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ザ・ウォーター・アンダー・ザ・スクール

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「皆さん、お疲れ様です」
 そう言って会議室に入ってきたルウ・アイゼルネ(飄々とした仲介役・f11945)は頭を下げた。
「つい先日、アルダワ魔法学園の地下に巨大なプールが見つかったのはご存知でしょうか?」
 空から落ちてくる大量の水を溜め込んだ迷宮には流れるプールやウォータースライダーなどの施設があり、現時点ではオブリビオンの存在が確認されていないこともあって、現地学生や小さい猟兵達のオアシスとなりつつある。
 ルウの手にはその迷宮の入場券……もとい挑戦許可証がしっかりと握られていた。
「残念ですがそこで次のお仕事です」
 その言葉に遊ぶ気&はっちゃける気満々だった猟兵達の表情が一斉に嫌そうな顔に変わる。
 ルウは空いていた席に腰掛けると許可証を猟兵達の手元に投げた。
「予知によって、あの迷宮のオブリビオンがわざと姿を現していないことがわかりました。自分の姿を隠す能力でこちらの様子を監視していたようです」
 敵のいない安全な迷宮、というイメージがついている現在では武器どころか鎧まで脱いで遊んでいる者達までいる始末。そんなところに隠れていた大量のオブリビオンが一斉に攻勢に転じたら?
「このまま放置していればどうなるか、簡単に予想が出来るでしょう」
 プールが血で赤く染まる光景が猟兵達の脳裏をよぎる。ルウは頬杖をつきながら目を細めた。
「現地の人々の警戒度が薄れている今、迂闊な行動をすればおそらく相手は自分から出てきてくれるでしょう。自業自得以外の死傷者が出る前に、本当に安全なプールにしてきてください」


平岡祐樹
 はじめましての方ははじめまして、平岡と申します。

 今回の問題のプールは天然の温水となっております。ご安心くださいませ。

 水着で泳ぐも良し、普段着でプールサイドを巡回するも良し、屋台を開いて小銭を稼ぐも良し。ただし問題を起こすようなら警備員による退場処置をとらせていただきますのでご容赦を。
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第1章 冒険 『スプラッシュスリル満点!』

POW   :    遊びまくって罠に引っかかる

SPD   :    遊びながら生徒の安否を確認する

WIZ   :    遊ぶ振りをして周囲を警戒する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クリスティーナ・ツァルリーノ
【POW 遊びまくって罠に引っかかる】
ふふふー、温泉でバカンスなんて最高ですわ!もとい、オブリビオンをおびき出すためには遊ぶ振りをしないといけないですね!見破られないように真剣に!だからこれは決して遊んでいるわけではありませんわー♪
と自分の心に言い訳しつつ、黒のビキニに着替えてプールにGO!ですわ!大丈夫!目的は忘れておりませんの!わぁ、プールなのに水がぬくぬくですわー♪たーのしー♪



「ふふふー、温泉でバカンスなんて最高ですわ!」
 クリスティーナ・ツァルリーノ(ダンピールのマジックナイト・f02905)は許可証片手にウキウキしながら更衣室にいた。
「今回はオブリビオンをおびき出すためには遊ぶ振りをしないといけないのです!見破られないように真剣に!だからこれは決して遊んでいるわけではありませんわー♪」
 最初の言葉尻こそ真剣だったが、最後の最後でぼろが出る。それ以前に顔がとろけているので信用性が全く無い。
 黒のビキニに着替えたクリスティーナは意気揚々とプールに乗り込んでいく。
 まだ朝早い時間にもかかわらず、プール内にはすでにたくさんの人で賑わっており、オブリビオンが隠れているようには全く見えなかった。
「わぁ、プールなのに水がぬくぬくですわー♪たーのしー♪」
 水に流されながらも、クリスティーナは辺りを見渡す。しかし肝心のオブリビオンの姿らしきものは見当たらなかった。
「人に紛れているのか、普通では考えられないところに隠れているのか、一筋縄ではいかないようですわね。こうなったら、寄ってくるまでとことん遊びつくしてやりますわー♪」
 流れるプールを堪能したクリスティーナは続いてウォータースライダーの順番を待つ列に突撃していった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​


 喜び混じりの悲鳴を叫びながら滑り落ちるクリスティーナを、ヤシの木の影から見る影が一つ。
 しかし影はそれから目を背けるとどこかへと姿を消してしまった。
 水しぶきによってその姿に気づけなかったクリスティーナはその後も色んな施設をハシゴしたものの、結局罠らしき罠には引っかかることなく……強いて言うなら時間を迷宮に見事に奪われてしまったのだった。
サルサ・トゥ
【WIZ】
ん、捜索は任せて。
【フェイント】で遊ぶ振りを見せつつ、【水泳】を利用してプールやその付近に不審な場所がないか くまなく探すよ。
手ぶらじゃ危険、かといって武器を見せたままじゃ敵に警戒されちゃうからユーベルコード【固有結界・深層海流領域(ディープエリア)】を使って絡繰人形を隠しながら行動するね。これで少しは警戒も解けるかな。
もし時間に余裕が出来たら賑わう人達に紛れながらプールサイドの様子も伺うよ。
水着はもちろん私の好きなスクール水着。



「ん、捜索は任せて」
 サルサ・トゥ(海流の人形遣い・f13488)はコレクションの中でも使い慣れた一品を身につけて迷宮に入った。
 周りではルウの言う通り、丸腰状態の生徒や猟兵達が楽しそうに泳ぎ、遊んでいた。
「むー……手ぶらじゃ危険……」
 あまりの危機感の無さにサルサは思わず頰を膨らませてしまう。側から見ればサルサもそんな猟兵の一人だったのだが……彼女の服の下では魔法陣がきっちりと発動していた。
「でも、気づかれたらおしまい。しっかり探さないと」
 サルサは備え付けの手すりをつたってプールの中に入り、他の人の邪魔にならないような速度で、頭を上げながらのんびりと泳ぎ始める。
 その後ろを魚の形をした人形が追っていくが、まるで実体がないかのように不思議と存在に気づいたりぶつかったりした者はいなかった。これこそ、彼女が発動している魔法陣の効果だった。
 そんな人形にはオブリビオンに気づいたらそこへ飛んでいくように指示を出していたが、なかなか離れてくれない。
 どうやら水中にはいなさそうだと結論づけたサルサはプールでの捜索を切り上げ、プールサイドへと上がる。
 それとほぼ同時に人形がある方向に飛びかかろうと動いたが、見失ってしまったらしくすぐに戻ってきてしまった。
「……ヤシの木?」
 人形が向かおうとした先には熱帯雨林に生えている植物が植えられているスペースがあった。確かに水の中よりも隠れられる場所である。
 しかし植物の周りにはロープが張られ、立ち入り禁止の看板が吊り下げられている。
 人形にしらみつぶしに探させることも出来るが、見えない人形から即座に隠れたとみられるオブリビオンがそう簡単に捕まってくれるとは限らない。すでに別の場所に逃げられてしまった可能性だってある。
 ヒントは見つけたものの、そこで行き詰まってしまったサルサは唸りながらタオル越しに頭をかいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鮫島・正義
WIZ
敵はこっちを見て機を伺ってるって訳か。
よし、ちょっと目立ってみるかな。

楽器演奏、歌唱の技能を活かしてプールサイドでちょっとした弾き語りだ。
場所は怪しいヤシの木付近を視認できて、かつ出口の近くというか、一般の生徒を逃がしやすい動線の傍だ。その辺に俺の演奏で客、もとい生徒を集められれば良いな、敵が出てきた時逃がしやすいだろ?

楽器は獣奏器、形はカホン、打楽器だな。楽しい陽気な曲を演奏して歌おう。ついでにシンフォニック・キュアで遊び疲れた生徒の疲労も回復ってな。
客をあおりつつ、注意は周辺だ。見切りで些細な変化も見逃さないようにな。

さあ、盛り上がろうぜ。
で、隠れてる奴らを釣ってやるんだ。



「へー、思ってた以上に広いんだな」
 プールサイドに合う服装に身を包んだ鮫島・正義(がおーと啼く勇気・f14629)は目の上に手を置きながら辺りを見渡す。
 鮫島のいる出口からは情報があった問題の熱帯植物の姿が見える。しかしそこ以外にも沢山の木が植えられており、全てに注目するのは難しい状況だった。
「敵はこっちを見て機を伺ってるって訳か。よし、ちょっと目立ってみるかな」
 鮫島は持ち込んでいた獣奏器に腰掛けると演奏を始めた。
 楽しげで陽気なメロディーに合わせた歌声に帰ろうとしていた客や偶然通りかかった客の足が思わず止まる。
 シンフォニック・キュアが付与された癒しの歌を歌いつつも鮫島はパフォーマンスのように見せかけながら、注意深く何か不審な物がいないか頭を動かして人混みの隙間を見る。
 そんな中、ふらふらと何かにつられるように動いていく丸い物体が奥に見えた気がした。
 しかしその姿はすぐに人混みに紛れて見えなくなってしまい、追いかけることは出来なかった。
(……まぁいいか。ここに客を引きつけ続けられたらもし暴れ出した時にすぐに避難させることが出来る)
 内心悔しかったが、鮫島は気持ちを切り替えて演奏に集中することにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

七那原・エクル
ひとの集まりそうな活気のある場所で屋台をひらくよ
ガジェットの試作品開発のために必要な資金を稼がせてもらおっと
売るものはUDCアースのたい焼きをモチーフにした「ドラゴン焼き」

小さなドラゴンの形をした、たい焼きってところかな

種類は二つ、生地が白くて中身が白あんの「白竜」生地が茶色で中身が黒あんの「黒竜」
ユーベルコードを発動して「ヒメ」との連携プレイで屋台を盛り上げるよ
今こそ二人で血のにじむような練習をした成果を魅せるとき

ドラゴンランスの竜は屋台のマスコットキャラに任命します

お店を盛り上げつつ周囲を警戒ボクの肌がゾワゾワーってしちゃうほどの敵意をコチラに向けている怪しい人物はいないかな?


二條・心春
【WIZ】
温水プール、良いですね…。ですが私は屋台の方で動きます。…いえ、時間があれば入りたいとか、思っていませんよ。(そう言いながらも水着とラッシュガードを着用)

その辺にあった屋台を手伝いながら、来る生徒さん達に「コミュ力」を使って、変な気配とか視線を感じたことがないか「情報収集」しましょう。…手伝いをしているうちに、なんだか楽しくなってきました。私の「料理」で皆さんが笑顔になってくれるのは嬉しいですね!
ですが私には他にもやるべきことがあります。集めた情報を基に、私の「第六感」でびびっときたところに追跡者さんを召喚し、警戒してもらいましょう。



「はい、今なら出来立てですよー!」
 笑顔で店頭に立って接客する七那原・エクル(ダブルキャスト・f07720)の手元にある開閉式の鉄板の上には出来立ての湯気がたつドラゴンの形をした2種類の物体が大量に出来上がっていた。
 謎の物体の正体はUDCアースの「たい焼き」をモチーフに開発した「ドラゴン焼き」。
 生地が白くて中身が白あんの「白竜」と生地が茶色で中身が黒あんの「黒竜」、少し横広な姿にデフォルメされたドラゴンをモチーフにした初めて見た菓子に前を通った客は思わず足を止め、香りに誘われて行列を作り始める。
「いらっしゃいませ! ご注文は何になさいますか?」
「エクルさん、次、白2と黒1ください!」
「はいよー!」
 売り子に回っている二條・心春(弱さを強さに・f11004)とヒメからの注文にエクルは手際よく鉄板の上からドラゴン焼きを取って袋詰めしていく。
 その様を白い竜はつまらなさそうにショーケースの上で大欠伸をしながら寝転がっていた。
「ただいま戻りましたー」
 それからしばらくして行列が途切れ始め、落ち着きが見え始めた頃、心春が天幕を持ち上げて中に戻ってきた。
 その手にはパック詰めされた食べ物が入ったビニール袋が握られている。
「お食事ここに置いときますね」
「あ、ありがとー」
「心春ちゃん泳いできてもいいんですよ?これぐらいならワタシ達二人で充分回せますから」
「いえいえ、私は屋台の方で動きますよ。手伝いをしているうちに、楽しくなってきましたし」
 そう言いつつも水着姿の心春は笑顔で応えながら、飛んできた竜の頭を撫でた。
「それならいいけど。……で?」
「視線は感じるらしいんですけど、監視員さんのやつだろう、ってみんな思っていてそんなに気にしてない感じでした」
 エクルからの問いかけに心春は焼きそばの封を開けて、具の豚肉を竜の開かれた口に寄せた。
「あと、買った物や屋台の品物が知らないうちに消えた、っていうことが最近頻繁してるらしくて警戒を呼びかけてるくらいですね」
「盗難騒ぎかー、そういえばあったねそんなの」
 入口に貼ってあった真新しい注意書きのことを思い出しながら、エクルは焦げつかないように鉄板の上から残りのドラゴン焼きを避難させる。
「警備員の方にも聞いたんですけど、どうやら食べ物とか飲み物が標的になってるらしいです」
「犯人の方は随分食い意地がはってらっしゃいますね……あ、いらっしゃいませ!」
 新規のお客が来たため、ヒメは話を切り上げて応対に当たる。
 その姿を横目で見つつ、エクルはトングをドラゴン焼きに伸ばしたが、その先はなぜか空振った。
「あっ!」
 心春の叫びに気づいて慌てて振り返り、指差していた方を向くと宙をふわふわと浮かぶクラゲの姿があった。
 その触手にはしっかりとドラゴン焼きが何個も巻き付いている。
 突然のオブリビオンの出現に気づいた客の悲鳴が上がる中、クラゲは大慌てで逃げていく。
「追いかけてください、お願いします!」
 同じように逃げようとして走る客を逆走するように黒い影が間をすり抜けていく。突然現れた影はクラゲの後ろを離れることなくしっかりと追跡していった。
「……こりゃもう店仕舞いかな」
「残ったやつは後で皆さんへの差し入れにしましょ?」
 一転してガラガラになったプールサイドを見てエクルとヒメは顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ふよふよくらげ』

POW   :    ふよふよ、とうめいになる
全身を【うっすら透明っぽい姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ふよふよ、ぴゅーっとする
【空中をふよふよすること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【口から噴き出した水】で攻撃する。
WIZ   :    ふよふよ、しびしびする
【ふよふよした全身】から【高圧電流】を放ち、【感電】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

サラ・ノアール
あ、かわいい!
けど人族に仇なすオブリビオンなのね。

触手とか水とかの中距離を得意とする感じかしら
鎖は感電が怖いけど クサリメガミで操る鎖は私が触れてなくとも攻撃が可能!「全力魔法」で一気に蹴散らしてやるわ!
無効化に対しては正直防がれるのは仕方がない感じね。
わざと受けさせて動かなくなったのが確認できた個体はその後メイスでつぶしちゃいましょ。

うーん、水着で来た方がいいのかしら?
赤のビキニきても普段着と大して変わらないのよねー


二條・心春
姿を消して油断した生徒を襲おうとしてるという話でしたが、なぜ食べ物を盗んでいるのでしょうか?見つかったら逃げちゃうし…。

今回はワームさんに頑張ってもらいましょう。もし戦闘に巻き込まれそうな方がいたら、一旦戦闘は彼に任せて私が避難誘導します。ワームさんなら空も飛べるし、多少の攻撃なら鱗が防いでくれるでしょう。
その後はワームさんと協力して敵の数を減らしましょう。槍で攻撃して感電するのは良くないので、私は拳銃で戦います。「第六感」で敵の攻撃を察知し、攻撃される前に氷属性の銃弾で動きを止められると良いですね。



 姿を消して油断した生徒を襲おうとしてるはずのオブリビオンがなぜ食べ物を盗んでいるのか、なぜ見つかった途端応戦しようとせずにすぐさま逃げに転じたのか。
 心春は先行する追跡者の後を追いながらも内心首を傾げていた。
 するとくらげがフヨフヨと逃げていく先にある木の影から大量のくらげ達がわらわらと現れた。
「……一匹じゃやられる、と考えたんですかね?」
 しかしドラゴン焼き泥棒はくらげ達の波を縫うように進んでいき、さらに奥へと行ってしまった。
 対して待ち構えていた様子のくらげ達はバチバチと音を立てて、電流を身に纏い始めていた。
 追跡者が気づかれることなく大きく迂回して突破する中、くらげ達は姿が露わになっている心春に狙いをつける。
「簡単には通してくれませんか……。『力を貸して?私と一緒に戦ってほしいの』」
 心春の呼びかけに応え、空から巨大な翼を持った竜が突如として現れ毒の息を吹きかける。
 突然の攻撃から運良く逃れられたくらげ達が一斉に電撃を放つ。
 客達が頭を抱えながら逃げる中、1人の赤いビキニを着た女性が間に割り込んで鎖を投げた。
 空中に投じられた鎖は電撃を一手に引きつけ、一般客から流れ弾を防いだ。
「残念だったわね! 可愛い見た目をしてるからって思い通りにはいかせないよ!」
 サラ・ノアール(明るく繋がれた鎖・f03336)はしてやったりの笑顔を浮かべながら鎖を次々に投じる。
 投じられた鎖はくらげ達の電撃を吸収して逆に纏い、触れてしまったくらげ達を痺れさせる。
 自分達の電撃が利用されてしまっていることに気づいたくらげ達は自分の体を透明化させ、鎖から電気が抜けるのを待ち始める。
 そんな彼らの動向を見た心春が逃げ遅れた客達に声をかけて出口へ誘導する中、サラはメイス片手に笑顔で歩み寄っていく。
「透明化したら無敵になれる代わりに動けなくなるんだっけ? ならその間一方的に殴ってもいいってことだよね?」
 細身の腕から強烈な一撃がくらげに振り下ろされる。
 メイスはポヨンと軽々とはね返されるが、サラは構わず何度も何度も振るい続けた。
 そんな仲間の窮地に一体のくらげが透明化を解き、勢いよく水を噴き出した。
 痺れながらも放たれた一撃はサラに届く一歩手前で氷柱に姿を変えて、動きを止めた。
「危ないですよサラさん」
「ごめんごめん、助かったよ」
 戻ってきた心春がホッとしたように息を吐きながら拳銃を下げる。サラは足元に落ちた氷漬けのくらげを蹴飛ばして申し訳なさそうに笑った。
 解除すればサラによって痺れさせられるか潰される、解除しなくても心春によって水ごと凍らされ使役する竜の毒の息でじわじわと体力を削られる。
 万事休すに陥ったくらげは透明化を解き、ウルウルとさせた目で2人に訴えかけるような視線を向ける。するとサラはくらげに視線を戻してニッコリと笑いかけた。
「言ったでしょ? 可愛い見た目をしてたって思い通りにはいかせない、って」
 そう言ってサラは再びメイスを振り上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鮫島・正義
くらげ……か……可愛いっちゃ可愛いんだが、水の生き物は専門外なんだよな……

とかく避難誘導が終わったら駆除だ駆除。
猟犬精霊召喚を行うぜ。精霊も感電するのか?どちらにせよ、そうなってる姿は見たくないから攻撃は控えめに、なるべく回避と撹乱をメインに動いてもらおう。くらげを一箇所にまとめるのがやりやすいだろうな、他の誰かの補助になるかもしれないし。

俺の射線に誘導してもらって、見切り、クイックドロウ、2回攻撃を意識した上で武器攻撃だな。とにかく素早く数を撃って、なるべく数を減らすことを考えるか。



「くらげ……か……可愛いっちゃ可愛いんだが、水の生き物は専門外なんだよな……」
 周りに集めていた観客達の避難誘導を終えた鮫島はどこからともなくわらわらと現れ始めたくらげ達を遠目で見ながら頰をかいていた。
「とにかく駆除だ駆除。……そういや、精霊って感電するのか?」
 ユーベルコードで呼び出された半透明の犬が鮫島の言葉に首を傾げる。
 何を言っているのかわかんないという意味なのか、受けたことないからわかんないという意味なのか、その判別はつかなかった。
『頼むぜ、力を貸してくれ』
 もし感電しなかったとしても、電撃を食らっている姿は見たくなかったため、鮫島は攻撃を控えめに、なるべく回避と撹乱をメインに動くように指示した。
「さて、一ヶ所に集まれば他の奴らもやりやすくなるだろ」
 突然現れた犬に吠えられ追われ、くらげ達は水を浴びせようとしたり電撃を放ったりするがバラバラに撃っている
せいでいとも容易く避けられてしまう。
 その結果、くらげ達は触手を上に挙げながら逃げ惑い、一ヶ所に集めさせられた。
「当然、俺もな」
 グスタフソン50から凄まじい速度で弾が連射され、集まっていたくらげ達は避けることも許されずに傘の部分を穴だらけにしていく。
 犬ばかりに気を取られていたくらげ達は何が起きたのか分からないままジュクジュクに溶けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クリスティーナ・ツァルリーノ
やっと姿を現しましたねオブリビオン!
見つけてしまえば此方のものですわ!私のスーパーな炎で焼き尽くしてあげます!(水着姿で屋台で買ったドラゴン焼きを構えながら)
よーし、電撃攻撃でビリビリしたくないので、まずは遠距離から攻撃ですわ!
UC【ダークブレイブフレイム】でダークネスな感じの黒炎の槍をいっぱい敵に撃ち込みます!炎の【属性攻撃】で蒸発させちゃいますわ!
早く倒して、ぬくぬくプールタイムをまた楽しむのです!!


七那原・エクル
逃がすわけにはいかないよドラゴン焼き泥棒を追いかけなきゃ
と思ったら集団でお客さん(くらげ)が、あいにくと屋台は店じまいなんだ。
代わりに素敵な鉛玉が食い放題だよ

戦闘ポジションはヒメが前衛でボクが後衛

ドラゴンランスで敵陣に切り込むヒメから離れた位置にデフレクターシールドのバリケードを展開、ECL-04<ガンダルヴァ・G>でヒメの無防備になる行動の隙をカバーするように【援護射撃】をするよ

ヒメは戦場を駆けながらくらげ達の逃げ場を狭めるため空間に鋼糸の結界を張り巡らせて少しずつ退路を断っていくよ。そうやってくらげ達を1か所にまとめたらあとは袋のネズミだね。鋼糸の隙間から逃げられた分はボクが撃ち落とすよ。



「やっと姿を現しましたねオブリビオン!見つけてしまえば此方のものですわ!私のスーパーな炎で焼き尽くしてあげます!」
 そう言ってドラゴン焼き・黒竜をくらげ達に向かって構えるクリスティーナの姿は威勢の良い前口上と相まって、どこかユーモラスだった。
「お客さーん、うちの食べ物を粗末に扱わないでくださいよー?」
 初動の遅れと屋台の片付けの分で心春からだいぶ遅れてくらげ達の所にたどり着いたエクルは残弾数に余裕があることを確認してからくらげ達を見やった。
「あいにくと屋台は店じまいなんだ。代わりに素敵な鉛玉が食い放題だよ?」
 その背後から跳躍したヒメが白と紫のグラデーションが綺麗な槍をくらげ達に勢い任せに叩き込んだ。
「なんで槍……はっ、さっきのドラゴンさんですわね! うぅ、羨ましい……」
 入口に愛剣を預けていたクリスティーナは口惜しそうに黒竜を口に咥えながら、自分の両の掌に黒炎を生み出した。
『さあいきますわよ!私の漆黒の炎で、貴方を燃やし尽くして差し上げますわ!』
 槍の形に整えられた何十本の炎をくらげ達に投げこんでいく。しかしくらげ達はその熱に早々に気づくと一斉に水を放って相殺した。
 その湯気を切り裂くようにヒメが槍を突き出すが、半透明化した体にぽよんと受け止められた。
 反動で体勢を崩されたヒメの背後からくらげが電流をまとった触手で殴りかかってくるが、明後日の方向から飛んできた弾に気づいてその動きを止める。
「あっちゃー、バレちゃったか」
 デフレクターシールドでバリケードを展開し、内蔵された火器からの不意の一撃を狙っていたエクルは悔しそうに舌を出す。
 実は囲まれ始めていたことに気づいたくらげが一足早く、群れから抜け出して距離を取ろうと動く。するとその体は突然バラバラになり、地面にぶちまけられた。
「槍を避けるのに集中しすぎですよ?」
 不敵な笑みを浮かべるヒメの手には大量の鋼糸が握られ、その一本一本全てがこの一角に張り巡らされていた。
 くらげが鋼糸に電気を放つと、ヒメは感電しないように即座に手を離す。その間にもデフレクターシールドのバリケードはその囲いを全力で撃ちながら縮めていく。
 何体かはボロボロになりながらシールドを乗り越えたが、大半のくらげは怖がってその場で半透明になって震えていた。
「複数が消火できるなら、特大の一発はいかがかしら?」
 くらげ達の周りでわちゃわちゃしていたエクル達とは違い、動きを見せていなかったクリスティーナの頭上に極太の黒炎の槍が出来上がる。
「早く倒して、ぬくぬくプールタイムをまた楽しむのです!!邪魔しないでほしいのですわ!!」
 口の中のドラゴン焼きを飲み込んだクリスティーナは勝ち誇った顔を浮かべながら、全力で振りかぶり槍を放った。
 槍は着弾すると、周囲の温度を一気に上げ、「攻撃に対しては」無敵状態のくらげ達の水分を一気に干上がらせ、その命を奪った。
 その熱気と爆風から咄嗟に身を寄せてシールドの影に隠れたエクル達が恐る恐る顔を覗かせるとくらげ達が集まっていた所には小さなクレーターが出来ており、地面が溶けて変な音をたてていた。
「うーん、これはすごい威力だ」
「ちょっと? ワタシ達でもこれを再現しようとは言いませんよね!?」
 自分たちのバリケードも何枚か吹っ飛ばされているにも関わらず、目を輝かせるエクルにヒメは慌てながらその体を揺するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

七那原・エクル
さすがヒメ、ボクが何をしたいかすぐに解っちゃうんだから。
あんなすごいもの魅せられたら俄然ヤル気が湧いてくるってもんさ

というわけでアレをつかうよ。カモン!イオナイザー・フィストーー!!(天高く腕を上げて指パッチン)
なんでこんなことするのかって?
ヒメには理解できないだろうけど、男の子のロマンってやつさ。一応言っておくけど男の娘じゃないからね

ドデカイ一発いっちゃうよ

それにはもっと大量のエネルギーが欲しい、くらげのビリビリ攻撃を電力エネルギーとしてイオナイザー・フィストに送電、超パワーチャージだ。鋼糸を電線にして本体に接続、くらげの周囲に鋼糸を張って電気攻撃を誘おう、機械掌はボクが守るから任せたよヒメ



「さすがヒメ、ボクが何をしたいかすぐに解っちゃうんだから!」
 揺らされていることを気にせず、エクルは満面の笑みを浮かべる。
「えっ。ちょっと待って……」
「カモン!イオナイザー・フィストーー!!」
 エクルが天高く腕を上げて指を鳴らすと、どこからともなく浮遊する機械掌が現れる。
「でも、もっと大量のエネルギーが必要だな……。ヒメー、またちょっとくらげの周りに鋼糸を張ってきてくれない?」
「……しびれるのは嫌ですよ」
「いや、今度はあれに繋いでほしいんだー」
 そう言って指差したのは呼び出したばかりの機械掌。その瞬間、ヒメはエクルの企みを悟って頭を抱えた。
「……一応聞いておきますが、許容量は?」
「だいたい10億!」
 サムズアップと笑顔をセットにして答えるエクルであった。
 それからしばらくして、鮫島やヒメの動きによって一ヶ所に集められたくらげ達は体を穴だらけにされつつも「防御はもはや無意味」と言わん限りに電撃を自分の身にまとわせていた。
 そこから漏れ出た電気が鋼糸を伝い、着々と機械掌に蓄積されていく。その様をエクルはホクホク顔で見守っていた。
「さて、そろそろかなー?」
 対するヒメは「もうどーにでもなーれ」と言わんばかりに諦めた顔で遠くを見ていた。
『これでフィニッシュだよ!ギガ・パニッシャー!』
「うおっ!?」
「きゃあっ!?」
 エクルの号令とともに機械掌からビームが放たれる。ヒメが鋼糸を仕掛けていたのしか見ていなかった猟兵達はその轟音と威圧感に思わず悲鳴をあげて慌てて逃げた。
 青い光に包まれたビームは射線に入ったくらげたちと木々を一瞬で消滅させ、床をえぐり、迷宮の壁までも吹き飛ばした。
「よし、実験は成功だね!」
 信じられないものを見るような視線を向けられてもエクルは意にも返さず、機械掌が故障していないことを確認していた。
「さて、次はこれを単独で出せるように研究しないとねー」
「他の方の心臓が止まるから勘弁してくださいませ……」

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『滝業の呪』

POW   :    打ち付けるは神聖なる滝
【畏怖】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【幾重にも巻き付いた縄】から、高命中力の【神聖なる滝】を飛ばす。
SPD   :    水流放出
【激しい水流】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    篠突く雨
【縄】を向けた対象に、【天からの水撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はユースティティア・ルザライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 影の追跡者がドラゴン焼き泥棒を追いかけた先には、大量の食べ物が山積みにされていた。これが今までプールの客が盗まれたという品々なのだろう。
 泥棒くらげはドラゴン焼きをその山に放り込むと触手を振り回して、その場にいたくらげたちに何かを訴える。
 するとくらげ達は頷いて、山積みの食べ物の周りで輪を作って踊りだした。
 それからしばらくしてエクルが放ったとんでもないビームの轟音が響く中、くらげ達を囲むように紫色の縄がどこからともなく浮かび上がる。
 そしてほぼ同時にくらげ達と食べ物を飲み込むように紫の縄から水が噴き出した。
 噴き出された水の中でくらげ達は困惑や驚愕の面持ちを浮かべながら食べ物ごとぐちゃぐちゃにされ、溶けていった。
 水流は天井にも現れた紫の縄に跳ね返るように循環し、それを祝福するかのような後光を水中から発し始める。
 その巨大なフォルムは追跡者からの報告がいらないほど、巨大だった。
七那原・エクル
本命がお出ましのようですよ
ここまで大きいのは正直予想外でしたが、巨大なだけのカカシではないことを期待しますよ。

オルタナティブ・ダブルを解除してエクルと人格を交代しましょう。
お疲れでしょうからエクルは休んでいてくださいな

戦闘に臨む前に下準備をふたつほど。ひとつめ、鋼糸をドラゴンランスに結び付け釣り竿のルアーのようにしましょう。戦闘中ドラゴンランスを落としてしまったり遠くに投擲したときに鋼糸を手繰りよせて素早く回収できるように。

ふたつ、【武器改造】で蒸気ガトリングガンの砲身とトリガーを鋼糸で固定、任意のタイミングで糸を引くことで自動で発射される設置型のトラップを仕掛けます。万が一のときの備えです


クリスティーナ・ツァルリーノ
なんだかすっごい大きいのが出てきましたわ!むむー、水流の部分を攻撃しても効果は薄そうですわね……。まずは切れそうなあの縄を狙いましょう!高い所に縄があったら【スカイステッパー】でジャンプしつつ、【トリニティ・エンハンス】の3種の魔力で能力を強化!炎は効果が少なそうですので、風と水の魔力を多めにしますわ!相手は畏怖の感情を与えた相手に攻撃してくるらしいですので、私は【勇気】をもって立ち向かいますわ!畏怖なんてしてあげませんの!さあ、その縄を細切れにして差し上げます!



「うわぁ……こりゃまたでっかいのが」
 思わず天を仰ぎ見るエクルの肩をヒメが叩く。
「……お疲れでしょうからエクルは休んでいてくださいな」
「ふえ?」
 するとエクルの姿が薄らいでいき、最初からそこに何も無かったかのように消滅した。
「ここまで大きいのは正直予想外でしたが、巨大なだけのカカシではないことを期待しますよ」
 そう言ってヒメは息を吐くと自分の槍に鋼糸を巻きつけ始めた。
「まずは切れそうなあの縄を狙いましょう!」
 その頃、クリスティーナは全力でウォータースライダーの階段を駆け上がっていた。
 あの水はオブリビオンが呼び出した魔力の塊であり、本体は宙に浮いている縄の方だろうという予測からだった。
「やっぱり!ちょうどいい高さですわ!」
 ウォータースライダーの入り口から縄は少し首を上に上げるだけで見える位置にあった。
「このくらいの高さなら、いけますわ!」
 クリスティーナは助走をつけて跳び、柵を踏みつけ、さらに空中に身を投げ出す。
 そしてスカイステッパーでさらに上へと跳んでいく。
「では、ワタシも行かせていただきます!」
 その動きを地上から見ていたヒメは大きく振りかぶってドラゴンランスを地上に置いてある縄に投げた。
 ランスが縄に突き刺さると中で循環していた水が一斉に噴き出し、周囲の植物ごと周りにいた者を洗い流す。
 流された物の中には当然ヒメのランスもあったのだが、鋼糸が巻きついていたためヒメが腕を動かすとすぐに手元に戻ってくる。
 そしてその腕の動きに合わせるように、ガトリングガンが火を噴いた。
『噛みつけっ!』
 ガトリングガンから放たれた剣と斧がズタズタに縄に斬りかかる中、ヒメがもう一度槍を放つ。
 再び槍が縄に突き刺さった途端、水流が鳴りを潜めた。
「さあ、その縄を細切れにして差し上げます!」
 空中でもクリスティーナが一回転して縄にかかと落としを放つ。
 トリニティ・エンハンスによって風の力で高速で動かされた水滴により殺傷能力をつけた素足は的確に縄を捉え、半分くらい断絶させた。
 トリニティ・エンハンスを発動させるため、一旦スカイステッパーを解除していたクリスティーナは少しだけ高度を下げて空中に踏みとどまる。
 すると先程自分が切り裂いた縄がまるで逆再生のように絡み合って再生していくのが見えた。
 クリスティーナは不敵な笑みを浮かべて縄に向かって指をさした。
「ふふふ、あなたは畏怖の感情を与えた相手に攻撃してくるらしいですわね? でも私は【勇気】をもって立ち向かいますわ!畏怖なんてしてあげませんの!」
 地上でも、生き残っていたくらげがヒメの放った武器を相討ちになりながら排除していく。
 ヨーヨーのように手元に戻した槍を振り回してから、ヒメは再び構えを取り直した。
「……小細工では少しだけ動きを留めさせるだけですか。ちょっとだけ、エクルさんを見直しますねこれは」
 そう言いつつも、ヒメの顔には楽しそうな笑みが浮かんでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鮫島・正義
うわでっけぇ……
その分攻撃当てやすいと思えばまあいいが、概念的な敵は対処に悩むぜ。

精霊にはさっきは時は錯乱を頼んだが、今度は俺が囮になってメインの攻撃を頼むか。

水撃は俺の方に引き付けて、見切りでなるべく避けるように。攻撃の合間を見て精霊に指示を出して突撃してもらうぜ。縄なんて噛み千切っちまえ!

精霊の攻撃タイミングに合わせて俺も銃で援護だ。
物理的に当たりそうに見えるのは縄の部分だからそこをメインで狙うが、後光の部分はどうなんだろうな。光ってるってことはエネルギー源だか核みたいなものがあるって想像できるんだが、確信が持てない……でも試さないわけにはいかないからな、機があったらそこも狙ってみよう。



「うわでっけぇ……」
 鮫島は突如現れたしめ縄に驚きつつも、その脳内では対処法を考えていた。
「精霊、さっきは錯乱を頼んだが、今度はメインの攻撃を頼む」
 足元で大人しく伏せっていた精霊にそう言付けし、鮫島は視界の障害にならない所に身を晒した。
 縄につけられた紙垂が鮫島の方に向き、体内で循環していた水が槍のようになって彼に降り注ぐ。
 次々と叩きつけられる水の塊は見切りで避ける鮫島の体に小さな切り傷を刻んでいくと同時に、通路にクレーターを生み出していった。
 そんな中、一つの小さな影が縄の元へと高速で近づいていた。
「頼むぜ、縄なんて噛み千切っちまえ!」
 精霊が縄に噛み付くと同時に鮫島も子供用プールの壁の影に滑り込み、そこから頭を出して銃を構えて放った。
 しかし精霊の牙も爪も銃弾も縄を傷つけるまでは良かったものの、すぐに千切れた縄同士でくっついて元通りになってしまう。
「くっそ……ならこっちはどうだ!」
 水の槍によって精霊が消し飛ばされたのを見て鮫島は狙いを中央で循環する水流に変える。
 水が内側から光ってることから、中にエネルギー源だか核みたいなものがあるのではないか……と思ったからである。
 確信はなかったが、自分の現戦力では縄には通用しなかった以上、試さないわけにはいかなかった。
 鮫島が放った弾丸は水の中に次々と撃ち込まれていく。
 しかし弾は水の中で勢いを失い、循環する流れの中に交わり、水の槍の中にある異物となって再び鮫島の元へ戻ってきた。
「あーもう、どうしろって言うんだよ!」
 鮫島は他の者達に銃弾入りの槍が飛んで来ないように、再びプールの壁から飛び出して走り出した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

蛇塚・レモン
助っ人に来たよっ!
あなたのユーベルコードはよく分からないけど、おっきくってズルいから反則!
とにかく使用禁止にしちゃうよっ!

先制攻撃で蛇神様を召喚して、破壊念動波で縄ごと滝業の呪を吹き飛ばすよっ!
敵のユーベルコードを封印&念動力と呪詛で捕縛して縄を動けなくしちゃうよっ!
(先制攻撃+だまし討ち+念動力+鎧無視攻撃+衝撃波+呪詛+マヒ攻撃)

あたいの蛇腹剣クサナギで滝業の呪の至る所を滅多切りにしちゃえっ!
斬られる度にあたいが力を吸収してゆくよっ!
(範囲攻撃+なぎ払い+生命力吸収+鎧無視攻撃+ロープワーク)
届かないところは、空を飛んで更に斬りまくるっ!
(念動力+空中戦)
あともうちょっとだね、頑張ろっ!!


トレーズ・ヘマタイト
※アドリブ自由

要請を受けて来たが情報通りか、どう攻略すべきか

選択UCで装備を強化
ドゥーズに盾をつけたシスの運用を任せ、縄、後光、流されている岩を撃たせておく
自分はサンクで飛びながら、刻印に入れてきた吸水材を撒き散らしつつ、【呪詛】と【生命力吸収】の応用で敵のエネルギーが集中している場所を探し、見つけ次第、物理的な物ならカトルの杭での【鎧砕き】や黒剣での【怪力】任せの一撃、魔力的な物なら、フォースで覆ったアンカーでの【二回攻撃】や白剣の【属性攻撃】で破壊する
敵の攻撃は盾爪での【盾受け】で防ぎ【カウンター】でグレネードや吸水材を撃ち込み牽制する

最悪、刻印に入れてある爆薬で盛大に爆破だな

以上



「助っ人に来たよっ!」
 大声と共に飛び交う水の矢を物ともせず、突然現れた巨大な白蛇が縄に突進し、その衝撃で中の水の流れが乱れる。
「あなたのユーベルコードはよく分からないけど、おっきくってズルいから反則! とにかく使用禁止にしちゃうよっ!」
 監視員席の天井にのって現れた蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)の指差しながらの決めつけに、先ほどまで激しく動いていた紙垂が痙攣し、だらんと力を失ったかのように垂れた。
 そんな様子を遠くから見る、赤い目が一つ。
「要請を受けて来たが情報通りの大きさか、どう攻略すべきか」
 目を細めるトレーズ・ヘマタイト(骸喰らい・f05071)の自ら切った傷口から流れる血を吸った装備に赤いラインが浮かび上がる。
「まずはあの水をどうにかせねば……だな。蛇塚の邪魔にならないよう立ち回るとするか」
 白蛇がぶつかってからというもの、しめ縄はピンポイントに水の槍を放たず、無差別の水のばら撒きしか行っていない。
 トレーズのいる場所からは何が行われたのかは分からなかったが、レモンが何かをしたことだけは察せた。
 自分の分身を乗せたドゥーズにシスの運用を任せ、トレーズはサンクに飛び乗って接近していく。
「うーりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃああ!」
 レモンがびしょ濡れになりながらも蛇腹剣で縄のいたる所を切りつけていく。
 その傷も出来たそばから塞がったが、他の猟兵からの攻撃を受けた時に出来た傷に比べて直る速度が遅く、裂ける範囲が広がっていることがトレーズの視界に映った。
「塞がったばかりの部分は脆くなっているのか? ならば……」
 水のばら撒きの威力を減らそうと盾で受け止めながら熱心にグレネードや吸水剤をばら撒いていたトレーズはその手を一旦止め、カトルを構えて近くにあった箇所に放つ。
 すると凄まじい音を立てながら杭が縄を貫いた。
 同時に仲間の助けを借りて上に跳び上がったレモンも塞がりかけていたクリスティーナが加えた傷の痕を叩き斬り、縄を分断させた。
 すると上から下へと流れていた水の流れがみるみる弱っていき、浮かんでいた縄の高度が下がってきた。心なし、後光の光量も減っているように見える。
 それでも縄は一旦ずれた輪を組み直し、再び繋がろうと修復を試み始めていた。
「よしっ、あともうちょっとだね、頑張ろっ!!」
「……ここまで来たら一発で仕留めたいところだが」
 トレーズの脳裏に最悪の場合を考えて仕込んでおいた刻印の中の爆薬がよぎる。しかしそれを使ってしまえば学生達の憩いの場が木っ端微塵になることは避けられない。
「……ここは正攻法で片付けるとしよう」
 休業の張り紙を見て悲しむ学生達の姿を想像したトレーズは安易な解決方法を捨て、武器をカトルからトロワと白剣に変えた。
「これだけ物理攻撃を受けても消滅しないならば、魔力的な攻撃ではどうなる!」
 塞がりきれてない傷から勢いよく侵入し、トレーズがフォースを纏わせた一撃で水流を分断する。
 するとそれまで辛うじて浮いていた縄が回りながら土台の縄を巻き込むように墜落し、初めから何もなかったかのように消失していった。
 その様を見たくらげ達が頭を抱えて震える。その後ろから狙いを定めた白蛇の顔がゆっくりと近づいていることに彼らは最期まで気づいていなかった。

 こうして魔法学園の地下にあるプールで起きたオブリビオン騒ぎは一段落した。
 しかしこの施設がダンジョンの中にある事実に変わりはなく、しばらく経てばまたオブリビオンが湧いてくるかもしれない。
 今回の一件から危機感を復活させた学校は遊泳目的でも武器を持ち込めるようにルールを改定し、出店にも武器を扱う者が出るようになったという……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月30日


挿絵イラスト