闇の救済者戦争⑬〜霧の城
●月光城の主は欠落を隠す
「次は月光城砦群の攻略だな。月光城の一つに赴いて、そこの主を倒してほしい」
グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、新たな戦場の説明を始めた。
「第五層で見つかった『月光城』は、外敵、おそらくは異端の神々と戦う為の城塞のはずだが……今回は『ケルベロス・フェノメノンの欠落』を隠しているようだ」
『欠落』、それは禁獣を無敵たらしめるものである。即ち、これを破壊できれば禁獣の持つ『無敵能力』を無効化できるはずだ。
「しかし、当然ながらその防衛は堅固だ。欠落に繋がるであろう『魔空回廊』は月光城の城主によって守られている」
月光城の城主は、そもそもが第五の貴族をも凌駕するほどの力を持つ強敵だ。それが百々の予知によれば、戦場となる魔空回廊ではさらに強化されているという。
「『月の眼の紋章』と融合した彼らは、紋章と魔空回廊の相乗効果により、『回廊内にいる限り、戦闘能力が元の『660倍』になる』という恩恵を受けているのだ」
そこまで強化されていては、流石に万に一つの勝機もないだろう。となれば、攻略法があるというわけだ。
「この能力強化の源は、回廊にぐるりと取り巻かれる形で作られた人間画廊に『展示品』として囚われている人間達の命だ。彼らを解放すれば、敵の強化を弱めることができるだろう」
おおよそ半分程度を解放できれば、強化は完全に失われるそうだ。人々が吸血鬼の悪趣味な儀式の贄になっているのも看過できるものではない。囚われた人々の救助に否やは無い。
「ここの城主は『ミスト・ヴァーミリオン』というヴァンパイアだ。霧化の能力に特化した強敵で、その攻撃は熾烈を極めるだろう。だが、どうにかそれを搔い潜って、人々を解放してほしい」
強化さえ失わせれば、十分に倒すことのできる相手だ。彼を撃破し、ケルベロス・フェノメノンの欠落へ繋がる魔空回廊を進むのだ。
「説明は以上となるぞ。厳しい戦いになるだろうが、貴殿らならば大丈夫だ」
百々は猟兵達を激励すると、転移で彼らを送り出すのであった。
夢幻
●マスターの夢幻です。
●戦争シナリオのため、1章で完結となります。
●このシナリオのプレイングボーナスは、『人間画廊に捕らわれた人々を救出する』です。
第1章 ボス戦
『ミスト・ヴァーミリオン』
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POW : ヴァーミリオンミスト
対象の攻撃を軽減する【朱き霧】に変身しつつ、【万物を犯す強酸の霧】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : ディアボリックウェイブ
【霧化した体より放つ瘴気の波濤】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を穢し尽くして】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : トキシックミスト
見えない【猛毒の霧となった体】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
イラスト:緑葉カヨ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠天御鏡・百々」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
水鏡・怜悧
人格:ロキ
ふむ、弱体化させるまでは、見つからないように進まないといけませんね。光属性の触手で光学迷彩をかけ、毒属性の触手で敵の攻撃を少しでも打ち消しながら進みましょう。
画廊の人々は見つけ次第、風属性の触手で傷つけないよう救助し、安全な場所へ脱出して頂きます。
ぐるりと3分の2ほど進めば、多少見落としがあっても相対できる程度にはなるでしょうか。
霧化しているのであれば風属性の触手で霧を一纏めにし、雷属性の触手で電撃を与え攻撃しましょう。
「ふむ、弱体化させるまでは、見つからないように進まないといけませんね」
光属性の触手で光学迷彩をかけた水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)が、人間画廊へと侵入する。この場では月光城の城主の戦闘能力は660倍となっている。そんな万全の状態の敵と戦うのは自殺行為であるため、最初は見つからないように囚われている人々の救出を目指すのは理にかなっているといえよう。ちなみにその丁寧な口調から、彼の現在の人格はロキとなっていることがわかる。
「結構な人数が囚われていますね……」
人間画廊には、おおよそ30人ほどの人間が拘束されていた。怜悧はそれを一人ずつ風属性の触手で助け出していく。そうして3人ほど救助したところで、遂に城主たる『ミスト・ヴァーミリオン』が怜悧に気づいたようだ。
「どうやら僕の城にネズミが入り込んだみたいだね。こそこそと展示品を奪うなんて……すぐに駆除してしまわないとね!」
ミストが腕を振るうと、手首から先が瘴気の波濤となって怜悧の元へと押し寄せてくる。
「くっ……風の触手でも、少し押しとどめるのが限界ですね」
その強化は若干弱まったとはいえ、未だミストの強化は100倍を優に超える。その凶悪なユーベルコードの前には、逃げるための時間を稼ぐのがせいぜいだ。
「しかし、確実に強化は弱まっています。後は仲間に任せましょう」
そして怜悧は救助した人々を連れ、この場から脱出するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【白岩】
しっかし悪趣味だね、この城も。
どんだけヒトを甚振るのを楽しんでるんだか。
……っとあー、オーナー、大丈夫かい?
嫌な事を思い出させてないと良いけどさ。
ともあれ手筈通り、レスキュー開始と行きますか!
最初はオーナーと並走しつつ、電撃を主体にした防御用のサイキックオーラを纏うよ。
これで酸の霧からも少しは守れるし、痺れさせるくらいはできるだろ。
そしてカブを操縦しながら、念動力で回廊から被害者たちを引きはがさんとするよ!
救出したヒト達は後ろの座席に騎乗してもらうかね。
これでも運搬力にはそこそこ定評があるから幾人かは載せられるはず。
これで動きは鈍らせられるんじゃないかね、後は気張っておくれよオーナー!
エスタシュ・ロックドア
【白岩】
懐かしさすら感じる趣味の悪さだな
いや、俺ぁ大丈夫
行くか
シンディーちゃんに【騎乗】【運転】
ブルーフレアドレスに点火
愛機ごと業火を纏い、多喜と【ダッシュ】で戦場を駆け抜けるぜ
途中二手に分かれて業火を撒いて【範囲攻撃】
周囲を火の海にしてやる
味方や囚われの人々は焼かねぇよう適宜消火
敵や霧は【焼却】
焼けずとも業火の勢いで霧を【吹き飛ばし】たい
そんな感じで【存在感】出して敵の注意を惹きつけるぜ
多少のダメージは耐性系で耐えてぇが660倍だよなぁ
業火で身を覆って霧の影響を極力受けねぇようにしとく
敵が弱体化したら業火で炙ったフリントを【怪力】で振るって叩きつけるわ
おう任せろ
そっちは頼んだぜ、多喜
次に月光城へと侵入するのは、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)とエスタシュ・ロックドア(大鴉・f01818)だ。
「しっかし悪趣味だね、この城も。……どんだけヒトを甚振るのを楽しんでるんだか」
「確かにこいつは懐かしさすら感じる趣味の悪さだな」
人間画廊には、罪もない人々が『展示品』として飾られている。ダークセイヴァーではよくあることではあるが、オブリビオン達の悪辣さは筆舌に尽くし難い。それを見て少々暗い顔をしていたエスタシュを、多喜は気遣って声をかける。
「……っとあー、オーナー、大丈夫かい? 嫌な事を思い出させてないと良いけどさ」
「いや、俺ぁ大丈夫。気にするな」
などと会話している間に、二人の侵入が気付かれたようだ。城主である『ミスト・ヴァーミリオン』が出現した。
「やれやれ、また侵入者か。この場所では誰も僕に勝てないっていうのに、それを理解する頭もないのかな?」
超強化されているせいもあって、ミストは二人を見下している様子だ。
「っと、お出ましか……ともあれ手筈通り、レスキュー開始と行きますか!
「ああ、行くか」
敵が出現した以上、急がねばならない。多喜は『宇宙カブJD-1725』に飛び乗り、エスタシュも愛用の『シンディーちゃん』を運転してそれに並ぶ。
「僕の城でバイクを乗り回すとか……万死に値するよ!」
人間回廊を爆走する二台の宇宙バイクを見て怒気を強めたミストは、『ヴァーミリオンミスト』でその体を朱き霧へと変化させた。そして強酸の霧が、二人へと襲い掛かってくる。
「敵は俺が引き受けるぜ」
「頼んだよ、オーナー!」
ここで二人はミストの相手をするエスタシュと、救助を担当する多喜に別れる。二人いるならば、役割分担した方が目的は達しやすいというものだ。
「ここを火の海にしてやるぜ」
『ブルーフレアドレス』に点火したエスタシュは、『群青業火』で愛機ごと群青色の地獄の業火を纏うと、そのまま城の中を爆走する。自身の城を燃やされて怒り心頭のミストは、狙い通りに彼を狙ってついて来た。
「好き放題やってくれるね……溶けて死ね!」
「チッ……これが強化の影響か……!」
迫りくる朱い霧は業火による吹き飛ばしをもろともせずにエスタシュの元に到達し、纏う炎が無いかの如く彼の体を侵食してくる。先に戦った猟兵に多少人間を救助されたとはいえ、凄まじい強化を受けているミストの攻撃は、生半可な防御は突き抜けてくる。
しかし、こうしてエスタシュが敵を引き付けてくれたおかげで、多喜が救助に集中できる。
「今助けてあげるよ!」
『枷外す術』の強化を自身にかけた多喜は、その念動力で回廊に拘束された人々を次々に引きはがして救助する。そうして助けた人たちは宇宙バイクの後ろに乗せていく。これでも運搬力にはそこそこ定評がある。それがこういう時には役に立つものだ。
「だいぶ助けられたけど、そろそろ潮時だね。れで動きは鈍らせられるんじゃないかね、後は気張っておくれよオーナー!」
多喜が救助した人は10人近くにも及ぶ。流石にこれ以上は載せきれないと、彼女は撤退を決めた。これだけ解放されれば、敵の強化もかなり減少するため、十分な働きだろう。
「……む? 力が抜けていく……まさか!」
「多喜がやってくれたみたいだな。そんじゃあ、これはお返しだ!」
「ぐわっ!?」
エスタシュと交戦してたミストは、いきなり強化が失われていくことに慌てていた。そしてその隙を見たエスタシュは、ここぞとばかりに業火で炙った『フリント』をミストへと叩きつけたのであった。
「ま、ここはこれで満足しとくか」
その攻撃は確実にミストにダメージを与えていた。このまま追撃をお見舞いしたいところではあるが、エスタシュも敵を引き付けていた際のダメージが蓄積している。そこで彼は、無理をせずにここで撤退を選んだのであった。
大成功
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シャオ・フィルナート
【暗殺】技術を駆使した素早い身のこなしと
【気配感知、瞬間思考力】で攻撃を予測
物理ダメージは極力回避しつつ
囚われてる人達を氷麗ノ剣も用いて次々救助
どうしても邪魔な時は、ダメージは通らなくても
【凍結攻撃】で足止めくらいはできる…?
更に【蒼魔結界】発動
【毒耐性】ならあるし、そもそも自分の魔力に変換できる
効力が強ければ強い程、人体への害がある程
俺への強化になるだけ…
あぁ、この人達が捕らえてるもの
凍らせて砕けば斬るより速い…?
流石に試した事無いけど…
俺の魔力なら、霧も凍るのかな…
ね、どう思う…?
少なくとも、あんた達が動かす物は凍らせられるみたいだけど…(自分に当たる前に凍らせ破壊、或いは停止させ防御)
「これ以上、展示物を奪わせはしないよ!」
人間画廊に侵入したシャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)に、ミストはいきなり『トキシックミスト』を放ってきた。猟兵達が救助を続けその強化が減少したことで、彼も余裕がなくなっているようだ。
「……悪いけど、俺に毒は効かない。全て、貰うから」
しかし、それはシャオのユーべルコードの前に完封される。『蒼魔結界』の前には猛毒もただの魔力の源でしかない。完全な状態で660倍の強化があればそれも無理だっただろうが、多少の強化程度ならむしろその毒性の強さは、シャオに与える魔力が増えるだけだ。
「なっ!? 嘘だ! 僕の毒が効かないなんて……!」
驚愕するミストを尻目に、シャオは『氷麗ノ剣』を振るって囚われている人々を救助する。そうして数人も救助すれば、敵の強化は完全に失われた。後は目の前のミストを倒すだけだ。
「流石に試した事無いけど……これだけの魔力があれば、霧も凍るのかな……ね、どう思う……?」
「ひいっ! や……やめろ……!」
シャオの放つ強烈な冷気に、ミストは狼狽えている。強化が凄まじかっただけに、それが失われた際の落差がひどい。
「うん、今のあんたなら、凍らせられるみたいだね……じゃあ、さよなら」
そしてシャオの冷気は、霧化したミストを凍結させて破壊したのであった。
これでこの地を護るオブリビオンはいなくなった。猟兵達は『ケルベロス・フェノメノンの欠落』を破壊するため、魔空回廊を進んでいくのであった。
大成功
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