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なまえのない怪物~きえたたからもの

#UDCアース

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#UDCアース


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●こんどは あなたを はなさない
 雨中のゴミ捨て場。二つの熊のぬいぐるみ。その片方はもう何処かへ消えてった。男に拾われ消えてった。ワタシはだれにも拾われない。ワタシは一人でゴミの中。
 ああ、ドウシテ……。ワタシは彼とほとんど何も違わないのに。ワタシも彼も同じように愛されてきたのに。ワタシは彼と愛し合って生きてきたのに。ドウシテ……?
 誰かが彼を盗ってった。微笑み面して盗ってった。だから私はユルサナイ。ああ、でも、ワタシ……。ワタシに何ができるのでしょう。

「――ならアナタに、チャンスをあげましょうか」

 だぁれ? 髪の長い女の人がワタシに笑う。アナタはダアレ?
 だめね、頭が黒くなっていく。世界が暗くなっていく。

 ――ああ、そうか。ワタシ、力を手に入れたのね。
 待っててね。きっとワタシがいくからね。

●帰り道は危険がいっぱい
「あ、皆! 集まってくれてありがとー☆ きゅーに呼び出しちゃってごめんねー?」
 朱鳳・智優利(乙女ティック☆エボリューション!・f01245)が言った。いつものようにちうりんは元気元気! といいたいところだが、今日はなんだか様子が違う。まるで悲しい夢を見たように。
「新しい依頼があるの」
 しっかりしなくちゃ! ちうりんはにへーっといつもの顔に戻る。そして今回の予知について説明を始める。今回の予知は他のグリモア猟兵の予知とつながりがあるらしい。その内容はこうだ。

 悲しいが最近では珍しくもない話だ。ある子供が父親によって暴力を振るわれていた。そして、その仮定で2体のくまのぬいぐるみが捨てられてしまったらしい。そのぬいぐるみはカップルで、少女に本当に大切にされていたそうだ。しかし、ここで事件が起こった。そのぬいぐるみがそれぞれに邪悪な力をてにいれたのだ。

「でも、私が見れた予知はそのうちの一つだけなの!」
 それは引き裂かれた2体のぬいぐるみの物語。女の子のくまのぬいぐるみの物語。ぬいぐるみはよく服を着せられたり、花飾りの帽子をもらって、男の子のくまのぬいぐるみと幸せに過ごしていました。女の子のくまのぬいぐるみは、持ち主が大好きでした。でも、もうそのぬいぐるみは、『彼』にも持ち主にも会えないのです。寂しくなったぬいぐるみが、誰かにそそのかされて今、邪悪な力を使って全てを取り戻すために事件をたくさん起こしているらしい。
「その事件があるのが、ある住宅地にある大きな公園なの。子供たちが次々といなくなっちゃうんだって。この公園に遊びに来ているまだ被害にあってない子供たちが、何か秘密を握ってるらしいことまではわかったんだけど……」
 しかし、ぬいぐるみの場所やそそのかした誰かのことはわかっていないらしい。それに、この誰かは予知には出てきたがあまりに曖昧で、今回の事件ではおそらく明らかにならないと思うとちうりんは付け足した。

「とにかく、ぬいぐるみのことだけ解決してほしいの。ぬいぐるみの居場所を突き止めて、邪悪な力を取り払ってほしいの! それでね! それでね! このぬいぐるみの持ち主はお父さんと引き離されていま優しい親戚の家にいるらしいから、このぬいぐるみを助けて、その女の子のところに届けてあげたいんだ☆お願いできないかなー?」
 ちうりんがきょとんと首をかしげて猟兵たちにお願いする。

「あ、そうそう、この公園はある猫のオブリビオンの縄張りでもあるみたいだから、そっちの対処もお願いね♪」
 その手には、有無を言わせないとばかりにグリモアである野花のブーケが握られていた。
「それじゃ、よろぴっぴー☆」
 にっこりと笑って、猟兵たちを転移させる。その先はくだんの公園であった。
 時間は放課後。子供たちが楽しそうに遊んでいる。


ピンク☆フラッシュ
●はじめに
 こちらのシナリオは逢坂灰斗MSの『なまえのない怪物~ぼくのためのともだち』との合わせシナリオとなります。あちらが男の子、こちらが女の子のぬいぐるみの討伐と救助のシナリオとなります。最初に言っておきます。
 1.絶対に助けられるのは『ぬいぐるみ』のみです。
 2.冒頭の予知に出てきた女性(誰か)は今回のシナリオでは会うこともできません。
 以上を踏まえてご参加お願いします。

●やったー! シリアス合同シナリオだー!
 と、いうわけでシリアスな合同シナリオです!
 合同シナリオ……いい響きですね。私とっても嬉しいです☆
 あ、でもこういうシナリオを出せたこと自体嬉しいのですが、参加してくれる皆様がどんなプレイングをくれるのかも今回は一層楽しみにしています、それぞれの物語がどのような終幕を迎えるのか、ええ、本当に楽しみです! 皆いつも素敵なプレイングをありがとう!
 それでは、ご縁がありましたら今回もよろぴっぴー☆
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第1章 冒険 『子どもたちの秘密』

POW   :    力強い言葉で子供たちを説得

SPD   :    子どもたちの尾行や周辺の調査

WIZ   :    子どもたちと仲良くなって情報収集

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

葛乃葉・やすな
【WIZ】
子供好きの権化であるわしとしてはこの事件は聞き捨てならんのぅ。

これ以上被害が出ないように対処せぬとな。

何にせよまずは情報収集じゃ。
子供たちと遊びながら情報を聞き出すかのぅ。

不本意じゃがわしのこの容姿であれば子供たちも警戒せぬじゃろう。

警戒された場合は【誘惑】でもすればわしの魅力にイチコロという奴じゃ。

あぁ、それにしても子供は可愛のぅ。
口元が緩んでしまうわ。

※アドリブ、絡みなど歓迎



●子供たちの社会
「ねえ、びいちゃん。ぼくも仲間に入れてよ!」
「……だめよ、だってえいくんはえんじぇるちゃんに嫌われてるじゃない」
「で、でも、ぼくもびいちゃんと遊びたい!」
 小学校低学年くらいの男の子と女の子が言い争っている。男の子は食い下がるも、最後は女の子に、
「ごめんね? えいくんと仲良くしてたら私も天使ちゃんからハブにされちゃうから」
 といって女の子がどこかへかけ逃げてしまった。

「難儀じゃのう……」
 葛乃葉・やすな(子供好きの妖狐・f14023)は偶然にもこの現場に出くわしていた。男の子がしょんぼりと立ち尽くしている。今のはショックだったのかもしれない。どうやらこの公園では『えんじぇる』という少女が大きなグループを生じているらしい、女の子がかけ逃げた先にそのグループが見える。とりあえずまだみんな情報不足だろうと思ったやすなは、目線の先でしょんぼりしている男の子に声をかけた。
「――おや、おぬし。どうしたのじゃ?」
 すべて見ていたが、ここはとぼけておこう。
「え、お姉ちゃん、だれ?」
「わしは、やすなじゃ!。
 男の子えいの目にはやすなはちゃんとお姉さんには見えるらしい。
「せっかく公園にいるんじゃ、おぬしも一人なら、このわしと一緒に遊んでくれんかのぅ?」
「え、お姉ちゃんも一人なの? かわいそう……うん、ぼく遊んであげるね!」
 子供とはげに残酷なものである。えいくんはしいくんとでぃーくんという友達を呼んでやすなとあそんでくれた。えいくんなりにおそらく子供カーストでやすなに負けたくなかったのだろう。すごく調子に乗って、でも始終楽しそうに遊んでいる。やがて、しいくんとでぃーくんは習い事があるからと先にかえっていった。
「それで、何故おぬしはひとりだったのじゃ? 友達もおったではないか」
 誘惑というチートも少しは使ったが、えいと打ち解けたやすなは、2人の状態に戻ると尋ねた。
「あのね、ぼく、すきなひとがいるの。でもね、その子は最近、ボクが嫌いな奴のグループにはいっちゃったんだ」
「それは、そんなに嫌いなのか?」
「……嫌いだよ! だって、その子は、校則を破った遊びをしてるんだ!」
 えいくんはいった。えんじぇるという少女のグループはどうやら『秘密基地』を作って遊んでいるらしい。なるほど、それならもう少し話を……。やすながそうおもったときだった。
「えいくん!」
 先ほどかけ逃げた少女が戻ってきた。
「え、びいちゃん?!」
「えいくんもこっちのグループに来てい行って、えいくんはいやかもしれないけど、わたしもちょっと、えいくんと、あそびたいなぁって……」
 女の子びいがそうつげる。男の子はもじもじうじうじ、でもとってもいきたそうなかおでやすなをみた。
「……うむ、行くがよいじゃろぅ」
 やすなはやさしく少年の背中を押す。少年は女の子と共にその大きなグループへと駆け出して行った。
「うむ、よかった、よかったが、秘密基地、か……もう少し聞きたかったのぅ」
 やすなはせめてこのワードだけでも、と、この公園の勢力情報と秘密基地というキーワード情報を猟兵たちに教えて回るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミアス・ティンダロス
大好きな人と離れ離れになったのは、きっとすごく辛いでしょう。
でもその辛さを吹き払うことこそ猟兵のお仕事です。必ずぬいぐるみさんを持ち主の元へちゃんと届けてます。

ちょっと照れ屋ですから、こっそりと調査を行います。
スターヴァンパイアを召喚して、子どもたちを尾行しようとします。
同時、僕自身も【地形の利用】・【忍び足】・【追跡】を使って周辺に怪しい痕跡とかないか調べてみます。



●えいと天使
 エンジェル。天使。今どきの子供らしい名前である。その、お人形のような少女は、お花畑のようなふんわりとした雰囲気をまとっていた。
「えいくん、ごめんね? 私、えいくんのことをのけものにしているつもりはなかったんだけど……」
「う、ううん。ぼくも、意地になって天使ちゃんのこと避けちゃってて、ごめん」
 えいくんは天使ちゃんのグループに入れてもらっていました。
「よかったね、えいくん。またいっしょにあそべるね!」
「……それじゃあ……。えいくんにさっそくお願いがあるんだけど」
「……お願い?」

●すがたのない見物
「空白(きよ)く、優しく、慎ましく――追いかけなさい、不可視の吸血鬼さん!」
 ミアス・ティンダロス(夢を見る仔犬・f00675)は【鋭霊召喚・星から訪れたもの(アドベント・スターヴァンパイア)】を発動した。それは、見えないゼリー生物を召喚した。
「ごめんなさい、僕と一緒に子供たちを偵察してください」
 スターヴァンパイアにやさしく声をかけるミアス。そして自分も、忍び足と追跡で天使たちをつけようとする、しかしその時。
「……お兄ちゃん。なにしてるの?」
 ――ふいに、ミアスの後ろから声がかかった。そこには、一人の少年が不思議そうな目でこちらをはっきりととらえていた。
「え……」
「お兄ちゃん、今、何してたの?」
 にっこりと少年が笑う。ミアスの動きを封殺するようにその瞳はミアスをしっかり映している。
「あ、いえ、その……」
 ミアスはたじろぐ、知らない人と話すのは特に苦手なのだ。それに、お兄ちゃんと呼んでくれてはいるが、この少年はミアスとほとんど身長も体格も変わらない。
「えっと、かくれんぼ、かな……」
「かくれんぼ? 一人で?」
「あー、うん。今探してるところなんです」
 ミアスは目をきょろきょろと泳がせる。そして、手の後ろでスターヴァンパイアにてぶりして、そちらだけを情報収集に向かわせる。
「ふーん。ねえ、ぼく、暇なんだ。お兄ちゃんが探すの手伝ってあげるよ!」
 少年が言う。ミアスは薄々感じていたその可能性を否定できずにいた。この少年はこの公園の見張り役として動いているのではないか、と。先ほど見送ったスターヴァンパイアから送られてくる情報が、それを確信へとかえていく。
「え、えっと、その、でも、ぼく、一人で……」
「いいからいいから、ほら、いこうよ!」
 少年がミアスの手を取り、歩き出す。ミアスはこうして、スターヴァンパイアに情報収集を託し、少年と一緒に他猟兵たちを探すふりをしてこの少年を他の猟兵の元へ向かわせないよう誘導するという選択を選ばされるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

幻武・極
へえ、子供たちのグループねえ。
それじゃあ、ボクの秘密兵器の出番だね。
このもふぐるみの出番だね。
モフィンクスの魅力という名の誘惑で仲良くなって情報を集めてみるよ。



●ぬいぐるみと派閥
「あら、かわいいぬいぐるみ」
 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)の手にしたぬいぐるみに興味を示したのか後ろから声をかけられた。
「ん? 君、ぬいぐるみ好きなの?」
 極はそちらに視線を向ける。そこにいるのは極と同じくらいの年齢のウェーブのかわいらしい少女だ。
「うん、私ぬいぐるみ好きよ。今ブームだから、流行ってるの」
 どうやらこの公園の子供たちのブームはぬいぐるみらしい。今回の依頼の内容を考えると、それもまた縫いぐるみの力なのだろうか、と極は推理する。
「へえ。そうなんだ、よかった。ボク、この公園に遊びに来るのは初めてだから、じゃあ、このモフィンクスちゃんも歓迎してもらえるんだね」
 まるでぬいぐるみに名前を付けてかわいがる少女のようなあざとくも幼い笑みで極が言う。
「ふふ、そうね。あ、貴女名前は? わたしは天使よ、それでね、この子が私のぬいぐるみ、いーちゃん」
 天使と名乗った少女はねこのキャラクターのぬいぐるみを取り出して笑った。
「ボクは極だよ。天使ちゃんはいま一人なの?」
「いいえ、一人ではないの。でも、少しだけあなたに声をかけたかったからみんなに待ってもらっているのよ?」
「ボクに……?」
「ええ、だってとってもかわいいぬいぐるみを持ってるんですもの。私ね、ぬいぐるみが好きなの、だからね。かわいいぬいぐるみを持ったあなたと仲良くなりたくて」
「そ、そうなんだ。えへへ、なんかうれしいな」
 異世界の宿敵はこの世界でもかわいさを存分に発揮できるようだ。何より天使が釣れたのがその証であろう。そして、天使は続ける。
「ああ、そうだわ。きょうね、ぬいぐるみのパーティーをするの、。あなたもいかが? もしこの公園にいるなら、あとでお迎えをだすわ」
 まるで、この公園にさえいれば簡単に見つけて天使の周りの誰かを派遣できる、というような自信に満ち溢れた言葉だった。
「え、今一緒に行くのじゃダメなの?」
「ええ、ダメよ、初めての人に、パーティーの準備まで任せられないわ」
「でも……」
「いいから、来るの? 来ないの?」
 天使はとても強引であった。これがこの公園の子供たちを率いる姫。天使。
「じゃ、じゃあ、お願いしていいかな?」
「……ええ、うふふ、ちゃんとモフちゃんもつれてきてね」
 天使が大変満足したようで、とってもかわいいお人形さんのような笑顔を極に向ける。そして、モフちゃんとは恐らくモフィンクスであろう。
「うん、絶対!」
 大分気圧されたが目的は果たせそうな極は最低限それで満足することとなる。
「それじゃあ。また後で、ね? あとをつけちゃ、いやよ?」
 少女にとっての悪意に敏感そうな少女、天使は、天使のような笑顔をもう一度向けていった。その笑顔の奥には計り知れない対人スキルを感じる。

 天使は極から離れると、いーちゃんとともに子供たちの群衆の中に戻っていった。しかし、ぬいぐるみが流行りでかわいいと思ったからわざわざ一人で声をかけてきたわけだが……。ならば態々すこし離れた場所に集まっていたほかの子供たちは極に近づかないように天使に言われていたのだろうか。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

虚偽・うつろぎ
POW

えんじぇるグループに天使ちゃん、注視すべき候補ではあるよね
秘密基地、秘密だから普通に聞いても教えてくれるわけないか
尾行するのが確実だけど
行くまで待たないといけないかー

となるとここは直接天使ちゃんに直接話しかけてみるかな

事前に用意しておいた可愛い小物を
そこで拾ったんだけど君のものかい?と言って接触
そこから褒めて煽ててよいしょして気分が良くなるよう持ち上げる
髪型でも服装など身につけているものでも気が付いたところから話題に
同意と共感は大事

そして秘密基地の話へとそれとなく誘導
自分は小さい頃に秘密基地作って遊んでたけど今も作ったりするのかな
みたいな感じで

力強くというか勧誘とか詐欺師のイメージ



●Children Society
「まあ、こんなところに真っ黒な油が浮いているわ」
「ほんとだ。天使ちゃん。服が汚れないように気を付けてね」
 天使の取り巻きの男女が、油を軽蔑するような目で見て天使の前に立つ。
「あ、油って……酷いなあ」
 “油”はうねうねと動き出すと、宙へ浮かび上がるようにその全貌を現した。ブラックタールの虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)である。
「きゃー! 化け物よ!」
 子供たちはブラックタールに見慣れないのか、いや、見慣れていてもこのようなブラックタールには出くわしたことがないのであろうか。宙へ浮かぶ文字と、まるで触手のように無数に地面より伸びる手。子供たちの何人かが恐怖した。
「――大丈夫よ、皆。彼はブラックタールさんだわ」
 しかし、集団の長、天使は臆せずに清らかな表情でウツロギに近づくと、にっこり笑ってフリフリの白いドレスをつまんで優雅にお辞儀した。
「ごめんなさい、ブラックタールさん。皆、アナタみたいなブラックタールさんは見たことがなくって、驚いてしまったんです」
「ふーん、そうなんだ。僕も急に表れてゴメンね」
 ウツロギに物おじしない天使を見て、他の子供たちも謝り始める。
「いいんだいいんだ。もう謝らないで。僕は長生きだからそんなに気にしてないよ」
「まあ、そうなんですのね、私は天使です。あなたのお名前を教えていただけますか?」
「僕はウツロギ、急に声をかけたのは、さっきこれを拾ったからなんだ。これは君達の誰かのものかな?」
 ウツロギが手にしたのは、とってもとってもきれいなブローチでした、それは女の子にも、ぬいぐるみにも似合いそうなとってもかわいくて素敵なブローチ。
「いいえ、私達のではありません。それは私たちの誰のものでもありません」
 天使は自信満々に答えた。自分だけでなく、自分たちの誰のものでもないと答えた。
「そうかい、急にごめんね。しかし、小さい子たちが今時公園でたくさん遊んでるなんて、ここは素晴らしい公園だね。僕の幼いころは秘密基地とか作って遊んだものだけど……」
「まあ、秘密基地? 素敵ですね。ねえ、あいちゃん。ジェイくん」
「ええ、そうね。とっても素敵、私達も作ってみたいわ」
「ああ、秘密とか男としても惹かれるぜ!」
 先ほどまで天使とウツロギの間に割って入っていた男女が天使に問われて答える。ウツロギは考えた。このグループ、おそらく仲間以外への会話はこの天使がすべて流れを握っているのだと。だから誰も天使のすること言うことに反論しない。だれも、ウツロギが表れたときには割って入って天使を守ったのに、ウツロギに近づく天使を止めたりはしなかった。いまも、自発的には誰もしゃべらない。しかし、一人だけ声を上げるものがいた。
「ねえ、そろそろ行っていい? 僕たちもう遊びに行きたいんだよ」
「えいくん……」
 そう、先ほど別の猟兵に秘密基地のことを話した『えい』だ。
「そうかい、でも、この先は公園っていうか、森の中でしょ? 大丈夫? どこに行くんだい?」
「そ、それは……」
「内緒よ!!!」
 もごもごとするえいに割り込むように、隣の少女びいが声を上げる。
「……そうか、今も昔も、あんまり変わらないものだねぇ」
 ウツロギは、表情は見えないが満足げにうんうんうなづいている。
「まあ、そういうことなんです。私たちはもういきますね。ごきげんよう、うつろぎさん」
 ニコッと笑う天使。びいがかばっていたけど、えいは新参者らしく天使がたずなを握れていないようだが、まあ、おそらく今秘密基地に向かっているのだろう。あとをつけるか、と思ったが。
「あ、みーつけたっ!」
 天使たちが森の中に消えてちょっとだーけ覗いてみようかとしたウツロギの背後から、声がかかった。
「ねえ、おねえさん! この人だよね! この人だよね!? 僕見つけたよ? あと何人隠れてるかなー」
「あ、あはは、すごい、よくわかったね」
 ミアスが苦々しく笑う。その隣で誇らしげに腰に手をおく少年。ウツロギは天使の派遣したであろう見張りに見つかってしまったのであった。よくみると、少年の後ろには極の姿もある。猟兵が3人、一般人の少年に捕まった。さて、後々同巻いたものか、と思いつつ、逆にこの子供のキャパシティではこれ以上は全員を見張り切れないだろうと、ウツロギは残りの調査を他の猟兵に任せてその輪に加わるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハヤト・ノーフィアライツ
SPD分野で。
んじゃま、調査と行きますかね。
一応【目立たない】ような格好をしつつ調査を始めるとしよう。
求人雑誌でも持っとくかな。
【視力】で周囲を伺い、【聞き耳】を立てつつ、公園のベンチで張り込んで、子供達の様子を見るとしよう。

妙な動きがあったら、帽子のバーチャルレイヤー機能を起動して【迷彩】を貼って
目立たないようになりつつ、【追跡】と洒落込もう。
追いかける間も【聞き耳、視力、失せ物探し】を駆使して子供と周囲に注意を払いながらいくぜ。
木の多い場所に入るようなら、【ロープワーク、クライミング、空中戦】とUC【ファルコン・フラップ】で樹上から追うのもアリだな。
…ま、兎に角慎重にやるさ。



●子供たちの変化
「ごめんね、天使ちゃん。せっかく仲間に入れてくれたのに、僕……」
 えいは天使に謝罪する。
「もう、謝らないで? えいくんは今日入ったばかりだもの、気になるわよね、秘密基地」
「……うん!」
 仲間に入れてもらえない、嫌われていたと思っていたえいくんは、優しい笑顔の天使ちゃんを僕はどうして嫌いだったんだろうと思い直していた。ただ、うらやましかったのだろうか。天使は昔からこんなやさしかっただろうか。もうえいに、それを思い出すことはできなかった。

●森の中へ
「ふうん、森の中、ねえ。公園の森って普通に歩きにくそうなもんだけど、まあ行ってみるか」
 ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)は子供たちが森に入るところを眺めていた。ずっと見張っていたのだが、あの天使という少女は簡単に近づかせてくれなかった。確実に一般人であろうはずなのに、こちらの……猟兵の気配に気づいてか取り巻き達を的確に動かしていた。えい、びい、あい、ジェイ、あと何人かだけを連れて、2人ほど見張りに出していた。2人でどころか一人だけ使ってすでに3人の猟兵の積極的な行動を見張って潰している。一般人である以上手も出せないという算段であろうか。しかし、それを指示するのも一般人。
「これは、何かあるよな」
 迷彩を纏い、ロープのチェック、森に突入する準備を手短に始めると、目立たないように気配を消して、ユーベルコード【ファルコン・フラップ(ファルコン・フラップ)】で空中を蹴って森の中まで一気に突入する。大きな公園が自然の中に作られている場合は、その中央やあちこちに森をあえて残しているというのは割とあることだが、ここは仮にも住宅街の中の公園、その森は大きく、外見は深そうでも、中には少し手が入っていた。最悪子供が入り込んでもけものみち程度には歩きやすくなっている。木の上から木の上へ。音をなるべく殺しながら子供たちの後を追う。

「さあ、ここですわ!」
 天使の声がする。近くの樹上まで飛び、見下ろすと、そこは円形のテーブルにいろんなぬいぐるみや少しの不法投棄されたごみを子供たちで力を合わせて移動させたのだろうか、森のダイニングのようになった秘密基地があった。
 しかし、突然どこからか何かが飛んできて……隼人は気が付けば樹上から地面へと押し倒されていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

守屋・阿蘭
悲しいなー、同じモノとしてぬいぐるみちゃんに同情するよ。
大切にしてくれる持ち主さんのところに帰せるなら、絶対助けたいなぁ。
【SPD】
俺の図体じゃ尾行は難しいかなー、まずは地道に公園の周りを調査することからはじめようか。こそこそしてたら逆に怪しまれちゃうから、挙動不審にならないように気を付けないとねー。

そうだ【スカイステッパー】で高い所からなにか調べられないかな。
視点を変えたらなにかがわかる、なんて上手くいくといいけどねー。



●空の上から
 大きな大きな公園の空を、何度も何度も空中を蹴って移動する人影、守屋・阿蘭(パライソ・f14835)は子供から逃げていた。
「まてーーー!」
「ええ、しつこいなあ……」
 それはミアスと極とウツロギを捕まえているのとは別の見張りの少年、きゅーであった。
「おまえー! 怪しいぞ! 僕たちの公園を乗っ取りに来た不審者だな!?」
 きゅーくんはそこそこ想像力豊かなようで、体が大きい自分をなぜか突然怪しんですごい形相で追いかけてきたのだ、それこそ通報でもされそうな勢いで。
「困ったなあ。このまま空から公園の偵察をするか……」
 ひょいと空を駆ける阿蘭。きゅーももう諦めればいいのに全然諦める様子がない、突き放すのは簡単だが、見失われて何処かへ報告に行かれても困るので手加減する。
「あ、待て……そっちにいくな!」
 きゅーが叫ぶ。その先には森があった。
「どーしてー?」
 阿蘭が大声で尋ね、動きを止める、きゅーも動きを止めて、荒くなった息を整える。
「そっちに行かれると、天使ちゃんが困るんだ」
「――天使?」
「そう、天使ちゃん。僕たちの大切なお友達」
「こっちに何かあるの?」
「それは……」
 この森の中に、おそらく目的の場所がある。そう阿蘭は考える。この子供の表情はわかりやすい。そういう目をしている。
「催眠術、みたいな技能持ってくればよかったな」
「え……」
 阿蘭は再び跳ぶ。高く高く跳ぶ。素早く、きゅーが一瞬で見失うくらいに素早くきゅーの後ろへ跳ぶ、そして、キューがこちらに振り返るより早くもう一度跳ぶ。そうしてきゅーの視界から姿を消した、手品のように。

「さて、そういうことなら、俺はあの森を見に行かないとなー」
 阿蘭が森の上へと空中をまた蹴りながら上り、その上を飛び回りながら木々の隙間を見る。
「あそこかなー」
 森の中で、何かが光った。秘密基地にあるゴミが光を反射したのだ、阿蘭はそれが何かはわからなかったが、そちらへとなんどか跳んで着地の威力を殺しながら降りていく。しかし、突然その森の中から何かが飛び掛かってきた。
「へっ!?」
 何とか空中を蹴って回避する阿蘭。しかし、不意をつかれてそのまま落ちる。

「あ……」
「うおっ!?」

 ――その傍の樹上で秘密基地を見下ろしていたハヤトを巻き込みながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

シーラ・フリュー
…離れて寂しくなる気持ちは少しだけ分かる気がします…多分…。
何にせよ、邪悪な力を放っておく訳にはいきませんね…。放っておいて、何かあったら困りますし…。
…あぁ、ですけど子供って何話せば良いんでしょう…ええと、分からないので話したりするのは他の方に任せましょう…!

【SPD】判定
主に【第六感】を頼りに【目立たない】ように周辺の【情報収集】をしてみます。
ちょっと高めの眺めの良さそうなマンション等があれば、そちらをお借りして【鷹の目】でスコープ越しに周囲を観察…あ、念のため今だけ弾は危ないので抜いておきます…。
周囲の怪しい物や、子供の怪しい行動等を見かけたら降りて確認しに行きたいですね…。



●調査から見える真相の糸
 すべての子供が、子供たちだけで大きな公園へ、住宅街の中とはいえ許してもらえるとは限らない。公園には何人かお母さん、あるいはお父さん乏しき人物もいた。全く関係のないカップルや散歩をする老人もいた。当然だ、ここはみんなの公園だ。
「結構、色々、聞けたな」
 シーラ・フリュー(天然ポーカーフェイス・f00863)は公園の中、静かな高台のベンチに腰かけていた。聞き疲れからかぐったりとしている。人と話すのが苦手な少女は、反面、少しの言葉からいろいろ考えてしまう。少しの情報からいろんなことを想像したりしてしまうのだ。今頃他の猟兵たちは秘密基地というものの存在を暴き、そこへ向かっていることであろう。見張り役という天使を守るパシリのような少年が2人ほどいるらしい。『きゅー』と『ゆう』という少年の母達らしき主婦が話しているのを聞いた。天使の騎士は『じぇい』で一番の親友を名乗るステータス少女が『あい』で……。結構多くの子供が天使を中心に秘密基地という遊びにはまっているときいた。そこでぬいぐるみを集め、楽園を作るそうだ。ぬいぐるみの楽園。
「これ、やっぱぬいぐるみが事件を起こしてるのと関係あるのかな……」
 目を閉じて更に考える。推理の海に溺れる。あ、これ、探偵小説でこういう描写見たことあるかもしれない、などと余計なことも考えながら。

「ねえ、なにしてるの? お姉さん」
 少年の声が耳におちる。ああ、いま推理がいい感じにまとまりそうだったところなのに。まあ、深く考えなくても結論は変わらないけれど。
 シーラは目も開けずに答えた。
「……君、きゅー?」
「え……」
 目を開ける。呆けた少年が豆鉄砲を食らった鳩のような目でこちらを見ているのと視線が重なる。当たったらしい。
「なんで、僕の名前知ってるの?」
「……」
 シーラは返す言葉を持たなかった。なぜならシーラは人と話すのが苦手だったからだ。そして、子供が相手となると本当にここから同はなせばいいかわからない。ああ、でも、追い払えばいいのだから少しきつくていいのかな。
「それは私が……」
 それ以上は言わなかった。ただ、先ほど秘密基地があるらしい森を覗くために素コープを使った銃を手に取った。ゆらりと、そして冷たいまなざしをきゅーから離さない。狙いを定める様に虚ろに見つめる。
「ひっ、う、うわあああああ!」
 所詮一般人だ。こうすれば散る。ましてや子供だし、きゅーはがんばりやだがびびり、という情報は先ほど調査で入手済みだ。
「さて、動きもあったし、秘密基地に向かうとしよう」
 シーラは銃を背負う。森で何かが空を跳び駆け回る猟兵を落とした、あれはおそらくオブリビオンだろう。狙っているのとはまた別の。ゆうの追い払い方の情報も手に入れてるし、他の猟兵を救出しつつ、全員合流したほうがよさそうだ。

●秘密基地へ
「う、うわあああああ!」
 手段は別のものをとった、ゆうのために詳細は省くが、ゆうは恥ずかしさもあってその場から逃げ出した。
「皆さん。森の中で、秘密基地周辺でオブリビオンが暴れ始めました。猟兵さんか2人、戦っています。急ぎましょう」
 シーラはゆうを追い払ったことで自由を得たミアス、極、ウツロギにそういうと、返事も聞かずに森の中へ駆け出した。3人も、すぐにその後ろに続いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ガキにゃんこ』

POW   :    お菓子が足りない、もっとにゃー。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【なぜか空腹感が増し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    食べ終わってしまったのにゃ。さあ、次の袋にゃ。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【空いた袋が増大し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    このお菓子はおまえらにはやらないのにゃ。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【独占欲が増大し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●かわいくも冒涜的な猫
「慎重にやってたつもりだったんだけどな」
 ハヤトは隣の阿蘭に愚痴る。
「あはー。ごめんねー。急にあれが飛んできたから」
 2人の目の前にいるのは、たくさんの子供の猫。お菓子をたくさん背負っている。その猫の後ろには、にっこり笑う天使と、それを守るように布陣をとる子供たち。
「ご主人様には触れさせないにゃ」
「ご主人様の大事な人形にもふれさせないにゃ」
「お前ら倒してもっとお菓子をもらうのにゃ」
 猫たちが口々と述べる。この猫もまた天使に飼いならされているらしい。子供がオブリビオンを飼いならすなんて、やはり普通ではない。あの少女は一体なぜこのようなことをするのか、何故猟兵たちを阻害したのか。
「お待たせしました!」
「でも、間に合ったみたいだね!」
 ミアスと極が言う。黙ってはいるがシーラとウツロギも合流出来た。他の猟兵たちもこちらへと向かっているかもしれない。
「何人来ても同じにゃ!」
「お前等、二度とここへ足を踏み入れられないようにしてやるにゃ」
 猫たちが腹を空かせながら猟兵たちへと襲い掛かった。

●MSより
 猫は天使に飼いならされている様子なので子供たちの避難、救出は必要ありません。むしろ子供たちは天使から離れようとしませんのでこの時点での救出、避難はあきらめてください。
ハヤト・ノーフィアライツ
うーん。やりづれえ。
まぁ、とりあえずまずは安全確保から始めるかな。
「おいちびっこ達!危ないからこっち来んなよ!」
【視力、見切り】で連中の動きを見極め、近場の奴に【早業、クイックドロウ、ロープワーク、範囲攻撃】あたりを駆使してUC【ファルコン・キャプチャー】で
超合金の投網をぶつけるぜ。
ゲットできたら子供達が居る方とは逆側に【怪力、吹き飛ばし】でポイする。
ポイしたあとは、子供達から離すように動きながら、
残ってる連中に対応だな。

連中からの攻撃は【視力、見切り】で見極めつつ【ジャンプ、ダッシュ、早業】で回避を試み、可能なら【カウンター】で網をぶつける。

攻撃を受けた場合は【武器受け、激痛耐性】で耐える


守屋・阿蘭
あは、飼われオブリビオン?面白いねー。
でもキミたちに用はないんだ、俺はぬいぐるみちゃんに会いたいの。

【SPD】
敵が集団なら俺も集団でお相手するよー。【輩】で複製した俺を14人召喚するね。
複製した俺は合体すると強くなるから、臨機応変に合体するよう指示。常に敵より強く、だよぉ。
この飼われオブリビオン、お菓子が好きみたいだねー。だから俺たちはオブリビオン本体じゃなくてお菓子のほうを狙って攻撃、そして【二回攻撃】!食べられないようぐしゃぐしゃに崩そう。
たまに、お菓子を狙うと見せかけてオブリビオンを【だまし討ち】しよう。さっき落ちたの痛かったし、人に迷惑かけちゃったからね、お返しだよー。


葛乃葉・やすな
荒っぽいことは苦手じゃが、乗りかかった舟じゃ戦いに参加しよう。

わしは後方にて味方を【鼓舞】しながらUC【フォックスファイア】で味方の援護に徹する。

味方への攻撃を妨害したり、敵の退路を防いで見せよう。

わし自身が敵を倒すのは余裕があればで良い。

わしに近づく奴は【なぎ払い】で応戦するとしよう。

※アレンジ等はOKじゃ。思う存分やるが良い。



●空腹と衝動
 ガキニャンコたちはお菓子を高速で食べ始めた。次々に大量の袋が子供たちを包み込み、隠れ蓑にする。
「ち、やりにくいったらありゃしねえ……おいちびっこ達!危ないからこっち来んなよ!」
 ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)が叫ぶ。
「いわれなくてアナタたちのところになんか誰一人行かないわ!」
 天使の声が返る。抑揚を感じない声が、生気のない声が。
「……そうかよ」
 熱戦銃を構え、ハヤトが猫を撃つ。先ずはバラバラの猫を可能な限り纏めなくてはならない。その一射が猫のもつお菓子の袋を貫いた。
「にゃぁぁぁあ……」
 かわいい猫の、しかし恨めしく恐ろしい目がギョロリとハヤトを、猟兵たちを睨み、そしてその御菓子を失った一匹がハヤトへと激しく飛び掛かる。しかし、それをハヤトの代わりにバールで叩き落とす者が一人。
「あは、飼われオブリビオン……おもしろいねー。怒ってるよあれ」
 ハヤトと共に地面に落ちていた守屋・阿蘭(ぱらいそ・f14835)はようやく体勢を立て直し加勢した。先ほどの墜落と激突の痛みが残る。しかし、やられて黙ってもいられない。
「助かる」
「いえいえ、こちらこそ先程はごめんねー」
 ブラスターを撃つにも反応しきれない速さの突撃から守った仲間に礼を言うハヤト。しかしその当人はむしろ巻き込んだことを謝りながら笑っている。猫たちはこの間にも食事を続けているようだ。
「助かるついでに、頼んでいいか?」
「え? うん。なんなりとー」
「猫をなるべく集め、子供たちから引き離して掃討したいんだが」
「へえー。いいね、面白そう。纏めればいいんだね?」
 ハヤトの提案する作戦に乗る阿蘭。そしてここでもう一人。
「よいな。わしもその作戦に1枚かんでもいいじゃろうか?」
 葛乃葉・やすな(春を待つ妖狐・f14023)だ。やすなは先程話をしていた『えい』があの子供の群れの中にいるので、その安全を確保する作戦に協力を惜しまない。
「ま、関わってしもうたしの……」
 仲間外れにされて寂しがる童。しかし、友達を連れてほこらしげにやすなと遊ぶ童。かと思えばあっさり天使に呼び出されてしまう童。まあ、そのうえこうなっておるのじゃから……なにか洗脳めいたものを感じるのう。
 やすなは推察する。
「そうか、なら頼む。とにかくできるだけ誘導してくれればいい。どうせ全部対処はできないしな」
 こちらが何か攻撃を仕掛けてもお菓子を食べるのに夢中なのがちらほらと散見されるのを見てハヤトはそうこぼす。
「よかろう? では思う存分、やるがよい」
 やすなが【フォックスファイア】をばら撒く。左右に均等に展開して猫を追い詰める様に挟み込んでいく。そして、それすら無視する猫たちのお菓子を壊して回るのが阿蘭だ。
「おやおや、食べ物を粗末にするのは感心せんがの……まあよかろう。特別じゃぞ?」
「わーい、お許し貰えた。じゃあ、どんどん猫ちゃんもふっとばそうね」
 【輩】――14人の、【舌】に1と刻印された分身を召喚するユーベルコードで現れる阿蘭の群れ。即座に何体かで合体して強化され、猫たちをどんどん叩き集める。
「あれも俺、これも俺。さあ。逃げられるかな? 飼われにゃんこ」
「はは、程々に頼むぜ阿蘭」
 一方、ファルコン・ショットで猫の逃げるルートを限定していくハヤト。3人の連携に無視できない猫が続出していく。
「何をしているの。ガキニャンコたち、ちゃんと戦ってちょうだい! 秘密基地を守るのよ!」
 天使の声だ。そして猫たちは急にピタリと動きを止めたかと思うと、今まで中央に集まるように逃げていたのがハヤトたちのほうへと飛び掛かってくるではないか。
「しっかり飼いならされてるね。よいしょ」
 バットを振り、飛び掛かる猫をもとの位置まで叩き戻す阿蘭。やすなは薙ぎ払いで、ハヤトは見切り、マイクロチェーンの薙ぎ払いカウンターで猫を押し戻し、さらに追い詰める。猫の動きもお菓子のせいか強化されていて機敏だが、迎撃だけなら問題ない。
「よし、そろそろにしておくか」
 ハヤトは一瞬のうちに編み上げた【ファルコン・キャプチャー】――超合金の投網を蜘蛛の糸のように網にして投げ放つ。
「おい、阿蘭。避けてくれよ?」
「わかってるー!」
 前線の阿蘭は網が来るとわかると第六感で猫の頭の上にルートを模索し、次々と猫を踏んでその集団から跳びぬける。
「よし! そんじゃあいくぞ。せやああああああああ」
 勢いのいい掛け声とともに網でまとめた猫を子供と逆のほうに投げ放つ。大方の猫を網に纏めて子供から引きはがせた上に、何匹かはそのまま消滅。かなりの成果である。
「まずまずじゃの。残りはわしがお焚き上げ、してやろう」
 やすなのフォックスファイア―。追い込みに使っていた炎をそのまま操って分散させ取りこぼした猫たちも一網打尽にする。

 ああ、ドウシテ。私のチカラ……
 アレは、どうして私の邪魔をするの……。

「――ガキニャンコたち! もっとお菓子を上げるから早くその人たちを追い払ってよ!」
 天使が叫ぶ。網にくるまれた猫たちの生き残りは、その叫びを聞いてお菓子で強化された力で合金すらひっかき破り次々と脱出する。戦いはまだ終わらない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シーラ・フリュー
猫は可愛いですけれど…障害になるのならば容赦はしません…。
なるべく早めに倒してしまいたいですね…!

【POW】判定
リボルバーで【早業】と【2回攻撃】を駆使して攻撃します。
なるべく早めに仕留めたいので【猟犬の咆哮】で【零距離射撃】を狙いたいですね…。

立ち位置は囲まれないように気を付けつつ。
もし囲まれそうになったら【ダッシュ】で一旦引きましょう…。

後は、お菓子が厄介ですね…。食べようとしているのを見かけたら、優先的に撃って阻止していきたいです…。
…少し勿体ないですけれど、これは仕方ない事なのです…。



●コミュ障少女は傷つかない
「にゃぁ~~~~!」
 網から抜け出した猫たちが次々に一番近くにいた猟兵に飛び掛かる。その猟兵の名はシーラ・フリュー(天然ポーカーフェイス・f00863)。もくもくと銃に弾を込め空中の猫を撃ち、反動で跳ね返す。
「次は……」
 じゃらじゃらと空になった弾が地面に落ちる、素早く次の弾を込める、お菓子の袋を開けている猫に視線を定め、地面を蹴り、前転して体制を無理やり整えてお菓子の袋を貫通し、ガキニャンコに一発。すかさずもう一発。射的の的を次々打つように流れるように3,4,5、6発。結構生き残りの数が多いな。
「にゃー! あいつにゃ! アイツからしとめるにゃ!」
「そうよ! やっちゃって!」
 猫が叫び、天使が煽る。天使の周りの子供たちが怯えている様がシーラの慧眼にうつる。一方で天使の顔は、天使という名前にふさわしく歪んでいる。
「――何、アレ……」

「よそ見してる、いまにゃーーーーー!」
 考えを阻害するように猫たちが束になって襲ってくる。しかし、シーラは動じない、視線だけを猫に移して、既にリロードして構えたリボルバーをその束に向ける。だが撃たない、すぐには撃たない。引き寄せて、引き寄せて……。

 空気が張り詰める。

 子供の猫でも、こんなにも恐ろしい形相で襲い掛かるんだな。かわいいけれど、やっぱり獣だ――。
「よし、この距離なら――これで……!」
 【猟犬の咆哮(ハウンド・ロア)】――至近距離を撃ち貫く弾丸がユーベルコードの力を内包して撃ち出される。その一撃はあまりにもシンプルで、とくに見た目に普通の銃撃と変わったところはなかったが、襲い掛かる猫の群れの戦闘の一匹が銃身に触れる瞬間。零距離から猫の体内で射角を変えながら全てを撃ち貫いた。

 ああ、獣じゃあ、ダメね。あんな子供じゃあダメだったんだわ。

 だけどもうすぐ。

 きっともうすぐ。

 私は愛する彼のため、そして愛してくれた主のために――。

 帰る力を使いこなせるようになるの。

 不法投棄されたゴミクズの中で、何かが確実に共起をはらんでいた。天使の表情はますます天使のように歪んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

幻武・極
へえ、ボクにもそのお菓子をちょうだいよ。
まあ、ボクはその人たちを追っ払ったりはしないんだけどね。

ボクはボクが加わることでお菓子の取り分が減ることに危機感を覚えた独占欲が増したにゃんこがお菓子の奪い合いを始めるように仕向けるよ。
どうせ、『このお菓子はおまえらにはやらないのにゃ。』のおまえらは自分以外のすべてを指しているんだろうからね。

ケンカを始めたにゃんこ達に幻武百裂拳をお見舞いして喧嘩両成敗にするよ。
まあ、ケンカをするように仕向けたのはボクだけどね。


ハヤト・ノーフィアライツ
来い、ファルコン・フォース!!
UC【ファルコン・フォース】を使用、ロボット軍団を展開。
5、5、6、6の配分で合体させて大型化。
【戦闘知識】で立ち回りを考えつつ指示、4体で連携して一体の猫と交戦させ、各個撃破にあたらせる。
流れ弾防止と必要とあらば盾にする為、近接主体でなるべく子供たちの居る方向から攻めさせる。

自分は【視力、見切り】で猫の動きを見極めながら、【グラップル、なぎ払い、怪力、早業、鎧無視攻撃、2回攻撃】
を用いて白兵戦を行う。
互いにフォローできるよう、ロボ達の近くで交戦する。

回避は【ジャンプ、早業、空中戦】で行い、可能なら【カウンター】を見舞う。当たったら【武器受け、激痛耐性】で耐える



●消える猫たち
「へぇ、ボクにもそのお菓子、頂戴よ」
 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)は猫の群れに紛れ込んで天使と、怯えてお菓子を投げている子供たちに問いかけた。
「あらあら。あなた……貴方も仲間に入りたいの?」
 陽気に笑う天使、極もにっこりと笑う。
「ううん。そんなわけないじゃん。ただボクもお菓子が欲しいだけ……ねえ、なんでみんな怯えてるのにここにいるの? 逃げないのかな?」
「え、あ……」
 子供たちは虚ろな目をして、何も答えない。天使も微笑んで、口を開かない。
「お前ええええ! 離れるにゃー!」
 ガキニャンコたちが極に気付き特攻してくる。
「お菓子も狙うニャー! それは俺のにゃー!」
「違うにゃ、俺のにゃー!」
 網に収まらなかった猫たちが次々と集ってくる。襲い掛かる。
「はあ、ちょっと離れてろ、そこの」
 【ファルコン・フォース(ファルコン・フォース)】で呼び出したロボットに乗ってハヤトが極に飛び掛かる猫の一部を吹っ飛ばした。
「よぉ、無事だな? 随分と派手に飛び込んだな」
「皆が猫の注目を集めてくれてたからね」
 ハヤトの呼び出した22体のロボットは4分割編成され合体し、他の猫たちを次々と退治している。天使も他の子供も相変わらず口を開かない。しかし、極があることに気付いた。
「はあ、とりあえずボクも参戦するよ。先ずは掃除をしよう。狙い通り、やりやすくなっているみたいだし」
 ガキニャンコたちは猟兵たちと戦いながら、勝手にガキニャンコ同士で小競り合いまで始めていた。お菓子の奪い合いだ。
「だな、やるか……」
 ハヤトがロボットを一度集めて再度編隊を組む。グラップルや白兵戦など様々な近接戦闘技能を組み合わせて猫たちの大掃除。ロボで子猫を蹂躙するというのは少し可愛そうにも思えるが、こちらも仕事なんでね。
「じゃ、ケンカ両成敗ってことで」
 ま、ケンカを仕掛けさせたのはボクだけど。と心の中で呟きながら極も動いた、争い合う猫たちを撃ち倒していく。
 やがて追いつめられた猫たちが集まりロボたちに囲まれる。
「纏まられると面倒だな……これで決めるね」
 【幻武流『幻武百裂拳』(ゲンブリュウ・ゲンブヒャクレツケン)】――125の、実体と実体のような確かな質量をもつ残像の入り混じった拳がガキニャンコたちに降り注ぐ。秘密基地に飼われていた幼い猫のオブリビオンたちはこうしてすべて掃討されるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『邪悪が宿ったモノ』

POW   :    人質
【一般人】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
SPD   :    幻影か実体か
質問と共に【回答者の見知った幻影】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
WIZ   :    六つ目の影
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【邪神の影】が出現してそれを180秒封じる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●天使の本懐
 ああ、そうよね、やっぱり自分でやらなくちゃ。
 ええ、わかってる。アナタも協力してくれるわよね?
 だってアナタはもう、私の……。

 すべて片付いた後で、極が言った。
「ねえ、天使ちゃん。だっけ。人形はどうしたの?」
「あら、なんのことかしら?」
 天使はフフッと笑って呟いた。極の記憶にある天使の抱きしめる人形は猫だった。しかし、猫の人形はこの秘密基地のどこにも見当たらない。代わりにあるのはくま。熊野人形そればかり。何体ものクマのぬいぐるみ。
「さあ、みなさん。邪魔が入ったけどパーティーにしましょう? あんな大人たちは放っておいて、ね?」
 天使が怯えていた虚ろな目の子供たちにいった。えい、びい、あい、じぇい、いつの間にか合流していたきゅー、ゆう。そして他の名前も知らない子供たち。ここは子供たちの秘密基地。皆くまを持っていた。そっくりなくまを。
「何をしているのじゃ? えい」
 やすながえいに問いかける。えいは言った。
「これからね、お姉ちゃんたちが秘密基地に来るから天使ちゃんがおもてなしをしようっていうんだ」
 と。おもてなし。かくれんぼ。このくまのぬいぐるみの中にお姉ちゃんたちから借りたものがあるからそれがお姉ちゃんたちに取られたらボクらの負け、夕方の鐘が鳴るまでにお姉ちゃんたちが取り返せなかったら子供の勝ち。
「お姉ちゃんたち、今日が天使ちゃんのお誕生日だから遊んでくれるんでしょう?」
「不思議な魔法を使って遊んでくれるんだよね」
「魔法だから、痛くないんだよね?」
 子供たちが無邪気に笑う。笑って走り去っていく。秘密基地に残るのは天使だけ。
「そういうことなの。だから、安心して遊びましょう。猟兵さん。ねえ?」
 天使は笑っていた。いや、天使の後ろで何か黒く蠢くものが笑っていた。

「ああ、でも気を付けてね。アナタたちが“わたし”の邪魔をするなら、私も手段は選ばないから。殺す覚悟のある人だけいらっしゃい?」
 天使が天使然として笑っていた。そう、神話の天使のように清らかで、純粋で、そして、穢れなくしかし不気味に笑っていた。人形のような美しい少女は、ぬいぐるみに使役されていたのだ。ずっと、ずっと……。

 私が撒いたのはただ見分けのつかない偽物。でも、偽物を持った子供がいつの間にか、私に召喚されて入れ替わる。ねえ。これはそういう力なの。私が帰るための、歪んだ力なの。私はこの秘密基地に集めた子供たちを何人も伝って帰る力をやっと制御できるようになったのよ。

 黒い靄にぎょろりとした目がいくつもいくつも浮き上がり、猟兵たちを睨んだ。真っ黒な影の力を手に入れたくまのぬいぐるみは、真っ黒な影のチカラに飲まれて邪神にも匹敵する力をもってただ、愛する人を取り戻そうとしていたのだ。愛する人の元へ帰ろうとしているのだ。その力が今も、そしてもし帰ったとしても新なっる悲劇を呼び起こすものだと、影に教えてもらえずに。だって彼女は。ぬいぐるみはしょせん影に操られているというのが揺ぎ無き真実なのだから。


●MSより
 マスコメにある通り、ぬいぐるみしか救えません。また、判定によっては天使以外の子供も召喚され盾になるということもあり得ます。子供は必ず息の根まで止めなければいけないわけではありませんので、そのあたりの対策をしたうえでプレイングをお願いします。対策が不十分であったりすれば相手は脆く弱い一般人の子供ですので不幸な事故もあり得ます。しっかりと対策をなさるか、最悪そうなっても構わないプレイングをお願いいたします。
守屋・阿蘭
天使ちゃんがぬいぐるみちゃん?
んー……よくわかんないけど、そのままじゃ持ち主さんのところに帰れないね。もったいないことしたね。
【SPD】
一般人だもんね、思いっきり殴るのはだめか。
布でバールをぐるぐる巻いてー(洋服をびりびり破る)
【輩】で召喚した俺の武器も同じように!
あとはミネウチを心がけよー
15人居る俺のうち、12人は子供たちを捕まえる係。
捕まえたらぬいぐるみを取り上げて【手をつなぐ】で押さえる。
抵抗したら【恐怖を与える】くらいに怒って。って指示しとこう。
俺は天使ちゃんの後ろの影を狙って攻撃!
思いっきり行くからさ、残り3人の俺は適宜、天使ちゃんや入れ替わった子供を【かばう】ように動いてねー。


ハヤト・ノーフィアライツ
しょうがねえ、腹をくくるか…
さっき展開した合体ファルコンフォースのうち一機を分離し5体に。

自分はUC【ファルコン・ブースト】を起動、高速移動開始。
【ダッシュ、ジャンプ、早業、空中戦】を駆使して突撃。ファルコン・フォースも
大きい順に自分の後方へ追従させる。
攻撃には【見切り、視力】で確認し、【早業、激痛耐性、武器受け】で対応しつつ間合いを詰める。
幻影には【勇気】で直球回答。
「大したことじゃないね!」
間合いに入ったら【グラップル】で天使へ組み付き。動かすのに力が居るなら【怪力】も使って、物理的に避難させ、分離させたロボット達へ受け渡し、庇わせる。
無理なら自分で【かばう】
並行して本体の影に総攻撃だ。


月代・十六夜
罪もない子供たちねぇ。はてさて、邪神に巻き込まれるとは不幸なことで。
ご愁傷様、ご冥福をお祈りいたしますってなもんだ。
まぁやれるだけはやるとしましょうかね。
散り散りになった子供達を【韋駄天足】で追いかけて、持ってるぬいぐるみを片っ端から【虚張盗勢】で盗んで回収していくとしよう。
何、子供の動きなんてしっかり【視れ】ば【見切る】のは容易いし【フェイント】絡めればそこまで難しくもないだろ。
本物にぶち当たったらソレはソレ。【第六感】と【野生の勘】で一発は死ぬ気で【見切っ】て味方に連絡して【韋駄天足】で速攻オサラバかな。
困る質問ないし、当たっても別に構いやしないが。


葛乃葉・やすな
あの黒い靄を好きにさせては厄介じゃな。
わしは奴を邪魔をして【時間稼ぎ】に徹するとしよう。

【戦闘知識】と【地形の利用】を駆使してわしの攻撃があの黒い靄に届き且つ横槍が入り難い場所まで【目立たない】範囲で【ダッシュ】する。

所定の位置に着いたら【先制攻撃】でUC【秘技・鬼門封じ】を使用する。

鬼門封じが成功した後、攻撃を受けた場合は【オーラ防御】と【激痛耐性】でやり過ごす。回避はせぬ。
UCは何がなんでも解除しない【覚悟】を持って行動するぞ。

あとは他の猟兵に任せるとしよう。

このUC使っているだけでめちゃくちゃしんどいのじゃ。

※アドリブや絡みはOKじゃ。


シーラ・フリュー
あぁ、もう。分かってはいたものの厄介ですね…。本当は子供達は傷付けたくないのですけれど…。
なるべく子供は傷付けないように…そこは一番気を付けていきたいです…。
でしたら…今回は銃はダメですね…。銃以外はあまり自信はないですけれど、仕方ないです…!

【SPD】判定
今回は【グラップル】とかをメインでいきます…!
敵の動きを【見切り】ながら【ダッシュ】で近付いて、【狼牙】で影を攻撃です。
子供が居たら、なるべく当てないようには気を付けます

これは幻影…?それとも実体…?沢山のぬいぐるみから、正解を当てれば良いんでしょうか…?
多少【第六感】頼みではあるのですけれど…元々の位置…つまり一番奥、でどうでしょうか…!



●天使の影の悪魔
 天使は笑う。できるはずはないと、だって私は命を懸けているのだ。ああ、なんで私は命を懸けているんだろう。あれ、ドウシテ……

「ご愁傷様!」
 月代・十六夜(韋駄天足・f10620)は一目散に天使の人形を盗りにかかった。ユーベルコード【韋駄天足(イダテンソク)】で地面を蹴り、一気に距離を詰め、さらにユーベルコード【虚張盗勢(フトコロノナカミオイテケ)】を発動しようとする。
「でも、それには弱点がある、どんなに早くなっても、ユーベルコードの発動には、こちらのユーベルコードが介入する隙ができる……そして、貴方の今発動しようとしているユーベルコードの弱点は……」
 天使が至近距離の十六夜に物おじせず笑う。そして、さっとフリフリのワンピースの中にくまを押し込みぎゅっとそれを抱きしめる。
「――結局、ダメージを与える気がないということです」
 ダメージを受けない、奇跡的な早業による窃盗。しかし、痛みがないとわかっていれば、致命的な痛みはないとわかっていれば、そこに付け入るスキがある、ダメージを与えなければとれないほどのかたくなまでの防衛。それでも可能にしかねないのがユーベルコードだ、だが今は違う、天使の指摘もまた、ユーベルコードなのだ。天使の体を介して、黒い影の幻影が使ったユーベルコードだ。だから、本来ならこのまま十六夜のユーベルコードは封じられ、盗みは失敗するはずなのだ。ダだが……。
「さて、問題です。私は本物の人形を持っていたでしょうか、そして私にまとわりつくこの影は幻影? それとも……」
 天使がクスリと笑う。そして、天使から奪った“ねこ”の人形を手にした十六夜が答える。
「幻影だ……そして、偽物だ」
 天使は意識を手放して倒れた。黒い影が天使の体から消えていく。本物はどこへ……。十六夜は走る、そして追いかける。逃げ散った子供たちを。
「皆、こいつは偽物だ、他の子供が持ってる!!!!」
 仲間に警告し、韋駄天足で一足先に子供たちの捜索に当たるのであった。

●本物は一つ
「つまり、皆くまを持っておったが、それはほとんどがこの猫のように偽物じゃったというわけじゃな。まったく、集団戦でもないのに厄介じゃ」
 葛乃葉・やすな(料理好きな妖狐・f14023)が言う。
「とにかく、捜索だ。鬼ごっことはな」
 ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)が合体させた4体のうちのロボット1体を5体に分解して飛び立たせる。天使を押し倒してでも人形を手に入れるつもりだったが、それが偽物とは考えなかったし、普通考えないだろう。あの黒い影の、ぬいぐるみに取りついたものの歪み。性格が悪いな……。
「それでもあまりバラバラになるわけにはいきません」
 シーラ・フリュー(天然ポーカーフェイス・f00863)が口を開く、いや、その、いつもなら言うか悩むのですがここは、それに相手はこちらのユーベルコードの弱点を指摘して封じる上に生贄まで既に確保している。そういえば、これまでに人形の行方が変わるようなヒントはなかったか……。中心核であった以上、普通であれば天使が本物を持っているもの。それとも、騎士の二人のどちらか……? うろつきまわっていた足止めの二人はおそらく違う、歩き回る時に人形を持っていなかったし、合流も私達より後で、戦闘中子供の様子を見ていた人が何人かいたからそんな余裕はない。
「うーん。よくわからないけどみんな捕まえちゃう?」
 服を破り、バールに巻き付け手加減の準備が完了した守屋・阿蘭(ぱらいそ・f14835)が言った。しかしそこで、ようやく考えがまとまったシーラが手を上げて口を開く。うーん。人と話すのは苦手なんだけどな……。
「あの。一つ心当たりがあるんですけど」

●変わった人。変わった状況。
 猟兵より先、あるいは同時にこの秘密基地に来ていて、もっともこの場にいてもう状況を飲み込みぬいぐるみを持って逃げている人物は一人だ。
「待つのじゃ、えい」
 やすなが少年、えいを引き留めた。えいはぴたりと動きを止める。
「まったく、せっかく仲間に入れたと思うたら、そんな役割を回されたのじゃな、おぬしは」
「――お姉ちゃん」
 えいが振り返る。その目には正気がない。

 回想――。
「そうだな、そういえばあの少年は途中から目に輝きがないように見えた」
 森の中で偵察していたハヤトが言った。それは、シーラの推理をより強固にするように、ハヤトも同意した。
「じゃあ、その子を探せばいいんだね、先に空から探すよ」
 阿蘭はぴょんとジャンプで空を何度も蹴り偵察に出る。
「おい皆、大体のぬいぐるみは回収できたぜ。まあ、全部外れだけどな……」
 十六夜が大量のしまうまやぞうやきりんのぬいぐるみを持って帰還する。えいはみつけられてないのか……。
「ロボットの方もダメだな。公園を結構探させてるのだが」
 ハヤトも収穫は今のところないらしい。だが、ここでやすながある一つの可能性に気が付いた。
「なあ、お主ら。あのぬいぐるみはたしか、主や貝人の熊のところに行きたがっているんじゃろう? ならば、もしや……」
 全員がはっとする。公園にはもういない可能性があったのだ。いや、しかしそれにしてもすばしっこいな。
「皆! 見つけたよ! あっちの路地の方!」
 空中から阿蘭が飛び降りて報告した。全員は誰からでもなくうんと頷き、走り出した。

 ――回想終わり。
「あーあ、折角仲間外れにされてたのを使っていまからかえるところだったのに、どうして邪魔をするのさ……」
 えいは天使のような悪魔の笑顔で笑う。
「でも、これで小細工は終わりです、5人相手なら貴方に勝ち目はありません」
 シーラが上着を脱ぎ捨て、拳を握る。
「そうだ、俺はそいつも絶対に助けるぜ」
 ハヤトが勇気をもって覚悟を決める。
「それに、そのままじゃ持ち主のところには返せないよ」
 ユーベルコード【輩(トモガラ)】をつかって複製した3人の阿蘭とともに阿蘭もいう。なお、15人に分裂したのだが残りの12人は子供たちの確保と避難などに充てている。
「さっきは危うくコケにされかけたしな。ご愁傷様。ゲームオーバーだぜ黒い風」
 十六夜はえいのうしろに蠢く黒い影に挑発する。
「とにかく、一度は関わった身。かならずえいの坊主を解放し、ぬいぐるみにはもとの普通のぬいぐるみに戻ってもらうのじゃ!」
 やすなは右手から妖力波を放った。それを合図に猟兵たちが特攻する。
「ふん、こんなものあたらなければ……」
 えいが憎たらしい男の子らしい口調で妖力波をよける。
「まず、そこの白髪のお姉ちゃん。弱点はフェイントをかけられず、コミュ障だからうまく口車による誘導もできないからその素早い近接技が十分に生かせていない」
 えいは初撃を放つシーラの人間的弱点まで指摘してシーラのユーベルコード【狼牙(ウルフ・ファング)】を素早く回避する。えいじたいにはなるべく当たらないように気をつけていたのも仇となった。そのまま狼牙を封印される。
「つぎ、お兄ちゃんか。寿命を削るのは確かに弱点だけど、覚悟してる以上それはただの代価……。防げないな」
 えいはハヤトのグラップルをうけ押し倒される。しかし、絶対にぬいぐるみは離さなかった。人間離れした力だ。
「くそ!」
 怪力で無理やりにぬいぐるみを抱く腕をこじ開けようとすれば腕が折れたり取れてしまうかもしれない。それなら、人形の耐久に期待してそちらを無理やり奪うしかない。
「ねえ、でもお兄ちゃんは僕をかばってくれるんでしょう?」
 ぬいぐるみを離さないのにかばえるわけもない。それは目的とは違う、俺はお前とぬいぐるみを引き離して守りたいんだ。
「おい、ちょっと道を開けてくれ」
 十六夜が今だとばかりに虚張盗勢を再発動しぬいぐるみを奪おうとする。
「だめだよ、ダメ。渡さないよ。ボクに意識がある限り」
 強い意志でかたくなにぬいぐるみを抱きしめる。だって、こうしているあいだはボクは彼女の、彼女に宿った黒い力を受けて強くあれるんだ。意識の操作を奪われたえいは、まるで自分が本体のように振舞うのだ。
「はあ、手加減はするから、悪いけどどいてーハヤトくん」
 阿蘭が布で巻いて殺傷力を下げたバールをさらに手加減してえいに振り下ろそうとする。しかし、それに割り込むように、ハヤトに拘束されたえいにむかって妖力波が再び放たれ、命中した。
「まて」
 やすながいう。
「わしの奥の手!秘技・鬼門封じ!!」
 えいが光に包まれて、えいの腕の中のぬいぐるみの中の邪悪な影が悶絶するように激しく動く。ハヤトの手の中でえいの意識が飛び、人形を持つ手が緩まる。
「今だ! ――盗った!」
 十六夜がぬいぐるみを素早く手に取り、おもいっきりふる。邪悪な影が苦しみもが気ながらその正体をぬいぐるみから漏れ出す。黒き漆黒の影の塊、たくさんの影が恨めしく、赤い眼をさらに真っ赤にして猟兵たちを睨みつける。だが、シーラ、そしてハヤトも、阿蘭も、やる気は十分だ。
「コレになら、手加減する必要はない」
 シーラが一度はしまった銃を素早く取り出し、黒きに密着させる。
「うん、最大の一撃でまどろっこしいのは終わりにしようねー」
 阿蘭が4人ともバアルの布をとり、それを振り上げる。
「最後は全力で行かせてもらうぜ」
 ハヤトも破壊エネルギーのこもった拳で影を掴んだ。黒き影は怒り震えながら、彼らの攻撃を一度に受けた。零距離射撃、零距離からの破壊エネルギーの放射、そして、思い切り振り下ろされる影の頭上からのバールの四方からの一斉攻撃を。

 嗚呼、やっと手に入れた力だったのに。
 嗚呼、やっと会いに行けるところだったのに。

 ぬいぐるみに宿った黒い意志は、こうして霧散するのであった。

●被害は最小限に
 結局、天使は目を覚ますことなく、病院に運ばれた、子供たちはほとんど無傷であったが、精神的ダメージがひどかった。目覚めていない天使はおいておいて、残りの子供たちで一番ダメージが大きかったのは、一気に無理やり意識を洗脳されたえいであった。猟兵たちはぬいぐるみをを持ち、グリモアベースに帰還する。ぬいぐるみ一つにずいぶん振り回されたものだが、このぬいぐるみにも、これだけの力を宿す何かがあったのだ。ぬいぐるみは後日グリモア猟兵によって元の持ち主のところに還るであろう。謎は多く残ったが、猟兵たちを求める依頼はあまたある。猟兵たちはすぐに元の生活へと戻されていく。
 そして、子供たちもじきに元の生活に戻るであろう。秘密基地は厳重に禁止になると思うが。そして、えいからは数日後、やすなに遊んでくれてありがとうという手紙がよこされたという。

なまえのない怪物~きえたたからもの。完。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月05日


挿絵イラスト