闇の救済者戦争⑯〜赤い樹常に青い箱
●天蓋血脈樹
ダークセイヴァー第三層の中心部に天地を貫いてそびえ立つ、巨大な「絡み合う血管の樹」、天蓋血脈樹。
ダークセイヴァーの大地に流れた血は全て天蓋血脈樹の血管を通り、「始祖ヴァンパイア」たる『ライトブリンガー』へと捧げられる。それらを護るように、ライトブリンガー配下の『しあわせのあおいはこ』がゴロゴロとそこら中に配備されているのだ。
『ぼくらがしあわせにしてあげるよ』
『みんなしあわせになろうね』
『さあ! いますぐともだちをさそってしあわせになろう!』
この青い箱、本当に幸せにしてくれるのだろうか?
●グリモアベース
「皆様お疲れ様です。戦争も戦況がどんどん変わって参りましたが、この戦場は重要拠点とも言えるかもしれませんね。ところであの青い箱は何なんでしょうか」
グリモア猟兵、スリー・サクセス(猟兵サポート型AIプログラム・f34842)は訝しんだ表情でバーチャルビジョンを映しながら話し始めた。
「一瞬わたくしの姿の一つに似ているので親近感が湧きかけましたが、あの『しあわせのあおいはこ』は明らかに幸せにする気は無い事を確認しました。まぁオブリビオンですからね」
言葉とシンプルなフォルムに騙されてはいけない、あの箱は絶望を与える存在である。いけないいけないと首を振って頬を叩き、続きを話し始めるサクセス。
「天蓋血脈樹の下に集団で大量に居ますので、隙間を縫って攻撃して下さい。天蓋血脈樹に攻撃が届けば大丈夫でしょう。箱なので転がって邪魔をしてくるかもしれませんが」
そして、サクセスは転移を開始したのだった。
椿油
椿油です。サクセスが言っている「わたくしの姿の一つ」はひし形ですが、これは普通の四角形ですね。
それはさておき、戦争シナリオなので1章構成です。『しあわせのあおいはこ』とのボス戦です(ただし集団戦のように大量に天蓋血脈樹の前に存在しています)。
プレイングボーナスは「敵の守備の最も薄い所だけを突く」ことです。
皆様のアツいプレイング、お待ちしております!
第1章 ボス戦
『『しあわせのあおいはこ』』
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POW : パンドラの匣が空く
着弾点からレベルm半径内を爆破する【幸せの青い星】を放つ。着弾後、範囲内に【幸福を破壊する幻覚】が現れ継続ダメージを与える。
SPD : 内側を覗いたものは
自身の【内側に溜め込んだ幸福な記憶】を代償に、1〜12体の【絶望の獣】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ : 匣の中へおいで
戦闘中に食べた【魂人の幸福な記憶】の量と質に応じて【自身の内側から狂気が溢れ出し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
イラスト:すずや
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠疾風・テディ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
尾守・夜野
…聞いてたがっ…数が…多いっ!
(生半可な攻撃しようものなら物量ですり潰されそうだ!なら)
数が力にならねぇってのを教えてやんよ!
同士討ちをして結果としている最中
すなわち一番数が多く、逆説的に今この状況下においては潜在的な味方が多いところを突っ切る
俺にとって守備がすくねぇところとはすなわち死地
数が多いところにだけUC使えば問題ねぇのさ
正常な奴らも勝手に乱戦に巻き込まれるから俺は一切手出ししねぇ
流れ弾やらなにやらはひたすら避け
呪いに巻き込まれねぇようにただ向かうだけだぜ
アドリブ歓迎連携NG
(…こっちが増えると敵と判断しちまうので)
「……聞いてたがっ……数が……多いっ!」
夜野は沢山の『しあわせのあおいはこ』がゴロゴロゴンロゴンロと動きひしめいているのを見て汗をかいた。
「(生半可な攻撃しようものなら物量ですり潰されそうだ!なら)」
UC《四面楚【禍】》を発動し、戦場を『殺せば殺す程呪詛で縛られる』という、蟲毒の壺のような世界へと変えていく。
「数が力にならねぇってのを教えてやんよ!」
己以外は全員――敵。
『おまえもしあわせにしてやろうかー』
『うごごごご』
『ろーりんぐあたっく』
狂気の流れ弾を避けつつ、夜野は隙間を縫って駆け抜ける。
『うおー』
狂気のローリングアタックを放ってくる『しあわせのあおいはこ』を何とか躱す夜野。
「うわっ危ねっ」
『しあわせになれー』
転がりまくって兎角狂気を振りまく『しあわせのあおいはこ』。
「幸せにしたいのか轢きたいのかどっちだよ!!」
夜野がつい叫びながら隙間を通る。
「ふぅ……はぁ……後はこの樹を……っ!」
――何とか天蓋血脈樹まで辿り着いた夜野は、思いっきり呪詛塗れの黒剣を叩きつけたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
ろくでもない相手なのは…わかりますよ。この世界のオブリビオンですからねー。
ええ、行きましょう。ここで止まるわけにはいきませんのでー。
UC(攻撃力強化)使ってでもいきましょう。認識は影にいる陰海月と霹靂がやってますしー。
守りが薄いところ…それを見つけるために、忍としての第六感と戦闘知識を生かして切り抜けましょう。
一撃は漆黒風にて…ええ、ずっと使っている武器ですから。大切な一撃を託すには充分なのですよー。
『疾き者』として現れた義透。
「ろくでもない相手なのは……わかりますよ。この世界のオブリビオンですからねー」
UC《四悪霊・『戒』》を発動し、義透は攻撃力を強化する。
「ええ、行きましょう。ここで止まるわけにはいきませんのでー」
『馬県・義透』の認識補助術式は、ミズクラゲの陰海月とヒポグリフの霹靂がぷきゅクエぷきゅクエと手伝っている。
――そして、『疾き者』は生前は忍者。最適な道を見つけ、素早く駆け抜ける。
『うごー』
『しあわせのあおいはこ』が幸せの青い星を放っても、攻撃を受ける度にUCの力で攻撃力が上がっていくので問題はない。天蓋血脈樹への殺傷力が上がるだけである。
『まてー』
「さて」
爆発の間を駆け抜け終わり、充分に攻撃力が上がった所で、義透は棒手裏剣の【漆黒風】を天蓋血脈樹へと構える。愛用の武器に、大切な一撃を託す。
――シュッ!!
当たると同時に、大量に裂けた天蓋血脈樹からグロテスクな物が噴き出ていった。かなりのダメージを与えたのだろうか。
「ふぅ。これで大丈夫ですねー」
一方その頃、義透の後ろでは特撮の如く幸せの青い星が大量に爆発していた。義透への祝砲だろうか――。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
しあわせのあおいはこ…幸せの青い鳥、的な?
実際違うなら詐欺じゃん
見た目はなんか綺麗なのに
自身の心臓への負荷と体力の無さを考えた結果
適度に翼で浮遊する【空中戦】
敵の配置含め全体を見渡すにもやりやすいしね
隙間を探しつつ、なるべく転がりの邪魔が入らないよう
【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃、範囲攻撃】
氷塊を落とし壁とする事で少しずつでも動きを制限しながら
守備の薄い場所を探して【UC:浄化と祝福】発動
溢れ出した狂気ごと抑えるように【破魔】を宿した炎の鳥で【浄化】しながら箱の間をすり抜けさせ天蓋血脈樹に直接攻撃
幸せは自分達で掴み取るから君達の力はいらないよ
僕達も、この世界の人達も
そんなに弱くないんだから
「しあわせのあおいはこ……幸せの青い鳥、的な?」
澪は『しあわせのあおいはこ』が蠢く戦場を見て訝しんだ。
『しあわせにしてあげるよー』
「実際違うなら詐欺じゃん。見た目はなんか綺麗なのに」
『ほんとうだよー』
ここは「人々幸せにするよ詐欺」の温床である。
澪は空中から戦場を見渡し、氷の壁を空から落として少しずつ転がる彼らを隔たり妨害していく。そうやって出来た少しの隙間、そこへUC《浄化と祝福》を放った。
『なんだかきれいなちからをかんじるー!』
『うげーきれいすぎる! いやだ!』
『ぺっぺっ、へどがでらぁ』
一瞬本性を現した『しあわせのあおいはこ』達の隙間を通り抜けて飛翔するのは、破魔の力を持つ炎の鳥。そしてそのまま、天蓋血脈樹へダイレクトアタックである。
「幸せは自分達で掴み取るから君達の力はいらないよ」
『しあわせ、すぐてにはいるよー?』
「僕達も、この世界の人達も……そんなに弱くないんだから」
『せっかくしあわせにしてあげるのになあ』
『そんなこといわずーせめていっかいだけでもしあわせになろうよ』
『もしごふまんだったらかえしてもだいじょうぶだよ』
そんな嘘吐き達にそっぽを向いた、澪だった。
大成功
🔵🔵🔵
ゾーヤ・ヴィルコラカ
あの暗い地面が、一面の青色……これが全部、あの咎人さんだっていうの? 何とか道を探して、一気に駆け抜けるしかないわね。
〈視力〉を凝らして、青色が少しでも薄いところを探し出すわね。突破口を見つけたら【UC:慈悲なき冬、来たれり】(WIZ)を発動よ! 地上を凍らせて咎人さん達の動きを牽制している間に、〈地形の利用〉で勢いをつけて〈ダッシュ〉するわ。溢れる狂気は〈浄化〉の〈結界術〉を纏って軽減して、行く手を阻む咎人さんには魔力弾を放って〈吹き飛ばし〉てすり抜けるわ!
あそこ、小高くなってて咎人さんがあんまり集まってない……きっとわたしが駆け抜けるべき道はあそこね!
(アドリブ等々大歓迎です)
「あの暗い地面が、一面の青色……これが全部、あの咎人さんだっていうの?」
ゾーヤが見つめる先には、『しあわせのあおいはこ』がギュウギュウに詰まっていた。
『しあわせになりたいのかい?』
『いまならたったのむりょうだよ』
『つぼをかうよりだんぜんやすいよ』
「何とか道を探して、一気に駆け抜けるしかないわね」
彼らの台詞をとりあえず無視して、UC《慈悲なき冬、来たれり》を発動するゾーヤ。氷の槍が降り注ぎ、氷雪が降って戦場が厳冬になっていく。
『さむい』
『こおる』
『うごけない』
『へっくち』
凍ったり凍えたりで、動きがかなり鈍くなる『しあわせのあおいはこ』達。
「この咎人さん、口は無いけどくしゃみするのね……」
動きが鈍った間に駆け抜けるゾーヤ。
『う、うおお、さむいけどりょうへいはとおさぬー』
「押し通る!」
狂気を放ってきた個体には結界術の力で狂気を浄化し、お返しに魔力弾を放ってやった。
『むねんなり、かちこち』
「あそこ、小高くなってて咎人さんがあんまり集まってない……きっとわたしが駆け抜けるべき道はあそこね!」
「道」の途中へ少しだけ居た『しあわせのあおいはこ』はツルツル下へと滑らせて、そして武器を構えるゾーヤ。
『あーれーすべるー』
『だれかとめてー』
「せーのっ!」
勢いよくバスタードソード【守護の長剣】を突き刺し、天蓋血脈樹に大きく傷を与えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ロラン・ヒュッテンブレナー
確かにサクセスさんっぽい印象があるね
遠く見晴らしの良さそうな場所に子狼姿で伏せながら観察なの
感知する方法はなんだろ?
センサー、魔力、バイタル情報?
それに遠くだと遠近感が掴めない形状してるなぁ…
電脳空間側からの情報も確認
うーん、行けそうな所はあるけど、隠れ方だよね…
奥義を使うしかないかな。
UC発動
効果範囲を限定して、変化に気付かれないようにしないとね
範囲はぼくの体の表面
結界の境界から内側は、ぼくのあらゆる存在情報を|0《無》として発信する領域に調整
目でも耳でも鼻でも温度でも魔力でも、ぼくを捉えるのは難しくなるはずなの
う、ちょっと怖いね…
でも、慎重に、素早く移動しないと、なの
「確かにサクセスさんっぽい印象があるね」
ロランはグリモア猟兵を知っているからこその意見を述べつつ、子狼の姿で伏せて観察をし始めた。
「(感知する方法はなんだろ? センサー、魔力、バイタル情報? それに遠くだと遠近感が掴めない形状してるなぁ……)」
実は呼吸もしているのかもしれない。そして、電脳空間から得たルートを見るロラン。
「(電脳空間側からの情報も確認。うーん、行けそうな所はあるけど、隠れ方だよね……)」
ロランはUC《秘伝・隔離結界【Zona assoluta】》を発動した。
「奥義を使うしかないかな」
戦場――範囲はロランの身体の表面を自らの魔力で満たした世界にし、結界の境界から内側は、ロランに関するあらゆる存在情報を|0《無》として発信する領域に調整した。
「目でも耳でも鼻でも温度でも魔力でも、ぼくを捉えるのは難しくなるはずなの」
だが、流石にゴロゴロと転がる大きい立方体の間を通り抜けるのは少し怖い。
「(サクセスさんより大きくて立体的だし、沢山いるの……そーっとそーっと、なの)」
慎重に素早く間を通り抜ける。
「――えいっ」
強く、そして確かに、まるで狼の爪で引っ掻くように天狼の魔剣【ルプス】で天蓋血脈樹を傷つけたのだった。
大成功
🔵🔵🔵