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闇の救済者戦争⑰〜『歓喜』を乗り越えて

#ダークセイヴァー #ダークセイヴァー上層 #闇の救済者戦争 #禁獣『歓喜のデスギガス』

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#禁獣『歓喜のデスギガス』


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「……戦いましょう、最後の一兵に至るまで」
 城砦の外壁から身を乗り出した闇の救済者たちは、死を覚悟する。
 赤き血樹が天へ向かって伸びる第三層は第四層から連れて来られた彼らにとっては異質な世界であったから。そしてなにより辺り一帯を埋め尽くす災群が桁違いであったのだ。

「禁獣『デスギガス』が腹部に抱える歓喜の門からはデスギガス災群と呼ばれるオブリビオンの軍勢が絶え間なく吐き出されている」
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)の説明では、歓喜の門からはオブリビオンのみならず『第四層にある|闇の救済者《ダークセイヴァー》の砦』も一緒に召喚されてくるらしい。
「デスギガスも本気だからね。大量の『オブリビオンの群れ』を放出してこちらを近付けさせないつもりだ。そこで、皆には砦ごと召喚された千名ほどの闇の救済者たちと協力してデスギガスの吐き出す無限災群を切り抜け、本体を叩いてもらいたい」

 召喚された城砦は張り出した二つの塔を持つ砦であり、塔を守る外壁の奥からマスケット銃や投石機で敵の迎撃を行う防衛戦を得意とするようだ。
 指導者はマスケット銃部隊の司令官であるイリスという女性。
 彼女の下、二十数人ごとの部隊に分かれたマスケット銃部隊はいずれも指揮が高く、連携のやり方次第ではかなりの戦力になってくれるはずだ。
「他にも最新型の投石機を数台持っているみたいだね。接触するなら早い方がいい。彼らは彼らでこの状況に絶望しつつも命を賭けて戦い抜くことを既に決めてしまっているみたいなので」
 放っておくと勝手に突撃してそのまま無駄死にしてしまうだろう。
 弥鶴はさらっと、聞き捨てならないことを言った。

「ちなみにデスギガスを倒すと歓喜の門の残滓が手に入るが、これはケルベロス・フェノメノンから入手できる小剣と二者択一になっている。いずれも『どこかの世界』へ繋がる可能性を持つ道具らしいから、好きな方を先に倒すといいよ」
 弥鶴は転移の準備に入る。
「いいかい? こちらはデスギガスが待つ戦場だ。歓喜の獣の元へご案内するよ」


ツヅキ
 プレイングを送れる間は受付中。
 届いたものから順次お返ししていきます。

●第1章
 ふたつの塔を持つ|闇の救済者《ダークセイヴァー》の砦を守るマスケット銃部隊と協力し、歓喜の門からあふれ出すオブリビオンを撃退できればデスギガス本体との戦闘も有利に進められるでしょう。
 こちらのシナリオでは、デスギガス本体にも攻撃が通ります。

 闇の救済者ダークセイヴァー達と協力して戦う。
 プレイングボーナスは以上です。
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第1章 ボス戦 『禁獣『歓喜のデスギガス』』

POW   :    デスギガス・ラッシュ
【大きく裂けた口】から【歓喜の笑い声】を噴出しながら、レベル×5km/hで直進突撃する。2回まで方向転換可能。
SPD   :    ダークセイヴァー・レクイエム
【人類砦の残骸】を降らせる事で、戦場全体が【絶望の世界】と同じ環境に変化する。[絶望の世界]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    ザ・ダイヤ
空中あるいは地形に【ダイヤ】の紋章を描く。紋章の前にいる任意の対象に【漆黒の影】を放ち【記憶喪失】効果を与える。

イラスト:八谷アツキ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月白・雪音
…四層より召喚された方々にとって、この三層は遥かに強い脅威を感じるものでしょう。
されどその恐怖に晒されながら、それでも命を賭して自らの世界を守らんと立っている。
なればこそ死なせる訳には参りません。彼ら闇の救済者が我らの戦に奮起して興ったもの、故にその想いに応えるが猟兵として立つこの身の勤めなれば。


イリス司令に接触し後方支援を要請、自分への誤射を一切気にすることなく敵への攻撃を最優先として貰い
UC発動、残像の速度で接敵、回避しつつ怪力、グラップルの無手格闘にて相対
見切り、野生の勘で味方のものを含め攻撃を感知し一撃一殺にて仕留める
デスギガスに届けば『門』に狙いを定め部位破壊を合わせた必殺の一撃を



「誤射しても構わない、ですか?」
 司令官のイリスが驚き、思わず聞き返すのに月白・雪音(月輪氷華月影の獣・f29413)は表情一つ変えぬまま頷いたのだった。
「大丈夫、心配なさるような事態にはなりません」
「しかし……」
 イリスは途中まで言いかけ、けれど思い直したように首を振り分ける。
「いえ、わかりました。猟兵さまの武勇は私たちの元にも届いております。あなたがそう仰るのであればきっとその通りなのでしょう」
「では、後方支援をお願いいたします」
「喜んで!」

 そして運命は変わる。
 イリスはマスケット銃部隊のうち四部隊を選んで雪音に従わせた。無謀なる突撃ではなく、希望ある支援を。砦の外壁に立ち、風を受けて佇んでいた雪音が――跳んだ。
 オブリビオンの大群に向かい、無手にて突っ込み、手あたり次第に打撃を叩き込みながら目指すは|本体《デスギガス》。
「撃て!」
 後方より射出される弾丸の気配を察知、雪音はひらりと宙返りをして躱した。代わりに直撃したオブリビオンの動きが鈍ったところへ蹴りを放ち、止め。

 ――一撃一殺。

 まるで獣。
 理性ではない、思考でもない、生まれながらの本能的な|勘《・》が雪音の命を守っているのだ。その拳はやがて、届く。
「そんなにぼくと戦いたいの? 歓迎するよ!」
 だが、雪音はデスギガスの顔の前をそのまま通り過ぎた。
「あれ?」
 狙いは『門』。
 部位破壊を乗せた拳で狙いを定め、渾身の力で叩き込む|拳武《ヒトナルイクサ)》――! デスギガスが悲鳴を上げた。
 やめて、とかだめぇ、とかそういった類のものであったと思うが、雪音は聞き入れなかった。だって、|闇の救済者《彼ら》は猟兵の戦に奮起して興ったもの。
「故にその想いに応えるが猟兵として立つこの身の勤めなれば、無様な姿など見せられませんので」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ歓迎

アルターギアに搭乗して塔に接近
闇の救済者さんたちに声を掛けるの
お願い、手伝って!

作戦は単純なの
みんなには、弱点のお腹を狙って欲しいの
攻撃はぼくが防ぐの

アルターギアの補助を受けて魔力を増幅
デスギガスの紋章の位置を魔力センサーで捕捉、描ききられる前に破邪結界の槍で破壊するの

来るよ、よく狙って!
闇の救済者さんたちの武器に一気にエンチャント
攻撃力を高めて、同時に魔力増強の魔術回路も刻印
撃って!

射撃開始と同時にUC発射準備
撃ち込まれた弾丸の魔術回路と接続
門の周辺に魔術陣を展開
UC発動
魔術陣を通して消滅魔術を撃ち込むの!



 機動力と魔術に特化した空戦用外骨格。
 その|名称《な》を――アルター・ギア。

「突撃は待ってほしいの!」
 ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は砦の前に両手を広げるような格好で姿を見せると|闇の救済者《彼ら》に応援を呼びかけた。
「では、我々は腹部を狙えばよろしいのですね。しかし、あの巨体です。武器が届くかどうか……」
「相手の攻撃はぼくが防ぐから、やってみてほしいの」
「わかりました。危険な任務です。特に精鋭を選りすぐってお供にお付けいたしましょう」
 
 空に巨大な紋章が描かれてゆくのをアルターギアのセンサーが感知。増幅された魔力を破邪結界の槍に注ぎ込み、破壊を試みる。
「あれれ?」
 紋章が砕け、闇の救済者たちが雄叫びながら迫るのをデスギガスは不思議そうな顔で見ていた。
「ぼくの紋章がこわれちゃった。次はお空じゃなくて地面に描こうかなあ? ――はわ!?」
 突如、腹部に違和感を覚えたデスギガスが素っ頓狂な声を上げる。そこでは射程圏内にまで潜入を果たした闇の救済者たちが魔力増強のための魔術回路を刻印されたマスケット銃を揃って歓喜の門に向けていたのだ。
「撃って!」
 火薬のにおいが充満し、デスギガスのくすぐったそうな悲鳴が続いた。
「あひゃひゃ! やめて!」
 ロランは門を中心に魔術陣を設置、幾重にも展開されたそれはまるで照準器のような紋様を描いた。既に撃ち込まれた弾丸とこちらを繋ぐように輝いて。

 熱波と冷気――。
 相反する存在が織り成す消滅の光。

 デスギガスは叫んだ。
「きれいな光だね! あれ? ぼくのお腹が……あれ、あれれ~……――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
全くどれだけ厄介事を生み出せばすむんだか
禁獣デスギガス…君も別世界から流れ着いたのかな?

《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
マスケット銃部隊には外壁から周囲のオブリビオンに対して攻撃をして貰い牽制をし続けて貰おう
その攻撃に注意が行っている間に私も外壁の外へ出てオブリビオンを各個撃破していこう
【雷鳴・解放】を起動し高速移動、マスケット部隊の銃撃で崩れた敵に剣戟と『斬撃波』を飛ばして削っていこう
ある程度片が付いたらデスギガスへの攻撃
高速移動で落ちて来る残骸を回避しつつ、避けきれないものは『オーラ防御』で盾を生み出し直撃を逸らす
射程を見極め稲妻を纏った斬撃を飛ばして攻撃していこう



 砦の外壁に立つ月夜・玲(頂の探究者・f01605)は暴れ狂うオブリビオンに向けて降り注ぐ弾幕の嵐を見据え、頷いた。

 ――抜刀、《RE》Incarnation&Blue Bird。
 |いくよ《Go》。

 玲のいる場所はすぐに分かる。雷鳴が轟き、オブリビオンたちが黒焦げになって墜落していく渦中がそれだ。闇の救済者は素早く次の弾を込めて加勢を続ける。
「こちらに敵の注意を引き付けるんだ! 攻撃を集中し、陣形を崩せ!」
 オブリビオンは数が多いと言えども、かき集めて連れて来られた烏合の衆だ。玲は陣形を崩した相手の横っ面を叩き、自らも斬り込んだ。
「は、早すぎる……ッ」
 動きに全くついていけないオブリビオンは足止めにもならず、斬撃破に両断されて戦場に散る。
「だいぶ減ったかな?」
 さて、と玲は視線を上げた。

 ――|歓喜の獣、デスギガス《この戦場の主》。
 なんて大きさ、なんて禍々しさ。

「ようこそ、絶望の世界へ! ほらほら、綺麗でしょ?」
 天より墜落する廃墟の欠片をデスギガスは楽しそうに眺める。まるで無邪気だが、やっていることは最悪だ。全くどれだけの厄介事を生み出せば気が済むのかとため息をついて。
「君も別世界から流れ着いたのかな?」
「うふふ。もう忘れちゃった!」
「そう。無理に思い出さなくてもいいよ、後で調べればわかるんだからさ!」
 直撃の寸前に躱した破片は砦に飾られていたのだろう、古びた旗の残骸であった。オーラ防御で作り出した即席の盾で振り払い、デスギガス本体へ――。
「いけ!」
 渾身の力で振り抜いた双剣から稲妻を纏った斬撃が迸った。それはデスギガスの奇怪な身体へ吸い込まれるようにして一瞬見えなくなった後、激しい閃光を瞬いて屠る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

館野・敬輔
【SPD】
アドリブ連携大歓迎

助けは来たが、皆、命を賭ける覚悟か…
…いや、俺は誰も死なせるつもりはない
早めに接触し、後方からの支援に徹してもらおう

指定UC発動、光り輝く白の靄と聖属性の「オーラ防御」を纏う
この靄は目印も兼ねているから、乱戦でも目立つはず
その上で「ダッシュ」+高速移動で吶喊しわざと無限災群を引きつけ
合図と共に闇の救済者たちに一斉射撃してもらおう
デスギガスに肉薄したら、その勢いで「2回攻撃、怪力」で叩き斬る!

絶望の世界に変化したら、大声で闇の救済者を励ます
俺自身はとっくに絶望を乗り越えたから、何ということはない
皆、諦めるな!
このデカブツを倒せば、皆助かる!
絶対死ぬな、生きるんだ!!



 闇の救済者たちの士気は底無しであった。死を覚悟した人間に怖れるものなど何もない。銃を手に立ち上がれ、人間の矜持をオブリビオンらに見せつけるのだ、と。
「待て、命を捨てる必要はないんだ」
 館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)の要請は彼らを生かし、そして元の世界に還すためには必要なことであったから。
「それはいったい、どういう……」
「俺が|出陣《で》る」
 敬輔は黒剣を手に告げる。
「後方からの支援に徹してもらえるか? 頼りにしているよ」

 端的に言えば、敬輔の役割は“囮”だ。
 かつて喰らった魂と聖なる光の靄が混濁した姿は陽の光の届かない闇の世界でひときわ目立つ。明かりに群がる羽虫のようにオブリビオンは敬輔の周囲を取り囲んだ。
 彼らに捕まらないよう、高速移動を続けて狙いやすい場所まで引き付けてゆく。無限災群というだけあって桁外れの大群だ。
「今だ!」
 敬輔の合図をきっかけに、闇の救済者たちのマスケット銃が一斉に火を噴いた。
 一糸乱れぬ連携によって放たれた弾幕がオブリビオンを呑み込む。そして敬輔がデスギガスに迫るための間隙を生み出して。
「来たぞ、デスギガス!」
「ようこそ!」
 おどけて笑うデスギガスの齎す絶望の世界は既に敬輔にとっては乗り越えた後の残滓に過ぎない。だが、闇の救済者たちにとっては恐るべき光景であった。砦。もしかしたら、未来の自分たちの姿なのでは?
「や、やっぱりここは地獄なんだ……ここで死ぬしかないんだ!」
 恐慌に陥りかける彼らを敬輔が叱咤する。
「皆、諦めるな!」
「しかし――」
「生きろ!」
 剣を返し、もう一度デスギガスを斬り払いながら声を張り上げた。
「このデカブツを倒せば、皆助かる! 死ぬんじゃない!」
 必死の激励が彼らの勇気を振り絞らせる。
「それでいい」
 ゆっくりと上がる銃口に微笑み、敬輔は笑った。
「さあ、倒すぞ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゾーヤ・ヴィルコラカ
 わたしが来たからには、みんなを死なせやしないわ。お願い救済者さん達、デスギガスをここで倒すためにも、みんなの力が必要なの。防御はゾーヤさんにお任せあれ、ありったけの攻撃をお願いね!

 【UC:氷棘の乱舞】(SPD)を発動よ! 二つの塔を守るように〈結界術〉で茨を展開して、近づけないように態勢を整えるわ。茨に触れたら〈生命力吸収〉〈魔力吸収〉で動きを止めて、無理に乗り越えようとしても救済者さんの集中砲火で薙ぎ払えるはずね。降り注ぐ残骸やデスギガスには氷の〈属性攻撃〉〈凍結攻撃〉を放つわね。

 生きたいって気持ちは、何よりの力になるの。諦めない限り、わたしたちは負けないわ!

(アドリブ等々大歓迎です)



 求めれば、救う者は必ず現れる。

「待って!」
 ゾーヤ・ヴィルコラカ(氷華纏いし人狼聖者・f29247)は間一髪で間に合った。もうあと少し遅かったら闇の救済者たちはオブリビオンへの特攻に殉じていたに違いない。
「あなたは……」
「お願い、デスギガスを倒すために力を貸して。みんなの力が必要なのよ!」
「しかし、ここはまるで異世界のようです。私達が太刀打ちできるとはとても……」
 だが、ゾーヤは頼もしく笑った。
「|これでも《・・・・》、そう思う?」
「塔が――!?」

 それは美しい氷像細工が生まれる瞬間にも似ていた。
 第四層から転移された砦を氷の棘や茨で覆い、結界を重ねがける。迂闊にも飛び込んだオブリビオンは茨に触れた途端に魔力と生命力を吸われて悲鳴を上げた。
「撃って!」
 半信半疑だった闇の救済者も、そうやってオブリビオンを撃退できた後ではゾーヤに協力を惜しまなかった。
「こいつらは私たちに任せて、あの獣を倒してください」
「うん、お願いね!」
 外壁から突き出した銃が災群を集中砲火する最中、ゾーヤはこれでもかと大量の氷をデスギガスに浴びせかける。絶望を齎す残骸は凍り付き、地上へ到達する前に砕け散った。はらはらと降る氷の残骸はまるで水晶の欠片に似ている。
「うう……寒いなあ!」
 デスギガスは白い息を吐いた。
「まだ諦めないのかい?」
「当然よ!」
 生きたいと願う限り、諦めない限り――絶対に負けやしない。それは力となって勇気を励起するから。ゾーヤと一緒に戦ってくれる闇の救済者たちの頼もしい支援がなによりの証明だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
キラッと登場、藍ちゃんくんでっすよー!
皆様何やら絶望してまっせんかー?
絶望の世界に屈してませんかー?
でしたら皆様、どうして銃を手にしてるのでっすかー?
戦って死ぬため?
いいえ!
皆々様は今日この時まで絶望に立ち向かってきたからこそ、闇の救済者なのでっす!
あの程度の絶望だなんていつものことなのでっす!
その度に乗り越えてきたからこそ、皆様はここにいるのでっす!
というわけで鼓舞しつつもドーム展開!
防衛戦が得意な皆様を更に固くして戦いやすくするのでっす!
侵入不可でもありますれば、近接攻撃なども全部シャットアウト!
まあその分藍ちゃんくんが狙われるでしょうが、オーラ防御で時間を稼ぎつつ、皆様にお任せしましょう!
藍ちゃんくん周囲に災群が群がる分、皆様も狙いやすいかと!
デスギガスさんの突撃も自然と藍ちゃんくんとの激突で止まりまっすからねー!
耐えるのが大変でっすが、皆様に勢いを落としてもらったり、皆様の攻撃で敢えてデスギガスさんに方向転換を回避に使わせて自分から直撃コースを逸していただくのもありなのでっす!



 藍ドルとはファンのために笑顔を絶やさない。
 それが藍ドル、藍ドルとは――輝く|希望《ヒカリ》。

「ちょーっと待った! なのでっすよー」
 紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)が砦に滑り込んだのはまさにマスケット銃部隊が死地に赴こうとしていたところで。
「猟兵殿? ではやはり、ここは戦場なのですね。覚悟はできております。この命と引き換えに――」
「待て」
 イリスが部下を制止、丁寧な礼をしてから藍に向き直った。
「私は司令官のイリスと申します。何やら、お考えがありそうですね」
 藍は頷いた。
「だからまずは絶望に屈しないでほしいのでっすよ。戦って死ぬだなんて、でしたら皆さまどうして銃を手にしてるのでっすかー?」
「それは……」
「戦って死ぬため?」
「違います!」
 別の兵士が叫ぶ。
「この世界を|オブリビオン《あいつら》から守るためです。希望の光をこの絶望の世界に灯すためです!」
「そうだ!!」
「俺たちの世界を取り戻すんだ!!」
 口々に兵士たちは言った。
「そう、皆々様は今日この時まで絶望に立ち向かってきたからこそ、闇の救済者なのでっす!」
 藍が煽ると、拳を突き上げて咆哮する。
 さすがの士気の高さであった。闇の救済者の呼び名は伊達ではない。幾度、絶望的な状況を乗り越えて来ただろうか。
 一度や二度ではない。
 何度だって、諦めずに突き進んだ。
「あの程度の絶望なんていつものことなのでっす!」
「確かにそうだ。ここには空気だってあるし、武器だってある。きっと今回も生き延びられるに決まってるさ!!」

 ――兵士の決意に応えるように藍はマイクを構えて砦の前に立ち塞がった。
「ここから先は侵入不可なのでっす!」
 元々遠距離攻撃を得意とする砦の兵士たちにとって、これは勝利が約束された瞬間でもあった。近接攻撃しか持たないオブリビオンは藍の背後に聳えるドームの前で立ち往生するしかなく、弾幕の集中攻撃や投石機の直撃を受けて憤死。
「藍さんをお守りするのよ!」
 イリスの指示を受け、兵士は藍に群がるものから射落としてゆく。
「なにこれ? 通せんぼ!」
 デスギガスの突撃すらもドームは許さなかったのである。
「じゃあ君を倒して進むしかないんだね。あはははは!」
 やりたい放題のデスギガスに対して、イリスは全投石機の標的を集中させる命令を出した。
「撃て!」
「そんなの当たらないよ! あ、しまった!」
 あまりにも簡単に避けられそうだったので、デスギガスはうっかり方向転換してしまう。回数制限があるのにも関わらず。
「まずいまずい!」
 慌てて向き直って、これでもう2回とも使い果たしてしまった。藍はしてやったりと砦を振り返って満面のダブルピース。
「これでデスギガスさんは真っ直ぐに突き進むしかなくなったのでっすよー! もう回避行動は取れないのでっすから、どんどん攻撃しちゃってくださいなのでっす!」 

大成功 🔵​🔵​🔵​

リューイン・ランサード
まずは猟兵として指揮官であるイリスさんに接触する。
「僕達も頑張りますので、一緒に乗り切りましょう」と鼓舞。

集団戦術を活かして助言。
投石器は敵軍の密集地点を狙って下さい。
マスケット銃部隊は砦に侵入しようとする敵を主な標的にして下さい。

そしてリューインは自身の翼で空を飛び、多重詠唱による炎と風の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・範囲攻撃で作り出した炎の竜巻を、敵軍により多くのダメージを与えられるポイントに撃ち込んでいく。

敵攻撃は第六感・瞬間思考力で読んで、空中戦・見切りで躱すか、ビームシールド盾受けで防ぐ。
オーラ防御も展開。

戦況を持ち直したら、今度はデスギガスを倒しに行く番です。

空を飛んで攻撃ポイントに着く。
スナイパーでデスギガスと敵軍密集部をロックオン。
光の属性攻撃・全力魔法で両目にエネルギー充填。

UC:竜闘気波動砲を発射!
螺旋を描いて飛ぶ二本の波動砲が途中で交わって拡散し、デスギガスと敵軍に降り注ぐ。

ダメージは与えました。
止めは後続の猟兵さんに委ねます。
仙術による千里眼で視界を確保して撤退。



「あなたが指揮官のイリスさんですね? 僕はリューイン。お初にお目にかかります」
 リューイン・ランサード(波濤踏破せし若龍でもヘタレ・f13950)が握手を求めると、イリスは礼儀正しくその手を取って挨拶を交わした。
「私がイリスです。早まって命を無駄に捨てようとした私達を救ってくださってありがとうございます」
「いえ、僕達も頑張りますので、一緒に乗り切りましょう」
「はい! 勿論です」

 敵が砦に到達する前にリューインは幾つかの助言を彼らに残した。
「投石器、用意!」
 アドバイス通り、兵士は最もオブリビオンが密集している地帯を狙って投石器を放つ。元々は命中率の低い武器だが、こうすることで各段に巻き込める数が増えるのだ。
「砦に侵入しようとしている敵を発見!」
「銃で迎撃しろ!」
「了解!!」
 リューインは首尾よく闇の救済者たちが持ち堪えているのを確かめた後で、塔の突き出した部分から自身の翼で飛び立った。
「第三層の空、か。炎よ渦巻け! できるだけ多くの敵を巻き込んで爆ぜろ!」
 炎の魔法は風のそれと相まってより激しく燃え盛る。
「で……でかい!!」
 襲い来る炎の竜巻と対峙したオブリビオンが悲鳴を上げた。なにしろ全力で高速で同時に紡ぎあげたリューインの得意技だ。
「うわあああッ!!」
 断末魔の叫びと燃え尽きて灰燼となったオブリビオンの残骸のただ中をリューインは危なげなく翔び抜ける。挟み撃ちにしようと襲って来た敵の思惑を第六感で先読みし、すり抜けるように上空へ逃れると相討ちで正面衝突したオブリビオンが気絶したまま落下していった。
「このままデスギガスの元へ……!」
「あはははは! 捕まえちゃうぞ」
 笑いながら突進するデスギガスごと周辺にいるオブリビオンを|照準に捉える《ロック・オン》。藍色の瞳に魔力が充填、光のエネルギーが爆発的に増大していって――。
「エネルギー充填……80、90……――リミットオーバー! 竜闘気波動砲! どうか、当たって下さい……――!!」

 螺旋を描いて飛ぶ波動砲が交わった途端、拡散型へと移行。着弾地点に指定されたデスギガスとオブリビオンをその膨大なエネルギーで吹き飛ばすように降り注いでいった。
「わわわわわ~」
 千里眼で確保した視界を頼りに離脱するリューインの背後でデスギガスが急速に縮みつつあった。まるで裏返すように門のあった穴へと消え、綺麗さっぱり何もなくなってしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月19日


挿絵イラスト