闇の救済者戦争⑬〜月の城塞、眠りの回廊
ひいらり、ゆらり、月影さやかに。
キラキラと煌めいては舞い遊戯ぶのは、幻惑に揺蕩う蝶々たちの群れ。
そして、まるで眠り姫の妖精の如く、月の眼を得たその異形は人々に齎し続ける。
せめて最期は安らかなれと――死の運命にある者に、醒めない眠りを。
魔空回廊の|人間画廊《 ギャラリア 》にて、|救済を求める者《 展示品 》達に、慈愛の夢幻を。
月の眼の紋章と融合した今、それはより強固な救いとなるに違いないと。
月と眠りの回廊に足を踏み入れた者を、ことごとく夢へと誘う。
その力の源が、|救済を求める者《 展示品 》達の命だとは……もう、分からないままに。
●パラノイア・コリドー
「闇の救済者戦争も日に日に激しさを増しているが。皆に赴いて欲しいのは、そんなダークセイヴァーの世界の月光城砦群のひとつだ」
筧・清史郎(桜の君・f00502)は集まった猟兵達に礼を言った後、皆を見回してから。視た予知の概要を語り始める。
「ダークセイヴァーの第五層にある「月光城」は、外敵……おそらくは異端の神々と戦う為の城塞であるというが。だが今、デスギガス災群に乗って現れたこの城塞群の各々を治める、第五の貴族をも凌駕する「月光城の主達」は、その城塞群の中央に「ケルベロス・フェノメノンの欠落」を隠しているという」
だが此処を制圧すれば、禁獣『ケルベロス・フェノメノン』の欠落が判明した上、それを破壊して、禁獣の持つ「無敵能力」を無効化できるというが。
「この月光城深部に、「おそらく禁獣ケルベロス・フェノメノンの秘匿された『欠落』に繋がる」と思しき謎の通路、『魔空回廊』の存在が判明した。しかし、この場を守っているのは『月の眼の紋章』と融合したこの城の主自身。紋章と魔空回廊の相乗効果により、敵は「回廊内にいる限り、戦闘能力が元の『660倍』になる」という恩恵を受けている」
そんな敵をまともに真っ向から相手取れば、勝ち目が限りなく薄いことは明白だが。
「ただし、この能力強化の源は、回廊に取り巻かれる形で作られた|人間画廊《 ギャラリア 》に「展示品」として囚われている人達の命だ。敵の強烈な攻撃を何とかして掻い潜り、囚われた人々を解放する度にその強化は失われていく。なので皆にはこの『魔空回廊』の|人間画廊《 ギャラリア 》へと赴いて貰い、人々を救出して、強化を失った敵を討って欲しい」
だが当然、元の『660倍』にも膨れ上がった敵の能力は一筋縄ではいかない。
いや……むしろ、赴く先の「月光城の主」である幻想術師『パラノロイド・トロイメナイト』にとっては、それは救済だと信じて疑っていないのであろう。
言葉も形も失いながらも――せめて最期は安らかなれと。
死の運命にある者に、醒めない眠りを施す行為を。
だがその慈愛は、紋章による能力強化によって、より誇大的な妄執と化している。
与える安らかなる眠りが|救済を求める者《 展示品 》達を死に至らしめることすら、見えなくなっているほどに。
そして異形の幻想術師が人々に与えている『醒めない眠り』は、気を確りと保たなければ、猟兵にも影響を及ぼすだろう。
「人々を助ける際に、猟兵の皆も夢の如き光景を視ることがあるようだ。それは、助けんと触れた人が見ているものに影響されるという。楽しい夢であるかもしれないし、過去の記憶であるかもしれない。震えるほどの恐怖を感じるものかもしれないし、悲しみや怒りを伴うものかもしれない。そしてその夢に囚われたままになってしまえば、醒めない眠りに落ちてしまい、死に至るだろう」
能力が強化された幻想術師『パラノロイド・トロイメナイト』が齎す眠りは強力で。
猟兵と言えど気を確りと持たなければ、微睡みに飲まれて眠ってしまうだろう。
そして醒めない眠りへと誘うのは、それぞれが見る夢。
だがその夢に溺れぬよう正気を取り戻し、人々を起こして救出していけば、『パラノロイド・トロイメナイト』の強化も失われるというので。
強力な夢に飲み込まれぬよう気持ちを確りと持って、|人間画廊《 ギャラリア 》に囚われた人々を救いつつ、強化を失った敵を倒して欲しいというわけだ。
「元の『660倍』にもなった幻想術師『パラノロイド・トロイメナイト』は、回廊に足を踏み入れた者に救済を与えんとユーベルコードを放ってくるが、言わずもがなそれらは非常に強力だ。それを掻い潜りつつ、夢に惑わされぬよう、人々の救出にあたって欲しい。だが、言葉も形も失ったというが、幻想術師のその心は未だ失っていないというので、説得して一時的に動きを止めることも可能かもしれないが。この異形は『月の眼の紋章』と融合した月光城の主……囚われた人々のためにも、最終的には撃破してくれ」
清史郎はそこまで説明した後、よろしく頼む、とも一度頭を下げてから。
満開桜を掌に咲かせ、猟兵の皆を導く。
蝶々が舞い遊び、鳥籠から解き放たれし夢が揺蕩う、月光城の魔空回廊へと。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いいたします!
こちらは1フラグメントで完結する『闇の救済者戦争』のシナリオです。
プレイング受付はシナリオタグやMSページをご確認ください。
追加冒頭はありません。
●プレイングボーナス
|人間画廊《 ギャラリア 》に捕らわれた人々を救出する。
●シナリオ概要等
概要はOPにある通りです。
人々を救出する際、皆様も何かの夢を見るかもしれません。
夢の内容は、皆様それぞれです。
溺れるほど楽しい夢かもしれませんし、過去の記憶かもしれません。
恐怖を覚えたり悲しかったり怒りを覚えたり不思議だったり……等々。
どんな夢を見るか、プレイングで指定してください。
夢を見ることや救出メインでも構いません。
ユーベルコードを指定してくださればそれで大丈夫です。
夢は見ない場合もOKですし、複数人で同じ夢をみたりすることも可能です。
シリアスからコミカルやカオスまで、どのような雰囲気の夢でも構いません。
お好みでどうぞ!
ただし、公序良俗に反する事、他の人への迷惑行為は当然厳禁です。
締切等の告知は、MS個別ページやタグ、Twitterでも改めてお知らせします。
●お願い
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。
グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何名様ででも歓迎です。
ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。
期間内に送信頂いた内容に問題のないプレイングは全採用したいと思いますが。
戦争の展開次第ではその限りではないことご了承下さい。
それではご参加お待ちしております!
第1章 ボス戦
『幻想術師『パラノロイド・トロイメナイト』』
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POW : 記録■■番:対象は言語能力を失った。
【夢幻の眠りを齎す蝶の幻影 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 記録■■番:対象の肉体は既に原型を留めていない。
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【数多の幻想が囚われた鳥籠 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ : 記録〓編集済〓番:〓編集済〓
対象のユーベルコードに対し【幻惑し迷いを齎す蝶の群れ 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:三堂 泉
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠鶴飼・百六」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
儀水・芽亜
蝶を操る眠り使いの幻想術師。まるで出来の悪い私のデッドコピー。無視するという選択肢はありません。
とはいえまずは虜囚の解放が先ですね。「眠り耐性」を活性化して戦場に赴きます。
「全力魔法」「範囲攻撃」「精神攻撃」でサイコフィールド展開。戦場全体を覆えれば出来れば最善。
この睡魔から逃れられますか、幻想術師。
足止め程度は出来るでしょうから、その間に|人間画廊《ギャラリア》に囚われた皆さんを「救助活動」。
助け出した皆さんはナイトメアに乗せ安全な場所へ送ります。
お待たせしました、幻想術師。起きていますか?
何にしても裁断鋏で叩っ切るだけですが。
眠りを悪用した裁きは受けて頂きます。さあ、目覚めの時間ですよ。
ひらりと月光城の魔空回廊に舞い遊ぶのは、夢幻の蝶々たち。
そして夜に揺蕩う如く飛び交う蝶々たちは、慈悲深き永遠の眠りへと人々を誘う。
いや……夢への導き手は蝶々たちではなく、蝶々を戦場へと解き放っている幻想術師『パラノロイド・トロイメナイト』。
声も姿も失っても尚、眼前の異形は人々の救済を願ったというが。
月の眼の紋章を得たパラノロイド・トロイメナイトが齎す、より強化された眠りの施しは当然、救済などでは決してない。
儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《 ザナドゥ 》』・f35644)は、そんな月光城の主であるという異形を見遣って。
小さく首を傾けてみせつつ、それでもやはり迷うことなく思う。
「蝶を操る眠り使いの幻想術師。まるで出来の悪い私のデッドコピー」
……無視するという選択肢はありません、と。
だが今、パラノロイド・トロイメナイトは能力が超強化されているし。
此処は魔空回廊の『|人間画廊《 ギャラリア 》』……回廊を取り巻く『展示品』は、その命を幻想術師の力の糧にされている囚われた人々だから。
芽亜は物言わぬ異形から、視線を|人間画廊《 ギャラリア 》内へと移して。
「とはいえまずは虜囚の解放が先ですね」
眠り耐性を駆使し、囚われし人々の解放から行うべく行動に移す。
数多の幻想が囚われた鳥籠を揺らし、それを戦場へと解き放ってきても。
――私の世界で勝手はさせません。
刹那、芽亜が展開するのは、戦場全体をできる限り覆えるように成した鴇色の陽炎纏いしドーム状の結界。
「この睡魔から逃れられますか、幻想術師」
相手を夢へと誘うのは何も、この眠りの回廊の主だけではないのだ。
そして発動させたサイコフィールドの効力で、パラノロイド・トロイメナイトが足止めされている間に。
|人間画廊《 ギャラリア 》に囚われた人々の救助活動にあたり、夢の世界から戻ってきた人達を芽亜は誘導する。
ナイトメアに乗せて安全な場所へと送るために。
人々を死という永遠の眠りから救い出す目的は勿論のこと。
『展示品』として囚われていた人々を解放すれば、それだけ月光城の主の強化が効力を失うのだから。
そして周囲に囚われていた人々を回廊の外へと送った後。
「お待たせしました、幻想術師。起きていますか?」
芽亜はゆらり揺蕩う相手へとそう声をかけるけれど……でも、やるべきことはもう決まっている。
「眠りを悪用した裁きは受けて頂きます」
……何にしても裁断鋏で叩っ切るだけですが、と。
二振の軍刀を組み合わせた鋭き両刃を大きく開き、ジャキンと音を鳴らして閃かせる。
「さあ、目覚めの時間ですよ」
幻想術師ごと真っ二つに断ち切って、この夢の時間を終わらせるために。
大成功
🔵🔵🔵
ベリザリオ・ルナセルウス
【白と黒】
言葉も形も失ってもなお救済の願いは消えなかったのか…
織久、人々の救出を。私は呪術師の攻撃を凌ぐ事に集中する
幻術師の前に立ちはだかって名乗りを上げて私に注意を引きつけよう
盾を構えてオーラ防御の結界を張り、攻撃を和らげて防ぎきれない攻撃を盾と武器で受けて凌ぐ。浄化の力を込めた加護は夢に対する力にもなるはずだ
夢を見るとしたら穏やかなダークセイヴァーで織久と共に過ごす日々だろうか
けれど今ここで共に戦う織久がいる。どんなに甘い夢でも織久が側にいてくれるなら目覚める事ができる
より強く祈り浄化の力を込めたUCで夢の光景ごと一斉掃射。幻術師にシールドバッシュを仕掛けて抑え込もう
後は任せたよ、織久
西院鬼・織久
【白と黒】
呼称:ベリザリオ(f11970)に同行
この世界では心地よい夢を見たままでいられるならそちらを望む者もいるでしょう
しかし、どのような夢も我等にとっては救済にも絶望にもなりません
我等は狩る者、喰らう者
夢など我等が怨念が喰らってくれよう
【行動】POW
先制攻撃+UCの速度で救出に向かう
各耐性と自身に満ちる怨念の炎の呪詛で毒を以て毒を制す方式で幻術師の力に対抗
五感と第六感+野生の勘を働かせて敵攻撃を見切り、囚われた人々を救出
武器が纏う怨念の炎の焼却+生命力吸収の呪詛を攻撃と共に付与、継続ダメージで消耗させる
動きが鈍ったらUCの速度を乗せた串刺し、武器伝いに怨念の炎を流し込み傷口をえぐる
まるで失った言の葉のかわりに、ひらりひらひらと。
魔空回廊に煌めき飛び交うのは夢幻の蝶々たち。
そして形を失ったのかわりに、ゆうらりゆらり。
数多の幻想を閉じ込めた鳥籠を揺らすのは、この月光城の主――幻想術師『パラノロイド・トロイメナイト』。
そんな幻想術師は、己の守護する回廊にて今日も夢を見る。
この常夜の世界の人々に救済を、と。
「言葉も形も失ってもなお救済の願いは消えなかったのか……」
ベリザリオ・ルナセルウス(この行いは贖罪のために・f11970)は眼前の幻想術師へと視線を向け、紡ぐけれど。
パラノロイド・トロイメナイトの行為を肯定することはない。
だってその願いは一見、慈愛に満ちているもののように思えるが……だが、そうではないのだ。
せめて最期は安らかなれと、より強い力を得た幻想術師が人々に齎すのは、死へと誘う永遠の眠りなのだから。
そんなベリザリオと並び立つ西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)も知っている。
「この世界では心地よい夢を見たままでいられるならそちらを望む者もいるでしょう」
夜と闇に覆われたこの世界が、人々にとってどれほど理不尽で残酷かということを。
だから、夢に縋る者がいるだろうことも、何ら不思議ではないのだけれど。
「しかし、どのような夢も我等にとっては救済にも絶望にもなりません」
織久もまた、幻想術師の与える救済に頷くことは一切ない。
むしろ赤い瞳を爛々と光らせ、容赦なくその牙を剥く。
「我等は狩る者、喰らう者。夢など我等が怨念が喰らってくれよう」
そう、オブリビオンは狩るべき存在。
怨念蠢くまま、敵へと抱く内なる殺意と狂気が常に織久には渦巻いているのだから。
「織久、人々の救出を。私は呪術師の攻撃を凌ぐ事に集中する」
そしてそんな織久へとベリザリオは声を掛けてから。
幻想術師の前に立ちはだかり、高らかに名乗りを上げる。
「私はベリザリオ・ルナセルウス。これ以上罪なき人々を、醒めない眠りになど誘わせはしない」
宝石が飾られた純白の盾を構え、守りのオーラを漲らせた結界を張って。
(「浄化の力を込めた加護は夢に対する力にもなるはずだ」)
そして自分へと敵の注意を引きつけるために。
刹那、幻惑し迷いを齎す蝶の群れが戦場へと解き放たれるも。
それよりも早く、織久は回廊を駆ける。
――我等が血に潜む竜よ、天地を遍く狩る竜翼と化せ。
西院鬼の吸血鬼が血に宿していた竜の力をもって、殺意と怨念の強さを糧に。
さらなる戦闘力と飛翔能力を得て、幻想術師の力に対抗する。
各耐性と自身に満ちる怨念の炎の呪詛で、毒を以て毒を制す方式で。
この魔空回廊は、敵の能力を超強化するための『展示品』で取り巻かれている。
そう……此処は『|人間画廊《 ギャラリア 》』、囚われの人々が『展示品』とされているから。
五感と第六感、野生の勘を働かせ、襲い来る夢幻の蝶々たちのはばたきを見切り、囚われた人々を救出していく織久。
そして敵の気を引いているベリザリオは、ふわりとした感覚に一瞬陥って。
(「夢を見るとしたら穏やかなダークセイヴァーで織久と共に過ごす日々だろうか」)
恐怖や理不尽ではなく、穏やかで平和になったこの世界で……隣には、織久がいて。
眼前に広がるのは、何事もない日々を共に過ごしていくような夢。
だが、ベリザリオがそんな夢に囚われることなどないのだ。
(「けれど今ここで共に戦う織久がいる」)
……どんなに甘い夢でも織久が側にいてくれるなら目覚める事ができる、って。
戦場へと意識を舞い戻らせる。彼が戦っているのだから、共に敵を撃ち抜くために。
――我が旋律に祝福あれ!
ベリザリオはより強く祈り浄化の力を込めて番え、旋律の矢を放つ。
そして夢の光景ごと一斉掃射し、シールドバッシュを仕掛けて討つべき敵を抑え込めば。
『……!』
――後は任せたよ、織久。
向ける紫の瞳が咲かせるのは、絶大なる信頼の花。
刹那、人々を粗方救助し終えた織久が大きく地を蹴って。
握る獲物が纏う怨念の炎が燃え盛り、生命力奪う呪詛を敵へと与えれば。
動きが鈍った瞬間を決して見逃さず、織久は速度を乗せた一撃で幻想術師を容赦なく串刺しにする。
そしてさらに傷口をえぐり、武器伝いに流し込む。オブリビオンを狩るべく、燃え盛る怨念の炎を。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
栗花落・澪
可哀想、なんて言っていいのかはわからないけど
救いを願って与えてしまう死なんて
悲しすぎるから
だから、少しでも届くように
万一眠らされた時に落ちると危ないから
今回は念のため飛行はしない
でも、出来る限り…ううん
絶対に、囚われてなんてあげない
楽しい夢
うん、そうだね
皆と過ごす時間は凄く幸せ
夏になったら、また海行きたいなぁ
あ、プールもいいよね
でも、だからこそ
平和な時間を守るために、僕は戦わなきゃいけないから
指定UCで戦場に破魔の光を満たし夢ごと浄化
払い除けつつ被害者達を起こしたい
貴方の願いは僕らが引き継ぐから
もう、眠らせなくていい
貴方はもう休んでいい
次に救われるべきは…貴方だよ
だから、もう…いいんだよ
月光城の魔空回廊で、幻想術師はただ願っているのだ。
この世界の人々への救済を――と。
けれど、せめてと人々へと齎すその力こそ、死へと誘うものになってしまっていて。
(「可哀想、なんて言っていいのかはわからないけど。救いを願って与えてしまう死なんて、悲しすぎるから」)
だから、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はこの回廊へと足を踏み入れる――少しでも届くように、って。
そして幻惑し迷いを齎す蝶の群れが与えんとしてくるのは、ふわりと身を委ねたくなるような心地良い眠気。
万一眠らされた時に落ちると危ないからと、念のため空は飛ばないようしながらも。
「でも、出来る限り……ううん。絶対に、囚われてなんてあげない」
澪はそのために敢えて、眼前の夢の光景へと目を向ける。
「うん、そうだね。皆と過ごす時間は凄く幸せ」
このまま目覚めなくてもいいんじゃないか、なんて。
何も考えず見た時ならば思ってしまうような。
そう、それは――楽しい夢。
「夏になったら、また海行きたいなぁ。あ、プールもいいよね」
皆といっぱい楽しく過ごす、そんな夢。
でも、だからこそ……皆と一緒の時間が楽しくて嬉しいことを知っているからこそ。
澪は、夢に囚われてなんてあげないのだ。
「平和な時間を守るために、僕は戦わなきゃいけないから」
だから、夢幻の蝶々を放つ幻想術師へと降らせる。
――貴方の闇に、希望の輝きを。
この世のものとは思えぬ美しい花や破魔の光を。
悪を浄化する天上世界へと変じさせた戦場に、パラノロイド・トロイメナイトのその心に……希望の輝きを灯すべく。
そして、満ちた破魔の光が夢ごと死への誘いを浄化し、蝶々たちを払い除けながらも。
救済を与える『展示品』として囚われた人々を、夢から引き戻しては起こしていく。
それでも、もう言葉も形も失ったから……幻想術師は何も紡がないけれど。
「貴方の願いは僕らが引き継ぐから」
澪は、尚も眠りの救済を与えるべく夢幻のはばたきを生み出さんと鳥籠を揺らすパラノロイド・トロイメナイトへと教えてあげる。
――もう、眠らせなくていい。貴方はもう休んでいい、と。
言葉も形も失っても、強すぎる力が願いと違うものを齎しても。
でも、心までは失ってはいない。
澪にはそれがわかるから、届かせたいのだ。
「次に救われるべきは……貴方だよ」
だから、もう……いいんだよ、って。
大成功
🔵🔵🔵
マシュマローネ・アラモード
◎
意外とこれが役に立ちそうですわね!
UCに見せかけた吹き飛ばしの衝撃波を撃ち、その後に回避しつつ本命のUC、ステイシスビーム!
動きを止めている間に救出を進めていきましょう!
モワ、無事に救出が終わり次第、能力解除、夢見の力は健在でしょうが、私の権能斥力(吹き飛ばし)で、圧壊して参ります!
本当であれば、微睡に見る夢も吝かではありませんが、今は戦場……!
羽ばたく夢幻蝶の弾ける幻影に、ほんの少し、親友との思い出や、これからの旅の景色を見て、それを否定して一撃を振り下ろします。
私の過去と未来は、私のもの。
違う何かに作られるものではありませんわ!
|親友《ひとつぼし》に誓って、夢は叶えるものなのですから。
幻想的に煌めく蝶々が舞う魔空回廊、そこにいるのは人の形を失った幻想術師。
月光城の主『パラノロイド・トロイメナイト』は、人々の救済を心から願っていて。
醒めぬ眠りへと人々を誘うことが救済だと、眠りの画廊を取り巻く『展示品』を増やしているけれど。
でも、月の眼の紋章と『展示品』である人々の命を糧にしたその能力は、死へと誘うほど強力となって。
そのことを知ることもなく、幻想術師は眠りの蝶々を解き放つ。
そんなパラノロイド・トロイメナイトや周囲の状況をぐるりと見回しながらも。
「意外とこれが役に立ちそうですわね!」
マシュマローネ・アラモード(第十二皇女『兎の皇女』・f38748)はこくりとひとつ頷いた後。
満を持してユーベルコード発動! 吹き飛ばしの衝撃波を敵へと目掛けて撃った……かと見せかけて。
実は吹き飛ばしの衝撃波はユーベルコードではなくて。
パラノロイド・トロイメナイトが衝撃波に気を取られ、幻惑し迷いを齎す蝶の群れを放ってきたところをすかさず回避した刹那。
その一瞬をついてマシュマローネが今度こそ放つのは、本命のステイシスビーム!
『……!』
パラノロイド・トロイメナイトの精神を、|時間停滞領域《 ステイシスフィールド 》へと追放する。
そう、敵の精神が帰還するまでの時間稼ぎにはまさにうってつけ。
今回は月光城の主を倒す前に、やっておくべきことがあるから。
「動きを止めている間に救出を進めていきましょう!」
回廊を取り巻いている『展示品』、それは夢に囚われた人々。
パラノロイド・トロイメナイトはそんな捕えた人々の命を糧に、大きな強化を得ているというから。
人々を救出することが、敵の強化を無効にする手段でもあるのだ。
「モワ、お怪我などありませんでしょうか! あとは私に任せて避難してくださいね!」
マシュマローネは幻想術師の精神が戻ってくるまでの間に、次々と周辺の囚われし人々を解放していって。
随分と強化は解除されたとは思われるも、精神が帰還した様子のパラノロイド・トロイメナイトへと改めて視線を向ける。
弱体化はしているだろうが、夢見の力は健在。
その証拠に、蝶々が舞ったと同時に、ふわりと揺蕩うような感覚に陥って。
ほんの少しだけ、羽ばたく夢幻蝶の弾ける幻影に目を向ければ――その夢は、親友との思い出や、これからの旅の景色。
それは子守唄のように心地良くて、楽しい夢なのだけれど。
(「本当であれば、微睡に見る夢も吝かではありませんが、今は戦場……!」)
マシュマローネはそんな夢に溺れることなく、全て吹き飛ばして圧壊する。
だって、いくら楽しい夢でも、これは違うから。
「私の過去と未来は、私のもの。違う何かに作られるものではありませんわ!」
――|親友《 ひとつぼし 》に誓って、夢は叶えるものなのですから、と。
歪んでしまった幻想術師の救済の願いを、蝶々の群れが齎す幻惑の夢を、今ここで終わらせる。
大成功
🔵🔵🔵
ルリララ・ウェイバース
互いを姉妹と認識する4重人格
主人格で末妹のルリララ以外序列なしだが、ユーベルコードで姉3人も実体を持って出現
「ララとリラちゃんで向こうから起こしてくね~♪」
「なんでララとペアなn、って先行くな!」
「こうなるからよ」(ルリ)
「リラ姉、ララ姉寝てしまったら、起こすんだぞ~」
二手に分かれて、戦闘も極力避けて起こしまくるぞ
ペアの片方が寝たら頑張って起こし、ルリララ達の手数の多さを活かす時だ
姉妹で同じ夢
ルリは眼鏡クール男子
リラはマッチョ
ルリララは穏やかなぽっちゃり
それぞれの好みの異性と一緒にいる夢にフワフワ大きい獣に乗ったララに起こされる
ほら、寝てる暇はないぞ〜、おっきろ〜♪
婿探しは難航しそうね(だな)
月光城の魔空回廊のひとつへと足を踏み入れて。
人々が『展示品』とされている|人間画廊《 ギャラリア 》内で、ルリララ・ウェイバース(スパイラルホーン・f01510)はひとり、作戦会議……?
いや、ルリララはひとりだけれど、でも4人でもあるのだ。
刹那、夢幻の蝶々が飛ぶ回廊でルリララが発動させるのは、オルタナティブ・クアドラプル。
3人の姉妹・ルリ、リラ、ララを出現させて……4人姉妹全員集合!
「ララとリラちゃんで向こうから起こしてくね~♪」
早速子供っぽい口調のララが言えば、リラはそれに異論を……唱える前に。
「なんでララとペアなん、って先行くな!」
たたたっと無邪気に駆け出したララを追いかけるように続いて。
そんな先に行ったふたりの姿を見遣りながら、ルリは予想通りと言わんばかりにこくりと頷いて。
「こうなるからよ」
「リラ姉、ララ姉寝てしまったら、起こすんだぞ~」
ルリララもそう姉達に声を掛けておく。
勿論、月光城の主である幻想術師『パラノロイド・トロイメナイト』を倒すことも目的ではあるのだけれど。
まずは戦闘を極力避けながらも、二手に分かれて行動する。
眠りに満ちる|人間画廊《 ギャラリア 》内に囚われた人々を、夢から起こしまくるために。
そうすれば、人々の安全を確保すると同時に、捕えた人達の命を糧にして強化されているという幻想術師の能力の弱体化も狙えるから。
そして相手の強化された魔術が、たとえひとり眠らせたとしても。
ペアのもう片方が寝てしまったほうを頑張って起こす……ルリララ達が立てたのは、眠りにばっちり対処できるそんな作戦。
そう、まさに――ルリララ達の手数の多さを活かす時だ、と。
囚われた人々の眼を覚まさせては、次々と4人がかりで解放していく。
でも……夢幻の蝶々がひらり、4姉妹を眠りへと誘うように舞ったかと思えば。
姉妹で見るのは、同じ夢……?
それぞれひとりずつ、隣にはゲットした未来の旦那らしき人物の姿が。
ルリの隣には眼鏡クール男子、リラのお相手は鍛え上げられた体のマッチョ、ルリララの傍には穏やかなぽっちゃりさんが。
そんな、それぞれの好みの異性と一緒にいる夢に揺蕩ってしまいそうになるも。
「ほら、寝てる暇はないぞ〜、おっきろ〜♪」
3人を起こして現実へと引き戻すのは、フワフワ大きい獣に乗ったララ。
そして引き続き人々を救出していきながらも、ルリとリラは思わずそっと苦笑してしまう。
「婿探しは難航しそうね」
「……だな」
ちょっぴりだけ、夢に見た未来の旦那達を名残惜しく思ったりも……?
いえ、理想の旦那をゲットする旅を続けるためにも。
まずは手分けして人々を救助し、そして姉妹力を合わせて――この魔空回廊を、しっかりと突破します!
大成功
🔵🔵🔵
エリシャ・パルティエル
展示品として囚われている人たちがこんなに…
必ず助けなきゃ
この世界において醒めない眠りは
ある種救いと言えるのかもしれない
でもそれを認めるわけにはいかないの
ここにいる人にも生きて幸せになる権利があるのだから
あたしが気をしっかりもたないと
UCも使って囚われた人々を解放していくわ
見えた景色は夜と闇の世界
ヴァンパイアの圧政に怯え暮らす日々
辛かったでしょうね…
その景色を打ち消すように
今まで様々な世界で見た綺麗な景色を思い出すわ
満天の星空やお菓子の森
空に打ちあがった花火の美しさ
この世界にも必ず光を取り戻すわ
そうしてあなたたちにも感じて欲しい
世界の美しさを
夢に囚われない
あたしは必ずこの世界に夜明けをもたらすの
ぐるりと巡らせた星の如き瞳に映るのは、眠りと夢という檻に囚われた人々の姿。
いや、月光城の主である幻想術師にとってそれは、救済という慈愛であるようだが。
「展示品として囚われている人たちがこんなに……」
エリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)は、そんな『パラノロイド・トロイメナイト』の救済の願いを否定する。
……必ず助けなきゃ、って。
エリシャも分かりはするのだ。
この常夜の世界の有様をこれまで視て、見て来たから。
(「この世界において醒めない眠りは、ある種救いと言えるのかもしれない」)
日々恐怖に怯え、理不尽に苦しみ、残酷な現実を生きなければならないのならば。
穏やかな醒めない眠りに揺蕩いながら静かに死を迎えるということは、せめてもの慈愛かもしれない。
けれどやはり、エリシャはきっぱりと紡ぐ。
「でもそれを認めるわけにはいかないの。ここにいる人にも生きて幸せになる権利があるのだから」
刹那、幻惑し迷いを齎す蝶たちが解き放たれれば、ふわりとした心地を覚えるけれど。
(「あたしが気をしっかりもたないと」)
さっき心に誓ったから……助けなきゃ、って。
だからエリシャは迷いを振り切るように顔を上げ、真っ直ぐに前を向いて。
――行きましょう。その手で未来を掴むために。
神への祈りと慈愛の言葉を紡げば、囚われた人々へと降り注がせる。
希望と勇気を与える聖なる光を。
そして夢から醒めた人たちを次々と解放していく中で。
助けるべく触れた少女の夢の光景を共に視れば、思わず呟かずにはいられない。
「辛かったでしょうね……」
見えた景色は、この夜と闇の世界……ヴァンパイアの圧政に怯え暮らす日々の光景。
でも、だからこそ、エリシャは思い出す。
満天の星空やお菓子の森、空に打ちあがった花火の美しさ――今まで様々な世界で見た綺麗な景色を。
そして、そんな沢山の希望に満ちた彩りたちをいっぱい知っているから。
「この世界にも必ず光を取り戻すわ」
目を覚ました人々へとそう約束した後、続ける。
「そうしてあなたたちにも感じて欲しい」
――世界の美しさを、って。
だから、いくら美しくても幻である蝶々なんかに……夢になんかに、囚われない。
だって、明けない夜はないって、信じているから。
エリシャは抱く決意を光に、満ちる希望を言の葉にする。
――あたしは必ずこの世界に夜明けをもたらすの、って。
大成功
🔵🔵🔵
ヘルガ・リープフラウ
生の苦しみを終わらせる死こそ救い
覚めない夢に溺れるのが救い
ああ、そんな言葉は聞き飽きた
オブリビオンの説く『幸福』や『救済』は、いつだって歪みを孕み
最後には人を不幸にする
こんな呪縛は許されない
必ず皆を救い出す
誘い込まれる夢は災厄の光景
大火に焼かれる、洪水に溺れる、怪物に喰われる
人質に近づく度に、彼らの見る悪夢は千差万別に変わる
夢に溺れないように気をしっかりと持って(呪詛耐性、狂気耐性)
勇気と覚悟を決めて立ち向かい
夢の中で災厄に襲われる彼らを救わんと手を伸ばす
恐れるな
これは夢
今度こそ人々に希望を取り戻す
わたくしもまた、かつて故郷を焼かれた身
あの時人々を救えなかった後悔を、二度と繰り返したくないから
それは一見、慈愛に満ちた思考や言の葉のようであるけれど。
ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は、よく知っている。
――生の苦しみを終わらせる死こそ救い。
――覚めない夢に溺れるのが救い。
(「ああ、そんな言葉は聞き飽きた」)
それが、何よりもたちが悪く、残酷だということを。
だって、ずっと見てきたから。
オブリビオンの説く『幸福』や『救済』は、いつだって歪みを孕んでいて……最後には人を不幸にする、と。
だからヘルガは、そんな『幸福』や『救済』をはっきりと否定する。
「こんな呪縛は許されない」
……必ず皆を救い出す、と。
夢幻の蝶々が舞う回廊を取り巻く『展示品』とされてしまった人々を救出するべく行動を起こす。
そして人質に触れた刹那、一瞬にして変わる眼前の景色。
それは――大火に焼かれ、洪水に溺れ、怪物に喰われる。そんな絶望の彩り。
誘い込まれる夢は、そう――災厄の光景。
そんな悪夢は、夢を見る彼らに近づく度、千差万別に変わって。
見せつけられる悲劇の数々に、のまれそうになるけれど。
でもヘルガは目を逸らさずに顔を上げ、呪詛や狂気に対しての耐性を駆使しながらも立ち向かう。
(「夢に溺れないように気をしっかりと持って」)
勇気と覚悟を決めて――そしてその手を、目一杯伸ばす。
(「恐れるな、これは夢」)
自分に言い聞かせながらも、人々に希望を取り戻すべく。
今度こそ、この手を届かせるために。
だってヘルガには、痛いほどよくわかるから。
(「わたくしもまた、かつて故郷を焼かれた身」)
だから――二度と繰り返したくないと、そう強く思うのだ。
あの時人々を救えなかった、後悔を。
大成功
🔵🔵🔵
スピネル・クローバルド
【アルビレオの導き】
アドリブ歓迎
元の660倍の力となっている相手には、真正面から向かっても
勝ち目はありませんね。
まずは、人々の救出を優先しておきましょう。
森葉静隠を使用しますね。
木の葉を降らす事で、自身や仲間の姿を隠しますね。
そして【迷彩】能力により広大な森の中へと擬態しつつ
【目立たない】事によって、敵に気付かれない様に
囚われた人々を救出します。
人々を救出する際の夢は、家族と一緒だった過去の夢でしょうね。
昔は弟と一緒に、争いも無い平和な日々を送っていました。
戦いが終えたら、またその平和が戻るでしょうか?
戦闘では朱公燕さんと連携して、タイミングを合わせて弓で狙撃します。
「合わせて行きますよ!」
朱・炎
【アルビレオの導き】
アドリブ〇
私はスピネル殿をサポートいたします。
注意を引くことこそ我が勤め。参る!
まずは先手の指定UC、そのあとスピネル殿のUCを借り【スナイパー】【焼却】でやつの気を引きつつ敵UCは何とかかわす……多少の傷はいたし方なし!
本来の目的はスピネル殿の救出活動だ。こちらに気を引いて注意をそらせればそれでよし!
そしてスピネル殿と連携して、タイミングを合わせて弓で狙撃する。
「はい!スピネル殿!これにて|終劇《ジィェジュー》!」
足を踏みいれたこの月光城の主は、言葉も形も失って。
人々を救済せんと、ただひたすら捕え、醒めぬ夢へと誘っている。
それが最終的に人々の死となることなど、見えていないままに。
いや、幻想術師のその力が強力であるということもある。
皮肉にも、救済せんと眠らせた人々……『展示品』の命を糧にして。
そんな『パラノロイド・トロイメナイト』の動向を確りと確認しながらも。
「元の660倍の力となっている相手には、真正面から向かっても、勝ち目はありませんね」
月の眼の紋章と『展示品』達の命で、元の660倍もの超強化を果たしているという敵の現状に。
スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)はそう思考した後、行動に移す。
「まずは、人々の救出を優先しておきましょう」
囚われし人たちを解放し救出して、安全なところまで避難させるという目的は勿論のこと。
力の糧としていた人々を解放すれば、その分だけ、敵の強化も弱まり無効化もできるというから。
そして、そんな彼女の救助活動がよりスムーズに成されるために。
「私はスピネル殿をサポートいたします」
朱・炎(豪炎の弓龍・f36036)は、己が今回担う役割を確りとその心に留めて。
……注意を引くことこそ我が勤め。参る!
ぐっと番えるは、黄金の龍の装飾が施された赤き愛弓『炎龍星弓』。
そして――燃やせ心! と。
眠りの回廊に、先制の炎の矢の雨をすかさず降らせ、討つべき幻想術師へと烈火の如き矢を飛ばして。
その間にスピネルは展開する――『|森葉静隠《 ハーミット・イン・フォレスト 》』を。
そして広大な森の様相を作り上げ、降らせる木の葉で、自分と朱炎のふたりの姿を隠して。
さらに朱炎は、スピネルが舞わせる木の葉に身を隠しながらも、敵の気を引くべく焼却するために再び燃える炎の矢を射放つ。
だが、刹那。
「……!」
敢えて脱力した『パラノロイド・トロイメナイト』が鳥籠から出した数多の幻想が、眠りを与えんと襲い掛かってくるも。
その対象が自分であることを確認した朱炎は、ひとつ大きく頷いて。
(「本来の目的はスピネル殿の救出活動だ。こちらに気を引いて注意をそらせればそれでよし!」)
……多少の傷はいたし方なし! と。
身を挺し、囚われた人々やその救出にあたるスピネルへと、相手の攻撃ができる限り向かないように引き続き立ち回る。
そしてスピネルは、迷彩の効力によって広大な森の中へと擬態しつつも。
「大丈夫ですか? もう安心ですよ」
目立たないよう、敵に気付かれない様に心掛けながら、囚われた人々を救出していく。
そして、ふと触れた人の影響を受けて……スピネルも、夢を見る。
それは――家族と一緒だった過去の夢。
その光景を見つめながらもスピネルは思い出す。
昔は弟と一緒に生活をしていた時のことを。争いも無い平和な日々を。
そして、そんな眼前の夢を眺めつつも、呟きを落とす。
……戦いが終えたら、またその平和が戻るでしょうか? って。
それから、囚われた人々と共に夢を見ながらも救助を無事に終えれば。
スピネルも、手にした木製の弓『フォレストスナイパー』を番えて。
「合わせて行きますよ!」
「はい! スピネル殿!」
掛けられた声を聞いて頷き、彼女とタイミングを合わせ、朱炎も炎龍星弓で敵を狙撃する。
――これにて|終劇《 ジィェジュー 》!
そして、瞬間。
『……!』
人々への歪んだ救済を願って醒めぬ夢を与えんとしている異形を、ふたりが放った矢が射貫いて。
幻想術師『パラノロイド・トロイメナイト』が、ついに崩れ落ちれば。
魔空回廊に満ちていた夢も幻も完全に消え、月光城に穏やかな目覚めの時が訪れるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵