!」
「「……あらほらさっさー……」」
トンチキに|習熟《精神汚染》してきた祈りの双子が武器を手に、猟兵たちの到来を待ち構える。
大地に満ちる鮮血たちは、オブリビオンと猟兵の熱い戦いを今か今かと待ちわびているように、激しく波打つのであった。
そしてバズリブラッディは|HPAH《ハンマーパイナッポー&アッポーハンマー》を使ってリンボーダンスを披露していた。
ウィルヘルム・スマラクトヴァルト
これだけの血がダークセイヴァーで……って、
シリアスを、シリアスを返して!
ともかく、魔王ルシファーを召喚しましょう。
「えーそろそろ闇の救済者戦争も終盤でっけどね」
ズパーン!(ルシファーのツッコミで頭はたかれて鮮血の大地の中まで突っ伏す)
ルシファー「何無理くり関西弁使てんねん!気持ち悪いわ!」
そんな感じで、私がボケ、ルシファーがツッコミのドツキ漫才を演じましょう。
ルシファーがそんなのに付き合ってくれるのかって?
|溢れる鮮血《オーディエンスというギャラ》がそこにあるでしょう?
え?戦闘やるんです?バズリで勝てばいいのでは?
まぁ、やるなら祈りの双子を血戦兵装もろとも
ルシファーに蹴散らしてもらいましょう。
●先鋒、突進のイェーガー!
「これだけの血がダークセイヴァーで……って、シリアスを、シリアスを返して!」
誰よりも速くスピーディーに戦場へ駆け付けた、エメラルドのクリスタリアン!
勇猛果敢な騎士、ウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)が慟哭を上げている。
だが、シリアスは死んだのだ。死んだのだよ、ウィルヘルム……。
「「……シリ、アス……?」」
何ということでしょう。
バズリに適応した結果、祈りの双子はシリアスを忘れてしまいつつあるようです。
いい調子だとバズリブラッディもご満悦。
|閑話休題《それはさておき》。
「よう来はったな猟兵さん! |お茶漬け《ブブヅケ》どうどす?」
「いえ、結構です。えーと、ともかく……」
バズリブラッディのもてなしを丁寧に断り、バズるためにウィルヘルムは最適となるユーベルコードを考え、選択する。
ブブヅケの意味が通じなかったのか意図的に無視されたのか、どちらにせよバズリブラッディはしょんぼりしているが、そんなことはお構いなしにウィルヘルムはユーベルコードを展開する。
「ともかく、魔王ルシファーを召喚しましょう!」
詠唱を破棄されて行使される《魔王ルシファー召喚(コール・ルシフェル)》。
ウィルヘルムの身体から光と闇の術を操る悪魔『ルシファー』が召喚されるのだ。
輝かしい明けの明星がゆっくりと目を開き、ウィルヘルムを見下ろしている……。
ウィルヘルムは小さく微笑みルシファーを見上げ、口を開く。
「えーそろそろ闇の救済者戦争も終盤でっけどね」
ズパーン!
挨拶を口にしたウィルヘルムの頭をルシファーが叩く!
鋭い一撃により、ウィルヘルムは鮮血の大地の中に突っ伏した!
「何無理くり関西弁使てんねん! 気持ち悪いわ!」
「いや、せやかてルシファー。これそういうものだかr、あ。やからね?」
「へたくそか!」
起き上がるウィルヘルムにさらに追撃を仕掛けるルシファー。
緑のボディに赤の色彩は良く目立つ。
出だしは上々、『いいね』も程よく湧き立って、場が温まっていく。
二人の漫才は好感触である。
「私だってね、一生懸命なんです! 少しでも、この世界を……変えたい!
その一心で、やっと! 猟兵になったんですっ!」
「アンタが猟兵なったん四年以上も前やろがっ!」
愉快な漫才に鮮血の大地も盛り上がる。
祈りの双子は真剣な様子でウィルヘルムたちの漫才を鑑賞して、メモを取っている。
真面目か。
「へぇ、おもろいやん。せやけど、解せんな……あの悪魔、命令に従わせるには相応の交渉が……代償が必要……ハッ!」
バズリブラッディは気づいたようです。
なぜ強大な悪魔であるルシファーがウィルヘルムの|ドツキ漫才《そんなの》に付き合ってくれるのか。
その答えは、|溢れる鮮血《オーディエンスというギャラ》にある!
そう! |銭《ギャラ》や! |銭《ギャラ》がそこにある以上、ルシファーさんは何でもするぞ!
「そういうことやったか! ……なら、やることはわかったな双子ちゃん?」
「「……なるほど。オーケー、完璧に理解した……」」
メモ帳を仕舞った祈りの双子は、溢れる鮮血を代償に血戦兵装『ハリセン』を創造する。
《双刃の祈り》によって形成された武器の効果や威力は、結構な代物だ。
突然武装してにじり寄る双子に、ウィルヘルムは驚いた様子だ。
「え? 戦闘やるんです? バズリで勝てばいいのでは?」
「「……そう。そして、ツッコミの座を勝ち取れば……あなたの『いいね』はわたしたちのもの……。
……バズるのは|猟兵《あなた》ではない、この|五卿六眼《わたしたち》よ……」」
なんと、祈りの双子はウィルヘルムから『いいね』を奪うため、ルシファーに成り代わりツッコミを入れようというのだ!
これはいけませんね。
「まぁ……。ルシファーさん、どないしましょ?」
「|悪魔《人》の|金《ギャラ》を横取りしようとは良い度胸だオラァ!!」
「「……うわー……」」「ちょっ、こっちぐえええ!?」
ルシファーさんの渾身のラリアットが祈りの双子を蹴散らした!
ルシファー、恐るべき存在……!
ふっ飛ばされた双子はバズリブラッディを巻き込み、三人は鮮血の大地に頭から突っ込んだ。
そのざまを見て、辺りの|鮮血《オーディエンス》も大いに賑わっている。
たっぷりと『いいね』を獲得したウィルヘルムの先制点が燦然と輝いている。
「ありがとうございました」
ウィルヘルムは最後の挨拶まで礼儀正しく、花丸満点であった。
大成功
🔵🔵🔵
サク・ベルンカステル
「許さぬ、断じて赦す事など出来ぬ!!!」
故郷をオブリビオンに滅ぼされた男は黒剣を突き付け叫ぶ
「シリアスは死にました、だと?🔵1つを争う血沸き肉踊る接戦を友(ふりはライバル)と争うランキング争いの最中にシリアスは死にました、だと?」
バズリブラッディに切っ先を突き付け尚叫ぶ
「赦さぬ!運営が赦そうと我は赦さぬ!」
だがここを越えぬ訳にはいかない
UC剣鬼顕現を使用する
闇の血の破壊衝動を怒りのままに一切抑えることなく6本腕の悪鬼羅刹の姿となり、ハリセンの替わりに黒剣、随行大剣4本、黒刀を構える
「さぁボケるがいい。我が渾身のツッコミを披露しよう」
全身を細切にするべく剣鬼の全身より殺気が立ち上る
●シリアスは死んだって言ってるでしょ!!
「許さぬ、断じて赦す事など出来ぬ!!!」
故郷を吸血鬼と異端の神の争いにより滅ぼされた男、サク・ベルンカステル(幾本もの刃を背負いし剣鬼・f40103)は異端の血を啜る呪われた黒剣『漆黒ノ魂滅』をバズリブラッディへと突き付け叫ぶ!
半魔半人とされ復讐を誓い、戦場を彷徨い渡り歩いたサクの表情には、強い怒りと復讐心が露わになっていた!
……シリアス、だと……!
「シリアスは死にました、だと?
🔵1つを争う血沸き肉踊る接戦を、|友《ライバル》と争うランキング争いの最中にシリアスは死にました、だと?
赦さぬ! 運営が赦そうと我は赦さぬ!」
ナイス! メタ視点によりシリアス回避です!
闇の救済者戦争「⑳五卿六眼『祈りの双子』」部門猟兵ランキングの首位、おめでとうございます。
他の猛追している方々も頑張ってください!
「フハハハハ! 例え貴様が赦さなくとも、この大地のシリアスは既に息絶えたわ!
その証拠に、見よ! この祈りの双子の有様を!」
切っ先を突き付けられたバズリブラッディが高らかに笑い、祈りの双子の肩を抱いてアピールする。
抱き寄せられた祈りの双子の腕の中には、ダークセイヴァーに溢れる鮮血を生贄にして発動した《化身の祈り》で召喚した、プリティでチャーミングな小動物系の血管獣たちがいた。
うるうる瞳が愛らしいぞ! オブリビオン・フォーミュラの誇りはどこへいったのか!
「「……アニマルは、バズる……」」
「くっ……! 小動物か……!」
強大な壁として立ちはだかる、双子が提供する動物ネタ。
可愛らしい動物というものはいつの時代も人気なのである。
|鮮血《オーディエンス》から溢れる『いいね』は絶賛増量中、祈りの双子の周りを赤々と廻っている。
このままでは、サクは劣勢となるだろう……!
「ふっ。そこまでシリアスな貴殿では、ワイちゃんらには適うまい……!」
「……だが、ここを越えぬ訳にはいかない……ならば!」
負けてはいられないと、気合を入れたサクがユーベルコードを使用する!
全身を、暴走させた体内の闇の血液を超硬度に固めた装甲で覆い、六本腕の悪鬼羅刹の姿へと変身する!
《剣鬼顕現(ケンキケンゲン)》!
身長も武器も、攻撃力や防御力すらも三倍になる、巨神の如き剣鬼の姿だ!
カワイイにはカッコイイで対抗だ! 男の子ってこういうの好きでしょ? うん、大好きさ!
真の姿イェーガーカードの完成おめでとうございます。
「おお……! カッコイイ……!」
「貴様等は……ここでツッコむ」
少年青年の|鮮血《オーディエンス》から『いいね』を集め、毅然としたサクが前に出る!
サクは闇の血の破壊衝動を一切抑えることなく、その手に握った武器を怒りのまま振るう!
ハリセン替わりの切れ味鋭い黒刀で、バズリブラッディへ|攻撃《ツッコミ》する!
「は!? ちょい待ちぃ! ワイちゃんは何もボケ、ぐほぉ!?」
バズリブラッディの喉にキレのいい斬撃が叩き込まれる。ナイスツッコミ!
傷口から赤い液体が零れ落ちるが、バズリブラッディはまだ健在である。
「ゴホッ! ま、待たんかい! 人の話をぎゃあああ!?」
喋らせはしないとばかりに! バズリブラッディの胴体を左右から挟むように! 随行大剣『黒刃紅輝』と随行大剣『黒刃紫輝』が追撃する!
息もつかせぬ怒涛の連続ツッコミ……これぞサクのボケ殺しだ!
「さぁボケるがいい。我が渾身のツッコミを披露しよう」
「せやからまだボケてねぇぇぇ! 痛、ぎゃあああ!?」
バズリブラッディの脳天に黒剣『漆黒ノ魂滅』が振り下ろされ、何ということでしょう。
バズリブラッディが鮮血の中に沈んでしまうではありませんか。
その背中を執拗に追撃するサクさん。
二本と随行大剣と合わさって、餅つきの如きリズミカルな連係プレイでバズリブラッディを袋叩き(刻み)だ!
「ぐわああああ!!」
「「……隙あり……」」
悲鳴を上げることしかできなくなったバズリブラッディ。
その様子を唖然と眺めていた祈りの双子が、我に返った。
サクが攻撃に専念しているならば襲撃のチャンスだと思ったのか、抱きかかえていた血管獣をサクにめがけてスローイング!
当たればサクにダメージを与えられる、迎撃すれば動物を痛めつけたことで印象が悪くなるという二段構えだ!
動物を投げたことに関して? せやね。(双子の『いいね』が減りました)
だが。
「問題ない。刃は裏切らない」
「「……なん……だと……」」
そんな思惑は関係ないと言わんばかりに、待ち伏せていた随行大剣『怨剣ミチマイ』が双子の送り出した血管獣を傷つけないよう受け流して大地に下す!
そして反撃として、控えさせていた随行大剣『邪剣ペトリュス』を双子に向かわせる!
鞭の様にしなる刀身が双子の脚裏をパァンと叩いて転ばせる!
鮮血の中で倒れ込んだ三人の前に、全身から殺気を立ち昇らせてるサクさんが仁王立ち。
「「……あ……」」
「いやあ……油断しとった。あんさん、意外といけるやん……?」
「さあ立て。まだ我がツッコミは始まったばかりだぞ」
「せやから……ワイちゃん、まだボケとらぁん!」
「知ったことかっ!」
イッツ、ショータイム!
ズンバラリンとバズリブラッディの全身は細切れにされ、袋叩きにされる祈りの双子。
次の猟兵が登場するまでの間、憎き怨敵をフルボッコにする剣鬼がそこにいるのであった。
成功
🔵🔵🔴
鵜飼・章
鮮血を生贄として生まれた
恐るべき存在の鵜飼章(UC産)です
まずこの程度の出オチをかませないとね
僕は気分を害しています
ここってこういう芸風の世界だから
もっと陰惨な光景が色々見られると思ったのに
今回全体的に生温いじゃないか
五卿六眼の人達に至っては
正義とか正々堂々とか友達とか言いだすし
陰湿さの教育不足を感じる
きみたちフォーミュラがそんな有様だから
こんな情けない事になるんでしょ
仕方ない…
鮮血から解剖用僕を召喚
解体とか目潰しとか拷問とか
こうやるんだよわかる(※規制シーン)
?
僕が僕を殺して何が悪いの
安心しなよ
次はきみたちがこうなる(精神攻撃
お気持ち表明からの炎上バズ狙い
僕は恐るべき存在…サイコクレーマーだ
●出血大サービス回。
猟兵との戦いで傷ついた身体を鮮血に浸して癒している新血親分バズリブラッディ。
リラックスしている彼女の目の前で、激しい勢いで血柱が噴き上げられた。
「なんやっ!?」
溢れる鮮血の濁流の中から登場するのは、鮮血を生贄として生まれた恐るべき存在。
鵜飼章(ユーベルコード産)だ。
「まずこの程度の出オチをかませないとね」
そしてその背後には、ミステリアスな猟兵である鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)が佇んでいる。
どういうことなのだろうか? 視聴者の皆様に説明しよう!
章の行使するユーベルコード《シュレディンガーの猫》により、オリキャラ【鵜飼章】を鮮血を生贄に具現化させたのだ!
敵の度肝を見事に射抜くエントリーである。
「ほ、ほほーう? 自分を増やして双子に対抗するつもりかいな?」
「僕は気分を害しています」
おや、シリアスか? と、|鮮血《オーディエンス》がざわめく中、章と章は淋しげに微笑み祈りの双子へ手を差し出す。
どっちの章かわからなくなるので、以降はユーベルコード産の章さんは【章】と呼称します。
「ここってこういう芸風の世界だからもっと陰惨な光景が色々見られると思ったのに。
今回、全体的に生温いじゃないか」
「「……そんなこと、わたしたちに言われても……」」
どうやら章は、もっと刺激が欲しいようです。
困惑しつつも《鮮血の祈り》を捧げてバズリを成功させようとする双子とは対照的に、章は静かに語り出す。
「五卿六眼の人達に至っては正義とか正々堂々とか友達とか言いだすし……陰湿さの教育不足を感じる。
きみたちフォーミュラがそんな有様だから、こんな情けない事になるんでしょ」
「「……そんなこと、わたしたちに言われても……」」
「はっ、いかん! 双子ちゃん、それは!」
章の巧みなトークに言いくるめられ、祈りの双子がつい相槌で返答してしまう。
同じ言動を繰り返す仕草、それは天丼という|バズリ作法《お笑いの手法》の一種である。
だが、天丼はうまく使いこなせなければバズることはなく、ただの流れ作業になってしまうのだ!
話の主導権が双子から章たちへと移り、機を見た【章】が行動を開始する。
「仕方ない……教えてあげるよ」「こうやるんだよ、わかる?」
「何を始めるんです? 幽体離脱とか?」
警戒するバズリブラッディの前で、手始めに【章】は鮮血の中から新しく【章】を召喚する。
ついでにテーブルも出して、その上に新【章】を横に寝かせて……。
【章】が昆虫標本を作成するための道具一式『少年の日の思い出』や、メスや鋏などの医療器具『人間失格』を構えまして……。
おっと、拷問タイム。
「何してんだおまえぇぇぇ!?」
「「……ほう……」」
血生臭い戦場に、ルール無用の解剖シーンが展開される!
バズリブラッディが頭を抱えて絶叫し、|鮮血《オーディエンス》から悲鳴とブーイングが殺到する!
これはまずいですよ! 死因の方々もおられますよ!
祈りの双子も興味深そうに眺めちゃっています。モザイク仕事して!
「おま! おまえぇ! 番組が一気にスプラッタァン! になっちまったやん!
敵より早く自|身《陣》を真っ赤に塗り潰せってか! なにやっとんねんワレェ!」
「? 僕が僕を殺して何が悪いの」
「「……たしかに……」」
「納得すなぁぁぁ!!」
【章】のあまりの凶行にバズリブラッディもツッコミに回ってしまった。
こうなっては『いいね』を集めるどころでは……おや? 多少『いいね』が湧いております。
もしや同好の士がおられたか……いえ、これは怒りの意思表示っぽいですね。
炎上芸である。【章】の周囲に怒りの『いいね』が咲き誇っております。
「安心しなよ。次はきみたちがこうなる」
「「……やれるものなら、やってみせよ……」」
「だからやめーや! グロ描写やめーやっ! ああー、もう滅茶苦茶やぁ!」
恐るべきサイコクレーマーの出現により、戦場は阿鼻叫喚の地獄絵図になってしまった。
穏やかに微笑む【章】と額に汗を滲ませる祈りの双子が武器を構えて対峙する中、鴉の羽を模した解体用の黒い鉈『羅生門』を手にした章が落ち着いてバズリブラッディの背後に回り込んでいる。
ツッコミに夢中になっているバズリブラッディは、章の動きに気付かない……!
|HPAH《ハンマーパイナッポー&アッポーハンマー》を握る手を抑えられ……もう逃げられないぞ!
「えっ……?」
「君もだよ」
「んなっ!? い、いつの間に、あ、ちょっと待って待ってタンマッ!」
「待たないよ。人間から逃げるなよ」
|炎上《非難が殺到》する鮮血の大地で【章】が祈りの双子と削り合う中、章に解体されるバズリブラッディの断末摩が響き渡るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夜久・灯火
ええと…随分とカオスな事になってるね?
それじゃあ、ボクもノリと勢いで行こうかな。
今回はスカイホエールに乗って空から出撃。
まずは召喚の下準備で、外部スピーカーを通してアイドルアニメの曲を流そうか。
歌唱に特化したアイドルのゲームキャラも召喚して、スカイホエールの甲板の上でマイクを持って歌って、ライブを披露しよう。
ボクはスカイホエールを運転しつつ、後方プロデューサー面しながら恐るべき存在をイメージ。
そして、サビの部分で曲が唐突にロボットアニメの主題歌のサビに変化!
一緒に叫ぶよ、究極で無敵のキャット!
この勢いで猫っぽい見た目の巨大ロボを召喚するよー!
悪の炎を消すために、肉球ビームを放っちゃえ!
●歌唱はステージを盛り上げる! 参上究極無敵猫!
「ええと……随分とカオスな事になってるね?
それじゃあ、ボクもノリと勢いで行こうかな」
鯨を模した飛空艇『スカイ・ホエール』の上から混沌とした戦場を見下ろすのは、猫っぽいキマイラの女の子。
夜久・灯火(キマイラの電脳魔術士・f04331)は乾いた笑みを浮かべながらもこの状況に適応していた。
灯火はプロゲーマーであり、場を盛り上げるノウハウも承知している。
もふもふの狼の尻尾を揺らしながら、下準備として外部スピーカーを通してアイドルアニメのテーマソングを流して、鮮血の大地を盛り上げていく。
「さあ、始めるよ」
「なんやと……! これは、飛空艇からミュージックか……!」
慄くバズリブラッディが見上げる中、祈りの双子は冷静に溢れる鮮血を代償にして、血戦兵装として楽器を創造する。
ギターとベースを装備して、灯火との音楽バトルに対抗すべく構える。
「「……《双刃の祈り》、演じます……」」
『スカイ・ホエール』から流れる音楽に負けるものかと、熱を込めて演奏する祈りの双子。
大地に満ちる鮮血は良い感じにヒートアップしていく。
眼下の様子を眺め、灯火は笑って頷きユーベルコードを起動する。
「いいね。それじゃエキスパートの皆さん、出番だよー!」
ミュージックに合わせ、『スカイ・ホエール』の甲板に九人のアイドルキャラが召喚される。
それは《エキスパートキャラクターズ》!
灯火自身の所有するゲームデータの中から、技能レベルを100で使用できる9体のゲームキャラクターを召喚するユーベルコードだ!
ゲームデータに応じて『歌唱』技能に特化したアイドルたちがマイクを手に、スピーカーから流れるBGMと共にハツラツとしたライブを披露する!
祈りの双子の演奏と、アイドルたちの Sing a Song!
|鮮血《オーディエンス》の『いいね』はこれまでにないほど湧き立っている!
「ええやん、ええバズリやん……!
血の大地に沈められたり細切れにされたり残虐プレイ食らったりしたけど、こういう正統派なバズリもええんやで……!」
「いいね、いい調子だ。それじゃ……クライマックスだ!」
後方プロデューサー面をして立っているバズリブラッディ。
そして灯火も『スカイ・ホエール』を運転しつつ、後方プロデューサー面をしていた。
そして灯火は、空中に漂う数多の『いいね』を活用し、鮮血を生贄に恐るべき存在を召喚する!
アイドルたちの歌が、サビの部分で唐突に変化する。
それは、燃えあがる熱い魂の曲! ロボットアニメの主題歌だ!
突然変化した曲調に追いつけない双子の前に、恐るべき巨大ロボットが召喚される!
「みんな、一緒に叫ぶよ! せーの、「「|究極《パーフェクト》|無敵《ストロンゲスト》|猫《キャット》!」」」
灯火とアイドルたちが声を揃えて叫ぶと、猫っぽい見た目の巨大ロボットが鮮血の大地に降り立った!
これぞ恐るべき巨大ロボット、パーフェクトでストロンゲストなキャットロボだ!
辺り一面に『いいね』がたっぷりと溢れております。
「なん……やと……!」
「「……路線変更……! ……ここで、熱を入れるとは……!」」
「悪の炎を消すために、肉球ビームを放っちゃえ!」
『にゃーん!』
慄く悪の炎、すなわちバズリブラッディと祈りの双子に向けて、キャットが掌からビームを照射する!
かっこいい必殺技を浴びて、祈りの双子は吹き飛び、バズリブラッディは光の中で蒸発して逝った。
「究極、無敵、猫!」『にゃーん!』
最後に決めポーズを披露して、『いいね』を集めた『スカイ・ホエール』はゆっくりと戦場を後にしていくのであった。
成功
🔵🔵🔴
川巳・尖
他世界の戦場を侵食できるなんて流石は新し親分、じゃなくて新血親分か
用意してくれた舞台、思いきり楽しませてもらうね
バズるってやっぱりアレでしょ、"歌ってみた"ってやつ
相手は双子だし丁度良いかも、完璧で究極のアイドル、覚えたてを披露しちゃうよ
超常存在って何でも召喚できそうだし、舞台も衣装も音響も良い感じのを出せるよね?
水妖夜行もパフォーマンスに使えるだろうし、歌いながら"踊ってみた"もやっちゃおうか
あっちも血戦兵装なんて出してくるみたいだけど、リズムに合わせて回避、撃墜すればもっと盛り上がりそう
あたいなりの弔いを、祈りを届けるよ
召喚ついでに動画の撮影、頼めないかな?
後で知り合いに見せたくってさ
●スタイリッシュアイドルバトル!
「他世界の戦場を侵食できるなんて流石は新し親分、じゃなくて新血親分か」
「お褒めに預かり恐悦至極」
幽世から外宇宙の世界に迷い込んできた記憶喪失の不思議な妖怪。
川巳・尖(御先・f39673)は愉快そうに微笑んで戦場に現れた。
尖の言葉に笑顔で答えるバズリブラッディ。その隣では、祈りの双子が《双刃の祈り》を構えを見せている。尖のアクションに合わせて血戦兵装を創造できるようにスタンバっているのだ。
「用意してくれた舞台、思いきり楽しませてもらうね」
「「……カモン、ベイベー……」」
オブリビオン・フォーミュラを前にしても、楽観的な尖は気負うことなくバズる方法を思案して……そして思い至る。
「バズるってやっぱりアレでしょ、"歌ってみた"ってやつ」
|鮮血《オーディエンス》を生贄に、尖がイメージする恐るべき存在……。
綺麗で鮮やかなステージが展開されていく!
音響、照明、エトセトラ! 観客席もバッチリだ!
身嗜みに無頓着な尖の代わりに|鮮血《オーディエンス》たちが生前のファッションセンスを集合知して、尖に相応しいアイドル衣装を作り出す!
「そうだ、召喚ついでに動画の撮影、頼めないかな? 後で知り合いに見せたくってさ」
かまわないとばかりに大地から溢れる膨大な鮮血から撮影機材も出現する。
録画用の媒体はお好みのものを用意させてもらったぜ!
「ありがとう」
「マジかこの子、自分の都合のいい舞台を召喚しおった……!
お、恐ろしい子……!」
劇画風に驚くバズリブラッディと対照的に、表情を変えない祈りの双子はこの場に相応しい血戦兵装を定めた。
すなわち、こっちもアイドル衣装の展開だ!
片目ずつの瞳の中に星を瞬かせ、ステージに上がりスタンバイOKである!
「相手は双子だし丁度良いかも。完璧究極なアイドルソング、覚えたてを披露しちゃうよ」
「「……負けない……」」
鮮血の大地にてアイドルバトルが披露される。
COOL系の祈りの双子に、CUTEな尖のパフォーマンス!
二つの属性がぶつかり合う戦場で、|鮮血《オーディエンス》が盛り上がり、『いいね』が辺りに溢れていく!
「―――見つけたら、逃がさない」
尖が歌いながら、そして踊りながら、しれっとユーベルコードを発動させる。
それは、《水妖夜行(スイヨウヤコウ)》!
敵対するもの全てを祟る悪霊に変身するユーベルコード!
明るい曲調から一点して、尖は|鮮血《オーディエンス》たちの怒り、恨み、恐れを飲み込み、糧として食らう妖怪としての本領を発揮する!
「なにぃ? ここで悪霊化……? ……! これは、そうか!」
目を見張るバズリブラッディには、|鮮血《オーディエンス》がより一層盛り上がる様子が見えている!
彼らの内に秘める負の感情を尖が持って行ったことで、トンチキ具合が加速してもっと純粋に歌や踊りを楽しめるようになっているのだ!
―――諦めるな、戦え、そこに在る限り。
そう祈り、願い、想いを寄せる、尖なりの弔いが届き、戦場のテンションは最高潮に達しようとしている!
妖力解放により高速で飛翔しながら踊る様子は、まさに圧巻!
大量の『ハート』に囲まれ輝く尖の姿に、祈りの双子はついに膝を屈する。
「「……見事……」」
「それじゃフィニッシュといこうか」
尖は不思議な自動拳銃『マコモHc』を抜いて、格好良く祈りの双子とバズリブラッディを銃撃する!
威力が増強された攻撃が、スタイリッシュなパフォーマンスで敵を貫く!
ファンタスティック!
「「……パチパチ……」」
「くぅ……これほどの逸材が世間におるとは……! 推しそう!」
「ご清聴ありがとうございました。てね」
拍手する双子と|心臓《ハート》を撃ち抜かれたバズリブラッディの傍に尖が舞い降りて、綺麗にウィンクとポーズを決めるのであった。
成功
🔵🔵🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
まさかの状況ですが、やってみましょう。
『FTS』で大量の[料理]を持込み、『大食いチャレンジ』をお見せしますねぇ。
一つだけなら或る意味普通ですが、それを『何百点も続けて食べる』なら、相当珍しい状態になるでしょう。
流石に『食物』自体は難しいでしょうから、テーブル等の機材と、給仕役に『キング・ブレイン』を召喚、補佐願いますぅ。
後は【渺喰】を発動、『食欲抑制機能停止』と『消化吸収強化』に[大食い]の技術を合わせ、実質無限に食べられる状態とし、全ての品を食べ尽くしますねぇ。
『吸収』する分一時的に体型に影響は出ますが、最後に『祭器』の攻撃に乗せて消費しつつ双子を狙えば良いですし。
エドゥアルト・ルーデル
バズリとは…なんかこう適当にアレすればいいじゃないアレ
じゃあ拙者と一緒にピザでも作ろうぜ
五卿六眼が料理配信するとか斬新じゃね?なずけて鮮血ピッツァ…バズリブラッディ!ピッツァにその持ってるパイナッポーを乗せたな!台無しでござる!
血液に自殺しながらダイブ!生贄に捧げた拙者からギャグ時空が血液中に行き渡れば血液がせりあがって今にも爆発しそうに沸騰してきたでござろう?
恐るべき存在…それは爆発オチだァ!くたばれバズリブラッディ!
(血液大噴火とデカデカと表示されるパイナッポーオンピザの字)
とリスポーンした後に顛末を動画にしてみたでござる
こういう海外のちょっとした情報を入れておくのがバズリますぞ双子よ
●壮絶なるクッキング&イーティングパーティ!
「まさかの状況ですが、やってみましょう」
「バズリとは……なんかこう適当にアレすればいいじゃないアレ」
続いて戦場に降臨するのはこのお二人。
豊饒の使徒である少女、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は鮮血の大地に降り立った。
そして鮮血の大地から謎のおっさんエドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)が湧き出して来た。
もしかして血の中を潜って来たのだろうか?
「じゃあ拙者と一緒にピザでも作ろうぜ」
「「……受けて立つ……」」
エドゥアルトの誘いに乗り、|鮮血《オーディエンス》から生み出したキッチンに立つ祈りの双子。
《双刃の祈り》で生み出した血戦兵装は、調理道具も創造できるのだ。
「うーむ、五卿六眼が料理配信するとか斬新じゃね? しっかり録画してろよぉ?
名付けて鮮血ピッツァ! お楽しみに!」
「「……今、流行りの、スペシャルうどんも添えておこう……」」
「おっほー! 流行の最先端を攻めるでござるぅ!」
そして、亜空間倉庫に繋がり物品を収納できる輸送用の宝玉型祭器『フローティング・トランスポート・システム』を用いて、るこるが持ち込んだ大量の食材をもとに、エドゥアルトと祈りの双子が料理を開始する。
出来上がったアツアツのピザをメインに、カップに収まり振り振りシェイクで出来上がるうどんを添えて、大食い用のメニューをテーブルの上に並べていく。
「『大食いチャレンジ』をお見せしますねぇ。よろしくお願いしますぅ」
「「……負けられない。頑張れ、血管獣……」」
同意と見てよろしいですね? グルメバトルの始まりです。
るこるの席の対面に、双子が《化身の祈り》で召喚した12体の血管獣が行儀よく着席!
一対十二というハンディキャップの大食い勝負が開幕される!
「双方合意と見てよろしいですね? それでは、レディファイト!」
審判役のバズリブラッディが合図を出すと共に、急いでピザを食べていく血管獣たち!
早食い勝負ではないのでペース配分を初っ端から崩してしまっている!
これはいけませんね。
「うひょー! 急げ急げ双子ちゃん! あの御仁のお腹はブラックホールにござるよ!」
「「……ああ。腹いっぱいにしてみせよう……」」
対するるこるは、ゆっくりマイペースに、優雅に食事を進めていく!
ピザ一つ一つであれば普通に美味しくいただけるのでしょうが、摂食する枚数は数知れず! 一向にペースが遅れることはない!
僅かな時間で同じピザを何百点も続けて食べるというのはもはや異常事態! うどんはまるでドリンクだ!
るこるさんの健啖な食べっぷりも相まって、|鮮血《オーディエンス》たちは盛り上がっております!
「ふぅ。キングさん、給仕のお手伝いをお願いしますぅ」
「ブレブレブレ、お任せあれ!」
「はい、こちらでござる」
料理を作るのに忙しくなってきた三人には、食卓まで料理を届ける余裕が無くなってきた。
そのためバズリブラッディが配膳していたのだが、いつの間にか給仕スタッフが鮮血を生贄に召喚されていた。
美味しそうに料理を食べるるこるに料理を提供するのは、赤色の骸骨……こ、この笑い声は!?
「あっ!? アンタはまさか、キング・ブレイ」
「ブレブレブレ! いえいえ、吾輩はるこる嬢に召喚された恐るべき存在。
その名も『キング・ブラッドレイン』とでも申しましょう!
キマイラフューチャーで侵略中の大首領とはまったくの無関係ですよ!」
「あっはい」
正体を隠すのはお約束。バズリブラッディと同じようなものです。
そして、胃袋の限界を迎えた血管獣たちが次々に倒れる一方、どんどん食べ進めていくるこる。
そのお腹が大きく膨らんで、今にも破裂するのではないかと危惧する|鮮血《オーディエンス》の皆さん、安心してください。
彼女の謎体質なので問題ないのです。
それでもそれなりに膨れてきたためか、るこるは食事の手をいったん止めて祈りを……ユーベルコードを展開する。
「大いなる豊饒の女神、その深淵へと私の身をお導き下さい」
《豊乳女神の加護・渺喰(チチガミサマノカゴ・ビョウボウタルイブクロ)》!
それは、るこるの『満腹中枢』などの食欲抑制機能の正常な稼働を代償に、消化吸収機能を強化するユーベルコード!
余剰なカロリーを攻撃に籠めて、その分の威力を発揮する一撃を放つことも可能なのだ!
すなわち、どれだけ食べてもおなかいっぱいにならないし、ガンガン消化されていくのでいっぱい食べられる。
その上食べれば食べるだけ、攻撃力が爆発的に上昇するおまけつき! 相手は死ぬ。
ユーベルコードの効果とるこる自身の大食い技術を合わせることで、実質無限に食べられる状態と化したのだ!
12体の血管獣がギブアップしてもなお、旺盛な食事は止まるどころか加速していく!
バズリブラッディとキング・ブラッドレインが急いで給仕する端から、全ての品を食べ尽くしていく!
「ブレブレブレ! 次のピザはまだですか! うどんも品切れですぞ!」
「「……手が……追いつかない……」」
「流石はるこる殿だぜぇ……って、バズリブラッディ!!!」
祈りの双子の料理作成能力が限界に達しつつある中、突然エドゥアルトがバズリブラッディに怒鳴り声をぶつける。
ビックリしたバズリブラッディが皿を落としそうになるが、見事な体幹で持ちこたえた。
その皿に載せられたピザには……パイナッポーが載せられていた。
「ちょ! なんやいきなり、驚いたやん!」
「てめぇ、ピッツァにその持ってるパイナッポーを乗せたな! 台無しでござる!」
「は? ピッツァにパイナッポーは必須やろ? 未完成品を客に出すんかワレェ!」
「貴様ぁ……! コックのレシピにあやつける気かぁ……!
拙者、恥ずかしか! 生きておれんでござる!」
バズリブラッディとの価値観の相違に、両手で顔を覆ったエドゥアルトがキッチンを跳び出して鮮血の中にダイブする。
エドゥアルトを生贄に捧げ、大地に張り巡らされた血管がエドゥアルトに染まっていく!
そしてユーベルコードの発動条件達成!
《黒ひげは二度死ぬ(ニカイイジョウシンデマスヨネ)》!
「拙者が死んだ! この人でなし!」
「おっさんが生き返ったぁ!? いや待ってじゃあこの血管に流れているおっさんは……?」
そう。
エドゥアルトは《リスポーン》、つまり死しても何度でも蘇るのだが、残った死体を生贄にすることでギャグ時空を放出し、戦場内全てのシリアスな空気を無力化することができるのである!
なお一日に140秒以上使用するとエドゥアルトは死ぬ。
「さあ、血管が今にも沸騰しそうでござろう? 今にも爆発しそうでござろう?」
「お、おっさん! アンタ、まさか……!」
慄くバズリブラッディだが、時すでに遅し。
せり上がった鮮血がバズリブラッディの足元に密集している!
「恐るべき存在……それは爆発オチだァ! くたばれバズリブラッディ!」
「やなかん、ぐわぁぁぁ!!」
凄まじい血液の大爆発!
バズリブラッディ、死亡確認!
シリアスは死んだ、もういない。
そして無事にリスポーンしたエドゥアルトは、『血液大噴火』とタバスコで文字を描いたパイナッポーオンピザをテーブルに置く。
一部始終はしっかり撮影されております。
「という感じで。こういう海外のちょっとした情報を入れておくのがバズリますぞ双子よ」
「「……なるほど……勉強になる……」」
「ご馳走様でしたぁ。それでは最後に、失礼しますねぇ」
食事を終えたるこるは、エドゥアルトから教導を受けている双子に向けて大量の『祭器』シリーズを展開する。
溜めに溜めたカロリーを攻撃力に変換し、壮絶な威力の一斉発射を祈りの双子に叩きつけて吹き飛ばす。
「「……やーらーれーたー……」」
「戦いはもうちょっと続くでござるよ★」
映像はカメラ目線でウィンクするエドゥアルトで締めくくりとなった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シャムロック・ダンタリオン
ふん、たいそうな御託を並べてはいるようだが、生憎こちらも情け無用でな(【威厳・威圧・存在感・恐怖を与える・傷口をえぐる・悪のカリスマ】)。
で、この血の海を利用すればいいのか。ならば――
「ダンタリオンの名において告げる。出でよ、ソロモンの七十二柱!」
(だがここで現れたのはゲームでよくある「美少女化した皆さん」)
――いや誰だ貴様ら!まあいい、【蹂躙】せよ!叩き潰せ!あのふざけた連中共々殲滅しろ!(で、本人は適当な精霊を【武器改造(+:攻撃力、-:移動速度)】したガトリングガンで無差別攻撃したり(ぇ)(【属性攻撃・全力魔法・なぎ払い・弾幕】))
※アドリブ・連携歓迎
●女の子になる恐るべき存在たちと共に。
|鮮血《オーディエンス》から湧き立つ『いいね』が猟兵たちの陣営を包み、戦況は優勢になっている。
度重なる戦いでバズリブラッディは、まだ元気だが、祈りの双子はそれなりに消耗している様子だ。
そんな彼女たちに、次なる猟兵が立ち向かう。
「ふん、たいそうな御託を並べてはいるようだが、生憎こちらも情け無用でな」
普段は幽世の一角に佇む西洋風の図書館にて読書に耽る本の虫。
その正体は、あらゆる知識を司る悪魔。
シャムロック・ダンタリオン(図書館の悪魔・f28206)が威厳を見せて現れた。
「で、この血の海を利用すればいいのか」
「せやで。一体何を呼ぶのやら……見させてもらうで、アンタのバズリを!」
シャムロックは悪のカリスマを滲ませて、堂々とした立ち居振る舞いで大地に満ちる鮮血へ手を触れる。
「ならば―――ダンタリオンの名において告げる。出でよ、ソロモンの七十二柱!」
大地に溢れる鮮血を生贄に、シャムロックが召喚するのは数多の悪魔!
恐るべき異界の存在が、シャムロックの前に降臨する!
「はいヨー、お兄サン。がんばりますヨ」
「わたくしを呼ぶとはわかっているではありませんの!」
「すべてはこの書物に記されてある通り……」
「―――いや誰だ貴様ら!」
ただし美少女化した皆さんである。
不思議系、お嬢様系、ミステリアス系、小さいから大きいまで、選り取り見取りの悪魔っ娘たち。
シャムロックとは面識のないソロモンの七十二柱たちが、シャムロックの周りを取り囲んで召喚された!
|鮮血《オーディエンス》から程よい『いいね』が沸き上がります。好きかい? 大好きさ! ただしアールシテーなエロ系お姉さんにはお控えいただいております。
現れた悪魔たちを見て、祈りの双子はシャムロックに視線を向け、首をかしげる。
「「……ハーレムが、怖いの……?」」
「違う! まあいい、蹂躙せよ! 叩き潰せ! あのふざけた連中共々殲滅しろ!」
「はいヨー」「わたくしにお任せなさい!」「これもまた運命の導き……」
「はっはっは、なんや正面バトルかい! せやったら双子ちゃんお願いします」
「「……捧げる。出でよ、血管獣……」」
攻勢に出る悪魔たちに向けて、祈りの双子は《化身の祈り》を行使する。
双子が支配するダークセイヴァーに溢れる鮮血を代償に12体の血管獣が召喚され、一体あたり六柱の悪魔を相手に応戦する。
血沸き肉躍る集団戦の間隙を突いて、バズリブラッディがシャムロックへと肉薄する。
「そうして足止めしているうちに、ワイちゃんが|HPAH《ハンマーパイナッポー&アッポーハンマー》を振るうという算段よ! 覚悟しろ猟兵ー!」
「そうはいくか! 精霊よ、我が武器となり、力を与えよ!」
ようやくまともに振るわれる『HPAH』を前にしてもシャムロックは怯む様子もなく、冷静にユーベルコードを起動する。
それは《精霊武装(エレメンタル・ウェポナイズ)》!
自身の召喚した適当な精霊を武器改造することで今戦っている対象に有効な戦いを行うユーベルコードである!
移動速度を半分にする代わりに攻撃力を五倍にして、シャムロックはガトリングガンに変形した聖霊を腰だめに構える。
「な!? ワイちゃんの後ろにはアンタの仲間たちがいるんやで!?」
「狙いを定める必要はない、どうせ見知らぬ十二柱だしな!」
「エッ」「何ですって!?」「まさか、私たち諸共……」
とても悪い笑顔を見せるシャムロックの無差別銃撃が戦場を支配する!
多種多様な属性を籠めた魔法弾が掃射される!
バズリブラッディも血管獣も祈りの双子も、そしてシャムロックに呼ばれた悪魔たちも!
等しく弾幕の餌食になっていく!
「ぎゃあああ!!」
「「……うわぁぁぁ……!」」
「「「ダンタリオォォォン!?」」」
「気にするな、よくあるコラテラルダメージという奴だ!」
容赦のない全力攻撃に、シャムロック以外の存在は片っ端から薙ぎ払われる。
襤褸雑巾になったバズリブラッディを見下ろしつつ、ひと暴れしたシャムロックは帰路に着くのであった。
ただ、呼び出された悪魔っ娘たちがどうなったのかは、この報告書には記されていない……。
大成功
🔵🔵🔵
馬飼家・ヤング
※アドリブトンチキ大歓迎!
やー……わいがこの世界におること自体が場違いちゃう?
何?笑って笑ってバカ騒ぎする弔い方もあるんやて?
そういうことなら喜んで!
バズトレちゃんのパチモンを超えるバズり存在を召喚したらええんやな?
その名も「バズコ・デラックス」!!!!!!
巨体が唸って空も飛ぶ伝説のバズりクイーン!
ついでにわいも同じコスプレして
見て見て~ん「ちびバズコちゃん」よん♪
頭の上に乗って「鏡餅バズコちゃん」だわん♪
「アタシは『よん♪』とか『わん♪』とか言わないわよ!
アンタ本当にキッショイわね!」(毒舌ツッコミ芸)
いくで!わいらのコンビネーション
バズコの巨体を掴んでぶん回し
そのまま周囲をなぎ払いドーン!
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ絡み大歓迎
うん、確かにあるけどね
UDCバリ島の葬列とか晴れやかな儀式だしさ
でも何故にバz…もといブラりんが…?
ま、憂鬱な世界だからこういうのもアリだよ♪
ただまあ…双子ちゃん?ピュアなのはいいけど
『キリッ☆』とか言われると屈服させたいねえ♡
◆恐るべき可愛さ
シリアス故可愛いモノに縁遠い女性格鮮血のウケを狙い
オペ132番【バウンス・フィギュア】開始
【キャロりん】の乗った【モラ・カー】のソプラノを
バズり戦闘に出す事で鮮血から複製139組召喚
鮮血製故か毛皮はピンク基調&最適化で心身に個性付与
モフモフ万華鏡が双子ちゃん&ブラりんへ懐き倒す♪
クール双子さえメロメロにする可愛さ、如何かな?
●モフモフパラダイス! with デラックス!
「やー……わいがこの世界におること自体が場違いちゃう?」
そう恐縮しつつ鮮血の溢れる大地に参上したのは、大阪風観光都市『テナモンヤ・ナニワ・シティ』出身のおっさん系テレビウム。
面白おかしい遊び人、馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)だ。
だが、そんな心配をするヤングを同道する猟兵が笑って鼓舞する。
「まあまあ。せっかくだし笑って行こうよヤングさん。
死者を盛大に見送る葬儀ってのも、世の中にはあるからさ」
「何? 笑って笑ってバカ騒ぎする弔い方もあるんやて?」
「うん、確かにあるけどね。UDCバリ島の葬列とか晴れやかな儀式だしさ」
クロムキャバリア出身の医者兼キャバリア傭兵兼フィクサー。
小柄な小悪魔系ドクター、リーゼロッテ・ローデンヴァルト(|KKS《かわいくかしこくセクシー》なリリー先生・f30386)の励ましに、バズリブラッディもそうだそうだと同意する。
「せやせや。熱気あふれるシチュエーション! 景気よく見送るのも乙なもんやで!」」
「でも何故にバz……もといブラりんが……?」
「呼ばれたからにはどこへでも駆け付ける。それがバズリ魂よ。せやから……世界観なんてぶち壊しちゃいなよ、YOU!」
「そういうことなら喜んで!」
元気な調子を取り戻したヤングは、意気揚々と周囲の|鮮血《オーディエンス》をかき集めている。
その様子を微笑んで眺めていたリリー先生は、視線を祈りの双子へと移す。
双子は《化身の祈り》により新しく召喚した可愛いワンコ系血管獣を伴い、息を呑んで見守っている。
「ただまあ…双子ちゃん?ピュアなのはいいけど。
『キリッ☆』とか言われると屈服させたいねえ♡」
「「……猟兵なんかに、絶対に負けない……」」
キリッ。と双子がフラグを立てた頃合いで、ヤングが恐るべき存在を呼び起こす。
一同が見届ける中、ヤングは笑顔で呼び出すのは、この御方!
「バズトレちゃんのパチモンを超えるバズり存在を召喚したらええんやな?」
「あ。麗しきバズリトレンディちゃんやのうて、バズリブラッディちゃんやでー」
「よっしゃ、ほならバズブラちゃんやな。さて……カモン!
その名もバズコ・デラックス!!!!!!」
鮮血の中から黒装束の巨体が唸りを上げて現れる!
血飛沫を撒き散らしながら勢いよく飛び出したその存在は、空をも飛ぶ伝説のバズりクイーン!
御年半世紀のビッグマム(男性)! スーパー・バズコ・デラックスだぁ!
「うわあああ!? モノホンやぁぁぁ!?」
「なに見てんのよ」
「「……わぁ……」」
驚愕するバズリブラッディを一瞥するバズコ。
その眼光は、オブリビオン・フォーミュラである祈りの双子すらたじろぐ威圧感を有している!
「ついでにわいも同じコスプレして、と。見て見て~ん、『ちびバズコちゃん』よん♪」
「ブフォッ!」
バズコの衣装を真似て着こなすヤングが、跳び上がってバズコの頭の上に乗る。
二段重ねのバズコにバズリブラッディがつい噴き出し、祈りの双子が目を瞠る。
調子に乗って図に乗ったヤングが、頭上で愉快なパフォーマンスを披露する。
「ほらほら~ん、『鏡餅バズコちゃん』だわん♪」
「ちょっとぉ! アタシは『よん♪』とか『わん♪』とか言わないわよ!
アンタ本当にキッショイわね!」
目からビームを放ち、ヤングにツッコミを入れるバズコ!
だがそこに怒りは無い。漫才のボケとツッコミによるキレなのだ!
|鮮血《オーディエンス》も理解しているのか、『いいね』がバズコとヤングの周りを取り囲む!
「くふっ、あはは……! あないな大物をゲスト召喚するとは……!」
「「…………」」
「はー……ん? どないした、双子ちゃん」
「「…………」」
しばらく黙考していた祈りの双子は、それぞれ頭の上に可愛い血管獣を載せる。
ケモミミの間に収まる|血管獣《ワンコ》たちがつぶらな瞳を見せている。
そして双子は決め顔で呟いた。
「「……ワンダフル……」」
「二番煎じかっ! 犬を二匹のっけてワン・ダブルってか! インパクト弱いねん!」
「「……ナイス解説……」」
「解説させられるようなギャグで勝てると思っとるんかぁ!!」
「「……勢いでカバー……」」
「こっちに全振りかぁぁぁい!!」
「あっはっは♪ わかってるねぇ。双子ちゃん。
それならアタシも、可愛いモノでウケを狙うのさ!」
成長しつつある祈りの双子を見つめる瞳をキランと輝かせ、リリー先生が召喚するのは恐るべき可愛い存在。
かつてデビルキングワールドにおいて一世を風靡し、現在進行形で人気のこの子たち!
モーラットを模した各種車両型擬似生物『モラ・カー』と!
雌のシバベロスの『キャロりん』である!
助手席から三つ首を出してこんにちわする、可愛いもふもふチームの登場だ!
『もきゅ♪』『くぅん♪』
「あらま、可愛いじゃなぁい」
「でしょ? もちろん、これだけじゃないんだよね」
バズコも『モラ・カー』と『キャロりん』の可愛さにときめいているでござる。
リリー先生の狙い通り、|鮮血《オーディエンス》の女性格も大いに『いいね』しております。
「オペ132番【バウンス・フィギュア】開始。
攻性データの実体化には、こういう使い方もあってね♪」
リリー先生が展開するのは、《Op.CTXII:BOUNCE FIGURE(バウンス・フィギュア)》!
そのユーベルコードの効果により、『モラ・カー』のソプラノが139秒間最適化される!
さらに、複製された『モラ・カー』が139組召喚され、辺り一面がもふもふに包まれる!
|鮮血《オーディエンス》を生贄に捧げた影響か、複製された『モラ・カー』とシバベロスの毛皮は明るいピンクが基調とされており、最適化の効果により|鮮血《オーディエンス》に応じた心身の個性が付与されているようです。
男性女性、壮年幼年、多様な性格の『モラ・カー』たちがまるで万華鏡のように戦場を支配する!
「いっちゃえー♪」
『もきゅ!』『わん!』『もきゅー』『きゃん』『もきゅきゅ』『くぅん』『もきゅっ♪』
「「……か、可愛い……」」
「ここが|天国《パラダイス》か……! あ、まずい! カズノリ、やのうて数の利が死んだっ!」
殺到するモフモフの群れにもふもふされ、身動きを封じされた祈りの双子とバズリブラッディ!
クールな双子さえメロメロにする可愛さに、最弱のオブリビオン・フォーミュラもタジタジだ!
なお双子の頭上の血管獣は戦闘に巻き込まれないように『モラ・カー』が保護して、安全な場所(リリー先生の傍)へと移送します。
眼下の様子を見下ろして、ヤングはアタックチャンスと判断した。
召喚したバズコの頭頂部の髪の毛の塊を鷲掴みにして、ユーベルコードを起動する!
「今がチャンスや! いくで、わいらのコンビネーション!」
「しょうがないわねぇ。ほら、さっさとやんなさい」
ヤングが行うのは、バズコの巨体を掴んでのぶん回し!
掴んだ対象をぶん回し、周囲をなぎ払いながらキレ芸属性のギャグを叫びつつ、ジャイアントスイングで投げ飛ばす必殺技!
《爆裂!オトン投げ!(バーニング・オトン・スイング)》だ!
「ナニワのおっさんの火事場の馬鹿力、なめたらアカンでぇー!!
双子ちゃん! あんたら、ワンコやなくて狼とちゃうんかーっ!!」
「「……! ……しまった……」」
「ツッコむところそこかーいっ!」
素早く『モラ・カー』たちが鮮血の大地を走って退避する。
残された祈りの双子とバズリブラッディに向けて、そのまま容赦のないヤングとバズコのフルスイングが直撃する!
ドーン! と勢いよく跳ね飛ばされた三人がまとめてスリーベースヒット!
鮮血の大地で飛沫を上げて、遠くまで吹っ飛んでいくのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レナータ・バルダーヌ
ちょっと遅刻してバルタンさんの説明を聞きそびれてしまいましたけど、相手が何者かはわかっていま……うん?
なんだか様子がおかしいですね。
……でもそんなの関係ありません!
この世界もわたしの実家も、血の海には沈めさせませんよ!
召喚といっても、普段呼び寄せているものといえば、謎のゴボウ生物「ゴボウさん」くらいなので勝手がわかりません。
それでも一か八か、やるしかないですね。
この世界で流された全ての血液ということは、わたしやわたしの故郷、そして今までゴボウを広めてきた地域の皆さんの血と汗も含まれているはず。
ゴボウに縁のあるすべての皆さん、力を貸してください!
「「「ゴボァ゛ー」」」
この姿は、ゴボウさんが三本……?
いえ、これは……三頭五脚六眼の超巨大なゴボウの怪物!
出会うのは初めてでも不思議とわかります、その名は|悪実蛇播果《アジ・ダハカ》。
悪実さんは、服とか動物の毛とかにすごいくっつくゴボウの実を口から大量に播くみたいです。
しかし、それは恐るべき力の一端に過ぎないかもしれません……。
南六条・ヴィクトリア三世
おーっほっほっほっほっほっほ!!
ついに現れましたわねバズリブラッディ!
良いでしょう、相手にとって不足なし!!
わたくしたちも総力戦で参りますわ! 準備は良いですわね各々方!?
「よろしくてよ! このアイスエイジクイーン、罷り越してございます!」
「プレジデント推参! このダークセイヴァー第二層を|合衆国《ステイツ》にする時である!」
そう、我らこそ猟兵からもオブリビオンからも(事態悪化的な意味で)恐れられる|トリニティ・セレブリティ・パーティ《トロイカ体制》ですわァァァァァァァ!!
(背後で大爆発)
「いでよ召喚! 無数の絶滅悪魔軍!」
「11人の|プレジデント《私》!」
そして南六条家秘伝のパンジャンドラム!
まだまだ参りますわよ、アリスラビリンスを襲った巨大不明|生物《ナマモノ》!!
UDCアースアメリカに突如建立されたチョコ製自由のヴィクトリア像!!
株式会社UAI本社!!
社長魂・女王魂・大統領魂の全てをこの場に結集し──最終決戦と参りますわよ!!
「「「覚悟ォォォォォォォ!!」」」
●いよいよフィナーレのスタート。
そして、長きに亘るオブリビオン・フォーミュラとの戦いも、いよいよ終局へと近づいていた。
祈りの双子と猟兵、恐るべき存在を召喚し合うバズリバトルもいよいよ大詰めに差し掛かっていた。
時はまさに千秋楽! 闇の救済者戦争も、クライマックスへといよいよ到達しつつあった!
「ちょっと遅刻してバルタンさんの説明を聞きそびれてしまいましたけど、相手が何者かはわかっていま……うん? なんだか様子がおかしいですね」
鮮血の大地に駆け付けたのは、いつも笑顔であなたの隣に寄り添うゴボウ栽培家!
レナータ・バルダーヌ(護望天・f13031)である!
その右手に握られているものは何か? ゴボウです。
堂々と現れたレナータの前に立ちはだかるのは、祈りの双子と新血親分バズリブラッディ。
三人はポーズを決めつつ整列してレナータを待ち構えていた。
「……でもそんなの関係ありません!
この世界もわたしの実家も、血の海には沈めさせませんよ!」
「はい、おっはっよー! せやけどせやけど、残念ながら沈めさせてもらうで!」
「「……取りに行かせてもらう……」」
三人がかりでレナータに襲い掛かろうと動き出す、その時!
地面が爆発し、|鮮血《オーディエンス》が飛び散った!
「おーっほっほっほっほっほっほ!! その意気ですわよレナータさん!
この世界、護ってみせましょナンバーワンですわ!」
「「……曲者……出合え、出合え……」」
「ついに出おったな、トンチキの化身!」
血煙の中から高らかに笑いながら登場したのは、立派な金髪縦ロール。
スペースシップワールドの第8710番自由都市艦に本社を構える軍需企業、株式会社ユニバーサル・アーマメンツ・インダストリーの現職社長!
南六条・ヴィクトリア三世(株式会社UAI最高経営責任者(現職)・f30664)だ!
手にした『社長専用扇子(特殊合金製)』に書かれた文字は、『社長魂』!
自信とプライドに満ち溢れた女傑が鮮血の大地に降り立った。
「そして、ついに現れましたわねバズリブラッディ!
良いでしょう、相手にとって不足なし!!」
「双子ちゃん、アンタらにはコイツの相手は厳しい……ワイちゃんに任せて先に行け!」
「「……あらほらさっさー……」」
「なるほど……わたしの相手は双子ですね! おまかせください!」
《化身の祈り》で召喚した血管獣12体をバズリブラッディの直掩に置いて、祈りの双子はゴボウを構えるレナータへと接近する。
後に残されるのは、対峙するヴィクトリアとバズリブラッディwith血管獣……。
緊迫した空気が流れる中、先に動いたのはヴィクトリアだ。
「わたくしたちも総力戦で参りますわ! 準備は良いですわね各々方!?」
「よろしくてよ! このアイスエイジクイーン、罷り越してございます!」
「プレジデント推参! このダークセイヴァー第二層を合衆国ステイツにする時である!」
大地に溢れる鮮血が再び爆発する!
血煙の中から姿を現したのは、世にも奇妙な二人組!
氷河期魔法の使い手、100人の四天王を率いる絶対女王! デビルキングワールドの西のラスボス、『アイスエイジクイーン』!
フィールド・オブ・ナインの第一席(を再現した電脳体)、株式会社UAI特別経営アドバイザー! 『Mr.プレジデント』!
どの面下げてここにいるのか! かつての強敵たちが肩を並べてポーズを決める!
「そう、我らこそ猟兵からもオブリビオンからも(事態悪化的な意味で)恐れられる|トロイカ体制《トリニティ・セレブリティ・パーティ》ですわァァァァァァァ!!」
ヴィクトリアの背後で大爆発が発生し、『いいね』が乱舞する。
『|トリニティ《Trinity》・|セレブリティ《Celebrity》・|パーティ《Party》』!
株式会社UAI社長秘書を筆頭に、数多の猟兵たちを巻き込んで各地でトンチキカオスなリベリオンを引き起こす、トンチキ界のエース集団だ!
文句なしに恐るべき存在。掴みのインパクトは十分なようです。
「ヴィクトリア、アイスエイジクイーン、プレジデント。うぬら三人か。
よかろう、かかってこいやぁ!」
「よろしくってよ!」
『TCP』の三人を前に、バズリブラッディはやる気満々で『|HPAH《ハンマーパイナッポー&アッポーハンマー》』を構え、白熱したバズリバトルが繰り広げられる!
「いでよ召喚! 無数の絶滅悪魔軍!」
「11人の|プレジデント《私》!」
「そして南六条家秘伝のパンジャンドラム!」
《悪魔よりも恐ろしいトロイカ体制の桃園の誓い(トリニティセレブリティパーティ)》!
【社長魂】【大統領魂】【女王魂】を行使して、攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べるユーベルコードにより、瞬く間に血管獣たちは『TCP』のトンチキに制圧される!
100人を楽々と超える悪魔たちに、11人に複製させられたプレジデントたち!
そしてヴィクトリアが用意したパンジャンドラムがバズリブラッディを襲う!
倒れた血管獣たちの分もバズリブラッディが『HPAH』を振り回して応戦するも、流石に多勢に無勢である。
「ぐあああ! このままでは、この世界がUAIに支配されてしまう……!
|鮮血《みんな》! ワイちゃんに力を分けてくれー!」
「まだまだ参りますわよ! ナマチョコハンホン!」
|鮮血《オーディエンス》に助けを求めたバズリブラッディに向けて、ヴィクトリアが召喚する恐るべき存在たちが殺到する!
猟書家『鉤爪の男』が怯んだバケモン、アリスラビリンスを襲った|巨大不明生物ナマモノ《シン・アイスエイジクイーン》!
UDCアースアメリカに突如建立されたチョコ製の自由のヴィクトリア像!!
サクラミラージュは帝都鍛冶司が提供する巨大な鉄槌『退魔ハンマー』!!!
あと宇宙にそびえる株式会社UAI本社!!!!
数多くの最狂存在が!
暗いダークセイヴァー第二層の空を覆い、鮮血の大地に向かって降り注ぐ!
たすけてくれライトブリンガー! 間に合わなくなっても知らんぞー!
【Q】(こわ……関わらんとこ……)
「社長魂・女王魂・大統領魂の全てをこの場に結集し───最終決戦と参りますわよ!!」
「へっ……流石はトンチキ王座のディフェンディングチャンピオン。これくらいがちょうどいい!
ワイちゃんのバズリ魂で逆転満塁サヨナラホームランよ、見ててくれショーヘイ!」
降りかかる|最狂存在《トンチキ》たちを迎撃しようと『HPAH』を一本足打法で構えるバズリブラッディ。
誰もが笑みを浮かべながら、我こそはトンチキであると胸に誇りを抱き、今ぶつかり合っている!
|鮮血《オーディエンス》から湧き上がる無数の『いいね』に包まれ、バズリブラッディとヴィクトリアたちの戦いは続く!
「「「「覚悟ォォォォォォォ!!」」」」
To be continued.
●そして始まる最終決戦。
一方その頃、|レナータ側《こちら》でも。
「ふむむ。流石はヴィクトリアさんですね。これはわたしも頑張らないと、ですが……」
遠目にとんでもない光景が繰り広げられているが、それはそれ。
真剣にバズるために、祈りの双子と対面するレナータは腕を組んで考え込んでいた。
祈りの双子も《双刃の祈り》で創造する血戦兵装を検討中のようで、レナータの動きを窺い後の先を取ろうと身構えている。
「「……あなたは、何を出す……? ……|特別な存在《ウェルターズ》……?」」
「召喚といっても、普段わたしが呼び寄せているものといえばゴボウさんくらいしか」
意気込んでいるレナータだが、彼女が知る召喚術式は一種類。
ゴボウ関連である。
謎のゴボウ生物『ゴボウさん』とその派生形、『愉快なゴボウさん』や『最後のゴボウさん』、『ゴボウマン』に『ゴボウーマン』と、あとは『ごぼ天号』くらいしか経験がなく、勝手がわからないのだ。
……結構豊富ではあるが、ゴボウ関係しか選択肢がないのだ。
「それでも一か八か、やるしかないですね」
それでも、レナータは|鮮血《オーディエンス》に手を差し出す。
この世界のため、ダークセイヴァーに流れた鮮血に応えるため。
夜と闇に覆われた世界を救済するために、レナータは瞳を開いて立ち上がるのだ!
シリアスな顔をしているが、出て来るのはゴボウ系統である。
「この世界で流された全ての血液ということは、わたしやわたしの故郷、そして今までゴボウを広めてきた地域の皆さんの血と汗も含まれているはず……それなら!」
レナータの想いに呼応した縁ある鮮血たちが……生まれ故郷のゴボウたちの鮮血が、ご先祖様や知己の方々、ゴボウの布教を受けた人々の血と汗が、レナータのもとへと一極に集中する……!
「護ってみせます―――一緒に明日を迎えるために!
ゴボウに縁のあるすべての皆さん、力を貸してください!」
「「「ゴボァ゛ー」」」
出現したのは天を突くほど大きなゴボウ……三頭五脚六眼の超巨大なゴボウの怪物!
威風堂々と戦場に降臨するのは、恐るべきGOBOUの化身!
その出現の余波は近くで戦っていたヴィクトリアたちにも及び、ひっくり返ったバズリブラッディが目を丸くして巨大ゴボウを見上げている。
「な、なんや! アンタ、何を呼び出したんや!?」
「まあ! 見事な……ゴボウでよろしいのでしょうか?」
「この姿は、ゴボウさんが三本……? いえ、これは……!」
「知っとるんか、レナータ!」「ご教示お願いいたしますわ」
好奇心に駆られるバズリブラッディと、扇子に「解説よろしく!」と文字を浮かべたヴィクトリア。
問いかける二人に頷き、シリアスな顔つきでレナータは現れたビッグサイズなゴボウの解説を始める。
「出会うのは初めてでも不思議とわかります、その名は|悪《ア》|実《ジ》・|蛇《ダ》|播《ハ》|果《カ》。
悪実さんは、服とか動物の毛とかにすごいくっつくゴボウの実を口から大量に播くみたいです」
「なんやてレナータ!?」「まあ! それは……ゴボウなのですわね!」
「しかし、それは恐るべき力の一端に過ぎないかもしれません……」
「「「ゴボァ゛ー」」」
悪実さんはぐるりと三つの顔を祈りの双子に向ける。
ゴボウの実を播こうとしているのだろう。直撃すれば、オブリビオン・フォーミュラであろうと一溜まりもないと予想がつく。
だが、この双子もまた……数多くの猟兵たちとの戦いにより、|経験値《トンチキ具合》を獲得してきていたのである!
「「……やらせはしない。この世界を……わたしたちの世界を、ゴボウには渡さない……」」
「ゴボウを否定するなんて、なんてひどいことでしょう! 悪実さん、お願いします!」
何か|社会的立場《ポジション》が入れ替わっているような気がしますが、ゴボウブレスを播こうとする悪実さんの前で、祈りの双子はキリッとした表情で足元の鮮血に手を突っ込む。
|鮮血《オーディエンス》を生贄に、血戦兵装を創造する。
恐るべしゴボウの体現者である悪実さんに対抗するべく、双子が創り出したのは大きな銃のようなもの!
「「……お前に相応しい|土壌《SOIL》は決まった……」」
「「……光厳の黄金、|ゴールデンライト《かぼちゃ》……」」
「「……栄光の真紅、|クリムゾンキング《トマト》……」」
「「……そして、高原の緑風、|グリーンボール《レタス》……」」
「「……出でよ、緑黄色の覇者。ミックスベジタブル……!」」
それは、トウモロコシ、ニンジン、グリーンピースなど、カラフルな野菜で構成された食材の波動!
詠唱文言に入ってた野菜が一つも入っていないが、彩り豊かな野菜の奔流がゴボウ単品である悪実さんに放たれる!
悪実さんが播き出すゴボウの実とミックスベジタブルが衝突し、戦場に激しい衝撃波を引き起こす!
勢いは……互角!
「悪実さん……! いいえ、いいえ! ゴボウは、負けません!」
レナータが手をかざし、ゆるキャラ属性の『ゴボウさん』たちを呼び起こす!
《ゴボウさんフィーバー!》
700本もの『ゴボウさん』たちが、無言であてどなく疾走する!
……疾走するだけである!
GOBOUの絆が悪実蛇播果を支え、ミックスベジタブルを押し返していく!
「「……馬鹿な……わたしたちの、食物繊維が……!」」
「ゴボウには食物繊維だけではなくポリフェノールがたっぷり含まれています!
これが、由緒正しいゴボウ農園の領主、バルダーヌ家の血筋が為せる業です!」
「負けてたまるかぁ、双子ちゃん! ワイちゃんの魂を使えー!!」
「「……バズリブラッディ……!」」
バズリブラッディがその手に握る『HPAH』に全存在の力を注ぎ込み、メニューにパイナップルとアップルをレパートリーに追加する!
これにより、双子のミックスベジタブルはフルーツサラダに進化した!
形勢が、祈りの双子に傾いてく!
「そんな、果実まで追加するなんて……! このままでは、悪実さんが……!」
「ならば! わたくしたちが支えましょう! 氷河期パワー、フルスロットル!」
「これぞまさに|革命《レボリューション》! 立ち上がりたまえ、レナータくん!」
「社長魂・女王魂・大統領魂の全てをこの場に結集し───最終決戦と参りますわよ!!」
「皆さん……!」
最終決戦二回目。
レナータのもとへ集ったトリニティ・セレブリティ・パーティ……ヴィクトリア、アイスエイジクイーン、プレジデントの|魂《ソウル》が!
ゴボウに……悪実蛇播果に更なる力を与える!
ゴボウの実が播かれる速度が音を超え、光速に達し、ビームとなる!
「「……わたしたちの、ビタミンが……!」」
「これが、わたしたちの絆の力。ゴボウと努力のコラボレーション……。
ゴッド暴力です!」
ゴボウとドリョクのアナグラム!
異端の神々が跋扈するダークセイヴァーの闇を吹き飛ばすほどの、トンチキ!
輝かしいゴボウの光が、数多の『いいね』と合わさり最強に見える!
祈りの双子は、創り出したフルーツサラダとまだ残っていたバズリブラッディ諸共、ゴボウビームに飲み込まれていった。
●そして次のステージへ。
超常存在である新血親分バスリブラッディはやり遂げた顔つきで消滅し、後に残されたのは祈りの双子だけとなった。
溢れかえるほどに満ちていた鮮血は猟兵たちの|輝き《トンチキ》により浄化され、何処かへと巡っていったことだろう。
湿った地面に横たわる双子が、レナータと、ヴィクトリアご一行に視線を送る。
「「……わたしたちの負けです……。
……しかし、いずれ、より強大なオブリビオンが、立ちはだかるでしょう……。
……それでも、あなたたちは……諦めないのですね……?」」
「もちろんですわ!」
「はい。それがわたしたちのゴボウなのです」
自信満々に即答するヴィクトリアの態度に、護望するというというレナータの言葉に。
どこか、安心したように祈りの双子は目を瞑る。
「「……守りなさい、この世界……」」
何かいい感じの締めの言葉を遺して、祈りの双子は消えていった。
こうして……闇の救済者戦争は猟兵たちの活躍により勝利をおさめ、鮮血の洪水によるダークセイヴァーの絶滅を防がれたのであった。
勝鬨を上げ、帰路に着く猟兵たち。
だが、猟兵たちの戦いはまだ続くのである、この長い三十六世界を救い尽くすまで!
皆さんの次回作にご期待します! 完!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵