ゴースト・ライターは立派なお仕事だと狂ったアリスが騒いでいた。はしゃぐ事だけに粘着していた魔女はノロイ・ウィルスに罹ったのだ。おなかがいたい。焦茶色のパスタ料理を提供したオウガを呼べ、口腔にメルヒェンを返してやる。
――生まれている。
――生まれ、変わっている。
花畑がお喋りしている、何度も何度も、同じようなワードをサラダの如くに散らかした。オイスター・ソースの行儀の悪さには辟易してしまうと、普段とは違った表情を晒している向日葵が幾つか。最近は曇りばっかりでたまらないよ、だって、太陽だって暗むような日々さ。錯乱してみたチェリーのような、酔っ払いのようなピンク色のふたつ、蓋つきのオイスターなんて二枚貝の風上にもおけないのさ。サプライズ・パーティを酷使しようと思い立った刹那に彼等は肩を落とした。何故かって? 勿論――君が可哀想にもお誕生日だからさ。残念無念、また明日。オマエに科せられたのはマウス・ケーキとザクロジャムの二種類だけ。これじゃああたし、何処かで出会ったアリス・ケーキにだってありつけないじゃない。心底がっかりしたご様子でティーポット代わりの寝床へ向かう。足を向けて眠るんじゃないよ、このノロマなドールめ。ドリンク・ミーの札も確かめずに睡眠薬ごくり……小さくも大きくもなれないなんて、君にはお似合いの末路だよ。ズグズグ嗤いが遠退かる頃合いにはオマエ、風船みたいな胃袋に満足を与えていたのか――改善案は起床時に吐き出すとよろしい。
娘……娘……娘娘娘娘……お母さまが……お母さまがお母さまが……お母さまが……誕生日である罪を拭ってやっていると謂うのに、如何してぐぅすかと醜態を晒しているのか。さっさと目を覚まして、新しいマウス・ケーキを用意するんだ、このグズな娘……! 強烈な痛みを貰ったのか、それとも、甘ったるい薔薇色まんじゅうを喰らったのか、兎も角、オマエの目と鼻の先にはオマエの『お母さま』が聳えていた。まあ、お母さま、今日もまた一段と傲慢なご様子で! お母さまが傲慢で無くて何なのよ、まさか、いとしい娘はお母さまの事をヒトサマと勘違いしているんじゃないでしょうね。そんなこと! それこそ真逆の発想だ。こんなにもお母さまと一緒にいると、これが夢だってわかっていても、ぐるぐる、頭とおめめが回りそうになっていけないの! なにを言っているんだい莫迦な娘だね。お母さまの前でどうしてしっかりと立つことが出来るのかしら? まるでバニーに翻弄されるマウスの如くに――絞め方を改めて、娘に教えてやらないといけないね。ふかふかと浮かんでいる『猫の無いわらい』のように、少しは気味悪く破顔してみたらどうだい! まんまると転がされたオマエは活きの良い腸詰め、俎板の坂をころころとイモムシみたいに!
あたしはあなたみたいに、とっても醜くて、それでいて頭でっかちな人、お断りよ。レースが始まるよりも先に絶滅してしまったドードーの群れに🌈を引っ掛ける冒涜的な行い! むきー! なんてこと! お母さまの好物がドードー・フライだと知っての行いかしら。オコガマシイ娘!!! ヒステリー極まったお母さまは大切な大切な赤ん坊ドールを抱えつつオマエのおなかをグーでマッシュ! マッシュ・ポテトを添えなかった「あたし」の所為なのね。もう顔色信号機は赤への明滅――我慢できない! お母さまはもうお母さまではないのに、何処までもお母さまを続けるのね――このピック・マザー!!! 物事への執着を殺すかのように、うすっぺらい、頭蓋……踊るように赤い靴が黙っている筈もない。斧を揮ったのは少年だったのか、少女だったのか。マザー・グースカは今宵、永遠の『もの』となった。まあ、お母さま、寿命が短かったのね! きっと賞味期限が数秒程度だったのだ。ところでオマエの追い剥ぎのような行為は問題ないのか。おさがりね!!!
切り替えたかの如くにピンク・アニマル、如何して種類が『ねこ』だけなのか。笑いすらも亡くなったらお終いなのだと公爵夫人、断頭の刹那に教えてくれた。ええ、わかっているの。今度は「あたし」が愛想をつかされる「番」なのよね。上機嫌なレッド・フックを傲慢のようにズカズカと虚き使え。足元で壊れている誰かさんの名前は――娘! 忌々しい、娘! それとジャンク・ドールが振り撒いた、ピック・ベビーの黙死! ダンス・パートナーは存在しないけれども、今日だけは、今日くらいは……誕生日くらいは……。たったの独りで白痴みたいにぐるぐるすればいいのよ! ティー・カップ? いいえ、お喋り大好きなあなた達には辟易しているの――千鳥足でも前後不覚でも、這う這うの体になったって、オマエはオマエのめまいから逃れられない。
これって素敵なサプライズよね?
まったく君と謂うやつは生まれた日の事も知らないのかね。
――造られた日なら知ってるの!
成功
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