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闇の救済者戦争⑪〜|朝《あした》のためのグラディウス

#ダークセイヴァー #闇の救済者戦争

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 台の上に一振りの短剣が置かれている。次の戦場に関連する道具の見本として、同じような形状のものを取り寄せたのだ。

 名称をグラディウス。
 剣闘士が用いた短剣であり、刃渡りは50センチ程度。
 幅広の両刃は頑丈かつ、切れ味に優れる。

「見ての通り、古代の帝国で使われていたような無骨で飾り気のない実用的な剣だ。鉄と鋼で作られていてずしりとした重みがある」
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は台の上に手を置き、使い込まれて傷だらけの刃を見下ろした。それは|剣闘士《グラディエーター》の語源であり、当代の戦争においては敵味方の入り乱れる接近戦において特に威力を発揮したという。
「次の戦場ではこのグラディウスを使って戦うことになる。他の武器は使用不可能。舞台は一面の剣が生えた草原の真上に作られた闘技場だよ」

 闘技場に降り立つと下方に広がる剣の草原から一本のグラディウスが飛来してその手に収まるだろう。対峙するのは同じくグラディウスを構えた古の国王。
 かつて伝説の国を造り上げたとされるが、その詳細を知る者はもはや残されていない。

「この場所は実にいろいろな使われ方をされていてね。魂人の奴隷同士の決闘や奴隷と凶悪な魔獣を戦わせるといった興行はもちろんのこと、『何らかの罪を犯した闇の種族』を痛めつけ、発狂に追い込んで下層へ放逐する手段としても利用されていたらしい。そうなるとある種の処刑場でもあったわけだ。負ければ場外へ放り出され、草原のように生い茂る剣の群れに全身を貫かれておしまい」
 無論、猟兵はそれくらいでは死なないが、闘技場のルールとして場外への落下はすなわち敗北と弁えるべきだろう。
「まあ、闘技場はかなり広いから意図的に落とそうとしない限りは気にしなくて大丈夫。今回はこのグラディウスを使用した剣戟戦という方に重きが置かれている。普段とは違う武器を使った戦いというのもまた面白いものだと俺は思うよ。一振りの剣を手に死合いを勝ち抜く。ね、シンプルでわかりやすいルールでしょう」


ツヅキ
 プレイングが送れる間は受付中。
 早めのお返し予定です。

●第1章
 闘技場にて、剣の草原から飛来するグラディウス(短剣)を用いた決闘を行います。ユーベルコードとの併用も可能。闘技場は巨大な円形で障害物等はありません。
 同じようにグラディウスを使って戦う敵オブリビオンを正々堂々の剣戟戦で打ち破ってください。

 飛来した|グラディウス《短剣》を用いて戦う。
 プレイングボーナスは以上です。
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第1章 ボス戦 『賢王『ジョン』』

POW   :    旭日昇天
自身の身長の2倍の【国造りの権能を持つ天空神】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    捲土重来
【国や民、自身に敵意】を向けた対象に、【国そのものの重み】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    国士無双
対象のユーベルコードを防御すると、それを【民の分だけ保有して奪い】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:chole

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!

ワルな方々は遊び方もワルなんですね!
私が躊躇するようなことを平気でしちゃう方々は滅ぼさなくては!
なぜなら私よりワルだから!

私の相手はおじいちゃん!ご年配の方を痛めつけるなんて超ワル!
でも頑張ります!
と思ってたら巨大な人が巨大な剣で襲い掛かってきました!
UC【至悪!罪業集塊理裂刃】で尻尾に一枚に凝縮したオーラの剣で巨人の剣を受け流し
『衝撃波』を使った『ダッシュ』で懐に飛び込んで
グラディウスでおじいちゃんを一刀両断しちゃいます!



「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター!」
 名乗りを上げるダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)の手に収まったのは柄に何かの紋様が刻まれた一振りのグラディウス。
「凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
「ほう、魔王とな。儂はジョンという。かつては賢王と呼ばれていたこともあったが、もはや昔のことだ」
 対峙する賢王は頷き、手にしたグラディウスを構える。すると彼の背後に巨大な天空神が現れた。その手にはもちろん巨大化したグラディウスが握られている。
「本当にやるのか? いまならまだ引き返すこともできるが……」
「駄目です! 私よりワルな方々は滅ぼさなくちゃなりません!」
「なぜだ?」
「簡単です。私よりワルがいては魔王の名が廃ってしまいますからね!」
 というわけで、かなり年配の相手を痛めつけるという超ワルな戦いに頑張って勝利しようとするダーティだったが、天空神の振り下ろす巨大版グラディウスの前に為す術なく倒されてしまうのか――と思われた時だった。
「負けられないのです!」
「――む!?」
 受け止めたのは尾から伸びる赤紫色の矢印をしたオーラの剣。器用に相手の刃を受け流し、がら空きになった賢王の懐へ飛び込む。
「てえぇぇい!」
 駆け抜ける時には衝撃波を使い、もの凄いスピードで距離を詰めたダーティはその手のグラディウスで賢王を一刀両断にしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バロメリアン・マルゴール
行動:魔術で隙を作り、短剣に光魔術と相手の技の重みを載せ攻撃する

なるほど、一国の重みを背負った王か
オレの歌も猟兵の歴史という重みを背負った歌でね
聴いていってくれ、ムッシュー

歌から生まれる光の魔法と、同じように光を纏わせたグラディウスや蹄キックで戦うとしようか
武器戦闘自体はマイクスタンド振り回しである程度慣れてるからな

相手の重圧は素直に受けるぜ
魔術攻撃は重力で鈍らないし
これでも軍人。多少の痛みは堪えられる
そして何より

あぁ、実にいい重みだ
そのまま返してやるよ、ムッシュー!

科せられる重み
それをそのまま上から下へ攻撃する力に変えるのさ
光魔術の連続攻撃で隙を作り
短剣による斬撃にその重みを載せて切り裂くぜ



 まったく悪趣味な場所と武器だが、|殺し合い《それ》すらもバロメリアン・マルゴール(戦場の光・f39933)の手にかかれば煌びやかかつ華やかな|舞台《ステージ》になるのだから皮肉が効いている。
「本日の観客がいないことだけは心残りだが――」
 バロメリアンは優雅な微笑みを浮かべ、一振りの剣のみを携える賢王を見つめた。

 果たして勝者は、一国の重みを背負いし王か猟兵の歴史という重みを背負いし歌か。

「ふたりきりの決闘というのも決して悪くはないね、ムッシュー」
「ああ。とても厳かな気分になれる」
「オレの歌を聴いていってくれるかい?」
「無論。そなたも儂の剣技を味わいたまえ……!」

 壮絶に殺し合わせるための場所が今だけはバロメリアンのために美しき光で彩られ、無骨なグラディウスも光り輝く宝剣の如き様相を呈していた。
「ぬ……!?」
 相手は歌うたいの優男とでも見くびったのか、甘い突きを繰り出した賢王はすぐに自分が相手の価値を見誤ったのだと知る。
「貴様、武術の心得があるな?」
「こう見えても軍人でね」
 一瞬の隙を突き、バロメリアンの刃が賢王の脇腹を抉った。これがグラディウスではなくマイクスタンドであれば最高のパフォーマンスであったろう。とっさに退こうとする相手の足下を蹄で払い、安易な立て直しを許さない。
「おのれ――!」
 一国の主の意地をかけ、賢王はただでは倒れなかった。
 発動する捲土重来。ずしりとバロメリアンに圧し掛かる重みこそ、彼が背負う民の命、希望、未来、夢。あらゆる全てを乗せた一撃が直撃すれば、ただでは済まなかったに違いない。
「これが、君の国の歴史の重さなんだね」
 両手で掲げた刃にあますところなく受け止めたバロメリアンは、薄っすらと唇の端を笑みの形に吊り上げた。痛みなど知ったことか。どれだけの重みをかけようが、光魔法は軽やかに舞台を染め上げるだろう。
 ――まるでカノンのように、『m'aider er er……』――。

「それじゃお返しするよ、ムッシュー……!」
「なに……!?」
 科せられる重みが上から下へと入れ替わり、乱舞する光の音符を隠れ蓑にして賢王の喉元を切り裂いた。その瞳が信じられないものを見たかのように瞠られる。
「よもや、歌にこれほどの力があるとは信じられん」
「冥土の土産にいいことを知れたじゃないか。ああ、歌は最高の文化さ。光と共に嗜むのなら尚更にね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
武器はお互いに同じ短剣だと言うが。召喚した何かしらが巨大なそれを持つのは果たして同条件と言えるのか……いや、似たUCを持っていれば同じ事をやっても良いという意味では、それなりに公平ではあるのか
尤も、俺はそんなUCを持っていないので、ただの短剣を振り回すしかない訳だが

とはいえ、単純に振り回しても意味がないから……奥義【無想】
刀と短剣はもちろん別物だが、とはいえ通じる所はある、最大限効果的な剣術をこの場で編み出して挑む

召喚された天空神とまともにやりあっても仕方ない
力を上手く受け流せば、得物の大きさに差があってもどうにか凌げる
どうにか躱したところで本体へと一気に接近。直接の斬撃を叩き込む



 反則だ、というつもりはないけどね。
 それにしたって、これは“同条件”だといえるのか?

 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)はそびえるほどに巨大な天空神を見上げ、やれやれと肩を竦めたい気分になる。
「拡大解釈にも程があるな」
「ルールは守っているつもりだが?」
「俺もそういうユーベルコードをひとつやふたつ持っていてもよかったかもしれない。まあ、無い物ねだりをしても仕方ないので取り合えず|短剣《こいつ》を振り回すしかない訳だが」
 どこまで本気なのか鏡介は呟き、軽く弄ぶようにグラディウスを手の内に転がした。日本刀とはまるで違う握り心地。芸術品の趣きがある前者に比べ、これはどこまでも実用的だ。
(「とはいえ、勝手が違うのは明らか。応えてくれ、お前をどういう風に扱えばいい?」)
 頭上より圧倒的な力で振り下ろされる天空神の巨大剣はいともたやすく鏡介を両断するかに思えた。
「なに――?」
 賢王の目に映るのは、小さき刃で倍以上もの大きさのグラディウスを受け流す鏡介の姿であった。まるで受け身を取るように最小限の力で攻撃をいなした鏡介は一気に床を蹴って駆けた。流れるような所作でグラディウスを構え、水平に突き出す先は敵の胴体。
「しまッ……」
 鏡介は自分の体ごと相手へぶつかるようにして、その身に深々と刃を突き刺した。
「これが、この場における最大限効果的な|剣術《戦い方》さ。ただの短剣を振り回すだけでも、色々と工夫はできるからね」
「ぐッ、見事――」
 賢王は血を吐き、ぐらりと上体を揺らがせる。一心同体の天空神もまた腹部に巨大な穴を穿たれ、地響きを鳴らしながら膝をついた。
「これぞ奥義【夢想】。どうやら、一本取ることができたようだな」

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎

ドーモ、ジョン殿!
賢王と呼ばれるアナタと正々堂々バトルを所望しマース!
私用するのはグラディウス、そして戦うのはワタシたち……ではありマセーン!
カモン、ビッグ・バルタン!『BARU-!』
ワタシのビッグ・バルタンとそちらの天空神!
どちらがより強いか、正面からぶつかりマショー!
小細工無しの真っ向勝負もまた、醍醐味であります!

ワタシが装備したグラディウスをビッグ・バルタンもトレースするので、お互い獲物は同じ。
あとは操縦者の腕の見せ所であります!
空中戦で翻弄したり、脚を使って吹き飛ばしたり。
相手の攻撃を受け流してからのカウンター、切ったり刺したり臨機応変に対処しマショー!



 目には目を、歯には歯をという言葉が古来から存在する意義はただ一つ。究極的なまでの|公平性《・・・》だ。文句のつけようがないそれは、確かに小細工無しの真っ向勝負そのものだった。

「ハロー!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)を肩に乗せた機動兵器が『BARU-!』と叫んだ。特徴的な髪型と服装が本人にそっくりのビッグ・バルタンが闘技場に着地すると、その身長がほとんど天空神と同じであることに気づかされる。
「ドーモ、ジョン殿! 賢王と呼ばれるアナタと正々堂々バトルを所望しマース!」
「ほう! これは面白い。儂の天空神とどちらが強いか戦い合わせようというのだな?」
「イエス! 話が早くて助かるであります!」
 実に楽しそうにバルタンは言い、賢王も不敵な微笑みでその挑戦を受けた。2体はほぼ同時に天を翔け、激しく剣と剣をぶつかり合わせる。
「さすが、天空神の名に恥じない飛びっぷりデース!」
「貴様こそ、なかなか鋭い剣捌きではないか!」
 賢王の動きを完全に|模倣《トレース》する天空神の一撃は凄まじく、まともに受ければひとたまりもないはずだ。にも関わらず、ビッグ・バルタンは器用に左右へ振って的を絞らせないばかりか急旋回して蹴りを放つという離れ業を駆使して強敵の天空神をはるか後方にまで吹き飛ばす。
「ぐッ」
 賢王はすんでのところで踏み止まり、体勢を崩しながらも一撃必殺の薙ぎ払いを放った。すかさず、バルタンがグラディウスを真横に構えるとビッグ・バルタンも同じような防御姿勢で剣撃を迎え撃つ。
「もらったぞ!」
「それはどうでショー!」
 天空神の巨大剣が振り下ろされた瞬間、ビッグ・バルタンは激しい剣戟の衝撃をうまくいなして敵の懐へ潜り込むと|反撃《カウンター》の突きを繰り出した。垂直に閃く刃が天空神ごと賢王を斬り伏せ、ついに膝をつかせたのである。
「馬鹿な、この儂を剣技において超えるというのか!?」
 ビッグ・バルタンを従えたバルタンの長い髪とメイド服の裾を戦風がはためかせていた。バルタンは腰に手を当て、高らかに告げた。
「どうやら|ワタシたち《猟兵》の勝ちみたいデスネー!」
「……この闘技場を生きて出るのは貴様等のようだな。出口はあそこだ」
 消えゆく賢王の枯れた指先が示す先で外界へ繋がる扉がゆっくりと開いてゆく。
「ゆけ、|朝《あした》が待っている」
 バルタンはにっこり笑って敬礼した。
「イエッサー!」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月09日


挿絵イラスト