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闇の救済者戦争⑭〜吸血姫はすぐ死なない

#ダークセイヴァー #闇の救済者戦争 #不死の紋章

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#不死の紋章


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●不死の紋章
「エリート吸血鬼である私がどうしてこんな目に…」
 傲慢な性格の吸血鬼ローザリアは、今自分が置かれている状況に苛立ちを募らせていた。
 過去の猟兵に倒された経験もある彼女だが、禁獣『デスギガス』によって、魂人の如く死ねない存在に改造されていた事によって、何度でも復活できるのである。
 だがその代償に無限の苦痛に苛まれ、理性もほとんど失いかけている。
「ああ…喉が渇きますわ。もっと血が吸いたいのに!」
 そして今のローザリアは改造の際に植え付けられた逆らえない命令によって、デスギガスの『欠落』の番人を強制されており、この場を動けずにいるのだ。
「誰でもいいから、ここの来てくれないかしら。試したいブレンドがありますの」
 ローザリアの目は狂ったように充血しており、この場に近づく者は誰であろうと、無差別に襲い掛かる事だろう。

●グリモアベースにて
「デスギガスの『欠落』を見つける為に協力して欲しいんだ」
 金髪のグリモア猟兵の少女、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)が依頼の説明を始める。
「戦場の制圧出来ればデスギガスの『欠落』が判明する。デスギガスを倒す為には避けては通れないよ。そして皆には番人を倒して欲しい」
 倒すべき番人の名前はローザリア。
 傲慢な性格でエリート吸血鬼の家門の出である。
「過去に撃破報告もあるのだけれど…どうやらデスギガスによって何度でも復活する改造を施されていたみたいなんだ。そして今回も倒してもすぐにまた復活してしまうんだ」
 そのような存在をどのようにして倒すのか?
 当然ながら猟兵達から質問があがる。
「ローザリアを完全に滅ぼすには改造によって埋め込まれた『不死の紋章』を破壊すればいいんだ。普段は隠れているんだけれど、何度も倒す事で表に現れるよ」
 つまりローザリアを何度も倒さなければならないという事である。
 しかも本来なら傲慢な性格から油断もしたかもしれないが、改造を施された代償で理性を失いかけており、死に物狂いで猟兵達に襲い掛かってくる。
 苦しい戦いになる事は言うまでもないだろう。
「でも焦らずに確実に追い込んでいけば必ず勝てると思う。十分に準備をしてから挑んで欲しいかな」
 説明を終えたリリスフィアは、猟兵達の転送を開始するのであった。


吾妻 銀
 吾妻 銀です。

 闇の救済者戦争の4本目のシナリオとなります。
 戦争シナリオとなりますので、1章構成となります。
 ローザリアとのボス戦となります。

 プレイングボーナスは『敵を何度も殺し続け、「不死の紋章」を破壊する。』となります。
 難易度はやや難ですので、判定も厳しめとなります。
 不死の紋章は条件を満たさない限りは、表に出る事も破壊も出来ないものとします。

 参加受付は公開後からとなります。
 断章はありません。
 締め切りは参加状況を見て、タグや雑記に記載します。

 それでは参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ローザリア』

POW   :    ブラッディエンハンス
戦闘中に食べた【他人の血液】の量と質に応じて【全身の細胞が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    プライド・オブ・ヴァンパイア
【闇の魔力】【血の魔力】【影の魔力】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    ダークネスイリュージョン
自身からレベルm半径内の無機物を【闇】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は十六夜・巴です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロバート・ブレイズ
貴様
貴様が如何に不死身でも
不老不死でも
貴様の存在を、欠片も無く滅ぼして魅せよう

吸血鬼の類だと謂う事は外見からも、言動からも即座に把握が出来る。つまり貴様の攻撃と謂うのは『ありとあらゆる吸血鬼』に沿っている筈だ。故に、ビブリオテーク・クルーエル、貴様の一手一手、俺の掌の上だと理解すると良い。勿論、その回避方法に関しては別の猟兵にも伝える

では、此処からが殺し合いと謂うものだ
殺し方は様々『立ち去れで圧し潰す』『銀糸の栞で絞め殺す』『俺の放つ『恐怖』そのものでのショック死』、好きな死因を選ばせてやろう。何? 過去読んだ書物に載っていない場合?

一度死んだら少しくらい動かない筈、半身ほど盾には出来ないか?


栗花落・澪
【オーラ防御】を纏い
基本は【空中戦】での回避行動を重視
敵や操作される闇は魔力、【気配感知】や【聞き耳】で位置や動きを探り
油断はしない

【浄化と祝福】を発動し【破魔】を乗せた炎の鳥を遠隔操作
移動の阻害をするように飛ばしつつ
延焼と【浄化】か、鋭い嘴で突撃する衝撃で攻撃を

更に聖痕を翳して足場に【破魔】を乗せた花園を広げ
【高速詠唱】で紡いだ風魔法で舞い上げ
【多重詠唱】で浄化の光を乗せることで
周囲に擬似的な聖なるバリアを生成
闇は光に照らされれば消えるんだよ

風魔法で炎を煽り火力増加、何度でも燃やして
慣れが出て来たら今度は破魔の光魔法を纏わせた杖を突然伸ばしての物理攻撃や鎌での斬撃も混ぜて
現れた紋の破壊狙い


佐伯・晶
死ねずに無限の苦痛に苛まれる、か
敵ながら同情する境遇だね

僕もこのままだと年老いない邪神の体で
永遠を生きる羽目になるかもしれないから
他人事と言い切れないよ

まあ、どちらにせよ
ローザリアを滅ぼさないと
欠落を破壊できないから倒させて貰うよ

UCを使用し攻撃
ここから離れられないのは好都合だね
極低温を維持してダメージを与え続けよう
ひょっとしたら寒さで痛覚が麻痺して
少しはましになるかもしね

この邪神の体は凍ったくらいで戦闘に不都合は無いよ
氷結耐性も寒冷適応もあるしね

敵の攻撃は神気で防御したり
ワイヤーガンを利用して躱したりして対応
UCを使い続ければダメージは与えられるから
のらりくらりと相手が凍り付くまで耐えようか


四王天・燦
生前に対する因果応報としても惨い…
彼女の自尊心を守るため憐憫は隠しておこう

神鳴と稲荷符を手に迫るぜ
フェイントを入れ、二回攻撃で燕返しを見舞って小手調べ

闇の使い手かな
破魔と光属性攻撃の稲荷符をばら撒いて闇と影の二つの魔力は祓う
視界を閉ざされたら心眼で気配を手繰る
見えてないフリしてフラフラと遠距離攻撃の類を避け、接近してきたら騙し討ちによる部位破壊で脚の切断を狙うぜ

一言謝って殺戮剣舞で急所を切り裂く
蘇っても立ち上がる隙を与えず剣舞を続ける
なるべく一撃必殺で苦痛は与えない

せめての慈悲として最後に己の手首切ってローザリアの口元に鮮血を垂らすよ
吸血鬼の令嬢に血を捧げぬのは不敬に当たると建前を作っておくさ


オリヴィア・ローゼンタール
エリート、か
改造されて狂った果てに縋るものがそんなものとはな
それもデスギガスの圧倒的な力の前には無意味だったわけだが

死ぬまで殺す、シンプルで分かりやすい作戦
金剛不壊を携えた、セーラー服に変身

ブレンド、ということはビンか何かに血液を保存しているのだろうか
【居合】に刀を抜き放ち、【衝撃波】を起こして破砕
狂ってなおエリートに拘る性質なら、強化のためとは言え地を這って血を舐めることなど出来はしないだろう

無駄になった血に気を取られた瞬間に間合いを詰める
刀圏に捉えれば、絶技【閃光無窮の太刀】を以って斬って斬って斬りまくる
攻勢に回られては厄介
反撃されても【気合い】と【根性】で耐え、一気呵成に攻め立てる!



 ローザリアは吸血鬼の中でもエリートの一族の出であり、周りからも姫として敬われ、恐れられていた。
 それ故に傲慢な性格の持ち主である。
「来たようね…猟兵たち。あなた達の血はさぞ美味しい事でしょうね」
 だがデスギガスの欠落を守る番人となり果てた、ローザリアの血走った眼差しは、かつての優雅さの欠片もない血に飢えた野獣の目そのものである。
 不死であるが、完全な存在とはなれず、代償に常に苦痛に苛まれ続ければならないのだから、正気でいられなくなるのも無理のない話である。
「死ねずに無限の苦痛に苛まれる、か。敵ながら同情する境遇だね」
 そんなローザリアに対して、佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は同情の視線を向ける。
 猟兵になる前の事故により、年老いない邪神の体と融合した晶は、元の人間に戻らない限り、永遠を生きる羽目になるかもしれないのだ。
 相手がオブリビオンとはいえ、他人事と言い切れないのである。
「生前に対する因果応報としても惨い…」
 デスギガスに改造される前は、エリートに相応しく美しかったのだろう。
 四王天・燦(|月夜の翼《ルナ・ウォーカー》・f04448)もローザリアの境遇には同情するが、彼女の自尊心を傷つけないよう、表情には出さずに武器を構える。
「エリート、か…改造されて狂った果てに縋るものがそんなものとはな。それもデスギガスの圧倒的な力の前には無意味だったわけだが」
「無意味じゃないわ!その聖人気取りの顔を真っ赤に染めてあげる」
 オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)の放った言葉に対して、過剰に反応したローザリアから、どす黒い魔力が溢れ出す。
 半ば正気を失ってはいるが、その力は改造される前よりも強大となっている。
 なりふり構わずに襲い掛かるローザリアが強敵である事は間違いないのだ。
 だがそれで怯む者など、この場には誰一人としていない。
「貴様が如何に不死身でも、不老不死でも。貴様の存在を、欠片も無く滅ぼして魅せよう」
 ロバート・ブレイズ(|冒涜王《シャドウ》・f00135)は、ローザリアの外見と言動から冷静に分析する。
 ユーベルコードの発動条件を満たす為に、過去に読んだ全ての書物の記憶から、類似する事例を見出しているのだ。
「鳥たちよ、どうかあの人を導いてあげて」
 せめてもの慈悲にとばかりに、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は翼を広げて、空中を舞いながら、炎の鳥を生み出した。
 そして遠隔操作でローザリアに向けて解き放つ。
 猟兵達と血に狂った吸血鬼との死闘の幕開けである。

「ちょこまかと、苛立たしい!」
 闇の魔力、血の魔力、影の魔力を惜しげもなく使い、苛烈に攻めるローザリアに対して、猟兵達は回避行動に専念する。
 何度でも蘇れるローザリアは、自身のダメージなど顧みずになりふり構わずに攻める事が出来るが、限りある命しか持たない猟兵達は、そうおいそれと攻撃を受けるわけにはいかないのだ。
 そして猟兵達は回避し続けながらも、確実にローザリアの力を削ぎつつあった。
「やはりそうか…吸血鬼は吸血鬼という事だな。故に、ビブリオテーク・クルーエル、貴様の一手一手、俺の掌の上だと理解すると良い」
 ロバートは短期間でローザリアの攻撃パターンを把握し、他の猟兵達にもその事を伝える。
「敵も味方も関係ない。1人でも多くの心を、救うために」
 ロバートから情報を得た澪は、空中でローザリアの猛攻をかいくぐって、炎の鳥を突撃させる。
「ええい、邪魔な鳥ね!」
 炎の鳥は周囲の闇を浄化しつつ、鋭い嘴でローザリアを攻撃する。
「死ぬまで殺す、シンプルで分かりやすい!」
 炎の鳥の突撃によってローザリアが足を止めた所で、セーラー服姿に変身したオリヴィアが|日本刀《金剛不壊》を手に切りかかる。
 シスター服より動き易い、攻撃向きの姿である。
「ああああっ!!」
 居合から放たれた鋭い衝撃波が、ローザリアの身体を紙きれのように両断した。
 それだけではなく、ローザリアが所持していた血液が入ったビンが割れて地に零れ落ちる。
 いざという時の為の血の補充用だったのだろう。
「エリートなら、地を這って血を舐めることなど出来はしないだろう?」
「それならあなたの血を吸えばいいだけの事よ!」
 突如、オリヴィアの背後から、身体を両断されたばかりである筈のローザリアが組み付いてきたのだ。
「なっ!」
 復活する事は承知の上であったが、あまりの速さにオリヴィアは不意を突かれたのだ。
 現に両断したばかりのオリヴィアの身体は、まだ消滅せずその場に転がっている。
「そんな恰好で挑んで来るなんて、余程血を吸われたかったのよね!」
 他の猟兵達が止める間もなく、オリヴィアの首筋に牙が付きつけられた。
 鋭い痛みの感覚がオリヴィアの全身に走る。
「っ、よくも。吸血鬼が!」
 オリヴィアは慌てて金剛不壊を振り回して、ローザリアを振り払い、傷口を手で押さえる。
 あと少し牙が深く食い込んでいたなら、致命傷になったかもしれない。
「ふふ、美味しいわ。聖なる血の味ね…もっと頂戴」
 オリヴィアの血を数滴飲んだだけで、ローザリアの様子が明らかに変わった。
 血に飢えた野獣から、血を求める吸血鬼に戻りつつあるのだ。
「そうはさせないよ!」
 これ以上オリヴィアを傷つけさせまいと晶は、勢いづいたローザリアの動きを封じるべく、極低温の物質を広範囲に放つ。
「ええい、いい所だったものを!」
 極低温の物質はローザリアの動きを瞬時に封じ、その身体を凍り付かせた。
 何度でも蘇るとはいえ、番人としての役目を植え付けられている以上、避ける為でもこの場から離れる事は出来ないのである。
「寒さで感覚が麻痺した方が、苦痛もマシになるかもね」
 それから数秒も経たずに、ローザリアの身体は真っ白に染まっていく。
 吸血鬼でも凍結させる程の冷気だが、その代償も大きく、晶自身もまた徐々に凍り付きつつあった。
 それでも邪神の身体は凍っても戦闘不能になる事はない。
「でも動きは鈍っているようね」
「っ!?」
 それが僅かな気の緩みを生んでしまう原因となった。
 オリヴィアの時のように、晶もまた背後からローザリアに組み付かれてしまう。
 ローザリアは凍り付いて動けなくなった自身の身体を早々に切り捨て、新たな肉体を得て、即座に復活したのだ。
「これは…あなたから邪な血の味はするわ。さっきの聖なる血とブレンドしてすごくいいわ」
「や…やめろぉ!」
 ローザリアは晶の首筋に噛みつき、邪神の身体に流れている血を味合う。
 オリヴィアの血の味がまだ残っているのか、聖なる血と混ざりあった、吸血鬼にしかわからないであろう、極上のブレンドが、ローザリアに忘れかけていた快感を蘇らせていく。
 更に不幸なことに、晶が無差別に放った極低温の物質によって、他の猟兵達も足止めされてしまい、助けに入るのが遅れてしまったのだ。
「このっ!放せ!」
 晶は神気を纏わせて、ローザリアを引き剥がし、ワイヤーガンを利用して、急いでその場から離れる。
「人間だったら危なかったなぁ…」
 ローザリアの牙は深く食い込んでおり、人間の身体であったなら、深手を負っていただろう。
 晶は傷口を凍結させて、応急手当てを施した。
「次はそこで飛んでいる娘…よく見ると男ね。まあ、どっちでもいいわ」
 二度殺されながらも二人の血を吸った事で、上機嫌になったローザリアは今度は澪にへと狙いを定める。
「よくも二人を…許さないよ!」
 敵であっても普段は友好的な澪だが、この時ばかりは怒りを露わにして、吸血鬼にとって有害な聖なるバリアを展開する。
 更に風の魔力も乗せて多重に張り巡らせた結界は、ローザリアの身体を浄化しにかかる。
「闇は光に照らされれば消えるんだよ」
 すぐに復活した所でまた即座に浄化すればいい。
 今度こそローザリアの動きを完全に封じたかに思えた。
「そうかい…けれど血は消えないわ!」
 聖なる光に身体が崩れ、そのまま消滅するかに見えたローザリアだったが、どす黒い魔力から、深紅の魔力に変貌させた。
「幸い血は頂いたからね。おかげでこの通りさ!」
 ローザリアは血の魔力を前面に押し出す事で、聖なる光による浄化を防御したのである。
 身体の崩壊から待ち直したローザリアは、超人じみた跳躍力で、空中にいる澪に向かって飛び掛かる。
「う…あっ!?」
「飛んでいれば逃げられると思ったのかしら?残念だったわね。それにここならお仲間の助けも来ないでしょう」
 澪もまた空中で組み付かれたままローザリアの毒牙にかかってしまう。
 組み付かれ血を吸われながらも、澪は風魔法を操り、炎の鳥の火力を増加させる事で、ローザリアの身体を今度こそ完全に焼却させた。
「やってくれたわね…でも、男の娘の血も頂いたわよ」
 だがローザリアはすぐにまた復活し、更に生気を取り戻した姿を猟兵達の前に見せつけるのであった。
「満足したか?では、此処からが殺し合いだ。『立ち去れで圧し潰す』『銀糸の栞で絞め殺す』『俺の放つ『恐怖』そのものでのショック死』、好きな死因を選ばせてやろう」
 まだ消滅していなかったローザリアだった肉片を盾にして挑みかかるロバートの攻撃を、ローザリアは難なく回避する。
「出来るのかい?過去の知識だけを頼りに逃げ回るだけのジジイにさ。お前の血を吸うのは後回しだよ」
 ロバートには目もくれず、今度はお前だとばかりに、ローザリアは燦に視線を向ける。
「……無礼だね。お前は!」
 三人の猟兵が傷つき、そして一人の猟兵が侮辱された事で、奥底に残っていた慈愛と敬愛の念をも消え、燦は冷ややかな視線で稲荷符をばら撒く。
 稲荷符に籠められた破魔と光属性の魔力が、ローザリア周辺の闇と影の魔力を祓う。
「血の魔力は消せない事は証明済みよね?」
 ローザリアは残った血の魔力で、周囲を血煙で覆い、燦の視界を覆った。
「…ぐ、視界が」
 真っ赤に染まった戦場をフラフラと彷徨う、燦に対してローザリアの目は真っ直ぐと標的を捕捉する。
 小手調べとばかりに、ローザリアは血を弾丸に変えて発射するが、燦はフラフラとした足取りで偶然にも回避した。
「動き回れるのは面倒ね…」
 それならばとローザリアは接近して、直接この手で仕留めようと動く。
 だがそれは燦の狙い通りであった。
「ごめん!見えないフリをしていただけなんだ」
 視界を閉ざされながらも心眼で、ローザリアの気配を完全に把握していたのである。
 先程の回避も偶然ではなかったのである。
 燦の殺戮剣舞が、迂闊に近づいて来たローザリアの急所を切り裂いた。
 一撃必殺に相応しく、ローザリアに苦痛を与えぬまま、彼女の身体を切断し、四度目の絶命にへと導いた。
「ふふ…やるわね。でもあなたの血も頂いたわよ」
「っ!…いつの間に」
 再び復活したローザリアの口元には鮮血が垂れている。
 ローザリアは死の間際に、燦に対して反撃し、手首を切り裂いていたのである。
 あまりにも鮮やかで、燦は手首を切られた事にも気づかなかったのだ。
「吸血鬼の令嬢に血を捧げぬのは不敬に当たるって事にしておくさ」
 思わぬ反撃を受けても尚、燦の闘志が揺らぐことはない。
 それは他の四人も同様である。
 澪の光魔法、晶の極低温の物質、燦とオリヴィアの無数の斬撃が、ローザリアを容赦なく攻め立てる。
「リクエストがないのなら選んでやろう。過去に押し潰されるがいい!」
 そしてロバートの押し潰すような一撃が、ローザリアに五度目の死を与えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

蛇塚・レモン
所持技能を適宜活用

ここで真打登場ってねっ!
あたい“たち”が引導を渡すよっ!

闇には光を!
あたい達だけの御神楽を踊ってユーベルコード発動!
ユーベルコードで半径137m内に幾何学模様を描く霊光線を発射!
その数、1370本!
もはや弾幕というより光の光線の壁だよっ!

その光線で何度も貫いて何度も殺して
蛇神様の呪詛で敵へ不幸を付与っ!
その不幸は……『途端に不死の紋章が身体に浮かび上がってくる事』!
しかもこの霊光線に当たるとユーベルコードが無効化!
ついでに雷属性魔法攻撃のマヒ攻撃で束縛!

それじゃ、不死の紋章を破壊させてもらうねっ!
蛇腹剣を振るって、衝撃波を放って紋章を斬撃!

『欠落』は……破壊させてもらうよっ!


アディリシア・オールドマン
POW アドリブ連携歓迎

殺し続ければいいのだな?
わかった。こういう話は楽でいい。
サルコファガスにありったけの武器を詰めていこう。

お前が番人か? そうか、では殺す。
吸血鬼にどれが効くかわからんが、片端から叩き込もう。
ボナパルトで砲撃し、マクシモスで叩き切り、ロンギヌスで叩き潰し、ドラグネルで貫いて、アングルボザで切り刻む。
気にするな、武装はまだまだたくさんあるぞ。どれが一番効果があるか、たっぷり試そう。

お前の攻撃はモロクで防ごう。バシリッサが吸血行為を阻んでくれよう。
非実体になるなら……ならない? なら問題ないな。
死ぬまでとことん付き合うぞ。我武者羅に戦うのは得意だからな。
安心して、死ぬがいい。


クリストフ・フロイデンベルク
ふん、傲岸不遜な吸血鬼が血に飢えた獣と変わらんとは笑えるな。
ともあれ貴様が|彼の化け物《デスギガス》の「欠落」を守る番人……
いや、守るよう躾けられた番犬であり、何より吸血鬼……私の仇敵である事に違いはない。

来い!復讐の時だ!憎き吸血鬼を滅せよ!(UC発動)

呼び寄せた|人魔混成の配下共《魔王軍》を【集団戦術】で指揮。
魔法で援護してやる、しくじるなよ?
(神聖魔法で配下に|聖戦士化《【祈り+破魔+怪力+盾受け】》、|治癒《【祈り+医術】》等を飛ばす)

くくく、多くの種から恨みを買う事で人魔共存の礎となった気分はどうだ|藪蚊《吸血鬼》?
くたばるが良い!(|断罪《【祈り+禁術+浄化+神罰】》で紋章を破壊)


フロッシュ・フェローチェス
つまり、弱点を露出させて、潰せばいい。それが、アタシか別の猟兵の手でかは、関係無しに。

挑発が無駄なら、動きで惑わす。その為に、速さを磨いて来たんだ。
狂乱の1歩手前なら、まず守りには入らない筈。残像を使った黙くらかし、フェイントでタイミングをずらしながらのダッシュ回避、及び散弾銃のクイックドロウ。
そしてサイバー刀の早業だまし討ち……ここに重点を置いて攻め立てる。ただし本命はまだ後だ。

当てたくて……あるいは、血液を飲みたくて焦れて、UCを使ったら、即意識を攻撃一辺倒へ切り替える。
大味になるだろう、最初の一発にカウンターを放ち、追撃するんだ。限界突破しろ。スピードを引き上げろ。連続コンボを叩き込む!



「次はあなた達ね。もっと私に血を頂戴!」
 先の猟兵達の奮闘により、既に何度も滅ぼされたローザリアだが、不死の紋章は未だに表に現れる様子はない。
 それどころか、多少なりとも猟兵達の血を吸った事で、その戦闘力は更に高まっている。
 それでもローザリアは苦痛は癒されず、渇きも満たす事な。
 故に新たに駆け付けた猟兵達を、ローザリアは心から歓迎する。
「ここで真打登場ってねっ!あたい“たち”が引導を渡すよっ!」
 蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は、そんなローザリアに対して毅然とした態度で睨み返す。
「ふん、傲岸不遜な吸血鬼が血に飢えた獣と変わらんとは笑えるな」
 クリストフ・フロイデンベルク(堕ちた聖者・f16927)もまた仇敵を前に、不敵な笑みを浮かべながらも闘志が高まっていく。
 それはアディリシア・オールドマン(バーサーカーinバーサーカー・f32190)とフロッシュ・フェローチェス(疾咬スピードホリック・f04767)も同様である。
「お前が番人か? そうか、では殺す」
「邪魔をするなら、ふっとばす!」
 四人の猟兵達を前に、ローザリアは不敵な笑みを浮かべる。
「できるかしら?さっきの猟兵達も手ごわくて何回も死んじゃったけれど、それでもこうしてまだ生きているわ」
 元々、傲慢な性格であるローザリアは、自身の力とデスギガスに改造された事で得られた不死の能力に絶対の自信を持っている。
 何回殺されようともそれは変わらないようである。
「ふん、弱点を露出させて、潰せばいいだけの事だろう」
 それに対して、フロッシュも自信満々な態度で返す。
 その言葉にレモンとアディリシアも頷く。
「結局、何度でも殺せばいいだけだよね?」
「殺し続ければいいのだな?わかった。こういう話は楽でいい」
「ともあれ貴様が|彼の化け物《デスギガス》の「欠落」を守る番人……いや、守るよう躾けられた番犬であり、何より吸血鬼……私の仇敵である事に違いはない」
 クリストフの目はローザリアだけでなく、その先のデスギガスをも見据えている。
「はっ、その前にあなた達の血を一滴も残さずに吸い尽くしてあげるわ!」
 闇の魔力、血の魔力、影の魔力による奔流が、ローザリアから噴出し、猟兵達をも飲み込もうとする。
「闇には光を!」
 それに対抗すべくレモンは、自身の身体と勾玉に宿している蛇神とライムを呼び出して、彼女達だけの御神楽を踊る。
 御神楽と謳うも実際は激しい舞踊であり、神楽鈴が鳴るたびに全方位へ幾何学模様を描く霊光線が発射される。
 その数、1370本。
 もはや弾幕というより光の光線の壁が、ローザリアを覆っていた闇と光を祓う。
「吸血鬼にどれが効くかわからんが、片端から叩き込もう」
 レモンがローザリアの力を相殺している間に、アディリシアは|サルコファガス《鎖付きの大きな棺桶》から、数々の武器を取り出して、あらゆる手段による攻撃を繰り出す。
 |ボナパルト《大砲が内蔵されている機械斧》で砲撃を行い、|マクシモス《重厚で肉厚な巨大斧》で叩き切り、|ロンギヌス《巨大なミートハンマー》で叩き潰し、|ドラグネル《突撃槍》で貫き、|アングルボザ《赤黒い刀身の長剣》で切り刻む。
 アディリシアの全武装による総攻撃によって、ローザリアの肉体は原型を留めない程、破壊し尽くされる。
「もう終わりか?武装はまだまだたくさんあるのだぞ」
 アディリシアは|バシリッサ《全身甲冑》を血で染め、復活するであろうローザリアに対して今度はどの武器を試そうかと思案する。
「やってくれるじゃない、おかげでまた死んでしまったわ!」
 だがそこへ復活したばかりのローザリアが、アディリシアに組み付いて来たのであった。
「しまった!」
 アディリシアは|モロク《純白の石で造られた大盾》で防御する間もなく、組み付かれてしまうのだった。
「どれだけ武器があっても、使えなければ意味がないわよね?」
 ローザリアは理不尽な程の怪力で、アディリシアの全身甲冑を力任せに引き剥がしにかかる。
「く…まさか!」
 着用者に大いなる力を与える鎧だが、ローザリアの血に触れてしまった事で、闇に浸食され、その力はローザリアを退けられない程に弱体化してしまったのである。
「思っていた通りね。硬い殻の中には美味しそうな身体が詰まっているじゃない!」
 ローザリアは息を荒くして、美しい姿が露わになったアディリシアの首筋に牙を突き立てた。
 アディリシアの苦痛の悲鳴が戦場に響き渡る。
「目の前で食事とはアタシが許すと思ってんのか!」
 フロッシュが隙を突いてサイバー刀で、ローザリアに切りかかるが突如現れた肉壁によって阻まれてしまった。
 その肉壁はアディリシアが破壊し尽くした筈のローザリアだった残骸である。
 アディリシアの血を得たローザリアが、自身の細胞を活性化させ、一度は滅んだ筈の肉片をも蘇らせたのだ。
「そう急がなくても、すぐにあなたの血も吸ってあげるわよ」
 ローザリアは不敵な笑みを浮かべて食事を再開しようとするが、その直前にレモンが霊光線を発射する。
「油断したのがあなたの不幸だよっ!」
 レモンが発射した霊光線は闇を祓うだけでなく、ユーベルコードを無効化する力も秘めている。
「ぎゃあああああっ!」
 無数の霊光線がローザリアを貫き、また一つ死を与えるのであった。
「また死んじゃったじゃないの。なら次はあなたの血を頂くわ」
「っ!無駄だよ光がある限り、闇には近づかせないんだから」
 即座に復活したローザリアに対して、レモンは再度光線を発射しようとする。
 だがその前に足首が何かに掴まれ、レモンは神楽舞を中断させらてしまった。
「ふふ、一寸先は闇という事ね」
 ローザリアは姑息にもレモンの足元に転がっていた石を闇に変換し、手の形にへと操作して、彼女を転ばせたのだ。
「さあ食事の再開ね!」
 光線の壁が崩壊した事で無防備となったレモンに、ローザリアは常人離れした速さで飛び掛かり、新たな猟兵の血を味合うのだった。
「何かが混ざっているような味ね。でも素晴らしいわよ!」
 レモンが必死の抵抗で振りほどこうとするも、ローザリアはビクともせず、ゆっくりと吸血行為を開始する。
 血を吸う為なら、あらゆる手段を講じる。
 正気を失った今でのその吸血鬼の本質は変わらないようである。
「吸血鬼……やはり私の仇敵に違いない。来い!復讐の時だ!憎き吸血鬼を滅せよ!」
 憎むべき行為を目の当たりにしたクリストフは感情を表に出して、ユーベルコードを発動する。
 |人魔混成の配下共《魔王軍》を呼び寄せ、ローザリアに差し向け、レモンの窮地を救ったのである。
「魔法で援護してやる、いったん退きなよ?」
「うん、ごめんっ!」
 クリストフと魔王軍の援護を受けた、レモンは尚も噛みつこうとするローザリアから離れるべく、一度後退する。
 それからローザリアは、対ヴァンパイアに特化した神聖属性の戦闘能力を持つ魔王軍の攻撃を受ける事となった。
「くくく、多くの種から恨みを買う事で人魔共存の礎となった気分はどうだ|藪蚊《吸血鬼》?くたばるが良い!」
「耐えられるならやってみろ。そのまま全部潰してやるから」
 そこへフロッシュの追撃も加わって、ローザリアは三度死を迎えたのであった。
「あはは、楽しませてくれるじゃない!」
 だがまたしても復活したローザリアから、疾風怒濤の反撃を受けてしまう。
 復活する度に弱体化どころか、その戦闘力はむしろ強化されているのだ。
「く…おのれ!」
「やってくれるじゃないか!」
 クリストフとフロッシュは咄嗟に防御して、致命傷を避けるも、手傷を負わされてしまう。
「今のはよく防いだわね。おかげでほんの少ししか血が手に入らなかったじゃない」
 より鋭くなったローザリアの爪には、それぞれ2人の血が付着しており、零れ落ちる前に、ローザリアはぺろりと舐めて、交互に味合うのだった。
「まだよ。もっと私に血を味合わせて頂戴、あなた達を血をブレンドしたらもっといい味になると思うの」
 少なからず新たに四人の血を吸った事で、ローザリアのテンションは最高潮にまで上りつつあった。
 だがそこへ一気に突き落とす事実が付きつけられる。
「どうやらまだ気づいていないようだな?」
 血を吸われながらも再び全身甲冑に身を纏った、アディリシアがローザリアの胸元を指差す。
「思ってたよりも早かったね。それだけさっき、沢山殺されていたという事かな?」
 続くレモンの言葉に、ようやくローザリアは事態に気付いて、表情が青ざめる。
 ローザリアの胸元には、これまで決して現れる事の無かった紋章がはっきりと浮かび上がっていたのだ。
 紛れもなくデスギガスの改造によって埋め込まれた不死の紋章である。
 その紋章が破壊されれば、ローザリアはもう二度と復活できないのだ。
「ちょっと待っ!!」
 ローザリアは慌てて静止の言葉を発しようとするが、待ち望んでいたこの時を逃す猟兵達ではない。
 次の瞬間、レモンの衝撃波、アディリシアの砲撃、クリストフの断罪、フロッシュの連続コンボが、不死の紋章を容赦なく破壊したのである。
「そ、そんな…このエリートの私がアアアアア……」
 不死の紋章を失ったローザリアは断末魔の悲鳴をあげて、今度こそ完全に一片の肉片も残さずに消滅するのだった。
 ローザリアは間違いなく強敵であった。
 だがそんな彼女でさえも、デスギガスに改造を施されただけの番人でしかない。
「これで『欠落』も破壊できるねっ!」
「すぐにデスギガスにも後を追わせてやるからな。安心して、死ぬがいい」
「くくく、所詮は躾けられた番犬よ」
「デスギガスだろうと、ふっとばす!」
 デスギガスとの戦いは更に熾烈なものとなるだろう。
 四人はそんな予感を胸に秘め、グリモアベースへと帰還するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年05月15日


挿絵イラスト