闇の救済者戦争⑳〜闇紅のMemoria
「「……鮮血の大地に潜り、猟兵達を迎え撃つ……」」
「「……この大地は、これまでこの世界で流された『全ての血液』……」」
「「……無限の鮮血を贄としたとき、わたしたちは最強……」」
真紅の大地で。自らが贄と呼ぶ血に塗れ、双子は謳う。
「「……つまり、これでようやく猟兵と五分……」」
「「……わたしたちは最も古き『はじまりのフォーミュラ』として……」」
「「……ライトブリンガー、かつてあなた達と戦った時のように……」」
「「……六番目の猟兵達との戦いに、死力を尽くしましょう……」」
「お疲れさま。次の相手は五卿六眼『祈りの双子』――この世界のオブリビオン・フォーミュラにして、ダークセイヴァーの真なる支配者「五卿六眼ごきょうろくがん」の一柱」
伝承を語るように重々しく。御乃森・雪音(La diva della rosa blu・f17695)が予知の内容を告げる。
「本人達が最も古く、故に最も弱きフォーミュラと自称するように、これまでのフォーミュラと比べて特別強いわけではないのだけれど……第二層の大地を切り裂きそこから溢れる膨大な鮮血を生贄とする生贄魔術を使ってくるわ」
双子の欠落は健在だけれど無敵能力は無く、制圧すれば滅ぼせるらしい。
「第二層の大地に流れる鮮血は、これまでこの世界で流された全ての血液であるそうよ。想像もつかない量よね、きっと。祈りの双子はこの鮮血を浴び、かつて血を流した人々のオブリビオンに対する憎しみの記憶を糧に超強化して襲いかかってくる。勿論対抗する方法があるんだけど……こちらも鮮血に潜り、自らを助けてくれる血の記憶を見つけ出すしかないわ。但しそれに成功した時、普段の姿を維持する事は出来ない……真の姿となって戦うしかないって事ね」
開かれた転移の扉の向こうからは、血の匂いが漂う。何かを願う様に、雪音は目を伏せた。
「無事に、帰って来てね。待ってるから」
真空。
見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
プレイングボーナスは【鮮血の中に満ちる人々の記憶の中から、自身を助けてくれる「血の記憶」を見つける】です。
1章完結戦争シナリオのため、公開後即受付し、少数採用となるかと思われます。
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
今回のシナリオの構成上、大人数は厳しいかと思います。
皆様の参加、心よりお待ちしております。
第1章 ボス戦
『五卿六眼『祈りの双子』』
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POW : 化身の祈り
自身の【支配するダークセイヴァーに溢れる鮮血】を代償に、1〜12体の【血管獣】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
SPD : 鮮血の祈り
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【支配するダークセイヴァーに溢れる鮮血】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ : 双刃の祈り
自身の【支配するダークセイヴァーに溢れる鮮血】を代償に【血戦兵装】を創造する。[血戦兵装]の効果や威力は、代償により自身が負うリスクに比例する。
イラスト:ちゃろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バレーナ・クレールドリュンヌ
【真の姿】
硝子の棘が脚を刺す、人の姿へと変えた人魚。
【鮮血の記憶】
赫い記憶から辿るのは、過去の自分……泣く事さえ諦めた諦念と絶望に満ちた、赫に怯える幼い人魚。
『もう悲しまないで、私はもう赤に目を奪われることはないわ』
【泡沫の夢幻郷】
ユーベルコードで、拡大する夢幻の海、歌で立ち向かう限り、不可侵領域で覆う海の世界。
そこでは、歌声がオブリビオンの存在のチカラを奪う鎮魂歌。
歌に込められた立ち向かう意思と、血の奔流の中で見た苦しむ人々を癒す歌声で、血戦兵装に込められた血を解放していくわ。
痛みも恐怖も、なにもかも受け止めて、血を流す人々の魂を歌で癒しましょう。
それが私に出来る唯一の事だから。
血で満ちた大地に降り立ったバレーナ・クレールドリュンヌ(甘い揺蕩い・f06626)を迎えるのは、五卿六眼『祈りの双子』。
「「……よくぞ来ました、六番目の猟兵」」
ぴたりと揃った声、重なる音に感情の色は無い。
「「この場において、わたしたちは最強……」」
周囲を満たす血が全て双子の力となるのなら、こちらも対抗する力を見つけるだけ――バレーナは躊躇いなく鮮血へ身を投じる。
初めに見えたのは、幼い頃の自分自身。怯えながらも、涙は無く。諦めと絶望とが胸を満たしていた、小さな人魚。赫い記憶をバレーナは微笑を浮かべたまま振り払う。
『もう悲しまないで、私はもう赤に目を奪われることはないわ』
幼い人魚が顔を上げる。過去の自分と目が合ったような気がして、バレーナは再度微笑みかける。もう大丈夫だから、と。重なるように幾つかの映像が浮かぶ。血に残った記憶だろうか、苦し気な人々の姿が幾つも幾つも通り過ぎていった。
血の中からゆったりと立ち上がるバレーナを支えるのは、二本のすらりとした足。ガラスの棘が巻き付き刺さって痛みを響かせるけれど、それでも自身の力で立つ事が出来る足。立ち上がったそのまま細い指を組み合わせ、祈るように目を閉じて。細く高く響く声が、一筋光の様に流れ始める。
「これがわたしの歌、わたしがわたしである為に、この世界に歌いましょう」
バレーナの周囲が夢幻の海へと変わっていく。歌い続ける限り広がる不可侵領域では、歌声がオブリビオンの存在のチカラを奪う鎮魂歌となる。
(痛みも恐怖も、なにもかも受け止めて、血を流す人々の魂を歌で癒しましょう。それが私に出来る唯一の事だから)
「「……猟兵、何を……」」
歌に込められた立ち向かう意思が。血の奔流の中で見た苦しむ人々を癒す歌声が。双子を覆う血戦兵装に使われている血を解放していく。
「「止めなさい……!」」
「歌は祈り、歌は力。どんなに絶望に堕とされても、わたしがわたしである限りわたしは歌う」
歌い続けるバレーナの、鮮血に沈む世界でも光を湛え響く声が双子を圧倒していた。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
真の姿『風絶鬼』(20/12/19)
必要とあらば、潜りましょう。『血の記憶』…たまに訪れていたこの世界で。
見つけたのは…誰かのために戦った記憶。それは私に近いんですよ。自分のためにではなく、誰かのために。
そして…それの助けを得て。私は鬼となりましょう。
血管獣も双子も、このUCを乗せた漆黒風にて討伐を。足の方に投擲し、さらに頭を狙っての投擲…二回攻勢ですねー。
言っておきますが。私の本領は暗殺。
さらに気配を消してダッシュで近づき、漆黒風を両手指の間に握りこんでの薙ぎです。
ここで終わるわけ、ないんですから。
双子はそこに在る。ちょうど半分ずつの瞳が、血の中へ潜る馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)を映し虚ろに光る。必要とあらば、と身を沈めた義透が見たのは、たまに訪れていたこの世界で誰かのために戦った己の、見知らぬ誰かの記憶。自分のためにではなく、誰かのために。その在り方は馬県・義透という存在に限りなく近い。見えた記憶に手を伸ばす。力を、掴み取る。
伸ばした手を掲げたまま、血を割って表れた姿は風絶鬼――鬼となった義透。黒かった髪が凍てつく冬の風のような白みを帯びた銀色へ。額に伸びるのは緑の角。
「「……鬼となりましたか、猟兵」」
双子の周囲の鮮血が揺れ、蠢く。ずるずると絡み合った血管で作られた獣達が、深紅の牙を剥いて義透を狙う。
「「……為らばそれをも砕くだけ……」」
「さてー、参りましょうかー」
双子の声を遮ったのは、戦場においては似付かわしくない程にのんびりと聞こえる声。しかし、声とは真逆に手が素早く動き棒手裏剣が緑の光を靡かせて飛ぶ。血管獣が義透を目指して駆ける足場を破壊し、バランスを崩したところに頭を狙う追撃。ばらばらに砕けた獣が、鮮血へと還っていく。
「まだまだですよー」
獣の後ろで義透を見る双子にも同じ攻撃が向かう。払い除けようとする、その隙を見逃さない。
「――言っておきますが。私の本領は暗殺」
義透の声が、思っていたよりも近い位置で響いた。はっと視線を揺らした双子を、自らの攻撃を囮に使い距離を詰めていた義透が漆黒風を両手指の間に握りこんで薙ぎ払う。破壊の力を乗せた一撃が、二人共を同時に切り裂いていく。
「ここで終わるわけ、ないんですから」
さあ、続けましょう。そう告げる口元は笑みを浮かべたまま。義透の鋭く細めた目が、双子を刺す。
大成功
🔵🔵🔵
シャルロット・クリスティア
とめどなく溢れ出る鮮血。
いったい、どれほどまでに犠牲を強いて、私たちを痛めつけてきたのか……。
いいでしょう。
ここに眠る血の記憶。淀み、溜め込んできた憎しみ、恨み、怨嗟たち。
地を這い、痛めつけられ、苦難の中力尽きていった記憶。
私が引き受けましょう。
共に復讐を為すために、その負念、借りていきます。
この身を黒い怨念に包み、刃にあらん限りの殺意を込めて。
真の姿を開放し、挑みましょう。
今の私は、お前たちがこれまで育て上げてきた憎悪の塊。
望まぬ犠牲を強いる、身勝手な祈りごと、
ねじ伏せて、蹂躙して、嘲笑いながら殺してやる。
「とめどなく溢れ出る鮮血。いったい、どれほどまでに犠牲を強いて、私たちを痛めつけてきたのか……」
ダークセイヴァーで生まれ、ダークセイヴァーで死んだシャルロット・クリスティア(霞む照星の行方・f00330)。きっとこの鮮血の中には自身のものも、家族や隣人達のものも含まれているのだろう。
「いいでしょう。ここに眠る血の記憶。淀み、溜め込んできた憎しみ、恨み、怨嗟たち。地を這い、痛めつけられ、苦難の中力尽きていった記憶。私が引き受けましょう――共に復讐を為すために、その負念、借りていきます」
とぷり、と鮮血の中に身を沈め。見えた血の記憶は……燃える家屋。倒れ伏す人々。そして倒れ伏したまま届かぬ手を伸ばし、土に塗れる己の姿。
(この身を黒い怨念に包み、刃にあらん限りの殺意を込めて)
忘れない。忘れられない。見えたものが、力を高めていく。暗い思いを反映してか、その身を包む衣服も靴も黒く染まり、透き通った青い筈の瞳が、濁った血の赤に染まる。
「――今の私は、お前たちがこれまで育て上げてきた憎悪の塊」
「「力無き者は、蹂躙される。それだけの事……」」
この世界の理屈としてはそうなのだろう。だから、力を得た今なら。
「望まぬ犠牲を強いる、身勝手な祈りごと、ねじ伏せて、蹂躙して、嘲笑いながら殺してやる」
あの日叶わなかった叛逆を、今此処に。ペインブリンガーが血の色の光を放つ。鮮血の中から浮き上がるのは、悪霊と成り果てた、かつての暴政の犠牲者達。全てを受け入れ、その身を破壊者と為してシャルロットは走る。振り上げた呪詛を溜め込みし邪剣は、祈りの双子の血を求め鈍い唸り声をあげた。
「「……回避、を……」」
周囲に溢れる鮮血を代償に使い、シャルロットの攻撃を避ける双子。しかし、攻撃は止まる事を知らず次第に回避が間に合わなくなっていく。そして、恨みの力を乗せた一撃が双子を捕らえ、大きく切り裂いた。
大成功
🔵🔵🔵
サク・ベルンカステル
鮮血など半魔半人となって以来、切っても切れぬ関係だ
躊躇いなく鮮血の海に潜る
失われた故郷よ…
家族よ…
友も…
恋人よ…
私と共に不条理を振り撒く化物に復讐を、、、!!!
ダンピールとしての感覚が自身に縁のある血液の力を感じると、鮮血の海から真の姿となり飛び上がる。
その姿は体内の闇の血と、力を与えてくれる血を装甲や刃として全身に纏った魔人としての姿。
「忌まわしい姿だが、、、故郷の皆となら悪くはない」
血管獣と双子に向かい突撃する
使用するUCは概念斬断。
概念斬りのUCを纏った随行大剣4本で血管獣を押し込み道を切り開き、周囲の血に宿る憎しみを斬る
遂に辿り着いたサクは黒剣に必殺の想いを込め双子へと剣閃を走らせる
身の回りに広がる赤の匂いも色も、サク・ベルンカステル(幾本もの刃を背負いし剣鬼・f40103)にとっては量の違いはあれど見慣れたものでしかなかった。
「鮮血など半魔半人となって以来、切っても切れぬ関係だ」
躊躇いなく手を差し込み、鮮血の海に潜っていく。
(失われた故郷よ……家族よ……友も……恋人よ……)
思い浮かべていたからだろうか。ダンピールとしての感覚が自身に縁のある血液の力を呼び寄せたのだろうか。見えてきたのは故郷の最期の日。次々と倒れていく見知った顔。破壊され、唯の瓦礫と化していく故郷。恋人の最期の笑顔。血の涙を流し、吠えるサク自身。
「私と共に不条理を振り撒く化物に復讐を……!!!」
過去のサクと、今のサクの叫ぶ声が重なり、闇の血と、力を与えてくれる血を装甲や刃として全身に纏った魔人としての姿で立ち上がる。
「忌まわしい姿だが……故郷の皆となら悪くはない」
共に戦うのなら、どんな戦いでも乗り越えられると。黒剣を構え、祈りの双子目掛け真っ直ぐに突撃する。
「全ての不条理を我が剣閃で断ち斬る!」
「「……展開、血管獣……」」
祈りの双子が、 化身の祈りを捧げると進路の鮮血が盛り上がり、血管で編み上げた獣が姿を現す。サクの足を止めんと立ち塞がるが、横に浮かぶ随行大剣がまるで誰かが手を添えているように滑らかに動いた。概念すらも断ち切る剣閃が獣達を斬り伏せた。
「「……足止めにすらならない、と……」」
虚ろな中にも驚愕の色を浮かべる祈りの双子。そして、サクの刃が彼女らを捉えられる距離へと到達する。
「……この血を流した者達の痛みを思い知れ……!」
必殺の想いを込めた漆黒ノ魂滅が振り下ろされる。双子がその身を守る為に掲げた剣を弾き、その身を大きく切り裂いた。
大成功
🔵🔵🔵
鳥羽・白夜
真の姿晒すのか…あの姿あんま好きじゃねーし正直気は進まねーけど…
意を決して血の中に潜り、見つけた記憶は最期まで悪趣味なヴァンパイアに抗った少年のもの。
ありがとな、俺もヴァンパイアだけどダークセイバーの奴らとは違うって証明してやるよ。
瞳は真紅に変わり蝙蝠の翼を生やした真の姿に。
指定UC発動、血の中ならお誂え向きだ。隠れんぼといこうじゃねえか。
鮮血の隠れ蓑を迷彩として纏い、祈りの双子が代償として使う鮮血を片っ端から攻撃を防ぐ遮蔽物として使用。
遮蔽物越しに【貫通攻撃】、【斬撃波】を放ち攻撃。血塗れの大鎌に【吸血】させる。
血を扱うのはそっちの専売特許じゃねーぞ。
あと…流すんならトマトジュースにしとけ!
「真の姿晒すのか……あの姿あんま好きじゃねーし正直気は進まねーけど……」
鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)が意を決して血の中に潜り、見つけた記憶は最期まで悪趣味なヴァンパイアに抗った少年のもの。家族を失い、自らも傷ついても、決して諦めなかった戦士の想い。願い叶わず力尽きたものの、命を懸けたその願いを白夜は確りと受け取った、と思った。
(ありがとな、俺もヴァンパイアだけどダークセイヴァーの奴らとは違うって証明してやるよ)
血から離れた白夜の瞳は空の青から血の真紅に変わり、背には大きな蝙蝠の翼が生えていた。決して好きではないけれど、想いを背負い戦う為の力。
「「猟兵、その姿はこちら寄りに見えます……」」
「黙れ――血の中ならお誂え向きだ。隠れんぼといこうじゃねえか」
赤の刃を持つブラッディサイズが鮮血に触れ、赤い三日月の力が鮮血を祈りの双子ではなく白夜のものへと変えていく。鮮血の隠れ蓑を迷彩として纏い、祈りの双子が代償として使う鮮血を片っ端から振るわれる剣を防ぐための遮蔽物として使用していく。代償として使うには不足な程に。鮮血を壁として間に挟んだまま、ブラッディサイズを振るい斬撃波を放ち、様子を見ては直に突き刺すように使い大鎌に血を吸わせていく。
「血を扱うのはそっちの専売特許じゃねーぞ」
「「……やはり、その力はわたしたちに近い」」
ばさり、と背の翼を羽搏かせ飛び上がる。血を舞い上げ、視界を遮りつつ大きく鎌を振るって一際強い斬撃波を双子へとぶつけた。双子から溢れる血が、鮮血を更に赤く染めていく。
「あと……流すんならトマトジュースにしとけ!」」
自身が好むあの赤なら、誰にも被害は無いだろうにと。叫ぶ白夜を深く傷を負った双子の虚ろな瞳が追いかける。見上げたその姿は赤と黒の中で尚、鋭く赤い光を纏っているようだった。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
最も弱いなんて自称する奴が、本当に弱かった試しはない……やはりこうなったか
血の海に潜るなんて正直ぞっとしない話だが、やるしかない
血の記憶。俺の脳裏に映るのは、実の父の記憶――俺が夜刀神・鏡介になる前の
とはいっても、朧気な記憶でしかないんだが。それでも、暖かい人だった事を覚えている
その暖かい想いを胸に、真の姿へと姿を変える
神刀の封印を解除して、廻・壱の秘剣【銀流閃】を発動
自らを癒やし、邪を祓う神気の渦を展開。周囲に溢れる流血諸共を浄化して奴らの力、その源を少しでも削ぎながら、直接斬り込んでいく
斬撃は容易に当たらないだろうが、この場にいるだけでも攻撃は続く
焦らず一歩ずつ、確実に追い込んでいこう
鮮血の大地に降り立ちながら、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は小さく嘆息する。
「最も弱いなんて自称する奴が、本当に弱かった試しはない……やはりこうなったか」
傷を負いながらも未だ立ち向かおうとする祈りの双子へと視線を向け、鏡介は血の海へと手を伸ばした。正直良い気分ではない、が力を得る為なら仕方がない。
血の記憶。浮かんできたのは、鏡介が『夜刀神・鏡介』になる前の小さな思い出。実の父の記憶――大きな手、何を言っているかは覚えていないけれど耳に残る深く優しい声。最早朧気な記憶でしかない、それでも、暖かい人だった事を覚えている。その暖かい思い出を胸に、鏡介は色を変える。髪は色が抜け、目は燃え上がる炎の色へと変わる。
神刀【無仭】の鯉口を切る。真に斬ると決めたもの――祈りの双子を倒すために。
「神刀解放。禊ぎて祓え、白銀の光――廻・壱の秘剣【銀流閃】」
「「……これ以上の攻撃を受けるわけには……鮮血の祈りを捧げましょう」」
鏡介が神刀の封印を解除する姿を見て、祈りの双子が動いた。周りの鮮血を代償に、攻撃を防ぐ事へと集中しようというのだろう。剣を身の前に引き上げ、守りを固める。
鏡介が無仭を抜き放った瞬間、戦場全体に銀色の神気による双つの渦が現れる。自らを癒やし、邪を祓う神気の渦で周囲に溢れる流血を浄化しながら、鏡介は直接斬り込んでいく。
振るわれる刀は血を代償に全て防がれていく。それでも構わない、斬撃は容易に当たらないだろうが、この場にいるだけでも攻撃は続けられる。そして、浄化が代償を上回る。代償に使える鮮血が身近になくなってしまった祈りの双子の身体に、鏡介の刀が届き大きく傷をつけた。
(焦らず一歩ずつ、確実に追い込んでいこう)
更に遠くの血を代償に使い攻撃を防がれても更に重ねていく。浄化の神気が邪を禊ぎ、戦闘力を奪う白銀の力を以て双子を追い詰める。
「「こんな、はずでは……」」
「猟兵の方が上だった、って事だろう」
振り下ろされる鏡介の刃に双子の驚愕の表情が映った。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎
溢れる鮮血を乗り越えて、祈りの双子を倒し……この世界の戦争を終わらせるのであります!
いざ、参りマース!
鮮血の中に飛び込んで、ワタシの記憶のアーカイブを検索しマース!
数多の戦友たち、無数の強敵たち、縁の善し悪し区別することなく探し出して……あのオブリビオンの助けを借りマース!
真の姿、軍装を纏い冷徹な雰囲気で血の中から戻り、双子と血管獣たちに相対。
我輩が振るうのは万能鍋。
そう、貴殿らを食材としてこれより料理を開始するであります。
ご安心を、シルバーレイン産『カロリー二万倍マヨネーズワサビ味』で味付けするので仕上がりはパーフェクト。
この世界の方々の糧となるであります。お覚悟を。
「溢れる鮮血を乗り越えて、祈りの双子を倒し……この世界の戦争を終わらせるのであります! いざ、参りマース!」
緑色の髪を靡かせ、欠片の躊躇いも無く勢いをつけて飛び込んだのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。鮮血の中でこの場の助けとなりそうな、自らの記憶のアーカイブを検索し始める。生まれてから今までに渡り歩いてきた戦場、共に戦った兵士や姉妹機。かつて出会った無数の友、刃を交えた無数の強敵。
「……あのオブリビオンの助けを借りマース!」
様々な記憶を辿る中で、彼女が掴み取ったのは。ざばり、と血を滴らせながら起き上がったバルタンの姿は普段の可愛らしく整えたメイド服ではなく、黒の軍装を纏ったものへと変わり。表情も先程までの明るさは消えて残るのは命を奪う者としての冷徹さだけ。
「「……何をする気ですか猟兵……」」
祈りの双子が問いかけるのにも理由がある。軍装に身を固め、きりっとした表情のバルタンが持っていたのは――武器ではなく何故か鍋。しかもかなり大きい。
「――我輩が振るうのは万能鍋。そう、貴殿らを食材としてこれより料理を開始するであります」
「「巫山戯ているのですか……?」」
いや、いたって真面目。とても真面目に双子を料理せんと走り出すバルタン。途中襲い来る血管獣も、万能鍋で殴り倒せば立派な食材へと早変わり。肉の塊となってどさりと血の中へ落下していく。
「ご安心を、シルバーレイン産『カロリー二万倍マヨネーズワサビ味』で味付けするので仕上がりはパーフェクト。この世界の方々の糧となるであります。お覚悟を」
表情を変えぬまま鍋を構え迫り来るバルタンに、祈りの双子が驚愕の表情を浮かべた。
大成功
🔵🔵🔵
双代・雅一
彼女達が二人で一つの敵なら、俺達も…
槍先で血の大地切り裂き身を投じ
この世界の人々の想いは憎しみだけじゃない
希望は少なからず抱いていた筈だ
生への渇望
己と愛する者への、な
血の中より晒す姿は二人分
今の俺達は二人で一つ
互いに生を望んだが故の形
そして欠落を補い合う形
君達の様に隠したり無かった事にはしない
二人がかりでUCの吹雪を放つ
場にある鮮血全て凍らせる
一度凍れば最早鮮血…生きた血とは言えない
輸血用の血だって鮮度は大事だ
「その理屈どうなんだ…?」
彼女達が使う負の記憶も冷凍するって訳さ
吹雪を手より放ちながら
彼女達を見据え捉えて同時に槍で攻撃仕掛け
欠点無き完璧な存在なんていないから、人は支え合うモノなんだよ
「彼女達が二人で一つの敵なら、俺達も……」
呟きながら槍の先で血の大地を切り裂く双代・雅一(氷鏡・f19412)は、躊躇せず溢れる鮮血の中へと身を投じた。
(この世界の人々の想いは憎しみだけじゃない、希望は少なからず抱いていた筈だ)
浮かぶ血の記憶は、戦いの中でも……例えどれだけ追い詰められていたとしても。失う事無く抱いていた生への渇望。深い絶望の中でも生まれくる命を慈しみ、今際の際にあってさえ手を握り合い来世を願う愛する者への強い想い。闇の中でも、光の粒のように輝く人間の尊さ。
其れらを掴み取って、立ち上がる姿は二人分。雅一と――彼を鏡に映したような姿を持つ|惟人《おとうと》。
「「……猟兵。あなた達も半身を持つもの、ですか」」
「今の俺達は二人で一つ、互いに生を望んだが故の形」
「そして欠落を補い合う形」
祈りの双子の問いに答える二人の声が、ぴたりと重なる。
「「君達の様に隠したり無かった事にはしない」」
二人の手からそれぞれに蒼い焔が、赤い氷が溢れ――混じり合って全てを凍てつかせる吹雪となり鮮血を凍らせていく。冥界の吹雪は渦を巻き祈りの双子をも巻き込んで荒れ狂った。凍り付いた鮮血は祈りの代償としては使えず、祈りの双子に防ぐ術は無い。
「場にある鮮血全て凍らせる。一度凍れば最早鮮血……生きた血とは言えない。輸血用の血だって鮮度は大事だ」
「その理屈どうなんだ……?」
大真面目に告げる雅一に対し、思わず惟人が首を捻る。その姿を見た兄は、薄く笑って。
「彼女達が使う負の記憶も冷凍するって訳さ」
片手で吹雪を操りながら、二人が構えるのは対の氷槍。青銀色の輝きを放つ其れは、念氷結によって作りだされた二人だけの為の武器。
「欠点無き完璧な存在なんていないから、人は支え合うモノなんだよ」
惟人が槍で足元を狙い作った隙に、雅一が飛び込んで薙ぎ払う。息を合わせた攻撃が祈りの双子へと迫り――その手の剣を叩き落した。驚愕の色を浮かべる片方ずつの瞳に、氷槍を構えた双つの青が映る。
大成功
🔵🔵🔵
ロー・シルバーマン
血の記憶…儂に力を貸してくれる者がまだおるかのう。
あろうがなかろうが、儂は全力を尽くしあの双子を討つだけじゃ。
鮮血に潜り血の記憶を探り出すまでは回避に専念、攻撃直後の隙等を見切り鮮血へ潜る事を第一目標に。
野生の勘や瞬間思考力で状況を適宜分析し最適な回避を試み、結界術で浄化の結界を張り時間を稼いで少しでも多くの情報を探る。
…あった。尾を引っぱられる感覚は娘か。
大人になってもその癖は治らんかったのう。
孫を置いて夭逝されたのは哀しかったが…何十年前だったか。
今の儂にも力を貸してくれるか…ならば、生きねばのう(真の姿を晒す)
UC起動、戦場一帯に清らかな神域を発生させ強化された力で双子を攻撃しよう。
悪しき感情を焼き払う太陽、温かな日差しの癒しで憎しみの記憶を和らげ浄化し双子の強化の減弱を狙いつつ隙を作り、猟銃と山刀の連撃を更に叩き込み喰らいつく!
※アドリブ絡み等お任せ。執筆期間や制圧のタイミング調整等で好きな時に不採用にされても大丈夫です
真の姿は巨大な銀の狛犬。銃や山刀を周囲に神通力で浮かべている
血の大地へと降り立ったロー・シルバーマン(狛犬は一人月に吼え・f26164)は、先程聞いたグリモア猟兵の言葉に僅かに疑問を抱いていた。
(血の記憶……儂に力を貸してくれる者がまだおるかのう)
一瞬考えたそんな言葉を、ローは頭の中から払い落とす。例え、何も浮かばなかったとしても。
「あろうがなかろうが、儂は全力を尽くしあの双子を討つだけじゃ」
やる事には変わりはないのだから。
隙を見ながらその身を鮮血へと落とす。何かが尻尾を引っ張る感覚に、思わず閉じていた目を見開いた。
「娘か」
大人になっても治らなかったあの子の癖。懐かしく思うのは、その全てが既に過去のものだから。
(孫を置いて夭逝されたのは哀しかったが……何十年前だったか)
くすくすと、笑う声が聞こえる。手足に力が満ちてくる――温かな手を持つ誰かに、背中を押されたような気がした。
「今の儂にも力を貸してくれるか……ならば、生きねばのう」
血の中から起き上がり大きく吠える。巨大な銀の狛犬へと姿を変えたローを見て、祈りの双子は僅かに眉を寄せ。
「「……抗いますか猟兵」」
「生きねば、ならんからの――祓い清める太陽よ、今一度ここへ!」
血の大地が、旧き太陽を奉ずる清らかな神域へと変わった。代償にするための鮮血を失い、祈りの双子は焦りを滲ませる。悪しき感情や病毒を灼く強烈な太陽風が二人を包み、逃げ場を削っていく。
「何もできまい……この場はもう、お前達のものではない」
鮮血に籠められていた恨みが、痛みが苦しみが温かな日差しの癒しによって浄化されていく。無限にあった鮮血がじわじわと姿を消し、乾いた只の大地へと変わっていく。
「「私達の、力が……」」
惑う双子を神通力で動かした猟銃が撃ち抜く。動きを止め、更に近寄ったローの山刀が振り抜かれた。傷塗れとなった双子が、ローを驚愕の目で見上げる。
「「……私達は、まだ……」」
「終わりじゃ」
逃げようとする双子を浮かべた武器で足止めし、鋭い爪で叩き伏せ牙を剥いて其の喉を噛み切った。共に止めを刺したのは、せめてもの情けかもしれない。
「最期まで一緒なのだから良いじゃろう」
立ち上がり見下ろすローの前で、腐り崩れ塵となって消えていく祈りの双子。大きく息を吐き、元の姿へと戻るとローは歩き出す。その後ろで、大きく吹いた風が双子の残滓を何処かへと運んでいった。
大成功
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