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闇の救済者戦争⑮~神罰の紋章

#ダークセイヴァー #闇の救済者戦争 #第五の貴族 #宿敵撃破

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●|紋章の祭壇《ダークセイヴァー》
「ついに完成したのですね。
 嗚呼、皆様方の尊い供犠によって授けられたこの紋章。
 私は感謝の気持ちでいっぱいでございます」
 おびただしい量の死体が転がる祭壇の中心で『藍水晶のセファーナ』という『第五の貴族』の女は笑みを浮かべ、今しがた完成した紋章を天に向かい掲げる。
 そして、セファーナが掲げていた紋章を抱きしめるかのように胸に当てると、紋章は溶け込むかのようにセファーナに寄生する。
「皆様方のその醜くも愚かしい本性がこの紋章に宿っているかと思いますと喜びが込み上げてまいります」
 セファーナがにたりとこれでもかと思えるほど口角を上げてみせる笑顔は普段のセファーナの姿から想像ができない程であった。
 それほど愉快なことであったのだ。
 彼女の周りで紋章の供物として捧げられた人々は皆、聖職者や騎士と呼ばれる人々を救う者達であったのだが、その全てが我先に逃げ出そうとしていた者や我が身大事さに他者を差し出す、そんな姿のまま息絶えていたのだ。
「嗚呼、何故、神は人々をお救いになられず、神罰を与えるのか?
 それは彼の者たちのように人には善の裏の真実があるからなのです!!」
 セファーナ愉悦に綻んだ表情を正し、
「それゆえにこの紋章は『神罰の紋章』と呼ぶのです。
 偽りの善を暴き罰を与えるのです」
 紋章の祭壇の出入口へと視線を向けるのであった。

●グリモアベース
「みなさん、闇の救済者戦争お疲れ様です」
 集まった猟兵たちにフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)は頭を下げる。
「えっと、みなさんは『第五の貴族』さんって覚えていますでしょうか?」
 フリルがそう猟兵たちに尋ねるように、ダークセイヴァー下層自体久しぶりのことであった。
 『第五の貴族』はダークセイヴァー第四層のさらに下の地底都市の第五層に住まう支配者階級のことである。
 その頃は下に行けば行くほどヤバくなるのかと思われていたが、上層である第三層の方がヤバかった為、影が薄くなってしまったのだ。
 それはともかく、『第五の貴族』は紋章と呼ばれる寄生虫型オブリビオンをばら撒き、強力な者は自身でも使っていた。
 その紋章を作り出していたのがこの紋章の祭壇である。
 紋章の祭壇は限られた者のみが運用を許可されており、『藍水晶のセファーナ』も運用が許可された『第五の貴族』の一人である。
「そのセファーナさんが作り出した紋章が『神罰の紋章』で、この紋章の宿主に攻撃を仕掛けた相手に『絶対命中』で『無敵貫通』の『自動反撃』をする効果があるようです」
 フリルがここまで説明すると集まった猟兵たちから白い目が向けられる。
 まあ当然のことである。
 この反則のような能力をどうにかしろって方が無理な話である。
「で、ですが、どんなすごい力でも弱点があるはずです。
 そこを突けば、勝機はみなさんにある筈ですよ」
 そういうフリルであったが、「その弱点は?」と聞かれると、
「そ、それは……」
 言葉が詰まってしまうのであった。
 兎にも角にも、このとんでも紋章をどうにかしないと戦争の被害が拡大してしまうので、猟兵たちは対策を考えながら紋章の祭壇へと向かうのであった。


トルシ
『闇の救済者戦争 ⑮紋章の祭壇〜第五の貴族』になります。
 支援対象:⑲現在まだ謎の敵になります。

 第1章『藍水晶のセファーナ』
 ユーベルコードによる攻撃の他に『神罰の紋章』による反撃もしてきます。
 『神罰の紋章』:装備者に攻撃を仕掛けた相手に『絶対命中』で『無敵貫通』な『自動反撃』を行う。
 この反撃はセファーナの周囲に浮かぶ短剣が行なってきます。
 この紋章の効果はユーベルコードではないのでユーベルコードを封じる効果では対処できません。

 こんなとんでも能力ですがいくつか弱点を想定してあります。
 そして、私の想定を超えた弱点を提示していただければ、もちろんプレイングボーナスとさせていただきます。

 プレイングボーナス:紋章の「弱点」を突いて戦う。

 それではみなさんの素晴らしい発想をお待ちしてます。
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第1章 ボス戦 『藍水晶のセファーナ』

POW   :    極致の拳舞
レベル分の1秒で【防御を砕き急所を的確に打ち抜く無数の拳撃】を発射できる。
SPD   :    水晶剣雨
【隙を見抜く観察眼で狙いをつけ、膨大な魔力】によって、自身の装備する【能力低下術式を刻んだ無数の水晶短剣】を遠隔操作(限界距離はレベルの二乗m)しながら、自身も行動できる。
WIZ   :    神威の光剣
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【かつて奉じた太陽神の威光を具現化した光剣】で包囲攻撃する。

イラスト:かぶのき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はセフィリカ・ランブレイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォルク・リア
「神罰とは大きくでたものだけど。
名前負けしないだけの効果はあるようだ。
しかし、真に万能な物などこの世に在りはしない。」

神罰の紋章を作動させない様に
敵の動きを【見切り】ながら迂闊に攻撃しない様に注意。
短剣の数や動きを確認する為に敵の周囲を【残像】を
発生させながら移動。短剣に囲まれない様に移動する事で
攻撃回避のための行動と思わせつつ。
敵に攻撃に意識を向けさせる事で全ての短剣を確認。

龍翼の翔靴を使って大きく飛びあがる事で短剣全てを視界に収めて
敵の周囲にある短剣に向けて【範囲攻撃】で蒼霊焔視を使用。
短剣を破壊した後、その隙を逃さず紋章を蒼霊焔視で焼いてから
【全力魔法】で蒼霊焔視を使用して敵本体を攻撃。




「神罰とは大きくでたものだけど。
 名前負けしないだけの効果はあるようだ。
 しかし、真に万能な物などこの世に在りはしない」
 紋章の祭壇へと入ったフォルク・リア(黄泉への導・f05375)は告げる。
「何をおっしゃいますか。
 彼らが、そして私達が縋る神こそが万能なる存在ではありませんか」
 周囲で息絶える聖職者や騎士たちの方へと手を広げセファーナは語る。
「彼らは死の間際、こう言ったのです。
 『神は何故我らをお救いにならないのか?』と、
 ですが、それはそもそもの間違い。
 彼らは神が救いを齎すに値しない存在であった。
 ただそれだけなのです」
 そこまで言うとセファーナはひゅっと指を振る。
 すると、セファーナの周囲に浮かんでいた短剣の1本がフォルクの方へと飛んでいき、その身体を貫く。
 いや、短剣はフォルクの身体を貫くことなくすり抜けていった。
「残像ですか、話を聞いているようで別の事を考えている。
 全くもって視線をこちらに向けずに、それは人と話す態度ではありませんよ。
 不謹慎です」
 セファーナはにやりと笑い、
「ですが、私は嫌いではありません。
 彼らのように偽りの善を纏うよりは幾分ましかと思いますから」
 セファーナの周囲に無数の【神威の光剣】が現れる。
 【神威の光剣】は幾何学模様を描くかのように飛び、フォルクに襲い掛かる。
 フォルクは残像によって照準をずらし、【神威の光剣】の包囲から逃れる。
 自らは決して攻撃を仕掛けず、ただひたすらに攻撃を躱し続ける。
(これで全部だね)
 フォルクは『龍翼の翔靴』に力を籠め飛び上がる。
「さっきは悪かったな。
 君に視線を向ける訳にはいかなかったんだ。
 その魂を焼く青藍の炎。怨霊の如く追い縋れ」
 飛び上がったフォルクは見下ろすようにセファーナの周囲を飛ぶ短剣全てに視線を向ける。
 【|蒼霊焔視《ファントムアイズ》】に捉えられた短剣は蒼炎に包み込められて燃え尽きる。
「なっ、なるほど、そういう事ですか。
 反撃に使う武器が無ければ、如何に神罰の紋章が有能でも無意味ということですか」
「そういう事だ。
 君もまた神が救いを齎すに値しない存在だったということだな」
 全魔力を籠めた【蒼霊焔視】がセファーナの身体を包み込むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐藤・和鏡子
神罰の紋章は上っ面の下の本音に反応するタイプみたいですね。
嘘偽り無い100パーセントの明確な殺意から繰り出される純粋な暴力なら、神罰の紋章は作動しないと見ました。
というわけで明確な殺意を持って起動する純粋な暴力をプレゼントするにはうってつけの惨殺のユーベルコードを使用します。
幸い、排除サブルーチン(惨殺)は動きの速い相手ほど高速で反応できますから、拳の速さにも対処できるはずですから。




「神罰の紋章は上っ面の下の本音に反応するタイプみたいですね。
 嘘偽り無い100パーセントの明確な殺意から繰り出される純粋な暴力なら、神罰の紋章は作動しないと見ました」
 佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)は周囲の神罰の紋章の素材にされた人々を見て、その特性を推察する。
「排除サブルーチン起動」
 『救急車』から引きずってきた2本の大斧、『消防斧』と『抗体兵器(大斧)』を両手に【|惨殺《キルムーブ》】モードへと移行する。
 2本の大斧を軽々と持ち上げ、セファーナへと斬りかかる和鏡子に、
「ふふふ、医術を志す者が必要とあらば人を害為す。
 それこそが人の本性です。
 嗚呼、素晴らしい。
 ですが、その偽りの仮面は私が剝ぎ取って差し上げたかったのですが残念です」
 セファーナは和鏡子が振り上げた大斧を躱すと【極致の拳舞】を繰り出す。
 理性を欠いた和鏡子の急所に正確に打ち込まれた拳撃は和鏡子を悶絶させる筈だった。
 しかし、防御を砕く拳撃もそもそも防御を考えてない超耐久力には無意味で和鏡子の返す刃はセファーナを斬り裂く。
「ふふ、神罰の紋章は確かにあのような連中の穢れた魂から作られましたが、それは類は友を呼ぶというように、我が身可愛さに他者を犠牲に捧げる本性を引き出すことが目的でした。
 残念ですが、痛み分けと参りましょう」
 セファーナは笑みを浮かべると神罰の紋章が輝き、和鏡子の身体に短剣が突き刺さっていく。
 だが、セファーナの言うようにセファーナが追った傷も深く本当に痛み分けとなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

必中、無敵貫通、自動反撃の短剣かぁ。
厄介なことに間違いはないけど、どうせアタシにゃ躱し切れる体術も無敵になれる技なんてのもねぇや。
ただ……そうだね、完璧に見えるその足元を掬ってみようかねぇ?

UCの光剣は軌道を『見切り』、『衝撃波』で散らして直撃を避ける。
その隙に匂い袋からとっておきの炎フェロモン放射さ!
そして命令するのは、「自分を攻撃しろ」!
流石に命令するか狐化させた時点で反撃が来るだろうけど『激痛耐性』で堪える。
無敵を貫通して絶対に命中するとは言え、『念動力』で当たり所をズラシて致命傷を避ける位はしたいもんさ。

さ、自分自身の攻撃への反撃はどこへ向かうんだろうね?




(必中、無敵貫通、自動反撃の短剣かぁ。
 厄介なことに間違いはないけど、どうせアタシにゃ躱し切れる体術も無敵になれる技なんてのもねぇや。
 ただ……そうだね、完璧に見えるその足元を掬ってみようかねぇ?)
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は何かを手に握りしめ駆け出した。
「嗚呼、あなたもまた神罰を恐れぬというのですね。
 その勇ましさに隠された本性はどのようなものか楽しみですね」
 セファーナは【神威の光剣】を展開する。
 太陽神の威光を具現化した光剣が多喜を包囲し、その身体を貫かんと飛び交う。
(まだだ、ここからじゃ届かない)
 多喜は光剣を躱しながらセファーナへと接近していく。
 時には光剣の軌道を見切り躱し、またある時は地面を叩きつける風圧で光剣を散らしながら、多喜はセファーナへと接近していく。
 そして、セファーナの眼前へと迫ると、
「フハハ!おいでよ!お前もこの信太の森でこんこんき~つね❤にしてやろうかー!!」
「あなたはいったい何をおっしゃって……⁉」
 多喜は手にした匂い袋を広げると、そこからむせ返るような炎のにおいが広がりセファーナを包み込んだ。
 次の瞬間、セファーナの神罰の紋章が輝き、多喜に短剣が迫りくる。
「無敵を貫通して絶対に命中するとは言え、『念動力』で当たり所をズラシて致命傷を避ける位はしたいもんさ」
 多喜は神罰の紋章による反撃を念動力で逸らし致命傷を避ける。
「当たるのを避けられないのなら致命傷を避けたという訳ですねコン。
 ……コン?
 私はいったい何を言っているのでしょうかコン」
 セファーナを包んでいた炎が散っていくと、そこにはなんと1匹の狐がいた。
 これが【|炎と狐の絆《コード・フォックス》】である。
「この私が化かさせられるとはコン」
「いんや、それだけじゃないんだよねぇ」
 セファーナが歯嚙みする中、多喜はニヤリと笑い、
「こんこんセファーナちゃん。
 自分を攻撃しな!!」
 多喜はセファーナに命じる。
「なっ、何を……体が勝手にコン」
 セファーナは多喜の命令に抗いきれず自身の前足に噛みついてしまった。
 その瞬間、神罰の紋章が輝き短剣がセファーナの身体を貫いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゾーヤ・ヴィルコラカ
 神罰の紋章、なんてものを作ってしまったの。絶対命中、無敵貫通、自動反撃、そんなのいったいどうすれば……。

 ……短剣があらゆる障害を貫いてわたしに当たるというなら、その間にある物はどうなっちゃうのかしら。〈野生の勘〉の閃きだけど、試す価値はあるわね。UCを発動して、氷塊の命中と同時に〈ダッシュ〉と〈スライディング〉で咎人さんの懐へ飛び込むわ。密着するような距離だもの、短剣が飛んで来たら彼女とわたし、二人を貫くはず。傷を受けるのは〈覚悟〉して、〈咄嗟の一撃〉で致命傷を避けるわね。

 善が偽りかどうかなんて、そんなの誰にも決められないわ。己の紋章で倒れなさい、咎人さん!

(アドリブ等々大歓迎です)




「神罰の紋章、なんてものを作ってしまったの。絶対命中、無敵貫通、自動反撃、そんなのいったいどうすれば……」
 ゾーヤ・ヴィルコラカ(氷華纏いし人狼聖者・f29247)は考える。
 ほぼ反則に近いような神罰の紋章の効力に弱点が無いのかと。
「如何に猟兵と言えど神の下す神罰に抗う事は不可能なのですよ」
 セファーナは笑みを浮かべていた。
(……短剣があらゆる障害を貫いてわたしに当たるというなら、その間にある物はどうなっちゃうのかしら)
 一瞬の閃きであった、理論上完璧すぎる能力にも現実には大きな欠点が存在する。
 ゾーヤの野生の勘はその欠点に気付いた。
「これでも食らいなさい、咎人さん!」
 ゾーヤはにやりと笑い、あらゆるものを凍らせるような【|絶対零度の眼差し《コキュートス・アイズ》】をセファーナに向ける。
(ここからが勝負よ。
 一瞬の出遅れも許されない)
 ゾーヤは気を引き締め駆け出した。
「いったい何を考えているのでしょうね。
 ですが、それも全て無駄な事というのに」
 セファーナの【神威の光剣】がゾーヤを迎撃する中、上空から氷塊がセファーナに降り注ぐ。
 ゾーヤは飛び交う光剣を躱しながらセファーナの元へと駆け込む。
「自らの攻撃の最中に飛び込むなんて気がどうかしていますわね」
 降り注ぐ氷塊を短剣で捌きながらもセファーナは笑みを浮かべている。
「これは別に躱せるから問題ないのよ」
「ええ、そうね。
 ですが、神罰からは逃れることは叶わないのです」
 ゾーヤの攻撃に反応して神罰の紋章が輝いた瞬間、ゾーヤはセファーナの足元に滑り込む。
「そう、だからその短剣と私の間にあるものはどうなっちゃうのかしらね?」
「なっ、なんてことを!
 神の裁きに私を巻き込むというのですか!!」
「善が偽りかどうかなんて、そんなの誰にも決められないわ。
 己の紋章で倒れなさい、咎人さん!」
 神罰の紋章により放たれた短剣はゾーヤの身体を貫くのであった。
 間にいたセファーナ諸共に。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
リリア(f00408)と行動

国を焼かれ守るべき民を失った太陽神の使徒
それでも、心折れることなく自らの力の限り、人々を助け続けた

それが、私の知るセファーナという人

自分にも他人にも厳しい、けど優しい私のせんせい
ワガママ放題の私が、憧れた人
私に、他人と心を通わせる大切さを教えてくれた人

「あなたは1人で多くをこなせる。でもだからこそ、多くの人と繋がりなさい。多くの視点があることを知りなさい」と

彼女は政争に巻き込まれ殺された
信じた者に裏切られ
最後まで誰かのため動いていた

骸の海に沈んだ彼女は、今ここに

わかっていた
旧交を温める話など出来るはずないと

これは同じ姿と技を持つだけの敵
彼女が今際に抱いた世界への憎しみだけは本物かもしれないけど

こんなパチモンが歩いてちゃ、せんせいが安心して眠れないからね

リリア、やろう!
お互いに飛ぶ自動反撃を庇い合い、同じセファーナに学んだ同士息のあった連携で詰める
【神凪の導】にて、相手の精密な動きに対応し、着実に削る

(リリアと二人で、超えられなかったあなたを超えていくよ……!)


ヴィクトリア・アイニッヒ
セリカ(f00633)と共に

自身に厳しく、ですが他者には優しく
慈愛と克己を旨とする、目指すべき神官騎士

それが、私の
いえ、私達の師である、セファーナ・クランという人でした

そんな彼女が、この様な…
どれほどの無念を抱き、どれほどの怒りを覚えたのか
私には、想像も出来ません

そんな彼女が、私達の前にいる
オブリビオンとして。世界を蝕む敵として

…直接相対して、覚悟も定まりました
もう、私達が尊敬した師はいない
ここに居る女は、師と同じ姿、同じ力を使う偽物
討ち倒さねばならぬ、敵なのです

ええ、セリカ
彼女に教えを乞うた最後の弟子である私達が
後を任せても大丈夫なのだと、示さねばなりませんからね

神罰には、神罰を
彼女も奉じていた太陽神の神威を以て、短剣の封殺を図りセリカを護ります
彼女が召喚する光剣は、限りがあります。ですが、私の術にその限りはありません
文字通り、私の信仰が尽きるまで。その動き、封じ続けましょう

…この戦い方も、貴女の教えがあればこそ
私は貴女の弟子として、恥じぬ戦いが出来ましたか?
ねぇ、|師《せんせい》…?




「どういうことです!私が異端審問にかけられるというのは!!
 いえ、そのようなことはどうでもいい!
 その間、この子たちの面倒は誰が見るというのです!!」
 これはセファーナがオブリビオンとなるきっかけとなる絶望の始まりの記憶であった。
 セファーナは人並み外れた善意と癒しの力で人々に尽くす神官であった。
 だが、大きすぎる力は妬みを買ってしまっていた。
 それはセファーナがある流行り病が流行していた街の修道院に派遣されていた時の事である。
 多くの患者が担ぎ込まれ、特に体力の少ない子供をセファーナは担当していた。
 セファーナの癒しの力でどうにか命を繋ぎ止めていたのだが、セファーナを妬む上層部は見境なくセファーナを異端審問にかけるべく連行した。
 セファーナの代理を立てることなく。
 そして、セファーナはオブリビオンとして紋章の祭壇に立っている。

「くっ、何故今頃あの時の事を思い出しているのでしょうか?」
 セファーナはこめかみを押さえつつよろける体を奮い立たせる。
 猟兵達から受けた手傷に2度目の死期を感じたからかと思案するが、その原因は目の前に立つ2人の猟兵であった。
 セフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)とヴィクトリア・アイニッヒ(|陽光《たいよう》の信徒・f00408)だ。
「国を焼かれ守るべき民を失った太陽神の使徒。
 それでも、心折れることなく自らの力の限り、人々を助け続けた」
 セフィリカは語る、悲運な過去を持つがそれでも気丈に生きたせんせいの姿を。
「自身に厳しく、ですが他者には優しく、
 慈愛と克己を旨とする、目指すべき神官騎士」
 ヴィクトリアは語る、自らを律し他者を慈しむ師の心を。
 そして二人は声を合わせて告げる。
「それが、私の知るセファーナという人」
「それが、私の
 いえ、私達の師である、セファーナ・クランという人でした」
 それが二人の知るセファーナであると。
 しかし、セファーナは二人の言葉を意に介さず言う。
「何を仰いますか、セフィリカ、ヴィクトリア。
 私がセファーナ。
 この姿、この声を忘れたというのですか?」
 姿形はそうであるかもしれないが、その内に秘める心が過去の絶望によって歪み切ったオブリビオンとして、二人の思い出を汚していく。
 それでもセフィリカは訴えかける。
「自分にも他人にも厳しい、けど優しい私のせんせい。
 ワガママ放題の私が、憧れた人。
 私に、他人と心を通わせる大切さを教えてくれた人。
 そのせんせいは何処に行ってしまったのですか?」
 セフィリカの言葉にセファーナは目を閉じ答える。
「私もそのように考えていた時もありました。
 ですが、現実は非情だったのですよ」
「『あなたは1人で多くをこなせる。
 でもだからこそ、多くの人と繋がりなさい。
 多くの視点があることを知りなさい』と私に教えてくれたじゃないですか!」
 声を荒げるセフィリカにセファーナは冷たく言う。
「それについては謝るわ。
 私もその頃は世界を知ったかぶっていたのよ。
 今の私なら、こうあなたに教えます。
 『あなたは1人で多くをこなせる。
 なら、その力を自身の為に使いなさい。
 人は自身の事のみを考え生きていると知りなさい』とね」
 ふふふと笑うセファーナは信じていた相手から裏切られる絶望から心が砕けるセフィリカを想像し笑みがこぼれる。
 がくりと膝をつくセフィリカの肩に手を置きヴィクトリアは告げる。
「…直接相対して、覚悟も定まりました。
 もう、私達が尊敬した師はいない。
 ここに居る女は、師と同じ姿、同じ力を使う偽物。
 討ち倒さねばならぬ、敵なのです」
 その言葉を受けセフィリカは立ち上がる。
「わかっていた。
 旧交を温める話など出来るはずないと、
 これは同じ姿と技を持つだけの敵。
 彼女が今際に抱いた世界への憎しみだけは本物かもしれないけど、
 こんなパチモンが歩いてちゃ、せんせいが安心して眠れないからね」
 セフェリカは『魔剣シェルファ』をヴィクトリアは『斧槍【L'orgoglio del sole】』を構える。
「ふふふ、いいですねぇ。
 自分達にとって都合の悪い事には蓋をして私を偽物と罵りますか。
 私は貴女方のその善人面を剝ぎ取るのが至高の楽しみなのですよ!
 どのような善人も敵になら刃を向けることができる!
 今、貴女方がしたように相手に汚名を着せて敵に仕立て上げるのですよ!
 ふふふ、貴女達は本当に素晴らしい弟子です。
 次の紋章の材料に相応しい!!」
 アハハと笑うセファーナ。
 ポツリとセフィリカは呟く。
「……リリア、やろう!」
「ええ、セリカ。
 彼女に教えを乞うた最後の弟子である私達が
 後を任せても大丈夫なのだと、示さねばなりませんからね」
 ヴィクトリアは頷き応じる。
 どのような責め苦を受けようが言い訳はしない。
 それを受け止め、オブリビオンへと堕ちたセファーナの魂に手を差し伸べる為に、
 二人は駆け出した。
「いいでしょう、久しぶりに稽古をつけてあげましょう!
 もっとも、今回は命の保証はしませんがね!!」
 セファーナが右手を上げると大量の【神威の光剣】が現れ、二人を包囲するように展開する。
 そして、セファーナの【神威の光剣】が二人を貫こうとした瞬間、
「主の威光よ、悪意を祓い給え! ──『神威の光剣』よ!」
 ヴィクトリアが叫ぶ!
 すると、虚空より無数の【|神威の光剣《ラ・スパーダ・ディ・マエスタ》】が降り注ぎ、セファーナの【神威の光剣】を刺し貫く。
「貴女が召喚する光剣は、限りがあります。
 ですが、私の術にその限りはありません。
 文字通り、私の信仰が尽きるまで。
 その動き、封じ続けましょう」
 セファーナの【神威の光剣】には上限があった、あまりにも多量である為無数にも見えるが、その数には限りがあった。
 だが、その数があまりにも多くヴィクトリアの【|神威の光剣《ラ・スパーダ・ディ・マエスタ》】で全てを押さえた上でセファーナの四肢を貫き動きを封じるまでには至れなかった。
 そして、ヴィクトリアの攻撃に反応し神罰の紋章は輝き、ヴィクトリアに向けて水晶の短剣が射出される。
 不可避にしてすべてを貫く短剣はその身体を刺し貫く。
「セリカ!!」
 そう、ヴィクトリアを庇うべくヴィクトリアの前に飛び出したセフィリカの身体を。
「何を愚かな事をしているのですか、セフィリカ!
 先程『その力を自身の為に使いなさい。』と教えたではないですか!!
 これでは興醒めではないですか」
 セファーナは落胆の色を見せる。
「いえ、私が教わったのは、
 『あなたは1人で多くをこなせる。でもだからこそ、多くの人と繋がりなさい。多くの視点があることを知りなさい』という教え。
 リリアや多くの人達と触れてきたからこそ、今の私、そしてこれからの私がいるんだ」
 セフィリカは固い決意をもって1歩足を踏み出す。
「その傷で何をしようというのですか?」
 セファーナは水晶の短剣に貫かれたセフィリカが自身に挑んでくることに驚きを隠せなかった。
 その動揺がセファーナの隙となり、セフィリカに【|神薙ノ導《カンナギノシルベ》】の1歩を踏み出す隙を与えた。
 機先を制す踏み込みがセフィリカとセファーナの間合いを一気に詰め、『魔剣シェルファ』を振り下ろす一撃を与える。
 だが、それは神罰の紋章の発動を意味する。
 さすがのセフィリカでも神罰の紋章の2撃目は耐えられない。
 万事休すかと思われたが、
「それはさせません!」
 なんと、ヴィクトリアが飛び込みセフィリカを庇ったのだ。
「…この戦い方も、貴女の教えがあればこそ
 私は貴女の弟子として、恥じぬ戦いが出来ましたか?
 ねぇ、|師《せんせい》…?」
 倒れ込むヴィクトリアはセファーナに一瞬視線を向け呟く。
「ですから、貴女達は何を!!」
(リリアと二人で、超えられなかったあなたを超えていくよ……!)
 セファーナが叫ぶ声を切り裂くようにセフィリカは振り下ろした刃を振り上げるように斬り返す。
 まるで吸い込まれるかのように『魔剣シェルファ』はセファーナの身体を裂き、神罰の紋章を切り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月20日
宿敵 『藍水晶のセファーナ』 を撃破!


挿絵イラスト