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闇の救済者戦争⑮〜ネタキャラの紋章

#ダークセイヴァー #闇の救済者戦争 #第五の貴族

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「紋章の祭壇と呼ばれる場所があるのですが……」
 声をかけた君たちを前にフェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)は語り出す。「第五の貴族」の中でも限られた者だけが運用を許されていた、第五層の生体実験室群のことをそう呼ぶらしいんですよねと。
「ここがダークセイヴァーの世界で起こっている大きな戦い、『闇の救済者戦争』の戦場の一つでもあるんです」
 当然先に進むためにはここを制圧する必要がある。
「おびただしい犠牲を経て作り出される『紋章』は、ヴァンパイア達に大いなる力と異形の攻撃手段を与えていまして――」
 かの地に転送されれば君たちは祭壇を管理し紋章を作り出していた、「第五の貴族」の一人と戦うこととなる。
「祭壇を管理する者はいずれかの種類の『紋章』をひとつ装備していて……それに応じた強力な戦闘能力を獲得していますが、紋章には必ず何らかの『弱点』が存在します」
 君たちが刃を交えることとなるのは、処刑人。躯の海から蘇った市井の処刑人の一人であるらしい。
「ということは、市井の処刑人のオブリビオンから第五の貴族の一人にまで成り上がったってことでしょうね」
 実力を持って上り詰めたというのなら、侮れない相手である。
「加えて、このオブリビオンは『紋章』も装備していますから――」
 かの処刑人がもつは「ネタキャラの紋章」というもの。
「一見すると『ネタキャラ』って文字に二重線ひいて隣に『シリアスキャラ』と書いてある雑な修正以外のなにものにも見えないモノなんですけれども!」
 この紋章を持つ者はまるでギャグマンガの登場人物かの如く攻撃を無効化あるいは躱したり、受けた傷を一瞬で全快させてしまうのだとか。
「ただし、この紋章も無敵ではありません。紋章の矛盾に気づいてしまうと、効果が無効化される上に一瞬ではありますが動けなくなってしまうという弱点が存在します」
 故に紋章の持ち主は自身を頑なにシリアスキャラだと言い張る。
「ですが、シリアスキャラで居られなくなってしまっても効果は無効化され、動きが止まります。一番楽なのは紋章と同じモノをデカデカと自分の身体に書いて対峙することですね」
 それを見たなら処刑人はついツッコミを入れてしまうだろう。自分の紋章を棚に上げて。
「その直後に自滅して紋章が効果を失う訳ですが」
 この対策が恐らくは一番早い。もちろん、シリアスキャラでいられなくする方法を考えて実行してもいい。
「僕もごく普通の聖騎士でシリアスキャラじゃないですか? だから、こういう手段を考えるのはちょっと苦手なんですよね」
 何故か女性用水着を着て肩から「シリアスキャラ」と書かれたタスキを下げたフェリクスは手にグリモアを浮かべたまま。
「僕もサポートしますので、よろしくお願いしますね」
 君たちにぺこりと頭を下げるのだった。


聖山 葵
 ツッコんだ方が負ける戦いがあってもいいと思うんです。

 という訳で今回は紋章を装備した第五の貴族と戦っていただくお話の様です。

 尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になるようです。

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 プレイングボーナス:紋章の「弱点」を突いて戦う。
=============================

 ではご参加お待ちしておりますね。
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第1章 ボス戦 『処刑人』

POW   :    執行
【処刑斧】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    制裁
【剛力】で超加速した武器を振るい、近接範囲内の全員を20m吹き飛ばし、しばらく行動不能にする。
WIZ   :    断罪
対象のどこかに【罪人の刻印】を貼る。剥がされるまで、対象に【鎖】の引き寄せと【処刑斧】の威力2倍攻撃が使える。

イラスト:あま井

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠クララ・リンドヴァルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

瀬河・辰巳
…シリアスキャラを頑張るって疲れないのかな、あの敵。キャラを作るってしんどいけど。
グリモア猟兵が言ってたように、相手の紋章と同じものを片腕に、もう片腕には念のため『美女(男)』と書いておき、隙を作るために見せて紋章と言い張る。こんなの言ったもん勝ちさ。

敵がツッコんだらUC発動。念のためモチーフは喜劇の舞台。しばらくの間、ネタキャラを演じなければ出口が現れない・出るまではネタを振られタライが降って来る等の地味な攻撃が続く、敵にとっては地獄の迷宮。
もし敵のUCで刻印を貼られたら、すぐオトモダチ(影)を纏って探してもらい、剥がして対処。
敵がげんなりしたら迷宮を消して背後から大鎌でぶった切ろう。



「……シリアスキャラを頑張るって疲れないのかな、あの敵」
 紋章を隠しもせず立つ|件のオブリビオン《処刑人》を見て、瀬河・辰巳(宵闇に還る者・f05619)は口から素朴な疑問を漏らす。
「キャラを作るってしんどいけど」
 かの紋章を装備している強みを生かすには、退くに退けないのか、あるいはほかに理由があるのか。視線を切った辰巳がちらり落とした自分の片腕には処刑人の紋章のように縦線で修正され隣にシリアスキャラと書かれたネタキャラの文字がある。
「念のためにこういうのも用意してみたけどさ」
 とはもう一方の腕へ書かれたカッコつきで「男」の文字を添えた「美女」という文字のことを示すのだろう。
「ご苦労なことだ……シリアスキャラであるこの俺に処刑されるためにわざわざやって来るとはな」
 どこかの段階で、辰巳の存在には気づいていたらしい。
「まさかシリアスキャラが他にもいたとは」
 グリモア猟兵の言葉通り自身をシリアスキャラと称し向き直る処刑人へと辰巳はシリアスキャラと書かれた方の腕を見せる。
(こんなの言ったもん勝ちさ)
 処刑人のもつ紋章と見た目だけならほぼ同じモノなのだ。否定すればその言葉は、反射して処刑人自身にも降りかかる。
「おまっ、それのどこがシリアスキャラだ!」
 にもかかわらず、処刑人はツッコんだ。ツッコんでしまった。
「あっ」
 直後に硬直した処刑人の紋章が光を失い。
「創られた世界は1つの檻。出るも果てるも運次第――」
 動けぬ処刑人を虜囚とすべく辰巳は一つの迷路を作り出す。
「そこはお前にとっての地獄だ、堪能していくがいい」
 迷路に隔離されゆく処刑人の耳は辰巳の声を拾うも、まだ動くこと能わず。
「おのれ、このシリアスキャラの俺をこんな手ぶっ?!」
 漸く体の自由を取り戻した処刑人は上から降って来た金タライが直撃してたたらを踏む。そこは、喜劇の舞台をモチーフとした迷宮。
「さて、ネタキャラを演じなければ出口が現れない上、出るまではネタを振られ続ける筈だが」
 迷宮の外で内部に消えた処刑人の方へ視線をやる辰巳に油断はない。
「やはり、か。ありがとう」
 罪人の刻印を咥える|動物の形をした歪な影《オトモダチ》へ礼を言ったのはいつの間にか自身についていたソレをはがしてくれたと辰巳が理解していたからで。
「出てこないな。認めれば紋章の力を失うとなれば――」
 無理もないとしつつも大鎌を辰巳は振りかぶる。
「がはっ」
 迷宮で精神的に消耗した処刑人にその不意打ちを防ぐことは能わず。
「ぐ、俺は……シリアスキャラだぞ、こんなことで」
 斬られた傷を押さえつつ、一刻も早く紋章の力を回復させるべく呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アノン・カノン
アノンね、なんか存在そのものがネタキャラとかよく言われるの。
おじさん、何でか分かるー?
(なんてノリで問う女児服着用の肉体年齢21歳)

ま、いっかー。
それじゃあおじさん、アノンと遊んで遊んでっ♪
アノンはお姫様だから、おじさんは捕まえる役ねっ。
(UC発動し飛行開始。自分のノリに巻き込むことでのネタキャラ堕ち狙い。但し本人は特に狙ってるつもり無し)

ほらほらー、アノンを捕まえてごらんなさーい♪
(一応敵の手が届く程度の高度は維持して飛行。体裁は追いかけっこなので)
捕まえられないなら…こっちからイッちゃうよっ♪
(隙を見てDynamickDadick構えて【ランスチャージ】)



「アノンね、なんか存在そのものがネタキャラとかよく言われるの。おじさん、何でか分かるー?」
 調子を狂わされるという意味で、転送されたばかりのアノン・カノン(零の堕とし仔・f20149)の言葉は効果的であったと思われる。
「くっ、うぐっ」
 女児服を着用した肉体的に成人女性と思しき相手から割と気安く声をかけられた処刑人は、傷を負わされるわ紋章の力を失うわと散々だったところなのだ。紋章の力を回復させるべくシリアスキャラとしての立ち振る舞いをしたいところでやって来た第二の刺客。
「ふーっ、はーっ、ふーっ、はーっ」
 胸中を鑑みれば、喚き散らしたいところであったかもしれない。反射的にツッコミが出るのを兜の内の奥歯をかみしめ、呼吸を整えることで処刑人は押しとどめようとするも。
「ま、いっかー」
「だぁっ」
 返答がないことをさらっと流されて転びかけつつたたらを踏み。
「ぐ、ぐぐぐ……俺はシリアスキャラ。俺はシリアスキャラ」
「それじゃあおじさん、アノンと遊んで遊んでっ♪」
 失敗したシリアスキャラ像の再構築を試みて処刑人は呪文のように繰り返すも、アノンは一切容赦がなかった。多分悪意もないかもしれないが。
「おっ、おじ……」
 無邪気とは時として何よりも残酷である。下手な抗議はツッコミも同様であるとするなら、処刑人は不満も飲み込まざるを得ず。
「アノンはお姫様だから、おじさんは捕まえる役ねっ」
 反論がないことで話を進めてゆくアノンではあるも、処刑人をネタキャラ堕ちさせようだとかそんな意図は当人にない。年上が好きで天真爛漫とのことなので、全て素でやっているのであろう。振り回される処刑人の方はたまったものではないが。
「アノンはだれにも捕まらないんだからっ♪」
 おとぎ話に出てくるお姫様のような衣装を身に着けた姿へと変身すると、アノンは空に舞い上がって。
「ほらほらー、アノンを捕まえてごらんなさーい♪」
「おのれっ!」
 きっちり手が届くくらいの高さでそのまま飛び回れば、処刑人もこれを追いかけざるを得ない。また新手が現れるかもしれないのだ、処刑人としては招かれざる客は処刑すべきであり。
「うおおおおっ!」
 処刑斧を振りかぶった処刑人はアノンを追いかけまわす。見た目的にはホラー方面の追いかけっこではある、ただ時速10300kmで飛び回れるアノンへ処刑斧を叩き込むのはなかなかに難しい。
「はぁ、はぁ、はぁ」
 それなりに目方もありそうな斧を振り回して追いかけ続ければ、処刑人の息もやがて上がって。
「捕まえられないなら……こっちからイッちゃうよっ♪」
 ヘロヘロになったところを見計らって褐色のランスを構えたアノンが反撃に転じ。
「なっ、待、アーッ!」
 シリアスキャラを維持できなかった処刑人の野太い悲鳴が周囲に響いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎

(ジャーンジャーンと銅鑼を鳴らし、水着で登場)
ひとーつ、ふたーつ、みーっつ……。
ハイ、カオスメモリ、ロゴスイグニッション!
スーパーカオスマジシャン、バルタン・ディエチ!(違います)
ここに参上デース!
(グレネードの爆撃演出)

ミスター処刑人、アナタに本当のシリアスをお見せいたしマース!
まず、カオスヘッダーでワタシが増えマス。
次に、マッドカオスフレイムで戦場を混沌の炎と混沌物質で満たしマース!
ヒャッハー! そしてアナタに消臭剤アタック!
お身体を綺麗にして差し上げマース!

まだまだ終わりマセンヨ、カモン! スーパーカオスドラゴン殿!
……来マセンナ!
では鍋で斧とバトルしマース!



「ぐおおおおっ」
 視認したのは突かれた場所を押さえてのたうち回る処刑人の姿だった。突かれた場所については敢えて触れず、だが立ち直る間を待つようなこともなく。バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は水着姿で銅鑼を打ち鳴らす。
「ぐぅ、新手……か」
「ひとーつ、ふたーつ、みーっつ……」
 流石に痛がっている場合ではないと起き上がろうとする処刑人が耳にしたのは、バルタンが何やら数を数える声。
「うおおおっ!」
 カウントが進めば取り返しのつかないことになるとでも思ったのか、雄たけびを上げて処刑人が立ち上がる一方。
「ハイ、カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」
 バルタンの方も何やら叫ぶと混沌魔術師の姿に変身し。
「スーパーカオスマジシャン、バルタン・ディエチ!」
 叫んで名乗れば、誰かが違いますと頭を振る様が空に浮かんだ。
「ここに参上デース!」
 ポーズをとったところバルタンの後方でグレネードが爆発して登場シーンを演出する。
「は?」
 兜にあるT字型の視孔からこの光景を見た処刑人は呆然と立ち尽くすだけだった。起き上がる前に何らかの追い打ちでもされるかと思えば、待ち受けていたのがこれ。処刑人からすると、確かに先んじてバルタンに変身を許してはしまった形であろうが、攻撃らしい攻撃をされたわけではなく。
「っ、いかんいかん! 俺はシリアスキャラ!」
「ミスター処刑人、アナタに本当のシリアスをお見せいたしマース!」
「何だと?!」
 呆けて立ち尽くすのも拙いと頭を振る処刑人ではあるが、挑戦とも取れる宣言をバルタンにされてしまえばスルーも出来ない。
「まず、カオスヘッダーでワタシが増えマス」
 どんなシリアスが飛び出すか、身構える処刑人の視線を浴びつつ、バルタンは平然と増えた。
「待て! いや、何平然と増え」
「次に、マッドカオスフレイムで戦場を混沌の炎と混沌物質で満たしマース!」
「話を聞けぇぇぇ! って、熱づっ?!」
 反射的にツッコミかけたところで別の混沌魔法に移行され、たまらずツッコんだ処刑人を混沌の炎が焼き始めた。混沌の炎から逃れようにもツッコミを入れてしまった処刑人は身動きが取れず。
「ヒャッハー! そしてアナタに消臭剤アタック!」
「おぶっ?!」
 制止が無ければバルタンは止まらない。
「やめ」
「お身体を綺麗にして差し上げマース!」
 いや、制止があっても止まらなかった。
「まだまだ終わりマセンヨ、カモン! スーパーカオスドラゴン殿!」
 勢いのままに空に向けて呼びかけて。
「……来マセンナ!」
 数秒空を仰いだまま沈黙してからポツリ。
「来ませんな、じゃっ、ぐっ」
 反射的にツッコんでしまった処刑人はまた動けなくなって。
「では鍋で斧とバトルしマース!」
 ここぞとばかりにバルタンが暴力へ移行する。
「ごべっ」
 鍋にしろ斧にしろ動けなければ防ぐことも避けることも不可能だ。こうして処刑人は一方的にボコボコにされるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

本山・葵
・「シリアスキャラ(クールビューティ粋)」と書いたタスキをかけて登場、キャラが違うのと、枠と粋の書き間違いをツッコませる
「おお、シリアスキャラの自分にふさわしい、禍々しい姿をした敵っす!」
「自分、金髪でセクシーでメガネをかけた美女なんで、クールビューティ枠とまんなかっす!」
「え?名前がわさび?何のことかサッパリっすね」

・ネタ技としか思えないUCで攻撃
「知性の象徴、メガネの素晴らしさを肌で感じてもらうっすよ!」

※アドリブ、共闘ご自由にどうぞ



「うぐっ、ぐぅ」
 一方的に殴られるうちに硬直も解けたのであろう。己を庇うように身を丸めた処刑人の呻く姿こそ転送されてきた本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)の見た敵の姿だった。
「よし」
 いきなり強襲される恐れもなさそうなことで肩から掛けたタスキの位置を調整すれば、「シリアスキャラ」の文字はクールビューティ粋とカッコでくくられた補足と共によれて読めないなどということもなく。
「おお、シリアスキャラの自分にふさわしい、禍々しい姿をした敵っす!」
「っ……は?」
 大げさに驚く葵の声で身を起こしつつ振り返った処刑人は、タスキに目が要った瞬間、立ち上がることすら忘れて惚けた。自称シリアスキャラは葵が初めてではない。テンドンであった。
「シリアスとシリアスはひかれあう、そう言うことか」
 とか葵の言葉にちゃっかり乗っておけば紋章の力を復活させる一助にもなったであろうに。
「自分、金髪でセクシーでメガネをかけた美女なんで、クールビューティ枠とまんなかっす!」
 キリッとか効果音さえついてきそうな葵の得意げな表情が色々ダメを押す。
「ざっけんな、お前! どの辺がシリアスでクールビューティーだ?!」
 先の猟兵たちにいいようにされて心の余裕というものも失われてきているからであろう。思わず叫んだ処刑人はツッコんでしまったことで動きを止め。
「え? 名前がわさび? 何のことかサッパリっすね」
「誰もンなこと言ってねぇだろぉ?! がっ」
 硬直から抜け出せたと思った直後にまたツッコんでしまって固まる。まぁ、山と葵の間に空白とか中点があるなら繋がってないのでワサビじゃないのだ。こう、どこかのMSがそうなのと同じ理屈である。
「まったく、こらえ性が無くて困ったモンっすね。クールビューティ粋の自分を見習って貰いたいモンっすよ」
 動けないのをいいことに葵は言葉でツッコミを入れつつこれ見よがしにクールビューティ粋の文字を示す。
「クールビューティー枠はそんなことしない」
 とか言っても無駄であろう、きっと。硬直が解けてない処刑人はまだ動けなかったというのもあるが。
「さて、言葉だけで証明ってのも味気ないモンっすから……ここいらで知性の象徴、メガネの素晴らしさを肌で感じてもらうっすよ!」
 動けないからこそ攻撃のチャンスでもある。葵の眼鏡のレンズに光が収束し、殺傷力を持つにまで至った光は凶悪な殺人光線と化すのだ。
「こんがり焼くっすよ! 眼鏡レェザァァァァァ!」
 ギュビンと若干濁るほどにまで収束された光が避けようのない処刑人へ突き刺さる。
「どの辺が知性だぁぁぁ?!」
 とか叫ぶことも出来ず処刑人は光に焼かれ。
「うっ、おおおお!」
 第五の貴族の意地か、死ぬに死にきれなかったのか、がばっと身を起こしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

結月・志愛美
グリモア猟兵の話を聞いている時は


矛盾を指摘するじゃ駄目かな…う〜ん

(さ〜て、シャミはどうするかな?)
背中に背負っている剣サヴェイジ・オーラがじっと私を観察する

『シャミ、呼吸の仕方があるんだよ』
父、銀一郎に昔言われた事を思い出した私は策を閃く
そうだ!



私はギャグキャラという鉢巻を頭に巻いて敵に対峙

…今だ
敵が超加速した武器を振るってきたのが【第六感】と【視力】と【心眼】で敵の30cmから離れる為にUC極天神楽・四の剣・蜃氣樓で回避しながら斬撃波を放つ

何故避けれたって?私がギャグキャラだからさ!でも私の髪の毛が少し切れてしまっている…シリアスキャラならギャグキャラに触れられる訳が無い!つまり貴方はネタキャラなんだ!紋章に二重線引かれているけどね!
敵は矛盾に気づいたようで動きが一瞬止まる
今だ…!
指定UC発動斬撃波で敵を切り裂いた後に二の剣・日輪で敵に追撃をかけた後に二の剣の効果で三の剣・銀神炎車で敵を私が縦回転しながら切り裂いた。


『あっはははははは!最高だよシャミ!』
サヴェイジ・オーラは大笑いした



「矛盾を指摘するじゃ駄目かな……う〜ん」
 グリモア猟兵から説明を聞いてそう結月・志愛美(時空を超えた龍神少女『シャミ』と次元災害の剣・f40401)が唸っていたのは、少し前のこと。
(さ〜て、シャミはどうするかな?)
 背中から視線を感じた気がして志愛美がちらり振り返れば、あるのは一振りの剣。
「サヴェ姉?」
 声をかけても|喋る武器《サヴェイジ・オーラ》が沈黙を保っているところを見るに伝えたいことがある訳ではないと判断した志愛美は、再び敵の紋章について、その対処法について考え始め。
「そうだ!」
 ふいに声を発したのは、脳裏にいつか聞いた父の言葉が浮かんだから。浮かんだ言葉から一つの策を思いつくに至ったから。サヴェイジ・オーラが沈黙を保つ中、志愛美は準備を始め。
「ンのれ、シリアスキャラの俺をこけにしやがって!」
 転送された先で最初に耳にしたのは、憤る処刑人の声。荒れているのはここまで戦った猟兵たちにボコボコにされたからであるが。
「ん? 新」
 志愛美の気配に気づいたか、振り返った処刑人が、言葉の途中で硬直する。視線は志愛美の頭、巻かれた鉢巻きにある「ギャグキャラ」の文字に固定されており。
「お前もかァァァ! グっ」
 叫んでしまった処刑人の動きが止まる。
「……今だ」
 当初の予定とは違ったがチャンスであることに違いはない。
「極天神楽……天舞!」
「べっ」
 志愛美の振るった刃は避けようもない処刑人の身体に命中し。
「極天神楽……日輪!」
「がっ」
 流れるように続いた斬撃の軌跡が先の剣の斬痕に交差。
「極天神楽……銀神炎車!」
「おぼっ」
 たたらを踏んだ処刑人目掛け縦回転しながら飛び込んだ志愛美の斬撃波が炸裂する。
「ぐ、ぐう……シリアスキャラの、この俺が、こんなにも一方的に」
 血だまりの中膝をついた処刑人は声を震わせながら顔を上げ。
「何故一方的にって表情をしてるね? それは私がギャグキャラだからさ!」
「表情も何も実際に言ってるんだ、うぐっ」
「でも私の髪の毛が返り血に少し汚れてしまっている……」
 反射的にツッコんで処刑人がまた硬直する中、志愛美は己の髪に触れ。
「シリアスキャラならギャグキャラに触れられる訳が無い! つまり貴方はネタキャラなんだ! 紋章に二重線引かれているけどね!」
 導き出した志愛美の結論に処刑人が無言なのは、ツッコミを入れてしまって動けないからだろう。動けたら動けたで「どういう理屈だァ」とかまた叫ぶようにツッコミを入れていそうではあったが。
「そういう訳で、極天神楽……」
 もはや問答無用である。そして処刑人は動けないので避けることも防ぐことも出来ず。
『あっはははははは! 最高だよシャミ!』
 振るわれる|喋る武器《サヴェイジ・オーラ》が志愛美の手の中で爆笑する。刀身で災難続きの処刑人を斬りながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

アー……なんだ。
既視感ってか親近感を感じるなぁアンタ。
そうだよ、ちゃんとシリアスな戦いをしないといけねぇよな。
うん。真正面からぶち破ってやら…やら、やらぁ?
ヤケクソだ、やってやらぁ!!

そうさ、ギリギリまでシリアスに努めればいいのさ、
そうして溜めに溜めたダメージを一気にぶち込ませリャいい。
覚悟を決めて超光速の突撃フォームに変身し、
奴の振り回す武器を掻い潜って全速力でぶつけるよ!

豆腐を。

テメェのその紋章、本質がネタキャラだってんなら簡単だ。
ギャグ展開は死すら軽くもたらすかんな!
もしシリアスに振ろうとしても、この速度だ。
文字通り豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ!



「アー……なんだ。既視感ってか親近感を感じるなぁアンタ」
 さんざんボコボコにされ、何度も叫んではボコボコにされた処刑人を待ち受けていたのは、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の向けた労りと同情の目だった。
「……お前」
「そうだよ、ちゃんとシリアスな戦いをしないといけねぇよな」
 T字型の視孔の奥にある目が若干潤んだかどうかは定かでない。それ以上何も言えない様子の処刑人を前に多喜はゆるゆると頭を振り。
「うん。真正面からぶち破ってやら……やら、やらぁ?」
「う、あり……がてぇ」
 自身の言葉に今一つ自信の持てないようなそんな様子であったにもかかわらず、処刑人は泣いていた。
「ヤケクソだ、やってやらぁ!!」
「うおおおおっ!」
 だから良心の呵責に苛まれてか、一度出した言葉は引っ込められないのか。走り出す多喜に満身創痍の処刑人は歓喜と共に吠え、迎撃せんと処刑斧を持ち上げ抱え地を蹴る。きっと処刑人には見えていた、シリアスキャラにふさわしい戦いが繰り広げられると。
「いっくぜェ!」
 多喜もこれに答えるべく腕を振りかぶり。
(そうさ、ギリギリまでシリアスに努めればいいのさ、そうして溜めに溜めたダメージを一気にぶち込ませリャいい)
 ワイルドな笑みを浮かべつつ走る身体がバンクシーンを伴い、変わってゆく。超光速形態へと変わりながら、振りかぶった手の中に形成されるのは、一丁の豆腐。
「あっ無理無理無理豆腐食べるとかゆくなっちゃうとでも言うと思ったか! そう言えるようになれればなーって絶賛治療中だ! 全部噓だけどな!」
「なんじゃそりゃぁッ?! がッ」
 思わずツッコんでしまった処刑人が駆け続けられなくなって転倒する。
「テメェのその紋章、本質がネタキャラだってんなら簡単だ。ギャグ展開は死すら軽くもたらすかんな!」
 騙されて土壇場で裏切られた処刑人への距離はその処刑人が止まろうとも多喜が迫ることでどんどん縮まり。
(もしシリアスに振ろうとしても、この速度だ)
 立て直すのは不可能という多喜の見立ては間違っていない。
「文字通り豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ!」
 紋章の弱点を突かれた処刑人は悲鳴も断末魔も多喜への恨み言すら吐くことは能わず、砕ける豆腐の中で地へ叩き伏せられると、もはや起き上がってくることはなかった。
「終わった……なぁ」
 豆腐の破片が付着した手を開閉させると多喜は空を仰ぐ。こうして自称シリアスキャラを名乗った第五の貴族の一人は猟兵たちによって倒されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月17日


挿絵イラスト